JP2017042382A - 弾球遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】遊技店がベース値を抑えるために行う必要以上の釘調整を防止すると共に、仮にこのような釘調整が行われたとしても遊技者が不利とはならない弾球遊技機を提供する。【解決手段】確定表示を行った普通図柄が当りであれば、普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタの値で除算することで普通入賞口の入球率を算出し、算出した入球率に応じて普通電動役物の開放態様を選択する。この場合、普通入賞口の入球率が小さいほど普通電動役物への入球が容易となる開放態様を選択する。【選択図】図８

Description

本発明は、入賞口となる可変入賞装置への遊技球の入球に起因して大当り遊技を実施する弾球遊技機に関する。

一般的な弾球遊技機では、遊技領域に複数の遊技釘が植設され、遊技領域を流下する遊技球が該遊技釘に接触することにより様々な方向に振り分けられ、その結果として遊技領域に配置された入賞口や通過口に入球するか否かが最も基本的な面白味といえる。遊技者が賞球を獲得できる入賞口には、入賞に起因して大当り遊技が生起する所謂始動口や、所定の入賞口又はゲートへの入球に起因して作動する可変入賞装置や、大当り時に作動する大入賞口、常時入球率の変化しない賞球が得られるだけの普通入賞口などがある。なお、可変入賞装置は、始動口となる場合が多い。

このような弾球遊技機が多数設置されている遊技店では、遊技釘を調整することで入賞口への入賞数の増減を調節し、遊技店の利益管理を行っている。また、入球に応じて遊技球が獲得できるだけの（入球が他の役物を作動させるための起因とはならない）普通入賞口に対しては、入球が極めて困難となるような釘調整を行い、通常遊技状態における賞球数（所謂、ベース値）を極力抑えた営業を行う遊技店が多い。このような状況において、一時的に保留装置に保留した遊技球を、普通入賞口に誘導することで、ベース値を調整する発明がある＜特許文献１＞

特開２０１５−８８１０号公報

しかしながら、特許文献１の構成を採用したとしても、遊技店が保留装置へ入球し難い釘調整を行えば、発明の効果を発揮することはない。また、必要以上に釘調整が行われ、ベース値が低く抑えられてしまうと、遊技者の投資速度（消費速度）もそれに比例して上昇し、遊技者に大きな負担を与えてしまう。

そこで本発明は、上記した問題に鑑み、遊技店がベース値を抑えるために行う必要以上の釘調整を防止すると共に、仮にこのような釘調整が行われたとしても遊技者が不利とはならない弾球遊技機の提供を目的とする。

請求項１記載の弾球遊技機は、
遊技領域に可変入賞装置からなる特図始動口と、常時入球率が変化しない普通入賞口とを備え、前記特図始動口への遊技球の入球に起因して大当り遊技を行う弾球遊技機であって、
前記遊技領域へ発射された遊技球を検出する発射球検出手段と、
前記発射球検出手段が検出した遊技球の数を計数する計数手段と、
該計数手段の計数値と前記普通入賞口への入球数とに基づいて前記普通入賞口の入球率を演算する普通演算手段と、
該普通演算手段の演算結果に基づいて、前記可変入賞装置への遊技球の入賞頻度を変化させる第１入賞頻度調整手段と、を備えた
ことを特徴とする弾球遊技機である。

特図始動口、及び普通入賞口には、それぞれに遊技球の入球を検出する手段（例えば、特図始動口入球検出手段、普通入賞口入球検出手段）を設けた構成となり、普通演算手段は、普通入賞口の入球数を計数手段の計数値、即ち遊技領域まで発射された遊技球数で除算することにより普通入賞口の入球率を演算する構成が好適である。但し、これに限らず、遊技領域から排出された遊技球数を計数し普通入賞口の入球数を除算してもよいし、他の入賞口（例えば、始動口）との入球数の差から普通入賞口への入球率を判別してもよい。大当り遊技は、遊技領域に設けた大入賞口を作動させることにより実施する構成が好適であるが、これに限らず、大入賞口以外の役物の作動により通常時よりも多くの遊技球が獲得可能であればよい。

第１入球頻度調整手段は、普通入賞口の入球率が低ければ、即ち、釘調整によって普通入賞口への入球が困難な状態であると想定できる場合は、可変入賞装置への遊技球の入球頻度を上げるように変化させる構成が好適である。

請求項２記載の弾球遊技機は、
請求項１記載の弾球遊技機において、
前記第１入賞頻度調整手段は、
前記可変入賞装置の開放態様を複数の開放態様の中から選択する開放態様選択手段を備え、
該開放態様選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて、前記可変入賞装置の開放態様を選択する
ことを特徴とする弾球遊技機である。

第１入賞頻度調整手段が備える開放態様選択手段は、所定条件の成立に基づいて可変入賞装置が開放する際に、普通演算手段の演算結果に基づいて開放態様を選択する構成が好適であり、この場合の可変入賞装置を開放させる所定条件は、遊技領域に普電作動口を備え、該普電作動口への遊技球の入球を条件としてもよいし、遊技領域に普図始動口を備え、該普図始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値に基づく抽選に当選したことを条件としてもよいし、遊技球の発射に起因して成立する他の条件（例えば、遊技球の遊技領域への進入、又は排出を契機に実施する抽選、所定数の遊技球の遊技領域への進入、又は排出）としてもよい。

請求項３記載の弾球遊技機は、
請求項１記載の弾球遊技機において、
前記遊技領域に普図始動口を備え、
前記第１入賞頻度調整手段は、
前記普図始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値に基づいて、前記可変入賞装置を開放するか否か抽選する普図抽選手段と、
該普図抽選手段が当選となる普図当選確率を複数の確率の中から選択する普図当選確率選択手段と、を備え、
該普図当選確率選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記普図当選確率を選択する
ことを特徴とする弾球遊技機である。

請求項４記載の弾球遊技機は、
請求項１記載の弾球遊技機において、
前記第１入賞頻度調整手段は、
前記計数手段が所定個数の遊技球を計数する毎に前記可変入賞装置を開放するか否か抽選する発射球抽選開放手段と、
該発射球抽選開放手段が当選となる発射球当選確率を複数の確率の中から選択する発射球当選確率選択手段と、を備え、
該発射球当選確率選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記発射球当選確率を選択する
ことを特徴とする弾球遊技機である。

請求項５記載の弾球遊技機は、
請求項１記載の弾球遊技機において、
前記第１入賞頻度調整手段は、
前記計数手段が所定数の遊技球を検出する毎に前記可変入賞装置を開放する発射球計数開放手段と、
前記所定数を複数の所定数の中から選択する所定数選択手段と、を備え、
該所定数選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記所定数を選択する
ことを特徴とする弾球遊技機である。

請求項６記載の弾球遊技機は、
請求項１から請求項５記載のいずれかの弾球遊技機において、
前記遊技領域に常時入球率が変化しない第１特図始動口と、前記可変入賞装置からなる第２特図始動口とを配置し、
前記計数手段の計数値と前記第１特図始動口への入球数、又は／及び前記第２特図始動口への入球数とに基づいて始動口の入球率を演算する始動演算手段と、
前記第１特図始動口、又は／及び前記第２特図始動口の入球率が所定値に達していない場合、前記普通演算手段の演算結果に拘わらず、前記始動演算手段の演算結果に基づいて前記可変入賞装置への遊技球の入賞頻度を変化させる第２入賞頻度調整手段と、を備えた
ことを特徴とする弾球遊技機である。

請求項１に記載の弾球遊技機によれば、遊技店が通常遊技状態の出玉率（ベース値）を抑えるために普通入賞口への入球を困難にする釘調整を行った場合、普通演算手段の演算結果となる普通入賞口の入球率は通常よりも小さな値となるが、この小さな値に応じて第１入賞頻度調節手段が始動口となる可変入賞装置への入賞頻度を大きくすることで始動口への入球率が高まり大当りが生起する機会が増加し、結果的に全体の出玉率が大きくなる確率が高くなる。従って、必要以上に普通入賞口への入球を抑える釘調整を行うことができず普通入賞口の入球を極端に阻害する釘調整を防止することができる。また、たとえ該釘調整が行われたとしても始動数が増加するため、結果的に遊技者に有利な弾球遊技機とすることができる。

請求項２に記載の弾球遊技機によれば、普通入賞口への入球を抑える釘調整が行われた場合、開放態様選択手段によって可変入賞装置の開放態様を遊技球が容易に入球可能となる開放態様に変化させ、大当りが生起する機会を増加させることで、必要以上に普通入賞口への入球を抑える釘調整を防止すると共に、該釘調整が行われても結果的に遊技者に有利な弾球遊技機とすることができる。

請求項３に記載の弾球遊技機によれば、普通入賞口への入球を抑える釘調整が行われた場合、普図抽選手段によって可変入賞装置が開放する普図当選確率を高く変化させて可変入賞装置が開放する機会を増やし、大当りが生起する機会を増加させることで必要以上に普通入賞口への入球を抑える釘調整を防止すると共に、たとえ該釘調整が行われても遊技者に有利な弾球遊技機とすることができる。

請求項４に記載の弾球遊技機によれば、普通入賞口への入球を抑える釘調整が行われた場合、発射球抽選開放手段によって可変入賞装置が開放する発射球当選確率を高く変化させて可変入賞装置が開放する機会を増やし、大当りが生起する機会を増加させることで必要以上に普通入賞口への入球を抑える釘調整を防止すると共に、たとえ該釘調整が行われても遊技者に有利な弾球遊技機とすることができる。

請求項５に記載の弾球遊技機によれば、普通入賞口への入球を抑える釘調整が行われた場合、発射球計数開放手段によって可変入賞装置の開放する頻度が高くなるように変化させて可変入賞装置に遊技球が入球する機会を増やし、大当りが生起する機会を増加させることで必要以上に普通入賞口への入球を抑える釘調整を防止すると共に、たとえ該釘調整が行われても遊技者に有利な弾球遊技機とすることができる。

請求項６に記載の弾球遊技機によれば、請求項１から請求項５のいずれかと同様の効果を奏しながら、始動口の入球率も可変入賞装置の入賞頻度に影響するようになるため、たとえ、普通入賞口の入球率が通常であっても始動口の入球が困難な釘調整（例えば、始動口近辺まで到達する遊技球が少なくなるように調整）が行われていた場合は、普通入賞口の入球率に拘わらず可変入賞装置に遊技球が入球する機会が増え、大当りが生起する機会を増加させることで、必要以上に始動口への入球を抑える釘調整を防止すると共に、たとえ該釘調整が行われても遊技者に不利な弾球遊技機とはならない。

実施例１における遊技盤１の正面図。 実施例１における遊技機の電気的構成を示すブロック図。 主制御装置８０が実行するメインルーチンの概要を示すフローチャート。 実施例１において主制御装置８０が実行する発射球計数処理１を示すフローチャート。 主制御装置８０が実行する普通入賞口計数処理を示すフローチャート。 実施例１において主制御装置８０が実行する始動入賞処理１を示すフローチャート。 実施例１において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理１を示すフローチャート１。 実施例１において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理１を示すフローチャート２。 実施例１において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理１を示すフローチャート３。 実施例１における普通入賞口の入球率と普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターンとの関係を示す図表。 主制御装置８０が実行する普電作動処理を示すフローチャート。 主制御装置８０が実行する特図当否判定処理を示すフローチャート１。 主制御装置８０が実行する特図当否判定処理を示すフローチャート２。 主制御装置８０が実行する特図当否判定処理を示すフローチャート３。 主制御装置８０が実行する特図当否判定処理を示すフローチャート４。 演出図柄表示装置６上で表示する演出表示例。 実施例２において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理２を示すフローチャート１。 実施例２における普通入賞口の入球率と普図当選確率との関係を示す図表。 実施例３における遊技盤１の正面図。 実施例３における遊技機の電気的構成を示すブロック図。 実施例３において主制御装置８０が実行する発射球抽選処理を示すフローチャート。 実施例３において主制御装置８０が実行する始動入賞処理２を示すフローチャート。 実施例３における普通入賞口の入球率と発射球当選確率との関係を示す図表。 実施例４において主制御装置８０が実行する発射球計数開放処理１を示すフローチャート。 実施例４における普通入賞口の入球率と開放値（普通電動役物の開放を行う発射球数）との関係を示す図表。 実施例５において主制御装置８０が実行する始動入賞処理３を示すフローチャート。 実施例５において主制御装置８０が実行する発射球計数開放処理２を示すフローチャート。 実施例５における（第２）始動口１２の入球率と普通電動役物（（第２）始動口１２）の開放パターンとの関係を示す図表。

以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。

図１は、実施例１におけるパチンコ機の遊技盤１の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術を用いたものであるため図示及び説明は省略する。図１に示すように遊技盤１には、公知のガイドレール２ａ、２ｂによって囲まれた略円形の遊技領域３が設けられている。この遊技領域３には多数の遊技釘４が植設されている。また、発射された遊技球がガイドレール２ｂの先端から飛び出し遊技領域３に到達する箇所に発射球検出スイッチ１００が配置され、発射後に遊技領域３に到達した全ての遊技球を検出可能としている。

遊技領域３のほぼ中央部には、センターケース５が配されている。センターケース５は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置６の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース５の下には、第１始動口１１と第２始動口１２とが配置され、センターケース５の左方には、普通図柄作動ゲート１７（本発明の普図始動口に相当）が配置されている。第２始動口１２は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物からなり（本発明の可変入賞装置からなる特図始動口に相当）、この翼片が開放しないと遊技球は第２始動口１２へは入球不可な構成となっている。

遊技領域３の右下部には、複数個のＬＥＤからなる普通図柄表示装置７と、普通図柄保留数表示装置８と、第１特別図柄保留数表示装置１８と、第２特別図柄保留数表示装置１９と、７セグメント表示装置からなる第１特別図柄表示装置９、第２特別図柄表示装置１０とが配置されている。

第２始動口１２の下方にはアタッカー式の大入賞口１４が配置されている。また、第１始動口１１の左方には、普通入賞口３１，３２，３３，３４が設けられている。なお、この普通入賞口３１から３４は、入球率が変化しない普通入賞口である（本発明の普通入賞口に相当）。第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が１個入球した場合の賞球数は３個、大入賞口１４に遊技球が１個入球した場合の賞球数は１４個、普通入賞口３１，３２，３３，３４のそれぞれに遊技球が１個入球した場合の賞球数は１０個となっている。

上記のように遊技盤１を構成することによって、普通図柄作動ゲート１７に遊技球が入球（普通図柄作動スイッチ１７ａ（図２参照）が遊技球を検出）すると、普通図柄表示装置で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド１２ｂ（図２参照）を駆動させる。普通電役ソレノイド１２ｂが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放して、第２始動口１２への入球（第２始動口スイッチ１２ａ（図２参照）の検出）が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物の羽根部材が駆動する開放時間は、電源投入時から発射球検出スイッチ１００が遊技球を３０００個検出するまでは、通常時は０．２秒（１回）、時短状態（開放延長状態）では１．８秒（２回）とするが、それ以降は、普通入賞口３１から３４の入球率（普通入賞口３１から３４へのトータル入球数を総発射球数で除算した値）に応じて普通電動役物の開放時間が変化する構成となり、詳しくは、図を用いて後述する。

第１始動口１１に遊技球が入球（第１始動口スイッチ１１ａ（図２参照）が遊技球を検出）すると、第１特図表示装置において第１特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第２始動口１２である普通電動役物に遊技球が入球（第２特図始動スイッチ１２ａ（図２参照）が遊技球を検出）すると、第２特図表示装置において第２特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。

第１特別図柄表示装置９の第１特別図柄、及び第２特別図柄表示装置１０の第２特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置６において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第１特別図柄と第２特別図柄は、第１始動口と第２始動口への入球順に関係なく、第２特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第１特別図柄の保留記憶がある場合、第２特別図柄の変動が停止し且つ第２特別図柄保留記憶が無い状態となって、第１特別図柄保留記憶分の変動を開始する。

第１特別図柄及び第２特別図柄の確定表示した態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド１４ｂ（図２参照）が駆動する。大入賞口ソレノイド１４ｂが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口１４の扉部材が開放し、大入賞口１４への遊技球の入球（カウントスイッチ１４ａ（図２参照）が遊技球を検出）が可能となる大当り遊技状態（本発明の大当り遊技に相当）に移行するように構成されている。

尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口１４を閉鎖した遊技と大入賞口１４を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口１４を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態（以下、通常状態）と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態（大当りとなる確率が高く、大当りし易い）となる高確率状態(以下、確率変動状態とも記載)とが存在する。

特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。

通常状態に移行後は、規定回数（例えば、１００回）だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間（変動開始から結果が表示されるまでの時間）が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。

具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物の作動回数も増大する。また、普通電動役物の開放時間が長くなるように設定されている（開放延長機能）ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。

尚、確率変動状態では、時短状態と同様に特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて特別図柄の大当り確率が高くなる（大当りし易い状態）ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。

図２は、実施例１におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置８０を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置８０、払出制御装置８１、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３のいずれもＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置８４にはＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置８４にＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を設けてもよい。

主制御装置８０には、第１始動口１１に入球した遊技球を検出する第１始動口スイッチ１１ａ、第２始動口１２に入球した遊技球を検出する第２始動口スイッチ１２ａ、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート１７に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ１７ａ、大入賞口１４に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ１４ａ、普通入賞口３１から３４に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ３１ａ、発射後に遊技領域３に進入した遊技球を検出する発射球検出スイッチ１００ａ等の検出信号が入力される。なお、発射球検出スイッチ１００ａは、主制御装置８０と双方向通信可能に接続された払出制御装置８１に接続する構成としてもよい。

主制御装置８０は搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置８１及びサブ統合制御装置８３に出力する。また主制御装置８０は、図柄表示装置中継端子板９０を介して接続されている第１特別図柄表示装置９（図では第１特図表示装置）、第２特別図柄表示装置１０（図では第２特図表示装置）及び普通図柄表示装置７の表示、第１特別図柄保留数表示装置１８（図では第１特図保留数表示装置）、第２特別図柄保留数表示装置１９（図では第２特図保留数表示装置）、普通図柄保留数表示装置８（図では普図保留数表示装置）を制御する。

更に、主制御装置８０は、大入賞口ソレノイド１４ｂを制御することで大入賞口１４の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド（図では普電役物ソレノイドと表記）１７ｂを制御することで第２始動口１２となる普通電動役物の開閉動作を制御する。主制御装置８０からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り（特別遊技ともいう）等の管理用の信号が外部接続端子７８に出力されてホールコンピュータ８７に送られる。

主制御装置８０と払出制御装置８１とは双方向通信が行われ、払出制御装置８１は、主制御装置８０から送られてくるコマンドに応じて払出モータ２０を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ２１の検出信号は払出制御装置８１に入力され、払出制御装置８１で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置８０と払出制御装置８１に払出スイッチ２１の検出信号が入力され、主制御装置８０と払出制御装置８１の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。

なお、払出制御装置８１はガラス枠開放スイッチ３５、内枠開放スイッチ３６、満杯スイッチ２２、球切れスイッチ２３からの信号が入力され、満杯スイッチ２２により下皿６３が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ２３により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ２０を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ２２、球切れスイッチ２３も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置８１は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ２０の駆動を再開させる。

また、払出制御装置８１はＣＲユニット端子板２４を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ２０を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ２１に検出され、検出信号は払出制御装置８１に入力される。なお、ＣＲユニット端子板２４は精算表示基板２５とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板２５には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。

また、払出制御装置８１は、外部接続端子７８を介して賞球に関する情報、枠（内枠、前枠）の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置８４に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例のパチンコ遊技機は、賞球となる遊技球を機外に排出するタイプとするが、機内に所定数の遊技球を封入し、該遊技球を機内で循環して遊技を進行する封入式の遊技機としても何ら差し支えない。

発射制御装置８４は発射モータ３０を制御して、遊技領域３に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置８４には払出制御装置８１以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ２８からのタッチ信号、発射停止スイッチ２９から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ２９を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置８４に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。

サブ統合制御装置８３の入力端には、遊技者により操作可能な遊技ボタンスイッチ６７が接続されている。また、サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置８２に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位（音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部）に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種ＬＥＤ、ランプ２６を制御する。

演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から受信したデータ及びコマンド（共に主制御装置８０から送信されてきたものとサブ統合制御装置８３が主制御装置８０からの入力及び演出ボタン６７の操作に応じた信号入力に基づいて生成したものとがある）に基づく制御を行い、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置６の画面６ａに表示させる。尚、サブ統合制御装置８３と主制御装置８０とは間に演出中継端子板６５を介した主制御装置８０からサブ統合制御装置８３への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とはサブ統合制御装置８３から演出図柄制御装置８２への一方向通信回路として構成されている。従って、サブ統合制御装置８３，演出図柄制御装置８２による演出制御が、主制御装置８０が行う当否判定の結果に影響を与えることはない。

次に、図３を用いて、主制御装置８０が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約２ｍｓ毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、Ｓ１０〜Ｓ７５までの１回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるＳ８０の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。

マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される（Ｓ１０）。この判断処理は、メモリとしてのＲＡＭの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはＲＡＭの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。

Ｓ１０が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると（Ｓ１０：ｎｏ）、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等）が為され（Ｓ１５）、残余処理（Ｓ８０）に移行する。

正常割り込みとの肯定判断がなされると（Ｓ１０：ｙｅｓ）、初期値乱数更新処理（Ｓ２０）、大当り決定用乱数更新処理（Ｓ２５）、大当り図柄決定用乱数１更新処理（Ｓ３０）、大当り図柄決定用乱数２更新処理（Ｓ３５）、小当り図柄判定用乱数更新処理（Ｓ４０）、当り決定用乱数更新処理（Ｓ４５）、リーチ判定用乱数更新処理（Ｓ５０）、変動パターン決定用乱数更新処理（Ｓ５５）、入賞確認処理（Ｓ６０）、当否判定処理（Ｓ６５）、画像出力処理等の各出力処理（Ｓ７０）、不正監視処理（Ｓ７５）を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理（Ｓ８０）をループ処理する。

次に図４に示したフローチャートを用いて、本実施例において主制御装置８０が実行する発射球計数処理１を説明する。本処理は、本発明の計数手段に相当し、発射球検出手段を含む処理となる。

本処理を開始すると、発射球検出スイッチ１００が遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ１００）（本発明の発射球検出手段に相当）、否定判定なら（Ｓ１００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１００：ｙｅｓ）、主制御装置８０が備える発射球数カウンタにインクリメントしてリターンする。この処理により、遊技領域３を流下した遊技球数（発射後に遊技領域３まで到達し、実際の遊技に使用した遊技球数）を発射球数カウンタの値により判断できる。

次に図５に示したフローチャートを用いて、主制御装置８０が実行する普通入賞口計数処理を説明する。本処理は、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球数を計数する処理となる。

本処理を開始すると、普通入賞口スイッチ３１ａが遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ１５０）、否定判定なら（Ｓ１５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１５０：ｙｅｓ）、主制御装置８０が備える普通入賞口カウンタにインクリメントして（Ｓ１５５）リターンする。本実施例では４個の普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球数を一つのカウンタで計数する構成としたが、各普通入賞口毎にカウンタを備える構成としてもよい。

次に図６に示したフローチャートを用いて、実施例１において主制御装置８０が実行する始動入賞確認処理１を説明する。本処理は、第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート１７を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置８０に格納（記憶）する処理となる（保留記憶手段）。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する特図当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第１始動口１１及び第２始動口１２への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する処理を行う。以後、第１始動口１１に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第１保留記憶、第２始動口１２に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第２保留記憶、普通図柄始動ゲート１７を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。

本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置８、第１特図保留数表示装置１８、第２特図保留数表示装置１９による各々の最大表示数は４となっているが、この数に限るわけではなく、多くても少なくてもよい。

本処理を開始すると、第１始動口スイッチ１１ａが遊技球を検出したか否か判定する(Ｓ２００)。否定判定なら（Ｓ２００：ｎｏ）、Ｓ２３０に進み、肯定判定なら(Ｓ２００：ｙｅｓ）、主制御装置８０に格納されている第１保留記憶の数が上限数（４）未満か否か判定する(Ｓ２０５)。否定判定なら（Ｓ２０５：ｎｏ）、Ｓ２３０に進み、肯定判定であれば(Ｓ２０５：ｙｅｓ）、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数１、大当り図柄決定用乱数２、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第１保留記憶として記憶し、第１保留記憶の数を示す第１保留記憶カウンタに１を加算する（Ｓ２１０）。

Ｓ２１０に続いては、記憶した第１保留記憶の先読判定を行う（Ｓ２１５）。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か（はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か）を判定する。

続いて、Ｓ２１５の判定結果から第１先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ２２０）、Ｓ２１０で加算した第１保留記憶カウンタの値を示す第１保留数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する（Ｓ２２５）。Ｓ２２５の処理、又はＳ２００、Ｓ２０５の否定判定（Ｓ２００：ｎｏ、Ｓ２０５：ｎｏ）に続いては、第２始動口スイッチ１２ａが遊技球を検出したか否か判定する(Ｓ２３０)。否定判定なら（Ｓ２３０：ｎｏ）、Ｓ２６０に進み、肯定判定なら(Ｓ２３０：ｙｅｓ）、第２保留記憶の数が上限数（４）未満か否か判定し（Ｓ２３５）、否定判定なら（Ｓ２３５：ｎｏ）Ｓ２６０に進み、肯定判定なら（Ｓ２３５：ｙｅｓ）、Ｓ２１０と同様に抽出した乱数の保留記憶処理を行い（Ｓ２４０）、Ｓ２１５，Ｓ２２０，Ｓ２２５と同様に先読判定処理（Ｓ２４５）、第２先読判定コマンド送信処理（Ｓ２５０）、第２保留数指示コマンド送信処理（Ｓ２５５）を行い、Ｓ２６０に進む。

Ｓ２６０では、普通図柄作動スイッチ１７ａが遊技球を検出したか否か判定し(Ｓ２６０)、否定判定なら（Ｓ２６０：ｎｏ）リターンに抜け、肯定判定なら(Ｓ２６０：ｙｅｓ）、主制御装置８０に格納されている普図保留記憶数が上限数(４)未満か否か判定し(Ｓ２０５)、否定判定なら（Ｓ２６５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ２６５：ｙｅｓ）、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに１を加算し（Ｓ２７０）、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ２７５）、リターンする。

サブ統合制御装置８３は第１及び第２保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置６上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置８２に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置６上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物（第２始動口１２）の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。

次に、図７，８，９に示したフローチャートを用いて、実施例１において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理１を説明する。本処理は、本発明の第１入賞頻度調整手段、普通演算手段、開放態様選択手段、普図抽選手段を含む処理となる。本処理を開始すると、普通電動役物が非作動中か否か判定する（Ｓ３００）。否定判定なら（Ｓ３００:ｎｏ）、リターンし、肯定判定なら（Ｓ３００:ｙｅｓ）、普通図柄が非変動中か否か（Ｓ３０５）、普通図柄が非確定表示中か否か（Ｓ３１０）判定する。どちらも肯定判定なら（Ｓ３０５:ｙｅｓ、Ｓ３１０:ｙｅｓ）、普図保留記憶があるか否か判定し（Ｓ３１５）、否定判定なら（Ｓ３１５:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ３１５:ｙｅｓ）、時短フラグが０か否か判定する（Ｓ３２０）。

時短フラグは、主制御装置８０にて記憶される値であり、時短フラグの値が「０」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「１」のときは、時短状態であることを主制御装置８０が判断する。時短状態では、普通図柄、第１及び第２特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。

Ｓ３２０が否定判定、即ち時短状態なら（Ｓ３２０:ｎｏ）、時短状態中の処理を行うが、時短状態では普通図柄の変動パターンを選択する変動パターンテーブルの内容が異なるのみの内容となり、従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。Ｓ３２０が肯定判定なら（Ｓ３２０：ｙｅｓ）普図保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い普図保留記憶を当否判定の対象とするとともに、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタから１を減算する（Ｓ３２５）。次に、減算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する（Ｓ３３０）。

続く、当り判定用乱数比較処理（Ｓ３３５）では、当否判定の対象とした普図保留記憶の当り判定用乱数と、予め設定された普図当否判定テーブルとを比較して、当り判定用乱数の値が普図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定は通常確率（低確率）と高確率の２種類あり、当該判定時の遊技状態が通常（低確率）遊技状態（確変フラグ＝０）であれば通常確率（３０／１００）で比較し、高確率遊技状態（確変フラグ＝１）であれば高確率（１００／１００）で比較する（本発明の普図抽選手段に相当）。

続いて、Ｓ３３５の比較結果が当りであるか否か判定する（Ｓ３４０）。肯定判定なら（Ｓ３４０：ｙｅｓ）、当り図柄を選択し（Ｓ３４５）、否定判定なら（Ｓ３４０：ｎｏ）ハズレ図柄を選択し（Ｓ３５０）、Ｓ３４５、又はＳ３５０に続いては変動パターンを決定（Ｓ３５５）し、判定結果コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ３６０）、上記処理結果に応じた普通図柄の変動開始処理を行い（Ｓ３６５）リターンする。

Ｓ３０５が否定判定、即ち普通図柄の変動中なら（Ｓ３０５:ｎｏ）、図８のフローチャートに進み、普通図柄の変動時間（通常時６．０秒、時短（開放延長）時０．５秒）が経過したか否か判定する（Ｓ４００）。否定判定なら（Ｓ４００:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ４００:ｙｅｓ）、変動中の普通図柄をＳ３４５又はＳ３５０で決定した図柄で停止表示する処理を行い（Ｓ４０５）、停止表示した図柄が普通電動役物を作動させる当り図柄か否か判定する（Ｓ４１０）。否定判定なら（Ｓ４１０:ｎｏ）、はずれ図柄に応じた確定表示時間を設定し（Ｓ４５５）リターンに抜ける。

Ｓ４１０が肯定判定なら（Ｓ４１０:ｙｅｓ）、確定表示時間を設定し（Ｓ４１５）、時短フラグが０か否か判定する（Ｓ４２０）。肯定判定、即ち通常状態なら（Ｓ４２０:ｙｅｓ）、普通入賞口入球率演算処理と（Ｓ４２５）（本発明の普通演算手段に相当）普電開放パターン選択処理（Ｓ４３０）（本発明の開放態様選択手段に相当）を行う。

Ｓ４２５の普通入賞口入球率演算処理では、普通入賞口カウンタ（Ｓ１５５参照）の値を発射球数カウンタ（Ｓ１０５参照）の値で除算する処理を行い、Ｓ４３０では該除算の結果に応じて普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターン（開放態様）を選択する処理を行う。但し、電源投入時から発射計数カウンタの値が３０００になるまで（実質３０分間遊技球が発射されるまで）は、０．２秒１回の開放パターン（Ｅ）が選択される。これにより、普通入賞口の入球率の偏りがなくなるまでは、通常の開放パターンで遊技が実施される。

具体的な演算（除算）結果と選択される開放パターンの関係について、図１０の図表を用いて説明する。普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタで除算した普通入賞口の入球率が０．０１未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個未満であれば、０．２秒の開放を５回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＡが選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個未満に抑えられた遊技者にとって極めて不利な状況（ベースが低く投資速度が速い）であり、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普通電動役物（第２始動口）開放時には、遊技者に最も有利な開放パターンＡ（トータル開放時間１．０秒）が選択される。

普通入賞口の入球率が０．０１以上０．０２未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個から１２０個未満であれば、０．２秒の開放を４回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＢが選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個以上１２００個未満に抑えられた遊技者にとって開放パターンＡが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＡに次いで遊技者に有利な開放パターンＢ（トータル開放時間０．８秒）が選択される。

普通入賞口の入球率が０．０２以上０．０３未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１２０個から１８０個未満であれば、０．２秒の開放を３回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＣが選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１２００個以上１８００個未満に抑えられた遊技者にとって開放パターンＢが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＢに次いで遊技者に有利な開放パターンＣ（トータル開放時間０．６秒）が選択される。

普通入賞口の入球率が０．０３以上０．０４未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１８０個から２４０個未満であれば、０．２秒の開放を２回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＤが選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１８００個以上２４００個未満に抑えられた遊技者にとって若干不利な状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が若干困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＣに次いで遊技者に有利な開放パターンＤ（トータル開放時間０．４秒）が選択される。

普通入賞口の入球率が０．０４以上、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が２４０個以上であれば、０．２秒の開放を１回行う開放パターンＥが選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が２４００個以上となる状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が適度に発生するような釘調整が行われた状態といえる。従って、通常遊技の始動数及び出玉率の設定に合わせて開放パターンＥ（トータル開放時間０．２秒）が選択される。

図８のフローチャートに戻り、上述した内容の普電開放パターン選択処理（Ｓ４３０）に続いては、選択した開放パターンを設定し（Ｓ４３５）普通電動役物の作動開始処理を行い（Ｓ４４０）、リターンする。Ｓ４２０が否定判定、即ち、時短状態であれば（Ｓ４２０：ｎｏ）、開放延長状態で実施する開放パターンを設定し（Ｓ４５０）、Ｓ４４０に進む。

図７に戻り、Ｓ３１０が否定判定なら（Ｓ３１０：ｎｏ）、図９のフローチャートに進み、確定図柄の表示時間が終了したか否か判定する（Ｓ５００）。否定判定なら（Ｓ５００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ５００:ｙｅｓ）、確定図柄表示終了処理を行い（Ｓ５０５）、リターンする。

以上が、本実施例において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理１の説明となる。本実施例では、普通図柄の当りが確定する毎に、普通入賞口の入球率を演算し、該演算の結果に応じて普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターンを選択する構成としたが、発射球数カウンタが所定数の遊技球（例えば、３０００個）を計数する毎に普通入賞口の入球率を演算し（普通演算手段を実施し）、次回の演算時まで記憶し（演算結果記憶手段）、普通図柄当り時に、記憶している演算結果（普通入賞口入球率）を参照して開放パターンを選択する構成としてもよい。また、普通入賞口の入球率に基づいた開放パターンの選択は当否判定実施時（例えばＳ３４０の肯定判定後）に行ってもよい。

次に、図１１に示したフローチャートを用いて、主制御装置８０が実行する普電作動処理を説明する。本処理はＳ４４０普電作動開始処理を契機に実行する処理となる。本処理を開始すると、普通電動役物が作動中か否か判定する（Ｓ５５０）。否定判定なら（Ｓ５５０:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ５５０：ｙｅｓ）、第２始動口スイッチ１２ａが普通電動役物１５の作動開始後に規定入賞数（１０個）の遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ５５５）、否定判定なら（Ｓ５５５：ｎｏ）、Ｓ４３５で設定した普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターンが終了したか否か判定する（Ｓ５６５）。

Ｓ５６５が否定判定なら（Ｓ５６５：ｎｏ）リターンし、Ｓ５５５又はＳ５６５が肯定判定なら（Ｓ５５５:ｙｅｓ、Ｓ５６５:ｙｅｓ）、普電作動終了処理を行い（Ｓ５６０）、普電作動終了情報をサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ５６０）リターンする。

次に、図１２から図１５に示したフローチャートを用いて主制御装置８０が実行する特図当否判定処理を説明する。本処理は、主制御装置８０が第１始動口１１又は第２始動口１２への遊技球の入球時に取得した第１保留記憶又は第２保留記憶とに応じて大当りを生起させるか否か判定し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて大当り遊技の内容及び大当り遊技終了後の遊技状態を選択し、選択した大当り遊技に対応した複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定する。

本処理を開始すると、主制御装置８０は条件装置が未作動か否か判定する（Ｓ６００）。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合（取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合）に立つフラグである。Ｓ６００が否定判定なら（Ｓ６００：ｎｏ）リターンし、Ｓ６００が肯定判定であれば（Ｓ６００：ｙｅｓ）、特別図柄が変動停止中であるか（Ｓ６０５）、確定図柄の非表示期間であるか（Ｓ６１０）の判定が行われる。

Ｓ６０５、Ｓ６１０の両方が肯定判定なら（Ｓ６０５：ｙｅｓ、Ｓ６１０：ｙｅｓ）、図１３に進み、第２保留記憶があるか否か判定する（Ｓ６２０）。肯定判定なら（Ｓ６２０：ｙｅｓ）、Ｓ６３０に進み、否定判定なら（Ｓ６２０：ｎｏ）、第１保留記憶があるか否か判定する（Ｓ６２５）。Ｓ６２５が否定判定なら（Ｓ６２５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ６２５：ｙｅｓ）、Ｓ６３０に進む。このＳ６２０とＳ６２５の判定順により、第２保留記憶の当否判定を第１保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。本実施例では、第２特別図柄が優先して変動し、常にどちらか一方の特別図柄のみが変動を行うが、第１特別図柄と第２特別図柄とが同時に変動する構成としても本発明と同様の効果を発揮する。

Ｓ６３０では、時短フラグが０か否か判定する（Ｓ６３０）。否定判定なら（Ｓ６３０：ｎｏ）、時短状態中の処理に進むが、この処理は公知の処理と何ら変わりない（選択する変動パターンの時間設定が異なる）ため説明は割愛する。

Ｓ６３０が肯定判定なら（Ｓ６３０：ｙｅｓ）、判定する第１保留記憶又は第２保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第１保留記憶又は第２保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第１又は第２保留記憶数を示す保留記憶カウンタから１を減算し（Ｓ６３５）、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する（Ｓ６４０）。

続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する（Ｓ６４５）。特図当否判定テーブルは通常確率（低確率１／３００）用と高確率用（１／３０）の２種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態（通常遊技状態）であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。

続いてＳ６４５の比較結果が大当りか否かを判定し（Ｓ６５０）、肯定判定なら（Ｓ６５０：ｙｅｓ）、図柄モード設定処理を行う（Ｓ６５５）。図柄モード設定処理では、判定対象となる第１又は第２保留記憶の大当り図柄決定用乱数１に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。

続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数２に基づいて大当り図柄選択処理を行う（Ｓ６６０）。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。

次にＳ６５５で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う（Ｓ６６５）。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である（大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため）。モードバッファとしては、具体的な遊技内容（確変機能および開放延長機能（時短機能）の作動とその作動回数）は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。

次に、Ｓ６５５で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い（Ｓ６７０）、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０、及び演出図柄表示装置６に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する（Ｓ６７５）。

次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ６８０）。この情報を受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づいて、演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、第１又は第２特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第１又は第２特図に対応した擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に、主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

Ｓ６５０が否定判定、即ちハズレなら（Ｓ６５０：ｎｏ）、Ｓ６４５の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し（Ｓ６８５）、肯定判定なら（Ｓ６８５：ｙｅｓ）、小当り図柄を選択し（Ｓ６９０）、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い（Ｓ６７０）、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い（Ｓ６７５）、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ６８０）。この情報を受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づき演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第１又は第２特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に、主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は、第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

Ｓ６８５が否定判定なら（Ｓ６８５：ｎｏ）、ハズレ図柄を選択し（Ｓ６９５）、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い（Ｓ６７５）、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置８３へ送信する（Ｓ６８０）。この情報を受信したサブ統合制御装置８３からの指示に基づき演出図柄制御装置８２は演出図柄表示装置６を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第１又は第２特図に対応した擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置８３への送信とほぼ同時に主制御装置８０は、第１特別図柄表示装置９又は第２特別図柄表示装置１０を直接制御して特別図柄の変動を開始する。

図１２のフローチャートに戻り、Ｓ６０５が否定判定（Ｓ６０５：ｎｏ）、即ち特別図柄が変動中なら、図１４のフローチャートに進み、特図の変動時間（Ｓ６７５で選択した変動パターンに基づく）が経過したか否かを判定し（Ｓ７００）、否定判定なら（Ｓ７００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ７００：ｙｅｓ）、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置８３に出力するとともに、第１特図表示装置９又は第２特図表示装置１０を制御してＳ６６０、Ｓ６９０又はＳ６９５で決定した図柄を確定表示させる（Ｓ３０５）。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置８３は演出図柄制御装置８２に予め決めておいた擬似（演出）図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置８２は、その信号により演出図柄表示装置６を制御して擬似（演出）図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似（演出）図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる（同期する）。

Ｓ７０５の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し（Ｓ７１０）、肯定判定なら（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、確定図柄表示設定処理（確定図柄で表示させておく時間の設定）を行い（Ｓ７１５）、確変フラグが１か否か判定し（Ｓ７２０）、肯定判定なら（Ｓ７２０：ｙｅｓ）、確変フラグに０をセットする（Ｓ７２５）。Ｓ７２５、又はＳ７２０の否定判定（Ｓ７２０：ｎｏ）に続いては、時短フラグが１か否か判定する。肯定判定なら（Ｓ７３０：ｙｅｓ）、時短フラグに０をセットする（Ｓ７３５）。

Ｓ７３５、又はＳ７３０の否定判定（Ｓ７３０：ｎｏ）に続いては、条件装置作動開始処理（Ｓ７４０）と、役物連続作動装置作動開始処理（Ｓ７４５）とを行い、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ７５０）、当該処理に基づく遊技状態を示すコマンドをサブ統合制御装置８３に送信して（Ｓ７５５）リターンする。

一方、Ｓ７１０が否定判定、即ち、確定図柄が大当りではなかったなら（Ｓ７１０：ｎｏ）、確定図柄の表示設定処理（確定図柄で表示させておく時間の設定）を行い（Ｓ７６０）、確変フラグが１か否か判定し（Ｓ７６５）、肯定判定なら（Ｓ７６５：ｙｅｓ）、確変カウンタからデクリメントし（Ｓ７７０）、確変カウンタが０か否か判定し（Ｓ７７５）、肯定判定なら（Ｓ７７５：ｙｅｓ）、確変フラグに０をセットする（Ｓ７８０）。

Ｓ７８０、又はＳ７６５，Ｓ７７５が否定判定なら（Ｓ７６５：ｎｏ，Ｓ７７５：ｎｏ）、時短フラグが１か否か判定し（Ｓ７８５）、肯定判定なら（Ｓ７８５：ｙｅｓ）、時短カウンタからデクリメントし（Ｓ７９０）、時短カウンタが０か否か判定し（Ｓ７９５）、肯定判定なら（Ｓ７９５：ｙｅｓ）、時短フラグに０をセットする（Ｓ８００）。Ｓ７６５からＳ８００によって、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで高確率状態及び時短状態が終了する。

続いて、Ｓ８００、又はＳ７８５，Ｓ７９５が否定判定なら（Ｓ７８５：ｎｏ，Ｓ７９５：ｎｏ）、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し（Ｓ８０５）、肯定判定なら（Ｓ８０５：ｙｅｓ）、小当り遊技の作動開始を行う処理を行なう（Ｓ８１０）。Ｓ８１０、又は８４０５の否定判定（Ｓ８０５：ｎｏ）に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ７５５）リターンする。

図１２に戻り、Ｓ６１０が否定判定（Ｓ６１０：ｎｏ）、即ち、特別図柄が確定表示中なら、図１５に進みＳ７１５又はＳ７６０で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する（Ｓ８５０）。否定判定なら（Ｓ８５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ８５０：ｙｅｓ）、第１特図表示装置９又は第２特図表示装置１０を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置８３に指示信号を送信して疑似（演出）図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い（Ｓ８５５）リターンする。

以上が、主制御装置８０が実行する特図当否判定処理となる。本実施例では、図６に示したように、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数（大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数）を取得したが、これらの乱数を当否判定処理時に取得する構成であってもよい。

次に、演出図柄表示装置６上で実施す演出表示について、図１６に示した表示例を用いて説明する。図１６（１）は、通常遊技状態における演出図柄表示装置６の表示内容を示している。この場合、画面中段の領域が擬似図柄表示部となり、左中右の擬似図柄が変動表示を行う。画面下端左側が第１特図保留記憶数表示領域、画面下端右側が第２特図保留記憶数表示領域となり、それぞれの領域で保留図柄を表示して保留記憶数を報知する。

画面下端の中央は、普電開放パターン表示領域となり、この領域に表示するＡからＥのアルファベットで、前回の普通図柄当選時に実施した普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターンを報知する。この報知を行うことで、遊技機の状態（普通入賞口３１から３４への入球は困難（ベースは低い）だが、第２始動口１２への入球が容易な状態、又は、普通入賞口３１から３４への入球は容易でベースは高いが第２始動口１２への入球が容易ではない等）を知ることができ、遊技者が遊技機を選ぶ際の指標とすることができる。

次に、図１７，図１８を用いて実施例２を説明する。実施例２におけるパチンコ遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例１と共通であり、特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。

実施例１では、普通入賞口の入球率に基づいて普通電動役物（第２始動口１２）の開放パターンを選択する構成としたが、実施例２では、普通図柄の当選する確率（本発明の普図当選確率に相当）を選択する構成とすることで、遊技者が不利な状況にならない構成としている。実施例１と異なるのは、普図当否判定処理の一部の構成と、普通入賞口の入球率と普図当選確率との関係になり、それぞれを以下に説明する。

図１７に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する普図当否判定処理２となる。本処理は、本発明の第１入賞頻度調整手段、普通演算手段、普図当選確率選択手段、普図抽選手段を含む処理となる。なお本処理は、基本の構成が実施例１で説明した普図当否判定処理１と同じであるため、異なる部分のみ説明する。

本処理を開始してからＳ９３０の普図保留数指示コマンド送信までは、普図当否判定処理１と同一であるため説明は援用とし、Ｓ９３０に続いては、普通入賞口入球率演算処理（Ｓ９３５）、普図当選確率選択処理（Ｓ９４０）、普図当選確率設定（Ｓ９４５）を行う。但し、電源投入時から発射計数カウンタの値が３０００になるまで（実質３０分間遊技球が発射されるまで）は、通常遊技状態では３０／１００の普図当選確率（Ｅ）が選択される。

Ｓ９３５の普通入賞口入球率演算処理の内容は、実施例１の図８，Ｓ４２５で説明した内容と同一となり、普通入賞口カウンタ（Ｓ１５５参照）の値を発射球数カウンタ（Ｓ１０５参照）の値で除算する処理となる。

続いて行われる普図当選確率選択処理（Ｓ９４０）における、普通入賞口入球率の演算（除算）結果と選択される普図当選確率との関係について、図１８の図表を用いて説明する。普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタで除算した普通入賞口の入球率が０．０１未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個未満であれば、普図当選確率として７０／１００が選択される。実施例１と同様に、この普図当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個未満に抑えられた遊技者にとって極めて不利な状況であり、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普図当選確率として遊技者に最も有利（普通電動役物の作動契機が最も多くなることで始動入賞が結果的に増加する）な普図当選確率Ａが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０１以上０．０２未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個から１２０個未満であれば、普図当選確率として６０／１００が選択される。この普図当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個以上１２００個未満に抑えられた遊技者にとって普図当選確率Ａが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普図当選確率Ａに次いで遊技者に有利な普図当選確率Ｂが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０２以上０．０３未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１２０個から１８０個未満であれば、普図当選確率として５０／１００が選択される。この普図当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１２００個以上１８００個未満に抑えられた遊技者にとって普図当選確率Ｂが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普図当選確率Ｂに次いで遊技者に有利な普図当選確率Ｃが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０３以上０．０４未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１８０個から２４０個未満であれば、普図当選確率として４０／１００が選択される。この普図当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１８００個以上２４００個未満に抑えられた遊技者にとって若干不利な状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が若干困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普図当選確率Ｃに次いで遊技者に有利な普図当選確率Ｄが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０４以上、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が２４０個以上であれば、普図当選確率として３０／１００が選択される。この普図当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が２４００個以上となる状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が適度に発生するような釘調整が行われた状態といえる。従って、通常遊技の始動数及び出玉率の設定に合わせて普図当選確率Ｅが選択される。

次に、図１９から図２３を用いて実施例３を説明する。実施例３では、実施例１、２とは異なり、普通電動役物（第２始動口１２）を開放するか否かの抽選を、発射球検出スイッチ１００ａが遊技球検出時に抽出する乱数に基づいて実施する構成となっている。従って、本実施例におけるパチンコ遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例１とは相違するため、図１９，２０を用いて実施例１とその相違する点を説明する。特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。

図１９は、実施例３におけるパチンコ機の遊技盤１の正面図である。基本の構成は、実施例１の遊技盤１と同じであるが本実施例では遊技領域３に普通図柄作動ゲート１７と第１始動口１１とが配置されておらず、始動口は普通電動役物からなる第２始動口１２のみとなり、普通電動役物（第２始動口１２）は、未作動時にも遊技球が入球可能に構成されている。また、普通図柄作動ゲート１７を配置していないため、遊技領域３の右下部には普通図柄表示装置７と、普通図柄保留数表示装置８は配置されていない。従って、本処理では普図当否判定処理は行われない。また、発射球検出時に抽出する乱数に基づいて実施する普通電動役物を開放するか否かの抽選（発射球抽選）においては、抽選結果を図柄で報知する構成とはしていないが、図柄の変動後に抽選結果を報知する構成としてもよい。

図２０は、実施例３におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、実施例１と同様に主制御装置８０を中心にして構成されている。実施例１のブロック図と異なるのは、主制御装置８０に第１始動口スイッチ１１ａ、普通図柄作動スイッチ１７ａ、普通図柄表示装置７、普通図柄保留数表示装置８が接続されていない点となる。

図２１に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する発射球抽選処理となる。本処理は、発射球検出時に抽出した乱数に基づいて普通電動役物（第２始動口１２）を開放するか否かの抽選を行う処理となり、本発明の発射球検出手段、計数手段、第１入賞頻度調整手段、普通演算手段、発射球抽選開放手段、発射球当選確率選択手段を含む処理となる。なお、本処理は実施例１で説明した、発射球計数処理の内容を含む処理となる。

本処理を開始すると、発射球検出スイッチ１００が遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ１０００）（発射球検出手段）、否定判定なら（Ｓ１０００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１０００：ｙｅｓ）発射球乱数抽出処理を行って当り判定用乱数を抽出し（Ｓ１００５）、発射球数カウンタにインクリメントする（Ｓ１０１０）（計数手段）。

Ｓ１０１０に続いては、普通電動役物が非作動中か否か判定し（Ｓ１０１５）、否定判定なら（Ｓ１０１５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１０１５：ｙｅｓ）、普通入賞口入球率演算処理（Ｓ１０２０）、発射球当選確率選択処理（Ｓ１０２５）、発射球当選確率設定（Ｓ１０３０）を行う。但し、電源投入時から発射計数カウンタの値が３０００になるまで（実質３０分間遊技球が発射されるまで）は、通常遊技状態では３／１００の普図当選確率（Ｅ）が選択される。

Ｓ１０２０の普通入賞口入球率演算処理の内容は、実施例１の図８，Ｓ４２５で説明した内容と同一となり、普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタ（Ｓ１０１０参照）の値で除算する処理となる。

続いて行われる発射球当選確率選択処理（Ｓ１０２５）における、普通入賞口入球率の演算（除算）結果と選択される発射球当選確率との関係について、図２３の図表を用いて説明する。普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタで除算した普通入賞口の入球率が０．０１未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個未満であれば、発射球当選確率として７／１００が選択される。実施例１と同様に、この発射球当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個未満に抑えられた遊技者にとって極めて不利な状況であり、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、発射球当選確率として遊技者に最も有利（普通電動役物の作動契機が最も多い）な発射球当選確率Ａが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０１以上０．０２未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個から１２０個未満であれば、発射球当選確率として６／１００が選択される。この発射球当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個以上１２００個未満に抑えられた遊技者にとって発射球当選確率Ａが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、発射球当選確率Ａに次いで遊技者に有利な発射球当選確率Ｂが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０２以上０．０３未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１２０個から１８０個未満であれば、発射球当選確率として５／１００が選択される。この発射球当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１２００個以上１８００個未満に抑えられた遊技者にとって発射球当選確率Ｂが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、発射球当選確率Ｂに次いで遊技者に有利な発射球当選確率Ｃが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０３以上０．０４未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１８０個から２４０個未満であれば、発射球当選確率として４／１００が選択される。この発射球当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１８００個以上２４００個未満に抑えられた遊技者にとって若干不利な状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が若干困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、発射球当選確率Ｃに次いで遊技者に有利な発射球当選確率Ｄが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０４以上、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が２４０個以上であれば、発射球当選確率として３／１００が選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が２４００個以上となる状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が適度に発生するような釘調整が行われた状態といえる。従って、通常遊技の始動数及び出玉率の設定に合わせて発射球当選確率Ｅが選択される。

図２１に戻り、Ｓ１０２５に続いては、選択した発射球当選確率を抽選確率として設定し（Ｓ１０３０）、Ｓ１００５で抽出した発射球乱数と、Ｓ１０３０で設定した確率となる判定テーブルとを比較する（Ｓ１０３５）。続いて、Ｓ１０３５の比較結果が当りであるか否か判定し（Ｓ１０４０）、否定判定なら（Ｓ１０４０：ｎｏ）リターンする。

Ｓ１０４０が肯定判定なら（Ｓ１０４０：ｙｅｓ）、時短フラグが０か否か判定し（Ｓ１０４５）、肯定判定なら（Ｓ１０４５：ｙｅｓ）、通常の開放態様（０．２秒１回）を作動設定し（Ｓ１０５０）、否定判定なら（Ｓ１０４５：ｎｏ）、開放延長状態用の作動設定を行う（Ｓ１０５５）。Ｓ１０５０、またはＳ１０５５に続いては、普通電動役物の作動開始処理を行い（Ｓ１０６０）リターンする。

以上が、本実施例において主制御装置８０が実行する発射球抽選処理の説明となる。本実施例では、遊技領域３に到達した発射球を検出する毎に、普通入賞口の入球率を演算し、該演算の結果に応じて発射球当選確率を選択する構成としたが、発射球数カウンタが所定数の遊技球（例えば、３０００個）を計数する毎に普通入賞口の入球率に応じた発射球当選確率を記憶し（発射球当選確率記憶手段）、発射球を検出時に、記憶している発射球当選確率を用いて抽選を行う構成としてもよい。また、発射遊検出スイッチ１００が２個以上の所定数の遊技球を検出する毎に発射球抽選を行う構成としてもよい。

図２２に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する始動入賞処理２となる。本実施例では、始動口は第２始動口１２のみとなるため、本処理は、実施例１で図６を用いて説明した始動入賞処理１から、第１始動口１１に係る処理部と、普通図柄作動ゲート１７に係る処理部とを削除した構成となる。

次に、図２４，図２５を用いて実施例４を説明する。実施例４におけるパチンコ遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例３と共通であり、特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。

実施例３では、遊技領域３に発射された遊技球を１個検出する毎に発射球抽選を行い、該抽選の結果に基づいて普通電動役物（第２始動口１２）を開放する構成としたうえで、普通入賞口の入球率に基づいて発射球当選確率を選択する構成としたが、実施例４では、遊技領域３に発射された遊技球が所定個数（開放値）に達する毎に普通電動役物（第２始動口１２）を開放する構成としたうえで、普通入賞口の入球率に基づいて所定個数（開放値）を選択する構成となっている。

実施例３と異なるのは、発射球検出スイッチ１００が遊技球を検出した時の処理（図２４発射球計数開放処理１）と、普通入賞口の入球率と所定個数（開放値）との関係（図２５図表）になり、それぞれを以下に説明する。

図２４に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する発射球計数開放処理１となる。本処理は、発射球検出スイッチ１００が所定個数（開放値）の遊技球を検出する毎に普通電動役物（第２始動口１２）を開放する処理となり、本発明の発射球検出手段、計数手段、第１入賞頻度調整手段、普通演算手段、所定数選択手段、発射球計数開放手段を含む処理となる。なお、本処理は実施例１で説明した、発射球計数処理の内容を含む処理となる。

本処理を開始すると、発射球検出スイッチ１００が遊技球を検出したか否か判定し（Ｓ１１５０）（発射球検出手段）、否定判定なら（Ｓ１１５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１１５０：ｙｅｓ）発射球数カウンタにインクリメントし（Ｓ１１５５）（計数手段）、発射球開放カウンタにインクリメントする（Ｓ１１６０）。発射球開放カウンタは主制御装置８０が備えるカウンタであり、この発射球開放カウンタの値に基づいて普通電動役物（第２始動口１２）の開放動作を行う。

Ｓ１１６０に続いては、発射球開放カウンタの値が、当該処理時に設定されている普通電動役物（第２始動口１２）の開放値に達したか否か判定する（Ｓ１１６５）。否定判定なら（Ｓ１１６５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１１６５：ｙｅｓ）、時短フラグが０か否か判定し（Ｓ１１７０）、肯定判定なら（Ｓ１１７０：ｙｅｓ）通常遊技状態の作動（０．２秒１回開放）を設定し、否定判定なら（Ｓ１１７０：ｎｏ）開放延長状態の作動を設定する（Ｓ１１８０）。

Ｓ１１７５、又はＳ１１８０に続いては、普通電動役物の作動開始処理を行い（Ｓ１１８５）、発射球開放カウンタをクリアし（Ｓ１１９０）、普通入賞口入球率演算処理（Ｓ１１９５）、開放値選択処理（Ｓ１２００）、開放値設定処理（Ｓ１２０５）を行いリターンする。

Ｓ１１９５の普通入賞口入球率演算処理の内容は、実施例１の図８，Ｓ４２５で説明した内容と同一となり、普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタ（Ｓ１１５５参照）の値で除算する処理となる。

Ｓ１２００で行われる普通入賞口の入球率に基づいて選択される開放値の具体的な内容を、図２５の図表を用いて説明する。図表に示すように、普通入賞口カウンタの値を発射球数カウンタで除算した普通入賞口の入球率が０．０１未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個未満であれば、普通電動役物（第２始動口１２）が開放動作を行う発射球数（開放値）として１００が選択される。この開放値が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個未満に抑えられた遊技者にとって極めて不利な状況であり、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放値として遊技者に最も有利（普通電動役物が開放する間隔が最も短く作動契機が最も多い）な開放値Ａが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０１以上０．０２未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が６０個から１２０個未満であれば、開放値として１５０が選択される。この開放値が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が６００個以上１２００個未満に抑えられた遊技者にとって開放値Ａが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放値Ａに次いで遊技者に有利な開放値Ｂが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０２以上０．０３未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１２０個から１８０個未満であれば、開放値として２００が選択される。この開放値が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１２００個以上１８００個未満に抑えられた遊技者にとって開放値Ｂが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放値Ｂに次いで遊技者に有利な開放値Ｃが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０３以上０．０４未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が１８０個から２４０個未満であれば、開放値として２５０が選択される。この発射球当選確率が選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が１８００個以上２４００個未満に抑えられた遊技者にとって若干不利な状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が若干困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放値Ｃに次いで遊技者に有利な開放値Ｄが選択される。

普通入賞口の入球率が０．０４以上、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に普通入賞口３１，３２，３３，３４に入球した遊技球の総数が２４０個以上であれば、開放値として３００が選択される。この開放パターンが選択される状況は、１時間の連続発射において、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球による賞球が２４００個以上となる状況であり、この場合、普通入賞口３１，３２，３３，３４への入球が適度に発生するような釘調整が行われた状態といえる。従って、通常遊技の始動数及び出玉率の設定に合わせて開放値Ｅが選択される。

次に、図２６，図２７，図２８を用いて実施例５を説明する。実施例５におけるパチンコ遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例３と共通であり、特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。

実施例４では、普通入賞口の入球率に応じて、普通電動役物が開放を行う発射球数を選択する構成としたが、本実施例では、それに加え、始動口（普通電動役物からなる第２始動口１２）の入球率を演算し、その演算結果に応じて普通電動役物（第２始動口１２）の開放態様（開放パターン）を選択する構成となっている。

実施例４と異なるのは、始動入賞処理（図２６始動入賞処理３）と、発射球検出スイッチ１００が遊技球を検出した時の処理（図２７発射球計数開放処理２）と、始動口の入球率と普通電動役物（第２始動口１２）の開放態様との関係（図２８図表）になり、それぞれを以下に説明する。

図２６に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する始動入賞処理３となる。本処理は、図２２を用いて説明した始動入賞処理２に、始動口（普通電動役物からなる第２始動口１２）の入球率を演算するための、始動口カウンタへのインクリメント（Ｓ１２５５）を追加した内容となり、他は始動入賞処理２と同一内容となる。

図２７に示すフローチャートは、本実施例において主制御装置８０が実行する発射球計数開放処理２となる。本処理は、実施例３で図２４を用いて説明した発射球計数開放処理１に、始動口の入球率に応じて普通電動役物（第２始動口１２）の開放態様を選択する処理（Ｓ１３２５からＳ１３４５）を追加した構成となり、発射球計数開放処理１とは異なる部分を以下に説明する。

時短フラグが０か否かの判定（Ｓ１３２０）が否定判定なら（Ｓ１３２０：ｎｏ）、開放延長状態用の開放態様を設定し（Ｓ１３５０）、肯定判定なら（Ｓ１３２０：ｙｅｓ）、始動口入球率演算処理を行う（Ｓ１３２５）。この始動口入球率演算処理では、始動口カウンタ（Ｓ１２５５参照）の値を発射球数カウンタ（Ｓ１３０５参照）の値で除算する処理を行う。続いて、Ｓ１３２５の演算結果が０．０５未満か否か判定し（Ｓ１３３０）、否定判定、即ち、第２始動口１２の入球率が０．０５以上で、１時間連続発射（６０００個）した場合に第２始動口１２に入球した遊技球の総数が３００個以上であれば（Ｓ１３３０：ｎｏ）、０．２秒の開放を１回行う通常動作（開放パターンＥ）を設定する（Ｓ１３４５）。

Ｓ１３３０が肯定判定なら（Ｓ１３３０：ｙｅｓ）、Ｓ１３２５の演算結果に基づいて開放態様を選択する処理を行い（Ｓ１３３５）、選択した開放態様で作動する設定を行う（Ｓ１３４０）。但し、この場合も、電源投入時から所定数の遊技球が発射されるまでは、通常の開放パターンＥを選択する構成とする。

具体的な始動口入球率の演算（除算）結果と選択される開放パターンの関係について、図２８の図表を用いて説明する。始動口カウンタの値を発射球数カウンタで除算した始動口の入球率が０．０２未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に第２始動口１２に入球した遊技球の総数が１２０個未満であれば、０．２秒の開放を５回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＡが選択される。この開放パターンが選択される状況は、遊技者にとって極めて不利な状況であり、第２始動口１２への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、普通電動役物（第２始動口）開放時には、遊技者に最も有利な開放パターンＡ（トータル開放時間１．０秒）が選択される。

第２始動口１２の入球率が０．０２以上０．０３未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に第２始動口１２に入球した遊技球の総数が１２０個から１８０個未満であれば、０．２秒の開放を４回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＢが選択される。この開放パターンが選択される状況は、遊技者にとって開放パターンＡが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、第２始動口１２への入球が非常に困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＡに次いで遊技者に有利な開放パターンＢ（トータル開放時間０．８秒）が選択される。

第２始動口１２の入球率が０．０３以上０．０４未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に第２始動口１２に入球した遊技球の総数が１８０個から２４０個未満であれば、０．２秒の開放を３回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＣが選択される。この開放パターンが選択される状況は、遊技者にとって開放パターンＢが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、第２始動口１２への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＢに次いで遊技者に有利な開放パターンＣ（トータル開放時間０．６秒）が選択される。

第２始動口１２の入球率が０．０４以上０．０５未満、即ち、１時間連続発射（６０００個）した場合に第２始動口１２に入球した遊技球の総数が２４０個から３００個未満であれば、０．２秒の開放を２回（開放間インターバル１．０秒）行う開放パターンＤが選択される。この開放パターンが選択される状況は、遊技者にとって開放パターンＣが選択される状況に次いで不利な状況であり、この場合も、第２始動口１２への入球が困難になるような釘調整が行われた状態といえる。従って、開放パターンＣに次いで遊技者に有利な開放パターンＤ（トータル開放時間０．４秒）が選択される。

図２７に戻り、Ｓ１３４０、Ｓ１３４５、又はＳ１３５０に続いては、普通電動役物の作動開始処理を行い（Ｓ１３５５）、以降は発射球計数開放処理１と同一の処理を行う。

以上が実施例の説明となる。実施例１から実施例４のパチンコ機では、遊技機設置店が利益確保のために普通入賞口の入賞を妨げる釘調整を行った場合、入賞を妨げる度合いに比例して始動口への入球が容易となってしまうため、結果的に設置店が不利益を被る確率が高くなり、設置店が普通入賞口に対して極端な釘調整を行えない構成となる。従って、遊技者は好適なベース（戻り玉）を維持しながら遊技を行うことができる。

また、実施例５では、例えば、普通入賞口に好適な釘調整が行われ、普通入賞口の入球率が好適であったとしても、始動口への入球を困難にする釘調整が行われていた場合にその効果を発揮し、好適な始動口への入球数を確保することができる。

始動口の入球率に応じて普通電動役物の開放態様を変化させる構成は、開放延長状態においても実施してもよく、この構成により、開放延長状態中の出玉率を調整し、開放延長状態中に持ち球が極端に減少、又は増加することを防止することができる。なお、この場合、全体の出玉率（賞球数を発射球数で除算）に基づいて普通電動役物の開放態様を選択する構成としても同様の効果を得ることができる。

実施例３，４，５では、始動口を第２始動口１２（普通電動役物）の１個のみで構成したが、実施例１，２と同様に第１始動口１１も配置する構成としても問題なく同様の効果を発揮する。また、実施例５で第１始動口１１を追加した場合は、第１始動口１１と第２始動口１２とで別々の始動口カウンタを設け、第２始動口１２（普通電動役物）への入球に起因する大当り価値を第１始動口１１の入球に起因する大当りよりも大きなものとしたうえで、各始動口の入球率と開放態様の変化との関係を異なる内容としてもよい。これにより、第２始動口１２（普通電動役物）への入球は抑えながらも、その分第２始動口への入球に起因する大当りは大きな価値が獲得できるというゲームをバランスよく実施することができる。

実施例４，５では、遊技領３まで発射された遊技球の検出に起因して普通電動役物（第２始動口）の開放を行い、検出球数（開放値）や抽選確率を変更することで普通電動役物（第２始動口）の入球頻度を変化させたが、検出球数（開放値）や抽選確率は一定としたうえで開放態様を変更することで入球頻度を変化させる構成としても同様の効果を発揮する。

以上のように、本発明の弾球遊技機によれば、普通入賞口への入球が困難になればなるほど、始動口となる普通電動役物への入球がより容易に変化することで遊技者が不利にはならない構成となっている。従って、普通電動役物と普通入賞口とを設けた弾球遊技機に適用することができる。

１ 遊技盤
６ 演出図柄表示装置
１１ 第１始動口
１１ａ 第１始動口スイッチ
１２ 第２始動口（普通電動役物）
１２ａ 第２始動口スイッチ
１８ 第１特別図柄保留数表示装置
１９ 第２特別図柄保留数表示装置
３１ 普通入賞口
３２ 普通入賞口
３３ 普通入賞口
３４ 普通入賞口
３１ａ 普通入賞口スイッチ
８０ 主制御装置
８２ 演出図柄制御装置
８３ サブ統合制御装置
１００ａ 発射球検出スイッチ

Claims (6)

1. 遊技領域に可変入賞装置からなる特図始動口と、常時入球率が変化しない普通入賞口とを備え、前記特図始動口への遊技球の入球に起因して大当り遊技を行う弾球遊技機であって、
   前記遊技領域へ発射された遊技球を検出する発射球検出手段と、
   前記発射球検出手段が検出した遊技球の数を計数する計数手段と、
   該計数手段の計数値と前記普通入賞口への入球数とに基づいて前記普通入賞口の入球率を演算する普通演算手段と、
   該普通演算手段の演算結果に基づいて、前記可変入賞装置への遊技球の入賞頻度を変化させる第１入賞頻度調整手段と、を備えた
   ことを特徴とする弾球遊技機。
2. 請求項１記載の弾球遊技機において、
   前記第１入賞頻度調整手段は、
   前記可変入賞装置の開放態様を複数の開放態様の中から選択する開放態様選択手段を備え、
   該開放態様選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて、前記可変入賞装置の開放態様を選択する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項１記載の弾球遊技機において、
   前記遊技領域に普図始動口を備え、
   前記第１入賞頻度調整手段は、
   前記普図始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値に基づいて、前記可変入賞装置を開放するか否か抽選する普図抽選手段と、
   該普図抽選手段が当選となる普図当選確率を複数の確率の中から選択する普図当選確率選択手段と、を備え、
   該普図当選確率選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記普図当選確率を選択する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
4. 請求項１記載の弾球遊技機において、
   前記第１入賞頻度調整手段は、
   前記計数手段が所定個数の遊技球を計数する毎に前記可変入賞装置を開放するか否か抽選する発射球抽選開放手段と、
   該発射球抽選開放手段が当選となる発射球当選確率を複数の確率の中から選択する発射球当選確率選択手段と、を備え、
   該発射球当選確率選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記発射球当選確率を選択する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
5. 請求項１記載の弾球遊技機において、
   前記第１入賞頻度調整手段は、
   前記計数手段が所定数の遊技球を検出する毎に前記可変入賞装置を開放する発射球計数開放手段と、
   前記所定数を複数の所定数の中から選択する所定数選択手段と、を備え、
   該所定数選択手段は、前記普通演算手段の演算結果に基づいて前記所定数を選択する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
6. 請求項１から請求項５記載のいずれかの弾球遊技機において、
   前記遊技領域に常時入球率が変化しない第１特図始動口と、前記可変入賞装置からなる第２特図始動口とを配置し、
   前記計数手段の計数値と前記第１特図始動口への入球数、又は／及び前記第２特図始動口への入球数とに基づいて始動口の入球率を演算する始動演算手段と、
   前記第１特図始動口、又は／及び前記第２特図始動口の入球率が所定値に達していない場合、前記普通演算手段の演算結果に拘わらず、前記始動演算手段の演算結果に基づいて前記可変入賞装置への遊技球の入賞頻度を変化させる第２入賞頻度調整手段と、を備えた
   ことを特徴とする弾球遊技機。

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