JP2017032051A - シール付き転がり軸受 - Google Patents

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修光 前田
Masamitsu Maeda
修光 前田
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Abstract

【課題】 シール部材のシールリップ部に潤沢に油がかかるような状況で使用される場合でも、軸受製造後の回転初期にシールリップ部が早期に摩耗し、回転トルクを低減させることができるシール付き転がり軸受を提供する。【解決手段】 内輪1と外輪2間に形成される軸受空間を密封するシール部材5を備える。シール部材5は、シール部材本体8の基端が外輪2に固定され、シール部材本体8の先端側に内輪1に接するシールリップ部9を有する。このシールリップ部9は、高分子材料からなり、軸受を回転状態で使用することで内輪1との接触部分11aが摩耗し、内輪1に対して非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる。内輪1のシールリップ部9と接触する面に金属めっき30を施す。【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、自動車のトランスミッション等に用いられるシール付き転がり軸受に関する。
自動車のトランスミッション用の軸受としてより低トルクを実現するために、シールリップ部を軸受製造後の回転初期における軌道輪との摺動により初期摩耗させることで、締め代を小さくして回転トルクを低減させるゴム製のシール部材が提案されている(特許文献1)。この提案には、ゴム成分の配合を工夫することで、より摩耗しやすいゴム材料となることが記載されている。適度に摩耗しやすいゴム材料をシール部材に用いることにより、軸受の回転初期にシールリップ部を早期に初期摩耗させると共に、初期摩耗後のシール性を確保することができる。
特開2010−163479号公報
しかし、特許文献1に記載のゴム材料を用いたシール部材であっても、軸受が使用されるトランスミッションの内部に潤滑油が潤沢にあり、シール部材のシールリップ部に潤滑油が潤沢にかかるような場合、シールリップ部が摩耗するのに長い時間を必要とする場合がある。また、時間をかけても十分な摩耗が達成できない場合もある。これらの場合、本来狙いとする回転トルクを低減させる機能が発揮できない。
この発明の目的は、シール部材のシールリップ部に油が潤沢にかかるような状況で使用される場合でも、軸受製造後の回転初期にシールリップ部が早期に摩耗し、回転トルクを低減させることができるシール付き転がり軸受を提供することである。
この発明のシール付き転がり軸受は、内輪と外輪と、この内輪と外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内輪と前記外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備えたシール付き転がり軸受において、前記シール部材は、シール部材本体の基端が前記内輪と前記外輪のいずれか一方の軌道輪に固定され、前記シール部材本体の先端側に他方の軌道輪に接するシールリップ部を有し、このシールリップ部は、高分子材料からなり、軸受を回転状態で使用することで前記他方の軌道輪との接触部分が摩耗し、前記他方の軌道輪に対して非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるものであり、前記他方の軌道輪の前記シールリップ部と接触する面に金属めっきを施したことを特徴とする。
この構成によると、他方の軌道輪のシールリップ部と接触する面に金属めっきを施したことにより、軸受製造後の回転初期において、シールリップ部と金属めっきとが互いに接触し、金属めっき中の金属イオンがシールリップ部を構成する高分子材料の酸化反応を促進して、シールリップ部を劣化させる。この現象は、高分子材料の種類に限定されず、高分子材料全般で起きる。
このように、シールリップ部が劣化することで、摩耗し易くなる。そのため、シールリップ部に油が潤沢にかかるような通常では摩耗が生じ難い状況で使用される場合でも、軸受を回転状態で使用することで、シールリップ部の軌道輪との接触部分が早期に摩耗し、非接触か軽接触となる。ここで言う早期摩耗とは、軸受の慣らし程度の時間内(例えば、60分以内)で、非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるまで摩耗することを言う。このときの軸受回転速度は、軸受の定格回転数(例えば、400rpm)である。このように、慣らし程度の時間内でシールリップ部の前記接触部分を軌道輪に対して非接触か軽接触となるまで摩耗させることにより、正規運転時における回転トルクを低減させることができる。非接触か軽接触となっても、ラビリンスシールとしての作用が生じ、異物の混入が防止される。
前記金属めっきは、前記他方の軌道輪の前記シールリップ部と接触する面の摺動部にだけ施しても良い。
この場合、金属めっきを施す面積が狭くて済むため、めっき材料の量を削減できる。
この発明において、前記金属めっきに用いられる金属の種類は、銅、コバルト、およびマンガンのいずれかであると良い。
これらの金属は、シールリップ部を劣化させる現象が起きやすい。
この発明が適用されるシール付き転がり軸受の軸受形式は深溝玉軸受であってもよく、複列円すいころ軸受であっても良い。いずれの軸受形式であっても、前記作用・効果が得られる。
前記シール付き転がり軸受が、自動車のトランスミッションに用いられるものであっても良い。この場合、軸受の運転により最適なラビリンスすきまが形成されるため、トランスミッション内におけるギヤの摩耗粉等の異物が、軸受内に侵入することを防止できる。またシールトルクの低減を図れるので、自動車の省燃費化を図ることが可能となる。
この発明において、潤滑方式はオイル潤滑であっても良い。
オイル潤滑であると、オイル潤滑方式が基本である自動車のトランスミッション用の軸受に適する。
この発明のシール付き転がり軸受は、内輪と外輪と、この内輪と外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内輪と前記外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備え、前記シール部材は、シール部材本体の基端が前記内輪と前記外輪のいずれか一方の軌道輪に固定され、前記シール部材本体の先端側に他方の軌道輪に接するシールリップ部を有し、このシールリップ部は、高分子材料からなり、軸受を回転状態で使用することで前記他方の軌道輪との接触部分が摩耗し、前記他方の軌道輪に対して非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるものであり、前記他方の軌道輪の前記シールリップ部と接触する面に金属めっきを施したため、シール部材のシールリップ部に油が潤沢にかかるような状況で使用される場合でも、軸受製造後の回転初期にシールリップ部が早期に摩耗し、回転トルクを低減させることができる。
この発明の一実施形態に係るシール付き転がり軸受の断面図である。 (A)は同シール付き転がり軸受のシール部材付近の拡大断面図、(B)はその部分拡大図である。 同シール部材の先端突起部が摩耗する過程を示す説明図である。 この発明の他の実施形態に係るシール付き転がり軸受のシール部材と内輪の接触部の拡大図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るシール付き転がり軸受の断面図である。 図1に示すシール付き転がり軸受をトランスミッションに用いた例の概略図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。
図1に示すように、このシール付き転がり軸受は、軌道輪である内輪1と外輪2と、これら内輪1と外輪2の各軌道面1a,2a間に介在する複数の転動体3と、これら転動体3を保持する保持器4と、内輪と外輪1,2間に形成される軸受空間の両端を密封する2つのシール部材5とを備えている。軸受空間にはグリースが初期封入される。このシール付き転がり軸受は、転動体3を玉とした深溝玉軸受であり、この例では内輪1を回転輪とし、外輪2を固定輪とした内輪回転タイプとしている。内輪1を固定輪とし、外輪2を回転輪とした外輪回転タイプとすることも可能である。
図2(A)に示すように、前記シール部材5は、環状の芯金6と、この芯金6に一体に固着される弾性部材7とを有する。これら芯金6および弾性部材7の大部分により、シール部材本体8が構成され、弾性部材7の残余の部分、この例では弾性部材7の内周側部分によりシールリップ部9が構成される。このシールリップ部9を、内輪1に対して、ラジアル方向に接触する形状としている。また、この例では、弾性部材7は、芯金6の立板部6bの内側面を除き芯金6の全体を覆うように設けられる。弾性部材7は、例えば、高分子材料であるアクリルゴム等のゴム材を加硫成形して形成され、この加硫成形時に金属製の芯金6が弾性部材7に接着される。
芯金6は、外径側から順に、円筒部6aと、立板部6bと、傾斜部6cとを有する。立板部6bが内輪1と外輪2の端面よりも軸方向内側で同端面と略平行に配置される。この立板部6bの基端に、円筒部6aが繋がり、これら立板部6bと円筒部6aとで断面L字形状を成す。円筒部6aと、この円筒部6aの外周面に設けられる外周部7a(弾性部材7の一部)とで成るシール部材5の基端が、シール部材本体8の基端となる。このシール部材本体8の基端が、外輪2のシール取付溝2bに嵌合固定される。このとき、外周部7aは、シール取付溝2bに弾性変形した状態で固定され、外輪2とシール部材本体8の基端との密封性をより高めている。立板部6bの先端には、内径側に向かうに従って軸方向内側に傾斜する傾斜部6cが繋がっている。
芯金6における、立板部6bの外表面は均一な薄肉形状の覆い部7bで覆われ、傾斜部6cの内外表面はそれぞれ覆い部7c,7dで覆われている。前記覆い部7c,7dの内径側先端が、シール部材本体8の先端となる。このシール部材本体8の先端に、内輪1の外周面に接するシールリップ部9が設けられる。弾性部材7は、前記外周部7a、覆い部7b,7c,7d、およびシールリップ部9を有する。
図2(A)の部分拡大図である図2(B)に示すように、シールリップ部9は、シール部材本体8に続くリップ基端部10と、このリップ基端部10の先端側に位置する先端突起部11と、この先端突起部11の外径側端に設けられた軸方向突出部12とを有する。これら各部10,11,12は一体に形成されている。なお、同図では、シールリップ部9の先端が内輪1の外周面の底に食い込んでいるように図示しているが、実際には、シールリップ部9の先端は、シール装着状態で内輪1に対し締代δをもった状態で接触している。
前記リップ基端部10は、芯金6の傾斜部6cの内周縁よりも内径側に所定距離延び、シールリップ部9における径方向の基端部分となる。このリップ基端部10は、内径側先端つまり先端突起部11に向かうに従って薄肉となる断面形状を成す。また、リップ基端部10における軸受空間側の内側面および逆側の外側面は、それぞれ内径側先端に向かうに従って軸方向内側に至るように傾斜する断面形状に形成されている。前記断面は、軸受軸心を含む平面で切断して見た断面である。
前記先端突起部11は、先端に至るに従って狭まる先細り形状である。先端突起部11の軸受空間側の内側面は、内径側先端に向かうに従って軸方向外側に至るように傾斜する断面形状に形成され、先端突起部11の軸受外部側の外側面は、内径側先端に向かうに従って軸方向内側に至るように傾斜する断面形状に形成されている。これにより先端突起部11は先端程軸方向の厚みが薄くなる、断面三角形状の先細り形状となり、この先端突起部11を摩耗し得る面圧がシールリップ部9に作用し易くなっている。
軸方向突出部12は、先端突起部11の外径側端から軸受外部側で軸方向に突出している。シール部材5を軸受に組込んだ状態において、リップ基端部10の外側面とこの軸方向突出部12との間に、逃がし凹部13が生じている。軸方向突出部12は、シール部材5の装着状態ではリップ基端部10の外側面とは接触しないように設定している。
上記シール部材5のシールリップ部9が接触する面である内輪1の外周面には、金属めっき30が施されている。この金属めっき30に用いられる金属の種類は、例えば銅である。銅以外に、コバルトまたはマンガンであっても良い。
図1〜図3の例では、内輪1の外周面における軌道面1aを除く全域に金属めっき30が施されているが、図4のように、シールリップ部9が摺動する摺動部31にだけ金属めっき30を施しても良い。この場合、金属めっき30を施す面積が狭くて済むため、めっき材料の量を削減できる。
上記金属めっき30は、高分子材料からなるシールリップ部9を劣化させるために施される。すなわち、シールリップ部9と金属めっき30とが互いに接触することで、金属めっき30中の金属イオンがシールリップ部9を構成する高分子材料の酸化反応を促進して、シールリップ部を劣化させる。この現象は、高分子材料の種類に限定されず、高分子材料全般で起きる。
詳しくは、シールリップ部9と金属めっき30とが互いに接触すると、シールリップ部9を構成する高分子材料と金属めっき30中の金属イオンとが反応する。具体的には、金属イオンが高分子材料のC−H結合を切断し、水素と化合物を形成することで、炭素側に不対電子が残される(酸化反応)。不対電子は化学反応を起こし易い性質を持っているので、他の高分子鎖のC−C結合を切断する化学反応を起こす。この化学反応が進行することで、シールリップ部9の低分子化が起きる。結果として、シールリップ部9が劣化する。(参考文献:空気調和・衛生工学 第80巻 第1号 P74)
金属めっき30に用いられる金属の一つである銅がゴム材を劣化させること(「銅害」と呼ばれる)を検証した試験がある(特公平06−058156号公報から引用)。この試験では、試験片としてシート状の共重合体ゴムを用い、この試験片の表面に、各種金属粉末と油を1:1の割合で混合したものを塗布し、150℃の環境化で保持した。そして、24時間毎に試験片を180°折り曲げ、1mm以上のクラックが発生する日数を記録した。表1(同引用文献の表4)が、その結果である。この試験結果から、銅は他の金属に比べてクラックを発生させる日数が短く、ゴムを劣化させ易い金属であると言える。なお、軸受が使用される環境は最高で150°C程度である。
Figure 2017032051
図2に示すシール部材5を軸受に組込んだ状態において、シールリップ部9の先端突起部11の先端が、内輪1の外周面よりも径方向内方に位置するいわゆる締代δをもった状態となる。また、シール部材5は、このシール部材5を軸受に組込んだシール装着状態で、先端突起部11の内輪1に対する締代δの変位に対し、内輪1に一定の押付け力を与える。軸受製造後の初期段階において、上記状態で内輪1が回転することで先端突起部11が摩耗するようになっている。
ここでシールリップ部9の摩耗のメカニズムについて説明する。
シールリップ部9は、リップ基端部10と先端突起部11との境界部で軸方向内側に凸となるように折れ曲がった概略断面V字状の屈曲形状であるため、図3(A)のように、シールリップ部9の先端突起部11の先端が内輪1の外周面に接するとき、先端突起部11に内輪1への反力つまり押付け力が作用する。換言すれば、シールリップ部9を、軸受空間に対する外側の面に逃がし凹部13が生じるように屈曲したV字状の屈曲形状とすることで、図3(B)のように、シールリップ部9が大きく曲げ変形してばねのように作用し、一定のラジアル方向の押付け力Fを与える。これにより、先端突起部11を、内輪1の外周面に摩耗可能な面圧で押し付ける。シールリップ部9が一定角度曲げ変形すると、軸方向突出部12がリップ基端部10に当たることで、シールリップ部9がそれ以上曲げ変形することはない。
内輪1が回転して先端突起部11の摩耗が進むと、それに追従するようにシールリップ部9の曲げがシール部材組付け前の状態に戻ろうとするため、先端突起部11の摩耗が連続して進行する。内輪1に対するシールリップ部9の反力(「リップ反力」と言う場合がある)が「零」に近づくと、シールリップ部9の摩耗は完了し、図3(C)のように、シールリップ部9が内輪1に対し非接触となるか、または接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる。
軸受が使用される環境は最高で150°C程度であるため、摩耗完了後にシールリップ部9が熱変形してシールリップ部9と内輪1とのすきまが過大となることはない。また、シールリップ部9の接触部分11aは金属めっき30との接触で劣化しているが、シールリップ部9に作用する外力としては前記押付け力Fしかないため、摩耗完了後にシールリップ部9が塑性変形して前記すきまが過大となることもない。
つまり、この構成によると、シールリップ部9の先端突起部11の接触部分11aが金属めっき30との接触で劣化しているため、軸受を回転状態で使用することで、先端突起部11の先端が早期に摩耗し、非接触か軽接触となる。ここで言う早期摩耗とは、軸受の慣らし程度の時間内(例えば、60分以内)で非接触となるか、または接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるまで摩耗することを言う。このときの軸受回転速度は、軸受の定格回転数(例えば、400rpm)である。このように、慣らし程度の時間内でシールリップ部9の前記接触部分11aを内輪1に対して非接触か軽接触となるまで摩耗させることにより、正規運転時における回転トルクを低減させることができる。非接触か軽接触となるが、ラビリンスシールとしての作用が生じ、異物の混入が防止される。
この発明は、図5に示す複列円すいころ軸受にも適用することができる。複列円すいころ軸受であるシール付き転がり軸受は、外周面に軌道面21aを有する一対の内輪21と、この一対の内輪21の軌道面21aに対向する複列の軌道面22aを内周面に有する外輪22と、これら内輪21と外輪22間に組み込まれた複列の転動体23とを備えている。転動体23である複列の円すいころは、背面組合せで配列され、列毎に保持器24で保持されている。内輪21と外輪22間の軸受空間の両端は、シール部材25,25によりそれぞれ密封されている。
図5の例は、各列の内輪21の外周面に金属めっき30を施してある。図示の例では、内輪21の外周面における軌道面21aを除く全域に金属めっき30が施されているが、シールリップ部9が摺動する摺動部にだけ金属めっき30を施しても良い(図示せず)。この場合も、シール部材25のシールリップ部29が金属めっき30と接触することで劣化する。このため、軸受を回転状態で使用することで、シールリップ部29が早期に摩耗して、内輪21に対して非接触か軽接触となる。
図6は、図1〜図3または図4の転がり軸受を、自動車のトランスミッションに組み込んだ一例を示す概略図である。同図はオートマチックトランスミッションの例である。ケース43の軸方向両端に転がり軸受BR1,BR1の各外輪が嵌合され、これら軸受BR1,BR1の内輪に、メインシャフト44の両端がそれぞれ回転自在に支持されている。ケース43に、カウンターシャフト45が前記メインシャフト44と平行に設けられている。このカウンターシャフト45は、メインシャフト44のギヤ部に噛み合うギヤ部を有し、前記ケース43に軸受を介して回転自在に支持されている。運転中は、ケース43内に貯えられている潤滑油によるオイル潤滑が行われる。
このように転がり軸受BR1,BR1を、自動車のトランスミッションに組み込んだ場合、トランスミッション内におけるギヤの摩耗粉等の異物が、軸受内に侵入することを確実に防止することができ、かつシールリップ部の締代にかかわらず、シール部材を十分にかつ確実に摩耗させて、低トルク化を図ることができる。シールトルクの低減を図れるので、自動車の省燃費化を図ることが可能となる。
なお、いずれかの実施形態に係る転がり軸受を、無断変速式トランスミッションや、手動変速式トランスミッションに用いても良い。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…内輪
2…外輪
1a,2a…軌道面
3…転動体
5…シール部材
6…芯金
7…弾性部材
8…シール部材本体
9…シールリップ部
11a…接触部分
21…内輪
22…外輪
21a,22a…軌道面
23…転動体
25…シール部材
29…シールリップ部
30…金属めっき
31…摺動部

Claims (7)

  1. 内輪と外輪と、この内輪と外輪の軌道面間に介在する複数の転動体と、前記内輪と前記外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材とを備えたシール付き転がり軸受において、
    前記シール部材は、シール部材本体の基端が前記内輪と前記外輪のいずれか一方の軌道輪に固定され、前記シール部材本体の先端側に他方の軌道輪に接するシールリップ部を有し、このシールリップ部は、高分子材料からなり、軸受を回転状態で使用することで前記他方の軌道輪との接触部分が摩耗し、前記他方の軌道輪に対して非接触となるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるものであり、前記他方の軌道輪の前記シールリップ部と接触する面に金属めっきを施したことを特徴とするシール付き転がり軸受。
  2. 請求項1に記載のシール付き転がり軸受において、前記他方の軌道輪の前記シールリップ部と接触する面の摺動部に金属めっきを施したシール付き転がり軸受。
  3. 請求項1または請求項2に記載のシール付き転がり軸受において、前記金属めっきに用いられる金属の種類が、銅、コバルト、およびマンガンのいずれかであるシール付き転がり軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシール付き転がり軸受において、軸受形式が深溝玉軸受であるシール付き転がり軸受。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシール付き転がり軸受において、軸受形式が複列円すいころ軸受であるシール付き転がり軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のシール付き転がり軸受において、自動車のトランスミッションに用いられるシール付き転がり軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のシール付き転がり軸受において、潤滑方式がオイル潤滑であるシール付き転がり軸受。
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