JP2017037307A - ラベル、治験用瓶、ラベルの貼付方法及び収容物を識別し難くする方法 - Google Patents

ラベル、治験用瓶、ラベルの貼付方法及び収容物を識別し難くする方法 Download PDF

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【課題】治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを視覚的に識別し難くするラベルを提供する。【解決手段】ラベル12は、薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶1に貼付される。ラベル12の貼付面12bは、黄色に着色されている。ラベル12は、治験用瓶1の胴部21に貼付され、瓶の表面の周方向の所定長さLと、瓶の高さの所定幅Dを有している。所定長さLは、胴部21の周囲の半分以上の長さに設定され、所定幅Dは、胴部21の高さの半分以上の幅に設定されている。【選択図】図7

Description

本発明は、ラベル、治験用瓶、ラベルを治験用瓶に貼付する方法及び治験用瓶の収容物を視覚的に識別し難くする方法に関する。
例えば注射剤として用いられる医療用タンパク製剤について臨床試験(治験)を行う場合、薬液又はプラセボ液を収容した2種類の無色透明の治験用瓶が用意される。これらの治験用瓶には、一般的に薬液の種類や品番等が記載されたラベルが貼付されている(特許文献1参照)。そして、治験時には、治験用瓶に薬液かプラセボ液のどちらが収容されているか分からない状態で、被治験者に治験用瓶の内容物が投与される。これにより、薬液の治療効果等を厳格に確認及び評価することができる。
特開平8−231437号公報
しかしながら、薬液は一般的に無色透明であるが、薬液の種類によって、或いは薬液の個体差等によってわずかに黄色味がかったり、白濁するようなことがある。このような場合、薬液と、無色透明のプラセボ液との間に視覚的な差異ができるため、被治験者や治験実行者が治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを見分けることができる可能性がある。被治験者や治験実行者に中身を見分けられると、それが治験結果に影響して、十分な精度の治験を行うことができなくなる恐れがある。
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを視覚的に識別し難くなるラベル、治験用瓶、ラベルの貼付方法及び治験用瓶の収容物を識別し難くする方法を提供することをその目的とする。
本発明者らは、治験用瓶に貼付するラベルの貼付面を有色とし、そのラベルを所定長さと所定幅に設定することによって、治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを識別し難くなるという知見を利用し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[10]を提供する。
[1]薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶用のラベルであって、ラベルの貼付面が有色に着色されており、前記瓶の胴部の周囲の半分以上の長さと、前記胴部の高さの半分以上の幅を有する、ラベル。
[2]前記ラベルの胴部周方向の長さが、前記胴部の横断面における前記胴部の内周面の一の接線と前記胴部の外周面とが交わる2点を胴部表面の長周囲側の周方向に結ぶ長さと同等或いはそれ以上に設定され、前記ラベルの胴部高さ方向の幅が、前記胴部の高さと同等に設定されている、[1]に記載のラベル。
[3]前記薬液がタンパク液である、[1]又は[2]に記載のラベル。
[4]前記貼付面が前記薬液と同色に着色されている、[1]〜[3]のいずれかに記載のラベル。
[5]前記貼付面が黄色に着色されている、[1]〜[4]のいずれかに記載のラベル。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のラベルが貼付された治験用瓶。
[7]薬液又はプラセボ液が収容された、[6]に記載の治験用瓶。
[8]薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶にラベルを貼付する方法であって、貼付面が有色に着色されたラベルを、前記瓶の胴部に貼付する工程を有し、前記工程において、前記ラベルを、前記胴部の周囲の半分以上の範囲に貼付し、前記胴部の高さの半分以上の範囲に貼付する、ラベルの貼付方法。
[9]薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶に貼付面が有色のラベルを貼付し、外観上、前記治験用瓶の収容物が前記貼付面の色に見えるようにして、治験用瓶の収容物を視覚的に識別し難くする方法。
[10]貼付面が有色であって、外観上、治験用瓶の収容物が前記貼付面の色に見えるようにして、治験用瓶の収容物を視覚的に識別し難くするための治験用瓶用のラベル。
ラベルの貼付面を有色とし、ラベルを所定長さと所定幅に設定することによって、治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを視覚的に識別し難くなり、この結果、十分な精度の治験を行うことができる。
治験用瓶の概略を示す正面斜視図である。 治験用瓶の概略を示す背面斜視図である。 瓶本体の構成を示す説明図である。 (a)は、ラベルの表面の一例を示す図であり、(b)は、ラベルの裏面の一例を示す図である。 胴部の横断面の模式図である。 他のラベルの長さを説明するための胴部の横断面の模式図である。 治験用瓶の背面図である。 試験1の識別不能性試験結果を示すグラフである。 試験2の識別不能性試験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態における治験用瓶1の構成の概略を示す正面斜視図であり、図2は、背面斜視図である。
図1及び図2に示すように治験用瓶1は、薬液或いはプラセボ液(以下、これらを「液体A」とも称する。)を選択的に収容する瓶本体10と、その瓶本体10の上部に取り付けられた蓋体11を有し、瓶本体10の表面には、ラベル12が貼付されている。
本明細書において用いられる用語「薬液」とは、それ自体が液状のものだけでなく、固形の薬を溶解させたものや、タンパクのように乾燥粉末化させたものを用時溶解したものも含まれる。また、本明細書において用いられる用語「タンパク」には、アミノ酸だけで構成される単純タンパクだけでなく、糖やリン酸で修飾されたものも含まれる。
瓶本体10は、図3に示すように有底の略円筒状に形成され、無色透明の材質、例えばガラスや樹脂により成型されている。瓶本体10は、蓋体11が取り付けられる上部の首部20と、首部20の下に位置し首部20よりも径が大きい胴部21を有している。
胴部21は、径が略一定の円筒状に形成されている。胴部21は、瓶本体10の底面から、少なくとも液体Aの液面よりも高い位置まで形成されている。本実施の形態において胴部21は、瓶本体10の底面から、径が次第に小さくなり始める位置まで形成されている。
首部20は、下から上に向かって、胴部21の上端から縮径し、その後一定区間径が一定になり、最後に径が大きくなり大径部(フランジ部)を形成する形状を有している。なお、瓶本体10および蓋体11は、例示であり上記の形態に限定されるものではない。
ラベル12は、例えば二層構造であり、紙製又は樹脂製の表面層と、紙製又は樹脂製の裏面層を有している。ラベル12の表面層の表面12aには、図4(a)に示すように白地に、内容物である薬液に関する情報や、治験用瓶1の管理方法、製造番号等の所定の必要情報が記載されている。ラベル12の裏面層の裏面(貼付面)12bは、図4(b)に示すように無地の黄色に着色されている。なお、ここでいう「黄色」には、マンセル表色系のマンセル値で5YR〜5GYのものが含まれる。ラベル12は、印字された表面層シートと、黄色にベタ印刷された裏面層シートを接着させることにより製造される。
ラベル12は、長辺方向に所定長さL、短辺方向に所定幅Dを有している。ラベル12の所定長さLは、図5に示すように胴部21の周囲の半分以上の長さを有し、好ましくは胴部21の周囲の2/3以上の長さを有している。またラベル12の所定幅Dは、胴部21の高さの半分以上の幅を有し、好ましく胴部21の高さの2/3以上の幅を有している。
また、ラベル12の所定長さLは、図6に示すように胴部21の横断面における胴部21の内周面21aの一の接線Kと胴部21の外周面21bとが交わる2点X1、X2を瓶表面の長周囲側の周方向に結んだ長さL1と同等に設定されていてもよい。このときラベル12の所定幅Dは、図3に示すように、胴部21の高さHと同等に設定されている。なお、ここでいう「同等」には、長さL1の±5mmの範囲内、高さHの±2mmの範囲内のものが含まれる。ラベル12の所定長さLは、胴部21の全周よりも短く、ラベル12の両端の間には、隙間(ラベル12がない部分)が形成されている。
次に、治験用瓶1にラベル12を貼付する方法について説明する。ラベル12を貼付する前には、治験用瓶1の瓶本体10内に薬液或いはプラセボ液が収容され、瓶本体10が蓋体11により閉鎖される。次に、ラベル12が、瓶本体10の胴部21に貼付される。ラベル12は、胴部21の表面の周囲方向に、胴部21の横断面における胴部21の内周面21aの一の接線Kと胴部21の外周面21bとが交わる2点X1、X2を結んだ長さL1と同等の範囲に貼付され、なおかつ、胴部21の高さ方向に、胴部21の高さHと同等の範囲に貼付される。
治験の際には、治験実行者は、治験用瓶1から注射器などにより薬液或いはプラセボ液を抽出し、それを被治験者に投与する。被治験者は、治験用瓶1に薬液かプラセボ液のいずれかが収容されているか知らない状態で、そのどちらかの液体Aが注射器などにより投与される。
本実施の形態によれば、ラベル12の貼付面が黄色に着色され、ラベル12が、胴部21の周囲の半分以上の長さLと、胴部21の高さの半分以上の幅Dを有しているため、図7に示すようにラベル12のない隙間から治験用瓶1内の薬液或いはプラセボ液を見た場合に、その液体Aの背景にラベル12の貼付面12bが見え、液体Aの色が、ラベル12の貼付面12bの黄色に見える。また液体Aの背景に直接ラベル12の添付面12bが見えなくても、添付面12bからの反射光により、液体Aの色が、ラベル12の貼付面12bに近い黄色に見える。この結果、薬液がわずかに黄色味がかったり白濁するようなことがあっても、治験用瓶1内の薬液とプラセボ液は同じ色に見え、薬液かプラセボ液かを視覚的に識別し難くなる。この結果、薬液の治験を適正かつ精度よく行うことができる。
また、本実施の形態の図6に示したように、ラベル12が、胴部21の内周面21aの一の接線Kと胴部21の外周面21bとが交わる2点X1、X2を胴部表面の長周囲側の周方向に結ぶ長さL1と同等の所定長さLを有し、胴部21の高さHと同等の所定幅Dを有するようにした場合には、ラベル12の所定長さLが、図6に示したように長さL1と同等であるので、ラベル12のない隙間を通じてどの方向から治験用瓶1内を見ても背景にラベル12の貼付面が見えることになり、治験用瓶1内の中身が薬液かプラセボ液かを特に識別しにくくなる。
なお、本実施の形態では、ラベル12の貼付面12bに樹脂を用いたため、例えば冷蔵保存時等に治験用瓶1に結露が生じた場合であってもラベル12が剥がれたり変色することなく、ラベル12の貼付面12bが瓶表面に密着しているので、薬液とプラセボ液とが識別しにくい状態を維持することができる。
また、本実施の形態では、ラベル12の所定長さLが図6に示す長さL1と同等であったが、長さL1以上であってもよい。この場合も、ラベル12のない隙間を通じてどの方向から治験用瓶1内を見ても背景にラベル12の貼付面12bが見えることになり、治験用瓶1内の中身が薬液かプラセボ液かを特に識別しにくくなる。ただし、ラベル12で胴部21の全周を覆うと、治験用瓶1内の薬液を確認しにくくなる。
さらに、本実施の形態では、薬液がタンパク液であったが、注射剤などの治験が行われる他の薬液にも本発明は適用できる。また、ラベル12の貼付面12bの色は、黄色に限られず、薬液の色等に応じて、薬液とプラセボ液が識別し難くなる、赤色、青色などの他の有色であってもよい。ここで有色とは、白色以外の色をいう。このとき、ラベル12の貼付面12bの色は、薬液の色と同色にしてもよいし、識別し難くなる色であれば、薬液と同色でなくてもよく、同系色であってもよく、また同系色以外の色であってもよい。さらに、薬液の色の明度に応じてラベル12の貼付面12bの色の明度を変えることもできる。さらに、治験用瓶1の形状や寸法も上記実施の形態のものに限られない。例えば本実施の形態における治験用瓶1は、首部20の下に位置し首部20よりも径が大きい胴部21を有していたが、胴部が首部と同等の径を有するものであってもよいし、首部がなく、胴部に直接蓋体が取付けられるようなものであってもよい。
図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係るラベルを貼付した治験用瓶に関する内容物の識別不能性試験を行った。
(試験1)
<ラベル>
PETシートに黄色のベタ印刷を施し、その上に印字用のユポ(登録商標)紙を重ねた二層構造のラベル(以下、「黄色ラベル」とする。)と、ポリプロピレンフィルムをカットして製造されたラベル(以下、「白色ラベル」とする。)とを用意した。ラベルの寸法は、直径24mmの治験用瓶に対し、縦(所定幅D)28.0mm×横(長さL)50.0mmとした。黄色ラベルのサンプル6枚(1〜6)をカラー反射濃度計(伊原電子工業株式会社製:カラー反射濃度計「R710」)で測定したところ、表1のような結果が得られた。
<製剤>
アクティブ製剤には、濃度が10mg/mLのタンパク液を用いた。本実施例で用いたタンパク液は、視覚的に黄色味がかっていた。分光色差計(SE 6000 (日本電色工業株式会社製))を用いて、水を標準溶液としてアクティブ製剤およびプラセボ製剤の色差ΔEを測定した。なお、この測定は、反射測定径をφ30mm、測定波長範囲を380nm
〜780nm、出力間隔を10nmにして行った。アクティブ製剤およびプラセボ製剤の、水との色差ΔEの測定結果はそれぞれ1.01、0.27であった。
<治験用瓶>
治験用瓶には、透明のガラス製であって、胴部の高さHが31mm、胴部の表面長さが24mm(内径が22mm)のものを用いた。治験用瓶の胴部の周囲の2/3の長さは50.0mmであった。治験用瓶の胴部の内周面の一の接線と胴部の外周面とが交わる2点X1、X2を瓶表面の長周囲側の周方向に結ぶ長さL1は65.5mmであった。
<検体準備>
1.アクティブ製剤10本以上、プラセボ製剤10本以上を用意した。
2.合計10本になるように、ランダムにアクティブ製剤とプラセボ製剤を取り出し、ランダムに1-10番の番号をキャップの蓋に記入する。その際、アクティブ又はプラセボ製剤は少なくとも3本以上含むこととした。
3.同様の手順で、合計10本の製剤を取り出し、11-20番の番号をキャップの蓋に記入した。その際、アクティブ又はプラセボ製剤は少なくとも3本以上含むこととした。
4.1-10番の治験用瓶(バイアル品)に黄色ラベルを貼付した。黄色ラベルは縦28.0mm、横50.0mmでカットする。貼付高さは瓶底から約1mmの高さとした(以下、これらを「黄色ラベル群」とする。)。
5.11-20番の治験用瓶に白色ラベルを貼付した。白色ラベルは縦28.0mm、横50.0mmでカットした。貼付高さは瓶底から約1mmの高さとした(以下、これらを「白色ラベル群」とする。)。
6.試験監督者は、各番号の製剤がアクティブ製剤かプラセボ製剤か控えておいたが、試験実施者には開示しないようにした。
<試験準備>
1.通常の蛍光灯下の居室(約890lux)にて黄色ラベル群、白色ラベル群を用意した。
2.9人の試験実施者を選択した。先入観で試験を実施することを防止するため、製剤の特性情報を与えず、製剤の識別不能性試験を実施した。
<試験開始>
1.試験実施者を一人ずつ居室に入れ試験を行った。
2.試験実施者には特に予備情報を与えず、テーブルの上に置かれた黄色ラベル群10本を、2分間の時間で製剤の違いを識別し、2グループに分けるように指示した。
3.試験監督者は、ストップウォッチで2分間測定し、終了後、試験実施者はグループ分けの結果を記載した。識別できない場合は、「識別不可」の欄に記載した。
4.同様の手順にて「白色ラベル群」についても識別不能性試験を実施し、試験実施者は結果を記載した。
5.上記識別不能性試験を人数分実施した。
<判定基準>
識別不能性の判定基準を以下のように設定した。
なお、この試験は各群のサンプルを2グループに分ける作業であり、どちらかがアクティブ製剤かプラセボ製剤かを直接識別する試験ではない。
1.正答率100% : 完全に識別可能である。
2.正答率80‐90%: ほとんど識別可能である。
3.正答率50‐70%: 識別不可である。
4.識別不可 : 識別不可である。
正答率50%:ランダムに2グループに分けても50%の確率で正答となり、「識別不可」とする
正答率70%:ある程度識別できている可能性はあるが、残りの30%は誤答であり、その結果アクティブ製剤とプラセボ製剤が混在することになる。よって「識別不可」とする。
<結果・考察>
黄色ラベル群と白色ラベル群の識別不能性試験の結果を図8に示す。その結果、黄色ラベル群はすべての試験実施者が、「識別不可」または「正答率50‐70%」であったため、識別不能性は確保されていると言える。一方、白色ラベル群は、「識別不可」は存在せず、また「正答率50‐70%」の試験実施者はいるものの、2/3の試験実施者が,「正答率80‐90%」または「正答率100%」であり、識別可能であったと言える。 よって、識別不能性は完全に確保されていないと言える。
また、黄色ラベル群と白色ラベル群の識別不能性試験の試験実施者個人の結果を表2に示す。黄色ラベル群と比較して、全体的に白色ラベル群の試験では正答率が上がっており、ほぼ全ての試験実施者が白色ラベル群を識別しやすい傾向にあることがわかった。また黄色ラベル群では「識別不可」であった2名の試験実施者が、両名とも白色ラベル群では「正答率100%」であった。
以上の結果より、本発明に包含される黄色ラベルは、通常治験薬に使用している白色ラベルと比較して、識別不能性を確保する点で効果があることが確認された。
(試験2)
試験2では、ラベルの横(長さL)の長さを変えて上記試験1と同様の試験を行った。
黄色ラベル及び白色ラベルの寸法は、直径24mmの治験用瓶に対し、縦(所定幅D)28.0mm×横(長さL)37.5mmとした。このラベルの横の長さは、治験用瓶の胴部の周囲の1/2(半分)の長さである。黄色ラベル及び白色ラベルに関しては、横(長さL)の長さ以外、上記試験1と同様である。
試験2では、試験1の<試験準備>において、約934luxの明るさの蛍光灯下の居室にて黄色ラベル群、白色ラベル群を用意した以外は、試験1と同様の条件で行った。すなわち、試験2は、上記試験1の<製剤>、<治験用瓶>、<検体準備>、<試験開始>、<判定基準>の条件に従って行った。
<結果・考察>
黄色ラベル群と白色ラベル群の識別不能性試験の結果を図9に示す。その結果、黄色ラベル群は、9人中8人の試験実施者が、「識別不可」または「正答率50‐70%」であったため、識別不能性は確保されていると言える。一方、白色ラベル群は、「識別不可」は存在せず、また「正答率50‐70%」の試験実施者はいるものの、2/3の試験実施者が,「正答率80‐90%」または「正答率100%」であり、識別可能であったと言える。
よって、識別不能性は完全に確保されていないと言える。
また、黄色ラベル群と白色ラベル群の識別不能性試験の試験実施者個人の結果を表3に示す。黄色ラベル群と比較して、全体的に白色ラベル群の試験では正答率が上がっており、9人中8人の試験実施者が白色ラベル群を識別しやすい傾向にあることがわかった。また黄色ラベル群では「識別不可」であった2名の試験実施者が、両名とも白色ラベル群では「正答率100%」であった。
以上の結果より、本発明に包含される黄色ラベルは、通常治験薬に使用している白色ラベルと比較して、識別不能性を確保する点で効果があることが確認された。
本発明は、治験用瓶の中身が薬液かプラセボ液かを視覚的に識別し難くして、十分な精度の治験を行う際に有用である。
1 治験用瓶
10 瓶本体
12 ラベル
12b 貼付面
21 胴部
A 液体
L 所定長さ
D 所定幅

Claims (10)

  1. 薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶用のラベルであって、
    ラベルの貼付面が有色に着色されており、
    前記瓶の胴部の周囲の半分以上の長さと、前記胴部の高さの半分以上の幅を有する、ラベル。
  2. 前記ラベルの胴部周方向の長さが、前記胴部の横断面における前記胴部の内周面の一の接線と前記胴部の外周面とが交わる2点を胴部表面の長周囲側の周方向に結ぶ長さと同等或いはそれ以上に設定され、
    前記ラベルの胴部高さ方向の幅が、前記胴部の高さと同等に設定されている、請求項1に記載のラベル。
  3. 前記薬液がタンパク液である、請求項1又は2に記載のラベル。
  4. 前記貼付面が前記薬液と同色に着色されている、請求項1〜3のいずれかに記載のラベル。
  5. 前記貼付面が黄色に着色されている、請求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のラベルが貼付された治験用瓶。
  7. 薬液又はプラセボ液が収容された、請求項6に記載の治験用瓶。
  8. 薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶にラベルを貼付する方法であって、
    貼付面が有色に着色されたラベルを、前記瓶の胴部に貼付する工程を有し、
    前記工程において、前記ラベルを、前記胴部の周囲の半分以上の範囲に貼付し、前記胴部の高さの半分以上の範囲に貼付する、ラベルの貼付方法。
  9. 薬液又はプラセボ液を収容する治験用瓶に貼付面が有色のラベルを貼付し、外観上、前記治験用瓶の収容物が前記貼付面の色に見えるようにして、治験用瓶の収容物を視覚的に識別し難くする方法。
  10. 貼付面が有色であって、外観上、治験用瓶の収容物が前記貼付面の色に見えるようにして、治験用瓶の収容物を視覚的に識別し難くするための治験用瓶用のラベル。
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