JP2017050090A - 電極フィルム、それを搭載するデバイス、および、電極フィルムの製造方法 - Google Patents

電極フィルム、それを搭載するデバイス、および、電極フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易に、パターン片同士の間に透明導電材料を残存させた電極フィルム等を提供する。【解決手段】 電極パターン層11を含む電極フィルム10にあって、電極パターン層11は、透明導電層11を歪ませて結晶化させたものを構成材料としている。【選択図】 図1

Description

本発明は、電極フィルム、それを搭載するデバイス、および、電極フィルムの製造方法に関する。
ディスプレイ若しくはEL(Electro Luminescence)照明のような発光デバイス、または、タッチパネルのようなセンサーデバイスに用いられる電極フィルムは、フィルム基材にインジウム・スズ複合酸化物(ITO)等の透明導電層を積層させている。そして、この透明導電層に対して、部分的な絶縁領域を形成させることで、残部の導電性領域をパターン化して、その透明導電層を電極パターン層へと変化させている。
このようなパターン形成の目的は、デバイスを動作させるための電気回路としての機能を担保するためのものである。しかし、導電領域の導電性と絶縁領域の絶縁性とが確保されていれば、導電領域を形成するパターン片同士の間の透明導電材料は、完全に除去されなくてもよい。例えば、特許文献1に記載の発光素子では、パターン片同士の間に残存した透明導電材料が、フォトリソグラフィー法におけるマスクとして利用されている。
特開2014−053578号公報
このような有効利用し得る残存した透明導電材料ではあるが、これを生じさせるためには、単純なパターニングだけでは難しい。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、簡易に、パターン片同士の間に透明導電材料を残存させた電極フィルム等、およびその製造方法を提供することにある。
電極パターン層を含む電極フィルムでは、かかる電極パターン層は、歪ませて結晶化させた透明導電層を構成材料としている。
また、電極パターン層と可撓性基材とを含む電極フィルムの製造方法では、電極パターン層の構成材料である透明導電層は、可撓性部材に直接的または間接的に支持されており、曲率中心を透明導電層側にさせて、可撓性基材を外側、透明導電層を内側にしたカール状態で加熱処理し、非晶質の前記透明導電層を結晶化させる結晶化工程を含む。
本発明によれば、電極フィルムは、電極パターン層において、簡易に、パターン片同士の間に透明導電材料を残存させられる。
は、電極フィルムの断面図である。 は、電極フィルムに対する透過光に関する説明図である。 は、電極フィルムの断面図である。 は、カール状態の透明導電層を示す断面図である。 は、カール状態から水平状態にされた透明導電層を示す断面図である。 は、透明導電層に対するパターニング工程を示す断面図である。 は、マルチプルエッチング処理に基づいた透明導電層の膜厚・抵抗の変化を示すグラフである。 は、遷移時間の特定に用いたグラフである。 は、従来の透明導電層に対するマルチプルエッチング処理に基づいた透明導電層の膜厚・抵抗の変化を示すグラフである。
本発明の一実施形態について説明する。図1は電極フィルム10の平面図である。この電極フィルム10は、例えば、ディスプレイ若しくはEL照明のような発光デバイス、または、タッチパネルのようなセンサーデバイスといったデバイスに広く用いられる。
<電極フィルムについて>
図1に示されるように、電極フィルム10は、フィルム基材13および電極パターン層11を含む。なお、図1に示される白色矢印は、パターニングにより、電極パターン層11の構成材料である透明導電層11の溶解している部分を指す(なお、便宜上、電極パターン層と透明導電層とは同じ部材番号を使用する)。
≪フィルム基材について≫
フィルム基材[可撓性基材]13は、電極フィルム10の土台(基礎)となる材料で、可撓性を有する。さらに、フィルム基材13は、支持する電極パターン層11を結晶化させるための加熱温度(アニール温度)に対する耐熱性も有する。そして、この2つの条件(可撓性および耐熱性)を満たす材料であれば、特に限定されることなく、フィルム基材13に採用される。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフテレート(PBT)、若しくはポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、または、セルロース系樹脂のような透明樹脂が、フィルム基材13の材料として挙げられる。また、これらのような透明樹脂だけでなく、ポリイミド樹脂若しくはフェノール樹脂等の樹脂、十分に薄膜化されたガラス、または、繊維強化プラスチック等であっても構わない。
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはシクロオレフィン系樹脂は、安価で透明性に優れるため、透明性が要求される場合には好適である。なお、透明とは、少なくとも可視光領域(波長400nm以上700nm以下)で無色透明であることを意味する。
また、フィルム基材13の厚みは、可撓性を担保できる範囲では特に限定されないが、0.01mm以上0.4mm以下であると好ましい。この範囲内であれば、電極フィルム10における剛性と柔軟性とが両立するためである。
≪電極パターン層について≫
電極パターン層11は、電極フィルム10の導電性を担う単数または複数の層である。なお、図1では、この電極パターン層11は、フィルム基材13の両面における一方面に直接的に積層された単層の例を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、フィルム基材13の他方面または両面に、電極パターン層11が積層されていても構わないし、後述の機能層がフィルム基材13と電極パターン層11との間に介在することで、電極パターン層11が間接的にフィルム基材13に支持されていても構わない。
電極パターン層11の構成材料(導電材料)である透明導電層11は、透明性と導電性とを両立していれば、特に限定されない。例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、または、酸化錫等の酸化物を主成分としたものが、透明導電層11の材料として挙げられる。なお、品質の安定性の観点から、酸化インジウムおよび酸化錫を主成分としたものが、透明導電層11の材料として好適である。なお、この主成分とは、主成分となる材料が膜成分の90%以上を占めることを意味する
また、透明導電層11(ひいては電極パターン層11パターン片11P)の膜厚は、例えば酸化インジウム錫(ITO)が材料の場合、10nm以上35nm以下であると好ましい。この範囲の中でも、導電性の観点から15nm以上がより好ましく、18nm以上がよりさらに好ましい。また、透明性・色味の観点から30nm以下がより好ましく、25nm以下がよりさらに好ましい。
なお、透明導電層11の製膜方法は、特に限定されるものではないが、均一な薄膜を製膜しやすい点から、スパッタ法が好適である。なお、電力源の種類も、特に限定されるものではなく、例えば、DC(Direct Current)電源、MF(Medium Frequency)電源、またはRF(Radio Frequency)電源であっても構わない。
また、透明導電層11は、製膜後にアニールされることで、非晶質から結晶質に変わる。さらに、この結晶化された透明導電層11は、所望のパターンを有する電極(すなわち電極パターン層11)になるべく、パターニングされるが、パターニングの方法としては、例えばエッチング溶液を用いたフォトリソグラフィー法が挙げられる。
このようなエッチングによって、フィルム基材13上に残った透明導電層11の一片、すなわち電極パターン層11におけるパターン片11Pは、導通ラインとして機能する。しかしながら、電気回路として機能するためには、隣り合ったパターン片11P同士は、非導通状態(絶縁状態)になっていなくてはならない。
この非導通状態のためには、隣り合うパターン片11P同士に、エッチングによって溶解しきれず残存した導電材料(残渣11R)が架け亘らないようにしなくてはならない。一方で、このように残渣11Rを完全に除去することは、透明導電層11における電極パターン層11が外部から視認されやすくなる。これは、パターン片11Pとパターン片11P同士の間の部分との光学特性の差(例えば、透過光の色差)が大きくなるためである。
詳説すると、図2Aのように、フィルム基材113およびパターン片111Pを透過した透過光と、フィルム基材113のみを透過した透過光との色差は、入射光の透過対象物の差異に起因して大きくなり、その電極パターン層111が視認されやすい。一方、図2Bのように、フィルム基材13およびパターン片11Pを透過した透過光と、フィルム基材13と残渣11Rを透過した透過光との色差は、パターン片11Pおよび残渣11Rは同材料であることに起因して小さくなり、その電極パターン層11が視認され難い(なお、色差を容易に理解すべく、図2の透過光を示す矢印には、濃淡を付している)。
以上のようなことを考慮して、パターニングされた透明導電層11、すなわち電極パターン層11は、パターン片11Pを含むとともに、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rをパターン片11P間に散在させて含む。そして、残渣11Rがパターン片11P同士の間に配置しつつ、そのパターン片11Pに対して導通しないためには、エッチングによって溶解させるべき領域において、エッチング速度の速い部分と遅い部分とが生じればよい。
このようになっていると、エッチング速度の速い部分、すなわち、エッチングによってより速くフィルム基材13に到達する部分は、早期に消失するため、エッチング速度の遅い部分をパターン片11P同士の間において孤立させる。これにより、エッチング速度の遅い部分は、パターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとなる。
その上、エッチング速度の遅い部分において、消失した部分(エッチング速度の速い部分)の周辺にあたる部分は、フィルム基材13に残らずに、剥離するようにして溶解する。そのため、エッチング速度の遅い部分は、より高確度で、パターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとなる。なお、このようにパターニングされた透明導電層11を含む電極フィルム10の製造については、後述する
≪機能層および表面処理について≫
なお、図1の電極フィルム10の別例として、例えば、図3に示されるように、フィルム基材13と透明導電層11との間に、単層または複層の種々の機能層12が介在しても構わない。
すなわち、光学調整層、反射防止層、ぎらつき防止層、易接着層、応力緩衝層、ハードコート層、易滑層、帯電防止層、結晶化促進層、結晶化速度調整層、耐久性向上層、半導体層、発光層、バッファ層、電極層、反射層、コンタクト層、バリア層、または、その他機能層が、電極フィルム10に含まれていても構わない(なお、図3は、機能層12が1層のみの例である)。
例えば、フィルム基材13上に、下地層としてのSiO(二酸化ケイ素)が製膜され、かかる層上に光学調整層としてのNb(酸化ニオブ)層またはSiO層が製膜され、さらに、かかる層上に電極パターン層11としてのITO層が製膜されてもよい。
また、フィルム基材13上に、易接着層として有機無機複合材料層が製膜され、かかる層上に電極パターン層11としてのITO層が製膜されてもよい。また、フィルム基材13上に、光学調整層としての有機材料層または無機光学調整層が製膜され、かかる層上に電極パターン層11としてのITO層が製膜されてもよい。
また、フィルム基材13上に、応力緩衝層としての無機材料層が製膜され、かかる層上に電極パターン層11としてのITO層が製膜されてもよい。また、フィルム基材13上に、光学調整能力を有するハードコート層としての有機無機複合材料が製膜され、かかる層上に電極パターン層11としてのITO層が製膜されてもよい。
また、光学調整層以外にも、有機無機を問わず半導体を接合した発光素子若しくは光電変換素子、ひずみ若しくは振動を検出あるいは発生させる力学的素子、磁場若しくは電場を検出あるいは発生させる電磁気学的素子、熱を検出あるいは発生させる熱的素子、または、これらをデバイスとして駆動させるために必要な構成要素を、電極フィルム10は含んでいてもよい。
また、機能層12の位置は、前述のように、フィルム基材13と電極パターン層11との間に介在するとは限らず、例えば、機能層12は、電極パターン層11の表面に製膜されることもある。また、機能層12は、電極パターン層11を製膜された側とは逆側のフィルム基材13の面に製膜されてもよい。
また、1つの機能層(単層)は、単一の機能を有することもあれば、複数の機能を有することもある。例えば、フィルム基材13と電極パターン層11との間に、透明誘電体層(光学調整層)が介在している場合、その透明誘電体層には、フィルム基材13と電極パターン層11との密着性を向上させる機能を持たせることもできる。すなわち、透明誘電体層が、光学調整層としても密着性向上層としても機能する。なお、このような透明誘電体層の材料としては、例えば、SiO(x=1.8〜2.0)が挙げられる。
また、機能層12は、電極フィルム10において、単層製膜されることもあれば、多層製膜されることもある。なお、機能層12が多層製膜されている場合、各機能層が単一または複数の機能を発揮したり、ある機能層と別の機能層とが相まって、単一または複数の機能を発揮したりすることもある。
なお、機能層12の製膜方法については、特に限定されない。製膜方法は、例えば、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、またはエアロゾルデポジション等のドライプロセスを用いてもよいし、有機物をバインダーとして無機粒子を分散させたり、ゾルゲル法により無機膜を形成したりする等のウエットプロセスを用いてもよい。また、製膜した機能層12に対してパターニングまたはエッチングなどの加工を施したものを機能層としてもよい。
なお、機能層12の材料としては、アクリル系有機物、ウレタン系有機物、シリコン系化合物、シラン化合物、イミド化合物等の他、マグネシウム、カルシウム、チタン、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、亜鉛、アルミニウム、インジウム、シリコン、スズ、または、炭素等の元素が挙げられる。また、これらのような元素を含む酸化物、窒化物、または、フッ化物等の化合物が、機能層の材料とされてもよい。
また、前記の元素を適宜組み合わせたものでもよいし、前記の元素を含む化合物を適宜組み合わせたものでも、機能層の材料となり得る。また、前記の元素と前記の元素を含む化合物とを適宜組み合わせたものも、機能層の材料となり得る。
なお、以上のような機能層12以外にも、フィルム基材13の表面に、そのフィルム基材13と電極パターン層11との付着性を向上させる表面処理がある。このような表面処理としては、例えば、フィルム基材13の表面に電気的極性を持たせることで、付着力を高める方法が挙げられる。例えば、コロナ放電またはプラズマ法が挙げられる。
<電極フィルムの製造方法について>
電極フィルム10の製造方法について説明する。なお、以降では、機能層を含まず、透明導電層11(ひいては電極パターン層11)がフィルム基材13に直接的に支持されている例を挙げて説明する。
まず、フィルム基材13に対して透明導電層11を製膜する[透明導電層製膜工程]。その後、図4に示されるように、曲率中心を透明導電層11側にさせて、フィルム基材13を外側、透明導電層11を内側にしたカール状態が形成される[カール状態維持工程]。そして、このように透明導電層11を内巻きにしたカール状態のまま、透明導電層11およびフィルム基材13は加熱(アニール)される[結晶化工程]。これにより、非晶質の透明導電層11は、カール状態に起因して歪みを与えられた状態で結晶質へと変化する。
なお、透明導電層11をカール状態にする(丸巻きする)手段は、特に限定されないが、例えば、円筒体の内部に透明導電層11を挿入させるとよい。また、カール状態の透明導電層11の曲率半径Rは、50mm以下であると好ましく、20mm以下であるとより好ましく、10mm以下であるとさらに好ましい。一方で、過度に小さな曲率半径Rにて、透明導電層11が丸められると、その透明導電層11にクラックが入る虞もあるので、曲率半径Rは1mm以上であると好ましい。
そして、以上のような1mm以上10mm/20mm/50mm以下の曲率半径のカール状態で結晶化された透明導電層11に対してパターニングが行われるが、カール状態よりも水平状態のほうが、パターニングしやすいため、図5に示されるように、フィルム基材13の裏面(透明導電層11の製膜されていない側の面)に粘着層付きの水平フィルム25が貼り付けられる[水平維持工程]。すなわち、結晶化工程後のカール状態の透明導電層11は水平状態にされる。
その後、例えばフォトリソグラフィー法を用いて、透明導電層11をパターニングする[パターニング工程]。このパターニング工程では、エッチング溶液を用いて、透明導電層11の一部を溶解させる。その溶解を、図6を用いて説明する。
図6Aは、エッチングによって溶解する前段階の透明導電層11を示す(なお、白色矢印は、パターニングにより溶解させようとする部分を指す)。この図に示されるように結晶質になった透明導電層11には、結晶粒界11Gが含まれる(なお、結晶粒界11G以外の部分を結晶11Cと称する)。
このような透明導電層11に対してエッチング溶液が作用していくと、結晶11Cおよび結晶粒界11Gともに溶解していくが、歪ませて結晶化させたことに起因して、結晶11Cに比べて結晶粒界11Gに歪みが集中していることから、図6Bに示されるように、結晶粒界11Gのほうが結晶11Cに比べて速く溶解していく。その結果、図6Cに示されるように、結晶粒界11Gが結晶11Cに比べて、先に消失する。そのため、残った結晶11Cは、パターン片11P同士の間において孤立する。
さらに、引きつづきエッチング溶液が作用していくと、図6Dに示されるように、結晶11Cにおいて、消失した部分(結晶粒界11G)の周辺にあたる部分、ひいては孤立していた一部の結晶11Cも、フィルム基材13に残らずに、剥離するように溶解する。そのため、フィルム基材13の残渣11Rは、より高確度で、パターン片11Pに対して非導通となる。
そして、このようなパターニング工程終了後、図6Eに示されるように、水平フィルム25がフィルム基材13から剥がされる。以上により、透明導電層11を歪ませて結晶化させたものを構成材料とした電極パターン層11を含む電極フィルム10は完成する。そして、このような電極フィルム10では、電極パターン層11は、パターン片11Pと、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとを含み、残渣11Rは、パターン片11P間にて、そのパターン片11Pに接触することなく散在する。
このような電極フィルム10は、透明導電層11のカール状態を維持した結晶化工程を経るだけで、簡易に製造される。さらに、パターン片11P同士の間に、残渣11Rが存在することで、フィルム基材13およびパターン片11Pを透過した光と、フィルム基材13および残渣1Rを透過した光との間の色差は小さくなる。すなわち、電極フィルム10を透過した光の分布において、色差が小さくなる。その結果、このような電極フィルム10における電極パターン層11は外部から視認され難い。
ここで、エッチング溶液を用いたパターニング工程におけるエッチング時間Stについて詳説する。このエッチング時間Stは、以下のようにして設定する。なお、以下では、液温35℃・濃度7%の塩化水素(HCl)エッチング溶液を用いた例を説明するが、これに限定されるものではない。
まず、パターニングされていない前記パターニング工程前の透明導電層11、すなわち未パターニングの透明導電層11に対して、例えば30秒のエッチングを行う。このエッチング処理をシングルエッチング処理と称する。そして、1回目のシングルエッチング処理の終了後、透明導電層11の膜厚および抵抗を測定する。
その後、引き続いて30秒のエッチング処理、すなわち2回目のシングルエッチング処理を行う。その後1回目同様に、透明導電層11の膜厚および抵抗を測定する。このようなシングルエッチング処理を複数回行っていき、透明導電層11の膜厚および抵抗を測定していくと、図7に示されるようなグラフが完成する。なお、膜圧は蛍光X線式膜厚測定による平均膜厚であり、抵抗は2端子法(例えば、端子間距離15mm)による抵抗である。
このグラフは、横軸にシングルエッチングの積算時間(秒)、縦軸に透明導電層11の膜厚(nm)および抵抗(kΩ)としており、透明導電層11の膜厚が消失とされるレベルまで、シングルエッチング処理を繰り返した結果である。なお、このようなシングルエッチング処理を複数回行うことをマルチプルエッチング処理と称する。そして、このようなグラフからエッチング処理時間Stを設定する。
まず、透明導電層11、ひいては透明電極フィルム10の抵抗が、予め定めた所定の抵抗の値(閾値:例えば100kΩ)になったとき、この閾値に対応するエッチング時間を絶縁時間Siとする。そして、この絶縁時間Siに基づいた下記の式(1)を満たす時間がエッチング時間Stとなる。
絶縁時間Si×0.9≦エッチング時間St≦絶縁時間Si×1.1 …式(1)
また、このエッチング時間Stは、以上のように透明導電層11の抵抗(すなわち絶縁性)に着目して設定しているが、以下のように透明導電層11の膜厚の溶解現象に着目して設定してもよい。
まず、図7における膜厚変化のグラフ線において、エッチング開始点側から一次関数的挙動を示す部分に、一次関数の近似曲線を引く。そして、このエッチング開始点側から一次関数的に示される部分内における最長のエッチング時間を、遷移時間Snとする。そして、この遷移時間Snに基づいた下記の式(2)を満たす時間がエッチング時間Stとなる。
遷移時間Sn×1.1≦エッチング時間St≦遷移時間Sn×1.5 …式(2)
これらの式は以下の考え方に基づく。図7の膜厚変化のグラフ線において、一次関数的挙動を示すエッチング時間内では、例えば図6Bに示されるように、結晶11Cおよび結晶粒界11Gがともに溶解し始めている段階と考えられる。そのため、遷移時間Siは、エッチング時間Stとしては短い。
しかし、この遷移時間Snを超えると、膜厚変化のグラフ線の残部は二次関数的挙動を示し、このエッチング時間内では、例えば図6Cおよび図6Dに示されるように、結晶粒界11Gが消失し、消失した部分の周辺にあたる部分の結晶11Cの一部も溶解し始めている段階と考えられる。ただし、遷移時間Snより過度に長いエッチング時間になると、残渣11Rが生じなくなり、透明導電層11の絶縁性は担保されるものの、電極パターン層11が外部より視認されやすくなる。
そこで、予め規定した抵抗、すなわち一定の絶縁性を担保する抵抗(閾値)になったときの時間を絶縁時間Siとする。すると、この絶縁時間Siに対する一定の範囲内であると、パターン片11P同士の間に、残渣11Rを生じさせた透明電極フィルム10となる。
また、膜厚変化のグラフ線において、一次関数的挙動を示すエッチング(このようなエッチングを溶解モードと称する)状態から、二次関数的挙動を示すエッチング(このようなエッチングを剥離モードと称する)状態へと遷移していくことから、遷移時間Snから一定以上の時間範囲内であっても、パターン片11P同士の間に、残渣11Rを生じさせた透明電極フィルム10となる。
なお、遷移時間Snは、溶解モードに対応する一次関数の近似曲線と実測値との差分、および、剥離モードに対応する二次関数の近似曲線と実測値との差分おいて、最小の差分となる時間としている。例えば、仮の遷移時間を複数個設定し、それに基づいて一次関数および二次関数の近似曲線を設定した後、この近似曲線の値と実測値と差分(差分積算値)を仮の遷移時間にしたがってグラフ化したところ(図8参照)、そのグラフにおける差分積算値の最小値での仮の遷移時間を、真の遷移時間Snとすればよい(図8の例では、遷移時間Snは270秒である)。
<電極フィルムの分析について>
以上のような電極フィルム10は、透明導電層11を歪ませて結晶化させたものを構成材料としている電極パターン層11を、パターン片11Pと、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとで形成させているが、そのようになっているか否かは、図7のグラフに基づいて、分析により確認される。
例えば、絶縁時間Siに着目すると、電極フィルム10が、平均膜厚7nm以上の絶縁膜厚T(Si)となる透明導電層11を、電極パターン層11の構成材料としている場合、その電極フィルム10は、カール状態で結晶化された透明導電層11を含み、その透明導電層11はパターニングされることで、パターン片11Pと、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとを含む電極パターン層11になるといえる。
なお、絶縁膜厚T(Si)とは、未パターニングの透明導電層11の部分に対し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプルエッチング処理にて、シングルエッチング処理毎の完了後の透明導電層11の平均膜厚の変化および透明導電層11の抵抗の変化をグラフ化し、抵抗が閾値になったときのエッチング時間(絶縁時間)Siでの平均膜厚である。
また、絶縁膜厚T(Si)は、平均膜厚7nm以上よりも、8nmであるとより好ましく、9nm以上であるとさらに好ましい。
また、遷移時間Snに着目すると、電極フィルム10が、平均膜厚11nm以上の遷移膜厚T(Sn)となる透明導電層11を、電極パターン層11の構成材料としている場合、その電極フィルム10は、カール状態で結晶化された透明導電層11を含み、その透明導電層11はパターニングされることで、パターン片11Pと、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとを含む電極パターン層11になるといえる。
なお、遷移膜厚T(Sn)とは、未パターニングの透明導電層11の部分に対し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプルエッチング処理にて、シングルエッチング処理毎の完了後の透明導電層の平均膜厚の層変化をグラフ化し、そのグラフ線におけるエッチング開始点側から一次関数的に示される部分内における最長のエッチング時間(遷移時間)Snでの平均膜厚である。
また、遷移膜厚T(Sn)は、平均膜厚11nm以上よりも、12nmであるとより好ましく、13nm以上であるとさらに好ましく、14nm以上であるとよりさらに好ましい。
また、絶縁時間Siおよび遷移時間Snに着目すると、電極フィルム10が、平均膜厚において、絶縁膜厚T(Si)に対する遷移膜厚T(Sn)の倍率が、1.37倍以上1.53倍以下となる透明導電層を、電極パターン層11の構成材料としている場合、その電極フィルム10は、カール状態で結晶化された透明導電層11を含み、その透明導電層11はパターニングされることで、パターン片11Pと、そのパターン片11Pに対して非導通の残渣11Rとを含む電極パターン層11になるといえる。
なお、前記倍率の関係は、1.37倍以上1.53倍以下よりも、1.38倍以上1.52倍以下であるとより好ましい。
なお、以上では、エッチング溶液として、液温35℃・濃度7%の塩化水素エッチング溶液を用い、シングルエッチング処理の所要時間を30秒とした例を挙げているが、これに限定されるものではない。
また、カール状態ではなく水平状態で結晶化された透明導電層を含む電極フィルムに対して、液温35℃・濃度7%の塩化水素エッチング溶液を用いて、前述のマルチプルエッチング処理(30秒のシングルエッチング処理を繰り返した)結果をグラフ化すると、図9のようなグラフになる(なお、便宜上、絶縁時間Si’、遷移時間Sn’と表記する)。
この図9のグラフと図7のグラフとを比較すると、図7では図9に対して、遷移モードに要する時間(遷移時間Sn)が短くなり、それに合わせて遷移膜厚T(Sn)は厚膜になり、ひいては、絶縁時間Siも短くなって、それに合わせて、絶縁膜厚T(Si)も厚膜になっていることがわかる。
以下、実施例により具体的な説明を行うが、これら実施例により限定されるものではない(表1参照)。
なお、実施例における[マルチプルエッチング処理][膜厚測定]、[抵抗測定][色差測定]に関しての詳細は、以下の通りである。
[マルチプルエッチング処理]
フォトリソグラフィー法を用いて、結晶化した透明導電層に対して、液温35℃で濃度7%の塩化水素(HCl)を用いて、1回あたり30秒間のシングルエッチング処理を繰り返し行った。なお、エッチング開始前および各シングルエッチング処理後に、サンプルの透明導電層の膜厚および抵抗を測定した。
[膜厚測定]
透明導電層の膜厚(平均膜厚)は、RIGAKU製走査型蛍光X線分析装置ZSX PrimusIII+を用い、検量線法にて測定した。なお、膜厚測定装置における制約から、サンプルは直径5cm程度の円形とした。
[抵抗測定]
透明導電層の抵抗は、テスターを用いて、2端子法で端子間距離15mmにて測定した。なお、このようにして得られた抵抗値が100kΩ以上の場合に、サンプルは絶縁性を担保していると判断した。
[色差測定]
日本電色工業製分光色差計SD7000を用い、エッチング開始前のサンプル、抵抗値が初めて100kΩ以上の抵抗を示したサンプル、および、透明導電層の膜厚が消失とされるレベルになったサンプルに対する透過光のL*、a*、b*を測定した。
さらに、これらの値のサンプル間の差異を用いて、下記の計算式から色差(ΔE)を求めた。なお、ΔEが小さいほど、電極パターン層は外部から視認されにくく(非視認性が良好で)、ΔEが大きいほど、電極パターン層は外部から視認されやすい(非視認性が悪い)。
Figure 2017050090
[◆実施例1]
実施例1では、厚さ50μm、ガラス転移温度80℃のPETフィルムで、その両面に、屈折率調整機能を有するハードコート層を積層させたものを、フィルム基材とした。
そして、このフィルム基材を、製膜装置のチャンバーに投入し、その製膜装置内でフィルム基材を搬送させながら、チャンバーの水分圧が1×10−4Paとなるまで真空排気を行った。この際、真空排気に、5時間を要した。さらに、この真空中において、チャンバー内の温度を90℃にして加熱し、脱ガスを行った。
次に、ロール・トゥ・ロール方式のスパッタ装置を用いて、透明導電層をスパッタ製膜した。詳説すると、透明導電層は、ITO(錫酸化物含量7.0質量%)をターゲットとし、アルゴンおよび酸素を100:1(=アルゴン:酸素)の比率で供給し、フィルム基材の基板温度0℃、チャンバー内の製膜圧力0.4Paの条件下で、DC電源を用いて、10kWの放電電力で約30秒スパッタを行い、ITO製の透明導電層を形成した。
次に、透明導電層を結晶化させるため、以上のサンプルを直径約5cmの円形に切り出した後、内径20mmの円筒体に、透明導電層が内側になって丸まるように(透明導電層を内巻き状態で)挿入し、熱風乾燥オーブンにて140℃にて90分間、アニールした。
その後、この結晶化した透明導電層を積層させたフィルム基材は、カール状態から水平状態にさせるべく、フィルム基材の裏面に、厚み125μmの粘着層付きPETフィルム貼り合せた。これにより、透明導電層を積層させたフィルム基材は水平状態となった。
そして、このサンプルにおける種々測定を行ったところ、透明導電層の膜厚は22.5nm、透明導電層の抵抗値は0.32kΩ、サンプルに対する透過光のL*は96.0、a*は−0.20、b*は1.5となった。
続いて、このサンプルに対して、液温35℃で濃度7%の塩化水素(HCl)を用いて、1回あたり30秒間のシングルエッチング処理を複数回行うマルチプルエッチング処理を行い、各シングルエッチング処後の透明導電層の膜厚および抵抗を測定した。結果は、図7に示されるとおりである。
そして、このような図7から、閾値100kΩになるときの絶縁時間Siとして360秒が求められ、それに対応する絶縁膜厚T(Si)は10.9nmであった。また、絶縁時間Siでのサンプルに対する透過光のL*は96.3、a*は−0.10、b*は0.8であった。
また、図8に示すようにして、遷移時間Snを求めたところ270秒であり、それに対応する遷移膜厚T(Sn)は15.2nmであった。
また、透明導電層の膜厚が消失とされるレベルまで、シングルエッチング処理を繰り返した結果、そのサンプルに対する透過光のL*は96.56、a*は−0.06、b*は−0.09であった。
以上の透過光に関する値から、未パターニングの透明導電層を基準にして、絶縁時間Siまでパターニングされたサンプルと、透明導電層の膜厚が消失とされるレベルまでパターニングされたサンプルとの色差を求めたところ、前者のΔEは0.8、後者のΔEは1.7となった。
これより、絶縁時間Siまでパターニングされたサンプル、すなわち、パターン片と、そのパターン片に対して非導通の残渣とで形成された電極パターン層を含む電極フィルムのほうが、残渣を有さずパターン片で形成された電極パターン層を含む電極フィルムよりも、外部から視認されがたいと判った。
[◆実施例2]
実施例2では、結晶化工程において使用する円筒体の直径を40mmにした以外、
実施例1と同様とした。
[◆実施例3]
実施例3では、透明導電層製膜工程において、アルゴンおよび酸素の導入量を実施例1の2倍(すなわち、製膜圧力が2倍の0.8Pa)とした以外、実施例1と同様とした。
[◆実施例4]
実施例4では、透明導電層製膜工程において、ITOターゲットの組成を、錫酸化物含量10.0質量%とした以外、実施例1と同様とした。
[◇比較例1]
比較例1では、結晶化工程において、非晶質な透明導電層を積層させたフィルム基材13を、カール状態にさせることなく、水平状態にして、アニールした以外、実施例1と同様とした。
[◇比較例2]
比較例2では、結晶化工程において、非晶質な透明導電層を積層させたフィルム基材13を、カール状態にさせることなく、水平状態にして、アニールした以外、実施例3と同様とした。
[◇比較例3]
比較例3では、結晶化工程において、非晶質な透明導電層を積層させたフィルム基材13を、カール状態にさせることなく、水平状態にして、アニールした以外、実施例4と同様とした。
Figure 2017050090
[■表1への総評]
実施例では、結晶化工程において、透明導電層がカールされることで、色差(ΔE)が1.0以下になり、比較例(ΔE≧1.3)に比べて、電極パターン層が外部から視認され難いことがわかる。そして、このような電極パターン層になる透明導電層は、平均膜厚7nm以上の絶縁膜厚T(Si)を有することがわかる。
また、このような電極パターン層になる透明導電層は、平均膜厚11nm以上の遷移膜厚T(Sn)を有することもわかる。さらには、このような電極パターン層になる透明導電層において、絶縁膜厚T(Si)に対する遷移膜厚T(Sn)の倍率が、1.37倍以上1.53倍以下となっていることもわかる。
10 電極フィルム
11 電極パターン層、透明導電層
11P パターン片
11R 残渣
11G 結晶粒界
11C 結晶
12 機能層
13 フィルム基材[可撓性基材]
25 水平フィルム
St エッチング処理時間
Si 絶縁時間
Sn 遷移時間
T(Si) 絶縁膜厚
T(Sn) 遷移膜厚

Claims (16)

  1. 電極パターン層を含む電極フィルムにあって、
    前記電極パターン層は、歪ませて結晶化させた透明導電層を構成材料とする電極フィルム。
  2. 前記透明導電層は、可撓性基材に支持されており、
    曲率中心を前記透明導電層側にさせて、前記可撓性基材を外側、前記透明導電層を内側にしたカール状態にして歪みを与えられた請求項1に記載の電極フィルム。
  3. 前記透明導電層の曲率半径が50mm以下である請求項2に記載の電極フィルム。
  4. 平均膜厚7nm以上の絶縁膜厚T(Si)となる透明導電層を、前記電極パターン層の構成材料とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極フィルム。
    なお、前記絶縁膜厚T(Si)とは、未パターニングの前記透明導電層の部分
    に対し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプ
    ルエッチング処理にて、前記シングルエッチング処理毎の完了後の前記透明導電
    層の平均膜厚の変化および前記透明導電層の抵抗の変化をグラフ化し、前記抵抗
    が閾値になったときのエッチング時間Siでの前記平均膜厚である。
  5. 平均膜厚11nm以上の遷移膜厚T(Sn)となる透明導電層を、前記電極パターン層の構成材料とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極フィルム。
    なお、前記遷移膜厚T(Sn)とは、未パターニングの前記透明導電層の部分
    に対し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプ
    ルエッチング処理にて、前記シングルエッチング処理毎の完了後の前記透明導電
    層の平均膜厚の層変化をグラフ化し、そのグラフ線におけるエッチング開始点側
    から一次関数的に示される部分内における最長のエッチング時間Snでの前記平
    均膜厚である。
  6. 平均膜厚において、絶縁膜厚T(Si)に対する遷移膜厚T(Sn)の倍率が、1.37倍以上1.53倍以下となる透明導電層を、前記電極パターン層の構成材料とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極フィルム。
    なお、前記絶縁膜厚T(Si)とは、未パターニングの前記透明導電層の部分
    に対し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプ
    ルエッチング処理にて、前記シングルエッチング処理毎の完了後の前記透明導電
    層の平均膜厚の変化および前記透明導電層の抵抗の変化をグラフ化し、前記抵抗
    が閾値になったときの時間Siでの前記平均膜厚であり、
    前記遷移膜厚T(Sn)、とはグラフ線におけるエッチング開始点側から一次関
    数的に示される部分内における最長のエッチング時間Snでの前記平均膜厚であ
    る。
  7. 液温35℃の濃度7%の塩化水素を前記エッチング溶液とし、30秒を前記シングルエッチング処理の所要時間とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電極フィルム。
  8. 前記平均膜厚は、蛍光X線式膜厚測定による測定値であり、
    前記閾値は、前記電極フィルムを2端子法で端子間距離15mmにおいて測定した抵抗値で100kΩである請求項4〜7のいずれか1項に記載の電極フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極フィルムを搭載したデバイス。
  10. 電極パターン層と可撓性基材とを含む電極フィルムの製造方法にあって、
    前記電極パターン層の構成材料である透明導電層は、前記可撓性部材に直接的または間接的に支持されており、
    曲率中心を前記透明導電層側にさせて、前記可撓性基材を外側、前記透明導電層を内側にしたカール状態で加熱処理し、非晶質の前記透明導電層を結晶化させる結晶化工程を含む電極フィルムの製造方法。
  11. カール状態の前記透明導電層の曲率半径が50mm以下である請求項10に記載の電極フィルムの製造方法。
  12. 前記結晶化工程後のカール状態の前記透明導電層を水平にする水平維持工程を含む請求項10または11に記載の電極フィルムの製造方法。
  13. エッチング溶液を用いたパターニング工程を含み、
    エッチング時間Stが、下記式(1)を満たす請求項10〜12のいずれか1項に記載の電極フィルムの製造方法。
    絶縁時間Si×0.9≦エッチング時間St≦絶縁時間Si×1.1 …式(1)
    なお、前記絶縁時間Siとは、未パターニングの前記透明導電層の部分に対
    し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプル
    エッチング処理にて、前記シングルエッチング処理毎の完了後の前記透明導電
    層の抵抗の変化をグラフ化し、前記抵抗が閾値になったときの時間である。
  14. エッチング溶液を用いたパターニング工程を含み、
    エッチング時間Stが、下記式(2)を満たす請求項10〜12のいずれか1項に記載の電極フィルムの製造方法。
    遷移時間Sn×1.1≦エッチング時間St≦遷移時間Sn×1.5 …式(2)
    なお、前記遷移時間Snとは、未パターニングの前記透明導電層の部分に対
    し、エッチング溶液を用いたシングルエッチング処理を複数回行うマルチプル
    エッチング処理にて、前記シングルエッチング処理毎の完了後の前記透明導電
    層の平均膜厚の変化をグラフ化し、そのグラフ線におけるエッチング開始点側
    から一次関数的に示され部分内における最長のエッチング時間である。
  15. 液温35℃の濃度7%の塩化水素を前記エッチング溶液とし、30秒を前記シングルエッチング処理の所要時間とする請求項13または14に記載の電極フィルム。
  16. 前記平均膜厚は、蛍光X線式膜厚測定による測定値であり、
    前記閾値は、前記電極フィルムを2端子法で端子間距離15mmにおいて測定した抵抗値で100kΩである請求項14〜16のいずれか1項に記載の電極フィルムの製造方法。
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