以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器を概略的に示す機能ブロック図である。
以下、本発明に係る電子機器を、例えばスマートフォンのような携帯型デバイスを想定して説明する。しかしながら、本発明は、スマートフォンのような携帯型デバイスに限定されるものではない。本発明は、例えば、携帯電話、タブレット型PC、ノートパソコンなど、種々の電子機器に適用することができるのみならず、必ずしも携帯しないような電子機器にも適用することができる。
図1に示すように、電子機器1は、主制御部12、副制御部14、記憶部20、接触検出部30、表示部40、および加速度検出部50を備えている。図1に示すように、電子機器1は、環境状況検出部60を備えることもできる。
主制御部12は、電子機器1を制御する。主制御部12は、例えばプロセッサで構成することができる。主制御部12は、起動している状態においては、副制御部14、接触検出部30、表示部40、および加速度検出部50をはじめとして、電子機器1の全体を制御および管理する。なお、主制御部12が起動している状態にあっても、副制御部14は、電子機器1の全体の制御および管理のうち一部を主制御部12から独立して行ってもよい。本実施形態において、主制御部12は、主として、接触検出部30による接触の検出および表示部40による画像の表示を制御する。
副制御部14は、電子機器1を構成する機能部を部分的に制御する。副制御部14は、例えばコプロセッサで構成することができる。副制御部14は、主として加速度検出部50による加速度の検出を制御する。副制御部14は、後述する環境状況検出部60による周囲環境の状況の検出を制御してもよい。副制御部14は、これらの制御を、主制御部12からの制御に基づいて行うこともできる。
図1においては、主制御部12および副制御部14は独立した部材として示してあるが、これら双方の処理を1つの制御部が行う構成としてもよい。以下の説明においては、適宜、主制御部12および副制御部14をまとめて、単に「制御部(12,14)」とも記す。
記憶部20は、例えばNAND型フラッシュメモリ等によって構成することができる。記憶部20は、電子機器1において実行する各種のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」と記す)を記憶するのみならず、各種の情報を記憶することができる。特に、本実施形態において、記憶部20は、主制御部12および副制御部14が行う処理の経過または結果などの情報を記憶することができる。また、本実施形態において、記憶部20は、主制御部12および副制御部14の制御により各種の検出部で検出した結果などの情報も記憶することができる。
接触検出部30は、ユーザの指またはスタイラスなどによる接触を検出するものであり、例えばタッチセンサまたはタッチパネルなどの部材で構成することができる。この接触検出部30は、タッチセンサまたはタッチパネルで構成する際は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式など各種の方式のものを採用することができる。接触検出部30は、主制御部12の制御により、当該接触検出部30における接触を検出する。接触検出部30は、接触を検出することにより、主制御部12に検出信号を出力する。主制御部12は、当該検出信号により、接触検出部30において接触が行われた位置を認識することができる。なお、接触検出部30は、副制御部14の制御により接触を検出してもよい。
本実施形態において、接触検出部30は、起動して主制御部12から給電されている間に検出した接触は、当該接触が検出されなくなった後も、接触の履歴として記録することができる。このように接触検出部30が記録している接触の履歴は、主制御部12の制御により消去することもできる。さらに、主制御部12から給電されなくなると、接触検出部30は記録を保持することができず、記録していた接触の履歴は消去される。
表示部40は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ、または無機ELディスプレイ等の表示デバイスで構成することができる。表示部40は、通常は光を透過する接触検出部30の背面側に配置される。表示部40を接触検出部30の背面側に配置することによって、表示部40に画像として表示したオブジェクト等に対する接触を、接触検出部30上の対応する位置において検出する。表示部20は、文字および図形などの各種の画像を表示することができる。その他、表示部20は、例えばキーのような押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)等のオブジェクトを画像で表示することができる。このオブジェクトは、接触検出部30において接触すべき領域をユーザに示唆する画像である。また、表示部40がLCDの場合、画像を表示する際には、バックライト等で表示部40を照射することにより、表示を見易くすることができる。この場合、主制御部12は、表示部40の起動状態にバックライトの点灯を連動させて制御することもできるし、バックライトの点灯を個別に制御することもできる。
加速度検出部50は、加速度を検出するものであり、例えば静電容量検出方式の加速度センサのような慣性センサを用いて構成することができる。このような加速度センサは、センサにかかる重力を検出することもでき、検出された信号に適切な処理を行うことによって、加速度センサの傾きを判定することもできる。このような加速度センサは、センサの動きを検出することもでき、検出された信号に適切な処理を行うことによって、加えられた衝撃および振動などの情報を得ることもできる。したがって、加速度検出部50を電子機器1の本体内部などに設置することにより、電子機器1の(鉛直方向を基準とした)傾き、ならびに電子機器1に与えられた衝撃および振動などの情報を得ることができる。
加速度検出部50は、主制御部12および副制御部14のうち少なくとも一方の制御により、電子機器1にかかる加速度を検出する。加速度検出部50は、加速度を検出することにより、主制御部12および副制御部14の少なくとも一方に検出信号を出力する。主制御部12および副制御部14は、当該検出信号により、電子機器1にかかる加速度を認識することができる。
環境状況検出部60は、周囲の気圧を検出する気圧センサ、周囲の紫外線を検出するUVセンサ、周囲に存在する物体との近接を検出する近接センサ、周囲の湿度を検出する湿度センサ、温度を検出する温度センサなど、種々のものとすることができる。その他、環境状況検出部60は、CCDイメージセンサ、GPS信号の受信器などとすることもでき、電子機器1の周囲環境の状況を検出することに資するものであれば、任意の検出手段とすることができる。副制御部14および主制御部12は、設置された環境状況検出部60に応じて、電子機器1が置かれている周囲環境の状況を認識することができる。
主制御部12は、例えばユーザによる操作入力を検出していない場合などにおいて、電子機器1をスリープモードまたはサスペンドモードに移行させることができる。ここで、本実施形態においてスリープモードには、例えば、表示部40に画面を表示させていない状態など、電子機器1の機能の一部が制限される状態が含まれる。なお、このスリープモードには、表示部40がLCDによって構成されている場合において、LCDに画面を描画しているものの、バックライトを消灯している状態も含まれる。本実施形態において、サスペンドモードには、例えば、接触検出部30が接触を検出していない状態、主制御部12がサスペンドしている状態、または主制御部12が起動しておらず起動指示を待ち受けている状態など、電子機器1の機能の一部が制限される状態が含まれる。主制御部12は、電子機器1をスリープモードまたはサスペンドに移行させることで、電子機器1を通常の起動している状態と比べて消費電力を少なくすることができる。このようなスリープモードおよびサスペンドモードにおいては、通常、主制御部12が行う動作の一部または全部が制限される。
次に、本実施形態に係る電子機器1の動作を説明する。図2〜4は、電子機器1を構成する主な要素の動作を説明する図である。
図2は、サスペンドモードであった電子機器1が、ユーザによるタップ操作およびタッチ操作の連続操作を検出することにより、電子機器1のサスペンドモードを解除して表示部40に画面を表示する様子を説明する図である。本実施形態において「連続操作」とは、第1の操作から所定の時間内に第2の操作が行われることを意味する。ここで、所定の時間内とは比較的短い時間内とするのが好適である。
本実施形態において、電子機器1は、接触検出部30に対するユーザの連続操作を検出すると、例えばサスペンドモードの状態を解除して、電子機器1を使用可能状態にする。本実施形態において、電子機器1を「使用可能状態にする」とは、具体的には、表示部40が画像の表示を開始することを意味する。当該表示を視認することにより、ユーザは、電子機器1に対して次の操作を行うことができるからである。
本実施形態においては、ユーザによる連続操作の検出を行う際、1回目のタップ(第1のタップ)は加速度検出部50によって検出するが、続く2回目のタッチ(第2のタッチ)は接触検出部30によって検出する。
このように連続操作を検出することにより、当初サスペンドモードの電子機器1の主制御部12は、第1のタップの検出までは起動しないようにできる。主制御部12により制御される接触検出部30も、第1のタップまでは起動しないようにできる。このため、本実施形態に係る電子機器1は、主制御部12および接触検出部30を常時起動させておく場合に比べ、消費電力を著しく低減することができる。
加速度検出部50のみによって連続操作を検出すると、電子機器1が例えば鞄の中に入れられた状態で移動している際に小刻みな振動が与えられている場合などに、このような振動が連続操作と誤検出されるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、上述のように第2のタッチを接触検出部30によって検出する。第2のタッチ時にユーザが実際に接触検出部30に接触していなければ、表示部40が画像の表示を開始することはない。したがって、本実施形態では、上述のように電子機器1に小刻みな振動が与えられても、それを連続操作と誤検出することはない。このため、電子機器1においては、無駄に表示部40に画面を表示することにより消費電力が浪費されることはない。
本実施形態に係る電子機器1は、加速度検出部50による加速度の検出は常に行う。このため、電子機器1が連続操作の検出を行う際には、加速度検出部50が加速度の検出を行うことができるように、加速度検出部50を制御する副制御部14を起動しておく必要がある。
図2に示すように、電子機器1が本実施形態による連続操作の検出を行う際は、第1に、副制御部14は、加速度検出部50を起動する(ON(1))。これにより、電子機器1は、第1のタップを検出する準備ができたことになる。
このように、加速度検出部50が起動してから、ユーザが例えば接触検出部30に接触する等して、第1のタップを行ったとする。このタイミングを、図2において、第1のタップ(α)と記す。加速度が検出されたら、加速度検出部50は、当該加速度を副制御部14に送信する(加速度(2))。
ここで、上述したように、第1のタップは加速度検出部50によって検出するため、ユーザは、必ずしも接触検出部30に接触する必要はなく、加速度検出部50に加速度を与えるような任意の態様でタップを行うことができる。すなわち、ユーザは、電子機器1の任意の箇所に第1のタップを行うことができる。また、ユーザは、例えば電子機器1をデスクの上などに置いた状態で、電子機器1が置かれた付近のデスクに対して第1のタップを行うこともできる。このように電子機器1が置かれた付近のデスクに対してタップを行っても、そのタップによる衝撃がデスクに置かれた電子機器1にも伝わり、加速度検出部50は加速度を検出することができるからである。
加速度検出部50が検出した加速度を受信したら、副制御部14は、当該受信した加速度が第1のタップに起因する所定の加速度であるか否かを判定する。受信した加速度が第1のタップに起因する所定の加速度である場合には、副制御部14は、主制御部12を起動する(ON(3))。すなわち、副制御部14は、加速度検出部50が如何なる加速度を検出しても主制御部12を起動するのではなく、加速度検出部50が第1のタップが行われた際に生じる特徴的な加速度のパターンを検出した場合にのみ、主制御部12を起動する。このため、副制御部12は、第1のタップが行われた際に生じる特徴的な加速度のパターン(例えば加速度の変化のパターン等)を把握する必要がある。
このような加速度のパターンは、電子機器1の状況によって様々想定されるため、それらの様々な状況において検出される特徴的な加速度のパターンを予め用意しておく。例えば、片手で電子機器1を把持したままもう片手の指で電子機器1にタップが行われた場合の加速度、電子機器1をデスク等に置いたまま電子機器1にタップが行われた場合の加速度などのパターンを予め用意しておくことができる。このような加速度のパターンは、副制御部12に記憶させてもよいし、記憶部20に記憶しておいたものを読み出してもよい。タップが行われた際に生じる特徴的な加速度のパターンは、予め記憶されたものを使用してもよいし、ユーザが行うタップから副制御部14が学習したものを使用することもできる。
第1のタップが行われた際に生じる特徴的な加速度のパターンとは、例えば加速度検出部50がxyz軸の各方向の加速度を検出可能な場合、ユーザが連続操作を行う接触検出部30の面の法線方向の加速度が急峻に変化するパターン等とすることができる。
このようにして、副制御部14は、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出したか否かを判定する。加速度が第1のタップに起因する所定の加速度であると判定した場合に、副制御部14は、主制御部12を起動する(ON(3))。主制御部12が起動されることによって、電子機器1は、サスペンドモードからスリープモードに移行する。主制御部12が起動した瞬間には、接触検出部30が接触の検出を開始するような要求を出すことができない場合も想定される。そこで、本実施形態では、主制御部12が起動したらすぐに、接触検出部30を起動させる(ON(4))。そして、接触検出部30は、主制御部12からの検出開始要求(5)を待たずして接触を検出し、当該接触の履歴を残すように動作する。
図2においては、主制御部12が起動(ON(3))してから若干の時間の後、検出開始要求(5)が送信されて、それから検出終了要求(6)が送信されている。接触検出部30は、主制御部12からの検出開始要求(5)を待つ場合、主制御部12からの検出開始要求(5)から検出終了要求(6)までの間の接触しか検出できない。しかしながら、これでは、ユーザの第1のタップから第2のタッチまでの時間間隔が短い場合、第2のタッチを検出できないおそれもある。したがって、本実施形態では、上述したように、接触検出部30は、主制御部12からの検出開始要求(5)を待たずに接触を検出し、当該接触の履歴を残すようにする。これにより、本実施形態では、接触検出部30は、主制御部12からのON(4)から検出終了要求(6)までの間の接触を検出することができる。
このように、本実施形態では、主制御部12が起動してすぐに、接触検出部30が検出した接触の履歴を記録する。主制御部12が起動する前は、接触検出部30は、主制御部12から給電されず起動していないため、接触の履歴を記録することも、接触の履歴の記録を保持することもできない。したがって、本実施形態では、第1のタップに起因する所定の加速度が検出された際に主制御部12が起動していなかった場合、接触検出部30は、接触の履歴の記録を消去することなく接触の検出を行うことができる。
図2においては、ON(4)から検出終了要求(6)までの間に、ユーザによる第2のタッチ(β)が行われたものとする。これにより、接触検出部30は、ON(4)から検出終了要求(6)までの間に第2のタッチによる接触を検出する。接触検出部30は、ON(4)から検出終了要求(6)までの間に第2のタッチによる接触を検出している。主制御部12は、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がある旨の返信を受信する(記録あり(7))。
主制御部12は、検出終了要求(6)を送信してから所定時間Bの後、接触検出部30が接触を検出したか否かを判定する。この所定時間Bの間に接触が検出されない場合、主制御部12は、第2のタッチ(β)に続いてさらに次のタッチが行われなかったと判断することができる。
主制御部12は、接触検出部30から「記録あり(7)」を受信すると、接触検出部30の接触の履歴の記録を消去するように制御する(記録消去(8))。この制御により、所定時間Bの間に新たな接触があったか否かを判別することができる。図2においては、所定時間Bの間には、接触検出部30は新たな接触を検出していない。主制御部12は、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がない旨の返信を受信する(記録なし(9))。
接触検出部30から接触の記録がない旨の返信を受信したら、主制御部12は、第1のタップから所定の時間(所定時間A)内に第2のタッチが行われた、つまり連続操作が成功したと判定し、表示部40を起動(ON(10))して画像の表示を開始する。すなわち、本実施形態では、制御部(12,14)は、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出してから所定の時間内に、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出したら、表示部40が画像の表示を開始するように制御する。
ここで、副制御部14は、加速度検出部50による加速度の検出を制御するとともに、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出したら、主制御部12を起動するように制御する。また、主制御部12は、接触検出部30による接触の検出を制御するとともに、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出したら、表示部40が画像の表示を開始するように制御する。
本実施形態では、主制御部12が接触検出部30を制御しているが、副制御部14が接触検出部30を制御してもよい。副制御部14が接触検出部30を制御する場合、電子機器1が第2のタッチを検出した後に、主制御部12を起動させ、表示部40に画面を表示させることができる。この電子機器1では、主制御部12による電力消費をさらに低減することができる。
図3は、電子機器1が、図2の場合と同様に第1のタップ(α)を検出したが、その後第2のタッチ(β)を検出しなかった場合の動作を説明する図である。
図3に示すように、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出した後、所定時間Aの間に、接触検出部30は、第2のタッチによる接触を検出していない。これは、例えばユーザが第1のタップは行ったものの、続いて第2のタッチを行わなかったか、あるいは、ユーザが第1のタップを行わなかったが、何らかの振動により第1のタップが行われたものと誤検出された場合などが想定される。
この場合も、主制御部12は、検出終了要求(6)を送信した後、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がない旨の返信を受信する(記録なし(9))。
図3においては、接触検出部30は、ON(4)から検出終了要求(6)までの間に第2のタッチによる接触を検出していない。このため、主制御部12は、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がない旨の返信を受信する(記録なし(9))。
接触検出部30から接触の記録がない旨の返信を受信したら、主制御部12は、第1のタップから所定の時間(所定時間A)内に第2のタッチが行われなかった、つまり主制御部12は、連続操作が成功しなかったと判定し、表示部40を起動(ON(10))しない。この場合、表示部40は画像の表示を開始しない。
電子機器1は、第1のタップがあったものの、第2のタッチがなかった場合、第1のタップは誤って検出されたものであると理解する。電子機器1は、所定時間Bよりも長い時間の経過後に、再び主制御部12をサスペンドさせてサスペンドモードに移行する。主制御部12は、サスペンドとなる前に、接触検出部30を起動していないオフの状態にしてもよい。
このように、本実施形態の電子機器1によれば、加速度検出部50が所定の加速度を検出しても、それから所定の時間内に、接触検出部30が接触を検出しない場合には、表示部40に画像の表示が開始されない。したがって、本実施形態によれば、ユーザが連続操作を行わなければ、電子機器1が使用可能状態になることはない。また、本実施形態によれば、電子機器1が所定の加速度を検出して第1のタップが行われたと誤検出した場合であっても、第2のタッチによって接触検出部30が接触を検出しなければ、電子機器1が使用可能状態になることはない。このように、本実施形態に係る電子機器1は、タッチパネルに対するユーザの簡単な操作により使用可能状態にすることができる。
主制御部12は、記録なし(9)の通知を受信した後、接触検出部30に対する給電を停止する。これにより、接触検出部30は、起動していないオフの状態になる。このようにオフの状態になると、接触検出部30が記録している接触の履歴情報が揮発性の場合、当該履歴情報は保持されない。
図4は、図3において、電子機器1が、所定時間Aの間には第2のタッチ(β)を検出しなかったが、その後の所定時間Bの間に次のタップを検出した場合の動作を説明する図である。
図3から図4に示すような動作が行われる状況としては、以下のような場面が想定される。すなわち、例えば、ユーザが第1のタップを行ってから少しの間操作を行わず、それから再び第1のタップから操作をやり直す場合が考えられる。ユーザが連続操作を行ったが電子機器1に正しく認識されなかったため、再び連続操作をやりなおす場合が考えられる。所定の加速度が検出されることで電子機器1が第1のタップが行われたと誤検出した後、第2のタッチによる接触が検出されず、その後でユーザが連続操作を行う場合も考えられる。図4に示すような動作が行われる他の状況としては、ユーザが電子機器1の操作を行わなかったため、電子機器1がスリープモードに移行している場合も考えられる。
図4に示す動作は、図3において所定時間Bが完了する前から開始する。したがって、図4においては、図2および3とは異なり、加速度検出部50、主制御部12、および接触検出部30は、図4に示す開始段階から既に起動しているが、表示部40に画面は表示されていない。図4の開始時に、電子機器1は、スリープモードとなっている。
図4に示すように、図3から続く所定時間Bが完了する前に、ユーザが例えば接触検出部30に接触する等して、第1のタップ(γ)を行ったとする。この第1のタップに起因する加速度が検出されたら、加速度検出部50は、当該加速度を副制御部14に送信する(加速度(11))。
加速度検出部50が検出した加速度を受信したら、副制御部14は、当該受信した加速度が第1のタップに起因する所定の加速度であるか否かを判定する。そして、受信した加速度が第1のタップに起因する所定の加速度である場合には、副制御部14は、その旨を主制御部12に通知する(通知(12))。ここで、主制御部12は既に起動しているため、加速度が第1のタップに起因する所定の加速度であると通知されたら、主制御部12は、即座に接触検出部30に検出開始要求を送信することができる(検出開始要求(13))。
ここで、接触検出部30は、これから第2のタッチを検出するため、主制御部12は、検出開始要求(13)を送信した後に、接触検出部30の接触の履歴の記録を消去する(記録消去(14))。このようにすれば、接触検出部30は、常に最後の接触の記録を主制御部12に通知することができる。ここで、このような制御を行うのは、上述したように、接触検出部30が起動して給電されている間は、接触の履歴の記録を保持しているためである。したがって、接触検出部30がもともと接触の履歴の記録を保持しない仕様となっている場合には、このような記録消去(14)を行う必要はない。また、図4においては、主制御部12は、接触検出部30対して検出開始要求(13)を送信した後で記録消去(14)を行っているが、この順番を逆にしてもよく、同時に行ってもよい。
図4においては、主制御部12は、検出開始要求(13)および記録消去(14)を行った後、検出終了要求(15)が送信されている。ここでは、接触検出部30は、ユーザの第1のタップ(γ)から第2のタッチ(δ)までの時間間隔が短い場合でも、第2のタッチを検出できる。接触検出部30は、検出開始要求(13)を受信してから記録消去(14)を行っているため、検出終了要求(15)が送信されるまでに検出した接触の履歴を残す。これにより、本実施形態では、接触検出部30は、主制御部12からの記録消去(14)から検出終了要求(15)までの間の接触を検出することができる。
図2においては、記録消去(14)から検出終了要求(15)までの間に、ユーザによる第2のタッチ(δ)が行われたものとする。これにより、接触検出部30は、記録消去(14)から検出終了要求(15)までの間に第2のタッチによる接触を検出する。主制御部12は、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がある旨の返信を受信する(記録あり(16))。
主制御部12は、検出終了要求(15)を送信してから所定時間Bの後、接触検出部30が接触を検出したか否かを判定する。この所定時間Bの間に接触が検出されない場合、主制御部12は、第2のタッチ(δ)に続いてさらに次のタッチが行われなかったと判断することができる。
主制御部12は、接触検出部30から「記録あり(16)」を受信すると、接触検出部30の接触の履歴の記録を消去するように制御する(記録消去(17))。この制御により、次の所定時間Bの間に新たな接触があったか否かを判別することができる。図4においては、所定時間Bの間には、接触検出部30は新たな接触を検出していない。主制御部12は、接触検出部30から接触の履歴において接触の記録がない旨の返信を受信する(記録なし(18))。
接触検出部30から接触の記録がない旨の返信を受信したら、主制御部12は、第1のタップから所定の時間(所定時間A)内に第2のタッチが行われた、つまり連続操作が成功したと判定し、表示部40を起動(ON(19))して画像の表示を開始する。
このように、本実施形態の電子機器1によれば、最初の連続操作が成功したと判断せずに表示部40を起動しない場合でも、次の連続操作が成功したと判断したら表示部40を起動する。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、第1のタップの誤検出により表示部40が起動して消費電力が無駄になるのを低減できる。誤検出であるとの判定の後であっても、連続操作を行うことにより、電子機器1を使用可能状態にすることができる。
上述した実施形態では、第1のタップを加速度検出部50により検出し、第2のタッチを接触検出部30により検出した。しかしながら、第2のタッチを接触検出部30と共に、加速度検出部50が検出してもよい。すなわち、主制御部12は、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出してから所定の時間内に第2のタッチに起因する所定の加速度を検出したら、表示部40が画像の表示を開始するように制御してもよい。電子機器1は、加速度検出部50が第2のタッチに起因する所定の加速度を検出し、かつ、接触検出部30が当該第2のタッチによる接触を検出したことに基づいて、表示部40を起動してもよい。
上述した実施形態において、主制御部12は、検出終了要求(6)を送信してから所定時間Bの間に接触が検出されない場合、第2のタッチ(β)に続いてさらに次のタッチが行われなかったと判断した。ここで、図2において、例えば、第2のタッチ(β)が検出されてから所定時間B内に、さらに次の(第3の)タッチを検出し、当該第3のタッチの検出後に所定時間接触が検出されない場合、さらに次の(第4の)タッチは行われなかったと判断することもできる。このように、本実施形態では、検出するユーザの操作は2回連続する連続操作に限定されるものではなく、3回以上の任意の回数の連続する操作とすることもできる。
この場合、上述したように、本実施形態においては、接触検出部30が記録した接触の履歴の消去の有無を制御することにより、接触検出部30は、常に最後の接触の記録を主制御部12に通知することができる。したがって、本実施形態に係る電子機器1は、連続するタッチを何回検出する場合でも、最後のタッチに基づいて、表示部40に画面を表示させることができる。
上述したように、本実施形態においては、第2のタッチ以降の操作を接触検出部30と共に、加速度検出部50が検出することもできる。
この場合、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出した後に、さらに第2のタッチに起因する所定の加速度を検出したことも加味した上で、主制御部12は、表示部40の起動の有無を判定することができる。また、第2のタッチ以降の操作も、同様にして、加速度検出部50が検出することもできる。さらに、加速度検出部50がタップによる所定の加速度を検出してから所定時間タップによる所定の加速度が検出されない場合、検出されたタップが最後のタッチであると判定することもできる。したがって、本実施形態では、主制御部12は、加速度検出部50が第2のタッチによる所定の加速度を検出してから所定時間、所定の加速度を検出しない時、表示部40が画像の表示を開始するように制御してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出してから所定の時間内に、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出したら、表示部40が画像の表示を開始することができる。しかしながら、本実施形態に係る電子機器1は、上述した実施形態に限定されるものではない。本実施形態に係る電子機器1は、検出されたタップに基づいて、表示部40の表示の開始のみならず、種々の処理を行うことができる。
例えば、本実施形態に係る電子機器1は、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出した際に、検出された接触に基づいて、種々の異なる処理を行うようにすることができる。ここで、「検出された接触に基づいて」とは、例えば、接触検出部30上で検出される接触の位置、検出される接触の態様、および検出される接触の回数など各種の条件のうち少なくとも1つに基づくものとすることができる。検出される接触の態様とは、例えば接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出した際に、検出された接触が単なるタップであるか、スライドであるか、またはフリックであるか、などとすることができる。本実施形態においては、このように検出される接触の態様に基づいて、主制御部12が行う処理を異なるものとすることができる。
本実施形態において、主制御部12は、接触検出部30により検出された接触を行ったユーザが当該操作を行うに際し用いた指の本数を検出することもできる。すなわち、接触検出部30が複数箇所の接触を同時に検出したら、当該接触が検出された箇所の分布に基づいて、当該接触を行ったユーザの指の数を推定することができる。したがって、本実施形態に係る電子機器1は、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出した際に、ユーザが指1本で接触したか、2本指で接触したか、または3本指で接触したか等に基づいて異なる処理を行うようにしてもよい。上述したような種々の接触に基づく制御を実行した際に、表示部40に処理内容を表示してもよいし、表示部40に表示をしなくてもよい。
上述したように、本実施形態に係る電子機器1が検出することができるのは、2回の連続操作に限定されない。したがって、本実施形態に係る電子機器1は、加速度検出部50または接触検出部30が操作を検出した回数に基づいて、異なる処理を行うようにしてもよい。
このように、本実施形態では、制御部(12,14)は、加速度検出部50が第1のタップに起因する所定の加速度を検出してから所定の時間内に、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出したら、当該検出された接触に基づく処理を行うように制御する。この場合、制御部(12,14)は、接触検出部30により検出された接触の位置、態様、および回数の少なくとも1つに基づく処理を行うように制御するのが好適である。制御部(12,14)は、接触検出部30が第2のタッチによる複数箇所の接触を同時に検出したら、当該複数の接触の数を判定し、当該接触の数に基づく処理を行うように制御してもよい。制御部(12,14)は、加速度検出部50が所定の加速度を検出した回数に基づく処理を行うように制御してもよい。
上述したような種々の接触に基づいて行われる異なる制御とは、例えば、以下のようなものとすることができる。
例えば、接触検出部30が検出する種々の接触に基づいて、主制御部12は、それぞれ異なるアプリケーションを実行するようにしてもよい。例えば、接触検出部30において第2のタッチが検出された位置に応じて、ある位置で接触が検出された場合は、音楽プレーヤのアプリケーションが実行され、また他の位置で接触が検出された場合は、電子メールのアプリケーションが実行されるようにできる。また、例えばこのように第2のタッチが検出された位置に応じて、電子機器1において電子マネーの決済を行うサービスが異なるようにすることもできる。この場合、第2のタッチが検出された位置に応じて、異なる電子マネーの決済を行うアプリケーションが実行されるようにする。このように、本実施形態において、制御部(12,14)は、接触検出部30により検出された接触に基づいて、対応するアプリケーションソフトウェアを実行するように制御してもよい。
また、接触検出部30が検出する種々の接触に基づいて、主制御部12は、電子機器1の動作モードが変更されるようにしてもよい。例えば、第2のタッチが検出された際に接触検出部30において通常のタッチが検出された場合には、電子機器1が通常モードで動作するようにしてもよい。一方、第2のタッチが検出された際に接触検出部30においてスライドまたはフリック等が検出された場合には、電子機器1がマナーモードで動作するようにしてもよい。このように、本実施形態において、制御部(12,14)は、接触検出部30により検出された接触に基づいて、電子機器1の動作態様(動作モード)を変更するように制御してもよい。
さらに、接触検出部30が検出する種々の接触に基づいて、主制御部12は、電子機器1における所定の設定が変更されるようにしてもよい。例えば、スマートフォンとする電子機器1において2回連続するタップ(ダブルタップ)が検出された場合には、通話を行う際の受話音量がデフォルトの標準的な音量に設定することができる。一方、当該電子機器1において3回連続するタップ(トリプルタップ)が検出された場合には、通話を行う際の受話音量がデフォルトの標準的な音量よりも大きな音量に設定することができる。このように、本実施形態において、制御部(12,14)は、接触検出部30により検出された接触に基づいて、電子機器1における所定の設定を変更するように制御してもよい。
上述したような種々の接触に基づいて行われる異なる制御としては、例えば、設定モードの変更制御、アプリケーションの実行制御、デバイスの動作制御などが挙げられる。この設定モードの変更制御には、鳴動モードの変更制御、通信モードの変更制御が挙げられる。鳴動モードの変更制御には、スピーカで鳴動させるモード、バイブレーションで鳴動させるモード、スピーカおよびバイブレーションで鳴動させるモード、スピーカおよびバイブレーションによる鳴動を制限するモードなどが含まれる。通信モードの変更制御には、データ通信モードの変更制御、航空機モードへの変更制御、テザリングモードへの変更制御などが含まれる。データ通信モードの変更制御には、音声通信のみを許可する通信モードと、データ通信を許可する通信モードとの変更制御が含まれる。航空機モードへの変更制御には、航空機モードへ変更する制御、航空機モードを解除する変更制御が含まれる。テザリングモードへの変更制御には、テザリングモードへ変更する制御、テザリングモードを解除する変更制御が含まれる。テザリングモードへ変更する制御として、ブルートゥース(登録商標)によるテザリングモードへの変更制御と、Wi−Fiによるテザリングモードへの変更制御とを区別してもよい。アプリケーションの実行制御には、アプリケーションの起動または実行、およびアプリケーションのコマンドの実行制御が含まれる。アプリケーションのコマンドの実行制御には、新着メールの確認処理の実行、バージョンアップの確認処理の実行、アプリケーションの同期処理の実行などが含まれる。デバイスの動作制御としては、例えば、Wi−FiのON/OFF制御、ブルートゥースのON/OFF制御、GPSのON/OFF制御が含まれる。
上述した実施形態において、第1のタップを検出してから第2のタッチを検出するまでの所定時間Aは、一般的に行われる連続操作に基づいて適宜設定することができる。また、この所定時間Aは、一度設定された後も、ユーザの好みに合わせて、後から適宜変更できるようにするのが好適である。さらに、この所定時間Aは、電子機器1を実際に操作しているユーザが通常行う連続操作のタイミングを、当該電子機器1が学習するようにしてもよい。この場合、ユーザに試しに連続操作を要求し、ユーザが行った連続操作に基づいて、制御部(12,14)が連続操作のタイミングを学習してもよい。また、ユーザに特に試しに連続操作を要求することなく、ユーザが通常行っている連続操作に基づいて、制御部(12,14)が連続操作のタイミングを学習してもよい。すなわち、制御部(12,14)は、加速度検出部50が検出する連続する操作に起因する所定の加速度、または接触検出部30が検出する連続する操作による接触の時間間隔に基づいて、所定の時間を決定してもよい。例えば、表示部40が画像の表示を開始した後に、操作の制限を解除する操作を要求する場合、操作の制限を解除する操作を受け付けた場合に、表示部40に画面の表示を開始させた連続操作のタイミングを学習させることで、ユーザに特別な操作を要求せずに学習させることができる。
上述した実施形態において、主制御部12が接触検出部30に検出終了要求を送信してから次のタップまたはタッチが検出されなかったと判定する所定時間Bについても、一般的に行われるユーザの操作に基づいて適宜設定することができる。さらに、上述同様に、所定時間Bも、一度設定された後、ユーザの好みに合わせて、後から適宜変更できるようにするのが好適である。また、所定時間Bも、電子機器1を実際に操作しているユーザが通常行う操作のタイミングを、当該電子機器1が学習するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態において、所定時間Aおよび所定時間Bは、それぞれ、何度目のタップを検出する場合においても同じ時間とすることもできるし、検出すべきタップの回数に応じて、その都度異なる時間としてもよい。
本実施形態において、連続操作を検出することにより電子機器1が使用可能状態になっても、それから操作の制限を解除する操作を要求すると、ユーザに1ステップ追加の操作を求めることになる。したがって、本実施形態においては、連続操作を検出したら、電子機器1を使用可能状態にすると共に、このような操作の制限も同時に解除すれば、ユーザの手間を削減することができて好適である。すなわち、本実施形態において、制御部(12,14)は、接触検出部30が第2のタッチによる接触を検出したら、表示部40が画像の表示を開始するように制御し、さらに電子機器1に対する入力の無効化を解除するように制御してもよい。
上述のように表示部40が画像の表示を開始した後に、操作の制限を解除する操作を要求する場合、操作の制限を解除する操作として、第2のタッチの際に触れた指による特定のジェスチャ操作を要求してもよい。かかる操作をユーザに要求することで、電子機器1は、ユーザに課す労力を低減しつつ、新たな機能を提供することができる。例えば、この電子機器1では、操作の制限を解除するジェスチャ操作として複数のジェスチャを要求することができる。電子機器1は、アプリケーション毎に異なるジェスチャ操作を対応させることで、単に操作の制限を解除するだけでなく、ジェスチャに応じたアプリケーションを起動させることができるようになる。
以上、本実施形態に係る電子機器1について説明したが、本発明は、上述したような電子機器1の制御方法として実施することもできる。さらに、本発明は、上述したような電子機器1の制御プログラムとして実施することもできる。
本発明を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。特に、図2〜4で説明した本実施形態による動作は、一例を示したものであり、本発明の趣旨に沿う限り、幾多の他の動作を想定することも可能である。