JP2017052060A - マイクロ素子 - Google Patents

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光起 菱田
真 伊豫田
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Abstract

【課題】 液体を送るときに液体の一部が先に進行する毛細管現象問題を軽減することができるマイクロ素子を提供する。【解決手段】 液体5が流れる溝3を有するベース1と、ベースの溝を覆うカバー2と、溝に対向してカバーの内面2aに固定され、液体の流れる方向と交差する方向に延在し、溝で露出し、かつ溝内で液体の流れる方向においてカバーの内面の露出面の後に配置されかつカバーの内面の露出面の接触角θ1よりも大きな接触角θ2を有するとともに、5nm以上14μm以下の厚さを有する液体流れ制御膜部4aとを備える、マイクロ素子。【選択図】図1A

Description

本発明は、毎秒数μL(リットル)から数百μLの液を扱うマイクロデバイス又はマイクロチップなどのマイクロ素子に関する。
毎秒数μLから数百μLまでの液体を扱うマイクロデバイス又はマイクロチップなどのマイクロ素子は、送液量に見合った装置の小型化と低コスト化とが望まれている。従来、マイクロデバイス又はマイクロチップの液体を流す流路及び液体を溜めるチャンバーは、扱う液体が外に漏れ出ない様に、2つ以上の部品を貼り合わせて構成され、液体の出入り口を除き、密閉された構造からなる。
マイクロデバイス又はマイクロチップのチャンバーは、単数又は、複数を持ち、そのチャンバーを単数、又は複数の流路で連結して、マイクロデバイス又はマイクロチップが構成される(特許文献1を参照)。
特許第2958502号公報(特願平3−285748号)
マイクロデバイス又はマイクロチップのチャンバーに液体を注入する際、ポンプなどを用い、液体を送液するが、チャンバー又は流路は2つ以上の部品で貼り合わせて構成されている。この2つの部品の貼り合わせた部分は、微小な領域が存在するため、毛細管現象が発生し、任意で送液したい液体の場所より、液体が先に進行する毛細管現象問題が発生する。この毛細管現象の発生により、チャンバー及び流路内で任意の量の液体が送液できない問題が生じる。
また、毛細管現象により先に進行する液体は、チャンバー又は流路で、流路の断面積が小さくなる部分に到達すると、液体が流路を満たし、チャンバー又は流路に気泡が残留する問題も発生する。この泡残りの発生は、チャンバー内の液体の制御に更に影響を及ぼす課題がある。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、液体を送るときに液体の一部が先に進行する毛細管現象問題を軽減することができるマイクロ素子を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、液体が流れる溝を有するベースと、
前記ベースの前記溝を覆うカバーと、
前記溝に対向して前記カバーの内面に固定される膜とを備え、
前記膜は、前記ベースの膜厚方向から見たとき、前記液体の流れる方向と交差する方向における前記溝と同じ幅を有する液体流れ制御膜部を有し、
前記液体流れ制御膜部は、前記溝で露出されて配置され、
前記液体流れ制御膜部は、前記液体の流れる方向において、前記カバーの内面における露出面の後に位置し、
前記液体流れ制御膜部は、前記カバーの前記内面における前記露出面の接触角よりも大きな接触角を有し、
前記液体流れ制御膜部は、5nm以上14μm以下の厚さを有する、
マイクロ素子を提供する。
本発明の前記態様によれば、毛細管現象により先行する液体の進行を遅らせる事が出来る。先行する液体の進行を遅らす事により、チャンバー又は流路などの溝内の泡残りが抑制され、チャンバー又は流路の正確な液体制御が可能となる。
本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子の流路の断面側面図。 図1Aの1B−1B線の切断端面図。 図1Aの1C−1C線の切断端面図。 本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子においてカバーを取除いた状態での膜と流路とを示す平面図。 固体の表面での液体に作用する表面張力などの説明図。 接触角の違う材料上を液体が通過する場合における、液体固体の表面での液体に作用する表面張力などの説明図。 従来例のマイクロチップの断面側面図。 図3Aの3B−3B線の縦断面図。 従来例のマイクロチップにおいてカバーを取除いた状態での平面図。 従来例のマイクロチップにおいて、毛細管現象により、液体が本流より先に流れる様子の流路断面側面図。 図4Aの4B−4B線の縦断面図。 従来例のマイクロチップにおいてカバーを取除いた状態での毛細管現象により、液体が本流より先に流れる様子を示す平面図。 本発明の第1実施形態の実例にかかるマイクロチップを使用してシミュレーション実験を行なったときのマイクロチップの溝の形状を示す平面図。 本発明の第1実施形態の実例にかかるマイクロチップを使用してシミュレーション実験を行なったときのマイクロチップのベースの平面図。 図5Aの5C−5C線の縦断面図。 図5Aの5D−5D線の縦断面図。 本発明の第1実施形態の実例にかかるマイクロチップを使用してシミュレーション実験を行なったときのマイクロチップのカバーを取除いた状態での平面図。 本発明の第1実施形態において、シミュレーション実験を行った実験結果の比較を表す図。 本発明の第1実施形態において、シミュレーション実験を行った実験結果の比較を示す表形式の説明図。 従来の流路の状態で、シミュレーション実験を行った場合、先走り液が、シミュレーション計算範囲外に到達したときの、本流液体と、先走り液の位置関係を示す図。 本発明の第1実施形態において、膜の膜厚が15μmである場合のシミュレーション実験を行った場合、先走り液が、シミュレーション計算範囲外に到達したときの、本流液体と、先走り液の位置関係を示す図。 本発明の第1実施形態において、膜の膜厚が10μmである場合のシミュレーション実験を行った場合、先走り液が、シミュレーション計算範囲外に到達したときの、本流液体と、先走り液の位置関係を示す図。 本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、溝が蛇行している場合のマイクロチップのカバーを取除いた状態での平面図。 図9Aの本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、シミュレーション実験を行った場合、本流液体と先走り液との位置関係を示す平面図。 図9Aの本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、シミュレーション実験を行った場合、図9Bに続く、本流液体と先走り液との位置関係を示す平面図。 本発明の第2実施形態におけるマイクロ素子において、溝が蛇行している場合のマイクロチップのカバーを取除いた状態での平面図。 図10Aの本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、シミュレーション実験を行った場合、本流液体と先走り液との位置関係を示す平面図。 図10Aの本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、シミュレーション実験を行った場合、図10Bに続く、本流液体と先走り液との位置関係を示す平面図。 本発明の第2実施形態におけるマイクロ素子において、溝が蛇行している場合のマイクロチップのカバーを取除いた状態で、膜部を均等配置したときの平面図。 本発明の第2実施形態におけるマイクロ素子において、溝が蛇行している場合のマイクロチップのカバーを取除いた状態で、小さな幅の膜部を溝の幅方向両端部に配置したときの平面図。 本発明の第2実施形態におけるマイクロ素子において、溝が蛇行している場合のマイクロチップのカバーを取除いた状態で、膜部の無い領域と膜部のある領域とを有するときの平面図。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1の態様によれば、液体が流れる溝を有するベースと、
前記ベースの前記溝を覆うカバーと、
前記溝に対向して前記カバーの内面に固定される膜とを備え、
前記膜は、前記ベースの膜厚方向から見たとき、前記液体の流れる方向と交差する方向における前記溝と同じ幅を有する液体流れ制御膜部を有し、
前記液体流れ制御膜部は、前記溝で露出されて配置され、
前記液体流れ制御膜部は、前記液体の流れる方向において、前記カバーの内面における露出面の後に位置し、
前記液体流れ制御膜部は、前記カバーの前記内面における前記露出面の接触角よりも大きな接触角を有し、
前記液体流れ制御膜部は、5nm以上14μm以下の厚さを有する、
マイクロ素子を提供する。
前記態様によれば、毛細管現象により先行する液体の進行を遅らせる事が出来る。先行する液体の進行を遅らす事により、チャンバー又は流路内の泡残りが抑制され、チャンバー又は流路の正確な液体制御が可能となる。
本発明の第2の態様によれば、前記液体流れ制御膜部の前記接触角と前記カバーの前記内面の前記露出面の前記接触角との差は、少なくとも20度である、第1の態様に記載のマイクロ素子を提供する。
前記態様によれば、液体流れ制御膜部の前記接触角と前記カバーの前記内面の前記露出面の前記接触角との差が少なくとも20度になることにより、接触角の差異に基づいて異なる材料の境界で液体の流れ方向に対して接触角が大きくなることにより発生する先走り遅れ力(引戻し力)を液体に確実に作用させることができて、毛細管現象により先行する液体の進行を遅らせる事が出来る。
本発明の第3の態様によれば、前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有し、
前記膜は、前記液体の流れ方向に、前記溝の幅と同じ大きさを有する複数の貫通穴を有し、
前記液体流れ制御膜部は、前記複数の貫通穴の間に位置する、第1の態様に記載のマイクロ素子を提供する。
前記態様によれば、前記カバーと前記ベースを貼り合わせた場合、前記液体流れ制御膜部と前記ベースとが接触して設置できるため、前記膜と前記カバーとの段差が生じる事を回避でき、前記溝から前記液体の流出を抑えられる。
本発明の第4の態様によれば、前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有し、
前記液体流れ制御膜部は、湾曲した湾曲部を有し、前記溝の幅方向の両端部において、前記湾曲部での曲率半径の小さい側の端部での前記液体流れ制御膜部との接触回数は、前記湾曲部での曲率半径の大きい側の端部での前記液体流れ制御膜部との接触回数よりも多い、第1の態様に記載のマイクロ素子を提供する。
前記態様によれば、前記ベースにある前記溝を任意の場所に湾曲して配置する事により、より小さい面積で前記ベース内に構成できる。
本発明の第5の態様によれば、前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有するとともに、
前記溝は、前記液体入口に接続されかつ前記液体流れ制御膜部が配置されていない液体流れ非制御領域と、前記液体流れ非制御領域に隣接しかつ前記液体流れ制御膜部が配置されて前記液体の流れを制御する液体流れ制御領域とを、前記液体入口から前記液体出口に向けて順に備える、第1〜4のいずれか1つの態様に記載のマイクロ素子を提供する。
前記態様によれば、前記液体の流れを、任意の場所で制御する事ができる。
以下、本発明をその実施形態を用いて、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1A〜及び図1Dは、本発明の第1実施形態における、マイクロデバイス又はマイクロチップなどのマイクロ素子の流路機構の断面側面図、1B-1B線の切断端面図、1C-1C線の切断端面図、及び、カバーを取除いた状態での膜及び流路の平面図である。
第1実施形態におけるマイクロ素子6は、ベース1と、カバー2と、膜部(言い換えれば、液体流れ制御膜部)4aとを備えて構成されている。
ベース1は、例えばシリコンなどで構成されている。例えば、長方形板状のベース1の上面には、チャンバー又は流路として機能する溝3を長手方向沿いに形成している。溝3の一例は、図1Dに点線で示すように、中央部に延在した長方形状の凹部である。溝3は、この形状に限られるものではなく、後述するように一部湾曲した部分を有する形状を含む任意の形状でもよい。溝3の一端(例えば図1A及び図1Dの左端)は液体入口7aとし、溝3の他端(例えば図1A及び図1Dの右端)は液体出口7bとする。一例として、溝3の深さは一定である。
ベース1上にカバー2が重ねて貼り合わされて固定され、溝3を含むベース1の上面の全面がカバー2で覆われている。カバー2は、例えば、長方形板状のガラスで構成されている。よって、このマイクロ素子6では、液体5は、溝3とカバー2の下面である内面2aとの間で形成された空間8内を液体入口7aから液体出口7bに向けて流れる以外には、液体5がマイクロ素子外部に流れ出ないような密閉された構造となっている。
膜4は、溝3に対向するように、カバー2の内面2aに固定されて、複数の膜部4aを有している。膜4は、カバー2の内面2aを構成する材料とは接触角が異なる材料で構成されている。膜4は、一例として、図1Dに示すように、長方形状の薄い膜で構成され、その中央部の長手方向(言い換えれば、液体5が流れる方向沿い)に、溝3の上面に対応する領域に、長方形のスリット状の貫通穴4bと長方形の膜部4aとを交互に配置するとともに、膜4の液体流れ方向の両端部に長方形の領域として膜端部4cを配置している。各貫通穴4bでは、カバー2の内面2aが露出面として露出するようにしている。よって、液体流れ制御膜部4aは、液体の流れる方向において、カバー2の内面2aにおける露出面の後に位置している。各貫通穴4b、各膜部4a、及び、各膜端部4cの長手方向は、それぞれ、液体5が流れる方向に対して、交差する方向に延在している。交差する方向とは、一例として、液体5が流れる方向に対して直交する方向である。各膜部4aの幅は、溝3の幅と同じである。より具体的には、各膜部4aは、ベース1の膜厚方向から見て、液体5の流れる方向と交差する方向における溝3と同じ幅を有する。
図1Bは、図1Aの1B−1B線の切断端面図である。この図1Bでは、膜部4aを通る切断線1B−1Bで縦方向に切断しており、膜部4aが溝3内に突出して、溝3内で液体5が膜部4aに接触可能な状態を示している。これに対して、図1Cは、図1Aの1C−1C線の切断端面図である。この図1Cでは、膜部4aではなく、貫通穴4bを通る切断線1C−1Cで縦方向に切断しており、膜部4aが溝3内に無く、溝3内で液体5がカバー2の内面2aの露出面に接触可能な状態を示している。
膜部4a及び貫通穴4bの幅は、下記する接触角θの差による抑制制御機能が低下しないようにするため、溝3の幅は同じである。
また、膜部4aは、5nm以上14μm以下の厚さを有している。5nm未満の厚みを有する膜4は、均一な膜として製造されるのが困難である。14μmより大きい厚みを有する膜4は、カバー2の内面2aの露出面に液体5が接触しなくなり、下記する接触角θの差による抑制制御機能が低下する。
よって、溝3内を流れる液体5は、液体入口7aから、膜端部4c、カバー2の内面2aの露出面、膜部4a、カバー2の内面2aの露出面、膜部4a、カバー2の内面2aの露出面、膜部4a、カバー2の内面2aの露出面、膜端部4cの順に、液体出口7bに向けて、異なる材料に接触しながら流れることになる。
なお、カバー2の内面2aの露出面を露出させるための貫通穴4bと、膜部4aとは、少なくとも一個ずつ配置すればよい。
カバー2の内面2aと膜4とは材料が異なっているため、膜4の膜部4aの接触角θ1よりも、カバー2の内面2aにおける露出面が大きな接触角θ2を有する。ここで、このように接触角θ1,θ2の異なる材料で構成する理由について、以下に詳述する。
まず、接触角θとは、図2Aに示すように、液体21の滴21aと固体表面22とで形成される角度θである。ヤング(Young)の式によれば、
固体Sの表面張力γSV=固体Sと液体Lの表面張力γSL+(液体Lの表面張力γLV×cosθ)
が成立する。
そこで、図2Bに示すように、接触角θの違う材料上を液体Lが通過する場合、液体Lが、接触角θaが小さい材料の第1の固体Saから、接触角θbが大きい材料の第2の固体Sbに移る際、液体Lの受ける表面張力は、接触角θbが大きい材料25で働く表面張力のみを受けることになる。すなわち、以下のように考えられる。
まず、第1の固体Saでは、
第1の固体Saと周囲の気体との界面に働く表面張力γSV(a)=第1の固体Saと液体Lとの界面に働く表面張力γSL(a)+(第1の固体Saにおいて液体Lと周囲の気体との界面に働く表面張力γLV(a)×cosθ)
が成立する(図2Bの右端図参照)。
次に、第2の固体Sbでは、
第2の固体Sbと周囲の気体との界面に働く表面張力γSV(b)=第2の固体Sbと液体Lの界面に働く表面張力γSL(b)+(第2の固体Sbにおいて液体Lと周囲の気体との界面に働く表面張力γLV(b)×cosθ)
が成立する(図2Bの左端図参照)。
一方、第1の固体Saと第2の固体Sbとの境では、
境の部分の第1の固体Saと周囲の気体との界面に働く表面張力γSV(a)=第1の固体Saと液体Lとの界面に働く表面張力γSL(b)+(第2の固体Sbにおいて液体Lと周囲の気体との界面に働く表面張力γLV(a)×cosθ)
が成立する(図2Bの中央図参照)。
すなわち、接触角θa,θbが違う材料の第1及び第2の固体Sa,Sb上を液体Lが通過する場合、接触角θaが小さい材料の第1の固体Saから、接触角θbが大きい材料の第2の固体Sbに移る際、液体Lの受ける表面張力は、接触角θaが小さい材料の第1の固体Saでの表面張力γLV(a)は受けずに、接触角θbが大きい材料の第2の固体Sbでの表面張力γLV(b)のみを受けることになる。すると、接触角θa,θbの違う材料の第1及び第2の固体Sa,Sbの境目では、液体Lの流れ方向とは逆方向の力(γLV(b))として、それまで通過していた材料である第1の固体Saでの、液体Lの流れ方向とは逆方向の力(γLV(a))よりも大きい、第2の固体Sbでの表面張力γLV(b)を液体Lが受けることになり、先走り遅れ力(F)、言い換えれば、抑制力が液体Lに発生することになる。ここで、先走り遅れ力(F)は、
d=(γSL(b)LV(a)×cosθ)−γSV(a)
である。
この先走り遅れ力(F)が、接触角θa,θbの差による抑制制御機能として、液体Lに働く結果、液体Lの先走りが抑制されることになる。
具体的には、液体入口7aから溝3内に導入される液体5は、まず、図1A及び図1Dの左端の膜端部4cと接触しながら溝3内に導入される。
次いで、液体5が溝3内で流れ始めると、液体5は、図1A及び図1Dの左端の膜端部4cに隣接する貫通穴4bにおいてカバー2の内面2aの露出面と接触することになる。
次いで、液体5が溝3内でさらに流れると、液体5は、貫通穴4bに隣接する膜部4aと接触しながら溝3内を流れる。
次いで、液体5が溝3内でさらに流れると、液体5は、膜部4aに隣接する貫通穴4bにおいてカバー2の内面2aの露出面と接触しながら溝3内を流れる。
ここで、カバー2の内面2aの露出面の接触角θbは、膜部4aの接触角θaよりも大きいため、膜部4aに接触して流れていた液体5が、カバー2の内面2aの露出面に接触するようになると、膜部4aとカバー2の内面2aの露出面との境目で、前記したように、先走り遅れ力(F)が抑制力として作用する。すなわち、接触角θa,θbの差による抑制制御機能が、液体5に働くことになる。その結果、液体5の先走りが抑制され、本流液体105bの先端と先走り液105aの先端との距離が従来よりも小さい状態で、液体5が流れることになる。このように、膜4である膜端部4c又は膜部4aとカバー2の内面2aの露出面とに交互に接触しながら、液体5が液体入口7aから液体出口7bに向けて溝3内を流れるとき、液体5と接触する材料が異なる度に、先走り遅れ力(F)が、接触角θa,θbの差による抑制制御機能として液体5に働き、液体5の先走りが効果的に抑制されることになる。
(比較例)
図3A〜図3Cには、比較例として、膜4が配置されていない従来例のマイクロチップ116において、毛細管現象の問題が発生する情況を説明する断面側面図、図3Aの3B−3B線の縦断面図、及び、カバー102を取除いた状態での平面図を示す。
この比較例のマイクロチップ116では、ポンプなどを用いて液体105を溝103に入り口107aから注入した場合、図4A〜図4Cに示すように、カバー102と、溝103を有するベース101との間で微小な隙間が有るため、毛細管現象が発生し、液体105の先走り液105aが発生する。なお、液体については、これ以降の図において、黒色で示して、明りょうにわかるようにしている。具体的には、溝103の幅方向の両側の隅部でかつベース101とカバー102と貼り合わされた部分に形成された微小な隙間において、溝103の隅部沿いの液体流れ方向に、液体105の一部の細い先走り液105aが、本流液体105bよりも先に流れることになる。この液体105の先走り液105aは、液体105の溝103への注入を停止したときでも進行する場合がある。
このような先走り液105aを第1実施形態にかかるマイクロ素子6では、抑制力を作用させて、抑制することができるものである。
(第1実施形態の第1実施例)
第1実施形態の第1実施例として実際に作成したマイクロチップ6Bは、図5A〜図5Dに示すように、チャンバー又は流路として機能する溝3Bを有するベース1に、シリコンウエハーを用い、ドライエッチング処理により溝3Bを作成した。このときのシリコンウエハーの接触角θ1は大凡27度程度であった。溝3Bを覆ってチャンバー又は流路を形成するカバー2は、透明で平坦なガラスを用い、ガラスの接触角θ2は大凡62度であった。接触角θa,θbの差を小さくしないように、このカバー2に、ベース1となるシリコンウエハーと同じ接触角θ2を製膜するため、アモルファスシリコン膜で、膜部4aを有する膜4を厚さ5nm以上14μm以下で製膜する。カバー2の内面2aに製膜された膜4は、複数の膜部4aを有するとともにシリコンウエハーの接触角θ2=27度に近い膜4で構成され、ガラスの接触角θ1=62度とは大きく異なる。膜4はパターニングされて複数の膜部4aを有するため、先走り液105aは、液体105の進行方向に進むと、接触角θ=27度の膜部4aと、接触角θ=62度のカバー2の双方に交互に接触する構造となる。膜部4aとカバー2とが交互に露出するようにパターニング除去された膜4の膜部4a及び貫通穴4bのそれぞれの幅は、チャンバー又は流路として形成された溝3Bの幅と同等とする。
<第1実施例の検証実験>
第1実施例の効果確認のため、膜4が形成されていない比較例と、第1実施例に相当する構造を有しかつ膜4の膜厚を10種類異ならせた実験例とを、粒子法に基づいた流体解析ソフトウェア「Particleworks」(プロメテック・ソフトウェア株式会社の流体解析ソフトウェアの製品名)で作成し、シミュレーション実験を行なった。
シミュレーション実験の比較例及び実験例でそれぞれ用いた溝103,3Bの構造図は、図5A〜図5Eに示す溝3Bである。溝3Bの細い液体入口7aがベース1の長手方向の一端でかつ幅方向の端面に配置されている点が、図1A〜図1Dなどの第1実施形態とは異なっている。よって、液体入口7aからベース1の長手方向に向けて90度に円弧状に湾曲した湾曲部3Baと、湾曲部3Baに接続されかつベース1の長手方向沿いに液体出口7bまで延びた本流部3Bbとで溝3Bを構成している。液体入口7aの路幅は、0.1mm、深さ0.28mmの細い流路で構成して、液体5を液体入口7aから注入する。溝3Bの本流部3Bbの幅は、0.5mm、深さ0.28mm、長さ3.31mmで構成した。このシミュレーション実験で使用した構造は、実在するマイクロチップと同じサイズ及び形状を再現しており、実際に比較例として、ベース1とカバー2とを用いかつ膜4を除いて作成したマイクロチップでは、毛細管現象により先走り液105aが実存し問題となっている。
溝形状以外は図3A〜図3Cの従来構造と同じで、何も製膜されていない(言い換えれば、膜4が形成されていない)カバー2で覆う構造を比較例とし、図5A〜図5Eに示すようにカバー2に膜4を製膜及びパターニングで膜部4aが形成されたカバー2で溝3Bを覆う構造を実験例とし、合計2種類の構造をシミュレーション実験に用いた。図5C及び図5Dは、カバー2の内面2aに膜4がパターニングされて形成された図5Aの5C−5C線の切断端面図及び5D−5D線の切断端面図を示している。図5Eには、カバー2の内面2aに膜4がパターニングされて形成された後、膜4で溝3Bを覆う状態を上から見た図を示す。
図7に示すように、実験例1〜10の膜4の膜厚は、3μmから50μmの10種類の膜厚で比較実験を行った。膜4のパターニングでは、シミュレーション実験中で、先走り液105aが、膜部4aとカバー2の内面2aの露出面とに双方とも均等な長さで交互に3回接するようにパターニングをしている。液体入口7aから流入する液体5は、流量1.19(μL/sec)で注入し、溝3Bの接触角は27度、カバー2の内面2aの露出面の接触角は67度、膜部4aの接触角は27度で、シミュレーション実験を行なった。
先走り液105aの比較実験として、図5Bで示す溝3Bの液体出口7bに、液体105の先走り液105aの先端が到達したとき、液体105の本流液体105bの先端と、先走り液105aの先端との距離を比較値として用いた。この比較値が小さいほど、先走り距離が小さいことがいえる。
<比較例及び実験例第1実施形態の検証実験結果>
図6及び図7に、膜4が形成されていない比較例と、第1実施例に相当する構造を有しかつ膜4の膜厚を10種類異ならせた実験例との実験結果を示す。
図6及び図7の実験例1〜6より、膜厚は、14μm以下から、先走り距離が急激に改善される結果が得られた。
先走り液105aは、接触角θの小さい膜部4aから、接触角θの大きいカバー2の内面2aの露出面に接する際、表面張力と接触角との違いにより、先走り液105aの進行方向とは逆の方向に力Fdが働いた為、先走り液105aの進行が遅れたと考えられる。また、接触角θの小さい膜部4aの膜厚が14μmを越えて厚すぎると、先走り液105aは、接触角θの大きいカバー2の内面2aの露出面に接触することが出来ず、カバー2の内面2aの露出面ではなく、溝3の側面を通り過ぎたため、膜部4aによる抑制効果が発揮できなかった。本実験により、この抑制効果が発揮できる膜厚が、14μm以下〜3μmである結果が得られた。実験上は、最低膜厚は3μmであるが、それ以下でも効果があると推定され、均一な膜として製造することを考慮すると、膜4の最低厚さは5nmとする。
接触角が小さい膜部4aから接触角が大きいカバー2の内面2aの露出面に接触する事で、先走り液105aの抑制効果が発揮できることから、接触角が小さい膜部4aと、接触角の大きいカバー2の内面2aの露出面との段差は、14μm以下にすることが重要である。
図8Aに、比較例のシミュレーション実験を行なった結果を示す。この場合、先走り液105aの先端が液体出口7bに到達したとき、本流液体105bの先端と先走り液105aの先端との距離106は、2.32μmである。
図8Bに、膜部4aの厚みを15μmにした実験例7のシミュレーション結果を示す。この場合、液体5と同じ液体105の先走り液105aの先端が液体出口7bに到達したとき、本流液体105bの先端と先走り液105aの先端との距離107は、2.17μmである。距離107は、比較例の距離106とほとんど変わらない結果となっている。
図8Cに、第1実施例に相当しかつ膜部4aの厚みを10μmにした実験例2のシミュレーション結果を示す。この場合、先走り液105aの先端が液体出口7bに到達したとき、本流液体105bの先端と先走り液105aの先端との距離108は、0.43μmである。この距離108は、先の2つの距離106,107と比較して、大幅に小さくなっており、抑制効果が発揮されていることがわかる。
このように実験結果によれば、接触角が小さい膜部4aと接触角の大きいカバー2の内面2aの露出面との段差、言い換えれば、膜部4aの厚さを14μm以下にすれば、先走り距離が改善される。
なお、接触角の差は、膜部表面の汚れを考慮すると、少なくとも20度あれば、液体5に対して抑制力を発生させることができる。
前記実施形態によれば、膜部4aとカバー内面2aの露出面とを交互に溝3内に配置するとともに、膜部4aの厚さを14μm以下にして、異なる材料の境界で液体5の流れ方向に対して接触角θが大きくなることにより発生する先走り遅れ力(引戻し力)を液体5に作用させて、毛細管現象により先行する液体105aの進行を遅らせる事が出来る。このように、先行する液体105aの進行を遅らす事により、チャンバー又は流路などの溝3内の液体5,105の先走りが抑制され、液体先走りに伴う泡残りが抑制されて、チャンバー又は流路の正確な液体制御が可能となる。
(第2実施形態)
本発明は、第1実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、膜部4aは、溝3、すなわち、流路に沿ってほぼ均等に配置するものに限らず、以下に示すように、偏って配置するようにしてもよい。
図9A〜及び図9Dは、本発明の第1実施形態におけるマイクロ素子において、例えば溝3Cが蛇行している場合について示している。
図9Aは、U字状に蛇行した溝3Cが、入口側の第1湾曲部3Caと、直線状の第1本流部3Cbと、中間の第2湾曲部3Ccと、直線状の第2本流部3Cdと、出口側の第3湾曲部3Ceとで構成されている。このとき、第1本流部3Cbと第2湾曲部3Ccと第2本流部3Cdと第3湾曲部3Ceとに、ほぼ均一な間隔で、膜部4aと同様な第1の材料の第1膜部4Caを配置する。
このように配置することにより、図9Bに示すように、液体入口7aから液体105が導入されるとき、第1本流部3Cbでは、溝3Cの外側の先走り液105cの先端と内側の先走り液105dの先端とは、第1膜部4Caで速度が抑制されながら同じように移動している。
しかしながら、図9Cに示すように、第2湾曲部3Ccに至ると、第1膜部4Caにより速度が抑制されながら、溝3Cの外側の先走り液105cの先端が、内側の先走り液105dの先端よりも遅く第2本流部3Cdに到達するように流れてしまう。これは、溝3Cの内側の距離が外側の距離よりも大幅に短いためである。
このように、均等に配置された第1膜部4Caが配置されていても、溝3Cの外側の先走り液105cの先端と、内側の先走り液105dの先端とで到達時間が異なる場合には、図10Aに示すように、内側の先走り液105dの流路(言い換えれば、曲率半径の小さい側の流路)に、第1膜部4Caと同様な第2膜部4Cbを複数個配置すればよい。例えば、具体的には、内側の先走り液105dの流路(言い換えれば、曲率半径の小さい側の流路)にのみ、9個の第2膜部4Cbを配置して、内側の先走り液105dと第2膜部4Cbとの接触回数を少なく多くする。一方、外側の先走り液105cの流路(言い換えれば、曲率半径の大きい側の流路)には、2個の第1膜部4Caと同様な第3膜部4Ccを配置して、外側の先走り液105cと第3膜部4Ccとの接触回数を内側の先走り液105dの場合よりも少なくするようにする。各第2膜部4Cbの幅は、内側の先走り液105dが接触する程度の幅寸法でよい。同様に、第1膜部4Caの幅は、外側の先走り液105cが接触する程度の幅寸法でよい。ここでは、第1膜部4Caと第2膜部4Cbと第3膜部4Ccとは、同じ材料で同じ幅で同じ接触角を有している。もちろん、可能ならば、第1膜部4Caと第2膜部4Cbと第3膜部4Ccとは、材料と幅と接触角とをそれぞれ異ならせるようにしてもよい。
このように構成すれば、図10Bに示すように、液体入口7aから液体105が導入されるとき、第1本流部3Cbでは、溝3Cの外側の先走り液105cの先端と内側の先走り液105dの先端とは、第1膜部4Caで速度が抑制されながら同じように移動している。
その後、図10Cに示すように、第2湾曲部3Ccから第2本流部3Ccに至るとき、溝3Cの外側の先走り液105cは、外側に配置された2個の第3膜部4Ccで速度が抑制されるだけであるが、内側の先走り液105dは、内側に配置された9個の第2膜部4Cbで速度が抑制されるため、大きく減速して、第2本流部3Ccでは、溝3Cの外側の先走り液105cの先端と内側の先走り液105dの先端とは、同じように移動することになる。
このように、溝3の形状に応じて、膜部の材料、幅、厚さ、配置間隔、又は個数を適宜調整して配置することにより、液体105の溝3Cの外側の先走り液105cと内側の先走り液105dに対する速度抑制力を調整することができる。
すなわち、図11Aに示すように、同じ材料、幅、及び厚さの膜部4Caを、溝3Cで形成する流路に対して平行にほぼ均等間隔で配置するものに限らず、図11Bに示すように、溝3Cの中央部分には配置せず、先走り液105d,105cが流れる溝3Cの内側と外側の部分にのみ、小さな幅の膜部4Cfを配置するようにしてもよい。
また、図11Cに示すように、蛇行する溝3Dは、膜部を配置せずに、ポンプ吐出力により一気に吐出される領域(非先走り抑制制御領域)3Daと、膜部4Daを配置して先走り抑制制御を行う領域(先走り抑制制御領域)3Dbとに区分けするようにしてもよい。このような構成によれば、非先走り抑制制御領域3Daでは、膜部が無いため、液体5は、ポンプ吐出力により一気に吐出されて流れる。これに対して、非先走り抑制制御領域3Daに隣接する先走り抑制制御領域3Dbでは、液体5が膜部4Daに接触するため抑制力が働き、前記した抑制効果を奏することができる。
また、膜部4aを有する膜4をカバー側に配置した理由は、ベース側に膜部を形成するよりも、一般的に形成しやすいためであり、ベース側に膜部を形成できる場合には、ベース側に形成するようにしてもよい。要するに、溝3内を流れる液体5が接触する位置に膜部があればよい。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明にかかるマイクロ素子は、液体を送るときに液体の一部が先に進行する毛細管現象問題を軽減することができて、毎秒数μL(リットル)から数百μLの液を扱うマイクロデバイス及びマイクロチップなどのマイクロ素子として有用である。
1 ベース
2 カバー
2a カバーの内面
3,3B,3C 溝
3Ba 湾曲部
3Bb 本流部
3Ca 入口側の第1湾曲部
3Cb 第1本流部
3Cc 第2湾曲部
3Cd 第2本流部
3Ce 第3湾曲部
3Da 非先走り抑制制御領域
3Db 先走り抑制制御領域
4,4C 膜
4a,4Ca,4Cf 膜部
4b 貫通穴
4c 膜端部
4Da 膜部
5,105 液体
105a 先走り液
105b 本流液体
105c 外側の先走り液
105d 内側の先走り液
6 マイクロ素子
6B マイクロチップ
7a 液体入口
7b 液体出口
8 空間

Claims (5)

  1. 液体が流れる溝を有するベースと、
    前記ベースの前記溝を覆うカバーと、
    前記溝に対向して前記カバーの内面に固定される膜とを備え、
    前記膜は、前記ベースの膜厚方向から見たとき、前記液体の流れる方向と交差する方向における前記溝と同じ幅を有する液体流れ制御膜部を有し、
    前記液体流れ制御膜部は、前記溝で露出されて配置され、
    前記液体流れ制御膜部は、前記液体の流れる方向において、前記カバーの内面における露出面の後に位置し、
    前記液体流れ制御膜部は、前記カバーの前記内面における前記露出面の接触角よりも大きな接触角を有し、
    前記液体流れ制御膜部は、5nm以上14μm以下の厚さを有する、
    マイクロ素子。
  2. 前記液体流れ制御膜部の前記接触角と前記カバーの前記内面の前記露出面の前記接触角との差は、少なくとも20度である、請求項1に記載のマイクロ素子。
  3. 前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有し、
    前記膜は、前記液体の流れ方向に、前記溝の幅と同じ大きさを有する複数の貫通穴を有し、
    前記液体流れ制御膜部は、前記複数の貫通穴の間に位置する、
    請求項1に記載のマイクロ素子。
  4. 前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有し、
    前記液体流れ制御膜部は、湾曲した湾曲部を有し、前記溝の幅方向の両端部において、前記湾曲部での曲率半径の小さい側の端部での前記液体流れ制御膜部との接触回数は、前記湾曲部での曲率半径の大きい側の端部での前記液体流れ制御膜部との接触回数よりも多い、請求項1に記載のマイクロ素子。
  5. 前記溝は、前記液体が前記溝内に導入される液体入口を一端に有し、前記液体入口から導入された前記液体が流れて排出される液体出口を他端に有するとともに、
    前記溝は、前記液体入口に接続されかつ前記液体流れ制御膜部が配置されていない液体流れ非制御領域と、前記液体流れ非制御領域に隣接しかつ前記液体流れ制御膜部が配置されて前記液体の流れを制御する液体流れ制御領域とを、前記液体入口から前記液体出口に向けて順に備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載のマイクロ素子。
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