JP2017049048A - 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度の低下を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供する。
【解決手段】圧力センサー1は、ダイアフラム24を有する基板2と、空洞部Sと、空洞部Sの周囲を囲む配線部421、441と、配線部421、441の間に配置された充填部47と、を有している。また、配線部421は、基板2と接続される第1コンタクト部421aを有し、配線部441は、配線部421と接続される第2コンタクト部441aを有している。また、第2コンタクト部441aは、第1コンタクト部421aと接続される第1コンタクト片441a’と、第1コンタクト片441a’よりも空洞部Sと反対側で配線部421と接続される第2コンタクト片441a”と、を有し、これら第1、第2コンタクト片441a’、441a”の間に充填部47が配置されている。
【選択図】図4
【解決手段】圧力センサー1は、ダイアフラム24を有する基板2と、空洞部Sと、空洞部Sの周囲を囲む配線部421、441と、配線部421、441の間に配置された充填部47と、を有している。また、配線部421は、基板2と接続される第1コンタクト部421aを有し、配線部441は、配線部421と接続される第2コンタクト部441aを有している。また、第2コンタクト部441aは、第1コンタクト部421aと接続される第1コンタクト片441a’と、第1コンタクト片441a’よりも空洞部Sと反対側で配線部421と接続される第2コンタクト片441a”と、を有し、これら第1、第2コンタクト片441a’、441a”の間に充填部47が配置されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、基板上に配置された周囲構造体と、を有し、これらの間に圧力基準室が形成されている。また、圧力基準室の周囲には、製造時のエッチングに対する耐性を有するガードリング(第1、第2導電層および被覆層)が設けられている。
このような構成の圧力センサーでは、製造工程の途中までは圧力基準室(ガードリングの内側)が犠牲層で埋まっており、この犠牲層を被覆層の貫通孔を介して除去することで圧力基準室が形成される。
ここで、犠牲層の除去は、ウェットエッチングにより行うが、犠牲層をより確実に除去するために、長時間のウェットエッチングが必要となる。そのため、周囲構造体の圧力基準室以外の箇所にもエッチング液が滲み込んでしまい、犠牲層以外の箇所(除去しない箇所)が不本意に除去されるおそれがある。特に、ガードリングの周囲にエッチング液が滲み込み易く、これにより、ガードリングの一部が周囲構造体から剥がれてしまい、ガードリングの機械的強度が低下するおそれがある。このように、ガードリングの機械的強度が低下すると、圧力基準室が潰れ易くなり、圧力検知精度が低下する。
本発明の目的は、機械的強度の低下を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記基板上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第1配線部と、
前記第1配線部上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第2配線部と、
前記第1配線部と前記第2配線部との間に配置された充填部と、を有し、
前記第1配線部は、前記基板と接続される第1コンタクト部を有し、
前記第2配線部は、前記第1配線部と接続される第2コンタクト部を有し、
前記第2コンタクト部は、前記第1配線部の前記第1コンタクト部と接続される第1コンタクト片と、前記第1コンタクト片よりも前記圧力基準室と反対側で前記第1配線部と接続される第2コンタクト片と、を有し、
前記充填部は、前記第1コンタクト片と前記第2コンタクト片との間に配置されていることを特徴とする。
これにより、機械的強度の低下を低減することのできる圧力センサーが得られる。
本発明の圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記基板上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第1配線部と、
前記第1配線部上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第2配線部と、
前記第1配線部と前記第2配線部との間に配置された充填部と、を有し、
前記第1配線部は、前記基板と接続される第1コンタクト部を有し、
前記第2配線部は、前記第1配線部と接続される第2コンタクト部を有し、
前記第2コンタクト部は、前記第1配線部の前記第1コンタクト部と接続される第1コンタクト片と、前記第1コンタクト片よりも前記圧力基準室と反対側で前記第1配線部と接続される第2コンタクト片と、を有し、
前記充填部は、前記第1コンタクト片と前記第2コンタクト片との間に配置されていることを特徴とする。
これにより、機械的強度の低下を低減することのできる圧力センサーが得られる。
本発明の圧力センサーでは、前記第1配線部は、前記第1コンタクト部の周囲に配置される第1フランジ部を有し、
前記第2コンタクト片は、前記第1フランジ部と接続されることが好ましい。
これにより、第1コンタクト片および第2コンタクト片の設置スペースを容易に確保することができる。また、第1コンタクト部の大型化を低減することができる。
前記第2コンタクト片は、前記第1フランジ部と接続されることが好ましい。
これにより、第1コンタクト片および第2コンタクト片の設置スペースを容易に確保することができる。また、第1コンタクト部の大型化を低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記圧力基準室を挟んで前記基板と対向配置されている被覆部を有し、
前記被覆部は、前記第2配線部から形成され、
前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分は、前記第1配線部と非接触であることが好ましい。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に段差が生じ難くなる。
前記被覆部は、前記第2配線部から形成され、
前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分は、前記第1配線部と非接触であることが好ましい。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に段差が生じ難くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記第2配線部の縦断面視で、前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分は、3以下の屈曲部を有することが好ましい。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に凹部が生じ難くなる。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に凹部が生じ難くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記第2配線部の縦断面視で、前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分の前記圧力基準室と反対側の面は、連続した面で構成されていることが好ましい。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に段差が生じ難くなる。
これにより、前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分に段差が生じ難くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記充填部は、前記第1配線部と前記第2配線部とで覆われていることが好ましい。
これにより、第1配線部および第2配線部の機械的強度をより高めることができる。
これにより、第1配線部および第2配線部の機械的強度をより高めることができる。
本発明の高度計は、本発明の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
以下、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーが有する圧力センサー部を示す平面図である。図3は、図2に示す圧力センサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図4は、図1に示す圧力センサーの部分拡大断面図である。図5および図6は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの変形例を示す部分拡大断面図である。図7ないし図12は、ぞれぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法を示す断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図1に示す圧力センサー1は、基板2と、圧力センサー部3と、周囲構造体4と、空洞部Sと、を有する。以下、これら各部について順に説明する。
[基板]
基板2は、Si(シリコン)基板である半導体基板21上に、シリコン酸化膜(SiO2膜)で構成された第1絶縁膜22と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜23と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板21としては、Si基板に限定されず、例えば、SOI基板(Si層、SiO2層、Si層がこの順で積層している基板)を用いることもできる。また、第1絶縁膜22や第2絶縁膜23についても、エッチング耐性と絶縁性とを発揮することができれば、材料は特に限定されない。また、第1絶縁膜22や第2絶縁膜23は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
基板2は、Si(シリコン)基板である半導体基板21上に、シリコン酸化膜(SiO2膜)で構成された第1絶縁膜22と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜23と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板21としては、Si基板に限定されず、例えば、SOI基板(Si層、SiO2層、Si層がこの順で積層している基板)を用いることもできる。また、第1絶縁膜22や第2絶縁膜23についても、エッチング耐性と絶縁性とを発揮することができれば、材料は特に限定されない。また、第1絶縁膜22や第2絶縁膜23は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
また、半導体基板21には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム24が設けられている。このダイアフラム24は、半導体基板21の下面に開放する有底の凹部25を設けることで凹部25の底部に形成され、ダイアフラム24の下面(凹部25の底面)が受圧面241となっている。
このような半導体基板21上およびその上方には圧力センサー部3と電気的に接続された図示しない半導体回路(回路)が作り込まれている。この半導体回路には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ等の能動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードおよび配線等の回路要素が含まれている。ただし、このような半導体回路は、省略してもよい。
[圧力センサー部]
圧力センサー部3は、図2に示すように、ダイアフラム24に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34を有する。また、ピエゾ抵抗素子31〜34は、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成して半導体回路と接続されている。
圧力センサー部3は、図2に示すように、ダイアフラム24に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34を有する。また、ピエゾ抵抗素子31〜34は、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成して半導体回路と接続されている。
ブリッジ回路30には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路30は、ダイアフラム24の撓みに基づくピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値変化に応じた信号(電圧)を出力する。なお、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、それぞれ、例えば、半導体基板21にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、これらピエゾ抵抗素子31〜34を接続する配線は、例えば、半導体基板21に、ピエゾ抵抗素子31〜34よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
[空洞部]
空洞部Sは、図1に示すように、基板2と周囲構造体4とに囲まることで画成されている。このような空洞部Sは、密閉された空間であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部Sは、ダイアフラム24の受圧面241とは反対側に位置し、ダイアフラム24と重なるように配置されている。ここで、空洞部Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができる。これにより、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、空洞部Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
空洞部Sは、図1に示すように、基板2と周囲構造体4とに囲まることで画成されている。このような空洞部Sは、密閉された空間であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部Sは、ダイアフラム24の受圧面241とは反対側に位置し、ダイアフラム24と重なるように配置されている。ここで、空洞部Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができる。これにより、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、空洞部Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
[周囲構造体]
基板2と共に空洞部Sを画成する周囲構造体4は、図1に示すように、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有する。
基板2と共に空洞部Sを画成する周囲構造体4は、図1に示すように、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有する。
なお、後述する圧力センサー1の製造方法でも説明するが、圧力センサー1の製造工程の途中までは、空洞部Sは、層間絶縁膜41、43からなる犠牲層で埋まっている(図9参照)。そして、この犠牲層をウェットエッチング等で除去することで空洞部Sが形成される。以下、この工程を「リリースエッチング工程」とも言う。
配線層42は、空洞部Sを囲んで配置された枠状の配線部(第1配線部)421と、前記半導体回路の配線を構成する回路用配線部422と、を有する。同様に、配線層44は、空洞部Sを囲んで配置された枠状の配線部(第2配線部)441と、前記半導体回路の配線を構成する回路用配線部442と、を有する。前記半導体回路は、回路用配線部422、442によって周囲構造体4の上面に引き出され、回路用配線部442の一部が外部接続用の接続端子442’となって表面保護膜45から露出している。
図4は、配線部421、441を詳細に示す拡大図である。同図に示すように、配線部421は、層間絶縁膜41を貫通して設けられ、基板2と接続された凹状の第1コンタクト部421aと、層間絶縁膜41上に設けられ、第1コンタクト部421aの周囲に配置された第1フランジ部421bと、を有する。また、第1フランジ部421bは、第1コンタクト部421aよりも空洞部S側に位置する内側部421b’と、空洞部Sと反対側に位置する外側部421b”と、を有する。
一方、配線部441は、層間絶縁膜43を貫通して設けられ、配線部421と接続された第2コンタクト部441aと、層間絶縁膜43上に設けられ、第1コンタクト部421aの周囲に配置された第2フランジ部441bと、を有する。また、第2コンタクト部441aは、配線部421の第1コンタクト部421a上に位置し、第1コンタクト部421aと接続された凹状の第1コンタクト片441a’と、配線部421の外側部421b”上に位置し、外側部421b”と接続された凹状の第2コンタクト片441a”と、を有する。
また、配線部421、441に囲まれた領域S1(第1コンタクト片441a’と第2コンタクト片441a”との間)には、図4に示すように、充填部47が配置されている。この充填部47は、配線部421、441を補強する補強材として機能する。また、充填部47は、層間絶縁膜43の一部で構成されている。これにより、充填部47と層間絶縁膜43とを一括で形成することができるため、圧力センサー1の製造が容易となると共に、圧力センサー1の装置構成が簡単となる。
配線層44は、さらに、空洞部Sの内外を連通する複数の細孔(貫通孔)444を備えた被覆層(被覆部)443を有する。被覆層443は、配線部441から延出して設けられ、空洞部Sを挟んでダイアフラム24と対向配置されている。複数の細孔444は、前述したリリースエッチング工程の際に、空洞部Sにエッチング液を侵入させるリリースエッチング用の孔である。このような被覆層443上には封止層(封止部)46が配置されており、この封止層46によって細孔444が封止されている。なお、封止層46による細孔444の封止は、リリースエッチング工程を終え、空洞部S内を所定の雰囲気にした状態で行われる。
表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有する。このような表面保護膜は、被覆層443の細孔444を塞がないように、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。
このような周囲構造体4のうち、層間絶縁膜41、43および充填部47としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
以上、周囲構造体4について説明した。このような周囲構造体4によれば、次のような効果を発揮することができる。
前述したように、配線部441の第2コンタクト部441aが、第1コンタクト片441a’および第2コンタクト片441a”を有し、さらに、第1、第2コンタクト片441a’、441a”の間に充填部47が配置されているため、配線部421、441の機械的強度を高めることができる。そのため、空洞部Sが潰れ難くなり、圧力検知精度の低下を低減することができる。
特に、本実施形態では、充填部47は、その全域が配線部421、441によって液密的に覆われている。そのため、前述したリリースエッチング工程の際にエッチング液と触れることがなく、エッチングによるダメージを受けることがない。したがって、上述した効果をより確実に発揮することができる。
また、前述したように、第1コンタクト片441a’が第1コンタクト部421aと接続されており、第2コンタクト片441a”が第1フランジ部421b(外側部421b”)と接続されているため、これら第1、第2コンタクト片441a’、441a”を十分に離間させて配置することができる。そのため、充填部47を比較的大きくすることができ、その分、充填部47の補強効果を高めることができる。そのため、当該部分の機械的強度をより高めることができる。
また、前述したように、配線部441の第2コンタクト部441aは、第1コンタクト部421aと接続された第1コンタクト片441a’と、第1フランジ部421bの外側部421b”と接続された第2コンタクト片441a”と、を有している。言い換えれば、第2コンタクト部441aは、図5に示すような、第1フランジ部421bの内側部421b’に接続されたコンタクト片Xを有しておらず、被覆層443と第1コンタクト片441a’との間の部分は、配線部421と接触していない(非接触である)。コンタクト片Xが接続された内側部421b’は、空洞部Sに臨んでおり、下方から支えられていないため、変形し易い。そのため、仮に、コンタクト片Xを有すると、コンタクト片Xを介して内側部421b’に応力が加わり易くなり、空洞部Sが変形し易くなる。その結果、圧力センサー1の圧力検知精度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態ではコンタクト片Xを有さないため、空洞部Sの変形がより生じ難く、圧力検知精度の低下をより低減することができる。
また、配線部441が前述したコンタクト片Xを有していないため、配線部441の縦断面視で、配線部441の被覆層443と第1コンタクト片441a’との間の部分4410に凹みが形成されない。言い換えると、部分4410の上面(空洞部Sと反対側の面)が連続した面で構成されている。このような構成とすることで、空洞部S付近での応力集中を低減することができ、空洞部Sの変形をより効果的に低減することができる。なお、本実施形態のように、部分4410が連続した面で構成されている場合の他、図6に示すように、部分4410が3つ以下(図示の構成では3つ)の屈曲部4411を有する構成となっていてもよい。このような構成によっても凹みが形成され難く、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
このように、空洞部S付近に凹みが形成されないことにより、配線部441上に成膜される表面保護膜45および封止層46のステップカバレッジ(段差被覆性)の悪化を低減することができる。そのため、空洞部S付近において、より均質(厚みが一定)な表面保護膜45および封止層46を形成することができ、特に、空洞部Sの気密性をより確実に維持することができる。
なお、本実施形態の効果を説明するために図5の構成を比較対象としたが、圧力センサー1では、第1、第2コンタクト片441a’、441a”を有していればよく、コンタクト片Xの有無は問わない。すなわち、図5に示すように、コンタクト片(第3コンタクト片)Xを有していてもよい。
次に、圧力センサー1の製造方法について簡単に説明する。
まず、図7に示すように、シリコン基板である半導体基板21を用意し、半導体基板21に圧力センサー部3を形成する。次に、図8に示すように、半導体基板21上に第1絶縁膜22および第2絶縁膜23を成膜する。
まず、図7に示すように、シリコン基板である半導体基板21を用意し、半導体基板21に圧力センサー部3を形成する。次に、図8に示すように、半導体基板21上に第1絶縁膜22および第2絶縁膜23を成膜する。
次に、図9に示すように、半導体基板21上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43および配線層44、表面保護膜45を順に形成する。次に、図10に示すように、図示しないレジストマスクで表面保護膜45を保護した上で、ウェットエッチングによって、細孔444を介して犠牲層(配線部421、441で囲まれた層間絶縁膜41、43)を除去して、空洞部Sを形成する。
次に、図11に示すように、空洞部Sを真空状態とし、封止層46で空洞部Sを封止する。次に、図12に示すように、半導体基板21の下面に、ウェットエッチングによって凹部25を形成してダイアフラム24を形成する。以上により、圧力センサー1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る高度計について説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る高度計について説明する。
図13は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図13に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。このような高度計200は、圧力センサー1を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
図13に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。このような高度計200は、圧力センサー1を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器について説明する。
図14は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
本実施形態の電子機器は、圧力センサー1を備えたナビゲーションシステム300である。図14に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム…Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
本実施形態の電子機器は、圧力センサー1を備えたナビゲーションシステム300である。図14に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム…Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。
そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー1を搭載し、高度情報を圧力センサー1によって取得することで、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、本発明の圧力センサーを備える電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る移動体について説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る移動体について説明する。
図15は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
本実施形態の移動体は、圧力センサー1を備えた自動車400である。図15に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(圧力センサー1)が内蔵されている。
本実施形態の移動体は、圧力センサー1を備えた自動車400である。図15に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(圧力センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、圧力センサー部としてピエゾ抵抗素子を用いたものについて説明したが、圧力センサーとしては、これに限定されず、例えば、フラップ型の振動子を用いた構成や、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
1…圧力センサー、2…基板、21…半導体基板、22…第1絶縁膜、23…第2絶縁膜、24…ダイアフラム、241…受圧面、25…凹部、3…圧力センサー部、30…ブリッジ回路、31、32、33、34…ピエゾ抵抗素子、4…周囲構造体、41…層間絶縁膜、42…配線層、421…配線部、421a…第1コンタクト部、421b…第1フランジ部、421b’…内側部、421b”…外側部、422…回路用配線部、43…層間絶縁膜、44…配線層、441…配線部、4410…部分、4411…屈曲部、441a…第2コンタクト部、441a’…第1コンタクト片、441a”…第2コンタクト片、441b…第2フランジ部、442’…接続端子、442…回路用配線部、443…被覆層、444…細孔、45…表面保護膜、46…封止層、47…充填部、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、S…空洞部、S1…領域、X…コンタクト片
Claims (9)
- ダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記基板上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第1配線部と、
前記第1配線部上に配置され、前記基板の平面視で、前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲む第2配線部と、
前記第1配線部と前記第2配線部との間に配置された充填部と、を有し、
前記第1配線部は、前記基板と接続される第1コンタクト部を有し、
前記第2配線部は、前記第1配線部と接続される第2コンタクト部を有し、
前記第2コンタクト部は、前記第1配線部の前記第1コンタクト部と接続される第1コンタクト片と、前記第1コンタクト片よりも前記圧力基準室と反対側で前記第1配線部と接続される第2コンタクト片と、を有し、
前記充填部は、前記第1コンタクト片と前記第2コンタクト片との間に配置されていることを特徴とする圧力センサー。 - 前記第1配線部は、前記第1コンタクト部の周囲に配置される第1フランジ部を有し、
前記第2コンタクト片は、前記第1フランジ部と接続される請求項1に記載の圧力センサー。 - 前記圧力基準室を挟んで前記基板と対向配置されている被覆部を有し、
前記被覆部は、前記第2配線部から形成され、
前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分は、前記第1配線部と非接触である請求項1または2に記載の圧力センサー。 - 前記第2配線部の縦断面視で、前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分は、3以下の屈曲部を有する請求項3に記載の圧力センサー。
- 前記第2配線部の縦断面視で、前記第2配線部の前記被覆部と前記第1コンタクト片との間の部分の前記圧力基準室と反対側の面は、連続した面で構成されている請求項3に記載の圧力センサー。
- 前記充填部は、前記第1配線部と前記第2配線部とで覆われている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする高度計。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする移動体。
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JP2015170908A JP2017049048A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 |
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