以下、図面を参照して、実施の一形態について説明する。
図1は、実施形態に係る電子機器を認識するシステムの一例を示す概略図である。
例えば、工場の部品ヤードや通販会社の商品倉庫もしくは小売業の配送部署(配送所)等においては、任意数の作業スペースもしくはラック(商品棚)A01〜Axy(x,yはともに正の整数)、B01〜Bxy、C01〜Cxy、・・・、X01〜XYxyを含むワークエリア1001内の所定の位置に、システムコントローラ(管理者端末装置)1202を含む。システムコントローラ1202は、ネットワークを通じて情報管理サーバ1201と、有線または無線通信による信号およびまたはデータの受け渡しが可能である。なお、ラック(作業スペース)を含むワークエリア1001は、例えば工場の作業テーブルや生産ライン(組み立てスペース)あるいは、学校の机や会議室の着席位置、等であってもよい。また、ワークエリア1001は、例えば配送所におけるストックエリア(ヤード)であってもよい。
ワークエリア(ストックエリア)1001には、情報管理サーバ1201およびシステムコントローラ1202との間の通信が可能な少なくとも1つの位置情報発信部(センサ無線チップ)1204−1〜1204−n(nは正の整数)が、所定数、位置する。
センサ無線チップ(位置情報発信部)1204(−1〜−n、以下特に識別が必要な場合を除いて1204で代表する)は、図2および図3を用いて説明する作業者用端末(ウェアラブル端末)1100−1〜1100−m(mは正の整数)の位置および個数ならびに向きの変化を、図17−図19を用いて説明する検出方法により、個々に認識(検出)する。従い、ウェアラブル端末(作業者用端末)1100(−1〜−m、以下特に識別が必要な場合を除いて1100で代表する)を検出することによりウェアラブル端末1100を保持した任意数の作業者(装着者)の位置および作業者の数ならびに作業者の状態を検出できる。
個々の作業者(装着者)は、ストックエリア(ワークエリア)1001内を自在に移動することができる。個々の作業者は、予定されている所定の作業を、予定された所定の位置、例えばステーションもしくはそれに準じた収容器あるいは可動式のテーブル、等である作業スペース1242において、実行する。作業スペース1242は、例えば配送所においては、装着者(作業者)とともに移動するカート(台車)、等であってもよい。作業スペース(カート)1242とともに移動する装着者は、図8−図10を用いて後段に説明する、例えばグローブ型の携帯可能な管理装置(入出力装置、あるいは確認器と称する場合もある)501−1〜501−p(pは正の整数)を、自身の一方の手、例えば左手に装着する。管理装置501(−1〜−p、以下特に識別が必要な場合を除いて501で代表する)は、より好ましくは、例えばバーコードリーダとして機能する手のひら(手の甲)一体型のハンディターミナル(端末装置)である。
図2および図3は、ウェアラブル端末の実施の形態の一例を示す概略図である。ウェアラブル端末は、携帯可能な端末装置であって、例えばタブレットPC(Personal Computer)や、スマートフォンであってもよい。ウェアラブル端末はまた、スマートフォン(あるいはタブレットPC)を制御部として関連付けられたスマートフォン(タブレットPC)が受信する情報を、ハンズフリー状態で視認可能に、装着者の視線の延長上(の所定の位置)に表示する(ものであることが好ましい)。なお、ウェアラブル端末は、カメラ機能や音響/音声取得機能あるいは振動検出機能、等の装着者からの意思表示に基づき、所定の指示入力(制御情報)を、取得可能である。装着者の意思表示としては、例えば、カメラ機能を実現するカメラのレンズ部を手で遮る、音響/音声取得機能に対して、手をたたく、もしくは音声により次の表示を求める、振動検出機能に対して、所定の振動を与える、等である。以下、ウェアラブル端末を、装着者(作業者)がハンズフリー状態で利用可能な眼鏡型(ヘッドマウントディスプレイ型であってもよい)、として実施の形態を説明する。
ウェアラブル端末1100は、投光部(表示情報生成部)1102、スクリーン(光路合成部)1106、駆動部(画像表示回路および光源駆動回路、信号処理部と称することもある)1134、無線通信部1136等を含み、例えばボタン電池である電源部1132が供給する電力で動作する。
投光部1102は、無線通信部1136を通じ、例えば図4に示す外部ネットワークNTWと接続する情報管理サーバ1201やシステムコントローラ1202との間で通信すなわち情報の受け渡しを行う。
投光部1102はまた、光源部1104、付加画像表示部1110、ハーフミラー面1112、全反射面1114、出射面1116、レンズ群1120等を含む。投光部1102は、光源部1104が出射する非平行光(発散性の光、以下発散光と称する)1108により、付加画像表示部1110が表示する画像や情報を照明し、その(照明光の)反射光である投影画像を出射(出力)する。
光源部1104は、複数、例えば3個のLED(Light Emitting Diode)の互いに発光色が異なり、それぞれの出力光量を独立して変更可能なLEDを含む調光型白色LED光源(L−cos)であることが好ましい。なお、光源部1104に、調光型白色LED光源を用いることにより、ウェアラブル端末1100の使用環境が、例えばオレンジ色が主体の照明が用いられることの多いクリーンルーム内、等である場合においては、使用環境に応じて発光色を変更することができる。また、光源部1104に、調光型白色LED光源を用いることにより、装着者の見易い表示色を出力することで、装着者が見辛い表示色を出力する場合に比較して、目の疲れやそれに伴う偏頭痛、等の装着者にとって支障となる要因の発生を避けることが可能である。
付加画像表示部1110は、例えば反射型のLCD(Liquid Crystal Display)モジュールであり、駆動部1134による表示制御に基づいて、所定の付加画像を表示する。
光源部1104が出力する光1108は、ハーフミラー面1112で反射されることにより付加画像表示部1110が表示する付加画像を照明し、付加画像に対応した付加画像光(画像光と称する場合もある)として、再び反射される。
駆動部1134はまた、付加画像表示部1110が表示する付加画像(付加画像光)に対応して光源部1104の発光を制御する。
スクリーン1106は、手前側透明屈折体1124、フレネルレンズ形ハーフミラー面1122および奥側透明屈折体1126を有する。
スクリーン1106の付加画像表示部1110で反射した光(画像光)1108は、ハーフミラー面1112と出射面1116を通過し、レンズ群1120により所定の画像サイズが与えられ、光路合成部1106のフレネルレンズ形ハーフミラー面1122に到達する。
スクリーン1106のフレネルレンズ形ハーフミラー面1122に到達した前記レンズ群1120を通過した付加画像光1108の一部は、このフレネルレンズ形ハーフミラー面1122で反射し、付加画像表示部1110上で表示される付加画像(画像光)に対応する虚像を形成する。
スクリーン1106は、(ウェアラブル端末1100を装着した)装着者の視線の延長上に見える像すなわち背景画像の一部を透過し、付加画像に対応した画像光とともに装着者が視認可能に、画像を表示する。
光源部1104から出射し、ハーフミラー面1112を通過した画像光(発散光)1108の一部は、全反射面1114で全反射し、出射面1116で屈折して光源部1104からの(発散光である)漏れ光1118となる。この漏れ光1118は、開口あるいは隙間(誘導部)1128を通って外部へ放出される。
ウェアラブル端末1100はまた、投光部1102の所定の位置、例えば底面部にスピーカ1140、(スライド式)スイッチ1142および(回転式)つまみ1144、等を有する。スイッチ1142は、例えば投光部1102が出射する付加画像光1108の輝度の調整が可能である。つまみ1144は、例えば投光部1102が出射する付加画像光1108の投射角度の調整が可能である。スイッチ1142およびツマミ1144を、異なる動作により調整量を設定可能とすることで、スクリーン1106が投影する付加画像を目視しながら、装着者(ユーザ)が、ブラインドタッチで、輝度および投射角度を調整可能である。すなわち、スイッチ1142を操作することで、ユーザ(装着者)の好みに合わせた付加画像の表示輝度や色調を提供できる。また、ユーザ(装着者)の頭部の形状やサイズに合わせて、最適な位置に付加画像を表示可能に、ツマミ1144による投射角度の調整が可能である。なお、スイッチ1142とツマミ1144による調整対象を逆であっても良いことはもちろんであるし、スイッチ1142とツマミ1144の位置が逆であっても良い。
図4は、電子機器および電子機器を認識するシステムの主要な要素をブロック的に示すもので、図1が示すシステムコントローラおよびウェアラブル端末相互の通信(情報およびまたはデータの受け渡し)の一例を示す概略図である。
システムコントローラ1202と個々のウェアラブル端末1100とは、ネットワークNTWを通じて、相互に種々のデータおよび制御信号の受け渡しが可能である。ネットワークNTWには、情報管理サーバ1201が接続する。個々のウェアラブル端末1100は、位置情報発信部1204が出力する位置基準信号を受信して自身の位置を検出(特定)する。個々のウェアラブル端末1100が特定した自身の位置は、装着者すなわち作業者の位置の情報として、作業者ID(装着者を特定する情報)および端末ID(自身を特定する情報)とともに、ネットワークNTWを通じて、情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に、一定時間ごとに、ウェアラブル端末1100自身が、報知する。個々のウェアラブル端末1100による自身の位置の情報の送信は、例えば位置情報発信部1204が位置基準信号を出力するタイミングに応じた所定のタイミングであってもよい。
システムコントローラ1202(または情報管理サーバ1201)と個々のウェアラブル端末1100との間の通信は、有線あるいは無線のいずれであっても良い。システムコントローラ1202(情報管理サーバ1201)と個々のウェアラブル端末1100との間の通信は、例えば近距離無線通信であって、IEEE802.11(b/g)等に準拠する、例えばBluetooth(登録商標)/(ブルートゥース(登録商標))であることが好ましい。
個々のウェアラブル端末1100はまた、自身の位置の情報を送信する際に、作業者の状態を情報管理サーバ1201に送信する。
個々のウェアラブル端末1100は、それぞれと協働するために紐付けられる(1対1で関連付けられる)バーコードリーダ501と、近距離無線通信により相互に通信する。近距離無線通信は、例えばブルートゥース(Bluetooth)あるいはZigBee(登録商標)もしくはNFC(Near Field Communication))の少なくとも1つであることが好ましい。なお、バーコードリーダ501の総数pは、mと同数を含み、mよりも大きい、もしくはmよりも小さい、任意数である。ここで、1つのウェアラブル端末1100に対して同時に2以上のバーコードリーダが関連付けられることを禁止するが、ウェアラブル端末1100との組み合わせ(関連付け)は、任意である。また、バーコードリーダ501のそれぞれとウェアラブル端末1100のそれぞれとの関連付け(紐付け)は、随時、変更可能である。
システムコントローラ1202と個々のバーコードリーダ501とは、ネットワークNTWを通じて、相互に種々のデータおよび制御信号の受け渡しが可能である。ネットワークNTWには、情報管理サーバ1201が接続する。個々のバーコードリーダ501は、位置情報発信部1204が出力する位置基準信号を受信して自身の位置を検出(特定)する。個々のバーコードリーダ501が特定した自身の位置は、ネットワークNTWを通じて、情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に、一定時間ごとに、バーコードリーダ501自身が、報知する。個々のバーコードリーダ501による自身の位置の情報の送信は、例えば位置情報発信部1204が位置基準信号を出力するタイミングに応じた所定のタイミングであってもよい。
システムコントローラ1202(または情報管理サーバ1201)と個々のバーコードリーダ501との間の通信は、有線あるいは無線のいずれであっても良い。システムコントローラ1202(情報管理サーバ1201)と個々のバーコードリーダ501との間の通信は、例えば近距離無線通信であって、IEEE802.11(b/g)等に準拠する、例えばBluetooth(登録商標)/(ブルートゥース(登録商標))であることが好ましい。
図5は、図1および図4が示す情報管理サーバの主要な要素をブロックにより示す概略図である。
図5が示す情報管理サーバ1201は、少なくとも制御部201、通信部202および位置情報管理部203および記憶部(データベース)204を含む。
制御部201は、情報管理サーバ全体を制御する。通信部202は、ネットワークNTWと接続し、ネットワーク上に位置するさまざまな機器、例えばとの間の通信すなわち情報の受け渡しを制御する。
位置情報管理部203は、ウェアラブル端末1100およびシステムコントローラ1202から受信した作業者IDと作業者の位置およびまたは管理者(監督者)IDと管理者(監督者)の位置を管理する。監督者あるいは管理者は、それぞれ独立して存在する場合もあるが、兼任である場合もある。例えば、ワークエリアが複数の建物あるいはフロアに跨る場合には、各建物あるいはフロアのそれぞれに監督者が存在し、全体を管理する管理者が1名以上存在する、と考えることができる。
記憶部(データベース)204は、任意のウェアラブル端末1100から受信した作業者ID(端末ID)により特定される作業者が装着したバーコードリーダ501において受け付けた(読み取った)読み取り対象物の情報や、特定される作業者に対して指示する読み取り対象物の情報、等を保持する。
記憶部(データベース)204はまた、ウェアラブル端末1100を装着した作業者がワークエリア1001内の所定の位置に収納した対象物の情報(収納時にバーコードリーダ501において読み取る)を、ワークエリア1001内の作業スペースもしくはラック(商品棚)A01〜Axy、B01〜Bxy、C01〜Cxy、・・・、X01〜XYxyの位置情報と関連付けて、保持する。
図6は、図1および図4が示すウェアラブル端末の主要な要素を、ブロックにより示す概略図である。
図6が示すウェアラブル端末1100は、処理装置(CPU)を含む制御部301と制御バスによりそれぞれ接続するROM302、RAM303、状態検出部304、通信モジュール305、投光部(表示情報生成部)1102、カメラ1138、スピーカ1140を含む。
制御部301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302が保持するプログラムに従い、ウェアラブル端末(作業者用端末)全体を制御する。
状態検出部304は、例えば加速度センサやジャイロ(gyroscope)、等のセンサを含み、加速度センサやジャイロが出力する情報に基づいて作業者の状態を検出する。状態検出部304は、例えば装着者の頭部の動作(姿勢の変化)であって、例えば対象物を注視している(一定時間、所定の角度に東部を傾ける)、システムコントローラ(管理者)1202からの指示に応答している(うなずく/首を振る)、あるいは予め決められたジェスチャー、等を検出する。作業者の状態は、図17−図19を用いて説明する検出方法を用いて、ウェアラブル端末1100自身の投光部1102からの位置情報発信部1204が検出可能な光(漏れ光1118)の出射を位置情報発信部1204が検出して、情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に報知することも可能である。
通信モジュール305は、ネットワークNTWを通じて情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に、ウェアラブル端末の自身の位置を報知する。通信モジュール305は、また、協働するために紐付けられた(1対1に関連付けられた)バーコードリーダ501とも相互に通信する。
カメラ1138は、ウェアラブル端末から見える状況を撮影し、管理者(監督者)の送信指示あるいは(ウェアラブル端末の)装着者である作業者の送信指示に基づいて、情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に送信する。スピーカ1140は、例えば管理者(監督者)が送信するメッセージあるいは情報管理サーバ1201が保持する情報を、音声情報として(ウェアラブル端末の)装着者である作業者に通知する(音声情報を再生する)。
図7は、図1および図4が示すシステムコントローラの主要な要素や構成の一例を説明する概略図である。
図7が示すように、システムコントローラ1202は、制御バスおよびデータバスを通じて処理装置(CPU)を含む制御部401と接続するROM402、RAM403、表示部404、通信モジュール405および位置検出部406を含む。
システムコントローラ1202は、図1が示すように、例えばパーソナルコンピュータ(PC)のような固定して利用される固定端末や任意に移動可能なタブレットPC、等であってもよい。システムコントローラ1202は、ハンズフリー対応の表示部(ウェアラブル端末)とタブレットPCやスマートフォン(制御部)とを含み、管理者(あるいは監督者)が(ハンズフリー対応の)表示部を装着した状態で移動できることが好ましい。表示部(ハンズフリー対応)は、より好ましくは、パーソナルコンピュータ(タブレットPC)が受信する情報を、装着者の視線の延長上(の所定の位置)に表示する。
制御部401は、RAM403をワークメモリとして、ROM402が保持するプログラムに従い、システムコントローラ1202を制御する。表示部404は、各種情報、例えば(ウェアラブル端末を介して取得する)作業者の位置や状態(あるいは欠員、例えば急病、等で予定されている位置を離れる)およびジェスチャー、等を表示する。位置検出部406は、システムコントローラ1202が、任意の位置に移動可能な、例えばタブレットPC(もしくはスマートフォン)等である場合に、位置情報発信部1204(−1〜−n)が発信する位置情報を受信し、自身の現在位置を検出(特定)する。システムコントローラ1202は、上述の通り、管理者用のウェアラブル端末1100−x(識別のため「−x」を付する)を表示部として、ウェアラブル端末1100−xと関連付けられた制御部が送信する情報を受け取って管理者に表示(報知)するであってもよい。この場合、管理者用のウェアラブル端末1100−xは、位置情報発信部1204(−1〜−n)が発信する位置情報を受信し、自身の現在位置を検出(特定)する。
上記のようにして検出された管理者(監督者)の位置情報と管理者(監督者)IDは、通信モジュール405によりネットワークNTWを介して、情報管理サーバ1201に送信される。
情報管理サーバ1201は、ネットワークNTWを介して取得した任意の作業者の位置とその状態(必要に応じて管理者(監督者)の位置)を管理する。管理者(監督者)は、システムコントローラ1202から情報管理サーバ1201に問い合わせることで、任意の作業者の位置とその状態を把握することができる。
すなわち、実施形態の認識システムは、情報管理サーバ1201にて上述の情報を集めることで、どの作業者がどの位置に居て、どんな状態にあるのか、を管理することができる。また、実施形態の認識システムは、管理者(監督者)が移動可能である場合、管理者(監督者)の位置を、所定のタイミングで把握することができる。
このように、実施形態の認識システムは、管理者(監督者)および作業者のそれぞれの位置を認識でき、管理者(監督者)の付近にいる作業者や、管理者(監督者)から所定の方向に居る作業者、等の管理者(監督者)との相対的な位置も把握することができる。
図8−図10は、図2および図3を用いて説明したウェアラブル端末と協働して利用可能なウェアラブル端末の実施の形態の一例を示す概略図である。図8−図10が示すウェアラブル端末は、図2および図3に示したウェアラブル端末により装着者の視線の延長上に表示した対象物あるいは指示に基づいて、装着者が作業もしくは所定の動作を実行する際に用いるバーコードリーダ501(装着型ハンディターミナル装置)の一例を示す。図8−図10が示すウェアラブル端末は、例えば商品(部品)倉庫、等におけるピッキング作業、等において作業者(装着者)が、身体の一部、好ましくは装着者(作業者)の手(もしくは腕)に装着して利用可能なバーコードリーダである。
図8および図9が示すバーコードリーダ(ウェアラブル端末、以下コードリーダグローブ、あるいはグローブリーダと称する場合もある)501は、例えばグローブ型であり、グローブ本体503、装着者の手のひら側となる面(第1面)側の読み取り機構(第1の読み取り機構)505および手の甲の側となる面(第2面)側の読み取り機構(第2の読み取り機構)507を含む。すなわち、バーコードリーダグローブ501は、装着者の手のひら側となる面および手の甲の側となる面の両面に、第1の読み取り機構(第1のバーコードリーダ)505および第2の読み取り機構(第2のバーコードリーダ)507を有する。
それぞれの読み取り機構505および507は、平面形状の読み取り部(リーダ)511、可撓性を有する照明部(光源)521、を含む。また、手の甲の側となる面側の第2の読み取り機構507は、手のひら側となる面側の第1の読み取り機構505が非動作時にのみ動作するよう、第2の読み取り機構507側に読み取り対象物が位置することを検出する、例えば明るさセンサ509、を含む。なお、図8が示すバーコードリーダグローブ501は、装着者の左手に装着することを意図しているが、右手に装着するグローブについても同様の位置関係で、容易に構成できる。また、リーダ(読み取り部)511は、装着者の指(特に中指)が延びる方向と直交する方向が、読み取り方向であることが好ましい。これは、対象物を読み取る際の装着者の自然な手の動きにより、対象物のバーコード部を読み取り可能とする。すなわち、装着者が対象物のバーコードを読み取るために対象物に手(グローブ501)を近づける際に対象物のバーコード部が正立するよう対象物の向きを規定すると、グローブ503により対象物を握るような動作をとることで、バーコード部のバー部(反射率変化領域であって、例えば黒印刷や素材の色そのもの)の配列がグローブ501のリーダ511のスキャン(読み取り)方向と一致しやすくなることと関連付けられる。ガイド部材519は、ラインセンサ515による読み取り範囲を装着者が目視可能に指示する(対象物のバーコードに)グローブ本体503を近接する、もしくはグローブ本体503に対象物のバーコード(表示)領域を近接する際に、バーコードの長さ方向の両端位置を読み取るためのガイド(目安)となる。
リーダ(読み取り部)511は、図9に示す通り、補強部材513、ラインセンサ515、ラインセンサ515、レンチキュラレンズ部517(およびガイド部材519(図8参照)、図9では奥側の1つのみが見える)、等を含む。補強部材513は、グローブ本体503の所定の位置に位置するラインセンサ515と一体にグローブ本体503に固定される。補強部材513は、(対象物の)バーコードからの反射光がラインセンサ515に入射する際に、バーコードの間隔(地肌部およびバー部(反射率変化領域)の間隔)が変化することを抑止する。ラインセンサ515は、照明部(光源)521からの照明光に対応する反射光を受けとり、地肌部およびバー部のそれぞれに対応する輝度信号(明るさ情報)を、出力する。レンチキュラレンズ部517は、光源521が照明した対象物のバーコードからの反射光をラインセンサ515に案内する。
光源(照明部)521は、図9に示す通り、グローブ本体503の所定の位置に位置するラインセンサ515が読み取り対象部のバーコードからの反射光を受光可能に、照明光を出力する。光源521は、例えばLED(Light Emitting Diode)アレイ523とLEDアレイ523を覆って保護するとともに、LEDアレイ523に可撓性を与える保護部材525、等を含む。LEDアレイ523は、任意数のLED素子を含む。保護部材525は、個々のLED素子を保持し、自身の可撓性によりグローブ本体503が装着者の手の動き、等に基づいて変形する場合においても、照明光を出力するために有益である。保護部材525は、個々のLED素子が出力する光の波長に対して透明(透過率90%以上)であり、例えば塩化ビニルや、酢酸ブチルを含み可撓性に富む透明体、等からなる。
図10は、図8および図9に示したバーコードリーダの主要な要素(信号処理部)を、ブロックにより示す概略図である。
図10において、バーコードリーダ501の信号処理部531は、CPU(制御部)532、切り換え制御部533、点灯制御部534、画像処理部535、通信モジュール536、位置検出部537、等を含む。
CPU532は、第1および第2のバーコードリーダ505および507の各部の動作を制御するもので、具体的には明るさセンサ509からの入力に基づいて第1および第2のバーコードリーダ505または507の何れか一方を駆動し、以降の(バーコードの)読み取り処理を実行する。
点灯制御部534は、CPU532の制御の下で、第1および第2のバーコードリーダ505または507の何れかの光源521を点灯する。
点灯制御部534により点灯した光源に対応する側のバーコードリーダのラインセンサ515は、光源からの光が対象物のバーコードで反射した光を受光し、受光した光を光電変換したのちA−D変換して、画像処理部535へ出力する。
画像処理部535は、A−D変換されたバーコード情報を解析(符号化)し、バーコード情報に対応する所定の形式の符号列(バーコード情報信号)に変換する。画像処理部535はまた、バーコード情報信号を、通信モジュール536を経由し、ネットワークNTWを通じて、情報管理サーバ1201に供給する。
通信モジュール536は、ネットワークNTWを通じて情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に、バーコードリーダの自身の位置を報知する。
位置検出部537は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いた位置情報、あるいはiBeaconのような近距離無線通信を用いた位置情報をもとにバーコードリーダの自身の位置を特定する。
なお、信号処理部531は、例えば電池による、あるいは充電可能なバッテリ(二次電池)による電源を、グローブ本体503内の任意の位置に有し、バーコードリーダ501単体で動作できることが好ましい。また、信号処理部531の通信モジュール536は、例えばバーコードリーダ501と独立に設けられ、例えば有線にて信号処理部531と接続するものであってもよい。
図11は、特定されたある作業者が図2および図3が示すウェアラブル端末を装着して作業を実施する際に、ウェアラブル端末の表示領域に、そのウェアラブル端末に協働する電子機器をさらに装着する装着者の作業支援のための情報を、装着者の視線の延長上に視認可能に表示する表示例を示す概略図である。また図12から図15は、図11(a)−(d)の表示に関する処理の一例を示す図である。図12が図11(a)の表示に関する処理の一例であり、図13が図11(b)の表示に関する処理の一例であり、図14が図11(c)の表示に関する処理の一例であり、図15が図11(d)の表示に関する処理の一例である。
上述したようにウェアラブル端末1100−1〜1100−mとバーコードリーダ501−1〜501−pの最新の位置情報は、情報管理サーバ1201またはシステムコントローラ1202に保存されている。情報管理サーバ1201は、このウェアラブル端末1100−1〜1100−mの位置情報と、バーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報を用いて、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mに協働するバーコードリーダ501−1〜501−pを検索する。
情報管理サーバ1201は、このウェアラブル端末1100−1〜1100−mの位置情報とバーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報を検索し、互いの位置情報が一致した場合、該当するバーコードリーダ501−yをウェアラブル端末1100−xに協働する電子機器、として確定する。このように、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mに協働するバーコードリーダは、互いの位置情報の一致を以て確定される。
バーコードリーダ501−yを、ウェアラブル端末1100−xに協働する電子機器として確定すると、情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xにバーコードリーダ501−yの属性情報yを送信する。この属性情報yには、バーコードリーダ501−yをユニークに識別することができる識別情報が含まれている。識別情報とは、例えば、バーコードリーダ501−yの製造番号やシリアル番号、またシステムコントローラ1202が管理するシステム内おいて、バーコードリーダ501−yに割り振られている管理番号等である。
バーコードリーダ501−yの属性情報を受け取ったウェアラブル端末1100−xは、受け取った属性情報を元に、図11(a)から(d)に示すようにウェアラブル端末1100−xに協働する電子機器(バーコードリーダ501−y)をさらに装着する装着者の作業支援のための情報を、スクリーン1106の表示領域1106aに表示する処理を開始する。
図11(a)は、例えば、特定されたある作業者がウェアラブル端末1100−xとバーコードリーダ501−yとを装着した準備完了(スタンバイ)状態において、ウェアラブル端末1100−xが、協働を開始するバーコードリーダ501−yの管理番号が「No.3」である旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する表示の一例である。
なお、作業者がウェアラブル端末1100−xとバーコードリーダ501−yとを装着した準備完了(スタンバイ)状態とは、ウェアラブル端末1100−xの位置情報とバーコードリーダ501−yの位置情報は同一であり、情報管理サーバ1201が、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mとバーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報を検索することで、バーコードリーダ501−yをウェアラブル端末1100−xに協働する電子機器として確定した、または速やかに確定が完了する見込みの状態である。
図12(a)は、図11(a)の表示の例におけるウェアラブル端末1100−xの処理の一例を示している。情報管理サーバ1201によりバーコードリーダ501−yはウェアラブル端末1100−xに協働する、と確定されたとする。この確定により情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xに対して、バーコードリーダ501−yの属性情報を送信する。ウェアラブル端末1100−xが通信モジュール305によりバーコードリーダ501−yの属性情報yを受信すると、投光部1102は、協働するバーコードリーダ501−yの属性情報yを用いて、バーコードリーダ501−yに関する作業支援情報をスクリーン1106の表示領域1106aに表示するための処理を開始する(S100)。
投光部1102は、受信したバーコードリーダ501−yの属性情報yを取得し(S101)、その属性情報yの中に含まれる情報、例えば管理番号をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する(S102)。
なお、図12(b)に示すように、すでに投光部1102の保存されている、直前に協働したバーコードリーダ501−zの属性情報zと、バーコードリーダ501−yの属性情報yを比較し(S113)、属性情報が変わっていることが確認できた場合のみ、協働を開始するバーコードリーダ501−yの属性情報yの中に含まれる情報、例えば管理番号をスクリーン1106の表示領域1106aに表示(S115)してもよい。
図11(b)は、例えば、特定されたある作業者がウェアラブル端末1100−xとバーコードリーダ501−yとを装着した準備完了(スタンバイ)状態において、ウェアラブル端末1100−xが、直前に協働したバーコードリーダ−zの属性情報zの内容をもとに、協働を開始するバーコードリーダの管理番号が「No.3」である旨に加えて、協働を開始するバーコードリーダが直前に協働していたバーコードリーダから変更されている旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する表示の一例である。
図13(a)は、図11(b)の表示の例におけるウェアラブル端末1100−xの処理の一例を示している。情報管理サーバ1201によりバーコードリーダ501−yはウェアラブル端末1100−xに協働する、と確定されたとする。この確定により情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xに対して、バーコードリーダ501−yの属性情報を送信する。ウェアラブル端末1100−xが通信モジュール305によりバーコードリーダ501−yの属性情報yを受信すると、投光部1102は、協働するバーコードリーダ501−yの属性情報yを用いて、バーコードリーダ501−yに関する作業支援情報をスクリーン1106の表示領域1106aに表示するための処理を開始する(S120)。
投光部1102は、受信したバーコードリーダ501−yの属性情報yを取得(S121)する。また、投光部1102は、すでに投光部1102の保存されている、直前に協働したバーコードリーダ501−zの属性情報zを取得し(S122)、属性情報yと属性情報zを比較する(S123)。比較の結果一致している場合(S124)、投光部1102は、直前に協働したバーコードリーダ501−zは、これから協働を開始するバーコードリーダ−yと同一であると判断し、スクリーン1106の表示領域1106aには何も表示せずに処理を終了(S126)する。比較の結果一致していない場合、投光部1102は、直前に協働したバーコードリーダ501−zは、これから協働を開始するバーコードリーダ−yと同一でないと判断し、属性情報y中に含まれる情報、例えば管理番号を用いて、協働を開始するバーコードリーダの管理番号が「No.3」である旨に加えて、直前に協働したバーコードリーダから変更されている旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する(S125)。
なお図13(b)に示すように、直前に協働したバーコードリーダ501−zとバーコードリーダ501−yとが変わらない場合(S134)でも、協働を開始するバーコードリーダ−yの属性情報y(=属性情報z)に含まれる情報、例えば管理番号を用いて、協働を開始するバーコードリーダの管理番号が「No.3」である旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示(S136)してもよい。
図11(c)は、例えば、特定されたある作業者がウェアラブル端末1100−xとバーコードリーダ501−yとを装着した準備完了(スタンバイ)状態において、ウェアラブル端末1100−xが、協働を開始するバーコードリーダ501−yの管理番号が「No.3」である旨に加えて、ウェアラブル端末1100−xの周辺にバーコードリーダの管理番号「No.1」が存在している旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する表示の一例である。
上述したように情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mの位置情報とバーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報を検索し、互いの位置情報が一致した場合、該当するバーコードリーダ501−yをウェアラブル端末1100−xに協働する電子機器、として確定する。この協働する電子機器として確定した後に、情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xの周辺に存在するバーコードリーダを検索して抽出することも可能である。ウェアラブル端末1100−xの周辺に存在するバーコードリーダを検索して抽出した情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xに対して、協働するバーコードリーダ501−yの属性情報yに加えて周辺に存在するバーコードリーダとして抽出したバーコードリーダの属性情報も、併せて送信する。バーコードリーダ501−yの属性情報yと周辺に存在するバーコードリーダの属性情報とを受け取ったウェアラブル端末1100−xは、図11(c)に示すように、ウェアラブル端末1100−xの周辺に存在しているバーコードリーダの管理番号も併せてスクリーン1106の表示領域1106aに表示する。
図14(a)は、図11(c)の表示の例におけるウェアラブル端末1100−xの処理の一例を示している。図14(a)の処理は、図13(a)の処理に対して、送られてきた属性情報から、周辺に存在するバーコードリーダの属性情報を取得する処理(S142)と、その取得した情報を用いて、周辺に存在するバーコードリーダの属性情報をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する処理(S146)が追加されている。図14(b)の処理も、同様に、図13(b)の処理に対して、送られてきた属性情報から、周辺に存在するバーコードリーダの属性情報を取得する処理(S152)と、その取得した情報を用いて、周辺に存在するバーコードリーダの属性情報をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する処理(S156/S157)が追加されている。
なお、図14(b)に示すように、すでに投光部1102の保存されている、直前に協働したバーコードリーダ−zの属性情報zと、バーコードリーダ501−yの属性情報yが変わらない場合(S154)でも、協働を開始するバーコードリーダ−yの属性情報y(=属性情報z)に含まれる情報、例えば管理番号を用いて、協働を開始するバーコードリーダの管理番号が「No.3」である旨と周辺に管理番号「No.1」のバーコードリーダが存在している旨とをスクリーン1106の表示領域1106aに表示(S157)してもよい。
上記の図11(a)から(c)の例では、バーコードリーダ501−1〜501−pは、どのウェアラブル端末1100−1〜1100−mとも協働することが可能な場合の例である。しかしウェアラブル端末によっては、特定のバーコードリーダだけしか協働することを許可しない場合もある。このような場合には、システムコントローラ1202は、ウェアラブル端末1100−1〜1100−m各々に対して、協働することを許可するバーコードリーダを個別に設定することができる。
図16は、ウェアラブル端末1100−1〜1100−m各々に協働することが許可されたバーコードリーダの一覧である。協働することを許可されたバーコードリーダの一覧で管理されている情報は、ウェアラブル端末1100−1〜1100−m及びバーコードリーダ501−1〜501−pの属性情報に基づいている。図16の一覧の例は、管理されている情報は、システムコントローラ1202が管理するシステム内においてウェアラブル端末1100−1〜1100−m及びバーコードリーダ501−1〜501−pに割り当てられている管理番号で管理されている場合である。協働することを許可されたバーコードリーダの一覧は、システムコントローラ1202によって管理され、随時更新される。協働することを許可されたバーコードリーダの一覧は、少なくとも更新タイミングにおいて、システムコントローラ1202からウェアラブル端末1100−1〜1100−mに送信される。
図11(d)は、例えば、特定されたある作業者がウェアラブル端末1100−xとバーコードリーダ501−yとを装着した準備完了(スタンバイ)状態において、協働することを許可されたバーコードリーダの情報により、作業者が装着したバーコードリーダ501−yが協働することが許可されていないと判明した場合に、ウェアラブル端末1100−xが、スクリーン1106の表示領域1106aにその旨を表示する表示の一例である。
図15は、図11(d)の表示の例におけるウェアラブル端末1100−xの処理の一例を示している。情報管理サーバ1201によりバーコードリーダ501−yはウェアラブル端末1100−xに協働する、と確定されたとする。この確定により情報管理サーバ1201は、ウェアラブル端末1100−xに対して、バーコードリーダ501−yの属性情報を送信する。ウェアラブル端末1100−xが通信モジュール305によりバーコードリーダ501−yの属性情報yを受信すると、投光部1102は、協働するバーコードリーダ501−yの属性情報yを用いて、バーコードリーダ501−yに関する作業支援情報をスクリーン1106の表示領域1106aに表示するための処理を開始する(S160)。
投光部1102は、受信したバーコードリーダ501−yの属性情報yを取得(S161)する。また、投光部1102は、すでに投光部1102の保存されている、協働することを許可されたバーコードリーダの一覧の情報を取得する(S162)。この協働することを許可するバーコードリーダの一覧の情報により、S161で属性情報を受信したバーコードリーダ501−yが、ウェアラブル端末1100−xに協働することが許可されているかどうかを判断する(S163)。許可されていないことが判明した場合、投光部1102は、作業者が装着したバーコードリーダ501−yはウェアラブル端末1100−xに協働することが許可されておらず、使用することが適切でない旨をスクリーン1106の表示領域1106aに表示する(S164)。
なお上記図12から図15の、バーコードリーダ501−yに関する作業支援情報をウェアラブル端末1100−xのスクリーン1106の表示領域1106aに表示するための処理は、上述したように、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mと、それに協働するバーコードリーダ501−1〜501−pを確定する処理を、情報管理サーバ1201における処理としている。しかし、ウェアラブル端末1100−1〜1100−mが、情報管理サーバ1201からバーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報を含む属性情報を逐次受信することで、ウェアラブル端末1100−1〜1100−m内の処理として、受信したバーコードリーダ501−1〜501−pの位置情報と自らの位置情報を比較して、協働するバーコードリーダを決定することもできる。
図17は、ウェアラブル端末の光源部からの漏れ光を利用する実施形態の検出システムの基本的な考え方を示す概略図である。すなわち、図2および図3が示すウェアラブル端末からの漏れ光を利用することで、ウェアラブル端末(装着者)の位置および装着者の状態を検出することができる。
図17が示す検出システムは、1個以上のウェアラブル端末1100(−1〜−m)、1個以上のセンサ無線チップ1204(−1〜−n)、そして1個のシステムコントローラ1202を含む。またそれらは、相互間の通信により、情報の受け渡しが可能である。相互間の通信は、有線あるいは無線のいずれであっても良いが、例えば近距離無線通信、特にBluetooth(ブルートゥース)であることが好ましい。より好ましくは、それらが互いに、近距離無線通信で連携することで、ウェアラブル端末1100(またはセンサ無線チップ1204)の自由な移動(または配置場所の変更)に影響を受けずに連携動作や連携処理が可能である。
実施形態の検出システムでは、ウェアラブル端末1100の光源部1104が出力する光1108に、個体識別情報すなわち任意数のウェアラブル端末1100を識別可能に、ウェアラブル端末の識別情報(Identification、以下端末IDと称する場合もある)を含む情報を用いて間欠的に変調をかける。(光源部1104が出射する光1108を、端末IDを含む情報信号で変調する。)すなわち、実施形態の検出システムでは、漏れ光1118を利用して、ウェアラブル端末1100を『情報発信源』として利用する。このように、ウェアラブル端末1100に広く知られている表示機能に加えて情報発信機能を持たせることにより、ウェアラブル端末1100の多機能化が実現できる。これにより、ウェアラブル端末1100を含むシステムの多様性を達成できる。
光源部1104の発光量を変調する方法には、例えば発光量をゼロまで落とすチョッパー形変調方式を非利用とし、発光量が低い状態でも所定量以上の発光量を確保できる変調方式を採用する。これにより、装着者の目に対する負担を軽減できる。変調方式としては、例えばDSV(Digital Sum Value)フリーの変調方式(すなわち常に変調後信号のDSVを計算し、適宜ビット反転コードを挿入可能にして直流成分をゼロとする変調方式)を採用する。それにより、比較的ロングレンジでの発光量変化を抑えることができ(巨視的に常に発光量変化をゼロにでき)、装着者の目への負担を、一層軽減できる。
人間の目は、0.02秒程度の変化まで認識できるので、上記変調の基準周波数を10Hz以上、例えば20Hz以上、より好ましくは60Hz以上に設定することで、装着者の目に対する負担を軽減する効果も生まれる。一方、光源部1104に使用されるLEDは、内部インピーダンスと接続容量を持つため、精度良い変調周波数は、100MHz未満、望ましくは10MHz以下が望ましい。従って、実施形態の検出システムにて用いる光源部1104変調の基準周波数は、10Hz〜100MHz、望ましくは10Hz〜10MHzの範囲が好ましい。
また、実施形態の検出システムでは、光源部1104からの発散光である漏れ光1118を利用している。これにより、センサ無線チップ1204が検出する検出光量がウェアラブル端末1100とセンサ無線チップ1204との間の距離δに応じて変化する。この現象を利用すると、ウェアラブル端末1100とセンサ無線チップ1204との間の距離(あるいはセンサ無線チップ1204に対するウェアラブル端末1100の向き)が予測できる。
光源部1104からの漏れ光1118として発散光を使用することにより、上記の光を、比較的広い範囲で検出できる。その結果、比較的少ない数のセンサ無線チップ1204(−1〜−n)を設置するだけでウェアラブル端末1100の位置(ウェアラブル端末1100とセンサ無線チップ1204との間の距離)検出や方向(センサ無線チップ1204に対するウェアラブル端末1100の向き)検出が可能となる。これにより、検出システムを設置するために必要となる設備費用を低減できる。
センサ無線チップ1204が検出した光源部1104からの漏れ光1118(透過光1158)の光量情報は、所定のタイミングで、センサ無線チップ1204からシステムコントローラ1202(または情報管理サーバ1201)へ送信される。システムコントローラ1202は、システムコントローラ1202が収集した(または情報管理サーバ1201に集約された)センサ無線チップ1204からの情報を解析する。これにより、任意のウェアラブル端末1100(−1〜−m)すなわち装着者の位置および装着者の状態が推定可能となる。
なお、図17が示す実施形態では、作業台1206(図1におけるラックもしくは作業スペースA01〜Axy、B01〜Bxy、C01〜Cxy、・・・、X01〜XYxy)上にセンサ無線チップ1204が固定され、ウェアラブル端末1100が移動可能である。しかしそれに限らず、センサ無線チップ1204(及び作業台1206)が移動可能であっても良い。その場合には、センサ無線チップ1204(及び作業台1206)の流通状態を、定位置(固定位置)に配置したウェアラブル端末1100で読み取っても良い。
図18は、実施形態に係る電子機器を認識するシステムの具体的な利用例を説明する概略図である。
図18では、システムコントローラ1202が管理するシステム(図1におけるワークエリア1001)内が、2個のセクション1210−1および1210−2に分割された例として説明する。セクション1210−1および1210−2は、例えば間切りされたパーティション(partition)であってもよい。
図18において、ウェアラブル端末1100−1(第1の装着者)と1100−2(第2の装着者)がセクション1210−1内を移動し、ウェアラブル端末1100−3(第3の装着者)がセクション1210−2内の所定の位置に位置している(概ね一定の位置に留まっている)場合を考える。セクション1210−1内には、4個のセンサ無線チップ(位置情報発信部)1204−1〜1204−4が設置されているものとする。セクション1210−1内の任意のウェアラブル端末1100(−1〜−3)からの光(漏れ光1118)の光量は、個々のセンサ無線チップ1204−1〜1204−4にて検出される。個々のセンサ無線チップ1204−1〜1204−4は、それぞれにおいて検出した光(漏れ光1118)の光量をA−D(Analog - Digital)変換し、光量に対応する光量情報として、所定のタイミングで、近距離無線通信によりシステムコントローラ1202へ送信する。
図18により、装着者の移動に合わせてウェアラブル端末1100−1がセンサ無線チップ1204−1方向へ移動すると同時にウェアラブル端末1100−2の向きが装着者の任意の動作、例えば首振り(うなづき)や頭部の旋回に応じて一時的に変化した場合を考える。この時のシステムコントローラ1202における時系列的な検出情報の変化を図19に示す。
図19では、ウェアラブル端末1100−1〜1100−3のそれぞれの光源部1104からの漏れ光1118(透過光1158)の変調方式として、間欠的な時間変化方式を用いた例を示している。すなわち、ウェアラブル端末1100−1〜1100−3のそれぞれにおいて、変調させるタイミングをずらしている(個々のウェアラブル端末の変調期間をシフトしている)。
図19が示すように、1番目のウェアラブル端末1100−1については、間欠的にウェアラブル端末のID変調期間1304が設定され、それ以外の期間では無変調期間1302となる。1番目のウェアラブル端末1100−1のID変調期間1304内では、同期信号SYNC(図19(l))とウェアラブル端末の識別情報(Identification、以下端末IDとする)が一つの組を構成(1対1で対応)する。その組が複数回(図19が示す例では、センサ無線チップ1204(−1〜−n)の数(n)に合わせた4の倍数回)、繰り返される。
1番目のウェアラブル端末1100−1が無変調期間1302に入ると同時に、2番目のウェアラブル端末1100−2のID変調期間1306が開始する。同様に2番目のウェアラブル端末1100−2が無変調期間1302に入ると同時に、3番目のウェアラブル端末1100−3のID変調期間1308が開始する。
2番目のウェアラブル端末1100−2のID変調期間1306内と3番目のウェアラブル端末1100−3のID変調期間1308内とにおいては、同期信号SYNC(図19(l))と個々のウェアラブル端末1100の識別情報(端末ID)が繰り返し変調される。このように、個々のウェアラブル端末1100の識別情報(端末ID)を変調信号内に乗せることで、システムコントローラ1202内で、その識別情報(端末ID)が検出可能となる。それにより、システムコントローラ1202は、検出タイミングと並行してウェアラブル端末の識別情報(端末ID)を確認できるため、ウェアラブル端末の識別精度が向上する。
上記の例では、ウェアラブル端末1100−1〜1100−3のそれぞれの変調タイミングは、時分割(間欠化)されている。しかし、実施形態の検出システムでは、それに限らず、例えば全てのウェアラブル端末1100−1〜1100−3について、連続的に変調されるものとし、ウェアラブル端末1100−1〜1100−3のそれぞれの変調基準周波数を変化させても良い。また、スペクトル拡散時のそれぞれの周波数スペクトル特性を変化させても良い。
図19(d)〜図19(g)が示すように、センサ無線チップからの情報通信期間1310は、細かく時間分割されている。そして、センサ無線チップ1204−1〜1204−4のそれぞれにおいて、システムコントローラ1202との通信タイミングが、互いにずれる。この通信タイミングは、システムコントローラ1202が管理する。
図18において、初期の時点では、ウェアラブル端末1100−1の光源部1104からの漏れ光1118−1の一部が、センサ無線チップ1204−4に到達する。そのため、初期の時点では、図19(k)に示すように、センサ無線チップ1204−4がウェアラブル端末1100−1の光源部1104からの変調された漏れ光1118−1を検出する。しかし、ウェアラブル端末1100−1がセンサ無線チップ1204−1へ向かって移動するに連れて、センサ無線チップ1204−4が検出するウェアラブル端末1100−1の光源部1104からの漏れ光1118−1の変調信号振幅が減少して行く(図19(k))。一方、センサ無線チップ1204−1が検出するウェアラブル端末1100−1の光源部1104からの漏れ光1118−1の変調信号振幅は、時間の経過と共に増加する。このように、システムコントローラ1202内で、個々のセンサ無線チップ1204(−1〜−n)が検出する変調信号振幅の時間変化を比較することで、検出対象であるウェアラブル端末1100(−1〜−m)の位置の時間変化(移動状態)が推定できる。
一方、初期の時点で、ウェアラブル端末1100−2がセンサ無線チップ1204−3の方向を向いている場合には、光源からの漏れ光1118−2から得られる変調信号振幅は、センサ無線チップ1204−2での検出量よりセンサ無線チップ1204−3での検出量の方が大きい。このとき、例えば装着者が首を振り、一時的にセンサ無線チップ1204−2の方向を向いた場合を考える。すると、センサ無線チップ1204−2が出力する(ウェアラブル端末1100−2の)検出出力は、図19(i)が示すように、光源部1104からの漏れ光1118−2’)に対応して一時的に増加する(その後減少する)。他方、センサ無線チップ1204−3が出力する(ウェアラブル端末1100−2の)検出出力は、図19(j)が示すように、光源部1104からの漏れ光1118−2’)に対応して一時的に減少した後、再度増加する。
このように、システムコントローラ1202内で、個々のセンサ無線チップ1204が検出する変調信号振幅の時間変化を比較することで、(検出対象である)ウェアラブル端末1100(−1〜−m)の向きの時間変化も推定できる。
上記の検出例は、装着者の動きとして、装着者の移動や装着者の首振りである場合の例を示している。しかしそれに限らず、装着者のさまざまな別の行動を利用しても良い。例えば、装着者の手の移動や(装着者による)意図的な上体(身体)のひねり、等により光源部1104からの漏れ光1118−2を、一時的に遮光しても良い。この場合は、全てのセンサ無線チップ1204−1〜1204−4において、共通に(同一の時間帯に)、変調信号振幅の一時的な減少が生じる。このように、全てのセンサ無線チップ1204−1〜1204−4の変調信号振幅の変化の関連性を比較することで、ユーザの異なる行動パターンを識別可能となる。
以上の方法を利用することにより、単なるユーザの行動を把握するだけでなく、ユーザの意思をシステムコントローラ1202に伝えることが可能となる。その結果、システムコントローラ1202から一方的に情報を受け取るだけでなく、ユーザとシステムコントローラ1202との間で、双方向の情報伝達が可能となる。
以上のように、作業者が装着するウェアラブル端末およびウェアラブル端末に協働する電子機器をさらに装着する装着者の作業支援のための情報を作業者が装着しているウェアラブル装置の表示機能に表示することで、装着するウェアラブル端末に協働する電子機器に関する情報をリアルタイムに作業者に提示することが可能となり、作業者の作業効率を高めることが出来る。
例えば、作業者は、装着していたウェアラブル端末およびウェアラブル端末に協働するバーコードリーダを、休憩時間時には外すことが一般的である。休憩時間終了後に作業を再開する時、再度作業者がウェアラブル端末およびウェアラブル端末に協働するバーコードリーダを再度装着して作業をする場合には、図11(a)に示すように、作業者は、ウェアラブル端末のスクリーン1106の表示領域1106aに表示された、装着しているバーコードリーダの管理番号をリアルタイムに目視確認することが可能となる。これにより、作業者は、作業のを支援を受けることが可能となり作業効率を高めることができる。
また、休憩前と休憩後で、作業者が装着しているウェアラブル端末とバーコードリーダの組み合わせとが異なる場合は、図11(b)に示すように、装着しているバーコードリーダの管理番号に加えて休憩後に装着したバーコードリーダは、休憩前に装着していたバーコードリーダと異なる旨をウェアラブル端末のスクリーン1106の表示領域1106aに表示することで、作業者が休憩後に装着したバーコードリーダの確認をより容易なものにすることができる。
更にまた、図11(c)に示すように、装着しているバーコードリーダの管理番号だけでなく、その周辺に存在しているバーコードリーダの番号も併せて、ウェアラブル端末のスクリーン1106の表示領域1106aに表示することで、バーコードリーダの取り間違いがないかを装着者に確認させることが可能となり、作業の精度を上げることができる。
更にまた、ウェアラブル端末に協働することができるバーコードリーダを予め決めることで、図11(d)に示すように、休憩後のバーコードリーダの取り間違いがあった場合に、装着したバーコードリーダの管理番号をリアルタイムに目視確認することを可能にすることで、取り間違いによる以降の作業への悪影響を事前に排除することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。