JP2017034364A - 分散型計算機システム - Google Patents

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聡 垣本
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Abstract

【課題】無線通信を使用し、表示端末にそれぞれの設置位置に応じた表示制御動作を精度よく実行させることができる分散型計算機システムを提供することを目的とする。
【解決手段】列車を編成する車両内に複数設置される表示端末と、前記表示端末の表示内容を制御する複数の端末計算機と、前記端末計算機と無線通信を行う無線LANアクセスポイントと、前記端末計算機の動作を規定する動作パラメータを管理する動作制御装置と、を備え、複数の前記端末計算機は、それぞれ光源を有し、当該光源を用いて自計算機の識別情報を示す信号パタンを発信し、前記動作制御装置は、撮像部によって前記光源の位置、および、前記光源から発信された信号パタンを識別し、各端末計算機と、各端末計算機の設置位置とを対応付け、設置位置に対応する前記動作パラメータを前記無線LANアクセスポイントを介して各端末計算機へ送信することを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、鉄道車両のドア近傍に設けられた複数の表示端末に情報を表示する、鉄道情報サービス提供システムに好適な鉄道車両向け分散型計算機システムに関する。
鉄道などの乗客向け情報サービスとして、車両内の各所にLED(Light Emitting Diode)ディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示端末を設置し、各種案内、ニュース、広告映像などを乗客に提供するシステムが実用化されている。また、乗客の満足度を高めるべく、各表示端末への表示内容は一律ではなく、その設置位置に適した内容を選択して表示する等の技術が導入されている。そのような制御を行うためには、それぞれの表示端末を制御する端末計算機に、表示端末の設置位置に応じた表示内容を出力するように動作パラメータを設定する必要があり、この動作パラメータの設定作業を効率的に実施する技術が重要となる。
そのような技術として、例えば、特許文献1には、「通信範囲を限定したアンテナを用いて特定の表示端末と通信を行うことにより、表示端末の設置位置を特定し、設置位置から動作パラメータを割り出し、動作パラメータに応じた表示内容を表示端末に配信することにより、設置位置に応じた表示内容を表示するシステム」と記載されている。
特開2013−077996
しかし、特許文献1の技術では、表示端末同士が近接して設置されていた場合、それぞれの表示端末と無線LANアクセスポイントの指向性アンテナとの無線通信の電波強度が同レベルとなってしまい設置位置の区別がつかず、設置位置に応じた表示ができないという課題がある。
さらに、無線LANアクセスポイントの指向性アンテナを各表示装置の設置位置方向に向ける必要があるので表示装置の設置場所に変更があるとそれに応じて、指向性アンテナの設置方向を調整する必要がある。
そこで本発明は上記課題に鑑み、無線通信を使用し、表示端末にそれぞれの設置位置に応じた表示制御動作を精度よく実行させることができる分散型計算機システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、列車を編成する車両内に複数設置される表示端末と、前記表示端末ごとに対応付けられて設置され、前記表示端末の表示内容を制御する複数の端末計算機と、前記車両内に設置され、前記端末計算機と無線通信を行う無線LANアクセスポイントと、前記端末計算機の動作を規定する動作パラメータを管理する動作制御装置と、を備え複数の前記端末計算機は、それぞれ光源を有し、当該光源を用いて自計算機の識別情報を示す信号パタンを発信し、前記動作制御装置は、前記車両内を撮像する撮像部と接続されており、前記撮像部によって前記光源の位置、および、前記光源から発信された信号パタンを識別し、各端末計算機と、各端末計算機の設置位置とを対応付け、設置位置に対応する前記動作パラメータを前記無線LANアクセスポイントを介して各端末計算機へ送信することを特徴とする。
本発明によれば、無線通信を使用し、表示端末にそれぞれの設置位置に応じた表示制御動作を精度よく実行させることができる分散型計算機システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る鉄道車両向け分散型計算機システムの構成例を示す図である。 車両に搭載される装置の構成とその接続及び配置例とを示す図である。 進行方向左側と右側とで表示内容が異なる案内画面の表示例である。 端末計算機の構成例を示す機能ブロック図である。 MACアドレスを一意な光信号に変換する例である。 無線LANアクセスポイントの構成例を示す機能ブロック図である。 光位置監視部が端末計算機の位置を特定する例を示す図である。 複数の光位置監視部が端末計算機の位置を特定する例を示す図である。 情報サービス管理装置の構成例を示す機能ブロック図である。 端末計算機がIPアドレスを取得するまでの動作の流れを示すシーケンス図である。 端末計算機が動作パラメータを取得して表示制御を行う動作の流れを示すシーケンス図である。 端末計算機を管理するPC管理テーブルの初期状態のデータ例である。 編成データテーブルの構成及びデータ例である。 PC管理テーブルの構成及び端末計算機が登録された後のデータ例である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両向け分散型計算機システムの構成例を示す図である。図1には、1号車からn号車までのn両(nは1以上の任意の整数)の車両が連結されて編成される列車に搭載された分散型計算機システム10の構成例を示している。
図1において、破線の枠は列車を編成する車両を表しており、各車両には、それぞれ無線LANアクセスポイント(以下、AP(Access Point)と略記)3と複数の端末計算機(以下、PC(Personal Computer)と略記)4とが備えられ、この両者の間の通信は無線LANによって行われる。
それぞれのPC4は、車両内のドア上部などに設置されるLEDディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示端末40に近接する壁面などに埋め込まれ、この例では、各表示端末(の設置場所)40と1対1に対応付けられてその表示内容を個別に制御する計算機である。これらすべてのPC4は、自身に接続されている表示端末に情報サービス用の各種画面を表示させるという同一の機能を有する。ただし、表示端末40の仕様や設置位置などに応じて表示内容を変えることができるように、それぞれのPC4は、自身に接続されている表示端末40の設置位置に対応して情報サービス管理装置2から配信される所定の動作パラメータによって、各種の表示制御動作を実行できるようにプログラム制御される。これにより、例えば、進行方向右側と左側とで異なる情報を表示させたり、停車駅の階段やエレベータなどの位置を示す案内図を車両毎に変えたり、車両内の位置によって放映する広告映像を変えたりするなどの、きめ細かな表示制御が可能となる。
1つの車両に設置される表示端末40の数(=PC4の数)は任意であるが、通常は2台(車両の前後両端に設置)から24台の間であることが多く、同じ数の表示端末40が設置された車両だけで編成される列車もあるし、異なる数の表示端末40が設置された車両を任意に組み合わせて編成される列車もある。図1の例では、1号車にPC#1−1〜PC#1−8の計8台、2号車にPC#2−1〜PC#2−24の計24台のPC4が設置されている。なお、PC#j−kなる標記は、j号車のk番目のPC4を表すものとする。
図1に示すように、分散型計算機システム10には、各PC4にIP(Internet Protocol)通信に必要となるIPアドレスなどを割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ1と、各PC4にその動作を規定する動作パラメータ並びに情報サービスの提供に必要な各種の情報を配信する情報サービス管理装置2と、車両間を接続するLAN(Local Area Network)5とが備えられる。また、DHCPサーバ1と情報サービス管理装置2と各車両に備えられるAP3とが、LAN5を介して相互に通信可能に接続されることで、PC4を含めた無線LANシステムが構築される。このLAN5には、通常はバス型もしくはループ型などの有線LANを用いるが、PC4を接続する無線LANとは使用する周波数帯域が異なる別方式の無線LANを用いてもよい。なお、DHCPサーバ1は情報サービス管理装置2のなかに実装するようにしてもよい。
また、情報サービス管理装置2へは、不図示の列車無線通信手段によって、情報配信センタ70から情報サービスの提供に必要な列車の編成データ、運行管理データ、コンテンツの表示スケジュールなどの各種情報が送信される。
図2は、車両に搭載される装置の構成とその接続及び配置例とを示す図である。図2の例は、1号車である車両9にDHCPサーバ1と情報サービス管理装置2とを搭載すると共に、計8台の不図示の表示端末とその制御を行うPC4(PC#1−1〜PC#1−8)と車両中央にAP3とを設置した場合を示している。なお、DHCPサーバ1と情報サービス管理装置2とは、他の任意の車両9に搭載してもよいし、両者を別々の車両9に搭載してもよい。AP3は車両の端に設置してもよいし、車両内に複数台設置してもよい。
また、図2の太線にて示すように、同一の列車内に設置される各PC4と情報サービス管理装置2とを含む各装置は、大もとの電源を共有し同じタイミングで供給電力のオン/オフが行われる各車両9の電源6に接続され、この例では、電源ライン7によりほぼすべて同じタイミングで電源のオン/オフが行われるものとする。また、2つの車両9同士が連結されるときには、電源ライン7及びLAN5も相互に接続されるものとする。
ここで、PC4が行う表示制御の動作の概要を説明する。図3は、列車の運行時に車両内の情報サービス用の表示端末に表示される、進行方向左側と右側とで表示内容が異なる案内画面の表示例である。これらは、いずれも列車が次の停車駅に近づいたときに表示される案内画面であり、図3(a)は、ドアが開く側の表示端末に表示される画面の例、図3(b)は、その反対側の表示端末に表示される画面の例である。
図3に示すように、運行ガイド表示部61a,61bには、次の停車駅の名前65a,65bを案内するメッセージ、当該表示端末が設置されている自車両の号車番号66a、66b、及び開くドアの方向67a,67bを案内するメッセージなどが表示される。テロップ表示部62a,62bには、列車の運行に伴う案内メッセージなどのほか、ニュースなどのテキストメッセージが次々に右から左方向に移動するように表示される。また、ホーム案内図表示部63a,63bには、次の停車駅のホームにある各種設備の位置を示す案内図が表示され、車両位置表示部64a,64bには、当該表示端末40が設置されている自車両の位置が識別可能に図形表示される。
図3(a)と図3(b)とを比較して分かるように、同じ列車の同じ車両に設置される表示端末40であっても、進行方向左側と右側とでは、画面の構成、表示するメッセージ、案内図などが異なる場合がある。また、同じ列車の同じ進行方向左(右)側に設置される表示端末40であっても、自車両の位置によって、表示すべき号車番号や図形などが異なる場合がある。
さらには、同じ車両の同じ進行方向左(右)側に設置される表示端末40であっても、車両内における設置位置によって流すメッセージや広告の内容を変えたい場合もある。そこで、それぞれの表示端末40の表示制御を司る各PC4を、当該表示端末40の設置位置に応じてAP3から配信される動作パラメータに基づいて、各種の表示パターンを切り換えて動作させるようにプログラム制御する。これにより、同一のPC4であっても、それが制御する表示端末40の設置位置に応じて、動的に動作を切り換えることが可能となり、表示端末40の設置位置に応じたきめ細かい表示制御を行うことができる。
続いて、それぞれの端末計算機(PC)の構成と機能とについて説明する。
図4は、端末計算機(PC)4の構成例を示す機能ブロック図である。各PC4は、PC識別名及びMAC(Media Access Control)アドレスなどの固有情報を除いて、すべて同一の構成を有する。
図4に示すようにPC4は電源投入検知部41、MACアドレス取得部42、IPアドレス取得部43、動作パラメータ取得部44、端末表示制御部45、表示コンテンツ更新部47、無線LAN送受信部46、装置パラメータ生成部50、光信号送信部51の各処理部と動作パラメータ記憶部48及び表示コンテンツ記憶部49の各記憶部とを備える。
電源投入検知部41はPC4の電源が投入されたことを検知して、MACアドレス取得部42を起動する。MACアドレス取得部42は、PC4に搭載されている不図示の無線LANカードに付された固有の識別番号であるMACアドレスを当該無線LANカードから読み取り、読み取ったMACアドレスを装置パラメータ生成部50及びIPアドレス取得部43に引き渡す。装置パラメータ生成部50は赤外線リモコンに用いられている技術を用いて、MACアドレス取得部42から一意な信号を生成する。
図5は、MACアドレスを一意な光信号に変換する例を示す図である。図5の通り、データの先頭であることを示すリーダー信号、受け取ったMACアドレスから一意に決まる信号並びに、データの最後であることを示すストップ信号を付加する。スタート信号、MACアドレスを一意に変換した信号、ストップ信号は図5に示した通り、信号のHigh時間とLow時間の長さの組み合わせによって生成される。各信号のHigh時間とLow時間の組合せの一例を記載したが、それぞれが区別できればよいので他の組合せでもかまわない。ここでは赤外線リモコンに用いられている技術を応用して、MACアドレスを含む装置パラメータを生成したが、この方法に限定する訳ではなく、MACアドレスから一意な装置パラメータが生成できれば、この方法に限らない。次にその生成した装置パラメータを光信号送信部51に引き渡す。光信号送信部51は装置パラメータを光信号に変換し、装置パラメータ要求を受信すると送信する。
IPアドレス取得部43は、DHCPサーバ1にMACアドレス取得部42から引き渡されたMACアドレスを通知してIPアドレスを取得するよう無線LAN送受信部46に指示し、無線LAN送受信部46から引き渡されたIPアドレスを動作パラメータ取得部44に引き渡す。
動作パラメータ取得部44は情報サービス管理装置2にIPアドレス取得部43から引き渡されたIPアドレスを通知するよう無線LAN送受信部46に指示し、無線LAN送受信部46から引き渡された動作パラメータを動作パラメータ記憶部48に記憶させる。
端末表示制御部45は、動作パラメータ記憶部48に記憶された動作パラメータにしたがって表示端末40に表示させる画面の表示データを生成し、生成した表示データを表示端末40に送信する。また、端末表示制御部45は、情報サービス管理装置2から送信される次駅案内指示などの表示制御情報にしたがって画面の構成や表示内容を切り換えたり、表示コンテンツ記憶部49に記憶された表示スケジュールにしたがって表示コンテンツ記憶部49に記憶された各種の表示コンテンツを表示端末40に表示させたりする。
表示コンテンツ更新部47は、無線LAN送受信部46を介して情報サービス管理装置2から送信される表示スケジュールや追加及び更新用の表示コンテンツを受信し、受信した表示スケジュールや表示コンテンツを表示コンテンツ記憶部49に記憶させる。
無線LAN送受信部46は、不図示の無線LANカード及び不図示の無指向性アンテナを介してAP3と無線で交信することにより、PC4とDHCPサーバ1及び情報サービス管理装置2との間の無線の通信リンクを確立し、IP通信によって情報サービス管理装置2と各種データの送受信を行う。
次に、APの構成と機能とについて説明する。
図6は、AP3の構成例を示す機能ブロック図である。図6に示すように、AP3は、光位置監視部31、無線LAN送受信部32、DHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部33を備える。
光位置監視部31は図7のようにPC4から受信した装置パラメータが送信された方向を光を受信した角度から角度情報、もしくは光の光源を座標パラメータに変換し、車両内位置情報とする。角度情報を用いる場合には、光源を特定するパラメータが1つであるので、その分データ量を抑えることができる。一方、座標パラメータを用いる場合には、光源を特定するパラメータが2つあるため、角度情報を用いる場合よりもデータ量は増えるが、同一角度の延長線上に複数の光源がある場合等、角度情報だけでは区別できない場合においても、光源位置を細かく特定することができる。
また、他の光とPC4からの光との区別はスタート信号とストップ信号の長さから区別することが可能であるし、前述した光信号に車両内位置情報であることを示すマークをつけてもかまわない。また、図8のように車両内にはPC#2−4とAP#2−1間に障害物があり、光が遮られ、届かない場合が考えられるが、図8のようにAP3を複数設置し、AP#2−3がPC#2−4と通信を行うことにより、障害物があっても光通信を行うことができる。
さらに、その光信号から元のMACアドレスに復号化し、該当するIPアドレスを検索する。その後、車両内位置情報、IPアドレスを含んだパラメータ要求を生成しDHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部33に引き渡す。無線LAN送受信部32は無線LAN通信により、PC4間と装置パラメータ、表示コンテンツ、表示制御情報、IPアドレス要求、IPアドレスの送受信を行い、DHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部33間と動作パラメータ、表示コンテンツ、表示制御情報、IPアドレス要求、IPアドレスの送受信を行う。DHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部33はLANを介して交信することにより情報サービス管理装置2間とパラメータ要求、動作パラメータ、表示コンテンツ、表示制御情報の送受信を行い、同じくLANを介してDHCPサーバ1間とIPアドレス要求、IPアドレスの送受信を行う。
尚、本実施例では、AP3内に、光位置監視部31のように車両内を撮像して光源を監視する機能を有する例を説明したが、光位置監視部31の機能をAP3とは別に設けることもできる。
次に情報サービス管理装置の構成と機能について、説明する。
図9は、情報サービス管理装置の構成例を示す機能ブロック図である。図9に示すように、情報サービス管理装置2はAP交信部22、パラメータ要求登録部23、PC管理部24、表示コンテンツ配信制御部25、表示制御情報配信制御部26、編成データ更新部27及び情報配信センタ交信部29の各処理部とPC管理データ記憶部82、編成データ記憶部81、及び配信コンテンツ記憶部83の各記憶部とを備える。
パラメータ要求登録部23は不図示の電源投入検知部が情報サービス管理装置2の電源が投入されたことを検知して、起動される。AP交信部22から引き渡された車両内位置情報、IPアドレスを含んだパラメータ要求、AP3のIPアドレスをPC管理データ記憶部82に記憶されるPC管理テーブル821に登録し、初期設定を行う。
AP交信部22はAP3とLAN(図1参照)を介して交信することにより、PCとIP通信によって各種データの送受信を行う。なお、情報サービス管理装置2のIPアドレスは、予め固定のIPアドレスが割り当てられており、各AP3のIPアドレスは、例えば、列車の編成データの一部として、情報配信センタから通知されるものとする。
PC管理部24はAP交信部22を介して、各PC4にPC管理テーブルに登録されているIPアドレス宛に動作パラメータ、表示コンテンツ、表示制御情報を配布する。パラメータ要求を送信してきたPC4のAP3のIPアドレスと車両内位置情報とに対応するレコードを編成データテーブル811から検索して当該レコードにそのPC4のIPアドレスを登録し、当該レコードのポインタ値から動作パラメータのリストを取得して、取得した動作パラメータをAP交信部22を介して、そのPC4に送信する。PC管理テーブル821、及び編成データテーブル811の詳細は図12、図13、図14を用いて後記する。
表示コンテンツ配信制御部25は、情報配信センタ交信部29を介して情報配信センタ70から送信されるニュースや広告などの各種配信コンテンツを受信し、受信した配信コンテンツを配信コンテンツ記憶部33に格納すると共に、PC管理部24に各PC4への配信コンテンツの配信を依頼する。PC管理部24は、表示コンテンツ配信制御部25から配信を依頼された配信コンテンツを、そのコンテンツの表示を行うすべてのPC4にAP交信部22を介して送信する。例えば、ニュースの配信を依頼された場合であれば、ニュースを表示するすべてのPC4にそのニュースを送信する。また、配信先が特定された配信コンテンツであれば、該当するPC4だけにそのコンテンツを送信する。
表示制御情報配信制御部26は、情報配信センタ交信部29を介して、情報配信センタ70から送信される自列車の位置などの運行管理データを受信し、PC管理部24に各PCへ次駅案内などの指示を行う表示制御情報を送信するよう依頼する。PC管理部24は、表示制御情報配信制御部26から送信を依頼された表示制御情報を、それに基づいて表示制御を行うすべてのPC4に送信する。
続いて、以上説明した各装置が連携して乗客向けの情報サービスを提供するための動作について詳しく説明する。
図10は、それぞれの端末計算機(PC)がIP通信を行うのに必要となるIPアドレスを取得するまでの動作の流れを示すシーケンス図である。図11は、IPアドレスを取得したそれぞれの端末計算機(PC)が情報サービス管理装置から動作パラメータを取得して表示端末40の表示制御を行う動作の流れを示すシーケンス図である。以下、図10のシーケンス図に沿って、それぞれのPCがDHCPサーバからIPアドレスを取得するまでの動作の詳細を説明し、図11のシーケンス図に沿って、取得したIPアドレスを用いて、情報サービス管理装置から自身の動作を規定する動作パラメータを取得して表示制御を行う動作について説明する。
まず、電源6が起動され、電源ライン7によって各装置への電力の供給が開始されると、PC4の電源投入検知部41が自装置の電源投入を検知して(ステップS411)、MACアドレス取得部42を起動する。次に、MACアドレス取得部42は、自装置に搭載されている無線LANカードからその固有番号であるMACアドレスを読み込むことによって当該MACアドレスを取得する(ステップS412)。
同じく電源が投入されたAP3は無線LANの規格で定められている所定周期(例えば、100ミリ秒間隔)で自身のMACアドレスなど無線通信を行うために必要な情報を通知するビーコン信号を送信する(ステップS311)。
PC4の無線LAN送受信部49がこのビーコン信号を検知すると(ステップS413)、当該AP3との間の通信リンクを確立するために自身のMACアドレスや認証情報などを通知するアソシエーション要求を送信する(ステップS414)。
このアソシエーション要求がAP3によって受信され、必要なクライアント認証が行われた結果(ステップS312)、接続が許可されると、AP3からPC4宛に(PC4のMACアドレスを指定して)接続許可を通知すると共に無線通信を行うときの通信パラメータを通知するアソシエーション応答が送信される。このアソシエーション応答を受信したPC4の無線LAN送受信部46が、通知された通信パラメータを無線LANカードに設定することにより(ステップS415)、PC4とAP3との間で無線通信を行うための通信リンク(アソシエーション)が確立し、以後PC4はAP3を介して他の装置と通信できるようになる。
PC4とAP3との間のアソシエーションが確立すると、次に、PC4のIPアドレス取得部43は、IPアドレスを取得したい旨と自身のMACアドレスとを通知するブロードキャスト信号であるDHCP DISCOVERをAP3に送信する(ステップS416)。AP3によって中継されるこのブロードキャスト信号を受信したDHCPサーバ1は、割り当て可能なIPアドレスの候補を1つ選択して(ステップS111)、PC4宛に(PC4のMACアドレスを指定して)そのIPアドレス候補を通知する信号であるDHCP OFFER送信する。
PC4のIPアドレス取得部43は、無線LAN送受信部46を介して受信されるこのDHCP OFFERによって通知されたIPアドレス候補を受け入れ(ステップS417)、そのIPアドレス候補を利用したい旨を通知する信号であるDHCP REQUESTをDHCPサーバ1宛に送信する。AP3によって中継されるこの信号を受信したDHCPサーバ1は、IPアドレス候補として通知したIPアドレスの貸出し処理行い(ステップS112)、貸出しが完了した旨を通知する信号であるDHCP ACKをPC4宛に送信する。この信号を受信したPC4のIPアドレス取得部43は、当該IPアドレスを自装置のIPアドレスとして設定し(ステップS418)、IPアドレスの取得が完了する。
続いて、PC4が取得したIPアドレスを用いて情報サービス管理装置2から自身の動作を規定する動作パラメータを取得して表示制御を行う動作について説明する。以下、図11のシーケンス図に沿って、各装置の動作を詳細に説明する。
IPアドレスの設定が完了すると、AP3は各PC4に対し、装置パラメータの送信を依頼する為、装置パラメータ要求を無線LAN送受信部32を介して、送信する(ステップS321)。PC4は無線LAN送受信部46を介して装置パラメータ要求を受信すると装置パラメータ生成部50が自身のMACアドレスから一意の装置パラメータ(光信号)を生成し(ステップS421)、光信号送信部51が装置パラメータ(光信号)を送信開始する(ステップS422)。装置パラメータの送信は後述する動作パラメータがAP3から動作パラメータを受信するまで継続する。AP3は光位置監視部31を介して、各PC4から送信される装置パラメータ(光信号)を受信し、各PC4の車両内の設置位置を角度もしくは座標パラメータに変換して、車両内位置情報とし、装置パラメータ(光信号)を元のMACアドレスに復号化し、MACアドレスからIPアドレスを検索する(ステップS322)。車両内位置情報、IPアドレスとPC4のIPアドレスを含めたパラメータ要求を生成する。DHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部33を介して、パラメータ要求に自身のAP3のIPアドレスを含めて情報サービス管理装置2に送信する(ステップS323)。
情報サービス管理装置2のパラメータ要求登録部23はAP交信部22を介して、パラメータ要求を受信し、パラメータ要求に含まれるPC4の車両内位置情報、PC4のIPアドレス、AP3のIPアドレスをPC管理データ記憶部82のPC管理テーブル821に登録する(ステップS221)。図12は、情報サービス管理装置2のパラメータ要求登録部23がAP3からパラメータ要求を受信したときPC管理データ記憶部82に生成されるPC管理テーブル821の初期状態のデータ例である。
図12に示すように、初期状態のPC管理テーブル311には、当該列車を編成する各車両に設置されるそれぞれのPC4に対応するレコードがAP3のIPアドレス順に登録される。各レコードは、AP3のIPアドレス、車両内位置情報、及びPC4のIPアドレスを属性にもつ。号車番号とは、当該PC4が設置される車両の号車番号である。車両内位置情報とは、当該PC4の車両内での設置位置を示す情報である。PC4とは当該PC4のIPアドレスを示す情報である。
編成データ更新部27は編成データを取得し、編成データテーブル811に登録する(ステップS222)。図13は編成データ記憶部81に備えられる編成データテーブル811の構成及びデータ例である。
図13に示すように、編成データテーブル811には列車を編成しているそれぞれの車両に対応するレコードが号車番号順に登録される。各レコードは、AP3のIPアドレス、号車番号、車両内位置情報、ポインタ値を属性にもつ。AP3のIPアドレスは予め固定設定で割り振られており、どのIPアドレスがどの号車に実装されているかは予め決まっている。号車番号とは、列車を編成している車両の連結順に各車両に付される一連番号である。車両内位置情報は車両内でPC4の設置位置を示すものである。ポインタ値には、当該PC4に配信すべき動作パラメータのリストのアドレスを示すポインタ値が登録される。ここで、例えばp(1,A)なる標記は、1号車の設置位置Aの場所であるであるPC4に配信すべき動作パラメータのリストへのポインタ値を表している。
そして、図11のステップS223では、PC管理部24がパラメータ要求を送信してきたPC4のAP3のIPアドレスと車両内位置情報とに対応するレコードを編成データテーブル811から検索して当該レコードにそのPC4のIPアドレスを登録し、当該レコードのポインタ値から動作パラメータのリストを取得して、取得した動作パラメータをそのPC4に送信する。
このような動作を、パラメータ要求を送信してきたそれぞれのPC4毎に繰り返し実行することにより、図14に例示するように、PC登録後のPC管理テーブル311のそれぞれのレコードには、それに対応する号車番号、動作パラメータが追加登録されることになる。
再び図11に戻って説明を続ける。PC4の動作パラメータ取得部は無線LAN送受信部46を介して動作パラメータを受信すると、装置パラメータの送信を停止し(ステップS423)、受信した動作パラメータを動作パラメータ記憶部48に格納し、端末表示制御部45は、動作パラメータ記憶部48に格納された動作パラメータを参照して自身の動作を制御することによって、表示コンテンツ記憶部49から必要な表示スケジュールやコンテンツを取得して表示端末40に表示させる初期表示データを生成する(ステップS424)。これにより、生成された初期表示画面の表示データP1は表示端末40に送信され、初期表示画面が表示される。
また、必要に応じて、情報配信センタ70から情報サービス管理装置2に送信される列車の編成データと表示コンテンツや表示スケジュールを含む配信コンテンツとは、表示コンテンツ配信制御部25によって受信され、配信コンテンツ記憶部83にデータが保存される。
これとは別に、情報配信センタ70から情報サービス管理装置2へは、列車の位置情報などの運行管理データが送信され、情報サービス管理装置2の表示制御情報配信制御部26は、受信した運行管理データに基づいて、例えば次駅案内のテロップを流すよう指示する表示制御情報の配信をPC管理部24に依頼する。依頼を受けたPC管理部24は、編成データテーブル811(図13)、PC管理テーブル821(図14)などを参照することによって、その表示制御情報を配信すべき対象のPC4を抽出して、抽出したPC4のそれぞれにその表示制御情報を配信する(ステップS224)。これにより、例えばテロップ表示を行わない表示端末40に対応するPC4への不要な表示制御情報の配信を抑止する。
この表示制御情報を受信したPC4の端末表示制御部45は、動作パラメータ記憶部48に格納されている動作パラメータを参照して自身の動作を制御することによって、受信した表示制御情報に対応した表示データの更新を行い(ステップS425)、これにより、例えば次駅案内のテロップの表示データP2を生成して表示端末40に送信する。以後同様にして、新たな運行管理データに基づいて、情報サービス管理装置2からPC4への表示制御情報の送信が行われ(ステップS224)、PC4が受信した表示制御情報に対応した表示データの更新を行うことで(ステップS425)表示データP2を生成して表示端末40に送信する。
また、情報配信センタ70から送信され、配信コンテンツ記憶部83に保存された例えば最新のニュースや天気予報などの配信コンテンツは、表示コンテンツ配信制御部25によって、その情報を必要とするそれぞれのPC4に更新コンテンツとして適宜配信される(ステップS225)。この更新コンテンツを受信した各PC4の表示コンテンツ更新部47は、受信したコンテンツや表示スケジュールを表示コンテンツ記憶部49に保存する。
以後、端末表示制御部45は、表示コンテンツ記憶部49に保存されている最新の表示スケジュールにしたがって更新されたコンテンツを表示するための表示データ更新を行う(ステップS426)。これにより、更新された表示データPjを生成して表示端末40に送信する。以上説明したように、本実施形態に係る分散型計算機システムによれば、線通信を使用せず、無線通信のみを使用し、近接〜遠隔の表示端末にそれぞれの設置位置に応じた表示制御動作を独立して実行させることができる分散型計算機システムを提供することができる。
また、本技術は無線LAN以外にも無線通信可能な通信手段でも実現可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くこと5ができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 DHCPサーバ
10 分散型計算機システム
2 情報サービス管理装置(動作制御装置)
22 AP交信部
23 パラメータ要求登録部
24 PC管理部
25 表示コンテンツ配信制御部
26 表示制御情報配信制御部
27 編成データ更新部
29 情報配信センタ更新部
81 編成データ記憶部
811 編成データテーブル
82 PC管理データ記憶部
821 PC管理テーブル
83 配信コンテンツ記憶部
3 無線LANアクセスポイント(AP)
32 無線LAN送受信部
33 DHCPサーバ兼情報サービス管理装置交信部
4 端末計算機
40 表示端末
41 電源投入検知部
42 MACアドレス取得部
43 IPアドレス取得部
44 動作パラメータ取得部
45 端末表示制御部
46 無線LAN送受信部
47 表示コンテンツ更新部
48 動作パラメータ記憶部
49 表示コンテンツ記憶部
50 装置パラメータ生成部
51 光信号送信部
5 LAN
6 電源
7 電源ライン
70 情報配信センタ
9 車両

Claims (5)

  1. 列車を編成する車両内に複数設置される表示端末と、
    前記表示端末ごとに対応付けられて設置され、前記表示端末の表示内容を制御する複数の端末計算機と、
    前記車両内に設置され、前記端末計算機と無線通信を行う無線LANアクセスポイントと、
    前記端末計算機の動作を規定する動作パラメータを管理する動作制御装置と、を備え
    複数の前記端末計算機は、それぞれ光源を有し、当該光源を用いて自計算機の識別情報を示す信号パタンを発信し、
    前記動作制御装置は、前記車両内を撮像する撮像部と接続されており、前記撮像部によって前記光源の位置、および、前記光源から発信された信号パタンを識別し、各端末計算機と、各端末計算機の設置位置とを対応付け、設置位置に対応する前記動作パラメータを前記無線LANアクセスポイントを介して各端末計算機へ送信する
    分散型計算機システム。
  2. 請求項1において、
    前記動作制御装置は、前記表示端末に表示する表示情報を前記無線LANアクセスポイントを介して各端末計算機へ送信し、
    前記端末計算機は、前記動作制御装置から取得した自計算機の前記動作パラメータに従って前記表示情報の前記表示端末への表示処理を行うことを特徴とする分散型計算機システム。
  3. 請求項1において、
    前記車両内には、複数の前記撮像部が設置され、前記端末計算機と前記動作制御装置とは、複数のルートを用いて前記光源を用いた光通信を行うことを特徴とする分散型計算機システム。
  4. 請求項1において、
    前記動作制御装置は、前記撮像部が撮像した画像上の前記光源の角度情報から前記端末計算機の設置位置を特定する動作制御装置。
  5. 請求項1において、
    前記動作制御装置は、前記撮像部が撮像した画像上の前記光源の座標情報から前記端末計算機の設置位置を特定する動作制御装置。
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