JP2017045430A - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラム Download PDF

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好秀 澤田
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Abstract

【課題】画像を用いた病理診断の時間を低減させ得る画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置100は、標本を基準とする複数の照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影して低解像度画像を生成する撮影装置107から低解像度画像を取得する画像取得部101と、画像拡大の入力操作に応じて出力のために高解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部103と、複数枚の低解像度画像に基づいて高解像度画像を生成する画像生成部105と、低解像度画像又は高解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部106とを備え、高解像度画像が必要な場合に、画像取得部101は取得済みでない照射方向の光の照射で撮影された低解像度画像を撮影装置107から取得し、出力部106は、高解像度画像が生成された場合に、高解像度画像に基づき表示用画像を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
イメージセンサの上に対象物を直接配置して撮影を行うコンタクトイメージング技術において、イメージセンサの分解能以上の画像を取得するためには、何らかの高解像度化技術が必要となる。例えば、特許文献1では、対象物に対して複数方向から照明を照射し、得られた画像の各画素を再配置することで高分解能を有する画像である高解像度画像を生成する方法が提案されている。
国際公開第2014/196203号
しかし、病理医が検体の画像をディスプレイで確認して病理診断を行う際、上記技術を用いると画像が表示されるまでの時間が増大し、病理診断に要する時間が増大し得る。上記技術による高解像度画像の生成は、複数方向からの照明の照射による撮影を要し、画像データ量を増大させるため、撮影、データ転送、高解像度化の画像処理等において比較的多くの時間を必要とするからである。
そこで本発明は、検体の画像を用いた病理診断に要する時間を低減させ得る画像処理装置を提供する。
本発明の一態様に係る画像処理装置は、撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、ここで、前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで前記第1解像度画像を生成し、前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する。
また、本発明の一態様に係る画像処理システムは、撮影装置と画像処理装置とを備える画像処理システムであって、前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成し、前記画像処理装置は、前記撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに所定画像処理を実行させるためのプログラムであって、前記所定画像処理は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する、処理を含む。
本発明によると、高解像度画像が必要な場合のみ、高解像度画像を生成するため、検体の画像を用いた病理診断に要する時間を低減させ得る。
画像処理システムの構成を示すブロック図である。 従来のプレパラート作成方法を示す図である。 CIS方式によるプレパラート作成方法を示す図である。 プレパラートの側面構造を説明する図である。 CIS方式プレパラートの側面構造を説明する図である。 イメージセンサ(即ち撮像素子)にパッケージを接続した形態の側面図である。 実施の形態1に係る画像処理システムの動作例を示すフローチャートである。 分解能と撮影位置との関係を表す撮影指示表の一例を示す図である。 低解像度画像の一例を示す図である。 図9の低解像度画像を約3倍に拡大した画像を示す図である。 高解像度画像の一例を示す図である。 撮影の被写体である染色切片の一部を模式的に示す図である。 図11Aの領域の撮像に関わるイメージセンサのフォトダイオードを模式的に示す平面図である。 ある方向から染色切片を透過して照射光(即ち照明光)をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の一)である。 ある方向から染色切片を透過して照射光をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の二)である。 図12A及び図12Bに示す照射方向の照射光による撮影で得られるサブ画像としての6個の画素を模式的に示す図である。 別の照射方向から光線をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の一)である。 別の照射方向から光線をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の二)である。 図13A及び図13Bに示す照射方向の照射光による撮影で得られるサブ画像としての6個の画素を模式的に示す図である。 また別の照射方向から光線をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の一)である。 また別の照射方向から光線をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図(其の二)である。 図14A及び図14Bに示す照射方向の照射光による撮影で得られるサブ画像としての6個の画素を模式的に示す図である。 更にまた別の照射方向から光線をフォトダイオードに入射させた状態を模式的に示す断面図である。 図15Aに示す照射方向の照射光による撮影で得られるサブ画像としての6個の画素を模式的に示す図である。 4枚のサブ画像から合成される中間画像を示す図である。 9枚の低解像度画像から得られる中間画像を示す図である。 実施の形態2に係る画像処理システムの動作例を示すフローチャート図である。 3種類以上の分解能と撮影位置との関係を表す撮影指示表の一例を示す図である。 3種類以上の分解能の画像を切り替えるための閾値の設定例を示す図である。 中間画像を表示に利用する場合における画像を切り替えるための閾値の設定例を示す図である。 低解像度画像の例を示す図である。 分解能0.5umの高解像度画像の例を示す図である。 中間画像の例を示す図である。 分解能0.3umの高解像度画像の例を示す図である。 画像処理装置のハードウェア構成図である。 画像処理装置をデータサーバ及び複数台のコンピュータを用いて実現する場合の構成例を示す図である。
(本発明の基礎となった知見)
医療における診断業務は病名と病状の把握が目的であり、病名又は病状に応じて治療方針が決定される。病名又は病状を確定するためには、病変部から検体を摘出して細胞レベルで状態観察を行う病理診断が行われる。病理診断では、摘出した検体を顕微鏡で観察できる厚みにスライスすることにより標本が作製される。近年では、標本はイメージセンサで撮影されることで、撮影結果としてデジタル画像が生成され、その標本に係る画像は例えばディスプレイに表示され、病理医に観察される。
通常、病理医は得られた画像中の全てを詳細に観察する訳ではない。例えば生検では、対物レンズ約10倍程度の俯瞰的な観察のみで診断を確定する検体が約9割にも上る。そのため、全ての検体に対して、例えば対物レンズ約40倍の画像を撮影により生成することは、無駄に観察までの時間を増大させることになる。
上述した特許文献1では、対象物に対して複数方向から照明を照射し、得られた画像の各画素を再配置することで高解像度画像を生成する方法を提案している。この際、画像の分解能をn倍に向上させるにはn×n枚の画像が必要となる。例えば、分解能を3倍向上させるためには9枚の画像が必要となる。従って、分解能が3倍の高解像度画像を生成するために、画像1枚の撮影時間の約9倍の撮影時間を要する。また、画像を撮影する撮影装置から高解像度化する画像処理装置へ送られるべき画像のデータ量は、画像1枚のデータ量の9倍になる。1枚200MB(メガバイト)の画像であれば、高解像度化のために1.8GB(ギガバイト)の画像データを転送する必要がある。一日50症例診断する病理医の場合においては、200MB×(50×0.9)+1.8GB×(50×0.1)=18GBのデータ転送量或いはメモリ使用量で十分であるのに、1.8GB×50=90GBのデータを転送しその分のメモリを使用することとなり、90GB−18GB=72GBが不要なデータとなる。このような検体の標本から画像を生成するための撮影に要する時間、或いは、画像データの転送時間に鑑みれば、病理医が効率的に画像を観察して病理診断を行うために、高解像度画像での診断が不要な症例は、高解像度化の処理を行わないことが望ましい。
そこで、本発明の一態様に係る画像処理装置は、撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、ここで、前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで前記第1解像度画像を生成し、前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する。なお、第1解像度画像は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射してその標本をコンタクトイメージセンシング(CIS:Contact Image Sensing)方式で撮影することにより生成される1枚の画像(即ち低解像度画像)である。また、第2解像度画像は、例えば、複数枚の低解像度画像から得られた中間画像に対してデコンボリューション演算による超解像処理を行った結果として得られる高解像度画像である。この構成によると、高解像度画像が必要な場合のみ、高解像度画像を生成することができる。これにより、不要な撮影時間、低解像度画像の伝送時間、高解像度画像の生成時間等が省かれ、病理医による検体の画像を用いた病理診断に要する時間が低減され得る。
また、例えば、前記画像処理装置は、更に、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合において、前記画像取得部により既に取得された第1解像度画像の撮影に用いられた、前記標本を基準とする光の照射方向とは異なる1又は複数の照射方向からの光の前記標本への照射により撮影することで、1枚又は複数枚の第1解像度画像を生成して送信すべき旨の指示を、前記撮影装置に送信する撮影指示部を備え、前記画像取得部は、前記撮影指示部が前記指示を送信した場合において、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得することとしてもよい。これにより、高解像度画像が必要な場合に撮影装置107に撮影(つまり低解像度画像の生成)のための指示がなされるので、撮影装置107は、指示を受けた場合にのみ撮影を行うことで不要な撮影を抑制できる。
また、前記判定部は、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の拡大に係る拡大率を特定し、特定した当該拡大率が所定閾値より大きい場合に第2解像度画像を必要とすると判定し、当該拡大率が所定閾値より小さい場合に第2解像度画像を必要としないと判定することとしてもよい。これにより、病理診断において画像を拡大するときの拡大率が比較的大きい場合に限って高解像度画像を生成するため、表示用画像の出力までの時間を抑制し得る。
また、前記撮影指示部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合において、前記拡大率に応じて特定した枚数の第1解像度画像を生成して送信すべき旨の指示を、前記撮影装置に送信することとしてもよい。これにより、拡大率に応じて、それぞれ異なる分解能の高解像度画像を選択的に生成し得るようになる。
また、前記画像生成部は、前記複数枚の第1解像度画像に基づいて前記第2解像度画像を生成する場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて当該第1解像度画像より画素数が多い中間画像を生成し、当該中間画像に対してデコンボリューション演算を用いた画像処理を施すことにより前記第2解像度画像を生成し、前記出力部は、前記画像生成部により前記デコンボリューション演算を用いて前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像を前記表示用画像として出力することとしてもよい。これにより、病理医は、拡大率を大きくすることで標本(病理標本)の染色切片等の精細な形状を明瞭に観察できるようになる。
また、前記出力部は、前記画像生成部により前記中間画像が生成された場合に、一定条件下で当該中間画像を前記表示用画像として出力することとしてもよい。これにより、高解像度画像の生成の過程で生成する中間画像を表示用画像の形成に有効活用し得る。
また、前記画像取得部は、前記第1解像度画像の前記取得を、前記複数の異なる照射方向のうち当該第1解像度画像に係る撮影において用いられた光の照射方向を識別する照射方向識別情報と当該第1解像度画像とを前記撮影装置から受信することにより行い、前記撮影指示部は、前記画像取得部が既に受信した前記照射方向識別情報に基づいて、新たな撮影に用いられるべき光の照射方向を特定するための情報を生成し、当該情報を含めた前記指示を前記撮影装置に送信することとしてもよい。これにより、画像処理装置が撮影装置から既に取得した低解像度画像と同じ低解像度画像を重複して取得することを防止し得る。
また、前記出力部による前記表示用画像の前記出力は、外部の表示装置への当該表示用画像の送信であることとしてもよい。これにより、画像処理装置は表示装置を有さなくても、外部の表示装置に表示用画像を表示させることで、病理医に標本の画像を観察させ得る。
また、本発明の一態様に係る画像処理システムは、撮影装置と画像処理装置とを備える画像処理システムであって、前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成し、前記画像処理装置は、前記撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する。この構成によると、高解像度画像が必要な場合のみ、高解像度画像を生成することができる。高解像度画像が必要でない場合には、撮影装置から画像処理装置へと1枚の低解像度画像が伝送されて表示用画像の形成に用いられる。このため、複数枚の低解像度画像の伝送時間、高解像度画像の生成時間等が省かれ、病理医による画像を用いた病理診断に要する時間が低減され得る。
また、例えば、前記画像処理システムは、更に表示装置を備え、前記出力部は、前記表示用画像の前記出力を、当該表示用画像を前記表示装置に送信することで行い、前記表示装置は、前記表示用画像を受信して表示することとしてもよい。これにより、画像処理システムにおいて表示装置に表示用画像を表示させることで、病理医に標本の画像を観察させ得る。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する。これにより、高解像度画像が必要な場合のみ、高解像度画像を生成して高解像度画像に基づく表示用画像を表示することができ、高解像度画像が必要でない場合においては1枚の低解像度画像に基づく表示用画像を表示することができる。このため、不要な低解像度画像の撮影時間、低解像度画像の伝送時間、高解像度画像の生成時間等が省かれ、病理医による画像を用いた病理診断に要する時間が低減され得る。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに所定画像処理を実行させるためのプログラムであって、前記所定画像処理は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する、処理を含む。このプログラムをコンピュータにインストールすれば、コンピュータが撮影装置と通信する画像処理装置として機能し、この画像処理装置により結果的に表示される表示用画像を観察して病理診断する場合に必要な時間が低減され得る。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD−ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の包括的又は具体的な一例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、標本(即ち病理検体について病理診断を目的に作製された病理標本)をCIS方式により撮影することで生成される画像を複数枚利用して高解像度画像を生成する必要があるか否かを判定し、必要な場合のみ高解像度画像を生成する画像処理方法を実行する画像処理システムについて説明する。標本の撮影は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のいずれか1つから選択的に光を照射して行われる。
以下、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうちいずれか1つから選択的に光を照射して標本をCIS方式で撮影することにより生成される1枚の画像を「低解像度画像」と呼び、複数枚の低解像度画像から得られた画像を「中間画像」、中間画像に対してデコンボリューション演算による超解像処理を行った画像を「高解像度画像」と呼ぶ。また、標本を基準とする複数の異なる照射方向それぞれからの光の照射を、複数の異なる光照射パターンでの光の照射とも表現する。また、「拡大率」を、画像をディスプレイに表示する際の倍率として定義する。本明細書では、低解像度画像を構成する各画素を、ディスプレイの各画素に対応させて表示するとき(即ち、いわゆるドット・バイ・ドットで表示するとき)の倍率を100%とする。拡大率は画像を表示する大きさを調整するためのパラメータである。なお、画像の縦方向(即ち垂直方向)及び横方向(即ち水平方向)それぞれについて拡大率を定め得る。また、複数の相異なる光照射パターンは、撮影に用いる光源の標本或いは撮像素子からの相対位置が複数の相異なる位置となるその各位置を区別するものであり、つまり撮像素子への光の入射方向を区別するものである。従って、光照射パターンが異なれば標本或いは撮像素子への光の入射方向が異なる。
<画像処理システム10の構成>
図1は、実施の形態1に係る画像処理システム10の構成を示すブロック図である。
画像処理システム10は、検体(即ち病理検体)の組織の一部等をスライドガラスに載置してなる標本をCIS方式で撮影して画像を生成し、病理医が病理診断に用いることができるように表示するためのシステムである。画像処理システム10は、図1に示すように、画像処理装置100、撮影装置107及びディスプレイ20を含んで構成される。
撮影装置107は、検体の標本を撮影して低解像度画像を生成して画像処理装置100に低解像度画像を送信する装置である。撮影装置107と有線又は無線により通信可能な画像処理装置100は、撮影装置107が生成した低解像度画像に基づいて、病理医が視認することになる表示用画像を形成して、ディスプレイ20に表示させるべくその表示用画像を出力(即ちディスプレイ20に送信)する装置である。画像処理装置100は、1枚の低解像度画像から表示用画像を形成する機能と、複数枚の低解像度画像から中間画像又は高解像度画像を生成した上でその中間画像又は高解像度画像に基づいて表示用画像を形成する機能とを有する。ディスプレイ20は、画像処理装置100から表示用画像を受信して表示する表示装置である。
以下、撮影装置107及び画像処理装置100それぞれについて詳しく説明する。
<撮影装置107>
撮影装置107は、図1に示すように照明部108、設置部109、照明位置調整部110、設置位置調整部111及び撮影部112を有する。撮影装置107は、複数の相異なる光照射パターンのいずれか1つで選択的に光を照射して(即ち標本を基準とする複数の異なる照射方向のいずれかから光を照射して)、標本をCIS方式で撮影することで低解像度画像を生成する。CIS方式では、照明部108の光源から、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサまでの照射光の光路上に合焦のための光学系(例えばレンズ等)を有さない構成で標本を撮影する。ここで、合焦のための光学系には、例えば点光源からの照射光を平行光に変えるコリメートレンズは含まれない。
照明部108は、少なくとも光源を備え、複数の光照射パターンのいずれか1つで選択的に光を標本(即ち検体についての標本)に照射する(つまり複数の光源位置のいずれかから照射光を標本に照射する)。1つの光源のみを設け、撮影の都度、その位置を変更して照射光で標本を照射してもよいし、位置が異なる複数の光源を設け、撮影の都度、異なる光源からの照射光で標本を照射してもよい。なお、各光照射パターンにおける光源の位置(即ちイメージセンサに対する相対位置)は、予め定められている。
設置部109は、標本を設置し固定するための台座である。設置部109は、CIS方式で、標本を撮像素子の面に直接載せる。
照明位置調整部110は光源の位置を指定し、設置位置調整部111は台座の位置を指定する。
撮影部112は、照明位置調整部110と設置位置調整部111にて指定された配置に従って照射光を照射して標本の撮影を実施する。撮影装置107では、照明位置調整部110及び設置位置調整部111が光源と台座との位置を調整することで、照明部108が標本に対して真上方向及び斜め方向等の各方向から照射光をそれぞれ照射する。各光照射パターンは、この各方向からの照射光の照射である。なお、各方向からの照射光の照射においてコリメートレンズを用いて照射光を平行光にしてもよいし、光源を標本からある程度離して照射光を実質的な平行光としてもよい。撮影部112は、光照射パターン毎に、設置部109に設置された標本を撮影し、イメージセンサによって得られた入射光の強さに対応する電気信号をデジタル信号に変換して、1枚のデジタル画像(即ち低解像度画像)を生成する。CIS方式により、合焦のためのレンズ等による像の拡大を利用しないので、撮像素子の画素サイズが拡大率、つまり画像分解能を決定する。このため、画像サイズが小さいほど分解能が向上し、ミクロ構造を詳細に撮影することができる。
図2及び図3は、CISを用いない方式(従来方式と称する)及びCIS方式をそれぞれ示す。
図2に示す従来方式では、薄切された病理検体の一部である病理切片202をスライドガラス203に載せ、スライドガラス203ごと染色液204に漬けて染色する。病理切片202に染色液が付着し、染色切片205が得られる。切片の保護と固定のために、封入剤206を載せ、カバーガラス207を取り付けることで、病理標本であるプレパラート201が完成する。
一方、図3に示すCIS方式では、病理切片202をスライドガラス203に載せ、スライドガラス203ごと染色液204に漬けて染色してなる染色切片205の保護と固定のために、封入剤206を載せ、カバーガラス207の代わりにイメージセンサ302を取り付けることで、病理標本と撮像素子とを含むプレパラート301が完成する。
図4は、プレパラート201の側面構造を説明する図である。スライドガラス203の上に染色切片205が設けられ、更にその上にカバーガラス207が設けられ、封入剤206によってそれらが固定される。プレパラート201を光学顕微鏡にセットして観察する場合、光源401をプレパラート201の下部に設置して光源401が照射光402を出射する。照射光402がスライドガラス203、染色切片205、封入剤206、カバーガラス207を透過して、顕微鏡の対物レンズ403へ入射する。
一方、図5は、CIS方式のプレパラート301の側面構造を説明する図である。CIS方式のプレパラート301は、カバーガラス207の代わりに、イメージセンサ302を有する。そのため、図5に示すように、光源401から発される照射光402は、スライドガラス203、染色切片205、封入剤206を通って、イメージセンサ302に到達する。イメージセンサ302は染色切片205の濃度に応じた信号を出力し、染色切片205の像が撮影される。
図6は、イメージセンサ302から標本に係る検体の染色切片205の像を示す信号を電気的に受け取るために、イメージセンサ302に、半導体集積回路のパッケージ601を接続した際の側面図である。イメージセンサ302とパッケージ601とは直接接続され、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)構成を用いて電気的に接続される。そしてパッケージ601において標本の撮影結果としての画像が得られる。撮影部112では、このイメージセンサ302及びパッケージ601により、スライドガラス203に病理検体の一部を載置してなる標本の撮影結果としての低解像度画像が、生成されることになる。
<画像処理装置100>
画像処理装置100は、図1に示すように画像取得部101、受付部102、判定部103、撮影指示部104、画像生成部105及び出力部106を有する。
画像取得部101は、撮影装置107による撮影結果として撮影部112により生成されたデジタル画像(即ち低解像度画像)を、撮影装置107から受信することで取得する。画像取得部101は、低解像度画像の取得に際して、撮影装置107で複数の相異なる光照射パターンのうちその低解像度画像の撮影において用いられた光照射パターンを識別する光照射パターン識別情報(例えば光照射パターンA、光照射パターンB等の識別情報)をその低解像度画像と一緒に撮影装置107から受信する。この光照射パターン識別情報は、標本を基準とする光の照射方向それぞれを識別する情報であり、言わば照射方向識別情報である。
受付部102は、表示用画像の拡大のための入力操作を受け付ける。例えばこの入力操作は、ディスプレイ20に表示された表示用画像を視認した病理医によりなされる。入力操作は、拡大率を特定するための操作等であり、例えば拡大率を示す拡大率情報の入力、拡大前後の表示領域のサイズを示す操作等である。拡大率情報は、拡大率に予め関連付けられたレベル値等であってもよい。入力操作は、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス等での操作であり、音声入力等であってもよい。なお、入力操作の主体は、病理医以外の者(例えば研修医、検査技師等)であってもよい。
判定部103は、受付部102が受け付けた入力操作に応じて、画像処理装置100が表示用画像を出力するために、低解像度画像よりも解像度の高い高解像度画像を必要とするか否かを判定する。例えば判定部103は、入力操作に応じて、表示用画像の拡大に係る拡大率を特定し、特定したその拡大率が予め定められた所定閾値(以下、「閾値TH」と称する。)以上である場合に高解像度画像を必要とすると判定する。また、その拡大率が閾値THより小さい場合に高解像度画像を必要としないと判定する。なお、拡大率が閾値THより大きい場合に高解像度画像を必要とすると判定し、拡大率が閾値THより小さい場合(或いは閾値TH以下の場合)に高解像度画像を必要としないと判定することとしてもよい。
撮影指示部104は、判定部103にて高解像度画像が必要と判定された場合において、高解像度画像を生成するために必要な、不足している低解像度画像の送信を撮影装置107へ要請する。即ち、撮影指示部104は、画像取得部101により既に取得された低解像度画像に対応する光照射パターンとは異なる1又は複数の光照射パターンの光の標本への照射により撮影することで、1枚又は複数枚の低解像度画像を生成して送信すべき旨の指示(即ち撮影指示)を、撮影装置107に送信する。この指示に応じて、撮影装置107は、撮影部112により撮影して画像を生成し画像処理装置100へと送信する。例えば、撮影指示部104は、画像取得部101が既に受信した光照射パターン識別情報に基づいて、新たな撮影に用いられるべき光照射パターンを特定するための情報を生成し、その情報を含めた指示を撮影装置107に送信する。新たな撮影に用いられるべき光照射パターンを特定するための情報の例としては、既に受信している光照射パターン(例えば光照射パターンA)を不要なものとして示す情報、或いは、既に受信している光照射パターン(例えば光照射パターンA)を除く別の光照射パターン(例えば必要枚数に応じて光照射パターンB〜I等)を示す情報が挙げられる。撮影指示部104が、指示を送信した場合において、撮影装置107から送信される低解像度画像を画像取得部101が取得する。
画像生成部105は、画像取得部101により、複数の相異なる光照射パターンの光の照射により撮影された複数枚の低解像度画像が既に取得されている場合にその複数枚の低解像度画像に基づいて高解像度画像を生成する。
出力部106は、画像取得部101により取得された1枚の低解像度画像に基づいて、その低解像度画像の等倍の表示用画像或いは受付部102により入力操作が受け付けられていれば入力操作に応じて特定された拡大率で拡大する拡大処理の結果としての表示用画像を出力する。拡大処理では、拡大率に応じて例えば画像の画素値を補間する演算処理を行う。また、出力部106は、画像生成部105により高解像度画像が生成された場合においてその高解像度画像に基づき、その高解像度画像を入力操作に応じて特定された拡大率で拡大する拡大処理の結果としての表示用画像を出力する。出力部106による表示用画像の出力は、ディスプレイ20への送信であり、表示用画像は、ディスプレイ20に受信されて表示されることになる。なお、画像処理装置100とディスプレイ20との間に1又は複数の通信装置で構成される有線又は無線の通信ネットワークが介在してもよい。
<画像処理システム10の動作(即ち画像処理方法)>
以下、上述した構成を備える画像処理システム10の動作例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、画像処理装置100は、拡大率100%で表示用画像を出力すべく撮影装置107に1枚の低解像度画像を撮影させ(ステップS101)、その撮影結果としての1枚の低解像度画像を、撮影装置107から受信して画像取得部101により取得する。ステップS101では、撮影指示部104が、例えば図8に示す撮影指示表1601を参照して、例えば拡大率100%に対応して分解能が1.0um(μm)である画像を取得するためには、黒丸1602が示す撮影位置に対応して定められている光照射パターンAを指定した指示により、撮影装置107の撮影部112にその光照射パターンAで識別される相対位置から光を照射して標本を撮影させる。なお、指示に依らずに撮影装置107では最初に光照射パターンAで撮影することとしてもよい。撮影指示表1601において複数の光源位置を模式的に示す丸のうち黒丸1602が撮影に用いられるべき位置を示し、黒丸1602で特定される光照射パターンAは、例えば、光源を撮像素子の真上に位置付けて撮影することを表す。なお、撮影装置107は最初に光照射パターンAで撮影することとしている場合には、撮影指示部104による指示を省略し得る。撮影指示表1601では、分解能1.0umの約1/3の値となる分解能0.3umの画像を取得するには、光源位置は真上を含む9箇所に順次設定する必要があることを示している。この分解能が0.3umの画像を取得する場合には、光照射パターンAに加えて更に8つの光照射パターンB〜Iそれぞれによる撮影が必要となる。なお、図8の撮影位置は相対的な位置関係が相違することを模式的に表しており、図示した位置は必ずしも正確ではない。撮影装置107において光源のみではなく、台座部分を動かして撮影位置を決定してもよい。ステップS101では、撮影装置107の照明位置調整部110及び設置位置調整部111が光源を台座の所定位置(例えば中央)に設置し、撮影部112が、1枚の低解像度画像を撮影により生成して、画像処理装置100の画像取得部101へと送出する。
画像処理装置100は、撮影装置107から取得した低解像度画像に基づいて出力部106により表示用画像を形成し、表示用画像をディスプレイ20に送信することで、ディスプレイ20に表示用画像としての低解像度画像を表示する(ステップS102)。これにより、病理医は、拡大率100%の低解像度画像により、病理検体を俯瞰的に観察できる。
次に、画像処理装置100は、受付部102より病理医等による、拡大率を特定し得る拡大率情報等の入力操作を受け付ける(ステップS103)。この入力操作により次に表示すべき表示用画像の拡大率が特定(即ち取得)される。
次に、画像処理装置100の判定部103は、ステップS103において取得された入力操作で特定される拡大率が閾値THより小さいか否かを判定する(ステップS104)。これにより画像処理装置100が表示用画像を出力するために、低解像度画像よりも解像度の高い高解像度画像を必要とするか否かが判定されることになる。ステップS104において拡大率が閾値TH未満であれば(YES)、ステップS105へと遷移し、閾値TH以上(NO)であればステップS106へと遷移する。なお、閾値THは、表示用画像を形成するために高解像度画像を必要とするか否かを判定するための値である。この閾値THは、1枚の低解像度画像を何倍程度の拡大まで表示に利用し得るかを表す。閾値THは、撮影指示表1601における分解能と対応して設定され得る。図8に例示する撮影指示表1601においては、低解像度画像及び高解像度画像の各分解能が記載されている。図8の例では、高解像度画像の分解能(0.3um)は低解像度画像の分解能(1.0um)の約1/3となるため、閾値THは例えば300%に設定され得る。図9は、低解像度画像の例を示す図である。また、図10Aは、図9に示した画像を約3倍に拡大した画像1603を示す。
画像処理装置100は、拡大率が閾値TH未満の場合にステップS105で、受付部102で取得された病理医等が所望する拡大率に基づいて、出力部106で1枚の低解像度画像の拡大処理を実施して表示用画像を形成して出力し、表示用画像をディスプレイ20に表示させる(ステップS110)。なお、拡大処理では、線形補間、スプライン(spline)補間等の手法を利用することができ、この拡大処理を実施しても、分解能は向上しない。ディスプレイ20に表示された画像は病理医に観察される。
一方、拡大率が閾値TH以上の場合にステップS106で、画像処理装置100は、撮影指示部104で撮影指示表1601に基づいて撮影装置107へ指示を送る。即ち、撮影指示部104は、撮影指示表1601を参照して、例えば拡大率300%以上に対応して分解能が0.3umである画像を取得するためには、図8で9箇所の黒丸が示す撮影位置を指定した指示により、撮影装置107の撮影部112にその各光照射パターンで識別される相対位置から光を照射して標本を撮影させる。なお、図8の9箇所の黒丸が示す撮影位置のうち、黒丸1602に対応する、光源を真上にした光照射パターンAで撮影した画像は既に取得済みであるため、実際には残りの8箇所に対応して定められている光照射パターンB〜Iを指定した指示により、撮影指示部104は、撮影装置107に撮影を行わせる。これに応じて撮影装置107では、照明位置調整部110及び設置位置調整部111は指定された光照射パターンに相当する各位置へと照明部108及び設置部109を移動させる。そして、撮影装置107は、撮影部112で標本の撮影を行うことにより、合計8枚の低解像度画像を生成して、これらの低解像度画像を画像処理装置100へと送出する(ステップS107)。これにより、画像処理装置100の画像取得部101では既に取得済みの1枚の低解像度画像に加えて8枚の低解像度画像を取得することになる。即ち、画像取得部101は、判定部103により高解像度画像を必要とすると判定された場合に、既に取得している低解像度画像とは異なる光照射パターンの光の照射による撮影結果としての8枚の低解像度画像を撮影装置107から取得する。
次に、画像処理装置100は、画像取得部101が新たに得た光照射パターンB〜Iに対応する8枚の低解像度画像と、事前に取得していた光照射パターンA(即ち光源を真上にするパターン)に対応する1枚の低解像度画像とを利用して、画像生成部105にて高解像度画像を生成する(ステップS108)。図10Bは、図9に示した画像に対応した分解能0.3umの高解像度画像1604(即ち9枚の低解像度画像に基づいて生成された高解像度画像)の例を示す。図10Bに示す画像1604からは、図9或いは図10Aに示す画像よりも詳細な形状等を視認することができる。ステップS108における高解像度画像の生成方法については後に詳しく説明する。
次に、ステップS109にて、病理医等が指定した拡大率に基づいて高解像度画像を出力部106が拡大処理し、ステップS110にてディスプレイ20に表示する。拡大率によっては拡大処理を省略し得る。即ち、出力部106は、画像生成部105により高解像度画像が生成された場合に、その高解像度画像をそのまま或いは拡大処理して表示用画像として出力する。
次に、画像処理装置100は、受付部102で取得された病理医等が所望する拡大率に基づいて、ステップS108で生成した高解像度画像に出力部106で拡大処理を実施する(ステップS109)。そして、出力部106は、拡大処理の結果として形成される表示用画像を出力し、表示用画像をディスプレイ20に表示させる(ステップS110)。ディスプレイ20に表示された画像は病理医に観察される。
ステップS110により病理診断のための画像表示は終了する。なお、ステップS110で表示された画像を観察した病理医により、再び拡大のための入力操作がなされた場合にこれをステップS103で受け付けるように、ステップS103〜S110の処理を繰り返し行うこととしてもよい。但し、画像処理装置100の画像取得部101が取得済みの低解像度画像については再度の撮影及び取得をしないこととし得る。また、一旦画像生成部105で高解像度画像が生成された後においては、入力操作で特定される拡大率が閾値TH未満であっても、1枚の低解像度画像に基づき拡大処理をして形成した表示用画像を表示する代わりに高解像度画像に基づき拡大処理をして形成した表示用画像を表示することとしてもよい。
<高解像度画像の生成方法>
以下、画像生成部105における高解像度画像の生成方法について図11A〜図17を用いて説明する。
画像生成部105が高解像度画像を生成するために用いる複数枚の低解像度画像は、撮影装置107において、複数の相異なる光照射パターンで(つまり照射光の照射方向を変えて)複数回の撮影を実行することにより撮影結果として生成されたものである。この複数枚の低解像度画像を合成して分解能を向上させた高解像度画像を生成する。この際、CIS方式は顕微鏡のように合焦用のレンズを利用しないので、光学系のぼけに基づくPSF(Point Spread Function)を求める必要がない。そのため、従来の光学系を利用した顕微鏡と比べて、レンズによる歪みの影響が少ない画像を取得できる。
図11Aは、撮影の被写体である染色切片205の一部を模式的に示す図である。図11Aに示す染色切片205は、上述したように病理切片202を染色したものであり、生物組織の薄片(典型的には数十um以下の厚さを有する薄片)である。染色切片205の画像の取得時、染色切片205は、イメージセンサ302の撮像面に近接して配置されている。イメージセンサ302の撮像面から染色切片205までの距離は、典型的には1mm以下であり、例えば1um程度に設定され得る。
図11Bは、イメージセンサ302のフォトダイオードのうち、図11Aに示されている領域の撮像に関わるフォトダイオードを抽出して模式的に示す図である。ここで説明する例では、イメージセンサ302に形成されたフォトダイオード4pのうち、6個のフォトダイオードが示されている。なお、参考のために、図11Bでは、互いに直交するx方向、y方向及びz方向を示す矢印が図示されている。z方向は、撮像面の法線方向を示している。図11Bでは、xy面内においてx軸からy軸に向かって45°回転した方向であるu方向を示す矢印も図示されている。他の図面においても、x方向、y方向、z方向又はu方向を示す矢印を図示することがある。
イメージセンサ302におけるフォトダイオード4p以外の構成要素は、遮光層によって覆われている。遮光層は例えば配線層等を覆う。染色切片205を透過した照射光のうち、フォトダイオード4pに入射した部分はフォトダイオード4pの光電変換の対象となり、画像信号として取得される。図11B中、ハッチングされた領域は、遮光層によって覆われている領域を示している。CCDイメージセンサの撮像面上における1つのフォトダイオードの受光面の面積(S2)は、そのフォトダイオードを含む単位領域の面積(S1)よりも小さい。画素の面積S1に対する受光面積S2の比率(S2/S1)は、「開口率」と呼ばれている。ここでは、開口率が25%であるとして説明を行う。
図12A及び図12Bは、染色切片205を透過してフォトダイオード4pに入射する照射光(即ち光線)の方向を矢線の向きで模式的に示す。図12A及び図12Bは、撮像面に対して垂直な方向から光線を入射させた状態を示している。図12A及び図12Bにおいて模式的に示すように、ここでは、染色切片205とイメージセンサ302との間に合焦(即ち結像)のためのレンズは配置されておらず、染色切片205の画像は、染色切片205を透過する実質的に平行な光線を用いて取得される。
図12Cは、図12A及び図12Bに示す照射方向のもとで取得される画像であるサブ画像Saを模式的に示す。図12Cに示すように、サブ画像Saは、6個のフォトダイオード4pによって取得される6個の画素Paから構成される。画素Paの各々は、個々のフォトダイオード4pに入射した光の量を示す値(即ち画素値)を持つ。画像を構成する各画素は、フォトダイオード4pが入射光を得た場合の光電変換により画素値を得る。
図12A及び図12Bに示すように、撮像面に垂直な方向から染色切片205に光を照射したときには、染色切片205の全体のうち、フォトダイオード4pの直上に位置する領域を透過した光がフォトダイオード4pに入射する。この例では、サブ画像Saは、染色切片205の全体のうち、領域A1、A2、A3、A4、A5及びA6(図11A参照)の情報を有している。なお、フォトダイオード4pの直上に位置しない領域を透過した光は、フォトダイオード4pには入射しない。従って、サブ画像Saでは、染色切片205の全体のうち、領域A1、A2、A3、A4、A5及びA6以外の領域の情報が欠落している。
図13A及び図13Bは、図12A及び図12Bに示す照射方向とは異なる照射方向から光線を入射させた状態を示している。図13A及び図13Bに示す光線は、z方向に対してx方向に傾斜している。このとき、染色切片205の全体のうち、フォトダイオード4pの直上に位置する領域とは異なる領域を透過した光がフォトダイオード4pに入射する。
図13Cは、図13A及び図13Bに示す照射方向のもとで取得される画像であるサブ画像Sbを模式的に示す。図13Cに示すように、サブ画像Sbも、6個のフォトダイオード4pによって取得される6個の画素から構成されている。ただし、サブ画像Sbを構成する画素Pbは、染色切片205の全体のうち、領域A1、A2、A3、A4、A5及びA6とは異なる領域B1、B2、B3、B4、B5及びB6(図11A参照)に関する画素値を持つ。言い換えれば、サブ画像Sbは、染色切片205の全体のうち、領域A1、A2、A3、A4、A5及びA6の情報は有しておらず、代わりに、領域B1、B2、B3、B4、B5及びB6の情報を有している。ここでは、例えば領域B1は、染色切片205において領域A1の右側に隣接する領域である(図11A参照)。
図12A及び図12Bと、図13A及び図13Bとを比較することによって理解されるように、照射方向を適切に変更することにより、染色切片205の異なる領域を透過した光線をフォトダイオード4pに入射させることができる。その結果、サブ画像Saとサブ画像Sbは、染色切片205において異なる位置に対応する画素情報を含むことができる。
図14A及び図14Bは、図12A及び図12Bに示す照射方向並びに図13A及び図13Bに示す照射方向とは異なる照射方向から光線を入射させた状態を示している。図14A及び図14Bに示す光線は、z方向に対してy方向に傾斜している。
図14Cは、図14A及び図14Bに示す照射方向のもとで取得される画像であるサブ画像Scを模式的に示す。図14Cに示すように、サブ画像Scは、6個のフォトダイオード4pによって取得される6個の画素Pcから構成されている。図示するように、サブ画像Scは、染色切片205の全体のうち、図11Aに示す領域C1、C2、C3、C4、C5及びC6の情報を有している。ここでは、例えば領域C1は、染色切片205において領域A1の上側に隣接する領域である(図11A参照)。
図15Aは、図12A及び図12Bに示す照射方向、図13A及び図13Bに示す照射方向並びに図14A及び図14Bに示す照射方向とは異なる照射方向から光線を入射させた状態を示している。図15Aに示す光線は、z方向に対して、xy面内においてx軸と45°の角をなす方向に傾斜している。
図15Bは、図15Aに示す照射方向のもとで取得される画像であるサブ画像Sdを模式的に示す。図15Bに示すように、サブ画像Sdは、6個のフォトダイオード4pによって取得される6個の画素Pdから構成されている。サブ画像Sdは、染色切片205の全体のうち、図11Aに示す領域D1、D2、D3、D4、D5及びD6の情報を有している。ここでは、例えば領域D1は、領域C1の右側に隣接する領域である(図11A参照)。このように、サブ画像Sa、Sb、Sc及びSdの各々は、染色切片205の異なる部分から構成される像を含んでいる。
図16は、4枚のサブ画像Sa、Sb、Sc及びSdから合成される高分解能な中間画像HR1を示している。図16に示すように、中間画像HR1の画素数又は画素密度は、4枚のサブ画像Sa、Sb、Sc及びSdの各々の画素数又は画素密度の4倍である。
例えば、染色切片205における、図11Aに示す領域A1、B1、C1及びD1のブロックに着目する。これまでの説明からわかるように、図16に示すサブ画像Saの画素Pa1は、上述のブロック全体ではなく、領域A1のみの情報を有している。従って、サブ画像Saは、領域B1、C1及びD1の情報が欠落した画像であるということができる。
しかしながら、染色切片205において異なる位置に対応する画素情報を有するサブ画像Sb、Sc及びSdを用いることにより、図16に示すように、サブ画像Saにおいて欠落した情報を補完し、ブロック全体の情報を有する中間画像HR1を形成することが可能である。個々のサブ画像の分解能がイメージセンサ302の固有分解能に等しいのに対し、この例では、イメージセンサ302の固有分解能より細かい分解能が得られている。
このように、染色切片205或いはイメージセンサ302を基準にして複数の異なる照射方向から、順次、平行光を照射して病理標本の染色切片205の撮像を行うことにより、被写体である染色切片205から「空間的」にサンプリングされる画素情報を増加させることができる。得られた複数のサブ画像を合成することにより、複数のサブ画像の各々よりも分解能の高い高解像度画像を形成することが可能である。図12A〜図15Bを参照して説明した照射方向それぞれが上述した各光照射パターンとして識別される。なお、照射光の照射方向は、図12A〜図15Bを参照して説明した照射方向に限定されない。
なお、上記の例において、図16に示すサブ画像Sa、Sb、Sc及びSdは、染色切片205における互いに異なる領域の画素情報を有しており、重なりを有していない。しかしながら、異なるサブ画像間において重なりを有していてもよい。また、上記の例では、染色切片205において隣接する2つの領域を通過した光線は、いずれも、同一のフォトダイオードに入射している。しかしながら、照射方向の設定はこの例に限定されない。例えば、染色切片205の隣接する2つの領域を通過した光線が、それぞれ、異なるフォトダイオードに入射するように照射方向が調整されていてもよい。
従って、図16に示した4枚のサブ画像Sa、Sb、Sc及びSdのように、撮影装置107で例えば光の照射方向が相異なる光照射パターンA〜Dにより撮影して生成された4枚の低解像度画像により、分解能の値が1/2になるような中間画像が得られることになる。
図17は、分解能の値が1/3になるような中間画像HR2の取得方法を示す。光照射パターンA〜Iにより(即ち9方向からの光の照射により)、それぞれ撮影された9枚の低解像度画像1502〜1510を合成することで、中間画像HR2が得られることになる。低解像度画像1502〜1510のそれぞれは画素内容を模式的に示したものであり、各単位矩形内の数値が同一のものはイメージセンサ302における同じフォトダイオードで取得された値を表している。低解像度画像1502は、真上からの照射光で標本(即ち染色切片205)を照射したときに得られる低解像度画像を表す。低解像度画像1503及び低解像度画像1504は、X軸方向のみに異なる距離だけ光源を移動させた際に取得した低解像度画像を表す。低解像度画像1505及び低解像度画像1506はY軸方向のみに異なる距離だけ光源を移動させた際に取得した低解像度画像を表す。低解像度画像1507は、光源をX軸方向に低解像度画像1503、Y軸方向に低解像度画像1505と同じ距離だけ移動させて撮影した低解像度画像を表す。低解像度画像1508は光源をX軸方向に低解像度画像1504、Y軸方向に低解像度画像1505と同じ距離だけ移動させて撮影した低解像度画像を表す。低解像度画像1509は、光源をX軸方向に低解像度画像1503、Y軸方向に低解像度画像1506と同じ距離だけ移動させて撮影した低解像度画像を表す。低解像度画像1510は光源をX軸方向に低解像度画像1504、Y軸方向に低解像度画像1505と同じ距離だけ移動させて撮影した低解像度画像を表す。
次に、高解像度画像の生成のために、上述の中間画像に対して行う、デコンボリューション演算による超解像処理(「デコンボリューション処理」とも称する。)について説明する。
デコンボリューション演算を用いたデコンボリューション処理とは、次の式1に示すような逆変換処理のことを指す。
但し、*は畳み込み演算を表し、「I^」(「I」の上に「^」、以下「I^」のように記述する。)が求めたい高解像度画像を表し、「I」が中間画像を表し、「D」がデコンボリューション演算に利用するPSF(Point Spread Function)に対応するフィルタを表す。本実施の形態においては、フィルタ「D」の値は次の式2に示すガウシアンフィルタを用いて設定する。但し、フィルタ「D」は式3に示すように任意の値に設定することも可能である。
但し、「σ」は分散を表すパラメータであり、「D(a,b)」はa行b列目のフィルタ値を示す。また、「D」は式3と同じくガウシアンフィルタを表し、「W」はイメージセンサ(撮像素子)302の開口率に基づいて決定され、「Δ」は実際の値と設定値とのずれを表す。例えば、開口率25%の撮像素子を利用して、分解能の値が1/3倍になるように分解能を向上させたいとき、「W」は次の式4に示すように設定すればよい。なお、「Δ」の各値は乱数、白色雑音等で設定する。
本実施の形態においては、式1の「I^」を求めるために、次の式5に示すようにウィーナフィルタを用いた周波数領域での演算を実施する。
但し、「H(.)」は周波数領域への変換を表し、「H(D)−1」は、次の式6に示すように求める。
但し、「Γ」はSN比を表すパラメータである。なお、本実施の形態では、デコンボリューション処理として、ウィーナフィルタを用いた周波数領域での演算を利用しているが、デコンボリューション処理はこれに限定されるものではなく、任意の処理方法を用いることができる。例えば、デコンボリューション処理として、次の式7に示す更新式の演算を利用してもよい。
但し、「Ia,b r+1」は、r回目の繰り返し演算の際の座標(a,b)の画素値を表し、「ρ」は更新時のパラメータを表す。また、「E」は次の式8に示す誤差関数を表しており、式7は式8を「Ia,b」で微分することで得られる。また、画像中のノイズを考慮して、式8にL2ノルムやL1ノルムを加えた式を微分して得られる更新式を利用することもできる。
以上説明したデコンボリューション処理により、画像生成部105は、中間画像から高解像度画像を算定(即ち生成)する。即ち、画像生成部105は、複数枚の低解像度画像に基づいて高解像度画像を生成する場合に、その複数枚の低解像度画像に基づいて、その低解像度画像より画素数が多い中間画像を生成し、その中間画像に対してデコンボリューション演算を用いた画像処理(即ちぼけの解消等のためのデコンボリューション処理)を施すことにより高解像度画像を生成する。
そして、図7に示したように、画像処理装置100は、判定部103により拡大率に基づいて表示用画像の生成のために高解像度画像が必要であると判定した場合に限って(ステップS104)、撮影装置107に複数枚の低解像度画像に係る撮影(生成)を要請して(ステップS106)、取得した複数枚の低解像度画像から画像生成部105により中間画像を生成し最終的には高解像度画像を生成する。このように、必要な場合に限って高解像度画像を生成するため、光照射パターンを変更して複数枚の低解像度画像を撮影するための時間が抑制できる。また、高解像度画像の生成に必要な複数枚の低解像度画像を撮影装置107から画像処理装置100へと送信(即ちデータ転送)する時間を必要限度に抑制できる。このため、画像処理システム10は、病理医による、検体の画像を用いた病理診断に要する時間を低減させ得る。なお、画像処理装置100において、表示するために生成した表示用画像をメモリ、ハードディスク装置等の記憶媒体(即ち記録媒体)に保存することとしてもよい。この場合には、画像処理装置100は、表示に必要な場合に限って高解像度画像を生成するため、表示用画像を保存するための記憶容量(即ちメモリ使用量等)を抑制することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態1で示した画像処理システム10を変形した形態について説明する。本実施の形態における画像処理システムは、実施の形態1で示した画像処理システム10を構成する画像処理装置100に、分解能の互いに異なる複数の高解像度画像を選択的に生成する機能を含ませたものである。実施の形態1では高解像度画像を生成するためには、9枚の低解像度画像の撮影を必要とした。本実施の形態の画像処理システムにおいて分解能の互いに異なる複数の高解像度画像のそれぞれを生成するためには、互いに異なる枚数の低解像度画像(即ち相互に異なる光照射パターンで撮影されて生成された画像)が必要となる。
本実施の形態に係る画像処理システムを構成する画像処理装置が、実施の形態1における画像処理装置と相違する点は、複数の閾値(ここでは閾値TH及び閾値TH2)を保持しており、受付部102により取得された入力操作に応じて特定された拡大率に応じて、それぞれ特定される枚数(即ち相互に異なり得る枚数)の低解像度画像を取得するように撮影装置107へと指示する機能を有する点である。なお、ここで説明しない点は実施の形態1と同じであり、実施の形態2に係る画像処理システムの各構成要素を実施の形態1で示した構成要素と同じ符号を用い、適宜説明を省略する。
図18は、本実施の形態に係る画像処理システムの動作例を示すフローチャートである。なお、図18のフローチャートは、ステップS1701が追加されている以外は実施の形態1に係る図7のフローチャートと同じである。従って、ステップS1701以外のステップについての説明は適宜省略する。
ステップS1701では、画像処理装置100は、判定部103により、ステップS103において受付部102により受け付けられた入力操作で特定される拡大率に応じて、高解像度画像の選択を行う。この選択は、表示用画像の生成に用いるべき高解像度画像を何枚の低解像度画像で生成される高解像度画像にするかの選択であり、例えば、どの光照射パターンでの撮影により生成された低解像度画像を必要とするかを特定することで行われる。この選択は、入力操作で特定された拡大率と、図19に例示する撮影指示表1801に基づいて実施される。例えば、病理医等による入力操作により特定された拡大率が250%であり、図19に例示するように撮影指示表1801に保持されている分解能が1.0umと0.5umと0.3umの3段階に区別されているとする。このとき、図19の例に対応して、閾値THは200%となる。入力操作により特定された拡大率が閾値TH以上であれば、判定部103によりステップS104でいずれかの高解像度画像が必要となると判定され、次にどの高解像度画像を選択するかを判定する必要がある。この判定のためには、閾値TH2を定めておく必要がある。図19の例に対応した閾値TH2は例えば300%となる。この閾値TH2は、分解能の値が0.3umの高解像度画像が必要か否かを判定する閾値となる。分解能0.3umの高解像度画像が必要ない場合には分解能0.5umの高解像度画像が選択されることになる。ここで想定した例においては、病理医等による入力操作により特定された拡大率が250%であり、閾値TH2(300%)未満であるため、分解能0.3umの高解像度画像は不要となり、分解能0.5umの高解像度画像が選択される。
ステップS1701に続いて、画像処理装置100は、撮影指示部104により、撮影指示表1801を参照して選択した高解像度画像に基づいて、撮影装置107へ指示を送る(ステップS106)。即ち、撮影指示部104は、撮影指示表1801を参照して、例えば拡大率200%以上300%未満に対応して分解能が0.5umである画像を取得するためには、図19で4箇所の黒丸が示す撮影位置を指定した指示により、撮影装置107の撮影部112にその各光照射パターンで識別される相対位置から光を照射して標本を撮影させる。なお、図19で分解能0.5umに対応する4箇所の黒丸が示す撮影位置のうち、黒丸1602に対応する、光源を真上にした光照射パターンAで撮影した画像は既に取得済みであるため、実際には残りの3箇所に対応して定められている光照射パターン(例えば光照射パターンB〜D)を指定した指示により、撮影指示部104は、撮影装置107に撮影を行わせる。これに応じて撮影装置107では、照明位置調整部110及び設置位置調整部111は指定された光照射パターンに相当する各位置へと照明部108及び設置部109を移動させる。そして、撮影装置107は、撮影部112で標本の撮影を行うことにより、合計3枚の低解像度画像を生成して、これらの低解像度画像を画像処理装置100へと送出する(ステップS107)。これにより、画像処理装置100の画像取得部101では既に取得済みの1枚の低解像度画像に加えて3枚の低解像度画像を取得することになる。そして次に、画像処理装置100は、画像取得部101が新たに得た光照射パターンB〜Dに対応する3枚の低解像度画像と、事前に取得していた光照射パターンA(即ち光源を真上にするパターン)に対応する1枚の低解像度画像とを利用して、画像生成部105にて高解像度画像を生成する(ステップS108)。なお、ステップS103において受付部102により受け付けられた入力操作で特定された拡大率が300%以上であれば、画像生成部105により、実施の形態1でのステップS108と同様に合計9枚の低解像度画像に基づいて高解像度画像が生成される。
このように本実施の形態に係る画像処理装置100は、複数の相互に異なる分解能の高解像度画像を生成し得る。
なお、本実施の形態では、高解像度画像だけでなく、デコンボリューション処理を行う前の中間画像を、表示用画像の形成に利用するように変形することも可能である。この変形例では、出力部106が、画像生成部105により中間画像が生成された場合に、一定条件下でその中間画像を表示用画像として出力する。このとき、例えば判定部103でデコンボリューション処理を実施するか否かを判定する。図20及び図21は、画像と閾値との関係を示す図である。また、図22A〜図22Dは、それぞれ低解像度画像2101、分解能0.5umの高解像度画像2102、中間画像2103、分解能0.3umの高解像度画像2104を示す。図20は、上述した分解能が互いに異なる複数の高解像度画像を生成し得る場合の例を示し、図21は、中間画像を利用する場合の例を示す。図21では、閾値TH3を新たに追加する。これにより、この画像処理システムは、病理医等による入力操作で特定された拡大率が閾値TH未満の場合に低解像度画像2101に基づく表示用画像を表示し、その拡大率が閾値TH以上閾値TH3未満の場合に分解能0.5umの高解像度画像2102に基づく表示用画像を表示する。また、拡大率が閾値TH3以上閾値TH2未満の場合に分解能0.3umの高解像度画像の生成過程で生成する中間画像2103(実際の分解能は約0.4um)に基づく表示用画像を表示し、拡大率が閾値TH2以上の場合に分解能0.3umの高解像度画像2104に基づく表示用画像を表示する。この構成によると、中間画像を利用することで、より詳細な画像の表示が可能となる。また、図22A〜図22Dにより、画像の分解能が向上するにつれて、各画像の差が小さくなっていくことが視認できる。これは、各画像の分解能の値の差に対応する。なお、分解能0.3umの高解像度画像とその中間画像との差は各画像を大きく拡大しなければ、ほとんど視認できない。そのため、中間画像2103を利用することで、デコンボリューション処理の時間を短縮しつつ、詳細な画像を迅速に表示することが可能となる。なお、画像処理システムが表示可能な高解像度画像の分解能のバリエーションを更に増加させて、これに対応して閾値を更に増加させてもよい。
(ハードウェア構成)
上述の実施の形態1、2における画像処理システムの構成要素である画像処理装置100(図1参照)は、例えばコンピュータにより構成される。
図23は、画像処理装置100を実現するためのコンピュータの構成図である。即ち、画像処理装置100は、コンピュータ2201と、操作者がコンピュータ2201に指示を与えるためのキーボード2202及びマウス2203と、コンピュータ2201で実行されるプログラムを読み取るためのCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)装置2205とを含む。図23には、コンピュータ2201の演算結果等の情報を提示するためのディスプレイ20も付記しているが、上述した画像処理装置100とは別装置であるディスプレイ20を、画像処理システムの一形態においては画像処理装置100が包含してもよい。
コンピュータ2201は、CPU(Central Processing Unit)2208と、ROM(Read Only Memory)2209と、RAM(Random Access Memory)2210と、ハードディスク2211と、通信モデム2206とバス2212とを含む。
CPU2208は、CD−ROM装置2205又は通信モデム2206を介して読み取られたプログラムを実行する。ROM2209は、コンピュータ2201の動作に必要なプログラムやデータを記憶する。RAM2210は、プログラム実行時のパラメータ等のデータを記憶する。
ハードディスク2211は、プログラム、データ等を記憶する。ハードディスク2211は、表示用画像を保存するために用いられ得る。またハードディスク2211は、撮影指示表1601、1801等を保持するために用いられ得る。
通信モデム2206は、コンピュータネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行う通信インタフェースである。バス2212は、CPU2208、ROM2209、RAM2210、ハードディスク2211、通信モデム2206、ディスプレイ2204、キーボード2202、マウス2203及びCD−ROM装置2205を相互に接続する。図23に示したコンピュータ2201の構成は一例に過ぎない。例えば、コンピュータ2201に接続されているキーボード2202、マウス2203及びCD−ROM装置2205は、ディスプレイがタッチパネルになっている場合、通信モデムを利用する場合等においては、取り外してもよい。
例えばキーボード2202又はマウス2203等によって、病理医等は、拡大のための入力操作(例えば拡大率情報の入力等)を行う。
画像処理装置100としてのコンピュータが実行するプログラムの全部又は一部は、予めROM2209に記憶されていてもよいし、例えばコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であるCD−ROM2207に記憶され、CD−ROM装置2205で読み取られてRAM2210に格納されてもよい。また、通信ネットワークを通じて通信モデム2206で読み取られてRAM2210に格納されてもよい。プログラムは、図7、図18のフローチャートが示す処理(即ち動作)のうち画像処理装置100の動作をCPU2208に実行させるための処理(即ち所定画像処理)を定めたコンピュータプログラム(即ち命令列等)である。つまり、CPU2208は、プログラムを実行することにより、画像取得部101、受付部102、判定部103、撮影指示部104、画像生成部105及び出力部106として機能し得る。なお、各構成要素にそれぞれ対応するCPUが設けられてもよい。一例としては、画像取得部101及び撮影指示部104のそれぞれは、通信モデム等の撮影装置107と通信するための通信回路、メモリ、プログラムを実行するCPU等により実現される。受付部102は、キーボード2202、マウス2203等の入力装置との接続用のインタフェース回路、メモリ、プログラムを実行するCPU等により実現される。判定部103及び画像生成部105のそれぞれは、メモリ、プログラムを実行するCPU等により実現される。出力部106は、ディスプレイ20へ信号を送信する出力インタフェース、メモリ、プログラムを実行するCPU等により実現される。なお、画像処理装置100がディスプレイ20を包含する場合には出力部106はディスプレイ20を含んで実現され、表示用画像を表示することにより、表示用画像の出力を行い得る。
(他の実施の形態等)
以上のように、本開示に係る技術の例示として実施の形態1、2に係る画像処理システム、画像処理装置等を説明した。しかしながら、本開示に係る技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。例えば、以下のような変形例も本発明の一実施態様に含まれる。
例えば、ディスプレイ20は、図23に示すようなCRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の画面を有する装置に限らず、表示用画像を受信して表示する表示装置であれば、プロジェクタその他の表示装置であってもよい。なお、画像処理システム10は、ディスプレイ20を含まないこととし、外部のディスプレイ20に表示用画像を出力することとしてもよい。
また、上述の実施の形態では、画像処理装置100が光照射パターンの指定により撮影装置107に撮影の指示を行う例を示したが、画像処理装置100が必要な低解像度画像を撮影装置107に撮影させて取得するためのインタフェースはいかなるものであってもよい。例えば、画像処理装置100が、判定部103により高解像度画像が必要と判定された場合において、拡大率に応じて特定した枚数の低解像度画像を生成して送信すべき旨の指示を撮影指示部104により撮影装置107に送信することとし、撮影装置107がその指定された枚数の画像それぞれを相異なる方向からの光の照射により撮影して生成した低解像度画像を画像処理装置100へと送出することとしてもよい。この場合において、撮影装置107は、既に送出済みの低解像度画像を重複して画像処理装置100に送出してもよいが、送出済みの低解像度画像に係る情報を保持しておくことにより、同じ低解像度画像を重複して送出しないこととしてもよい。なお、画像処理装置100が高解像度画像を生成するために利用する低解像度画像の枚数は、実施の形態1、2で例示した枚数に限られることはない。また、画像取得部101は、判定部103により高解像度画像が必要と判定された場合(つまり撮影指示部104が指示を送信した場合)において、既に取得している低解像度画像とは異なる光照射パターンの光の照射による撮影結果である1枚又は複数枚の低解像度画像を撮影装置107から取得してもよいし、更に既に取得している低解像度画像を重複的に取得してもよい。即ち、画像取得部101は、判定部103により高解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している低解像度画像とは異なる光照射パターンの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の低解像度画像を撮影装置107から取得し得る。
また、上述の実施の形態では、判定部103により高解像度画像が必要と判定された場合に撮影装置107に指示を出す撮影指示部104を画像処理装置100が含む例を示したが、撮影指示部104を省略することも可能である。例えば、撮影装置107は、光照射パターンA〜Iのそれぞれの照射方向での照射光で順次撮影して順次低解像度画像を生成して、ハードディスク装置等の記録媒体に逐次生成した低解像度画像を保存することとしてもよい。そして、撮影装置107が1枚の低解像度画像を生成した時点で画像処理装置100はその1枚の低解像度画像を取得(即ち低解像度画像が保存された記録媒体にアクセスして取得)して表示用画像を形成して出力する。次に、病理医等による入力操作に応じて高解像度画像が必要であると判定した場合には、画像処理装置100は、撮影装置107が逐次記録媒体に保存した、未だ取得していない低解像度画像にアクセスして取得する。なお、撮影装置107により複数枚の低解像度画像が生成されると想定される時間だけ待ってから画像処理装置100が低解像度画像を取得してもよい。これにより、撮影指示部104を省略しても画像処理装置100の画像取得部101は、複数枚の低解像度画像を取得可能となる。
また、上述の実施の形態では、判定部103が、病理医等による拡大のための入力操作で特定される拡大率と閾値THとを比較することにより、表示用画像の出力のために高解像度画像を必要とするか否かの判断を行う例を示した。判定部103は、病理医等により入力操作で得られた情報に基づいて高解像度画像を必要とするか否かを判定すれば足り、拡大率と閾値THとの比較を必須とするものではない。例えば、拡大率を特定する情報に係る入力操作ではなく、高解像度の詳細画像の観察を所望する旨の入力操作を受け付けるユーザインタフェースを有するように受付部102を構成する。そして、病理医等による入力操作が、高解像度の詳細画像の観察を所望する旨を示す操作であった場合に、判定部103は、高解像度画像を必要とすると判定してもよい。
また、上述した画像処理システムの動作は、必ずしも、上述の動作手順(例えば図7及び図18に例示した動作手順等)の通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたりその一部を省略したりすることができる。また、上述した画像処理装置の動作手順の全部又は一部は、電子回路等のハードウェアだけにより実現されても、ソフトウェア(即ちプログラム)を用いて実現されてもよい。
また本発明の一態様としては、上述した画像処理方法であるとしてもよい。この画像処理方法は、例えば、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射してその標本をCIS方式で撮影することで低解像度画像を生成する撮影装置107から、1枚の低解像度画像を取得し、取得した1枚の低解像度画像に基づく表示用画像を表示し、表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、入力操作に応じて、表示用画像の表示のために、低解像度画像よりも解像度の高い高解像度画像を必要とするか否かを判定し、高解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した低解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の低解像度画像を撮影装置107から取得し、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の低解像度画像が既に取得された場合に、その複数枚の低解像度画像に基づいて高解像度画像を生成し、生成した高解像度画像に基づく表示用画像を表示する方法である。また、この方法の全部又は一部をコンピュータにより実現するためのコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明の一態様としては、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。また、本発明の一態様としては、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム若しくは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
また、図24に示すように画像処理装置100を、複数のコンピュータ(即ちコンピュータA2302及びコンピュータB2303)とデータサーバ2301とを利用して実現してもよい。即ち、データサーバ2301上に表示用画像として生成した画像データ或いは撮影指示表1601、1801等のデータを置き、ネットワーク等を経由してそのデータにコンピュータA2302がアクセスするようにしてもよい。また、コンピュータA2302上には上述の画像処理装置100の一部の構成要素(例えば画像取得部101、画像生成部105、出力部106等)を実装し、コンピュータB2303上には他の構成要素(例えば受付部102、判定部103、撮影指示部104等)を実装するというように、画像処理装置100の各ブロックを複数の装置(例えばコンピュータ等)に分割して実装してもよい。また、データサーバ2301のデータにアクセス(例えば読み出し、更新等)するコンピュータA2302は1台に限られず複数台であってもよい。同様に、コンピュータB2303が複数台であってもよい。また、コンピュータB2203はディスプレイのみであってもよい。
また、上記実施の形態及び上記変形例で示した各構成要素及び機能或いはこれらと均等な要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
また、本開示における実施の形態は全ての点で例示であり、制限的なものではない。
本発明に係る画像処理装置等は、検体の画像を用いた病理診断のための画像処理システムに利用し得る。
10 画像処理システム
20 ディスプレイ(表示装置)
100 画像処理装置
101 画像取得部
102 受付部
103 判定部
104 撮影指示部
105 画像生成部
106 出力部
107 撮影装置
108 照明部
109 設置部
110 照明位置調整部
111 設置位置調整部
112 撮影部

Claims (12)

  1. 撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、ここで、前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで前記第1解像度画像を生成し、
    前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、
    前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、
    前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、
    前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、
    前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、
    前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する
    画像処理装置。
  2. 前記画像処理装置は、更に、
    前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合において、前記画像取得部により既に取得された第1解像度画像の撮影に用いられた、前記標本を基準とする光の照射方向とは異なる1又は複数の照射方向からの光の前記標本への照射により撮影することで、1枚又は複数枚の第1解像度画像を生成して送信すべき旨の指示を、前記撮影装置に送信する撮影指示部を備え、
    前記画像取得部は、前記撮影指示部が前記指示を送信した場合において、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する
    請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記判定部は、前記入力操作に応じて、前記表示用画像の拡大に係る拡大率を特定し、特定した当該拡大率が所定閾値より大きい場合に第2解像度画像を必要とすると判定し、当該拡大率が所定閾値より小さい場合に第2解像度画像を必要としないと判定する
    請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記撮影指示部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合において、前記拡大率に応じて特定した枚数の第1解像度画像を生成して送信すべき旨の指示を、前記撮影装置に送信する
    請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記画像生成部は、前記複数枚の第1解像度画像に基づいて前記第2解像度画像を生成する場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて当該第1解像度画像より画素数が多い中間画像を生成し、当該中間画像に対してデコンボリューション演算を用いた画像処理を施すことにより前記第2解像度画像を生成し、
    前記出力部は、前記画像生成部により前記デコンボリューション演算を用いて前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像を前記表示用画像として出力する
    請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記出力部は、前記画像生成部により前記中間画像が生成された場合に、一定条件下で当該中間画像を前記表示用画像として出力する
    請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記画像取得部は、前記第1解像度画像の前記取得を、前記複数の異なる照射方向のうち当該第1解像度画像に係る撮影において用いられた光の照射方向を識別する照射方向識別情報と当該第1解像度画像とを前記撮影装置から受信することにより行い、
    前記撮影指示部は、前記画像取得部が既に受信した前記照射方向識別情報に基づいて、新たな撮影に用いられるべき光の照射方向を特定するための情報を生成し、当該情報を含めた前記指示を前記撮影装置に送信する
    請求項2記載の画像処理装置。
  8. 前記出力部による前記表示用画像の前記出力は、外部の表示装置への当該表示用画像の送信である
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 撮影装置と画像処理装置とを備える画像処理システムであって、
    前記撮影装置は、標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成し、
    前記画像処理装置は、
    前記撮影装置による撮影結果として生成された1枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得する画像取得部と、
    前記画像取得部により取得された1枚の第1解像度画像に基づき表示用画像を出力する出力部と、
    前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付ける受付部と、
    前記入力操作に応じて、前記表示用画像の出力のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定する判定部と、
    前記画像取得部により、複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得されている場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成する画像生成部とを備え、
    前記画像取得部は、前記判定部により第2解像度画像が必要と判定された場合に、既に取得している前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、
    前記出力部は、前記画像生成部により前記第2解像度画像が生成された場合に、当該第2解像度画像に基づき表示用画像を出力する
    画像処理システム。
  10. 前記画像処理システムは、更に表示装置を備え、
    前記出力部は、前記表示用画像の前記出力を、当該表示用画像を前記表示装置に送信することで行い、
    前記表示装置は、前記表示用画像を受信して表示する
    請求項9記載の画像処理システム。
  11. 標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、
    取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、
    前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、
    前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、
    第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、
    複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、
    生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する
    画像処理方法。
  12. コンピュータに所定画像処理を実行させるためのプログラムであって、
    前記所定画像処理は、
    標本を基準とする複数の異なる照射方向のうち少なくとも1つの照射方向より光を照射して前記標本をコンタクトイメージセンシング方式で撮影することで第1解像度画像を生成する撮影装置から1枚の第1解像度画像を取得し、
    取得した1枚の前記第1解像度画像に基づく表示用画像を表示し、
    前記表示用画像の拡大に係る入力操作を受け付け、
    前記入力操作に応じて、前記表示用画像の表示のために、前記第1解像度画像よりも解像度の高い第2解像度画像を必要とするか否かを判定し、
    第2解像度画像が必要と判定した場合に、既に取得した前記第1解像度画像とは異なる照射方向からの光の照射による撮影結果を含む1枚又は複数枚の第1解像度画像を前記撮影装置から取得し、
    複数の異なる照射方向からの光の照射により撮影された複数枚の第1解像度画像が既に取得された場合に、当該複数枚の第1解像度画像に基づいて第2解像度画像を生成し、
    生成した前記第2解像度画像に基づく表示用画像を表示する、処理を含む
    プログラム。
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