JP2011152513A - 気液混合液生成装置 - Google Patents

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喜典 田中
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パナソニック電工株式会社
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Abstract

【課題】液体中に気体が高密度で長期間に亘って安定なナノサイズの気泡となって存在する気液混合液を生成する気液混合液生成装置を提供する。
【解決手段】気液混合液生成装置は、液体に気体を注入する気体注入部1と、気体が注入された液体を0.1MPa/sec以上の加圧速度で加圧してその圧力を0.15MPa以上にすることにより加圧状態の気液混合液を生成する加圧部3と、加圧部3で生成した気液混合液を送りながら2000MPa/sec以下の減圧速度で大気圧まで減圧する減圧部5とを備える。気体注入部1で気体を注入した液体を加圧部3で加圧して気液混合液を生成した後、この気液混合液を減圧部5に送ることによりナノサイズの気泡が液体に混合された気液混合液を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体中にナノサイズの気泡が安定に存在する気液混合液の生成装置に関するものである。
従来、微細な気泡が液体中に分散された気液混合液が知られている。特に、ナノオーダーサイズの気泡が水に混合されたナノバブル水は、気泡のサイズが通常の気泡に比べて極めて小さく、そのため特異な性質を有しており、様々な分野での利用が試みられている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、液体中の微細な気泡は、溶解したり合体したりすることにより消滅しやすく液体中に安定に存在させることが難しかった。そのため、液体に気体を連続的に供給してバブリングしたり、強度の力をかけて撹拌して気泡を発生させ、その発生した気泡が消滅しないように液体を使用したりすることが行われている。また、気泡がナノオーダー程度になり、気泡のサイズが微細になればなるほど、気泡が生成しにくいと共に消滅しやすくなり、気泡を分散した液体を利用することが一層難しかった。
特許文献2〜4には、微小気泡を急激に縮小させてナノバブルを安定化させることが開示されている。これらの文献の方法では、強度の力をかけてマイクロバブルの一部を縮小させ、気液界面に吸着したイオンと静電気的な引力により、界面近傍の水溶液に引き寄せられた反対符号を持つ両方のイオンが微小な体積の中に高濃度に濃縮することにより、微小気泡周囲を取り囲む殻の働きをし、微小気泡内の気体の水溶液への拡散を阻害することによってナノバブルを安定化させている。しかし、ナノバブルを安定化させるために、気液界面において静電気的な力を生成する必要があるため電解質の存在が不可欠であり、純水など、電解性物質が溶解していない溶液などではナノバブルを安定に存在させることができなかった。
また、マイクロバブルの一部のみを縮小させるため、ナノバブルの分布量が少なく効果が得られにくいという問題もあった。さらに、気泡の周囲を取り囲んだイオンでナノバブルを安定化させているため、気泡を溶解させたり合体させたりして気泡の安定状態を制御することが容易にできず、気液混合液の利用が限定されたものであった。
また、特許文献5には、水を電気分解した後、超音波を印加することによりナノ気泡を発生させることが開示されている。しかし、水の電気分解では気体が水素と酸素に限られ、また電気分解による気体の生成量は少なく、さらに生成した気泡が安定化されていないために気泡の自己収縮と拡散・溶解が短時間で生じて、気泡を長期間に亘って安定に維持することができなかった。
特開2008−156320号公報 特開2005−245817号公報 特開2005−246293号公報 特開2005−246294号公報 特開2003−334548号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、液体中に気体が高密度で長期間に亘って安定なナノサイズの気泡となって存在する気液混合液の生成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、液体に気体を注入する気体注入部1と、気体が注入された液体を0.1MPa/sec以上の加圧速度で加圧してその圧力を0.15MPa以上にすることにより加圧状態の気液混合液を生成する加圧部3と、加圧部3で生成した気液混合液を送りながら2000MPa/sec以下の減圧速度で大気圧まで減圧する減圧部5とを備え、気体注入部1で気体を注入した液体を加圧部3で加圧して気液混合液を生成した後、この気液混合液を減圧部5に送ることによりナノサイズの気泡が液体に混合された気液混合液を生成することを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項2に係る発明は、上記構成の気液混合液生成装置において、加圧部3は、液体を加圧するポンプ7又は8により構成されていることを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項3に係る発明は、上記構成の気液混合液生成装置において、ポンプ7は、ピストン構造により液体を加圧するものであることを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項4に係る発明は、上記構成の気液混合液生成装置において、ポンプ7は、内部構造の容積変化により液体を加圧するものであることを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項5に係る発明は、上記構成の気液混合液生成装置において、気体注入部1と加圧部3との間に、注入された気体を液体中に分散する混合部2を備えることを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項6に係る発明は、上記構成の気液混合液生成装置において、減圧部5から送り出された気液混合液を気体注入部1に供給する循環流路23を備え、気体と液体の混合液を装置内で循環させて気液混合液を生成することを特徴とする気液混合液生成装置である。
請求項1の発明によれば、気体が注入された液体を急激に加圧することにより、強固な界面構造を有する気泡を発生させて、大気圧に戻したときにも安定に存在するナノサイズの気泡を生成することができ、また、界面構造が強固になった気泡を有する気液混合液を送りながら徐々に大気圧まで減圧することにより、強固な界面構造を維持して気泡を消滅させたり合体させたりすることなくナノサイズの気泡が混合した気液混合液を安定に得ることができ、気液混合液を効率よく簡単に生成することができるものである。
請求項2の発明によれば、ポンプにより液体を急激に加圧することができるので、気泡界面の構造が強固な気液混合液を確実に生成することができるものである。
請求項3の発明によれば、ピストン構造によって加圧することにより、加圧機能を高くすることができるので、ポンプを小型化することができ、装置を小型にすることが可能になるものである。
請求項4の発明によれば、内部構造の容積変化により加圧することにより、加圧機能を高くすることができるので、ポンプを小型化することができ、装置を小型にすることが可能になるものである。
請求項5の発明によれば、混合部がミキシング機構として機能することにより、液体中に気体を微細な気泡の状態で分散させるので、気液混合率を高めて液体中の気体混合濃度を向上することができ、高濃度の気液混合液を得ることができるものである。
請求項6の発明によれば、気液混合液を循環させて気体と液体との混合を繰り返し行うことにより、気液混合率を高めて液体中の気体混合濃度を向上することができ、高濃度の気液混合液を得ることができるものである。また、加圧力が小さい小型の加圧部を用いた場合でも、繰り返し気体と液体との混合を行うことによって気液を効率よく混合することが可能になり高濃度の気液混合液を得ることができるので、装置を小型化することが可能になるものである。
気液混合液生成装置の実施の形態の一例を示す概略図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、同上の一部を示す概略図断面である。 (a)及び(b)はそれぞれ、同上の一部を示す概略図断面である。 (a)及び(b)はそれぞれ、同上の一部を示す概略図である。 (a)〜(d)はそれぞれ、同上の一部を示す概略図である。 気液混合液生成装置の実施の形態の他の一例を示す概略図である。 気液混合液生成装置の実施の形態の他の一例を示す概略図である。 気液混合液生成装置の一部を示す概略断面図である。 気液混合液における気泡の気液界面の概念説明図である。 窒素と水を用いた気液混合液と窒素飽和水との赤外吸収スペクトルの差分を示すグラフである。 気液混合液中に含まれる気体容量を示すグラフである。 走査型電子顕微鏡(SEM)による気液混合液の写真である。 気液混合液の安定性を示すグラフである。
以下、発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の気液混合液生成装置の実施の形態の一例を示す概略図である。
この気液混合液生成装置は、気体を液体に注入する気体注入部1と、気体が注入された液体を混合する混合部2と、気体と液体との混合液を加圧して加圧状態の気液混合液を生成する加圧部3と、気液混合液からナノサイズの気泡にならなかった気体を除去する気体除去部4と、加圧状態の気液混合液を大気圧まで減圧する減圧部5と、生成した気液混合液を一時的に貯留する貯留部6とを備えている。なお、この図において矢印は、液体又は気体の流れる方向を示している。
気体注入部1には、流入流路21と気体流路20とが接続してあり、この気体注入部1により気体が液体に注入される。流入流路21及び気体流路20としては、ホースやパイプなどの液体や気体を通す管体によって構成することができる。流入流路21の上流側(気体注入部1と反対側)は、気液混合液に用いる液体を供給する液体供給源と連結されている。液体供給源としては、液体貯留槽や、水道配管などを用いることができる。液体供給源から気体注入部1への液体の送り出しは、流入流路21の途中に送り出しポンプを設けて行ってもよいし、水道配管のように加圧して圧送する液体供給源を用いる場合にはその動力によって行ってもよい。あるいは、気液混合液生成装置に設けられたポンプで液体を吸い上げて送り出してもよい。
流入流路21には、液体流入弁11が設けてある。この液体流入弁11は、電気的に弁を開閉する電磁弁などによって構成され、液体を気体注入部1に流入する際に開かれるものである。一方、気体流路20には、気体流入弁10が設けてある。この気体流入弁10は、電気的に弁を開閉する電磁弁などによって構成され、気体を気体注入部1に流入する際に開かれるものである。
気体注入部1としては、具体的には、液体が流れる流路に気体流路20を接続して構成することができる。そして、例えば気体として空気を注入する場合には、一端を大気中に開放させた管体の他端を液体流路(装置流路22)に接続して気体注入部1を形成することができる。この場合、流路を流れる液体は圧送されており、負圧によって気体を液体に注入することができるものである。あるいは気体として、オゾン、塩素、二酸化塩素、水素、二酸化炭素、酸素、窒素、アルゴン等を供給する場合には、これらの気体を封入したボンベなどを液体流路に接続して気体注入部1を形成することができる。また、オゾンを供給する場合は、気体注入部1をオゾン発生機に接続し、空気から生成したオゾンを供給するようにしてもよい。また、気体注入部1をベンチュリ管で構成してもよい。気体注入部1によって気体が注入された液体は装置流路22を通って混合部2に送り出される。なお、装置流路22としては、ホースやパイプなどの液体を通す管体によって構成することができる。
図2は、気体注入部1の具体的な形態の一例を示す概略断面図である。この気体注入部1は、いずれも液体が流れる際に発生する負圧を利用したものである。図2(a)は、太管で構成された装置流路22の管側部に、細管で構成された気体流路20が接合されて構成されている。図2(b)は、気体注入部1内の装置流路22が、その断面積が下流側に向けて徐々に小さくなった後に徐々に大きくなる構造、すなわちベンチュリ構造をしており、その装置流路22の断面積が小さくなった位置に細管で構成された気体流路20が接続されて構成されている。図2(c)は、(a)の構成において、気体流路20である細管が、装置流路22である太管の中央まで延伸して屈曲し、さらに液体が流れる方向に延伸して略L字状をしており、その細管の先端部の開口から気体を流入させるようにして構成されている。そして、これらの気体注入部1はいずれも、装置流路22に液体を流すことにより、細管である気体流路20の先端部(開口部)に負圧を発生させ、細管から気体を液体に取り込む構造となっている。
混合部2では、気体が注入された液体が混合し分散されて微細な気体の分散液が形成される。すなわち、混合部2はミキシング機構として機能する。図示の形態のように、混合部2を加圧部3の前段に設けた場合には、加圧前に液体中に取り込まれた気体を細かくし微細状態にして、液体中に分散させることができ、液体中の気体混合濃度を向上させることができるものである。その際、混合部2において気体を均一に液体中に分散させることが好ましい。
混合部2としては、具体的には、例えば、羽(スクリュー)構造を有するもの、膜(フィルター)タイプのもの、網目状のものや、棒状のものが挙げられる。羽(スクリュー)構造のものを用いる場合、装置流路22の途中にスクリューを有する撹拌装置を設けたり装置流路22の内部に直接スクリューを設けたりして、混合部2を構成することができるものであり、気体が注入された液体を物理的に強力に攪拌し、気体を細かくして液体中に分散させることができる。羽としては、水流(液流)により回転するもの、モータで回転させるものなどで構成することができる。また、膜(フィルター)タイプのものを用いた場合、装置流路22に樹脂製等のフィルターを接続して構成することができるものであり、フィルターの目(粗さ)を通る際に気体を細かく分割して液体中に分散させることができる。網目状のものを用いる場合、装置流路22に金属製等の網目状(格子状、ふるい状)のアタッチメントを接続して構成することができる。また、棒状のものを用いる場合、装置流路22の内部に金属製の棒状体を液体の流れる方向と平行又は垂直な方向に設けたりして構成することができるものであり、液体が棒状体に衝突する衝撃で気体を分散することができる。また、棒状体が回転運動や往復運動などで稼動するようにしてもよく、その場合、棒状体の動きによって撹拌効果をさらに高めることができる。このように障害物で流れを阻むものであればよい。
加圧部3は、気体が分散した液体を加圧し、この加圧により気体をさらに微細にしナノサイズの気泡を形成して液体中に混合させるものである。加圧部3内においては液体と気体が高圧条件で混合される。それにより、後述するように、気泡の周囲に強固な界面構造が形成され、この強固な界面構造の殻で気泡を覆うことができ、気体を微細な気泡として安定化することができるものである。
この加圧部3は、気体が注入された液体を0.1MPa/sec以上の加圧速度で加圧するものである。この0.1MPa/sec以上の加圧速度とは、ポンプで加圧部3を構成した場合、1サイクルした際に絶対圧で0.1MPaを0.15MPaに加圧する速度である。すなわち1サイクルで0.05MPa加圧するポンプが、2サイクル/秒で稼動して加圧する速度である。加圧速度がこの値より遅いと強固な界面構造が形成できなくなるおそれがある。強固な界面構造をより形成するためには、加圧速度はさらに0.5MPa/sec以上(1サイクルで0.05MPa加圧するポンプを10サイクル/秒で稼動させる加圧速度)であることが好ましい。また、実質的な加圧条件を考えた場合、市販ポンプの最大加圧能力が1サイクル50MPaであることを考慮すると、加圧速度は499MPa/sec以下であることが好ましい。すなわち、1サイクルで50MPaの加圧が上限であるとすると、1サイクルでの加圧量が49.9MPaであるポンプを10サイクル/秒で稼動する加圧速度である。さらに、一般的にはポンプの1サイクルでの最大加圧能力は20MPaであれば良く、このポンプが10サイクル/秒程度で稼動した場合を考え、加圧速度が199MPa/sec以下であることがさらに好ましい。
そして、加圧部3により、気体が分散された液体は気体除去部4に送り出される際の圧力が0.15MPa以上になるように加圧される。液体の圧力がこの値より小さいと強固な界面構造が形成できなくなるおそれがある。強固な界面構造をより形成するためには、液体の圧力は0.18MPa以上であることが好ましい。また、実質的な加圧条件を考えると、このときの液体の圧力は50MPa以下であることが好ましく、20MPa以下であることがさらに好ましい。
また、以下に詳述するピストン構造のポンプを用いた場合、加圧速度を1〜1000MPa/secにし、液体を圧力0.2〜5MPaの範囲に加圧することも好ましい。この場合、振動数(サイクル)を10〜1000Hzにすることが好ましく、20〜200Hzにすることがさらに好ましい。
加圧部3としては、液体を加圧するポンプを用いることができる。ポンプを用いれば、簡単に上記の加圧条件によって液体を加圧することができ、気体をナノサイズの気泡にすることができる。
図3は、ポンプの具体的な形態の一例(ポンプ7)を示す概略断面図である。このポンプ7は、加圧部3を構成するものであり、ピストン構造により液体を加圧するものである。
図3(a)のポンプ7は、液体の流路を構成するシリンダ壁30と、このシリンダ壁30よりも液体の流れる方向と垂直な方向(面)での断面積が小さいピストン部31とを備えたポンプ7aである。シリンダ壁30とピストン部31は断面円形に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。シリンダ壁30の断面積は装置流路22の断面積よりも大きくなるように形成されており、そのためポンプ7aの下流側は液体が衝突する衝突壁32が設けられている。また、ピストン部31の断面積は装置流路22の断面積よりも大きく形成されている。なお、図中、液体の流れる方向を白抜き矢印で示している。
ピストン部31は、シリンダ壁30内で液体の流れる方向と同じ方向(下流方向)と、これと逆方向(上流方向)との移動を繰り返して往復運動(ピストン運動)するように形成されている(図の実線矢印)。ピストン部31とシリンダ壁30との間には液体が通過するための通過空間33が形成されており、この通過空間33がクリアランスとなって液体を剪断する効果も与える。なお、通過空間33はピストン部31の外周の全周に亘って設けられてもよいし、外周の一部に設けられてもよい。
そして、上流側の装置流路22からポンプ7aに流入された液体(気体が注入・分散された液体)は、ピストン部31が上流側の位置に配置した状態になった際に、通過空間33を通過してポンプ7a内のピストン部31よりも先端側の内部空間34に一時的に貯められ、その後、ピストン部31が下流側に向かって移動することにより、このポンプ7aの下流側の内部空間34の容積が小さくなり、液体がピストン部31の先端と衝突壁32とに両側から押されて加圧される。この加圧によって液体中に分散していた気体は微細なナノサイズの気泡となって液体に混合し、加圧状態の気液混合液が形成される。得られた気液混合液は下流側の装置流路22から気体除去部4に向かって送られる。このとき、ピストン部31は最も下流側に配置した状態となる。また、そのとき同時にピストン部31が下流側に移動することによってできたポンプ7aの上流側の空間に、上流側の装置流路22から気体が注入・分散された液体が流入する。その後、ピストン部31が上流側に移動することにより、この新たな液体が内部空間34に移動する。そして、再度、ピストン部31が下流側に移動することにより内部空間34に貯められた液体が加圧される。このようなピストン部31のピストン動作を繰り返すことによって、順次に加圧状態の気液混合液を生成して下流側に送り出すことができる。上記では、一回のピストン運動によって気体が注入された液体から気液混合液が生成して下流側に送られる様子を説明したが、気体が注入された液体に対して複数回のピストン運動による加圧力を与えて液体を加圧するようにしてもよい。
また、図3(b)のポンプ7bは、ポンプ7aと概略同じピストン構造を有するものであるが、気体が注入された液体の流路を構成するシリンダ壁30が、上流側に配置するシリンダ前壁30aと、シリンダ前壁30aよりも断面積が小さく下流側に配置するシリンダ後壁30bとによって構成されている。また、ピストン部31は、シリンダ壁30に対応するように、上流側に配置し、シリンダ前壁30aよりも断面積が小さくシリンダ後壁30bよりも断面積の大きいピストン前部31aと、下流側に配置し、シリンダ後壁30bよりも断面積の小さいピストン後部31bとにより構成されている。そして、衝突壁32は、外周がシリンダ前壁30aと連通した衝突前壁32aと、外周がシリンダ後壁30bと連通した衝突後壁32bとにより構成されている。つまり、ポンプ7bは段付形状のピストン構造を有するポンプとなっている。図示の形態では二段のものを示しているが、段数は三段以上であってもよい。
このポンプ7bにあっては、ピストン部31のピストン運動により、気体が注入・分散された液体を、ピストン前部31aと衝突前壁32aとの間の内部空間34aで加圧した後、さらにピストン後部31bと衝突後壁32bとの間の内部空間34bで加圧することができ、加圧力を高めて気泡を微細にすることができるものである。
図3(a)及び(b)のようなピストン構造を有するポンプ7にあっては、ポンプの主機能を加圧に求めて、加圧機能を高くすることができるので、ポンプ7を小型化することができる。したがって、装置の小型化が可能になる。
ピストン運動の振動数、すなわちピストン部31の往復運動の振動数は、10Hz〜1kHzであることが好ましく、20〜200Hzであることがより好ましい。ピストン運動の振動数がこの範囲になることにより、加圧効率を高めることができる。振動数がこの範囲より小さくても大きくても加圧が不十分となるおそれがある。
なお、ピストンとシリンダで構成するピストン構造のポンプ7を示したが、ピストン構造であればこれに限られず、プランジャーを用いたプランジャーポンプなどであってもよい。また、ピストン運動が液体の流れる方向と同じ方向と逆方向とに交互になる形態を説明したが、ピストン運動の方向は、液体の流れる方向と垂直な方向であったり、液体の流れる方法と任意の角度をなす方向であったりしてもよく、要するに、ピストン運動によって液体を加圧できるものであればよい。
ポンプとしては、内部構造の容積変化により液体を加圧するものであることも好ましい。すなわち、容積を小さくして圧縮して加圧するものである。その場合、ポンプの主機能を加圧に求めて、加圧機能を高くすることができるので、ポンプを小型化することができる。したがって、装置の小型化が可能になる。容積変化はピストン構造を有する上記のポンプ7などによって形成することができ、この場合も、ピストン運動(容積変化)の振動数は10Hz〜1kHzであることが好ましく、20〜200Hzであることがより好ましい。そして、シリンダ内の容積を変化させた上記のポンプ7bがさらに好ましいものとして例示される。また、隔膜構造を設けて容積変化が可能になるようにしたポンプも用いることができ、具体的には、ダイヤフラムポンプが例示される。
上記のような各種のポンプを用い、混合部2と加圧部3とをポンプで兼用するように装置を構成することも好ましい。その場合、ピストンによる圧縮時に気体をつぶして、気体と液体を混合しながら同時に加圧することができ、効率よく気液を混合することが可能となる。
気体除去部4は上記のようにして気体が混合された液体から、ナノサイズを超える気泡、すなわち直径1μmを超える気泡(マイクロサイズ以上の気泡)を取り除くものである。上記のようにしてナノサイズの気泡が形成された液体にはマイクロサイズ以上の気体も一緒に混合して存在している。しかし、マイクロサイズ以上の気泡は安定に液体中に存在することができないのに加え、液体中に存在しているとナノサイズの気泡を合体させたり崩壊させたりしてナノサイズの気泡をも不安定にしてしまう。そこで、マイクロサイズ以上の気泡を気液混合液から取り除いて気泡をナノサイズのものだけにしてナノサイズの気泡を安定化させるものである。
気体除去部4は、後述の図8の形態のように加圧部3等と兼用して構成することもできるが、別体で構成する場合は、気泡をそれ自身の浮力で上昇させて取り除くようにした管体などで構成することができる。直径1μmを超えるサイズの気泡(マイクロサイズの気泡)は、浮力により上昇するので、このような比較的大きい気泡が取り除かれて微細な気泡であるナノサイズの気泡が液体中に存在することにより、界面構造が強固で安定な気液混合液を得ることができるものである。
気体除去部4としては、具体的には、図4のような構成にすることができる。図4(a)は、略水平(重力方向に対して略垂直な平面上)になるように形成し、液体Lq中の気泡Bをその浮力によって液面まで上昇させて気泡Bを取り除くようにした管体の例を示している。また、図4(b)は、液体Lqの流れ方向を下方向(重力方向と略同方向)にして液体Lq中の気泡Bをその浮力によって液面まで上昇させて気泡Bを取り除くようにした管体の例を示している。取り除かれた気泡は気体となって上部に集積するので、この除去された気体を排気流路25により取り除くことができる。
減圧部5は気体が混合された液体の圧力を、大きな気泡を発生させることなく徐々に大気圧まで減圧させるものである。上記のようにして加圧により気体と混合された液体は、高圧な状態にありそのまま大気圧下にある外部に排出されると、急激な圧力低下によって、気液混合液中の気泡が合体して気体になって液体から排出されるおそれがあり、またキャビテーションが発生することがある。そこで、減圧部5を設け、加圧された状態の気液混合液を送り出す際に、減圧部5で大気圧まで徐々に減圧をした後に吐出するようにしているものである。減圧部5は、気体が混合された液体を送りながら配管全域での減圧速度ΔP/t(ΔP:減圧量、t:時間)の上限を2000MPa/sec以下にして減圧するように構成されている。それにより、強固な気泡界面の構造を維持させたまま、ナノサイズの気泡を消滅させたり合体させたりすることなく気液混合液を取り出すことができるものである。この減圧速度は、気液混合液を、50MPaから大気圧に減圧する場合は0.025秒以上で減圧し、5MPaから大気圧に減圧する場合は0.25秒以上で減圧し、0.2MPaから大気圧に減圧する時は0.00005秒以上で減圧する条件であることが好ましい。なお、実質的に減圧速度の下限は減圧時間を長時間にし0MPa/secに近づけた値(例えば0.1MPa/secなど)であり、これによりナノサイズの気泡を更に安定的にさせるものである。
減圧部5としては、図5のような構成にすることができ、具体的には、図示(a)のように流路断面積が段階的に徐々に小さくなる装置流路22や、図示(b)のように流路断面積が連続的に徐々に小さくなる装置流路22や、図示(c)のように加圧された液体が流路内を流れる圧力損失により高圧状態(P)の気液混合液の圧力を徐々に低下させて(P、P、・・・)大気圧(P)まで減圧するように流路長さ(L)が調整された装置流路22や、(d)のように装置流路22に設けられた複数の圧力調整弁9などにより構成することができる。
例えば、図5(a)又は(b)のような減圧部5を用いた場合、減圧部5よりも上流側の装置流路22を内径20mmにし、減圧部5を、流路長さが約1cm〜10mで、内径が20mmから4mmにまで徐々に小さくなることにより流路断面積が小さくなる管体により構成することができる。なお、減圧部5は、入口内径/出口内径=2〜10程度に設定したり、1cmあたりの内径減少値を1〜20mm程度に設定したりすることができる。このとき、減圧部5に気液混合液を流速4×10−6m/s以上で送ると、減圧速度2000MPa/sec以下で、ナノサイズの気泡を消滅させることなく1.0MPa減圧することができ、気液混合液を大気圧にまで減圧することができるものである。
減圧部5によって減圧された液体は装置流路22を通って貯留部6に送られる。貯留部6は一時的に気液混合液を貯留するためのものであり、貯留部6に貯留された気液混合液は必要時に流出流路24から取り出される。流出流路24には流出弁12が設けてある。この流出弁12は電磁弁などによって構成することができ、気液混合液の生成時には閉じられており、貯留部6から気液混合液を取り出す際に開かれるものである。なお、気液混合液の生成時に流出弁12を開いていてもよく、その場合、連続的に気液混合液が取り出されることになる。
そして、図1の装置では、貯留部6と気体注入部1とを連結する循環流路23を備えている。循環流路23は、減圧部5から送り出された気液混合液を気体注入部1に供給するためのものである。循環流路23を設けなくても気液混合液を生成することはできるが、この循環流路23を設けることにより、気液混合液を循環させて気体と液体との混合を繰り返し行うことができ、気液混合率を高めて液体中の気体混合濃度を向上することができる。また、加圧力が小さい小型の加圧部3を用いた場合でも、繰り返し気体と液体との混合を行うことによって気液を効率よく混合することが可能になり高濃度の気液混合液を得ることができる。したがって、装置を小型化することが可能になる。
循環流路23には循環弁13が設けられている。循環弁13は電磁弁などによって構成することができ、気液混合液を循環して生成する際には開いた状態になり、気液混合液を循環させずに生成したり貯留部6から取り出したりする場合には閉じた状態になるように設定されている。
なお、装置流路22をはじめとする液体流路は、内径2〜50mm程度の管体などに形成することができる。それにより、比較的太い流路断面積で気液混合液を吐出することができ、細路によって流路を構成する場合のような配管の詰まりを防止して、気液混合液を利用しやすく簡単に得ることができる。
上記のように構成された気液混合液製造装置を用いて気液混合液を生成するにあっては、まず、液体流入弁11と気体流入弁10とを開き、流入流路21から液体を、気体流路20から液体を、気体注入部1に導入する。次に、混合部2で気体を液体中に均一に分散した後、この分散液を加圧部3に送り出す。その後、気体と液体の分散液を加圧部3で加圧して加圧状態の気液混合液を生成した後、気体除去部4で気液混合液に混合されなかった余分な気体を除去する。その際、加圧部3での加圧速度ΔP/t(ΔP:圧力増加量、t:時間)は、0.1MPa/sec以上に、気体除去部4に送られる際の液体の圧力は0.15MPa以上に設定する。そして、減圧部5で気液混合液を大気圧まで徐々に減圧し、貯留部6に貯留する。その際、減圧速度ΔP/t(ΔP:減圧量、t:時間)は、最高減圧速度2000MPa/sec以下で徐々に大気圧まで減圧する。また、このとき流出弁12と循環弁13は閉じた状態にしておく。その後、流出弁12は閉じた状態のまま、循環弁13を開くと、気液混合液は再び気体注入部1に導入される。その際、気体流入弁10を開いた状態にすることにより気体流路20から新たに流入してきた気体が気液混合液に注入される。このとき、液体流入弁11は閉じた状態となっている。そして、気体が再度注入された気液混合液は、混合部2、加圧部3、気体除去部4、減圧部5を再度通過することで、さらに濃度の高い気液混合液が生成される。この気液混合液の生成工程を複数回繰り返すことにより、加圧部3で与える圧力が小さくても、高い濃度の気液混合液を生成することができる。そして、最後に、流出弁12を開いた状態にすることにより、貯留部6で貯留された気液混合液を外部に取り出すことができる。
ところで、液体流入弁11、流出弁12、循環弁13といった液体の弁や、気体流入弁10としては、電磁弁を用いて構成できることを説明したが、これらの気体又は液体の流路弁は、電磁弁に限られることはなく、電気式でない通常の弁であっても構わない。また、気体流入弁10は加圧部3を停止させたときに液体の逆流を防ぐ機能を有していればよく、気体流入弁10を逆流防止弁で構成しても構わない.
図6は、本発明の気液混合液生成装置の実施の形態の他の一例を示す概略図である。この装置は、貯留部6が設けられていない点で図1の装置とは異なっており、それ以外については、図1の装置と同様の構成である。
循環流路23は装置流路22から分岐して延伸し、気体注入部1に連結されている。そして気液混合液の生成時には、流出弁12を閉じると共に循環弁13を開き、液体を装置内で循環させて高濃度の気液混合液を生成させる。気液混合液を取り出す際には、流出弁12を開く。
図6の装置にあっては、気液混合液の循環速度を速めて、高濃度の気液混合液を素早く得ることができるという利点がある。ただし、大量の気液混合液を得るためには、貯留部6を設けてあれば、貯留部6で大量の気液混合液を貯留できるので、図1の装置の方が好ましい。
図7は、本発明の気液混合液生成装置の実施の形態のさらに他の一例を示す概略図である。この装置では、気体注入部1に流入流路21が接続されていない点で図1の装置とは異なっており、それ以外については、図1の装置と同様の構成である。
この装置では、貯留部6にあらかじめ液体を貯留しておく。そして装置を稼動させると、貯留部6の液体が気体注入部1に吸い込まれ、貯留部6から送られた液体に気体が注入される。すなわち、貯留部6は装置の稼動開始時に液体供給源としての機能を果たすものであり、循環流路23は最初に液体が通る際には流入流路21としての役割を担う。その後は、生成した気液混合液が装置内を循環して高濃度になって貯留部6に貯留される。そして、貯留部6に貯留された気液混合液は流出弁12を開くことによって外部に取り出される。
図7の装置にあっては、気体注入部1に連結する流路を少なくすることができ、装置を簡略化することができるという利点がある。ただし、気液混合液を連続的に得るためには、流入流路21を設けてあれば、貯留部6で貯留される以上の量の液体を流入流路21から順次に気体注入部1に導入することができるので、図1の装置の方が好ましい。
ここで、図1、図6又は図7の形態において、気体注入部1と混合部2と加圧部3と気体除去部4とを兼用させたポンプを用いることも好ましい。
図8は、そのような気体注入部1と混合部2と加圧部3と気体除去部4とを兼用したポンプの具体的な形態の一例(ポンプ8)を示す概略断面図である。このようなポンプ8を用いれば、複数の機能が兼用されるので装置を簡略化することが可能になり、特に寸法上、気体除去部4を別途設けられない場合に有効である。
ポンプ8は、ポンプ筐体40の内部に、複数の回転体41(41a〜d)が設けられ、回転体41の回転により加圧混合するものである。図示の形態では、回転体41は4つ設けられており、各回転体41の回転軸43a〜dは、平行に設けられ、回転軸43同士を結んで形成される正方形の各頂点に配置されている。それぞれの回転体41には複数の撹拌翼42が設けられ、この撹拌翼42は、その軌道が隣り合う回転体41の撹拌翼42の軌道と一部重なるように、交互の入り組み構造となっている。すなわち、回転体41と回転体41との間の空間においては、一方の回転体41の撹拌翼42が通過した後に、他方の回転体41の撹拌翼42が通過し、その後再び一方の回転体41の撹拌翼42が通過し、これを繰り返すという、二つの回転体41の撹拌翼42が交互に通過する運動が行われる。言い換えれば、回転体41は、各撹拌翼42が互いに接しない状態(又は接する状態)でギヤ状の運動を行う。このような回転運動を行うことを可能にするために、隣り合う回転体41はそれぞれ反対方向の回転をし、また、複数の回転体41の回転速度は同じ値に設定されている。図示では、回転体41aと41cは時計回り(右回り)に回転し、回転体41bと41dは反時計回り(左回り)に回転している(図中の実線矢印)。なお、撹拌翼42同士が接するように構成する場合には、撹拌翼42をギヤの歯として用いて回転体41をギヤ構造にして、一つの回転体41を回転駆動させたときにその回転体41の運動に連動して他の回転体41が回転するようにすることができる。すなわち、4つの回転体41を噛み合うように配置させて、一つの回転体41をモータ等で回転させて他の3つの回転体41を回転させることにより4つの回転体41を回転させてもよい。
ポンプ筐体40には、気体流路20と流入流路21とが互いに対向する位置で接続されている。そして、気体流路20と流入流路21は、隣り合う回転体41,41の間であって、この二つの回転体41の撹拌翼42が離れるように回転運動する位置で接続されている。図示の形態では、回転体41aと41bの間に気体流路20が接続されており、回転体41cと41dの間に流入流路21が接続されている。このように撹拌翼42が離れる位置で接続することにより、気体や液体を流入しやくすることができる。気体流路20は気体を負圧で取り込む構造にしてもよく、あるいはボンベ又はエアポンプのような気体を送り出す機器を接続して気体を送り出す構造にしてもよい。なお、図7の形態においてこのポンプ8を用いる場合には、流入流路21を設けなくてよい。
また、ポンプ筐体40には、下流側に液体を送り出す装置流路22が接続されている。この装置流路22は、隣り合う回転体41,41の間であって、この二つの回転体41の撹拌翼42が近づくように回転運動する位置で接続されている。図示の形態では、回転体41aと41dの間に装置流路22が接続されている。このように撹拌翼42が近づく位置で接続することにより、気体と液体との混合液を送出しやくすることができる。なお、ポンプ8の下流側の装置流路22に気液混合液の送り出し量を調節する弁を設けてもよい。
また、ポンプ筐体40には、装置流路22と対向して、気体を排気する排気流路25が接続されている。そして、排気流路25は、隣り合う回転体41,41の間であって、この二つの回転体41の撹拌翼42が近づくように回転運動する位置で接続されている。図示の形態では、回転体41bと41cの間に排気流路25が接続されている。このように撹拌翼42が近づく位置で接続することにより、気体を外部に排出しやくすることができる。この排気流路25には排気弁44が設けられている。排気弁44は電磁弁などによって構成することができ、気体の排出時に開かれるものである。なお、排気流路25をポンプ筐体40の上側に取り付けたり、排気流路25の排出口をポンプ筐体40よりも上方に配置したりすることも好ましく、その場合、液体に分散されなかった気体をそれ自身の浮力で上方に貯めて排気流路25から容易に排出することができ、気体の除去効率を高めることができる。なお、図示の形態では、排気流路25が装置流路22と対向して配置されているが、紙面と垂直な方向(回転体41の回転軸43と平行な方向)に排気流路25を設けてもよい。
そして、図中の白抜き矢印に示すように、流入流路21からポンプ筐体40の内部に送り出された液体は、気体流路20からポンプ筐体40の内部に送り出された気体と回転体41の間などの空間で混合し、回転体41の回転と撹拌翼42の剪断力によって気体が液体中に微細な気泡となって分散し、この気体が分散した液体が撹拌翼42の作用によってさらに加圧されてナノサイズの微細な気泡が形成され、加圧状態の気液混合液が生成される。つまり、気体注入部1と混合部2と加圧部3との機能が一度に発揮されて気液混合液が瞬時に生成する。生成した気液混合液は装置流路22を通って下流側に送られる。このとき、排気弁44は閉じられた状態となっており、排気流路25から気液混合液が排出されることを防止しているが、ナノサイズの気泡になることなく気体が排気流路25に貯められたときには、排気弁44が開かれ、気体を外部に排出するようになっている。つまり、排気流路25の開閉が気体除去部4として機能する。このように、ナノサイズの気泡とならなかった気体を排出することにより、安定な気液混合液を得ることができる。
ここで、図示のポンプ8では、隣り合う回転体41の撹拌翼42の間や、撹拌翼42の先端部と隣り合う回転体41との間を液体が通過するときに剪断力が与えられて、液体をクリアランスで剪断しながら加圧する。このとき、液体に混合されている気体は液体に与えられた剪断力によって剪断されて、より微細なナノサイズの気泡になる。ここで、隣り合う回転体41の撹拌翼42同士又は撹拌翼42の先端部と回転体41との間の最も狭くなる部分の距離、すなわちクリアランス距離は、5μm〜2mmであることが好ましい。このように、ギヤ状に運動する複数の回転体41を用いたポンプ8によれば、回転体41で液体に注入された気体を剪断すると共に急激に強い力で加圧することによりナノサイズの気泡を形成することができるので、気泡界面の構造が強固な気液混合液をより確実に生成することができるものである。
ポンプ8の回転体41の回転数は100rpm以上であることが好ましい。このとき、0.3秒に1/2回転以上となる。このような回転数となることにより、液体を強力に加圧して、界面構造が強固となったナノサイズの気泡を確実に生成することができるものである。なお、回転体41の回転数の上限はポンプ寿命を考慮すると実質的に2000rpmである。
図8のポンプ8を用いた装置においても、気体除去部4(別途設ける場合)及び減圧部5を図1の装置と同様に設けることができる。また、加圧条件及び減圧条件についても図1の装置と同様の条件にすることができる。
次に、気液混合液生成装置によって生成される気液混合液について説明する。
気液混合液とは、気体がナノサイズの気泡となって液体に混合されたものである。そして、上記の装置で製造された気液混合液では、気体がナノサイズの気泡となって、この気体が飽和溶解濃度で溶解した溶解液に存在している。
一般に、気体が液体に溶解する現象は知られているが、その飽和溶解濃度は水に二酸化炭素が溶解する場合などを除いて多くない。そして、多量の気体を液体の中に存在させることはできず、気体が液中に存在する上限の量は飽和溶解濃度である。しかしながら、本発明によって得られる気液混合液においては、気体が液体に飽和溶解濃度で溶解し、さらに飽和溶解濃度を超えた気体はナノサイズの気泡となって液体中にほぼ均一な分布密度で安定に存在して気液混合液となっている。つまり、気体は飽和溶解濃度で液体に溶解すると共にナノサイズの気泡となって存在している。したがって、飽和溶解濃度以上の気体が液体中に存在しており、長期に亘って大量の気体を液体中に安定に保持することができるものである。すなわち、気体はナノサイズの気泡となることにより消滅や合体することなく液体中に安定に存在しており、この安定な微細気泡を種々の用途に利用するのである。
そして、通常、液中に存在する気泡は液体からの圧力により崩壊して液体に溶解してしまうが、上記のような気液混合液では液体には飽和溶解濃度で気体が溶解しているので、気体がそれ以上溶解することができず、気泡が崩壊して気泡中の気体が溶解することがない。崩壊しないナノサイズの気泡は液体からの圧力に応じるようにその内圧が高くなっており、内圧が高くなることで液体圧力との均衡が保たれ、ナノサイズの大きさを維持したまま気泡が安定に液体中に存在する。また、ナノサイズの気泡は極めて微細なサイズになっているため浮力を受けることがなく、気泡が上昇して液体から外部に分離することがない。よって、ナノサイズの気泡が長期に亘って安定に液体中に存在するのである。そして、このナノサイズの気泡に外力を与えて液体から気体を発生させ、この気体を液体に溶解したり分離したりすることができ、大量の気体を利用することができるものである。
気液混合液に含まれる気泡はナノサイズの気泡であり、具体的には1000nm以下の気泡(いわゆるナノバブル)である。気泡がナノサイズとなり微細なものになることで強固な気泡界面の構造を形成することができ、高濃度の気体を液体中に保持することができるものである。また、ナノオーダーサイズの気泡には浮力が働かないため、気泡が上昇して液体から分離することがないので気泡を長期に亘って安定に存在させることができるものである。気泡のサイズがナノサイズよりも大きくなると気泡を安定化させることができなくなるおそれがある。なお、気泡の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができ、気泡の平均粒径は、測定によって得た気泡の粒径を平均して求めることができる。ところで、マイクロバブルが混合された液体は白濁するため目視により判別可能であるが、ナノバブルが混合された液体は無色透明(あるいは液体が有色の場合は液体の色)になり目視では判別することができない。よって、気液混合液の判別はSEMや密度測定などによって行うこととなる。なお、ナノサイズの気泡の下限は1nmである。
気液混合液の生成に用いる液体としては、水素結合を形成する分子からなる液体を用いることが好ましい。水素結合とは、電気陰性度の大きい原子と水素原子とを有している分子において、水素原子が他の分子の電気陰性度の大きい原子に接近し、系が安定化する結合のことである。そして、気液混合液を形成する液体中には気泡が存在し、この気泡の周囲、すなわち気泡との界面に存在する液体分子においては、分子の水素結合の距離が、この液体が常温常圧(25℃、1気圧(0.1013MPa))であるときの水素結合の距離よりも短いものとなっている。このように、気液混合液が常温常圧の条件で存在する場合において、気泡界面における水素結合の距離が常温常圧での通常の水素結合の距離よりも短くなることにより、気泡の周囲を強固な水素結合を形成した液体分子で取り囲むことになる。そして、この水素結合を形成した液体分子は強固な殻となって気泡を包み込む。それによって、気泡同士が衝突しても崩壊することがなくなり、また、液体からの圧力に対して気泡内部からの応力で対抗できるので、気泡を液体中で消滅させたり合体させたりすることなく保持することができるものである。つまり、従来の表面張力で安定している気泡とは異なるものである。このように、特に、液体として水素結合を形成する分子からなる液体を用いた場合は、液体の気泡との界面に存在する分子の水素結合の距離を、該液体が常温常圧であるときの水素結合の距離よりも短いものとすることができるので、ナノサイズの気泡をより安定に存在させることができるものである。
気液混合液に好ましく用いられる液体の一つは水である。水分子は、O…Hの水素結合、つまり、ある水分子の酸素原子と他の水分子の水素原子との間に水素結合を形成するものであり、気液混合液の液体として水を用いると、気泡界面において液体中のこの水素結合が強固になって気泡をより安定化させることができる。また、水は、供給源が豊富で安定して得ることができ、さらに、気泡が分散した水は応用範囲が広いので、利用価値の高い気液混合液を得ることができるものである。すなわち、本発明において、水としては純度の高い水に限られることはなく、上下水道、池、海水などをはじめ、あらゆる水を使用することが可能である。すなわち、液体として水を含むものであれば良い。
また、液体が、O−H結合、N−H結合、F−H結合やCl−H結合などの(ハロゲン)−H結合、S−H結合のいずれか一種以上を有する分子からなる液体であることも好ましい。これらの結合は、水素原子に対して電気陰性度が十分に大きい原子と水素原子との結合であり、O−H…O、N−H…N、F−H…FやCl−H…Clなどの(ハロゲン)−H…(ハロゲン)、S−H…Sといった強い水素結合を形成し、この水素結合により気泡を取り囲んで気泡を安定化させることができるものである。O−H結合を有する代表的な液体は水であるが、その他、過酸化水素やメタノール、エタノールなどのアルコール、グリセリンなどを例示することができる。また、N−H結合を有する液体としては、アンモニアなどを例示することができる。また、(ハロゲン)−H結合を有するものとしては、F−H結合を有するHF(フッ化水素)、Cl−H結合を有するHCl(塩化水素)を挙げることができる。また、S−H結合を有するものとしてはHS(硫化水素)を挙げることができる。
液体がカルボキシル基を有する分子からなる液体であることも好ましい。カルボキシル基には、電気陰性度が大きいカルボニルの酸素原子が存在しており、あるカルボキシル基中のカルボニルの酸素原子と他のカルボキシル基中の水素原子とが強い水素結合を形成して気泡を取り囲むので、安定に気泡が存在した気液混合液を得ることができるものである。カルボキシル基を有する分子からなる液体としては、ギ酸、酢酸などのカルボン酸などを例示することができる。
気液混合液に用いる気体としては、特に限定されるものではなく、種々の気体を用いることが可能である。例えば、空気、二酸化炭素、窒素、酸素、オゾン、アルゴン、水素、ヘリウム、メタン、プロパン、ブタンなどの気体を単一で又は混合して用いることができる。
液体に注入する気体の量は、生成された際に気液混合液に含有される気体の濃度が、液体の飽和溶解濃度以上になるような量であることが好ましい。飽和溶解量又はそれを超える多量の気体を液体中に保持すれば、液体中に含有された高濃度の気体を利用することができ、気液混合液の利用価値を高めることができるものである。さらに好ましくは、気液混合液の液体中には飽和溶解量の気体が溶解しており、その飽和溶解液に気泡が存在しているものである。飽和溶解量で気体が溶解していれば、気泡となった気体を溶解させることなく安定化して気泡として液体中に保持することがより可能となるものである。すなわち、飽和溶解量以上に気体が存在する気液混合液は、液体中に飽和濃度で気体が溶解しており、気泡が崩壊したり溶解したりすることがなく、より安定に気泡を液体中に存在させることができるものである。また、さらに気体の溶解濃度が、飽和溶解濃度であることが好ましい。このように液体中の気体の濃度が高くなると、水素結合の距離を短くした状態で気泡を安定化することができ、また各種の活性(生理活性、洗浄力等)の作用が強力になって、利用価値をさらに上げることができるものである。気液混合液中の気体量は、後述の実施例で示すように気液混合液から気体を分離し、質量変化量から算出することができる。
気液混合液の生成にあっては、気泡を形成している気体の圧力、すなわち気泡の内圧が、0.12MPa以上になるように生成することが好ましく、さらにヤングラプラスの式(次式)で与えられる気泡の内圧より高い圧力であることが好ましい。
ヤングラプラスの式
ΔP=2σ/r
[ΔP:気泡内部の上昇圧力、 σ:表面張力、 r:気泡半径]

気泡の内圧がこのような圧力になると気泡が高い内部圧で維持されることになり、より強固な界面構造を形成することができるので、静置状態において安定な気泡を形成することができる。一方、一旦、気液混合液に衝撃が加えられると、内部圧の力の均衡が崩されて水素結合が形成された液体の殻が崩壊し、気泡が合体し発泡して液体中から抜け出ようとするため、この発泡を利用することができるものである。気液混合液中の気泡の内圧は、後述の実施例で示すように気液混合液中の気体総量と密度から計算した気体容量とを気体の状態方程式に当てはめることにより算出することができる。
また、気泡との界面における液体分子の水素結合の距離としては、用いる液体により適宜のものとなるが、常温常圧での水素結合の距離を100%とした場合に、99%以下となるように気液混合液を生成することが好ましい。水素結合の距離がこの範囲になることにより、気泡を水素結合の硬い殻で取り囲んで安定化させることができるものである。水素結合の距離がこれより長いと気泡を安定化させて存在させることができなくなるおそれがある。原子間距離を考慮すると、水素結合の距離の下限は95%である。気液混合液中の気泡界面における水素結合の距離は、後述の実施例で示すように、気液混合液の赤外吸収スペクトル(IR)を解析することにより算出することができる。
ところで、水素結合の距離が上記の距離にある水は、通常、氷のように固体やハイドレート結晶構造になるものであるが、本発明により生成した気液混合液においては、気泡界面において局所的に上記のような距離の短い水素結合を形成し、それ以外の液体中は通常の水素結合を形成している。すなわち、気泡界面では距離の短い水素結合により液体分子の硬い殻を形成して、気泡同士が合体することや消滅することを防止すると共に、気泡界面以外では通常の状態で液体が存在して常温常圧では流動性を確保しており、安定な気泡が存在している液体を利用しやすくするものである。
また本発明により生成する気液混合液は、液体として水を用いた場合、ゼータ電位がマイナスとなり、体積1cm中に存在する気泡界面の面積は1.2m程度となる。このような特性を各分野で利用することも可能である。
図9は、気液混合液が安定化されるメカニズムを説明する概念説明図である。図示のように、気泡Bと液体Lqの界面には水素結合距離が通常よりも短い氷やハイドレートのような強固な水分子の結合で境膜構造(結晶構造体)の保護膜Mが形成されており、気液相互の物質移動が阻止されて気泡が安定な状態になっているものと考えられる。そして、気液混合液内の気泡(ナノバブル)の内圧は、ヤングラプラスの式から求められる圧力よりも高いもの(後述の実施例では約2倍以上)となっている。このように気泡界面の水素結合距離が短く、気泡の内圧が高くなることによって、気泡が安定した気液混合液となるものである。
本発明により生成される気液混合液は、二酸化炭素、窒素、酸素、オゾン、アルゴンなどの気体を微細な気泡として液体中に保持するものであり、これらの気体を高濃度で安定に液体中に存在させることができるので、環境分野、製造・産業分野、エネルギー分野、農林水産分野、食品分野、家庭用分野、医療分野や、その他の各種の分野において利用することができるものである。
例えば環境分野では、海、河川、湖、池、ダム湖等の閉鎖水域に、酸素が気泡となって高濃度で存在する気液混合液を供給することによって、水域における酸素存在量を高めて水浄化を行なうことができるものであり、同様に浄化槽、下水道施設、し尿処理施設において、酸素供給に利用することができる。また土壌への酸素供給によって有害物質や油汚染等を処理することができる。
製造・産業分野では、酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を噴射や浸漬することによって、精密部品の洗浄などに利用することができる。また、工場排水処理施設に、酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を供給することによって、酸素量の向上による排水処理を行なうことができ、あるいはオゾンの気泡が高濃度で存在する気液混合液を供給することによって、排水をオゾン処理することができる。また食品工場での発酵食品の発酵と培養促進のための、酸素供給に利用することができる。また業務用浴場、プール、水族館等の循環水ろ過システムへの酸素やオゾンの供給に利用することができ、工場の塗装工程循環水、工場の洗浄工程循環水、冷却循環水への酸素やオゾン供給による浄化に利用することができる。さらに工場等で発生した有毒ガスを気泡として水に混合させることにより気液混合液を生成して、この高濃度の有毒ガスが存在する気液混合液を処理することにより有毒ガスを処理することもできる。
エネルギー分野では、天然ガス、メタン、ブタン、エタン、プロパン等の炭化水素、酸素、窒素、水素、オゾンなどを気泡として液体中に存在させることにより、これらの気体を安定して高濃度に保持することができる。そして、このような気液混合液を冷却又は圧縮するなどして固形化又はスラリー化することによりガスハイドレートを生成し、このガスハイドレートにより、ガスの運送、生鮮食料品の保存と運搬、植物栽培、炭酸飲料への利用や、燃料としての利用を図ることができる。
農林水産分野では、農業排水、水産排水、畜産排水に酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を供給することによって、酸素存在量を向上させて水浄化や汚物の浮上分離に利用することができる。また酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を農業用水や水産用水として用いることによって、植物の発芽促進や成長促進、魚介類の成長促進を図ることができる。さらに生簀に高濃度で酸素の気泡が存在する気液混合液を供給することによって、活魚輸送などの際の酸素供給を行なうことができる。また、農業廃水処理にも利用することができる。
食品分野では、酸素や二酸化炭素などの気泡が存在する気液混合液を食品加工水や食品洗浄水として利用することができ、また、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性気体の気泡が存在する気液混合液を用いて食品の腐敗防止などに利用することができる。
家庭用分野では、生活排水の浄化槽などに酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を供給することによって、酸素量の向上による排水処理を効率良く行なうことができる。また二酸化炭素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を浴槽に供給することによって、炭酸ガス風呂を形成することができる。また、気液混合液を飲料用に、美容用に利用することができる。
医療分野では、酸素の気泡が高濃度で存在する気液混合液や、二酸化炭素の気泡が高濃度で存在する気液混合液を、飲料用、癌治療用、結石破壊用などに利用することができる。
その他の分野では、飲料用の酸素水、飲料用の炭酸水として気液混合液を利用することができる。さらに殺菌用、脱色用、脱臭用、有機物分解用など多分野で使用されるオゾン水として気液混合液を利用することができる。
そして、本発明の気液混合液生成装置は、上記のような各種の分野に用いられる気液混合液を生成する装置として利用することができるものであり、家庭用の機能水生成装置として利用することもできるし、工業用に気液混合液を製造する装置(気液混合液製造装置)として利用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
図1のような装置を用いて、液体として純水を用い、気体として後述する各種の気体を使用し、気液混合液を生成した。加圧部3としては、図3(a)のようなピストン構造を有するポンプ7aを用いた。このポンプ7aは混合部2を兼ねるものである。気体注入部1としては、太管に液体を流し細管との接合部に負圧を発生させて気体を取り込む図2(a)の構造のものを用いた。
気体と液体の比(液体に対する気体の注入量)は、容量比(体積比)で1:1に設定した。すなわち、流出弁12を閉じた状態のまま、液体が所定量、装置に導入された時点で液体流入弁11を閉じ、気体が液体に同体積で混合するように注入された時点で、気体流入弁10を閉じた。また、ポンプ7aのピストンの振動数を60Hzに設定した。この条件により大気圧(0.1MPa)の水に気体が注入された後、加圧速度ΔP/t=28.3MPa/secで加圧されて、加圧部3から気体除去部4に送り出される際の気液混合液の圧力が0.6MPaになった。
また、減圧部5よりも上流側の装置流路22を内径20mmのものにした。減圧部5としては図5(a)のような、3段階で内径が徐々に小さくなるものを用い、具体的には、内径が14mm、8mm、4mmで長さが各約3.3mm(減圧部5の全長として約1cm)の三つの流路管部からなるものを用いた。また、減圧部5から貯留部6までの装置流路22として、内径4mm(外径6mm)のホースを用い、この装置流路22の長さが2mとなるように設定した。この条件により、減圧部5において、最高減圧速度60MPa/sec、時間0.0025秒で気液混合液を減圧し、さらに、貯留部6までの装置流路22において、1MPa/sec、時間0.5秒で気液混合液を減圧した。そして、大気圧(0.1MPa)まで減圧したこの気液混合液を、貯留部6に貯留した後、循環流路23に流して、再び気体注入部1に送って装置内を循環させた。そしてさらに所定時間、装置を稼動させて気液を循環させた後、流出弁12を開くことにより流出流路24であるホースの先端部から、大気圧の気液混合液が得られた。
以上のような条件により、飽和溶解濃度を超えて気体が液体に注入されると共に水素結合距離が短くなり気泡界面の構造が強固になった気液混合液を安定して生成することができるものと考えられる。この条件(加圧条件及び減圧条件)は現時点における最良の条件であると考えられる。
次に、上記により生成した気液混合液の物性について説明する。
[水素結合の距離]
図10は、気体として窒素を用い、液体として純水を用いた気液混合液(窒素混合水)と、窒素が純水に飽和溶解濃度で溶解した窒素飽和水との赤外吸収スペクトルとの差分を示すグラフである。水のOH収縮振動による赤外吸収帯としては通常3400cm−1付近に吸収極大があることが知られているが、グラフに示されるように気液混合液はOH収縮振動の吸収極大が3200cm−1付近にずれている。吸収極大が3400cm−1にある場合、水素結合の距離は0.285nmである。一方、吸収極大が3200cm−1にある場合、水素結合の距離は0.277nmであることが知られており、常温常圧下における通常の水素結合の距離よりも短くなり構造化された氷またはハイドレートに近い水と結論づけられた。
[気体量]
液体として純水を、気体として窒素、水素、メタン、アルゴン、二酸化炭素のいずれかを用いた気液混合液中に気泡として存在する気体量を次の方法により測定した。
(1)25℃、導電率0.1μS/cmの純水に、各種の気体を混合させ気液混合液を得た。
(2)直径1μm以上の大きな気泡を水から分離するために、気液混合液を25℃で1日静置した。なお、静置時間について、ストークスの法則から
気泡上昇速度: V=d×g/(18×γ)
(d:気泡直径、g:重力加速度、γ:動粘性係数)
の式が成立し、この式より1μmの気泡の上昇速度は約2.4×10−4m/sであるので、例えば静置時の容器の水深が50mmの場合、1日静置すれば気泡を除去することができる。
(3)最小測定値1mgの分析天秤で気液混合液の質量を測定した。
(4)ガス透過度及び透湿度の低いPE+ナイロン樹脂製のビニル袋に気液混合液とスタラーの撹拌子を入れ、空気を追い出して袋に空気が無い状態でシーラーにてビニル袋を密封した。
(5)密封直後に、分析天秤で気液混合液が封入されたビニル袋の質量を測定した。
(6)ホットスタラーにより25℃の気液混合液が密封されたビニル袋を45℃に昇温して気液混合液を約5時間撹拌した。この昇温と撹拌により、微細気泡や、45℃の飽和溶解濃度以上で溶解していた気体が気液混合液から分離されビニル袋の上部に集まった。
(7)室温25℃の条件でホットスタラーの設定温度を25℃にし、25℃の飽和溶解度の液体になるよう数時間撹拌を行った。
(8)分析天秤で、気体と液体が封入されたビニル袋の質量を測定した。
(9)計3回の質量測定から気液混合液の質量と、昇温および撹拌によって気液混合液から分離された気体による浮力によって生じる液体の質量変化量とを得た。質量変化量は、気液混合液から分離された気体容積と同容積の空気の質量と同じであり、この値から分離された気体の容量と質量を算出することができる。
図11は、このようにして測定された気体容量を示すグラフである。各棒グラフの下部領域は、測定された気泡として存在していた気体の量であり、上部領域はヘンリー則に従う気体の飽和溶解量である。グラフに示すように、例えば水素と水を用いた気液混合液の場合、25℃の純水1Lに水素が、飽和溶解量として17.6mL溶解し、528mLの気体が微細な気泡として存在することが確認された。すなわち、気液混合液に含有する気体量は飽和溶解量の30倍であった。また同様に、飽和溶解量に対して気液混合液に含有する気体量は、窒素では36倍、メタンでは17倍、アルゴンでは16倍、二酸化炭素では1.9倍であった。このように、気液混合液は飽和溶解濃度以上の高濃度で気体を液体中に保持することが可能であり、この高濃度の気液混合液を各種の分野に利用することができるものである。
[気泡のサイズ]
上記と同様にして生成した気液混合液を瞬間凍結し、真空中においてカッターで割断し、その割断面にメタン・エチレンを流し放電させ、凹凸を転写した炭化水素膜(レプリカ膜)を作製した。このレプリカ膜に導電性オスミウム薄膜を張り、十分乾燥させて、走査型電子顕微鏡(SEM)で観測した。
図12は、窒素と純水の気液混合液について、SEMにより観測された写真の一例である。同様に写真観察することにより、気体として窒素、水素、メタン、アルゴン、二酸化炭素を用いた場合、いずれも気液混合液の気泡サイズは、直径の分布ピークが100nmであることが確認された。なお、上記の気体と純水の気液混合液の気泡はレーザーを用いた動的散乱法等の粒子径分布測定装置では正確な検知ができなかった。
[気泡の内圧]
気液混合液中の気体総量から気泡内部の圧力を算出した。表1は、窒素、メタン、又はアルゴンと25℃の純水との気液混合液における、気体総量と、気体総量から算出した気泡の内圧を示している。
気泡における気体の内部圧力は次の方法で算出される。
気体の状態方程式は、
PV/T=(const)
(P:内部圧力、V:容積、T:内部温度)
で表され、Tが一定の場合、特に
PV=(const)
で表される。
そして、気液混合液の密度から気液混合液中の気泡の容積が計算でき、上式から、
大気圧 × 気体総体積量 = 気泡の内圧 × 液中の気体総体積量
の関係が成立し、この関係式に上記で測定した気体量を当てはめて気泡における気体の内圧が計算され、表1のような圧力値となる。
例えば気体が窒素の場合、
気液混合液1リットル中における、水体積がw1リットル、水中での気体体積がw2リットルであると仮定すると、
体積については次の関係式が成り立つ。
w1 + w2 =1リットル (式A)

また、質量については次の関係式が成り立つ。
w1 × 水の密度 + w2÷22.4(リットル)×28(窒素分子量)=測定質量 (式B)
水の密度 :常温常圧の純水では997.1g/L
22.4リットル :気体1モルの体積
測定質量 :表1の値で988.3

上記の2式(式A,B)の方程式を解くと、
w2=8.84×10^(-3) が算出されるので、
気体の内圧=大気圧 × 気体総体積量 ÷ 液中の気体総体積量
=0.1×(表1の値)÷w2
=0.1×0.56÷(8.84×10^(-3))
=6.3MPa
となる。
なお、上記の計算では、気泡の内部温度が一定(常温)であるとして考えたが、実際の気泡の内部温度は大気の温度(常温)よりも高いことも予想され、その場合、気泡の内部圧は上記算出結果より更に高いことが気体の状態方程式から予測できる。
ところで、一般には、気泡の内圧は次のようにして算出される。気泡は気液相界面間の界面張力により加圧され、この界面張力はヤングラプラスの式(下記式)で導かれる。
ΔP=2σ/r
(ΔP:上昇圧力、σ:表面張力、r:気泡半径)
この式によれば、例えば、直径100nmのサイズの気泡の場合、気泡内部圧力は3MPaになる。
一方、気液混合液中の内部圧力は、表1の通り、例えば窒素の場合6.3MPaであり、この気液混合液はSEM写真にて示されるように直径100nmサイズの気泡が分散しているものであることから、気液混合液の気泡は、ヤングラプラスの式から算出される値の約2倍以上の内部圧力を有していることが確認された。したがって、より強固な界面構造が気泡界面において形成されていると結論づけられた。
[気泡の分布量]
気泡の分布量(個数)は表1から算出した。
気体が窒素の場合、大気中(0.1MPa)に戻した気泡総量が0.56Lであり、気泡の内圧が6.3MPaであるので、水中での気泡総体積量V1は、等温変化と仮定し、PV=constより
V1=0.56×0.1÷6.3
となる。
また、気泡は半径r=50nmの球体であるから、気泡1個当たりの体積V2は
V2=4/3×π×r^3
となる。
以上より、水1L当たりの気泡の個数n=V1÷V2=1.7×10^16個と算出される。
同じように水1L当たりの気泡の個数は、気体がメタンの場合は1.8×10^16個、アルゴンの場合は1.7×10^16個と算出される。
[気液混合液の安定性]
図13は、空気を純水に混合させて生成した気液混合液について、ガラスビンに密封し一定温度で保管した場合の、飽和溶解濃度に対する気液混合液中の気体存在量比を過飽和度として表示するグラフである。グラフから、過飽和度は400時間経過してもほぼ一定であり、ほとんど変化していないことが分かる。よって、気液混合液が安定であることが確認された。
(実施例2)
図1のような装置を用いて、気液混合液を生成した。加圧部3としては、気体注入部1と混合部2と加圧部3と気体除去部4とが兼用された、図8のようなポンプ8を用いた。
このポンプ8は、気体を負圧で取り込むものである。また、排気弁44は上方に配置されて浮力で余剰な気体を除去するものである。また、4つの回転体41は噛み合うように配置され、一つの回転体41をモータで回転させて他の3つの回転体41を回転させるものである。回転体41の回転数は600rpmに設定した。
そして、加圧条件及び減圧条件を実施例1と同様の条件にして、気液混合液を製造した。
得られた気液混合液の物性を測定したところ、実施例1と同様の物性であることが確認された。
1 気体注入部
2 混合部
3 加圧部
4 気体除去部
5 減圧部
6 貯留部
7 ポンプ
8 ポンプ
22 装置流路
23 循環流路

Claims (6)

  1. 液体に気体を注入する気体注入部と、気体が注入された液体を0.1MPa/sec以上の加圧速度で加圧してその圧力を0.15MPa以上にすることにより加圧状態の気液混合液を生成する加圧部と、加圧部で生成した気液混合液を送りながら2000MPa/sec以下の減圧速度で大気圧まで減圧する減圧部とを備え、気体注入部で気体を注入した液体を加圧部で加圧して気液混合液を生成した後、この気液混合液を減圧部に送ることによりナノサイズの気泡が液体に混合された気液混合液を生成することを特徴とする気液混合液生成装置。
  2. 加圧部は、液体を加圧するポンプにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の気液混合液生成装置。
  3. ポンプは、ピストン構造により液体を加圧するものであることを特徴とする請求項2に記載の気液混合液生成装置。
  4. ポンプは、内部構造の容積変化により液体を加圧するものであることを特徴とする請求項2に記載の気液混合液生成装置。
  5. 気体注入部と加圧部との間に、注入された気体を液体中に分散する混合部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気液混合液生成装置。
  6. 減圧部から送り出された気液混合液を気体注入部に供給する循環流路を備え、気体と液体の混合液を装置内で循環させて気液混合液を生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気液混合液生成装置。
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