JP2017048978A - ガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナ - Google Patents

ガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナ Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼器内部の圧力変動に対して燃焼安定性の向上を図ることができるガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナを提供する。
【解決手段】ガスタービン燃焼器は、燃焼室31が内部に形成された筒状のライナ21と、ライナ21の軸方向一端に配置され、燃焼室31に燃料と空気とを別々に供給するバーナ24とを備え、バーナ24は、燃料流路としての第1の内部空間48を有するバーナボディ41と、バーナボディ41から燃料が流入する燃料流路としての第2の内部空間49,第2の内部空間49から流入する燃料を燃焼室31に噴出する複数の内周燃料噴孔53,内周燃料噴孔53の外周側に設けられ、第2の内部空間49から流入する燃料を燃焼室31に噴出する複数の外周燃料噴孔54を有するスワラ43と、複数の外周燃料噴孔54の各々の入口側に各外周燃料噴孔54の出口端より開口面積の小さい第1の絞り部とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器、それを備えたガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナに係り、更に詳しくは、燃料として、高炉ガス等の発熱量の低い燃料を用いるのに好適なガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナに関する。
発熱量の低い燃料は、一般に、LNG(Liquefied Natural Gas)等と比べて火炎温度が低く燃焼速度が遅いため、燃えにくい燃料である。このような発熱量の低い燃料の代表例として、高炉ガスが挙げられる。高炉ガスは、製鉄プロセスにおいて高炉から発生する副生ガスであり、一酸化炭素や水素を主要可燃成分とし、その他に窒素や二酸化炭素を多量に含む難燃性のガスである。近年、このガスをガスタービンの燃料として利用したいというニーズがある。
ガスタービンの燃料として高炉ガスを用いる場合、この難燃性のガスを安定に燃焼させる必要がある。このため、高炉ガス焚きのガスタービン燃焼器では、燃料と空気を別々に燃焼室に供給する拡散燃焼方式を採用するのが一般的である。また、高炉ガス等の低発熱量のガスを安定に燃焼させるためのガスタービン燃焼器として、燃料を旋回させて噴射するガス噴孔を有する内周スワラと、内周スワラの外周に設けられ、燃料を旋回させて噴射するガス噴孔を有する外周スワラとの2つのスワラで構成された二重旋回バーナを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−177989号公報
ところで、ガスタービン燃焼器においては、燃焼器内部の圧力変動の影響により燃料流量が変動し、不安定な燃焼が生じる場合がある。特に、高炉ガス焚きのガスタービン燃焼器は、LNG焚きのガスタービン燃焼器と比べて、燃焼器内部の圧力変動による燃料流量の変動が生じやすい。高炉ガス焚きのガスタービン燃焼器では、高炉ガスの発熱量が低いので、LNG焚きと同じ燃焼温度を得るためには、より多くの燃料流量が必要となる。そのため、バーナのガス噴孔をLNG焚き用のガス噴孔と同じ開口面積とする場合、燃料流量が多い分、燃料の供給圧力を高くする必要がある。しかし、燃料の供給圧力を高く設定する利点がほとんどないので、高炉ガス焚き用のガス噴孔は、一般的に、LNG焚き用のものよりも大きな開口面積を有している。高炉ガス焚きのガスタービン燃焼器は、ガス噴孔が大きい分、燃焼器内部の圧力変動の影響により燃料流量が変動しやすい傾向にある。
上記した特許文献1に記載のガスタービン燃焼器においては、燃焼器内部で圧力変動が発生すると、その圧力変動により生じた圧力波が、内周スワラ及び外周スワラにそれぞれ設けられた開口面積の比較的大きなガス噴孔を介して、内周スワラ及び外周スワラの上流側に略同じように伝播する。このため、内周スワラ及び外周スワラのガス噴孔からそれぞれ噴射される燃料の流量が略同じ位相で変動して、燃料の流量変動が重なり合う可能性がある。この場合、ガスタービン燃焼器全体の燃料流量の変動幅が増大するので、燃焼状態が変動し、その結果、燃焼器内部で更なる大きな圧力変動を引き起こす。このような過程を繰り返すことで燃焼振動が発生し、不安定な燃焼が生じる結果となる。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、燃焼器内部の圧力変動に対して燃焼安定性の向上を図ることができるガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナを提供することにある。
上記課題を解決するため、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、燃料と空気とを混合して燃焼させるための燃焼室が内部に形成された筒状のライナと、前記ライナの軸方向一端に配置され、前記燃焼室に燃料と空気とを別々に供給するバーナとを備え、前記バーナは、燃料が導入される燃料流路としての第1の内部空間を有するバーナボディと、前記バーナボディから燃料が流入する燃料流路としての第2の内部空間,周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の内周燃料噴孔,前記内周燃料噴孔の外周側において周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の外周燃料噴孔を有するスワラと、前記複数の外周燃料噴孔の各々の入口側に前記各外周燃料噴孔の出口端の開口面積より開口面積の小さい第1の絞り部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、外周燃料噴孔に第1の絞り部を設けることで、燃焼室内の圧力変動に対して内周燃料噴孔と外周燃料噴孔とから噴出する燃料の流量変動の位相がずれて燃焼器全体の燃料流量の変動幅が抑制されるので、燃焼室内の燃焼振動を抑制することができる。また、外周燃料噴孔の入口側に第1の絞り部を設けることで、内周燃料噴孔と外周燃料噴孔の適切な流量比率の設定及び外周燃料噴孔から噴出する燃料流速の低減が可能となるので、燃焼振動を抑制することができる。つまり、燃焼室内の圧力変動に対して燃焼安定性の向上を図ることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンの第1の実施の形態を示す概略構成図及び本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態を示す縦断面図である。 図1に示す本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態の一部を構成するバーナを示す縦断面図である。 図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態の一部を構成するスワラを示す側面図である。 図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態をIV−IV矢視から見た横断面図である。 図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態をV−V矢視から見た横断面図である。 図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態を構成する構成要素の寸法や配置関係を示す説明図である。 従来のガスタービン燃焼器における燃焼室の圧力変動時の状態を示す説明図である。 従来のガスタービン燃焼器における燃焼室の圧力変動時の燃料流量の時間的変化を示す説明図である。 本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態における燃焼室の圧力変動時の作用を示す説明図である。 本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態における燃焼室の圧力変動時の燃料流量の時間的変化を示す説明図である。 本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態と同様な第1の絞り部を有するガスタービン燃焼器における全燃料流量に対する内周燃料の流量の比率と燃焼振動の大きさとの関係の試験結果を示す特性図である。 本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態と同様な第1の絞り部を有するガスタービン燃焼器における外周燃料の流速と燃焼振動の大きさとの関係の試験結果を示す特性図である。 本発明のガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器のバーナの第2の実施の形態の一部分を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナの実施の形態を図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明のガスタービン燃焼器及びそれを備えたガスタービンの第1の実施の形態の構成を図1を用いて説明する。図1は本発明のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンの第1の実施の形態を示す概略構成図及び本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態を示す縦断面図である。なお、図1において、燃焼器は、その左側が燃焼ガスの上流側、その右側が下流側になるように図示されている。
図1において、ガスタービンは、空気を圧縮して高圧の圧縮空気Aを生成する圧縮機1と、圧縮機1から導入される圧縮空気Aと燃料fs、fbとを混合して燃焼させることで高温の燃焼ガスGを生成する多数(図1では1つのみ図示)のガスタービン燃焼器2と、ガスタービン燃焼器2で生成された燃焼ガスGのエネルギーにより軸駆動力を得るタービン3とを備えている。ガスタービンには、発電機4が機械的に接続されている。
ガスタービン燃焼器2は、燃料fs、fbと圧縮機1から導入される圧縮空気Aとを混合して燃焼させるための燃焼室31が内部に形成された略円筒状のライナ21と、ライナ21を内包し、ライナ21と共に圧縮空気Aの流通する環状流路32を形成する圧力容器としての外筒22と、外筒22の軸方向一端(図1では左端)に取り付けられたエンドカバー23と、ライナ21の軸方向一端(図1では左端)に配置され、燃料fs、fbと燃焼空気としての圧縮空気Aとを別々に燃焼室31に供給するバーナ24と、ライナ21の軸方向他端(図1では右端)に接続され、燃焼室31で生成された燃焼ガスGをタービン3に導くトランジションピース25とを備えている。外筒22の他端(図1では右端)は、ケーシング11に接続されている。ケーシング11の内部には、圧縮機1からの圧縮空気Aが流入する空間33が形成されている。ガスタービン燃焼器2は、圧縮機1からケーシング11の内部の空間33を介して圧縮空気Aが流入するように構成されている。
ガスタービン燃焼器2のバーナ24には、起動用燃料fsを供給するパイロット燃料系統27と、発熱量の低い低発熱量燃料fbを供給するメイン燃料系統28とが接続されている。起動用燃料fsとして、例えば、天然ガスや液体燃料が挙げられる。低発熱量燃料fbとして、例えば、石炭やバイオマス等のガス化ガスや高炉ガス等が挙げられる。
次に、本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態の詳細な構成を図2乃至図5を用いて説明する。
図2は図1に示す本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態の一部を構成するバーナを示す縦断面図、図3は図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態の一部を構成するスワラを示す側面図、図4は図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態をIV−IV矢視から見た横断面図、図5は図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態をV−V矢視から見た横断面図である。なお、図2乃至図5において、図1に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図2において、バーナ24は、メイン燃料系統28(図1参照)からの低発熱量燃料fbが導入される燃料流路としての第1の内部空間48を有する有底の略円筒状のバーナボディ41と、バーナボディ41の外周面に設けられ、メイン燃料系統28からの低発熱量燃料fbの取り入れ部としての入口配管42と、バーナボディ41の開口部側に配置された有底の略円筒状のスワラ43と、バーナボディ41とスワラ43との間においてバーナボディ41の開口部及びスワラ43の開口部を閉塞するように配置された略円板状のフランジ44と、バーナボディ41、スワラ43、及びフランジ44の軸中心部に挿通した状態で配置されたパイロットバーナ45とを備えている。バーナ24は、フランジ44を介してエンドカバー23に接続されている。
スワラ43は、図2乃至図4に示すように、円板状のベース部43aと、ベース部43aの外縁から軸方向に延在する円筒部43bとで構成されている。スワラ43の円筒部43bの内部には、バーナボディ41の第1の内部空間48から低発熱量燃料fbが流入する燃料流路としての第2の内部空間49が形成されている。スワラ43のベース部43aの径方向中心部分には、パイロットバーナ45の燃料流れ下流側の先端部を配置するための配置孔51が設けられている。ベース部43aにおける配置孔51の径方向外側には、燃焼空気としての圧縮空気Aを旋回させて燃焼室31に噴射する複数(例えば、図3では8つ)の空気噴孔52及び第2の内部空間49から流入する低発熱量燃料fbを旋回させて燃焼室31に噴射する複数(例えば、図3では8つ)の内周燃料噴孔53が周方向に交互に設けられている。ベース部43aにおける空気噴孔52及び内周燃料噴孔53の径方向外側には、第2の内部空間49から流入する低発熱量燃料fbを旋回させて燃焼室31に噴射する外周燃料噴孔54が周方向に間隔をあけて複数(例えば、図3では8つ)設けられている。
内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54はそれぞれ、スワラ43のベース部43aにおける第2の内部空間49側の内面と燃焼室31側の外面とを貫通し、周方向に傾斜するように形成されている。つまり、内周燃料噴孔53と外周燃料噴孔54は、燃料流路としての第2の内部空間49から2つに分岐した燃料流路である。内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54の流路断面積は、低発熱量燃料fbを用いているため、LNG焚き用の燃料噴孔よりも大きくなるように設定されている。空気噴孔52は、スワラ43のベース部43aにおける環状流路32側の外周面と燃焼室31側の外面とを貫通するように形成されている。また、空気噴孔52における燃焼室31側の部分は、内周燃料噴孔53と同様に、周方向に傾斜するように形成されている。
スワラ43のベース部43aにおける複数の外周燃料噴孔54の入口端の位置する周部分には、図2及び図4に示すように、円環状の外周燃料絞り板46が配置されている。外周燃料絞り板46は、外周燃料噴孔54の出口端の開口面積よりも開口面積の小さい複数の第1の流路孔56を有している。第1の流路孔56の数は、外周燃料噴孔54の数と同数(図4では8つ)である。各第1の流路孔56は、複数の外周燃料噴孔54の各々に対応するように配置されている。すなわち、複数の第1の流路孔56を有する外周燃料絞り板46は、外周燃料噴孔54の入口側を絞る第1の絞り部として機能するものである。
バーナ24のフランジ44の軸中心部には、図2及び図5に示すように、パイロットバーナ45を挿通させるための挿通孔58が設けられている。フランジ44における挿通孔58の径方向外側には、多数の第2の流路孔59が略均等に分散するように設けられている。各第2の流路孔59は、フランジ44における低発熱量燃料fbの流れ方向上流側の表面に対して垂直に延在するように形成されている。これら多数の第2の流路孔59の総開口面積は、バーナボディ41の第1の内部空間48やスワラ43の第2の内部空間49の流路断面積よりも小さくなるように設定されている。つまり、多数の第2の流路孔59を有するフランジ44は、バーナボディ41の第1の内部空間48からスワラ43の第2の内部空間49に流入する低発熱量燃料fbの流路を絞る第2の絞り部として機能するものである。
バーナ24のパイロットバーナ45には、パイロット燃料系統27(図1参照)が接続されており、起動用燃料fsが流通する。パイロットバーナ45の燃料流れ下流側の先端部には、図2乃至図4に示すように、パイロット燃料噴孔61が周方向に複数設けられている。
次に、本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態を構成する構成要素の寸法及び位置関係を図6を用いて説明する。
図6は図2に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態を構成する構成部材の寸法や配置関係を示す説明図である。なお、図6において、図1乃至図5に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、外周燃料絞り板46の板厚をt、外周燃料絞り板46の第1の流路孔56の開口径をD、フランジ44の第2の流路孔59の開口径をD、スワラ43の第2の内部空間49の容積、つまり、フランジ44の燃料流れ下流側の端面とスワラ43の円筒部43bの内周面とスワラ43のベース部43aの内面とで画成される空間の容積をVとする。また、フランジ44の第2の流路孔59の入口端からスワラ43のベース部43aの外側端面までの距離をL、外周燃料絞り板46の第1の流路孔56の入口端から外周燃料噴孔54の出口端までの距離をLとする。
このとき、第2の流路孔59と第1の流路孔56の間隔は、以下の式(1)を満たすように設定されている。
−L≧6D … 式(1)
また、外周燃料噴孔54と第1の流路孔56は、以下の式(2)を満たすように構成されている。
≧6D … 式(2)
式(1)及び式(2)はそれぞれ、燃料流路の絞りとして機能する第2の流路孔59及び第1の流路孔56の下流側に形成される燃料流れの剥離渦による影響を低減するために設定されるものである。絞り機構の下流側の空間を一定以上確保して流れの剥離渦による影響を低減することについては、JIS−Z−8762に開示されている。
さらに、外周燃料絞り板46、第1の流路孔56、及びスワラ43は、その形状が相互に以下の式(3)を満たすように構成されている。
Figure 2017048978
ここで、fは高炉ガスの発熱量が低下した時に発生する燃焼振動の周波数を、cは高炉ガスの音速を示している。式(3)は、ある周波数の振動に対して内部空間を有する部材が共鳴器として働くための条件である。
次に、本発明のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンの第1の実施の形態における作動流体及び燃料の流れを図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すガスタービンの圧縮機1は、大気より吸込んだ空気を圧縮し、その圧縮空気Aをケーシング11内の空間33へと供給する。空間33に流入した圧縮空気Aは、ライナ21と外筒22の間に形成された環状流路32に流入し、バーナ24に向かって流れる。この圧縮空気Aは、環状流路32の下流端に位置するエンドカバー23に衝突して流れの向きを変え、図2に示すバーナ24の空気噴孔52に燃焼空気として流入する。この燃焼空気は、旋回成分を付与されて燃焼室31に噴射される。
一方、起動用燃料fsは、図1に示すパイロット燃料系統27からバーナ24のパイロットバーナ45に供給され、図2に示すパイロットバーナ45のパイロット燃料噴孔61を通じて燃焼室31に噴射される。また、低発熱量燃料fbは、図1に示すメイン燃料系統28からバーナ24の入口配管42を介してバーナボディ41に供給される。この低発熱量燃料fbは、図2に示すバーナボディ41の第1の内部空間48からフランジ44の第2の流路孔59を通過してスワラ43の第2の内部空間49に流入する。第2の内部空間49に流入した低発熱量燃料fbは、一部が内周燃料噴孔53に流入すると共に、残りが外周燃料絞り板46の第1の流路孔56を通過して外周燃料噴孔54に流入する。内周燃料噴孔53に流入した低発熱量燃料fbは内周燃料fb1として、外周燃料噴孔54に流入した低発熱量燃料fbは外周燃料fb2として、旋回成分を付与されて燃焼室31に噴射される。
空気噴孔52から噴射された燃焼空気、パイロット燃料噴孔61から噴射された起動用燃料fs、内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54からそれぞれ噴射された内周燃料fb1及び外周燃料fb2は、燃焼室31内で混合され、図1に示す拡散火炎Dfを形成する。これにより、燃焼ガスGが生成される。
このように、空気噴孔52及び内周燃料噴孔53という別々の流路からそれぞれ燃焼空気及び低発熱量燃料fbを燃焼室31に供給するので、拡散燃焼が生じ、低発熱量燃料fbを安定に燃焼させることができる。
また、内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54から噴射する低発熱量燃料fbに旋回成分を付与することで、螺旋状に旋回しながら拡大する旋回流が生じるので、旋回の中心軸上に逆圧力勾配が誘起され、バーナ24の径方向中心部近傍に循環ガス領域が形成される。この循環ガスが燃焼反応を維持する着火源として機能するので、燃焼安定性を強化することができる。
さらに、内周燃料噴孔53からの内周燃料fb1で形成される火炎の周囲に、外周燃料噴孔54からの外周燃料fb2で形成される火炎が形成されるので、内周側の火炎は、温度が高く維持されて安定化する。
燃焼室31で生成された燃焼ガスGは、図1に示すように、トランジションピース25を通過してタービン3に流入する。燃焼ガスGの供給によりタービン3には回転動力が与えられ、タービン3の回転動力は圧縮機1及び発電機4に伝達される。圧縮機1に伝達された回転動力は圧縮動力として用いられ、発電機4に伝達された回転動力は電気エネルギーに変換される。
なお、パイロットバーナ45には、例えば、着火から定格負荷運転時において、パイロット燃料系統27から起動用燃料fsが供給される。これにより、着火から燃焼温度の低い部分負荷運転範囲において、ガスタービン燃焼器2は安定的に燃焼することができる。一方、バーナボディ41には、部分負荷から定格負荷運転時において、メイン燃料系統28から低発熱量燃料fbが供給される。このとき、低発熱量燃料fbの供給量の増加に応じて、起動用燃料fsの供給量を低減する。これにより、ガスタービン燃焼器2は、難燃性の低発熱量燃料fbを安定的に燃焼することができる。
次に、本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態の作用及び効果を従来のガスタービン燃焼器と比較して説明する。
先ず、比較対象としての従来のガスタービン燃焼器の構成及び問題点を図7及び図8を用いて説明する。
図7は従来のガスタービン燃焼器における燃焼室の圧力変動時の状態を示す説明図、図8は従来のガスタービン燃焼器における燃焼室の圧力変動時の燃料流量の時間的変化を示す説明図である。図8中、縦軸Fは燃料流量を、横軸Tは時間を示している。F0は、燃焼室31内の圧力変動が生じる前の基準となる燃料流量である。なお、図7及び図8において、図1乃至図6に示す符号と同符号のものは、同様な部分であるので、その詳細な説明は省略する。
従来のガスタービン燃焼器102の本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態に対する相違点は、図7に示すように、第1の実施の形態の一部を構成する第1の絞り部としての外周絞り板46をバーナ124の外周燃料噴孔54に設けていないこと及びフランジ144の第2の流路孔159の開口面積が本実施の形態のフランジ44の第2の流路孔59よりも大きく、第2の流路孔159の総開口面積がスワラ43の第2の内部空間49の流路断面積とさほど変わらないことである。
このような構成の従来のガスタービン燃焼器102においては、製鉄所の運転状態により発熱量が変動する高炉ガスを燃料として用いると、燃焼安定性が損なわれることがある。
例えば、バーナ124に供給された高炉ガス(低発熱量燃料fb)の発熱量が変動すると、その変動に伴い拡散火炎Dfの燃焼状態が変化して燃焼室31に圧力変動Pが生じる。圧力変動Pにより生じた圧力波Wは、内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54を略同じように通過して上流側に伝播する。このため、スワラ43の上流側の燃料供給圧と内周燃料噴孔53の出口圧の圧力差の変動、及び、スワラ43の上流側の燃料供給圧と外周燃料噴孔54の出口圧の圧力差の変動は、略同じ位相となる。
燃料流量は、燃料噴孔の開口面積が定められている場合、燃料供給圧と燃料噴孔の出口圧の圧力差で決定される。つまり、内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54を流れる内周燃料fb1及び外周燃料fb2の流量は、圧力波Wが内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54を略同じように伝播するため、圧力変動Pの影響により略同じ位相で変動する。このため、これらの燃料流量の変動が重なり合うことで、燃焼器全体の燃料流量が大きく変動する虞がある。この場合、拡散火炎Dfの状態が更に変化するので、その変動に伴い更なる圧力変動Pが生じる。更なる圧力変動Pにより生じた圧力波Wは、上述したように、内周燃料fb1及び外周燃料fb2の更なる流量変動を引き起こすという悪循環に陥る。すなわち、図8に示すように、スワラ43から燃焼室31に噴出する燃料流量Fの変動幅が時間Tの経過と共に増大し、燃焼不安定性が増大する。
また、フランジ144の第2の流路孔159は、その開口面積が大きく、第2の絞り部としてほとんど機能しない。このため、圧力変動Pの影響がバーナ124の上流側の燃料系統に及ぶ虞がある。
次に、本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン及びガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態の作用及び効果を図9乃至図12を用いて説明する。
図9は本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態における燃焼室の圧力変動時の作用を示す説明図、図10は本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態における燃焼室の圧力変動時の燃料流量の時間的変化を示す説明図、図11は本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態と同様な第1の絞り部を有するガスタービン燃焼器における全燃料流量に対する内周燃料の流量の比率と燃焼振動の大きさとの関係の試験結果を示す特性図、図12は本発明のガスタービン燃焼器の第1の実施の形態と同様な第1の絞り部を有するガスタービン燃焼器における外周燃料の流速と燃焼振動の大きさとの関係の試験結果を示す特性図である。図10中、縦軸Fは燃料流量を、横軸Tは時間を示している。F0は、燃焼室31内の圧力変動が生じる前の基準となる燃料流量を示している。実線αは内周燃料の流量を、破線βは外周燃料の流量を示している。図11中、縦軸は燃焼振動の大きさを、横軸は全燃料流量に対する内周燃料の流量の比率(%)を示している。図12中、縦軸は燃焼振動の大きさを、横軸は外周燃料の流速を示している。なお、図9乃至図12において、図1乃至図8に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図9に示す本実施の形態のガスタービン燃焼器2において、バーナ24に供給される高炉ガス(低発熱量燃料fb)の発熱量が変動すると、従来のガスタービン燃焼器102と同様に、その変動に伴い拡散火炎Dfの燃焼状態が変化して燃焼室31に圧力変動Pが生じる。圧力変動Pにより生じた圧力波Wは、内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54を通じてスワラ43の上流側に伝播する。
本実施の形態の場合、圧力波W1は内周燃料噴孔53をそのまま通過してスワラ43の上流側に伝播する。一方、外周燃料噴孔54を通過する圧力波W2は、第1の絞り部としての第1の流路孔56を通過する際に、その一部が反射するため、内周燃料噴孔53を通過した圧力波W1に対して位相のずれた状態でスワラ43の上流側に伝播する。このため、図10に示すように、実線αで示す内周燃料噴孔53を流れる内周燃料fb1の流量変動と破線βで示す外周燃料噴孔54を流れる外周燃料fb2の流量変動の位相がずれて、内周燃料fb1と外周燃料fb2を合算した燃料流量の変動幅が従来のガスタービン燃焼器102の場合(図8参照)よりも縮小する。燃焼器全体の燃料流量の変動幅の縮小により、燃焼室31の圧力変動Pは従来のガスタービン燃焼器102の場合よりも抑制される。
また、本実施の形態においては、燃料流路としてのスワラ43の第2の内部空間49の入口に第2の絞り部としてのフランジ44の第2の流路孔59を設けている。これにより、スワラ43内を伝播した圧力波W3は、第2の流路孔59を通過する際に、その一部が反射して減衰するので、第2の流路孔59よりも上流に圧力変動Pが伝わりにくくなる。このため、複数のガスタービン燃焼器2を有し、メイン燃料系統を分岐させて各ガスタービン燃焼器2に低発熱量燃料fbを供給するガスタービンの場合には、ある1つのガスタービン燃焼器2に生じた圧力変動Pがメイン燃料系統を通じて別のガスタービン燃焼器2に影響を及ぼす可能性を低減することができる。
ところで、外周燃料噴孔の入口側に第1の絞り部を配置した2重旋回構造のバーナを有する、本実施の形態と同様なガスタービン燃焼器を用いた試験結果から、次のことが明らかになっている。なお、試験に用いたガスタービン燃焼器が本実施の形態のガスタービン燃焼器2と相違している主な点は、従来の燃焼器102のような開口面積の大きな第2の流路孔を有するフランジを備えていることである。
第1に、図11に示すように、全燃料流量(内周燃料fb1と外周燃料fb2と起動用燃料fsの合計流量)に対する内周燃料fb1の流量の比率が85〜95%の範囲において、燃焼振動が低い状態となる。特に、内周燃料fb1の流量の比率が90%のときに、燃焼振動が最も低くなる。つまり、内周燃料fb1と外周燃料fb2の間には、安定燃焼の指標である燃焼振動を抑制する最適な流量比率が存在することがわかる。なお、定格負荷運転時においては、起動用燃料fsの流量は、内周燃料fb1及び外周燃料fb2の流量と比較すると、十分小さく、無視しうる量である。
第2に、図12に示すように、外周燃料fb2の流速が増加するのに伴い、燃焼振動が大きくなる傾向にある。
以上の試験結果から明らかなように、低発熱量燃料fbの安定燃焼のためには、内周燃料fb1と外周燃料fb2の流量配分を適切な比率に設定すると共に、外周燃料fb2の流速を低下させる必要がある。
しかし、図7に示す従来のガスタービン燃焼器102においては、上記2つの要求を満足させることは難しい。従来のガスタービン燃焼器102における内周燃料fb1と外周燃料fb2の流量比率は、内周燃料噴孔53と外周燃料噴孔54の流路断面積の比により決定される。外周燃料fb2の流速を低下させるためには、外周燃料噴孔54の流路断面積を大きくする必要がある。この場合、内周燃料fb1と外周燃料fb2の流量比率を適切に設定するためには、外周燃料噴孔54の流路断面積の拡大に応じて、内周燃料噴孔53の流路断面積も拡大させなければならない。内周燃料噴孔53や外周燃料噴孔54の流路断面積を拡大させるためには、スワラ43やライナ21を大型化させる必要があり、製造コストが増加する。
それに対して、本実施の形態においては、図9に示す第1の流路孔56を有する外周絞り板46を、第1の絞り部として、外周燃料噴孔54に配置している。このため、内周燃料fb1と外周燃料fb2の流量比率は、内周燃料噴孔53の流路断面積と第1の流路孔56の開口面積の比で決定される。第1の流路孔56により外周燃料噴孔54の一部の流路断面積を絞ることで、全燃料流量(内周燃料fb1と外周燃料fb2の合計流量)に対する内周燃料fb1の流量の比率を85〜95%の範囲、好ましくは90%に設定することができる。具体的には、内周燃料噴孔53の流路断面積に対する第1の流路孔56の開口面積の比を1/19から3/17までの範囲となるように設定する。これにより、燃焼振動が抑制され、燃焼安定性が向上する。
さらに、本実施の形態においては、第1の絞り部としての第1の流路孔56を外周燃料噴孔54の出口側でなく入口側に配置している。このため、外周燃料fb2の燃焼室31に噴出する流速は、第1の流路孔56を通過した燃料流量と外周燃料噴孔54の出口端の開口面積から定まる。第1の流路孔56の開口面積は外周燃料噴孔54の出口端の開口面積よりも小さいので、第1の流路孔56を通過した外周燃料fb2は、外周燃料噴孔54の出口に向かって減速する。このため、燃焼室31に噴出する外周燃料fb2の流速は最終的に外周燃料噴孔54の出口端の開口面積に応じて低下するので、燃焼振動が抑制されて、燃焼安定性が向上する。
このように、第1の流路孔56を有する外周絞り板46を外周燃料噴孔54の上流側に配置することで、内周燃料噴孔53の流路断面積を拡大することなく、内周燃料fb1と外周燃料fb2の流量比率を適切に設定しつつ、外周燃料fb2の流速を低下させることができる。したがって、スワラ43やライナ21の大型化を抑制でき、製造コストの抑制が可能となる。
また、本実施の形態においては、低発熱量燃料fbを第2の絞り部としてのフランジ44の第2の流路孔59や第1の絞り部としての外周絞り板46の第1の流路孔56を介して燃焼室31に供給している。このため、第2の流路孔59や第1の流路孔56を通過した低発熱量燃料fbの流れは第1及び第2の流路孔56、59に対して径方向外側に広がり、その下流に剥離渦が形成される。この剥離渦は、ガスタービン燃焼器2の安定燃焼性に影響を及ぼす虞がある。
例えば、第2の流路孔59と第1の流路孔56の間隔が短い場合、剥離渦の影響により各第1の流路孔56に流入する外周燃料fb2の流量分配が不均一となる虞がある。そこで、本実施の形態においては、第2の流路孔59と第1の流路孔56の間隔を上述の式(1)を満たすように設定することで、この問題を回避している。
また、例えば、外周燃料噴孔54の長さが短い場合、第1の流路孔56の下流に形成される剥離渦が燃焼室31に到達する場合がある。この場合、燃料流量の不安定に起因して燃焼不安定が生じる虞がある。そこで、本実施の形態においては、外周燃料噴孔54と第1の流路孔56を上述の式(2)を満たすように構成することで、この問題を回避している。
このように、第2の流路孔59及び第1の流路孔56の下流の空間を一定以上確保することで、低発熱量燃料fbの静圧を回復させている。この結果、ガスタービン燃焼器2に対する剥離渦の影響が低減され、ガスタービン燃焼器2の安定燃焼性が損なわれることがない。
また、ガスタービン燃焼器2に供給される高炉ガスの発熱量が低下した場合には、燃焼室31内の火炎の燃焼速度が低下し、燃焼不安定が生じて燃焼振動が増大する虞もある。高炉ガスの発熱量の低下に起因する燃焼振動は、200Hz以下の周波数となることが多い。
そこで、本実施の形態においては、外周燃料絞り板46、第1の流路孔56、及びスワラ43の形状を、周波数fを200Hz以下として、上述の式(3)を相互に満たすように設定している。このように設定することで、たとえ燃焼振動が発生したとしも、外周燃料絞り板46、第1の流路孔56、及びスワラ43が燃焼振動に対する共鳴器として働き、燃焼振動を低減できる。なお、スワラ43等を燃焼振動に対する共鳴器として機能させるためには、本実施の形態のように、絞り部として機能する第2の流路孔59を有するフランジ44をスワラ43の開口部に配置する必要がある。それに対して、図7に示す従来のガスタービン燃焼器102の場合、圧力波がフランジ144の第2の流路孔159をほとんど減衰せずに上流側に伝播してしまうので、スワラ43の第2の内部空間49が燃焼振動に対する共鳴器として機能しない。
上述したように、本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナの第1の実施の形態によれば、外周燃料噴孔54に第1の流路孔56を有する外周燃料絞り板(第1の絞り部)46を設けることで、燃焼室31内の圧力変動Pに対して内周燃料噴孔53と外周燃料噴孔54とから噴出する燃料fb1、fb2の流量変動の位相がずれて燃焼器全体の燃料流量の変動幅が抑制されるので、燃焼室31内の燃焼振動を抑制することができる。また、外周燃料噴孔54の入口側に第1の流路孔(第1の絞り部)56を設けることで、内周燃料噴孔53と外周燃料噴孔54の適切な流量比率の設定及び外周燃料噴孔54から噴出する燃料流速の低減が可能となるので、燃焼振動を抑制することができる。つまり、燃焼室31内の圧力変動Pに対して燃焼安定性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、1つのメイン燃料系統28を介して低発熱量燃料fbを内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54に供給するバーナ構造なので、異なる燃料系統を介して低発熱量燃料fbを内周燃料噴孔53及び外周燃料噴孔54に供給するバーナ構造の場合より、燃料系統を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態によれば、第1の絞り部として、複数の第1の流路孔56を有する1つの円環状の外周燃料絞り板46を用いるので、製作及び組付けが容易である。
また、本実施の形態によれば、フランジ44の第2の流路孔59をフランジ44における燃料流れ上流側の表面に対して垂直に延在するように形成したので、第2の流路孔を斜めに形成する構成のバーナよりも、低発熱量燃料fbが第2の流路孔を通過する際に生じる圧力損失を抑制することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナの第2の実施の形態を図13を用いて説明する。
図13は本発明のガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器のバーナの第2の実施の形態の一部分を拡大して示す縦断面図である。なお、図13において、図1乃至図12に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図13に示す本発明のガスタービン燃焼器のバーナの第2の実施の形態は、第1の実施の形態の構成に加えて、複数の外周燃料噴孔54の各々の内部における外周燃料絞り板46の下流に、流路断面積が入口端から出口端に向かって徐々に増加する流路拡大部64をそれぞれ配置するものである。
本実施の形態においては、外周燃料fb2が外周燃料絞り板46から流路拡大部64に流出する際に、外周燃料fb2が流路拡大部64の燃料流路に沿って流れて、滑らかに減速する。このため、第1の流路孔56の下流での剥離渦の発生が抑制されて圧力損失が低減される。剥離渦の燃焼室31への到達は外周燃料fb2の流量の不安定の要因であり、剥離渦の抑制は燃焼室31内の燃焼振動を抑制する結果となる。
本発明のガスタービン燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン燃焼器のバーナの第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、複数の外周燃料噴孔54の各々の内部における第1の絞り部としての外周燃料絞り板46の第1の流路孔56の下流に、流路断面積が入口端から出口端に向かって徐々に増加する流路拡大部64を配置したので、低発熱量燃料fbが第1の流路孔56を流通する際に生じる剥離渦を抑制することができる。剥離渦の抑制により、圧力損失を低減できると共に、燃焼室内の燃焼振動を抑制できる。
[その他の実施形態]
なお、上述した第1の実施の形態においては、多数のガスタービン燃焼器2を備えるガスタービンに本発明を適用した例を説明したが、単缶のガスタービン燃焼器2を備えるガスタービンに本発明を適用することも可能である。
また、上述した第1の実施の形態においては、第1の絞り部として、複数の第1の流路孔56を有する1つの円環状の外周燃料絞り板46を用いた例を示したが、第1の絞り部として、各外周燃料噴孔54の入口側に外周燃料噴孔54の出口端の開口面積より開口面積の小さいオリフィスをそれぞれ配置することも可能である。
さらに、上述した第2の実施の形態においては、各外周燃料噴孔54内における第1の絞り部としての外周燃料絞り板46の下流に、流路断面積が入口端から出口端に向かって滑らかに増加する流路拡大部64を設けた例を示したが、外周燃料噴孔を入口端部から出口端部に向かって滑らかに流路断面積が増加するように形成することも可能である。この場合、外周燃料噴孔の入口端部が第1の絞り部として機能する。
なお、本発明は上述した第1及び第2の実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
2…ガスタービン燃焼器、 21…ライナ、 24…バーナ、 31…燃焼室、 41…バーナボディ、 43…スワラ、 44…フランジ(第2の絞り部)、 46…外周燃料絞り板(第1の絞り部)、 48…第1の内部空間、 49…第2の内部空間、 53…内周燃料噴孔、 54…外周燃料噴孔、 56…第1の流路孔(第1の絞り部)、 59…第2の流路孔(第2の絞り部)、 64…流路拡大部

Claims (11)

  1. 燃料と空気とを混合して燃焼させるための燃焼室が内部に形成された筒状のライナと、
    前記ライナの軸方向一端に配置され、前記燃焼室に燃料と空気とを別々に供給するバーナとを備え、
    前記バーナは、
    燃料が導入される燃料流路としての第1の内部空間を有するバーナボディと、
    前記バーナボディから燃料が流入する燃料流路としての第2の内部空間,周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の内周燃料噴孔,前記内周燃料噴孔の外周側において周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の外周燃料噴孔を有するスワラと、
    前記複数の外周燃料噴孔の各々の入口側に前記各外周燃料噴孔の出口端の開口面積より開口面積の小さい第1の絞り部とを備える
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1の絞り部は、前記スワラ内における前記複数の外周燃料噴孔の入口端の位置する周部分に配置され、前記複数の外周燃料噴孔の各々に対応する複数の第1の流路孔を有する1つの環状の外周燃料絞り板である
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記複数の外周燃料噴孔の各々の内部における前記第1の絞り部の下流にそれぞれ配置され、流路断面積が入口端から出口端に向かって徐々に増加するように形成された流路拡大部をさらに備える
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記バーナは、前記バーナボディと前記スワラとの間に配置され、前記バーナボディの前記第1の内部空間から前記スワラの前記第2の内部空間に流入する燃料の流路を絞る第2の絞り部をさらに備える
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項4に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第2の絞り部は、複数の第2の流路孔を有する板状のフランジであり、
    前記複数の第2の流路孔の各々は、前記フランジにおける燃料流れ上流側の表面に対して垂直に延在するように形成された
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項4に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記スワラ及び前記第1の絞り部は、それらの形状が前記燃焼室で発生する燃焼振動に対する共鳴器となるように設定された
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記内周燃料噴孔の流路断面積に対する前記第1の絞り部の開口面積の比が1/19から3/17までの範囲となるように設定された
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  8. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1の絞り部の入口端から前記外周燃料噴孔の出口端までの距離は、前記第1の絞り部の開口径の6倍以上となるように設定された
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  9. 請求項4に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第2の絞り部の入口端から前記第1の絞り部の入口端までの距離は、前記第2の絞り部の開口径の6倍以上となるように設定された
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器を備える
    ことを特徴とするガスタービン。
  11. 燃料と空気とを別々に燃焼室に供給するガスタービン燃焼器のバーナであって、
    燃料が導入される燃料流路としての第1の内部空間を有するバーナボディと、
    前記バーナボディから燃料が流入する燃料流路としての第2の内部空間,周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の内周燃料噴孔,前記内周燃料噴孔の外周側において周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2の内部空間から流入する燃料を前記燃焼室に噴出する複数の外周燃料噴孔を有するスワラと、
    前記複数の外周燃料噴孔の各々の入口側に前記各外周燃料噴孔の出口端の開口面積より開口面積の小さい第1の絞り部とを備える
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器のバーナ。
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