JP2017044857A - 光学装置および投射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高効率な照明光源の提供を可能とする。【解決手段】実施形態に係る光学装置は、照射された光を反射する反射基板と、反射基板を回転軸を中心に回転させる駆動部とを備える。また、反射基板を回転軸を中心とした円周方向に、第1の領域および第2の領域に分割する。反射基板を分割した第1の領域および第2の領域のうち第1の領域に、照射された光に励起されて、照射された光とは異なる色の光を発光する蛍光体を設ける。【選択図】図5

Description

本発明は、光学装置および投射装置に関する。
光源としてレーザ光源を用いた投射装置において、青色のレーザ光を射出する青色レーザ光源と、青色のレーザ光により励起され黄色光を発光する黄色蛍光体とを光源とする投射装置が開発されている。このような投射装置では、青色レーザ光源から射出される青色光と、黄色蛍光体により発光される黄色光とを混色して白色光源として用いる(例えば特許文献1)。
特開2012−003923号公報
ところで、青色レーザ光は、黄色蛍光体に照射された全光束が黄色蛍光体で励起されるわけではなく、黄色蛍光体に照射された光束のうち一部は、黄色蛍光体の励起に用いられずに、漏れ光として放出される。この青色の漏れ光を、黄色光に混色する青色の光源として用いる場合、従来技術では、青色の効率を向上させることが難しいという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より高効率な照明光源を提供可能とすることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、照射された光を反射する反射基板と、反射基板を回転軸を中心に回転させる駆動部と、反射基板を回転軸を中心とした円周方向に分割した第1の領域および第2の領域のうち、第1の領域に設けられる蛍光体とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、より高効率な照明光源を提供可能となるという効果を奏する。
図1は、実施形態に適用可能な投射装置の一例の構成を示す図である。 図2は、実施形態に適用可能なダイクロイックミラーの特性の例を説明するための図である。 図3は、既存技術による蛍光体ホイールの一例の構成を示す図である。 図4は、既存技術による蛍光体ホイールに青色のレーザ光を照射した場合の蛍光体面での各光線の拡散の様子を模式的に示す模式図である。 図5は、実施形態に係る蛍光体ホイールの一例の構成を示す図である。 図6は、実施形態に係る光学装置における光路を説明するための図である。 図7は、実施形態に係る蛍光体ホイールの構成をより具体的に示す図である。
以下に添付図面を参照して、光学装置および投射装置の好適な実施形態を詳細に説明する。係る実施形態に示す具体的な数値および外観構成などは、本発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本発明に直接関係のない要素は詳細な説明および図示を省略している。
本発明の実施形態に係る光学装置では、光源として青色レーザ光を用い、青色レーザ光を、青色光の波長帯域の光により励起されて黄色光を発光する蛍光体をミラー状の表面に同心円上に形成した、蛍光体ホイールに照射する。ここで、当該蛍光体ホイールは、蛍光体が、蛍光体ホイールを円周方向に分割した第1の領域および第2の領域のうち第1の領域に形成される。このように構成された蛍光体ホイールによれば、青色レーザ光が第1の領域に照射されることで、黄色光と、蛍光体の励起に用いられなかった青色光とが蛍光体ホイールから射出される。また、青色レーザ光が第2の領域に照射されることで、青色レーザ光が反射されて射出される。そのため、実施形態に係る光学装置を用いることで、青色光の射出効率を向上させることができる。
図1は、実施形態に適用可能な投射装置の一例の構成を示す。図1において、投射装置1は、実施形態に係る光学装置2と、照明光学系5と、投射光学部129とを含む。さらに、投射装置1は、画像処理回路200と、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)各色の光変調素子119、125および128と、画像処理回路200の出力に応じて各光変調素子119、125および128をそれぞれ駆動する駆動回路201、202および203とを含む。
光学装置2は、蛍光体ホイール150と、ダイクロイックミラー103と、複数のレンズとを含む。なお、図1では、光源100が光学装置2に含まれるように示しているが、これはこの例に限定されず、光源100が光学装置2の外部の構成としてもよい。光源100は、青色レーザ光を射出する光源である。光源100は、例えば、複数のレーザ素子を集合させたものであり、例えばレーザダイオードアレイである。蛍光体ホイール150は、青色のレーザ光により励起されて黄色光を発光する蛍光体による蛍光体面151と、1/4波長板152とが設けられ、モータ(M)153により図示しない回転軸を中心に回転される。
光学装置2は、光源100から射出される青色レーザ光と、蛍光体ホイール150と、ダイクロイックミラー103とを用いて、青色光(適宜、B光と呼ぶ)と、黄色光(適宜、Y光と呼ぶ)とを生成し、射出する。光学装置2から射出されたB光およびY光は、ミラー111に入射される。光学装置2の詳細については、後述する。
光学装置2から射出されたB光およびY光は、ミラー111で反射され方向を変更される。ミラー111から射出されたY光およびB光は、フライアイレンズ112および113と、レンズ114とを介して、B光とY光とを分離する光分離器115に入射される。光分離器115で分離されたB光は、光分離器115から射出されてミラー116に入射される。また、光分離器115で分離されたY光は、光分離器115から射出されてミラー121に入射される。
ミラー116に入射されたB光は、レンズ117を介して反射型偏光板118に入射される。反射型偏光板118を透過したB光は、光変調素子119に入射される。光変調素子119は、駆動回路201により、画像処理回路200から出力されたB色の画像信号に従い駆動され、入射された光を画素毎に変調および反射して射出する。光変調素子119でB色の画像信号に応じて画素毎に変調されたB光は、反射型偏光板118で反射されて方向を変更されて射出され、光合成プリズム120に第1の面から入射される。
光分離器115で分離されミラー121に入射されたY光は、ミラー121で反射され方向を変更されてミラー121から射出される。ミラー121から射出されたY光は、色成分分離器122に入射され、Y光から緑色光成分と赤色光成分とが分離される。例えば、色成分分離器122は、緑色光の波長帯域の光を反射し、赤色光の波長帯域の光を透過させるダイクロイックミラーを用いて構成される。
色成分分離器122でY光から分離されたG光は、レンズ123を介して反射型偏光板124に入射される。G光は、反射型偏光板124を透過して光変調素子125に入射される。光変調素子125は、駆動回路202により、画像処理回路200から出力されたG色の画像信号に従い駆動され、入射されたG光を画素毎に変調および反射して射出する。光変調素子125から射出されたG光は、反射型偏光板124で反射されて光合成プリズム120に第2の面から入射される。
色成分分離器122でY光から分離されたR光は、レンズ126を介して反射型偏光板127に入射される。R光は、反射型偏光板127を透過して光変調素子128に入射される。光変調素子128は、駆動回路203により、画像処理回路200から出力されたR色の画像信号に従い駆動され、入射されたR光を画素毎に変調および反射して射出する。光変調素子128の第4の面から射出されたR光は、反射型偏光板127で反射されて光合成プリズム120に第3の面から入射される。
光合成プリズム120は、それぞれ第1の面、第2の面および第3の面から入射されたB光、G光およびR光を合成して、ひとまとまりの光束として第4の面から射出する。光合成プリズム120から射出されたR光、G光およびB光を含む光束は、投射光学部129を介して外部に射出される。
次に、実施形態に係る光学装置2について、より詳細に説明する。光学装置2において、光源100は、S偏光の青色レーザ光(B1光とする)を射出する。光源100から射出されたB1光は、集光レンズ101およびコリメータレンズ102を介してダイクロイックミラー103に入射される。ダイクロイックミラー103は、B光の波長帯域の光のうちP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射させ、さらに、B光の波長帯域よりも長波長の帯域の光(例えば赤色光や緑色光)を透過させる特性を備える。
図2を用いて、実施形態に適用可能なダイクロイックミラー103の特性の例について説明する。図2(a)は、青色レーザ光および蛍光(黄色光)の、波長λに対するエネルギ分布の例を示す。図2(a)において、横軸は、波長λを示し、右方向に向けて長波長となる。また、縦軸は、エネルギを示す。青色レーザ光は、特性線300に例示されるように、エネルギが波長λBに集中している。一方、黄色光の蛍光は、特性線301に例示されるように、エネルギが、波長λBより長波長側に広がりを持った波長帯域で分布する。
図2(b)は、実施形態に適用可能なダイクロイックミラー103の特性の例を示す。図2(b)において、横軸は、図2(a)の横軸の一部を拡大したものであり、右方向に向けて長波長となる。縦軸は、透過率Tを示し、上方向に向けて透過率が高く、反射率が低くなり、透過率Tが最高で反射率が最低(例えば略0)、透過率Tが最低で反射率が最高(例えば略全反射)となる。青色レーザ光は、波長λBを中心として所定の幅を持った波長帯域を有する。
ダイクロイックミラーは、S偏光の光とP偏光の光とで特性が異なることが知られている。図2(b)の例では、ダイクロイックミラー103は、S偏光の青色レーザ光に対しては、特性線Tsで例示されるように、透過率Tが最低、反射率が最高の特性を有する。また、P偏光の青色レーザ光に対しては、特性線Tpで例示されるように、透過率Tが最高、反射率が最低となる。また、黄色光の蛍光は、波長帯域の短波長側の波長が波長λBよりも長く、全波長帯域で透過率Tが最高、反射率が最低となる。このように、ダイクロイックミラー103は、特定の条件の光を選択的に透過または反射させる光選択部として機能する。
光源100から射出されダイクロイックミラー103に入射されたS偏光のB光は、ダイクロイックミラー103で反射され、集光レンズ104および105を介して、モータ(M)153により回転駆動される蛍光体ホイール150に入射される。
図3は、既存技術による蛍光体ホイール150’の一例の構成を示す。蛍光体ホイール150’は、ミラー状の表面に、同心円状に蛍光体面151が形成され、回転軸154を中心として回転される。蛍光体面151は、B光の波長帯域の光により励起されて、黄色光(適宜、Y光と呼ぶ)を発光する蛍光体が塗布されてなる。なお、加色法において黄色は緑色と赤色とを混合して得られるので、蛍光体面151で発光される黄色光は、赤色成分と緑色成分とを含む。
図4は、既存技術による蛍光体ホイール150’に青色のレーザ光(B1光とする)を照射した場合の、蛍光体面151での各光線の拡散の様子を模式的に示す。蛍光体面151は、B1光が照射されると、B1光により蛍光体が励起されてY光を発光する。また、蛍光体面151に照射されたB1光のうち一部は、蛍光体の励起に寄与せずに、蛍光体面151を透過して蛍光体ホイール150’のミラー面に到達し、ミラー面で反射される。ミラー面で反射されたB1光の一部は、蛍光体面151を再び通過する際に蛍光体を励起してY光を発光させ、残りのB1光は、蛍光体の励起に寄与せずにB2光として蛍光体面151から射出される。
この、蛍光体面151から射出されるY光およびB2光は、図4に例示されるように、蛍光体面151における蛍光体層で拡散されて、蛍光体面151から出射される。また、蛍光体面151から射出されるB2光は、蛍光体層における拡散により、入射したB1光に対して偏光の向きが乱れることになる。そのため、このB2光を青色の光源光として高効率に利用することは、難しい。
一例として、蛍光体面151に入射されるB1光に対して略平行に蛍光体面151から射出されるB2光を考える。このB2光は、ダイクロイックミラー103に入射される。このとき、このB2光は、偏光の向きが制御されていないため、ダイクロイックミラー103に入射されたB2光の一部はダイクロイックミラー103で反射されて光源100の方向に戻り、残りがダイクロイックミラー103を透過する。光源100の方向に戻ったB2光は、照明光学系5におけるB光に含まれず、無駄になる。
図5は、実施形態に係る蛍光体ホイール150の一例の構成を示す。なお、図5において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、蛍光体ホイール150は、例えば図5(a)に片矢印で示されるように、回転軸154を中心に左回り(反時計回り)で回転されるものとする。
図5(a)において、蛍光体ホイール150は、回転軸154を中心とした円周方向に領域A(第1の領域)および領域B(第2の領域)に分割され、領域Aに蛍光体面151が形成され、領域Bに1/4波長板152が設けられて構成される。また、蛍光体ホイール150は、領域Aおよび領域Bを円周方向に交互に繰り返して分割され、蛍光体面151および1/4波長板152は、共通の同心円上に形成される。
ここで、ダイクロイックミラー103で反射されたB1光は、蛍光体ホイール150の特定の位置を入射位置として、蛍光体ホイール150に入射される。各1/4波長板152は、蛍光体ホイール150が回転されて当該入射位置に到達した際に、光学軸が入射光の偏光面に対して所定の方位角(例えば45°)になるように、それぞれ設けられる。
図5(b)は、蛍光体ホイール150の円周方向に沿った断面の例を示す。このように、蛍光体面151および1/4波長板152は、それぞれ蛍光体ホイール150の表面に密着して設けられる。したがって、蛍光体面151に入射したB1光は、蛍光体を励起し、また、入射時に蛍光体の励起に寄与しなかったB1光は、蛍光体ホイール150のミラー面で反射されて再び蛍光体面151に入射される。また、1/4波長板152に入射したB1光は、1/4波長板152を通過して蛍光体ホイール150のミラー面で反射されて再び1/4波長板152に入射される。すなわち、1/4波長板152に入射したB1光は、1/4波長板152を2度通過して、1/4波長板152から射出される。
図6を用いて、実施形態に係る光学装置2における光路について説明する。なお、図6において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、上述したように、1/4波長板152は、蛍光体ホイール150の表面に密着して設けられるが、図6(a)では、説明のため、1/4波長板152と蛍光体ホイール150とを離して示してある。
図6(b)は、図6(a)で用いる記号の凡例を示している。すなわち、「●(黒丸)」は、S偏光の直線偏光を示し、上下矢印は、P偏光の直線偏光を示し、弧状矢印は、円偏光を示し、「●」に上下矢印を添えた記号はランダム偏光を示す。
図6(a)において、光源100から射出されたS偏光のB1光は、光路1000に従い集光レンズ101およびコリメータレンズ102を介してダイクロイックミラー103に入射される。ダイクロイックミラー103は、図2(b)に示した特性に従い、入射されたB1光を反射する。B1光は、ダイクロイックミラー103で反射されて光路を変更され、集光レンズ104および105を介して蛍光体ホイール150に入射される。
ここで、B1光の蛍光体ホイール150における入射位置に1/4波長板152が到来している場合、当該B1光は、1/4波長板152に入射される。
1/4波長板152は、入射位置において光学軸が入射光の偏光面に対して方位角が45°になるように配置した場合に、通過する光の円偏光と直線偏光とを互いに変換する変換部として機能する。同様にして、直線偏光の光が1/4波長板152を2回通過することで、直線偏光の偏光方向をP偏光およびS偏光の間で変換することができる。
上述したように、1/4波長板152は、蛍光体ホイール150の入射位置において光学軸が入射光の偏光面に対して方位角が45°になるように設けられる。そのため、図6(a)の例では、ダイクロイックミラー103から1/4波長板152に入射したB1光は、1/4波長板152により偏光を円偏光に変換されて蛍光体ホイール150の表面に到達する。そして、偏光が円偏光とされたB1光は、蛍光体ホイール150の表面で円偏光を保って反射されて、再び1/4波長板152に入射される。これにより、このB1光は、1/4波長板152を2回通過することになり、偏光を円偏光からP偏光に変換されて、1/4波長板152からB1’光として射出される。
1/4波長板152から射出された、P偏光のB1’光は、集光レンズ105および104を介してダイクロイックミラー103に入射される。ダイクロイックミラー103は、図2(b)に示した特性に従い、入射されたB1’光を透過させる。B1’光は、光路1004に従いダイクロイックミラー103から射出され、図1のレンズ106に入射される。
なお、B1光の蛍光体ホイール150における入射位置に蛍光体面151が到来している場合、当該B1光は、蛍光体面151に入射され、蛍光体を励起し、Y光を発光させる。このY光は、蛍光体面151から射出されてダイクロイックミラー103に入射される。Y光は、ダイクロイックミラー103を透過して、図1のレンズ106に入射される。また、Y光は、蛍光体面151で拡散されて射出される。そのため、ダイクロイックミラー103外を通過するY光の一部も、レンズ106に入射される。
さらに、蛍光体面151に入射されたB1光のうち、蛍光体の励起に寄与しなかったB1光は、蛍光体面151において拡散され偏光を乱されて、漏れ光であるB2光として蛍光体面151から射出される。蛍光体面151から射出されたB2光は、一部がダイクロイックミラー103を透過し、別の一部がダイクロイックミラー103外を通過して、レンズ106に入射される。したがって、ダイクロイックミラー103のサイズを、光源100からのB1光の光束を反射できる程度に小さくすることで、光に利用効率を向上させることができる。
レンズ106に入射されたY光、B1’光およびB2光は、Y光およびB光としてミラー111に入射される(図1参照)。
次に、実施形態に係る蛍光体ホイール150の構成の、より具体的な例について、図7を用いて説明する。実施形態では、蛍光体ホイール150に対して、Y光を発光する蛍光体面151と、B1光を偏向を切り換えて射出する1/4波長板152とが設けられる。1/4波長板152から射出されたB1光は、漏れ光であるB2光と共に光変調素子119に照射される。また、蛍光体面151で発光されたY光は、色成分分離器122(図1参照)でG光およびR光に分離されて、光変調素子125および128に照射される。
そのため、R、G、B各色の光を、適切な光量バランスで各光変調素子128、125および119に照射させるためには、蛍光体面151および1/4波長板152の大きさの比率を、適切に設定する必要がある。この場合、蛍光体面151および1/4波長板152の大きさは、B1光の入射位置を回転軸154に対する半径とした円周方向の長さとなる。
蛍光体面151および1/4波長板152の大きさの比率は、蛍光体面151を構成する蛍光体の特性や、ダイクロイックミラー103の特性、光学装置2における各光学部品の配置などにより異なる。そのため、この比率は、例えば実験的に求められる。一例として、図7(a)および図7(b)に例示されるように、蛍光体面151および1/4波長板152の大きさの比率を、略8:2とすることが考えられる。この場合、B1光の入射位置を回転軸154に対する半径とした全円周の80%を蛍光体面151が、残り20%を1/4波長板152が、それぞれ占めることになる。なお、図7(a)および図7(b)では、説明のため、1/4波長板152を強調して示している。
ところで、実施形態に係る蛍光体ホイール150の構成によれば、蛍光体面151と1/4波長板152とが交互に繰り返して配置されるため、光学装置2は、B光とY光(R光+G光)とを交互に射出する(交互に点滅する)ことになる。この場合、投射画像において、所謂カラーブレイクが発生するおそれがある。
すなわち、実施形態に係る投射装置1のように、R、G、B各色の光変調素子128、125および119を用い、且つ、光変調素子125および128と、光変調素子119に対して、RおよびG各色の光と、B色の光とが順次に照射される場合、画像データ起因または観察者起因で画面が激しく動くと、観察者においてR色およびG色と、B色との残像がうまく重ならずにずれて視認されるカラーブレイクという現象が発生する。
カラーブレイクが視認されるのを抑制する方法の一つとして、R、G、B各色の光の切り替えをより高速にする方法がある。実施形態の光学装置2の構成においては、蛍光体ホイール150の回転速度をより高速にする。
図7(a)を用いて、カラーブレイクの視認を抑制可能な蛍光体ホイール150の回転速度について説明する。図7(a)に示されるように、互いに隣接する蛍光体面151と1/4波長板152との組の、回転軸154を中心とした円周に占める角度θをθ=45°とする。蛍光体ホイール150の回転速度をR(rpm:rotation per minute)とした場合、B光とY光とが点滅する周波数f(Hz)は、次式(1)で表される。
f=(R/60)×(360/θ) …(1)
一般に、カラーブレイクは、R、G、B各色の点滅の周波数が180Hz以上であると視認されにくくなる。したがって、式(1)に基づき、角度θおよび回転速度Rが次式(2)を満たすようにすると好ましい。
f=(R/60)×(360/θ)≧180 …(2)
図7(a)の例では、角度θ=45°であるので、蛍光体ホイール150の回転速度Rを1350rpm以上とすると、カラーブレイクが視認されるのを抑制できる。
次に、図7(b)を用いて、各1/4波長板152の配置について説明する。上述したように、各1/4波長板152は、蛍光体ホイール150が回転されてB1光の入射位置に到来した際に、光学軸が入射光の偏光面に対して所定の方位角になるように、それぞれ配置される。図7(b)において、蛍光体ホイール150における水平方向の直径の左端の1/4波長板152に対応する位置が、B1光の入射位置であるものとする。また、入射されるB1光の偏光面は、この入射位置において垂直方向であるものとする。
この場合、当該1/4波長板152の光学軸1601の、入射されるB1光の偏光面に対する方位角を45°とする。これは、図7(b)に示されるように、光学軸1601の半径方向に対する方位角を45°に設定することと同義である。このように光学軸1601の角度を設定することで、当該1/4波長板152に入射されたS偏光のB1光が、蛍光体ホイール150の表面で反射されることで当該1/4波長板152を2回通過し、P偏光のB1’光に変換される。
蛍光体ホイール150に設けられる他の各1/4波長板152についても同様に、各光学軸1602〜1608の半径方向に対する方位角を45°に設定する。このように、実施形態では、各1/4波長板152の光学軸1601〜1608それぞれの半径方向に対する方位角を45°に設定する。これにより、蛍光体ホイール150の回転によりB1光の入射位置に到来した各1/4波長板152における光学軸の、入射したB1光の偏光面に対する方位角が45°に制御される。
以上説明したように、実施形態に係る光学装置2は、表面がミラー状の、回転する蛍光体ホイール150を円周方向に第1の領域および第2の領域に分割し、第1の領域に蛍光体面151を設け、第2の領域に1/4波長板152を設けている。そのため、蛍光体ホイール150に青色レーザ光を照射させた場合に、蛍光体ホイール150から青色光と黄色光とが交互に射出され、青色光の効率を向上させることができる。
なお、本実施形態の領域A(第1の領域)においては、蛍光体面151のみが形成された例を示したが、領域Aにおいて、蛍光体面151と蛍光体ホイール150のミラー面との間に領域Bに配置された1/4波長板152と同様の1/4波長板が配置されてもよい。この構成により、領域Aの蛍光体面151で励起に用いられずに領域Aを出射した青色光に対しても領域Bと同様の効果の得られる光路となり、青色光をさらに有効に利用することができる。
1 投射装置
2 光学装置
5 照明光学系
100 光源
103 ダイクロイックミラー
150,150’ 蛍光体ホイール
151 蛍光体面
152 1/4波長板
154 回転軸
1601〜1608 光学軸

Claims (5)

  1. 照射された光を反射する反射基板と、
    前記反射基板を回転軸を中心に回転させる駆動部と、
    前記反射基板を前記回転軸を中心とした円周方向に分割した第1の領域および第2の領域のうち、該第1の領域に設けられる蛍光体と
    を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  2. 前記第1の領域と前記第2の領域とが前記反射基板の円周方向に交互に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 第1の波長帯域の第1の偏光方向の光を反射させ、該第1の波長帯域の該第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向の光と、該第1の波長帯域より波長の長い第2の波長帯域の光とを透過させる光選択部と、
    前記第2の領域に設けられる、直線偏光と円偏光とを相互に変換する変換部と
    をさらに備え、
    前記光選択部は、
    光源からの前記第1の偏光方向の光を反射させて前記反射基板に照射させるように配置される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記変換部は、
    前記第2の領域に、前記光源からの光が照射される位置において前記円偏光を前記第2の偏光方向に変換する角度で設けられる
    ことを特徴とする
    請求項3に記載の光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の光学装置と、
    前記反射基板で反射されて前記光学装置から射出された光を画像信号に従い変調する光変調素子と、
    前記光変調素子で変調された光を射出する投射光学部と
    を有する
    ことを特徴とする投射装置。
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