JP2017033992A - フィルムモールドの製造方法、フィルムモールド製造用基材及び製造用治具 - Google Patents

フィルムモールドの製造方法、フィルムモールド製造用基材及び製造用治具 Download PDF

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Abstract

【課題】歪みが抑制されたフィルムモールドを簡易に製造することができるフィルムモールドの製造方法を提供する。【解決手段】本実施の形態に係る製造方法は、パターン11を有する原版10上に樹脂組成物30を塗布する工程と、樹脂組成物30上に柔軟性を有する転写側基材40を配置するとともに転写側基材40を樹脂組成物30及び原版10に向けて押圧して、原版10のパターン11を樹脂組成物30に転写する工程と、樹脂組成物30を硬化させる工程と、転写側基材40を樹脂組成物30とともに原版10から剥離する工程と、を備える。樹脂組成物30上に転写側基材40を配置する際に転写側基材40の原版10と対向する対向部分41の外周部分42に保護フィルム50を配置する。転写側基材40の剥離後に、樹脂組成物30の食み出し部分80を保護フィルム50とともに転写側基材40から除去する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムモールドの製造方法、フィルムモールド製造用基材及び製造用治具に関する。
微細パターンを形成する技術として、フォトリソグラフィが従来から知られている。フォトリソグラフィは、多くの分野で採用されているが、装置コストが高く、製造手順に比較的時間がかかるという問題がある。これに対し、低コストで且つ高速に微細パターンを形成する技術として、インプリントが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。インプリントは、微細パターンを有する原版を用い、当該原版のパターンを樹脂組成物等の被成形材料に転写する手法である。原版のパターンは、一般的に電子線描画にて作製されている。
インプリントは、例えば、以下のように行われる。原版のパターン側の面に熱硬化性樹脂組成物又は光硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物と呼ぶ。)が滴下され、滴下された樹脂組成物が原版と転写側基材との間に挟み込まれる。挟み込まれた樹脂組成物が熱又は光(紫外線等)によって硬化され(賦型)、その後、原版と転写側基材とが引き剥がされる(離型)。これにより、原版のパターンが等倍転写された樹脂組成物と転写側基材とからなる被転写物(複製)が形成される。
上述のようなインプリントにおいて、正確な転写を行うためには、原版の形状及び状態を維持することが重要となる。例えば、ガラス等からなる硬質の原版と、同様にガラス等からなる硬質の転写側基材との間に樹脂組成物を介在させるインプリントは、原版のパターンを樹脂組成物に忠実に転写できるため、高精度を求められる加工に適している。しかしながら、原版と転写側基材とがともに撓まないため、賦型及び特に離型が難しく、この際に、原版を著しく傷つける場合がある。そのため、原版の形状及び状態を長期間にわたり維持することが困難となる場合がある。
このような問題に対して、原版と柔軟性を有する転写側基材との間に樹脂組成物を介在させて樹脂組成物にパターンを転写することにより、中間版(以下、フィルムモールドと呼ぶ。)を作製し、このフィルムモールドと硬質の転写側基材との間に樹脂組成物を介在させて樹脂組成物にパターンを転写する手法が知られている(特許文献3参照)。この手法によれば、原版と柔軟性を有する転写側基材との間で樹脂組成物にパターンを転写する際に、転写側基材を撓ませることができるため、賦型及び離型が容易になり、原版に損傷が生じることを抑制できる。
上記の手法では、柔軟性を有する転写側基材の撓みに起因して樹脂組成物が流動し易いため、原版と転写側基材との間の樹脂組成物の厚さが薄い場合には、樹脂組成物におけるパターンが転写される予定の領域において樹脂量が不足する状況が生じ得る。そのため、原版と転写側基材との間に介在させる樹脂組成物の厚さは、通常、比較的大きく確保される。ただし、このように樹脂組成物の厚さを大きく確保した場合には、原版と転写側基材との間から外部への樹脂組成物の食み出しが生じ易くなる。
柔軟性を有する転写側基材を用いるインプリントでは、原版に樹脂組成物を滴下し、この樹脂組成物上にPET等の転写側基材を貼り付けることが一般的である。このような貼り付けを大気下で行う場合には、原版と転写側基材との間に気泡が残り易く、気泡に起因して欠陥が生じる場合がある。そのため、一般的には、ローラー等によって転写側基材を樹脂組成物側に押し付けつつローラー等を樹脂組成物を広げるように移動させることで、気泡が除去される。このようなローラー等が用いられる場合には、特に、大量の食み出しが生じ易い。
フィルムモールド作製時に上述のように樹脂組成物上に転写側基材を貼り付ける場合には、樹脂組成物を硬化させることにより、転写側基材に樹脂組成物が固定される。この際、上述のような食み出しが生じた場合には、食み出し部分も硬化し、当該食み出し部分は、離型後の転写側基材において余分な部分となる。また、食み出した部分が、転写されたパターンの表面よりも突出する場合には、このままの状態ではフィルムモールドとして使用することができない。
そこで、上述のように食み出し部分が生じた場合には、離型後に、食み出し部分を含む転写側基材のうちの外周側部分を原版の輪郭全体に沿って切断する場合がある。この場合には、全体の形状が整えられ、且つパターンの表面よりも突出する食み出し部分も無くなるのでフィルムモールドが適正に使用され得る状態となる。
また、転写時に樹脂組成物の食み出しが生じることを防止する技術も種々提案されている。例えば特許文献4には、親液層及び撥液層が表面に形成された基板において親液層に樹脂を塗布して、凹凸パターンを有するモールドを樹脂に密着させる方法が開示されている。
また、特許文献5には、凸部を有するモールドを載置可能な第1ステージと、樹脂層を載置可能な第2ステージと、第1ステージ及び第2ステージの少なくともいずれか一方に配置され凸部と樹脂層とが接触された際に樹脂層のパターン領域の外周に位置するガイドと、を備える構成が開示されている。この構成では、ガイドに樹脂層の余分な一部を外部へ押し出す空隙部が形成されている。
米国特許第5259926号明細書 米国特許第5772905号明細書 国際公開第2012/018045号 特開2008−100378号公報 特開2012−227373号公報
ところで、食み出しが生じた場合に、食み出し部分を含む転写側基材のうちの外周側部分を原版の輪郭全体に沿って切断する上述の手法では、切断後の転写側基材及びこれに固定された樹脂組成物が小さくなるため、取扱い性が良好でなくなる。そのため、このような切断を行った場合には、通常、接着剤や接着テープを用いて別の柔軟性を有する基材に切断後の転写側基材及び樹脂組成物を貼り付けて、フィルムモールドが作製され、これにより良好な取扱い性を確保する。しかしながら、このような貼り付けでは、接着剤や接着テープの歪みによって、樹脂組成物に転写されたパターンが大きく歪む場合があるという問題がある。
また、特許文献4に係る基板は、表面に2種の層を形成する必要があるため、製造に手間がかかる。また、特許文献5に係る構成では、モールドとガイドと樹脂層の平面度とが高精度に揃うように位置決めされていないとモールドが樹脂層を平行に押すことができない。そのため、高精度の位置決めを可能とするために装置コストが嵩む虞がある。また、モールドが樹脂層を平行に押すことができない場合には、気泡残りやモールドに歪みが生じて、樹脂層の転写精度が低下する虞がある。
以上の点を考慮すると、転写時に樹脂組成物の食み出しが生じた場合には、転写側基材を切断することなく食み出し部分を簡易に除去できる手法が望まれる。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであって、その目的は、原版と柔軟性を有する転写側基材との間からの樹脂組成物の食み出し部分を転写側基材を切断することなく簡易に除去でき、これにより歪みが抑制されたフィルムモールドを簡易に製造できるようにすることにある。
本発明は、パターンを有する原版を準備する工程と、前記原版上に樹脂組成物を塗布する工程と、前記樹脂組成物上に柔軟性を有する転写側基材を配置するとともに当該転写側基材を前記樹脂組成物及び前記原版に向けて押圧して、前記原版のパターンを前記樹脂組成物に転写する工程と、前記樹脂組成物を硬化させる工程と、前記転写側基材を前記樹脂組成物とともに前記原版から剥離する工程と、を備え、前記樹脂組成物上に前記転写側基材を配置する際に当該転写側基材の前記原版と対向する対向部分の外周部分、又は前記転写側基材の前記原版と対向する前記対向部分の外周部分と前記原版の外周縁の外周部分とに、保護フィルムを配置し、前記転写側基材の剥離後に、前記樹脂組成物のうちの平面視で前記保護フィルムと重なる部分を前記保護フィルムとともに前記転写側基材から除去する、ことを特徴とするフィルムモールドの製造方法、である。
本発明において、前記保護フィルムは、前記転写側基材の前記対向部分の内側及び前記原版の前記外周縁の内側に延びるように配置されてもよい。
また、前記原版を準備する際に、前記原版の前記外周縁を囲む囲繞部を有する治具が更に準備され、前記樹脂組成物の塗布前に、前記囲繞部が前記原版の前記外周縁を囲む状態に前記原版と前記治具とが組み付けられてもよい。
また、前記保護フィルムを前記原版の前記外周縁の外周部分に配置する場合、前記保護フィルムは、前記囲繞部に配置されてもよい。
また、前記転写側基材を前記樹脂組成物及び前記原版に向けて押圧する際、前記転写側基材の前記樹脂組成物側の面とは反対側の面からローラーによって押圧しつつ、当該ローラーを前記転写側基材の対向する一対の辺部のうちの一方の辺部側から他方の辺部側に向けて移動させ、前記保護フィルムは、前記転写側基材の前記他方の辺部が位置する側に配置されてもよい。
また、前記保護フィルムは、前記ローラーの移動方向に直交する方向の両側において更に配置されてもよい。
また、本発明は、原版のパターンを樹脂組成物に転写し、前記樹脂組成物を硬化させ、前記樹脂組成物を前記原版から剥離することによりフィルムモールドを作製する際に用いられ、前記原版のパターンを前記樹脂組成物に転写する際に当該樹脂組成物を介して前記原版に向けて押圧されるフィルムモールド製造用基材であって、前記原版と対向する対向部分の外周部分に保護フィルムが設けられている、ことを特徴とするフィルムモールド製造用基材、である。
また、本発明は、原版のパターンを樹脂組成物に転写することによりフィルムモールドを作製する際に用いられるフィルムモールド製造用治具であって、前記原版の外周縁を囲む囲繞部を有し、前記囲繞部に保護フィルムが設けられている、ことを特徴とするフィルムモールド製造用治具、である。
本発明によれば、原版と柔軟性を有する転写側基材との間からの樹脂組成物の食み出し部分を転写側基材を切断することなく簡易に除去でき、これにより歪みが抑制されたフィルムモールドを簡易に製造できる。
本発明の一実施の形態に係るフィルムモールドの製造方法の工程説明図である。 図1に示す製造方法において使用される転写側基材の樹脂組成物側の面を示した図である。 本発明の一実施の形態の変形例1を説明する図である。 本発明の一実施の形態の変形例2を説明する図である。 本発明の一実施の形態の変形例3を説明する図である。 (A)は、本発明の一実施の形態に係る製造方法によって製造されたフィルムモールドの歪みの程度を示した図であり、(B)は、従来の製造方法によって製造されたフィルムモールドの歪みの程度を示した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付している。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、本発明の一実施の形態に係るフィルムモールドの製造方法の工程説明図を示しており、図1には、本実施の形態で用いられる部材の概略断面が示されている。本実施の形態において製造されるフィルムモールドは、インプリントによって転写されるパターンを有し、当該転写されたパターンをインプリントによって他の被成形材料に対して転写することが可能となる。フィルムモールドは柔軟性を有しており、例えばローラー転写方式のインプリントにおいて用いられ得るが、この用途に限られるものでなく、例えばパターン全体を同時に転写する転写方式においても用いられ得る。また、このフィルムモールドは、各種分野の製品の製造に用いることが可能であり、例えば、半導体、光学素子、バイオ等の分野における各種製品の製造に好適に用いられ得る。
以下、本実施の形態に係るフィルムモールドの製造方法の各工程について詳述する。
(準備工程)
本実施の形態に係るフィルムモールドの製造方法では、まず、図1(A)に示すように、パターン11を有する原版10と、原版10の周囲を囲むように原版10に組み付けられる治具20と、が準備される。原版10は、ガラス、石英、石英ガラス等からなる板状部材であり、一対の面うちの一方の面に凹凸形状からなるパターン11が形成されている。パターン11は、例えば電子線描画によって形成され、その形状は、製造対象の製品に応じて適宜設定されるが、例えばラインアンドスペース、矩形や円形の凸部が点在するドットパターン等が採用され得る。本実施の形態において原版10は、平面視で矩形状に形成されるが、円形状等であってもよい。また、パターン11の表面には例えばクロム層が形成されている。なお、クロム層は一例であり、パターン11の表面に形成される層としては、MoSi層等であってもよい。
治具20は、原版10と同様に、ガラス、石英、石英ガラス等からなり、本実施の形態では、治具20が、板状の本体21と、本体21から突出する矩形枠状の囲繞部22と、を有し、囲繞部22の内側に原版10の設置スペースが形成されている。囲繞部22の内側に原版10が設置された際、囲繞部22は原版10の外周縁を囲み、且つ囲繞部22の表面がパターン11の凹凸形状における凹部の表面と面一となるように構成されている。本実施の形態では、図1(A)に示すように、上述の原版10及び治具20が組み付けられた状態で、これらが図示しないステージ上に配置される。
(塗布工程)
原版10等を配置した後には、図1(B)に示すように、原版10のパターン11側の面に樹脂組成物30が塗布される。本実施の形態では、樹脂組成物30として例えば紫外線によって硬化する光硬化性樹脂組成物が用いられるが、これに代えて熱硬化性樹脂組成物が用いられてもよい。樹脂組成物30は、図示しないディスペンサ装置によって塗布される。図示の例では、原版10上の外周縁寄りの領域に樹脂組成物30が塗布されるが、樹脂組成物30はパターン11の全体に点在して塗布されてもよいし、パターン11の全体に薄膜状に塗布されてもよい。
(転写工程)
樹脂組成物30の塗布後には、図1(C)に示すように、樹脂組成物30上に柔軟性を有する転写側基材40が配置されるとともに転写側基材40が樹脂組成物30及び原版10に向けて押圧され、原版10のパターン11が樹脂組成物30に転写される。転写側基材40は、例えばPET、フレキシブルガラス等からなる柔軟性を有するフィルム部材であり、本実施の形態では、平面視で矩形状に形成され且つ原版10よりも大きく形成されている。転写側基材40は、例えば25〜250μm程度の厚さに設定されることが好ましい。
本実施の形態では、図1(C)に示すように、樹脂組成物30上に転写側基材40を配置する際に転写側基材40の原版10と対向する対向部分41の外周部分42に、保護フィルム50が配置される。図2は、転写側基材40の樹脂組成物30側の面を示しており、図2において、二点鎖線で囲まれた領域は上述の対向部分41を示し、その外側の領域は上述の外周部分42を示している。外周部分42は矩形枠状を呈し、本実施の形態では、外周部分42の4辺部のうちの一辺部を全体的に覆うように保護フィルム50が配置される。
保護フィルム50は、例えばTAC(トリアセチルセルロース)フィルム等から形成されており、例えば100μm以下の厚さに設定されている。本実施の形態において、この保護フィルム50は、上述の外周部分42の4辺部のうちの一辺部に、例えばシリコン系接着剤を介して簡易に剥離可能に貼り付けられる。また、図1(C)及び図2に示すように、保護フィルム50は、平面視及び側面視で、転写側基材40のうちの対向部分41の内側及び原版10の外周縁の内側に延びる(わずかに突出する)ように配置される。
そして、上述のように保護フィルム50を転写側基材40に配置した後に、転写側基材40が樹脂組成物30上に配置され、その後、転写側基材40が押圧される。転写側基材40を樹脂組成物30及び原版10に向けて押圧する際、本実施の形態では、図1(C)に示すように、転写側基材40が樹脂組成物30側の面とは反対側の面からローラー60によって押圧される。そして、ローラー60は、転写側基材40の対向する一対の辺部のうちの一方の辺部側から他方の辺部側に向けて移動される。
詳しくは、本実施の形態において、ローラー60は、原版10上に塗布された樹脂組成物30側に位置する転写側基材40の第1辺部40A側から当該第1辺部40Aに対向する第2辺部40B側に向けて移動される。ここで、本実施の形態では、保護フィルム50が、第2辺部40Bが位置する側に配置されるようになっている。
この転写工程では、転写側基材40がローラー60によって樹脂組成物30及び原版10に向けて押圧され、且つローラー60が移動されることにより、原版10のパターン11の凹凸形状に隙間なく樹脂組成物30が充填される。これにより、樹脂組成物30にパターン11に対応した凹凸形状のパターンが転写される。一方、ローラー60の押圧及び移動により余剰の樹脂組成物30が食み出す。これにより、図中に示すように、特にローラー60の進行方向側に、原版10と転写側基材40の間からの食み出し部分80が生じる。図1(C)においては、食み出し部分80が保護フィルム50と治具20の囲繞部22との間に食み出している様子が示されている。
(硬化工程)
そして、転写工程の後には、図1(D)に示すように、樹脂組成物30が硬化され、転写側基材40に樹脂組成物30が固定される。本実施の形態では、樹脂組成物30が光(紫外線)硬化性樹脂組成物であるため、図中の矢印に示すように、紫外線を照射されることにより樹脂組成物30が硬化される。硬化に伴い樹脂組成物30は転写側基材40に接着され、転写側基材40に樹脂組成物30が固定される。なお、樹脂組成物30が熱硬化性樹脂組成物である場合には、熱が付与されて硬化される。
(剥離工程)
そして、樹脂組成物30の硬化後、図1(E)に示すように、転写側基材40が樹脂組成物30とともに原版10から剥離される。ここで、本実施の形態では、転写側基材40の剥離後に、図中の矢印αに示すように、保護フィルム50を転写側基材40から剥離することで、食み出し部分80が、保護フィルム50とともに転写側基材40から除去される。すなわち、転写側基材40上の樹脂組成物30のうちの平面視で保護フィルム50と重なる部分に対応する食み出し部分80が、保護フィルム50とともに転写側基材40から除去される。
これにより、転写側基材40と樹脂組成物30とからなるフィルムモールドが製造される。
以上に説明した本実施の形態に係る製造方法では、保護フィルム50が転写側基材40から簡易に剥離可能であり、保護フィルム50を転写側基材40から剥離することで食み出し部分80を除去できるため、転写側基材40を切断することなく、簡易に食み出し部分80を除去できる。これにより、食み出し部分80が残存することで生じ得るフィルムモールドの変形を抑制でき、且つ取扱い性の向上のために転写側基材40を切断して別の基材に接着剤や接着テープを介して貼り付ける必要がないため、この貼り付けによって樹脂組成物30に転写されたパターンが大きく歪むことがない。したがって、歪みが抑制されたフィルムモールドを簡易に製造できる。
また、本実施の形態では、保護フィルム50が、転写側基材40のうちの対向部分41の内側及び原版10の外周縁の内側に延びるように配置されることにより、フィルムモールドの適切な使用を阻害する食み出し部分を確実に除去できる。すなわち、本実施の形態では、原版10の外周縁と治具20の囲繞部22の内面との間に樹脂組成物30の一部が進入し易くなる。原版10の外周縁と治具20の囲繞部22の内面との間に樹脂組成物30の一部が進入した状態で、硬化され、その後、離型された場合には、上記進入した樹脂組成物30の一部が硬化した状態で、樹脂組成物30に転写されたパターンの表面よりも突出する。これにより、フィルムモールドの適切な使用が阻害される。しかしながら、本実施の形態のように保護フィルム50が転写側基材40のうちの対向部分41の内側及び原版10の外周縁の内側に延びる場合には、保護フィルム50の剥離によって上述の原版10の外周縁と治具20の囲繞部22の内面との間に進入して硬化した樹脂組成物30の一部を除去できる。そのため、フィルムモールドの適切な使用を阻害する食み出し部分を確実に除去できることになる。
また、本実施の形態では、樹脂組成物30の塗布前に、原版10と治具20とが組み付けられ、治具20の囲繞部22が原版10の外周縁を囲む状態となる。これにより、囲繞部22によって、樹脂組成物30が、転写されたパターンの表面に直交する方向に大きく突出して食み出すことが防止されるため、食み出し部分80の厚さを抑えることができる。これによって、保護フィルム50を転写側基材40から容易に剥離することが可能となる。特に、本実施の形態では、囲繞部22が原版10の外周縁を囲み、且つ囲繞部22の表面がパターン11の凹凸形状における凹部の表面と面一となるため、樹脂組成物30が、転写されたパターンの表面よりも突出するように食み出すことが効果的に防止され、食み出し部分80の厚さを十分に抑えることができる。したがって、保護フィルム50を転写側基材40から極めて容易に剥離することができる。なお、囲繞部22の表面は、パターン11の凹凸形状における凹部の表面よりも高くてもよい。この場合であっても、同様の効果が得られる。
ここで、図6(A)は、第1の実施の形態に係る製造方法よって製造されたフィルムモールドの歪みの程度を誇張して示した図であり、図6(B)は、樹脂組成物の食み出しが生じた場合に、転写側基材の原版と対向する対向部分の外周部分を原版の輪郭全体に沿って切断して食み出し部分を除去し、その後、別の基材に切断された転写側基材を接着する従来の製造方法によって製造されたフィルムモールドの歪みの程度を誇張して示した図である。
図6(A),(B)において、太線で示される格子の各交点は、製造されたフィルムモールドの観測点を示しており、細線で示される格子の各交点は、観測点に対する設計上のフィルムモールドの比較点を示している。観測点が比較点に一致している程、フィルムモールドに歪み或いは変形が生じていないことを示す。図6(A),(B)を対比して明らかなように、本実施の形態に係る製造方法によって製造されたフィルムモールドでは、従来の製造方法によって製造されたフィルムモールドと比較して、歪み或いは変形の発生が効果的に抑制されていることが分かる。具体的に、本実施の形態に係る製造方法によって製造されたフィルムモールドでは、観測点と設計上のパターンの比較点とのずれが最大でも1μm未満であり、全体として歪みが小さいことが確認された。一方、従来の製造方法によって製造されたフィルムモールドの場合のずれは、最大で8μm程度であり、全体として歪みが大きくなっていた。このような結果からも、本発明の効果が確認された。
(変形例1)
次に上述の実施の形態の変形例1について説明する。図3は、変形例1を説明する図であり、詳しくは、図1(C)に対応する図を示している。本変形例1における上述の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号が付されている。
上述の実施の形態では、保護フィルム50が転写側基材40側のみに設けられたが、変形例1では、図3に示すように、治具20の囲繞部22にも保護フィルム51が設けられている。
詳しくは、この例では、囲繞部22における原版10の外周縁を囲む4辺部のうちの一辺部を全体的に覆うように保護フィルム51が配置される。より詳しくは、保護フィルム51は、上述の囲繞部22の4辺部のうちの一辺部に、例えばシリコン系接着剤を介して簡易に剥離可能に貼り付けられる。そして、保護フィルム51は、転写側基材40側の保護フィルム50と対向する位置に配置されている。また、この例において、保護フィルム51は、平面視及び側面視で、転写側基材40のうちの対向部分41の内側及び原版10の外周縁の内側に延びる(わずかに突出する)ように配置されている。なお、この例では、保護フィルム51が、樹脂組成物30上に転写側基材40が配置される前に、囲繞部22に配置される。
このような変形例1においても、保護フィルム50を剥離することで、食み出し部分80を保護フィルム50とともに転写側基材40から除去できる。これにより、転写側基材40を切断することなく樹脂組成物30の食み出し部分80を簡易に除去でき、これにより歪みが抑制されたフィルムモールドを簡易に製造できる。また、保護フィルム51が治具20の囲繞部22に配置されていることで、治具20の汚れを抑制できる。しかも、この例では、保護フィルム51が転写側基材40のうちの対向部分41の内側及び原版10の外周縁の内側に延びることにより、原版10と治具20の囲繞部22との間に樹脂組成物30が進入することが防止されるため、離型が容易となる。
(変形例2)
次に図4は上述の実施の形態の変形例2を説明する図であり、詳しくは、転写側基材40の樹脂組成物側の面を示している。本変形例2における上述の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号が付されている。
上述の実施の形態では、保護フィルム50が、転写側基材40の第1辺部40Aから当該第1辺部40Aに対向する第2辺部40Bに向けて移動されるローラー60の移動方向において、第2辺部40Bが位置する側に配置される。これに対して、変形例2では、図4に示すように、保護フィルム52が、ローラー60の移動方向(図中矢印βの方向)に直交する方向の両側においても更に配置される。
ローラー60が、転写側基材40の第1辺部40A側から当該第1辺部40Aに対向する第2辺部40B側に向けて移動される場合、第2辺部40B側には樹脂組成物30の食み出しが特に多く生じるが、ローラー60の移動方向に直交する方向の両側においても、食み出しが多く生じる場合がある。このような場合に、本変形例2の構成によれば、保護フィルム50,52によって広範囲に生じた食み出し部分を簡易に除去できる。なお、図4における保護フィルム50と、保護フィルム52とは一体であってもよいし、別体であってもよいが、別体である方が剥離作業を容易に行うことができる。また、原版10側において、保護フィルム50,52と対向する保護フィルムが更に配置されてもよい。
(変形例3)
上述の変形例2では、転写側基材40の外周部分42の3つの辺部を覆う保護フィルム50,52が配置されるが、図5に示すように、変形例3では、転写側基材40の外周部分42の4つの辺部の全てを覆う保護フィルム55が配置されている。また、さらに他の変形例として、転写側基材40の外周部分42の2つの辺部を覆うように保護フィルムが配置されてもよい。なお、例えば変形例2や変形例3のように転写側基材40の外周部分42の複数の辺部に保護フィルムが配置される場合には、保護フィルムの厚さが大きいとローラー等により樹脂組成物を押圧し難くなる。そのため、このような場合、保護フィルムの厚さは100μm以下に設定されることが好ましい。
以上、本発明の一実施の形態及びその変形例を説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々の変更を加えることが可能である。
10 原版
11 パターン
20 治具
21 本体
22 囲繞部
30 樹脂組成物
40 転写側基材
40A 第1辺部
40B 第2辺部
41 対向部分
42 外周部分
50,51,52,55 保護フィルム
60 ローラー
80 食み出し部分

Claims (8)

  1. パターンを有する原版を準備する工程と、
    前記原版上に樹脂組成物を塗布する工程と、
    前記樹脂組成物上に柔軟性を有する転写側基材を配置するとともに当該転写側基材を前記樹脂組成物及び前記原版に向けて押圧して、前記原版のパターンを前記樹脂組成物に転写する工程と、
    前記樹脂組成物を硬化させる工程と、
    前記転写側基材を前記樹脂組成物とともに前記原版から剥離する工程と、
    を備え、
    前記樹脂組成物上に前記転写側基材を配置する際に当該転写側基材の前記原版と対向する対向部分の外周部分、又は前記転写側基材の前記原版と対向する前記対向部分の外周部分と前記原版の外周縁の外周部分とに、保護フィルムを配置し、
    前記転写側基材の剥離後に、前記樹脂組成物のうちの平面視で前記保護フィルムと重なる部分を前記保護フィルムとともに前記転写側基材から除去する、
    ことを特徴とするフィルムモールドの製造方法。
  2. 前記保護フィルムは、前記転写側基材の前記対向部分の内側及び前記原版の前記外周縁の内側に延びるように配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルムモールドの製造方法。
  3. 前記原版を準備する際に、前記原版の前記外周縁を囲む囲繞部を有する治具が更に準備され、
    前記樹脂組成物の塗布前に、前記囲繞部が前記原版の前記外周縁を囲む状態に前記原版と前記治具とが組み付けられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムモールドの製造方法。
  4. 前記保護フィルムを前記原版の前記外周縁の外周部分に配置する場合、前記保護フィルムは、前記囲繞部に配置される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のフィルムモールドの製造方法。
  5. 前記転写側基材を前記樹脂組成物及び前記原版に向けて押圧する際、前記転写側基材の前記樹脂組成物側の面とは反対側の面からローラーによって押圧しつつ、当該ローラーを前記転写側基材の対向する一対の辺部のうちの一方の辺部側から他方の辺部側に向けて移動させ、
    前記保護フィルムは、前記転写側基材の前記他方の辺部が位置する側に配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルムモールドの製造方法。
  6. 前記保護フィルムは、前記ローラーの移動方向に直交する方向の両側において更に配置される、
    ことを特徴とする請求項5に記載のフィルムモールドの製造方法。
  7. 原版のパターンを樹脂組成物に転写し、前記樹脂組成物を硬化させ、前記樹脂組成物を前記原版から剥離することによりフィルムモールドを作製する際に用いられ、前記原版のパターンを前記樹脂組成物に転写する際に当該樹脂組成物を介して前記原版に向けて押圧されるフィルムモールド製造用基材であって、
    前記原版と対向する対向部分の外周部分に保護フィルムが設けられている、ことを特徴とするフィルムモールド製造用基材。
  8. 原版のパターンを樹脂組成物に転写することによりフィルムモールドを作製する際に用いられるフィルムモールド製造用治具であって、
    前記原版の外周縁を囲む囲繞部を有し、
    前記囲繞部に保護フィルムが設けられている、ことを特徴とするフィルムモールド製造用治具。
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