JP2017056090A - アンチフリーフローバルブ - Google Patents

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Yoshihiko Sano
嘉彦 佐野
証英 原田
Tsukuhide Harada
証英 原田
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Abstract

【課題】注射器等の液体容器内の液体の、患者体内への不測の流入を防止する。【解決手段】液体容器Fcと液体通路Scとの間に介装されるアンチフリーフローバルブにおいて、液体容器Fcと液体通路Scとを接続する接続路Ccと、接続路Ccを開閉する弁体Vp,Vv,Vcp,Vvpと、液体容器Fc内と液体通路Sc内との圧力差が所定量未満の場合は液体容器Fc内と液体通路Sc内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも接続路Ccを閉止してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を阻止し、液体容器Fc内と液体通路Sc内との圧力差が所定量以上の場合は液体容器Fc内と液体通路Sc内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも接続路Ccを開放してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を許容するように弁体Vp,Vv,Vcp,Vvpを付勢する弁体付勢手段と、を具える。【選択図】図1−1

Description

この発明は、患者の体内へ注射器や薬液パック等の液体容器から液体を投与する際に用いられるバルブに関し、特には、液体容器からの液体等の不測の投与を防止し得るアンチフリーフローバルブに関するものである。
患者の体内へ液体を投与する際、従来は例えば薬液パックと、患者の静脈血管に刺し込まれる静注針とを繋ぐ樹脂製のチューブに、ローラーの操作でそのチューブの挟み量を調節できる機械的クリップを装着して、薬液の点滴等の投与量を調節する場合があるが、機械的クリップは誤操作や不測の脱落等が生じる可能性があることから、機械的クリップに代えて、モーターで旋回駆動するローラーで円弧状の経路に沿ってチューブを扱いてチューブ内の薬液を移送する流体ポンプで投与量を適切に制御することも行われている。しかしながらこの流体ポンプによる投与量制御でも、患者への処置や患者自身の体動等に起因するチューブの引っ張り等によって流体ポンプからのチューブの不測の脱落が生じると、投与量制御のないフリーフロー(自由流れ)状態となって、薬液パックから患者体内への薬液の自重による流入等が生じてしまう可能性がある。
また、患者の体内へ液体を投与する際、従来は例えば注射器と、患者の静脈血管に刺し込まれる静注針とを樹脂製のチューブで繋ぎ、例えばモーター駆動のねじ機構でスライダーを直線移動させるシリンジポンプにその注射器を装着して、注射器の押し子をスライダーで押し込むことで注射器内の薬液を所定量ずつ患者の静脈血管内に注入することも行われている。しかしながらこのシリンジポンプによる薬液投与でも、押し子をスライダーにフックで固定すべきところ固定し忘れると、押し子が自由に動ける状態になり、投与量制御のないフリーフロー(自由流れ)状態となって、薬液パックから患者体内への薬液の自重による流入等が生じてしまう可能性がある。
上述の如きフリーフロー状態を防止するために従来、特許文献1記載のアンチフリーフローバルブが提案されている。このアンチフリーフローバルブは、薬液パック等の液体容器に繋がる上流側チューブが接続された上部と、患者の静脈血管に刺し込まれる静注針に繋がるとともに流体ポンプのローラーで扱かれる下流側チューブが接続された下部との二部分からなり、上部が、中心部に位置する弁体とその周囲に画成された流通路とを有し、その上部に結合された下部が、中心部に流出口を形成された弁座とその弁座を弁体に弾性的に密接させる可撓性肩部とを有しているもので、通常時は、下流側チューブを引っ張られて可撓性肩部が弾性的に伸長し、弁座が弁体から離間した状態で流体ポンプに装着されて流体ポンプの作動に伴い上流側チューブから下流側チューブへ薬液を通流させ、不測の事態等で下流側チューブが流体ポンプから脱落すると、弁座が可撓性肩部の弾性力で弁体と密接する閉塞位置に戻り、弁体が流出口を閉塞して上流側チューブから下流側チューブへの薬液の通流を阻止する。
特表2004−511270号公報
ところで、注射器や薬液パック等の液体容器と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がるチューブとを接続し、そのチューブを介して液体容器から薬液等を患者の体内に注入する場合に、その液体容器をチューブに接続したまま器具台上等に載置しておくと、静注針と液体容器との高さの差による液体の圧力の方が静注針内の静脈血の圧力よりも高い状態が生じて、薬液等が意図せずに液体容器から静脈血管内に注入されてしまうという問題があり、先に記載したシリンジポンプによる薬液投与の際のスライダーへの注射器の押し子の固定し忘れの場合にもシリンジポンプの停止中に同様の問題がある。また、点滴等に使用しているチューブの途中の高い位置に別種の薬液等の注入のための三方弁が介装されている場合にも、その三方弁の閉止し忘れがあると、静注針とチューブ内の通路の液体の液面との高さの差による液体の圧力の方が静注針内の静脈血の圧力よりも高い状態になって、液体が患者側に流れ、三方弁から意図せずに空気がチューブ内に吸引されて液体に混入されてしまうという問題がある。
しかしながら上記従来のアンチフリーフローバルブは、基本的に流体ポンプに装着されていることで開放状態を維持し、流体ポンプから脱落した場合にフリーフロー(自由流れ)状態を阻止するものであるため、上述のような問題には有効に対処できないという不都合があった。また、上記従来のアンチフリーフローバルブに代えて、液体容器側から所定圧以上の圧力が加わると流路を開いて患者側への液体の通流を許容する逆止弁を用いることも考えられるが、このような逆止弁では、例えば注射針を薬液瓶の口栓に差し込んで注射器のプランジャを引くことで注射器内を負圧にして薬液瓶から注射器内へ薬液を吸い出そうとしても、その負圧により弁が閉止されたままになって薬液瓶側から注射器側へ薬液を吸い出すことができないという不都合があった。
この発明は、上述した従来の課題を有利に解決するアンチフリーフローバルブを提供するものであり、この発明のアンチフリーフローバルブは、液体容器と液体通路との間に介装されるアンチフリーフローバルブにおいて、
前記液体容器と前記液体通路とを接続する接続路と、
前記接続路を開閉する弁体と、
前記液体容器内と前記液体通路内との圧力差が所定量未満の場合は前記液体容器内と前記液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも前記接続路を閉止してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を阻止し、前記液体容器内と前記液体通路内との圧力差が所定量以上の場合は前記液体容器内と前記液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも前記接続路を開放してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を許容するように前記弁体を付勢する弁体付勢手段と、
を具えることを特徴とするものである。
かかるこの発明のアンチフリーフローバルブにあっては、例えば注射器や薬液パック等の液体容器と、例えば患者の静脈血管に差し込まれた静注針に繋がるチューブ等の液体通路とを接続する接続路を開閉する弁体が、弁体付勢手段によって付勢されて、液体容器内と液体通路内との圧力差が所定量未満の場合は液体容器内と液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも接続路を閉止してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を阻止し、液体容器内と液体通路内との圧力差が所定量以上の場合は液体容器内と液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも接続路を開放してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を許容する。
従って、この発明のアンチフリーフローバルブによれば、例えば注射器の押し子の押し込み操作や薬液パックの高位置への配置等により、それらの液体容器内の圧力が、例えば患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がるチューブ等の液体通路内の圧力よりも所定量以上高くなると、接続路を開放して液体容器内から液体を患者の体内に流入させ、その一方、注射器や薬液パック等の液体容器を器具台上等に載置しておくことによるその液体容器内の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がるチューブ等の液体通路内の圧力との圧力差が所定量未満であれば、接続路を閉じた状態を維持して液体容器内から液体通路内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
また、例えば液体容器としての注射器と、例えば薬液瓶等の口栓に刺し込まれた注射針に繋がる液体通路としてのチューブとが接続路で接続されている場合に、注射器の押し子の引き戻し操作により注射器の外筒内の圧力が大気圧より低い陰圧になって、注射針に繋がるチューブ内の圧力が相対的に注射器の外筒内の圧力よりも所定量以上高くなると、接続路を開放してチューブ内ひいては薬液瓶内等から注射器の外筒内へ薬液を通流させるので、薬液瓶内等から注射器内に薬液を吸い出すことができる。
なお、この発明のアンチフリーフローバルブにおいては、
前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とで別個に設けられ、
前記弁体および前記弁体付勢手段はそれらの接続路にそれぞれ設けられていてもよい。
そして上記場合に、前記弁体付勢手段が前記弁体を開放する圧力差の所定量は、前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とで別個に設定されていてもよい。
また、この発明のアンチフリーフローバルブにおいては、
前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とに共用される軟質筒体の内部により画成され、
前記弁体は前記軟質筒体からなり、
前記弁体付勢手段は少なくとも前記軟質筒体を外側から押圧することにより前記接続路を閉止するものであってもよい。
そして上記場合に、前記弁体付勢手段は前記軟質筒体を外側から半径方向内方へ押圧することにより縮径させて前記接続路を閉止するものであってもよい。
さらに、この発明のアンチフリーフローバルブにおいては、
前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とに共用される弾性板が有する切込みにより画成され、
前記弁体は前記弾性板の前記切込みの周辺部からなり、
前記弁体付勢手段は少なくとも前記弾性板自体を含んでいてもよく、
前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用の前記接続路には、その接続路を開閉する前記弁体として弾性板が設けられ、
前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用の前記接続路は、前記弾性板が有する切込みにより画成され、
前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用の前記接続路を開閉する前記弁体は、前記弾性板の前記切込みの周辺部からなり、
前記弁体付勢手段は少なくとも前記弾性板自体を含んでいてもよい。
さらに、この発明のアンチフリーフローバルブにおいては、前記接続路は、注射器の外筒先端部内に配置されていてもよく、注射器の筒先内に配置されていてもよく、静注針と注射器または薬液パックとを繋ぐチューブの途中に配置されていてもよい。
(a)〜(d)は、この発明の一実施形態のアンチフリーフローバルブの作動状態を示す断面図である。 (a),(b)は、上記実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例の作動状態を示す断面図である。 (a)〜(d)は、この発明の他の一実施形態のアンチフリーフローバルブの作動状態を示す断面図である。 上記実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例を示す断面図である。 注射器の外筒内に設けられた、図1−1に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一実施例を示す斜視図である。 上記実施例のアンチフリーフローバルブを図3中のA−A線に沿う半部断面で示す斜視図である。 上記実施例のアンチフリーフローバルブを図3中のA−A線に沿う半部断面で示す分解斜視図である。 注射器の外筒内に設けられた、図2−1に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一実施例を示す斜視図である。 上記実施例のアンチフリーフローバルブを図6中のB−B線に沿う半部断面で示す斜視図である。 上記実施例のアンチフリーフローバルブを図6中のB−B線に沿う半部断面で示す分解斜視図である。 (a)は、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを示す断面図であり、(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例の要部を示す断面図である。 注射器の筒先内に設けられた、上記さらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブの実施例を半部断面で示す斜視図である。 (a)は、樹脂チューブ内に設けられた、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを半部断面で示す斜視図であり、(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの変形例を半部断面で示す斜視図であり、(c)は、注射器の筒先内に設けられた、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを半部断面で示す斜視図である。 (a)は、注射器の外筒内に設けられた、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを半部断面で示す斜視図であり、(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブにおける弁部材を示す斜視図であり、(c)は、その弁部材の開閉状態を示す半部断面図であり、(d)は、(a)に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1−1(a)〜図1−1(d)は、この発明の一実施形態のアンチフリーフローバルブの作動状態を示す断面図、また図1−2(a),(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例の作動状態を示す断面図である。
この実施形態のアンチフリーフローバルブは図1−1(a)に示すように、例えば図示しない注射器の外筒や薬液パック等の液体容器に接続され、あるいはその液体容器それ自体の内部とされる第1室Fcと、例えば患者の静脈血管に差し込まれた静注針(静脈注射針)に繋がる樹脂チューブ等の液体通路に接続され、あるいはその液体通路それ自体の内部とされる第2室Scと、それら第1室Fcと第2室Scとの間に位置して接続路を構成する接続室Ccとを具えている。接続室Ccと第1室Fcとの間および、接続室Ccと第2室Scとの間はそれぞれ、図では上方の通路Upおよび下方の通路Lpを介して繋がるとともに、図では右方の側方の通路Spをも介して繋がっており、接続室Ccの右端には弾性膜Emが設けられて、この弾性膜Emが接続室Ccを図では左右に気密かつ液密に仕切っている。
さらに、接続室Ccと第1室Fcとを繋ぐ上方の通路Upの、第1室Fc側の開口にはその開口を覆う弾性板からなる弁体Vpが設けられ、接続室Ccと第2室Scとを繋ぐ下方の通路Lpの、接続室Cc側の開口にはその開口を覆う弾性板からなる弁体Vvが設けられ、弾性膜Emは、接続室Ccと第1室Fcとの間の側方の通路Spの接続室Cc側の開口を覆う弁体Vcpおよび、接続室Ccと第2室Scとの間の側方の通路Spの接続室Cc側の開口を覆う弁Vvpを構成する。このアンチフリーフローバルブにおいて、第1室Fc内の液体または気体の圧力をPp、第2室Sc内の液体または気体の圧力をPv、接続室Cc内の液体または気体の圧力をPcとする。
この実施形態のアンチフリーフローバルブにおいて、図1−1(a)に示す当初の状態から、例えば第2室Scに樹脂チューブを介して繋がる静注針が薬液瓶の口栓に刺し込まれて薬液瓶内から第2室Sc内に大気圧下で薬液を供給可能とされるとともに、第1室Fcに繋がる注射器の外筒内の押し子が引かれて第1室Fc内の圧力Ppが大気圧より弁体Vp,Vvを撓ませる所定レベル以上(すなわちその所定レベルに等しいかまたはその所定レベルを超えて)低い陰圧とされると、図1−1(c)に示すように、当初は大気圧の空気が入っている接続室Cc内の圧力Pcと第1室Fc内の圧力Ppとの差圧で弾性板からなる弁体Vpが撓んで上方の通路Upを開き、接続室Cc内の圧力Pcを第1室Fc内の圧力Ppに等しい陰圧とし、次いで当初は大気圧の空気が入っている第2室内の圧力Pvとその接続室Cc内の圧力Pcとの差圧で弁体Vvが撓んで下方の通路Lpを開き、これにより第1室Fcと第2室Scとが接続室Ccを介して接続されて、注射器の外筒内の陰圧により上記薬液瓶内から、図中矢印Fで示すように第2室Sc、接続室Ccおよび第1室Fc内を通流させてそれらに薬液を充填しながら、上記注射器の外筒内に薬液を吸い出すことができる。
次いで、例えば上記静注針が患者の静脈血管に差し込まれて上記樹脂チューブを介して第2室Scが患者の静脈血管に繋げられるとともに、上記注射器の押し子が指で押されて注射器の外筒内の薬液が大気圧よりも充分に高い圧力で押し出されると、このとき、第2室内の圧力Pvは、大気圧に、上記静注針から樹脂チューブを介して加えられる患者の血圧が加えられるとともに、そこから、通常は患者の腕よりも高い位置に持ち上げられている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧が引かれ、大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となっているので、図1−1(b)に示すように、弁体Vp,Vvは上方の通路Upおよび下方の通路Lpの開口をそれぞれ閉じ、薬液は図中矢印Fで示すように側方の通路Spを通って弁体Vcpを押し退けながら接続室Cc内に入り、このとき同時に弁体Vvpも押し退けられるので、接続室Cc内に入った薬液は側方の通路Spを通って第2室Sc内に流れ、これにより薬液を第2室Scから樹脂チューブおよび静注針を通して患者の静脈血管内に注入することができる。なお、弾性膜Emに対し側方の通路Spの開口と反対側に位置する接続室Cc内の薬液は、弁体Vvを下方の通路Lpの開口内へ向けて変形させながら逃げることで、側方の通路Sp内の薬液による弁体Vcp,Vvpの押し退けを可能にする。
その後、例えば注入の途中で注射器が器具台上等に載置されると、指による注射器の押し子の押圧はなくなって注射器の外筒内の薬液は押し子を介して大気圧で押圧された状態になり、また第2室内の圧力Pvは、大気圧に、上記静注針から樹脂チューブを介して加えられる患者の血圧が加えられるとともに、通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧が引かれ、大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となるが、図1−1(d)に示すように、この陰圧と弾性膜Emの弾性力とで弁体Vvpが側方の通路Spを閉じており、弁体Vp,Vvはそれ自体の弾性力で上方の通路Upおよび下方の通路Lpの開口をそれぞれ閉じているので、注射器の外筒内の薬液が意図せず患者の静脈血管内に流入することはない。
従って、この実施形態においては、弁体Vp,Vvに関してはそれらの弁体自体の弾性力とそれらの弁体に作用する第1室Fc、接続室Ccおよび第2室Sc内の圧力が弁体付勢手段として機能し、弁体Vcp,Vvpに関しては弾性膜Emの弾性力とその弾性膜Emに作用する第1室Fc、接続室Ccおよび第2室Sc内の圧力が弁体付勢手段として機能する。
なお、注射器の押し子で第1室Fc内に大気圧より充分高い圧力を加える代わりに、注射器に代えて軟質の薬液パックに点滴器を介して繋がる樹脂チューブを第1室Fcに接続し、その薬液パックを患者の腕よりも充分に高い点滴用の位置に配置して、薬液パックの高さと当該アンチフリーフローバルブの高さとの差(例えば50cm以上)分の水頭圧による、大気圧より充分高い圧力を第1室Fc内に加える場合にも、注射器の押し子で第1室Fc内に大気圧より充分高い圧力を加える場合と同様の作用効果を得ることができる。
図1−2(a)に通常の状態を示す変形例のアンチフリーフローバルブは、接続室Ccに繋がるとともに例えば大気圧に設定された空気室Acが設けられるとともに、それら接続室Ccと空気室Acとの間にそれらを気密かつ液密に仕切る第2の弾性膜Em2が設けられている点で、図1−1(a)に示す実施形態のものと異なっており、他の点では図1−1(a)に示す実施形態のものと同様に構成されている。
この変形例によれば、図1−1(b)に示す場合と同様、例えば静注針が患者の静脈血管に差し込まれて樹脂チューブを介して第2室Scが患者の静脈血管に繋げられるとともに、注射器の押し子が指で押されて注射器の外筒内の薬液が大気圧よりも充分に高い圧力で押し出されると、弁体Vp,Vvが上方の通路Upおよび下方の通路Lpの開口をそれぞれ閉じ、薬液は図中矢印Fで示すように側方の通路Spを通って弁体Vcpを押し退けながら接続室Cc内に入り、同時に弁体Vvpも押し退けるが、その際、図1−2(b)に示すように、弾性膜Emに対し側方の通路Spの開口と反対側に位置する接続室Cc内の薬液は、それらの弁体Vcp,Vvpの押し退け量分、第2の弾性膜Em2を空気室Ac内に押し込みながら逃げるので、薬液が第1室Fc内から弁体Vcp,Vvpをより大きく押し退けながら側方の通路Spおよび接続室Ccを通って第2室Sc内に流れ、これにより充分な量の薬液を容易に樹脂チューブおよび静注針を通して患者の静脈血管内に注入することができる。また、外気温や大気圧の変化で第2の弾性膜Em2が空気室Ac側あるいは接続室Cc側に押されて空気室Acの内容積が増減しても、薬液が第2室Scから弁体Vvを開けて接続室Ccに流入し、あるいは接続室Ccから弁体Vpを開けて第1室Fcに流出して、接続室Cc内が薬液で満たされ続けるので、作動状態に変化は生じない。そして、他の点では図1−1(a)に示す実施形態のものと同様に機能する。
図2−1(a)〜図2−1(d)は、この発明の他の一実施形態のアンチフリーフローバルブの作動状態を示す断面図、また図2−2は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例を示す断面図である。この実施形態のアンチフリーフローバルブは、図1−1に示す実施形態のアンチフリーフローバルブにおける接続室Ccに代えて第1室Fcおよび第2室Scから独立した基準圧力室Rcが設けられるとともに、第1室Fcと第2室Scとを直接接続する接続路Cpが設けられ、その接続路Cpの、第1室Fc側の開口にその開口を覆う弾性板からなる弁体Vpが設けられている点で図1−1に示す実施形態のものと異なっており、他の点では図1−1(a)に示す実施形態のものと同様に構成されている。なお、基準圧力室Rc内には例えば大気圧等の基準圧力Pcに設定された空気があらかじめ密封されている。
この実施形態のアンチフリーフローバルブにおいて、図2−1(a)に示す当初の状態から、例えば第2室Scに樹脂チューブを介して繋がる静注針が薬液瓶の口栓に刺し込まれて薬液瓶内から第2室Sc内に大気圧下で薬液を供給可能とされるとともに、第1室Fcに繋がる注射器の外筒内の押し子が引かれて第1室Fc内の圧力Ppが大気圧より弁体Vp,Vvを撓ませる所定レベル以上(すなわちその所定レベルに等しいかまたはその所定レベルを超えて)低い陰圧とされると、図2−1(c)に示すように、当初は大気圧の空気が入っている接続路Cp内の圧力と第1室Fc内の圧力Ppとの差圧で弾性板からなる弁体Vpが撓んで接続路Cpを開き、これにより第1室Fcと第2室Scとが接続路Cpを介して接続されて、注射器の外筒内の陰圧により上記薬液瓶内から、図中矢印Fで示すように第2室Sc、接続路Cpおよび第1室Fc内を通流させてそれらに薬液を充填しながら、上記注射器の外筒内に薬液を吸い出すことができる。
次いで、例えば上記静注針が患者の静脈血管に差し込まれて上記樹脂チューブを介して第2室Scが患者の静脈血管に繋げられるとともに、上記注射器の押し子が指で押されて注射器の外筒内の薬液が大気圧よりも充分に高い圧力で押し出されると、このとき、第2室内の圧力Pvは、大気圧に、上記静注針から樹脂チューブを介して加えられる患者の血圧が加えられるとともに、そこから、通常は患者の腕よりも高い位置に持ち上げられている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧が引かれ、大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となっているので、図2−1(b)に示すように、弁体Vpは接続路Cpの開口を閉じ、薬液は図中矢印Fで示すように側方の通路Spを通り、基準圧力室Rc内の空気の基準圧力Pcに抗して弁体Vcpを押し退けながら背圧室Bc内に入り、このとき同時に弁体Vvpも押し退けられるので、基準圧力室Rc内に入った薬液は側方の通路Spを通って第2室Sc内に流れ、これにより薬液を第2室Scから樹脂チューブおよび静注針を通して患者の静脈血管内に注入することができる。
その後、例えば注入の途中で注射器が器具台上等に載置されると、指による注射器の押し子の押圧はなくなって注射器の外筒内の薬液は押し子を介して大気圧で押圧された状態になるとともに、第2室内の圧力Pvは、大気圧に、上記静注針から樹脂チューブを介して加えられる患者の血圧が加えられるとともに、そこから、通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧が引かれ、大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となるが、図2−1(d)に示すように、この陰圧と弾性膜Emの弾性力と基準圧力室Rc内の空気の基準圧力Pcとで押圧されて弁体Vvpが側方の通路Spを閉じており、弁体Vpはそれ自体の弾性力で接続路Cpの開口を閉じているので、注射器の外筒内の薬液が意図せず患者の静脈血管内に流入することはない。
従って、この実施形態においては、弁体Vpに関してはその弁体自体の弾性力とその弁体に作用する第1室Fcおよび第2室Sc内の圧力が弁体付勢手段として機能し、弁体Vcp,Vvpに関しては弾性膜Emの弾性力とその弾性膜Emに作用する基準圧力室Rc、第1室Fcおよび第2室Sc内の圧力が弁体付勢手段として機能する。
なお、注射器の押し子で第1室Fc内に大気圧より充分高い圧力を加える代わりに、注射器に代えて軟質の薬液パックに点滴器を介して繋がる樹脂チューブを第1室Fcに接続し、その薬液パックを患者の腕よりも充分に高い点滴用の位置に配置して、薬液パックの高さと当該アンチフリーフローバルブの高さとの差(例えば50cm以上)分の水頭圧による、大気圧より充分高い圧力を第1室Fc内に加える場合にも、注射器の押し子で第1室Fc内に大気圧より充分高い圧力を加える場合と同様の作用効果を得ることができる。
図3は、注射器の外筒内に設けられた、図1−1に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一実施例を示す斜視図、図4は、上記実施例のアンチフリーフローバルブを図3中のA−A線に沿う半部断面で示す斜視図、そして図5は、上記実施例のアンチフリーフローバルブを図3中のA−A線に沿う半部断面で示す分解斜視図である。
この実施例のアンチフリーフローバルブは、注射器の外筒CYの先端部内で筒先Nに隣接する位置に液密に配置された略円盤状の基部材1を具え、この基部材1は、外筒CYの先端部内の先端面TSに密接する浅い裁頭円錐状の先端面1aと、基部材1の軸線C方向に先端面1aと対抗して位置する平坦な後端面1bとを有し、基部材1の先端面1aの中央部には浅い円筒状の先端凹部1cが形成され、基部材1の後端面1bの中央部には側壁面の一部を平坦面1dとされた浅い略円筒状の後端凹部1eが形成されている。
この実施例のアンチフリーフローバルブはまた、基部材1の後端凹部1e内に密に嵌合するように配置された薄い略円盤状の蓋部材2を具え、この蓋部材2は、後端凹部1eの側壁面の平坦面1dとの嵌合により周方向に位置決めされている。
基部材1の後端凹部1eの、図では上向きに位置する底面1fには、少なくとも基部材1の半径方向へ延在する図示例では平面形状が略長円形の第1溝1gが形成され、蓋部材2の、図では下向きに位置する内側面2aには、基部材1の第1溝1gに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なって基部材1の直径方向へ延在する図示例では平面形状が略長方形の第2溝2bが形成され、基部材1の後端凹部1eの底面1fには、蓋部材2の内側面2aの第2溝2bに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なって軸線C方向に延在し、先端面1aの中央部の先端凹部1cに連通する貫通孔1hが形成されている。
この実施例のアンチフリーフローバルブはさらに、基部材1の後端凹部1eの底面1fと蓋部材2の内側面2aとの間に挟持される、例えば0.2mm厚さのシリコンゴム製の薄膜からなる弁部材3を具え、この弁部材3および蓋部材2には、基部材1の第1溝1gに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なるとともに、蓋部材2の内側面2aの第2溝2bに対しては重ならずに外れた位置に、互いに整列して蓋部材2の外側面2cから基部材1の第1溝1gに至る貫通孔3a,2dを形成され、また弁部材3の、貫通孔1hに関して第1溝1gの反対側に位置する周辺部には、蓋部材2の内側面2aの第2溝2bに対して基部材1の軸線C方向に部分的に重なって第2溝2bと交差する切欠部3bが形成されている。
かかるこの実施例のアンチフリーフローバルブにあっては、注射器の、図示しない押し子を挿入された液体容器としての外筒CYに一体に設けられた筒先Nに、例えば静注針に繋がる液体通路としての図示しない樹脂チューブを接続し、その静注針を例えば薬液瓶のゴム等の口栓に刺し込んでその薬液瓶内から薬液を注射器の外筒CY内に吸い込む場合に、注射器の押し子の引き戻し操作により注射器の外筒CY内の圧力が大気圧よりも低い陰圧になって、静注針に繋がる樹脂チューブ内に薬液瓶内の薬液から加わる大気圧が注射器の外筒CY内の圧力よりも所定レベル以上高くなると、薬液瓶内から供給される薬液が静注針に繋がる樹脂チューブから筒先Nに至り、その筒先Nから基部材1の先端凹部1cおよび貫通孔1hを通り、弁部材3を第2溝2b内に弾性的に押し上げながらその切欠き部3bから第2溝2b内に入り、弁部材3を基部材1の第1溝1g内に弾性的に押し込みながら第1溝1gに沿って流れ、蓋部材2の貫通孔2d内に入って外筒CY内に流入する。これにより、薬液瓶内から、先端凹部1c、貫通孔1h、第2溝2bおよび貫通孔2d内を通流させてそれらに薬液を充填しながら、注射器の外筒CY内に薬液を吸い出すことができる。
また、上記静注針を患者の静脈血管に差し込み、注射器の外筒CY内での押し子の押し込み操作で、外筒CY内の薬液を患者の静脈血管内に注入する場合に、その押し込み操作が行われずに注射器が、通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれた場合には、上記樹脂チューブ内および当該アンチフリーフローバルブ内に存在している薬液に、上記静注針から樹脂チューブを介して患者の血圧が加えられるとともに、器具台上等に置かれている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧がそこから引かれ、先端凹部1c内の薬液の圧力は大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となるが、この陰圧が弁部材3を基部材1の貫通孔1hに吸い付けて、弁部材3の弾性力と相俟って貫通孔1hを閉止する。これにより、この陰圧および弁部材3の弾性力に対応する所定レベルまたはそれ以上高い圧力が基部材1の第1溝1g内に加わるまで、弁部材3は貫通孔1hを閉止し続けるので、注射器を上記器具台上等に載置しておいても、注射器の押し子が大気圧で押されていることによる外筒CY内の薬液の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がる樹脂チューブ内の圧力との圧力差が所定レベル未満であれば、注射器の外筒CY内から樹脂チューブ内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
そしてこの状態から、外筒CY内でその外筒の先端部に向けて押し子が押し込まれ、外筒CY内の薬液に樹脂チューブ内の陰圧および弁部材3の弾性力に対応する所定レベル以上高い圧力が加えられると、外筒CY内から弁部材3の貫通孔3aと蓋部材2の貫通孔2dと基部材1の第1溝1gとを通って弁部材3に至った薬液が上記の高い圧力で、樹脂チューブ内の陰圧および弁部材3の弾性力に抗して弁部材3を第2溝2b内に弾性的に押し上げながら、第2溝2bに沿って後端凹部1eの底面1fと弁部材3との隙間を通って貫通孔1hに至り、基部材1の貫通孔1hから先端凹部1cおよび筒先Nを通って樹脂チューブ内に流入し、上記チューブから患者の静脈血の血圧に抗して患者の静脈血管内に注入される。これにより、注射器の外筒CY内の薬液を患者の体内に注入することができる。
従ってこの実施例のアンチフリーフローバルブでは、弁部材3の貫通孔3aと、蓋部材2の貫通孔2dと、基部材1の第1溝1gと、蓋部材の第2溝2b内での基部材1の後端凹部1eの底面1fと弁部材3との隙間と、基部材1の貫通孔1hおよび先端凹部1cとが接続路を構成し、注射器の外筒CYが第1室Fc、第2溝2bが接続室Cc、先端凹部1cが第2室Scを構成し、弁部材3の、貫通孔1hの近傍と切欠き部3bとの間の部分が弁体Vv、第2溝2bの近傍と貫通孔3aとの間の部分が弁体Vp、第1溝1gの近傍と貫通孔1hと間の部分が弁体Vcp,Vvpを構成し、第1溝1g、第2溝2bおよび先端凹部1c内の圧力と、弾性を持つシリコンゴム製の弁部材3それ自体とが弁体付勢手段を構成する。
図6は、注射器の外筒内に設けられた、図2−1に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一実施例を示す斜視図、図7は、上記実施例のアンチフリーフローバルブを図6中のB−B線に沿う半部断面で示す斜視図、図8は、上記実施例のアンチフリーフローバルブを図6中のB−B線に沿う半部断面で示す分解斜視図である。なお、図6〜8中、図3~5に示す実施例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
この実施例のアンチフリーフローバルブは、注射器の外筒CYの先端部内で筒先Nに隣接する位置に気密かつ液密に配置された略円盤状の基部材1を具え、この基部材1は、外筒CYの先端部内の先端面TSに密接する浅い裁頭円錐状の先端面1aと、基部材1の軸線C方向に先端面1aと対抗して位置する平坦な後端面1bとを有し、基部材1の先端面1aの中央部には基部材1の直径方向へ延在する溝状の先端凹部1cが形成され、基部材1の後端面1bの中央部には側壁面の一部を平坦面1dとされた浅い略円筒状の後端凹部1eが形成されている。
この実施例のアンチフリーフローバルブはまた、基部材1の後端凹部1e内に密に嵌合するように配置された薄い略円盤状の蓋部材2を具え、この蓋部材2は、後端凹部1eの側壁面の平坦面1dとの嵌合により周方向に位置決めされている。
基部材1の後端凹部1eの、図では上向きに位置する底面1fには、少なくとも基部材1の半径方向へ延在する図示例では平面形状が略長円形の第1溝1gが形成され、蓋部材2には、基部材1の第1溝1gに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なるとともにその軸線Cに対し中心がずれた位置で蓋部材2を貫通する円形の皿状部材収容孔2eが形成され、基部材1の後端凹部1eの底面1fには、蓋部材2の皿状部材収容孔2eに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なって軸線C方向に延在し、先端面1aの中央部の先端凹部1cに連通する貫通孔1hが形成され、またその底面1fに位置する第1溝1gの溝底にも、蓋部材2の皿状部材収容孔2eに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なって軸線C方向に延在し、先端面1aの中央部の先端凹部1cに連通する貫通孔1iが形成されている。
この実施例のアンチフリーフローバルブはさらに、蓋部材2の皿状部材収容孔2e内に嵌合されるとともに図では下向きの円形凹部4aを有する皿状部材4と、その皿状部材4の外周面と皿状部材収容孔2eの内周面との間に気密かつ液密に挟持される、例えば0.2mm厚さのシリコンゴム製の、ここでは皿状の薄膜からなる弁部材3と、基部材1の第1溝1g内に配置されて一端部をその第1溝1gの溝底に接着され、貫通孔1iの開口部を開閉可能に覆う、シリコンゴム等の弾性板からなる弁板5を具え、蓋部材2には、基部材1の第1溝1gに対し基部材1の軸線C方向に部分的に重なる位置に、蓋部材2の外側面2cから基部材1の第1溝1gに至る、ここでは3本の貫通孔2dが形成されている。そして皿状部材4の、弁部材3で覆われた円形凹部4a内には、例えば大気圧よりも後述する所定レベルだけ高い基準圧力Prの空気が封入されている。
かかるこの実施例のアンチフリーフローバルブにあっては、注射器の、図示しない押し子を挿入された液体容器としての外筒CYに一体に設けられた筒先Nに、例えば静注針に繋がる液体通路としての図示しない樹脂チューブを接続し、その静注針を例えば薬液瓶のゴム等の口栓に刺し込んでその薬液瓶内から薬液を注射器の外筒CY内に吸い込む場合に、注射器の押し子の引き戻し操作により注射器の外筒CY内の圧力が大気圧よりも低い陰圧になって、静注針に繋がる樹脂チューブ内に薬液瓶内の薬液から加わる大気圧が注射器の外筒CY内の圧力よりも所定レベル以上高くなると、薬液瓶内から供給される薬液が静注針に繋がる樹脂チューブから筒先Nに至り、その筒先Nから基部材1の先端凹部1cおよび貫通孔1iを通り、弁板5を弾性的に撓ませて押し上げながら第1溝1g内に入り、蓋部材2の貫通孔2dを通って外筒CY内に流入する。これにより、薬液瓶内から、先端凹部1c、貫通孔1iおよび貫通孔2d内を通流させてそれらに薬液を充填しながら、注射器の外筒CY内に薬液を吸い出すことができる。
また、上記静注針を患者の静脈血管に差し込み、注射器の外筒CY内での押し子の押し込み操作で、外筒CY内の薬液を患者の静脈血管内に注入する場合に、その押し込み操作が行われずに注射器が、通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれた場合には、上記樹脂チューブ内および当該アンチフリーフローバルブ内に存在している薬液に、上記静注針から樹脂チューブを介して患者の血圧が加えられるとともに、器具台上等に置かれている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧がそこから引かれ、先端凹部1c内の薬液の圧力は大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となるが、この陰圧が弁部材3を基部材1の貫通孔1hに吸い付けて、円形凹部4a内の基準圧力での弁部材3の押圧力および弁部材3の弾性力と相俟って貫通孔1hを閉止する。た基部材1の第1溝1g内の上記薬液の、もう一つの貫通孔1iからの流出も、第1溝1g内の弁板5が上記陰圧と弁板自体の弾性力とでその貫通孔1iを閉止して阻止する。これにより、この陰圧と基準圧力での弁部材3の押圧力および弁部材3の弾性力とに対応する所定レベルまたはそれ以上高い圧力が基部材1の第1溝1g内に加わるまで、弁部材3は貫通孔1hを閉止し続けるので、注射器を上記器具台上等に載置しておいても、注射器の押し子が大気圧で押されていることによる外筒CY内の薬液の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がる樹脂チューブ内の圧力との圧力差が所定レベル未満であれば、注射器の外筒CY内から樹脂チューブ内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
そしてこの状態から、外筒CY内でその外筒の先端部に向けて押し子が押し込まれ、外筒CY内の薬液に患者の静脈血の血圧より所定レベル以上高い圧力が加えられると、外筒CY内から蓋部材2の貫通孔2dを通って第1溝1g内に至った薬液が上記の高い圧力で、基準圧力室Rc内の空気から弁部材3に加わっている高い圧力と弁部材3の弾性力とに抗して弁部材3を皿状部材4の円形凹部4a内に弾性的に押し上げながら、後端凹部1eの底面1fと弁部材3との隙間を通って貫通孔1hに至り、基部材1の貫通孔1hから先端凹部1cおよび筒先Nを通って樹脂チューブ内に流入し、上記チューブから患者の静脈血の血圧に抗して患者の静脈血管内に注入される。これにより、注射器の外筒CY内の薬液を患者の体内に注入することができる。
従ってこの実施例のアンチフリーフローバルブでは、蓋部材2の貫通孔2dと、基部材1の第1溝1gと、皿状部材4の円形凹部4a内での基部材1の後端凹部1eの底面1fと弁部材3との隙間と、基部材1の貫通孔1h,1iおよび先端凹部1cとが接続路を構成し、注射器の外筒CYが第1室Fc、弁部材3で覆われた円形凹部4aが基準圧力室Rc、先端凹部1cが第2室Scを構成し、弁部材3の、第1溝1gの近傍と貫通孔1hと間の部分が弁体Vcp,Vvp、そして弁板5が弁体Vpを構成し、第1溝1g、円形凹部4aおよび先端凹部1c内の圧力と、弾性を持つシリコンゴム製の弁部材3それ自体および弁板5それ自体とが弁体付勢手段を構成する。
図9(a)は、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを示す断面図であり、図9(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例の要部を示す断面図である。
この実施形態のアンチフリーフローバルブは、図2に示す実施形態のものと同様、第1室Fcと第2室Scとを直接接続する接続路Cpが設けられている一方、図2に示す実施形態のものと異なって、基準圧力室Rcに対応する弁室Vcが第2室Scに開放されている。
図1に示す実施形態では下方の通路Lpを閉じる弁体Vvが存在するので、第2室Sc内の圧力が接続室Cc内の圧力よりも低くなった場合にその弁体Vvが閉じ、接続室Cc内の圧力が弁体Vvpを押圧して側方の通路Spを閉じているが、図9(a)に示す実施形態ではこの弁体Vvが存在せず、弁体Vvpを構成する弾性膜Emは、上端部を弁室Vcの側壁に接着されて、それ自体の弾性だけで弁体Vvpを付勢して側方の通路Spを閉じている。なお弁体Vcpに対しては、弾性膜Emの弾性力だけでなく第1室Fcと第2室Scとの差圧も弁体付勢手段として機能している。
図9(b)に示す変形例では、図9(a)に示す実施形態の構成に、弁室Vc内に側方の通路Spへ向けて弾性膜Emを部分的に押える突起Pjを設けて、弁体Vcp,Vvpを構成する弾性幕Emの弾性力を高めている。
図10は、注射器の筒先内に設けられた、上記さらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブの実施例を半部断面で示す斜視図である。図10中、先の実施例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
この実施例のアンチフリーフローバルブは、例えば注射器の外筒CYに一体に設けられた筒先N内に気密かつ液密に圧入される大径部6aと、その大径部6aに一体的に繋がる小径部6bとを有するとともに、その小径部6bの、大径部6a寄りの端部に小径部6bを半径方向に貫通する基部貫通孔6cを有する円筒状の基部筒6と、その基部筒6内に一端部、図では上端部を挿入された弁体としての、例えば0.2mm厚さのシリコンゴム製の円筒状のシールチューブ7と、そのシールチューブ7内に密に挿入されて一端部、図では上端部を基部筒6の小径部6b内に圧入され、その上端部と基部筒6の小径部6bとの間にシールチューブ7の上端部を気密かつ液密に挟持する支持筒8とを具えている。なお、基部筒6の大径部6aは、注射器の筒先N内に直接圧入する代りに、その筒先Nに気密かつ液密に装着された筒状外殻内に圧入するようにしてもよい。
支持筒8内の中間部には支持筒8内を軸線C方向に気密かつ液密に二つに仕切る仕切り8aが設けられ、また支持筒8の中間部の、その仕切り8aを間に挟んだ二箇所には、それぞれ支持筒8を半径方向に貫通する支持筒貫通孔8b,8cが設けられている。自由状態のシールチューブ7は、基部筒6の内径より僅かに大きい外径と、支持筒8の外径よりも多少小さい内径を有している。このためこの実施例のアンチフリーフローバルブの組立ての際には、支持筒8がシールチューブ7を弾性的に拡径しながらシールチューブ7内に挿入され、次いでそれらシールチューブ7と支持筒8との一端部が基部筒6内に圧入されるので、当該アンチフリーフローバルブ内に大気圧のみが作用している状態でも、シールチューブ7はそれ自体の弾性力で基部貫通孔6cの開口と支持筒貫通孔8bの開口とに密着する。
この実施例のアンチフリーフローバルブにあっては、注射器の筒先Nに、例えば静注針に繋がる液体通路としての図示しない樹脂チューブを接続し、その静注針を例えば薬液瓶のゴム等の口栓に刺し込んでその薬液瓶内から薬液を注射器の外筒CY内に吸い込む場合に、注射器の押し子の引き戻し操作により注射器の外筒CY内の圧力が大気圧よりも低い陰圧になって、静注針に繋がる樹脂チューブ内に薬液瓶内の薬液から加わる大気圧が注射器の外筒CY内の圧力よりも所定レベル以上高くなると、薬液瓶内から供給される薬液が静注針に繋がる樹脂チューブから筒先Nに至り、基部筒6の小径部6bの周囲から基部貫通孔6cを通り、シールチューブ7を半径方向内方へ弾性的に押し込みながら基部筒6の大径部6a内を通って外筒CY内に流入する。これにより、薬液瓶内から、筒先N内でシールチューブ7の周囲に通流させてそこに薬液を充填しながら、注射器の外筒CY内に薬液を吸い出すことができる。
また、上記静注針を患者の静脈血管に差し込み、注射器の外筒CY内での押し子の押し込み操作で、外筒CY内の薬液を患者の静脈血管内に注入する場合に、その押し込み操作が行われずに注射器が、通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれた場合には、上記樹脂チューブ内および当該アンチフリーフローバルブ内に存在している薬液に、上記静注針から樹脂チューブを介して患者の血圧が加えられるとともに、器具台上等に置かれている当該アンチフリーフローバルブの高さと上記静注針の高さとの差分の水頭圧がそこから引かれ、筒先N内のシールチューブ7の周囲および支持筒8内の仕切り8aより下側の部分の薬液の圧力は大気圧に概ね等しいかそれより僅かに低い陰圧となるが、この陰圧がシールチューブ7の図では上端部を基部貫通孔6cに吸い付けるとともにシールチューブ7の中間部を支持筒貫通孔8cに吸い付けるので、シールチューブ7は基部貫通孔6cと支持筒貫通孔8cとをシールチューブ7自体の弾性力と相俟って閉止する。これにより、この陰圧とシールチューブ7の弾性力とに対応する所定レベルまたはそれ以上高い圧力が大径部6aからシールチューブ7および支持筒8の図では上部内に加わるまで、シールチューブ7は基部貫通孔6cと支持筒貫通孔8bとを閉止し続けるので、注射器を上記器具台上等に載置しておいても、注射器の押し子が大気圧で押されていることによる外筒CY内の薬液の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がる樹脂チューブ内の圧力との圧力差が所定レベル未満であれば、注射器の外筒CY内から樹脂チューブ内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
そしてこの状態で、看護師等により注射器が保持されて外筒CY内でその外筒の先端部に向けて押し子が押し込まれ、外筒CY内の薬液に患者の静脈血の血圧よりも注射器の保持高さに応じた所定レベル以上高い圧力が加えられると、外筒CY内から基部筒6の大径部6a内および支持筒8内の仕切り8aより上側の部分を通って支持筒貫通孔8bに至った薬液が上記の高い圧力で、シールチューブ7に外側から加わっている大気圧付近の圧力とシールチューブ7の弾性力とに抗してシールチューブ7を弾性的に押し拡げながら、そのシールチューブ7の内周面と支持筒8の外周面との隙間を通って支持筒貫通孔8cまで流れ、そこから支持筒8内の仕切り8aより下側の部分を通って樹脂チューブ内に流入し、樹脂チューブから患者の静脈血の血圧に抗して患者の静脈血管内に注入される。これにより、注射器の外筒CY内の薬液を患者の体内に注入することができる。
従ってこの実施例のアンチフリーフローバルブでは、筒先N内の基部筒6の小径部6bの周囲およびシュールチューブ7の周囲と、および支持筒8内と、基部貫通孔6cおよび支持筒貫通孔8b,8cとが接続路を構成し、筒先N内の基部筒6の大径部6aが第1室Fc、シュールチューブ7の周囲が接続路Cp、筒先N内の先端部が第2室Scを構成し、シュールチューブ7の図では上端部が弁体Vp、中間部が弁体Vcp,Vvpを構成し、シュールチューブ7の図では上端部内および中間部の周囲の圧力と、弾性を持つシリコンゴム製のシュールチューブ7それ自体とが弁体付勢手段を構成する。
図11(a)は、樹脂チューブ内に設けられた、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを半部断面で示す斜視図、図11(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブの変形例を半部断面で示す斜視図、そして図11(c)は、注射器の筒先内に設けられた、上記さらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブの実施例を半部断面で示す斜視図である。
図11(a)に示す実施形態のアンチフリーフローバルブは、筒体9と、その筒体9内に気密かつ液密に配置された軟質樹脂性のチューブ、例えば0.1mm厚さのシリコンゴム製の円筒状のシールチューブ7と、そのシールチューブ7内に配置された支持軸10とを具えている。支持軸10は、両端部の大径部10aおよび中間部の細径部10bと、それらの大径部10aに軸線C方向に開けられた貫通孔10cとを有し、両端部の大径部10aは外径D1を有して、シールチューブ7の両端部を拡径して筒体9の内周面との間に気密かつ液密に挟持し、中間部の細径部10bは、自然状態のシールチューブ7の内径と概ね等しいかそれより僅かに太い外径d1を有してシールチューブ7の中間部の内周面に密接している。そして筒体9内のシールチューブ7の中間部の周囲は、大気圧より所定レベル以上高い基準圧力Prの空気が封入されて基準圧力室Rcとされている。
この実施形態のアンチフリーフローバルブによれば、例えば筒体9の一端部が注射器の筒先に接続されるとともに他端部が患者の腕の静注針からの樹脂チューブに接続されて、その注射器が通常は患者の腕よりも高い位置にある器具台上等に置かれ、その注射器と当該アンチフリーフローバルブとの高さの差分の水頭圧の陽圧が筒体9の一端部に加わったり、静注針と当該アンチフリーフローバルブとの高さの差分の水頭圧の陰圧が筒体9の一端部に加わったりしても、その筒体9の端部内の圧力と基準圧力室Rc内の基準圧力Prとの差がシールチューブ7を弾性的に拡径変形させる所定レベル以上にならなければ、シールチューブ7の中間部はその内周面を支持軸10の細径部10bの外周面に密接させて、筒体9の一端部と他端部との何れの側からも、他方の側への薬液の通流を阻止する。
そしてこの状態で、看護師等により注射器が保持されてその外筒内で押し子が押し込まれ、外筒内の薬液から筒体9の一端部に、注射器の保持高さに応じた、患者の静脈血の血圧よりも充分に高い圧力が加えられて、その筒体9の一端部内の圧力と基準圧力室Rc内の基準圧力Prとの差がシールチューブ7を弾性的に拡径変形させる所定レベル以上高い陽圧になると、大径部10aの貫通孔10cから大径部10aの内側に入った薬液が、その筒体9の一端部内の圧力と基準圧力Prとの差の陽圧によりシールチューブ7の中間部を他端部側へ追いやって、そのシールチューブ7の中間部を基準圧力Prおよびシールチューブ7の弾性力に抗して筒体9の一端部側から他端部側へ向けて徐々に拡径し、その拡径部分をシールチューブ7の両端部で繋げて、そのシールチューブ7の内周面と支持軸10の細径部10bの外周面との隙間を通って筒体9の他端部まで流れ、そこから樹脂チューブ内に流入し、樹脂チューブから患者の静脈血の血圧に抗して患者の静脈血管内に注入される。これにより、注射器内の薬液を患者の体内に注入することができる。
また、上記静注針が薬液瓶の口栓に刺し込まれて薬液瓶内から筒体9の他端部内に大気圧下で薬液を供給可能とされるとともに、上記注射器の外筒内の押し子が引かれて筒体9の一端部内の圧力が大気圧よりシールチューブ7の中間部を拡径させる所定レベル以上低い陰圧とされると、その陰圧でシールチューブ7の中間部が上記一端部側へ引き寄せられて筒体9の他端部側から上記一端部側へ向かって徐々に拡径され、その拡径部分がシールチューブ7の両端部間で繋がって、薬液が筒体9の他端部側から上記一端部側へ流れ、これにより、薬液瓶内から、シールチューブ7内に通流させてそこに薬液を充填しながら、注射器内に薬液を吸い出すことができる。
従って、この実施形態のアンチフリーフローバルブでは、筒体9の一端部内が第1室、他端部内が第2室、シールチューブ7内が接続路、シールチューブ7が弁体、筒体9内のシールチューブ7の中間部の周囲の空気の大気圧より所定レベル以上高い基準圧力Prとシールチューブ7自体の弾性力とが弁体付勢手段を構成する。
図11(b)の変形例のアンチフリーフローバルブは、図11(a)の実施形態における筒体9を省略し、例えば注射器の筒先Nに一端部を接続されるとともに他端部を静注針に接続された弾性変形可能な樹脂チューブTの中間部内に自然状態の樹脂チューブTの内径d2より僅かに太い外径D2を有する概ね軸状の弁座部材11を圧入し、樹脂チューブTのその中間部自体を弁体とすることで構成されている。弁座部材11にはその周囲に周方向に間隔を開けて、各々軸線C方向に延在する複数本の溝11aが形成され、各溝11aの中間部には仕切り11bが形成されている。
樹脂チューブTの中間部は、周囲から加わる大気圧で押圧されるとともに樹脂チューブT自体の縮径方向の弾性力が加わって通常時は弁座部材11の外周面に密着し、これにより各溝11aの中間部の仕切り11bが、各溝11aの両端部間を封止している。
この変形例のアンチフリーフローバルブによっても、図11(a)の実施形態のアンチフリーフローバルブと同様の作用効果を奏することができ、ここでは大気圧が基準圧力Prとなる。
図11(c)の実施例のアンチフリーフローバルブは、図11(a)の実施形態における筒体9に代えて、注射器の筒先N内にシールチューブ7と支持軸10とを配置し、その支持軸10の大径部10aに形成する貫通孔10cを、細径部10bの外周面に溝状に食い込むものとして構成している。
この実施例のアンチフリーフローバルブによっても、図11(a)の実施形態のアンチフリーフローバルブと同様の作用効果を奏することができ、ここでは筒体9が不要になるので、アンチフリーフローバルブを通常の注射器の筒先N内に組み込むことができる。
図12(a)は、注射器の外筒内に設けられた、この発明のさらに他の一実施形態のアンチフリーフローバルブを半部断面で示す斜視図、図12(b)は、その実施形態のアンチフリーフローバルブにおける弁部材を示す斜視図、そして図12(c)は、その弁部材の開閉状態を示す半部断面図である。
この実施形態のアンチフリーフローバルブは、注射器の外筒CYの先端部内で筒先Nに隣接する位置に液密に配置された略円盤状の弁部材12と、この弁部材12と図示しない押し子の先端面との間に後述する切込み周辺部分の撓みを許容する空間を確保するためのリング状のスペーサ13とを具え、この弁部材12はその中央部に、弁部材12の両表面間を貫通する切込み12aを有している。
弁部材12は、例えば厚さt=0.5mmのシリコンゴム製の円板にて形成することができ、その中央部の切込み12aは、例えば長さL=3mmとすることができる。外筒CYの内径が29mmの注射器では、この実施例のアンチフリーフローバルブを設けずに筒先Nに樹脂チューブを介して静注針を接続し、その静注針を患者の静脈血管に挿入すると、静注針に対し20cm以上の高さに注射器を持ち上げるだけで、樹脂チューブ内の薬液の水頭圧で生ずる陰圧により注射器から静注針への薬液のフリーフローが発生したが、この実施例のアンチフリーフローバルブを注射器の外筒CY内に設けた場合には、静注針に対し100cmの高さまで注射器を持ち上げても切込み12aが開かず、注射器から静注針への薬液のフリーフローが阻止された。これにより、注射器を器具台上等に載置しておいても、注射器の押し子が大気圧で押されていることによる外筒CY内の薬液の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がる樹脂チューブ内の圧力との圧力差が所定レベル未満であれば、注射器の外筒CY内から樹脂チューブ内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
そして薬液瓶内から注射器内への薬液の吸い出しとその注射器内から患者の体内への薬液の注入の際には、図11(c)に仮想線で示すように切込み12aの周辺部が弾性的に撓んで切込み12aが開き、その切込み12aを通る薬液の通流を何れの方向へも可能にする。
従って、この実施形態のアンチフリーフローバルブでは、弁部材12の図では上側の外筒CY内が第1室、弁部材12の図では下側の外筒CY内が第2室、弁部材12の中央部の切込み12a内が液体容器としての外筒CY内から液体通路としての樹脂チューブ内へ向かう流れ用とその樹脂チューブ内から外筒CY内へ向かう流れ用とに共用される接続路、弁部材12の切込み12aの周辺部がその接続路に設けられた弁体、弁部材12の切込み12aの周辺部に加わる圧力と弁部材12自体の弾性力とが弁体付勢手段を構成する。
図12(d)は、図12(a)に示す実施形態のアンチフリーフローバルブの一変形例を示す斜視図であり、この変形例では、液体容器としての外筒CY内から筒先Nに接続された液体通路としての図示しない樹脂チューブ内へ向かう流れ用の接続路として、注射器の外筒CYの先端部内で筒先Nに隣接する位置に液密に配置された略円盤状の基部材1に貫通孔1iが設けられ、その外筒CY内から樹脂チューブ内へ向かう流れ用の接続路を開閉する弁体として、弁板5がその一端部を基部材1に弾性的に揺動可能に支持されて設けられている。
また、この変形例では、もう一方の樹脂チューブ内から外筒CY内へ向かう流れ用の接続路として、基部材1の貫通孔1iを塞ぐ弁板5の中央部に、弁板5の両表面間を貫通する切込み5aが設けられている。
この変形例のアンチフリーフローバルブによれば、注射器を器具台上等に載置しておいて、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がる樹脂チューブ内の圧力が大気圧よりも低い陰圧になっても、その陰圧が弁板5の中央部の切込み5a周辺部を撓ませる所定レベル以上にならなければ、切込み5aが開かず、弁板5も貫通孔1iを塞いでいるので、注射器の外筒CY内から樹脂チューブ内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
また、注射器内から患者の体内への薬液の注入の際には、図12(a)に示す実施形態におけると同様に切込み5aの周辺部が弾性的に撓んで切込み5aが開き、その切込み5aを通る薬液の通流を可能にする。一方、薬液瓶内から注射器内への薬液の吸い出しの際には、弁板5が弾性的に揺動して貫通孔1iを大きく開き、薬液を通流させるので、図12(a)に示す実施形態におけるよりも容易かつ円滑にその吸出しを行うことができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば上記各実施形態の方法では、何れも弁体付勢手段が弁体自体の弾性力を含んでいるが、弁体自体は容易に変形可能な軟質のものであれば足り、弁体付勢手段がその弁体を付勢して接続路を開閉させればよい。
また、上記各実施形態の方法では、弁体付勢手段が弁体を押圧する気体や薬液の圧を含んでいる場合があるが、この圧力に代えて、もしくは加えて、スプリング等の別途の弾性部材を設けて弁体を押圧するようにしてもよい。そして、上記各実施形態の方法では、主に薬液が通流する流路に用いる場合を説明したが、この発明のアンチフリーフローバルブは薬液だけでなく、生理食塩水等の水や血液等の液体が通流する流路に用いることもできる。
かくしてこの発明のアンチフリーフローバルブによれば、例えば注射器の押し子の押し込み操作や薬液パックの高位置への配置等により、それらの液体容器内の圧力が、例えば患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がるチューブ等の液体通路内の圧力よりも所定量以上高くなると、接続路を開放して液体容器内から液体を患者の体内に流入させ、その一方、注射器や薬液パック等の液体容器を器具台上等に載置しておくことによるその液体容器内の圧力と、患者の静脈血管に刺し込まれている静注針に繋がるチューブ等の液体通路内の圧力との圧力差が所定量未満であれば、接続路を閉じた状態を維持して液体容器内から液体通路内ひいては患者の体内への意図しない液体の流入を阻止することができる。
また、例えば液体容器としての注射器と、例えば薬液瓶等の口栓に刺し込まれた注射針に繋がる液体通路としてのチューブとが接続路で接続されている場合に、注射器の押し子の引き戻し操作により注射器の外筒内の圧力が大気圧より低い陰圧になって、注射針に繋がるチューブ内の圧力が相対的に注射器の外筒内の圧力よりも所定量以上高くなると、接続路を開放してチューブ内ひいては薬液瓶内等から注射器の外筒内へ薬液を通流させるので、薬液瓶内等から注射器内に薬液を吸い出すことができる。さらに、弁体を構成する弾性膜や弁板等の部材の材料や寸法も、必要に応じて適宜変更することができる。
1 基部材
1a 先端面
1b 後端面
1c 先端凹部
1d 平坦面
1e 後端凹部
1f 底面
1g 第1溝
1h 貫通孔
1i 貫通孔
2 蓋部材
2a 内側面
2b 第2溝
2c 外側面
2d 貫通孔
2e 皿状部材収容孔
3 弁部材
3a 貫通孔
3b 切欠部
4 皿状部材
4a 円形凹部
5 弁板
5a 切込み
6 基部筒
6a 大径部
6b 小径部
6c 基部貫通孔
7 シールチューブ
8 支持筒
8a 仕切り
8b,8c 支持筒貫通孔
9 筒体
10 支持軸
10a 大径部
10b 細径部
10c 貫通孔
11 弁座部材
11a 溝
11b 仕切り
12 弁部材
12a 切込み
13 スペーサ
Ac 空気室
C 軸線
Cc 接続室
Cp 接続路
CY 外筒
Em 弾性膜
Em2 第2の弾性膜
Fc 第1室
Lp 下方の通路
Pc,Pp,Pv 圧力
Pr 基準圧力
Rc 基準圧力室
Sc 第2室
Sp 側方の通路
T 樹脂チューブ
TS 先端面
Vc 弁室
Vp,Vv,Vcp,Vvp 弁体
Up 上方の通路

Claims (10)

  1. 液体容器と液体通路との間に介装されるアンチフリーフローバルブにおいて、
    前記液体容器と前記液体通路とを接続する接続路と、
    前記接続路を開閉する弁体と、
    前記液体容器内と前記液体通路内との圧力差が所定量未満の場合は前記液体容器内と前記液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも前記接続路を閉止してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を阻止し、前記液体容器内と前記液体通路内との圧力差が所定量以上の場合は前記液体容器内と前記液体通路内との何れの側の圧力が他方の側の圧力より高い場合でも前記接続路を開放してその圧力の高い側から他方の側への液体の通流を許容するように前記弁体を付勢する弁体付勢手段と、
    を具えることを特徴とするアンチフリーフローバルブ。
  2. 前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とで別個に設けられ、
    前記弁体および前記弁体付勢手段はそれらの接続路にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1記載のアンチフリーフローバルブ。
  3. 前記弁体付勢手段が前記弁体を開放する圧力差の前記所定量は、前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とで別個に設定されていることを特徴とする、請求項1または2記載のアンチフリーフローバルブ。
  4. 前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とに共用される軟質筒体の内部により画成され、
    前記弁体は前記軟質筒体からなり、
    前記弁体付勢手段は少なくとも前記軟質筒体を外側から押圧することにより前記接続路を閉止するものであることを特徴とする、請求項1記載のアンチフリーフローバルブ。
  5. 前記弁体付勢手段は前記軟質筒体を外側から半径方向内方へ押圧することにより縮径させて前記接続路を閉止するものであることを特徴とする、請求項4記載のアンチフリーフローバルブ。
  6. 前記接続路は前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用と前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用とに共用される弾性板が有する切込みにより画成され、
    前記弁体は前記弾性板の前記切込みの周辺部からなり、
    前記弁体付勢手段は少なくとも前記弾性板自体を含むことを特徴とする、請求項1記載のアンチフリーフローバルブ。
  7. 前記液体通路から前記液体容器へ向かう流れ用の前記接続路には、その接続路を開閉する前記弁体として弾性板が設けられ、
    前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用の前記接続路は、前記弾性板が有する切込みにより画成され、
    前記液体容器から前記液体通路へ向かう流れ用の前記接続路を開閉する前記弁体は、前記弾性板の前記切込みの周辺部からなり、
    前記弁体付勢手段は少なくとも前記弾性板自体を含むことを特徴とする、請求項2または3記載のアンチフリーフローバルブ。
  8. 前記接続路は注射器の外筒先端部内に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項または請求項6もしくは7記載のアンチフリーフローバルブ。
  9. 前記接続路は注射器の筒先内に配置されていることを特徴とする、請求項4または5記載のアンチフリーフローバルブ。
  10. 前記接続路は静注針と注射器または薬液パックとを繋ぐチューブの途中に配置されていることを特徴とする、請求項1から7までの何れか1項記載のアンチフリーフローバルブ。
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