JP2017039872A - アルコールバリア用フィルム、アルコールバリア用多層フィルム - Google Patents

アルコールバリア用フィルム、アルコールバリア用多層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】アルコールバリア性が求められる用途に使用されるアルコールバリア用フィルムおよび該フィルムを用いたアルコールバリア用多層フィルムを提供すること。
【解決手段】プロピレン系樹脂を主成分とする延伸処理されていないフィルムであって、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で30℃〜250℃まで昇温する際に観測される78℃以上の結晶融解熱量が68J/g以上であることを特徴とするフィルムをアルコールバリア用のフィルムとする。また、少なくとも基材フィルム層、接着剤層、シーラントフィルム層を備える多層フィルムにおいて、シーラントフィルム層を前記アルコールバリア用フィルムから構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルコールバリア性が求められる用途に使用されるフィルムに関する。具体的には、数十個のアルコール蒸散剤をまとめて包装する用途や、物品をアルコール蒸散剤と共に包装する用途等に用いられるフィルムに関する。
エタノール等のアルコールを保持させたアルコール保持剤を、アルコールガスを透過するフィルムで包装したアルコール蒸散剤が知られている(例えば特許文献2)。このようなアルコール蒸散剤は、菌の繁殖抑制等を目的として、食品等と一緒に包装される。
図2に、アルコール蒸散剤の包装体を示す。アルコール蒸散剤21は、蒸散剤のメーカーから出荷される際に、数十個が1つの袋に挿入され、袋内の空気が脱気された状態で挿入口がシールされ、包装される。
該包装に用いられるフィルム20には、アルコールバリア性が求められる。アルコールバリア性に乏しいと、アルコール蒸散剤21内のアルコールが食品等と一緒に包装される前に揮散してしまい、食品等に菌が繁殖することを抑制できなくなってしまう。
図3に、食品などの物品32がアルコール蒸散剤31と共に包装された包装体を示す。該包装体に用いられるフィルム30にも、アルコールバリア性が求められる。アルコールバリア性に乏しいと、包装体内のアルコール濃度が短期間で低下してしまい、菌の繁殖抑制効果が長続きしない。
特許文献1は、食品の防カビ保存方法に関する発明であり、食品を密封袋に入れて保存する際に、カビの発生を防止するためにアルコール蒸散剤(エタノール発散物)および/または脱酸素剤を共存させる。該方法に用いられる密封袋は、酸素およびエタノールガスに対してバリア性のある合成樹脂フィルムから成る。
特許文献1では、酸素およびエタノールガスに対してバリア性のある合成樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニリデンをコートしたポリオレフィンフィルム、同樹脂をコートしたナイロン・ポリオレフィンラミネートフィルムまたはポリオレフィンとラミネートしたアルミニウム箔、二軸延伸ポリプロピレンと無延伸のポリオレフィンフィルムのラミネートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが例示されている(特許文献1第2頁左上欄)。
特許文献2は、アルコール蒸散剤(アルコール揮発剤)に関する発明である。特許文献2実施例では、アルコール蒸散剤をポリ塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレン/無延伸ポリプロピレンからなる容器に投入し、その性能(カビの増殖抑制)を測定している(特許文献2[0031])。
特許文献3は、サンドイッチ用包装袋に関する発明であり、包装袋のヘッダー部分に鮮度保持剤(脱酸素剤やアルコール蒸散剤)が接着されている。特許文献3の包装袋は、ガスバリア性を有する合成樹脂フィルムにより構成されており、鮮度保持剤がアルコール蒸散剤である場合、該フィルムとして二軸延伸ポリプロピレンが例示されている(特許文献3[0019])。
特開平3−210170号公報 特開2007−236245号公報 特開2014−5018号公報
物品をアルコール蒸散剤と共に包装する用途に用いられる多層フィルムには、アルコール蒸散剤の効果を最大限に発揮させるために、アルコールガスバリア性を奏するフィルムが使用されている。当該多層フィルムの代表的な層構成は、基材フィルム層/接着剤層/シーラントフィルム層であり、通常、アルコールガスバリア性は基材フィルム層によって担保される。
アルコールガスバリア性に優れる基材フィルムとしては、塩化ビニリデン等がコートされたフィルム、金属酸化物等が蒸着されたフィルム等が知られているが、いずれも一般的な基材フィルムよりも高価であった。
本発明が解決しようとする課題は、アルコールバリア性が求められる用途に使用されるフィルムであって、単層のフィルムであっても、比較的安価な基材フィルムが採用された多層のフィルムであっても、優れたアルコールバリア性を奏するフィルムを提供することである。
本発明者らは、アルコールバリア用多層フィルムにおけるアルコールバリア性を基材フィルム層のみで担保するのではなく、シーラントフィルム層で担うことにより、比較的安価な基材フィルムを用いても高いアルコールバリア性を獲得できるのではないかと考え、更に、示差走査熱量測定によって測定される78℃以上の結晶融解熱量が68J/g以上の未延伸プロピレン系フィルムが、ヒートシール性ならびにアルコールバリア性に優れることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明によると上記課題を解決するための手段として、
プロピレン系樹脂を主成分とする延伸処理されていないフィルムであって、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で30℃〜250℃まで昇温する際に観測される78℃以上の結晶融解熱量が68J/g以上であることを特徴とするアルコールバリア用フィルムが提供される。
また、少なくとも基材フィルム層、接着剤層、シーラントフィルム層を備える多層フィルムにおいて、前記シーラントフィルム層が、前記アルコールバリア用フィルムから成ることを特徴とするアルコールバリア用多層フィルムが提供され、
更に、前記基材フィルムは、バリア性コーティング剤によるコーティング処理および/または蒸着処理が施されていないことを特徴とする前記アルコールバリア用多層フィルムが提供され、
更に、前記基材フィルムが、延伸ナイロンフィルムであることを特徴とする前記アルコールバリア用多層フィルムが提供される。
更に本発明によると、前記アルコールバリア用フィルムまたは前記アルコールバリア用多層フィルムを用いたことを特徴とするアルコール蒸散剤包装用フィルムが提供される。
更にまた、前記アルコールバリア用フィルムまたは前記アルコールバリア用多層フィルムを用いたことを特徴とする物品をアルコール蒸散剤と共に包装するためのフィルムが提供される。
本発明のアルコールバリア用フィルムは、ヒートシール性はもちろん、アルコールバリア性に優れる。
本発明のアルコールバリア用多層フィルムにおけるシーラントフィルムもまた、ヒートシール性、アルコールバリア性に優れる。よって、本発明のアルコールバリア用多層フィルムは、例え基材フィルムが安価なフィルムであったとしてもアルコールバリア性に優れる。
本発明によるアルコールバリア用フィルムまたはアルコールバリア用多層フィルムを、アルコール蒸散剤包装用フィルムに用いた場合、アルコール蒸散剤内のアルコールが、アルコール蒸散剤を物品と共に包装する前に揮散することを抑制することができる。
また本発明によるアルコールバリア用フィルムまたはアルコールバリア用多層フィルムを、物品をアルコール蒸散剤と共に包装するためのフィルムとして用いた場合、物品にカビが発生することを長期間に亘り抑制することができる。
本発明のアルコールバリア用多層フィルムの断面を表す模式的断面である。 アルコール蒸散剤の包装体の模式図である。 物品をアルコール蒸散剤と共に包装した包装体の模式図である。
図1は、本発明のアルコールバリア用多層フィルム10の模式的断面図である。本発明の多層フィルムは、少なくとも、基材フィルム層11、接着剤層12、シーラントフィルム層13を備える。
[基材フィルム層]
基材フィルム層は、シーラントフィルム層と共に、多層フィルムにアルコールバリア性を付加する層であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のアミド系樹脂や、これらの樹脂を複数種ブレンドした樹脂組成物から成るフィルム、これらの樹脂を複数種選択して積層したフィルム、更にはこれらのフィルムを延伸処理したフィルム、これらのフィルムに塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール等のバリア性コーティング剤によるコーティング処理が施されたフィルム、これらのフィルムに金属酸化物等による蒸着処理が施されたフィルム等を用いることができる。
尚、本発明の多層フィルムはアルコールバリア性に優れたシーラントフィルムを採用するため、基材フィルム層としては、アルコールバリア性はあまり高くないものの、比較的安価で入手し易い延伸処理されたナイロンフィルムを好適に用いることができる。
基材フィルム層の厚さは、10〜40μmが好ましく、特に10〜30μmが好ましい。10μmより薄いと基材としての強度が不足する恐れがあり、また30μmより厚いと多層フィルムが固くなり、コストも高くなる。
[接着剤層]
接着剤層は、ドライラミネート用接着剤、ウエットラミネート用接着剤、押出ラミネート用接着剤等から形成される。ドライラミネート用接着剤には、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等が、ウエットラミネート用接着剤にはポリ塩化ビニル系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、合成ゴム等が、押出ラミネート用接着剤には、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、エチレン系共重合体等が使用され得る。
[シーラントフィルム層]
本発明のシーラントフィルム層は、プロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成される。該プロピレン系樹脂として、公知のプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとのブロック共重合体、プロピレンとエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム三元共重合体、プロピレンとエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのブロック三元共重合体等を例示することができるが、これに限定されるものではない。また、これらのプロピレン系樹脂を適宜ブレンドして用いることもできる。
シーラントフィルム層を形成する樹脂組成物は、上述したプロピレン系樹脂の他に、他の樹脂を副成分として含有していても良い。副成分は特に限定されるものではないが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂や、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の軟質樹脂等を例示することができる。シーラントフィルム層を形成する樹脂組成物における副成分の配合割合は、50重量%未満であり、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
また該樹脂組成物は、性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のシーラントフィルム層に用いられるフィルム(以下、シーラントフィルムと称す)は、前述した樹脂組成物を延伸処理することなくフィルム状に成形することにより得ることができる。シーラントフィルムを延伸処理すると、分子が配向するためヒートシール性が低下する。延伸処理することなくフィルム状に成形するには、樹脂をTダイからキャスティングロール上に押出し、そのまま延伸することなく巻き取るTダイ−キャスティング法、環状ダイスから円筒状に押出すインフレーション法等を採用するとよい。
本発明のシーラントフィルムは、78℃以上の結晶融解熱量が68J/g以上である。フィルムの結晶融解熱量は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定装置を用いて、昇温速度10℃/minでフィルムを30℃〜250℃まで昇温する際の結晶融解熱量(1stステージにおける融解熱量)を採用する。該結晶融解熱量のうち、エタノールの沸点である78℃を超える部分が68J/g以上のもの、特に69J/g以上のものはアルコールバリア性に優れる。
尚、結晶融解熱量を上述した範囲にするには、シーラントフィルムを製膜する際の冷却条件を調整したり、シーラントフィルムを形成する樹脂組成物に結晶化を促進する添加剤を加えたりすれば良い。
尚、本発明のシーラントフィルムは、プロピレン系樹脂を主成分とする延伸処理されていないフィルムであり、尚且つ78℃以上におけるフィルムの結晶融解熱量が68J/g以上であれば、単層のフィルムであっても、多層のフィルムであっても良い。フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、ヒートシール性、アルコールバリア性、経済性等を考慮すると40〜100μm程度が好ましく、特に60〜90μmが好ましい。
[アルコールバリア用フィルム]
本発明によるアルコールバリアが必要な用途に用いられるフィルムは、アルコールバリア性を考慮すると上述した多層フィルムが望ましい。しかしながら、更に低コストのアルコールバリア用フィルムを所望する場合は、上述したシーラントフィルムをそのままアルコールバリア用フィルムとして採用することができる。
[製造方法]
本発明のアルコールバリア用多層フィルムは、例えば、基材フィルムとシーラントフィルムとを別々に製膜した後、基材用フィルム或いはシーラントフィルムの一方に接着剤を塗布し、該接着剤を乾燥した後に他方を貼り合わせるドライラミネート法、一方のフィルムに接着剤を塗布し、該接着剤を乾燥することなく他方を貼り合わせるウエットラミネート法、基材フィルムとシーラントフィルムとの間に溶融状態の接着剤を流し込む押出ラミネート(サンドラミネート)法等により製造することができる。
尚、基材フィルムが多層フィルムである場合は、予め多層の基材フィルムを製膜した後、シーラントフィルムと積層してもよいが、基材フィルムの一部とシーラントフィルムとを積層した後、残りの基材フィルムを積層しても良い。
[包装体]
図2は、多数のアルコール蒸散剤21を本発明の多層フィルム20で包装した包装体の模式図である。また図3は、物品32をアルコール蒸散剤31と共に本発明のアルコールバリア用多層フィルム30で包装した包装体の模式図である。
アルコール蒸散剤21、31は、アルコールガスを蒸散することができるものであれば特に限定されず、エタノールを雲母やシリカなどの吸着剤に吸収させたアルコール吸着体をアルコールガス透過性の小袋に充填したもの等を用いることができる。またアルコール吸着体と共に若干の脱酸素剤を小袋に充填することも可能である。
アルコール蒸散剤はカビの増殖抑制効果が高い為、物品32がパン類や菓子類といったカビの発生を嫌う物品である場合に、本発明のアルコールバリア用フィルムならびにアルコールバリア用多層フィルム30は好適に使用される。
初めに単層のアルコールバリア用フィルムの結晶融解熱量とアルコールバリア性の関係を確認する。
実施例1乃至5、比較例1について、結晶融解熱量並びにアルコールバリア性を測定する。尚、測定方法は以下の通りである。
[結晶融解熱量]
JIS−K7121(2012)に順じ、SIIナノテクノロジー社製 示差走査熱量測定装置 EXSTAR6000−DSC6200R を用いて測定する。尚、本発明では結晶融解熱量として、昇温速度10℃/minで、30℃〜250℃まで昇温する際の結晶融解熱量(1stステージにおける融解熱量)を採用する。30℃〜250℃までの全結晶融解熱量と78℃以上の温度領域における結晶融解熱量を表1に記す。
[アルコールバリア性]
実施例1乃至4、比較例1記載のアルコールバリア用フィルムから、内寸5cm×5cmの正方形の袋を作成し、該袋内にエタノール10ccを封入して試験用の包装体を作製する。次いで、該包装体を恒温恒湿下(室温40℃、湿度50%RH)に24時間放置する。放置前後の包装体の重量変化量からアルコールの減少量(g/m・day)を求め、アルコールバリア性を評価する。結果を表1に記す。
尚、アルコールの減少量Aは、包装体の初期重量をa、恒温恒湿下に放置後の重量をbとした場合、下記式にて求められる。
A=(a−b)/0.005
[実施例1]
東レフィルム加工(株)製、無延伸ポリプロピレンフィルム、トレファン NO ZK99S(80μm)
[実施例2]
東洋紡(株)製、無延伸ポリプロピレンフィルム、パイレン(登録商標)フィルム−CT P1147(80μm)
[実施例3]
フタムラ化学(株)製 無延伸ポリプロピレンフィルム FRTK−G(80μm)
[実施例4]
東洋紡(株)製、無延伸ポリプロピレンフィルム、パイレン(登録商標)フィルム−CT P1146(80μm)
[比較例1]
三井化学東セロ(株)製 無延伸ポリプロピレンフィルム RXC−22(80μm)
表1を見ると明らかなように、78℃以上の温度領域における融解熱量が68J/g以上のアルコールバリア用フィルム(実施例1乃至4)、特に69J/g以上のフィルム(実施例1乃至3)はアルコールの減少量が少なく、アルコールバリア性に優れていた。比較例1のアルコールバリア用フィルムは全結晶融解熱量は比較的高いが、78℃以上の領域における融解熱量は低く、アルコールバリア性も低かった。
次いで、上述した実施例1、比較例1のアルコールバリア用フィルムをシーラントフィルムとし、以下の要領でアルコールバリア用多層フィルムを作製し、アルコールバリア性を測定した。アルコールバリア性の測定方法は前述した通りである。
[実施例5]
基材フィルムとして厚さ15μm延伸ナイロンフィルムを用い、シーラントフィルムとして前述した実施例1のフィルムを用い、これらをドライラミネート用接着剤を用いてラミネートし、実施例5のアルコールバリア用多層フィルムを作製した。該フィルムのアルコールバリア性の測定結果を表2に記す。
[比較例2]
シーラントフィルムとして前述した比較例1のフィルムを用いた以外は、実施例5と同様にして比較例2の多層フィルムを作製した。該フィルムのアルコールバリア性の測定結果を表2に記す。
シーラントフィルムとして、78℃以上の温度領域における結晶融解量が68J/g以上のフィルムを用いた実施例5の多層フィルムは、基材フィルムとして、蒸着やコーティング処理されていない延伸ナイロンフィルムを用いたにもかかわらず、アルコールバリア性に優れていた。一方、比較例2の包装材料はエタノールの透過量が高く、実施例3のアルコールバリア用フィルムと同程度であった。
本発明のアルコールバリア用フィルム、アルコールバリア用多層フィルムは、アルコール蒸散剤をまとめて包装する用途や、物品をアルコール蒸散剤と共に包装する用途など、アルコールバリア性が求められる用途に、特に限定なく使用することができる。例えば、アルコールガス置換包装する包装形態においても好適に用いることができる。
10、20、30 アルコールバリア用多層フィルム
11 基材フィルム層
12 接着剤層
13 シーラントフィルム層(アルコールバリア用フィルム)
21、31 アルコール蒸散剤
32 物品

Claims (6)

  1. プロピレン系樹脂を主成分とする延伸処理されていないフィルムであって、
    示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で30℃〜250℃まで昇温する際に観測される78℃以上の結晶融解熱量が68J/g以上であることを特徴とするアルコールバリア用フィルム。
  2. 少なくとも基材フィルム層、接着剤層、シーラントフィルム層を備える多層フィルムにおいて、
    前記シーラントフィルム層が、請求項1記載のアルコールバリア用フィルムから成ることを特徴とするアルコールバリア用多層フィルム。
  3. 前記基材フィルムは、バリア性コーティング剤によるコーティング処理および/または蒸着処理が施されていないことを特徴とする請求項2記載のアルコールバリア用多層フィルム。
  4. 前記基材フィルムが、延伸ナイロンフィルムであることを特徴とする請求項2または3に記載のアルコールバリア用多層フィルム。
  5. 請求項1記載のアルコールバリア用フィルムまたは請求項2乃至4のいずれかに記載のアルコールバリア用多層フィルムを用いたことを特徴とするアルコール蒸散剤包装用フィルム。
  6. 請求項1記載のアルコールバリア用フィルムまたは請求項2乃至4のいずれかに記載のアルコールバリア用多層フィルムを用いたことを特徴とする物品をアルコール蒸散剤と共に包装するためのフィルム。

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