JP2017036887A - 空気清浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱臭運転と加湿運転を同時に行う場合に、通風抵抗が少なく、運転騒音を小さく、風量の減少が少なくて済み、脱臭フィルタの交換が不要で、加湿運転のオンオフ制御が可能な、コンパクトな空気清浄機を提供すること。
【解決手段】空気の吸込口19と吹出口20とを結ぶ空気通路17を内部に有する筐体11と、空気通路17内に設けられ吸込口19から吸引した空気を吹出口20から吐出させる送風機15と、回転式の脱臭フィルタ12と、脱臭フィルタ12の一部を加熱して脱臭フィルタ12を再生する加熱再生部13と、直方体形状の加湿フィルタ14と、脱臭フィルタ12を回転させる駆動源としての駆動部と、加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段と、脱臭フィルタ12および加湿フィルタ14と、駆動部または加湿水供給手段の少なくとも一方とを、空気通路17内の通風方向に対して重ならないように配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、脱臭運転と加湿運転の両方の運転を同時に行うことのできる空気清浄機に関する。
従来、脱臭機能と加湿機能の両方を1つの装置で実現する空気清浄機が知られている。この種の空気清浄機は、筐体内に設けられた空気通路内に送風機と共に、脱臭フィルタと加湿フィルタとが直列に配置されており、送風機によって筐体内に導入された空気を脱臭フィルタで脱臭した後、加湿フィルタで加湿した空気を再び室内空間に戻している。このように、従来の空気清浄機は、空気中の臭いを除去しつつ、空気に適度な湿り気を与えることにより空気の清浄化を行っている。
しかし、この種の空気清浄機では、脱臭フィルタと加湿フィルタを直列に配置した状態で送風機により空気を循環させているため、空気が二種類のフィルタを通過することから、通風抵抗が大きくなって、運転音が増大すると共に、風量が減少するという問題点が指摘されている。
そこで、脱臭フィルタと加湿フィルタとを空気通路に対してずらして配置することで、通風抵抗を下げることが提案されている。しかし、効率の良い回転式の脱臭フィルタや加湿フィルタを並列に配置しようとすると、空気通路内に円板状のフィルタを2つ配置することになり、デッドスペースが生じ易く、空気清浄機の筐体部分を大きくせざるを得なかった。
特開2008−39329号公報
このため、上記特許文献1では、脱臭フィルタと除塵フィルタとを含む空気清浄用フィルタと、空気を加湿する気化フィルタとを空気通路に対して、一部が重なるように並列に配置することによって、通風抵抗を改善し、その分騒音を少なくして、風量の減少を防いでいる。
しかしながら、このような特許文献1にあっては、気化フィルタの上流側に脱臭フィルタを配置しているため、空気の流れは脱臭フィルタを含む空気清浄用フィルタのみを通過するルートと、空気清浄用フィルタと気化フィルタの両方を通過するルートの並列となり、通風抵抗の改善度合いがそれ程高くないことから、依然として騒音があり風量が減少するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、脱臭運転と加湿運転を同時に行う場合でも、通風抵抗が少なく、運転騒音を小さく、風量の減少が少なくて済むコンパクトな空気清浄機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気清浄機は、脱臭運転と加湿運転とを同時に行うことができる空気清浄機であって、空気の吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、前記空気通路内に設けられ前記吸込口から吸引した空気を前記吹出口から吐出させる送風機と、回転式の脱臭フィルタと、前記脱臭フィルタの一部を加熱して脱臭フィルタを再生する加熱再生部と、直方体形状の加湿フィルタと、前記脱臭フィルタを回転させる駆動源としての駆動部と、前記加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段と、を備え、前記脱臭フィルタおよび前記加湿フィルタと、前記駆動部または前記加湿水供給手段の少なくとも一方とを前記空気通路内の通風方向に対して重ならないように配置することを特徴とする。
また、本発明の空気清浄機において、前記加湿水供給手段は、前記加湿フィルタの上部に配置して前記加湿フィルタに加湿水を供給する加湿水供給部と、前記加湿水供給部から供給される加湿水を受けて前記加湿フィルタ全体を湿潤させる散水孔が形成された水受け部とを備えていることが好ましい。
また、本発明の空気清浄機において、前記加湿水供給手段は、前記加湿水を貯留する水トレイから前記加湿水供給部まで加湿水をくみ上げる加湿水汲み上げ部をさらに備え、同加湿水汲み上げ部は、前記加湿フィルタと通風方向に対して重ならないように配置することが好ましい。
また、本発明の空気清浄機において、前記加湿水汲み上げ部は、前記加湿フィルタと隣接して配置することが好ましい。
本発明によれば、脱臭運転と加湿運転を同時に行う場合であっても、通風抵抗が少なくなって、運転騒音や風量の減少が少なくなり、コンパクトな空気清浄機が得られるという効果を奏する。
図1は、本実施例にかかる空気清浄機を前方から見た内部構成の概略透視図である。 図2は、図1の空気清浄機のX−X線断面図である。 図3は、空気清浄機の加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段の一構成例としてバケツ汲み上げ方式を用いた概略斜視図である。 図4は、空気清浄機の加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段の一構成例としてスクリューポンプ方式を用いた概略斜視図である。 図5は、空気清浄機の加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段の一構成例として水タンク方式を用いた概略斜視図である。 図6は、空気清浄機の加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段の一構成例として吸い上げポンプ方式を用いた概略斜視図である。 図7は、空気清浄機の脱臭フィルタを回転させる駆動部の一構成例を示す概略図である。 図8は、本実施例にかかる空気清浄機の構成ブロック図である。 図9は、本実施例にかかる空気清浄機の加湿制御動作を説明するフローチャートである。
以下に、本発明にかかる空気清浄機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
まず、空気清浄機の内部構成について説明する。図1は、本実施例にかかる空気清浄機を前方から見た内部構成の概略透視図であり、図2は、図1の空気清浄機のX−X線断面図である。
本実施例にかかる空気清浄機10は、図1に示すように、脱臭運転を行うための脱臭フィルタ12と、加湿運転を行うための加湿フィルタ14とを備えている。脱臭フィルタ12は、加熱再生型の触媒フィルタを円板状に形成し、その中心に設けた回転軸12aにより回転可能に軸支されている。そして、この脱臭フィルタ12には、その一部を両面から覆う扇型の加熱再生部13が設けられている。この加熱再生部13は、脱臭フィルタ12と対向する内側に加熱用ヒータが配置され、脱臭フィルタ12を一定時間加熱することで吸着した臭気成分が分解されて、臭気吸着機能を再生することができる。臭気吸着機能の再生は、扇型に覆われた加熱再生部13でのみ行われるため、一部の加熱再生処理が終わると脱臭フィルタ12を後述する駆動部を使って回転させ、再生エリアを順次移動させていくことで、脱臭フィルタ12全体を加熱再生処理することができる。加熱用ヒータとしては、例えばシーズヒータなどを用いることができる。脱臭フィルタ12の加熱再生処理の一例としては、扇型の加熱再生部13を使い、触媒フィルタを1日かけて1回転させて、脱臭フィルタ12を全面に渡って加熱することで臭い成分を分解し、脱臭能力を回復させる。シーズヒータの加熱温度や回復頻度については、使用状況に応じて適宜変えることができる。
また、本実施例にかかる空気清浄機10は、図2に示すように、筐体11の内部を隔壁18で仕切ることで、空気の吸込口19と吹出口20とを結ぶ空気通路17を形成し、その途中には、空気通路17内の空気を吸込口19から吹出口20に向かって流通させるための送風機15が設けられている。送風機15は、ファンモータ15aとシロッコファン15bとで構成されている。本実施例では送風機15にシロッコファン15bを用いているが、これに限定されず、空気を流通させる機能を有するものであればよい。例えば、ラジアルファンや軸流ファン、もしくはそれ以外のファンを用いてもよい。
空気の吸込口19の上部から取り込まれた空気は、集塵フィルタ16で塵埃が除かれた後(図2の矢印A参照)、脱臭フィルタ12の触媒フィルタでアンモニアやメチルメルカプタン等の臭気成分や例えばホルムアルデヒド等の有害成分を取り除く脱臭処理が行われた後(図2の矢印B参照)、送風機15を介して吹出口20から室内へ放出される(図2の矢印E参照)。脱臭フィルタ12の触媒フィルタは、アルミ合金製の心材部分に蜂の巣(ハニカム)構造を取り入れて円板状に形成した通気性を有するハニカムコアボードであり、その表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さにコーティングしている。なお、吸着剤として活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。そして、触媒フィルタは、基本的に加熱により臭気の吸着機能が再生できる構造(加熱再生型)であればよく、その他の加熱再生構造を有する触媒フィルタであってもよい。
また、空気の吸込口19の下部から取り込まれた空気は、集塵フィルタ16で塵埃が除かれた後(図2の矢印C参照)、湿潤した加湿フィルタ14の中を空気が通過する間に水が気化することで空気の加湿処理が行われ(図2の矢印D参照)、送風機15を介して吹出口20から室内へ放出される(図2の矢印E参照)。加湿フィルタ14は、ここでは直方体形状のプリーツ式加湿フィルタを用いて実施しているが、必ずしもこれに限定されず、種々のフィルタ素材を採用することができる。例えば、加湿フィルタ14に用いられるフィルタ材としては、ここでは、ポリエステルとレーヨンを50:50の割合で配合し、プリーツ構造に形成したもので、通気性と吸水性を兼ね備えている。また、加湿フィルタ14は、加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水33を貯留する水トレイ32内に配置され、加湿フィルタ14と加湿水33とが直接接触しないように台31上に配置されている。
本実施例にかかる空気清浄機の特徴は、図1に示すように、脱臭フィルタ12を回転させながら加熱再生処理が行えるように円板状に形成されていると共に、その脱臭フィルタ12の下に直方体形状の加湿フィルタ14を配置することで、図2に示すように、空気通路17に対し並列に配置してもコンパクトにレイアウトすることができるという点にある。また、円板状の脱臭フィルタ12と直方体形状の加湿フィルタ14との間には、図1に示すように、デッドスペースd1、d2が生じるが、このデッドスペースを後述のような加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段、あるいは、脱臭フィルタ12を回転させる駆動部を配置するためのスペースとして有効活用することで、空気清浄機の筐体11をより小型化できる。このように、本実施例にかかる空気清浄機10によれば、図2に示すように、脱臭フィルタ12と加湿フィルタ14を空気通路17に対して並列に配置することで、脱臭運転と加湿運転を同時に行う場合でも、空気が何れか一方のフィルタしか通らないため、通風抵抗を大幅に低減することが可能となり、騒音が小さくなって、風量が確保できるという利点がある。
続いて、加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段としては、以下の図3〜図6で説明する幾つかの構成例を考えることができる。これらの加湿水供給手段は、何れも図1に示したデッドスペース(d1またはd2)を有効利用して配置することができる。
(バケツ汲み上げ方式の構成例)
図3は、空気清浄機の加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段の一構成例としてバケツ汲み上げ方式を用いた概略斜視図である。このバケツ汲み上げ方式は、図3に示すように、加湿フィルタ14の側面と片側上面のスペースを利用して(例えば、図1のデッドスペースd1)、水トレイ32内に貯留された加湿水33をバケツ37で汲み上げて、加湿フィルタ14全体を湿潤させる方式である。具体的には、複数のバケツ37を無限軌道のベルト36に固定した状態で、デッドスペースd1に配置された汲み上げモータ35と、ベルト36の両端部に配置された従動ローラ34とで回転するように構成され、汲み上げモータ35を回転させることでベルト36が矢印方向に回転するよう構成されている。これにより、汲み上げモータ35(加湿水供給部)が回転することで、ベルト36の移動に伴って回転するバケツ37(加湿水汲み上げ部)によって水トレイ32内の加湿水33を順次汲み上げ、最頂部でバケツ37が回転する際にバケツ37内の加湿水33が加湿フィルタ14の上面に設けられた水受け部30に移される。水受け部30は、加湿フィルタ14の上面で水が受けられる矩形状の容器を形成し、該容器の底面部には、複数の散水孔30aが等間隔に形成されていて、水受け部30に移された加湿水33が散水孔30aから加湿フィルタ14に満遍なく供給され、加湿フィルタ14全体を湿潤させるように構成されている。汲み上げモータ35を駆動している間は、常に加湿フィルタ14が湿潤しているため、送風機15のファンモータ15aを回している間は空気の加湿処理が行われる。加湿フィルタ14で吸水しきれなくなった加湿水33は、台31を伝って水トレイ32に戻されるため、気化した水の量しか減少しない。また、加湿フィルタ14は、図3に示すように、台31上に設置されており、水トレイ32内の加湿水33と直接接触していないため、毛細管現象による水の吸い上げは起こらない。このため、汲み上げモータ35を停止すると、加湿フィルタ14に対する加湿水33の供給が止まり、加湿処理を停止させることができる。
(スクリューポンプ方式の構成例)
図4は、空気清浄機の加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段の一構成例としてスクリューポンプ方式を用いた概略斜視図である。このスクリューポンプ方式は、図4に示すように、加湿フィルタ14の正面の一部と片側上面のスペースを利用し(例えば、図1のデッドスペースd1)、水トレイ32内に貯留された加湿水33をアルキメディアン・スクリューと称されるスクリューポンプ38を利用することで汲み上げ、加湿フィルタ14全体を湿潤させる方式である。具体的には、スクリューポンプ38を加湿フィルタ14の正面を横切るように斜め方向に配置する。そして、スクリューポンプ38のスクリューの先端部には、かさ歯車39が取り付けられ、これと噛合するかさ歯車40にスクリューポンプモータ41を取り付けて構成されている。これにより、スクリューポンプモータ41(加湿水供給部)を矢印F方向に回転させると、かさ歯車39が矢印G方向に回転し、スクリューポンプ38(加湿水汲み上げ部)の水汲み上げ作用により水トレイ32内の加湿水33を汲み上げ、加湿水33が加湿フィルタ14の上面に設けられた水受け部30に移される。スクリューポンプ方式の水受け部30には、スクリューポンプ38を支えて水を受ける出張り部30bが形成されている。水受け部30の底面部には、図3のバケツ汲み上げ方式と同様に、複数の散水孔30aが等間隔で形成されていて、水受け部30に移された加湿水33が散水孔30aから加湿フィルタ14に満遍なく供給され、加湿フィルタ14全体を湿潤させることができる。スクリューポンプモータ41を駆動している間は、常に加湿フィルタ14が湿潤しているので、送風機15のファンモータ15aが回っている間は空気の加湿処理が行われる。加湿フィルタ14で吸水しきれなくなった加湿水33は、台31から水トレイ32に戻されるため、気化した水の量しか減少しない。また、加湿フィルタ14は、図4に示すように、台31上に設置されており、水トレイ32内の加湿水33と直接接触していないため、毛細管現象による水の吸い上げは起こらない。このため、スクリューポンプモータ41を停止すると、加湿フィルタ14に対する加湿水33の供給が止まり、加湿処理を停止させることができる。
(水タンク方式の構成例)
図5は、空気清浄機の加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段の一構成例として水タンク方式を用いた概略斜視図である。この水タンク方式は、図5に示すように、加湿フィルタ14の片側上面のスペース(図1のデッドスペースd1)をそのまま利用し、加湿水供給部としての水タンク42内に貯留された加湿水43を、水タンク42の底面に配置した電磁弁44によって加湿フィルタ14の上面に設けられた水受け部30に供給するか否かを制御することができる。また、この水タンク方式の場合は、水トレイ32の中に水位センサ45が配置されている。この水位センサ45は、電磁弁44を開いて水タンク42内の加湿水43を水受け部30を介して加湿フィルタ14に供給し、加湿フィルタ14が吸水しきれない加湿水は水トレイ32に滴下されるため、これを検知することで加湿フィルタ14全体が湿潤状態にあることがわかる。加湿処理を継続する場合は、この時点で電磁弁44を閉じ、水位センサ45が加湿水43を検知しなくなった時点で、再び電磁弁44を開いて水タンク42内の加湿水43を加湿フィルタ14に供給するように制御する。加湿フィルタ14全体を湿潤させている状態では、送風機15のファンモータ15aが回っていると常に空気の加湿処理が行われる。空気の加湿処理を停止させたい場合は、水位センサ45が加湿水43を検知しなくなっても、電磁弁44を閉じたままとする。これにより、加湿フィルタ14への加湿水43の供給が止まり、加湿処理を停止させることができる。このように、水タンク方式の場合は、加湿水供給手段が加湿水供給部である水タンク42と水受け部30とで構成されており、加湿水汲み上げ部を備えていない実施例である。
(吸い上げポンプ方式の構成例)
図6は、空気清浄機の加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段の一構成例として吸い上げポンプ方式を用いた概略斜視図である。この吸い上げポンプ方式は、図6に示すように、加湿フィルタ14の側面と片側上面のスペースを利用して(例えば、図1のデッドスペースd1)、吸い上げポンプモータ47で加湿水を吸い上げてホース46から供給することにより加湿フィルタ14全体を湿潤させる方式である。具体的には、ホース46の一端を水トレイ32内の加湿水33に浸けておき、他端を加湿フィルタ14の上面に設けた水受け部30に向けて配置し、吸い上げポンプモータ47をホース46の上端付近に配置するように構成されている。これにより、吸い上げポンプモータ47を駆動すると、水トレイ32内の加湿水33が吸い上げられて、ホース46の先端から加湿水33が加湿フィルタ14の上面に設けた水受け部30に移される。水受け部30に移された加湿水33は、散水孔30aから加湿フィルタ14に満遍なく供給され、加湿フィルタ14全体を湿潤させることができる。吸い上げポンプモータ47を駆動している間は、常に加湿フィルタ14が湿潤しているので、送風機15のファンモータ15aが回っていると常に空気の加湿処理が行われる。加湿フィルタ14で吸水しきれなくなった加湿水33は、台31から水トレイ32に戻されるため、気化した水の量しか減少しない。また、加湿フィルタ14は、台31上に設置されており、水トレイ32内の加湿水33と直接接触していないため、毛細管現象による水の吸い上げは起こらない。このため、吸い上げポンプモータ47を停止すると、加湿水33の供給が止まり、加湿処理を停止させることができる。
(脱臭フィルタの駆動部の構成例)
図7は、空気清浄機の脱臭フィルタ12を回転させる駆動部の一構成例を示す概略図である。脱臭フィルタ12の駆動部は、図7に示すように、脱臭フィルタ12の外周部に歯車状の歯12bを形成し、この歯12bと噛合する歯48aが形成された歯車48を脱臭フィルタ12に外接させ、脱臭フィルタ回転モータ49の回転力を伝える駆動ベルト50を介して歯車48を回転するよう構成されている。これにより、脱臭フィルタ回転モータ49を回転させて歯車48を矢印H方向に回転させることにより、脱臭フィルタ12を矢印I方向に回転させることができる。脱臭フィルタ12を回転させるのは、本実施例では扇型の加熱再生部13(図1参照)を採用しているため、扇型に覆われた部分しか触媒フィルタの臭気吸着能力を再生することができず、順次脱臭フィルタ12を回転させて再生エリアを移動させ、脱臭フィルタ12全体を加熱再生処理するためである。従って、脱臭フィルタ回転モータ49としては、正確な回転制御が可能なステッピングモータなどを好ましく用いることができる。図7に示した脱臭フィルタ12の駆動部は、例えば図1のデッドスペースd2などに配置することが可能であり、これによって脱臭フィルタ12と、加湿フィルタ14との間に生じるデードスペースを有効利用することで、筐体を小型化できる。また、脱臭フィルタ12の駆動部は、上記構成に限らず、図2に示す脱臭フィルタ12の回転軸12aに対して駆動力が伝わるように脱臭フィルタ回転モータ49を配置するように構成しても良い。
(メイン基板)
図8は、本実施例にかかる空気清浄機10の構成ブロック図である。本実施例にかかる空気清浄機10は、ユーザが操作を行う操作パネル60が図2に示す筐体11の上部に配置されている。この操作パネル60は、空気清浄機10を制御するメイン基板に接続されている。メイン基板には、図8に示すように、空気清浄機10の動作を制御する制御部65を備えている。制御部65は、操作パネル60からの指示に基づいて、空気清浄機10の運転制御を行う。例えば、制御部65は、脱臭+加湿運転モード、脱臭運転モードの他、脱臭フィルタ12の触媒フィルタを加熱再生部13のヒータによって定期的に加熱処理を行い、脱臭フィルタの能力を再生する制御などを行う。具体的には、送風機15のファンモータ15a、加湿水供給部66(各方式に応じて汲み上げモータ35、スクリューポンプモータ41、電磁弁44、吸い上げポンプモータ47のいずれか一つを制御する)、回転型の脱臭フィルタ12を回転させる脱臭フィルタ回転モータ49などを個別に制御している。また、操作パネル60には、室内の湿度を事前に設定しておく湿度設定部61が設けられている。さらに、制御部65は、空気清浄機10内の各所に配置された様々なセンサと接続されている。例えば、金属酸化物半導体センサなどを用いた臭いセンサ62、サーミスタなどの温度センサ63、湿度センサ64、あるいは、水位センサ45などがある。
制御部65は、例えば臭いセンサ62からの臭い検知レベルに応じて、送風機15の風量の切り替え制御を行い、脱臭フィルタ12内を通る空気量を調節することにより、脱臭能力を適正化することができる。
また、温度センサ63は、室温に応じて目標湿度設定を行う加湿自動運転を行う場合などに用いることができる。具体的には、温度センサ63からの室温情報に基づく目標湿度が設定されている場合に、湿度センサ64で得られた現在の検知湿度が目標湿度に近づくように、加湿水供給手段としての汲み上げモータ35、スクリューポンプモータ41、電磁弁44、吸い上げポンプモータ47などのオン/オフ制御と、ファンモータ15aの回転数制御が行われる。また、事前にユーザが湿度設定部61を使って室内の湿度を設定した場合は、制御部65はその設定湿度を目標値として、室内の湿度が一定範囲に保たれるように上記加湿水供給手段の何れかに対して制御が行われる。
本実施例の空気清浄機10は、以上のように構成されており、事前にユーザが湿度設定部61を使って室内の湿度を設定した場合に、脱臭運転と同時に行う加湿運転のオン/オフ制御動作を図9のフローチャートを用いて説明する。図9は、本実施例にかかる空気清浄機の加湿制御動作を説明するフローチャートである。
まず、空気清浄機10の制御部65は、操作パネル60から運転開始の指示があると、ファンモータ15aを駆動して(ステップS100)、シロッコファン15bを回転させ、送風機15により空気を空気清浄機10の吸込口19から吸込み、吹出口20から吹き出す。運転モードが脱臭+加湿運転モードであれば(ステップS101でYes)、制御部65は、直方体形状の加湿フィルタ14に対して、上記加湿水供給手段の汲み上げモータ35、スクリューポンプモータ41、電磁弁44、あるいは、吸い上げポンプモータ47の何れかを制御して加湿水を供給することにより、加湿フィルタ14を湿潤させる。この状態で空気清浄機10の吸込口19から取り込まれた空気は、図2に示すように、集塵フィルタ16で塵埃が除かれ(矢印AとC)、空気通路17に対して、この実施例では上下に並列に配置された脱臭フィルタ12と加湿フィルタ14の何れか一方を通った後(矢印BとD)、送風機15により吹出口20から排出される(矢印E)。この時、脱臭フィルタ12を通った空気中の臭い成分は、触媒フィルタで吸着されて脱臭処理される。また、加湿フィルタ14を通った空気は、湿潤したフィルタの水が気化することにより加湿される。このように、本実施例の空気清浄機10は、脱臭運転と加湿運転を同時に行っているが、脱臭フィルタ12と加湿フィルタ14が空気通路17に対して並列に配置されているため、従来の直列に配置した場合と比べると、通風抵抗が大幅に低減されて、騒音が小さくなり、十分な風量も確保することができる。
制御部65は、湿度センサ64で得られた現在の検知湿度が設定湿度に達したか否かを判断する(ステップS102)。設定湿度に達している場合(ステップS102でYes)、制御部65は、加湿フィルタ14への加湿水33の吸水を停止するように制御する(ステップS103)。
具体的には、加湿水供給手段として、図3に示すバケツ汲み上げ方式を採用する場合は、制御部65が汲み上げモータ35の駆動を停止するように制御する。また、図4に示すスクリューポンプ方式を採用する場合は、制御部65がスクリューポンプモータ41の駆動を停止するように制御する。また、図5に示す水タンク方式を採用する場合は、加湿運転中であれば制御部65が水位センサ45により加湿水43を検知しなくなると、電磁弁44を開いて水タンク42内の加湿水43を加湿フィルタ14に供給するが、上記ステップS103の加湿停止時の場合は、水位センサ45により加湿水43を検知しなくなっても、電磁弁44を開かないように制御することで、加湿フィルタ14への加湿水43の供給を停止する。さらに、図6に示す吸い上げポンプ方式を採用する場合は、制御部65が吸い上げポンプモータ47の駆動を停止するように制御する。
このように、加湿フィルタ14への給水を停止してから、加湿フィルタ14を湿潤していた加湿水が全て気化した後は、空気の加湿が行われなくなるため、湿度が徐々に低下する。制御部65は、湿度センサ64により設定湿度から保持しておきたい一定範囲の湿度の下限値(ここでは所定値という)になったか否かを監視する(ステップS104)。制御部65は、湿度センサ64で現在の湿度が所定値以下になったことを検知すると(ステップS104でYes)、目標湿度である設定湿度に近づけるように加湿フィルタ14への給水を開始するよう制御する(ステップS105)。
つまり、上記加湿水供給手段に対する停止措置とは逆の制御が行われる。具体的には、図3に示すバケツ汲み上げ方式であれば、制御部65が汲み上げモータ35の駆動を開始するよう制御する。図4のスクリューポンプ方式であれば、制御部65がスクリューポンプモータ41の駆動を開始するよう制御する。図5の水タンク方式であれば、水位センサ45により加湿水43を検知するまで、制御部65が電磁弁44を開いて水タンク42内の加湿水43を加湿フィルタ14に供給するよう制御する。図6の吸い上げポンプ方式であれば、制御部65が吸い上げポンプモータ47の駆動を開始するよう制御する。
また、上記ステップS102において、制御部65は、室内の湿度が設定湿度に達していない間、運転停止指示がなければ(ステップS106)、設定湿度に達するまで加湿運転を継続する(ステップS106でNo)。
さらに、上記ステップS104において、制御部65は、室内の湿度が所定値以下になるまでに、運転停止指示がなければ(ステップS107)、湿度が所定値以下になるまで加湿フィルタ14への給水停止を継続する(ステップS107でNo)。
このように、本実施例の空気清浄機10によれば、脱臭運転と加湿運転を同時に行う場合に、脱臭フィルタ12と加湿フィルタ14を空気通路17に対して並列に配置されているため、通風抵抗が少なくなり、運転騒音が小さくなると共に、十分な風量が確保できるようになる。そして、並列に配置する円板状の脱臭フィルタ12と直方体形状の加湿フィルタ14との組み合わせとし、その間に生じるデッドスペースを加湿フィルタ14を湿潤させるための加湿水供給手段、あるいは、脱臭フィルタを回転させるための駆動部の配置スペースとして有効利用することにより、筐体11をコンパクト化することができる。
また、本実施例の空気清浄機10によれば、加湿フィルタ14を湿潤させる加湿水供給手段として、加湿フィルタ14の上部に配置され、底面に複数の等間隔の孔が開けられた散水孔が形成された水受け部30を配置したため、供給される加湿水を水受け部30で受けることで、加湿フィルタ14に対して加湿水を満遍なく供給することが可能となり、加湿フィルタ14全体を湿潤することができる。
また、本実施例の空気清浄機10によれば、加湿フィルタ14は、加湿水を貯留する水トレイ32内の加湿水と直接接しないように、水面から持ち上げて保持しているため、加湿フィルタ14に対する加湿水の供給の停止や再開により、加湿運転のオンオフ制御を行うことができる。
また、本実施例の空気清浄機10によれば、脱臭フィルタ12は、その一部を加熱することで脱臭フィルタの再生処理が可能なように構成したため、脱臭フィルタを交換する必要がなくなり、脱臭効果の低下を防止することができる。
また、本実施例の空気清浄機10によれば、脱臭運転と加湿運転を同時に行う際に、設定湿度に応じて加湿運転と加湿運転停止とを自動で切り替えることが可能となり、脱臭運転をしながら室内の湿度を所定の範囲内に保つことができる。
以上のように、本発明にかかる空気清浄機は、脱臭運転と加湿運転とが同時に行える空気清浄機に有用であり、特に、脱臭運転と加湿運転とを同時に行った場合でも少ない通風抵抗で、騒音が少なく、風量が確保できる空気清浄機に適している。
10 空気清浄機
11 筐体
12 脱臭フィルタ
12b 歯
13 加熱再生部
14 加湿フィルタ
15 送風機
15a ファンモータ
15b シロッコファン
16 集塵フィルタ
17 空気通路
18 隔壁
19 吸込口
20 吹出口
30 水受け部
30a 散水孔
30b 出張り部
31 台
32 水トレイ
33 加湿水
34 従動ローラ
35 汲み上げモータ
36 ベルト
37 バケツ
38 スクリューポンプ
39、40 かさ歯車
41 スクリューポンプモータ
42 水タンク
43 加湿水
44 電磁弁
45 水位センサ
46 ホース
47 吸い上げポンプモータ
48 歯車
48a 歯
49 脱臭フィルタ回転モータ
50 ベルト
60 操作パネル
61 湿度設定部
62 臭いセンサ
63 温度センサ
64 湿度センサ
65 制御部
66 加湿水供給部
d1、d2 デッドスペース

Claims (4)

  1. 脱臭運転と加湿運転とを同時に行うことができる空気清浄機であって、
    空気の吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、
    前記空気通路内に設けられ前記吸込口から吸引した空気を前記吹出口から吐出させる送風機と、
    回転式の脱臭フィルタと、
    前記脱臭フィルタの一部を加熱して脱臭フィルタを再生する加熱再生部と、
    直方体形状の加湿フィルタと、
    前記脱臭フィルタを回転させる駆動源としての駆動部と、
    前記加湿フィルタを湿潤させる加湿水供給手段と、
    を備え、
    前記脱臭フィルタおよび前記加湿フィルタと、前記駆動部または前記加湿水供給手段の少なくとも一方とを前記空気通路内の通風方向に対して重ならないように配置することを特徴とする空気清浄機。
  2. 前記加湿水供給手段は、前記加湿フィルタの上部に配置して前記加湿フィルタに加湿水を供給する加湿水供給部と、前記加湿水供給部から供給される加湿水を受けて前記加湿フィルタ全体を湿潤させる散水孔が形成された水受け部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記加湿水供給手段は、前記加湿水を貯留する水トレイから前記加湿水供給部まで加湿水をくみ上げる加湿水汲み上げ部をさらに備え、同加湿水汲み上げ部は、前記加湿フィルタと通風方向に対して重ならないように配置することを特徴とする請求項1または2に記載の空気清浄機。
  4. 前記加湿水汲み上げ部は、前記加湿フィルタと隣接して配置することを特徴とする請求項3に記載の空気清浄機。
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