JP2024007321A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

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Ayako Maruyama
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Abstract

Figure 2024007321000001
【課題】 液体の増粘を抑制可能であり、かつ、体積の大きな液滴も吐出可能な液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 吐出口を有する吐出口形成部と、吐出口から液体が吐出される方向において吐出口と対向し、吐出口に液体を供給するように構成された液室と記液室に液体を供給するための個別供給流路と、を有する流路形成部と、個別供給流路に液体を流入させるための供給流路と、液室から液体を流出させるための流出流路と、を有する基板と、を備えた液体吐出ヘッドであって、基板の面と垂直な方向における、個別供給流路の高さをHμm、液室の吐出口と対向する面から吐出口形成部材までの高さをHμmとした場合に、H>Hであり、基板の面と垂直な方向から見て、吐出口の中心を通り、液体の流れ方向に沿う直線上において、(1)供給流路側における液室の側壁面が吐出口の端面と一致する、又は、(2)側壁面が吐出口内に位置する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
近年、液体吐出ヘッドを用いた印刷分野は拡大を続けており、用途の拡大と共に種々のメディア対応性が求められている。対象のメディア毎に求められる最適な液滴量は異なり、例えば段ボールへの印刷においては1液滴の吐出量が20~30pLの液体吐出ヘッドを用いているものがある。したがって、大きな液滴量を安定的に、より高精度に吐出することが求められている。
ところで、インク等の液体を吐出する液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドにおいては、液体を吐出する吐出口から液体中の揮発成分が蒸発することで、吐出口近傍の液体の粘度が増加しうる。これによって、吐出される液滴の吐出速度が変化したり、着弾精度に影響がでたりすることがある。特に、吐出を行った後の休止時間が長い場合、液体の増粘が顕著になり、吐出口付近に固着した固形成分によって液体の流体抵抗が増加し、吐出不良となる場合がある。
このような液体の増粘を抑制するために、液体吐出ヘッドの吐出口部内(ノズル内)に入り込むように液体を流す方法が知られている。流路内だけでなく、吐出口部内にも液体の流れができることで、吐出口部内の液体は常に置換され続け、吐出口からの蒸発による増粘が抑制される。特許文献1には、流路の高さと、吐出口を形成する部材の厚さ(吐出口部の長さ)と、流路内の液体の流れ方向における吐出口の長さと、の関係を規定することで、液体吐出ヘッドの流路の液体を吐出口部内へ効率よく流す液体吐出ヘッドが開示されている。
特開2017‐124610号公報
特許文献1のような、吐出口部内へ液体を効率的に流れ込ませる構成の液体吐出ヘッドにおいて一つの液滴の吐出量を大きくするには、吐出口に液体を供給する流路の高さを大きくしたり、吐出口を形成する部材の厚みを大きくしたりする手段が考えられる。しかし、この場合、吐出口部内全体に液体が流れ込まず、液体の増粘抑制効果が低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑み、液体の増粘を抑制可能であり、かつ、体積の大きな液滴も吐出可能な液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口を有する吐出口形成部と、前記吐出口から液体が吐出される方向において前記吐出口と対向し、前記吐出口に液体を供給するように構成された液室と、前記液室に液体を供給するための個別供給流路と、を有する流路形成部と、前記個別供給流路に液体を流入させるように構成された供給流路と、前記液室から液体を流出させるように構成された流出流路と、を有する基板と、を備えた液体吐出ヘッドであって、前記基板の面と垂直な方向における、前記個別供給流路の高さをHμm、前記液室の前記吐出口と対向する面から前記吐出口形成部材までの高さをHμmとした場合に、H>Hであり、前記基板の面と垂直な方向から見て、前記吐出口の中心を通り、液体の流れ方向に沿う直線上において、(1)前記供給流路側における前記液室の側壁面が前記吐出口の端面と一致する、又は、(2)前記側壁面が前記吐出口内に位置する、ことを特徴とする。
本発明によれば、液体の増粘を抑制可能であり、かつ、大きな液体吐出量も吐出可能な液体吐出ヘッドの提供が可能になる。
本発明の液体吐出ヘッドの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を説明する図である。 第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド内を流れるインク流の流速分布を示す図である。 比較例の構成における液体吐出ヘッド内を流れるインク流の流速分布を示す図である。 種々の形状の液体吐出ヘッドにおける、インク循環効率を示す図である。 種々の形状の液体吐出ヘッドにおける、インク循環効率と吐出安定性を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける、吐出口およびその近傍のインク流路の構造を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドについて説明する。以下の各実施形態は、液体としてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドとインクジェット記録装置を対象とするが、本発明はこれに限定されるものではない。また、吐出する液体はインクに限定されない。また、本実施形態では、エネルギー発生素子として、熱によって気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式のものを用いているが、ピエゾ方式およびその他の各種液体吐出方式のものでも本発明を適用することができる。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、被記録媒体の幅に対応した長さを有するライン型の長尺ヘッドであっても、被記録媒体の搬送方向と垂直方向に対して走査しながら記録を行うシリアル型の液体吐出ヘッドであってもよい。シリアル型の液体吐出ヘッドには、例えば、ブラックインク用とカラーインク用とで記録素子基板を分けて搭載するものなど、複数の記録素子基板を有する場合がある。このような場合に、複数の記録素子基板を、隣接する記録素子基板の吐出口が吐出口の配列方向にオーバーラップするよう配置することもできる。
本実施形態の液体吐出ヘッドでは、例えば、フルカラー印刷が可能なようにCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクタンクから、それぞれの色に対応した4列の吐出口列にインクが個別に供給されるものが挙げられる。CMYKの各インクを吐出する吐出口列は、同一の記録素子基板上に形成することもできるし、別々の記録素子基板上に形成することもできる。
以下に述べる実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい様々の限定が付けられている。しかし、本発明の思想に沿う限り、本発明は以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの記録素子基板100の概要を示した斜視図であり、図2は、前記液体吐出ヘッドの吐出口7近傍の一部を拡大した図である。図2(a)は液体吐出ヘッドの吐出口7近傍の一部を拡大した平面図、図2(b)は図2(a)のA-A´線に沿った断面図、図2(c)は図2(a)のB-B´線に沿った断面図、図2(d)は図2(a)のC-C´線に沿った断面図である。
図2(b)に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッドは、基板1と、基板1の表面上に液体の個別流路8を形成する第1の流路形成部材(流路形成部)3と、第1の流路形成部材の上に接続された吐出口形成部材4と、を有する。吐出口形成部材(吐出口形成部)4は、液体を吐出するための吐出口7と、吐出口7と個別流路8とを連通する吐出口部(ノズル)7bと、を備える。なお、吐出口形成部材4は、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。基板1は、インクを吐出口7より吐出させるためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子2と、個別流路8にインクを流入させるための液体供給路9aと、個別流路8からインクを流出させるための液体回収路(流出流路)9bと、を備える。
吐出口7は、吐出口形成部材4において、エネルギー発生素子2と略対向するように設けられており、吐出口7とエネルギー発生素子2とで1つのインク吐出単位を形成している。図1に示すように、記録素子基板100には複数のインク吐出単位が一列に配列して、吐出口列110を形成している。本実施形態では、記録素子基板110において、吐出口7が300dpiの列内密度で配列され、2列の吐出口列110を形成しているが、吐出口列110の数はこれに限定されない。
図2(b)は、流路内のインク10の流れ方向に対して平行方向の断面図である。第1の流路形成部材1で形成された個別流路8内には、エネルギー発生素子2を備える液室6と、第2の流路形成部材5が配置されている。第2の流路形成部材5と吐出口形成部材4との間に位置する個別流路8は、液体供給路側に設けられ、液室6および吐出口7に液体を供給する個別供給流路8aと、個別流路8の液体回収路側(回収流路側)に設けられ、液室6および吐出口7から液体を流出させるための個別回収流路(個別流出流路)8bと、を有する。なお、第2の流路形成部材5は、個別供給流路8a側に設けられていればよく、必ずしもエネルギー発生素子2を挟み込む形で配置する必要はない。また、第2の流路形成部材5は、第1の流路形成部材3と一体に形成されていてもよい。
個別供給流路8aと個別供給流路8bはそれぞれ、基板1に設けられている液体供給路(供給流路)9aおよび液体回収路(流出流路)9bと接続している。これにより、液体供給路9aから供給されたインクは、個別供給流路8a、吐出口7付近および液室6、個別回収流路8bを介して液体回収路9bに至る、インク10の流れ経路を構成している。液室6と接続し、液体供給路9aと液体回収路9bとを連通する流路全体を個別流路8とみなすことができる。本実施形態では、1つの液室6に対して、液体供給路9側に個別供給流路8aが、液体回収路9b液体回収路9b側に個別回収流路8bが形成された構成となっている。
液体供給路9aと液体回収路9bとは、吐出口列110と平行に延びる方向に、吐出口列110を挟んで配置されている。液体供給路9aと液体回収路9bとは、インク供給タンク(不図示)に接続された共通供給路および共通回収路(不図示)にそれぞれ接続されている。液体は、本実施形態では液体供給路9aと液体回収路9bとの間に設けられた圧力差により、インク10は個別流路内ひいては液体吐出ヘッド内と、その外部に設けられたインク供給タンクとの間を循環する。液体供給路9aから個別供給流路8aを通って液室6に供給されたインクは、エネルギー発生素子2の駆動によりエネルギーを加えられ、吐出口7から吐出して液滴が形成される。吐出口7から吐出しなかったインク10は、液室6から個別回収流路8bを通って液体回収路9bに導かれる。なお、本発明のエネルギー発生素子2は、吐出口7からインク10を吐出制御可能な吐出素子であれば特に構成は限定されない。本実施形態では一例として、抵抗型ヒータを用いたが、その他、圧電アクチュエータ、バルブ開閉式などを用いることができる。また、本発明において、インク10を前記循環経路に流す手段は、個別接続流路9aと9bの間の差圧に限定されるものではなく、例えば流路8内や液体回収路9aおよび液体回収路9b内、あるいは、共通流路に設けられた液流発生源を用いることもできる。例えば、抵抗型ヒータ、圧電アクチュエータ、電気浸透流などが挙げられる。
図2(c)は、個別流路(個別供給流路8a)付近における、流路内のインク流れ方向に対して垂直方向の断面図である。流路8は、吐出口形成部材4と第2の流路形成部材5によって形成され、インク吐出方向(液体吐出方向)に高さH(μm)を有する。
図2(d)は、液室6の中心付近における、流路内のインク流れ方向に対して直交する方向の断面図である。液室6は、基板1、吐出口形成部材4、第1の流路構成部材3により形成されている。また、吐出口形成部材4には、エネルギー発生素子2に対応する位置に吐出口7が形成されている。以降、インク吐出方向における、液室6のエネルギー発生素子2が配置された面から、吐出口形成部材4(吐出口部7b)の個別流路側の面までの高さをH(μm)と表す。同様に、液室6のエネルギー発生素子2が配置された面から、個別供給流路8aの液室6側(基板側)の面までの高さをH(μm)と表す。ここで、本発明の目的である、大きな液滴体積を得るには、Hが40μm以上であることが好ましい。また、吐出口の直径D(μm)が20μm以上であることが好ましい。これらを満足することで、20pL以上のインク吐出量(一つのインク液滴の体積)を得るのに有利な構成となる。
上述のように、本発明においては、H>Hとなるような液室6を設ける、すなわち、個別供給流路よりも液体が吐出される方向と反対側に凹んだ液室を有することにより、本発明の課題である大きな液滴体積を得ている。これにより、液滴体積を大きくする手段として吐出口の直径Dを大きくする場合と比べ、隣接する吐出口間に必要な距離が小さく済むため、吐出口の解像度を高めることができるといった利点がある。
本発明の液体吐出ヘッドは、インク流れ方向に沿い、吐出口7の中心を通る直線上において、液室6の開口の長さが吐出口7の長さ(直径D)よりも小さいことが好ましい。図3および図4は、液体吐出ヘッド内を流れるインクの循環が定常状態になったときの、インクの流速分布を示す図である。図3および図4中の矢印は、個別供給流路8aから液室6、吐出口7および個別回収流路8bにおけるインクの流れの速さを示しており、矢印の長さでインクの流速の大きさを表している。図3に示す構成では、インク流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、液室6の開口の長さは吐出口7の直径Dより小さい。この場合、インクが、吐出口部内7bに流れ込み、吐出口7の液面付近(メニスカス位置)まで達した後に、再び吐出口部7b内を通って個別回収流路8bへ向かう流れが形成される。このようなインク流れにおいて、蒸発の影響を受けやすい吐出口部7b内だけでなく、蒸発の影響が特に顕著な吐出口7の液面近傍においても、濃縮されたインクが滞ることなく、液体供給路9aから供給されるインクにより置換される。
一方で、図4に示す構成では、インク流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、方向において、液室6の開口の長さは吐出口7の直径Dよりも大きい。この場合、吐出口部7b内に向かうインク流は小さく、吐出口部内の濃縮したインクを置換する作用は弱い。
上記のように、インク流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、液室6の開口の長さは吐出口7の直径Dよりも小さいことが好ましい。この場合、インク吐出方向から平面視して、インク流れ方向において第2の流路形成部材5の吐出口側における側壁面(液室6の側壁面)は、吐出口内に位置する。この場合、第2の流路形成部材5と吐出口7とが重なり量Lで重なる領域で、吐出口部7b内へ向かう流れ場が形成される。ここで重なり量Lとは、インク吐出方向から見て、インク流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、吐出口7内に位置する第2の流路形成部材5の長さを指す。重なり量Lが大きいほど、吐出部7b内へ効率的にインクが入り込み、吐出口7の液面近傍へ向かうインク流が強く形成される。インク吐出方向から見て、第2の流路形成部材5の吐出口側における壁面と、吐出口7の端面とが略一致している構成(重なり量L=0)であっても、図3と同様のインク流形成効果が得られる。以上のことから、重なり量Lが0以上である構成が好ましい。なお、本発明の液体吐出ヘッドにおいては、個別供給流路8a側における重なり量Lが0以上であれば、液室6の開口の長さが吐出口7の直径Dよりも大きい構成であっても、本発明の効果を得られる。
個別流路8の高さHと、液室6の高さHとの関係は、H≧Hであることがより好ましい。これにより、吐出される液滴体積の増加と、吐出口7からの液体の蒸発による液体の増粘を軽減する効果が得られる。具体的には、Hが大きいことで液室6の体積を十分に確保することができ、そのうえで、Hが小さいことでインクの流速が大きくなり、吐出口部7b内にインクが流れ込みやすくなる。
また、インク吐出方向における吐出口形成部材4の高さH(μm)と、Hとの関係は、H≧Hであることがより好ましい。これにより、吐出される液滴体積の増加と、吐出口7からの液体の蒸発による液体の増粘を軽減する効果が得られる。具体的には、Hが大きいことで液室6の体積を十分に確保することができ、そのうえで、Hが小さいことで吐出口部7b内に流れこんだインクが吐出口7の液面近くまで流れ込みやすくなる。
次に、吐出口7内のインクが効率的に置換される条件について説明する。図3は、液体吐出ヘッドの個別流路8、吐出口部7b、および液室6内を流れるインク10のインク流(図2(b)参照)が定常状態になったときの吐出口7、吐出口部7b、液室6、および個別流路8におけるインク10の流速分布を示す図である。図3中の矢印は、インクの流れの速さを示しており、矢印の長さでインクの流速の大きさを表している。
本実施形態の液体吐出ヘッドは個別供給流路8aの高さHと、吐出口形成部材4の厚さHと、インク流れ方向における吐出口7の直径Dが下記式(1)の関係にある時、吐出口部7b内へより効率的にインクが流れ込む効果を得られる。
-0.34×H -0.66×D>1.7 (1)
以下では、上記式(1)の左辺の値を循環効率Jと呼ぶ。上記式(1)を満たすことで図3に示すように、個別供給流路8aを流れるインクは吐出部7b内に流れ込み、再び個別流路8(個別回収流路8b)に戻る流れとなる。この流れにより、吐出口部7b内におけるインクの増粘を抑制することができる。循環効率の値が大きいほど、インクの増粘の抑制効果がより高いレベルで得られる。
本発明の液体吐出ヘッドを含む、種々の形状の液体吐出ヘッドにおける、吐出口7付近の寸法と循環効率との関係について説明する。図5は吐出口部周辺の構造寸法と循環効率Jの関係を示す。図5中の4つの曲線は、前記式(1)を満たす液体吐出ヘッドにおいて、それぞれ循環効率が1.0、1.7、2.5、4.0となる場合の、H、HおよびDの取りうる値の関係を示す等高線である。本発明の液体吐出ヘッドは、H、H,Dが前記式(1)を満たす、図5中のJ=1.7の曲線より上側の領域に来る構成であることが好ましい。特に、インク吐出方向において、Hが15μm以下であり、かつHが20μm以下であり、かつDが30μm以上である液体吐出ヘッドは、より高精細な記録が可能となり好ましい。
なお、吐出口部7b内のインク置換量は、循環流速により決定する。本実施形態においては、前記供給流路となる個別流路が液室に接続する箇所の高さが最も小さい箇所(個別供給流路8a)でのインク流速は、例えば0.1~100mm/sec程度である。この場合、吐出口部7b内でインク流を形成させつつ、インクが流れた状態で吐出動作を行っても、着弾精度などに与える影響を比較的小さなものとできる。
次に、本発明の液体吐出ヘッドにおける、吐出口7近傍の寸法と循環効率Jと重なり量Lとの、吐出安定性への影響について説明する。図6は、種々の形状の液体吐出ヘッドにおける、循環効率Jと吐出安定性とを示す図である。基準インクを用いた場合の、吐出口部付近の寸法構成例におけるインク吐出性能の安定性を示す。ここで、基準インクとは、本液体吐出ヘッドが想定するインク特性を代表した液体であり、粘度および表面張力が調整されたものである。例えば、インクの粘度1.5~10cP、表面張力20~50mN/mの範囲にある液体を使用した。図6に示すように、前記式(1)を満たし、かつ、循環係数Jが4.4と十分に大きな構成例1では、L=0およびL=5の両方で、吐出安定性は良好であった。また、式(1)を満たさない比較例1~3では、L=5であっても良好な吐出安定性は得られなかった。式(1)を満たすものの、構成例1よりも循環効率Jの小さな構成例2~4では、L=5の場合に良好な吐出安定性が得られた。以上の結果より、本発明の液体吐出ヘッドにおいて吐出口部内の液体の濃縮を抑制し、安定して吐出を行うには、循環効率Jが大きいことに加え、重なり量Lの存在が重要であることがわかる。
重なり量Lは、H以上の十分な長さがあることが好ましい。この場合、循環効率Jは前記式(1)を満たす1.7μm程度以上であれば、吐出口部7bへのインクの流れ込みが十分に得られる。一方で、重なり量Lが短い場合、吐出口部7bへのインクを十分に流れ込ませるには、より高い循環効率Jとなる構成が必要である。循環効率Jと重なり量Lとの値は、目的とする液滴体積が得られるよう、液体吐出ヘッドにおける各寸法の値を決定すればよい。
図2(a)に示すように、本実施形態では、インク吐出方向から見てインク流れ方向と直交する方向の液室6の幅Wを、個別流路8の幅よりも小さくしている。これにより、吐出口7付近におけるインクの流速をより高める構成としている。一方で、本構成ではインク吐出後のインクの再充填速度が低下するため、目的に応じて最適な構造を選択すればよい。
また、本実施形態では、吐出口列内で隣接するインク吐出単位間においては、インク流れ方向は同じである。そのため、複数の液体供給路9aと連通する共通供給路と、複数の液体回収路9bと連通する共通回収路との間に差圧を設けることにより、複数のインク吐出単位に対して吐出口部7b内のインク濃縮抑制を達成することが可能となる。
以上の構成により、吐出口部7b内に濃縮したインクが滞留している場合も、インク流により液体供給路9aから供給されたインクを吐出口部7b内に流れ込ませることで、濃縮されたインクを吐出口部7bの外に押し流すことができる。これにより、吐出口7内のインク増粘を軽減でき、インク吐出により記録される画像の色ムラを低減することが可能となる。
本実施形態は、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッドとの間で循環させる形態のインクジェット記録装置(記録装置)について説明したが、その他の形態であってもよい。その他の形態としては、例えばインクを循環せずに、液体吐出ヘッド上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへインクを流すことで、個別流路内のインクを流動させる形態であってもよい。
本実施形態における具体的な構成は、一例として、エネルギー発生素子2は42μm×30μmの長方形、第1の流路形成部材3の高さHは40μm、吐出口形成部材4の厚さHは10μmである。吐出口7はインク流れ方向に長径が沿う、端部が半円形の長円形で、長径(直径D)は45μm、短径は20μmである。また、第2の流路形成部材5の、高さHは30μm、インク流れ方向の長さは30μmである。インク吐出方向から見て、インク流れ方向と直交する方向の幅は、液室6付近(W)で60μm、液室6付近以外で70μmである。重なり量Lは7.5μm、第2の流路形成部材5と吐出口形成部材4の間に形成される個別供給流路8aの高さHは10μm、液室の流れ方向の長さが35μmである。この場合、前記式(1)で定義される循環効率は4.5μmである。また、インク粘度は4cPで、この場合のインク吐出量(一つのインク液滴の体積)は約25pLである。
液体供給路9aと液体回収路9b間の差圧が200mmHOでは、吐出口部7へのインク流れ込み流速は最大で約10mm/secとなり、吐出口7内に向かうインク流が十分に得られ、吐出口7内のインク濃縮を抑制する効果が得られる。
(第2の実施形態)
図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドを説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、第1の実施形態と同様の構成に関しては具体的な説明を省略した。
図7(a)は本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した平面図である。図7(b)は図7(a)のD-D´線に沿った断面図、図7(c)は図7(a)のE-E´線に沿った断面図、図7(d)は図7(a)のF-F´線に沿った断面図である。
図7(a)、(b)に示すように、本実施形態では、インク吐出方向から平面視して、インク流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、吐出口7の中心は、液室6の中心に対して、個別供給流路側にシフトして配置されている。すなわち、インク吐出方向から見て吐出口7が、個別供給流路8a側の第2の流路形成部材5に重なるように位置しており、すなわち、重なり量Lが存在し、吐出口部内にインクが流れ込みやすい構成となっている。また、図7(c)に示すように、個別供給流路8aは、液体流れ方向と直交する方向の幅が、液室6と比べて小さくなっている。これにより、吐出口部7bに流れ込むインクの流速を高める効果が得られる。
図7(d)に示すように、本実施形態における液体回収路9b側の個別流路8では、液体流れ方向と直交する方向の幅が、個別流路8の幅よりも小さな第2の流路形成部材5が配置されている。この場合、液体回収路9b側の個別流路8は、個別回収流路8b以外に、第1の流路形成部材3と第2の流路形成部材5との間にバイパス流路を有する。これにより、個別回収流路8bにおける流抵抗が小さくなるため、インク吐出後の液室6および吐出口7へのインクの再充填がより早く進む。一方で、吐出口部7bに流れ込むインクの流速は小さくなるため、吐出口部7bにおける循環効率と、インク再充填速度を考慮して、最適な構造を選択すればよい。
また、本実施形態においては吐出口7の形状を円形とすることでインク吐出の安定性が高められている。一方で、吐出口7の形状をインク流れ方向に長い長円形にした場合には、吐出口部7b内にインクが流れ込みやすい効果が得られる。本発明における吐出口7の形状は、円や楕円など、既知の形状を用いればよい。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
本実施形態における具体的な構成は、一例として、液室6に対する吐出口7のシフト量は7.5μm、吐出口7の直径は30μmで、重なり量Lは5μmである。第1の流路形成部材の高さHが60μm、吐出口形成部材の厚みHが7.5μm、第2の流路形成部材の高さHは45μmである。第2の流路形成部材5と吐出口形成部材4との間に形成される個別供給流路8aの高さHは15μmであり、この場合、前記式(1)で定義される循環効率Jは3.2μmである。液室6の幅Wは個別流路8の幅と同じ70μmである。また、液体回収路9b側の第2の流路形成部材5の幅は30μmであり、インク流れ方向から見て個別流路8の中心に配置されている。そのため、液体回収路9b側の個別流路8は、インク流れ方向から見て第2の流路形成部材5の両側に、幅20μmのバイパス流路を有する。インク粘度は3cPで、この場合のインク吐出量(一つのインク液滴の体積)は約35pLである。
(第3の実施形態)
図8を用いて、本発明の第3の実施形態に係るインク吐出ヘッドを説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、第1の実施形態と同様の構成に関しては具体的な説明を省略した。
図8(a)は本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した平面図であり、図8(b)は図8(a)のG-G´線に沿った断面図である。
図8(a)に示すように、本実施形態では、液体流れ方向に沿った向きに延びる隔壁によって、個別流路8が分けられており、これにより、吐出口の解像度が高められている。また、隔壁の無い場合と同等の印字解像度を得るのに、必要な吐出口列数が半分にすることが可能である。
図8において、液体供給路9a側における重なり量Lは、吐出口形成部材4の高さHと同程度になるよう位置している。これにより、より効率的に吐出口部内にインクが流れ込む効果が得られる。加えて、インク流れ方向における第2の流路形成部材5の長さは、第1、第2の実施形態よりも短い。これにより、液体供給路9aおよび液体回収路9bと、個別流路8との接続部分における体積が大きくなり、インク吐出後の液室6および吐出口7へのインクの再充填がより早く進む。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
本実施形態における各部位の具体的な寸法の一例を以下に示す。個別流路8は隣接する2つのインク吐出単位で同じ液体供給路9に連通しており、吐出口7解像度は600dpiである。吐出口7は、インク流れ方向に長辺が沿う、端部が半円形の長円形であり、長径(直径D)は40μm、短径は20μmである。吐出口7は液室6に対して、個別供給流路8a側に10μmシフトして配置されており、重なり量Lは10μmである。また、第1の流路形成部材3の高さHは44μm、吐出口形成部材4の厚みHは10μmである。第2の流路形成部材5の高さHは24μm、第2の流路形成部材5と吐出口形成部材4との間に形成される個別供給流路8aの高さHは15μmであり、吐出口部7bにおける循環効率Jは3.2μmである。液室6の幅Wは個別流路8の幅と同じ36μmであり、第2の流路形成部材5の流れ方向の長さは15μm、エネルギー発生素子は35μm×38μmの長方形である。インク粘度は3cPで、この場合のインク吐出量(一つのインク液滴の体積)は約20pLである。
(第4の実施形態)
図9を用いて、本発明の第4の実施形態に係るインク吐出ヘッドを説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、第1の実施形態と同様の構成に関しては具体的な説明を省略した。
図9は本発明の第4の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した断面図である。本実施形態では、個別流路8は、個別回収流路8b以外に、インク吐出方向から見て個別回収流路8bの下方に、液室6と液体回収路9bとを連通するバイパス流路8cを有する。図9に示す構成では、液体回収路9b側において、基板垂直方向の高さが異なる位置に、個別回収流路8bとバイパス流路8cとの2本の流路を設けている。これにより、液室内に偶発的に気泡が滞留しても、当該気泡を排出し、吐出口からのインク吐出を安定化させる効果が得られる。加えて、液体供給路9a側は個別供給流路8a1本のみであることにより、吐出口部7b内に効率的にインクが流れ込む構成としている。
なお、図9においては、液室6に3つの流路(8a、8b、8c)が接続しているが、バイパス流路8cは2本以上設けられていてもよく、個別供給流路8a側に設けられていてもよい。ただし、バイパス流路が設けられた場合、個別供給流路8aおよび個別回収流路8bを流れるインク循環流が小さくなり、吐出口部7bに流れ込むインク流が小さくなってしまうため、目的に応じてバイパス流路の配置を決定すればよい。
液室に接続するバイパス流路の配置は、吐出口部のインク循環効率と、液室内からの気泡排出や液室内におけるインクの一定量のインク置換とを実現する構成であればよい。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
(第5の実施形態)
図10を用いて、本発明の第5の実施形態に係るインク吐出ヘッドを説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、第1の実施形態と同様の構成に関しては具体的な説明を省略した。
図10は本発明の第5の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した断面図である。本実施形態では、第2の流路形成部材5が、液体供給路9a側の個別供給流路8aにのみに配置されており、液体回収流路9b側の個別流路には配置されていない。すなわち、液室6と個別回収流路8bとが一体となっている。この場合、個別流路8は、液体供給路9a側(個別供給流路8a)よりも、液体回収路9b側の高さが大きくなっている。よって、液室6に気泡が滞留してもより効果的に気泡を液室6から排出することが可能となり、吐出口7からのインク吐出を安定化させる効果が得られる。一方で、液体が供給される個別供給流路8aは、吐出口7近傍に位置するため、吐出口部7b内には効率的にインクが流れ込む構成となっている。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
(第6の実施形態)
図11を用いて、本発明の第6の実施形態に係るインク吐出ヘッドの記録素子基板の構成を説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、具体的な説明を省略した個所については第1の実施形態と同様の構成である。
図11(a)は本発明の第6の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した平面図である。図11(b)は図11(a)のH-H´線に沿った断面図である。
本実施形態では、インク流れ方向に沿い、吐出口7の中心を通る直線上において、吐出口7と液室6との中心は一致しており、かつ、吐出口7の直径Dよりも、インク流れ方向の液室6の長さの方が大きい。そのため、第2の流路形成部材5と吐出口7に重なり量Lがない構成となっている。一方で、第2の流路形成部材5の吐出口7側の側壁には、インク吐出方向から見て、液室6の中心に向かって吐出口7に重なるように突出した突起51が設けられている。前記突起51は、インク吐出方向から見て、インク流れ方向に沿い、吐出口7の中心を通る直線上に設けられ、図11においては、吐出口7の中心に対して略対称に2つ設けられている。この突起51の存在により、吐出口部7bへインクが流れ込みやすくなる効果が得られる。さらに、図11に示す構成において突起51は、吐出口7の中心を通り、インク流れ方向に沿った直線上において、液室6の中心に対して略対称に配置されている。これにより、エネルギー発生素子による吐出圧力に対してインクの吐出がよれず、尾引きが安定可される効果が得られる。ここで、突起51は、第2の流路構成部材5と連続して設けられる必要はなく、液室6内に設けられていれば、第1の流路形成部材3や、吐出口形成部材4、基板1に支持される形で設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。
また、図11(c)に示すように、インクの吐出安定化のために吐出口7にも第2の流路形成部材5と同様の突起が設けられていてもよい。この場合、インクの循環流が吐出口7の液面近傍に流れ込みにくくなる可能性があるが、インク吐出方向から見て、突起51と重なるように突起52を配置することで、吐出口部7b内へのインクの流れ込み効果を得ることができる。図11(c)において突起52は、インク吐出方向から見て、インク流れ方向に沿い、吐出口7の中心を通る直線上に設けられている。また、2つの突起52は、吐出口7の中心に対して略対称に2つ設けられている。突起52の存在により、吐出液滴の尾引きが短くなる効果を得られる。具体的に説明すると、2つの突起27間に形成されるインクのメニスカスが、その他の部分のメニスカスに比べて維持されやすくなる。このために、吐出口7から延出する液滴の尾引きを、より早いタイミングで切断することができ、主滴に付随して発生する微小液滴であるミストの発生を抑制することができる。
突起27同士の間隔が広くなると、吐出液滴の尾引きが長くなって小さなサテライトが発生しやすくなる。このため、インク吐出方向から見てインク流れ方向に沿い吐出口7の中心を通る直線上における突起52間の間隔は5.0μm以下であることが望ましい。一方で、狭くなりすぎると突起の成形が困難であったり、吐出液滴が二つに分離したりする場合があるため、突起52間の間隔は2.0μm以上であることが望ましい。すなわち、突起52間の間隔は、2.0μm以上5.0μm以下であることが望ましい。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
(第7の実施形態)
図12を用いて、本発明の第6の実施形態に係るインク吐出ヘッドの記録素子基板の構成を説明する。なお、以下の説明においては第1の実施形態との違いを主に説明するため、第1の実施形態と同様の構成に関しては具体的な説明を省略した。
図12(a)は本発明の第7の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した平面図である。図12(b)は図12(a)のI-I´線に沿った断面図である。
本実施形態では、第2の流路形成部材は、インク吐出方向から見て吐出口7内に存在し、第1の流路形成部材3と第2の流路形成部材5の、インク吐出方向における高さが同じである。第2の流路形成部材5は液体供給路9a側の個別流路8の一部を遮断する形で配置されている。液体供給路9a側から吐出口部7bへ連通する個別流路8の幅が狭められていることで、インクは吐出口部7b内へ流れ込み、吐出口部7b内のインクを押し流して、液体回収路9bへと排出される。本実施形態の液体供給路9a側の個別流路8の形状を規定する、第1の流路構成部材3と第2の流路形成部材5との配置と形状は、図12に示す構造に限定されるものではない。吐出口部内に効率的にインクが流れ込むとともに、吐出するインクの安定性と、インクの再充填速度とを考慮した条件にて自由に設計することが可能である。また、吐出口を円形とすることでインク吐出の安定性が高められている。
以上の実施形態により、吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができ、かつ、一つのインク液滴の体積を大きくすることができる。
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 第1の流路形成部材
4 吐出口形成部材
5 第2の流路形成部材
6 液室
7 吐出口
7b 吐出口部
8 個別流路
8a 個別供給流路
8b 個別回収流路
8c バイパス流路
9a 液体供給路
9b 液体回収路
10 インク
100 記録素子基板
110 吐出口列

Claims (15)

  1. 液体を吐出するための吐出口を有する吐出口形成部と、
    前記吐出口から液体が吐出される方向において前記吐出口と対向し、前記吐出口に液体を供給するように構成された液室と、前記液室に液体を供給するための個別供給流路と、を有する流路形成部と、
    前記個別供給流路に液体を流入させるように構成された供給流路と、前記液室から液体を流出させるように構成された流出流路と、を有する基板と、
    を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記基板の面と垂直な方向における、前記個別供給流路の高さをHμm、前記液室の前記吐出口と対向する面から前記吐出口形成部材までの高さをHμmとした場合に、H>Hであり、
    前記基板の面と垂直な方向から見て、前記吐出口の中心を通り、液体の流れ方向に沿う直線上において、
    (1)前記供給流路側における前記液室の側壁面が前記吐出口の端面と一致する、又は、
    (2)前記側壁面が前記吐出口内に位置する、
    液体吐出ヘッド。
  2. 液体を前記吐出口から吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が、前記液室内に設けられている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記流路形成部は、さらに、前記液室と前記流出流路とを連通する個別流出流路を有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記流路形成部の内部の液体は、当該流路形成部の外部との間で循環されるように構成された、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 液体の流れ方向に沿い、前記吐出口の中心を通る直線上において、前記液室の開口の長さは、前記吐出口の長さよりも小さい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド
  6. 前記液体吐出方向から平面視して、液体の流れ方向に沿い、吐出口の中心を通る直線上において、前記吐出口の中心が、前記液室の中心に対して前記個別供給流路側に位置する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記吐出口の中心を通り、前記液体の流れ方向に沿った直線上において、前記供給流路と前記流出流路が前記吐出口の中心に対して略対称に配置されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記供給流路もしくは前記流出流路と、前記液室と、を連通するバイパス流路を有する、請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記液体の流れ方向と直交する方向における幅は、前記供給流路、前記流出流路、および前記個別供給流路よりも、前記液室において小さい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記液室は、前記個別供給流路よりも液体が吐出される前記方向と反対側に凹んでいる、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記液体吐出方向における前記吐出口形成部の厚みをH、前記液体の流れ方向における前記吐出口形成部の厚みをDμmとした場合に、
    -0.34×H -0.66×D>1.7
    を満たす、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記液体吐出方向における前記吐出口形成部の厚みをH、前記液体の流れ方向における前記吐出口形成部の厚みをDμmとした場合に、
    前記Hが15μm以下、前記Hが20μm以下、前記Dが30μm以上である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記Hが40μm以上、前記液体の流れ方向における前記吐出口形成部の厚みDが20μm以上で、前記吐出口から吐出される液体の吐出量が20pL以上である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口に液体を供給するための吐出口部と、前記吐出口部に液体を供給するための個別流路と、前記個別流路に液体を流入させるように構成された供給流路と、前記個別流路から液体を流出させるように構成された流出流路と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記個別流路は、前記吐出口から液体が吐出される方向において前記吐出口と対向するように配置された液室と、液体の流れ方向において前記液室よりも前記供給流路側に配置された個別供給流路と、を有し、
    前記液室は、前記個別供給流路よりも液体が吐出される前記方向と反対側に凹んでおり、
    液体が吐出される前記方向から見て、前記吐出口の中心を通り、前記液体の流れ方向に沿う直線上において、
    (1)前記供給流路側における前記液室の側壁面が前記吐出口の端面と一致する、または、
    (2)前記側壁面が前記吐出口内に位置する
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  15. 請求項1又は14に記載の液体吐出ヘッドを備え、前記液体吐出ヘッドに対して、液体を前記供給流路に供給させ、前記流出流路から液体を流出させて、液体の循環を行うように構成された液体吐出装置。
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