JP2017056413A - 吸着剤造粒物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アニオンの吸着性能に優れる吸着剤を提供する。
【解決手段】本発明の吸着剤造粒物は、水酸化セリウム(IV)を50質量%以上99質量%以下、バインダを1質量%以上20質量%以下含有し、細孔容積が0.3ml/g以上1.0ml/g以下である造粒物である。吸着剤造粒物は、BET比表面積が100m/g以上200m/g以下であり、平均粒子径が200μm以上800μm以下であるから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。吸着剤造粒物の平均細孔径が0.02μm以上0.1μm以下であることも好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射性元素、金属類等の汚染成分の吸着性能に優れた吸着剤造粒物及びその製造方法に関する。
原子力施設から排出される汚染水や、重金属等で汚染された地下水、地表水を浄化するための方法として吸着剤を用いた浄化法が知られている。例えば、原子力施設から排出される汚染水では、ヨウ素イオンを含んだ汚染水の処理が必要となるため、次亜塩素酸ソーダを使用して処理しているが、次亜塩素酸ソーダによりヨウ素イオンが酸化されヨウ素酸イオンが生成するため、ヨウ素酸イオンの除去も問題となっている。また、汚染された地下水は、自然環境や人への健康に影響を与えるものであり、特に発展途上国においては、毒性の高いヒ素による中毒が深刻な問題となっている。
上記に挙げた汚染成分のうち、ヨウ素酸イオンの除去方法としては、非特許文献1及び特許文献1に記載のように、酸化セリウムを用いる方法や桐の炭化物を用いる方法が知られている。
また、亜ヒ酸イオン等のヒ素等の吸着剤として水酸化セリウム等の含水酸化セリウムを用いる技術が知られている(下記特許文献2)。
特開2013−117524号公報 特開昭61−187931号公報
松崎優子他,N37 多核種汚染水のワンスルー浄化のための吸着剤の開発(2)セリア担持活性炭のアンチモン・ヨウ素酸イオン吸着特性,日本原子力学会「2013年秋の大会」予稿集(CD−ROM),日本原子力学会,2013年,648頁
近年、ヨウ素酸イオンや亜ヒ酸イオン等、液中にアニオンの形態で存在する汚染成分の吸着剤の吸着性能に対する要求が高まっている。特に、カラム式等の吸着塔に充填できるハンドリング性のよい造粒物に吸着剤を形成する場合、造粒にバインダを用いる場合があり、この場合一定のバインダ量を必要とするところ、バインダを含有することで、アニオンの吸着性能が低下しやすい。このため吸着性能が高い吸着剤造粒物が求められている。しかしながら、非特許文献1及び特許文献1においては、バインダを用いた造粒物の吸着性能を高めることについて検討されていない。
また特許文献2にはバインダを用いて含水酸化セリウムを造粒することが記載されているものの、同文献に記載の通りに製造した造粒物は十分な吸着性能が得られない。
したがって、本発明はアニオンの吸着性能が優れる吸着剤造粒物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、水酸化セリウム(IV)とバインダを特定量で含有し、且つ特定の細孔容積を有する吸着剤造粒物は、従来の水酸化セリウム(IV)造粒物を用いた場合に比して、アニオンの吸着性能を向上させることができることを見出した。
すなわち本発明は、水酸化セリウム(IV)を50質量%以上99質量%以下、バインダを1質量%以上20質量%以下含有し、細孔容積が0.3ml/g以上1.0ml/g以下である、アニオンを吸着するために用いられる吸着剤造粒物を提供するものである。
また、本発明は、アニオンを吸着するために用いられる吸着剤造粒物の製造方法であって、
水酸化セリウム(IV)と水とを混合して湿式粉砕して粉砕物を得、この粉砕物とバインダとを含有する原料スラリーを調製する第一工程、及び
原料スラリーを噴霧流動層造粒により造粒して水酸化セリウム(IV)及びバインダを含む造粒物を得る第二工程、
を有することを特徴とする吸着剤造粒物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、アニオンの吸着除去特性に優れた吸着剤造粒物を提供できると共に、該吸着剤造粒物を工業的に有利な方法で製造することができる。
実施例1により得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物を走査型電子顕微鏡(SEM)により30倍で観察した写真である。図1(b)はこの吸着剤造粒物の表面を7万倍で観察した写真である。 実施例2により得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物の赤外吸収スペクトルである。 比較例3により得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物のSEM写真である。図3(a)は30倍で観察した写真、図3(b)は表面を7万倍で観察した写真である。 カラム吸着試験の結果を表す図である。
以下、本発明の吸着剤造粒物について、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の吸着剤造粒物は、水酸化セリウム(IV)を、バインダと共に特定量で含有し、且つ特定の細孔容積を有することを特徴とする。この構成を有することにより、本発明の吸着剤造粒物は、高いアニオンの吸着性能を有するものとなる。
本発明で用いる水酸化セリウム(IV)は、200℃から600℃まで温度上昇したときの重量減少率が、4.0%以上であることが、アニオンの吸着性能を高める観点から好ましく、10.0%以下であることが安定した吸着性能を保持する観点から好ましい。これらの観点から、前記の重量減少率は、4.0%以上8.0%以下であることがより好ましい。水酸化セリウム(IV)の重量減少率を前記の範囲とするためには、後述する好ましい製造方法により、水酸化セリウム(IV)を製造すればよい。前記の重量減少率は、以下の方法により測定できる。
<重量減少率の測定方法>
・熱重量分析(TG−DTA分析):メトラー・トレド社製熱重量測定装置TGA/DSC1を用い、30mgの試料を、30℃から1000℃まで昇温速度5℃/minで温度上昇したときの200℃における試料の重量と600℃における試料の重量を測定し、下記計算式より重量減少率を算出した。
重量減少率(%)=(A−B)/A×100
(A:200℃における試料重量、B:600℃における試料重量)
本発明で用いる水酸化セリウム(IV)は、赤外吸収スペクトル分析において、3270cm-1以上3330cm-1以下の範囲にヒドロキシル基の伸縮振動に帰属する吸収ピークが観察され、更に、1590cm-1以上1650cm-1以下の範囲及び1410cm-1以上1480cm-1以下の範囲にヒドロキシル基の変角振動に帰属する吸収ピークが観察されることが好ましい。アニオンの吸着能力の高い水酸化セリウムはこの分析において、3300cm-1付近にヒドロキシル基の伸縮振動に帰属する吸収ピーク並びに、1620cm-1付近及び1470cm-1付近にヒドロキシル基の変角振動に帰属する吸収ピークが明確に認められる。これに対してアニオンの吸着能力の低い水酸化セリウム(IV)はこれらの吸収ピークが小さい。好ましくは、本発明で用いられる水酸化セリウム(IV)の粉体又は粒状体は、赤外吸収スペクトル分析において、3280cm-1以上3325cm-1以下、特に3290cm-1以上3320cm-1以下の範囲にヒドロキシル基の伸縮振動に帰属する吸収ピークが観察されることが好ましく、1600cm-1以上1640cm-1以下、特に1610cm-1以上1630cm-1以下の範囲にヒドロキシル基の変角振動に帰属する吸収ピークが見られることが好ましく、1420cm-1以上1475cm-1以下、特に1430cm-1以上1470cm-1以下の範囲にヒドロキシル基の変角振動に帰属する吸収ピークが見られることが好ましい。前記の各範囲のピークを有する水酸化セリウム(IV)を得るためには、後述する好ましい製造方法により、水酸化セリウム(IV)を製造すればよい。赤外吸収スペクトルは、以下の方法により測定できる。
<赤外吸収スペクトルの測定方法>
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製NICOLET6700により、分解能:4cm-1、積算数:256回、測定波数領域:400cm-1〜4000cm-1の条件にて測定した。ATR法により測定し、ATR補正及びスペクトルのスムージング処理を行った。
本発明の吸着剤造粒物中、水酸化セリウム(IV)の含有量は、50質量%以上であるため、吸着剤造粒物が所望の吸着性能を有しうる。本発明の吸着剤造粒物の吸着性能を向上させる観点から、吸着剤造粒物中の水酸化セリウム(IV)の含有量は60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。また本発明の吸着剤造粒物中、水酸化セリウム(IV)の含有量が99質量%以下であるため、バインダの含有量を確保して特定の細孔容積その他の好ましい物性を有する本発明の吸着剤造粒物が製造可能となる利点を有する。この観点から、吸着剤造粒物中の水酸化セリウム(IV)の含有量は99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。吸着剤造粒物における水酸化セリウム(IV)の含有量は、以下の定量分析により測定することができる。
<水酸化セリウム(IV)の含有量の測定方法>
強熱減量による差数法により求める。詳しくは、恒量のアルミナルツボに造粒物5gを精秤(A)し、これを800℃に加熱して2時間焼成を行う。焼成後のルツボをデシケーター内で室温まで冷却し、冷却後のルツボを精秤する。ルツボ中の残渣(酸化セリウム)を水酸化セリウム(IV)に換算した値(B)を焼成前の前記(A)で除した値を水酸化セリウム(IV)の含有量(質量%)とする。
本発明で用いるバインダは有機バインダであることが好ましい。吸着剤造粒物中におけるバインダは、吸着剤造粒物中における水酸化セリウム(IV)の固定性を確保する観点から、耐水性を備えることが好ましい。またバインダとしては、本発明の吸着剤造粒物の製造時においては水溶性を有することが、特定の細孔容積を有する本発明の吸着剤造粒物を製造容易性の観点から好ましい。ここでいう水溶性とは、25℃の水100mlに対して11g以上溶解することを指す。
このように吸着剤造粒物中に存在する時点での耐水性及び吸着剤造粒物製造時における水溶性を兼ね備えたバインダとしては、ポリビニルアルコール又はその誘導体(ビニルアルコール系ポリマーともいう)、アクリルポリマー等を挙げることができる。本発明ではバインダとしてポリビニルアルコール又はその誘導体を用いることが、後述する製造方法により本発明の吸着剤造粒物が特定の細孔容積を有する状態で好適に得られる観点から好ましい。
ポリビニルアルコール又はその誘導体の種類は、特に限定されないが、ビニルエステルの重合体を完全又は部分ケン化したものなどが挙げられる。ビニルエステルとは、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。また、ビニルエステルの重合体は、エチレンと、ビニルエステルとの共重合体とをケン化したものであってもよい。ポリビニルアルコール又はその誘導体のケン化度としては、97.5mol%以上99.0mol%以下が挙げられる。上記ビニルアルコール系ポリマーは、市販のものをそのまま用いることができる。或いは市販のポリマーに任意の適切なポリマー変性を施したものを用いることができる。市販のビニルアルコール系ポリマーとしては、例えば、(株)クラレ製のポバール(登録商標)シリーズ、同社製のエクセバール(登録商標)シリーズ、同社製のエバール(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
本発明の吸着剤造粒物中、これらポリビニルアルコール又はその誘導体等のバインダは硬化物として存在している。
本発明の吸着剤造粒物中、バインダの含有量は、1質量%以上であるため、特定の細孔容積その他の好ましい物性を有する本発明の吸着剤造粒物が製造可能となる。この観点から、本発明の吸着剤造粒物中、バインダの含有量は1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また、本発明の吸着剤造粒物中、バインダの含有量は、20質量%以下であるため、バインダの使用量を抑制してアニオンの吸着性能を維持できるほか、適度な強度を保持できる利点を有する。バインダの含有量は20質量%以下であることが好ましく、17質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。吸着剤造粒物におけるバインダの含有量は上記の強熱減量による差数法にて水酸化セリウム(IV)等の無機成分の含有量と、吸着剤造粒物の120℃における乾燥減量を求め、吸着剤造粒物から無機成分の含有量及び乾燥減量を引いた値として求めることができる。バインダの含有量と水酸化セリウム(IV)の含有量とは合計で100質量%未満となる量であり、その他の成分(例えば水分等)が含まれる場合は100質量%を超えない量である。
本発明の吸着剤造粒物は、細孔容積が特定範囲である点に特徴の一つを有する。本発明者らは、細孔容積が特定の範囲である水酸化セリウム(IV)の吸着剤造粒物は、これをカラムに充填してアニオン含有液を通液したときにおける吸着性能、特に通液の初期段階の吸着性能に優れることを見出した。例えば、後述する実施例において、実施例1の吸着剤造粒物はこれをカラムに充填してアニオン含有液を通液したときに、B.V.(造粒物に対する総通液容量)が例えば800以下の通液の初期段階で特に高い吸着性能を示している。
具体的には、本発明の吸着剤造粒物の細孔容積は、0.3ml/g以上1.0ml/g以下の範囲である。細孔容積が0.3ml/g以上であることにより本発明の吸着剤造粒物のアニオン吸着性能を従来の造粒物に比べて高めることができる。また細孔容積が1.0ml/g以下であることにより、造粒物の強度の低下の抑制が可能となるほか、適度にかさ高くなるため水酸化セリウム(IV)の使用量を抑えることのできる利点がある。この観点から細孔容積は0.4ml/g以上0.9ml/g以下であることが好ましく、0.5ml/g以上0.8ml/g以下であることがより好ましい。細孔容積が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて製造することができる。細孔容積は後述する実施例の方法にて測定できる。
本発明の吸着剤造粒物は細孔容積に加えて、特徴的な平均細孔径を有していることが好ましい。具体的には、本発明の吸着剤造粒物の平均細孔径は0.02μm以上0.1μm以下であることが、初期通液における高い吸着効率が得られるという本発明の吸着特性を高める観点から好ましい。この観点から平均細孔径は0.03μm以上0.08μm以下であることがより好ましく、0.04μm以上0.06μm以下であることが特に好ましい。平均細孔径が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて製造することができる。平均細孔径は後述する実施例の方法にて測定できる。
本発明の吸着剤造粒物は上記の通り細孔容積が特定の範囲であることに加えて、BET比表面積が一定範囲であることが好ましい。本発明の吸着剤造粒物は、BET比表面積が100m/g以上200m/g以下の範囲であることが好ましい。細孔容積が上記の範囲であることに加えてBET比表面積が100m/g以上であることで、吸着剤造粒物による吸着性能をより高いものとすることができる。またBET比表面積が200m/g以下であることで吸着剤造粒物の製造が容易であるほか、適度な強度を保持できる利点がある。この観点から吸着剤造粒物のBET比表面積は100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、110m/g以上190m/g以下であることがより好ましい。BET比表面積が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて製造することができる。BET比表面積は後述する実施例の方法にて測定できる。
本発明の吸着剤造粒物は平均粒子径が、800μm以下であることが、吸着剤造粒物全体としてのアニオンの吸着性能を高める観点から好ましい。また平均粒子径は200μm以上であることが、吸着剤造粒物を吸着塔に充填して通水すると、吸着剤造粒物が吸着塔内で詰まりにくいため好ましい。これらの観点から本発明の吸着剤造粒物の平均粒子径は250μm以上700μm以下であることがより好ましく、300μm以上600μm以下であることが更に好ましい。平均粒子径が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する噴霧流動層造粒工程において原料供給量や運転時間、原料成分濃度、熱風供給量等の各条件を調整することにより製造することができる。平均粒子径は後述する実施例の方法にて測定できる。
本発明の吸着剤造粒物は特徴的な細孔容積を有することに加えて、特定のかさ高さを有することが好ましい。具体的には、本発明の吸着剤造粒物は、かさ密度が好ましくは0.3g/cm以上1.0g/cm以下である。このようなかさ高さを有する吸着剤造粒物は、アニオンの吸着性能、特に、通液の初期段階における吸着性能をより一層高めることができる。この観点から、吸着剤造粒物のかさ密度は0.4g/cm以上0.8g/cm以下であることがより好ましく、0.5g/cm以上0.7g/cm以下であることが更に好ましい。かさ密度が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて製造することができる。かさ密度は後述する実施例の方法にて測定できる。
本発明の吸着剤造粒物はタップ密度も特定の範囲であることが、アニオン吸着性能の観点から更に一層好ましい。具体的には吸着剤造粒物のタップ密度は、0.4g/cm以上1.1g/cm以下であることが好ましく、0.6g/cm以上0.8g/cm以下であることがより好ましい。また、タップ密度に対するかさ密度の比率(かさ密度/タップ密度)は、0.70以上であることが、本発明の吸着剤造粒物の強度を高める観点から好ましく、0.95以下であることが本発明の吸着剤造粒物の製造し易さ等の観点から好ましい。このため、(かさ密度/タップ密度)の値は、0.75以上0.90以下であることがより好ましい。かさ密度/タップ密度が上記範囲の吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて、バインダの量や種類のほか、噴霧流動層造粒工程に係る造粒温度等の各条件を調整することにより製造することができる。
本発明の吸着剤造粒物は、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で5万倍以上20万倍以下の倍率で観察したときに、塊状物と塊状物との間を細長状物が橋架けする橋架け構造が観察されることが好ましい。このような橋架け構造は例えば後述する実施例1の7万倍の倍率のSEM写真である図1(b)において示されている。図1(b)において塊状部同士を橋架けする細長状部は矢印で示されている。SEM写真において、細長状物は一方向に延びる形状を有している。細長状物は例えば長手方向の長さ(長軸長さ)と、その長手方向の長さと直交する方向(幅方向)の長さ(短軸長さ)との比(長軸長さ/短軸長さ)が1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。また長軸長さ/短軸長さの比は50以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。また細長状部の長手方向長さは20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また細長状部の長手方向長さは1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましい。細長状物の幅方向の長さ(太さ)は5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。ここでいう長手方向の長さは、細長状部全体のうち長手方向における最長部の長さ(最大長さ)をいう。またここでいう幅方向の長さは、細長状部全体のうち幅方向における最長部の長さ(最大幅)をいう。SEM観察において複数の橋架け構造が観察された場合は、観察された複数の橋架け構造のうち少なくとも一つの細長状部が上記の(長軸長さ/短軸長さ)の比又は長手方向若しくは幅方向の長さを満たしていることが好ましい。図1(b)に示す細長状物は、紐状物ともいえる。このような橋架け構造において、塊状物は通常水酸化セリウム(IV)からなる水酸化セリウム(IV)粒子である。また細長状物は通常バインダを含んでおり、バインダ含有量が塊状物よりも高いことが好ましい。細長状物によって橋架けされた塊状物と塊状物との間には空隙が形成されている。このため上記の橋架け構造は本発明の吸着剤造粒物中に多くの空孔をもたらし、これにより、本発明の水酸化セリウム(IV)におけるアニオン吸着効率を高めているものと本発明者らは考えている。
上記のSEM観察は、例えば加速電圧5kV以上20kV以下で行う。上記の橋架け構造は、SEMにより5万倍以上20万倍以下の倍率で、多数の造粒粒子の集合体である吸着剤造粒物表面の何れか1箇所以上を観察したときに見いだされればよく、異なる10視野で観察したときに1以上の視野で観察されることが好ましくい。上記の橋架け構造は、5万倍以上20万倍以下の何れかの倍率で観察されればよいが、7万倍の倍率で観察されることが好ましい。特に5万倍以上20万倍以下の倍率で異なる10視野を観察したときに、10視野の合計で橋架け構造が10個以上観察されることが好ましく、20個以上観察されることが好ましく、30個以上観察されることが更に好ましい。特に1視野で橋架け構造が1個以上観察されることが好ましく、2個以上観察されることがより好ましく、3個以上観察されることが更に好ましい。また吸着剤造粒物の表面の元素分析は例えば後述する実施例に記載の方法にて行うことができる。上記の橋架け構造が観察される吸着剤造粒物は、後述する製造方法において本発明の吸着剤造粒物を得る際に、原料スラリー中のバインダ濃度や水酸化セリウム(IV)の濃度や噴霧流動層造粒工程における造粒温度、熱風供給量、原料供給速度等の各条件を調整することにより製造することができる。
本発明の吸着剤造粒物は、造粒粒子同士の摩擦による粒子表面からの粉落ちが少なく、ハンドリング性が高いことも別の特徴である。本発明の吸着剤造粒物において粉落ちが少ないことは、吸着剤造粒物0.3gを水10mlに入れて100rpm、10分間の条件で回転した後、1分間静置して得られた液の上澄み液の濁度を測定することにより評価できる。この試験は、常温(25℃)で行われる。
本発明の吸着剤造粒物のハンドリング性をより高める観点から、この濁度は700NTU以下であることが好ましく、400NTU以下であることがより好ましく、100NTU以下であることが更に好ましい。
濁度は小さければ小さいほど良いが、本発明の吸着剤造粒物の製造容易性を高める観点から、20NTU以上であることが好ましい。濁度は後述する実施例に記載の方法により測定する。上記の濁度を有する吸着剤造粒物は、後述する製造方法にて製造することができる。
本発明の吸着対象であるアニオンとしては、上述した汚染水や地下水、地表水等の液体に含まれる、人体に悪影響を与える汚染成分がアニオンの形態となったものが挙げられる。汚染成分には放射性を有するものも有していないものも両方含まれる。吸着対象のアニオンとしては例えば、ヨウ素酸イオン((IO3 -)、フッ化物イオン(F-)、ヒ酸二水素イオン(H2AsO4 -)、ヒ酸水素イオン(HASO42-)、ヒ酸イオン(AsO4 3-)、メタ亜ヒ酸イオン(AsO2 -)、等が挙げられる。本発明の吸着剤造粒物の使用例としては、例えば、原子力関連施設(例えば、原子力発電所、放射性廃棄物処理施設、放射性廃棄物保管施設等)、金属製錬施設、地熱発電所等から排出された排水の処理、地下水、湖沼、河川、ため池、井戸等の水質浄化処理等が挙げられる。本発明の吸着剤造粒物を用いると、前記の汚染成分に対して有効に吸着作用を発揮することができる。特に本発明の吸着剤造粒物はヨウ素酸イオンの吸着性能が高いため、ヨウ素酸イオンの吸着に好適に用いることができる。
次いで、本発明の吸着剤造粒物の好適な製造方法について以下説明するが、その前にあらかじめ、本発明で用いる水酸化セリウム(IV)の製造方法の一例について説明する。
本発明で用いる水酸化セリウム(IV)は、その入手方法により限定されるものでないが、以下の製造方法で得ることが可能である。当該製造方法とは、3価のセリウム塩を酸化して4価のセリウム塩とし、得られた4価のセリウム塩の水溶液を中和して水酸化セリウム(IV)の粉体を得る方法である。
3価のセリウム塩としては、硝酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)などを用いることができる。硝酸セリウム(III)が、各種のセリウム化合物の製造や精製の出発材料であるため入手しやすい点から好ましい。
3価のセリウム塩を湿式酸化する工程は、3価のセリウム塩を溶解した水溶液に、酸化剤を添加して行う。酸化剤としては過酸化水素、過酸化ナトリウムなどが挙げられる。過酸化水素が安価で一般的な点から好適に用いられる。3価のセリウム塩を溶解した水溶液におけるセリウム塩の濃度は、0.25mol/L以上0.8mol/L以下であることが好ましく、0.3mol/L以上0.6mol/L以下であることがより好ましい。酸化剤の添加量は、出発原料である3価のセリウム塩を酸化するのに十分な量であれば足りるが、3価のセリウム塩1molに対して、1.0mol以上2.0mol以下であることが好ましい。この工程により4価のセリウム塩を含む水溶液が得られる。
酸化後の水溶液に中和剤を添加して、4価のセリウム塩から水酸化セリウム(IV)を得る。中和剤としては、アルカリが挙げられ、その具体例としては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができる。中和後のpHを6.5以上9.5以下の範囲とすることが好ましい。
前記の酸化反応及び中和反応のそれぞれにおいて、反応を均一に進行させるために、酸化剤、中和剤を添加した後、一定時間反応液を撹拌することが好ましい。
以上の工程により水酸化セリウム(IV)を含有するスラリーが得られる。得られたスラリーは常法により濾過して固形物を得、得られた固形物を洗浄し、乾燥する。この乾燥は、50℃以上110℃以下で、2時間以上48時間以下で行うことが好ましい。これにより、水酸化セリウム(IV)の乾燥品が得られる。この方法で得られた水酸化セリウム(IV)の乾燥品は通常は脆い塊状と粉状の混ざったものである。この乾燥品はこのまま水酸化セリウム(IV)の粉体として用いることができ、また、粉砕や分級等を施して粒度を調整した粉体とすることもできる。この場合の粉砕としては、例えば乾式粉砕が挙げられ、ジェットミルやボールミル、ハンマーミル、パルベライザーなどを用いることができる。
次いで、本発明の吸着剤造粒物の好適な製造方法について詳述する。
本製造方法は、水酸化セリウム(IV)と水とを混合して湿式粉砕して粉砕物を得、この粉砕物とバインダとを含有する原料スラリーを調製する第一工程、及び
原料スラリーを噴霧流動層造粒により造粒して水酸化セリウム(IV)及びバインダを含む造粒物を得る第二工程、を有する。
まず、第一工程を説明する。
第一工程では、まず水酸化セリウム(IV)と水とを混合して湿式粉砕して粉砕物を得る。湿式粉砕としては、粉砕媒体を使用することが好ましく、この場合に使用する湿式粉砕機としては、例えばボールミル、ビーズミル、アトライタ(登録商標)、サンドグラインダー、ペイントシェーカー等が挙げられる。粉砕媒体としては球状(ボール)、円筒形等種々のものが使用可能であるが、球状のものが好ましい。粉砕媒体の材質としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア等を挙げることができる。粉砕媒体の直径としては5mm以上40mm以下が好ましく、10mm以上25mm以下がより好ましい。
湿式粉砕に供する水酸化セリウム(IV)量に対する水の量比は水酸化セリウム(IV)100質量部に対して水を200質量部以上600質量部以下とすることが好ましい。また、湿式粉砕に供する水酸化セリウム(IV)に対する粉砕媒体の量比は、水酸化セリウム(IV)と水の合計量100質量部に対して粉砕媒体を60質量部以上120質量部以下とすることが好ましい。
また湿式粉砕における粉砕粒度としては、平均粒子径D50で1.5μm以上10.0μm以下の範囲が好ましい。平均粒子径D50が1.5μm以上であることは、造粒時の微粒の発生を抑制し、造粒を効率化できる点で好ましい。また平均粒子径D50が10.0μm以下であると、後述する噴霧流動層造粒において流動層を容易に形成して効率良い造粒が可能であるため好ましい。この観点から湿式粉砕における粉砕粒度である平均粒子径D50は2.0μm以上8.0μm以下の範囲がより好ましい。当該平均粒子径D50は例えば、日機装(株)社製のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置であるマイクロトラック(例えば、マイクロトラックMT3000II)により測定できる。測定の際には、イオン交換水にヘキサメタリン酸ソーダを0.3質量%溶解させた溶液をマイクロトラックの試料循環器のチャンバーに入れる。このチャンバーに湿式粉砕後のスラリーを直接、装置が表示する適正濃度となるまで添加して分散させる。
以上の湿式粉砕により、粉砕物が得られる。第一工程では、この粉砕物とバインダとを含有する原料スラリーを調整する。バインダは湿式粉砕中又は湿式粉砕前に水酸化セリウム(IV)と混合してもよいし、湿式粉砕後に水酸化セリウム(IV)と混合してもよいが、上述した橋架け構造を好適に得る観点から好ましくは、湿式粉砕後、該湿式粉砕により得られた水酸化セリウム(IV)のスラリーとバインダとを混合する。バインダの例としては、上述した吸着剤造粒物において説明したバインダが挙げられる。粉砕物である水酸化セリウム(IV)のスラリー中にバインダを均一に分散させるために、水等の分散媒に分散又は溶解させたバインダと、水酸化セリウム(IV)のスラリーとを混合することが好ましい。混合後のスラリーは、15分間以上60分間以下程度撹拌しておくことが好ましい。
原料スラリーにおける水酸化セリウム(IV)の濃度(含有量)は、5質量%以上であることが、造粒の効率化の観点から好ましく、40質量%以下であることが噴霧ノズルの閉塞防止と過度の凝集によるダマの発生防止の観点から好ましい。この観点から、原料スラリーにおける水酸化セリウム(IV)の濃度は10質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
また原料スラリーにおけるバインダの濃度は、1質量%以上であることが、粒子間接着効果の発現の観点から好ましく、20質量%以下であることが噴霧ノズルの閉塞防止と過度の凝集によるダマの発生防止の観点から好ましい。この観点から、原料スラリーにおけるバインダの濃度は3質量%以上17質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが更に好ましい。
原料スラリーには、分散剤が含有されていてもよい。そのような分散剤としてはディスパーサント(三洋化成工業)、カオーセラ(花王ケミカル)等が挙げられる。また、原料スラリーはその他の成分を含有していてもよいが、本発明の効果を高める観点から、原料スラリー中の水、水酸化セリウム(IV)及びバインダ以外のその他の成分の含有量は合計で、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
原料スラリーのpHは8以下であることが、第二工程で得られる吸着剤造粒物のアニオン吸着性能をより一層発揮させやすいために好ましい。また、原料スラリーのpHは3以上であることが吸着剤造粒物を安定して得やすい設備腐食防止等の観点から好ましい。この観点から原料スラリーのpHは4以上7以下であることがより好ましく、5以上6以下であることが特に好ましい。pHは25℃で測定される。
更に、原料スラリーは、25℃における粘度が500cP(mPa・s)以下であると、原料スラリーを第二工程の噴霧流動層造粒に供する際に安定的に噴霧可能であるため好ましい。この観点から、前記の粘度は300cP(mPa・s)以下であることがより好ましく、150cP(mPa・s)以下であることが更に好ましい。粘度の下限は安定的に噴霧可能であれば特に制限はない。粘度は後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
次いで、第二工程を説明する。
第二工程では第一工程で得た原料スラリーを噴霧流動層造粒により造粒して水酸化セリウム(IV)及びバインダを含む造粒物を得る。
本発明における造粒工程では、噴霧流動層式造粒機を用いる。噴霧流動層式造粒機では、造粒チャンバー中に、前記第一工程で調製した原料スラリーを噴出し、乾燥用の熱風によりスラリーの噴出した液滴を乾燥させて乾燥粉の流動層を形成させる。この状態で原料スラリーの噴霧を継続することにより、水酸化セリウム(IV)及びバインダを含む吸着剤造粒物を形成する。
より具体的にいうと、造粒チャンバー中では、スラリーを流動雰囲気中に液滴状にして噴出し、液中の溶媒を飛ばしながら粒子形成し、互いに衝突又は液滴と接触させながら肥大させる等により、造粒することができる。このような造粒が可能な噴霧流動層式造粒機の例としては、ホソカワミクロン株式会社製のアグロマスタ(登録商標)AGM−SDなどを好適に用いることができる。例えばこの噴霧流動層式造粒機は、スラリーを流動雰囲気が形成された流動層の底部から上方に向けて、つまり反重力方向に向けて噴出し、液中の溶媒を飛ばしながら造粒し、自重で、或いは上部のフィルタバッグに捕捉された後バッグ部におけるパルスジェット洗浄等により払い落とされて、落下した粒子を回収するボトムスプレー型に構成されたものであることが好ましい。これにより、液中の溶媒を飛ばしながら形成された粒子が互いに衝突し、該粒子の周りに液が更に吸着して造粒され、内部が単一の又は複数の層で覆われた層状の構造を有する球形又は略球形の重質な粒子とすることができる。
このような噴霧流動層造粒により本発明の特定の細孔容積を得ることができる。好ましくは、噴霧流動層造粒時に上記の橋架け構造が形成される。噴霧流動層造粒により橋架け構造が形成される詳細な理由は不明であるが、水酸化セリウム(IV)粒子間に存在しているバインダを含有する水分が熱風に触れる過程で気化すると共にバインダが細長状に硬化して水酸化セリウム(IV)粒子間を連結するものと本発明者らは考えている。
噴霧流動層式造粒機としては、流動雰囲気中において造粒乾燥させる場合に、流動層内に乾燥風を下方(重力方向)から導入してその導入方向から水溶液又はスラリーを噴霧等して液滴を上方に吹き上げる吹き上げ方式で造粒する装置であることが好ましい。
原料スラリーの流動層への導入には、スプレーノズルなどの噴出装置や吐出装置を使用することができる。スプレーノズルは、装置に設けられた流動層における底部、側部、天部などに取り付けることができ、流動層に向けて噴出(例えば噴霧)することができる。スプレーノズル等の噴出装置には、原料スラリーを撹拌しながら送液用のチューブ等で送液することが好ましい。
噴霧流動層造粒における造粒温度は、60℃以上であることが、熱風による水分の気化及びバインダ成分の硬化及び耐水化が安定的に行われるほか水分の気化及びバインダ成分の収縮による空隙の出現により上記の橋架け構造を有する吸着剤造粒物を好適に得やすい観点から好ましい。また、造粒温度は、200℃以下であることが、バインダ成分の熱分解による造粒阻害を防止する観点から好ましい。これらの観点から、造粒温度は80℃以上150℃以下であることがより好ましく、90℃以上120℃以下であることが更に好ましい。ここでいう造粒温度とは、チャンバー内への熱風吹き出し部分における熱風の温度を指す。
噴霧流動層造粒における流動化用の供給風量としては、0.5m/分以上であると、熱風によりバインダを細長状の形状に硬化させやすく上記の橋架け構造が有する吸着剤造粒物を好適に得やすい観点及び流動層形成の観点から好ましく、2m/分以下であると造粒成形性が増す観点から好ましい。これらの観点から供給風量は0.7m/分以上1.5m/分以下であることがより好ましく0.8m/分以上1.2m/分以下であることが更に好ましい。この供給風量は、熱風のチャンバー内への供給風量を指す。
造粒温度及び流動化用の供給風量が上記の範囲であることを条件として、噴霧流動層造粒における原料スラリーの供給量としては、5g/分以上であることが表面に上記橋架け構造を有し且つ好ましい粒径を有する好ましい吸着剤造粒物を得やすい観点から好ましい。150g/分以下であることが乾燥不足の防止の観点から好ましい。これらの観点から原料スラリーの供給量は10g/分以上100g/分以下であることがより好ましく20g/分以上80g/分以下であることが更に好ましい。
造粒温度、供給風量及び原料供給量が上記の条件を見たすことを条件として運転時間は、得られる造粒物の粒径を上記の範囲とし易い観点等から30分以上120分以下であることが好ましく、50分以上100分以下であることがより好ましい。
得られる造粒物は、場合によっては、そのまま用いてもよく、また特定粒度に分級して用いてもよい。分級は、200μm以上800μm以下の粒度に分級することが好ましく、300μm以上600μm以下の粒度に分級することがより好ましい。
以上の製造方法で得られた吸着剤造粒物は、その高いアニオンの吸着性能を生かして、放射性物質吸着剤を充填してなる吸着容器及び吸着塔を有する水処理システムの吸着剤として好適に使用することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り「%」は「質量%」を表す。実施例及び比較例で使用した測定項目は以下の通りに行った。
<測定項目>
・平均粒子径
走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテク社製S−4800)を用いインターセプト法により求めた。SEMの拡大倍率は30倍、加速電圧10kVとした。SEM写真の一辺と平行な方向に20mm間隔で直線を引き、この直線と粒子の重複部分を粒子の粒径とし、この粒径100個分の平均値を平均粒子径とした。
・かさ密度及びタップ密度:
試料20gをメスシリンダーに静かに入れ、その質量及び体積との比をかさ密度とした。また、試料の入ったメスシリンダーを、Quantachrome製 DUAL AUTOTAPで800回タップしたときの体積と、試料質量との比をタップ密度とした。
・比表面積:
Mauntech製、Macsorbを用いBET1点法により測定した。使用ガスは窒素ガスとした。
・細孔容積:水銀圧入法(micromeritics 社製、オートポアIV9520)により細孔径3.6nm以上200000nm以下の範囲における細孔容積を測定した。

・平均細孔径:水銀圧入法(micromeritics社製、オートポアIV9520)により求めた。
・濁度:セントラル科学社製2100ANにより測定した。
・粘度:B型粘度計(英弘精機社製LVDV−E115)にて測定した。
・ヨウ素酸の吸着試験におけるヨウ素濃度:高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により測定した。
<実施例1>
[水酸化セリウム(IV)]
ニッキ(株)の水酸化セリウム(IV)を用いた。
[第一工程]
水酸化セリウム(IV)を3Lボールミルで以下の粉砕条件により湿式粉砕した。湿式粉砕後の水酸化セリウム(IV)の平均粒子径D50を上記の方法で測定したところ、4.5μmであった。篩にてボールを取り除いて水酸化セリウム濃度23%の水酸化セリウム(IV)スラリーを得た。この操作を3バッチ行い、2kgの水酸化セリウム(IV)スラリーを用意した。この水酸化セリウム(IV)スラリーにエクセバール(登録商標、(株)クラレ製、RS−2117)の10%水溶液460gを添加し、30分間撹拌して25℃においてpH5.6、粘度35cPの原料スラリーを得た。
<ボールミルの粉砕条件>
水酸化セリウム(IV) 225g
純水 520g
φ10mmアルミナボール 810g
粉砕時間 2時間
[第二工程]
原料スラリーを撹拌しながら、以下の造粒条件で噴霧流動層造粒装置(ホソカワミクロン(株)製、アグロマスタAGM−2−SD、造粒チャンバー直径:156mm)に導入して造粒物を得た。
<造粒条件>
原料スラリー供給量 40g/分
運転時間 70分
造粒温度 120℃
流動化用エア供給量 1m/分
得られた造粒物について上記の方法で物性(平均粒子径、かさ密度、タップ密度、比表面積、細孔容積、平均細孔径)を測定した。その結果を表1に示す。なお、造粒物中の水酸化セリウム(IV)とバインダの量は原料スラリー配合量からの換算値である。
また実施例1で得られた造粒物を30倍の倍率でSEMで観察した写真を図1(a)に、7万倍の倍率で観察した写真を図1(b)に示す。図1(b)に示すように、塊状物と、これら塊状物間を橋架けする細長状物とを有する橋架け構造が観察された。
<実施例2>
[水酸化セリウム(IV)]
硝酸セリウム(III)6水和物86.8g(0.2モル)を1Lビーカーに秤量して、イオン交換水500mlに溶解した。ここに35%過酸化水素水19.4g(0.2モル)を添加して1時間撹拌した。得られた混合物に、アンモニア水(6モル/L)を添加することにより、該混合物のpHを9.0とし、一昼夜撹拌を継続して、反応スラリーを得た。得られた反応スラリーを濾過して固形物を得、この固形物を洗浄した後、50℃で24時間乾燥して水酸化セリウム(IV)の乾燥品を得た。得られた水酸化セリウムを上記の方法でTG−DTA分析したところ、前記の重量減少率は4.3%であった。また得られた水酸化セリウムについて赤外吸収スペクトル分析を行ったところ、3270cm−1以上3330cm−1以下にヒドロキシル基の伸縮振動に帰属する吸収ピークが明確に認められ、また、1590cm−1以上1650cm−1以下及び1410cm−1以上1480cm−1以下の各範囲にヒドロキシル基の変角振動に帰属する吸収ピークが明確に認められた。この赤外吸収スペクトルチャートを図2に示す。
[第一工程]
実施例1と同じ方法で行った。
[第二工程]
実施例1と同じ方法で行った。得られた造粒物の物性を表1に示す。
<比較例1>
[水酸化セリウム(IV)]
ニッキ(株)の水酸化セリウム(IV)を用いた。
[第一工程]
水酸化セリウム(IV)を3Lボールミルで以下の粉砕条件により湿式粉砕した。湿式粉砕後の水酸化セリウム(IV)の平均粒子径D50を上記の方法で測定したところ、4.5μmであった。篩にてボールを取り除いて水酸化セリウム濃度19%の水酸化セリウム(IV)スラリーを得た。この操作を3バッチ行い、2kgの水酸化セリウム(IV)スラリーを用意し、これを原料スラリーとした。この原料スラリーのpHは5.6、粘度は75cPであった。
<ボールミルの粉砕条件>
水酸化セリウム(IV) 225g
純水 675g
φ10mmアルミナボール 810g
粉砕時間 2時間
[第二工程]
原料スラリーを撹拌しながら、以下の造粒条件で噴霧流動層造粒装置(ホソカワミクロン(株)製、アグロマスタAGM−2−SD)に導入したが、造粒傾向は見られず造粒物は得られなかった。
<造粒条件>
原料スラリー供給量 15g/分
運転時間 50分
造粒温度 120℃
流動化用エア供給量 1m/分
<比較例2>
比較例1の第一工程の操作により原料スラリー(pH5.6、粘度75cP)を得た。この原料スラリーを、フィルタープレスを用いて濾過しようとしたが、濾過性が悪く、水酸化セリウム(IV)のケーキを得ることはできなかった。
<比較例3>
比較例1の第一工程の操作により原料スラリー(pH5.6、粘度75cP)を得た後、この原料スラリーに水酸化ナトリウムを添加してpH7.0に調整した。次いで、フィルタープレスを用いて濾過して水酸化セリウム(IV)のケーキを得た。このケーキを以下の造粒条件で押出造粒機(不二パウダル(株)社製、EDX−60型)に導入して造粒物を得た。120℃で乾燥、粉砕、分級後、得られた造粒物の物性を表1に示す。
<造粒条件>
原料スラリー供給量 200g/分
運転時間 10分
押出スクリーン径 φ0.6mm
比較例3で得られた造粒物を30倍の倍率でSEMで観察した写真を図3(a)に、7万倍の倍率で観察した写真を図3(b)に示す。図3(b)に示すように、比較例3で得られた造粒物では塊状物間を細長状物が橋架けする橋架け構造が観察されなかった。
<比較例4>
実施例1の第一工程と同様の操作を行い、原料スラリー(pH5.6、粘度35cP)を得た。次いで、フィルタープレスを用いて濾過しようとしたが、濾過性が悪く、水酸化セリウム(IV)のケーキを得ることはできなかった。
<比較例5>
比較例1の第一工程の操作により原料スラリー(pH5.6、粘度75cP)を得た後、この原料スラリーにカルボキシメチルセルロースアンモニウム(和光純薬工業(株)製)を11.4g添加し、30分間撹拌してpH5.6、粘度300cPの原料スラリーを得た。次いで、フィルタープレスにより原料スラリーを濾過して、水酸化セリウム(IV)のケーキを得た。このケーキを以下の造粒条件で押出造粒機(不二パウダル(株)社製、EDX−60型)に導入して造粒物を得た。120℃で乾燥、粉砕、分級後、得られた造粒物の物性を表1に示す。
<造粒条件>
原料スラリー供給量 200g/min
運転時間 10分
押出スクリーン径 φ0.6mm
下記の比較例6は、特開昭61-187931号の実施例8と同様の方法で水酸化セリウム(IV)を造粒したものである。
<比較例6>
エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学製、商品名ソノアールE3808、エチレン共重合比38モル%)をジメチルスルフォキシドに10%の濃度で溶解した溶液に、水酸化セリウム(IV)(ニッキ(株)製)を重合体量の5質量倍添加し、充分撹拌分散させて混合物を得た。
該混合物を凝固浴として水を用い、粒状の成形体を得た。該成形体を洗浄水に溶媒の溶出が検出されなくなるまで水洗し、乾燥して造粒物を得た。得られた造粒物の物性を表1に示す。
実施例1並びに比較例3、5及び6で得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物を使用して以下の濁度試験を行った。
<濁度試験>
造粒物0.3g、水10mlを50mlのポリ瓶に入れた。100rpm、10分間で回転させた。回転後1分間静置した後の液の上澄み液を分取して上記の方法にて濁度(NTU)を測定した。その結果を表2に示す。
実施例1並びに比較例3、5及び6で得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物を使用して、以下の<カラム吸着試験方法>により、アニオンとしてヨウ素酸イオンの吸着試験を行った。
<カラム吸着試験方法>
ガラス製のカラム(内径11.7mm、長さ200mm)に水酸化セリウム(IV)造粒物5mlを入れ、イオン交換水で液が透明になるまで通水洗浄した。次に以下に示す試験海水原液を調整し、更に以下に示す配合でヨウ素酸50ppmを含有する試験用海水8100gを用意した。この試験用海水をマスターフレックス(cole-parmer社製)を使用して、16.7ml/minでカラムに通液し、カラム通過後の試験海水をサンプリングし、ヨウ素酸濃度を測定した。
<試験海水原液>
NaCl 2.649%
MgCl 0.326%
MgSO 0.207%
CaSO 0.136%
KCl 0.071%
<試験用海水>
試験用海水原液 405g
イオン交換水 7694.5g
NaIO(純度99.5%) 0.461g
上記で得られた測定結果から、縦軸に試験用海水の初期ヨウ素酸濃度をCとし、カラム通液後のヨウ素酸濃度をCとしたとき、C/Cで表される数値を示し、横軸に水酸化セリウム(IV)造粒物5mlに対する試験用海水の総通液容量(B.V.)を示したものを図4に示す。同図では、同じ総通液容量(B.V.)でもC/C値が小さいほどヨウ素酸イオンが吸着されていることを示す。
図4から明らかな通り、比較例と比べて実施例で得られた水酸化セリウム(IV)吸着剤造粒物は、同じB.V.値でもC/C値が小さく、ヨウ素酸イオンの吸着特性に優れていることが判る。特に実施例1と比較例3との比較結果より、実施例1では特定量のバインダを含有しているにもかかわらず、バインダを含有していない比較例3に比べてヨウ素酸イオンの吸着性能が向上していることが判る。従って、特定の細孔容積を有する本発明の吸着剤造粒物はアニオンの吸着性能が高いことは明らかである。

Claims (13)

  1. 水酸化セリウム(IV)を50質量%以上99質量%以下、バインダを1質量%以上20質量%以下含有し、細孔容積が0.3ml/g以上1.0ml/g以下である、アニオンを吸着するために用いられる吸着剤造粒物。
  2. BET比表面積が100m/g以上200m/g以下であり、平均粒子径が200μm以上800μm以下である請求項1に記載の吸着剤造粒物。
  3. 平均細孔径が0.02μm以上0.1μm以下である請求項1又は2に記載の吸着剤造粒物。
  4. かさ密度が0.3g/cm以上1.0g/cm以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の吸着剤造粒物。
  5. 前記吸着剤造粒物の表面を走査型電子顕微鏡で5万倍以上20万倍以下の倍率で観察したときに、塊状物と塊状物との間を細長状物が橋架けする橋架け構造が観察される、請求項1〜4の何れか一項に記載の吸着剤造粒物。
  6. 前記バインダがポリビニルアルコール又はその誘導体である請求項1〜5の何れか一項に記載の吸着剤造粒物。
  7. アニオンが、ヨウ素酸イオン、フッ化物イオン、ヒ酸二水素イオン、ヒ酸水素イオン、ヒ酸イオン、メタ亜ヒ酸イオンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸着剤造粒物。
  8. アニオンを吸着するために用いられる吸着剤造粒物の製造方法であって、
    水酸化セリウム(IV)と水とを混合して湿式粉砕して粉砕物を得、この粉砕物とバインダとを含有する原料スラリーを調製する第一工程、及び
    原料スラリーを噴霧流動層造粒により造粒して水酸化セリウム(IV)及びバインダを含む造粒物を得る第二工程、
    を有することを特徴とする吸着剤造粒物の製造方法。
  9. 第一工程におけるバインダがポリビニルアルコール又はその誘導体である請求項8に記載の吸着剤造粒物の製造方法。
  10. 第一工程における原料スラリーの水酸化セリウム(IV)の濃度が5質量%以上40質量%以下である請求項8又は9に記載の吸着剤造粒物の製造方法。
  11. 第一工程における原料スラリー中のバインダの濃度が1質量%以上20質量%以下である請求項8〜10の何れか一項に記載の吸着剤造粒物の製造方法。
  12. 第二工程における噴霧流動層造粒の造粒温度が60℃以上200℃以下である請求項8〜11の何れか一項に記載の吸着剤造粒物の製造方法。
  13. 第一工程において、水酸化セリウム(IV)を平均粒子径D50が1.5μm以上10.0μm以下となるように湿式粉砕して前記粉砕物を得る、請求項8〜12の何れか一項に記載の吸着剤造粒物の製造方法。
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