JP2017060888A - 内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】血管を目立たせることなく、腺管構造を強調表示する。
【解決手段】検体を白色光で照明する通常観察モードと、青紫色光の発光比率を青色光の発光比率よりも大きくし、且つ第1特殊光画像を得る処理を行う第1特殊観察モードと、青紫色光の発光比率を青色光の発光比率よりも大きくし、且つ第2特殊光画像を得る処理を行う第2特殊観察モードとを切り替えが可能である。第1特殊光画像は、腺管構造と微細血管が強調表示されている。第2特殊光画像は、腺管構造が明瞭化され、微細血管が抑制されている。
【選択図】図17A

Description

本発明は、検体内における腺管構造などに着目して診断を行う内視鏡システムに関する。
近年の医療においては、光源装置、電子内視鏡、プロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いた診断等が広く行われている。内視鏡システムによる検体内の観察としては、ブラウニッシュエリアや発赤など病変部である可能性が高い病変可能性部位を遠景状態から検出するスクリーニング観察の他、そのような病変可能性部位を検出したときに、ズーミングレンズを用いて、その病変可能性部位を拡大して精査する拡大観察が行われている。この拡大観察では、腺管構造について着目して診断することが行われている。
腺管構造に着目する拡大観察において、通常光画像(白色光の照明時に得られる画像)を用いた場合には、腺管構造S(Structure)のコントラストが低いため、腺管構造の状態を読み取ることが困難である(図14A,図14B参照)。そこで、インジゴなどの色素を撒布して、色素を腺管構造のpit部分に流し込むことにより、腺管構造のコントラストを上げることが行われている。この色素撒布で腺管構造Sは明瞭化するため、腺管構造Sの状態を読み取ることができるようになる(図18A,図18B参照)。
また、青色帯域において波長を狭帯域化した青色狭帯域光を照明して、腺管構造を白く明るく強調して画像表示することも行われている。これは、青色狭帯域光が粘膜表層付近で反射しやすいことを利用するものである。このように青色狭帯域光の照明により得られる狭帯域青色画像では、腺管構造Sのコントラストが向上するため、腺管構造の状態を読み取ることができるようになる(図15A,図15B、及び特許文献1参照)。
特許3607857号公報
青色狭帯域光を用いる狭帯域光観察では、色素を撒布することなく、腺管構造を構造強調させることができるため、色素の洗浄などが不要になり、ドクターにとって負担軽減となる。しかしながら、狭帯域光観察で表示される腺管構造の形状は白色調で表示されるのに対して、色素の一つであるインジゴを撒布した場合の腺管構造の形状は青色調で表示されるため、狭帯域光観察時と色素撒布時とでは、腺管構造は全く異なる色で表示されることとなる。この狭帯域光観察のように、腺管構造の形状が、インジゴなどの色素の色と異なる色で表示されると、色素観察に慣れたドクターが戸惑ってしまうことがあった。
そこで、狭帯域光観察時においても、腺管構造をインジゴなどの色素の色に近づけて表示することが求められている。例えば、特許文献1では、狭帯域青色画像をモニタのRGBchに割り付けるとともに、Bchの重み付け係数を、Gch, Rchの重み付け係数よりも大きくすることで、インジゴ染色を行った場合と同系色が表示されるようにしている。しかしながら、この特許文献1の場合には、腺管構造のみならず、微細血管などもインジゴ染色調になるため、腺管構造と微細血管等との違いを強調することができない。
また、特開2009−66147号公報、特許4451460号公報、特許3572304号公報、特許3559755号のような階調反転処理を行うことで、白く明るく表示されている腺管構造の一部を暗くすることが考えられる。このように階調反転処理を行うことで、インジゴ撒布した場合のように腺管構造を際立たせることができる。しかしながら、階調反転処理は画像中の全画素に対して施されるため、腺管構造だけでなく血管構造の階調も反転してしまう。
例えば、図15A、Bのような狭帯域光観察時に得られる狭帯域光画像(青色狭帯域光の照射によって腺管構造Sと微細血管Vの両方が強調表示されている画像)に対して、階調反転処理を施すと、図24A、Bの狭帯域光反転画像ように、微細血管Vは明るくなって、腺管構造と同じ程度に目立ってしまう。このように、血管が目立ってしまうと、血管の存在が腺管構造の視認性を低下させることになるため、腺管構造の状態を正確に読み取ることが難しくなる。したがって、血管を目立たせることなく腺管構造を強調表示することが求められている。
なお、上記階調反転処理について記載された文献のうち、特許3572304号公報には、階調反転処理により血管の筋道を明瞭化することが記載されているが、狭帯域光観察時において腺管構造を明瞭化することや、血管を目立たせずに腺管構造を強調表示することについては全く触れられていない。また、その他の文献についても、狭帯域光観察時において腺管構造を明瞭化することや、血管を目立たせずに腺管構造を強調表示することについては全く触れられていない。
本発明は、血管を目立たせることなく、腺管構造を強調表示することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の内視鏡システムは、青紫色光を発する青紫色半導体発光素子と、青色光を発する青色半導体発光素子と、青紫色半導体発光素子と青色半導体発光素子の発光を個別に制御する光源制御部と、青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、通常光画像を得る処理を行う通常光画像処理部と、青紫色光及び青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、第1特殊光画像を得る処理を行う第1特殊光画像処理部と、青紫色光及び青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、第1特殊光画像と異なる第2特殊光画像を得る処理を行う第2特殊光画像処理部と、通常光画像を得る処理を行う通常観察モードと、青紫色光の発光比率が通常観察モードよりも大きく、且つ第1特殊光画像を得る処理を行う第1特殊観察モードと、青紫色光の発光比率が通常観察モードよりも大きく、且つ第2特殊光画像を得る処理を行う第2特殊観察モードとを切り替えるモード切替部とを備える内視鏡システム。
第2特殊観察モードの青紫色光の発光比率及び青色光の発光比率は、第1特殊観察モードの青紫色光の発光比率及び青色光の発光比率と同じであることが好ましい。第2特殊光画像は、青色系色素を散布した場合に得られる画像に近づいていることが好ましい。第2特殊光画像は、腺管構造が明瞭化され、微細血管が抑制されていることが好ましい。第2特殊光画像は、腺管構造及びこの腺管構造よりも暗い微細血管を含む画像に対して、微細血管の表示を抑制する抑制処理と、腺管構造を微細血管よりも暗くする階調反転処理とを施して得られることが好ましい。第1特殊光画像は、腺管構造と微細血管が強調表示されていることが好ましい。
第2特殊観察モードの青紫色光の発光比率が、第1特殊観察モードの青紫色光の発光比率よりも低いことが好ましい。通常光画像処理部は、青紫色光及び青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、通常光画像を得る処理を行うことが好ましい。通常光画像は、白色光を照明した場合に得られる画像と同等の色調を有することが好ましい。通常観察モードでは、青色光を含む光の発光比率がスコープ種に応じて適切に設定されていることが好ましい。
第1画像において、腺管構造は粘膜よりも明るく、微細血管は粘膜よりも暗くなっており、抑制・反転処理部は、第1画像に対して抑制処理を施す抑制部と、抑制処理が施された第1画像に対して、腺管構造を粘膜よりも暗くする階調反転処理を施す第1階調反転部と、
を備えることが好ましい。第1画像はRGB画像データからなり、第1階調反転部は、抑制処理が施されたRGB画像データの階調を反転させることが好ましい。抑制処理が施された第1画像を、明るさ情報を持つ明るさデータと色情報を持つ色データとに分離する分離部を備え、第1階調反転部は、明るさデータの階調を反転することが好ましい。
第1画像において、腺管構造は粘膜よりも明るく、微細血管は粘膜よりも暗くなっており、抑制・反転処理部は、第1画像に対して抑制処理を施す抑制部と、抑制処理が施された第1画像に対して、腺管構造を粘膜よりも暗くし、且つ腺管構造の色を青色系色素の色に近づける階調反転処理を施す第2階調反転部と、を備えることが好ましい。第2階調反転部の階調反転処理は、粘膜の色を、白色光で照明したときの粘膜の色に近づけることが好ましい。
第1画像はRGB画像データからなり、第2階調反転部は、抑制処理が施されたR画像データについては中間値が明るくなるように階調反転し、抑制処理が施されたB画像データについては中間値が暗くなるよう階調反転し、且つ、階調反転後の暗い部分が明るくなるように階調反転することが好ましい。抑制処理が施された第1画像を、明るさ情報を持つ明るさデータと色情報を持つ色データとに分離する分離部を備え、第2階調反転部は、明るさデータについて中間値が明るくなるように階調を反転し、色データに対しては黄色付近の色を青色に近づける階調処理を施すことが好ましい。青色系色素はインジゴであることが好ましい。
第1画像は、第1及び微細血管を含む青色狭帯域画像を有することが好ましい。第1及び微細血管を拡大する拡大手段を備え、第1画像は、拡大手段を用いる拡大観察時に得られることが好ましい。腺管構造は腺管構造であり、微細血管は微細血管であることが好ましい。
本発明によれば、血管を目立たせることなく、腺管構造を強調表示することができる。
内視鏡システムの外観図である。 第1実施形態の内視鏡システムの各構成を示すブロック図である。 白色光の発光スペクトルを示すグラフである。 特殊光の発光スペクトルを示すグラフである。 血管抑制部の各構成を示すブロック図である。 B画像信号の所定ラインにおける輝度分布を示すグラフである。 血管抽出画像の所定ラインにおける輝度分布を示すグラフである。 血管抑制用画像生成部内のLUTの入出力関係を示すグラフである。 血管抑制用画像の所定ラインにおける輝度分布を示すグラフである。 血管抑制用画像をベース画像に合成して得られる血管抑制画像の所定ラインンにおける輝度分布を示すグラフである。 第1実施形態の階調反転に用いるRGB画像データ用のトーンカーブを示すグラフである。 階調反転処理を説明するための説明図である。 Lab変換部及びRGB変換部を有する階調反転部のブロック図である。 第1実施形態の階調反転処理に用いるLabデータ用のトーンカーブを示すグラフである。 第1実施形態における一連の流れを表したフローチャートである。 拡大観察時に得られる通常光画像の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図14Aの画像図である。 拡大観察時に得られる第1特殊光画像(狭帯域光画像)の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図15Aの画像図である。 拡大観察時に得られる血管抑制画像の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図16Aの画像図である。 拡大観察時に得られる血管抑制・反転画像の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図17Aの画像図である。 拡大観察時に得られる色素撒布画像の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図18Aの画像図である。 第2実施形態の階調反転に用いるRGB画像データ用のトーンカーブを示すグラフである。 第2実施形態の階調反転処理に用いるLabデータ用のトーンカーブを示すグラフである。 面順次方式の内視鏡システムにおける各構成を示すブロック図である。 回転フィルタの平面図である。 分光演算部を有する第2特殊光画像処理部のブロック図である。 拡大観察時に得られる狭帯域光反転画像の画像図である。 腺管構造を黒太線部で示した図24Aの画像図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール20とを有する。内視鏡12は光源装置14と光学的に接続されるとともに、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、検体内に挿入される挿入部21と、挿入部の基端部分に設けられた操作部22と、挿入部21の先端側に設けられる湾曲部23及び先端部24を有している。操作部22のアングルノブ22aを操作することにより、湾曲部23は湾曲動作する。この湾曲動作に伴って、先端部24が所望の方向に向けられる。
また、操作部22には、アングルノブ22aの他、モード切替SW22bと、ズーム操作部22cが設けられている。モード切替SW22bは、通常観察モードと、第1特殊観察モード、第2特殊観察モードの3種類のモード間の切り替え操作に用いられる。通常観察モードは、白色光を用いる観察モードである。第1及び第2特殊観察モードは青味を帯びた特殊光を用いる観察モードであり、第1特殊観察モードでは腺管構造と微細血管の両方を明瞭化し、第2特殊観察モードでは血管を抑制して、腺管構造を明瞭化する。ズーム操作部22cは、内視鏡12内のズーミングレンズ47(図2参照)を駆動させて、検体を拡大させるズーム操作に用いられる。
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール20と電気的に接続される。モニタ18は、画像情報等を出力表示する。コンソール20は、機能設定等の入力操作を受け付けるUI(ユーザーインターフェース)として機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像情報等を記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
図2に示すように、光源装置14は、中心波長445nmの青色レーザ光を発する青色レーザ光源(445LD)34と、中心波長405nmの青紫色レーザ光を発する青紫色レーザ光源(405LD)36とを発光源として備えている。これら各光源34、36の半導体発光素子からの発光は、光源制御部40により個別に制御されており、青色レーザ光源34の出射光と、青紫色レーザ光源36の出射光の光量比は変更自在になっている。光源制御部40は、通常観察モードの場合には、主に青色レーザ光源34を駆動させ、青紫色レーザ光をわずかに発光するように制御している。これに対して、第1及び第2特殊観察モードの場合には、青色レーザ光源34と青紫色レーザ光36の両方を駆動させるとともに、青紫色レーザ光の発光比率を青色レーザ光の発光比率よりも大きくなるように制御している。
なお、青色レーザ光又は青紫色レーザ光の半値幅は±10nm程度にすることが好ましい。また、通常観察モードの場合には、青紫色レーザ光36の駆動を停止してもよい。また、青色レーザ光源34及び青紫色レーザ光源36は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオード等の発光体を用いた構成としてもよい。
これら各光源34、36から出射されるレーザ光は、集光レンズ、光ファイバ、合波器などの光学部材(いずれも図示せず)を介して、ライトガイド(LG)41に入射する。ライトガイド41は、光源装置14と内視鏡12を接続するユニバーサルコード(図示せず)内に内蔵されている。中心波長445nmの青色レーザ光又は中心波長405nmの青紫色レーザは、ライトガイド41を介して、内視鏡12の先端部24まで伝搬される。なお、ライトガイド41としては、マルチモードファイバを使用することができる。一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径が φ0.3〜0.5mmの細径なファイバケーブルを使用することができる。
内視鏡の先端部24は照明光学系24aと撮像光学系24bを有している。照明光学系24aには、ライトガイド41からの中心波長445nmの青色レーザ光又は中心波長405nmの青紫色レーザが入射する蛍光体44と、照明レンズ45が設けられている。蛍光体44に、青色レーザ光が照射されることで、蛍光体44から蛍光が発せられる。また、一部の青色レーザ光は、そのまま蛍光体44を透過する。青紫色レーザ光は、蛍光体44を励起させることなく透過する。蛍光体44を出射した光は、照明レンズ45を介して、検体内に照射される。
ここで、通常観察モードにおいては、主に青色レーザ光が蛍光体44に入射するため、図3Aに示すように、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体44から励起発光する蛍光を合波した白色光が、検体内に照射される。一方、第1及び第2特殊観察モードにおいては、青紫色レーザ光と青色レーザ光の両方が蛍光体44に入射するため、図3Bに示すように、青紫色レーザ光、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体44から励起発光する蛍光を合波した特殊光が、検体内に照射される。この第1及び第2特殊観察モードでは、青紫色レーザ光の発光比率を青色レーザ光の発光比率よりも大きくしているため、特殊光は、青色成分を多く含み且つ波長範囲がほぼ可視光全域に及ぶ光となっている。
なお、蛍光体44は、青色レーザ光の一部を吸収して、緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl1017)等の蛍光体)を含んで構成されるものを使用することが好ましい。本構成例のように、半導体発光素子を蛍光体44の励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度、色度の変化を小さく抑えることができる。
図2に示すように、内視鏡12の撮像光学系24bは、撮像レンズ46、ズーミングレンズ47、センサ48を有している。検体からの反射光は、撮像レンズ46及びズーミングレンズ47を介して、センサ48に入射する。これにより、センサ48に検体の反射像が結像される。ズーミングレンズ47は、ズーム操作部22cを操作することで、テレ端とワイド端との間を移動する。ズーミングレンズ47がワイド端側に移動すると検体の反射像が拡大する一方で、テレ端側に移動することで、検体の反射像が縮小する。
センサ48はカラーの撮像素子であり、検体の反射像を撮像して画像信号を出力する。なお、センサ48は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等であることが好ましい。本発明で用いられるイメージセンサは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の画像信号を得るためのカラーイメージセンサ、撮像面にRGBフィルタを備えた、いわゆるRGBイメージセンサであっても良いし、撮像面にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタを備えた、いわゆる補色イメージセンサであっても良い。補色イメージセンサの場合には、CMYGの4色の画像信号から色変換によってRGBの3色の画像信号を得ることができる。この場合には、CMYGの4色の画像信号からRGBの3色の画像信号に色変換する色変換手段を、内視鏡12、光源装置14又はプロセッサ装置16のいずれかに備えている必要がある。
センサ48から出力される画像信号は、CDS・AGC回路50に送信される。CDS・AGC回路50は、アナログ信号である画像信号に相関二重サンプリング(CDS)や自動利得制御(AGC)を行う。CDS・AGC回路50を経た画像信号は、A/D変換器(A/Dコンバータ)52により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換されたデジタル画像信号は、プロセッサ装置16に入力される。
プロセッサ装置16は、受信部54と、画像処理切替部60と、通常光画像処理部62と、第1特殊光画像処理部64、第2特殊光画像処理部65と、画像表示信号生成部66とを備えている。受信部54は内視鏡12からのデジタル画像信号を受信する。この受信部54は、DSP(Digital Signal Processor)56とノイズ除去部58を備えている。DSP56は、デジタル画像信号に対してガンマ補正、色補正処理を行う。ノイズ除去部58は、DSP56でガンマ補正等が施されたデジタル画像信号に対してノイズ除去処理(例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等)を施すことによって、デジタル画像信号からノイズを除去する。ノイズが除去されたデジタル画像信号は、画像処理切替部60に送信される。
画像処理切替部60は、モード切替SW22bにより通常観察モードにセットされている場合には、デジタル画像信号を通常光画像処理部62に送信する。一方、第1特殊観察モードに設定されている場合には、デジタル画像信号を第1特殊光画像処理部64に送信し、第2特殊観察モードに設定されている場合には、デジタル画像信号を第2特殊光画像処理部65に送信する。
通常光画像処理部62は、色変換部68と、色彩強調部70と、構造強調部72とを有する。色変換部68は、入力されたRGB3チャンネルのデジタル画像信号を、それぞれR画像データ、G画像データ、B画像データに割り付ける。これらRGBの画像データに対しては、更に、3×3のマトリックス処理、階調変換処理、3次元LUT処理などの色変換処理を行い、色変換処理済RGB画像データに変換する。
色彩強調部70は、色変換済RGB画像データに対して、各種色彩強調処理を施す。構造強調部72は、色彩強調処理済RGB画像データに対して、シャープネスや輪郭強調等の構造強調処理を行う。構造強調部72で構造強調処理が施されたRGB画像データは、通常光画像とし画像表示信号生成部66に入力される。
第1特殊光画像処理部64は、色変換部74と、色彩強調部76と、構造強調部77とを有する。色変換部74は、RGB3チャンネルのデジタル画像信号のうち、G画像信号をR画像データに割り付け、B画像信号をG画像データ及びB画像データに割り付ける。ここで、B画像データにはB画像信号が割り付けられているものの、G画像データにはG画像信号ではなくB画像信号が割り付けられており、R画像データにはR画像信号ではなくG画像信号が割り付けられているため、これらBGR画像データに基づいてモニタ18上に表示される画像は、疑似カラー画像となる。なお、この色変換部74では、色変換部68のように、RGB画像信号をそれぞれRGB画像データに割り付けて、白色ベースの画像を生成してもよい。
色彩強調部76は、色彩強調部70と同様、色変換済RGB画像データに対して、各種色彩強調処理を施す。構造強調部77は、構造強調部72と同様、色彩強調処理済RGB画像データに対して、シャープネスや輪郭強調等の構造強調処理を行う。構造強調部77で構造強調処理が施されたRGB画像データは、第1特殊光画像として、画像表示信号生成部66に入力される。
第2特殊光画像処理部65は、入力されたRGB3チャンネルのデジタル画像信号に対して、血管の表示を抑制する血管抑制処理を施して、血管抑制画像を生成する血管抑制部78と、血管抑制画像に対して階調を反転する階調反転処理を施して、血管の表示を抑制しつつ腺管構造の表示を強調した血管抑制・反転画像を生成する階調反転部79とを有する。
図4に示すように、血管抑制部78は、ベース画像生成部80と、周波数フィルタリング処理部81と、血管抑制用画像生成部82と、画像合成部83とを備えている。ベース画像生成部80は、色変換部74と同様、RGB3チャンネルのデジタル画像信号のうち、G画像信号をR画像データに割り付け、B画像信号をG画像データ及びB画像データに割り付ける。これらRGB画像データがベース画像となる。このベース画像は、第1特殊光画像であるため、モニタ18上では疑似カラーで表示される。なお、ベース画像生成部では、色変換部68のように、RGB画像信号をそれぞれRGB画像データに割り付けて、疑似カラーでない白色ベースのベース画像を生成してもよい。
このベース画像のB画像データには、腺管構造や微細血管に対して構造強調効果を施すことができる青紫色レーザ光及び青色レーザ光など青色帯域の反射成分を多く有している。そのため、図5に示すように、ベース画像のB画像データ84では、腺管構造S(Structure)は、青紫色レーザ光及び青色レーザ光など青色成分の光によって、粘膜M(Mucous membrane)よりも明るく表示される。これは、青色成分の光は、腺管構造Sがある粘膜表層付近で反射しやすいためである。また、青紫色レーザ光及び青色レーザ光は、キセノン光などの広帯域光を波長分離して得られる青色狭帯域光と異なり、直進性の高い光であるため、腺管構造のpit部分の底面まで深達する。この効果によって、腺管構造Sは更に明るく表示されるようになる。一方、微細血管V(Vascular)は、特殊光のうち青紫色レーザ光及び青色レーザ光などヘモグロビンの吸光係数が高い青色成分の光を良く吸収するため、粘膜Mよりも暗くなっている。
周波数フィルタリング処理部81は、RGB3チャンネルのデジタル画像信号のうちB画像信号に対して、粘膜表層にある微細血管に対応する周波数帯域成分を抽出する周波数フィルタリング処理を施して、血管抽出画像信号を生成する。図6に示すように、血管抽出画像信号85では、周波数フィルタリング処理の抽出帯域成分に含まれている微細血管Vの画素は、出力値が「負」となるダウンエッジとなっている。これに対して、周波数フィルタリング処理の抽出帯域成分に含まれていない腺管構造Sは、出力値はほぼ「0」となっている。また、粘膜M(Mucous membrane)は、輝度値の変化がほとんど無いため、出力値はほぼ「0」となっている。なお、腺管構造を強調する場合には、抽出帯域成分に腺管構造の周波数帯域も含むようにすることで、微細血管とともに腺管構造も抽出する。この場合の血管抽出画像信号には、出力値が「正」となるアップエッジの腺管構造の画素も含まれるようになる。
血管抑制用画像生成部82は、血管抽出画像信号から、微細血管の表示抑制に用いられる血管抑制用画像を生成する。この血管抑制用画像生成部82は、血管抽出画像信号を入力して血管抑制用画像を出力するLUT82aを備えている。LUT82aは、図7の入出力関係に示すように、血管抽出画像信号のうち負の値の入力に対して、正の値を出力する。これにより、図8に示すように、微細血管Vの画素が「正」となる血管抑制用画像が得られる。この血管抑制用画像を、ベース画像上に加算することで、微細血管の明るさが粘膜に近づいて、粘膜と微細血管とのコントラストが低下もしくは両者の違いがほとんど無くなる。
なお、LUT82aでは、図7の入出力関係に示すように、血管抽出画像信号のうち正の値(アップエッジ)の入力に対して「0」を出力するが、腺管構造を強調させる場合には、「正」の値を出力するようにしてもよい。このとき、出力する「正」の値は、強調度に応じて、大きくすることが好ましい。また、図7の入出力関係はコンソール20などにより適宜調整することができる。その際、血管抑制用画像をベース画像に加算したときに、微細血管の画素と粘膜の画素の画素値がほぼ同じになるように、調整することが好ましい。
画像合成部83は、血管抑制用画像をベース画像に合成することにより、微細血管の表示を抑制させた血管抑制画像を作成する。この画像合成部83では、ベース画像のうちB画像データの各画素(Bch)に対して、血管抑制用画像の各画素の値を加算するが、G画像データ又はR画像データの各画素に対しても強調・抑制画像の各画素の値を加算してもよい。なお、血管抑制用画像とベース画像の合成により、微細血管が粘膜と識別できなくなる程度にまで抑制すること(即ち、微細血管を消滅させること)が好ましい。
例えば、図9に示すように、血管抑制画像100(図8参照)をベース画像105のBch(B画像データの各画素)に合成した場合には、微細血管Vと周囲の粘膜Mとのコントラストが低下して、微細血管Vの表示が抑制された血管抑制画像110が得られる(点線は合成前の輝度値を示している)。
階調反転部79は、血管抑制画像のRGB画像データに対して、階調反転処理を施す。この階調反転部79では、血管抑制画像のRGB画像データの入力に対して、図10に示すRGB画像データ用のトーンカーブ125a〜125cに従って、階調を反転した血管抑制・反転画像のRGB画像データを出力する。これにより、中間値の部分はそのままの明るさを維持する一方で、明るい部分は暗くなり、反対に暗い部分は明るくなる。出力後の血管抑制・反転画像のRGB画像データは、第2特殊光画像として画像表示信号生成部66に送信される。なお、トーンカーブ125a〜125cに関するデータは、階調反転部79内のLUT79aに記憶されている。
例えば、血管抑制画像110(図9参照)のB画像データに対して階調反転処理を施した場合は、図11に示すような血管抑制・反転画像112のB画像データが得られる。この血管抑制・反転画像112のB画像データでは、腺管構造Sは粘膜Mよりも暗くなる。このように腺管構造Sを粘膜Mよりも暗い色で表すことで、インジゴ撒布した場合のように腺管構造Sを際立たせることができる。これに対して、微細血管Vはもともと粘膜の明るさに近いため、階調反転処理を施したとしても、階調反転後の微細血管Vは粘膜Mよりも若干明るくなる程度で、粘膜Mの明るさとほとんど変わらない。したがって、血管抑制・反転画像112は、血管の存在が腺管構造の視認性を妨げることがなく、また、色素観察に慣れているドクターが違和感無く腺管構造の状態を読み取ることができる画像となっている。
なお、階調反転部79では、血管抑制画像のRGB画像データに階調反転処理を施す代わりに、血管抑制画像のRGB画像データを明るさデータと色データに分離し、明るさデータに対してのみ階調反転処理を施してもよい。階調反転後は、階調反転処理後の明るさデータと色データをRGB変換することによって、血管抑制・反転画像のRGB画像データを生成する。
例えば、血管抑制画像のRGB画像データをLab変換する場合には、図12Aに示すように、階調反転部79に、Lab変換部79bと、RGB変換部79cを設ける。まず、Lab変換部79bにおいて、血管抑制画像のRGB画像データを、Lab変換により、明るさ情報を持つLデータと、赤色〜緑色に関する色情報を持つaデータと、青色〜黄色に関する色情報を持つbデータとに分離する。そして、図12Bに示すように、Lデータに対しては、トーンカーブ127aに従って、階調を反転させる処理を行う一方、aデータとbデータについては、トーンカーブ127b,127cに従って、階調を維持する処理を行う。これにより、色調を変えることなく、腺管構造Sを粘膜よりも暗いインジゴの色に近づけることができる。
これらLデータ、aデータ、bデータは、RGB変換部79cで、RGB変換が施されて、血管抑制・反転画像のRGB画像データに変換される。なお、明るさデータと色データの分離は、Lab変換の他、YCbCr変換により行ってもよい。また、トーンカーブ127a〜127cに関するデータは、階調反転部79内のLUT79aに記憶されている。
画像表示信号生成部66は、通常光画像処理部62、第1特殊光画像処理部64、第2特殊光画像処理部65から入力された通常光画像、第1特殊光画像、第2特殊光画像を、モニタ18で表示可能画像として表示するための表示画像信号に変換する。この変換後の表示画像信号に基づいて、モニタ18は、通常光画像、第1特殊光画像、第2特殊光画像を表示する。
次に、本実施形態における一連の流れを図13のフローチャートに沿って説明する。まず、通常観察モードにおいて、遠景状態からスクリーニングを行う。このスクリーニング時に、ブラウニッシュエリアや発赤など病変の可能性がある部位(病変可能性部位)を検出したときには、ズーム操作部22cを操作して、その病変可能性部位を拡大する拡大観察を行う。この拡大観察時には、図14A、Bに示すような、微細構造Sが拡大化した通常光画像がモニタ18上に表示される。この通常光画像から腺管構造の状態を正確に読み取ることができる場合には、その通常光画像に基づいて、病変可能性部位が病変もしくは非病変か否かの判断を行う。
しかしながら、図14Aと図14Bとを比較して分かるように、腺管構造Sのコントラストが低いため、通常光画像から腺管構造Sの状態を正確に読み取ることは一般的には難しい。そこで、ほとんどの場合は、モード切替SW22bを操作して、第1特殊観察モードに切り替えられる。これにより、図15A、15Bに示すような、腺管構造Sと微細血管Vが強調表示された第1特殊光画像がモニタ18に表示される。
そして、ドクターは、第1特殊光画像から腺管構造の状態を正確に読み取ることができる場合には、その第1特殊光画像に基づいて、病変可能性部位が病変もしくは非病変か否かの判断を行う。この第1特殊光画像は、腺管構造Sを強調表示するため、図14A、Bの通常光画像と比較すると、腺管構造Sの状態を読み取るのに有用である。しかしながら、第1特殊光画像は、腺管構造Sだけでなく微細血管Vも強調表示している。そのため、腺管構造Sが一部消滅している場合などには、微細血管Vの存在が腺管構造の視認性を妨げることがある。この場合には、腺管構造の状態を正確に読み取れない場合がある。
このような場合には、モード切替SW22bを操作して、第2特殊観察モードに切り替える。この第2特殊観察モードでは、まず、検体内の撮像で得られたRGB画像信号に対して、血管抑制部78で血管の表示を抑制する処理を施す。これにより、図16A、Bに示すような、微細血管Vの表示が抑制された血管抑制画像が得られる。この血管抑制画像は、図15A,Bの第1特殊光画像と比較すると、微細血管Vの存在が腺管構造Sの視認性を妨げることがないため、腺管構造Sの状態を読み取りやすくなる。
そして、更に、階調反転部79で、血管抑制画像に対して階調反転処理を施すことによって、図17A,Bに示すような、微細血管Vの表示を抑制しつつ、腺管構造Sを暗くしてコントラストを向上させた血管抑制・反転画像が得られる。この血管抑制・反転画像は、第2特殊光画像としてモニタ18に表示される。第2特殊光画像は、微細血管Vの表示抑制により微細血管Vの存在が腺管構造Sの視認性を妨げることがなく、また、腺管構造Sが暗くなっているため、インジゴの色に近づいている。したがって、この第2特殊光画像は、インジゴを撒布したときに得られる画像とほぼ同様の画像であるため、色素観察に慣れたドクターも、戸惑うことなく、腺管構造の読み取りを的確に行うことができるようになる。
そして、ドクターは、第2特殊光画像から腺管構造の状態を正確に読み取ることができる場合には、その第2特殊光画像に基づいて、病変可能性部位が病変もしくは非病変か否かの判断を行う。一方、第2特殊光画像から腺管構造の状態を正確に読み取ることができない場合には、最終的手段として、インジゴなどの色素を撒布する。この色素撒布により、腺管構造のpit部分に色素が流れ込む。これにより、図18A、Bに示すような、腺管構造Sが強調表示された色素撒布画像がモニタ18に表示される。
そして、ドクターは、モニタ18に表示された色素撒布画像に基づいて、腺管構造Sの状態を読み取って、病変可能性部位が病変もしくは非病変か否かの判断を行う。なお、色素撒布画像の観察後には、撒布した色素を洗浄する必要がある。そのため、色素撒布画像による観察は、第2特殊光画像で読み取れない場合に行われる最終的手段である。
[第2実施形態]
第1実施形態では、階調反転処理によってインジゴ撒布した場合のように腺管構造を際立たせたが、第2実施形態では、これに加えて、粘膜の色を、白色光で撮像したときの色に近づくようにするとともに、腺管構造の色を更にインジゴの色に近づける処理を行う。この第2実施形態では、血管抑制画像のRGB画像データの入力に対して、図19に示すRGB画像データ用のトーンカーブ180a〜180cに従って、階調を反転した血管抑制・反転画像のRGB画像データを出力する。
R画像データ用のトーンカーブ180aは凸状を有していることから、入力されたR画像データのうち中間値は若干大きくなって出力される。これに対して、B画像データ用のトーンカーブ180cは凹状を有しているため、入力されたB画像データのうち中間値は若干小さくなって出力される。また、G画像データ用のトーンカーブ180bは線形であるため、入出力前後での中間値のバランスはほぼ維持される。したがって、階調反転後のRGB画像データを合成した血管抑制・反転画像では、大部分が中間値を占める粘膜の色は赤味を帯びるようになる。この血管抑制・反転画像上における赤味を帯びた粘膜の色は、白色光で撮像したときの色とほぼ同様である。
また、B画像データ用のトーンカーブ180cは、入力されたB画像データのうちハイライト部分(即ち、腺管構造Sの部分)を階調反転によってシャドウ部として出力する際、シャドウ部の明るさが若干明るくなるように定義されている。このようにB画像のシャドウ部(即ち、腺管構造Sの部分)を若干明るくすることで、血管抑制・反転画像では、腺管構造の色が青味を帯びるようになる。これにより、腺管構造の色は、インジゴの色に近づくようになる。
なお、血管抑制画像のRGB画像データをLab変換して階調反転する場合には、図20に示すトーンカーブ182a〜182cが用いられる。Lデータ用のトーンカーブ182aは凸状を有しているため、入力されたLデータのうち中間値は若干大きくなって出力される。一方、aデータ用のトーンカーブ182bとbデータ用のトーンカーブ182cは線形であるため、入出力前後での中間値のバランスは維持される。また、bデータ用のトーンカーブ182cは、入力されたbデータのうち黄色付近の色が青色に近づくように、定義されている。したがって、Lデータ、aデータ、bデータをRGB変換した後の血管抑制・反転画像では、中間値を占める粘膜は白色光で撮像したときの色に近づくとともに、腺管構造の色はインジゴの色に近づくようになる。
上記第1、第2実施形態では、各観察モードに必要な複数の画像信号をカラーのセンサで同時に取得する同時方式で本発明の実施を行ったが、これに代えて、各観察モードに必要な複数の画像信号をモノクロのセンサで順次取得する面順次式であっても同様に本発明の実施が可能である。
図21に示すように、面順次式の内視鏡システム200の光源装置14には、青色レーザ光源34、青紫色レーザ光源36、光源制御部40の代わりに、広帯域光源202、回転フィルタ204、フィルタ切替部205が設けられている。また、内視鏡12の照明光学系24aには、蛍光体44が設けられていない。また、撮像光学系24bには、カラーのセンサ48の代わりに、カラーフィルタが設けられていないモノクロのセンサ206が設けられている。それ以外については、第1実施形態の内視鏡システム10と同様である。
広帯域光源22はキセノンランプ、白色LEDなどであり、波長域が青色から赤色に及ぶ白色光を発する。回転フィルタ204は、内側に設けられた通常観察モード用フィルタ208と、外側に設けられた第1及び第2特殊観察モード用フィルタ209とを備えている(図22参照)。フィルタ切替部205は、回転フィルタ204を径方向に移動させるものであり、モード切替SW22bにより通常観察モードにセットされたときに、回転フィルタ204の通常観察モード用フィルタ208を白色光の光路に挿入し、第1及び第2特殊観察モードにセットされたときに、回転フィルタ204の特殊観察モード用フィルタ209を白色光の光路に挿入する。
図22に示すように、通常観察モード用フィルタ208には、周方向に沿って、白色光のうち青色光を透過させるBフィルタ208a、白色光のうち緑色光を透過させるGフィルタ208b、白色光のうち赤色光を透過させるRフィルタ20cが設けられている。したがって、通常観察モード時には、回転フィルタ204が回転することで、青色光、緑色光、赤色光が交互に検体内に照射される。
第1及び第2特殊観察モード用フィルタ209には、周方向に沿って、白色光のうち中心波長415nmの青色狭帯域光を透過させるBnフィルタ209aと、白色光のうち中心波長540nmの緑色狭帯域光を透過させるGnフィルタ209bが設けられている。したがって、特殊観察モード時には、回転フィルタ204が回転することで、青色狭帯域光、緑色狭帯域光が交互に検体内に照射される。
面順次方式の内視鏡システム200では、通常観察モード時には、青色光、緑色光、赤色光が検体内に照射される毎にモノクロのセンサ206で検体内を撮像する。これにより、RGBの3色の画像信号が得られる。そして、それらRGBの画像信号に基づいて、上記第1実施形態と同様の方法で、通常光画像が生成される。
一方、第1及び第2特殊観察モード時には、青色狭帯域光、緑色狭帯域光が検体内に照射される毎にモノクロのセンサ206で検体内を撮像する。これにより、Bn画像信号と、Gn画像信号が得られる。これらBn画像信号と、Gn画像信号に基づいて、第1及び第2特殊光画像の生成が行われる。なお、第1特殊光画像を生成する際には、第1及び第2実施形態と異なり、Bn画像信号をB画像データ及びG画像データに割り付け、Gn画像信号をR画像データに割り付けることによって、第1特殊光画像を生成する。それ以外については、第1及び第2実施形態と同様である。
また、第2特殊光画像を生成する際には、第1及び第2実施形態と異なり、Bn画像信号をB画像データ及びG画像データに割り付け、Gn画像信号をR画像データに割り付けることによって、ベース画像を生成する。また、血管抑制用画像の生成には、B画像信号の代わりに、Bn画像信号が用いられる。それ以外については、第1及び第2実施形態と同様の方法で、第2特殊光画像の生成が行われる。
なお、上記実施形態では、血管の表示を抑制した血管抑制画像に対して階調反転処理を施して、血管抑制・反転画像を生成したが、反対に、階調反転した階調反転画像に対して、血管の表示を抑制する処理を行って、血管抑制・反転画像を生成してもよい。
なお、上記実施形態では、B画像信号に対して周波数フィルタリング処理を施すことによって、微細血管を抽出したが、微細血管の抽出方法はこれに限る必要はない。例えば、B画像信号とG画像信号間の輝度比B/Gで構成されるB/G画像から、微細血管を抽出する方法も考えられる。この場合には、B/G画像のうち、輝度比B/Gが一定値を下回る画素を、微細血管の画素として抽出することができる。このようにB/G画像から微細血管を抽出することができるのは、粘膜の画素では、B画像信号とG画像信号のバランスは一定であるに対して、微細血管の画素では、青色成分でのヘモグロビンの吸収によるBの画像信号の値の低下によって、輝度比B/Gが粘膜の画素よりも低くなるためである。
なお、上記第1実施形態では、蛍光体44を内視鏡12の先端部24に設けたが、これに代えて、蛍光体44を光源装置14内に設けてもよい。この場合には、ライトガイド41と青色レーザ光源34との間に、蛍光体44を設けることが好ましい。
なお、上記同時式の内視鏡システム10では、血管抑制・反転画像の作成に、青色レーザ光及び青紫色レーザ光の狭帯域波長情報が含まれる狭帯域信号であるB画像信号を用い、上記面順次式の内視鏡システム200では、血管抑制・反転画像の作成に、青色狭帯域光の狭帯域波長情報が含まれる狭帯域信号であるBn画像信号を用いたが、白色画像などの広帯域画像に基づく分光演算により、腺管構造に関する情報を多く持つ青色狭帯域画像信号を生成し、この青色狭帯域画像信号を血管抑制・反転画像の作成に用いてもよい。
この場合には、同時式の内視鏡システム10の第2特殊観察モード時において、特殊光の代わりに、白色光を照明する。そして、図23に示すように、受信部54と血管抑制部78との間に設けた分光演算部300において、白色光の発光・撮像により得られるRGB画像信号に基づく分光演算処理を行う。これにより、腺管構造に関する情報を多く持つ青色狭帯域画像信号(例えば、415nmの波長情報を持つ青色狭帯域画像信号)を生成する。分光演算の方法は、特開2003-093336号公報に記載の方法を用いる。この分光演算部300で生成された青色狭帯域画像信号と、GR画像信号に基づいて、上記実施形態と同様の手順で、血管抑制・反転画像が生成される。なお、白色光としては、蛍光体44により得られる白色光の他、キセノンランプなどの広帯域光源から発せられる白色光を用いてもよい。
なお、上記実施形態では、本発明の実施を内視鏡の診断中に行ったが、これに限らず、内視鏡診断後、内視鏡システムの記録部に記録しておいた内視鏡画像に基づいて、本発明の実施を行ってもよい。この場合には、内視鏡システムにおいて、記録部内の画像をプロセッサ装置に入力するための画像入力部を設ける必要がある。
10,200 内視鏡システム
47 ズーミングレンズ(拡大手段)
48,206 センサ(画像入力部)
65 第2特殊光画像処理部(抑制・反転処理部)
78 血管抑制部(抑制部)
79 階調反転部(第1階調反転部、第2階調反転部)
79b Lab変換部(分離部)
79c RGB変換部
110 血管抑制画像
112 血管抑制・反転画像
125a〜125c,180a〜180c RGB画像データ用トーンカーブ
127a〜127c,182a〜182c Lデータ用、aデータ用、bデータ用トーンカーブ

Claims (10)

  1. 青紫色光を発する青紫色半導体発光素子と、
    青色光を発する青色半導体発光素子と、
    前記青紫色半導体発光素子と前記青色半導体発光素子の発光を個別に制御する光源制御部と、
    前記青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、通常光画像を得る処理を行う通常光画像処理部と、
    前記青紫色光及び前記青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、第1特殊光画像を得る処理を行う第1特殊光画像処理部と、
    前記青紫色光及び前記青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、前記第1特殊光画像と異なる第2特殊光画像を得る処理を行う第2特殊光画像処理部と、
    前記通常光画像を得る処理を行う通常観察モードと、前記青紫色光の発光比率が前記通常観察モードよりも大きく、且つ前記第1特殊光画像を得る処理を行う第1特殊観察モードと、前記青紫色光の発光比率が前記通常観察モードよりも大きく、且つ前記第2特殊光画像を得る処理を行う第2特殊観察モードとを切り替えるモード切替部とを備える内視鏡システム。
  2. 前記第2特殊観察モードの前記青紫色光の発光比率及び前記青色光の発光比率は、前記第1特殊観察モードの前記青紫色光の発光比率及び前記青色光の発光比率と同じである請求項1記載の内視鏡システム。
  3. 前記第2特殊光画像は、青色系色素を散布した場合に得られる画像に近づいている請求項1または2記載の内視鏡システム。
  4. 前記第2特殊光画像は、腺管構造が明瞭化され、微細血管が抑制されている請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
  5. 前記第2特殊光画像は、腺管構造及びこの腺管構造よりも暗い微細血管を含む画像に対して、前記微細血管の表示を抑制する抑制処理と、前記腺管構造を前記微細血管よりも暗くする階調反転処理とを施して得られる請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡システム。
  6. 前記第1特殊光画像は、腺管構造と微細血管が強調表示されている請求項1ないし5いずれか1項記載の内視鏡システム。
  7. 前記第2特殊観察モードの前記青紫色光の発光比率が、前記第1特殊観察モードの前記青紫色光の発光比率よりも低い請求項1記載の内視鏡システム。
  8. 前記通常光画像処理部は、前記青紫色光及び前記青色光を含む光で照明された検体を撮像して得られる画像に対して、前記通常光画像を得る処理を行う請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
  9. 前記通常光画像は、白色光を照明した場合に得られる画像と同等の色調を有する請求項1ないし8いずれか1項記載の内視鏡システム。
  10. 前記通常観察モードでは、前記青色光を含む光の発光比率がスコープ種に応じて適切に設定されている請求項1ないし9いずれか1項記載の内視鏡システム。
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