JP2017060304A - 回転電機システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の出力トルクに制約を与えることなく、インバータや3相巻線が高温状態となるのを抑制できる回転電機システムの制御装置を提供する。
【解決手段】回転電機が3相巻線を2系統有しており、マイコン320がインバータを制御するための制御モードを設定する制御モード設定部390を有する。制御モード設定部は、各系統のインバータの温度及び3相巻線の温度、同系統でのインバータの温度及び3相巻線の温度の相対関係、及び系統間での温度の相対関係に基づき、制御モードとして、インバータを2系統とも回転電機の出力特性に応じてPWM制御又は矩形波制御する特性優先モード、インバータを2系統ともPWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する温度優先モード、2系統のインバータの一方を駆動させ、他方を停止させる片系継続モード、インバータを2系統とも停止させる安全優先モード、のいずれかを設定する。
【選択図】図3

Description

この明細書における開示は、2系統の3相巻線を有する回転電機と、3相巻線にそれぞれ対応して設けられ、直流電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して対応する系統の3相巻線に印加する2系統のインバータと、を備えた回転電機システムを制御するための回転電機システムの制御装置に関する。
特許文献1には、回転電機(交流モータ)とインバータを備えた回転電機システム(モータ駆動システム)の制御装置が開示されている。回転電機システムは、3相巻線を1系統分有する回転電機と、3相巻線に対応して設けられた1系統分のインバータを備えた回転電機システムを制御する。この制御装置は、インバータの温度と3相巻線(交流モータ)の温度を取得し、これら温度の相対関係に応じて、PWM制御及び矩形波制御のいずれかを優先的に実行する。
また、インバータの温度が許容温度を超えた場合に、インバータの制御を停止させる制御装置も知られている。
特開2010−200527号公報
近年、冗長性、制御性向上などを目的とし、2系統の3相巻線を有する回転電機と、3相巻線にそれぞれ対応して設けられた2系統のインバータと、を備えた回転電機システムが提案されている。
このような回転電機システムの制御装置に、上記した制御方式を適用した場合、インバータ制御モードとして、インバータを2系統とも、PWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する第1モードと、所定値よりも高い温度である許容温度を超えた場合に設定され、インバータを2系統とも停止させる第2モードが考えられる。
したがって、第1モード設定時に温度がさらに上昇すると、第2モードを設定せざるを得ない。第2モードではインバータを2系統とも停止させるため、回転電機の出力トルクに制約を与えることになる。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、回転電機の出力トルクに制約を与えることなく、インバータや3相巻線が高温状態となるのを抑制できる回転電機システムの制御装置を提供することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつは、2系統の3相巻線(213A,213B)を有する回転電機(200)と、2系統の3相巻線にそれぞれ対応して設けられ、直流電源(10)から供給される直流電圧を交流電圧に変換して対応する系統の前記3相巻線に印加する2系統のインバータ(323A,323B)と、を備えた回転電機システムの制御装置であって、
制御モードにしたがってインバータを制御するものであり、制御モードとして、インバータを2系統とも、PWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する温度優先モード、2系統のインバータの一方を駆動させ、他方を停止させる片系継続モード、インバータを2系統とも停止させる安全優先モードを含む制御部(340A,340B、370)と、
各系統のインバータの温度及び各系統の3相巻線の温度をそれぞれ取得する温度取得部(380)と、
各系統のインバータの温度及び各系統の3相巻線の温度、同系統でのインバータの温度及び3相巻線の温度の相対関係、及び系統間での温度の相対関係に基づき、制御部が実行する制御モードを設定する制御モード設定部(390)と、
を備える。
これによれば、各系統のインバータ及び3相巻線の温度、同系統の相関関係、系統間の相関関係に基づき、片系継続モードを設定できる。このため、インバータを2系統とも停止させることなく、インバータや3相巻線が高温状態となるのを抑制できる。すなわち、回転電機の出力トルクに制約を与えることなく、高温状態となるのを抑制できる。
第1実施形態に係る制御装置一体型回転電機の概略構成を示す図である。 制御部の回路構成を示す図である。 マイコンが実行する機能を示した図である。 制御モード設定部が実行する制御モード設定処理を示すフローチャートである。 インバータ温度差、3相巻線温度差を説明するための図である。 A系インバータに対する温度領域を説明するための図である。 A系3相巻線に対する温度領域を説明するための図である。 A系優先モード判定処理を示すフローチャートである。 A系優先モードを設定するためのテーブルを示す図である。 2系優先モード判定処理を示すフローチャートである。 2系優先モードを設定するためのテーブルを示す図である。 温度優先モードにおける制御方式判定処理を示すフローチャートである。 片系継続モードにおける制御方式判定処理を示すフローチャートである。 片系継続モードにおける駆動系統判定処理を示すフローチャートである。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る制御装置一体型回転電機100の概略構成について説明する。図1に示すように、制御装置一体型回転電機100は、回転電機200と、回転電機200の駆動を制御する制御部300と、回転位置検出部400と、を備えている。
回転電機200は、たとえば、車両のエンジンを駆動するスタータ、エンジン出力をアシストするモータ、及び減速時にエネルギー回生を行うリジェネレータとしての機能を備えたISG(Integrated Starter Generator)であり、ステータ210と、シャフト220と、ロータ230と、を有している。ステータ210は、円筒状のステータコアを有し、そのステータコアには、内壁から突出する複数の突極が形成されている。そして、それぞれの突極に、3相巻線213が巻きつけられている。3相巻線213は、3相のステータコイル、固定子巻線とも称される。この3相巻線213に位相がずれた交流電流を流すことにより、ステータ210は、ロータ230を回転させる回転磁界を発生する。本実施形態では、後述するように、2系統(2組)の3相巻線213を有している。
シャフト220は、ロータ230と一体的に形成され、ロータ230とともに回転する。図1では、その回転軸をLと示している。シャフト220の一端側には、回転位置検出部400の構成要素である磁石410が固定されている。また、シャフト220には、磁石410が固定された一端と反対の他端にプーリ221が固定されている。このため、シャフト220の回転とともにプーリ221も回転する。プーリ221には図示しないベルトが係合され、このベルトを介して、エンジンにシャフト220の回転運動が伝達される。
ロータ230は、ステータ210と同軸の円筒状の部材であり、ステータ210の内周側に配置されている。そして、ロータ230の軸を含む、中央の空洞部にシャフト220が挿入固定されている。ロータ230は、その内部にロータコイル232を有している。このロータコイル232に流れる電流により形成される磁界と、ステータ210により形成される回転磁界とが相互作用して、ロータ230に回転のモーメントが発生する。なお、ロータコイル232の代わりに、ロータ230に永久磁石を埋め込んだ構成を採用しても良い。
ステータ210とロータ230は、図1に示すように、モータケース240に収容されている。モータケース240には、回転軸Lに沿ってシャフト220を挿通するための挿通孔241が形成されている。挿通孔241には、シャフト220を回転可能に支持する軸受242が配置されている。
制御部300は、回路基板310と、その回路基板310上に実装された、回転電機200の駆動を制御するマイコン320や電源IC321などのチップ、回転位置検出部400の構成要素である、ホール素子や磁気抵抗素子などの磁電変換素子420、及びその他の回路素子を有している。
回路基板310は、たとえば、一般的に知られたプリント基板である。マイコン320は、CPU、ROM、RAM、レジスタ、及びI/Oポートなどを備えて構成されたマイクロコンピュータである。電源IC321は、マイコン320への電源供給を管理する機能を備えている。磁電変換素子420は、シャフト220の一端に設けられた磁石410に対向するように配置され、磁石410、すなわちロータ230の回転角度に応じた電気信号を出力する。これらの回路基板310、及び、回路基板310に実装されたマイコン320、電源IC321、磁電変換素子420は、筐体330に収容されている。また、筐体330はカバー331に収容されている。
筐体330の外部であって、カバー331の内面には、制御部300の構成要素としてのスイッチング素子322が配置されている。このスイッチング素子322は、後述するインバータを構成するためのもので、たとえば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)やMOSFETなどで構成されている。そして、カバー331の外面であって、スイッチング素子322が配置された部分の近傍に放熱フィン332が配置されている。放熱フィン332は、おもにスイッチング素子322が発生した熱をカバー331の外部に放熱する役割を果たす。
次に、図2に基づき、制御部300の構成について説明する。図2では、電源IC321の図示を省略している。また、便宜上、回転位置検出部400、後述する電流センサ、温度センサからマイコン320への接続経路を省略して図示している。
図2に示すように、回転電機200は、3相巻線213(ステータコイル)として、UVW側の3相巻線213Aと、XYZ側の3相巻線213Bと、を有している。このように、回転電機200は2系統の3相巻線213(213A,213B)を有している。以下において、2系統のうち、XYZ側をA系、UVW側をB系と示す。また、A系の構成要素には末尾に「A」を付与し、B系の構成要素には末尾に「B」を付与する。2系統の3相巻線213A,213Bは、互いに電気角で略30度の位相差をもつ位置関係で配置されている。
回転電機200は、A系のインバータ323A及びB系のインバータ323Bを介して、たとえば12Vもしくは48Vの電圧を発生する車載バッテリ10に接続されている。車載バッテリ10には、平滑コンデンサ12が並列に接続されており、車載バッテリ10から供給される動作電圧の安定化が図られている。回転電機200と2系統(2組)のインバータ323A,323Bにより、回転電機システムが構成されている。よって、マイコン320が、回転電機の制御装置に相当する。また、車載バッテリ10が、直流電源に相当する。
A系のインバータ323Aは、回転電機200のA系の3相巻線213Aの各相に対応して、それぞれ、直列接続された一対のスイッチング素子322を備えている。そして、一対のスイッチング素子322同士を接続する接続線から分岐する分岐線が、3相巻線213Aの各相(U相、V相、W相)に接続されている。各スイッチング素子322には、それぞれ、ダイオードが逆並列に接続されている。
同じく、B系のインバータ323Bは、回転電機200のB系の3相巻線213Bの各相に対応して、それぞれ、直列接続された一対のスイッチング素子322を備えている。そして、一対のスイッチング素子322同士を接続する接続線から分岐する分岐線が、3相巻線213Bの各相(X相、Y相、Z相)に接続されている。各スイッチング素子322には、それぞれ、ダイオードが逆並列に接続されている。
制御装置一体型回転電機100は、上記したように、回転電機200の回転角θを検出する回転位置検出部400を備えている。回転位置検出部400は、たとえばレゾルバやアブソリュート型エンコーダのように、回転電機200の回転位置(磁極位置)を絶対値として検出可能な回転センサを有している。回転センサは、所定角度毎に回転電機200の回転角θ(ロータ角)を検出する。
制御装置一体型回転電機100は、さらに、電流センサ324A〜326A,324B〜326Bと、温度センサ327A,327B,328A,328Bと、を有している。
A系の電流センサ324A〜326Aは、回転電機200のA系の3相巻線213Aの各相を流れる電流iu,iv,iwをそれぞれ検出する。B系の電流センサ324B〜326Bは、B系の3相巻線213Bの各相を流れる電流ix,iy,izをそれぞれ検出する。各電流センサ324A〜326A,324B〜326Bとしては、たとえば3相巻線213A,213Bの各相と直列に接続されたシャント抵抗を採用することができる。なお、A系、B系ともに、3相分の電流センサ324A〜326A,324B〜326Bを用いる例を示したが、2相分の電流センサを用い、残りの1相に流れる電流を、3相の電流の総和がゼロになる関係から算出することもできる。
A系の温度センサ327AはA系のインバータ323Aの温度Tiaを検出し、B系の温度センサ327Bは、B系のインバータ323Bの温度Tibを検出する。すなわち、温度センサ327A,327Bは、対応する系のスイッチング素子322の温度を検出する。一方、A系の温度センサ328AはA系の3相巻線213Aの温度Tmaを検出し、B系の温度センサ328BはB系の3相巻線213Bの温度Tmbを検出する。
これら各センサの検出値は、マイコン320に入力される。マイコン320が、回転電機制御システムの制御装置に相当する。マイコン320は、これらのセンサの検出値に加え、図示しない上位ECUからトルク指令値を取得する。上位ECUは、たとえば、車速センサ、ブレーキペダルセンサ、アクセルペダルセンサなどの各種センサの検出信号に基づいて、マイコン320に対し、回転電機200が発生すべきトルク指令値を指示する。マイコン320は、トルク指令値及びセンサの検出値に基づいて、インバータ323A,323Bの動作を制御する制御信号を生成して出力する。なお、回転電機200がリジェネレータとして機能すべきときには、上位ECUは、マイナスのトルク指令値を指示する。
次に、図3に基づき、インバータ323A,323Bの制御信号の生成方法について説明する。図3の機能ブロック図は、マイコン320において実行される機能をブロックにより図示したものである。
図3に示すように、マイコン320は、A系のインバータ323Aに対する制御信号を生成するA系制御部340Aと、B系のインバータ323Bに対する制御信号を生成するB系制御部340Bと、を有している。A系制御部340AとB系制御部340Bとは基本構成が同じであるため、以下においては、A系制御部340Aの構成について説明する。また、図3では、B系制御部340Bの構成を簡略化して図示している。
A系制御部340Aは、PWM制御部350Aと、矩形波制御部360Aと、を有している。PWM制御部350Aは、正弦波PWM制御部として構成されている。PWM制御部350Aは、指令変換部351Aと、座標変換部352A,355Aと、減算部353Aと、電流F/B制御部354Aと、PWM信号発生部356Aと、を有している。
マイコン320は、回転電機200が発生すべきトルク指令値Trqを上位ECUから受信する。すると、指令変換部351Aは、予め作成されたマップなどに基づいて、トルク指令値Trqに対応するd軸電流指令値Id及びq軸電流指令値Iqを生成する。なお、公知のように、dq座標は、たとえば、回転子のS極からN極に向かう方向をd軸とし、そのd軸に垂直なq軸によって定義される回転座標である。
座標変換部352Aは、回転位置検出部400によって検出された回転電機200の回転角θを用いて、電流センサ324A〜326Aにより検出された3相巻線213Aの各相の電流iu,iv,iwを、d−q座標系に変換し、d軸電流Id及びq軸電流Iqを算出する。
減算部353Aは、d軸電流指令値Idとd軸電流Idとの偏差であるd軸偏差ΔId(ΔId=Id−Id)を算出する。また、q軸電流指令値Iqとq軸電流Iqとの偏差であるq軸偏差ΔIq(ΔIq=Iq−Iq)を算出する。
電流F/B制御部354Aは、d軸偏差ΔId及びq軸偏差ΔIqの各々についてPI(比例積分)演算を行うことにより制御偏差を算出し、その制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを生成する。すなわち、電流Id,Iqを電流指令値Id,Iqに近づけるように、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを生成する。なお、フィードバック制御はPI制御に限定されない。たとえばPID制御を採用することもできる。
座標変換部355Aは、回転電機200の回転角θを用いて、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを、3相交流座標系のU相,V相,W相の各相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。
PWM変調部260は、各相電圧指令Vu,Vv,Vwと搬送波との比較に基づいて、インバータ323Aを駆動するための制御信号(PWM信号)を生成する。この制御信号は、後述する制御モード切替部に出力される。なお、搬送波は、所定周波数の三角波やのこぎり波によって構成される。
一方、矩形波制御部360Aは、電力演算部361Aと、トルク演算部362Aと、減算部363Aと、電圧位相制御部364Aと、矩形波発生部365Aと、矩形波信号発生部366Aと、を有している。
電力演算部361Aは、電流センサ324A〜326Aにより検出された各相の電流iu,iv,iwと、矩形波発生部365Aにより生成された各相電圧指令Vu,Vv,Vwとにより、回転電機200への供給電力Pを算出する。なお、供給電力Pは、各相の電流と電圧指令とを乗算した総和である。
トルク演算部362Aは、電力演算部361Aによって算出された供給電力と、回転電機200の回転角θから算出される角速度ωとを用いて、実際のトルクを示すトルク推定値Trqを算出する。トルク推定値は、供給電力Pを角速度ωで除算することで算出される。なお、電力演算部361A及びトルク演算部362Aに代えてトルクセンサを配置し、このトルクセンサの検出値を用いることもできる。
減算部363Aは、トルク指令値Trqとトルク推定値Trqとの偏差であるトルク偏差ΔTrq(ΔTrq=Trq−Trq)を算出する。
電圧位相制御部364Aは、トルク偏差ΔTrqについてPI演算を行なうことにより制御偏差を算出し、その制御偏差に応じて矩形波電圧の位相φvを設定する。具体的には、正トルク発生(Trq>0)時には、トルク不足時には電圧位相を進める一方で、トルク過剰時には電圧位相を遅らせるとともに、負トルク発生(Trq<0)時には、トルク不足時には電圧位相を遅らせる一方で、トルク過剰時には電圧位相を進める。
矩形波発生部365Aは、電圧位相制御部364Aによって設定された電圧位相φvにしたがって、矩形波パルスである各相電圧指令Vu,Vv,Vwを発生する。
矩形波信号発生部366Aは、各相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づいて、インバータ323Aを駆動するための制御信号を生成する。この制御信号も、後述する制御モード切替部に出力される。インバータ323Aが、上記制御信号に従ったスイッチング動作を行なうことにより、電圧位相φvにしたがう矩形波パルスが、回転電機200のUVW各相電圧として印加される。
さらにマイコン320は、図3に示すように、制御モード切替部370と、温度取得部380と、制御モード設定部390と、を有している。
制御モード切替部370は、制御モード設定部390によって設定される制御モードにてインバータ323A,323Bが制御されるように、A系制御部340AとB系制御部340Bとによる制御、さらには、PWM制御部350Aと矩形波制御部360Aとによる制御を切り替える。たとえば、インバータ323AをPWM制御、インバータ323Bを停止させる場合、制御モード切替部370は、A系制御部340Aのうち、PWM制御部350Aにより生成された制御信号(PWM信号)をインバータ323Aに出力する。一方、インバータ323Bには、スイッチング素子322をオフさせる制御信号をインバータ323Bに出力する。
本実施形態において、A系制御部340A、B系制御部340B、及び制御モード切替部370が、制御部に相当する。A系制御部340のPWM制御部350A及び矩形波制御部360Aと、B系制御部350のPWM制御部及び矩形波制御部は、それぞれトルク指令値Trqに基づいて制御信号を生成する。制御モード切替部370は、制御モード設定部390により設定される制御モードに応じた制御信号を選択して出力する。すなわち、A系制御部340A、B系制御部340B、及び制御モード切替部370は、制御モードにしたがってインバータ323A,323Bを制御する。
温度取得部380は、温度センサ327A,327Bにより検出された各系のインバータ323A,323Bの温度Tia,Tibと、温度センサ328A,328Bにより検出された各系の3相巻線213A,213Bの温度Tma,Tmbと、をそれぞれ取得する。
制御モード設定部390は、各系のインバータ温度及び各系の3相巻線温度、同系でのインバータ温度と3相巻線温度との相対関係、及び系間での温度の相対関係に基づき、制御モードを設定する。制御モード設定部390は、制御モードとして、インバータ323A,323Bを、回転電機200の出力特性に応じたPWM制御又は矩形波制御の制御方式で制御する特性優先モード、インバータ323A,323Bを、PWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する温度優先モード、インバータ323A,323Bの一方を駆動させ、他方を停止させる片系継続モード、インバータ323A,323Bをともに停止させる安全優先モードを設定可能である。
次に、図4〜図14に基づき、制御モード設定部390が実行する制御モード設定処理について説明する。
図4に示すように、制御モード設定部390は、所定時間毎に、ポーリング処理又は割込み処理として、制御モード設定処理を開始する(ステップS10)。
次いで、制御モード設定部390は、A系の温度センサ327Aから、A系のインバータ323Aの温度Tiaを取得する(ステップS20)。そして、図5に示すように、制御モード設定部390は、A系のインバータ323A用に予め設定された基準温度Tiasと、取得した温度Tiaとの差分であるA系インバータ温度差ΔTiaを算出する(ステップS30)。
次いで、制御モード設定部390は、A系の温度センサ328Aから、A系の3相巻線213Aの温度Tmaを取得する(ステップS40)。そして、図5に示すように、制御モード設定部390は、A系の3相巻線213A用に予め設定された基準温度Tmasと、取得した温度Tmaとの差分であるA系3相巻線温度差ΔTmaを算出する(ステップS50)。なお、基準温度Tias,Tmasは、マイコン320が内蔵するROM、又は、マイコン320とは別に制御部300に設けられた不揮発性メモリに記憶されている。なお、図5では、基準温度Tmasが基準温度Tiasよりも高い温度とされているが、これに限定されるものではない。
次いで、制御モード設定部390は、A系インバータ温度差ΔTia及びA系3相巻線温度差ΔTmaに基づき、A系として優先する制御モードの判定処理を行う(ステップS60)。
ステップS60の処理を実行するに当たり、A系のインバータ323Aに対して、図6に示すように、閾値温度T1ia,T2ia,T3iaにより区画された、連続する4つの温度領域、具体的には特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域が設定されている。閾値温度T1iaが最も低い温度であり、閾値温度T3iaが最も高い温度であり、T1ia<T2ia<T3iaとなっている。そして、閾値温度T1ia未満の温度領域が特性優先領域、閾値温度T1ia以上閾値温度T2ia未満が温度優先領域、閾値温度T2ia以上閾値温度T3ia未満が片系継続領域、閾値温度T3ia以上が安全優先領域となっている。すなわち、温度レベルの低い順に特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域となっている。
特性優先領域は、最も温度レベルの低い領域であり、2系のインバータ323A,323Bとも、回転電機200の出力特性に応じたPWM制御又は矩形波制御の制御方式で制御する特性優先制御モードに対応している。以下、特性優先制御モードを特性優先モードとも称する。特性優先モードが設定されると、予め設定された回転電機200の回転数と出力トルクとの対応関係を示すマップに基づき、PWM制御又は矩形波制御する。すなわち、PWM制御及び矩形波制御のいずれか一方に固定するモードではなく、出力特性に応じたPWM制御又は矩形波制御が可能なモードである。
温度優先領域は、3番目に温度レベルの高い領域であり、インバータ323A,323BをともにPWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する温度優先制御モードに対応している。以下、温度優先制御モードを温度優先モードとも称する。インバータ323Aの温度Tiaが高い場合、PWM制御から矩形波制御に切り替えることで、スイッチング損失を低減し、インバータ323Aの温度Tiaを低下させることができる。このため、インバータ323Aの温度優先領域に対応する温度優先モードは、インバータ323A,323Bをともに矩形波制御方式で制御するモード、すなわち6相を矩形波制御方式で制御するモードである。
片系継続領域は、2番目に温度レベルの高い領域であり、インバータ323A,323Bの一方を駆動させ、他方を停止させる片系継続制御モードに対応している。以下、片系継続制御モードを片系継続モードとも称する。温度優先領域よりも温度レベルの高い領域であるため、インバータ323Aの片系継続領域に対応する片系継続モードは、インバータ323A,323Bの一方を矩形波制御方式で制御し、他方を停止させるモード、すなわち3相を矩形波制御方式で制御するモードである。
安全優先領域は、最も温度レベルの高い領域であり、インバータ323A,323Bをともに停止させる安全優先停止モードに対応している。以下、安全優先停止モードを安全優先モードとも称する。
また、A系の3相巻線213Aに対しても、図7に示すように、閾値温度T1ma,T2ma,T3maにより区画された、特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域が設定されている。閾値温度はT1ma<T2ma<T3maの関係を満たし、温度レベルの低い順に特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域となっている。
3相巻線213Aに対して設定される特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域も、インバータ323Aに対して設定される特性優先領域、温度優先領域、片系継続領域、安全優先領域と同様に設定されている。異なる点は、3相巻線213Aの温度優先領域に対応する温度優先モードは、インバータ323A,323BをともにPWM制御方式で制御するモード、すなわち6相をPWM制御方式で制御するモードである。また、3相巻線213Aの片系継続領域に対応する片系継続モードは、インバータ323A,323Bの一方をPWM制御方式で制御し、他方を停止させるモード、すなわち3相をPWM制御方式で制御するモードである。これは、3相巻線213Aの温度Tmaが高い場合、矩形波制御からPWM制御に切り替えることで、矩形波制御時よりも通電時間を短くし、3相巻線213Aの温度Tmaを低下させることができるからである。
制御モード設定部390は、ステップS60のA系優先モード判定を、図8に示すようにして行う。先ず、制御モード設定部390は、インバータ温度差ΔTiaが、閾値温度T3ia以上であるか否かを判定する(ステップS600)。すなわち、インバータ温度差ΔTiaが最も温度レベルの高い安全優先領域に属するか否かを判定する。したがって、ステップS600でYES判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ323A側が優先する制御モードを、安全優先モードと判定する(ステップS601)。
ステップS600でNO判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ温度差ΔTiaが、閾値温度T2ia以上であるか否かを判定する(ステップS602)。すなわち、インバータ温度差ΔTiaが2番目に温度レベルの高い片系継続領域に属するか否かを判定する。したがって、ステップS602でYES判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ323A側が優先する制御モードを、矩形波制御方式の片系継続モードと判定する(ステップS603)。
ステップS602でNO判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ温度差ΔTiaが、閾値温度T1ia以上であるか否かを判定する(ステップS604)。すなわち、インバータ温度差ΔTiaが3番目に温度レベルの高い温度優先領域に属するか否かを判定する。したがって、ステップS604でYES判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ323A側が優先する制御モードを、矩形波制御方式の温度優先モードと判定する(ステップS605)。一方、ステップS604でNO判定の場合、制御モード設定部390は、インバータ温度差ΔTiaが最も温度レベルの低い特性優先領域に属するとして、インバータ323A側が優先する制御モードを、特性優先モードと判定する(ステップS606)。上記ステップS600〜S606により、制御モード設定部390は、インバータ323A側が優先する制御モードを判定する。
次いで、制御モード設定部390は、3相巻線温度差ΔTmaが、閾値温度T3ma以上であるか否かを判定する(ステップS607)。すなわち、3相巻線温度差ΔTmaが最も温度レベルの高い安全優先領域に属するかを判定する。したがって、ステップS607でYES判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線213A側が優先する制御モードを、安全優先モードと判定する(ステップS608)。
ステップS607でNO判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線温度差ΔTmaが、閾値温度T2ma以上であるか否かを判定する(ステップS609)。すなわち、3相巻線温度差ΔTmaが2番目に温度レベルの高い片系継続領域に属するかを判定する。したがって、ステップS609でYES判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線213A側が優先する制御モードを、PWM制御方式の片系継続モードと判定する(ステップS610)。
ステップS609でNO判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線温度差ΔTmaが、閾値温度T1ma以上であるか否かを判定する(ステップS611)。すなわち、3相巻線温度差ΔTmaが3番目に温度レベルの高い温度優先領域に属するか否かを判定する。したがって、ステップS611でYES判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線213A側が優先する制御モードを、矩形波制御方式の温度優先モードと判定する(ステップS612)。一方、ステップS611でNO判定の場合、制御モード設定部390は、3相巻線温度差ΔTmaが最も温度レベルの低い特性優先領域内にあるとして、3相巻線213A側が優先する制御モードを、特性優先モードと判定する(ステップS613)。上記ステップS607〜S613により、制御モード設定部390は、3相巻線213A側が優先する制御モードを判定する。
次いで、制御モード設定部390は、インバータ323A側が優先する制御モードと3相巻線213A側が優先する制御モードとを比較し、A系が優先する制御モードを判定する。本実施形態では、インバータ323A側が優先する制御モードと3相巻線213A側が優先する制御モードとの対応関係を示すテーブルより、A系が優先する制御モードを判定する(ステップS614)。図9は、上記テーブルを示している。
図9に示すテーブルでは、インバータ温度差ΔTiaが属する温度領域の温度レベルと、3相巻線温度差ΔTmaが属する温度領域の温度レベルとが一致しない場合、温度レベルが高い温度領域に対応する制御モードが、A系で優先する制御モードとして設定されている。また、温度レベルが安全優先領域又は特性優先領域で一致する場合、一致する温度領域に対応する制御モードが、A系で優先する制御モードとして設定されている。また、温度レベルが片系継続領域又は温度優先領域で一致する場合、すなわち優先する制御モードが片系継続モード又は温度優先モードで一致する場合、制御方式が異なるため、後述するステップでいずれかの制御方式を判定可能なように、A系で優先する制御モードが設定されている。具体的には、制御方式が矩形波/PWMの温度優先モード、制御方式が矩形波/PWMの片系継続モードと設定されている。
このため、制御モード設定部390は、温度レベルが片系継続領域又は温度優先領域で一致する場合を除いて、ステップS614でA系が優先する制御モードを判定することができる。具体的には、インバータ温度差ΔTiaが属する温度領域の温度レベルと、3相巻線温度差ΔTmaが属する温度領域の温度レベルとが一致しない場合、温度レベルが高い温度領域に対応する制御モードを、A系で優先する制御モードとして判定する。また、温度レベルが安全優先領域又は特性優先領域で一致する場合、一致する温度領域に対応する制御モードを、A系で優先する制御モードとして判定する。
次いで、制御モード設定部390は、インバータ温度差ΔTiaと3相巻線温度差ΔTmaとの差分A(A=ΔTia−ΔTma)を算出する(ステップS615)。この差分Aが、第1差分に相当する。
次いで、制御モード設定部390は、ステップS614で判定した制御モードが、制御方式の選択が必要な矩形波/PWMの温度優先モードであるか否かを判定する(ステップS616)。ステップS616でYES判定の場合、制御モード設定部390は、ステップS615で算出した差分A=0であるか否か、すなわちインバータ温度差ΔTiaと3相巻線温度差ΔTmaが一致するか否かを判定する(ステップS617)。
ステップS617でYES判定の場合、制御モード設定部390は、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS618)。前回、たとえば矩形波制御方式の温度優先モードを設定した場合、今回の判定結果を、矩形波制御方式の温度優先モードとする。一方、ステップS617でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aがゼロよりも大きいか否か、すなわちインバータ温度差ΔTiaが3相巻線温度差ΔTmaよりも大きいか否かを判定する(ステップS619)。
ステップS619でYES判定の場合、制御モード設定部390は、温度差の大きいインバータ323A側を優先し、A系で優先する制御モードを矩形波制御方式の温度優先モードと判定する(ステップS620)。一方、ステップS619でNO判定の場合、制御モード設定部390は、温度差の大きい3相巻線213A側を優先し、A系で優先する制御モードをPWM制御方式の温度優先モードと判定する(ステップS621)。
ステップS616でNO判定の場合、又は、ステップS618,S620,S621の実行後、制御モード設定部390は、ステップS614で判定した制御モードが、制御方式の選択が必要な矩形波/PWMの片系継続モードであるか否かを判定する(ステップS622)。ステップS622でYES判定の場合、制御モード設定部390は、ステップS617同様、差分A=0であるか否かを判定する(ステップS623)。
ステップS622でYES判定の場合、ステップS618同様、制御モード設定部390は、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS624)。一方、ステップS622でNO判定の場合、制御モード設定部390は、ステップS619同様、差分Aがゼロよりも大きいか否かを判定する(ステップS625)。
ステップS625でYES判定の場合、制御モード設定部390は、温度差の大きいインバータ323A側を優先し、A系で優先する制御モードを矩形波制御方式の片系継続モードと判定する(ステップS626)。一方、ステップS625でNO判定の場合、制御モード設定部390は、温度差の大きい3相巻線213A側を優先し、A系で優先する制御モードをPWM制御方式の片系継続モードと判定する(ステップS626)。
このように、制御モード設定部390は、温度レベルが片系継続領域又は温度優先領域で一致し、且つ、温度差が一致しない場合、温度差が大きい方の温度領域に対応する制御方式の制御モードを、系統が優先する制御モードとして判定する。また、温度レベルが片系継続領域又は温度優先領域で一致し、且つ、温度差も一致する場合、判定した制御方式の制御モードを系統が優先する制御モードとする。ステップS622でNO判定の場合、又は、ステップS624,S626,S627の実行後、制御モード設定部390は、一連の処理を終了する。
図4に戻り、ステップS60が終了すると、制御モード設定部390は、B系についても、A系についてのステップS20〜S60と同様の処理を実行する。すなわち、制御モード設定部390は、B系の温度センサ327Bから、B系のインバータ323Bの温度Tibを取得する(ステップS70)。そして、図示を省略するが、制御モード設定部390は、B系のインバータ323B用に予め設定された基準温度Tibsと、取得した温度Tibとの差分であるB系インバータ温度差ΔTibを算出する(ステップS80)。なお、ステップS30,S80が、第1算出部に相当する。
次いで、制御モード設定部390は、B系の温度センサ328Bから、B系の3相巻線213Bの温度Tmbを取得する(ステップS90)。そして、制御モード設定部390は、B系の3相巻線213B用に予め設定された基準温度Tmbsと、取得した温度Tmbとの差分であるB系3相巻線温度差ΔTmbを算出する(ステップS100)。ステップ50,S100が、第2算出部に相当する。
なお、基準温度Tibs,Tmbsも、マイコン320が内蔵するROM、又は、マイコン320とは別に制御部300に設けられた不揮発性メモリに記憶されている。なお、図5では、基準温度Tibs,Tmbsの高低の関係は特に限定されない。また、A系の基準温度Tias,TmasとB系の基準温度Tibs,Tmbsとの高低の関係も特に限定されない。たとえば、基準温度Tias,Tibsを互いに同じ温度とし、基準温度Tmas,Tmbsを互いに同じ温度としてもよい。
次いで、制御モード設定部390は、B系インバータ温度差ΔTma及びB系3相巻線温度差ΔTmbに基づき、B系として優先する制御モードの判定処理を行う(ステップS110)。この判定処理は、A系の判定処理(ステップS60)と同じである。したがって、B系についても図9に示したようなテーブルを用いる。また、温度優先モードと矩形波制御モードにおいて、制御方式を選択するために、制御モード設定部390が、インバータ温度差ΔTibと3相巻線温度差ΔTmbとの差分B(B=ΔTib−ΔTmb)を算出する。この差分Bが、第2差分に相当する。ステップS60のうちのステップS600〜S613の処理、及び、ステップS110のうちの上記ステップS600〜S613に対応する処理が、第1判定部に相当する。さらには、ステップS60のうちのステップS614〜S627の処理、及び、ステップS110のうちの上記ステップS614〜S627に対応する処理が、第2判定部に相当する。
次いで、制御モード設定部390は、A系が優先する制御モードとB系が優先する制御モードとを比較し、2系で優先する制御モードを判定する(ステップS120)。図10は、ステップS120の処理内容を示している。ステップS120が、第3判定部に相当する。
図10に示すように、制御モード設定部390は、A系が優先する制御モードとB系が優先する制御モードとの対応関係を示すテーブルより、2系で優先する制御モードを判定する(ステップS1200)。図11は、上記テーブルを示している。図9で示したテーブル及び図8に示す判定処理により、各系で優先する制御モードは、大別すると、特性優先モード、温度優先モード、片系継続モード、安全優先モードの4つであり、細分化すると、特性優先モード、矩形波制御方式の温度優先モード、PWM制御方式の温度優先モード、矩形波制御方式の片系継続モード、PWM制御方式の片系継続モード、安全優先モードの6つである。
図11に示すテーブルでは、上記した6つの制御モードの組み合わせにより、2系で優先する制御モードが設定されている。このテーブルでは、一方が安全優先モードの場合、又は、制御モードが一致せず、且つ、いずれも片系継続モードではない場合、対応する温度領域の温度レベルが高い方の制御モードが、2系統で優先する制御モードとして設定されている。たとえば、A系が安全優先モードであり、B系が矩形波制御方式の片系継続モードの場合、A系の方が温度レベルが高いため、安全優先モードが2系統で優先する制御モードとして設定されている。また、A系が特性優先モードであり、B系がPWM制御方式の温度優先モードの場合、B系の方が温度レベルが高いため、PWM制御方式の温度優先モードが2系統で優先する制御モードとして設定されている。
また、制御モードが一致せず、且つ、一方が片系継続モードで他方が特性優先モード又は温度優先モードの場合、片系継続モードであって他方の系統の制御方式となるように、2系統で優先する制御モードが設定されている。たとえば、A系が特性優先制御方式の特性優先モードであり、B系が矩形波制御方式の片系継続モードの場合、温度レベルが高いB系のインバータ323Bを停止させるため、A系を特性優先制御方式で制御する片系継続モードが設定されている。このA系特性優先方式の片系継続モードは、B系インバータ323Bを停止させ、回転電機200の出力特性に応じてA系のインバータ323AをPWM制御又は矩形波制御するモードである。また、A系が矩形波制御方式の片系継続モードであり、B系が矩形波制御方式の温度優先モードの場合、温度レベルの高いA系のインバータ323Aを停止させるため、B系を矩形波制御方式で制御する片系継続モードが設定されている。また、A系がPWM制御方式の温度優先モードであり、B系が矩形波制御方式の片系継続モードの場合、温度レベルの高いB系のインバータ323Bを停止させるため、A系をPWM制御方式で制御する片系継続モードが設定されている。
また、制御モードが、特性優先モード、矩形波制御方式の温度優先モード、PWM制御方式の温度優先モード、又は安全優先モードで一致する場合、一致する制御モードが、2系統で優先する制御モードとして設定されている。
また、制御モードが、温度優先モード又は片系継続モードとして一致するものの制御方式が矩形波制御とPWM制御とで異なる場合、後述するステップでいずれかの制御方式を判定(選択)可能なように、2系で優先する制御モードが設定されている。たとえば、A系が矩形波制御方式の片系継続モード、B系がPWM制御方式の片系継続モードの場合、A系を矩形波制御するA系矩形波の片系継続モード、又は、B系をPWM制御する片系継続モードであることを示すA系矩形波/B系PWMの片系継続モードが設定されている。また、A系がPWM制御方式の温度優先モード、B系が矩形波制御方式の温度優先モードの場合、制御方式がPWM/矩形波の温度優先モードが設定されている。
また、制御モードが矩形波制御方式の片系継続モード又はPWM制御方式の片系継続モードで一致する場合、後述するステップでどちらの系を駆動させ、残りの系を停止させるのか判定可能なように、2系で優先する制御モードが設定されている。たとえば、2系とも矩形波制御方式の片系継続モードの場合、A系を矩形波制御する片系継続モード、又は、B系を矩形波制御する片系継続モードであることを示すA/B矩形波制御方式の片系継続モードが設定されている。
以上により、制御モード設定部390は、温度優先モードで制御方式の選択が必要な場合、片系継続モードで制御方式の選択が必要な場合、及び片系継続モードで駆動系と停止系の選択が必要な場合を除いて、ステップS1200で2系が優先する制御モードを判定することができる。具体的には、2系の一方が安全優先モードの場合、又は、制御モードが一致せず、且つ、いずれも片系継続モードではない場合、対応する温度領域の温度レベルが高い方の制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定することができる。また、制御モードが一致せず、且つ、一方が片系継続モードで他方が特性優先モード又は温度優先モードの場合、片系継続モードであって他方の系統の制御方式となるように、2系統で優先する制御モードを判定することができる。さらに、制御モードが、特性優先モード、矩形波制御方式の温度優先モード、PWM制御方式の温度優先モード、又は安全優先モードで一致する場合、一致する制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定することができる。
ステップS1200が終了すると、制御モード設定部390は、図10に示すように、温度優先モードにおける制御方式判定処理を実行する(ステップS1220)。図12は、ステップS1220の処理内容を示している。
図12に示すように、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、制御方式が矩形波/PWMの温度優先モードであるか否かを判定する(ステップS1221)。以下においては、制御方式が矩形波/PWMの温度優先モードを、6相:矩形波/PWMとも示す。
ステップS1221でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1222)。そして、ステップS1222でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1223)。たとえば前回の判定結果が矩形波制御方式の温度優先モードの場合、今回の判定結果を矩形波制御方式の温度優先モードとする。一方、ステップS1222でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1224)。
ステップS1224でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分が大きい系であるA系の制御モードを優先し、矩形波制御方式の温度優先モード(6相:矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1225)。一方、ステップS1224でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系の制御モードを優先し、PWM制御方式の温度優先モード(6相:PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1226)。
ステップS1221でNO判定の場合、又は、ステップS1223,S1225,S1226の実行後、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、制御方式がPWM/矩形波の温度優先モード(6相:PWM/矩形波)であるか否かを判定する(ステップS1227)。ステップS1227でYES判定の場合、制御モード設定部390は、ステップS1222同様、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1228)。そして、ステップS1228でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1229)。
一方、ステップS1229でNO判定の場合、制御モード設定部390は、ステップS1224同様、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1230)。ステップS1230でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分が大きい系であるA系の制御モードを優先し、PWM制御方式の温度優先モード(6相:PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1231)。一方、ステップS1230でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系の制御モードを優先し、矩形波制御方式の温度優先モード(6相:矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1232)。
ステップS1227でNO判定の場合、又は、ステップS1229,S1231,S1232の実行後、制御モード設定部390は、一連の処理を終了する。
図10に戻り、ステップS1220が終了すると、制御モード設定部390は、片系継続モードにおける制御方式判定処理を実行する(ステップS1240)。図13は、ステップS1240の処理内容を示している。
図13に示すように、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、制御方式がA系矩形波/B系PWMの片系継続モードであるか否かを判定する(ステップS1241)。以下においては、片系継続モードでは、3相巻線213A,213Bの一方、すなわち3相を駆動させるため、制御方式がA系矩形波/B系PWMの片系継続モードを、3相:A系矩形波/B系PWMとも示す。
ステップS1241でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1242)。そして、ステップS1242でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1243)。一方、ステップS1242でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1244)。
ステップS1244でYES判定の場合、制御モード設定部390は、A系とB系とで制御方式が異なるため、差分が大きい系であるA系の制御モードを優先し、A系を駆動系とし、B系を停止させる矩形波制御方式の片系継続モード(3相:A系矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1245)。一方、ステップS1244でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系の制御モードを優先し、B系を駆動系とし、A系を停止させるPWM制御方式の片系継続モード(3相:B系PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1246)。
ステップS1241でNO判定の場合、又は、ステップS1243,S1245,S1246の実行後、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、制御方式がA系PWM/B系矩形波の片系継続モード(3相:A系PWM/B系矩形波)であるか否かを判定する(ステップS1247)。ステップS1247でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1248)。そして、ステップS1248でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1249)。
一方、ステップS1249でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1250)。ステップS1250でYES判定の場合、制御モード設定部390は、A系とB系とで制御方式が異なるため、差分が大きい系であるA系の制御モードを優先し、A系を駆動系とし、B系を停止させるPWM制御方式の片系継続モード(3相:A系PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1251)。ステップS1250でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系の制御モードを優先し、B系を駆動系とし、A系を停止させる矩形波制御方式の片系継続モード(3相:B系矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1252)。
ステップS1247でNO判定の場合、又は、ステップS1249,S1251,S1252の実行後、制御モード設定部390は、一連の処理を終了する。
図10に戻り、ステップS1240が終了すると、制御モード設定部390は、片系継続モードにおける駆動系統判定処理を実行する(ステップS1260)。図14は、ステップS1260の処理内容を示している。
図14に示すように、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、駆動系がA/B系で制御方式が矩形波の片系継続モードであるか否かを判定する(ステップS1241)。以下においては、駆動系がA/B系で制御方式が矩形波の片系継続モードを、3相:A/B系矩形波とも示す。
ステップS1261でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1262)。そして、ステップS1262でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1263)。一方、ステップS1262でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1264)。
ステップS1264でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分が大きい系であるA系を停止させ、B系を駆動系とする矩形波制御方式の片系継続モード(3相:B系矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1265)。一方、ステップS1264でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系を停止させ、A系を駆動系とする矩形波制御方式の片系継続モード(3相:A系矩形波)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1266)。
ステップS1261でNO判定の場合、又は、ステップS1263,S1265,S1266の実行後、制御モード設定部390は、ステップS1200で判定した制御モードが、駆動系がA/B系で制御方式がPWMの片系継続モード(3相:A/B系PWM)であるか否かを判定する(ステップS1267)。そして、ステップS1267でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aと差分Bが一致するか否かを判定する(ステップS1268)。ステップS1268でYES判定の場合、前回設定した制御方式の制御モードを、今回の判定結果とする(ステップS1269)。
一方、ステップS1268でNO判定の場合、制御モード設定部390は、差分Aが差分Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS1270)。ステップS1270でYES判定の場合、制御モード設定部390は、差分が大きい系であるA系を停止させ、B系を駆動系とするPWM制御方式の片系継続モード(3相:B系PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1271)。一方、ステップS1270でNO判定の場合、制御モード設定部390は、B系を停止させ、A系を駆動系とする矩形波制御方式の片系継続モード(3相:A系PWM)を、2系で優先する制御モードと判定する(ステップS1272)。
ステップS1267でNO判定の場合、又は、ステップS1269,S1271,S1272の実行後、制御モード設定部390は、一連の処理を終了する。
図4に戻り、ステップS1260(ステップS120)が終了すると、制御モード設定部390は、上記処理により判定した制御モードを、制御モード切替部370に出力することで、インバータ323A,323Bの制御モードとして設定する(ステップS130)。これにより、制御モード切替部370は、設定された制御モードに応じた制御信号をインバータ323A,323Bに出力する。たとえばA系を駆動系とする矩形波制御方式の片系継続モードの場合、インバータ323Aに矩形波制御部360Aの制御信号を出力し、インバータ323Bにはスイッチング素子322をオフさせる制御信号を出力する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、制御モード設定部390が、インバータ323A,323Bの温度、3相巻線213A,213Bの温度、同系統の相関関係、系統間の相関関係に基づき、インバータ323A,323Bの制御モードとして、インバータ323A,323Bとも同一の制御方式で制御する温度優先モード、一方の系を駆動させ、他方の系を停止させる片系継続モード、2系統とも停止させる安全優先モードを設定できる。したがって、温度優先モード設定時に、温度が上昇しても、いきなり安全優先モードを設定するのではなく、片系継続モードを設定することができる。このため、インバータ323A,323Bを2系統とも停止させることなく、インバータ323A,323Bや3相巻線213A,213Bが高温状態となるのを抑制できる。すなわち、回転電機200の出力トルクに制約を与えることなく、高温状態となるのを抑制できる。また、車両において、回転電機200の運転の継続性により、燃費を向上することもできる。
特に本実施形態では、制御モード設定部390が、上記制御モードに加えて、インバータ33A,323Bをともに、回転電機200の出力特性に応じたPWM制御又は矩形波制御の制御方式で制御する特性優先モードを設定することができる。インバータ323A,323B及び3相巻線213A,213Bの温度Bに余裕があるときには、特性優先モードが設定されるため、燃費を向上することができる。
また、A系及びB系の制御モードがともに片系継続モードで制御方式も一致する場合、差分が大きい系を停止させることができる。たとえば差分Aが大きい場合、A系のインバータ323Aを停止させ、B系のインバータ323Bを駆動させることができる。したがって、より温度状態が厳しいインバータ323Aを停止させることでインバータ323Aが過度に高温状態になるのを抑制しつつ、回転電機200の出力トルクを確保することができる。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
回転電機200が、ISGとして、エンジンを始動するスタータ、あるいはエンジンの出力をアシストするモータの役割を果たす例について説明したが、回転電機200の駆動対象はエンジンに限定されるものではない。
PWM制御部350Aとして正弦波PWM制御部の例を示したが、PWM制御部350Aが、正弦波PWM制御部と過変調PWM制御部とを有する構成を採用することもできる。過変調PWM制御方式は、正弦波PWM制御方式よりも基本波成分の振幅を大きくする制御方式であり、矩形波制御方式は回転電機200に印加される矩形波電圧の位相を制御することによりトルクを制御するモードで、過変調PWM制御方式よりも基本波成分の振幅を大きくすることができる。たとえばPWM制御方式の温度優先モードが判定された後、たとえば閾値温度によって、正弦波PWM制御方式及び過変調PWM制御方式のいずれか一方を選択してもよい。
200…回転電機、
213,213a,213B…3相巻線、
320…マイコン、
323,323A,323B…インバータ、
327A,327B,328A,328B…温度センサ、
350A…PWM制御部、
360A…矩形波制御部、
370…制御モード切替部、
380…温度取得部、
390…制御モード設定部

Claims (7)

  1. 2系統の3相巻線(213A,213B)を有する回転電機(200)と、2系統の前記3相巻線にそれぞれ対応して設けられ、直流電源(10)から供給される直流電圧を交流電圧に変換して対応する系統の前記3相巻線に印加する2系統のインバータ(323A,323B)と、を備えた回転電機システムの制御装置であって、
    制御モードにしたがって前記インバータを制御するものであり、前記制御モードとして、前記インバータを2系統とも、PWM制御及び矩形波制御のいずれか同じ制御方式で制御する温度優先モード、2系統の前記インバータの一方を駆動させ、他方を停止させる片系継続モード、前記インバータを2系統とも停止させる安全優先モードを含む制御部(340A,340B、370)と、
    各系統の前記インバータの温度及び各系統の前記3相巻線の温度をそれぞれ取得する温度取得部(380)と、
    各系統の前記インバータの温度及び各系統の前記3相巻線の温度、同系統での前記インバータの温度及び前記3相巻線の温度の相対関係、及び系統間での温度の相対関係に基づき、前記制御部が実行する前記制御モードを設定する制御モード設定部(390)と、
    を備える回転電機システムの制御装置。
  2. 前記制御部は、前記制御モードとして、前記インバータを2系統とも、前記回転電機の出力特性に応じたPWM制御又は矩形波制御の制御方式で制御する特性優先モードを含む請求項1に記載の回転電機システムの制御装置。
  3. 前記制御モード設定部は、
    前記インバータの温度と、前記インバータに対応して予め設定された基準温度との差分であるインバータ温度差を、系統ごとに算出する第1算出部(S30,S80)と、
    前記3相巻線の温度と、前記3相巻線に対応して予め設定された基準温度との差分である3相巻線温度差を、系統ごとに算出する第2算出部(S50,S100)と、
    各系統の前記インバータ及び前記3相巻線ごとに、連続する4つの温度領域として、最も温度レベルの高い領域であり、前記安全優先モードに対応する安全優先領域、2番目に温度レベルの高い領域であり、前記片系継続モードに対応する片系継続領域、3番目に温度レベルの高い領域であり、前記温度優先モードに対応する温度優先領域、最も温度レベルの低い領域であり、前記特性優先モードに対応する特性優先領域が予め設定されており、各系統の前記インバータ温度差及び前記3相巻線温度差がいずれの前記温度領域に属するかにより、各系統の前記インバータ及び前記3相巻線が優先する制御モードをそれぞれ判定する第1判定部(S60,S600〜S613,S110)と、
    同系統の前記インバータ温度差が属する前記温度領域と前記3相巻線温度差が属する前記温度領域との比較により、各系統が優先する制御モードを判定する第2判定部(S60,S614〜S627,S110)と、
    各系統が優先する前記制御モードの比較により、2系統で優先する制御モードを判定する第3判定部(S120)と、
    前記第3判定部の判定結果を、前記制御部が実行する前記制御モードとして設定する設定部(S130)と、
    を有する請求項2に記載の回転電機システムの制御装置。
  4. 前記インバータの前記温度領域のうち、
    前記片系継続領域に対応する前記片系継続モードは、矩形波制御方式の片系継続モードであり、
    前記温度優先領域に対応する前記温度優先モードは、矩形波制御方式の温度優先モードであり、
    前記3相巻線の前記温度領域のうち、
    前記片系継続領域に対応する前記片系継続モードは、PWM制御方式の片系継続モードであり、
    前記温度優先領域に対応する前記温度優先モードは、PWM制御方式の温度優先モードである請求項3に記載の回転電機システムの制御装置。
  5. 前記第2判定部は、同系統の前記インバータ温度差が属する温度領域と前記3相巻線温度差が属する温度領域とを比較し、
    温度レベルが一致しない場合、温度レベルが高い前記温度領域に対応する前記制御モードを、各系統が優先する制御モードとして判定し、
    温度レベルが前記安全優先領域又は前記特性優先領域で一致する場合、一致する前記温度領域に対応する前記制御モードを、各系統が優先する制御モードとして判定し、
    温度レベルが前記片系継続領域又は前記温度優先領域で一致し、且つ、温度差が一致しない場合、温度差が大きい方の前記温度領域に対応する前記制御モードを、各系統が優先する制御モードとして判定し、
    温度レベルが前記片系継続領域又は前記温度優先領域で一致し、且つ、温度差が一致する場合、前回判定した前記制御モードを各系統が優先する制御モードとして判定する請求項4に記載の回転電機システムの制御装置。
  6. 前記第3判定部は、各系統が優先する前記制御モードを比較し、
    一方が前記安全優先モードの場合、又は、前記制御モードが一致せず、且つ、いずれも前記片系継続モードではない場合、対応する温度領域の温度レベルが高い方の前記制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定し、
    前記制御モードが一致せず、且つ、一方が前記片系継続モードで他方が前記特性優先モード又は前記温度優先モードの場合、片系継続モードであって前記他方の制御方式となるように、2系統で優先する制御モードを判定し、
    前記制御モードが、前記特性優先モード、矩形波制御方式の前記温度優先モード、PWM制御方式の前記温度優先モード、又は前記安全優先モードで一致する場合、一致する前記制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定し、
    前記制御モードが、前記温度優先モード又は前記片系継続モードとして一致するものの制御方式が矩形波制御とPWM制御とで異なり、且つ、一方の系統における前記インバータ温度差と前記3相巻線温度差との差分である第1差分と、他方の系統における前記インバータ温度差と前記3相巻線温度差との差分である第2差分とが一致しない場合、差分の大きい系統が優先する前記制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定し、
    前記制御モードが、前記温度優先モード又は前記片系継続モードとして一致するものの制御方式が矩形波制御とPWM制御とで異なり、且つ、前記第1差分と前記第2差分とが一致する場合、前回判定した前記制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定し、
    前記制御モードが矩形波制御方式の前記片系継続モード又はPWM制御方式の前記片系継続モードで一致し、且つ、前記第1差分と前記第2差分とが異なる場合、差分の大きい系統を停止させ、差分の小さい系統を一致する前記制御モードで制御するように、2系統で優先する制御モードを判定し、
    前記制御モードが矩形波制御方式の前記片系継続モード又はPWM制御方式の前記片系継続モードで一致し、且つ、前記第1差分と前記第2差分とが一致する場合、前回判定した前記制御モードを、2系統で優先する制御モードとして判定する請求項4又は請求項5に記載の回転電機システムの制御装置。
  7. 前記回転電機システムの制御装置は、前記回転電機及び前記インバータと一体に形成される請求項1〜6いずれか1項に記載の回転電機システムの制御装置。
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