JP2017053443A - 車両制御装置 - Google Patents

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亮 松本
岳 湯本
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Abstract

【課題】必要以上に走行駆動力源の出力トルクを制限することなく、且つデファレンシャル装置のリングギヤとデフケースとを締結しているボルトの緩みを防止する。【解決手段】自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際に、その切り替り前の入力トルクが所定値を超えており、且つその切り替り後の入力トルクが所定値を超えている場合に、カウンタのカウント値をカウントアップする。カウンタのカウント値が所定値に達した以後における前進レンジと後進レンジとの間での切り替え時には、エンジンの出力トルクを低減する制御を行う。これにより、前記カウント値が所定値に達するまではエンジンの出力トルクを制限しないことで高い走行性能を得る。カウント値が所定値に達した後には、ボルトの緩みを防止する。【選択図】図4

Description

本発明は車両制御装置に係る。特に、本発明は自動変速機のレンジ切り替え時における走行駆動力源の出力トルクの制御に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、自動変速機を搭載した車両において、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合に、エンジントルクを一時的に絞ることが提案されている。
特開2009−264128号公報
ところで、車両の動力伝達系に備えられているデファレンシャル装置は、リングギヤ(デフドリブンギヤとも呼ばれる)とデフケースとがボルトによって締結されている。また、リングギヤおよびデフケースの回転方向は、車両の前進時と後進時とでは反対方向となる。このため、リングギヤおよびデフケースに大きなトルクが作用した状態でシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合、リングギヤおよびデフケースの回転方向が反転するのに伴い、前記ボルトの頭部とリングギヤまたはデフケースのボルト取付座面との間で滑りが生じ、このような状況が繰り返されると、前記ボルトが緩みやすくなる可能性がある。
前述したように、特許文献1に開示されているものでは、シフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合に、エンジントルクを一時的に絞っている。つまり、リングギヤおよびデフケースに作用するエンジントルクを一時的に制限している。このため、前記ボルトの緩みを防止することが可能である。
しかしながら、この特許文献1のものでは、車両の出荷当初であって前記ボルトの締結力が十分に確保されている状況であっても(リングギヤおよびデフケースに大きなトルクが作用しても十分な締結力が維持される状況であっても)、シフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合にはエンジントルクを一時的に絞ることになる。このため、必要以上にエンジントルクを制限してしまうことになっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、必要以上に走行駆動力源の出力トルクを制限することなく、且つデファレンシャル装置のリングギヤとデフケースとを締結しているボルトの緩みを防止できる車両制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、走行駆動力源、自動変速機、および、前記走行駆動力源から前記自動変速機を経て入力される入力トルクを受けるリングギヤとデフケースとがボルトによって締結されたデファレンシャル装置を搭載した車両に適用され、前記自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられた際に前記走行駆動力源の出力トルクを制限するレンジ切替時トルク制限制御が可能な車両制御装置を前提とする。この車両制御装置に対し、レンジ判定部、入力トルク算出部、カウント部およびトルク制限制御実行部を備えさせている。レンジ判定部は、前記自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定する。入力トルク算出部は、前記入力トルクを算出する。カウント部は、前記自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の前記入力トルクが共に所定値を超えている場合に、カウンタのカウント値をカウントアップする。トルク制限制御実行部は、前記カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、前記レンジ切替時トルク制限制御を非実行とする一方、前記カウンタのカウント値が所定値に達した以後は、前記レンジ切替時トルク制限制御を許可する。
この特定事項により、前記カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、レンジ切替時トルク制限制御は行われないことになる。つまり、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の入力トルクが共に大きくても、前記カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、走行駆動力源の出力トルクを制限しない。これにより、デファレンシャル装置のリングギヤとデフケースとを締結しているボルトの締結力が十分に確保されている状況においては、車両の走行性能が高く確保される。一方、前記カウンタのカウント値が所定値に達すると、レンジ切替時トルク制限制御が許可される。これにより、自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替わる際に、デファレンシャル装置に大きなトルクが作用した状態でレンジが切り替わるといった状況を招かないようにすることができ、前記ボルトの緩みを防止できる。
前記トルク制限制御実行部は、前記カウンタのカウント値が所定値に達した以後にあっては、前記自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際における切り替え前の前記入力トルクが所定値を超えている場合に限り、前記レンジ切替時トルク制限制御を許可する構成となっていることが好ましい。
これによれば、カウンタのカウント値が所定値に達した以後であっても、自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際における切り替え前の入力トルクが所定値以下であって、デファレンシャル装置のリングギヤとデフケースとを締結しているボルトに緩みが生じにくい状況(ボルトの緩みを生じさせない入力トルクとなっている状況)ではレンジ切替時トルク制限制御を非実行とすることになる。このため、前記カウンタのカウント値が所定値に達した以後におけるレンジ切替時トルク制限制御の実行機会を抑えることができる。
前記カウンタのカウント値がカウントアップされる前記入力トルクの所定値は、前記ボルトの頭部と、前記リングギヤまたは前記デフケースのボルト取付座面との間で滑りが生じる入力トルク範囲の下限値として設定されていることが好ましい。
このようにカウンタのカウント値がカウントアップされる入力トルクの所定値を設定していることにより、前記ボルトの頭部と前記ボルト取付座面との間で滑りが生じる入力トルクが作用している状態で自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わる度に、前記カウンタのカウント値がカウントアップされていくことになる。このため、レンジ切替時トルク制限制御を許可する時期を適正に得ることができる。
本発明では、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後におけるデファレンシャル装置への入力トルクが共に所定値を超えている回数が所定値に達するまでは、レンジ切替時トルク制限制御を非実行とする一方、その回数が所定値に達した以後は、レンジ切替時トルク制限制御を許可するようにしている。このため、デファレンシャル装置のリングギヤとデフケースとを締結しているボルトの締結力が十分に確保されている状況においては、レンジ切替時トルク制限制御を非実行とすることで、車両の走行性能が高く確保される。一方、前記回数が所定値に達した以後には、デファレンシャル装置に大きなトルクが作用した状態でレンジが切り替わるといった状況を招かないようにすることができ、ボルトの緩みを防止できる。
実施形態に係る車両の駆動系の概略構成を示す図である。 デファレンシャル装置の構成を示す断面図である。 ECUを含む制御ブロックの概略構成図である。 実施形態に係る自動変速機のレンジ切り替え時におけるエンジントルク制御の手順の一部を示すフローチャート図である。 実施形態に係る自動変速機のレンジ切り替え時におけるエンジントルク制御の手順の他の一部を示すフローチャート図である。 自動変速機のレンジ切り替え時における、シフトレンジ、デフ入力トルク、高トルク入力カウンタのカウント値、レンジ切替時トルク制限フラグそれぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。 変形例に係る自動変速機のレンジ切り替え時におけるエンジントルク制御の手順の一部を示すフローチャート図である。 変形例に係る自動変速機のレンジ切り替え時におけるエンジントルク制御の手順の他の一部を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動変速機を搭載したFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に本発明を適用した場合について説明する。尚、本発明は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に適用することも可能である。
−車両の概略構成−
図1は本実施形態に係る車両の駆動系の概略構成を示す図である。車両1は、エンジン(内燃機関)2と、トルクコンバータ3と、自動変速機4と、デファレンシャル装置5と、油圧制御装置6と、ECU100とを備えている。
この車両1では、エンジン2の出力が、トルクコンバータ3および自動変速機4を介してデファレンシャル装置5に伝達され、左右の駆動輪(前輪)7,7に分配される。
また、前記ECU100は、エンジン2を制御するエンジンECU200と、トルクコンバータ3および自動変速機4を制御するECT−ECU(Electronic Controlled automatic Transmission-ECU)300とを含む構成となっている。
エンジン2は、走行駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン2は、スロットルバルブのスロットル開度(吸入空気量)、インジェクタからの燃料噴射量、点火プラグの点火時期などによりエンジン運転状態を制御可能に構成されている。これらスロットル開度、燃料噴射量、点火時期などの制御は前記エンジンECU200からのエンジン制御指令信号に従って行われる。
トルクコンバータ3は、図示しない入力側のポンプインペラと、出力側のタービンランナと、トルク増幅機能を有するステータと、ポンプインペラとタービンランナとを直結するロックアップクラッチとを備えている。
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の摩擦係合要素および遊星歯車装置を備えている。この自動変速機4では、複数の摩擦係合要素それぞれが選択的に係合または解放されることにより、前進側の複数の変速段(例えば6段)および後進段のうちの何れかを成立させることが可能である。複数の摩擦係合要素それぞれを選択的に係合または解放する制御は前記ECT−ECU300からの変速指令信号に従って行われる。
具体的に、ECT−ECU300は、自動変速機4の油圧制御装置6にソレノイド制御信号(変速指令信号)を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて油圧制御装置6に備えられたリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速段(例えば前進段としての第1速段〜第6速段および後進段のうちの何れか)を成立させるように、自動変速機4の摩擦係合要素である各種クラッチおよびブレーキが係合または解放されるようになっている。ECT−ECU300は、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジである場合には、車速やスロットル開度などに応じて規定される(ECT−ECU300のROMに記憶された変速マップによって規定される)変速段(目標変速段)が成立するように油圧制御装置6にソレノイド制御信号を出力し、これに従って各種クラッチおよびブレーキが係合または解放されて目標変速段が成立するようになっている。また、ECT−ECU300は、自動変速機4のシフトレンジが後進レンジとなる場合には、後進段が成立するように油圧制御装置6にソレノイド制御信号を出力し、これに従って各種クラッチおよびブレーキが係合または解放されて後進段が成立するようになっている。自動変速機4の出力軸は、デファレンシャル装置5を介して駆動輪7,7に動力伝達可能に連結されている。
図2は、デファレンシャル装置5の構成を示す断面図である。このデファレンシャル装置5は、左右の後輪7,7へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能な装置である。図2に示すように、デファレンシャル装置5は、自動変速機4からの動力を受けるリングギヤ(デフドリブンギヤ)51、このリングギヤ51にボルトBによって締結されたデフケース52、このデフケース52にピニオンシャフト53を介して回転自在に支持された一対のピニオンギヤ54,54、および、これら一対のピニオンギヤ54,54に噛み合う一対のサイドギヤ55,55などを備えている。各サイドギヤ55,55に、それぞれ、ドライブシャフト71,71を介して駆動輪7,7が連結されている。
−エンジンECUおよびECT−ECU−
前記エンジンECU200およびECT−ECU300は、いずれもECU(Electronic Control Unit)からなり、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。また、エンジンECU200およびECT−ECU300は、前述したエンジン制御やトランスミッション制御に必要な情報を互いに送受信可能に接続されている。
図3は、エンジンECU200およびECT−ECU300を備えたECU100を含む制御ブロックの概略構成図である。この図3に示すようにエンジンECU200には、クランク角センサ201、スロットル開度センサ202、エアフローメータ203などのエンジン2の運転状態を検出する各種センサが接続されており、その各センサの信号が入力される。これらセンサの機能は周知であるので、ここでの説明は省略する。また、このエンジンECU200は、スロットルバルブのアクチュエータ(スロットルモータ等)21、インジェクタ22の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ23の点火時期などを制御する。
また、エンジンECU200のROMには、エンジン2の出力トルクを推定するためのトルク推定マップが記憶されている。このトルク推定マップを参照することで、少なくとも前記クランク角センサ201からの出力信号に基づいて算出されるエンジン回転数と、スロットル開度センサ202によって検出されるスロットル開度、若しくは後述するアクセル開度センサ303によって検出されるアクセル開度とに基づいて、現在のエンジン2の出力トルクを推定することができる。また、このエンジン2の出力トルクおよび自動変速機4の変速比に基づいて、デファレンシャル装置5のリングギヤ51に入力される入力トルクを算出することが可能である。例えば、前述の如く推定されたエンジン2の出力トルクに、自動変速機4で成立している現在の変速段の変速比を乗算することによって、前記リングギヤ51に入力されている入力トルクを算出することが可能である。
ECT−ECU300には、自動変速機4の入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサ301、自動変速機4の出力軸の回転数を検出する出力軸回転数センサ302、アクセル開度センサ303、シフトポジションセンサ304、車輪速センサ305、ブレーキペダルセンサ306などが接続されている。
前記シフトポジションセンサ304は、図1に示すように、車両の乗員が操作するシフト装置41のシフトレバー42の位置を検出する。シフトレバー42は、パーキング(P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置などへ操作することができる。これら各位置P〜Dに対応する信号をシフトポジションセンサ304がECT−ECU300に出力する。その他のセンサの機能は周知であるので、ここでの説明は省略する。
前述した如く、ECT−ECU300は、自動変速機4の油圧制御装置6にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて油圧制御装置6の油圧制御回路に備えられているリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速段(第1速段〜第6速段、後進段など)を成立させるように、自動変速機4の各クラッチおよび各ブレーキが係合または解放される。
−レンジ切り替え時のエンジントルク制御−
次に、本実施形態の特徴である自動変速機4のレンジ切り替え時のエンジントルク制御について説明する。先ず、このエンジントルク制御の概略について説明する。
前述したように、デファレンシャル装置5は、リングギヤ51とデフケース52とがボルトBによって締結されている。また、リングギヤ51およびデフケース52の回転方向は、車両1の前進時と後進時とでは反対方向となる。このため、リングギヤ51およびデフケース52に大きなトルクが作用した状態でシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合、リングギヤ51およびデフケース52の回転方向が反転するのに伴い、前記ボルトBの頭部とリングギヤ51またはデフケース52のボルト取付座面(図2に示すものにあってはリングギヤ51のボルト取付座面51a)との間で滑りが生じ、このような状況が繰り返されると、前記ボルトBが緩みやすくなる可能性がある。前記特許文献1に開示されているものでは、シフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合に、エンジントルクを一時的に絞っている。つまり、リングギヤおよびデフケースに作用するエンジントルクを一時的に制限している。このため、前記ボルトの緩みを防止することが可能である。
しかしながら、この特許文献1のものでは、車両の出荷当初であって前記ボルトの締結力が十分に確保されている状況であっても(リングギヤおよびデフケースに大きなトルクが作用しても十分な締結力が維持される状況であっても)、シフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった場合にはエンジントルクを一時的に絞ることになる。このため、必要以上にエンジントルクを制限してしまうことになっていた。
本実施形態は、この点に鑑み、レンジ切り替え時(前進レンジ(Dレンジ)と後進レンジ(Rレンジ)との間での切り替え時)のエンジントルク制御を以下のように実行し、これによって、レンジ切り替え時にエンジントルクの制限を行う期間を規定したことに特徴がある。以下、具体的に説明する。
このレンジ切り替え時のエンジントルク制御では、先ず、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定する。また、エンジン2から自動変速機4を経てデファレンシャル装置5に入力される入力トルク(デファレンシャル装置5のリングギヤ51に入力される入力トルク)を算出する。そして、ECU100に高トルク入力カウンタを備えさせ、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の前記入力トルク(デファレンシャル装置5のリングギヤ51に入力される入力トルク)が共に所定値を超えている場合に、前記高トルク入力カウンタのカウント値をカウントアップ(インクリメント)する。そして、この高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、エンジントルクを一時的に制限する制御(以下、レンジ切替時トルク制限制御という)を非実行とする一方、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達した以後は、前記レンジ切替時トルク制限制御を許可するようにしている。
これらの動作は、前記ECU100において行われる。このため、ECU100において、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定する機能部分が本発明でいうレンジ判定部に相当することになる。このレンジ判定部は、例えばECT−ECU300における機能部分として備えられている。また、ECU100において、エンジン2から自動変速機4を経てデファレンシャル装置5に入力される入力トルク(デファレンシャル装置5のリングギヤ51に入力される入力トルク)を算出する機能部分が本発明でいう入力トルク算出部に相当することになる。この入力トルク算出部は、例えばECT−ECU300における機能部分として備えられている。また、ECU100において、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の前記入力トルクが共に所定値を超えている場合に、前記高トルク入力カウンタのカウント値をカウントアップする機能部分が本発明でいうカウント部に相当することになる。このカウント部は、例えばECT−ECU300における機能部分として備えられている。そして、ECU100において、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、レンジ切替時トルク制限制御を非実行とする一方、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達した以後は、レンジ切替時トルク制限制御を許可するといった機能部分が本発明でいうトルク制限制御実行部に相当することになる。このトルク制限制御実行部は、例えばエンジンECU200における機能部分として備えられている。
以下、レンジ切り替え時のエンジントルク制御の手順について図4および図5のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、エンジン2の始動後、所定時間毎に前記ECU100において実行される。
先ず、ステップST1において、自動変速機4のシフトレンジの切り替え要求が生じたか否かを判定する。この判定は、前記シフトポジションセンサ304からの出力信号に基づき、車両の乗員がシフト装置41のシフトレバー42の操作を行ったか(シフトレバー42のシフトポジションの変更を行ったか)否かを判定するものである。
シフトレンジの切り替え要求が生じておらず、ステップST1でNO判定された場合には、レンジ切り替え時のエンジントルク制限制御(レンジ切替時トルク制限制御)を行う必要はないとして、そのままリターンされる。この場合、運転者が要求しているエンジントルク(エンジン回転数やアクセル開度等から求められる要求エンジントルク)が出力されるように、エンジンECU200によるエンジン2の制御が行われることになる。
一方、シフトレンジの切り替え要求が生じており、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、その切り替え要求が前進レンジから後進レンジへの切り替え要求であるか否かを判定する。この判定も前記シフトポジションセンサ304からの出力信号に基づいて行われる。このステップST2の動作が、本発明でいう「レンジ判定部による動作であって、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定する動作」に相当する。
シフトレンジの切り替え要求が前進レンジから後進レンジへの切り替え要求であって、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、ECU100に予め記憶されているレンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされているか否かを判定する。このレンジ切替時トルク制限フラグは、シフトレンジが切り替えられた際のレンジ切替時トルク制限制御が許可される条件が成立している場合に1にセットされる(後述する高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達したことによってステップST12で1にセットされる)フラグである。
車両の出荷時点にあってはレンジ切替時トルク制限フラグは0となっており、ステップST3でNO判定され、ステップST4に移る。このステップST4では、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジから後進レンジに切り替わった際のその切り替わり前後の入力トルク(デファレンシャル装置5に入力されるトルク)を算出する。つまり、シフトレンジの切り替え前の前進レンジであった際の入力トルク(以下、切替前デフ入力トルクと呼ぶ)を算出すると共に、シフトレンジの切り替え後の後進レンジとなった際の入力トルク(以下、切替後デフ入力トルクと呼ぶ)を算出する。具体的には、前記シフトレンジの切り替え要求が生じた時点でのエンジントルク(前進レンジにある状態でのエンジントルク;前記トルク推定マップによって求められたエンジントルク)に、この前進レンジで成立している変速比(シフトレンジの切り替え要求が生じた時点での変速段における変速比)を乗算することによって切替前デフ入力トルクを算出する。また、前記シフトレンジの切り替え要求に従ってシフトレンジが切り替わった際のエンジントルク(後進レンジとなった際のエンジントルク;前記トルク推定マップによって求められたエンジントルク)に、この後進レンジでの変速比(後進段における変速比)を乗算することによって切替後デフ入力トルクを算出する。このステップST4の動作が、本発明でいう「入力トルク算出部による動作であって、入力トルク(走行駆動力源から自動変速機を経てデファレンシャル装置のリングギヤに入力される入力トルク)を算出する動作」に相当する。
その後、ステップST5に移り、前記切替前デフ入力トルク(切替前の前進レンジでのデフ入力トルク)が所定値を超えており、且つ前記切替後デフ入力トルク(切替後の後進レンジでのデフ入力トルク)が所定値を超えているか否かを判定する。これら所定値は、前記ボルトBの頭部とリングギヤ51のボルト取付座面51aとの間で滑りが生じる可能性があるデフ入力トルクの範囲の下限値に相当する値として、実験またはシミュレーション等に基づいて設定されている。また、これら所定値は、同一の値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
前記切替前デフ入力トルクおよび前記切替後デフ入力トルクのうち少なくとも一方が所定値以下であって、ステップST5でNO判定された場合には、前記高トルク入力カウンタのカウント値をインクリメントすることなく、そのままリターンされる。
一方、前記切替前デフ入力トルクおよび前記切替後デフ入力トルクの両方が所定値を超えており、ステップST5でYES判定された場合には、ステップST6に移り、前記高トルク入力カウンタのカウント値をインクリメントする。これらステップST5,ST6の動作が、本発明でいう「カウント部による動作であって、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の入力トルクが共に所定値を超えている場合に、カウンタのカウント値をカウントアップする動作」に相当する。
一方、前記シフトレンジの切り替え要求が前進レンジから後進レンジへの切り替え要求ではなく、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST7(図5)に移る。このステップST7では、シフトレンジの切り替え要求が後進レンジから前進レンジへの切り替え要求であるか否かを判定する。この判定も前記シフトポジションセンサ304からの出力信号に基づいて行われる。このステップST7の動作が、本発明でいう「レンジ判定部による動作であって、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定する動作」に相当する。
シフトレンジの切り替え要求が後進レンジから前進レンジへの切り替え要求ではなく、ステップST7でNO判定された場合には、シフトレンジの切り替え要求は、前進レンジと後進レンジとの間での切り替え要求ではない(例えばPレンジやNレンジへの切り替え要求である)として、そのままリターンされる。
シフトレンジの切り替え要求が後進レンジから前進レンジへの切り替え要求であって、ステップST7でYES判定された場合には、ステップST8に移り、前記レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされているか否かを判定する。
前述したように車両の出荷時点にあってはレンジ切替時トルク制限フラグは0となっているので、ステップST8ではNO判定され、ステップST9に移る。このステップST9では、自動変速機4のシフトレンジが後進レンジから前進レンジに切り替わった際のその切り替わり前後の入力トルク(デファレンシャル装置5に入力されるトルク)を算出する。つまり、シフトレンジの切り替え前の後進レンジであった際の入力トルク(切替前デフ入力トルク)を算出すると共に、シフトレンジの切り替え後の前進レンジとなった際の入力トルク(切替後デフ入力トルク)を算出する。具体的には、前記シフトレンジの切り替え要求が生じた時点でのエンジントルク(後進レンジにある状態でのエンジントルク;前記トルク推定マップによって求められたエンジントルク)に、この後進レンジでの変速比(後進段における変速比)を乗算することによって切替前デフ入力トルクを算出する。また、前記シフトレンジの切り替え要求に従ってシフトレンジが切り替わった際のエンジントルク(前進レンジとなった際のエンジントルク;前記トルク推定マップによって求められたエンジントルク)に、この前進レンジで成立している変速比(シフトレンジの切り替え要求が生じた時点での変速段における変速比;例えば第1速段における変速比)を乗算することによって切替後デフ入力トルクを算出する。このステップST9の動作が、本発明でいう「入力トルク算出部による動作であって、入力トルク(走行駆動力源から自動変速機を経てデファレンシャル装置のリングギヤに入力される入力トルク)を算出する動作」に相当する。
その後、ステップST10に移り、前記切替前デフ入力トルク(切替前の後進レンジでのデフ入力トルク)が所定値を超えており、且つ前記切替後デフ入力トルク(切替後の前進レンジでのデフ入力トルク)が所定値を超えているか否かを判定する。これら所定値も、前記ボルトBの頭部とリングギヤ51のボルト取付座面51aとの間で滑りが生じる可能性があるデフ入力トルクの範囲の下限値に相当する値として、実験またはシミュレーション等に基づいて設定されている。また、これら所定値も、同一の値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
前記切替前デフ入力トルクおよび前記切替後デフ入力トルクのうち少なくとも一方が所定値以下であって、ステップST10でNO判定された場合には、前記高トルク入力カウンタのカウント値をインクリメントすることなく、そのままリターンされる。
一方、前記切替前デフ入力トルクおよび前記切替後デフ入力トルクの両方が所定値を超えており、ステップST10でYES判定された場合には、ステップST6に移り、前記高トルク入力カウンタのカウント値をインクリメントする。これらステップST10,ST6の動作が、本発明でいう「カウント部による動作であって、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の入力トルクが共に所定値を超えている場合に、カウンタのカウント値をカウントアップする動作」に相当する。
このようにしてステップST6で高トルク入力カウンタのカウント値がインクリメントされた後、ステップST11に移り、前記高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達したか否かを判定する。この所定値は、デファレンシャル装置5のリングギヤ51に高い入力トルクが作用した状態でシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わる状態が複数回生じた場合に、前記ボルトBの緩みを生じる可能性がある回数に相当する値であって、実験またはシミュレーションに基づいて設定されている。
高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達しておらず、ステップST11でNO判定された場合には、シフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わる状態が生じても、未だレンジ切替時トルク制限制御を実行する必要はないとして、そのままリターンされる。
このようにして高トルク入力カウンタのカウント値がインクリメントされていき、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達したことで、ステップST11でYES判定された場合には、ステップST12において前記レンジ切替時トルク制限フラグを1にセットして、ステップST13に移る。
ステップST13では、レンジ切替時トルク制限制御を実行するための前提条件が成立しているか否かを判定する。この前提条件としては、例えばエンジン2の暖機運転が完了していること、および、エンジン回転数が所定値以上であることなどが挙げられる。
前記前提条件が成立しておらず、ステップST13でNO判定された場合には、レンジ切替時トルク制限制御を実行することなく、そのままリターンされる。
一方、前記前提条件が成立しており、ステップST13でYES判定された場合には、ステップST14に移り、レンジ切替時トルク制限制御を実行する。つまり、スロットルバルブのアクチュエータ21の制御による吸入空気量の減量補正、インジェクタ22の燃料噴射量の減量補正、点火プラグ23の点火タイミングの遅角補正の少なくとも何れかを行うことによってエンジントルクを低減する。この場合のエンジントルクの低減量は、前記ボルトBの頭部とリングギヤ51のボルト取付座面51aとの間で滑りを生じさせない範囲での上限値に入力トルクを制限する値として設定される。具体的には、吸入空気量の減量補正によってレンジ切替時トルク制限制御を行う場合には、前記エンジントルクの低減量を得るための吸入空気量の減量補正を規定するトルク制限マップがECU100に記憶されており、このトルク制限マップに従って、スロットル開度が調整される。なお、インジェクタ22の燃料噴射量の減量補正によってレンジ切替時トルク制限制御を行う場合や、点火プラグ23の点火タイミングの遅角補正によってレンジ切替時トルク制限制御を行う場合も同様に、トルク制限マップによって、これら制御量が調整される。このステップST11〜ST14の動作が、本発明でいう「トルク制限制御実行部による動作であって、カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、レンジ切替時トルク制限制御を非実行とする一方、カウンタのカウント値が所定値に達した以後は、レンジ切替時トルク制限制御を許可する動作」に相当する。
このようにして、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた後、次回のルーチンにおいてシフトレンジ切り替え要求が生じた際に、そのシフトレンジ切り替え要求が前進レンジから後進レンジへの切り替え要求であった場合には、ステップST2およびステップST3でそれぞれYES判定され、ステップST15に移る。また、次回のルーチンにおいてシフトレンジ切り替え要求が生じた際に、そのシフトレンジ切り替え要求が後進レンジから前進レンジへの切り替え要求であった場合には、ステップST7およびステップST8でそれぞれYES判定され、ステップST15に移る。
このステップST15では、デファレンシャル装置5に入力されている現在のデフ入力トルク(シフトレンジ切り替え要求が生じた時点での入力トルク;シフトレンジ切り替え要求が生じた際の切り替え前の入力トルク)を算出する。
その後、ステップST16に移り、この算出された現在のデフ入力トルクが所定値を超えているか否かを判定する。この所定値も、前記ボルトBの頭部とリングギヤ51のボルト取付座面51aとの間で滑りが生じる可能性があるデフ入力トルクの範囲の下限値に相当する値として、実験またはシミュレーション等に基づいて設定されている。
デフ入力トルクが所定値を超えておらず、ステップST16でNO判定された場合には、レンジ切替時トルク制限制御を実行する必要はないとして、そのままリターンされる。一方、デフ入力トルクが所定値を超えており、ステップST16でYES判定された場合には、ステップST13に移り、前述したように、レンジ切替時トルク制限制御を実行するための前提条件が成立していなければ(ステップST13でNO判定された場合)、レンジ切替時トルク制限制御を実行することなく、そのままリターンされる。一方、この前提条件が成立しておれば(ステップST13でYES判定された場合)、ステップST14に移って、前記レンジ切替時トルク制限制御を実行する。このステップST16〜ST14の動作が、本発明でいう「トルク制限制御実行部による動作であって、カウンタのカウント値が所定値に達した以後にあっては、自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際における切り替え前の入力トルクが所定値を超えている場合に限り、レンジ切替時トルク制限制御を許可する動作」に相当する。
このようなレンジ切り替え時のエンジントルク制御が行われるようになっているため、前記ECU100によって本発明に係る車両制御装置が構成される。この車両制御装置は、シフトポジションセンサ304からの信号(シフトレンジの切り替え要求の信号)、クランク角センサ201からの信号、スロットル開度センサ202からの信号、アクセル開度センサ303からの信号等を入力信号として受信する。また、この車両制御装置は、スロットルバルブのアクチュエータ21へのスロットル開度指令信号、インジェクタ22への燃料噴射指令信号、点火プラグ23への点火指令信号の少なくとも一つを出力信号として出力する構成となっている。
図6は、自動変速機4のレンジ切り替え時における、シフトレンジ、デフ入力トルク、高トルク入力カウンタのカウント値、レンジ切替時トルク制限フラグそれぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。このタイミングチャートでは、高トルク入力カウンタのカウント値が5となった場合にレンジ切替時トルク制限フラグが0から1にセットされる場合を示している。
図6におけるタイミングt1〜t9では、自動変速機4のシフトレンジがそれぞれ前進レンジ(Dレンジ)と後進レンジ(Rレンジ)との間で切り替わっている。これらタイミングt1〜t9のうち、タイミングt1〜t3、t6、t8において、シフトレンジの切り替わり前後のデフ入力トルクが所定値T1を超えている。このため、初期値が0であった高トルク入力カウンタのカウント値は、タイミングt1で1、タイミングt2で2、タイミングt3で3、タイミングt6で4、タイミングt8で5にインクリメントされていき、このタイミングt8で、レンジ切替時トルク制限フラグが0から1にセットされる。
つまり、このタイミングt8までの期間では、レンジ切替時トルク制限制御が非実行とされ、このタイミングt8以後では、レンジ切替時トルク制限制御が許可されることになる。
そして、図6に実線で示すようにタイミングt9でシフトレンジが切り替えられる際における切り替え前のデフ入力トルクが所定値以下である場合には、レンジ切替時トルク制限制御は実行されない。これに対し、図6に二点鎖線で示すようにタイミングt9でシフトレンジが切り替えられる際における切り替え前のデフ入力トルクが所定値を超えている場合には、前記前提条件が成立している場合にレンジ切替時トルク制限制御が実行されることになる。
以上説明したように、本実施形態では、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、レンジ切替時トルク制限制御は行われない。つまり、自動変速機4のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の入力トルクが共に大きくても、前記高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、エンジン2の出力トルクを制限しない。これにより、デファレンシャル装置5のリングギヤ51とデフケース52とを締結しているボルトBに緩みが生じにくい状況において、車両の走行性能が高く確保される。一方、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達すると、レンジ切替時トルク制限制御が許可される。これにより、前記ボルトBの緩みを防止することができる。
また、このようにボルトBの緩みを防止できることから、ボルトBの諸元の変更、適用するボルトBの本数の削減、このボルトBの回り止め構造の廃止等といった設計変更が可能となり、構造の簡素化やコストの低廉化を図ることができる。
また、本実施形態では、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達して、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた以後にあっては、自動変速機4が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際のデフ入力トルクが所定値を超えている場合に限り、レンジ切替時トルク制限制御を実行するようにしている。つまり、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達した以後であっても、自動変速機4が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際のデフ入力トルクが所定値以下であって、前記ボルトBに緩みが生じにくい状況(ボルトBの緩みを生じさせないデフ入力トルクとなっている状況)ではレンジ切替時トルク制限制御を非実行としている。このため、高トルク入力カウンタのカウント値が所定値に達した以後におけるレンジ切替時トルク制限制御の実行機会を抑えることができる。
(変形例)
次に、変形例について説明する。前記実施形態では、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた以後は、シフトレンジ切り替え要求が生じた際の切り替え前のデフ入力トルクが所定値を超えていることを条件にレンジ切替時トルク制限制御を許可するようにしていた(図4のフローチャートにおけるステップST15,ST16を参照)。本変形例は、それに代えて、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた以後は、シフトレンジ切り替え要求が生じた際の切り替え前のデフ入力トルクに関わりなくレンジ切替時トルク制限制御を許可するものである。
図7および図8は、本変形例におけるレンジ切り替え時のエンジントルク制御の手順を示すフローチャートであって、前記実施形態における図4および図5に対応するものである。ここでは、図4および図5で示したフローチャートとの相違点について説明する。
前記実施形態の場合と同様にレンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた後(図7のステップST12でレンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた後)、次回のルーチンにおいてシフトレンジ切り替え要求が生じた際に、そのシフトレンジ切り替え要求が前進レンジから後進レンジへの切り替え要求であった場合には、図7におけるステップST2およびステップST3でそれぞれYES判定されることになる。また、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた後、次回のルーチンにおいてシフトレンジ切り替え要求が生じた際に、そのシフトレンジ切り替え要求が後進レンジから前進レンジへの切り替え要求であった場合には、図8におけるステップST7およびステップST8でそれぞれYES判定されることになる。
これらの場合、その後、ステップST13に移り、レンジ切替時トルク制限制御を実行するための前提条件が成立していなければ(図7のステップST13でNO判定された場合)、レンジ切替時トルク制限制御を実行することなく、そのままリターンされる。一方、この前提条件が成立しておれば(図7のステップST13でYES判定された場合)、ステップST14に移って、前記レンジ切替時トルク制限制御を実行する。つまり、シフトレンジ切り替え要求が生じた時点での入力トルク(シフトレンジ切り替え要求が生じた際の切り替え前の入力トルク)を算出することなく、前記前提条件が成立していなければレンジ切替時トルク制限制御を実行せず、前記前提条件が成立しておればレンジ切替時トルク制限制御を実行することになる。
(他の実施形態)
以上説明した実施形態は、レンジ切替時トルク制限フラグが1にセットされた以後は、デフ入力トルクが所定値を超えていることを条件にレンジ切替時トルク制限制御を実行するようにしていた。つまり、シフトレンジの切り替え要求が、前進レンジから後進レンジへの切り替え要求、および、後進レンジから前進レンジへの切り替え要求の何れであってもレンジ切替時トルク制限制御を実行するようにしていた。本発明はこれに限らず、シフトレンジの切り替え要求が、前進レンジから後進レンジへの切り替え要求、および、後進レンジから前進レンジへの切り替え要求の何れか一方である場合に限り、レンジ切替時トルク制限制を実行するようにしてもよい。
本発明は、自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられた際におけるエンジンの出力トルク制御に適用可能である。
1 車両
2 エンジン(走行駆動力源)
4 自動変速機
5 デファレンシャル装置
52 デフケース
51 リングギヤ
B ボルト

Claims (3)

  1. 走行駆動力源、自動変速機、および、前記走行駆動力源から前記自動変速機を経て入力される入力トルクを受けるリングギヤとデフケースとがボルトによって締結されたデファレンシャル装置を搭載した車両に適用され、前記自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられた際に前記走行駆動力源の出力トルクを制限するレンジ切替時トルク制限制御が可能な車両制御装置において、
    前記自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わったことを判定するレンジ判定部と、
    前記入力トルクを算出する入力トルク算出部と、
    前記自動変速機のシフトレンジが前進レンジと後進レンジとの間で切り替わった際、その切り替わり前後の前記入力トルクが共に所定値を超えている場合に、カウンタのカウント値をカウントアップするカウント部と、
    前記カウンタのカウント値が所定値に達するまでは、前記レンジ切替時トルク制限制御を非実行とする一方、前記カウンタのカウント値が所定値に達した以後は、前記レンジ切替時トルク制限制御を許可するトルク制限制御実行部とを備えていることを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1記載の車両制御装置において、
    前記トルク制限制御実行部は、前記カウンタのカウント値が所定値に達した以後にあっては、前記自動変速機が前進レンジと後進レンジとの間で切り替えられる際における切り替え前の前記入力トルクが所定値を超えている場合に限り、前記レンジ切替時トルク制限制御を許可する構成となっていることを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または2記載の車両制御装置において、
    前記カウンタのカウント値がカウントアップされる前記入力トルクの所定値は、前記ボルトの頭部と、前記リングギヤまたは前記デフケースのボルト取付座面との間で滑りが生じる入力トルク範囲の下限値として設定されていることを特徴とする車両制御装置。
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