JP2017052453A - ディスエンゲージ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このうち、クラッチは、図5に示すように、クラッチ板を軸方向に移動させてフライホイールから分離させることにより、フライホイールからのトルクの伝達が断たれる構造となっている。このクラッチの構造では、クラッチ板が軸方向に移動してもトルクが出力軸へ伝達されるように、クラッチ板と出力軸との連結部に、軸方向に沿ったキーとこれを受けるキー溝(いずれも図示省略)とが設けられている。
所定方向に沿って互いに並設されるとともに前記所定方向のうちの一方向側の各面にギアを有し、互いの分離・結合により前記リンケージを解除・成立させる2つのディスエンゲージ部材と、
前記2つのディスエンゲージ部材の前記一方向に配置されて、前記2つのディスエンゲージ部材の各ギアと同時に噛合可能なギアを前記一方向とは反対方向側の面に有し、当該ギアの噛合により前記2つのディスエンゲージ部材を互いに結合させるとともに、前記一方向に移動可能に設けられた結合部材と、
前記結合部材を前記一方向に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力以上の押圧力で前記結合部材を前記反対方向に押圧するとともに、前記航空機の操縦者の操作に連動して当該押圧を解除可能に構成された押圧部材と、
を備えることを特徴とする。
前記押圧部材は、
前記結合部材の前記一方向に配置されて、前記所定方向に沿った面内で略中央部の支点回りに回転可能に構成され、
前記反対方向側の一端部で前記結合部材を押圧するとともに、当該一端部とは前記支点を介した反対側の他端部で前記支点回りの回転が規制されることを特徴とする。
前記押圧部材の前記他端部と当接して当該押圧部材の前記支点回りの回転を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、
前記一方向に移動可能に構成されるとともに、
当該移動に伴って、前記一端部が前記一方向側に移動する方向に前記押圧部材を回転させるように、前記押圧部材との当接位置が変化する段付き状に形成されていることを特徴とする。
また、この状態から、操縦者の操作によって押圧部材による結合部材への押圧が解除されると、結合部材は、付勢部材の付勢力によってギアの噛合が解除される方向に移動する。そして、当該噛合が解除されて2つのディスエンゲージ部材が互いに分離され、操縦系統のリンケージが解除される。
また、2つのディスエンゲージ部材自体は分離時に移動しないので、自動車のクラッチの構造と異なり、ディスエンゲージ部材を軸方向に移動させるための隙間が抑制され、この隙間によるバックラッシュが削減される。
さらに、自動車のトランスミッションの構造と異なり、2つのディスエンゲージ部材を結合させる結合部材は、ギアが形成されたギア面に対して略垂直に移動して当該ギアの噛合を解除させるので、分離時における当該結合部材の移動量はギアの高さ分だけで足りる。
したがって、従来に比べ、分離時の移動量とバックラッシュを低減させるとともに、コンパクトなサイズで高トルクを伝達させることができる。
一方で、舵面110は、ディスエンゲージ装置1を介して自動操縦用のアクチュエータ130とも連結されており、この連結系統が自動操縦系統を構成している。航空機100は、この自動操縦系統のリンケージ(連結)が成立した状態でアクチュエータ130が舵面110を駆動制御することにより、自動操縦が可能となっている。
より詳しくは、図2に示すように、ディスエンゲージ装置1は、自動操縦用のアクチュエータ130に連結されたホーンアーム150と、ロッド160を介して舵面110に連結されたベルクランク170との間に設けられている。このうち、ホーンアーム150は、先端がアクチュエータ130の駆動軸131に固定されるとともに基端がディスエンゲージ装置1に固定されており、当該基端(後述の中心軸Ax)回りに回転可能に構成されている。一方、ベルクランク170は、先端がロッド160に取り付けられるとともに基端がディスエンゲージ装置1に固定されており、当該基端(後述の中心軸Ax)回りに回転可能に構成されている。
このディスエンゲージ装置1は、ホーンアーム150とベルクランク170との連結を機械的に分離させることにより、アクチュエータ130の駆動力を舵面110に伝達させる自動操縦系統のリンケージを解除する。
なお、以下では、説明の簡単のために、中心軸Axに沿った軸方向のうちローター2側を「前側」(及びその方向を「前方」)といい、ステーター3側を「後側」(及びその方向を「後方」)ということとする。また、「径(方向)」や「周(方向)」との記載は、特に断りのない限り、中心軸Axを基準としたものを意味することとする。
ステーター3の後面のうち、外周側の略半部には、ローター2のギア21と同一の歯形に形成された放射状の複数のギア31,…が、全周に亘って形成されている。また、ステーター3の後面には、4つの凹部32,…が周上等配で形成されている。これら4つの凹部32,…には、軸方向に伸縮する4つのスプリング8,…(図3では3つのみ図示)の前半部が収容されている。また、ステーター3には、ローター2の4つの貫通孔2a,…と対応した軽量化のための4つの貫通孔3a,…(図3では3つのみ図示)が形成されており、4つの凹部32,…は、これら4つの貫通孔3a,…を避けた周方向位置に形成されている。
このアーマチュア4の前面には、ローター2の複数のギア21,…及びステーター3の複数のギア31,…と同時に噛合可能な複数のギア41,…が、全面に亘って形成されている。また、アーマチュア4の前面には、ステーター3の凹部32と対応する径方向位置に、4つの凹部42,…が周上等配で形成されている。これら4つの凹部42,…には4つのスプリング8,…の後半部が収容されるようになっており、アーマチュア4は、当該4つのスプリング8,…により後方に付勢されている。また、アーマチュア4には、ローター2の4つの貫通孔2a,…やステーター3の4つの貫通孔3a,…と対応した軽量化のための4つの貫通孔4a,…(図3では1つのみ図示)が形成されており、4つの凹部42,…は、これら4つの貫通孔4a,…を避けた周方向位置に形成されている。
また、アーマチュア4は、軸方向に沿って移動可能に設けられており、この軸方向への移動により、複数のギア41,…がローター2のギア21及びステーター3のギア31に噛合したギア噛合状態と、この噛合が解除された噛合解除状態とを取り得るように構成されている。
より詳しくは、各ラッチ5は、フィールド6のうち2つのフランジ61,61間に周上等配で放射状に立設された4つのリブ62,…(図3では2つのみ図示)内にそれぞれ設けられている。各リブ62では、周方向に沿った支持軸63が外周側の前後中央部に挿通されており、ラッチ5は、この支持軸63回りに回転可能なように略中央部が支持されている。また、各ラッチ5は、外周側に向かって斜め前方向きに傾斜した状態でリブ62内に支持されている。
そのため、各ラッチ5は、その内側端部51が支持軸63よりも後側の位置でリテーナ9と当接することにより、当該内側端部51がさらに内周側へ向かう方向への回転が規制される。また、各ラッチ5は、リテーナ9がスペーサ72上を軸方向に摺動して、内側端部51と当接するリテーナ9の外周面の外径が大径部91と小径部92とで変化することにより、回転の規制位置が2段階に変化する。
図4は、ディスエンゲージ装置1の動作を説明するための図であって、このうち(a)が、自動操縦系統のリンケージを成立させているときの図であり、(b)が、自動操縦系統のリンケージを解除させたときの図である。
図4(a)に示すように、自動操縦系統のリンケージが成立しているときには、ディスエンゲージ装置1では、ローター2とステーター3とがアーマチュア4によって互いに結合されている。
具体的に、このときには、4つのラッチ5,…の各内側端部51がリテーナ9の大径部91に当接しており、当該ラッチ5の外側端部52は、アーマチュア4が複数のギア41,…をローター2及びステーター3の各ギア21,31に噛合させたギア噛合状態を保持するように、当該アーマチュア4を前方に押圧している。このとき、4つのスプリング8,…がアーマチュア4を後方に付勢しているものの、4つのラッチ5,…がリテーナ9に回転を規制されることにより、当該4つのラッチ5,…が4つのスプリング8,…の付勢力以上の押圧力でアーマチュア4を前方に押圧している。
こうして、ローター2とステーター3とが一体的に回転可能なように互いに結合され、ディスエンゲージ装置1を介してホーンアーム150がベルクランク170と一体的に回転する状態、つまり、自動操縦用のアクチュエータ130の駆動力が舵面110まで伝達される、自動操縦系統のリンケージが成立した状態となっている。
自動操縦系統のリンケージを解除させるときには、まず航空機100のパイロットがディスエンゲージレバー122を操作することにより、当該ディスエンゲージレバー122に接続されたケーブル140が牽引される。
すると、図4(b)に示すように、ディスエンゲージ装置1では、ケーブル140と接続されたリテーナ9がスペーサ72上を後方に摺動し、4つのラッチ5,…の各内側端部51と当接する部分がリテーナ9の大径部91から小径部92に変化する。その結果、4つのラッチ5,…は、その回転の規制位置が変化して、アーマチュア4をギア噛合状態に保持するための前方への押圧力を失う。
これにより、アーマチュア4は、4つのスプリング8,…の付勢力により後方に移動し、ギア噛合状態から、複数のギア41,…とローター2及びステーター3の各ギア21,31との噛合が解除された噛合解除状態に移行する。4つのラッチ5,…は、アーマチュア4に押されるようにして、起立する方向にそれぞれ回転し、各内側端部51がリテーナ9の小径部92と当接した状態となる。
こうして、ローター2とステーター3とはトルクが伝達しないように互いに分離され、ホーンアーム150のトルクがベルクランク170に伝達しない状態、つまり、自動操縦用のアクチュエータ130の駆動力が舵面110に伝達されない、自動操縦系統のリンケージが解除された状態となる。
また、この状態から、パイロットの操作によって4つのラッチ5,…によるアーマチュア4への押圧が解除されると、アーマチュア4は、4つのスプリング8,…の付勢力によって各ギア21,31,41の噛合が解除される後方に移動する。そして、当該噛合が解除されてローター2及びステーター3が互いに分離され、操縦系統のリンケージが解除される。
また、ローター2及びステーター3自体は分離時に移動しないので、自動車のクラッチの構造と異なり、ローター2やステーター3を軸方向に移動させるための隙間が抑制され、この隙間によるバックラッシュが削減される。
さらに、自動車のトランスミッションの構造と異なり、ローター2及びステーター3を結合させるアーマチュア4は、複数のギア41,…が形成されたギア面に対して略垂直に移動して当該複数のギア41,…の噛合を解除させるので、分離時における当該アーマチュア4の移動量はギア41の高さ分だけで足りる。
したがって、従来に比べ、分離時の移動量とバックラッシュを低減させるとともに、コンパクトなサイズで高トルクを伝達させることができる。
2 ローター(ディスエンゲージ部材)
21 ギア
3 ステーター(ディスエンゲージ部材)
31 ギア
4 アーマチュア(結合部材)
41 ギア
5 ラッチ(押圧部材)
51 内側端部(他端部)
52 外側端部(一端部)
6 フィールド
63 支持軸
8 スプリング(付勢部材)
9 リテーナ(規制部材)
91 大径部
92 小径部
100 航空機
110 舵面
122 ディスエンゲージレバー
130 アクチュエータ
150 ホーンアーム
170 ベルクランク
Ax 中心軸
Claims (3)
- 航空機における操縦系統のリンケージを解除するディスエンゲージ装置であって、
所定方向に沿って互いに並設されるとともに前記所定方向のうちの一方向側の各面にギアを有し、互いの分離・結合により前記リンケージを解除・成立させる2つのディスエンゲージ部材と、
前記2つのディスエンゲージ部材の前記一方向に配置されて、前記2つのディスエンゲージ部材の各ギアと同時に噛合可能なギアを前記一方向とは反対方向側の面に有し、当該ギアの噛合により前記2つのディスエンゲージ部材を互いに結合させるとともに、前記一方向に移動可能に設けられた結合部材と、
前記結合部材を前記一方向に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力以上の押圧力で前記結合部材を前記反対方向に押圧するとともに、前記航空機の操縦者の操作に連動して当該押圧を解除可能に構成された押圧部材と、
を備えることを特徴とするディスエンゲージ装置。 - 前記押圧部材は、
前記結合部材の前記一方向に配置されて、前記所定方向に沿った面内で略中央部の支点回りに回転可能に構成され、
前記反対方向側の一端部で前記結合部材を押圧するとともに、当該一端部とは前記支点を介した反対側の他端部で前記支点回りの回転が規制されることを特徴とする請求項1に記載のディスエンゲージ装置。 - 前記押圧部材の前記他端部と当接して当該押圧部材の前記支点回りの回転を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、
前記一方向に移動可能に構成されるとともに、
当該移動に伴って、前記一端部が前記一方向側に移動する方向に前記押圧部材を回転させるように、前記押圧部材との当接位置が変化する段付き状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のディスエンゲージ装置。
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2015
- 2015-09-11 JP JP2015179065A patent/JP6535258B2/ja active Active
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EP3739230A1 (en) * | 2019-05-16 | 2020-11-18 | Ratier-Figeac SAS | Actuator with declutchable output lever |
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