JP2017035924A - 加熱冷却式座席用シート及びその製造方法 - Google Patents

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光雄 片山
Mitsuo Katayama
光雄 片山
誠治 吉田
Seiji Yoshida
誠治 吉田
渡辺 康人
Yasuto Watanabe
康人 渡辺
豊 平林
Yutaka Hirabayashi
豊 平林
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Abstract

【課題】ペルチェ素子に接続される柔軟な熱伝導部材が、座席用シートを構成する発泡体内の所定の位置に安定して配置され、着座の快適性をもつ加熱冷却式座席用シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の加熱冷却式座席用シートは、座席用シートの外形をもち、ウレタンフォームから発泡成形された発泡体と、該発泡体の少なくとも一部を覆う表皮材と、前記発泡体内に位置し、加熱又は冷却するための熱源を出力するペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材と、該熱伝導部材の前記多孔質の孔の中に、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸することを防止するために、前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆った含浸防止材と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱又は冷却をすることができる座席用シートに関するものである。
自動車のような車両に使用される座席用シートに着座する者の快適性を高めるために、座席シートの加熱冷却が行われている。ペルチェ素子が、座席シートに組み込むことができる、小型で軽量な加熱冷却源として使用されている(特許文献1、特許文献2)。ペルチェ素子には、座席シート内にある熱伝導部材(シート部材)が接続され、ペルチェ素子により生成された加熱・冷却の熱が伝えられる。これにより座席シートは快適な温度に調節することができる。
たとえば、特許文献1では、ペルチェ素子に接続される熱伝導部材は、座席表面カバー(表皮材)の裏側に接触して設けられている。熱伝導性シート部材は、温風(冷風)とともに快適な温度を実現している。
特許文献2では、熱伝導部材が、乗員が着座するときに接する背面部(シートクッション)及び着座部(シートバック)からなる(座席)シート内に配置されている。この熱伝導部材は熱源を受熱し、その熱を表皮材側に伝熱し、快適な温度を実現している。
特開2002−306276 特開2006−137405
ペルチェ素子に接続され、熱源を受熱し、座席シートに熱を伝導する熱伝導部材は、座席用シートを構成する発泡体と発泡体を覆う表皮材との間に配置されるが、その間で移動しないように、さらに熱伝導を効率的に行わせるために、所定の位置に安定して取り付けることが求められている。
この熱伝導部材は面板状のもので、収縮性がなく、座席シートに着座したときのフィーリングがよくない。着座のフィーリングの快適性を向上させるために、編み布状に形成され、伸縮性を有する熱伝導部材が提案されている(引用文献2)。
座席シートを構成する発泡体をウレタンフォームから発泡成形する際に、この編み布状に形成した熱伝導部材を成形型内に配置し、一体成型すると発泡体と熱伝導部材とが一体となり、熱伝導部材の安定した取り付けが可能となる。しかし、発泡成形時にウレタンフォームが、編み布状の部材の目の中に含浸し、発泡するために、発泡体、熱伝導部材の両方の伸縮が阻害され、その結果、着座の快適性が悪くなる。
また、上記一体成型すると、熱伝導部材のある個所とない個所の表皮表面の風合いに差が出て、外観が悪くなる。
さらに、ペルチェ素子を熱源とするとき、熱放散効率を高めるために、送風路を確保する必要もある。
上記課題に鑑みて、本発明は、ペルチェ素子に接続される熱伝導部材が、座席用シートを構成する発泡体内の所定の位置に安定して配置された加熱冷却式座席用シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、着座の快適性、表皮材の外観が確保される上記加熱冷却式座席用シート及びその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、ペルチェ素子からの熱の放散効率が向上する上記加熱冷却式座席用シート及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明が提供する加熱冷却式座席用シートは、 座席用シートの外形をもち、ウレタンフォームから発泡成形された発泡体と、該発泡体の少なくとも一部を覆う表皮材と、前記発泡体内に位置し、加熱又は冷却するための熱源を出力するペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材と、該熱伝導部材の前記多孔質を形成する孔の中に、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸することを防止するために、前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆った含浸防止材と、を含む。
含浸防止材により覆われた熱伝導部材の一部は、そこにある多孔質を形成する孔にウレタンフォームが含浸して発泡できないために、発泡体と一体とならない。その結果その部分と対応する発泡体の部分は互いに拘束されず、変形移動することができる。一方、含浸防止材により覆われていない熱伝導部材の部分は、そこにある孔にウレタンフォームが含浸して発泡することから、発泡体と一体となり、その結果熱伝導部材は、発泡体内で安定して取り付けられる。
座席用シートの外形に対応する空間を内部に形成する、上型及び下型を有する発泡成形型を使用して、加熱冷却式座席用シートを製造する本発明の方法は、前記下型の内面にそって表皮材を配置する工程と、加熱又は冷却するための熱源を出力するペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材を前記表皮材の上の所定の位置に配置する工程と、前記下型にウレタンフォームの原液を投入し、前記上型を閉じて型締めする工程と、を含み、前記熱伝導部材を前記所定の位置に配置する前に、前記熱伝導部材の前記多孔質の孔を塞ぎ、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸することを防止するための含浸防止材で前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆うことを特徴とする。
前記熱伝導部材の先端部が前記表皮材に接し、前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位が、型締めの際に前記上型の近傍に位置するように、前記熱伝導部材を配置してよい。前記熱伝導部材の先端部が表皮材の近くに位置することで、座席シートを快適な温度にすることができる。一方、前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位を上型の近傍に位置することで、発泡成形後に、上型をあけたとき、その部位は露出し、ペルチェ素子に接続することができる。
前記熱伝導部材の先端部は、ゴム系クッション両面テープにより前記表皮材に接合されてよい。発泡成形時に、先端部が表皮材の近傍にあることにより表皮材に生ずる浮きを防止することがきる。同様の理由で、前記熱伝導部材の先端部が接する前記表皮材の箇所に、シボパターンが形成されてよい。
前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位を、型締めの際に前記上型の近傍に位置させるために、前記上型の近傍に配置可能なブラケットに前記接続される部位を止め付けてよい。ブラケットは、発泡成形後、発泡体から除去する。
含浸防止材がポリエチレンのシート部材であるときに、ブラケットに代え、磁性材料を、前記熱伝導部材と一緒にポリエチレンシート部材で覆い、またはポリエチレンシート部材の上に付着し、型締めの際に、前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位を、前記上型の内側に設けられた磁石の磁気力により、前記上型の近傍に配置してもよい。磁性材料はフェライトテープ又は薄い鉄板でよい。鉄板の場合は、発泡成形後に除去される。
前記熱伝導部材は、帯状の銅網線、又は複数の孔をもつ帯状の熱伝導性シート部材であってよい。帯状の銅網線は銅線と銅線の間に多くの孔を有するものである。
前記含浸防止材は、ポリエチレンシート部材、又はシリコンシーラントであってよい。ポリエチレンシート部材で、熱伝導部材全体又は一部を包むように覆ってもよく、筒状のポリエチレンシート部材を用意し、その中に熱伝導部材を配置してもよい。シリコンシーラントは、熱伝導部材全体又は一部を、塗布するようにして覆う。シリコンシーラントの場合は、発泡成形後も、熱伝導部材の柔軟性、伸縮性が保たれる。
発泡成形型の上型の下面に、ペルチェ素子からの熱を放散するための送風路に対応する凸部を設けることで、簡易に送風路を形成することができる。
本発明の加熱冷却式座席用シートでは、含浸防止材により、ペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材が座席用シートを構成する発泡体内の所定の位置に安定して配置されるとともに、発泡体、熱伝導部材の柔軟性が確保され、着座の快適性が向上する。
本発明の加熱冷却用座席用シートの製造方法にしたがって、多孔質の熱伝導部材の少なくとも一部を含浸防止材で覆うことにより、多孔質の孔を塞ぎ、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸し、発泡することを防止できる。その結果、熱伝導部材が座席用シートを構成する発泡体内の所定の位置に安定して配置されるとともに、座席用シートを構成する発泡体、熱伝導部材の柔軟性が確保された加熱冷却式座席用シートを製造することがきる。
さらに、本発明の製造方法に従うことにより、着座の快適性、表皮材の外観が確保される加熱冷却式座席用シートを製造することができる。
さらに、本発明の製造方法に従うことにより、ペルチェ素子からの熱を放散するための送風路を簡易に形成することができる。
図1は本発明の加熱冷却式座席用シートの断面図を示す。 図2は、本発明の他の実施例の加熱冷却式座席用シートの断面図を示す。 図3は、さらに、本発明の他の実施例の加熱冷却式座席用シートの断面図を示す。 図4は、本発明の加熱冷却式座席用シート内に配置される熱伝導部材と、これに取り付けられるペルチェ素子(フィン)の組み立て斜視図である。 図5Aは、図1の加熱冷却式座席用シートに使用される、ポリエチレンシート部材により部分的に覆われる熱伝導部材の斜視図である。図5Bは、図1の加熱冷却式座席用シートに使用される、ポリエチレンシート部材により覆われた熱伝導部材の断面図である。図5Cは、図2の加熱冷却式座席用シートに使用される、両先端を除きポリエチレンシート部材により覆われた熱伝導部材の斜視図である。 図6Aは、シリコンシーラントを熱伝導部材に塗布することを示す。図6Bは、シリコンシーラントにより覆われた熱伝導部材の断面図である。図6Cは、両先端を除きシリコンシーラントにより覆われた熱伝導部材の斜視図である。 図7Aは熱伝導部材の形状を維持するためのブラケットの斜視図であり、図7Bは、ブラケットが取り付けられた熱伝導部材を成形型の下型に配置した状態を示す。 図8は、成形型内で、磁石と支持棒により形状が維持された熱伝導部材を成形型の底面からみた斜視図である。 図9Aは、ブラケットにより形状が維持された熱伝導部材が配置された成形型の断面図を示す。図9Bは、送風路を形成することができる成形型内にブラケットにより形状を維持された熱伝導部材を示す。図9Cは、上型に設けられた磁石、支持棒により形状が維持された熱伝導部材を示す。
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施形態が説明される。図面は説明のためのものであり、厚さ等の寸法は誇張され、尺度も必ずしも一致しない。同様の又は対応する構成要件に、同じ符号が使用されることがある。図面に記載された構成は、例示として示されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
本発明の加熱冷却式座席用シート(以下、「座席用シート」)10の縦断面図が、図1に示されている。図1の座席用シートは、車両に組み付けられるシートクッションを例示するものであるが、同様の構造のシートをシートバックとしても利用することができる。また、本座席用シートは、加熱冷却が必要な座席に応用することができる。
座席用シート10は、発泡体11と、その発泡体11の上側を覆う表皮材14と、発泡体11内に位置し、ペルチェ素子からの熱を伝導する熱伝導部材12とを有する。発泡体11は、限定はされないがウレタンフォームから発泡成形されたものである。
熱伝導部材12は、発泡体11とともに変形可能で、柔軟な多孔質(多数の孔を有する)の材料であり、かつ高い熱伝導特性をもつ材料である。たとえば、銅網線が好適である(網状になった銅線同士の間に多数の孔が形成されている)。さらに、銅線のほか、カーボングラファイト、アルミニュームの線材も利用できる。また、これら材料のシート(部材)で多数の孔を有するものも利用することができる。
図4に示されている熱伝導部材12は帯状の銅網線を使った実施形態で、この銅網線は多くの孔12’を有する。熱伝導部材12は、座席用シート10の底部から着座面に向い、着座面の下側で水平に伸びた形状(いわゆる“ハット”形状)をもつ。図示の実施形態では、1つの熱伝導部材が使用されているが、複数個の熱伝導部材が発泡体11内に配置されてもよい。
図1に図示の熱伝導部材12では、含浸防止材13が、熱伝導部材12の一部を覆っている。含浸防止材13は、座席用シートの製造方法の説明において詳述するが、一体成型の際に、ウレタンフォームが孔12’内に含浸して発泡することを防止するものである。逆に、含浸防止材13で覆われていない部分は、孔12’内にウレタンフォームが含浸し、発泡するために、その部分において、熱伝導部材12と発泡体11とが一体となる。その結果、熱伝導部材12は、発泡体11内で安定して止め付けられる。
一方、含浸防止材13で覆われた熱伝導部材12の部分は、ウレタンフォームが含浸できず、発泡体と一体となっていない。そのため、その部分において、それぞれは、それぞれがもつ柔軟性に基づいて、変形することができる。
図1の座席用シート10では、左右に延びる熱伝導部材12の両側が含浸防止材13で覆われ(この図では、座面からAの距離(好適には20mm)まで覆われている)、そこから下方の部分は覆われていない。上述のとおり、覆われていない部分は、発泡体と一体となっているために、熱伝導部材12は、発泡体11内の所定の位置に安定して止めつけられている。他方、覆われている部分は、発泡体、熱伝導部材は柔軟性が維持されており、したがって、座る者が着座したときに、それぞれ柔軟に変形でき、座る者に不快感を与えない。
熱伝導部材12の(図1において)底の部分には、下述するが、ペルチェ素子を取り付けるための取り付け板40(図4を参照)が予めかしめられている。取り付け板40は外に(下方に)露出している。
本発明の座席用シートの他の実施形態の断面図が図2に示されている。この実施形態の座席用シート20も、発泡体21と熱伝導部材22を有し、この熱伝導部材22も含浸防止材23で覆われている。図1の熱伝導部材との違いは両先端が下方に折り曲げられ、その先端以外は含浸防止材23により覆われている点である。銅網線の先端はほつれ易く、このほつれを防止するために、ほつれ防止材24が先端に設けられている(かしめられている)。先端は含浸防止材がないため、上述のとおり、ウレタンフォームが含浸し、発泡したため、その部分において発泡体21と一体化している。
図3に示された実施形態は、図4に示されているように、ペルチェ素子41に取り付けたとき、ペルチェ素子41からの熱の放散を行うためのヒートシンク42が配置される送風路37が設けられている(送風路の形成は、下述する)。熱伝導部材32の構成は、図1の熱伝導部材12に比べて高さが低いことを除き同じである。この座席用シート30の底部には底表皮材34bが設けられ、送風路37の周囲を取り囲むように、たとえば面ファスナーのループ材35が設けられ、このループ材35と接合するフック状部材からなる蓋部材36により閉じられている。
図4は、加熱冷却の熱源であるペルチェ素子の、熱伝導部材12への接続構成を示す。熱伝導部材12は、図1に示されたもので、銅網線からなる。銅網線12には多数の孔12を有する(孔12を示すために、含浸防止材は省略されている)。熱伝導部材12の中央に取り付け板40がかしめられている。取り付け板40には、ねじ穴が設けられている。その上にペルチェ素子41が位置し、さらに熱放散のためのフィンをもつヒートシンク42が位置する。ヒートシンク42のフィンは、図3の実施形態では、送風路37内に位置することになる。
ネジ43により、ヒートシンク42、ペルチェ素子が取り付け板40に取り付けられる。この構成は周知技術であり、特段の説明を要しない。図4に示されたペルチェ素子を図1〜図3に示された座席用シートの取り付け板40の取り付け、の印加電圧の調整により加熱冷却を行うことができる。
次に、本座席用シートの製造方法を説明する。
図5Aに示されているように、熱伝導部材12を構成する銅網線12の所定の個所を含浸防止材13(たとえばポリエチレンシート(部材))で覆う。含浸防止材13は、図5Bに示されているように、発泡成形時に熱伝導部材12から外れないように粘着テープ14で予め留めておく。
シート部材で熱伝導部材を覆うことに代えて、予めシート部材を円筒状に作製しておいて、その中に熱伝導部材を挿入してもよい。この場合、粘着テープが不要となる。
銅網線12の両端を除き、ポリエチレンシート(部材)の含浸防止材13で覆われる熱伝導部材が図5Cに示されている。銅網線の両端は、露出させておくと、ほつれやすいことから、ほつれ防止材でかしめられている。図2に示された熱伝導部材23はこのようにして製造された。
含浸防止材として、図5に示されたようなシート部材に代えて、シリコンシーラントからなる含浸防止材を利用してもよい。図6Aは、シリコンシーラント13sを銅網線に塗布する状態を示す。シリコンシーラント13sは銅網線上の必要な個所に塗布される。図5Cの場合と同様に、熱伝導部材の両端を除き、シリコンシーラント13sを塗布し(図6C)、必要に応じて先端をほつれ防止材でかしめることができる。
含浸防止材で覆われた熱伝導部材12(図5、図6)に、ペルチェ素子を取り付けるための取り付け板40(図4)が取り付けられる。取り付けは、かしめによっても、ろう付けによってもよい。含浸防止材が取り付け板の取り付けに障害となるときは、その個所を含浸防止材で覆われないよう、あるいは取り付けの際に障害となる個所から含浸防止材が除去される。
熱伝導部材は、熱を伝導するためには、ペルチェ素子に連結され、座席用シート表面近傍に伸びた“逆ハット”の形状をもつ(図1、図2、図3)。しかし、銅網線やシート部材は、発泡成形前に予め形状を定めても、発泡時にその形状が維持できるとはかぎらない。また、熱伝導部材を所期の効果を得るように所定の位置に配置する必要がある。以下で、いくつかの実施例を参照して熱伝導部材の形状を維持して発泡成形を行うことを説明する。
図7は、ブラケットを使用して、熱伝導部材の形状を維持する例を示す。ブラケット70は、図7Bに例示されているように、天板71と四つの脚72を有する。ブラケット70の高さは、図8Aに示されているように、成形型内に配置されたとき、天板71が上型近傍に位置するように定められる。天板71は、ネジ穴74を介して、熱伝導部材12に既に設けられた取り付け板40に止め付けられる。
発泡成形を行うための成形型76は上型77と下型78(図9)とからなり、内部に座席用シートの外形に対応する空間を有するものである。最初に、表皮材が下型78に配置され、その後に、図7Aに示されているように、ブラケット70を止め付けた熱伝導部材12が、所定の位置に配置される。
次に、ウレタンフォームが型内に投入され、上型77が閉じられ、型締めされる。ウレタンフォームは、含浸防止材で覆われていない部分に含浸しながら発泡するが、柔軟な熱伝導部材は、ブラケット70により形状が保持されている。発泡成形後、上型77が開けられ、ブラケット70が外される。図4に示されているように、ペルチェ素子41、ヒートシンク42がネジにより取り付けられる。
送風路37(図3)を有する座席用シートを製造する場合には、図9Bに示されているように、上型77の送風路37に対応する位置に凸部79が設けられている。凸部79がある分、高さが低くなったブラケット70’が使用される。
ブラケットに代えて、磁石、支持棒を使用して、柔軟な熱伝導部材の形状を支持する実施例が図8に示されている。図8は、上型に設けられた磁石、支持棒を図示する目的で、成形型を下からみた斜視図である(磁石、支持棒、熱伝導部材は、型の内側に位置するが、明示するために実線で描かれている)。
この例では、磁気力を利用するために、図5Bに示された粘着テープとしてフェライトテープが使用される。これに代えて、所定の形状をもつ薄い磁性材料(鉄板)と銅網線とともにポリエチレンシート(部材)で覆ってもよい。鉄板のような磁性材料は柔軟性に欠けるために、発泡成形後、発泡体から除去される。
図8および図9Cに示されているように、上型77の所定の位置に、磁石77a、複数の支持棒77bが取り付けられている。支持棒77bの先端にも磁石を備えることが望ましい。磁気力により、含浸防止材で覆われた熱伝導部材12が上型77に止め付けられ、型内にウレタンフォームが投入され、型締めされる。発泡成形後は、熱伝導部材の取り付け板に、ペルチェ素子41、ヒートシンク42がネジにより取り付けられる。
前述のとおり、熱伝導部材の両端部は、表皮材の上に配置され、発泡成形されるが、発泡体のウレタンと表皮材は、ウレタンの接着力により接着される一方、熱伝導部材の端部と表皮材との間にはこのような接着力がない。そのため、発泡後ウレタンが収縮するときに、熱伝導部材の先端部上の表皮が浮いた状態が生じ、見栄えが悪くなる場合がある。そこで、熱伝導部材の端部が位置する表皮材にシボパターンを予め追加しておくと、浮いた状態が改善される。熱伝導部材の端部を表皮材に配置する際に、両者をゴム系クッション両面テープで張り付けることによっても改善される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、この発明の要旨を変更しない範囲で、用途に応じて種々設計変更しうることが可能である。たとえば、自動車などの車両のシート、フォークリフトなどの産業用車両のシートなどで、加熱冷却を必要とされるシートに利用することができる。
10 加熱冷却式座席用シート
11 発泡体
12 熱伝導部材
13 含浸防止材
14 表皮材
40 (ペルチェ素子)取り付け板

Claims (13)

  1. 座席用シートの外形をもち、ウレタンフォームから発泡成形された発泡体と、
    該発泡体の少なくとも一部を覆う表皮材と、
    前記発泡体内に位置し、加熱又は冷却するための熱源を出力するペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材と、
    該熱伝導部材の前記多孔質を形成する孔の中に、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸することを防止するために、前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆った含浸防止材と、
    を含む加熱冷却式座席用シート。
  2. 前記熱伝導部材が、帯状の銅網線又は複数の孔をもつ熱伝導性シート部材である、請求項1に記載の加熱冷却式座席用シート。
  3. 前記含浸防止材が、前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆うポリエチレンシート部材、又は前記熱伝導部材の少なくとも一部に塗布されるシリコンシーラントである、請求項1に記載の加熱冷却式座席用シート。
  4. 座席用シートの外形に対応する空間を内部に形成する、上型及び下型を有する発泡成形型を使用して、加熱冷却式座席用シートを製造する方法であって、
    前記下型の内面にそって表皮材を配置する工程と、
    加熱又は冷却するための熱源を出力するペルチェ素子に接続される多孔質で柔軟な熱伝導部材を前記表皮材の上の所定の位置に配置する工程と、
    前記下型にウレタンフォームの原液を投入し、前記上型を閉じて型締めする工程と、
    を含み、
    前記熱伝導部材を前記所定の位置に配置する前に、前記熱伝導部材の前記多孔質の孔を塞ぎ、ウレタンフォームの発泡成形時にウレタンフォームが含浸することを防止するための含浸防止材で前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆うことを特徴とする製造方法。
  5. 前記熱伝導部材を前記所定の位置に配置する工程が、前記熱伝導部材の先端部が前記表皮材に接し、前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位が、型締めの際に前記上型の近傍に位置するように、前記熱伝導部材を配置する工程である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記表皮材に接する前記熱伝導部材の先端部が、前記含浸防止材で覆われる、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記熱伝導部材の先端部が、ゴム系クッション両面テープにより前記表皮材に接合される、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記熱伝導部材の先端部が接する前記表皮材の箇所に、シボパターンが形成される、請求項6に記載の製造方法。
  9. 前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位を、型締めの際に前記上型の近傍に位置させるために、前記上型の近傍に配置可能なブラケットに前記接続される部位が止め付けられる、請求項5に記載の製造方法。
  10. 前記熱伝導部材が、帯状の銅網線又は複数の孔をもつ熱伝導性シート部材である、請求項4に記載の製造方法。
  11. 前記含浸防止材が、前記熱伝導部材の少なくとも一部を覆うポリエチレンシート部材、又は前記熱伝導部材の一部に塗布されるシリコンシーラントである、請求項4に記載の製造方法。
  12. 前記含浸防止材がポリエチレンシート部材であるときに、前記熱伝導部材と付加的な磁性材料とを一緒に、ポリエチレンシート部材で覆う、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記含浸防止材がポリエチレンシート部材であるときに、磁性材料を、前記熱伝導部材と一緒にポリエチレンシート部材で覆い、またはポリエチレンの上に付着し、型締めの際に、前記熱伝導部材の前記ペルチェ素子と接続される部位を、前記上型の内側に設けられた磁石の磁気力により、前記上型の近傍に配置する、請求項12に記載の製造方法。





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