以下は本開示の実施例内の図面と合わせて、本開示の実施例での技術案に対し明確で十分な説明を行うが、明らかに、説明する実施例は本開示の実施例の一部分であり、全ての実施例ではない。
図1は本開示の実施例の応用場面を例示的に図示したものである。図1では典型的なオフィスエリアを示している。当該オフィスエリアは四つの制限エリア、つまり制限エリア1〜4を含み、図1では四つの丸のように示している。当該四つの制限エリアはエリア制限ネットワークを構成している。各制限エリアはエリア通信機器及び近距離通信装置を備えている。モバイル端末は入り口からオフィスエリアに入って、最初に制限エリア1に入り、制限エリア2を通過し、そして制限エリア3から出て行く。モバイル端末が各制限エリアに入る時、すべて当該制限エリア内のエリア通信機器を用いて通信を行うことができ、或いは当該制限エリア内のある多機能機器を用いる操作権限を取得できる。
図1の各制限エリアは異なるセキュリティレベルを持つことができる。典型的には、制限エリアの範囲が広いほど、そのセキュリティレベルは低くなり、制限エリアの範囲が狭いほど、そのセキュリティレベルは高くなる。図1では、セキュリティレベルが高い制限エリアから順に制限エリア3、制限エリア2、制限エリア1、制限エリア4となっている。この他に、異なる制限エリア同士は重なってもよく、重ならなくてもよい。
各制限エリアはエリア通信機器及び近距離通信装置を備える。当該近距離通信装置は各制限エリアのエリア範囲を確定するのに用い、当該近距離通信装置はBluetooth(登録商標)、赤外線技術、超広帯域(UWB、Ultra Wideband)技術、近接通信技術などを用いてモバイル端末とインタラクティブ通信し、モバイル端末にその当該近距離通信装置と対応する制限エリアに対しての位置を判断させることができる。当該近距離通信装置が採用する通信技術は本開示の実施例の制限を構成しない。以下では、当該近距離通信装置がBluetoothを発信するのを例として説明を行う。当該近距離通信装置のテレコムグラウンドは当該制限エリアのビーコンノードで、その位置は既知であり、それによりビーコンノードに基づき対応する制限エリアのエリア範囲を区分できる。エリア通信機器は当該制限エリアに進入するモバイル端末と通信を行い、モバイル端末に当該エリア通信機器を経由してデータ送信及びリソース利用を行なわせる。
モバイル端末は例えば携帯電話、タブレットPC、ノートPC、車載通信機器などであり、その具体的なタイプは本開示の実施例に対する制限を構成しない。モバイル端末は各制限エリア内の近距離装置とのインタラクティブ通信によって各制限エリアに対しての位置を判断する。例えば、モバイル端末が当該制限エリアに接近しているのか、当該制限エリアに進入しているのか、それとも当該制限エリアを離れたのかを判断する。モバイル端末は各制限エリアの位置に対する判断に基づき、ある制限エリア内のエリア通信機器を選択して通信を行い、且つそれに応じ選択した制限エリア内のエリア通信機器とハンドシェイク操作を実行する。
本開示の実施例において、制限エリアとは、物理的な方法によってその範囲の唯一の境界線を人為的に制御及び調節できるエリアを指す。当該制限エリア内のモバイル端末または通信機器は各種通信方式によって相互に通信を行うことができる。当該制限エリア内のモバイル端末は前記制限エリア内のエリア通信機器を用いて当該制限エリア外のその他の機器と通信を行うことはできない。前述したように、制限エリアは近距離通信装置により各種方式で制限できる。例えば、制限エリアは赤外線送信機の送信する赤外線によって範囲を確定したエリアでよい。またライト送信機の送信する光線によって範囲を確定したエリアでもよいが、当該ライト送信機が送信する光線は良好な指向性がなければならず、発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)の送信する光が適している。またマイクロ波送信機の送信するマイクロ波によって範囲を確定したエリアでもよい。また近接通信(Near Field Communication,NFC)技術を利用して範囲を確定したエリア等でもよい。当該制限エリアは一つの物理層の概念である。
一つまたは複数の制限エリアはエリア制限ネットワークを構成することができる。図1で示したエリア限定ネットワークには四つの制限エリアが含まれている。例えば家庭のエリア制限ネットワークでは、一つの制限エリアしか含まれていないというのが典型である。倉庫のようなその他の建築物では、さらにより多くの制限エリアを含めることができる。それゆえ、エリア制限ネットワーク内の制限エリアの数は一つか二つまたは更に多くてもよい。
図2は本開示の実施例のモバイル端末に対する一つの制限エリアの移動例を例示的に示したものである。図2が示すように、ユーザーはモバイル端末10を手に持ち制限エリアに向かって移動し、当該制限エリアを通り越え、それから当該制限エリアを離れる。当該制限エリアは近距離通信装置20及びエリア通信機器30を有する。近距離通信装置20は丸が示すようにエリア範囲を制限している。モバイル端末10は移動過程中、近距離通信装置20から常時前記制限エリアと対応するエリア情報を受信でき、また常時前記モバイル端末の移動データを感知でき、且つ前記エリア情報及び移動データに基づいて前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算する。最初に、ユーザーが手に持つモバイル端末10がP1に位置する時、モバイル端末は移動特性確率の計算に基づいてモバイル端末10がすでに前記制限エリアに近づいたと判断できる。ユーザーが手に持つモバイル端末10がP2またはP3に位置する時、モバイル端末は算出した移動特性確率に基づいてモバイル端末10がすでに前記制限エリアに進入したと判断できる。ユーザーが手に持つモバイル端末10がP4に位置する時、モバイル端末は算出した移動特性確率に基づいてモバイル端末10が制限エリアを離れたと判断できる。つまり、モバイル端末10はエリア制限ネットワーク内の制限エリアに対しての位置を判断する。判断した位置を利用し、モバイル端末は制限エリア内のエリア通信機器とハンドシェイクの操作を行うかどうか決定し、通信を実行することができる。
図3は本開示の実施例のエリア制限ネットワークに用いる位置判断方法300のフローチャートを例示的に図示したものである。当該位置判断方法300は図1が示すようなエリア制限ネットワークに用いることができる。そのエリア制限ネットワークは一つまたは複数の制限エリアを含むことができる。典型として、当該位置判断方法300を応用する電子機器は図1または図2が示すようなモバイル端末でよく、或いは当該モバイル端末と通信可能なその他の電子機器でもよい。以下では、前記電子機器は前記モバイル端末を例として紹介するが、しかしこれは例に過ぎず、本開示の実施例に対する制限を構成することはできない。
図3が示すように、エリア制限ネットワークに用いる位置判断方法300には、前記モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータを取得すること(S310)、前記エリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算すること(S320)、前記移動特徴確率に基づいて前記モバイル端末の前記エリア制限ネットワーク中の位置を判断すること(S330)を含む。
S310において、前記モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータを取得する。当該エリア相関パラメータは前記モバイル端末の制限エリアに対する位置を判断するのに用いる。このため、当該エリア相関パラメータには前記制限エリアのエリア情報、及び前記モバイル端末の移動を表すための移動情報が含まれ、当該移動情報は前記モバイル端末の位置が変わるとともに変化する。
S320において、前記エリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。当該移動特性確率はモバイル端末の制限エリアに対する各移動特性の確率を表す。前記移動特性は例えばモバイル端末が制限エリアに近づく、モバイル端末が制限エリアに進入する、モバイル端末が制限エリアを離れるなどである。それに応じ、当該移動特性確率には前記モバイル端末が前記制限エリアに近づく接近確率、前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率、前記モバイル端末が前記制限エリアを離れる退出確率を含めることができる。
例として、S320において、エリア相関パラメータ内から移動特性情報を抽出することができる。そして抽出した移動特性情報に基づいて前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。抽出した移動特性情報は例えば、モバイル端末の移動傾向を表すのに用いる移動傾向特性、モバイル端末とビーコンノードの間の信号質量を表すのに用いる信号質量特性、モバイル端末の移動方向を表すのに用いる方向特性、モバイル端末のビーコンノードに対する移動軌跡を表すのに用いる移動軌跡特性という、以上のパラメータのうち少なくとも一つを含む。各特性パラメータは単独または相互に組み合わせてモバイル端末の制限エリアに対する移動意図を判断でき、且つ移動特性確率の計算に用いることができる。
S330において、前記移動特性確率に基づいて前記エリア制限ネットワーク内のモバイル端末の位置を判断する。前記移動特性確率は前記モバイル端末が前記制限エリアに近づく接近確率、前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率、前記モバイル端末が前記制限エリアを離れる退出確率を含むと仮定する。例として、当該接近確率、進入確率、退出確率の和を1とすることができる。
エリア制限ネットワークが一つの制限エリアを含む時、モバイル端末の当該制限エリアに対する接近確率、進入確率、及び退出確率のこの三つの確率値の比較を行うことができる。接近確率が最大値を有する時、モバイル端末は制限エリアに近づいてきており、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。進入確率が最大値を有する場合、モバイル端末はすでに前記制限エリアに進入しており、且つ制限エリアのエリア範囲内にあると確定する。退出確率が最大値を有する場合、モバイル端末はすでに前記制限エリアを離れ、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。
代替として、接近確率、進入確率、及び退出確率と対応する接近しきい値、進入しきい値、及び退出しきい値をそれぞれ設定することができる。当該接近しきい値、進入しきい値、及び退出しきい値は三つの確率値の一つだけがその対応するしきい値を超えることができるよう設定される。モバイル端末の当該制限エリアに対する接近確率が接近しきい値より大きい時、モバイル端末が前記制限エリアに近づいていると確定する。モバイル端末の制限エリアに対する進入確率が進入しきい値より大きい時、モバイル端末はすでに前記制限エリアに進入していると確定する。モバイル端末の当該制限エリアに対する退出確率が退出しきい値より大きい時、モバイル端末はすでに前記制限エリアを離れたと確定する。
注意すべき点として、上述の各確率値すべては有効な確率値を必要とする。典型として、確率値が所定しきい値より大きい場合、それを有効確率値とする。本文では、他の説明がない限り、取り上げる各確率値はすべて有効確率値である。
エリア制限ネットワークが二つまたはより多くの制限エリアを含む場合、以下のようにモバイル端末の各制限エリアに対する位置を判断することができる。前記複数の制限エリアとそれぞれ対応する複数の接近確率の中で最大接近確率を確定する。当該最大接近確率と当該最大接近確率を有する特定制限エリアの進入確率及び退出確率を比較する。当該最大接近確率が前記特定制限エリアの進入確率及び退出確率より大きい時、前記モバイル端末が前記特定制限エリアに近づいていると確定する。当該特定制限エリアの進入確率がそれら接近確率及び退出確率より大きい時、前記モバイル端末は前記特定制限エリア内にあると確定する。当該特定制限エリアの退出確率がそれら接近確率及び進入確率より大きい場合、前記モバイル端末は前記特定制限エリア内から離れたと確定する。
モバイル端末は恐らく動的な運動過程にある。モバイル端末が特定制限エリアを離れる時、モバイル端末は恐らくエリア制限ネットワークのその他の制限エリアに接近または進入する。これに応じ、その他の制限エリア間で対応する接近確率の中の最大接近確率を確定することができる。当該最大接近確率とその最大接近確率の有する特定制限エリアの進入確率及び退出確率を比較することでその位置を確定する。
エリア制限ネットワークの各制限エリア同士に重なりがある情況では、モバイル端末が特定制限エリアを離れる場合、当該特定制限エリアを除いたその他の制限エリア間で対応する進入確率の中の最大値を確定することができる。例えば、当該最大値が対応する進入しきい値より等しいか大きい時、モバイル端末は最大進入確率を有する制限エリア内にあると確定する。当該最大値が対応する進入しきい値より小さい場合、モバイル端末が最大進入確率を有する制限エリア内にないと確定し、且つ継続してその他の制限エリア間で対応する接近確率の中の最大接近確率を確定することにより、モバイル端末が近付いている制限エリアを判断する。
本開示の実施例のエリア制限ネットワークに用いる位置判断方法の技術案では、モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算することで、前記エリア制限ネットワークにおける前記モバイル端末の位置を判断するが、これにより広い範囲において正確にモバイル端末の位置を判断させることができる。
図3と合わせて説明した位置判断方法は前記モバイル端末の前記制限エリア内での通信を制御するのに用いることができる。例として、前記モバイル端末が前記特定制限エリア内にあると確定した時、前記モバイル端末に当該特定制限エリアのエリア通信設備との通信接続を確立させる。前記モバイル端末が前記特定制限エリアを離れたと確定した時、前記モバイル端末に前記エリア通信設備との通信接続を切断させる。つまり、各制限エリアに対する位置の判断に基づき、ある制限エリア内のエリア通信機器を選択してモバイル端末と通信を行い、且つモバイル端末が離れた時は直ちに通信を切断し、これにより制限エリア内の通信セキュリティを保証することができる。
以下はさらに図3中の各ステップ内の具体的操作及び実装について説明する。
図3のS310において、以下のような操作によって前記エリア相関パラメータを取得することができる。前記制限エリアのビーコンノードから前記制限エリアと対応するエリア情報を受信する。及び前記モバイル端末の慣性センサーデータを感知する。制限エリア内のビーコンノードの位置は既知であり、こうすることでビーコンノードはそれと対応する制限エリアのエリア範囲を提供することができる。当該ビーコンノードは典型として図1及び図2を合わせて説明した近距離通信装置内に位置し、さらには当該近距離通信装置でもよい。本文では、近距離通信装置等はビーコンノードと同様とみなし説明を行う。
前記制限エリアのビーコンノードから受信する前記制限エリアと対応するエリア情報には前記ビーコンノードの受信信号強度指示(RSSI,Received Signal Strength Indicator)及び前記制限エリアのエリア制限情報が含まれる。ビーコンノードのRSSIは近距離通信装置が送信するBluetooth、赤外線信号、光信号などのRSSIである。当該RSSIはビーコンノードのキャリア受信信号強度を特徴づけるのに用い、モバイル端末からビーコンノードまでの逆方向リンクの動作状態を判断するのに用いる。当該RSSIはモバイル端末とビーコンノード間の距離、チャネル環境すべてと関係する。
図4はビーコンノードのRSSIの距離に対しての変化を例示的に図示したものである。ビーコンノードはBluetoothを送信する。図4において、横軸はモバイル端末とビーコンノード間の距離dを表し、縦軸はビーコンノードのRSSIを表す。図4から分かるように、モバイル端末とビーコンノード間の距離dが大きくなる時、ビーコンノードのRSSIは小さくなる。つまり、ビーコンノードのRSSIはモバイル端末との距離dが増加するにつれて減少する。ビーコンノードとモバイル端末間の距離dが長くなるにつれて、前記ビーコンノードのRSSIは小さくなり、ビーコンノードのRSSIには大きな変動があるが、これはRSSI内の干渉の増加を意味する。それゆえ、ビーコンノードのRSSIに基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を取得することができる。
前記制限エリアのビーコンノードから受信するエリア情報には前記ビーコンノードのRSSIを含む以外に、さらに制限エリアのエリア制限情報を含めることができる。制限エリアのエリア制限情報には例えばビーコンノードの範囲パラメータ及び発射パワーを含む。
当該ビーコンノードの範囲パラメータは例えば図1及び図2内の制限エリアを表す円の半径である。理想的な通信環境において、信号の通信距離とそのパワーの間にはそれぞれの対応関係がある。それゆえ、信号パワー値を利用してビーコンノードの範囲パラメータを特徴付けることができ、さらに以下はこれを例として説明を行う。当該ビーコンノードの範囲パラメータに基づき、モバイル端末は対応する制限エリアの範囲を確定することができる。
ビーコンノードの発射パワーは典型的には近距離通信装置の送信する信号(例えば、Bluetooth、赤外線信号または光信号など)の実際の発射パワーである。当該の実際の発射パワーはビーコンノードまたは近距離通信装置の最大発射パワーでよく、また当該最大発射パワーより小さいパワー値でもよい。ビーコンノードの発射パワーはモバイル端末の移動傾向を確定するのに役立ち、さらにモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を確定する。
S310ではさらに前記モバイル端末の慣性センサーデータを感知することができる。当該慣性センサーデータには典型的には前記モバイル端末の移動速度及び地磁気角度のうち少なくとも一つを含む。例えば、モバイル端末内に重力センサーを設けることによりモバイル端末の慣性センサーデータを感知できる。移動速度はモバイル端末の運動方向及びスピードを特徴付けることができる。当該地磁気角度は例えば北向き角度の地磁気とし、それでモバイル端末の運動方向を特徴付けることができる。移動速度及び地磁気角度に基づきモバイル端末の移動軌跡特性を確定し、且つさらにモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を確定し、それによりモバイル端末の位置を確定することができる。
取得するエリア相関パラメータには制限エリアのビーコンノードの受信信号強度指示RSSI、制限エリアの範囲パラメータ、ビーコンノードの発射パワー、モバイル端末の移動速度及び地磁気角度を含められることを上述で説明した。これは例に過ぎず、本開示の実施例に対する制限を構成することはできない。具体的な応用では、前記エリア相関パラメータのうち一つまたは複数を選択することができ、またはさらにその他のエリア相関パラメータを採用することもできる。
図5は複数の制限エリアの環境内におけるモバイル端末がエリア相関パラメータ中のエリア情報を取得する概略図である。モバイル端末は制限エリアに対して動的な移動を行う。図5中の円はモバイル端末の一定時間毎の位置を示したもので、円の間の矢印はモバイル端末の移動ラインを示している。図5が示すように、モバイル端末が各円の位置にある時点はそれぞれt1からt12であり、各時点間は前記した所定の時間間隔である。当該所定時間は例えば10ms、20ms等である。モバイル端末は移動過程において常時S310を実行してエリア相関パラメータを取得する。具体的には、モバイル端末は各位置点と対応する時点上でエリア相関パラメータを取得する。つまり、図5が示す移動過程において、モバイル端末は12組のエリア相関パラメータを取得する。
モバイル端末の移動過程において、ビーコンノードは例えばBluetoothによって常時ブロードキャストパケットを送信する。例えば、時点t1では、モバイル端末はビーコンノードのBluetoothをスキャンし、当該ブロードキャストパケットを抽出し、前記当該パケットを解析して前記RSSI、制限エリアの範囲パラメータ、ビーコンノードの発射パワーを取得する。これと同時に、さらにモバイル端末のセンサー内からモバイル端末の移動速度及び地磁気角度を取得することができる。このように、モバイル端末は時点t1の一組のエリア相関パラメータを取得し、それにより各時点でのモバイル端末の位置を推測することができる。例えば、時点t1からt4では、取得したエリア相関パラメータに基づきモバイル端末が制限エリアに近づいていると判断できる。時点t5からt8では、取得したエリア相関パラメータに基づきモバイル端末が制限エリア内にあると判断できる。時点t9からt12では、取得したエリア相関パラメータに基づきモバイル端末が制限エリアを離れたと判断できる。
図1と合わせて説明したように、エリア制限ネットワーク内には恐らく一つまたは複数の制限エリアが含まれており、各制限エリアは各自のエリア情報を有する。それゆえ、モバイル端末は各ビーコンノードから対応する制限エリアのエリア情報を受信する。図6はモバイル端末が移動過程においてエリア相関パラメータを取得するのを例示的に図示したものである。
図6では三つのビーコンノード、すなわちビーコンノード1、2、3を示しているが、これは例に過ぎない。モバイル端末は各ビーコンノードのBluetoothが常時送信するブロードキャストパケットを受信する。例えば、モバイル端末はビーコンノードのBluetoothをスキャンし、当該ビーコンノードのブロードキャストパケットを抽出し、前記当該パケットを解析してRSSI、制限エリアの範囲パラメータR、及びビーコンノードの発射パワーRmaxを取得する。典型として、各ビーコンノードの範囲パラメータ及び発射パワーは時間と共に変化せず、三つのビーコンノードと対応する三つの範囲パラメータ及び発射パワーをそれぞれ得ることができる。モバイル端末の移動速度及び地磁気角度と制限エリアは無関係であり、時間の移り変わりと共に変化することを指している。
現在時点tで終了したN個の時点のエリア相関パラメータを取得すると仮定すると、ビーコンノードの数は三つであり、取得するRSSIは以下のマトリクスU1を用いて表することができる。
RSSI
t,1はビーコンノード1がt時点でのRSSIであり、RSSI
t-(N-1),1はビーコンノード1がt‐(N-1)時点でのRSSIであり、RSSI
t,3はビーコンノード3がt時点でのRSSIであり、RSSI
t-(N-1),3はビーコンノード3がt‐(N-1)時点のRSSIであり、これに類推する。取得した制限エリアの範囲パラメータR、ビーコンノードの発射パワーRmaxのデータは以下のマトリクスU2を利用して表示すことができる。
Rmax
1はビーコンノード1の発射パワーであり、R
1はビーコンノード1の範囲パラメータであり、これに類推する。取得したモバイル端末の移動速度及び地磁気角度のデータは以下のマトリクスU3を利用して表すことができる。
ビーコンノードの数が増加する時は、それに応じて上述のマトリクスU1からU3を拡張できる。
図3のステップS320において、S310で取得したエリア相関パラメータ(上述のマトリクスU1からU3が示すよう)に基づき前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算する。当該移動特性確率はモバイル端末の制限エリアに対する移動特性の確率の各項を表す。
図7は図3の位置判断方法中で移動特性確率を計算する(S320)ステップのフローチャートを例示的に図示したものである。図7が示すように、ステップS320には、エリア相関パラメータ内から各移動特性情報を抽出すること(S321)、各移動特性情報に基づき相応する移動特性相関確率を計算すること(S322)、及び各移動特性相関確率に基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算すること(S323)を含めることができる。前記S322及びS323内を用いる中で、抽出した移動特性情報に基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率の計算を実行する。
S321において抽出する移動特性情報は例えば、モバイル端末の移動傾向を表すのに用いる移動傾向特性Td、モバイル端末とビーコンノード間の信号質量を表すのに用いる信号質量特性Q、モバイル端末の移動方向を表すのに用いる方向特性D、モバイル端末のビーコンノードに対する移動軌跡を表すのに用いる相対的移動軌跡特性Trace、といった以上のようなパラメータのうち少なくとも一つである。以下は各特性パラメータの抽出について一つずつ説明する。
移動傾向特性Tdはモバイル端末の移動傾向trendの勾配値Δtrendに等しい。つまり、移動傾向特性Tdは以下の公式(1)によって表すことができる。
式中、trend
tはt時点の移動傾向であり、trend
t-1はt−1時点の移動傾向である。時点t−1から時間点tまではひとつの時間単位とし、それによって異なる時間単位の二つの移動傾向値の差はすなわち移動傾向の勾配値となる。モバイル端末の移動傾向trendは以下の公式(2)によって表すことができる。
式中、Rmax
1はビーコンノードiの発射パワー、R
1はビーコンノードiの範囲パラメータ、RSSI
tiはビーコンノードiのt時点のRSSIの平均値である。公式(2)で用いる各数値は上のマトリクスU1及びU2の中から取得できる。前記RSSI
tiは以下の公式(3)によって取得できる。
式中、Mは自然数であり、且つ例えば3、4、5等とする。RSSItimはビーコンノードiのt時点での第m個のRSSIであり、mは前記M以上かつ以下である。前記M個のRSSIは時点tから前に向かってM個の時点からそれぞれビーコンノードから受信したRSSIである。図5が示すように、時点t6の平均値RSSItiは時点t4、t5、t6上の三つのRSSIの平均でよい。このとき、Mは3に等しい。移動傾向特性TdRはモバイル端末の移動傾向を表すのに用いる。
信号質量特性QはRSSIの分散の勾配値に等しい。RSSIの分散は以下の公式(4)によって表すことができる。
式中、Vartはt時点のRSSIの分散である。Mは自然数である。RSSItimはビーコンノードiのt時点での第m個のRSSIであり、mは前記M以上かつ以下である。RSSItiはビーコンノードiのt時点のRSSIの平均値であり、且つ上の公式(3)によって計算できる。
信号質量特性Qは以下のような公式(5)によって表すことができる。
式中、Qはt時点の信号質量特性であり、Vart-1はt−1時点のRSSIの分散であり、Vartはt時点のRSSIの分散である。時点t−1から時点tまではひとつの時間単位とし、それによって異なる時間単位の二つのRSSIの分散の差はすなわち信号質量特性Qとなる。当該信号質量特性はモバイル端末とビーコンノード間の信号質量を表すのに用いる。
前記RSSIに基づきRSSI品質を判断し、当該RSSI品質に基づきモバイル端末の方向特性Dを計算する。方向特性Dはモバイル端末の方向勾配値△flに等しい。方向特性Dは以下のような公式(6)によって表すことができる。
式中、fltはt時点の方向であり、flt-1はt−1時点の方向である。時点t−1から時点tまではひとつの時間単位とし、それによって異なる時間単位の二つの方向の差はすなわち方向勾配値△fl(方向特性D)となる。当該信号質量特性はモバイル端末とビーコンノード間の信号質量を表すのに用いる。当該方向特性Dはモバイル端末の移動方向を表すのに用いる。
通常、RSSIの品質が不良な場合、モバイル端末のユーザーはビーコンノードに背中を向けており、この場合方向flの値は小さい。RSSIの品質が良好な場合、モバイル端末のユーザーはビーコンノードに向かっており、この場合方向flの値は大きい。それゆえビーコンノードのRSSIに基づきRSSI品質を判断することができ、当該RSSI品質に基づきモバイル端末の方向flを計算し、そのようにして方向特性Dを計算する。
RSSIの品質は以下のように判断できる。モバイル端末はユーザーに所持され、人体の遮断及び所持動作がRSSIの減少を招き、且つRSSIはモバイル端末とビーコンノード間の距離dの増加と共に減少するが、これは以下のような公式(7)によって表すことができる。
式中、A及びnは環境因子であり、dはモバイル端末とビーコンノード間の距離である。それゆえ、環境因子A及びnを用いてRSSIの品質を表せる。
直近にM回取得したRSSIの集合
については、式中のRSSI
timはビーコンノードiのt時点での第m個のRSSIであり、以下の公式(8)によってt時刻のRSSIの周波数領域特性g
tを定義できる。
式中、FT()は時間領域から周波数領域への変換関数であり、且つ例えば高速フーリエ変換である。当該周波数領域特性gtもRSSI品質を表すのに用いることができる。
この他に、RSSIの品質はさらに統計特性COR
tを用いて表すことができる。具体的には、以下の公式(9)によってt時刻のRSSIの統計モデルh(s)を定義できる。
式中、ST()は時間領域から周波数領域への変換関数である。t時刻のRSSIの統計特性COR
tは以下のような公式(10)を用いて表すことができる。
式中、h(s)はRSSIの統計モデルであり、G(s)は完全なガウス関数統計領域モデルを表し、correlation()はh(s)とG(s)の間の相関性を表わす。
従って、環境因子[A,n]、周波数領域特性gt、統計特性CORtのうち一つまたは複数を用いてRSSIの品質を表すことができる。例えば、環境因子[A,n]が大きいほど、RSSIの品質は悪くなる。環境因子[A,n]が小さいほど、RSSIの品質は良くなる。周波数領域特性gt中のノイズ周波数が高いほど、RSSIの品質は悪くなる。周波数領域特性gt中のノイズ周波数が低いほど、RSSIの品質は良くなる。統計特性CORtが表す相関性が低いほど、RSSIの品質は悪くなる。統計特性CORtの表す相関性が高いほど、RSSIの品質は良くなる。
上記で公式(1)から公式(10)と合わせて説明した、前記エリア相関パラメータには制限エリアのビーコンノードの受信信号強度指示RSSI、範囲パラメータ及び発射パワーが含まれる情況において、エリア相関パラメータから移動特性情報を抽出する。具体的には、上記の公式(1)から公式(3)と合わせて説明したように、前記RSSI、前記範囲パラメータ及び前記発射パワーに基づき移動傾向特性を計算する。上記の公式(4)から公式(6)と合わせて説明したように、前記RSSI、前記範囲パラメータ及び前記発射パワーに基づき信号質量特性を計算する。上記の公式(7)から公式(10)と合わせて説明したように、前記RSSIに基づきRSSI品質を判断し、当該RSSI品質に基づきモバイル端末の方向特性を計算する。
前記エリア相関パラメータにモバイル端末の移動速度及び地磁気角度を含む情況下で、前記エリア相関パラメータから移動特性情報を抽出することには、さらに前記移動速度及び地磁気角度に基づき相対的移動軌跡特性を計算することを含めることができる。
相対的移動軌跡特性Traceは(Δv,Δα)に等しい。Δvは移動機器の移動速度vの勾配値であり、Δαは移動機器の地磁気角度αの勾配値である。移動速度の勾配値Δvは以下の公式(11)によって表すことができる。
式中、v
tはモバイル端末のt時点の移動速度であり、v
t-1はモバイル端末のt−1時点の移動速度である。時点t−1から時点tまではひとつの時間単位とし、それによって異なる時間単位の二つの移動速度の差はすなわち移動速度vの勾配値となる。モバイル端末の地磁気角度の勾配値Δαは以下の公式(12)によって表すことができる。
式中、αtはモバイル端末のt時点の地磁気角度であり、αt-1はモバイル端末のt−1時点の地磁気角度である。時点t−1から時点tまではひとつの時間単位とし、それによって異なる時間単位の二つの地磁気角度の差はすなわち地磁気角度αの勾配値となる。
S321において、一つの制限エリアと合わせて運動特性情報の抽出を説明した。エリア制限ネットワークに複数の制限エリアを含む情況下で、各制限エリアに対して上述の抽出動作を実行できる。
図7のS322において、S321で抽出した各移動特性情報の一つ一つに対応してモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。具体的には、抽出した特性パラメータに移動傾向特性Td(すなわち、移動傾向の勾配値Δtrend)を含む情況下で、前記移動傾向特性に基づき移動傾向相関確率を計算する。抽出した特性パラメータに信号質量特性Q(すなわち、RSSIの分散の勾配値ΔVar)を含む情況下で、前記信号質量特性に基づき信号質量相関確率を計算する。抽出したパラメータに方向特性D(すなわち、方向勾配値Δfl)を含む情況下で、前記方向特性に基づき方向相関確率を計算する。抽出した特性パラメータに相対的移動軌跡特性Trace(すなわち、移動速度の勾配値Δv及び/または地磁気角度の勾配値Δα)を含む情況下で、前記相対的移動軌跡特性に基づき移動軌跡相関確率を計算する。
抽出する特性パラメータが移動傾向特性Tdを含む情況下で、以下のように移動傾向相関確率を計算できる。モバイル端末が制限エリアから受信したRSSIの勾配値が0より大きい時、モバイル端末が当該制限エリアに近づいてくるのを反映している。モバイル端末が制限エリアから受信するRSSIの勾配値が0より小さい時、モバイル端末が一つの制限エリアから遠ざかっていくのを反映している。以下の公式(13)によって制限エリアの傾向値が0より大きい回数を定義することができる。
式中、bは直近でN回計算したうちの移動傾向の勾配値Δtrend(すなわち、移動傾向特性Td)が0より大きい回数である。さらに、以下の公式(14)及び公式(15)によって移動傾向相関確率を計算することができ、その移動傾向相関確率には第一近距離パラメータ
(外1)
及び第一遠距離パラメータ
(外2)
を含む。
式中、第一近距離パラメータ
(外3)
はモバイル端末が制限エリアに近づく確率を表すのに用い、第一遠距離パラメータ
(外4)
はモバイル端末が制限エリアから遠ざかる確率を表すのに用いる。ここで、移動傾向相関確率は第一近距離パラメータ
(外5)
及び第一遠距離パラメータ
(外6)
の二者を含むよう示すが、これは例に過ぎない。応用では、第一近距離パラメータ
(外7)
及び第一遠距離パラメータ
(外8)
の一つを選択し移動傾向相関確率とすることができる。
抽出する特性パラメータが信号質量特性Qを含む情況下で、以下のように信号質量相関確率を計算することができる。モバイル端末が制限エリアから受信するRSSIの分散の勾配値ΔVarが0より小さい時、モバイル端末が当該制限エリアに近づいてくるのを反映している。モバイル端末が制限エリアから受信するRSSIの分散の勾配値ΔVarが0より大きい時、モバイル端末が当該制限エリアから遠ざかっていくのを反映している。以下の公式(16)によってRSSIの分散(すなわち信号質量特性Q)が0より大きい回数を定義できる。
式中、xは直近でN回計算したうちのRSSIの分散ΔVar(すなわち、信号質量特性Q)が0より小さい回数を表わす。さらに、以下の公式(17)及び公式(18)によって信号質量相関確率を計算でき、当該信号質量相関確率には第二近距離パラメータ
(外9)
及び第二遠距離パラメータ
(外10)
を含む。
式中、第二近距離パラメータ
(外11)
はモバイル端末が制限エリアに近づく確率を表すのに用い、第二遠距離パラメータ
(外12)
はモバイル端末が制限エリアから遠ざかる確率を表すのに用いる。ここで、信号質量相関確率は第二近距離パラメータ
(外13)
及び第二遠距離パラメータ
(外14)
の二者を含むよう示すが、これは例に過ぎず、応用では第二近距離パラメータ
(外15)
及び第二遠距離パラメータ
(外16)
の一つを選択し信号質量相関確率とすることができる。
抽出した特性パラメータが方向特性D(すなわち、方向勾配値Δfl)を含む情況下で、以下のように方向相関確率を計算できる。モバイル端末のある制限エリアに対する方向勾配値Δflが0より大きい時、モバイル端末がその限定エリアに近づいてくることを反映している。モバイル端末のある制限エリアに対する方向勾配値Δflが0より小さい時、モバイル端末が当該制限エリアから遠ざかっているのを反映している。以下の公式(19)によって方向勾配値Δflが0より大きい回数を定義できる。
式中、uは直近でN回計算したうちの方向勾配値Δflが(すなわち、方向特性D)0より大きい回数を表わす。さらに、以下の公式(20)及び公式(21)によって方向相関確率を計算でき、当該方向相関確率には第三近距離パラメータ
(外17)
及び第三遠距離パラメータ
(外18)
を含む。
式中、第三近距離パラメータ
(外19)
はモバイル端末が制限エリアに近づく確率を表すのに用い、第三遠距離パラメータ
(外20)
はモバイル端末が制限エリアから遠ざかる確率を表すのに用いる。ここで、方向相関確率を第三近距離パラメータ
(外21)
及び第三遠距離パラメータ
(外22)
の二者を含むよう示すが、これは例に過ぎず、応用では第三近距離パラメータ
(外23)
及び第三遠距離パラメータ
(外24)
の一つを選択し方向相関確率とすることができる。
抽出する特性パラメータが相対的移動軌跡特性Trace(すなわち、移動速度の勾配値Δv及び/または地磁気角度の勾配値Δα)を含む情況下で、以下のように移動軌跡相関確率を計算できる。モバイル端末が徐々に制限エリアに近づいている時、当該モバイル端末の移動速度のジッタ及び地磁気角度のジッタはますます小さくなる。逆に、モバイル端末が徐々に制限エリアから遠ざかっている場合、当該モバイル端末の移動速度のジッタ及び地磁気角度のジッタはますます大きくなる。以下の公式(22)によってモバイル端末の移動速度のΔvの函数f(Δv)を定義できる。
式中、Var(Δv)はモバイル端末の移動速度の直近でN回計算したうちの勾配値Δvの分散である。以下の公式(23)によってモバイル端末の地磁気角度の勾配値Δαの函数f(Δv)を定義できる。
式中、Var(Δα)はモバイル端末の地磁気角度の直近でN回計算したうちの勾配値Δαの分散である。さらに、以下の公式(24)及び(25)に基づき移動計算軌跡相関確率を計算するが、当該移動軌跡相関確率には第四近距離パラメータ
(外25)
と第四遠距離パラメータ
(外26)
が含まれる。
式中、第四近距離パラメータ
(外27)
はモバイル端末が制限エリアに近づく確率を表すのに用い、第四遠距離パラメータ
(外28)
はモバイル端末が制限エリアから遠ざかる確率を表すのに用いる。ここで、移動軌跡相関確率を第四近距離パラメータ
(外29)
及び第四遠距離パラメータ
(外30)
の二者を含むよう表すが、これは例に過ぎず、応用では第四近距離パラメータ
(外31)
及び第四遠距離パラメータ
(外32)
の一つを選択し移動傾向相関確率とすることができる。
上述のS332では、四つの移動特性相関確率、すなわち移動傾向相関確率、信号質量相関確率、方向相関確率、移動軌跡相関確率の計算を示した。前記四つの移動特性相関確率は例に過ぎない。応用では必要に応じ四つの移動特性相関確率内の一つまたは複数を計算することができ、さらにその他のパラメータを用いて移動特性相関確率としてもよく、それはモバイル端末が制限エリアに近いまたは遠い確率を表せればよい。
図7が示すように、S322では各移動特性相関確率を計算した後、S323において前記移動傾向相関確率、前記信号質量相関確率、前記方向相関確率、前記移動軌跡相関確率のうち少なくとも一つに基づいて前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。言い換えれば、実際には、四つの移動特性相関確率のうち一つまたは複数を選択的に用いて移動特性確率を計算することができる。ここでは、前記の四つの移動特性相関確率の使用を例として移動特性確率を計算する。具体的には、S323において、前記移動傾向相関確率、前記信号質量相関確率、前記方向相関確率、前記移動軌跡相関確率のうち少なくとも一つに基づき前記モバイル端末が前記制限エリアに近づく接近確率PPROX、前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率PIN、前記モバイル端末が前記制限エリアから離れた退出確率POUTをそれぞれ計算することができ、移動特性確率とする。すなわち、移動特性確率はマトリクス[PPROX,PIN,POUT]を用いて表すことができる。
上述のように、前記移動傾向相関は第一近距離パラメータ
(外33)
及び第一遠距離パラメータ
(外34)
を含み、前記信号質量相関確率は第二近距離パラメータ
(外35)
及び第二遠距離パラメータ
(外36)
を含み、前記方向相関確率は第三近距離パラメータ
(外37)
及び第三遠距離パラメータ
(外38)
を含み、前記移動軌跡相関特性は第四近距離パラメータ
(外39)
及び第四遠距離パラメータ
(外40)
を含む。前記第一から第四近距離パラメータのうちいずれかをモバイル端末が前記制限エリアに近づく程度を特徴付けるのに用い、前記第一から第四遠距離パラメータのうちいずれかをモバイル端末が前記制限エリアから遠ざかる程度を特徴付けるのに用いる。例として、前記第一近距離パラメータから第四近距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率P
INを計算する。前記第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が制限エリアを離れる退出確率P
OUTを計算する。前記第一近距離パラメータから第四近距離パラメータのうち少なくとも一つ及び前記第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が制限エリアに近づく接近確率P
PROXを計算する。具体的には、以下のような公式(26)中の函数fによって各移動特性確率を計算できる。
式中、w
iは異なる確率のウェイトであり、式中i=1から8、且つ
を満たし、且つ
である。例えば、f函数はそれ自体の変数の二つのマトリクスの乗算操作とする。この時、公式(26)は以下の公式(27)のように変わる。
進入確率PINを計算する時、公式(27)中のw2、w4、w6、w8はすべて0にでき、第一近距離パラメータから第四近距離パラメータに対して加重動作を行うことによって進入確率PINを計算する。退出確率POUTを計算する時、公式(27)中のw1、w3、w5、w7はすべて0にでき、前記第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータに対して加重動作を行うことによって退出確率POUTを計算する。接近確率PPROXを計算する時、公式(27)中のw1、w3、w5、w7中の少なくとも一つを0とし、且つ w2、w4、w6、w8中の少なくとも一つを零として、前記第一近距離パラメータから第四近距離パラメータのうち少なくとも一つ及び前記第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記接近確率PPROXを計算できる。
以上、図7と合わせて移動特性確率の計算を説明したが、特定の制限エリアに対して、異なる時間上でモバイル端末の移動特性確率を計算することができる。図5を例とすると、時点t4、t6、t9、t11上で進入確率P
IN、退出確率P
OUT、接近確率P
PROXをそれぞれ計算することにより、モバイル端末が各時点の位置にあると判断する。この他に、エリア制限ネットワークが複数の制限エリアを含む場合、各時点に対して、各制限エリアに対し移動特性確率をそれぞれ計算し、それにより以下のような移動特性確率マトリクスU4を構築することができる。
式中、P1PROXはビーコンノード1の接近確率であり、P1INはビーコンノード1の進入確率であり、P1OUTはビーコンノード1の退出確率であり、P2PROXはビーコンノード2の接近確率であり、P2INはビーコンノード2の進入確率であり、P2OUTはビーコンノード2の退出確率であり、これに類推する。
以上、図7と合わせて前記エリア相関パラメータに基づく前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率の計算を説明した(S320)。図3のS330において、前記移動特性確率に基づいて前記モバイル端末が前記エリア制限ネットワーク内に位置することを判断する。移動特性確率には進入確率PIN、退出確率POUT、接近確率PPROXを含むと仮定する。
エリア制限ネットワークに一つの制限エリアが含まれる時、モバイル端末の当該制限エリアに対する進入確率PIN、退出確率POUT、接近確率PPROXの三つの確率値の比較を行う。接近確率PPROXが最大値を有する時、モバイル端末は前記制限エリアに近づいてきており、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。進入確率PINが最大値を有する時、モバイル端末はすでに前記制限エリアに進入しており、且つ前記制限エリアのエリア範囲内にあると確定する。退出確率POUTが最大値を有している時、モバイル端末はすでに前記制限エリアから離れ、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。代替として、接近確率、進入確率、及び退出確率と対応する接近しきい値TPPROX、進入しきい値TPIN、退出しきい値TPOUTをそれぞれ設定することができる。当該接近しきい値TPPROX、進入しきい値TPIN、及び退出しきい値TPOUTは三つの確率値の一つだけがその対応するしきい値を超えることができるよう設定される。
図8は図3の位置判断方法中の移動特性確率に基づきモバイル端末の位置を判断するのを例示的に図示したものである。図8では、四つの時点T1、T2、T3及びT4上の四つの位置を示している。各時点上では、進入確率PIN、退出確率POUT、接近確率PPROXの三つの確率値すべてを測定して得ている。時点T1上では、三つの確率値のうち接近確率PPROXが最大または接近しきい値TPPROXより大きく、それによりモバイル端末は前記制限エリアに近づいてきていると確定する。時点T2上では、三つの確率値のうち進入確率PINが最大または進入しきい値TPINより大きく、それによりモバイル端末は前記制限エリアにあると確定する。時点T3上では、三つの確率値のうち進入確率PINが最大または進入しきい値TPINより大きく、それによりモバイル端末は前記制限エリアにあると確定する。時点T4上では、三つの確率値のうち退出確率POUTが最大または退出しきい値TPOUTより大きく、それによってモバイル端末が制限エリアを離れたと確定する。
図9は図3の位置判断方法中の複数の制限エリアの情況下で移動特性確率に基づき判断したモバイル端末の位置を例示的に図示したものである。図9では、ビーコンノードB1〜B4とそれぞれ対応する制限エリア1〜4を示している。点線はモバイル端末の移動ルートを示している。図9中の時点t1において、確率マトリクスU4が示すような移動特性確率を得ることができ、それには四つの制限エリアと対応する移動特性確率が含まれ、且つその確率マトリクスU4中の要素値は時間と共に変化する。時点t1上の位置は以下のように確定できる。前期確率マトリクスU4上の第一列中の接近確率PPROXの最大値を確定し、当該最大値はP1PROXとし、制限エリア1と対応する接近確率とする。当該最大接近値P1PROXと制限エリア1の進入確率P1IN及び退出確率P1OUTを比べ、且つそのP1PROXが最大であると発見することにより、前記モバイル端末が前記特定制限エリアに近づいていると確定する。時点t1の後から時点t2の前の過程において、P1PROX、P1IN、P1OUTの変化を検査できる。制限エリア1の進入確率P1INがその接近確率P1PROX及び退出確率P1OUTより大きい時、前記モバイル端末が制限エリア1内にあると確定できる。当該特定制限エリアの退出確率P1OUTがその接近確率P1PROX及び進入確率P1INより大きい時、前記モバイル端末が特定制限エリア内から離れたと確定する。
モバイル端末が制限エリア1を離れた後、確率マトリクスU4上の第一列中のP2PROXが最大であると確定することにより、モバイル端末が制限エリア2に近づいていると判断し、その後P2PROX、P2IN、P2OUTの変化を検査する。制限エリア2と対応する進入確率P1INがその接近確率P2PROX及び退出確率P2OUTより大きい時、前記モバイル端末が制限エリア2内にあると確定できる。制限エリア2と対応する退出確率P2OUTがその接近確率P2PROX及び進入確率P1INより大きい時、前記モバイル端末が前記制限エリア2内から離れたと確定する。
図9から分かるように、制限エリア3と制限エリア4同士は重なりがある。モバイル端末が制限エリア2を離れる時、直接制限エリア3に進入する。それに応じて、モバイル端末が一つの制限エリアを離れたと確定した時、以下のような公式を採用しモバイル端末の位置を確定できる。具体的には、モバイル端末が図9の制限エリア2を離れる時、確率マトリクスU4中の制限エリア2以外の制限エリア1、3、4の進入確率P1IN、P3IN、P4INを検査することができ、且つP3INが最大且つ進入しきい値TPINより大きいと発見できれば、モバイル端末が前記制限エリア3内に位置すると判断できる。モバイル端末が制限エリア3に位置した後、制限エリア3と対応するP3PROX、P3IN、P3OUTの変化を検査する。時点t4で、制限エリア3と対応する退出確率P3OUTがその接近確率P3PROX及び進入確率P3INより大きいと発見できた時、前記モバイル端末が制限エリア3を離れたと確定できる。
この他に、モバイル端末が制限エリア1を離れた後に進入確率P2IN、P3IN、P4INを検査するならば、モバイル端末が制限エリア2、3、4のうちいずれかの一つにも進入していないことを発見するかもしれない。それに応じて、確率マトリクスU4上の第一列中の接近確率PPROXの最大値を再度確定することができる。最大の接近確率と対応する制限エリアの移動特性確率の値を検査することにより、モバイル端末の位置を確定する。
上述の図8及び図9と合わせて行った説明に基づき、当業者は応用において適切な方式を採用し、移動特性確率に基づき前記モバイル端末の前記エリア制限ネットワーク中の位置を判断できる。
本開示の実施例の位置判断方法は前記モバイル端末の各制限エリアにおける通信を制御するのに用いることができる。例として、モバイル端末が特定制限エリア内にある時、前記モバイル端末に当該特定制限エリアのエリア通信機器と通信接続を確立させる。モバイル端末が特定制限エリアを離れた時、モバイル端末にエリア通信機器との通信接続を切断させる。モバイル端末の移動過程において、本開示の実施例の位置判断方法を断続的に利用してモバイル端末の位置を判断し、且つ判断結果に基づいて適切な通信方式の選択を行う必要がある。
図10は図3の位置判断方法を利用しネットワーク操作を実行する過程を例示的に図示したものである。具体的には、図9の応用場面と合わせてネットワーク操作を説明する。モバイル端末がオフィスエリアに進入した後、各制限エリアのブロードキャスト信号をスキャンすることにより、ネットワーク操作を開始する。
S1001において、モバイル端末は本開示の実施例の位置判断方法を用いてモバイル端末が一つの制限エリアに近づくまで位置判断を実行する。
もしS1001でモバイル端末がある制限エリアに近づいたと判断した場合、例えば図9中の制限エリア1として、前記ネットワーク操作はS1002に進み、本開示の実施例の位置判断方法を用いて移動機器が制限エリア1に進入したか否かを判断する。
もしS1002でモバイル端末が制限エリア1に進入したと判断した場合、前記ネットワーク操作はS1003に進む。S1003において、モバイル端末は当該制限エリア1内のエリア通信機器と通信接続を確立する。もしS1002でモバイル端末が制限エリア1に進入していないと判断した場合、モバイル端末はS1001を継続して実行しモバイル端末が制限エリア1に近づいていると確定する。
S1003中の通信の実行過程において、本開示の実施例の位置判断方法を用いてモバイル端末が制限エリア1を離れたか否かを判断する(S1004)。もしS1004でモバイル端末が制限エリア1を離れたと判断した場合、モバイル端末と制限エリア1内のエリア通信機器との通信を切断し(S1005)、さらに本開示の実施例の位置判断方法を用いてモバイル端末が制限エリア1以外のその他の制限エリアに進入したか否かを判断する(S1006)。ここで、S1005及びS1006は同時に生じるか、またはS1005の前にS1006を実行でき、二者の順序は本開示の実施例に対する制限を構成しない。
S1006ではモバイル端末がその他の制限エリアに進入したと判断するかもしれず、例えば図9中のようにt3時点上で制限エリア3に進入したと判断する場合、S1003に戻り、モバイル端末は当該制限エリア3内のエリア通信機器と通信接続を確立し、その後の過程は前に同じである。S1006ではモバイル端末がその他の制限エリアに進入していないと判断するかもしれず、例えば図9中のモバイル端末が制限エリア1を離れても制限エリア2に進入していない時間帯においては、本開示の実施例の位置判断方法を用いて、モバイル端末が離れた制限エリア以外のその他の制限エリアに近づいたか否かを判断する(S1007)。
もしS1007でその他の制限エリアに近づいたと判断した場合、上述のS1002に戻り、本開示の実施例の位置判断方法を用いてモバイル機器が近づいた制限エリアに進入したか否かを判断し、その後の過程は前に同じである。
上述の図10と合わせて説明した位置判断方法の応用は例に過ぎず、それは本開示の実施例に対して制限を構成しない。必要に応じて、当業者はさらに位置判断方法をその他に応用することができる。
図11は本開示の実施例の電子機器1100のブロック図を例示的に図示したものである。電子機器1100は図1が示すようなエリア制限ネットワークに用いることができる。当該エリア制限ネットワークには一つまたは複数の制限エリアを含めることができる。典型として、電子機器1100を応用する電子機器は図1または図2が示すようなモバイル端末でよく、または当該モバイル端末と通信できるその他の電子機器でもよい。
図11が示すように、前記電子機器1100には一つまたは複数の処理器1110、記憶ユニット1120、入力ユニット1130、出力ユニット1140、通信ユニット1150、及び画像入力機能を有する画像採集ユニット1160を含めることができる。それらのコンポーネントはバスシステム1170及び/またはその他の形式の接続機構(図示しない)によって相互に接続する。注意すべき点として、図11が示す電子機器1100のコンポーネント及び構成は例示的なものであり、制限的なものではない。必要に応じて、電子機器1100はその他のコンポーネント及び構成を有することもでき、さらに例えば入力ユニット1130、出力ユニット1140等を含まなくてもよい。
処理器1110は中央処理ユニット(CPU)またはデータ処理能力及び/または命令実行能力を有するその他の形式の処理ユニットでよく、さらに第一探索装置1100中のその他のコンポーネントを制御して所望する機能を実行できる。
記憶ユニット1120は一つまたは複数のコンピュータプログラム製品を含むことができ、前記コンピュータプログラム製品は例えば揮発性メモリ及び/または非揮発性メモリ等、各種形式のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。前記揮発性メモリには例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/またはキャッシュメモリ(cache)等を含むことができる。前期非揮発性メモリには例えば読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリ等を含むことができる。前記コンピュータ可読記憶媒体は一つまたは複数のコンピュータプログラムコマンドを記憶でき、処理器1110がそのプログラムコマンドを実行することで、上述の本開示の実施例の図3から図9と合わせて説明した位置判断方法の各ステップ、または本開示の実施例の図10と合わせて説明したネットワーク通信の各ステップを実現することができる。前記コンピュータ可読記憶媒体はさらに、例えばディスプレイ画面の動作状態、アプリケーションの操作状態等、各種アプリケーション及び各種データを記憶できる。
入力ユニット1130はユーザーがコマンドを入力するためのユニットで、且つキーボード、マウス、マイク、及びタッチパネル等のうち一つまたは複数を含むことができる。入力ユニット1140は外部へ(例えばユーザー)各種情報(例えば画像または音声)を出力することができ、且つディスプレイ、スピーカー等のうち一つまたは複数を含むことができる。
通信ユニット1150はネットワークまたはその他の技術によってその他ユニット(例えばパーソナルコンピュータ、サーバー、移動局、基地局等)と通信することができ、前記ネットワークはインターネット、無線ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワークなどでよい。例えば、前記通信ユニット1150は制限エリア内のビーコンノードから信号を受信する受信部及び制限エリア内のエリア通信機器と通信を行う通信部を含む。前記受信部は各ビーコンノードから各ビーコンノードと対応するエリア信号を受信する。前記処理器1110は前記エリア信号に基づき電子機器と制限エリアとの関連するエリア相関パラメータを取得する。前記エリア相関パラメータに基づき前記電子機器の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算する。前記移動特性確率に基づいて前記電子機器がエリア制限ネットワーク内に位置すると判断する。この他に、通信ユニット1150中の通信部は電子機器のエリア制限ネットワーク内での位置に基づき、制限エリア内のエリア通信機器の通信動作、例えば通信接続の確率、通信接続の切断等を制御することができる。
本開示の実施例の電子機器1100の技術案では、モバイル端末と制限エリアとの関連するエリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の前記制限エリア対する移動特性確率を計算することにより、前記モバイル端末が前記エリア制限ネットワーク内に位置すると判断し、これにより広い範囲内でモバイル端末の位置を正確に判断させることができる。この他に、位置判断結果に基づき、安全な通信接続を効果的に確立することができる。
図12は本開示の実施例の位置判断装置1200のブロック図を例示的に図示したものである。位置判断装置1200は図1が示すようなエリア制限ネットワークに用いることができる。当該エリア制限ネットワークは一つまたは複数の制限エリアを含むことができる。典型として、位置判断装置1200を応用する電子機器は図1または図2が示すようなモバイル端末でよく、または当該モバイル端末と通信接続できるその他の電子機器でもよい。ここでは電子機器は前記モバイル端末を例として紹介するが、これは例に過ぎず、本開示の実施例に対する制限を構成しない。
図12が示すように、位置判断装置1200には、前記モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータを取得するための取得ユニット1210、前記エリア関連パラメータに基づき前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算するための確率計算ユニット1220、前記移動特性確率に基づいて前記エリア制限ネットワーク内での前記モバイル端末の位置を判断するための位置判断ユニット1230を含むことができる。
取得ユニット1210は前記モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータを取得する。当該エリア相関パラメータは前記モバイル端末の制限エリアに対する位置を判断するのに用いる。このため、当該エリア相関パラメータには前記制限エリアのエリア情報、及び前記モバイル端末の移動を表すのに用いる移動情報を含むことができ、当該移動情報は前記モバイル端末の位置が変わるとともに変化する。
取得ユニット1210はセンサー1211及び近距離通信モジュール1212のうち少なくとも一つを含むことができる。近距離通信モジュール1212は制限エリアのビーコンノードから前記制限エリアと対応するエリア情報を受信する。近距離通信モジュール1212は前記モバイル端末の慣性センサーデータを感知する。制限エリア内のビーコンノードの位置は既知であり、これによりビーコンノードをそれと対応する制限エリアのエリア範囲に提供できるようにさせる。
近距離通信モジュール1212は制限エリア内の近距離通信装置と通信し、制限エリアのビーコンノードから受信する前記制限エリアと対応するエリア情報にはビーコンノードのRSSI及び制限エリアのエリア制限情報を含むことができる。ビーコンノードのRSSIは近距離通信装置が送信するBluetooth、赤外線信号、光信号などのRSSIである。当該RSSIはビーコンノードのキャリア受信信号強度を特徴付けるのに用い、モバイル端末からビーコンノードまでの逆方向リンクの動作状態を判断するのに用いる。当該RSSIはモバイル端末及びビーコンノード間の距離、チャネル環境とすべて関係がある。RSSIとモバイル端末及びビーコンノード間の距離の関係は図4の図示及び図4と合わせて行った説明を参照できる。ビーコンノードのRSSIに基づいて前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を取得することができる。
近距離通信モジュール1212は前記制限エリアのビーコンノードから受信するエリア情報にはビーコンノードのRSSIを含む以外に、さらに制限エリアのエリア制限情報を含むことができる。制限エリアのエリア制限情報は例えばビーコンノードの範囲パラメータ及び発射パワーを含む。信号パワー値を用いてビーコンノードの範囲パラメータを特徴付けることができる。ビーコンノードの発射パワーは典型的には近距離通信装置の送信する信号(例えば、Bluetooth、赤外線信号または光信号など)の実際の発射パワーである。ビーコンノードの発射パワーはモバイル端末の移動傾向を確定するのに役立ち、それによりさらにモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を確定する。
センサー1211はモバイル端末の慣性センサーデータを感知する。当該慣性センサーデータは典型的には前記モバイル端末の移動速度及び地磁気角度のうち少なくとも一つを含む。センサー1211は例えば重力センサーとする。移動速度はモバイル端末の運動方向及びスピードを特徴付けることができる。当該地磁気角度は例えば北向きの地磁気角度であり、それでモバイル端末の運動方向を特徴付けることができる。移動速度及び地磁気角度に基づきモバイル端末の移動軌跡特性を確定し、且つさらにモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を確定することで、モバイル端末の位置を確定することができる。
取得ユニット1210がモバイル端末の移動過程においてエリア相関パラメータを取得する例としては図5及び図5と合わせて行った説明を参照できるが、それにより異なる時点のエリア相関パラメータを取得する。エリア制限ネットワーク内に一つか複数の制限エリアを含む情況において、各制限エリアは自身のエリア情報を有する。それゆえ、モバイル端末は各ビーコンノードから対応する制限エリアのエリア情報を受信できる。取得ユニット1210が複数の制限エリアの環境においてエリア相関パラメータを取得する操作は図6及び図6と合わせて行った説明を参照できるが、取得したエリア相関パラメータは上述のマトリクスU1、U2、U3を参照できる。
確率計算ユニット1220は取得ユニット1210が取得するエリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。当該移動特性確率はモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率の各項を表す。前記移動特性は例えばモバイル端末が制限エリアに近づく、モバイル端末が制限エリアに進入する、モバイル端末が制限エリアを離れるなどとする。これに応じて、当該移動特性確率には前記モバイル端末が前記制限エリアに近づく接近確率、前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率、前記モバイル端末が前記制限エリアを離れる退出確率を含むことができる。
例として、確率計算ユニット1220はエリア相関パラメータから移動特性情報を抽出し、且つ抽出した移動特性情報によりモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算することができる。移動特性情報に基づいて移動特性確率を計算する例として、確率計算ユニット1220は各移動特性情報に基づき対応する移動特性相関確率を計算し、且つ各移動特性相関確率に基づきモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。
前記エリア相関パラメータに前記制限エリアのビーコンノードの受信信号強度指示RSSI、範囲パラメータ及び発射パワーを含む情況において、確率計算ユニット1220はRSSI、制限エリアの範囲パラメータ及び発射パワーに基づき移動傾向特性Tdを計算することができ、且つ具体的には上述の公式(1)から公式(3)と合わせて行った説明を参照できる。RSSI、前記範囲パラメータ及び発射パワーに基づき信号質量特性Qを計算するが、具体的には上述の公式(4)から公式(6) と合わせて行った説明を参照できる。前記RSSIに基づきRSSIの品質を判断し、RSSIの品質に基づきモバイル端末の方向特性Dを計算するが、具体的には上述の公式(7)から公式(10) と合わせて行った説明を参照できる。前記エリア相関パラメータにモバイル端末の移動速度及び地磁気角度を含む情況において、確率計算ユニット1220は前記移動速度及び地磁気角度に基づき相対的移動軌跡特性を計算することができるが、具体的には上述の公式(11)から公式(12)と合わせて行った説明を参照できる。各特性パラメータは単独または相互に組み合わせてモバイル端末の制限エリアに対する移動意図を判断でき、且つ移動特性確率の計算に用いることができる。エリア制限ネットワークが複数の制限エリアを含む情況において、確率計算ユニット1220は各制限エリアそれぞれに対して上述の抽出操作を実行することができる。
確率計算ユニット1220は抽出した各移動特性情報の一つ一つに対応してモバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算する。具体的には、抽出する特性パラメータが移動傾向特性Td(すなわち、移動傾向の勾配値Δtrend)を含む情況下で、確率計算ユニット1220の前記移動傾向特性に基づき移動傾向相関確率を計算する。当該移動相関確率は第一近距離パラメータ
(外41)
及び第一遠距離パラメータ
(外42)
のうち少なくとも一つを含むことができるが、具体的には上述の公式(13)から公式(15)と合わせて行った説明を参照できる。抽出した特性パラメータが信号質量特性Q(すなわち、RSSIの分散値勾配値ΔVar)を含む情況において、確率計算ユニット1220は前記信号質量特性に基づき信号質量相関確率を計算し、当該信号質量相関確率には第二近距離パラメータ
(外43)
及び第二遠距離パラメータ
(外44)
のうち少なくとも一つを含むことができるが、具体的には上述の公式(16)から公式(18)と合わせて行った説明を参照できる。抽出した特性パラメータが方向特性D(すなわち、方向勾配値Δfl)を含む情況において、確率計算ユニット1220は前記方向特性に基づき方向相関確率を計算し、当該方向相関確率には第三近距離パラメータ
(外45)
及び第三遠距離パラメータ
(外46)
のうち少なくとも一つを含むことができるが、具体的には上述の公式(19)から公式(21)と合わせて行った説明を参照できる。抽出する特性パラメータが対応する移動軌跡特性Trace(すなわち、移動速度の勾配値Δv及び/または地磁気角度の勾配値Δα)を含む情況において、確率計算ユニット1220は前記相対的移動軌跡特性に基づき移動軌跡相関確率を計算し、当該移動軌跡相関確率には第四近距離パラメータ
(外47)
及び第四遠距離パラメータ
(外48)
のうち少なくとも一つを含むことができるが、具体的には上述の公式(22)から公式(25)と合わせて行った説明を参照できる。前記の四つの移動特性相関確率は例に過ぎない。応用では、必要に応じて前記の四つの移動特性相関確率の中の一つまたは複数を計算することができ、さらにその他のパラメータを用いて移動特性相関確率としてもよく、モバイル端末が制限エリアに近いまたは遠い確率を表せればよい。
確率計算ユニット1220はさらに各移動特性相関確率に基づき前記モバイル端末の制限エリアに対する移動特性確率を計算するが、例えば前記移動傾向相関確率、前記信号質量相関確率、前記方向相関確率、及び前記移動軌跡相関確率のうち少なくとも一つに基づき、前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算する。さらに、確率計算ユニット1220は前記移動傾向相関確率、前記信号質量相関確率、前記方向相関確率、及び前記移動軌跡相関確率のうち少なくとも一つに基づき前記モバイル端末が前記制限エリアに近づく接近確率PPROX、前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率PIN、前記モバイル端末が前記制限エリアから離れる退出確率POUTをそれぞれ計算し、前記移動特性確率とすることができる。すなわち、移動特性確率はマトリクス[PPROX,PIN,POUT]を用いて表すことができる。移動特性確率の計算は公式(26)及び公式(27)と合わせて行った説明を参照できる。要約すると、確率計算ユニット1220は前記第一近距離パラメータから第四近距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が前記制限エリア内にある進入確率を計算する。前記第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が前記制限エリアを離れる退出確率を計算する。前記第一近距離パラメータから第四近距離パラメータのうち少なくとも一つ及び第一遠距離パラメータから第四遠距離パラメータのうち少なくとも一つに対して加重操作を行うことによって前記モバイル端末が制限エリアに近づく接近確率を計算する。
特定の制限エリアに対して、確率計算ユニット1220は異なる時間上でモバイル端末の移動特性確率を計算し、モバイル端末の各時点の位置を判断することができる。さらに、エリア制限ネットワークに複数の制限エリアを含む状況において、各時点に対して、確率計算ユニット1220は各制限エリアそれぞれに対して移動特性確率を計算し、それによって以下のような移動特性確率マトリクスU4を構築することができる。
位置判断ユニット1230は前記移動特性確率に基づいて前記モバイル端末が前記エリア制限ネットワーク内に位置すると判断する。移動特性確率には進入確率PIN、退出確率POUT、接近確率PPROXを含むと仮定する。エリア制限ネットワークに一つの制限エリアが含まれる時、位置判断ユニット1230はモバイル端末の当該制限エリアに対する進入確率PIN、退出確率POUT、接近確率PPROXの三つの確率値の比較を行う。接近確率が最大値を有する時、位置判断ユニット1230はモバイル端末が前記制限エリアに近づいてきており、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。進入確率が最大値を有する時、位置判断ユニット1230はモバイル端末がすでに前記制限エリアに進入しており、且つ前記制限エリアのエリア内にあると確定する。退出確率が最大値を有している時、位置判断ユニット1230はモバイル端末がすでに前記制限エリアから離れており、且つ前記制限エリアのエリア範囲外にあると確定する。
代替として、位置判断ユニット1230は接近確率、進入確率、及び退出確率とそれぞれ対応する接近しきい値、進入しきい値、退出しきい値を設定することができる。当該接近しきい値、進入しきい値、及び退出しきい値は三つの確率値の一つだけがその対応するしきい値を超えることができるよう設定される。モバイル端末の当該制限エリアに対する接近確率が接近しきい値より大きい時、モバイル端末が前記制限エリアに近づいていると確定する。モバイル端末の当該制限エリアに対する進入確率が前記進入しきい値より大きい時、モバイル端末はすでに前記制限エリアに進入していると確定する。モバイル端末の当該制限エリアに対する退出確率が前記退出しきい値より大きい時、モバイル端末はすでに前記制限エリアを離れたと確定する。注意すべき点として、各確率値はすべて有効な確率値である。位置判断ユニット1230の判断操作を実行のする具体的な例は図8及び図9の図示及び関連の説明を参照できる。
エリア制限ネットワークに複数の制限エリアを含む状況において、位置判断ユニット1230は以下のように位置判断を実行できる。前記複数の制限エリアとそれぞれ対応する複数の接近確率中で最大接近確率を確定する。当該最大接近確率と当該最大接近確率を有する特定制限エリアの進入確率及び退出確率を比較する。当該最大接近確率が前記特定制限エリアの進入確率及び退出確率より大きい時、前記モバイル端末が前記特定制限エリアに近づいていると確定する。当該特定制限エリアの進入確率がそれら接近確率及び退出確率より大きい時、前記モバイル端末は前記特定制限エリア内にあると確定する。当該特定制限エリアの退出確率がそれら接近確率及び進入確率より大きい場合、前記モバイル端末は前記特定制限エリア内から離れたと確定する。
エリア制限ネットワークの各制限エリア同士に重なりがある情況において、モバイル端末が特定制限エリアを離れた時、位置判断ユニット1230は当該特定制限エリア以外のその他の制限エリア間に対応する進入確率中の最大値を確定することができる。例えば、当該最大値が対応する進入しきい値より大きい時、位置判断ユニット1230はモバイル端末が最大進入確率を有する制限エリア内にあると確定する。当該最大値が対応する進入しきい値より小さい時、位置判断ユニット1230はモバイル端末が最大進入確率を有する制限エリア内にいないと確定し、且つ継続してその他の制限エリア間において対応する接近確率中の最大接近確率を確定することにより、モバイル端末が近づいている制限エリアを判断する。
本開示の実施例のエリア制限ネットワークに用いる位置判断装置の技術案に基づいて、モバイル端末と前記制限エリアとの関連するエリア相関パラメータに基づき前記モバイル端末の前記制限エリアに対する移動特性確率を計算し、それによりエリア制限ネットワークにおける前記モバイル端末の位置を判断するが、これにより広い範囲において正確にモバイル端末の位置を判断できるようにさせる。
この他に、図11及び図12と合わせて説明した位置判断装置はモバイル端末のエリア制限ネットワークにおける通信の制御に用いることができる。これに応じて、図12が示すように、位置判断装置は一つのエリア通信装置と接続できる。当該エリア通信装置は図1及び図2内で述べたエリア通信機器と通信を行う。例として、位置判断装置が前記モバイル端末は前記特定制限エリア内にあると確定した時、前記エリア通信装置に当該特定制限エリアのエリア通信機器と通信接続を確立させる。位置判断装置が前記モバイル端末は前記特定制限エリアを離れたと確定した時、前記エリア通信装置に前記エリア通信機器との通信接続を切断させる。すなわち、各制限エリアに対して判断した位置に基づき選択したある制限エリア内のエリア通信機器がモバイル端末と通信を行い、さらにモバイル端末が離れた時は直ちに通信を切断することにより、制限エリア内の通信セキュリティを保証する。モバイル端末の移動過程において、本開示の実施例の位置判断装置を断続的に利用することでモバイル端末の位置を判断し、且つ判断結果に基づいて適切な通信方法を採用し実行する必要があるかもしれない。位置判断装置の判断結果に基づいて通信を実行する例については、図10の図示及び関連の説明を参照できる。
注意すべき点として、本開示において言及する長所、利点、効果等は例示にすぎず限定的なものではない。これらの長所、利点、効果等は本開示の各実施例に必ず備えるべきだとみなすことはできない。
本開示において関連する器材、装置、ユニットのブロック図は例示的なものであり、必ずブロック図が示すような方式に基づいて接続、レイアウト、配置しなければならないと要求または暗示する意図はない。当業者であれば、これらの器具、装置、設備、システムを任意の方式により接続、レイアウト、配置できると知っている。例えば「含む」、「包含する」、「備える」などの語句は開放性語彙であり、「含むが限定しない」を指し、且つ互換して用いることができる。ここで用いた語彙「または」及び「及び」の語句は「及び/または」を指し、且つ文の前後に明確な指示がない限りは互換して用いることができる。ここで用いた語彙「例えば」の語句は「例えるが限定しない」を指し、且つ互換して用いることができる。
本開示中のステップフローチャート及び以上の方法の説明は例示的なものに過ぎず、各実施例のステップを必ず提供した順序で行わなければならないと要求または暗示する意図はない。当業者であれば、以上の実施例中のステップは任意の順序に従って実行できると知っている。例えば「その後」、「それから」、「続いて」等の語句にステップの順序を制限する意図はない。これらの語句は単にこれらの方法を通読する読者を導く表現に過ぎない。この他に、例えば冠詞「一つ」、「一」または「当該」の使用は単数の要素の如何なる引用に対し、その要素を制限する単数としては解釈されない。
開示する方面の以上の説明を提供することにより、当業者に本開示を作り出させるまたは使用させる。これらの方面に対する各種の修正は当業者にとって非常に明らかであり、さらにここで定義する一般原理はその他の方面で応用でき、本公開の範囲から逸脱しない。それゆえ、本開示はここで示した方面で制限されることを意図せず、ここで開示した原理及び新規の特徴が一致する最も広い範囲に従う。
例示及び説明を目的として以上の説明を行った。このほかに、ここでの説明は本開示の実施例をここで開示した形式に限定することを意図してはいない。以上で多くの例示した方面及び実施例を考慮したとしても、当業者であればそれがある種の変型、修正、変化、追加及び組み合わせであることを知っている。
その他の例及び実現方法は本開示及び添付する特許請求の範囲及び精神内にある。例えば、ソフトウェアの本質によって、前記の機能は処理器、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤードまたはこれらの任意の組み合わせにより実行するソフトウェアにより実現させることができる。実現する機能の特徴も物理的に各位置に置くことができ、機能の一部分を異なる物理的な位置で実現するために割り振ることを含む。そのうえ、ここで用いたような、特許請求内で用いたものを含め、「少なくとも一つ」で始まる項の列挙中で用いた「または」は分離の列挙を指し、例えば「A、BまたはCの少なくとも一つ」が意味するのはAまたはBまたはC、またはABまたはACまたはBC、またはABC(つまりA及びB及びC)を意味する。この他に、「例示的」は説明する例示が優先的或いはその他の例よりも優れているという意味ではない。
以上で述べることは、本開示の具体的な実施方式に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本技術分野を周知するいかなる当業者であれ、本開示が明らかにする技術範囲内で、変化または代替を容易に思いつくことができ、すべては本開示の保護範囲内にある。それゆえ、本開示の保護範囲は上述の特許請求の保護範囲を基準とする。