以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
第1の本発明では、前記論理通信路を収容する論理リングを変更する際に発生するリングネットワーク上の長時間の通信断、ならびに通信ループ発生を回避するため、あらかじめ収容を変更する論理通信路識別子に対して無効化されるよう予約し、変更後の論理リングに対して同一の論理通信路識別子を新たに追加するよう予約した上で、制御信号をリングネットワーク内に巡回させ、リングネットワーク上の全リングノードで一斉に、収容変更元の論理リングにて論理通信路識別子を無効化し、収容変更先の論理リングにて論理通信路識別子を有効化する。これにより、本発明は、通信の瞬間的な断のみで論理通信路を収容する論理リングを変更することを可能にする。
また、第2の本発明では、同じ課題を解決する別の手段として、あらかじめ、収容変更元の論理リングに収容されている論理通信路を収容変更先の論理リングに重複設定し、同時に、収容変更後の論理リングのポート状態をすべてブロッキングとした上で、制御信号をリングネットワーク内に巡回させ、リングネットワーク上の全リングノードで一斉に、収容変更元の論理リングのポート状態をブロッキングに変更し、収容変更先の論理リングのポート状態をブロッキング解除に変更する。これにより、本発明は、通信の瞬間的な断のみで論理通信路を収容する論理リングを変更することを可能にする。
本発明により、通信ループを発生させることなく、瞬間的な通信断のみで論理通信路を収容する論理リングを変更し、論理通信路が収容されている論理リングを変更することが可能となり、ユーザに対して高品質なサービス提供が可能となる。
図2に記載するように、論理通信路単位での収容変更を行う場合は、オペレーションシステム101が、各リングノード201、202、203、204へあらかじめ論理通信路501、502、503、504、505、506、507、508に対する削除・登録を予約設定し、当該論理リング601、602、603を構成する任意の単一リングノードに対して収容変更を指示する。この場合、その指示を契機として制御信号がリング内を巡回し、収容変更実施後に通信ループが発生しないことが確認された後に、全リングノードを一斉に収容変更する。これにより、全リングノードが制御信号の受信を契機とした収容変更処理を完了するまでの短時間の通信断のみで論理通信路の収容変更が可能となる。
また、図3に記載するように、論理リング単位での収容変更を行う場合は、オペレーションシステム101が、各リングノード201、202、203、204へあらかじめ収容変更先論理リング603のポート閉塞と収容変更先論理リング603への論理通信路501、503、505、507の重複設定502、504、506、508を行い、当該リングを構成する任意の単一リングノードに対して収容変更を指示する。この場合、その指示を契機として制御信号がリング内を巡回し、収容変更実施後に通信ループが発生しないことが確認された後に、全リングノードを一斉に収容変更する。これにより、全リングノードが制御信号の受信を契機とした収容変更処理としての論理リングポートの開閉処理を完了するまでの短時間の通信断のみで論理通信路の収容変更が可能となる。
ここで、収容変更は、複数の異なる論理リングに収容された論理通信路を1つの論理リングに集約する事例、単一の論理リングに収容された論理通信路を複数の異なる論理通信路に分散させる事例、ならびに、指定した論理通信路のみを異なる論理リングに移動する事例、指定した論理通信路に収容されているすべての論理通信路を異なる論理リングに移動させる事例のいずれも実現可能である。これにより、サービス中断に伴うユーザ対応コストや返金に必要なコストを削減することが可能となる。また、従来の保守運用にてネットワーク保守者が実施していた変更前の論理通信路の廃止と変更後の論理通信路の新設という一連のオペレーションが自動化されるため、論理通信路を収容する論理リングの変更に要するオペレーション稼動を削減することが可能となる。
<実施例形態1>
本実施形態では、第1の発明の一例として、複数の論理通信路と収容変更先の論理リングを指定し、当該論理通信路のみを収容変更先の論理リングへ収容変更する場合を示す。収容変更先の論理リングには事前に他の論理通信路が収容されていてもよい。
本実施形態に係る論理通信路変更方法は、複数の伝送路と複数のリングノードを経由した同一物理形状の複数の論理リングを設定したリングネットワークにおいて、設定手順と、設定情報共有手順と、実行手順と、を有する。
設定手順では、異なる論理リングへの論理通信路収容変更命令実行を契機として、伝送路−論理リング−論理通信路の設定を変更する。本実施形態では、あらかじめ異なる論理リングへの収容変更が指定された論理通信路をその論理通信路を収容する論理リングから無効化する。あらかじめネットワーク保守者によりその論理通信路を新たに収容するよう指定された論理リングにて、その論理通信路を有効化するよう管理情報を更新する。
設定情報共有手順では、同一論理リング内の他のすべてのリングノードが制御信号を送受信することで、伝送路−論理リング−論理通信路の設定を共有する。
実行手順では、論理リング内のリングノードが一斉に異なる論理リングへ論理通信路を変更する。
図4は保守運用にて論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態を示している。本実施形態では、論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)及び論理リングIDR3(603)の3つの論理リングが構成されている。論理リングIDR1(601)は、4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−1(301)、伝送路2−1(304)、伝送路3−1(307)、伝送路4−1(310)によって構成される。論理リングIDR2(602)は、4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−2(302)、伝送路2−2(305)、伝送路3−2(308)、伝送路4−2(311)によって構成される。論理リングIDR3(603)は、4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−3(303)、伝送路2−3(306)、伝送路3−3(309)、伝送路4−3(312)によって構成される。
さらに、論理リング601(IDR=1)上に論理通信路501(IDP=1)、論理リング602(IDR=2)上に論理通信路502(IDP=2)、論理リング603(IDR=3)上に論理通信路503(IDP=3)が設定されている。論理通信路501及び502は収容変更前であり、論理通信路503は収容変更を行わない。
また、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキング401、402、403を設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止する。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施する。
また、リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の機能を有するものとし、リングノードC(203)にリングノードの具備する機能を図5に示す。リングノードC(203)では、物理ポート111は伝送路1−1に接続され、物理ポート112は伝送路1−2に接続され、物理ポート113は伝送路1−3に接続され、物理ポート114は伝送路4−1に接続され、物理ポート115は伝送路4−2に接続され、物理ポート116は伝送路4−3に接続されている。図4に示すように、リングノードCにおいて、論理リング601を収容している伝送路を伝送路1−1および伝送路4−1、論理リング602を収容している伝送路を伝送路1−2および伝送路4−2、論理リング603を収容している伝送路を伝送路1−3および伝送路4−3とする。
リングノード01は、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161と、信号振分け処理部151と、論理通信路単位移設制御部181と、ポート状態管理部141及び142と、制御信号送受信部171を備える。伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161は、伝送路と論理リングと論理通信路の対応関係を管理する。信号振分け処理部151は、信号を出力する伝送路を選択する。論理通信路単位移設制御部181は、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161で論理リングに対応付けられた論理通信路のうち指定された論理通信路を他の論理リングへの対応付けに変更する処理を行う。ポート状態管理部141及び142は、論理リングが対応付けられたポート状態を管理する。制御信号送受信部171は、論理通信路単位移設制御部181にて指定された論理リングと論理通信路の対応付けの変更を他のリングノードへ通知する制御信号を生成し送信するとともに、他のリングノードから送信された制御信号を受信して内容を参照し前記の論理通信路単位移設制御部181に対して対応付けを変更する論理リングと論理通信路の情報を通知する。
論理通信路を収容する論理リングを変更する前の段階では、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161は、図6のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性に基づいた論理通信路の対応関係を有している。信号振分け処理部151は、物理ポート111の伝送路1−1に設定された論理リング601上の論理通信路501から信号を受信した場合、信号内の送信先ノード識別子を参照して信号送出伝送路を決定し、同一論理通信路が収容された論理リング601の他方の伝送路である伝送路4−1へと信号を送出する。同様に、信号振分け処理部151は、伝送路1−2から信号を受信した場合、同一論理通信路が収容された論理リング602の他方の伝送路である伝送路4−2へと信号を送出し、伝送路1−3から信号を受信した場合、同一論理通信路が収容された論理リング603の他方の伝送路である伝送路4−3へと信号を送出する。
例えば、本リングノードA〜Dがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、論理リング601はリングインスタンス#1、論理通信路501はVLAN#1として、伝送路1−1を接続する物理ポート111と伝送路4−1を接続する物理ポート114の間にリングインスタンス#1によるネットワークを構成し、さらに、リングインスタンス#1にVLAN#1を収容している設定状態に等しい。リングノードCにおいては、伝送路1−1を接続する物理ポート111にてリングインスタンス#1、VLAN#1として受信したフレームは、MACアドレス学習ベースでの転送が行われ、伝送路4−1を接続する物理ポートから送出される。なお、論理リング602、論理リング603においても同様である。また、イーサネット(登録商標)によるネットワークの場合、論理リングに沿った通信ループが発生するため、各論理リング上に1ヶ所通信ループ抑止ブロッキングを設定する。
図7は、論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の設定を入力している状態であるとし、リングノードC(203)に対して行った設定を示す。論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更する場合、収容変更の予約設定を行った段階では、リングノードC(203)には、図8のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されている。この場合、収容変更を行う論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)と論理リングIDR2(602)に対応付けられた論理通信路IDP2(502)の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が対応付けられるよう予約設定する。なお、この段階で通信の経路は図4と同一である。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更の予約設定として、リングインスタンス#1に収容されたVLAN#1とリングインスタンス#2に収容されたVLAN#2の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が対応付けられるよう予約設定することと等しい。
また、ネットワーク保守者はコマンドなどを用いた収容変更命令をリングノードC(203)に対して実行したとすると、リングノードC(203)の論理通信路単位移設制御部181は、その命令を契機として、保守者によって行われた設定情報から収容変更する論理通信路の識別子IDP、収容変更元の論理リング識別子IDRならびに収容変更先の論理リング識別子IDRを抽出し、制御信号の中にその情報を追加した上で制御信号送受信部171に出力する。リングノードC(203)の制御信号送受信部171は、制御信号を送出する。また、リングノードC(203)の論理通信路単位移設制御部181は、同時に抽出した収容変更する論理通信路の識別子IDP、収容変更元の論理リング識別子IDRならびに収容変更先の論理リング識別子IDRの情報に従い、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161において、変更元論理リングに収容されている収容変更対象の論理通信路IDRを変更先論理リングに収容変更する。
リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて信号を受信した伝送路と反対の伝送路へと、受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、制御信号に含まれている収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子の情報を抽出し、それらの情報に従って変更元論理リングに収容されている収容変更対象の論理通信路を変更先論理リングに収容変更する。その他のリングノードであるリングノードA(201)ならびにリングノードD(204)もリングノードB(202)と同様に、順次制御信号を転送し、制御信号に含まれる情報に従って収容変更を行う。制御信号は、収容変更を行うタイミングの情報を含み、収容変更はこのタイミングの情報に従って行う。これにより、論理通信路を構成する全てのリングノードA〜Dは、ほぼ同時に、一斉に収容変更を行う。
なお、オペレーションシステム1が、論理通信路の収容変更前に予めリングノードC(203)に対して実施した論理通信路収容変更設定と同一の設定を、リングノードA(201)、リングノードB(202)、リングノードD(204)に対して実施してもよい。この場合、リングノードC(203)が、論理通信路収容変更実行のタイミングで、論理通信路の収容変更に関連した論理通信路や論理リングの識別子情報を持たない制御信号を送信し、リングノードA(201)、リングノードB(202)、リングノードD(204)が、その制御信号の受信を契機として、あらかじめ各リングノードに設定された論理通信路収容変更設定を参照し、リングノードC(203)と同一の処理を実施してもよい。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、リングノードCに対する収容変更命令を契機として、保守者によって行われた設定情報からリングノードCは収容変更するVLAN ID、収容変更元のリングインスタンスIDならびに収容変更後のリングインスタンスIDを抽出し、制御フレーム内にその情報を追加した上で、リングノードCから制御フレームを送出する。また同時に抽出した収容変更するVLAN ID、収容変更元のリングインスタンスIDならびに収容変更先のリングインスタンスIDの情報に従い、変更元リングインスタンスに収容されている収容変更対象のVLANを変更先リングインスタンスに収容変更する。
リングノードCに隣接するリングノードBは制御フレームを受信したリングインスタンスにおいて信号を受信した伝送路と反対の伝送路へと、受信した制御フレームをそのまま送信すると同時に、制御フレームに含まれている収容変更するVLAN ID、収容変更元のリングインスタンスIDならびに収容変更先のリングインスタンスIDの情報を抽出し、それらの情報に従って変更元リングインスタンスに収容されている収容変更対象のVLAN IDを変更先リングインスタンスに収容変更する。その他のリングノードであるリングノードAならびにリングノードDもリングノードBと同様に、順次制御フレームを転送し、制御フレームに含まれる情報に従って収容変更を行う。なお、ネットワーク保守者によって、論理通信路の収容変更前にあらかじめリングノードCに対して実施した設定と同一の設定を、リングノードA、リングノードB、リングノードDに対して実施し、VLAN収容変更実行のタイミングで、VLAN収容変更に関連したVLAN IDやリングインスタンスIDを持たない制御フレームをリングノードCから送信し、リングノードA、リングノードB、リングノードDはその制御フレームいの受信を契機として、あらかじめ各リングノードに設定されたVLAN収容変更設定を参照し、リングノードCと同一の処理を実施しVLAN収容変更を実施してもよい。
図9は論理通信路を収容する論理リングを変更した後の状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)に対して同様の変更が行われたとする。図10に、リングノードC(203)の設定状態と通信状態を示す。論理通信路を収容する論理リングを変更した後の段階では、図10のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、収容変更を行う論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)と、論理リングIDR2(602)に対応付けられた論理通信路IDP2(502)の識別子が無効化され、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が新たに対応付けられる。
論理通信路の収容変更後は、たとえばリングノードD(204)において、論理リングIDR1(601)が収容された伝送路1−1(301)または伝送路2−1(304)にて論理通信路IDP1(501)として信号を受信した場合、論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)が無効化されたことから、受信された信号は廃棄される。また、論理リングIDR2(602)においても同様に、伝送路1−2(302)または伝送路2−2(305)にて論理通信路IDP2(502)として信号を受信した場合、信号は廃棄される。一方で、論理リングIDR3(603)が収容された伝送路1−3(303)または伝送路2−3(306)にて、論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として信号を受信することが可能となる。伝送路1−3(303)から論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として受信した信号については、伝送路2−3(306)へと送出する。伝送路2−3(306)から論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として受信した信号については伝送路1−3(303)へと送出する。
例えば、本リングノードA〜Dがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更を行うリングインスタンス#1に対応付けられたVLAN#1と、リングインスタンス#2に対応付けられたVLAN#2が無効化され、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が新たに対応付けられる処理に等しい。また、リングノードDにおいては、MACアドレス学習テーブルに登録されていた伝送路1−1を接続する物理ポートと伝送路2−1を接続する物理ポートにおけるVLAN#1に対する宛先MACアドレスの対応付けと、伝送路1−2を接続する物理ポートと伝送路2−2を接続する物理ポートにおけるVLAN#2に対するMACアドレスの対応付けは削除される。
VLAN#1とVLAN#2をリングインスタンス#3に収容変更した後は、リングノードDは、リングインスタンス#1が収容された伝送路1−1を接続する物理ポートまたは伝送路2−1を接続する物理ポートにてVLAN#1のフレームを受信した場合、リングインスタンス#1に対応付けられたVLAN#1が無効化されたことから、受信されたフレームは廃棄される。また、リングインスタンス#2においても同様に、リングノードDは、伝送路1−2を接続する物理ポートまたは伝送路2−2を接続する物理ポートにてVLAN#2のフレームを受信した場合、受信フレームは廃棄される。一方で、リングノードDは、リングインスタンス#3が収容された伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートにて、VLAN#1またはVLAN#2のフレームを受信可能となる。
また、前述のとおりMACアドレス学習テーブルに登録された物理ポートと論理通信路の組へのMACアドレスの対応付けは削除されるため、VLANの収容変更直後にリングノードDで受信されたフレームはすべての伝送路へフラッディングされる。その後、伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートにて、リングノードDは、VLAN#1またはVLAN#2としてフレームを受信した際に、受信したフレームの送信元MACアドレスを参照し、MACアドレス学習テーブルにてフレームを受信した伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートに対して送信元MACアドレスを対応付ける。この対応付けが行われた後は、リングノードDは、伝送路1−3を接続する物理ポートにてVLAN#1またはVLAN#2として受信したフレームについて宛先MACアドレスを参照し、MACアドレス学習テーブルにて学習したMACアドレスと一致すれば対応付けられた伝送路2−3へフレームを送出する。リングノードDは、伝送路2−3を接続する物理ポートにてVLAN#1またはVLAN#2として受信したフレームについても同様に伝送路1−3へ送出する。
<実施形態2>
本実施形態では、第2の発明の一例として、複数の収容変更元の論理リングと収容変更先の論理通信路が収容されていない論理リングを指定し、収容変更元の論理リングに収容されているすべての論理リングを収容変更先の論理リングに一斉に収容変更する場合を示す。
本実施形態に係る論理通信路変更方法は、複数の伝送路と複数のリングノードを経由した同一物理形状の複数の論理リングを設定したリングネットワークにおいて、設定手順と、設定情報共有手順と、実行手順と、を有する。
設定手順では、異なる論理リングへの論理通信路収容変更命令実行を契機として、伝送路−論理リング−論理通信路の設定を変更する。本実施形態では、あらかじめ論理通信路収容変更元として指定された論理リングに収容されたすべての論理通信路を論理通信路収容変更先として指定された論理リングに重複して収容するよう、論理通信路の収容情報を論理通信路収容変更元の論理リングから論理通信路収容変更先の論理リングへ複製する。論理通信路変更先に指定された論理リングのポート状態を制御信号以外の信号の送受信を禁止するブロッキング状態に設定する。
設定情報共有手順では、同一論理リング内の他のすべてのリングノードが制御信号を送受信することで、伝送路−論理リング−論理通信路の設定を共有する。
実行手順では、論理リング内のリングノードが一斉に異なる論理リングへ論理通信路を変更する。このとき、異なる論理リングへの論理通信路収容変更命令実行を契機として、論理通信路変更元に指定された論理リングのポート状態をブロッキング状態に変更すると同時に、論理通信路変更先に指定された論理リングのポート状態をブロッキング状態から開放するようポート状態管理部の管理情報を変更する。
図11は保守運用にて論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態を示している。本実施形態では、実施形態1と同様に、論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)、論理リングIDR3(603)の3つの論理リングが構成されている。論理リング601(IDR=1)上に論理通信路501(IDP=1)、論理リング602(IDR=2)上に論理通信路502(IDP=2)が設定されている。
また、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキング401、402、403を設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止する。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施する。
また、リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の機能を有するものとし、リングノードC(203)にリングノードの具備する機能を図12に示す。リングノードCにおいて、論理リング601を収容している伝送路を伝送路1−1および伝送路4−1、論理リング602を収容している伝送路を伝送路1−2および伝送路4−2、論理リング603を収容している伝送路を伝送路1−3および伝送路4−3とする。
リングノードは、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161と、信号振分け処理部151と、論理リング単位移設制御部182と、ポート状態管理部141、142と、制御信号送受信部171を備える。伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161は、伝送路と論理リングと論理通信路の対応関係を管理する。信号振分け処理部151は、信号を出力する伝送路を選択する。論理リング単位移設制御部182は、対応付けられた論理通信路のうち指定された論理リングに対応付けられたすべての論理通信路を他の論理リングへの対応付けに変更する。ポート状態管理部141、142は、論理リングが対応付けられたポート状態を管理する。制御信号送受信部171は、論理リング単位移設制御部182にて指定された論理リングと論理通信路の対応付けの変更を他のリングノードへ通知する制御信号を生成し送信するとともに、他のリングノードから送信された制御信号を受信して内容を参照し前記の論理リング単位移設制御部182に対して対応付けを変更する論理リングと論理通信路の情報を通知する。
論理通信路を収容する論理リングを変更する前の段階では、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161は、図13のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性に基づいた論理通信路の対応関係を有している。図13の論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態は、論理通信路収容変更を実施する目的で論理リング単位移設制御部182が行う通信遮断有無を指しており、先に記述した通信ループ抑止を目的としたブロッキングとは目的が異なるものの、装置における処理は同一である。論理通信路収容変更に伴うブロッキングと通信ループ抑止を目的としたブロッキングの少なくとも一方が有効である場合、ポート状態管理部141、142は、そのポートをブロッキング状態とし、通信を遮断する。なお、先に記述した通り、ループ抑止を目的としたブロッキングは、各論理リングにおいて1ヶ所設定する必要があるが、論理通信路収容変更先の論理リングにおいて、当該論理リングを収容するいずれかのリングノードにて論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が設定されている場合は、その論理リングにおいてはループ抑止を目的としたブロッキングを設けなくてもよい。
図14は論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の設定を入力している状態であるとし、リングノードC(203)に対して行った設定を示す。論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更する場合、収容変更の予約設定を行った段階では、リングノードC(203)には、図15のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)を収容変更先の論理リングIDR3(603)に重複設定する。また、論理リングIDR3(603)において、各リングノードに対して制御信号以外の信号の送受信を許可しないブロッキング状態に設定する。なお、この段階で通信の経路は図11と同一である。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更の予約設定として、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が対応付けられるよう予約設定し、リングインスタンス#3に対して、伝送路1−3を接続する物理ポートと伝送路4−3を接続する物理ポートの位置にブロッキング設定を行った状態と等しい。
また、リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、ネットワーク保守者によって行われた設定情報から、リングノードC(203)の論理リング単位移設制御部182は、収容変更元の論理リング識別子IDRならびに収容変更先の論理リング識別子IDRを抽出し、制御信号内にその情報を追加した上で制御信号送受信部171に出力する。リングノードC(203)の制御信号送受信部171は、制御信号を送出する。
リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて信号を受信した伝送路と反対の伝送路へと、受信した制御信号と同一の制御信号を送信する。その他のリングノードであるリングノードA(201)ならびにリングノードD(204)もリングノードB(202)と同様に、順次制御信号を転送し、各リングノードは制御信号の受信を契機として、制御信号に含まれる情報に従ってリングノードC(203)と同様の手続きで収容変更を行う。制御信号は、収容変更を行うタイミングの情報を含み、収容変更はこのタイミングの情報に従って行う。これにより、論理通信路を構成する全てのリングノードA〜Dは、ほぼ同時に、一斉に収容変更を行う。
なお、オペレーションシステム101などによって、論理通信路の収容変更前にあらかじめリングノードC(203)に対して実施した論理通信路収容変更設定と同一の設定を、リングノードA(201)、リングノードB(202)、リングノードD(204)に対して実施し、論理通信路収容変更実行のタイミングで、論理通信路の収容変更に関連した論理リングの識別子情報を持たない制御信号をリングノードC(203)から送信し、リングノードA(201)、リングノードB(202)、リングノードD(204)はその制御信号の受信を契機として、あらかじめ各リングノードに設定された論理通信路収容変更設定を参照し、リングノードC(203)と同一の処理を実施し論理通信路収容変更を実施してもよい。
例えば、本リングノードA〜Dがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、リングノードCに対する収容変更命令を契機として、ネットワーク保守者によって行われた設定情報からリングノードCは収容変更元のVLAN IDならびに収容変更先のVLAN IDを抽出し、制御フレーム内にその情報を追加した上で、リングノードCから制御フレームを送出する。その他のリングノードであるリングノードAならびにリングノードDもリングノードBと同様に、順次制御フレームを転送し、各リングノードは制御フレームの受信を契機として、制御フレームに含まれる情報に従ってリングノードCと同様の手続きで収容変更を行う。なお、ネットワーク保守者によって、VLANの収容変更前にあらかじめリングノードCに対して実施したVLAN収容変更設定と同一の設定を、リングノードA、リングノードB、リングノードDに対して実施し、VLAN収容変更実行のタイミングで、VLANの収容変更に関連したリングインスタンスIDの情報を持たない制御フレームをリングノードCから送信し、リングノードA、リングノードB、リングノードDはその制御フレームの受信を契機として、あらかじめ各リングノードに設定されたVLAN収容変更設定を参照し、リングノードCと同一の処理を実施しVLAN収容変更を実施してもよい。
図16は論理通信路を収容する論理リングを変更した後の状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)に対して同様の変更が行われたとする。図17に、リングノードC(203)の設定状態と通信状態を示す。論理通信路を収容する論理リングを変更した後の段階では、図17のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、図15と変わらない。一方、たとえばリングノードD(204)においては、収容変更元である論理リングIDR1(601)と論理リングIDR2(602)において、伝送路1−1(301)、伝送路2−1(304)、伝送路1−2(302)および伝送路2−2(305)に対してブロッキング状態にし、収容変更先である論理リングIDR3(603)において、伝送路1−3(303)および伝送路2−3(306)に対してブロッキング状態を開放する。
論理通信路の収容変更後は、たとえばリングノードD(204)においては、論理リングIDR1(601)が収容された伝送路1−1(301)または伝送路2−1(304)から論理通信路IDP1(501)として信号を受信した場合、論理リングIDR1(601)において伝送路1−1(301)および伝送路2−1(304)に対してブロッキング状態としたことから、受信された信号は廃棄される。また、論理リングIDR2(602)においても同様に、伝送路1−2(302)または伝送路2−2(305)から論理通信路IDP2(502)として信号を受信した場合、信号は廃棄される。一方で、論理リングIDR3(603)において伝送路1−3(303)または伝送路2−3(306)に対するブロッキング状態を開放したことから、論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として信号を受信することが可能となる。また、伝送路1−3(303)から論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として受信した信号については、伝送路2−3(306)に送出する。伝送路2−3(306)から論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として受信した信号については伝送路1−3(303)へと送出する。
例えば、リングノードDがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、リングノードD(204)においては、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が新たに対応付けられ、リングインスタンス#1およびリングインスタンス#2において伝送路1−1を接続する物理ポート、伝送路2−1を接続する物理ポート、伝送路1−2を接続する物理ポートおよび伝送路2−2を接続する物理ポートの位置をブロッキング状態に変更し、リングインスタンス#3において伝送路1−3を接続する物理ポートおよび伝送路2−3を接続する物理ポートの位置のブロッキング状態を開放する処理に等しい。また、MACアドレス学習テーブルに登録されていた伝送路1−1を接続する物理ポートと伝送路2−1を接続する物理ポートにおけるVLAN#1に対する宛先MACアドレスの対応付けと、伝送路1−2を接続する物理ポートと伝送路2−2を接続する物理ポートにおけるVLAN#2に対する宛先MACアドレスの対応付けは削除される。
VLAN#1とVLAN#2をリングインスタンス#3に収容変更した後は、リングインスタンス#1が収容された伝送路1−1を接続する物理ポートまたは伝送路2−1を接続する物理ポートにてVLAN#1のフレームを受信した場合、リングインスタンス#1において伝送路1−1を接続する物理ポートおよび伝送路2−1を接続する物理ポートの位置をブロッキング状態に変更したことから受信されたフレームは廃棄される。また、リングインスタンス#2においても同様に、伝送路1−2を接続する物理ポートまたは伝送路2−2を接続する物理ポートにてVLAN#2のフレームを受信した場合、受信フレームは廃棄される。一方で、リングインスタンス#3が収容された伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートにて、VLAN#1またはVLAN#2のフレームを受信可能となる。
また、前述のとおりMACアドレス学習テーブルに登録された物理ポートと論理通信路の組へのMACアドレスの対応付けは削除されるため、VLANの収容変更直後は受信したフレームはすべての伝送路にフラッディングされる。その後、伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートにて、VLAN#1またはVLAN#2としてフレームを受信した際に、受信したフレームの送信元MACアドレスを参照し、MACアドレス学習テーブルにてフレームを受信した伝送路1−3を接続する物理ポートまたは伝送路2−3を接続する物理ポートにおけるVLAN#1またはVLAN#2に対して、送信元MACアドレスが対応付けられる。この対応付けが行われた後は、伝送路1−3を接続する物理ポートにてVLAN#1またはVLAN#2として受信したフレームについて宛先MACアドレスを参照し、MACアドレス学習テーブルにて学習したMACアドレスと一致すれば対応付けられた伝送路2−3にフレームを送出する。伝送路2−3を接続する物理ポートにてVLAN#1またはVLAN#2として受信したフレームについても同様に伝送路1−3へと送出する。
<実施形態3>
本実施形態では、第1の発明の一例として、複数の論理通信路と収容変更先の論理リングを指定し、論理通信路のみを収容変更先の論理リングへ収容変更する場合を示す。収容変更先の論理リングには事前に他の論理通信路が収容されていてもよい。
本実施形態に係る論理通信路変更方法は、実行手順の前に、移設開始判定手順をさらに有する。移設開始判定手順は、異なる論理リングへの論理通信路収容変更命令実行、または、収容変更に関する制御信号の受信を契機として実行する。
移設開始判定手順では、論理リングと論理通信路の対応付けの変更処理を実施した後の状態を想定し、指定された異なる論理リングへ収容を変更するすべての論理通信路が、同じく指定された収容変更元の論理リング内に存在し無効化可能な状態であり、かつ、同じく指定された収容変更先の論理リング内に存在せず新たに追加可能な状態であり、かつ、収容変更元から無効化する論理通信路と収容変更先に追加する論理通信路が完全に一致することを確認する。
これらの条件を満足する場合は、論理通信路の変更の処理を開始し、一致しない場合は論理通信路の変更の処理を開始しないこととする。これにより、指定が誤っていたことにより異なる論理リングへの論理通信路収容変更の処理にて論理通信路が消失することで通信断となったり、論理通信路が複数の論理リングに重複して収容されることで通信ループが発生することを抑止する。
保守運用にて論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態は図4と同様である。本実施形態では、実施形態1と同様に、論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)及び論理リングIDR3(603)の3つの論理リングが構成されている。さらに、論理リング601(IDR=1)上に論理通信路501(IDP=1)、論理リング602(IDR=2)上に論理通信路502(IDP=2)、論理リング603(IDR=3)上に論理通信路503(IDP=3)が設定されている。
また、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキングを設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止する。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施する。
また、リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の機能を有するものとし、リングノードC(203)にリングノードの具備する機能を図19に示す。本実施形態に係るリングノードは、図5に示す実施形態1に係るリングノードの備える構成に加え、さらに移設開始判定部191を備える。具体的には、本実施形態に係るリングノード01は、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161と、信号振分け処理部151と、論理通信路単位移設制御部181と、ポート状態管理部141、142と、制御信号送受信部171と、移設開始判定部191を備える。
移設開始判定部191は、論理通信路単位移設制御部181にて論理リングと論理通信路の対応付けの変更処理を行ってもよい装置状態かどうかを判定する。論理通信路単位移設制御部181は、移設開始判定部191が変更処理を行ってもよいと判定した場合に変更処理を行い、移設開始判定部191が変更処理を行ってもよいと判定しない場合は変更処理を行わない。論理通信路を収容する論理リングを変更する前の段階では、図6のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性に基づいた論理通信路の対応関係を有している。
図18は、論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。ここでは、論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更しようとしているが、ネットワーク保守者の誤設定により、論理通信路502を論理リング602から無効化設定したものの、同論理通信路を論理リング603において有効化設定し忘れている場合を示している。例えばリングノードCにおいて、図20のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、収容変更を行う論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)と論理リングIDR2(602)に対応付けられた論理通信路IDP2(502)の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)のみが対応付けられるよう予約設定されている。
例えば、本リングノードA〜Dがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、たとえばリングノードCにおいては、リングインスタンス#1に収容されたVLAN#1とリングインスタンス#2に収容されたVLAN#2の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1のみが対応付けられるよう予約設定することと等しい。
図18の状態において、ネットワーク保守者はコマンドなどを用いてリングノードC(203)に対して収容変更を命令したとする。リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、リングノードC(203)の論理通信路単位移設制御部181は、ネットワーク保守者によって行われた設定情報からは収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子を抽出する。無効化設定の予約が論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)であるのに対し、有効化設定の予約が論理通信路IDP1(501)のみであり、誤設定により無効化する論理通信路の集合と有効化する論理通信路の集合が一致していない。この場合、移設開始判定部191は、変更処理を行ってはいけないと判断する。すると、論理通信路単位移設制御部181は、収容変更処理を中断する。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、リングノードCに対する収容変更命令を契機として、ネットワーク保守者によって行われた設定情報からリングノードCは収容変更するVLAN ID、収容変更元のリングインスタンスIDならびに収容変更先のリングインスタンスIDを抽出するが、無効化設定の予約がVLAN#1とVLAN#2であるのに対し、有効化設定の予約がVLAN#1のみであることから、誤設定により無効化するVLANの集合と有効化するVLANの集合が一致していないと判断し、収容変更処理を中断することと等しい。
なお、無効化する論理通信路の集合と有効化する論理通信路の集合が一致しない場合に加えて、存在しない論理通信路を無効化しようとしている場合や、ある論理リングに既に有効化されている論理通信路をその論理リングで有効化しようとしている場合についても、移設開始判定部191は、予約設定が不正であるとみなし収容変更処理を中断する。そのため、図20の誤設定以外にも、いずれの論理リングにおいても無効化していない論理通信路が、ある論理リングで有効化されている場合や、複数の論理リングで同一の論理通信路を重複して有効化しようとしている場合においても、記載した予約設定が不正であるとみなされる条件のいずれかに該当することから、論理通信路単位移設制御部181は収容変更処理を中断する。
なお、移設開始判定部191における誤設定の検出はネットワーク保守者が収容変更命令を行ったことを契機として実施してもよいし、ネットワーク保守者が設定を行った時点またはそれ以降に随時実施してもよい。また、リングノードC(203)以外のノードにおいて誤設定が検出された場合も同様であり、例えばリングノードD(204)において予約設定が不正であると判定された場合は、リングノードC(203)は移設処理を中断する。リングノードC(203)以外のノードにおける誤設定の検出は、ネットワーク保守者が各装置に対して設定を行ったことを契機としてもよいし、各装置に対してネットワーク保守者が誤設定判定実行を命令したことを契機としてもよいし、他装置からの制御信号の受信を契機として実施してもよい。
<実施形態4>
本実施形態では、第2の発明の一例として、複数の収容変更元の論理リングと収容変更先の論理通信路が収容されていない論理リングを指定し、収容変更元の論理リングに収容されているすべての論理リングを収容変更先の論理リングに一斉に収容変更する場合を示す。
本実施形態に係る論理通信路変更方法は、実行手順の前に、移設開始判定手順をさらに有する。移設開始判定手順は、異なる論理リングへの論理通信路収容変更命令実行、または、収容変更に関する制御信号の受信を契機として実行する。
移設開始判定手順では、論理リングと論理通信路の対応付けの変更処理を実施した後の状態を想定し、論理通信路の変更元となる論理リングのポート状態が制御信号以外の送受信を禁止するブロッキング状態になっておらず、かつ、そのポート状態をブロッキング状態に変更可能な状態であり、かつ、論理通信路の変更先となる論理リングのポート状態がブロッキング状態になっており、かつ、そのブロッキング状態を解除することが可能な状態であることを確認する。
先述のポート状態となっている場合は処理を開始し、先述のポート状態となっていない場合は論理通信路の変更の処理を開始しないこととする。これにより、意図しない論理リングのポート状態のブロッキング状態の設定による通信断の発生と、意図しない論理リングのポート状態のブロッキング状態の開放によるリングネットワーク上の通信のループが発生することを抑止する。
図21は論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の設定を入力している状態であるとし、リングノードC(203)に対して行った設定を示す。
また、リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の機能を有するものとし、リングノードC(203)にリングノードの具備する機能を図22に示す。リングノードCにおいて、論理リング601を収容している伝送路を伝送路1−1および伝送路4−1、論理リング602を収容している伝送路を伝送路1−2および伝送路4−2、論理リング603を収容している伝送路を伝送路1−3および伝送路4−3とする。
リングノードは、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161と、信号振分け処理部151と、論理リング単位移設制御部182と、ポート状態管理部141、142と、制御信号送受信部171と、移設開始判定部191を備える。伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161、信号振分け処理部151、ポート状態管理部141、142、制御信号送受信部171については、実施形態1と同様である。論理リング単位移設制御部182については、実施形態2と同様である。移設開始判定部191については、実施形態3と同様である。ただし、本実施形態では、論理リング単位移設制御部182が、移設開始判定部191が変更処理を行ってもよいと判定した場合に変更処理を行い、移設開始判定部191が変更処理を行ってもよいと判定しない場合は変更処理を行わない。
論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更する場合、収容変更の予約設定を行った段階では、リングノードC(203)には、図13のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が対応付けられるよう重複設定する。また、たとえばリングノードD(204)においては、論理リングIDR3(603)に対して、伝送路1−3(303)と伝送路2−3(306)に対して論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態に設定する必要があるが、ここでは、誤設定により論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が開放された状態になっているとする。
なお、実施形態2に記載したように、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキングを設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止する。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施する。
一方、論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態は、論理通信路収容変更を実施する目的で行われている通信遮断有無を指しており、先に記述した通信ループ抑止を目的としたブロッキングとは目的が異なるものの、装置における処理は同一である。論理通信路収容変更に伴うブロッキングと通信ループ抑止を目的としたブロッキングの少なくとも一方が有効である場合、そのポートはブロッキング状態とし、通信を遮断する。なお、先に記述した通り、ループ抑止を目的としたブロッキングは、各論理リングにおいて1ヶ所設定する必要があるが、論理通信路収容変更先の論理リングにおいて、いずれかのリングノードで論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態となっている場合は、その論理リングにおいてはループ抑止を目的としたブロッキングを設けなくてもよい。各リングノードにおいて各伝送路に対して通信ループ抑止を目的としたブロッキングと論理通信路収容変更に伴うブロッキングの少なくとも一方が設定されていれば実際にはブロッキング状態となることから、リングノードC(203)の伝送路4−1、4−2、4−3(310、311、312)に対しては通信ループ抑止を目的としたブロッキングが行われていることとし、実際のブロッキング状態はブロッキングであるとする。
例えば、本リングノードA〜Dがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更の予約設定として、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が対応付けられるよう予約設定し、リングインスタンス#3に対して、伝送路1−3を接続する物理ポートと伝送路4−3を接続する物理ポートの位置に論理通信路収容変更に伴うブロッキングが実施されていない状態と等しい。
オペレーションシステム101などからコマンドなどを用いてリングノードC(203)に対して収容変更を命令したとする。リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、リングノードCの移設開始判定部191は、収容変更元の論理リング601および論理リング602が対応付けられた伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路4−1(310)および伝送路4−2(311)と収容変更先の論理リング603が対応付けられた伝送路1−3(303)と伝送路4−3(312)に対するポート状態を確認する。移設開始判定部191は、収容変更元の論理リングに対応づけられた伝送路に対する論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がすべて解放状態であり、かつ、収容変更先の論理リングに対応付けられた伝送路に対する実際のブロッキング状態がすべてブロッキング状態であることを確認し、この条件を満足しない場合はネットワーク保守者による誤設定があったものと判断し、変更処理を行ってはいけないと判定する。すると、論理リング単位移設制御部182は、移設処理を中断する。図23の場合は、収容変更先である論理リングIDR3(603)における伝送路1−3(303)と伝送路4−3(312)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキング設定となっていることを期待するが、ブロッキング状態が開放状態となっていることから、移設処理を中断する。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、リングノードCに対する収容変更命令を契機として、収容変更元のリングインスタンス#1およびリングインスタンス#2における伝送路1−1を接続する物理ポート、伝送路1−2を接続する物理ポート、伝送路4−1を接続する物理ポートおよび伝送路4−2を接続する物理ポートと収容変更先の論理リングIDR3が対応付けられた伝送路1−3を接続する物理ポートと伝送路4−3を接続する物理ポートの位置のポート状態を確認する。収容変更元のリングインスタンスに対応づけられた物理ポートの位置の論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がすべて解放状態であり、かつ、収容変更先のリングインスタンスにおける物理ポートの位置の論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がすべてブロッキング状態であることを確認し、この条件を満足しない場合はネットワーク保守者による誤設定があったものと判断し、移設処理を中断する。図21の場合は、収容変更先であるリングインスタンス#3における伝送路1−3を接続する物理ポートと伝送路4−3を接続する物理ポートの位置はブロッキング設定となっていることを期待するが、伝送路−論理リング−論理通信路対応管理部161を参照すると、図23のように論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が開放状態となっていることから、移設処理を中断する。
なお、他にも、ネットワークの故障に伴うブロッキング状態が規定されている場合、論理通信路収容変更元の論理リングのいずれかの伝送路および論理通信路収容変更先の論理リングのいずれかの伝送路に対して、ネットワークの故障に伴うブロッキング状態がブロッキング状態にあるとき、移設開始判定部191は異常状態とみなして移設処理を中断してもよい。また、通信ループ抑止を目的としたブロッキング状態が正しく設定されていないことを検出した場合も、移設開始判定部191は異常状態とみなして移設処理を中断してもよい。
また、移設開始判定部191における誤設定の検出はネットワーク保守者が収容変更命令を行ったことを契機として実施してもよいし、ネットワーク保守者が設定を行った時点またはそれ以降に随時実施してもよい。また、リングノードC(203)以外のノードにおいて誤設定が検出された場合も同様であり、例えばリングノードDにおいてブロッキング設定が不正であると判定された場合は、リングノードCは移設処理を中断する。リングノードC(203)以外のノードにおける誤設定の検出は、ネットワーク保守者が各装置に対して設定を行ったことを契機としてもよいし、各装置に対してネットワーク保守者が誤設定判定実行を命令したことを契機としてもよいし、他装置からの制御信号の受信を契機として実施してもよい。
<実施形態5>
本実施形態では、同一物理形状の複数の論理リングを設定したリングネットワークの一部のリングノード間の伝送路を、他のリングネットワークの一部のリングノード間の伝送路と共有している場合に、複数の論理通信路と収容変更先の論理リングを指定し、当該論理通信路のみを収容変更先の論理リングへ収容変更する場合を示す。リングノードA〜F(201、202、203、204、205、206)は同様の機能を有するものとし、リングノードの具備する機能は図5または図19と同一である。
図24は論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態を示している。本実施形態では、論理リング601(IDR=1)、論理リング602(IDR=2)、論理リング603(IDR=3)の3つの論理リングが構成されている。さらに、論理リング601(IDR=1)上に論理通信路501(IDP=1)、論理リング602(IDR=2)上に論理通信路502(IDP=2)、論理リング603(IDR=3)上に論理通信路503(IDP=3)が設定されている。
ここで、本実施形態では、論理リング601、論理リング602、論理リング603はリングノードC(203)とリングノードD(204)の間の伝送路において単一の伝送路1−1(301)を共有している。さらに、4台のリングノードC〜F(203、204、205、206)と伝送路1−1(301)、伝送路5−1(311)、伝送路6−1(312)、伝送路7−1(313)によって論理リング604(IDR=4)が構成されている。さらに、論理リング604上に論理通信路504(IDP=4)が設定されている。ここで、リングノードC(203)とリングノードD(204)の間の伝送路においては、単一の伝送路1−1(301)にて論理リング601、論理リング602、論理リング603に加えて、論理リング604も通信経路を共有している。論理通信路を収容する論理リングを変更する前の段階では、リングノードC(203)は、図25のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性に基づいた論理通信路の対応関係の変換を行う。
リングノードDは、伝送路2−1(302)の論理リング601上の論理通信路501から信号を受信した場合、信号内の送信元ノード識別子を参照して信号振分け処理部151から信号送出伝送路を決定し、同一論理通信路が収容された論理リング601の他方の伝送路である伝送路1−1(301)へと信号を送出する。逆に、リングノードDは、伝送路1−1(301)の論理リングIDR1(601)上の論理通信路IDP1(501)から信号を受信した場合、信号内の送信元ノード識別子を参照して信号振分け処理部151から信号送出伝送路を決定し、同一論理通信路が収容された論理リングIDR1(601)の他方の伝送路である伝送路2−1(302)へと信号を送出する。この動作は他の論理リングにおいても同様である。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、論理リングIDR1はリングインスタンス#1、論理通信路IDP1はVLAN#1として、伝送路1−1を接続する物理ポートと伝送路4−1を接続する物理ポートの間にリングインスタンス#1によるネットワークを構成し、さらに、リングインスタンス#1にVLAN#1を収容している設定状態に等しい。伝送路1−1を接続する物理ポートにてリングインスタンス#1、VLAN#1として受信したフレームは、MACアドレス学習ベースでの転送が行われ、伝送路2−1へと送出される。逆に、伝送路2−1を接続する物理ポートにてリングインスタンス#1、VLAN#1として受信したフレームは、MACアドレス学習ベースでの転送が行われ、伝送路1−1へと送出される。
図26は論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の設定を入力している状態であるとし、リングノードC(203)に対して行った設定を示す。論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更する場合、収容変更の予約設定を行った段階では、リングノードC(203)には、図27のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、収容変更を行う論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)と論理リングIDR2(602)に対応付けられた論理通信路IDP2(502)の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が対応付けられるよう予約設定する。なお、この段階で通信の経路は図24と同一である。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更の予約設定として、リングインスタンス#1に収容されたVLAN#1とリングインスタンス#2に収容されたVLAN#2の識別子に対して無効化設定が予約され、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が対応付けられるよう予約設定することと等しい。
図28は論理通信路を収容する論理リングを変更した後の状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)に対して同様の変更が行われたとする。図29に、リングノードC(203)の設定状態と通信状態を示す。論理通信路を収容する論理リングを変更した後の段階では、図29のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、たとえばリングノードD(204)においては、収容変更を行う論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1と、論理リングIDR2(602)に対応付けられた論理通信路IDP2の識別子が無効化され、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1と論理通信路IDP2が新たに対応付けられる。また、信号振分け処理部151に登録されていた伝送路2−1(302)の論理通信路IDP1に対する宛先ノード識別子の対応付けと、伝送路2−2(303)の論理通信路IDP2に対する宛先ノード識別子の対応付けは削除される。
論理通信路の収容変更後は、図28のリングノードDにおいて、伝送路2−1(302)の論理リングIDR1(601)にて論理通信路IDP1(501)として信号を受信した場合、論理リングIDR1(601)に対応付けられた論理通信路IDP1(501)が無効化されたことから、受信された信号は廃棄される。また、論理リングIDR2(602)においても同様に、伝送路2−2(303)から論理通信路IDP2(502)として信号を受信した場合、信号は廃棄される。一方で、論理リングIDR3(503)が収容された伝送路2−3(304)から、論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として信号を受信することが可能となる。ここで、伝送路1−1(301)は論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)および論理リングIDR3(603)にてリングノード間の伝送路を共有しているため、論理通信路の収容変更後も引き続き、論理通信路IDP1(501)、論理通信路IDP2(502)および論理通信路IDP3(503)のいずれの論理通信路の信号を受信した場合でも信号は廃棄しない。
なお、図24、図26、図28に示した一連の収容変更処理において、収容変更に関連のない論理リングIDR4(604)に収容された論理通信路IDP4(504)については、リングノード内の設定、および通信に関して何ら変更は発生しない。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、伝送路1−1においては、異なるリングインスタンスへのVLAN収容変更を行った際にもリングインスタンス#1、リングインスタンス#2およびリングインスタンス#3にてリングノード間の伝送路を共有しているため、論理通信路の収容変更後も引き続き、VLAN#1、VLAN#2およびVLAN#3のいずれのVLANの信号を受信した場合でも信号は廃棄されないことと等しい。
<実施形態6>
本実施形態では、同一物理形状の複数の論理リングを設定したリングネットワークの一部のリングノード間の伝送路を、他のリングネットワークの一部のリングノード間の伝送路と共有している場合に、複数の収容変更元の論理リングと収容変更先の論理通信路が収容されていない論理リングを指定し、収容変更元の論理リングに収容されているすべての論理リングを収容変更先の論理リングに一斉に収容変更する場合を示す。図30におけるリングノードA〜F(201、202、203、204、205、206)は同様の機能を有するものとし、リングノードの具備する機能は図12または図22と同一である。図31に、リングノードC(203)の設定状態と通信状態を示す。
図30は論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態を示している。本実施形態では、論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)、論理リングIDR3(603)の3つの論理リングが構成されている。4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−1(305)、伝送路2−1(302)、伝送路3−1(305)、伝送路4−1(308)によって構成される。論理リングIDR2(602)は、4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−1(301)、伝送路2−2(303)、伝送路3−2(306)、伝送路4−2(309)によって構成される。論理リングIDR3(603)は、4台のリングノードA〜D(201、202、203、204)と伝送路1−1(301)、伝送路2−3(304)、伝送路3−3(307)、伝送路4−3(310)によって構成される。
さらに、論理リング601(IDR=1)上に論理通信路501(IDP=1)、論理リング602(IDR=2)上に論理通信路I501(IDR=2)が設定されている。ここで、論理リング601(IDR=1)、論理リング602(IDR=2)、論理リング603(IDR=3)はリングノードC(203)とリングノードD(204)の間の伝送路において単一の伝送路1−1(301)を共有している。さらに、4台のリングノードC〜F(203、204、205、206)によって論理リングIDR4(604)が構成されている。さらに、論理リングIDR4(604)上に論理通信路4(504)が設定されている。ここで、リングノードC(203)とリングノードD(204)の間の伝送路においては、単一の伝送路1−1(301)にて論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)、論理リングIDR3(603)に加えて、論理リングIDR4(604)も通信経路を共有している。
図30のリングノードD(204)において、伝送路2−1(302)の論理リングIDR1(601)上の論理通信路IDP1(501)から信号を受信した場合、信号内の送信元ノード識別子を参照して信号振分け処理部151から信号送出伝送路を決定し、同一論理通信路が収容された論理リングIDR1(601)の他方の伝送路である伝送路1−1(301)から信号を送出する。逆に、伝送路1−1(301)に設定された論理リングIDR1(601)上の論理通信路IDP1(501)から信号を受信した場合、信号内の送信元ノード識別子を参照して信号振分け処理部151から信号送出伝送路を決定し、同一論理通信路が収容された論理リングIDR1(601)の他方の伝送路である伝送路2−1(302)へと信号を送出する。この動作は他の論理リングにおいても同様である。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、論理リングIDR1はリングインスタンス#1、論理通信路IDP1はVLAN#1として、伝送路1−1を接続する物理ポートと伝送路4−1を接続する物理ポートの間にリングインスタンス#1によるネットワークを構成し、さらに、リングインスタンス#1にVLAN#1を収容している設定状態に等しい。伝送路1−1を接続する物理ポートにてリングインスタンス#1、VLAN#1として受信したフレームは、MACアドレス学習ベースでの転送が行われ、伝送路4−1へと送出される。逆に、伝送路4−1を接続する物理ポートにてリングインスタンス#1、VLAN#1として受信したフレームは、MACアドレス学習ベースでの転送が行われ、伝送路1−1へと送出される。
図32は論理通信路を収容する論理リングを変更する前、かつ収容変更の予約設定が完了した状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の設定を入力している状態であるとする。図33に、リングノードC(203)に対して行った設定を示す。論理リング601に収容された論理通信路501と論理リング602に収容された論理通信路502を論理リング603へ収容変更する場合、収容変更の予約設定を行った段階では、リングノードC(203)に、図33のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、収容変更先の論理リングIDR3(603)に論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が対応付けられるよう予約設定する。
また、論理リングIDR3(603)に対して、伝送路4−3(310)に対する論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態に設定するが、伝送路1−1(301)に対する論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態を設定しない。この段階で通信の経路は図30と同一である。
実施形態2に記載したように、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキングを設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止する。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施する。
一方、論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態は、論理通信路収容変更を実施する目的で行われている通信遮断有無を指しており、先に記述した通信ループ抑止を目的としたブロッキングとは目的が異なるものの、装置における処理は同一である。論理通信路収容変更に伴うブロッキングと通信ループ抑止を目的としたブロッキングの少なくとも一方が有効である場合、そのポートはブロッキング状態とし、通信を遮断する。
なお、先に記述した通り、ループ抑止を目的としたブロッキングは、各論理リングにおいて1ヶ所設定する必要があるが、論理通信路収容変更先の論理リングにおいて、いずれかのリングノードにて論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態となっている場合は、その論理リングにおいてはループ抑止を目的としたブロッキングを設けなくてもよい。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、収容変更の予約設定として、収容変更先のリングインスタンス#3にVLAN#1とVLAN#2が対応付けられるよう予約設定し、リングインスタンス#3に対して、伝送路4−3を接続する物理ポートの位置にブロッキング設定を行い、伝送路1−1を接続する物理ポートの位置はブロッキング解除状態とすることと等しい。
図34は論理通信路を収容する論理リングを変更した後の状態を示している。リングノードA〜D(201、202、203、204)に対して同様の変更が行われたとする。図35に、リングノードC(203)の設定状態と通信状態を示す。論理通信路を収容する論理リングを変更した後の段階では、図35のような伝送路−論理リング−論理通信路の関係性が設定されており、図33と変わらない。一方、たとえばリングノードD(204)においては、収容変更元である論理リングIDR1(601)と論理リングIDR2(602)において、伝送路2−1(302)、伝送路2−2(303)に対するブロッキング状態を開放し、収容変更先である論理リングIDR3(603)において、伝送路2−3(304)に対してブロッキング状態に設定する。ここで、伝送路1−1(301)は、論理リングIDR1(601)、論理リングIDR2(602)および論理リングIDR3(603)に共有されているため、論理通信路の収容変更後も引き続き、ブロッキング状態を解除したままにする。また、信号振分け処理部151に登録されていた伝送路2−1(302)の論理通信路IDP1(501)に対する宛先ノード識別子の対応付けと、伝送路2−2(303)の論理通信路IDP2(502)に対する宛先ノード識別子の対応付けは削除される。
論理通信路の収容変更後は、たとえばリングノードD(204)においては、論理リングIDR1(601)が収容された伝送路2−1(302)から論理通信路IDP1(501)として信号を受信した場合、論理リングIDR1(601)において伝送路2−1(302)に対してブロッキング状態としたことから、受信された信号は廃棄される。また、論理リングIDR2(602)においても同様に、伝送路2−2(303)から論理通信路IDP2(502)として信号を受信した場合、信号は廃棄される。
一方で、論理リングIDR3(603)において伝送路2−3(304)に対してブロッキング状態を開放したことから、論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として信号を受信することが可能となる。また、前述のとおり、論理通信路の収容変更に伴い、信号振分け処理部151に登録された伝送路2−1(302)の論理通信路IDP1(501)に対する宛先ノード識別子の対応付けと、伝送路2−2(303)の論理通信路IDP2(502)に対する宛先ノード識別子の対応付けは削除されたため、論理通信路の収容変更直後は受信した信号はすべての伝送路に送出される。その後、伝送路2−3(304)から、論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として信号を受信した際に、受信した信号の送信元ノード識別子を参照し、信号振分け処理部151にて信号を受信した伝送路2−3(304)に対して送信元ノード識別子が対応付けられる。この対応付けが行われた後は、伝送路1−1(301)から論理通信路IDP1(501)または論理通信路IDP2(502)として受信した信号について宛先ノード識別子を参照し、信号振分け処理部151にて学習したノード識別子と一致すれば対応付けられた伝送路2−3(304)に信号を送出する。
例えば、本リングノードがイーサネット(登録商標)の機能を有するノードと仮定した場合、伝送路1−1はリングインスタンス#1、リングインスタンス#2およびリングインスタンス#3にてリングノード間の伝送路を共有しているため、論理通信路の収容変更後も引き続き、伝送路1−1に接続する物理ポートはブロッキング状態を解除したままにすることと等しい。
<実施形態7>
複数の論理通信路と収容変更先の論理リングを指定し、当該論理通信路のみを収容変更先の論理リングへ収容変更する場合において、論理通信路の収容変更を行うための制御フレームが論理リング内を巡回する間に何らかの故障によって消失し、論理リング内のすべてのリングノードにて収容変更が実行されない場合がある。本実施形態では、そのような場合に、故障回復後に再度制御フレームを巡回させることで、論理リング内で収容変更が未完了であったリングノードの移設を実施し、論理リング内のすべてのリングノードの移設を完了させる。
論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態は、前述の図4、図6が示す状態と同一である。リングノードA〜D(201、202、203、204)は同様の機能を有するものとし、リングノードの具備する機能は図5または図19と同一である。なお、リングノードC(203)においては、論理リングIDR1(601)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−1(310)、論理リングIDR1(601)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−1(301)、論理リングIDR2(602)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−2(311)、論理リングIDR2(602)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−2(302)、論理リングIDR3(603)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−3(312)、論理リングIDR3(603)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−3(303)とする。また、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキングを設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止している。
図36は、論理通信路を収容する論理リングの変更が命令された後、収容変更中に論理リングIDR3(603)においてリングノードA(201)とリングノードB(202)の間で故障が発生した場合の、収容変更に関する一連の処理完了後の状態を示している。ネットワーク保守者はコマンドなどを用いてリングノードC(203)に対して収容変更を命令したとする。実施形態1に記述した手続きと同様の手続きで、リングノードC(203)から順に収容変更処理が進められる。
リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、オペレーションシステムなどから入力された設定情報からリングノードC(203)は収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子を抽出し、リングノードC(203)から制御信号を送出する。ここでは、伝送路4−3(312)へと送出したとする。また同時に、伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)について、抽出した収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子の情報に従い、論理通信路を収容変更する。リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、論理リングの収容変更を行う。
ここで、リングノードB(202)による制御信号の送出からリングノードA(201)による制御信号の受信の処理の間に何らかの故障が発生し、制御信号が消失したとする。この故障とは、リングノードの故障、またはリングノードA(201)とリングノードB(202)の間の伝送路の故障がある。その結果、制御信号を受信していないリングノードA(201)とリングノードD(204)、ならびに、リングノードC(203)の伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)は収容変更処理が行われず、論理リング内に収容変更が完了したリングノードと収容変更が未完了のリングノードが混在することとなる。この際、リングノードC(203)においては、収容変更のための制御信号が送信された側の伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)は収容変更が完了し、論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が論理リングIDR3(603)に収容されており、伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)は収容変更が完了しておらず、論理通信路IDP1(501)が論理リングIDR1(601)、論理通信路IDP2(502)が論理リングIDR2(602)に収容されたままの状態となっており、単一の論理通信路が複数の論理リングをまたがって収容されている。また、論理リングIDR3(603)においてリングノードA(201)とリングノードB(202)の間で故障が発生したため、リングノードB(202)からリングノードC(203)へ制御信号により故障が連絡され、リングノードC(203)の通信ループ抑止を目的としたブロッキングは解放され、迂回経路が確保される。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施されている。その際、故障が発生した伝送路に接続される伝送路に対して故障によるブロッキング状態とし、制御信号以外の信号を遮断してもよい。
このとき、リングノードC(203)の伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)は論理通信路IDP1(501)と論理通信路IDP2(502)が論理リングIDR3(603)に収容されており、伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)は論理通信路IDP1(501)が論理リングIDR1(601)、論理通信路IDP2(502)が論理リングIDR2(602)に収容されたままの状態となっており、単一の論理通信路が複数の論理リングをまたがって収容されている。伝送路1−1(301)の論理リングIDR1(601)に収容された論理通信路IDP1(501)からリングノードC(203)に入力された信号は、伝送路4−3(312)の論理リングIDR3(603)に収容された論理通信路IDP1(501)から出力されるといったように、リングノードC内では論理通信路に沿って論理リングを横断して転送される。このため、信号の疎通は継続され、任意のリングノードから論理通信路に沿って送信された信号は、任意の他のリングノードに到達できる状態である。このときのリングノードCの伝送路−論理リング−論理通信路の関係を図37に示す。
図38は、図36に示した論理リング内で収容変更が完了したリングノードと収容変更が未完了のリングノードが混在している状態において、制御信号の消失の原因となった故障を回復させ、再度収容変更を命令し収容変更が未完了のリングノードの収容変更を実施することで、リング内のすべての装置の収容変更を完了する場合を示す。
ネットワーク保守者は、制御信号の消失の原因となった故障箇所を特定し、制御信号の通信及びユーザの通信が疎通するよう、故障箇所を回復させる。その後、ネットワーク保守者は、コマンドなどを用いてリングノードC(203)に対して収容変更を命令する。リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、リングノードC(203)は、保守者によって行われた設定情報から、収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子、及び収容変更先の論理リング識別子を抽出する。リングノードC(203)は、収容変更が既に完了していることを検出し、収容変更に関する処理を行わず制御信号を送出する。ここで、収容変更が既に完了していることは、リングノードC(203)の伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)において、収容変更する論理通信路が1つもないことに基づいて検出する。
リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子の情報を確認する。収容変更する論理通信路の識別子が1つもないことから、リングノードB(202)は、収容変更が既に完了していることを検出し、収容変更に関する処理を行わない。続いて、リングノードB(202)に隣接するリングノードA(201)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、収容変更する論理通信路の識別子、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子の情報を確認する。リングノードA(201)は、収容変更する論理通信路の識別子が1つ以上存在することから、収容変更が未完了であることを検出し、収容変更処理を実施する。リングノードD(204)、ならびにリングノードC(203)の伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)についても同様である。
以上の処理により、収容変更が未完了であったリングノードA(201)とリングノードD(204)、ならびにリングノードC(203)の伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)の収容変更を実施でき、すべてのリングノードにて収容変更が完了できる。このときのリングノードC(203)の伝送路−論理リング−論理通信路の関係を図39に示す。
<実施形態8>
複数の収容変更元の論理リングと収容変更先の論理通信路が収容されていない論理リングを指定し、収容変更元の論理リングに収容されているすべての論理リングを収容変更先の論理リングに一斉に収容変更する場合において、論理通信路の収容変更を行うための制御フレームが論理リング内を巡回する間に何らかの故障によって消失し、論理リング内のすべてのリングノードにて収容変更が実行されない場合がある。本実施形態では、そのような場合に、故障回復後に再度制御フレームを巡回させることで、論理リング内で収容変更が未完了であったリングノードの移設を実施し、論理リング内のすべてのリングノードの移設を完了させる。
論理通信路を収容する論理リングを変更する前の状態は、前述の図11、図13が示す状態と同一である。リングノードA〜Dは(201、202、203、204)同様の機能を有するものとし、リングノードの具備する機能は図12または図22と同一である。なお、リングノードC(203)においては、論理リングIDR1(601)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−1(310)、論理リングIDR1(601)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−1(301)、論理リングIDR2(602)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−2(311)、論理リングIDR2(602)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−2(302)、論理リングIDR3(603)のリングノードB(202)に接続されている側の伝送路を伝送路4−3(312)、論理リングIDR3(603)のリングノードD(204)に接続されている側の伝送路を伝送路1−3(303)とする。また、論理リングに沿って通信ループが発生する経路選択手法を搭載している場合は、各論理リングにおいて1ヶ所、通信ループ抑止を目的としたブロッキングを設定し、その箇所で通信を遮断することで、論理リングにおける通信ループの発生を抑止している。
図40は、論理通信路を収容する論理リングの変更が命令された後、収容変更中に論理リングIDR3(603)においてリングノードA(201)とリングノードB(202)の間で故障が発生した場合の、収容変更に関する一連の処理完了後の状態を示している。オペレーションシステムなどによりコマンドなどを用いてリングノードC(203)に対して収容変更を命令したとする。実施形態1に記述した手続きと同様の手続きで、リングノードC(203)から順に収容変更処理が進められる。
例えば、リングノードC(203)は、リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機に、オペレーションシステムなどから入力された設定情報から収容変更する収容変更元の論理リング識別子及び収容変更先の論理リング識別子を抽出し、制御信号を送出する。また、リングノードC(203)は、同時に抽出した収容変更する収容変更元の論理リング識別子及び収容変更先の論理リング識別子の情報に従い、リングノードC(203)の伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)の論理通信路を収容変更する。リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、論理リングの収容変更を行う。
ここで、リングノードB(202)による制御信号の送出からリングノードA(201)による制御信号の受信の処理の間に何らかの故障が発生し、制御信号が消失したとする。この故障とは、リングノードの故障、またはリングノードA(201)とリングノードB(202)の間の伝送路の故障がある。その結果、制御信号を受信していないリングノードA(201)とリングノードD(204)は収容変更処理が行われず、論理リング内に収容変更が完了したリングノードと収容変更が未完了のリングノードが混在することとなる。
この際、リングノードC(203)においては、収容変更のための制御信号が送信されたリングノードB(202)側の、伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)は収容変更が完了し、伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングとなっており、伝送路4−3(312)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が解放となっている一方で、リングノードD(204)側の、伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)は収容変更が完了しておらず、伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が解放となっており、伝送路1−3(303)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングとなっている。また、論理リングIDR3(603)においてリングノードA(201)とリングノードB(202)の間で故障が発生したため、リングノードB(202)からリングノードC(203)へ制御信号により故障が連絡され、リングノードC(203)の通信ループ抑止を目的としたブロッキングは解放され、迂回経路が確保される。なお、ブロッキング設定は、リングノードに接続された伝送路単位、かつ論理リング単位に実施されている。また、論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態は、論理通信路収容変更を実施する目的で行われている通信遮断有無を指しており、先に記述した通信ループ抑止を目的としたブロッキングとは目的が異なるものの、装置における処理は同一である。論理通信路収容変更に伴うブロッキングと通信ループ抑止を目的としたブロッキングの少なくとも一方が有効である場合、そのポートはブロッキング状態とし、通信を遮断する。
また、故障が発生した伝送路に接続される伝送路に対して故障によるブロッキング状態とし、制御信号以外の信号を遮断してもよい。このとき、伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングとなっており、伝送路4−3(312)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が解放となっている。その一方で、伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態が解放となっており、伝送路1−3(303)に対しては論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングとなっている。各論理リングにおいて、リングノードB(202)に対向する伝送路とリングノードD(204)に対向する伝送路で論理通信路収容変更に伴うブロッキング状態の位置が一致していないが、伝送路1−1(301)の論理リングIDR1(601)に収容された論理通信路IDP1(501)から入力された信号は伝送路4−3(312)の論理リングIDR3(603)に収容された論理通信路IDP1(501)から出力されるといったように、リングノード内では論理通信路に沿って論理リングを横断して転送され、ブロッキング状態が解放となっているポートから信号の入出力が行われる。このため、信号の疎通は継続され、任意のリングノードから論理通信路に沿って送信された信号は、任意の他のリングノードに到達できる状態である。このときのリングノードC(203)の伝送路−論理リング−論理通信路の関係を図41に示す。
図42は、図40に示した論理リング内で収容変更が完了したリングノードと収容変更が未完了のリングノードが混在している状態において、制御信号の消失の原因となった故障を回復させ、再度収容変更を命令し収容変更が未完了のリングノードの収容変更を実施することで、リング内のすべての装置の収容変更を完了する場合を示す。
ネットワーク保守者は制御信号の消失の原因となった故障箇所を特定し、制御信号の通信及びユーザの通信が疎通するよう、故障箇所を回復させる。その後、オペレーションシステムなどが、コマンドなどを用いて、リングノードC(203)に対して収容変更を命令する。リングノードC(203)は、リングノードC(203)に対する収容変更命令を契機として、オペレーションシステムなどから入力された設定情報から、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子を抽出する。リングノードC(203)は、収容変更が既に完了していることを検出し、収容変更に関する処理を行わずリングノードC(203)から制御信号を送出する。ここで、収容変更が既に完了していることは、伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)、伝送路4−3(312)において、収容変更元の論理リングが収容された伝送路である伝送路4−1(310)、伝送路4−2(311)に対する、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態が解放であり、かつ収容変更先の論理リングが収容された伝送路である伝送路4−3(312)の、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングであることに基づいて検出する。
リングノードC(203)に隣接するリングノードB(202)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、収容変更元の論理リング識別子及び収容変更先の論理リング識別子の情報を確認する。このとき、リングノードB(202)では、収容変更元の論理リングが収容された伝送路に対する、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態が解放であり、かつ収容変更元の論理リングが収容された伝送路の、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングであることから、収容変更が既に完了していることを検出し、収容変更に関する処理を行わない。
続いて、リングノードB(202)に隣接するリングノードA(201)は、制御信号を受信した論理リングにおいて受信伝送路と反対の伝送路から受信した制御信号と同一の制御信号を送信すると同時に、収容変更元の論理リング識別子ならびに収容変更先の論理リング識別子の情報を抽出する。リングノードA(201)は、収容変更が未完了であることを検出し、収容変更処理を実施する。ここで、収容変更が未完了であることは、収容変更元の論理リングが収容された伝送路に対する、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態がブロッキングであり、かつ収容変更元の論理リングが収容された伝送路に対する、論理通信路の収容変更に伴うブロッキング状態が解放であることから、検出する。リングノードD(204)、ならびにリングノードC(203)の伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)についても同様である。
以上の処理により、収容変更が未完了であったリングノードA(201)とリングノードD(204)と、リングノードC(203)の伝送路1−1(301)、伝送路1−2(302)、伝送路1−3(303)の収容変更を実施でき、すべてのリングノードにて収容変更が完了できる。このときのリングノードC(203)の伝送路−論理リング−論理通信路の関係を図43に示す。