JP2017062143A - 放射性セシウムの除去方法及び除去装置 - Google Patents

放射性セシウムの除去方法及び除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウムを含有する廃棄物の減容化の際に生じる加熱生成物の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら減容化が図れる放射性セシウムの除去方法及び除去装置を提供する。
【解決手段】放射性セシウムで汚染された廃棄物Wと、酸化カルシウム源と、塩素源とを調合する原料調合装置2と、調合装置からの調合物Mを加熱する加熱炉31と、加熱炉の排ガスGを冷却する冷却塔41と、冷却塔の排ガスG1に含まれるダストを粗粉Cと微粉とに分級する分級機46と、分級機で分級された粗粉を水洗する水洗装置44と、水洗装置で水洗された粗粉を固液分離する固液分離機45と、固液分離機で固液分離された粗粉を含む固体側を加熱炉へ供給する供給装置とを備える放射性セシウムの除去装置1。冷却塔は、固液分離機からのろ液Fを用いて加熱炉の排ガスを冷却することができ、分級機で分級された粗粉にカルシウム源を添加する添加装置を設けてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムを含有する廃棄物から放射性セシウムを除去する方法及び装置に関し、特に、放射性セシウムを含有する廃棄物を減容化すると共に、加熱生成物の放射性セシウム濃度を低減する方法等に関する。
土壌に取り込まれた放射性セシウムを除去するため、例えば、特許文献1には、放射性セシウムで汚染された土壌をロータリーキルンで加熱し、キルン排ガスを冷却して放射性セシウムを含む微粉を生じさせ、キルン排ガス中の粗粉を回収してロータリーキルンに返送し、キルン排ガスから微粉を捕集する技術が記載されている。この技術により、放射性セシウムが微粉として高濃度に濃縮されて減容化が図られ、中間貯蔵又は最終処分の負担を軽減することができ、放射性セシウム濃度が低減された焼成物を得ることができる。
特開2013−19734号公報
上記放射性セシウムの除去技術では、キルン排ガスに含まれる粗粉を回収してロータリーキルンに返送しているが、この粗粉には、微粉ほど高くはないものの元の廃棄物よりも高濃度の放射性セシウムが含まれており、これが循環濃縮することにより焼成物の放射性セシウム濃度が増加する要因となり得る。また、NaClやKCl等のアルカリ塩素化合物も多く含まれているために溶融し易く、この溶融により粗粉中の放射性セシウムの揮発が妨げられるため、これも焼成物の放射性セシウム濃度が増加する要因となり得る。その結果、これらが焼成物を土工資材等に利用する上で障害となる虞がある。
上記問題を回避するため、粗粉をロータリーキルンに返送せずに微粉と共に回収すると、焼成物の放射性セシウム濃度を低減することはできるものの、キルン排ガスからの回収物(微粉及び粗粉)の放射性セシウム濃度が低下し、かつ回収物の量も増加するため、放射性セシウム含有廃棄物の減容化の意図に反する。
そこで、本発明は、上記解決課題に鑑みてなされたものであって、放射性セシウムを含有する廃棄物の減容化の際に生じた加熱生成物(焼成物)の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性セシウムの除去方法であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源と、塩素源とを調合し、調合物を加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させ、前記調合物の加熱により生じたガスを冷却し、冷却後のガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分級し、分級後の粗粉を水洗して固液分離し、固液分離後の前記粗粉を含む固体側を前記調合物と共に加熱することを特徴とする。
本発明によれば、冷却後のガスを分級して得られた粗粉を水洗することにより、粗粉に含まれるNaClやKCl等のアルカリ塩素化合物を溶解させて除去することで、水洗後の粗粉自体の溶融を防止し、かつ調合原料に粗粉が混合されて溶融し易くなることを防止して放射性セシウムの揮発を促進させることができる。また、CsCl等の水溶性の放射性セシウムを溶解させて除去することで、放射性セシウムの循環濃縮を抑制することができるため、加熱生成物の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることができる。尚、粗粉水洗後の固液分離は、厳密ものである必要はない。すなわち、固体側にろ液の一部が多少混入していてスラリー状となっていてもよく、逆にろ液に粗粉が多少混入していてもよい。
上記放射性セシウムの除去方法において、前記分級後の粗粉に水を添加してスラリーとした後該スラリーを固液分離することにより前記水洗を行い、前記粗粉を含む固体側として脱水ケーキを得ることができる。これにより、粗粉に含まれるアルカリ塩素化合物やCsCl等の水溶性の放射性セシウムをより確実に除去することができる。また、脱水ケーキの比表面積が水洗前の粗粉と比較して減少したことで、脱水ケーキを加熱する際に溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進することができる。
また、前記固液分離後のろ液を、前記加熱により生じたガスの冷却に用いることができる。これにより、ろ液の水分を蒸発させ、ろ液に溶解するCsCl等を固体状の放射性セシウムとして回収することができる。また、冷却水の使用量を抑えることができ、また、排水処理設備を別途設けなくて済むため、コストを抑えることができる。
前記分級後の粗粉にカルシウム源を添加した後、前記水洗を行うことができ、これにより、水洗後の粗粉自体の溶融をより確実に防止することができる。また、水洗された粗粉の固液分離が容易となる。
さらに、本発明は、放射性セシウムの除去装置であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源と、塩素源とを調合する原料調合装置と、該調合装置からの調合物を加熱する加熱炉と、該加熱炉の排ガスを冷却する冷却塔と、該冷却塔の排ガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分級する分級機と、該分級機で分級された粗粉を水洗する水洗装置と、該水洗装置で水洗された粗粉を固液分離する固液分離機と、該固液分離機で固液分離された前記粗粉を含む固体側を前記加熱炉へ供給する供給装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、冷却後のガスを分級して得られた粗粉を水洗することにより、粗粉に含まれるNaClやKCl等のアルカリ塩素化合物を溶解させて除去することで、水洗後の粗粉自体の溶融を防止し、かつ調合原料に粗粉が混合されて溶融し易くなることを防止して放射性セシウムの揮発を促進させることができ、また、CsCl等の水溶性の放射性セシウムを溶解させて除去することで、放射性セシウムの循環濃縮を防止することができるため、加熱生成物の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることができる。尚、固液分離機での固液分離は、厳密ものである必要はない。すなわち、固体側にろ液の一部が多少混入していてスラリー状となっていてもよく、逆にろ液に粗粉が多少混入していてもよい。
上記放射性セシウムの除去装置において、前記供給装置は、前記固液分離機からの前記粗粉を含む脱水ケーキを前記加熱炉へ供給することができる。これにより、粗粉に含まれるアルカリ塩素化合物やCsCl等の水溶性の放射性セシウムをより確実に除去することができる。また、脱水ケーキの比表面積が水洗前の粗粉と比較して減少したことで、脱水ケーキを加熱する際に溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進することができる。
前記冷却塔は、前記固液分離機からのろ液を投入する噴霧装置を備えることができる。これにより、ろ液の水分を蒸発させ、ろ液に溶解するCsCl等を固体状の放射性セシウムとして回収することができる。また、冷却水の使用量を抑えることができ、除去装置で発生した熱を有効活用でき、除去装置に設けられたセシウムダストの回収装置も活用するので排水処理設備を別途設けなくて済むため、コストを抑えることができる。
前記分級機で分級された粗粉にカルシウム源を添加する添加装置を設けることができ、カルシウム源の添加によって水洗後の粗粉自体の溶融をより確実に防止することができる。
以上のように、本発明によれば、放射性セシウムを含有する廃棄物の減容化の際に生じた加熱生成物の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることができる。
本発明に係る放射性セシウムの除去装置の一実施の形態を示す概略図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、放射性セシウムとは、セシウムの放射性同位体であるセシウム134及びセシウム137である。
図1は、本発明に係る放射性セシウムの除去装置の一実施の形態を示し、この放射性セシウム除去装置1は、原料調合装置2と、焼成装置3と、排ガス処理装置4とで構成される。
原料調合装置2は、放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wを貯留する貯槽21と、反応促進剤としての酸化カルシウム源(以下「CaO源」という。)を貯留する貯槽22と、反応促進剤としての塩素源(以下「Cl源」という。)を貯留する貯槽23と、貯槽21〜23に貯留される廃棄物W、CaO源及びCl源を引き出して調合する定量供給機(不図示)と、調合原料Mを貯留する貯槽24とを備える。
上記CaO源として炭酸カルシウム、生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイト、高炉スラグ等を含む物を用いることができる。また、Cl源としては、塩化カルシウム(CaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩素を有する廃プラスチック等があるが、このうちCaClは、効果的に放射性セシウムを除去できるので好ましい。
焼成装置3は、ロータリーキルン(加熱炉)31と、クーラ32とで構成され、ロータリーキルン31は、原料調合装置2からの調合原料Mが供給される投入口31aや、微粉炭等の化石燃料を噴出して調合原料M等を焼成するためのバーナ31bを備える。
排ガス処理装置4は、焼成装置3の後段に配置され、ロータリーキルン31から排出された排ガスGを冷却する冷却塔41と、冷却塔41の後段に配置されたサイクロン42と、サイクロン42で回収された粗粉Cを貯留する貯槽43と、粗粉C1を水洗する水洗装置44と、水洗装置44からのスラリーSを固液分離する固液分離機45と、第1集塵機46と、第2集塵機47と、両集塵機46、47によって濃縮セシウム塩等のダストが除去された排ガスG4を脱硝する脱硝装置48と、脱硝装置48の排ガスG5を系外へ排気する煙突49とで構成される。
冷却塔41は、ロータリーキルン31の排ガスGを冷却し、廃棄物Wから揮発した放射性セシウム等を固体状として回収するために備えられる。排ガスGの冷却は、冷却塔41の下端部に設置された散水装置41aから水や後述するろ液Fを噴霧することにより行う。尚、この散水装置41aは、揮発した塩化セシウム等の放射性セシウムを固体状となるまで冷却して回収し得る程度の機能を備えていればよい。水による冷却ではなく、冷却塔内に冷却空気を導入することによって冷却してもよく、水と冷却空気を併用してもよい。
分級機としてのサイクロン42は、高濃度の放射性セシウムを含む微粉を第1集塵機46で捕集し、カルシウムやシリカ成分を主体とする粗粉Cを回収するために設けられる。
貯槽43は、サイクロン42から供給された粗粉Cにカルシウム源(以下「Ca源」という。)を添加して粗粉C1を貯留するために設けられる。Ca源として、炭酸カルシウム、生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイト、高炉スラグ等を含む物を用いることができる。このCa源は、後述する脱水ケーキDCの溶融を防止する効果を奏する。
水洗装置44は、貯槽43から供給された粗粉C1を水洗し、粗粉C1に含まれるNaClやKCl等のアルカリ塩素化合物及びCsCl等の水溶性の放射性セシウムを溶解させるために設けられ、粗粉C1に水を添加してスラリー状とし、撹拌する撹拌羽根を有する撹拌槽等が用いられる。
固液分離機45は、水洗装置44からのスラリーSを、脱水ケーキDCと、ろ液Fとに分離するために設けられ、粗粉C1に含まれるNaClやKCl等のアルカリ塩素化合物及びCsCl等の水溶性の放射性セシウムをろ液F側に除去することで、脱水ケーキDC自体の溶融や、それが調合原料に混合することによる調合原料の溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進させ、かつ放射性セシウムの循環濃縮を防止する。また、脱水ケーキDCの比表面積が水洗前の粗粉C1と比較して減少したことで、脱水ケーキDCを加熱する際に溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進する。ここで、脱水ケーキDCの粒径が100mmより大きいと脱水ケーキDCの供給装置が過大となってコストが増加し、一方、1mmを下回ると比表面積が大きくなって好ましくないため、上記粒径範囲に収まるように、必要に応じて脱水ケーキDCの解砕や造粒を行うことが好ましい。
第1集塵機46は、サイクロン42の排ガスG2から、上述のようにして濃縮されたセシウム塩等を含むダストD1を集塵するために備えられ、バグフィルタ等が用いられる。
第2集塵機47は、セシウム塩等を除去した後の排ガスG3に含まれる酸性ガス等を除去するために設けられ、カルシウム成分を含んでいる中和剤Nを中和剤添加装置(不図示)から添加し、酸性ガス等を吸着したダストD2を回収する。この第2集塵機47にもバグフィルタ等が用いられる。
脱硝装置48は、第2集塵機47の排ガスG4にアンモニアガス(NH)を注入してNOxを窒素に還元して無害化するために設けられる。
次に、上記構成を有する放射性セシウムの除去装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
原料調合装置2において、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wと、反応促進剤としてのCaO源及びCl源を貯槽21〜23から引き出して調合して調合原料Mを得る。ここで、Cl源を廃棄物Wに含まれる放射性セシウムに対して当量以上となるように調合する。
貯槽24から調合原料Mを投入口31aを介してロータリーキルン31に投入し、1200℃以上1550℃以下で焼成して焼成物Bを得る。この焼成物Bは、セメント混合材や土工資材として有効利用することができる。ここで、ロータリーキルン31内の酸素分圧を3%以上、好ましくは5%以上とする。これにより、ロータリーキルン31内での硫黄化合物の分解が抑制され、硫黄分の循環が抑制されるので、中和剤使用量の増加及びロータリーキルン31や冷却塔41へのコーチング付着量の増加を抑制することができる。
また、焼成物Bの酸化カルシウム濃度が50質量%以上となるように、上記調合及び焼成を行うことが好ましい。これにより、硫黄分が焼成物B中に保持されたり、後述する第1集塵機46において硫黄化合物として、排ガスG2のダストD1として集塵されるため、硫黄分の循環をより一層抑制することができる。
一方、調合原料Mの廃棄物Wに含まれていた放射性セシウムは、ロータリーキルン31内でCl源から生じた塩素と反応して塩化セシウムとなって揮発し、排ガスGに含まれた状態で冷却塔41へ導入される。
排ガスGは、冷却塔41において、散水装置41aから噴霧された水やろ液Fによって急激に冷却され、排ガスGに含まれていた塩化セシウムは固体状のセシウム塩となる。
冷却塔41の排ガスG1に含まれるダストをサイクロン42で分級し、分級して得られた粗粉Cを貯槽43に一時的に貯留し、Ca源を添加して粗粉C1とする。ここで、粗粉C1中のCaO、SiO及びMgOの関係が(CaO+1.39×MgO)/SiO=1.0〜3.0となるようにCa源を添加することが好ましい。左辺の質量比が1未満であると、焼成温度が高温になるにつれて粗粉C1が溶融し易くなるため、放射性セシウムの揮発が阻害される。一方、上記質量比が3を超えると、得られる焼成物Bに含まれるフリーライム(遊離石灰)が増加するため膨張破壊等が発生する虞がある。
Ca源添加後の粗粉C1は、水洗装置44によって水洗された後、スラリーSとして固液分離機45に供給されて固液分離される。得られた脱水ケーキDCはロータリーキルン31に戻す。
固液分離機45からのろ液Fは、散水装置41aを介して噴霧することで、ろ液Fの水分を蒸発させ、固体状の放射性セシウムを後述する第1集塵機46でダストD1として回収する。
一方、セシウム塩を含有するサイクロン42からの排ガスG2は、第1集塵機46に導入され、固体状の濃縮セシウム塩を含むダストD1が回収される。回収したダストD1は、必要に応じて圧縮、水洗、吸着等により、さらに減容化処置をした後、コンクリート製の容器等に密閉して保管することができ、放射性セシウムを含む廃棄物を外部に漏洩させることなく減容化し、保管することができる。
濃縮セシウム塩を回収した後の排ガスG3は、酸性ガス等の有害ガスが含まれているため、排ガスG3に中和剤Nを中和剤添加装置から添加した後、第2集塵機47によって、排ガスG3から酸性ガス等を吸着したダストD2を回収する。ここで、中和剤Nとして、消石灰、生石灰、ドロマイト、軽焼ドロマイト及び水酸化ドロマイトからなる群から選択される一以上を含むものを用いることができる。
第2集塵機47で集塵したダストD2は、消石灰、石膏、塩化カルシウムが主成分であるので、CaO源やCl源、Ca源として原料調合装置2に戻して廃棄物Wに添加して再利用できる。
第2集塵機47の排ガスG4にNOxが含まれている場合は、脱硝装置48で除去する。清浄化した排ガスG5は、煙突49を介して系外に排気する。
以上のように、本実施の形態によれば、排ガスG2から集塵することで放射性セシウムが濃縮したダストD1を得て放射性セシウムで汚染された廃棄物Wの減容化を図る際に、排ガスG1中の粗粉Cを水洗した後固液分離することで、NaClやKCl等のアルカリ塩素化合物及びCsCl等の水溶性の放射性セシウムをろ液F側に除去し、その結果ロータリーキルン31内での溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進させ、かつ放射性セシウムの循環濃縮を防止することで、焼成物Bの放射性セシウム濃度を低減することができる。
尚、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wとして、放射性セシウムで汚染された土壌、焼却灰を例示したが、これらの他に、伐採木、ごみ由来の溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥乾粉、浄水汚泥、建設汚泥、下水スラグ、貝殻、草木、がれき等の廃棄物であって放射性セシウムを含むものすべてを対象とすることができ、これらの群に含まれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせることができる。さらに、放射性セシウムをほとんど含まない部分(土壌の場合には、砂や石)を予め取り除いて得られる、放射性セシウムが濃縮された中間処理物も、本発明における放射性セシウムで汚染された廃棄物Wに含まれる。
また、上記実施の形態において、固液分離機45からのろ液Fを冷却塔41に供給する場合について説明したが、このろ液Fを、サイクロン42の排ガスG2に添加してもよい。冷却塔41にろ液Fを供給すると、ろ液Fに含まれる放射性セシウムがサイクロン42の粗粉C側に付着して循環してしまう虞があるが、排ガスG2に添加することで、放射性セシウムの循環を確実に防止することができる。この場合、冷却塔で必ずしも放射性セシウムが固体となる温度まで冷却する必要はなく、第1集塵機46で放射性セシウムが固体となる温度まで冷却すればよい。その結果、粗粉C1の放射線セシウム濃度は低くなり、ダストD1に放射性セシウムをより多く濃縮することができる。
さらに、上記固液分離機45における固液分離を厳密に行う必要はなく、例えば、遠心分離や沈降分離のように、脱水ケーキDCにろ液Fの一部が多少混入していてスラリー状となっていてもよい。逆にろ液Fに粗粉が多少混入していてもよい。固液分離機45には、好ましくはフィルタープレスを用いる。
尚、上記実施の形態では、調合原料Mを加熱するにあたって、ロータリーキルン31及びクーラ32を備えた焼成装置3を用いたが、他の加熱炉等を用いることもできる。その場合でも、加熱炉等から排出されたガスを冷却した後のガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分級し、分級後の粗粉を水洗した後加熱炉に戻すことで、粗粉自体の溶融を防止し、かつ調合原料に粗粉が混合されて溶融し易くなることを防止して放射性セシウムの揮発を促進させると共に、CsCl等の水溶性の放射性セシウムを溶解させて除去することができるため、加熱生成物の放射性セシウム濃度を低いレベルに維持しながら、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることができる。
1 放射性セシウム除去装置
2 原料調合装置
21〜24 貯槽
3 焼成装置
31 ロータリーキルン
31a 投入口
31b バーナ
32 クーラ
4 排ガス処理装置
41 冷却塔
41a 散水装置
42 サイクロン
43 貯槽
44 水洗装置
45 固液分離機
46 第1集塵機
47 第2集塵機
48 脱硝装置
49 煙突
B 焼成物
C、C1 粗粉
D1、D2 ダスト
DC 脱水ケーキ
F ろ液
G、G1〜G5 排ガス
M 調合原料
N 中和剤
S スラリー
W (放射性セシウムで汚染された)廃棄物

Claims (8)

  1. 放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源と、塩素源とを調合し、
    調合物を加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させ、
    前記調合物の加熱により生じたガスを冷却し、
    冷却後のガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分級し、
    分級後の粗粉を水洗して固液分離し、
    固液分離後の前記粗粉を含む固体側を前記調合物と共に加熱することを特徴とする放射性セシウムの除去方法。
  2. 前記分級後の粗粉に水を添加してスラリーとした後該スラリーを固液分離することにより前記水洗を行い、前記粗粉を含む固体側として脱水ケーキを得ることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムの除去方法。
  3. 前記固液分離後のろ液を、前記加熱により生じたガスの冷却に用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性セシウムの除去方法。
  4. 前記分級後の粗粉にカルシウム源を添加した後、前記水洗を行うことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の放射性セシウムの除去方法。
  5. 放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源と、塩素源とを調合する原料調合装置と、
    該調合装置からの調合物を加熱する加熱炉と、
    該加熱炉の排ガスを冷却する冷却塔と、
    該冷却塔の排ガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分級する分級機と、
    該分級機で分級された粗粉を水洗する水洗装置と、
    該水洗装置で水洗された粗粉を固液分離する固液分離機と、
    該固液分離機で固液分離された前記粗粉を含む固体側を前記加熱炉へ供給する供給装置とを備えることを特徴とする放射性セシウムの除去装置。
  6. 前記供給装置は、前記固液分離機からの前記粗粉を含む脱水ケーキを前記加熱炉へ供給することを特徴とする請求項5に記載の放射性セシウムの除去装置。
  7. 前記冷却塔は、前記固液分離機からのろ液を投入する噴霧装置を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射性セシウムの除去装置。
  8. 前記分級機で分級された粗粉にカルシウム源を添加する添加装置を備えることを特徴とする請求項5、6又は7に記載の放射性セシウムの除去装置。
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