JP2017047419A - ナノバブル生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期寿命のナノオーダの気泡を含む水(液体)を作る。【解決手段】ポンプで液体を圧送し、当該液体の流れる経路にアスピレータを介在させて、気泡混合液を生成する。前記アスピレータからの噴出される気泡混合液をノズルから外部に噴出することになるが、このとき気泡混合液の噴出方向と並行に当該気泡混合液を調整板で受けて、平面状の液膜と調整板との間のキャビテーションで気泡の粒径を調整する。粒径が調整された気泡はその上を覆う液膜とともに容器の溜水に収容され、ここに置かれた超音波発信器からの超音波でナオ化される。この構成によって液中に寿命の長いナノバブルを生成することができる。【選択図】図1

Description

本発明はナノバブル生成装置に関し、特に、安定性の高いナノバブルを生成する装置に関するものである。
気体の微細な粒子を内包した液体(主として水)は、マイクロバブル水あるいはナノバブル水と称され、広い分野での利用が試みられ、殺菌効果、消臭効果、植物に対する成長刺激効果等が報告されている。
ナノバブル水あるいはマイクロバブル水を生成する方式として、加圧溶解タイプやアスピレータを用いる方式がある。
加圧溶解タイプは、気密の液体容器に対象気体を加圧して溶け込ませ、その圧力が開放されるときに液中に微細気泡ができることを利用するものである。
また、アスピレータを用いる方式は、アスピレータに対して水を圧送し、アスピレータの出力側に発生する負圧によって取り込まれる気体と圧送された液体が混合するときに微細気泡が液体中に生成されることを利用するものである。
更に、特許第3682286号、特許第3822839号等に開示するように、液を螺旋状に旋回させて、その旋回中心に気体を取り込むとともに、液体が旋回状態から開放されるときに前記取り込んだ気体が微細粒子として当該液体に拡散することを利用しようとする試みもある。
いずれの方法であっても液中にマイクロオーダの気泡が得られ、当該マイクロオーダの気泡に、超音波を照射すると、マイクロオーダの気泡は更に小さいサイズのナノオーダの気泡となる。あるいは、超音波をかける以前から既にナノオーダになっている気泡も存在すると考えられる。
特許第3682286号公報 特許第3822839号公報
上記いずれの方式であっても、液体中にナノオーダの気泡(ナノバブル)、マイクロオーダの気泡(マイクロバブル)を生成することはできるが、その品質、特に寿命は、マイクロオーダの気泡では数秒から数十秒で消失、ナノオーダの気泡いわゆるナノバブルでは、1ヶ月が限度である(本願比較例参照)。
上記したように、ナノオーダの気泡を含む液体(水)は医療用、工業用、農業用等種々の方面での利用が検討されているが、上記のように1ヶ月程度しか寿命がないということでは、生産者は作成してすぐに出荷する必要に迫られ、また使用者は購入してからすぐに使用する必要に迫られ、予備的に備蓄することができないことになる。
従って、ナノオーダの気泡を例えば植物の成長刺激に利用しようとすると、ナノバブル生成装置を農場付近に設備として持っている必要がある。ところが、設備としてのナノ(マイクロ)バブル生成装置は、コストが高く手軽に購入できる状態ではない。
本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、生成されたナノ粒子の安定期間が長く、しかも構造が簡単で安価なナノバブル生成装置を提供することを目的とすることを目的とする。
本発明は、ポンプによって液体を圧送するとき、当該液体の流れる経路にアスピレータを介在させて、気泡混合液を生成する。前記アスピレータからの噴出される気泡混合液をノズルから外部に噴出することになるが、このとき気泡混合液の噴出方向と並行に当該気泡混合液を粒径調整板で受けて気泡の粒径を調整する。粒径が調整された気泡はその上を覆う液膜とともに容器の溜水に収容され、ここに置かれた超音波発信器からの超音波でナオ化される。
上記構成により、先ずアスピレータでマイクロオーダの気泡、あるいはナノオーダの気泡が形成されており、当該アスピレータからノズルに至るホース内の圧力が高い場合は、一部の気体は液体に加圧溶解した状態となる。
ノズルから粒径調整板に向けて前記気泡混合液が放出されると、当該調整板が、ノズルの噴出方向と並行になっているため、液は粒径調整板に沿った薄い膜状の面(液膜)を形成する。このとき、粒径調整板と液膜との境界には液膜で覆われた極めて薄い、液の速度に応じた負圧のキャビテーションが形成され、液中に含まれる気体は当該キャビテーションに吸い寄せられる。また液体に気体が加圧溶解している場合は、溶け込んだ気体がキャビテーションで気体に戻ることになる。このときに形成される気体はキャビテーションの厚みに応じた粒径(マイクロオーダ)の微細粒子となり、液は当該微細粒子で白濁した状態で容器に蓄えられることになる。この微細粒子に対して超音波発振器で超音波をかけることによって、寿命の長いナノバブルを生成することができる。
本発明の概要を示す図。 図1の容器部分の平面図。 比較例。 比較例と本願発明。 本願発明の原理を示す図。 測定結果の例を示すグラフ。 本発明の他の実施形態を示す図。 キャビテーションの例を示す図。
図1は本発明の実施形態を示すものであり、図2は容器部分の平面図である。以下、液体として水、気体として空気を用いる場合を例に説明する。
容器10からの水は、ホース15とポンプ11を介してアスピレータ12に圧送される。アスピレータ12では、圧送される水が噴出されるときの負圧を利用して空気を水に取り込むことになる。取り込まれた空気は水中に気泡を形成することになり、従って、アスピレータ12への水の流入圧、空気取り込み量等の条件を整えることによって、この段階で水中にマイクロ、あるいはナノオーダの気泡を形成することになる。マイクロ、ナノオーダ以上の大きな径の気泡も混じっていることは勿論である。
このように、気泡を含む水は、更に圧送されて、ホース14の先端のノズル13から噴出されることになる。ここで、ノズル径が小さい場合は、ホース14内で水は加圧され、前記のように気泡化した空気の一部は水に溶解することになる。
ノズル13の先端は、容器10の壁面w(以下に説明するように壁面wは粒径を調整する機能を持つので上位概念として粒径調整板の名称を使用することがある。)に対して喫水より上の位置で並行かつ水平に開かれており、当該ノズル13から噴出した水は容器10の壁面wに沿って噴出され、壁面wの形状に沿って広がった水膜mを形成して容器21内に溜められた水に沈むことになる。このとき、上記のノズル13から噴出される水膜mと、容器10との間には極めて薄い面状の負圧層(キャビテーションc)が形成されることになる。
以下に説明するようにキャビテーションcでマイクロオーダの気泡を含んだ水は容器10の溜水に沈んで超音波が掛けられ、ここでマイクロオーダの気泡がナノオーダの気泡になる。勿論、ノズル13から出射されたときに既にナノオーダになっている気泡もある。
図1では、水は容器10(水源)からポンプ11に吸い上げられ再び容器10に帰るようになっている。この場合、容器10の水は何回か循環することになるが、ポンプ11、アスピレータ12の機能さえ充分であれば必ずしも循環する構成とする必要はない。
図5は本発明の原理を説明する図である。
図5に示すように、前記アスピレータ12でマイクロ、あるいはナノオーダの気泡が、形成された水は、ノズル13から噴出され、水膜mとなって前記容器壁面wに沿って面状に流れ落ちる。このとき、水膜mと容器壁面wとの間に、、水膜で覆われた極めて薄い負圧のキャビテーションcが形成される。前記負圧の大きさはベルヌイの定理によれば、ノズル13からの噴出速度が大きい程低い圧力となる。前記アスピレータ12で形成されて水膜m内に存在するマイクロあるいはナノオーダの気泡は、前記キャビテーションcに引き込まれることになる。
また、前記アスピレータ12で取り込まれた空気は、ホース14内の圧力で水に溶解している可能性もあるが、このときは、溶け込んだ空気がキャビテーションcの負圧で気体に戻るとともに、当該気体はキャビテーションcに拘束される。従って、水膜mと容器壁面wとの間にキャビテーションcの厚みで規制された粒径を持つ気泡b1が形成されると推定される。
この状態で、前記気泡b1はその上側の水膜mに覆われた状態で容器壁面wに沿って、容器10に溜められた水に沈むことになる。この後再び水面に浮かび上がることになり、水面は、前記ノズル12からの噴出を開始すると前記気泡で白濁した状態となる。霧のように目視できて白濁している粒子の状態から推察して、前記白濁した気泡の粒径はマイクロオーダと考えられる。
このとき、ノズル13からは浮力の大きなマイクロオーダ以上の粒径の気泡b2も放出されるが、このような気泡は大きな浮力を持つので、前記キャビテーションcに拘束されることなく空中に放出されると考えられる。すなわち、マイクロあるいはナノオーダの気泡b1と空中に飛散する気泡b2が容器壁面(粒径調整板)で分離され溜水中には径がキャビテーションcの厚みで規制された所定値以下の径の気泡のみが存在することになる。
このようにして形成された水面を白濁させたマイクロオーダの気泡は、ノズル13からの水の噴出を止めると次第に消失することになるが、浮力の大きなミリオーダの気泡と異なって、水中での持続時間は比較的長く、30秒から1分近く持続することになる。本願発明はナノバブルを生成することにあるのでここで(水面が白濁している状態で)、溜水内に置いた超音波発信器で超音波を掛ける。これによって瞬間にマイクロオーダの気泡は破壊されて目視できないナノオーダの気泡となる。
尚、図5ではキャビテーションcと水膜mとが分離した状態を描いているが、これはあくまで理解を助けるための模式図であって、実際はこのようにハッキリした境界があるわけではなく、水膜mの表面側(図5の上側)から容器壁面wに向かって次第に負圧が大きくなる圧力空間である。
表1は種々の態様で作成したナノオーダの気泡の個数と寿命を表すものである。ここで超音波発信器としては、1.7MHzの霧発生用の素子を使用し、測定装置は、日本タンデム社製のナノサイトである。粒径の分布は典型的には、例えば図6に示すように、50nm〜200nmの間で100nm付近にピークがある分布曲線が得られる。この分布曲線はノズルからの噴出速度、あるいは下記各サンプル(a)〜(d)のように噴出態様の相違によって多少の相違はでる。
表1中、サンプル(a)は図3(a)に対応し、ノズルの口を直接容器内に蓄積された水中に放出してナノオーダの気泡を形成した例。この例ではマイクロオーダの気泡も形成されるが測定時には消失しており、またマイクロオーダ以上の気泡は、浮力で噴出後直ぐに消失している。
サンプル(b)は、図3(b)に対応し、前記図3(a)の実施例にさらに超音波発生器30で超音波を掛けた例。この例では、超音波が掛かっているのでマイクロオーダの気泡は消失しないで超音波でナノオーダの気泡になっており、またマイクロオーダ以上の気泡は、超音波でも壊れずに浮力で直ぐに空中に飛散する。
サンプル(c)は、図4(a)に対応し、容器壁面に沿わせて水を噴出してマイクロ(ナノ)オーダの気泡を形成した例。サンプル(d)は図4(b)に対応し、図4(a)の例に対し更に超音波を掛けた例(本願実施例)である。尚、図3(c)は、図3(a)(b)の平面図であり、また、図4(c)は、図4(a)(b)の平面図であり、図3 (b)、図4 (b)の超音波発信器は省略している。
尚、この実施例では容器10内の水は10回程度ノズル13を通過し、ノズル13からの出射速度は8〜9m/s前後、アスピレータ12への吹込み圧は7Mp程度である。
Figure 2017047419
表1中、サンプル(b)はサンプル(a)に比べて、サンプル(d)はサンプル(c)に比べて超音波が掛かっているため微細粒子の個数が多い。一方サンプル(c)はサンプル(a)に比べて、サンプル(d)はサンプル(b)に比べて寿命が長く安定している。すなわちはノズル13から噴出される気泡混合水を容器壁面wに沿わせているためと考えられる。特に、サンプル(d)は容器壁面wを沿わせて超音波を掛けているので、ナノオーダの気泡の数も多く3ヶ月以上の寿命を持ち、実用性の高さを証明している。
前記ナノサイトの測定ではレーザ光の反射を利用している、このとき各粒子からの光の強度の比を表すRelative Intensity という指数がある。同じ粒径であっても光の強い粒子と弱い粒子がある。そこで、上記各サンプルについてのRelative Intensityの分布を見ると、寿命が長いサンプルほど、Relative Intensityは狭い範囲に分布している、すなわち各粒子からの光の反射強度の差が小さいが、寿命の短いサンプルはRelative Intensityの分布に広がりが見られる。
前記キャビテーションcはベルヌイの定理からすると、前記噴出速度が大きい程負圧が強くなる。あくまで目視でしかすぎないが、噴出速度が8〜9m/s程度以上になると、ノズル13からの噴出の瞬間に溜水に白濁した状態が形成され、ノズル径を太くして噴出速度を5m/s程度とすると、ノズル13からの噴出からしばらくすると溜水に白濁状態が観測できる。ノズル径を更に太くして噴出速度を2〜3m/s程度にすると、溜水は「白濁」にまでは至らず、ぼんやりと雲が漂う程度に気泡が確認できる。この状態であっても、容器10に充填した水を何回かポンプ11で回し続けると(時間さえかけると)ナノオーダの気泡の個数は増え、その持続時間(寿命)は、8〜9m/s前後で形成されたナノオーダの気泡と遜色なくなる。
表2のサンプル(e)と(f)はサンプル(d)と同等の条件での微細気泡を含む水を生成し、粒子の個数を経時的に測定したものである。サンプル(e)は15℃で冷蔵保存、サンプル(f)は室温で保存した。サンプル(f)で4ヶ月目の測定時点で急速に個数が減衰している。2ヶ月経過の時点から夏季に入り、気温が高い日が継続したことも一因と考えられる。いずれにしても、本発明の装置を使用すると3ヶ月以上安定した個数を維持できることになる。
Figure 2017047419
ここで注目すべきは、上記サンプル(a)すなわち、アスピレータ12の出力をそのままノズル13から噴出させても一応ナノオーダの気泡(瞬間的にはマイクロオーダの気泡も)は形成されている点である。更に、それに対して超音波を掛ける(上記サンプル(b))と、マイクロオーダの気泡もナノ化されるので、表1中のサンプル(d)の場合よりも多くの数のナノオーダの気泡が形成されている点である。
この事実から、アスピレータ12の出力をそのままノズル13から噴出させたときにナノあるいはマイクロオーダの気泡を形成していないときは、前記キャビテーションcに微細気泡は吸収されないので本発明のナノオーダの気泡(表1サンプル(d))は形成しない。加圧溶解水は、ノズル13からの噴出時点でキャビテーションの厚みに応じた径の気泡を形成するので、アスピレータ12からノズル13に至る間に加圧溶解している必要がある。
従って、本願発明の本質は一旦形成されたマイクロ・ナノオーダの気泡、あるいは加圧溶解水をキャビテーションcに導いて、粒径がキャビテーションcで規制された大きさ以下の気泡を形成する点にある。キャビテーションcに導かれた気泡は、初期にはキャビテーションcの厚みより大きな径であっても分裂して、流れに従って、キャビテーションcの厚みに規制され、従って、溜水が白濁する程に数が増えるものと考えられる。
前記ノズル13の開口位置は、図1、図4に示すように喫水より上の位置である。但し、上記したような噴出速度が確保されるのであれば水中に開口してもかまわないが、水中で面状で5m/s以上の噴出速度のある水膜を形成するには、相当のポンプ能力が要求されることになりコスト高となる。また、キャビテーションcの負圧の効果を水膜に及ぼすには、水膜の厚みは当然薄い方がよいと考えられるが、周囲の水の存在はそのことを許容しない。
また、ノズル13の噴出方向は特に限定されないが、水膜mを形成し易い方向となり、容器壁面wを粒径調整板として利用する場合は一般的には水平に近い方向となる。
更に、前記容器壁面wは、マイクロオーダの気泡の粒径をキャビテーションcで規制される大きさ以下に調整する粒径調整板の機能を持つが、その形状は特に問われない。図1、図3に示すように粒径調整板として容器壁面wを利用する場合は容器の形状に制限される。すなわち、図1では円筒の一部を利用した曲面であり、図3では平面である。容器10とは別の板を利用することも当然認められる。曲面を用いる場合、当該曲面が、あくまでノズル13からの水流を受ける方向に湾曲していることが必要である。例えば、円筒の外側にノズルを接線方向に配置しても、ノズルから噴出した液(水)は曲面に受け止められることはない。
図6(a)は、容器壁面とは別の平面を利用した粒径調整板の例を示すものであり、図6(b)はその側面図、(c)はそのa-a断面図である。
2枚の平板51a、51bを所定の間隙(例えば1mm以下)を保って固定し、扇状の水路52を形成したものであある。ノズル13より噴出された気泡混合液は両側の平板51a、51bとの間でキャビテーションcを形成して、マイクロオーダの気泡を形成することになる。この場合、気泡混合液は両側の粒径調整板(平板51a、51b)に接しながら噴出されるので、上記の例のように片側(容器面側)だけが水と接している場合に比べて、減速効果が働き、大きな効果は期待できないが、水中に沈めても溜水の圧力を受けないので、投げ込み式として使用ができる利点がある。
次に、キャビテーションcとしては種々の形態があり、例えば図8に示すように、ホース12の一部を太くし、径の細い方から太い方に高速の水を流すと細い部分から太い部分に移行するときの段差の部分40は負圧(すなわちキャビテーション)となる。この状態でも、一応マイクロ、ナノオーダの気泡を形成することができるが、本願のように面状のキャビテーションを利用した場合に比べて遥かに効果が劣る。
また、単純に径が均一なホース内に高速で水を流すことでも、その周壁部に沿う部分にキャビテーションはでき、気泡は一部当該キャビテーションに集まる。しかしながら、全体としてみると、ホースの中心部の方が周壁に近い部分より流速が大きく、ベルヌイの定理から、ホースの径方向の圧は中心部程小さくなるので、全部の気泡が周壁のキャビテーションに集中することはない。従って、この場合はホース14の周壁のキャビテーションでの粒径を小さくする効果は小さい。
仮にホース14の周壁にのみに沿って薄い水流が形成できる(中心部が空洞)のであれば、図4(a)、(b)と同様の効果を得ることができるが、通常のホースでは不可能である。
実際に上記の状態を装置として実現したのが図3(a)(b)である。前記したように、図3(a)に示す例では、図4(a) (b)に示す例のように溜水が白濁することはない。図3(a)に対応する表1のサンプル(a)では、個数が少なく寿命も短い。また、図3(b)に対応する表1のサンプル(b)は、ナノオーダ、マイクロオーダ、ミリオーダのすべての気泡に対して超音波が掛かっているので、作成当初のナノオーダの気泡の個数は、本願発明のサンプル(d)より多いが、時間的な減衰が激しく2ヶ月経過すると測定不能になる。本願発明のように面状のキャビテーションで粒径が調整されていないためと考えられる。
一方、本願発明ではノズル先端から、流速8〜9m/sで放出された水は30mm先では既に100mm前後に広がっており、壁面との接触面積という点では本願発明の方が遥かに大きく、しかも、この部分では薄い安定したキャビテーションcが容器の周壁との間で形成されているので、ノズルで作られた気泡の粒径はキャビテーションcでさらに小さくなり、粒径の揃った安定した気泡が得られ、溜水は超音波を掛ける前は霧のように白濁した状態を呈する。
尚、38kHzの超音波を使用して、上記図4(b)(表1:サンプル(d)、サンプル(e))と同様に水にナノオーダの微細の気泡を含有せしめたところ、ナノオーダの粒子の個数は5億個弱/mlと、1.7MHzで作成した場合と少し少ない程度であったが、粒径の分布は200nm近辺がピークとなる。寿命は1.7MHzで形成した場合(3ヶ月以上)より短く、2ヶ月程度であった。従って、本発明を用いて微細気泡を形成するについて、超音波の周波数には制限されないが、寿命は波長が長いほど短くなるといえる。
上記したように、本願のナノバブル水(ナノオーダの気泡を含む水)は、他の方法で生成したナノバブル水に比して寿命が長い他、以下の効果が認められている。白百合醸造株式会社(山梨県勝沼市)のぶどう園の一角に本発明のナノバブル水を散布したところ、その一角のみ全く病害、黴害が発生しなかった。果樹に寄生する細菌に対する滅菌効果、黴に対する防黴効果があるものと推定される。また、大阪鶴見フラワーセンターで、切りバラの寿命をテストしたところ、市販の延命剤を使用した場合より本願発明のナノバブル水を利用した方が長持ちした。水の中に自然に存在する花の寿命を縮める細菌に対して滅菌効果を発揮するものと考えられる。更に、マンションの廃水管の洗浄に本願発明のナノバブル水を利用すると、配管に付着しているスライムを完璧に落すことができた。また、通常の水を使用する配管洗浄では悪臭が漂い、住民からの苦情が多いが、本願発明のナノバブル水では全く悪臭が発生しなかった。スライムへの浸透効果が大きく、また、消臭効果が大きいものと考えられる。
以上、気体として空気、液体として水を使用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。
上記したように本発明は、アスピレータで形成された気泡混合液あるいは液体に圧力溶解したのちに形成される気泡混合液を再処理して、径の整った気泡をナノ化するようになっているので、その寿命は長く、医療、農業、工業分野への利用価値は極めて高い。
10、容器
11、ポンプ
12、アスピレータ
13、ノズル
14、15ホース
c、キャビテーション
m、水膜
w、容器壁面

Claims (3)

  1. 液体を圧送するポンプと、
    前記ポンプより圧送される液に対して気体を混入して気泡混合液を生成するアスピレータと、
    前記アスピレータからの噴出される気泡混合液を外部に噴出するノズルと、
    前記ノズルから噴出される液に噴出方向と並行に配置された状態で、前記噴出された液を受けて、液膜で覆われたかyビテーションを形成する粒径調整板と、
    前記粒径調整板からの液に対して超音波を掛ける超音波発信器と
    を備えたことを特徴とするナノバブル生成装置。
  2. 前記粒径調整板として前記液を溜める容器の壁面を利用した請求項1に記載のナノバブル生成装置。
  3. 前記ノズルの液噴出口が喫水位置より上の位置である請求項1または2に記載のナノバブル生成装置。
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