JP2017061052A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置、並びに液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】主滴とサテライトの着弾位置のずれを精度よく制御する。【解決手段】液体吐出ヘッドは、液体が吐出する複数の吐出口2と、各々が対応する吐出口2と対向して位置し、液体に吐出のためのエネルギーを与える複数のエネルギー発生素子8と、を有する。液体吐出ヘッドは、記録媒体が液体吐出ヘッドに対して相対移動する際に液体を記録媒体に向けて吐出し、各々の吐出口2の中心C2が、相対移動の方向に関し、対応する各エネルギー発生素子8の中心C8よりも前方に位置している。【選択図】図6
Description
本発明は、インク等の液体を吐出させて記録媒体に記録を行う液体吐出ヘッドと、これを備える液体吐出装置、及び液体吐出方法に関し、特に吐出口の配置に関する。
インクジェットプリンタなどの液体吐出装置は、液体吐出ヘッドから記録媒体にインクなどの液体を吐出することによって記録を行う。この種の液体吐出ヘッドは他のプリント機構と比べて、画像の高精細化が容易、高速での記録が可能、静粛性に優れ、かつ安価であるという、種々の利点を有している。
液体吐出装置としては、液体吐出ヘッドを走査しながら記録を行うものと、液体吐出ヘッドは液体吐出装置の本体に固定され、記録媒体を動かしながら記録を行うもの(ラインプリンタ)と、が知られている。いずれのタイプの液体吐出装置においても、液体吐出ヘッドの吐出口から吐出する液滴は、特定の条件を満たさない限りひとつの完全な球になることはない。液滴は通常、大きな液滴(以下、主滴という)と、主滴より小さな一つないし複数の液滴(以下、サテライトという)と、に分離する。
液体吐出装置としては、液体吐出ヘッドを走査しながら記録を行うものと、液体吐出ヘッドは液体吐出装置の本体に固定され、記録媒体を動かしながら記録を行うもの(ラインプリンタ)と、が知られている。いずれのタイプの液体吐出装置においても、液体吐出ヘッドの吐出口から吐出する液滴は、特定の条件を満たさない限りひとつの完全な球になることはない。液滴は通常、大きな液滴(以下、主滴という)と、主滴より小さな一つないし複数の液滴(以下、サテライトという)と、に分離する。
主滴とサテライトが記録媒体の別々の位置に着弾すると、画像の乱れが生じる。主滴とサテライトが着弾する位置を合せるため、特許文献1には、吐出口の中心軸が記録媒体の搬送方向に対して斜めにされた液体吐出ヘッドが記載されている。特許文献2には、インクの着弾位置を制御するため、吐出口毎にエネルギー発生素子との相対位置を異ならせた液体吐出ヘッドが記載されている。
特許文献1に記載されている吐出口は、中心軸が記録媒体の搬送方向に対して斜めに形成されている。つまり、吐出口の中心軸が、吐出口が形成された吐出口形成部材の記録媒体と対向する面(以下、吐出口形成面という)の垂線に対して斜めに形成されている。このような吐出口は、中心軸が吐出口形成面に対して垂直に形成された一般的な吐出口と比べて、吐出口形成面に対する傾きがばらつきやすい。近年5pl以下の微小液滴を吐出する液体吐出ヘッドが増加する傾向にある。吐出口の中心軸の吐出口形成面に対する傾きがばらつくと、30pl等の大きさの液滴を吐出する従来の液体吐出ヘッドに比べて、主滴とサテライトの着弾位置のずれが相対的に大きくなる。この結果、画像の乱れが目立つ傾向がある。
特許文献2に記載の技術は主滴の着弾位置を制御することを意図しており、主滴とサテライトの着弾位置を合せることには利用できない。
特許文献2に記載の技術は主滴の着弾位置を制御することを意図しており、主滴とサテライトの着弾位置を合せることには利用できない。
本発明は、主滴とサテライトの着弾位置のずれを精度よく制御することができる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する複数の吐出口と、各々が対応する吐出口と対向して位置し、液体に吐出のためのエネルギーを与える複数のエネルギー発生素子と、を有する。液体吐出ヘッドは、記録媒体が液体吐出ヘッドに対して相対移動する際に液体を記録媒体に向けて吐出し、各々の吐出口の中心が、相対移動の方向に関し、対応する各エネルギー発生素子の中心よりも前方に位置している。
本発明では、吐出口とエネルギー発生素子の相対位置関係によって主滴とサテライトの速度成分の差が与えられる。このため、主滴とサテライトの着弾位置を相対移動の方向に関し精度よく制御し、着弾したドットの形状をより良い形に制御することが可能となる。
本発明では、吐出口とエネルギー発生素子の相対位置関係によって主滴とサテライトの速度成分の差が与えられる。このため、主滴とサテライトの着弾位置を相対移動の方向に関し精度よく制御し、着弾したドットの形状をより良い形に制御することが可能となる。
本発明によれば、主滴とサテライトの着弾位置のずれを精度よく制御することができる液体吐出ヘッドを提供することができる。
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本発明の液体吐出ヘッドはラインヘッド型と、キャリッジ搭載型の2つの液体吐出ヘッドを対象とする。以下の実施形態はインクを吐出するインクジェットヘッドを対象とするが、本発明はインク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドにも広く適用することができる。
まず、図1を参照して、本発明が適用される液体吐出ヘッドを説明する。図1(a)はラインヘッド型の液体吐出装置101の概念を示している。ラインヘッド103は記録媒体Mの搬送方向D1と直交する方向D2(以下、記録媒体の幅方向D2という)に配列された複数の液体吐出ヘッド1を備え、液体吐出装置の本体102に不動に支持されている。各々の液体吐出ヘッド1は一列または複数列に配列された複数の吐出口2を備えている。ラインヘッド103は記録媒体の幅方向D2の一端から他端まで延びている。記録媒体Mは本体102の図示しない搬送手段によって搬送方向D1に搬送される。記録の際には、記録媒体Mを搬送しながら、液体吐出装置の本体102に支持されたラインヘッド103によって記録を行う。記録媒体Mは反対方向に搬送(巻き戻し)可能であってもよいが、反対方向に搬送されるときには、記録媒体Mへの記録は行われない。
図1(b)はキャリッジ搭載型の液体吐出装置201の概念を示している。液体吐出ヘッド1はキャリッジ203に支持されている。キャリッジ203は液体吐出装置の本体202に、記録媒体Mの幅方向D2A,D2Bに可動に支持されている。液体吐出ヘッド1は一列または複数列に配列された複数の吐出口2を備えている。記録媒体Mは本体202の図示しない搬送手段によって搬送方向D1に搬送される。記録の際には、記録媒体Mが所定の位置まで搬送され、一旦停止させられる。この状態で、キャリッジ203を記録媒体Mの幅方向D2Aに移動させながら、キャリッジ203に支持された液体吐出ヘッド1によって記録を行う。記録媒体Mの幅方向の記録が終了すると、キャリッジ203が記録媒体Mの端部まで、反対方向D2Bに動かされる。キャリッジ203が反対方向D2Bに移動している間は、記録動作は行わない。すなわち、キャリッジ203は記録媒体Mの幅方向D2A,D2Bに往復移動可能であるが、キャリッジ203が一方向(幅方向D2A)に移動しているときだけインクが記録媒体Mに向けて吐出するようにされている。その後、再び上記の動作を繰り返す。
上述のように、ラインヘッド型では、記録媒体Mが所定の方向に搬送されているときだけインクが記録媒体Mに向けて吐出するようにされている。キャリッジ搭載型では、キャリッジ203が一方向に移動しているときだけインクが記録媒体Mに向けて吐出するようにされている。つまり、いずれのタイプにおいても、記録媒体Mが液体吐出ヘッド1に対していずれかの方向に相対移動しているときだけインクが記録媒体Mに向けて吐出する。以下の説明で、「相対移動」は記録媒体Mの液体吐出ヘッド1に対する相対的な移動を意味し、「相対移動の方向」または「相対移動方向」は記録媒体Mが液体吐出ヘッド1に対して相対移動する方向を意味する。記録媒体Mが静止し、液体吐出ヘッド1が動いている場合も、記録媒体Mは液体吐出ヘッド1に対して相対移動している。「相対移動の方向」または「相対移動方向」は図1(a)においては方向D1に一致し、図1(b)においては方向D2Bに一致する。
また、本発明では、ラインヘッド型においてもキャリッジ搭載型においても、複数の吐出口は記録媒体Mの相対移動方向と直交する方向に列をなして延びている。すなわち、ラインヘッド型では、複数の吐出口2は記録媒体Mの搬送方向D1と直交する方向(幅方向D2)に列をなして配列しており、キャリッジ搭載型では、複数の吐出口2は記録媒体Mの搬送方向D1に列をなして配列している。
以下、キャリッジ搭載型のインクジェットヘッドを例に、本発明をさらに詳細に説明する。図2は本実施形態のキャリッジ搭載型の液体吐出ヘッド1の素子基板の斜視図であり、図3は図2のA−A線で切断した素子基板の断面面である。
液体吐出ヘッド1の素子基板3は、基板4と、基板4の上に設けられた吐出口形成部材5と、を有している。
液体吐出ヘッド1の素子基板3は、基板4と、基板4の上に設けられた吐出口形成部材5と、を有している。
吐出口形成部材5は、共通液室6及び複数の発泡室7を形成する側壁5aと、複数の吐出口2が設けられた天井部5bと、からなっている。側壁5aと天井部5bは樹脂などの同一の材料から形成されているが、異なる材料から形成されていてもよい。発泡室7は吐出口2毎に設けられ、吐出口2と連通している。共通液室6は各発泡室7に連通しており、発泡室7にインクを供給する。各発泡室7、より具体的には、基板4の、発泡室7と対向する面には、インクに吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子8が設けられている。エネルギー発生素子8は電流が流れることによって発熱する発熱抵抗素子である。具体的には、電気配線の上に、その電気配線に電流を流すための一対の電極が、互いに間隔をあけて設けられている。エネルギー発生素子8ないし発熱抵抗素子は、その電気配線の両側の電極の間で露出している部分によって構成される。吐出口2は、吐出口形成部材5の天井部5bを貫通する円形断面の貫通孔である。吐出口2は、側壁5aと天井部5b対応するエネルギー発生素子8と対向して位置している。本実施形態では、エネルギー発生素子8は、共通液室6の長手軸6aの両側にそれぞれ1列ずつ、600dpi(dot per inch)のピッチで配列されている。吐出口2の中心軸2cは吐出口形成部材5の吐出口形成面5cに対して垂直な方向を向いている。
基板4には、基板4を貫通する液体供給路9が設けられている。液体供給路9は、吐出口形成部材5側の細長い矩形の開口10を介して、共通液室6と連通している。基板4はシリコンから形成されているが、エネルギー発生素子8及び吐出口形成部材5の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されない。
インクは、図示しないインクタンクから、基板4の液体供給路9と共通液室6を通って各発泡室7に導入される。図4(a)に示すように発泡室7にインクが充填された状態で、エネルギー発生素子8に電気信号が与えられ、エネルギー発生素子8が発熱する。これにより、発泡室7内におけるエネルギー発生素子8の周辺のインクが瞬時に加熱される。この際、キャリッジ203(図1(b)参照)は記録媒体Mの幅方向D2に移動している。すなわち、吐出口2からインクが吐出するとき、記録媒体Mは液体吐出ヘッド1に対して相対移動している。図4(b)に示すように、インクは沸点に達して沸騰し、エネルギー発生素子8の上方に気泡24が生じる。発泡により生じる気泡24の圧力によって、発泡室7内のインクに運動エネルギーが与えられ、インクが吐出口2から外部に吐出する。
図4(c)に示すように、一回の吐出の際に吐出したインクは、最初は一つの一体の液滴の塊である。しかし、エネルギー発生素子8の中心と吐出口2の中心がずれている場合、図4(d)に示すように、消泡時にインクの末端部がメニスカス25の落ち込む方向と反対方向の吐出口2の壁面に向けて曲げられる。つまり、インク液滴の吐出方向Pに関する前端23aと後端23bを結ぶ中心線23は、後端23b側で相対移動方向D2Bに寄っている。その後、インクは図4(e)に示すように、最も容積の大きい主滴21と、一つないし複数のサテライト22と、に分離する。この現象は、インクの吐出方向に関する前方部分と後方部分との速度差と、吐出口2の壁面の影響と、によって生じる。サテライト22は吐出口形成面5cに対して主滴21と異なる角度で飛翔し、主滴21に続いて記録媒体Mに着弾する。主滴21及びサテライト22の相対変位方向D2Bと直交する速度成分(図1(b)における方向D1と平行な成分)はゼロか、または極めて小さいため、主滴21とサテライト22は記録媒体Mに対して、主に相対変位方向D2Bと平行な方向に飛翔する。
通常、サテライト22は主滴21とは異なる位置に着弾する。これは、一般にプリンタなどの液体吐出装置では、インクの吐出中に液体吐出ヘッド1が走査され(キャリッジ搭載型)、または記録媒体Mが移動させられている(ラインヘッド型)ためである。これに加えて、主滴21よりサテライト22の飛翔速度が遅いことも要因としてあげられる。図5(a)を参照すると、記録媒体Mが液体吐出ヘッド1に対して相対移動しているときに主滴21とサテライト22が同一の直線上を飛翔している。その後、図5(b)に示すように、主滴21が先に記録媒体Mに着弾する。サテライト22は、記録媒体Mが液体吐出ヘッド1に対して一定距離だけ相対移動した後に、記録媒体Mに着弾する。このため、サテライト22は主滴21の後方に着弾する。
主滴21とサテライト22の着弾位置が離れすぎていると画像の乱れが生じる。画像の乱れを目立たなくするためには、主滴21の着弾位置とサテライト22の着弾位置を近づけ、理想的には完全に重ならせることが望ましい。
検討の結果、吐出口2の中心とエネルギー発生素子8の中心との位置関係によっては、最後端のサテライト22が収縮する気泡24に引っ張られて、主滴21と異なる角度で飛翔することが分かった。以下では検討結果に基づいて、本発明における吐出口2の中心とエネルギー発生素子8の中心との位置関係を説明する。
検討の結果、吐出口2の中心とエネルギー発生素子8の中心との位置関係によっては、最後端のサテライト22が収縮する気泡24に引っ張られて、主滴21と異なる角度で飛翔することが分かった。以下では検討結果に基づいて、本発明における吐出口2の中心とエネルギー発生素子8の中心との位置関係を説明する。
図6(a)は、共通液室6の両側にある各発泡室7におけるエネルギー発生素子8と吐出口2の位置関係を示している。キャリッジ203は図6において右向きに移動し、記録媒体Mはキャリッジ203に対して相対的に左向き(方向D2B)に相対移動しているとする。共通液室6は相対移動方向D2Bと直交する方向に延びている(すなわち、長手方向を有している)。エネルギー発生素子8の中心C8に対して吐出口2の中心C2がずらされている。具体的には、全ての吐出口2の中心C2が、対応する各エネルギー発生素子8の中心C8よりも、相対移動方向D2Bに関して前方に位置している。換言すれば、吐出口列の中心線12が、エネルギー発生素子8の列の中心線18よりも、相対移動方向D2Bに関して前方に位置している。相対移動方向D2Bに関し共通液室6の上流側(共通液室6の右側にある吐出口列)にある吐出口2の中心C2は、対応する各エネルギー発生素子8の中心C8よりも共通液室6の近くに位置している。これに対し、他方の側、すなわち相対移動方向D2Bに関し共通液室6の下流側(共通液室6の左側にある吐出口列)にある吐出口2の中心C2は、対応する各エネルギー発生素子8の中心C8よりも共通液室6から離れて位置している。ここで、中心C2,C8は吐出口2とエネルギー発生素子8の、吐出口形成面5cと平行な向きにみたときの中心位置または図心である。
図7(a)は、図6において共通液室6の右側にある発泡室の一つを拡大して示す。吐出口2から吐出した液滴の後端は、図6(b),図7(b)に示すように、吐出口2の内部で相対移動方向D2Bに曲げられる。その後、図7(c)に示すように、液滴の後部が、吐出口2の、相対移動方向D2Bに関し前方の壁面に衝突して、液滴が主滴21とサテライト22に分離する。主滴21は概ね吐出口2の中心軸2cに沿って、吐出口形成面5cと垂直な方向に飛翔する。サテライト22は主滴21に遅れて、吐出口形成面5cと垂直な方向から傾いた方向に飛翔する。図8(a)には、主滴21とサテライト22が記録媒体Mに向けて飛翔する様子を示している。図8(b)に示すように、サテライト22は相対移動方向D2Bに主滴21よりも大きな速度成分V22を持っているため、理想的には主滴21の着弾位置と重なる位置に着弾する。
共通液室6の左側にある吐出口列の吐出口2の中心C2は発泡室7の奥側にずらされている。図7(d)は、図6において共通液室6の左側にある発泡室7の一つを拡大して示す。吐出口2から吐出した液滴の後部は図7(e)に示すように、吐出口2の内部で相対移動方向D2Bに曲げられる。その後、図7(f)に示すように、液滴の後部が吐出口2の壁面の相対移動方向D2Bに関し前方の部位に衝突して、液滴が主滴21とサテライト22に分離する。主滴21は概ね吐出口2の中心軸2Cに沿って、吐出口形成面5cと垂直な方向に飛翔する。サテライト22は主滴21に遅れて、吐出口形成面5cと垂直な方向から傾いた方向に飛翔する。
サテライト22が、相対移動方向D2Bに関して主滴21より前方に飛翔することで、主滴21とサテライト22の記録媒体M上の着弾位置を近づけることが可能となる。従って、主滴21とサテライト22が飛翔する方向は上述の例に限定されない。サテライト22は主滴21より速度が遅く、体積が小さいため速度減衰も大きい。このため、記録媒体M上に着弾するまでの飛翔距離が長くなるほど、記録媒体Mに着弾せずに空中に舞い上がってしまう可能性が高くなる。この観点からは、主滴21が吐出口形成面5cと垂直な方向から傾いた方向に飛翔し、サテライト22が吐出口2の中心軸2Cに沿って、吐出口形成面5cと垂直な方向に飛翔することが最も望ましい。
図9に示すように、吐出口2は、相対移動方向D2Bにおける前部に、吐出口2の内側に向けて突き出す突起13を有していてもよい。図9に示す例では、図6と同様、記録媒体Mが図中左向きに相対移動している。この場合、相対移動方向D2Bに関し共通液室6の上流側(共通液室6の右側にある吐出口列)にある吐出口2の突起13は共通液室6側に設けられる。相対移動方向D2Bに関し共通液室6の下流側(共通液室6の左側にある吐出口列)にある吐出口2の突起13は発泡室7の奥側に設けられる。このような突起13を吐出口2に設けることで、吐出時のインクが突起13で分離されやすくなる。吐出口2に突起13が設けられない場合、発泡の際の気泡の動きのゆらぎ等によって、インクが分離される箇所が吐出口2の円周に沿って変動する場合がある。それに対して突起13を吐出口2に設ける場合、確実にインクが突起13で分離されるようになるため、サテライト22の飛翔方向が安定する。サテライト22の飛翔方向が安定することから、主滴21とサテライト22の着弾位置をより正確に制御することが可能になる。さらに、突起13の効果によってサテライト22が一つの塊になりやすくなるため、主滴21とサテライト22の着弾位置を近づけることが容易になる上、印字品位の向上やプリンタ機内の汚れを軽減できる。さらに、相対移動方向D2Bに関し突起13の反対側に、突出長さが突起13の突出長さよりも小さい突起14を設けてもよい。このような突起14を設けることで、サテライト22の飛翔方向をさらに安定させることができる。
1 液体吐出ヘッド
2 吐出口
8 エネルギー発生素子
D2B 相対移動方向
2 吐出口
8 エネルギー発生素子
D2B 相対移動方向
Claims (7)
- 液体を吐出する複数の吐出口と、各々が対応する前記吐出口と対向して位置し、前記液体に吐出のためのエネルギーを与える複数のエネルギー発生素子と、を有する液体吐出ヘッドであって、
記録媒体が前記液体吐出ヘッドに対して相対移動する際に液体を前記記録媒体に向けて吐出し、各々の前記吐出口の中心が、前記相対移動の方向に関し、対応する各エネルギー発生素子の中心よりも前方に位置している、液体吐出ヘッド。 - 前記吐出口毎に設けられ、前記吐出口と連通する発泡室と、
前記相対移動の方向と直交する方向に延び、前記発泡室に液体を供給する共通液室と、を有し、
前記吐出口は前記共通液室の両側に設けられ、前記相対移動の方向に関し前記共通液室の上流側にある前記吐出口の中心は対応する各エネルギー発生素子の中心よりも前記共通液室の近くに位置し、下流側にある前記吐出口の中心は対応する各エネルギー発生素子の中心よりも前記共通液室から離れて位置する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記吐出口は、前記相対移動の方向における前部に、前記吐出口の内側に向けて突き出す突起を有する、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を搬送するとともに前記液体吐出ヘッドを不動に支持する本体と、を有し、
前記複数の吐出口は記録媒体の搬送方向と直交する方向に列をなして配列している、液体吐出装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを支持するキャリッジと、記録媒体を搬送するとともに前記キャリッジを支持する本体と、を有し、
前記キャリッジは記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動可能であり、前記複数の吐出口は記録媒体の搬送方向に列をなして配列している、液体吐出装置。 - 記録媒体を液体吐出ヘッドに対して相対移動させながら、前記液体吐出ヘッドの複数の吐出口から液体を吐出させることを有し、
一回の前記吐出の際に、各吐出口から最も容積の大きい主滴と、前記主滴に続いて前記記録媒体に着弾する液滴であるサテライトとが吐出し、前記サテライトは前記主滴よりも、前記相対移動の方向における速度成分が大きい、液体吐出方法。 - 一回の前記吐出の際に、各吐出口から一体の液滴が吐出し、その後、前記一体の液滴が少なくとも前記主滴と前記サテライトとに分離し、
前記一体の液滴の吐出方向に関する前端と後端を結ぶ中心線は、後端側で、前記相対移動の方向に寄っている、請求項6に記載の液体吐出方法。
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