JP2017054036A - 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材を提供する。
【解決手段】帯電ロール121Aは、表面に軸方向に交差する方向に沿って延び、前記軸方向に沿う方向に距離Pをもって設けられた凸部40を有し、該凸部40は、高さHが10μm以上30μm以下であり、幅Wが0.1mm以上1mm以下であり、隣り合う凸部40どうしの距離Pが1mm以上5mm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、先ず、無機又は有機材料からなる光導電性感光体からなる像保持体の表面に帯電装置を用いて帯電し、潜像を形成した後、帯電したトナーで潜像を現像して可視化したトナー像を形成する。そして、該トナー像を、中間転写体を介するか、又は直接、記録紙等の記録媒体に転写し、記録媒体に定着することにより目的とする画像を形成する。
例えば、特許文献1には、「芯金と、該芯金の外周面上に形成された導電性弾性体層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電ローラにおいて、該表面層の平均膜厚が150nm以上600nm以下であり、かつ該表面層の最小膜厚及び最大膜厚が該表面層の平均膜厚に対してそれぞれ−50nm以上及び+100nm以下であり,更に該表面層の外周面粗さが、走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上8μm以下である」帯電部材が開示されている。
特開2007−225995号公報
本発明の課題は、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の帯電装置に適用される帯電部材において、帯電部材の表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた、凸部の高さが10μm未満若しくは30μmを超える場合、凸部の幅が0.1mm未満若しくは1mmを超える場合、又は間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうしの距離が1mm未満若しくは5mmを超える場合に比べ、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、前記軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた凸部を有し、前記凸部は、高さが10μm以上30μm以下であり、幅が0.1mm以上1mm以下であり、間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうしの距離が1mm以上5mm以下である帯電部材である。
請求項2に係る発明は、
前記凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、前記凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比が、100≧ρv凸部/ρv凸部の下部≧10である請求項1に記載の帯電部材である。
請求項3に係る発明は、
前記凸部を構成する材料、及び前記凸部の下部を構成する部材の材料は、導電剤を含み、前記凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の含有量)と、前記凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の下部の含有量)との比が8≧凸部の下部の含有量/凸部の含有量≧2である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材である。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を備える帯電装置である。
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材が、前記像保持体の表面に接触して配置されており、直流電圧のみを印加して、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材が、前記像保持体の表面に接触して配置されており、直流電圧のみを印加して、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
前記像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を有さない請求項6記載の画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の帯電装置に適用される帯電部材において、帯電部材の表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、前記軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた凸部の高さが10μm未満若しくは30μmを超える場合、凸部の幅が0.1mm未満若しくは1mmを超える場合、又は間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうしの距離が1mm未満若しくは5mmを超える場合に比べ、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、前記凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比(ρv凸部/ρv凸部の下部)が、10未満、又は100を超える場合に比べ、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、凸部を構成する材料に含まれる導電剤の量(凸部の含有量)と、凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の量(凸部の下部の含有量)との比(凸部の下部の含有量/凸部の含有量)が、2未満、又は8を超える場合に比べ、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材が提供される。
請求項4、5、又は6に係る発明によれば、帯電部材の表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、前記軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた凸部の高さが10μm未満若しくは30μmを超える場合、凸部の幅が0.1mm未満若しくは1mmを超える場合、又は間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうしの距離が1mm未満若しくは5mmを超える帯電部材を備える場合に比べ、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される帯電部材を備える帯電装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、画像形成装置が、像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を有する場合に比べて、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る帯電部材を示す概略平面図である。 本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。 本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。 本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<帯電部材>
本実施形態の帯電部材は、帯電部材の表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた凸部を有する。そして、この凸部の高さは10μm以上30μm以下であり、凸部の幅は0.1mm以上1mm以下であり、間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうし(以下、単に「隣り合う凸部どうし」と称することがある)の距離が1mm以上5mm以下である。
本実施形態に係る帯電部材は、上記構成により、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
例えば、帯電装置が、直流電圧のみを印加する接触帯電方式の帯電装置である場合、放電は、きっかけとなる一つの電子が基となり、その電子が帯電部材と感光体(像保持体の一例)との接触部の周囲において、帯電部材と感光体との軸方向に沿う方向(以下、単に「軸方向」とも称する)に伝播し、帯電部材と感光体との接触部の周囲に電界が生じることによって発生すると考えられている。
ここで、異常放電は、電帯部材と感光体との接触部の周囲に生じる電界の電界強度が高すぎる場合に発生する。異常放電が発生する場合も通常の放電と同様に、きっかけとなる一つの電子が基となって、その電子が軸方向に伝播すると考えられ、電子が軸方向に伝播すると、異常放電が軸方向にわたって筋状に発生する。そして、筋状に異常放電が発生した部分は、帯電部材と感光体との接触部の周囲に生じる電界の電界強度が高すぎるために、感光体表面に帯電する帯電量が過剰となり、感光体表面の摩耗率が増大し易くなる。
これに対して、帯電部材の表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、軸方向に沿う方向に間隔をもって凸部を設け、帯電部材と感光体との接触部の周囲における帯電部材と感光体との距離を不連続にすることで、上記のきっかけとなる電子の軸方向への伝播を抑制し易くなると考えられる。そして、帯電部材と感光体との接触部の周囲において、電子が軸方向に伝播することが抑制され易くなると、異常放電が軸方向にわたって筋状に伝播することが抑制され易くなり、結果として、感光体表面の摩耗率の増大が抑制される。
ただし、帯電部材の表面に設ける凸部の大きさ(高さ、幅、及び、隣り合う凸部どうしの距離)によっては、感光体の摩耗率の増大が抑制されたとしても、画像濃度の低い画像(ハーフトーン画像)を形成した場合の画像濃度ムラが発生し易く、一方で、画像濃度ムラの発生が抑制されたとしても、感光体の摩耗率が増大し易いことが分かってきた。例えば、凸部の高さが低すぎる(10μm未満)、幅が広すぎる(1mm超)、又は隣り合う凸部どうしの距離が広すぎる(5mm超)場合には、帯電部材と感光体との軸方向における距離を不連続にする効果が低下し易く、摩耗率の増大を抑制し難い。一方、凸部の高さが高すぎる(30μm超)、幅が狭すぎる(0.1mm未満)、又は隣り合う凸部どうしの距離が狭すぎる(1mm未満)場合には、帯電部材と像保持体との接触幅(ニップ幅)にムラが発生し易くなることで、帯電ムラが発生し易くなり、その結果として、画像濃度ムラが発生し易くなる。
したがって、本実施形態に係る帯電部材では、帯電部材の表面に、上記範囲の特定の大きさ(高さ、幅、及び、隣り合う凸部どうしの距離)の凸部を設け、帯電部材と感光体との接触部の周囲における帯電部材と感光体との距離を不連続にすることで、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制される。
以上の理由により、本実施形態の帯電部材は、画像濃度ムラの発生が抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大が抑制されると推測される。
以下、本実施形態に係る帯電部材ついて、図面を参照しつつ、説明する。
図1(A)、及び図1(B)は、本実施形態に係る帯電部材を示す概略平面図である。
本実施形態に係る帯電部材は、図1(A)、及び図1(B)に示すように、例えば、円筒状または円柱状の導電性基材30(シャフト)と、導電性基材30の表面(外周面)に配置された弾性層31を有し、弾性層31上には、弾性層31の表面(外周面)に、軸方向に交差する方向に延び、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けた多数の凸部40が配置されたロール部材である。
図1(A)に示す凸部40は、弾性層31の表面(外周面)に、帯電部材121Aの軸方向に対して垂直に沿う方向(周方向に沿う方向)に延びており、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられている。また、図1(B)に示す凸部40は、帯電部材121Bの軸方向に対して斜めに交差する方向に、らせん状に延びており、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられている。
なお、本実施形態において、導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ωcm以下であることを意味する。
図2は、本実施形態に係る帯電部材の軸方向における概略断面図である。なお、図2は、図1(A)の軸方向における断面図を示している。
図2に示すように、軸方向に沿う方向に間隔をもって設けた多数の凸部40には、凸部40Aと、凸部40Aに隣り合う凸部40Bとの間に間隔を有しており、凹部42が形成されている。
ここで、図2に示すように、本実施形態において、凸部40の高さHは、凸部40の最下点(凹部42の底面43)から、凸部40の頂点(凸部の頂面41)までの距離を示す。凸部40の幅Wは、凸部40の一方の側面から他方の側面までの最大距離(つまり、凸部40の側面間の最大幅)を示す。隣り合う凸部どうしの距離Pは、凸部40Aの頂面41における一方の側面から他方の側面までの距離の中心点から、凸部40Aに隣り合う凸部40Bの頂面41における一方の側面から他方の側面までの距離の中心点までの距離を示す。
また、本実施形態に係る帯電部材は、上記構成に限られず、例えば、図3の(A)乃至(D)に示すような構造であってもよい。図3は、本実施形態に係る帯電部材の軸方向における概略断面図である。本実施形態に係る帯電部材は、図3(A)に示すように、導電性基材30と、弾性層31と、弾性層31の表面に配置された表面層32であって、凸部40を表面に持つ表面層32と、を有する構造である帯電部材121C;図3(B)に示すように、導電性基材30と、弾性層31と、表面層32とを有し、表面層32の表面に配置された凸部40と、を有する構造である帯電部材121D;図3(C)に示すように、導電性基材30と、導電性基材30の表面に配置された弾性層31であって、凸部40を表面に持つ弾性層31と、を有する構造である帯電部材121E;図3(D)に示されるように、導電性基材30と、導電性基材30の表面に配置された弾性層31であって、凸部31Aを表面に持つ弾性層31と、凸部31Aに沿って設けた表面層32とを有し、凸部31Aと表面層32とを含む凸部40が形成された構造である帯電部材121Fであってもよい。
なお、本実施形態に係る帯電部材121A乃至121Fは、弾性層31と導電性基材30との間に配置される不図示の中間層(例えば接着層)、弾性層31と表面層32との間に配置される不図示の抵抗調整層又は移行防止層を設けた構成であってもよい。また、導電性基材30の表面に、凸部40が配置された構造であってもよい。
以下、本実施形態に係る帯電部材の構成の詳細について説明する。なお、以下の説明において、符号は省略して説明する。
(凸部)
まず、凸部について説明する。
凸部は、高さが10μm以上30μm以下であり、幅が0.1mm以上1mm以下であり、隣り合う凸部どうしの距離が1mm以上5mm以下である。
画像濃度ムラの発生がより抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大がより抑制される点で、凸部の高さ、幅、及び隣り合う凸部どうしの距離は、次の範囲であることが好ましい。
凸部の高さは、15μm以上25μm以下が好ましく、17μm以上22μm以下がより好ましい。
凸部の幅は、0.2mm以上0.7mm以下が好ましく、0.3mm以上0.5mm以下がより好ましい。
隣り合う凸部どうしの距離は、2mm以上4mm以下が好ましく、2.5mm以上3mm以下がより好ましい。
また、同様の点で、帯電部材の軸方向と、軸方向に交差する凸部とのなす角度(帯電部材の軸方向に対する軸方向に交差する凸部のなす角度)は、30°以上90°以下(鋭角)であることが好ましく、65°以上90°以下(鋭角)であることがより好ましい。
ここで、帯電部材の軸方向と軸方向に交差する凸部とのなす角度とは、帯電部材を軸方向で切り取った断面において、凸部の下部を構成する部材の表面と、凸部の下部を構成する部材上に接して設けられた凸部の側壁面との間でなす角度を表す。例えば、凸部の側壁面が平面である場合、凸部の下部を構成する部材の表面と、凸部の側壁面との間でなす角度θを表す(図2参照)。また、凸部の側壁面が曲面である場合、凸部の下部を構成する部材の表面と、凸部の側壁面が凸部の下部を構成する部材と接触する点(境界)を通る接線との間でなす角度を表す(不図示)。
凸部の高さ、幅、及び隣り合う凸部どうしの距離の測定方法としては、測定対象となる帯電部材の凸部を含む断面を切り取って測定用試料とする。測定用試料を光学顕微鏡(キーエンス社製、VHX−200)により、倍率1000倍で観察し測定する。なお、測定値は、1か所の凸部について、高さ、幅、及び、隣り合う凸部どうしの距離の各々3か所ずつ測定し、凸部の10か所について、高さ、幅、及び、隣り合う凸部どうしの距離の各々測定する。そして、それらの平均値を算出して、高さ、幅、及び、隣り合う凸部どうしの距離を求める。
帯電部材の軸方向と、軸方向に交差する凸部とのなす角度の測定方法は、測定対象となる帯電部材を、凸部と、凸部の下部を構成する部材とを含むように切り取って測定用試料とする。測定用試料を光学顕微鏡(キーエンス社製、VHX−200)により、倍率1000倍で観察し、角度を測定する。
凸部を形成するための材料としては、例えば、樹脂が挙げられる。画像濃度ムラの発生がより抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大がより抑制される点で、導電剤を含有していることがよい。その他、必要に応じて、導電剤以外のその他の材料を添加してもよい。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等)が挙げられる。また、樹脂は、硬化性樹脂を硬化剤若しくは触媒により硬化又は架橋したものが好ましい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、のうちのいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体である。なお、共重合ナイロンには、6ナイロン、66ナイロン等の他の重合単位を含んでいてもよい。
これらの中でも、汚れ防止の観点から、樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、表面層の耐摩耗性、多孔質樹脂粒子の離脱抑制の点から、ポリアミド樹脂がより好ましい。
特に、ポリアミド樹脂としては、耐摩耗性等の点から、アルコキシメチル化ポリアミド(アルコキシメチル化ナイロン)が好ましく、より好ましくはメトキシメチル化ポリアミド(N−メトキシメチル化ナイロン)である。
なお、樹脂は、凸部の機械的強度を向上させ、凸部の割れの発生を抑制する点から、架橋構造を有していてもよい。
導電剤としては、電子導電性物質、イオン導電性物質が挙げられる。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の含有量は、凸部の目的とする特性が得られる範囲内であれば、特に制限はない。
具体的には、電子導電性物質の場合、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上90質量部以下であることが好ましい。
一方、イオン導電性物質の場合、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
導電剤以外のその他の材料としては、例えば、導電剤、充填剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
凸部の形成方法としては、特に限定されるものではない。例えば、塗布液を塗布して凸部を形成する場合、導電性基材(弾性層の外周面、表面層の外周面)上に、塗布液を塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を乾燥して形成する。塗布法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、フロー塗布法(らせん塗布法)、リング塗布法、ダイ塗布法、インクジェット塗布法等が挙げられる。
乾燥条件は、塗布液の組成に応じて決定されるが、乾燥温度としては、例えば、40℃以上200℃以下の範囲が挙げられる。乾燥時間は、例えば、5分以上5時間以下が挙げられる。乾燥手段としては、例えば、熱風乾燥などが挙げられる。
例えば、塗布液を塗布する方法により凸部を形成する方法としては、凸部の形成のし易さ等の点から、フロー塗布法を採用して凸部を形成することがよい。
フロー塗布法の一例としては、具体的に、例えば、弾性層が設けられた導電性基材の軸方向を水平に沿う方向にして、軸周りに回転させた状態で、流下装置を導電性基材の軸方向に移動させつつ、凸部形成用の塗布液を流下装置の先端から流下して弾性層の外周面に付着させる。次いで、弾性層の外周面に付着した塗布液に、板状部材(ブレード)を押し当てながら塗膜を形成する。板状部材(ブレード)を押し当てながら塗膜を形成する方法としては連続で押し当ててもよく、間欠で押し当ててもよい。
弾性層の外周面に付着した塗布液に板状部材を押し当てた圧力により、板状部材の脇から塗布液が溢れ出して隆起し、隆起した部分を有する塗膜が形成される。この塗膜を乾燥させることで、隆起した部分に対応する凸部が形成される。
なお、弾性層が設けられた導電性基材に塗布する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、弾性層が設けられた導電性基材を用い、弾性層の表面に表面層を設けた後、表面層の外周面に凸部を形成してもよい。この場合、フロー塗布法や、浸漬塗布法等の塗布法により、表面層を形成した後、フロー塗布法によって凸部を形成してもよい。また、表面層を形成するための塗膜を形成し、塗膜が乾燥しきらない状態(溶液の状態)のまま、凸部を形成するための塗膜を形成して乾燥し、凸部を形成する方法によって形成してもよい。
フロー塗布法によって、凸部の高さ、幅、及び隣り合う凸部どうしの距離を調整する方法としては、例えば、弾性層が設けられた(又は、弾性層の上に表面層が設けられた)導電性基材の軸を中心として回転させ、回転速度を変更することなく、流下装置、及び板状部材の移動速度を上昇させると、板状部材の脇から溢れることによって形成された隆起した部分の幅、及び間隔が広がる。一方で、回転速度を変更することなく、流下装置、及び板状部材の移動速度を低下させると、上記の隆起した部分の幅、及び間隔が狭くなる。また、塗布液に板状部材を押し当てるときの圧力を上昇させると、上記の隆起した部分の高さが高くなり、圧力を低下させると、上記の隆起した部分の高さが低くなる。つまり、凸部の高さ、幅、及び隣り合う凸部どうしの距離は、流下装置、及び板状部材の移動速度の調整、並びに塗布液に板状部材を押し当てるときの圧力の調整によって制御され得る。
上記では、凸部を形成する方法として、フロー塗布法による塗布法を挙げて説明したが、凸部を形成する方法は、塗布法による方法に限定されない。
例えば、弾性層上に表面層を設け、表面層の表面のみを切削することにより凸部を形成する方法;弾性層上に表面層を設け、弾性層と表面層とを切削することにより凸部を形成する方法;弾性層のみを設け、弾性層の表面を切削して凸部を形成する方法;等によって凸部を形成してもよい。
凸部が、弾性層上に設けた表面層のみを切削して形成した、表面層から形成される凸部である場合、凸部を形成するための材料は、後述する表面層を構成する材料と同じ組成の材料となり得る。また、凸部が、弾性層のみ設けられており、弾性層の表面を切削して形成した、弾性層から形成される凸部である場合、凸部を形成するための材料は、後述する弾性層を構成する材料と同じ組成の材料となり得る。
本実施形態の帯電部材は、画像濃度ムラの発生がより抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大がより抑制される点で、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)と、凸部の体積抵抗率(ρv凸部)との比が、100≧ρv凸部/ρv凸部の下部≧10であることが好ましい。より好ましくは、60≧ρv凸部/ρv凸部の下部≧20である。
この比が、100以下であることで、帯電ムラがより抑制され易くなり、画像濃度ムラの発生がより抑制され易い。また、この比が、10以上であることで、帯電部材と感光体との軸方向における抵抗率が不連続となることで、電子の軸方向への伝播が抑制され易くなり、像保持体の摩耗率の増大がより抑制され易くなる。
なお、凸部の下部を構成する部材とは、隣り合う凸部どうしの間に存在する凹部において、外周面側に向いている面(露出している面)を含んで構成している部材を表す。例えば、導電性基材上に弾性層が配置され、弾性層の表面(外周面)に凸部が形成された帯電部材であり、隣り合う凸部どうしの間で弾性層が露出している場合、弾性層は、凸部の下部を構成する部材に該当する(図2参照)。つまり、この態様の帯電部材において、上記の体積抵抗率の比(ρv凸部/ρv凸部の下部)は、凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、弾性層の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比になる。
また、導電性基材の表面(外周面)に弾性層が配置され、弾性層の表面(外周面)に表面層が配置され、表面層の表面(外周面)に凸部が形成され、隣り合う凸部どうしの間で表面層が露出している場合、表面層は、凸部の下部を構成する部材に該当する(図3(B)参照)。つまり、この態様の帯電部材において、上記の体積抵抗率の比(ρv凸部/ρv凸部の下部)は、凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、表面層の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比になる。
凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)とは、各々10Ωcm以上1014Ωcm以下であることが好ましい。
体積抵抗率は、次の方法により測定される値である。まず、測定対象となる帯電部材から、体積抵抗率測定用試料として、凸部測定用試料と、凸部の下部を構成する部材の測定用試料とを採取する。次に、それらの測定用試料に対し、JIS K 6911(1995)にしたがって、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した直流電圧のみを30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定用試料厚(cm))
凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比は、例えば、凸部を構成する材料、及び凸部の下部を構成する部材の材料として導電剤が含有されており、凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量、及び凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の含有量を、各々調整することで制御される。
例えば、導電性基材上に弾性層が配置され、弾性層の表面(外周面)に凸部が形成されている場合(図2参照)、弾性層に含有されている導電剤の量と、凸部に含有されている導電剤の量とを調整することで、上記の体積抵抗率の比が制御される。また、導電性基材の表面(外周面)に弾性層が配置され、弾性層の表面(外周面)に表面層が配置され、表面層の表面(外周面)に凸部が形成されている場合(図3(B)参照)、表面層に含有されている導電剤の量と、凸部に含有されている導電剤の量とを調整することで、上記の体積抵抗率の比が制御される。
なお、凸部を形成する材料と、凸部の下部を構成する部材の材料が同じである場合(図3(A)、図3(C)、及び図3(D)参照)は、凸部を形成する材料(例えば、表面層、又は弾性層)に含有される導電剤の含有量によって、体積抵抗率が制御され得る。
画像濃度ムラの発生がより抑制されるとともに、像保持体の摩耗率の増大がより抑制される点で、凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の含有量)と、凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の下部の含有量)との比が、8≧凸部の下部の含有量/凸部の含有量≧2であることが好ましい。また、同様の点で、5≧凸部の下部の含有量/凸部の含有量≧2.5であることがより好ましい。
例えば、導電性基材の表面(外周面)に弾性層が配置され、弾性層の表面(外周面)に表面層が配置され、表面層の表面(外周面)に凸部が配置された帯電部材である場合、凸部に含有される導電剤と、表面層に含有される導電剤との比が上記範囲であることが好ましい。
凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量と、凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤との比が上記範囲であると、前述の凸部の体積抵抗率ρv凸部と、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比が、100≧ρv凸部/ρv凸部の下部≧10を満たし易くなる。
凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の含有量)は、凸部の全体に対して、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。また、凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の含有量は、凸部の下部を構成する部材全体に対して、7質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
凸部を構成する材料に含有される導電剤の含有量(凸部の含有量)、及び凸部の下部を構成する部材の材料に含有される導電剤の含有量(凸部の下部の含有量)は次のように測定する。まず、測定対象となる帯電部材から、凸部を切り出して、凸部の含有量測定用試料を採取するとともに、凸部の下部を構成する部材を切り出して、凸部の下部の含有量測定用試料とを採取する。
次に、凸部の含有量測定用試料の断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)によるSEM画像を得る。そして、この測定用試料を走査型電子顕微鏡に付帯されたエネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDX装置)により、凸部の断面の元素分析を行い、マッピング処理によって、凸部を構成する材料に含有される導電剤の含有量(凸部の含有量)を測定する。凸部の下部を構成する部材の材料に含有される導電剤の含有量(凸部の下部の含有量)も同様に手順で測定する。凸部の含有量、及び凸部の下部の含有量は、それぞれの試料の3か所につき測定した平均値である。
以下、本実施形態に係る帯電部材の凸部以外の構成の詳細について説明する。
(基材)
基材は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するものであり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属又は合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;等が挙げられる。導電性基材としては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂、セラミック部材)等も挙げられる。基材は、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
(接着層)
接着層の材質としては、基材と弾性層とを接着し、導電性を有する組成物である公知の接着剤が挙げられる。この接着剤としては、例えば、電子導電剤を含有する樹脂組成物、導電性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。
(弾性層)
弾性層は、弾性材料を含む。さらに、導電剤を含むことが好ましい。弾性層は、必要に応じて、導電剤以外のその他の添加剤を含んでもよい。なお、弾性層は、抵抗調整層を兼ねていることがよい。
弾性材料としては、例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム、これらを混合したゴム等が挙げられる。
これらの弾性材料の中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、これらを混合したゴムが好ましい。
ゴム材料は、発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
導電剤としては、電子導電性物質、イオン導電性物質が挙げられる。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の含有量は、弾性層の目的とする特性が得られる範囲内であれば、特に制限はない。
具体的には、電子導電性物質の場合、導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上90質量部以下であることが好ましい。
一方、イオン導電性物質の場合、導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
弾性層におけるその他の添加剤としては、軟化剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
弾性層の厚みは、帯電ロールを適用する装置によって異なるが、例えば、1mm以上10mm以下がよく、好ましくは2mm以上5mm以下である。
弾性層の厚みは、次に示す方法により測定された値である。弾性層(帯電ロール)の軸方向両端20mm位置及び中央部の3か所を片刃ナイフで切り取り、切り取った試料の断面を5から50倍の厚みに応じて適切な倍率で観察して、膜厚を測定してその平均値とした。測定装置は、キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200を用いる。
弾性層の体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下の範囲であることが望ましい。なお、弾性層の体積抵抗率は、既述の体積抵抗率と同様の手順により測定された値である。
弾性層は、例えば、上記に挙げた各成分の混合物を混練りして弾性層形成用の組成物を調製し、クロスヘッドが備えられた押出成形機、射出成形機、プレス成形機等を用いて、前記導電性支持体上に該組成物を押し出し、加硫することで形成される。
(表面層)
帯電ロールは、必要に応じて、弾性層上に外周面を構成する表面層を設けてもよい。この表面層は、弾性層上に樹脂層等を独立して設けた態様であってもよいし、発泡した弾性層の表層部の気泡に樹脂等を含浸させて設けた態様(つまり、気泡に樹脂等が含浸した弾性層の表層部を表面層とした態様)であってもよい。
表面層を形成するための材料としては、例えば、樹脂が挙げられる。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等)が挙げられる。また、樹脂は、硬化性樹脂を硬化剤若しくは触媒により硬化又は架橋したものが好ましい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体である。なお、共重合ナイロンには、6ナイロン、66ナイロン等の他の重合単位を含んでいてもよい。
これらの中でも、汚れ防止の観点から、樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、表面層の耐摩耗性等の点から、ポリアミド樹脂がより好ましい。
特に、ポリアミド樹脂としては、表面層の耐摩耗性の点から、アルコキシメチル化ポリアミド(アルコキシメチル化ナイロン)が好ましく、より好ましくはメトキシメチル化ポリアミド(N−メトキシメチル化ナイロン)である。
なお、樹脂は、表面層の機械的強度を向上させ、表面層の割れの発生を抑制する点から、架橋構造を有していてもよい。
表面層を形成するためのその他の材料としては、例えば、さらに、導電剤を含むことがよい。また、必要に応じて、充填剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の通常表面層に添加され得る周知の添加剤が添加されていてもよい。
導電剤としては、電子導電性物質、イオン導電性物質が挙げられる。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層の厚みは、例えば、2μm以上25μm以下がよく、好ましくは3μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下であり、更に好ましくは5μm以上15μm以下である。
表面層の厚みは、次に示す方法により測定された値である。表面層(帯電ロール)の軸方向両端20mm位置及び中央部の3か所を片刃ナイフで切り取り、切り取った試料の断面を倍率1000倍で観察して、膜厚を測定してその平均値とした。測定装置は、キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200を用いる。
表面層の体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下の範囲であることが望ましい。なお、表面層の体積抵抗率は、既述の体積抵抗率と同様の手順により測定された値である。
表面層の形成方法としては特に限定されないが、例えば、表面層は、先立って形成した弾性層上に、表面層形成用の塗布液を塗布した後、加熱することで形成する。塗布を塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、フロー塗布法(らせん塗布法)、リング塗布法、ダイ塗布法、インクジェット塗布法等が挙げられる。
<帯電装置>
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。
図4は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。
本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材を備える。そして、帯電部材として、上記本実施形態に係る帯電部材が適用される。
具体的には、本実施形態に係る帯電装置12は、図4に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触して配置されている。そして、帯電部材121の導電性基材およびクリーニング部材122の基材122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように導電性軸受け123(導電性ベアリング)で保持されている。導電性軸受け123の一方には電源124が接続されている。
なお、本実施形態に係る帯電装置12は、上記構成に限られず、例えば、クリーニング部材122を備えない形態であってもよい。
ここで、本実施形態に係る帯電装置12は、帯電部材121に、直流電圧のみを印加して、被帯電体(例えば像保持体)の表面を帯電する接触帯電方式の帯電装置であることがよい。印加する電圧は、要求される被帯電体(例えば像保持体)の帯電電位に応じて、例えば、正又は負の50V以上2000V以下がよい。
なお、本実施形態に係る帯電装置12は、帯電部材121に、直流電圧のみを印加して、被帯電体(例えば像保持体)の表面を帯電する接触方式の帯電装置である。
クリーニング部材122は、帯電部材121の表面を清掃するための清掃部材であり、例えば、ロール状で構成されている。クリーニング部材122は、例えば、円筒状または円柱状の基材122Aと、基材122Aの外周面に弾性層122Bと、で構成される。
基材122Aは、導電性の棒状部材であり、その材質は例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、基材122Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。基材122Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
弾性層122Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、内部や表面に空洞や凹凸部(以下、セルという。)が存在し、弾性を有していることがよい。弾性層122Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミンまたはポリプロピレン、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーン、ニトリル、等の発泡性の樹脂材料またはゴム材料を含んで構成される。
これらの発泡性の樹脂材料またはゴム材料のなかでも、帯電部材121との従動摺擦によりトナーや外添剤などの異物を効率的にクリーニングすると同時に、帯電部材121の表面にクリーニング部材122の擦れによるキズをつけ難くするために、また、長期にわたり千切れや破損が生じ難くするために、引き裂き、引っ張り強さなどに強いポリウレタンが特に好適に適用される。
ポリウレタンとしては、特に限定するものではなく、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなど)と、イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなど)の反応物が挙げられ、これらの鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど)による反応物であってもよい。なお、ポリウレタンは、発泡剤(水やアゾ化合物(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)を用いて発泡させるのが一般的である。
弾性層122Bのセル数としては、20/25mm以上80/25mm以下であることが望ましく、30/25mm以上80/25mm以下であることがさらに望ましく、30/25mm以上50/25mm以下であることが特に望ましい。
弾性層122Bの硬さとしては、100N以上500N以下が望ましく100N以上400N以下がさらに望ましく、150N以上400N以下が特に望ましい。
導電性軸受け123は、帯電部材121とクリーニング部材122とを一体で回転自在に保持すると共に、当該部材同士の軸間距離を保持する部材である。導電性軸受け123は、導電性を有する材料で製造されていればいかなる材料および形態でもよく、例えば、導電性のベアリングや導電性の滑り軸受けなどが適用される。
電源124は、導電性軸受け123へ電圧を印加することにより帯電部材121とクリーニング部材122とを同極性に帯電させる装置であり、公知の高圧電源装置が用いられる。
本実施形態に係る帯電装置12では、例えば、電源124から導電性軸受け123に電圧が印加されることで、帯電部材121とクリーニング部材122とが同極性に帯電する。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
以下、本実施形態に係る画像形成装置、プロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面における電荷を除電する除電装置を有さないことが、像保持体の摩耗がより抑制され易くなる点で好適である。
なお、画像形成装置が中間転写方式の場合、除電装置を有さないとは、少なくとも一次転写手段によってトナー像が中間転写体に転写された後、帯電装置によって感光体の表面が帯電される前に、感光体の表面を除電する除電装置を有さないことを示す。
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば、上記構成の画像形成装置に着脱され、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、例えば、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、および像保持体表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
ここで、帯電装置の帯電部材は、像保持体に接触して配置されている。つまり、帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置として、画像形成装置およびプロセスカートリッジに備えられている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置、およびプロセスカートリッジについて図面を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図6は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図5に示すように、像保持体10を備え、その周囲に、像保持体の表面を帯電する帯電装置12と、帯電装置12により帯電された像保持体10を露光して潜像を形成する露光装置14と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、現像装置16により形成したトナー像を記録媒体Mに転写する転写装置18と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を備える。また、転写装置18により記録媒体Mに転写されたトナー像を定着する定着装置22を備える。
そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、帯電装置12として、例えば、帯電部材121と、帯電部材121に接触配置されたクリーニング部材122と、帯電部材121およびクリーニング部材122の軸方向両端を各部材が回転自在となるように保持する導電性軸受け123(導電性ベアリング)と、導電性軸受け123の一方に接続された電源124と、が配設された、上記本実施形態に係る帯電装置が適用されている。
なお、図5に示す画像形成装置101は、像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を備えない画像形成装置である。
一方、本実施形態の画像形成装置101は、帯電装置12(帯電部材121)以外の構成については、従来から電子写真方式の画像形成装置の各構成として公知の構成が適用される。以下、各構成の一例につき説明する。
像保持体10は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、像保持体10は、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、いわゆる機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。像保持体の摩耗率の増大がより抑制されるとともに、画像濃度ムラがより抑制される点で、電荷輸送性を有する表面層の合計の厚みが、24μm以上50μm以下であることが好ましく、25μm以上38μm以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、28μm以上35μm以下である。
また、像保持体10は、その表面層が電荷輸送性を有し架橋構造を有する保護層で被覆されているものも好適に適用される。この保護層の架橋成分としてシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂で構成された感光体も好適に適用される。
露光装置14としては、例えば、レーザ光学系やLEDアレイ等が適用される。
現像装置16は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体10に接触させて、像保持体10の表面の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置である。現像装置16の現像方式は、既知の方式として二成分現像剤による現像方式が好適に適用される。この二成分現像剤による現像方式には、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。
転写装置18としては、例えば、コロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Mを介して導電性の転写ロールを像保持体10に接触させ記録媒体Mにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
クリーニング装置20は、例えば、クリーニングブレードを像保持体10の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。クリーニング装置20としては、クリーニングブレード以外にクリーニングブラシ、クリーニングロール等を適用してもよい。
定着装置22としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好適に適用される。加熱定着装置は、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層または耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し特定の接触圧で接触して配置され、円筒状芯金の外周面またはベルト状基材表面に耐熱弾性層を形成した加圧ローラまたは加圧ベルトと、で構成される。未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ローラと加圧ローラまたは加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Mを通過させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、図6に示すように、上記図5に示す画像形成装置において、露光のための開口部24A、および取り付けレール24Cが備えられた筐体24により、像保持体10と、像保持体を帯電する帯電装置12と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を一体的に組み合わせて保持して構成したプロセスカートリッジ102である。そして、プロセスカートリッジ102は、上記図5に示す画像形成装置101に着脱自在に装着されている。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<実施例1>
−弾性層の形成−
・ゴム材料 100質量部
(エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、Gechron3106、日本ゼオン社製)
・導電剤 6質量部
(カーボンブラック、アサヒサーマル:旭カーボン社製)
・導電剤 5質量部
(ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)
・イオン導電剤 1質量部(過塩素酸リチウム)
・加硫剤 1質量部(硫黄 200メッシュ、鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤 2.0質量部(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤 0.5質量部(ノクセラーTT、大内新興化学工業社製)
・加硫促進助剤 3質量部(酸化亜鉛 酸化亜鉛1種、正同化学工業社製)
・ステアリン酸 1.5質量部
上記に示した組成の混合物をオープンロールで混練りし、SUS303により形成された直径8mmの導電性基材(金属シャフト)の表面に接着層を介してプレス成形機を用いて直径15mmのロール状の弾性層を形成した。その後、弾性層を研磨して、弾性層を得た。
−表面層の形成−
・樹脂 100質量部
(N−メトキシメチル化ナイロン:F30K、ナガセケムテックス社製)
・導電剤 20質量部
(カーボンブラック、商品名:MONAHRCH1000、キャボット社製)
上記組成の混合物をメタノールで希釈し、ビーズミルにて分散して得られた分散液を、前記弾性層の表面に、フロー塗布法にて塗布した。このとき、塗布装置の回転部の回転数を1000rpmに、流下装置の移動速度を43mm/secに設定した。また、塗布装置の板状部材の圧力を4×10−4N/mmに設定した。浸漬塗布した後、130℃で30分間加熱乾燥して溶剤を除去し、表面層を形成した。
−凸部の形成−
・樹脂 100質量部
(N−メトキシメチル化ナイロン:F30K、ナガセケムテックス社製)
・導電剤 3質量部
(カーボンブラック、商品名:MONAHRCH1000、キャボット社製)
上記組成の混合物をメタノールで希釈し、ビーズミルにて分散して得られた分散液を、表面層の外周面に、フロー塗布法にて塗布した。このとき、塗布装置の回転部の回転数を1000rpmに、流下装置の移動速度を43mm/secに設定した。また、塗布装置の板状部材の圧力を1×10−4N/mmに設定した。
得られた塗布膜を130℃で30分間加熱乾燥して溶剤を除去し、表面層の外周面に凸部を形成した。これにより、実施例1の帯電部材(帯電ロール)を得た。
<実施例2、3>
表1に従って、凸部を構成する組成において、表面層に含有させる導電剤の量、及び凸部に含有させる導電剤の量を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の帯電部材(帯電ロール)を得た。
<実施例4〜9、比較例1〜6>
凸部の形成において、表2に記載の凸部を形成するように、フロー塗布法の塗布条件(流下装置の移動速度、板状部材の圧力)を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の帯電部材(帯電ロール)を得た。
表1中の実施例1〜9、比較例1〜6において、「凸部の下部」は、表面層が該当する。
−感光体の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学工業社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理を施した酸化亜鉛粒子を得た。
この表面処理を施した酸化亜鉛粒子:60質量部と、アリザリン:0.6質量部と、硬化剤:ブロック化イソシアネート(スミジュール3175:住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレック BM−1:積水化学工業社製):15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液:38質量部と、メチルエチルケトン:25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてのジオクチルスズジラウレート:0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):4.0質量部と、を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ24μmの下引層を得た。
次に、形成された下引層上に、以下のようにして感光層(電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有する感光層)を形成した。
まず、電荷発生材料としての、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部と、酢酸n−ブチル200質量部と、からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、酢酸n−ブチル175質量部と、メチルエチルケトン180質量部と、を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。
この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(22℃)で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子1質量部と、フッ素系グラフトポリマー0.02質量部と、テトラヒドロフラン5質量部と、トルエン2質量部と、を十分攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。
次に、電荷輸送材料としてのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)6質量部と、テトラヒドロフラン23質量部と、をトルエン10質量部に混合溶解した後、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、400Kgf/cm(3.92×10−1Pa)まで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を得た。さらに、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚32μmの電荷輸送層を形成した。
以上により、下引層上に、電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する感光体1を得た。
<評価>
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)について、次の評価を行った。評価結果は表2に示す。
(凸部の高さ、幅、隣り合う凸部どうしの距離)
得られた凸部の高さ、幅、隣り合う凸部どうしの距離は、既述の方法により求めた。
(体積抵抗率の比の評価)
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)について、既述の方法によって測定した、凸部の体積抵抗率と、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率との比(ρv凸部/ρv凸部の下部)を算出した。
(画像濃度の評価、摩耗率の評価)
画像濃度の評価、及び、摩耗率の評価を下記の画像形成装置により行った。
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)を画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre SC2021 CPS)のプロセスカートリッジに装着した。そして、このプロセスカートリッジを画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre SC2021 CPS)に装着した。また、この画像形成装置に、上記で作製した感光体1を装着した。なお、この画像形成装置は、感光体への帯電方式が、帯電部材に直流電圧のみを印加して、感光体の表面を帯電する直流接触帯電方式である。
−画像濃度の評価−
温度23℃、湿度50%RHの環境下で、A4用紙上に画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を10枚連続出力した。出力したベタ画像に対して、画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)によりランダムに10点測定し、測定された濃度の最大値と最小値の差である画像濃度差を求め、画像濃度ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。
・画像濃度ムラの評価基準
A(○):画像濃度差が0.2以下
B(△):画像濃度差が0.2超0.3以下
C(×):画像濃度差が0.3超
−摩耗率の評価−
10℃、15%RHの環境下において、黒色の画像濃度10%ハーフトーン画像を5万枚連続出力して摩耗率の評価を行った。
50000枚連続出力終了後における、感光体の断面を電子顕微鏡で観察することにより、電荷輸送層の総膜厚を測定して摩耗量を求め、摩耗量を感光体のサイクル数(感光体1回転を1サイクル)で正規化し、摩耗率を算出した。そして、下記評価基準により、摩耗率の評価を行った。なお、nm/Kcycは、感光体の1000回転あたりの摩耗量を表す。
・摩耗率の評価基準
A(◎):10nm/Kcyc以下
B(○):10nm/Kcyc超20nm/Kcyc以下
C(△):20nm/Kcyc超30nm/Kcyc以下
D(×):30nm/Kcyc超
・表2において、「高さH」は凸部の高さ、「幅W」は、凸部の幅、及び「距離P」は隣り合う凸部どうしの距離を表す。
・「ρv凸部/ρv凸部の下部」は、凸部の体積抵抗率と、凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率との比を表す。
・「ρv凸部」は、凸部の頂面に直流電圧のみを印加したときの体積抵抗率を表す。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画像濃度の評価、及び感光体摩耗率の評価の結果が良好であることが分かる。
10 像保持体、12 帯電装置、14 露光装置、16 現像装置、18 転写装置、20 クリーニング装置、22 定着装置、24 筐体、24A 開口部、24C 取り付けレール、30基材、31 弾性層、32 表面層、40 凸部、101 画像形成装置、102 プロセスカートリッジ、121 帯電部材、122 クリーニング部材、123 導電性軸受け、122A 基材、122B 弾性層、124 電源

Claims (7)

  1. 表面に、軸方向に交差する方向に沿って延び、前記軸方向に沿う方向に間隔をもって設けられた凸部を有し、前記凸部は、高さが10μm以上30μm以下であり、幅が0.1mm以上1mm以下であり、間隔をもって設けられた隣り合う凸部どうしの距離が1mm以上5mm以下である帯電部材。
  2. 前記凸部の体積抵抗率(ρv凸部)と、前記凸部の下部を構成する部材の体積抵抗率(ρv凸部の下部)との比が、100≧ρv凸部/ρv凸部の下部≧10である請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記凸部を構成する材料、及び前記凸部の下部を構成する部材の材料は、導電剤を含み、前記凸部を構成する材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の含有量)と、前記凸部の下部を構成する部材の材料に含まれる導電剤の含有量(凸部の下部の含有量)との比が、8≧凸部の下部の含有量/凸部の含有量≧2である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を備える帯電装置。
  5. 像保持体と、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材が、前記像保持体の表面に接触して配置されており、直流電圧のみを印加して、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
    を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材が、前記像保持体の表面に接触して配置されており、直流電圧のみを印加して、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  7. 前記像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を有さない請求項6記載の画像形成装置。
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