<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3(a)〜(c)は振分入賞装置650の詳細図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64や、確変回転体900および継続回転体901を有する振分入賞装置650等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される遊技情報入力画面において遊技情報の入力を行ったり、演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64a、第2入賞口64b、普通入賞口67、振分入賞装置650、可変入賞装置165、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入賞口64a、第2入賞口64b、普通入賞口67、可変入賞装置165、可変表示装置ユニット80、振分入賞装置650は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入賞口64aへ入球した場合に、特別図柄1(第1図柄の一つ)の抽選が行われ、球が第2入賞口64bへ入球した場合に、特別図柄2(第1図柄の一つ)の抽選が行われる。特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定される。大当たり遊技では、最大16ラウンドの大当たりが実行される。本実施形態では、最低8ラウンドの大当たりが保証されており、8ラウンド中に継続回転体901の継続口901aに入賞すると、8ラウンドの大当たり遊技が加算されて、合計16ラウンドの大当たり遊技が遊技者に付与される。
また、本実施形態では、1ラウンドは1ラウンド目から8ラウンド目は、最大15秒で構成されており、15秒が経過するか第2特定入球口650aに入賞した遊技球の合計が5球に達するまで振分入賞装置650が開放状態に設定される。1ラウンド目から8ラウンド目までは、ラウンド間のインターバル時間が5秒間に設定されている。ここで、振分入賞装置650内に配置されている確変回転体900と継続回転体901とは共に5秒で一回転する速度で回動されるので、インターバルの5秒が経過すると、確変回転体900と継続回転体901とに保持されて回動されている遊技球は排出されている状態とすることができる。よって、ラウンド間を跨いで、確変回転体900または継続回転体901により遊技球が保持された状態となることを抑制できる。
なお、本実施形態では、1ラウンド目から8ラウンド目までを振分入賞装置650が開放し、9ラウンド目から16ラウンドまでを可変入賞装置165が開放状態となるように設定したが、それに限らず、1ラウンドの開始から15秒間が経過するまでは、振分入賞装置650が開放状態、可変入賞装置165が閉鎖状態に設定され、1ラウンドの開始から15秒から30秒が経過するまでは、振分入賞装置650が閉鎖状態、可変入賞装置165が開放状態に設定されるように構成してもよい。
このように構成することで、振分入賞装置650に遊技球が入賞する期間と、可変入賞装置165に遊技球が入球する期間とを分けることができ、遊技者が入賞させた入賞装置を選んで遊技を行うことができる。また、本実施形態では、振分可変入賞装置1650の第2特定入球口650aの開口幅は、可変入賞装置165の特定入球口165aの開口幅よりも小さくして、遊技球が入り難く構成されている。これにより、大当たり遊技の消化時間が長くなってしまうが、15秒が経過すると遊技球が入球し易い可変入賞装置165が開放されるので、大当たり遊技の消化時間を短縮することができる。
なお、1ラウンドの開始から15秒までと、それ以降とで開放される入賞装置を切り替えるように設定したが、それに限らず、例えば、3秒毎に切り替えるように設定してもよいし、それ以外の周期で設定するように構成してもよい。また、全てのラウンドで開放周期は同一としたが、それに限らず、ラウンド毎に開放される周期(タイミング)を変えるように構成してもよい。
また、継続口901aに入球したことに基づいて、可変入賞装置165の開放に切り替えるように構成してもよいし、継続口901aに入球した場合に、後述する確変口900aに入球していなければ、振分入賞装置650の開放を継続させて、確変口900aにすでに遊技球が入球している場合にのみ、可変入賞装置165の開放に切り替えるように構成してもよい。
一方、スルーゲート(普通入球口)67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口64bに付随する電動役物64cが開放され、第2入賞口64bへ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口64bへ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
特別図柄の大当たり種別としては、1種類の大当たり種別「大当たりA」が設定されている(図9(c)参照)。この「大当たりA」の大当たり種別は、上述したように、最低8ラウンドの大当たり遊技で、最大16ラウンドまでの大当たり遊技を実行可能に構成されている。本実施形態では、特別図柄1または特別図柄2の大当たりとなると、この「大当たりA」の開始が必ず決定される。そして、この大当たりAでは、1ラウンドから8ラウンドまで、振分入賞装置650が開放される。その8ラウンドの大当たり遊技において、継続口901aに遊技球が入球することにより継続スイッチ(図示せず)に遊技球が検知され、9ラウンドから16ラウンドの大当たり遊技が付与されると、可変入賞装置165が開放される。
1ラウンド目から8ラウンド目までは、振分入賞装置650のスライド部材670が遊技盤13の背面側方向にスライドされて、第2特定入球口650aに遊技球が入球可能な開放状態に設定される。この開放状態は、遊技球が第2特定入球口650aに5個入球するか、開放状態が15秒継続した場合に閉鎖状態に設定され、1ラウンドの大当たり遊技が終了される。1ラウンドから8ラウンド目までは、ラウンド間のインターバル時間が5秒に設定されている。
9ラウンド目から16ラウンド目までは、可変入賞装置165の開閉扉が前面側に回動されて開放状態となり、遊技盤13の前面側を流下する遊技球を開閉扉で受け止めて、特定入球口165aの内部へと遊技球を誘導するように構成されている。ここで、可変入賞装置165が開放状態となると、特定入球口165aに遊技球が10球入球するか、開放状態が30秒経過した場合に、開閉扉を直立状態に回動させて閉鎖状態に設定される。なお、9ラウンド目から16ラウンド目からのラウンド間のインターバル時間を3秒に設定されている。これにより、9ラウンド目から16ラウンド目は、ラウンド間の時間も1ラウンド目から8ラウンド目と比較して短くなる。また、振分入賞装置650よりも可変入賞装置165の方が特定入球口165aの開口幅が大きく設定されているので、遊技球が入球し易く、1ラウンドの消化時間を短くすることができる。なお、振分入賞装置650の特定入球口650aの大きさは、図3(a)に示すように遊技球1球が入球可能な大きさで設定されており、入球し難い構成となっている。
図3を参照して遊技盤13に配置されている振分入賞装置650の詳細について説明する。図3(a)〜(c)は、この振分入賞装置650の詳細について説明した図である。この振分入賞装置650は、遊技盤13にルータによって加工された開口穴に挿入された状態で取り付けされている。振分入賞装置650は、ベース板651の前面側からベース板651と略同じ外形で構成され、そのベース板651と勘合することで、内部に遊技球が流下可能な領域が形成される前面カバー体652とを有している。
図3(a)は、振分入賞装置650の前面カバー体652を外した状態の正面図である。ベース板651の上部には、遊技球が1球、入球可能な開口部である特定入球口650aが前面側に突出して形成されている。その特定入球口650aの上方には、特定入球口650aに遊技球が入球可能な状態と、入球不可能な状態とに可変させるスライド部材670が、パチンコ機10の前後方向にスライド可能に配置されている。このスライド部材670は、ベース板651の背面側に配置されるソレノイドと連結部材により連結されており、ソレノイドを励磁しない非作動の状態では、遊技盤前面側にスライド部材670を突出させて、特定入球口650aに遊技球が入球するのを妨げるように設定される。ソレノイドが励磁されて作動すると、連結部材によりスライド部材670が遊技盤13の背面側に移動されて、特定入球口650aが開放した状態に設定される。
特定入球口650aに入球した遊技球が流下可能な流路が前面側に突出した流路壁部653により形成されている。この流路壁部653は、遊技球が1球(直径11mm)流下可能な幅(本実施形態では、15mm)で形成されており、振分入球口650aから直下方向に流路を形成して、その後、流下してきた遊技球を左流路654または右流路655に分岐させる流路が形成されている。この振分入球口650aから直下方向の流路には、振分入球口650aへ入球した遊技球を検出するように磁気センサ659が設けられている。流路の分岐点の対向する面には壁部は形成されておらず、回転振分部材800が配置されている。この回転振分部材800は、流路壁部653の突出幅と同じ幅で構成されており、回動可能にベース板651に固定されるための軸部800aが形成されている。ベース板651の背面側には、この回転振分部材800を回動させるためのモータである振分モータ270aが設けられている。
この振分モータ270aは、主制御装置110のMPU201により回動制御される。主制御装置110のMPU201は、回転振分部材800を右方向に30度回動させた状態(図3(a)の実線で示した位置)と、左方向に30度回動させた状態(図3(a)の点線で示した位置)とに5秒毎に振分モータ270aを駆動させて回動させる。即ち、遊技球を左流路654に振り分ける状態と右流路655に振り分ける状態とが5秒毎に切り替えられる。主制御装置110のMPU201は、パチンコ機10に電源が投入され、後述するメイン処理(図22参照)のゲート制御処理(S1104)の処理が実行されることにより5秒毎に左方向と右方向とに繰り返し回転振分部材800を回動させるように振分モータ270aを駆動制御する。なお、詳細には、後述するが、主制御装置110のMPU201のRAM203のゲート計時用カウンタ203kは、電断時もバックアップされる構成としたので、電源が投入された場合には、電断時の状態からカウントが再開され回転振分部材800の回転が実行される。
よって、電源を投入した状態から毎回同じタイミングで回転振分部材800が駆動されるのではなく、電断時の状態により異なるようにできる。よって、複数のパチンコ機10に一斉に電源投入を実行したとしても、回転振分部材800の動作タイミングを異ならせるようにすることができる。
なお、本実施形態では、回転振分部材800の回動周期は5秒と一定としたが、それに限らず、乱数値等を選択して所定の判定値であった場合に、流路の向きを変更するように駆動させる構成としてもよい。このように構成することで、他のパチンコ機10と駆動周期が同期することを抑制できる。よって、パチンコ機10の選択により異なる遊技性とすることができる。
左流路の下端部である左流路口654aの下方には、継続回転体901がベース体651に対して回動可能に軸支されている。この継続回転体901は、ベース体651の背面側に配置される第1回転モータ270bにより左方向に1回転5秒の回転速度で回動される。また、右流路655の下端部である右流路口655aには、確変回転体900がベース体651に回動可能に軸支されている。この確変回転体900は、ベース体651の背面側に配置される第2回転モータ270cにより右方向に5秒に1回転する回転速度で回動される。なお、この確変回転体900と継続回転体901は同一形状で構成されている。
ここで、図3(c)を参照して、この確変回転体900と継続回転体901の形状について説明する。図3(c)は、この確変回転体900(継続回転体901)の斜視図である。確変回転体900は円形の外形で構成され、遊技球1球分の厚みで構成されている。周囲には、上下左右の4カ所に遊技球が入球可能な凹部が形成されている。周囲に設けられている凹部は、1カ所の確変口900aと、3カ所の回転入球口900b〜900dとで構成されている。確変口900aは、ベース板651に設けられた確変流路口901kに遊技球を誘導可能なように、確変回転体900の背面側に遊技球を誘導可能に構成されている。また、回転入球口900b〜900dには、背面側に確変流路口901kへ遊技球を誘導することを妨げる壁部が配置されている。また、継続回転体901についても、確変回転体900と同様の構成であり、継続回転体901では、確変口900aが継続口901aとして形成されている。
確変口900aの開口部が右流路口655aと対向する位置に確変回転体900が回動する状態では、右流路655を流下した遊技球が確変口900aに入球可能な状態となる。確変回転体900は、常時1回転5秒の回転速度で右方向に回動されており、回動している状態で確変口900aに遊技球が入球すると、確変口900aに遊技球を保持した状態で右方向に回動し、確変口900aが下方を向いた状態(図3(a)で示す位置)となると、確変流路口900kへと確変口900a内の遊技球が流下する。この確変流路口900kへと流入した遊技球は、遊技盤13の背面側に配置された図示しない確変スイッチ(磁気センサ)により検出される。この確変スイッチにより遊技球が検出されると、後述する確変フラグ203pが主制御装置110のMPU201によりオンに設定され、大当たり遊技終了時(エンディングのタイミング)に確変カウンタ203gに100が設定されることで、大当たり遊技後に特別図柄が100回変動するまでの期間、大当たり確率が高確率となる高確率遊技状態(確変遊技状態)が設定される。
また、右流路655を流下した遊技球が確変回転体900の回転入球口900b〜900dのいずれかに入球した場合には、左方向に確変回転体900が回転し、確変流路口900kの位置まで回動しても、回転入球口900bの背面側壁部により、確変流路口900kへは遊技球が流下できず、排出流路656に回転入球口900bから900d内の遊技球を排出する。排出流路656に排出された遊技球は、排出流路656を流下して、排出流路656の下端部に形成された排出口657より遊技盤13の背面側に排出され、遊技盤13の背面側に配置された図示しない流路によって、パチンコ機10外部(島設備側)へと排出される。
このように、確変回転体900は、5秒で1回転する速度で常に回動されて、振り分け部材800も5秒毎に回動して振り分ける方向が切り替えられる。よって、大当たり遊技となった場合には、確変入球口900kへと遊技球が入球する機会が1ラウンドで1度は設定されることとなり、遊技者に確変遊技への期待度を高めることができる。よって、特別図柄の大当たりとなった場合に実行される大当たり遊技中にも、確変遊技が付与されるか否かに興味を持つことができ、大当たり中における遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
継続回転体901は、左方向に1回転5秒の回転速度で常時回動されている。よって、確変回転体900と同様に、左流路654を流下した遊技球が継続口901aに入球すると、その継続口901aに遊技球を保持した状態で左方向に回動され、継続流路901kと対向する位置で継続流路901kへと継続口901a内部の遊技球を流下させる。この継続古流路901kへと流入した遊技球は、遊技盤13の背面側へと流下し、図示しない継続スイッチ(磁気センサ)により検出された後に、パチンコ機10の外部(島設備側)へと排出される。
ここで、継続スイッチにより遊技球が検出されると、後述するラウンド開始フラグ203mがオンに主制御装置113のMPU201により設定される。このラウンド開始フラグ203mがオンに設定されると、現在のラウンド数が16ラウンド未満である場合には、次のラウンドの開始が設定される。
このように、継続回転体901は、5秒で1回転する回転速度で回転され、振り分け部材800も5秒毎に振り分け方向を切り替えるので、大当たり遊技の1ラウンド中には、必ず、右流路654に遊技球を振り分ける状態で継続口901aが左流路口654aと対峙する状態となるので、遊技者に次ぎのラウンドが設定される(継続される)期待を持たせることができる。よって、大当たり遊技中にも、遊技球の流下に興味を持って遊技を行わせることができ、遊技者が大当たり中に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、確変回転体900は、ステッピングモータで構成された第1回転モータ270b(図6参照)で上述したように回動される。同様に、継続回転体901は、ステッピングモータで構成された第2回転モータ270c(図6参照)により回動される。ここで、パチンコ機10に電源が投入されると、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図21参照)内のS1011の処理において、確変回転体900と継続回転体901とは初期動作の設定が実行される。この初期動作の設定は、第1回転モータ270bと第2回転体モータ270cとの原点位置(確変回転体900と継続回転体との原点位置)が設定される。
確変回転体900には、ベース板651の背面側に回転軸900zに固定された検知片(図示せず)が設けられている。確変回転体900の確変口900aが上述した確変流路口900k(図3(a)参照)と対向する位置まで回動された位置となるとフォトセンサにより検知片(図示せず)が検知されるように構成されている。主制御装置110のMPU201により実行される初期動作処理では、確変回転体900を右方向に回動させてフォトセンサ(図示せず)が検知片(図示せず)を検知したことに基づいて、第1回転モータ270bの動作を停止させて、ステップカウンタを0に設定する。このステップカウンタは、第1回転モータ270bの動作を制御するためのカウンタであり、カウンタ数により確変回転体900の回動位置を判別できるように構成されている。また、継続回転体900の初期動作についても同様に、第2回転モータ270cを左方向に回動してフォトセンサにより検知片が検知されると動作を停止させて、第2回転モータ270cに対するステップカウンタが0に設定される。継続回転体901についても、検知片がフォトセンサに検知される位置は、継続流路901kと継続口901aが対向する位置となっている。
なお、本実施形態では、確変回転体900と継続回転体901の回転速度は一定としたが、それに限らず、電源投入時に、抽選により確変回転体900と継続回転体901との回転速度をそれぞれ抽選して決定するように構成してもよい。また、電源が投入されてからの時間(例えば、1時間毎)等で回転速度が可変するように構成してもよい。このような構成では、電源投入時の1時間は回転速度が早く設定されるように設定した場合には、回転直後の時間帯は、確変口900aまたは継続口901aへと入球する機会が多くなり、遊技者に有利な期間を設定することができる。
特別図柄の抽選確率が高確率に設定される確変遊技状態(高確率遊技状態)では、大当たり遊技後から特別図柄が100回変動するまで、特別図柄の抽選確率が低確率遊技状態(通常遊技状態)時の1/400から高確率遊技状態(確変遊技状態)時の1/40に設定される。また、確変遊技状態では、時短遊技状態(普通図柄の確率が高確率に設定され、電動役物64cの開放時間が長くなり、開放回数が多く設定される期間)も設定される。よって、確変遊技状態には、第2入賞口64bに入球し易い状態となり、遊技者に第2入賞口64bに入賞することで、賞球が払い出される頻度が高くなることで、遊技者の持ち球の減少が抑制される。よって、遊技者は、持ち球の消費を抑えて、確変遊技状態を遊技でき、確変遊技状態で大当たりを得ることで、大当たり遊技中に得る遊技球をより貯めることができる。
ここで、「特別図柄の確変遊技状態(高確率状態)」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の通常遊技状態(低確率状態)」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入賞口64bに付随して設けられている電動役物64cが遊技球を第2入賞口64bへと誘導する状態(逆ハの字(図2参照))に可変され易くなり、第2入賞口64bへ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
普通図柄の当たり確率をアップさせる代わりに、第2入賞口64bに付随する電動役物64cを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物64cを開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
なお、本実施形態では、回転振分部材800によって、特定入球口650aへと入球した球を確変回転体900、および継続回転体901のいずれかに振り分けるように構成していたが、本構成は大当たりにおいて球が入球可能となる振分入賞装置650に限って適用されるものではない。例えば、振分入賞装置650を、大当たり以外でも開放される構成とし、更に、確変回転体900、および継続回転体901に代えて、特別図柄の抽選の契機となる入球口をそれぞれ設ける構成としてもよい。この場合において、入球口は、互いに有利度が異なる(例えば、大当たりとなった場合に獲得できる賞球や確変割合が異なる)入球口としてもよい。例えば、確変回転体900の配置に設けられた入球口の方が有利になるように構成してもよい。また、振分入賞装置650が開放されるタイミングとしては、例えば、普通図柄の当たりとなった場合に開放される構成としてもよい。この場合において、1回の普通図柄の当たりにおいて、回転振分部材800が右側に傾斜している状態の期間にのみ特定入球口650aが開放される開放パターンと、回転振分部材800が左側に傾斜している状態の期間にのみ特定入球口650aが開放される開放パターンと、を設ける構成としてもよい。即ち、時短状態(および確変状態)として、有利な入球口で抽選を実行させることができる時短状態と、比較的不利な入球口で抽選を実行させることができる時短状態とを設ける構成としてもよい。
このように構成することで、振分入賞装置650の内部へと入球した球が入球する入球口に注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示され、第2入賞口64bへ入球した場合にも、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第なお、本実施形態においては、第1入賞口64a、第2入賞口64bへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、または、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入賞口64aへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
特別図柄1と特別図柄2との抽選遊技の抽選結果を示す特別図柄の変動表示は同時には行われず、どちらか一方のみが行われる。特別図柄1と特別図柄2とに対応する保留球がそれぞれ記憶されている場合には、特別図柄2の変動が優先して設定される。
図5に戻って説明を続ける。図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入賞口64aに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、対応する副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。また、第2入賞口64bの保留球についても、第1入賞口64aと異なる保留球数図柄(例えば、○図柄)を用いて同様に設定される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行い、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入賞口64bに付随する電動役物64cが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入賞口64bに球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入賞口64aおよび第2入賞口64bが配設されている。この第1入賞口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。第2入賞口64bについても同様に、球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄2の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。第1入賞口64aおよび第2入賞口64bは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。また、詳細は後述するが、第1入賞口スイッチまたは第2入賞口スイッチのオンに起因して、主制御装置110のスイッチ読み込み処理(S101)にて入賞した球の数である入賞球数と、賞球として払いだされる球の数である獲得球数とが、主制御装置110のMPU201のRAM203の入賞検知情報エリア(図示せず)に格納される。
第1入賞口64aと第2入賞口64bとの右上方には、可変入賞装置165が設けられている。この可変入賞装置165の開放状態には、可変表示ユニット80の右側を遊技球が通過するように発射された遊技球(右打ちで発射された遊技球)が入賞し易い位置に配置されている。可変入賞装置165は、具体的には、特定入球口165aを覆う横長矩形状の開閉扉と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入球口165aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入球口165aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。なお、上述したが、この可変入賞装置165は、大当たり遊技中に9ラウンド目から16ラウンド目が実行される場合に、開放状態に設定される。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入球口165aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入球口165aが所定時間開放され、その特定入球口165aの開放中に、球が特定入球口165a内へ入賞することを契機として特定入球口165aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
また、遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、図7、および図8を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図12参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図22参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203hに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64aと第2入賞口64bとへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図12参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図22参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられる。即ち、第1当たり乱数テーブル202a(図9(b))は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルと、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとで構成され、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aと、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図9(c))とに基づいて大当たり種別が決定される。なお、本実施形態では、大当たりAに対して、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜99」が設定されており、大当たりとなると必ず大当たりAが選択される。
本実施形態では、第1当たり種別選択テーブル202b(図9(c))に設定されている大当たり種別は、大当たりAの1種類のみとしたが、それに限らず、複数の種類が選択されるように構成してもよい。また、特別図柄1の大当たりと、特別図柄2の大当たりとでそれぞれ選択される大当たり種別の種類や、割合が異なるように設定してもよい。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄以外で停止する「外れリーチ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。また、低確率状態であれば、第1入賞口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図22参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図10(b)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図10(b)〜(d)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図10(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図10(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図10(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図10(d)参照)とが少なくとも設定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
図10(b)参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図10(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図10(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より変動パターンを選択する。
図10(c)は、外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図10(d)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル(図10(d)参照)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図10(d)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入賞口64aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入賞口64aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入賞口64aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入賞口64aの解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入賞口64aへ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入賞口64aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図12参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図35参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図22参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図21参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図8に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変カウンタ203gと、カウンタ用バッファ203h、大当たりフラグ203i、入賞検知期間記憶エリア203j、ゲート用計時カウンタ203k、ラウンド開始フラグ203m、ラウンドカウンタ203n、ラウンド継続フラグ203p、確変フラグ203r、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1入賞口64a(特別図柄1)専用の記憶エリアであり、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入賞口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測(推定)する。なお、本実施形態では、先読みの判定において、常に通常遊技状態における大当たり判定を予測する。これは、本実施形態では、大当たり遊技中に振分入賞装置650に入賞した遊技球が確変口900aに入球するか否か(確変スイッチ(図示せず)に遊技球が検出されるか否か)により確変遊技状態が大当たり遊技後に設定されるか決定されるため、遊技球の入賞時に、その入賞した遊技球に対する特別図柄の変動開始時の遊技状態を正しく予測することが困難であるからである。なお、確変遊技中であり、確変カウンタ203gの値が入賞した時の保留球以上(入賞する前に既に入賞して保留されている保留数を含んだ数)であり、先に変動開始となる保留で大当たりとなるものがない場合には、確変遊技状態における大当たり判定で先読みを実行するように構成してもよい。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、第2入賞口64b(特別図柄2)専用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第1入賞口64a(特別図柄1)が第2入賞口64b(特別図柄2)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入賞口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図16のS504参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図13のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図13のS211、図16のS505参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入賞口64b(特別図柄2)の保留球数をカウントするためのカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第1入賞口64a(特別図柄1)が第2入賞口64b(特別図柄2)に変わる点で相違するのみでありその他の点については同一であるので詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、図16のS510の処理により1ずつ加算され、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図13のS205参照)。また、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図13のS206、図16のS511参照)。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図19のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図18のS705参照)。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図19のS805)。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図19のS803:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変カウンタ203gの値が0より大きい値であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入球口(大開放口)65aまたは第2特定入球口650aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に後述する確変フラグ203rがオン、即ち、確変口900aに遊技球が入球して、確変スイッチ(図示せず)により遊技球が検出された場合に、100が設定される。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理(図15、S213)または特別図柄2変動開始処理(図14、S208)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理(図15、S213)または特別図柄2変動開始処理(図14、S208)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が0より大きい値であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
カウンタ用バッファ203hは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
大当たりフラグ203iは、大当たりの発生有無を示すフラグである。大当たりフラグ203iがオンになっている場合に、主制御装置110のMPU201が実行する大当たり制御処理(図24、S1105)により振分入賞装置650または可変入賞装置165が開放状態に設定される大当たり遊技が実行される。
入賞検知期間記憶エリア203jは、大当たり遊技における振分入賞装置650の確変スイッチ(図示せず)または継続スイッチ(図示せず)に遊技球が検知された場合に有効と判定する期間をカウントするための記憶エリアである。「大当たりA」の大当たり遊技が開始されると、1ラウンド目から8ラウンド目までは、ラウンドの開始時に3750のカウンタ値(15秒に該当)が設定される。そして、ラウンドの終了時には、1250のカウンタ値(5秒に該当)が再設定される。ここでは、ラウンドの終了時に、入賞検知期間記憶エリア203jの値が0より大きい値、即ち、検知期間が残余している状態であっても、強制的に5秒に該当するカウンタ値が再設定される。これにより、第2特定入球口650aの最大開放期間である15秒より前に、閉鎖条件である5球の遊技球が第2特定入球口650aに入賞したと判別されると、インターバル時間に対応した5秒に対応するカウント値が設定される。
これにより、第2特定入球口650aが閉鎖した後にも、インターバル時間よりも長い入賞検知期間が設定されており、ラウンドを跨いで確変スイッチ(図示せず)や継続スイッチ(図示せず)の検知が有効として判別される不具合を抑制できる。
また、本実施形態では、第2特定入球口650aが閉鎖状態となった場合には、インターバル時間と同じ時間(本実施形態では、5秒)に対応する値が入賞検知期間記憶エリア203jに設定されるので、この場合に確変口900aや継続口901aに入球している遊技球を有効に検知することができる。なお、本実施形態では、閉鎖状態となった場合には、5秒に対応するカウント値を入賞検知期間記憶エリア203jに設定するように構成したが、それに限らず、第2特定入球口650aに入球した遊技球が右流路口655aまたは左流路口654aに到達するまでに要する期間を5秒に加算した期間に対応するカウンタ値を入賞検知期間記憶エリア203jに設定するように構成してもよい。このように構成することで、ラウンド終了時に第2特定入球口650aに入球した遊技球が確変スイッチ(図示せず)または継続スイッチ(図示せず)に検知された場合に有効とすることができる。なお、この期間は、第2特定入球口650aに入球した遊技球が確変スイッチ(図示せず)または継続スイッチ(図示せず)に検知されるまでに要する期間に設定しても当然よい。
また、本実施形態のように、ラウンド終了時に5秒の有効期間を設定して、その期間が経過した場合には、確変回転体900または継続回転体901を通常とは逆方向に素早く回転させて、保持している遊技球を排出流路656に排出するように構成してもよい。このように構成することで、ラウンド終了時に入球した遊技球が確変スイッチ(図示せず)または継続スイッチ(図示せず)に検知されたにも関わらず無効と判断されてしまう機会を減少させることができる。また、ラウンド終了タイミングに基づいて、確変回転体900と継続回転体901を逆方向に回転させるように構成して、確変スイッチまたは継続スイッチに検知されるのを防止するように構成してもよい。
また、9ラウンド目から16ラウンド目が実行される場合には、ラウンド開始時にラウンド期間(30秒)に対応した7500の値が設定される。なお、この場合には、ラウンド終了時には、0が設定される。これにより、ラウンドの終了を入賞検知期間記憶エリア203jの値により判別することができる。
なおこの入賞検知期間記憶エリア203jは、主制御装置110のMPU201の実行する入賞検知処理(図25、S1302)内のS1402により1ずつ減算されて更新される。
ゲート用計時カウンタ203kは、回転振分部材800を回動する周期を判別するためのカウンタである。このゲート用計時カウンタ203kは、主制御装置110のMPU201が実行するゲート制御処理(図23、S1104)のS1201の処理により1ずつ加算される。そして、このゲート用計時カウンタ203kの値が5秒に対応する1250の値となると、回転振分部材800が回動されて、右流路655または左流路654に遊技球を誘導する状態に切り替えられる。また、ゲート用計時カウンタ203kの値は、1250の値となると初期値である0にリセットされる。
ラウンド開始フラグ203mは、大当たり遊技中において、ラウンドを開始するタイミングであることを示すフラグである。このラウンド開始フラグ203mがオンであるとラウンドを開始するタイミングであることが判別される構成となっている。このラウンド開始フラグ203mは、主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図13、S104)内のS219および入賞検知終了処理(図26、S1413)内のS1427においてオン設定される。ここでは、新たに開始するラウンドがあると判別される場合にオンに設定される。なお、ラウンドの開始と共にオフに設定される。
ラウンドカウンタ203nは、大当たり遊技中に実行するラウンド数を示すカウンタである。このラウンドカウンタ203nは、大当たりAの開始時(主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図13、S104)内のS219)に8が設定される。ここでは、最低のラウンド数である8が設定される。また、振分入賞装置650内の継続口901aに入球して継続スイッチ(図示せず)に検知されたと判別した場合(主制御装置110のMPU201が実行する入賞検知処理(図25、S1302)内のS1404でYesの場合)にS1406によりラウンドカウンタ203nの値に8が加算される。これにより、16ラウンドまで大当たり遊技が実行されるように設定される。
ラウンド継続フラグ203pは、1の大当たり遊技中(1ラウンド目から8ラウンド目)で継続口901aに遊技球が入球して、継続スイッチ(図示せず)により遊技球が検出され、ラウンド数が加算されたことを示すフラグである。このラウンド継続フラグ203pは、主制御装置110のMPU201により実行される入賞検知処理(図25、S1302)内のS1405でオンに設定される。また、入賞検知終了処理(図26、S1413)内のS1424(大当たり遊技の終了時)でオフに設定される。
確変フラグ203rは、1の大当たり遊技中(1ラウンド目から8ラウンド目)で確変口900aに遊技球が入球して、確変スイッチ(図示せず)により遊技球が検出されたことを示すフラグである。この確変フラグ203rは、主制御装置110のMPU201により実行される入賞検知処理(図25、S1302)内のS1410でオンに設定される。また、入賞検知終了処理(図26、S1413)内のS1425(大当たり遊技の終了時)でオフに設定される。
その他メモリエリアは203z、は上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
図6に戻って説明を続ける。上述の通り、主制御装置110のMPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。このROM202については、図9(a)に示すように、第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)、第1当たり種別選択テーブル202b(図9(c)参照)、第2当たり乱数テーブル202c(図9(d)参照)、変動パターン選択テーブル202d(図10(a)〜(d)参照)が少なくとも設けられている。なお、各テーブルについては既に説明したので、詳細な説明は省略する。
図6に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入球口165aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド、振分入賞装置650のスライド部材670をスライドするためのソレノイド、電動役物64cを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。各種スイッチ208には入賞球を検知するためのセンサ(図示せず)が含まれている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図33参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(10個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(10個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図11(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aが少なくとも格納されている。変動パターン選択テーブルについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類の中より1の変動態様が決定される。
図11(b)は、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。このRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223e、電源断フラグ223y、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、8つのエリア(特別図柄1用の第1エリア〜第4エリア、特別図柄2用の第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている特別図柄1の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64aへの入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図29のS1708参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bと同様に、主制御装置110において保留されている特別図柄2の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄1保留球数カウンタ223bとは、第2入賞口64bへの入球によって保留球数が加算され、第3図柄表示装置81において特別図柄1の保留球数図柄の表示とは異なる特別図柄2の保留球数図柄の表示に用いられる点でのみ相違し、その他は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図29のS1702参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図33のS2102参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図29のS1705参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図33のS2107参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
電源断フラグ223yは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図28のS1616)。そして、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図27)において、電源断フラグ223yがオンの場合に、RAMの作業領域のクリアおよびデータ読込処理を実行し、電源断フラグ223yがオフに設定される(図27のS1510)。これにより、電源断時のデータ記憶処理によって保存された遊技情報を、電源復旧時の立ち上げ処理においてデータ読込処理によって電源断発生前の遊技情報を再度利用でき、ナビ遊技を継続して実行することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図28参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
図6に戻って説明を続ける。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図20参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。表示制御装置114については、既に公知な構成であるので、その詳細な説明は省略する。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図12から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。このスイッチ読み込み処理(S101)では、例えば、大当たり遊技において遊技者へ払い出す賞球数を、振分入賞口650aに入賞した遊技球の数に応じて算出するために、振分入賞装置650に設けられている磁気センサ659の状態を検出する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入賞口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図13から図15、及び図16を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図18および図19を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図13を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図13は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。
次に、特別図柄における変動表示の保留球の有無を判定する。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか否かを判定し(S204)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判定された場合は(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか否かを判定し(S209)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判定された場合は(S209:No)、特別図柄における変動表示の保留球は無いと判定され、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいと判定された場合は(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄2変動開始処理については、図14を参照して後述する。
また、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判定され(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判定された場合は(S209:Yes)、特別図柄1の保留球について、上述した特別図柄2の保留球についての処理と同様の処理を行う。なお、特別図柄1変動開始処理については、図15を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図14を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(S208)または、図15を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄2変動開始処理または特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄2保留球格納エリア203bまたは特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄2または特別図柄1の停止図柄が設定される。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たりフラグ203iをオンに設定し(S218)、ラウンドカウンタ203nに8を設定すると共にラウンド開始フラグ203mをオンにする(S219)。そして、大当たり開始コマンドを設定し(S220)、確変カウンタ203gの値をリセットして(S221)、S222の処理へ移行する。
S218の処理においてオンに設定された大当たりフラグ203iによって、後述するメイン処理(図22参照)の大当たり制御処理(図24参照)において、大当たり遊技における処理が実行されるようになる。具体的な説明は、後述の大当たり制御処理(図24参照)にて行う。
また、S219の処理においてラウンドカウンタ203nが8に設定され、ラウンド開始フラグ203mがオンに設定されることにより、後述するメイン処理(図22参照)の大当たり制御処理(図24参照)において、設定された値に応じたラウンド(8ラウンド)の特別遊技が実行されることとなる。詳細は後述するが、S219の処理によりラウンドカウンタ203nに8が設定されることにより、8ラウンドの特別遊技が実行され、その特別遊技の実行中に入賞検出処理(図25)により継続入賞したと判定されれば、ラウンドカウンタ203nに8が追加設定され(S1406)、更に8ラウンド(計16ラウンド)の特別遊技が実行されることとなる。
また、S220の処理において設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、第3図柄表示装置81に大当たり開始を示唆する表示が表示され、特別遊技状態へ移行したことを遊技者へ認識させることができる。
一方、S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、確変カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判別し(S223)、確変カウンタ203gの値が0より大きいと判別した場合は(S223:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算して(S224)、S222へと処理を移行する。一方、確変カウンタ203gの値が0であると判別した場合は(S223:No)、S222の処理へ移行する。
S221、S223またはS224の処理後に実行されるS222の処理では、S216の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S222)。S222の処理を終えると、本処理を終了する。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(S208)について説明する。図14は、特別図柄2変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図12参照)の特別図柄変動処理(図13参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄2変動開始処理では、まず、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている特別図柄2の第1乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。次に、S301の処理によって取得した第1乱数カウンタC1の値が、特別図柄2の大当たりであるかを判定するために、確変中であるか否かを判定する(S302)。具体的には、確変カウンタ203gが0より大きいか否かを判定する。
確変カウンタ203gが0より大きいと判定された場合は(S302:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値に基づいて大当たりであるか否かの抽選結果を取得し(S303)、S305の処理へ移行する。ここで、特別図柄の抽選結果は、S103の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値(図9(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S303)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜9」の範囲にあれば、大当たりであると判定し、「10〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図9(b)参照)。一方、確変カウンタ203gがオンでないと判定された場合は(S302:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値に基づいて大当たりであるか否かの抽選結果を取得し(S304)、S305の処理へ移行する。ここで、特別図柄の抽選結果は、S103の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値(図9(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S304)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であれば、大当たりであると判定し、「1〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図9(b)参照)。
S305の処理では、S303またはS304の処理において取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判定し(S305)、特別図柄2の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりの表示態様を設定する(S306)。S306の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を大当たり図柄に対応した表示態様に設定すると共に、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「外れリーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次いで、S307の処理では、S306の処理で設定された表示態様に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たりの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの大当たり用変動パターンテーブル202d1に基づき決定する(S307)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファ203jに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と図柄変動の種別との関係は、変動パターン選択テーブル202dの大当たり用変動パターンテーブル202d1(図10(b)参照)に規定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲にあればノーマルリーチ、「51〜179」の範囲にあればスーパーリーチ、「180〜198」の範囲にあればスペシャルリーチの変動パターンを決定する(図10(b)参照)。
S305の処理において、特別図柄2の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れの表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「外れリーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次に、外れの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2または202dの外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3に基づき決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファ203hに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307の処理またはS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S213)について説明する。図15は、特別図柄1変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図12参照)の特別図柄変動処理(図13参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄1変動開始処理では、特別図柄2変動開始処理(S208)と同様の処理を特別図柄1について行う。S401の処理によって特別図柄1の保留球格納エリアにおける実行エリアのデータを取得し、その後、特別図柄1に対して特別図柄2変動開始処理(S208)における処理と同様の処理を行う。具体的な内容については、特別図柄2変動開始処理(S208)における処理と同様であるため、その説明を省略する。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図16は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、第1入賞口64aへの入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入賞口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S501)。ここでは、第1入賞口64aへの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64aに入賞したと判別されると(S501:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S502)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S503)。
そして、第1入賞口64aへの入賞がないか(S501:No)、或いは、第1入賞口64aへの入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S503:No)、S507の処理へ移行する。一方、第1入賞口64aへの入賞があり(S501:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S503:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S504)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S505)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S505の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別カウンタC3の値を取得し、特別図柄1保留球格納エリアに格納し(S506)、S507の処理へ移行する。
S507の処理では、球が第2入賞口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S507)。球が第2入賞口64bに入賞したと判別されると(S507:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eについて、第1入賞口64aに入賞した場合と同様の処理を行う。
より具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S508)、値が上限値(本実施形態では4)未満であれば(S509:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1加算し(S510)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S511)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別カウンタC3の値を取得し、特別図柄2保留球格納エリアに格納し(S512)、S513の処理へ移行する。
第2入賞口64bへの入賞がないか(S507:No)、或いは、第2入賞口64bへの入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でなければ(S509:No)、S513の処理へ移行する。
ここで、図17を参照して、S513の先読み処理について説明する。図17は、先読み処理(S513)を示したフローチャートである。この先読み処理(S513)は、始動入賞処理(図16参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに新たな入賞があるかどうかが判定される(S601)。判定の結果、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに新たな入賞がない場合(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに新たな入賞があった場合(S601:Yes)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得する(S602)。そして、抽選結果に基づいて入賞情報コマンドを設定し(S603)、本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、大当たりAの大当たり遊技において、確変流路口900k内の確変スイッチ(図示せず)を遊技球が通過することにより、確変遊技状態となる。この確変遊技状態の場合には、第1当たり乱数テーブル202aにおける高確率時用の大当たり判定値に基づいて大当たりか否かの判別が行われることとなる。ここで、先読み処理が実行される時点においては、大当たり種別が大当たりAであることは判別できるが、その大当たり遊技において、確変流路口900k内の確変スイッチ(図示せず)を遊技球が通過するか否かは判別できない。即ち、先読み処理が実行される時点においては、確変遊技状態となるか否かを判別することができない。
そこで、先読み処理(S507)において大当たりであるか否かの抽選結果を判別する場合には、確変遊技状態となるか否かに関わらず、第1当たり乱数テーブルにおける低確率時用の判定値を用いることとしている。本実施形態では、上述した通り、第1当たり乱数テーブル202aにおいて、高確率時用の大当たり判定値の中に、低確率時用の大当たり判定値が含まれるように規定されている。具体的には、高確率時用の大当たり判定値は「0〜9」であり、低確率時用の大当たり判定値は「0」である。これにより、確変流路口900k内の確変スイッチ(図示せず)を遊技球が通過し、確変遊技状態となるか否かに関わらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が、低確率時の大当たり判定値である「0」の値であれば、大当たりであると判別することができる。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図18は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、時短中であるか否かを判定する(S708)。時短中であるか否かは、確変中であるか否か(確変中カウンタ203gが0より大きいか否か)で判定する。なお、本実施形態では、時短遊技状態と確変遊技状態とが同時に設定されるように構成したが、これに限られず、確変遊技状態とは別に時短遊技状態を設けてもよい。
S708の処理において、時短中である(確変中カウンタ203gが0より大きい)と判定された場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりに難くなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入球口165aに入賞させようとして球を打つ。この場合に、第2入賞口64bに付随する電動役物64cが開放されると、特定入球口165aに入賞させようとした球が、第2入賞口64bに入りやすいために、遊技球を特定入球口165aに入賞させ難くなる。そこで特別図柄の大当たり中は、第2入賞口64bに付随する電動役物64cが開放されにくいようにし、遊技球を特定入球口165aへ入賞させやすくしている。尚、特定入球口165aは、第1入賞口64aの直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入賞口64aに球が入ることを抑制していても、第1入賞口64aには球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入賞口64aについての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
S708の処理において、時短中ではない場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中であるか否かを判定し(S714)、時短中である場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入賞口64bに入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物64cの開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。
S714の処理において、時短中ではない場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、時短中であるか否かを判定し(S719)、時短中である場合(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、時短中ではない場合は(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口64bへ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図22参照)の第2図柄表示更新処理(S1108参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物64cの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図22参照)の電動役物開閉処理(S1106参照)が実行された場合に、電動役物64cの開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64cの開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図19は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が普通入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。尚、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図21を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図21は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図4参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1012へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、振分モータ270a、第1回転モータ270b、第2回転モータ270cの初期動作を設定する(S1020)。この初期動作では、それぞれのモータを予め定められている方向に回動させて、原点位置(フォトセンサにより検知片が検知される位置)で動作を停止させて、それぞれのステップカウンタが0に設定される。ここで、回転振分部材800の原点位置は、右流路655に遊技球を誘導する位置(図3(a)の実線位置)であり、確変回転体900は、確変口900aが確変流路900kと対向する位置(図3(a)に示す確変回転体900の回動位置)であり、継続回転体901は、継続口901が継続流路901kと対向する位置(図3(a)に示す位置から180度回動した位置)である。割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
このように、立ち上げ処理(図21参照)により確変回転体900、継続回転体901、回転振分部材800の初期位置(原点位置)が設定されるので、確変回転体900、継続回転体901、回転振分部材800の各位置を正確にステップカウンタより判別することができる。このように、各位置を判別して、音声ランプ制御装置113に対してその位置をコマンドにより通知することで、音声ランプ制御装置113により、各位置を遊技者に報知する演出を設定することができる。具体的には、回転振分部材800がどちらの流路に遊技球を誘導する状態であるかを報知したり、確変口900a、継続口901aに遊技球が入球可能な位置であるかを報知する演出を行うことができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技中にその演出により確変口900a、継続口901aへ遊技球が入球することを期待したり、狙って遊技球を入球させることができる。
なお、この演出は、音声ランプ制御装置113のMPU221が所定の抽選を実行して、当選した場合に、遊技者に報知したり、大当たり種別を複数設定して、その大当たり種別により報知するか否かを可変させるように設定してもよい。
次に、図22を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1109の各処理が実行され、その残余時間でS1111,S1112のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図12参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図12参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図13参照)や始動入賞処理(図16参照)で設定された保留球数コマンドや、先読み処理(図17参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図13参照)で設定された大当たり開始コマンド、大当たり制御処理(図24参照)で設定されたラウンド数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、ゲート制御処理を実行する(S1104)。S1104の処理の詳細については、図23を参照して後述する。
次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置165の特定入球口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1105)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入球口165aを開放し、特定入球口165aの最大開放時間が経過したか、又は特定入球口165aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入球口165aを閉鎖する。この特定入球口165aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。最終ラウンドにおいて特定入球口165aを閉鎖した後は、大当たりの終了を設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1105)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。S1105の処理の詳細については、図24を参照して後述する。
次に、第2入賞口64bに付随する電動役物64cの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1106)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図18参照)のS725の処理によって電動役物64cの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64cの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64cの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
S1106の処理を終えると、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図15参照)または特別図柄2変動開始処理(図14参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄2変動開始処理(図14参照)または特別図柄1変動開始処理(図15参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1108)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図18参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図18参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図18参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1109)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1109:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1110)、既に所定時間が経過していれば(S1110:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1110:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1111,S1112)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1111)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1112)。
ここで、S1101〜S1109の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に第1変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1109の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1109:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図20のNMI割込処理が実行されたということなので、S1113以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1113)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1114)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1115)、RAM203のアクセスを禁止して(S1116)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1109の処理は、S1101〜S1108で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1111とS1112の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図23を参照して、この主制御装置110内のMPU201により実行されるゲート制御処理(S1104)を説明する。図23は、このゲート制御処理(S1104)を示すフローチャートである。このゲート制御処理(S1104)は、メイン処理(図22参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、回転振分部材800の位置を切り替えることで、振分入球口650aに入球した遊技球を左流路654または右流路655へ振り分けるための処理である。
ゲート制御処理では、まず、ゲート用計時カウンタ203kに1を加算する(S1201)。次いで、ゲート用計時カウンタ203kが1250より大きいか否かを判定する(S1202)。ゲート用計時カウンタ203kが1250より大きいと判定された場合は(S1202:Yes)、役物モータ270aを駆動することで回転振分部材800の位置を切り替えて(S1203)、ゲート用計時カウンタ203kを0に初期化し(S1205)、S1206の処理へ移行する。
ここで、ゲート制御処理はメイン処理において4ms毎に繰り返し実行されるものであるため、ゲート用計時カウンタ203kの値が1250となる毎(即ち、5s毎)に振分部材の位置を切り替えることができる。また、回転振分部材800の位置は、振分入球口650aに入球した遊技球を左流路654へ振り分ける位置(図3(a)にて実線で示される位置)または右流路655へ振り分ける位置(図3(a)にて破線で示される位置)のどちらかになるように、役物モータ270aにより切り替えられるものである。
S1202またはS1205の処理を終えると、第1回転データを設定し(S1206)、第2回転データの設定を行う(S1207)。その後、回転体コマンドを設定して(S1208)、本処理を終了する。
S1206の処理において設定された第1回転データにより、第1回転モータ270bの駆動が制御される。なお、例えば、大当たりとなった場合において、大当たり種別に応じて第1回転モータ270bの回転速度を変更するようにしてもよい。これにより、継続回転体901の回転動作に変化が生まれ、一定速度で継続回転体901が回転動作する単調な遊技機に比べて、遊技者の興趣を向上することができる。また、継続回転体901の回転動作が遅くなるように設定すれば、遊技者が継続入賞を狙って遊技することが容易とすることができ、継続回転体901の回転動作が早くなるように設定すれば、短時間で継続入賞を抽選することができる、即ち、1ラウンドにおいて継続入賞の抽選を多く実行できる遊技機とすることができる。
また、S1206の処理とS1207の処理において、設定される回転モータ(270b,270c)の回転速度は、所定契機で変更するようにしてもよく、例えば、電源投入時から1時間毎に早い回転速度と遅い回転速度を交互に設定するようにしてもよい。さらに、第1回転データ、第2回転データは複数の回転速度とその切り替えタイミングのデータとしてもよく、例えば、半回転は速い回転速度となり、残りの半回転は遅い回転速度としてもよい。これにより、各回転体(900,901)の各入賞口(900a,901a)が上半分となる半回転は遅い回転速度となり、残りの半回転は速い回転速度となるように設定できる。その結果、各入賞口(900a,901a)へ入賞させやすく調整できるし、そうでないように調整すれば、入賞させ難く調整することができる。
S1207の処理において設定された第2回転データについては、第2回転モータ270cの駆動を制御し、確変回転体900の回転動作を調整する点で、S1206の処理と相違し、その他の点は同一であるので、その詳細な説明を省略する。
なお、上述したS1206の処理とS1207の処理において、それぞれの回転モータ(270b,270c)の回転速度が異なるように設定するようにしてもよく、同一となるように設定してもよい。
また、本実施形態ではゲート制御処理をメイン処理において実行するようにしたが、タイマ割込処理(図12参照)で行うようにしてもよいし、大当たり遊技の実行中であるかを判別し、大当たり遊技の実行中にのみゲート制御処理を実行するようにしてもよい。
S1208の処理により設定される回転体コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113はこの回転体コマンドの受信に基づき、効果音を設定し、表示用回転体コマンドを表示制御装置114に送信する。これにより、このゲート制御処理(S1104)の処理に基づいて設定された役物モータ270a、第1回転モータ270b、第2回転モータ270cの動作に合わせた効果音と表示とを出力することができる。
具体的には、回転振分部材800の位置が、振分入賞装置650の振分入球口650aに入球した遊技球が左流路654へ振り分けられる位置となり、かつ、継続回転体901の継続口901aが遊技球の入球し易い位置(上方向となる位置)となる、即ち、高確率で振分入球口650aに入球した遊技球が継続入賞となるタイミングを算出し、そのタイミングを通知する回転体コマンドを生成する。これにより、継続入賞しやすいタイミングにおいて、その報知を行うための効果音が出力され、演出表示が表示される(図36(a)参照)。このタイミングの算出には、ゲート用計時カウンタ203kに基づく回転振分部材800の動作タイミングと、S1206の処理により設定された第1回転データに基づく継続回転体901の回転速度とにより算出する。また、継続回転体901の位置は、上述したように、フォトセンサ(図示せず)である原点センサにより算出される。
また、確変入賞についても同様にして、回転振分部材800の位置が、振分入賞装置650の振分入球口650aに入球した遊技球が右流路655へ振り分けられる位置となり、かつ、確変回転体900の継続口900aが遊技球の入球し易い位置(上方向となる位置)となる場合に、その報知を行うための演出表示が表示される(図36(b)参照)。このタイミングの算出には、ゲート用計時カウンタ203kに基づく回転振分部材800の動作タイミングと、S1207の処理により設定された第2回転データに基づく確変回転体900の回転速度とにより算出する。また、確変回転体901の位置は、上述したように、フォトセンサ(図示せず)である原点センサにより算出される。
これにより、遊技者が振分入賞装置650の振分入球口650aへ遊技球を入賞させるタイミングを容易に判断できる遊技機とすることができる。
また、本実施形態ではゲート用計時カウンタ203kの判定値を1250(切り替えタイミングが5秒となる値)としたが、これより小さい値でもよいし、大きい値でもよい。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1105)を説明する。図24は、この大当たり制御処理(S1105)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1105)は、メイン処理(図22参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりフラグ203iがオンであるかを判定する(S1105)。S1105の処理において、大当たりフラグ203iがオフであれば(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオンであれば(S1301:Yes)、特別図柄の大当たり中であるので、入賞検知処理を実行する(S1302)。この入賞検知処理(S1302)は、大当たり遊技における各ラウンドに設けられる入賞検知期間において、継続入賞または確変入賞の入賞や、入賞検知期間の終了などに応じた処理を行う処理であり、詳細については、図25を参照して後述する。
S1302の処理を終えると、ラウンド開始フラグ203mがオンであるかを判定する(S1303)。ラウンド開始フラグ203mがオンであれば(S1303:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるので、新たに開始するラウンド数に応じて特定入球口165aまたは第2特定入球口650aの開放を設定し(S1304)、新たに開始するラウンド数に基づいて入賞検知期間記憶エリア203jを設定する(S1305)。
具体的には、上述したように、1〜8ラウンドの大当たり遊技では、振分抽選が実行されるように第2特定入球口650aが開放され、9〜16ラウンドの大当たり遊技では、振分抽選は実行されず特定入球口165aが開放される。
また、ラウンド開始フラグ203mがオンに設定されるのは、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aの閉鎖条件が成立し(S1309)、終了したラウンド数に基づく入賞検知期間が終了した場合である(図26のS1427参照)。ここで、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aの閉鎖条件が成立した場合に設定される入賞検知期間は、1〜8ラウンドでは5秒(入賞検知期間記憶エリア203jに1250が設定)であり、9〜16ラウンドでは3秒(入賞検知期間記憶エリア203jに750が設定)であるので、1〜8ラウンドでは次のラウンド開始までのインターバル時間が5秒となり。9〜16ラウンドではインターバル時間が3秒となる。なお、本実施形態では上述したように、インターバル時間と入賞検知期間が同一となるようにしたが、これに限られず、インターバル時間よりも入賞検知期間が長くなるようにしてもよいし、反対に、インターバル時間よりも入賞検知期間が短くなるようにしてもよい。
ここで、9〜16ラウンドの大当たり遊技では、特定入球口165aが開放され、第2特定入球口650aは開放されないため、継続入賞や確変入賞の検出を行う必要がない。また、この場合において、継続入賞や確変入賞が検出される場合は、不正に遊技球が入賞された可能性があるため、エラーを報知するように構成することで、このような不正を抑制することができる。さらに、9〜16ラウンドの大当たり遊技では、継続入賞や確変入賞の検出を行う必要がないことから、入賞検知期間記憶エリア203jを0に設定することで、各入賞の検出を行わないようにしてもよい。この場合、特定入球口(65a,650a)の開放経過時間を計測するために、別途タイマやカウンタ等を設け、そのタイマやカウンタに基づいて閉鎖条件を判別するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、S1304およびS1305の処理において上述のように設定したが、これに限られず、1〜8ラウンドでは特定入球口165aが開放されるようにしてもよいし、開放されるインターバルも3秒や10秒としてもよいし、入賞検知期間記憶エリア203jを2000や7500に設定するものでもよく、9〜16ラウンドでも同様に、第2特定入球口650aが開放されるようにしてもよいし、インターバルや入賞検知期間記憶エリア203jの設定値を適宜変更するものでもよい。また、ラウンド数についても、1〜3ラウンドと4〜16ラウンドとで切り分けるようにしてもよいし、各ラウンドでそれぞれ異なる設定としてもよいし、すべてのラウンドで同じ設定としてもよい。
その後、ラウンド開始フラグ203mをオフにし(S1306)、ラウンドカウンタ203nを1減算する(S1307)。ここで、ラウンドカウンタ203nを1減算することにより、大当たり開始時に設定したラウンドカウンタ203nが0になった場合(8ラウンド終了した場合)、後述する入賞検知終了処理(図26参照)において、大当たりの終了時の設定を実行することができる。また、ラウンドカウンタ203nは、後述する入賞検知処理(図25参照)において、継続入賞があった場合にS1406の処理により8加算されるので、その場合はラウンドカウンタ203nが0になるのは16ラウンドが終了した時点となり、16ラウンドの大当たり遊技を実行することができる。
S1307の処理を終えると、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1308)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1303の処理において、ラウンド開始フラグ203mがオフであれば(S1303:No)、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1309)。具体的には、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aを開放した後に所定時間が経過した場合(入賞検知期間記憶エリア203jの値が0となった場合)、または、特定入球口165aまたは第2特定入球口650aを開放した後に球が所定数入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。ここで、S1303の処理では、上述したように、大当たり遊技が1〜8ラウンドであれば、15秒経過時(3750に設定された入賞検知期間記憶エリア203jが0になった時)、または、第2特定入球口650aに遊技球が5球入賞した場合に閉鎖条件が成立したと判定する。一方、9〜16ラウンドであれば、30秒経過時(7500に設定された入賞検知期間記憶エリア203jが0になった時)、または、特定入球口165aに遊技球が10球入賞した場合に閉鎖条件が成立したと判定する。本実施形態は、このように設定したが、これに限られず、1〜8ラウンドは30秒経過時、9〜16ラウンドは15秒経過時としてもよいし、1〜8ラウンドは10球入賞時、9〜16ラウンドは5球入賞時としてもよい。また、ラウンドの分け方も、これに限られず、1〜2ラウンドと3〜16ラウンドのように規定してもよいし、各ラウンドでそれぞれ異なる閉鎖条件としてもよいし、すべてのラウンドで同じ閉鎖条件としてもよい。
S1309の処理において、第2特定入球口650aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S1309:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1309の処理において、第2特定入球口650aの閉鎖条件が成立したと判定した場合は(S1309:Yes)、第2特定入球口650aを閉鎖して(S1310)、今回終了したラウンド数に基づいて、入賞検知期間記憶エリア203jを再設定し(S1311)、本処理を終了する。
具体的に、S1309の処理は、1〜8ラウンドの終了時には、入賞検知期間記憶エリア203jを1250に再設定するものであり、9〜16ラウンドの終了時には入賞検知期間記憶エリア203jを750に再設定するものである。これは、1〜8ラウンドでは、第2特定入球口650aが開放されることにより、1〜8ラウンドの終了時には、振分入賞装置650の内部に遊技球が残っている場合があるためである。
ここで、閉鎖条件の成立(S1309:Yes)に基づいて、入賞検知期間記憶エリア203jが再設定されるので、S1310の処理により第2特定入球口650aが閉鎖された後にも、遊技球が振分入賞装置650の内部(振分入球口650a、左流路654または右流路655など)に残っている遊技球が継続流路口901kや確変流路口900kを通過する場合がある。この場合に、入賞検知期間記憶エリア203jを1250に再設定することで、閉鎖条件の成立後から5秒間は各流路口の通過に基づく入賞を検出することが可能となっている。これにより、振分入賞装置650の内部(振分入球口650a、左流路654または右流路655など)に残っている遊技球が継続流路口901kや確変流路口900kへ入球したにも関わらず、継続入賞や確変入賞とならないとの不具合を抑制することができる。
また、9〜16ラウンドでは入賞検知期間記憶エリア203jが再設定されるので、第2特定入球口650aにおいて不正に入賞されたことを検知することができる。
なお、ここで設定した入賞検知期間記憶エリア203jの値は、振分入賞装置650の構成により適宜変更してもよい。例えば、振分入賞装置650の左流路654や右流路655が長く、振分入球口650aに入球した遊技球が継続流路口901kまたは確変入賞口900kのいずれかに入球するまでに、最長10秒程度かかる場合は、10秒となるように設定してもよいし、5秒のままとして、5秒経過後の入賞は入賞とみなさないように設定してもよい。
また、振分入賞装置650の内部に残っている遊技球があるかを判別して、無いと判別された場合には入賞検知期間を終了させるように構成してもよい。例えば、閉鎖条件成立後に振分入賞装置650の振分入球口650aに入球した遊技球の数と、継続流路口901k、確変流路口900k、排出口657を通過した遊技球の数とが一致するかを判別し、一致する場合には振分入賞装置650の内部に残っている遊技球がないと判別してもよい。これにより、振分入賞装置650の内部に残っている遊技球がない場合において、入賞検知期間を終了することができるので、不正に継続入賞や確変入賞させることを困難にできる。ここで、本実施形態では、上述したように、振分入球口650aに入球した遊技球の数は、磁気センサ659を用いて、継続流路口901に入球した遊技球は継続スイッチ(図示せず)を用いて、確変流路口900kに入球した遊技球は確変スイッチ(図示せず)を用いてそれぞれ検出することができる。
次に、図25を参照して、入賞検知処理(S1302)について説明する。図25は、入賞検知終了処理(S1105)のフローチャートを示す図である。この入賞検知処理(S1302)は、大当たり制御処理(図24)の中で大当たり遊技が実行中である場合に実行される処理であり、振分入賞装置650において遊技球の入賞があるか否かを検知するための処理である。
入賞検知処理(S1302)では、まず、入賞検知期間記憶エリア203jが0より大きいか否かを判別する(S1401)。S1401の処理において、入賞検知期間記憶エリア203jが0であると判別された場合は(S1401:No)、ラウンド間のインターバルなどにより、入賞検知が不要な期間であるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S1401の処理において、入賞検知期間記憶エリア203jが0より大きいと判別された場合は(S1401:Yes)、入賞検知期間記憶エリア203jを1減算し(S1402)、S1403の処理へ移行する。ここで、入賞検知処理(S1302)は、4ms毎に実行されるメイン処理(図22参照)内の大当たり制御処理(図24参照)において実行されるので、入賞検知期間記憶エリア203jが1減算されるのは4ms毎となる。上述したように、入賞検知期間記憶エリア203jは、大当たり制御処理(S1105)のS1305の処理において新たに開始するラウンド数に基づいて設定され、ラウンド数が1〜8であれば、3750が設定されているので、1〜8ラウンドの第2特定入球口650aの開放時間は15秒となる。また、ラウンド数が9〜16であれば、7500が設定されているので、9〜16ラウンドの特定入球口165aの開放時間は30秒となる。
S1402の処理を終えると、ラウンド継続フラグ203pがオンであるか否かを判別する(S1403)。ラウンド継続フラグ203pがオンである場合は(S1403:Yes)、既に、継続入賞に基づく処理(S1405〜S1407)を実行した後であるため、S1404〜S1407の処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。
一方、ラウンド継続フラグ203pがオンでない(オフである)場合は(S1403:No)、次いで、継続入賞があったか否かを判別する(S1404)。ここで、継続入賞となるのは、継続流路口901kに遊技球が入球した場合であり、この継続流路口901kに遊技球が入球すると、図示しない磁気センサにより遊技球の通過が検出され、タイマ割込処理(図12)におけるスイッチ読み込み処理(S101)によりその検出に基づいて、入賞検出情報として記憶される。S1404の処理では、スイッチ読み込み処理(S101)により記憶された入賞検出情報に基づいて、継続入賞があったか否かを判別する。
S1404の処理において、継続入賞がなかった場合は(S1404:No)、S1405〜S1407の処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。一方、S1404の処理において、継続入賞があった場合は(S1404:Yes)、継続入賞に基づく処理として、ラウンド継続フラグ203pをオンに設定し(S1405)、ラウンドカウンタ203nに8を加算し(S1406)、継続入賞コマンドを設定して(S1407)、S1408の処理へ移行する。
S1405の処理により設定されるラウンド継続フラグ203pによって、上述したように、継続入賞に基づく処理(S1405〜S1407)の処理が重複して実行されることがないようにできる。また、S1406の処理により加算されるラウンドカウンタ203nによって、継続流路口901kへの遊技球の入球に基づいて、大当たり遊技が16ラウンドまで実行されるようにできる。さらに、S1407の処理により設定される継続入賞コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図12参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、この継続入賞コマンドを受信すると、継続入賞音を設定し、表示制御装置114へ表示用継続入賞コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用継続入賞コマンドを受信すると、継続入賞したことを示唆する表示を第3図柄表示装置81に表示する。これにより、継続流路口901kへの遊技球の入球に基づいて、入賞音と第3図柄表示装置81への表示により、遊技者に対して、継続入賞したことを報知することができる。
S1408の処理では、確変フラグ203rがオンであるか否かを判別する(S1408)。S1408の処理において、確変フラグ203rがオンであると判別された場合は(S1408:Yes)、S1403の処理と同様に、既に、確変入賞に基づく処理(S1410〜S1411)を実行した後であるため、S1409〜S1411の処理をスキップして、S1412の処理へ移行する。
一方、S1408の処理において、確変フラグがオンでないと判別された場合は(S1408:No)、確変入賞があったか否かを判別する(S1409)。この確変入賞は、上述したS1404の処理において、継続入賞があったか否かと同様にして判別するものであり、その詳細な説明を省略する。
S1409の処理において確変入賞がなかったと判別された場合は、そのままS1410とS1411との処理をスキップして、S1412の処理へ移行する。一方、S1409の処理において確変入賞があったと判別された場合は、確変フラグ203rをオンに設定し(S1410)、確変入賞コマンドを設定して(S1411)、S1412の処理へ移行する。
S1412の処理では、入賞検知期間記憶エリア203jが0であるか否かを判別する(S1412)。S1412の処理により入賞検知期間記憶エリア203jが0でないと判別された場合は(S1412:No)、入賞の検知を終了するタイミングではないので、S1413の処理をスキップして、本処理を終了する。
一方、S1412の処理において、入賞検知期間記憶エリア203jが0であると判別された場合は(S1412:Yes)、入賞の検知を終了するタイミングであるので、入賞検知終了処理を実行し(S1413)、本処理を終了する。
ここで、図26を参照して、入賞検知終了処理(S1413)について説明する。図26は、入賞検知終了処理(S1413)のフローチャートを示す図である。この入賞検知終了処理(S1413)は、上述した、入賞検知処理(図25参照)において、入賞検知期間記憶エリア203jが0となり、入賞検知の終了タイミングとなった場合に実行される処理である。
入賞検知終了処理(S1413)では、まず、ラウンドカウンタ203nが0であるか否かを判別する(S1420)。S1420の処理において、ラウンドカウンタが0でない(即ち、1以上)と判別された場合は(S1420:No)、大当たり遊技において実行されるラウンドがまだ残っている場合であるので、ラウンド開始フラグ203mをオンに設定し(S1427)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド開始フラグ203mにより、上述したように、大当たり制御処理(図24参照)において、ラウンド開始に関わる処理(S1304〜S1308)が実行されることとなる。
一方、S1420の処理において、ラウンドカウンタ203nが0であると判別された場合は、大当たり遊技の終了タイミングであるので、確変フラグ203rがオンであるか否かを判別して(S1421)、オンであれば確変カウンタに100を設定し(S1422)、オンでなければS1422の処理をスキップして、S1423の処理へ移行する。
確変フラグ203rは、上述したように、振分入賞装置650における確変流路口900kに遊技球が入球した場合にオンに設定されるものである。これにより、確変流路口900kへの遊技球の入球に基づいて、確変遊技状態を100回分設定できる。なお、本実施形態では確変遊技状態を100回分付与するようにしたが、これに限られず、次に大当たりとなるまで確変遊技状態とするものとしてもよい。
S1423の処理では、大当たりの終了を設定し(S1423)、ラウンド継続フラグ203p、確変フラグ203rおよび大当たりフラグ203iをオフに設定し(S1424,S1425)、ラウンド数に基づいて大当たり終了コマンドを設定して(S1426)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図27から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図27は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1616の電源断処理(図28参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図28を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図28のS1613参照)、S1616の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1616の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1504)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1506)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグ223yはS1616の電源断処理の実行時にオンされる(図28のS1615参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1616の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、電源断フラグ223yをオフに設定する(S1511)。
次いで、RAM223の初期値を設定し(S1511)、割込み許可を設定して(S1512)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509からS1510の処理をスキップして、処理をS1511へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1511)、割込み許可を設定して(S1513)、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1m秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611のコマンド判定処理や、S1612の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1612の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1m秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1603〜S1612の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bおよび特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間などの所定期間に枠ボタン22が押された場合は、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行管理処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S1610の処理を実行した後、S1611の処理へ移行する。
S1611の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1611)。このコマンド判定処理の詳細については、図29から図32を参照して後述する。コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1612)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
S1612の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1613)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1613:Yes)、電源断フラグ223y及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1615)、電源断処理を実行する(S1616)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1617)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1613:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1614)、RAM223が破壊されていなければ(S1614:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1614:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
ここで、上記した音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)内の各処理の詳細な説明については、便宜上、先にコマンド判定処理(S1611)の詳細を説明した後に、変動表示設定処理(S1612)について順に説明することとする。
次に、図29から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1611)について説明する。図29は、このコマンド判定処理(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1611)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1701:Yes)、変動開始フラグ223dをオンにし(S1702)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S1703)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1707:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納し(S1708)、メイン処理に戻る。また、S1708の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入賞口64aに入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄1または特別図柄2の抽選が行われる毎に、S1708の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1708の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1709:Yes)、受信したコマンドから特別図柄における抽選結果を入賞情報として抽出し特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aの最初のエリアに格納し(S1710)、メイン処理に戻る。尚、S1710の処理では、特別図柄1保留球カウンタ223bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
一方、S1709の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1709:No)、次いで、大当たりに関するコマンドを受信したか否かを判定する(S1711)。そして、大当たりに関するコマンドを受信した場合には(S1711:Yes)、受信したコマンドに対応した大当たりに関する処理を実行し(S1712)、メイン処理へ戻る。
大当たりに関するコマンドとしては、大当たり開始コマンド、ラウンド数コマンド、大当たり終了コマンドなどが挙げられる。具体的には、例えば、受信したコマンドが大当たり開始コマンドである場合には、大当たり開始時の音情報を設定し、表示用オープニングコマンドを設定する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たり演出を開始する。これにより、大当たり開始時において、大当たり演出の音と表示とを出力し、遊技者に対して報知することができる。ラウンド数コマンド、大当たり終了コマンドについても同様の処理が実行される。
S1711の処理において、大当たりに関するコマンドを受信していない場合には(S1711:No)、主制御装置110より役物に関するコマンドを受信したか否かを判定する(S1713)。そして、役物に関するコマンドを受信した場合には(S1713:Yes)、役物関連処理を実行し(S1714)、メイン処理へ戻る。この役物関連処理の詳細については、図30を参照して後述する。
一方、S1713の処理において、役物に関するコマンドを受信していない場合には(S1713:No)、主制御装置110より継続入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1715)。そして、継続入賞コマンドを受信した場合には(S1715:Yes)、継続入賞時処理を実行し(S1716)、メイン処理へ戻る。この継続入賞時処理の詳細については、図31を参照して後述する。
S1715の処理において、継続入賞コマンドを受信していない場合には(S1715:No)、主制御装置110より確変入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1717)。そして、確変入賞コマンドを受信した場合には(S1717:Yes)、確変入賞時処理を実行し(S1718)、メイン処理へ戻る。この確変入賞時処理の詳細については、図32を参照して後述する。
一方、S1717の処理において、確変入賞コマンドを受信していない場合には(S1717:No)、受信したその他のコマンドに応じた処理を実行して(S1719)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29、S1611)内の一処理である役物関連処理(S1714)について説明する。図30は、この役物関連処理(S1714)を示したフローチャートである。この役物関連処理(S1714)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29参照)の中で実行され、主制御装置110から受信した役物に関するコマンドを判定し、コマンドに応じた処理を実行する。
役物関連処理(S1714)では、まず、主制御装置110より切替コマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。切替コマンドを受信した場合には(S1801:Yes)、切替音を設定し(S1802)、表示用切替コマンドを設定して(S1803)、コマンド判定処理に戻る。
ここで設定された表示用切替コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用切替コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において切り替えを示唆する表示を表示する。具体的に、本実施形態では、回転振分部材800が、振分入賞装置650の振分入球口650aへ入球した遊技球が、左流路654へ振り分けられる場合には、「左だよ」との音声が出力されると共に、「継続抽選中」との表示が第3図柄表示装置81に表示され、右流路655へ振り分けられる場合には、「右だよ」との音声が出力されると共に、「確変抽選中」との表示が第3図柄表示装置81に表示される。なお、これに限られず、その他の態様(キャラクタや画面の色など)で示唆する表示を行ってもよい。また、切り替えを示唆する表示を表示させずに、遊技者に対して、振分入賞装置650の振分入球口650aへ入球した遊技球が、左流路654と右流路655とのどちらへ振り分けられるかを認識できないようにしてもよい。
S1801の処理において、切替コマンドを受信していない場合には(S1801:No)、回転体コマンドを受信したか否かを判定する(S1804)。回転体コマンドを受信した場合には(S1804:Yes)、受信した回転体コマンドに基づいて効果音を設定し(S1805)、表示用回転体コマンドを設定して(S1806)、コマンド判定処理に戻る。
ここで設定された表示用回転体コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用切替コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において表示用回転体コマンドに基づく表示を実行する。具体的には、上述したように、主制御装置110のMPU201により実行されるゲート制御処理(S1104)において設定された、継続入賞しやすいまたは確変入賞しやすいタイミングを通知するものである。これにより、遊技者が振分入賞装置650の振分入球口650aへ遊技球を入賞させるタイミングを容易に判断できる遊技機とすることができる。
一方、S1804の処理において、回転体コマンドを受信していない場合には(S1804:No)、S1805とS1806の処理をスキップし、コマンド判定処理に戻る。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29、S1611)内の一処理である継続入賞時処理(S1716)について説明する。図31は、この継続入賞時処理(S1716)を示したフローチャートである。この継続入賞時処理(S1716)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29参照)の中で実行され、主制御装置110から受信した継続入賞コマンドに応じた処理を実行する。
継続入賞時処理(S1716)では、まず、継続入賞音を設定し(S1901)、その後、表示用継続入賞コマンドを設定し(S1902)、コマンド判定処理に戻る。ここで設定された表示用継続入賞コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用継続入賞コマンドを受信すると、継続入賞が発生したことを示唆する表示が実行される(図37(a))。これにより、遊技者は継続入賞となったことを容易に認識することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機とすることができる。
なお、本実施形態では、継続入賞となった場合に、S1901およびS1902の処理によって、遊技者に対して音と表示により、継続入賞の発生を報知するようにしたが、これに限られず、音のみや表示のみで報知するようにしてもよいし、報知しないようにしてもよい。継続入賞を報知しない場合には、遊技者は大当たり遊技が継続するか否かについて、9ラウンド目が開始するかによって判別することになるので、遊技者は9ラウンド目まで大当たり遊技が継続するか否かについて注目することとなる。これにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29、S1611)内の一処理である確変入賞時処理(S1718)について説明する。図32は、この確変入賞時処理(S1718)を示したフローチャートである。この確変入賞時処理(S1718)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図29参照)の中で実行され、主制御装置110から受信した確変入賞コマンドに応じた処理を実行する。
確変入賞時処理(S1718)では、まず、確変入賞音を設定し(S2001)、表示用確変入賞コマンドを設定し(S2002)、コマンド判定処理に戻る。ここで設定された表示用確変入賞コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用確変入賞コマンドを受信すると、確変入賞が発生したことを示唆する表示が実行される(図37(b))。これにより、遊技者は継続入賞となったことを容易に認識することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機とすることができる。
なお、本実施形態では、確変入賞となった場合に、S2001およびS2002の処理によって、遊技者に対して音と表示により、確変入賞の発生を報知するようにしたが、これに限られず、音のみや表示のみで報知するようにしてもよいし、報知しないようにしてもよい。報知しないようにした場合は、遊技者は確変遊技状態であるか否かを判別できないために、確変遊技状態となる可能性がある100回分の遊技が終了するまでは遊技を辞め難くなる。これにより、遊技者に長く遊技を行うように促すことができる。
次に、図33を参照して、メイン処理(図28参照)において実行される変動表示設定処理(S1612)の詳細について説明する。図33は、この変動表示設定処理(S1612)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2106の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図29参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2103)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2104)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S2105)。S2105の処理では、特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2106の処理へ移行する。
S2106の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2106)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2106:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S2106:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2107)、次いで、コマンド判定処理(図29参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2108)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2109)、S2110の処理へ移行する。
S2110の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S2110)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
このように、第1実施形態における構成では、大当たり遊技の開始タイミングにより、確変回転体900に遊技球が誘導され易い状態であるか、継続回転体901に遊技球が誘導され易い状態であるかが回転振分部材800の回動位置や回動タイミングにより可変されるように構成されている。よって、大当たり遊技の開始タイミング(大当たりするタイミング)により確変への期待度や、16ラウンド大当たりへの期待度が可変するように構成できる。よって、遊技者は、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合にも、確変が付与されるか、16ラウンドが付与されるかに興味を持って遊技を行うことができる。
さらに、本実施形態では、大当たり開始時には、8ラウンドの大当たり遊技を16ラウンド抽選(継続抽選)と確変抽選とが実行される振分入賞装置650が開放状態に設定される。また、16ラウンド大当たりが付与されて9ラウンド以降の大当たりでは可変入賞装置165が開放状態に設定される。よって、1ラウンドから8ラウンドまでは、可変入賞装置165よりも遊技球を入賞させがたい振分入賞装置650を開放させて遊技が行われることで、遊技者は、確変口900a、継続口901aに入球させることができるかに集中して遊技を行うことができる。また、9ラウンドから16ラウンドの大当たり遊技は、遊技球が入球し易い可変入賞装置165が開放されて遊技が行われるので、大当たり遊技を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、5秒毎に回転振分部材800が回動されるように構成したので、遊技者は、確変回転体900を狙うか、継続回転体901を狙うか決定して遊技を行うこともできる。よって、第2特定入球口650aに入球させることができる5球を確変と継続(16ラウンドの大当たり)とのどちらの抽選に多く使用するかを決めることができる。
なお、本実施形態では、1ラウンドから8ラウンドの第2特定入球口650aの開放期間は15秒としたが、5秒に設定することで、1ラウンドで狙える回転体が制限され、ラウンド開始や、大当たり遊技の開始タイミングにより遊技者に付与可能となる特典を可変させることができる。
また、1ラウンドに第2特定入球口650aの開放状態と閉鎖状態とを短時間(例えば、1秒)で繰り返して構成することで、遊技者が確変回転体900と継続回転体901とのどちらかを意図的に狙うのを困難に設定するように構成してもよい。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、図34〜35を参照して、第1実施形態の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、回転振分部材800により確変回転体900と継続回転体901とのどちらかに第2特定入球口650aに入球した遊技球が入球するように構成した。それに対して、本第1実施形態の第1変形例におけるパチンコ機10では、確変回転体900の確変口900aに遊技球が入球しなかった場合に、継続回転体901に遊技球が案内されるように構成した点で第1実施形態とは相違する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図34は、この第1実施形態の第1変形例における遊技盤13を示した図である。本第1実施形態の第1変形例においては、第1実施形態に対して、振分入賞装置650の構成が変更されている点で相違する。ここで、図35を参照して、本第1実施形態の第1変形例における振分入賞装置650の構成について説明する。
図35は、振分入賞装置650の前面カバー体652を外した状態の正面図である。第1実施形態における振分入賞装置650(図3(a)参照)とは、第2特定入球口650aに入球した遊技球は、確変回転体900に誘導されるように流路壁部653が形成され、振分入球口650aから直下方向の流路には、振分入球口650aへ入球した遊技球を検出するように磁気センサ659が設けられている。この磁気センサは振分入賞装置650に入球した遊技球の数を検出するために用いられる。
また、確変回転体900の回転入球口900b〜900dに入球した遊技球が排出流路662に排出されると、排出流路662が継続回転体901に遊技球を案内されるように構成した点で相違する。同一の構成については、その説明を省略する。
第2特定入球口650aに入球した遊技球は、確変回転体900に全て誘導され、確変口900aに入賞されると、確変流路口900kへと確変回転体900が右方向に回動することにより案内される。その後、確変スイッチ(図示せず)に検知されることにより確変フラグ203rがオンに設定される。なお、第1実施形態と同様に、第2特定入球口650aには、1ラウンドで5球まで入球するので、連続して第2特定入球口650aに入球した場合には、確変口900aに遊技球が入球し易い構成となっている。なお、本第1実施形態の第1変形例では、1ラウンド目から8ラウンド目までは、第2特定入球口650aの最大開放時間は、5秒に設定されており、第2特定入球口650aに遊技球が入球できる期間が短時間となっている。なお、遊技球は、発射装置により1分間で100発発射されるので、1秒で1.6発となり5秒間では、約8発の遊技球が発射可能となっている。よって、第2特定入球口650aには、5発の遊技球が入球することは、遊技釘により振り分けられることも考慮すると困難な構成となっている。
また、継続回転体901へは、確変口900aに入球した遊技球以外の遊技球が案内されるので、確変口900aに遊技球が入球すると、継続回転体901へ案内される遊技球がその分少なくなる。よって、継続口901aに入球するか否かの抽選は、確変口900aに入球するか否かの抽選よりも確率が低くなるように構成されている。
このように構成することで、確変口900aに入球するか否かの抽選をまず遊技者は楽しみ、次に、確変口900aに入球しなかった遊技球が継続口901aに入球するかを否かの抽選を楽しむことができる。よって、2段階の抽選を最大遊技者は楽しむことができる。また、確変回転体900にまず遊技球が案内されることで、継続の抽選よりも確変の抽選を優先して実行でき、確変が付与され易く構成できる。
なお、本実施形態では、確変回転体900を継続回転体901よりも上流側に配置したが、それに限らず、継続回転体901を確変回転体900より上流側に配置してもよい。また、第2特定入球口650aへの1ラウンドの入球数は5球としたが、それに限らず、それ以下の1球等で構成してもよく、それ以上の10球等で構成してもよい。
なお、本実施形態では、回転振分部材800によって、特定入球口650aへと入球した球を確変回転体900、および継続回転体901のいずれかに振り分けるように構成していたが、本構成は大当たりにおいて球が入球可能となる振分入賞装置650に限って適用されるものではない。例えば、振分入賞装置650を、大当たり以外でも開放される構成とし、更に、確変回転体900の確変口900a、および継続回転体901の継続口901aに代えて、特別図柄の抽選の契機となる入球口をそれぞれ設ける構成としてもよい。この場合において、入球口は、互いに有利度が異なる(例えば、大当たりとなった場合に獲得できる賞球や確変割合が異なる)入球口としてもよい。例えば、継続口901の配置に設けられた入球口(即ち、下流側の入球口)の方が有利になるように構成してもよい。また、振分入賞装置650が開放されるタイミングとしては、例えば、普通図柄の当たりとなった場合に開放される構成としてもよい。この場合において、1回の普通図柄の当たりにおいて、確変口900aの位置に配置された入球口へと入球可能な期間にスライド部材670が開放される開放パターンと、確変口900aの位置に入球不可能な状態(下流側の入球口へと入球可能な状態)の期間にのみスライド部材670が開放される開放パターンと、を設ける構成としてもよい。即ち、時短状態(および確変状態)として、有利な入球口で抽選を実行させることができる時短状態と、比較的不利な入球口で抽選を実行させることができる時短状態とを設ける構成としてもよい。
このように構成することで、振分入賞装置650の内部へと入球した球が入球する入球口に注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第1実施形態の第1変形例についても、第1実施形態と同様の演出や制御が実行されるが、その詳細な説明は上述したものと同一であるので、その説明を省略する。
<第1実施形態の第2変形例>
次に、図38(a)を参照して、第1実施形態の第2変形例を説明する。本第1実施形態の第2変形例では、図38(a)に示すように、振分入賞装置650の構成が変更されている点で、第1実施形態における振分入賞装置650の構成(図3(a)参照)と相違する。第1実施形態の第2変形例における振分入賞装置650は、第1実施形態に対して、第2特定入球口650aに入球した遊技球をスライド部材670の下方で保持するための突出部材700が設けられている点で相違する。この突出部700はラウンド中には前方に突出するようにソレノイド(図示せず)が作動して、第2特定入球口650aに入球した遊技球が下方に流下できないように保持した状態となる。その後、ラウンドの終了時にスライド部材670が前方にスライドされるのと同時に、突出部材700も背面側に可変して、保持していた遊技球を下流へと流下させる。なお、突出部700の上部には、遊技球を検知可能な検出センサ(図示せず)が設けられており、そのセンサにより検出されることにより、賞球の払出が実行され、ラウンドの終了が実行される。また、突出部700により遊技球が保持されると、第2特定入球口650aが開放状態であっても、その保持された遊技球により第2特定入球口650aに入球することが阻止され、前面カバー体652の上部を流下して、振分入賞装置650の下方へと流下される。
また、振分入球口650aから直下方向の流路には、振分入球口650aへ入球した遊技球を検出するように磁気センサ659が設けられている。この磁気センサは、上述した実施形態と同様に振分入賞装置650に入球した遊技球の数を検出するために用いられる。
ここで、本第2変形例では、第1実施形態と同様に、回転振分部材800は5秒毎に切り替えて回動される。また、確変回転体900と継続回転体901とも同様に回動される。また、1ラウンドから8ラウンドまでのインターバル期間は8秒に設定されている。突出部に保持されていた遊技球が確変スイッチまたは継続スイッチに検知されるまでに要する最大時間は7秒で構成されている。なお、本変形例では、入賞検知期間記憶エリア203jには、ラウンド終了時7秒までの期間が設定されるように構成されている。具体的には、ラウンド開始時にラウンド最大期間の15秒が設定され、第2特定入球口650aに遊技球が1球入球(変形例では、1ラウンドの最大入賞数は1球)すると、7秒の期間が入賞検知期間記憶エリア203jに設定される。
このように構成することで、ラウンド遊技中に第2特定入球口650aに入球した遊技球が確変スイッチ(図示せず)または継続スイッチ(図示せず)に検出された場合にそれを有効として判断できる。よって、遊技者が確変口900aまたは継続口901aに入賞するかを楽しむことができる。
また、ラウンドの終了するタイミングにより、右側流路655または左側流路654に案内されるかが、回転振分部材800の回動位置により変わり確変または継続(16ラウンド)への期待を変えることができる。
なお、本実施形態では、ラウンド終了タイミングで突出部700を背面側へ可変させたが、それに限らず、ラウンド終了から0.5秒後のタイミングや、抽選により複数の時間か選択して、その時間後に可変させるように構成してもよい。このように構成することで、突出部700により保持が解除されるタイミングと回転振分部材800の回動位置、確変回転体900の回動位置、継続回転体901の回動位置により遊技者に異なる興趣を与えることができる。
また、本第2変形例では、1ラウンドで、第2特定入球口650aへの入球数は1球としたが、それに限らず、1ラウンドに3秒間、第2特定入球口650aを開放させて遊技球を1球入球させ、8秒間閉鎖させて遊技球を流下させて抽選させて、再び、3秒間開放させ遊技球を入球させて、閉鎖するように構成してもよい。このように構成することで、1ラウンドで複数の遊技球を入球させて、複数回抽選させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
<第1実施形態の第3変形例>
次に、図38(b)を参照して、第1実施形態の第3変形例について説明する。図38(b)は、この第1実施形態の第3変形例の振分入賞装置650の構成を示した正面図である。本第1実施形態の第3変形例では、第2実施形態に対して、第2特定入球口650aに遊技球が入球すると、その遊技球を確変回転体900へと流下させるのを阻止する突出部700が設けられている点で相違する。この突出部は、1ラウンドから8ラウンドのラウンド中には前面側に突出するようにソレノイド(図示せず)により可変される。第2特定入球口650aに遊技球が入球すると、図示しない検出センサにより検出される。本変形例では、1ラウンドから8ラウンドまでは、1ラウンドにおける第2特定入球口650aの最大開放期間は、3秒に設定されており、3球の遊技球が入球したタイミングでスライド部材670が閉鎖位置に可変される。ここで、突出部700に遊技球が保持された状態では、最大で4球まで第2特定入球口650aに入球できる大きさで構成されている。よって、第2特定入球口650aに3球が入球したタイミングでスライド部材670が閉鎖されるまでにさらに遊技球が入球すると最大4球まで第2特定入球口650aに1ラウンドで入球可能に構成されている。
また、振分入球口650aから直下方向の流路には、振分入球口650aへ入球した遊技球を検出するように磁気センサ659が設けられている。この磁気センサは、上述した実施形態と同様に振分入賞装置650に入球した遊技球の数を検出するために用いられる。
1ラウンドの終了後、1秒後に突出部材700が背面側に可変されて、遊技球が確変回転体900へと流下するように構成されている。ここで、第2特定入球口650aに遊技球が4球入球していると、確変口900aへと必ず入球することとなり、遊技者に必ず確変が付与されることが決定される。また、その後、継続回転体901へは、3球の遊技球が誘導されることとなり、3/4の確率で継続口901aに入球させることができる。なお、本変形例では、1ラウンドから8ラウンドまでのインターバル期間も突出部700に保持されていた遊技球が継続スイッチ(図示せず)に検知されるまでの最大期間(本実施形態では、10秒)が入賞検知期間として、入賞検知期間記憶エリア203jに設定されるように構成されている。
なお、第2特定入球口650aに入球した遊技球の数を示すコマンドが音声ランプ制御装置113に通知されて、そのコマンドに基づいた演出が実行される。具体的には、4球目が入球したタイミングで確変が付与されることが確定したことを示す表示態様が第3図柄表示装置81に表示される演出が実行される。
<第2実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図39から図58を参照し、第2実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図39はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
図39に示すように、本第2実施形態における遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、左第1入賞口64a、右第1入賞口64b、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、左第1入賞口64a、右第1入賞口64b、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図10参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図10参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、左第1入賞口64aへ入賞したか、右第1入賞口64bへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、左第1入賞口64aへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、右第1入賞口64bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「大当たりB(16R確変抽選有大当たり)」、「大当たりC(16R確変無大当たり)」が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「大当たりB」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりであり、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3に遊技球が通過可能に制御され、大当たり遊技後に確変遊技状態が付与されるように設定されている大当たりである。一方、「大当たりC」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりであり、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが困難に設定された大当たり遊技である。よって、大当たりCでは、主に大当たり遊技後に、時短遊技状態が付与される大当たりとなる。
また、「確変遊技状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに付随する電動役物645a,645bが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物645a,645bが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物645a,645bが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bに付随する電動役物645a,645bの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物645a,645bが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに付随する電動役物645a,645bが開放される時間および1回の当たりで電動役物645a,645bが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに付随する電動役物645a,645bが開放される時間や、1回の当たりで電動役物645a,645bを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図10参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図10参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに付随された電動役物645a,645bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bの電動役物645a,645bが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物645a,645bの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物645a,645bの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、振り分け入賞口64が配置されている。ここで、図40〜4を参照して、この振り分け入賞口64の詳細について説明する。図40(a)〜(b)は、この振り分け入賞口64の前面カバー体64cを外した状態の正面図であり、図41(a)は、振り分け入賞口64の上部で左右方向に遊技盤13を切断して上方から見た断面図である。図41(b)は、図41(a)におけるIVb断面の断面図である。
振り分け入賞口64は、遊技盤13にルータにより加工された開口部に挿入されて、ねじで遊技盤13と前面側より固定されている。図41(a)に示すように、振り分け入賞口64の前面側に着脱可能に構成された前面カバー体が配置されている。この前面カバー体64cには、係止片64d,64eが左右に設けられており、その係止片64d,64eの先端には外側に突出した爪部が形成されている。振り分け入賞口64の前面側よりこの前面カバー体64cを勘合させることで、係止片64d,64eの爪部と、振り分け入賞口64のベース体641の係合壁64g,64hとが係合することで前面カバー体64cが振り分け入賞口64に固定された状態となる。また、前面カバー体64cを前方に引っ張ると、係止片64d,64eの爪部と係合壁64g,64hとの係合が解除されて、前面カバー体64cを振り分け入賞口64から外すことができる。
この前面カバー体64cは、透視可能な樹脂で構成されており、前面に渦巻き状の模様が形成されている。この模様により、前面カバー体64cを通して振り分け入賞口64の内部が歪んで見えるようになり、視認が困難な状態にすることができる。
図40(a)に示すように、振り分け入賞口64を遊技盤13に固定するためのベース体641は、上部に遊技球が1球入球可能な開口部64iが形成されており、その開口部64iより入球した遊技球が流下することが可能な入球口が左側に左第1入賞口64a、右側に右第1入賞口64bがそれぞれ内側の壁部を連結して連結部64jが形成されている。連結部64jは、上方に突起した凸形状で形成されており、遊技球が他方の入球口へ移動することを規制するように構成されている。
左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとは、それぞれ、開口部64iより入球した遊技球を受けて遊技盤13の背面側へと流下させる傾斜面を有して構成されている。遊技盤13の背面側には、図41(a)に示すように、左流下樋部材64tと右流下樋部材64uとがそれぞれ配置されている。図41(b)に示すように、左流下樋64tは、左第1入賞口64aに入球した遊技球が遊技盤13の背面側で遊技盤13の下方に流下するように配置されている。この左流下樋64tには、遊技球を検出可能な検出スイッチ64s1が設けられており、左第1入賞口64aに遊技球が入球したことが検知される。
また、図41(b)に示すように、右流下樋64uは、右第1入賞口64bに入球した遊技球が遊技盤13の背面側まで流下した場合に、遊技盤13の下方に流下するように配置されている。右流下樋64uには、遊技球を検出可能な検出スイッチ64s2が設けられており、右第1入賞口64bに遊技球が入球したことが検知される。
図40(a)〜(b)を参照して、振り分け入賞装置64の振り分け調整について説明する。図40(a)は、左第1入賞口64aに遊技球が振り分けられ易く設定した状態を示した図であり、図40(b)は、右第1入賞口64bに遊技球が振り分けられ易く設定した状態を示した図である。
図40(a)〜(b)に示すように、振り分け入賞装置64cのベース体641に形成された開口部64iの上部には、遊技釘が左右に遊技球1球分通過可能な幅で配列されて、通過口645が形成されている。この通過口645は連結部64jの頂点を中心にして通路が形成されている。通過口645を形成している遊技釘のうち、ベース体641に最も近い調整釘t1,t2が遊技球を左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに振り分ける割合を調整する調整釘に設定されている。図40(a)に示すように、遊技釘t2を下方に傾斜させるように調整することで、右第1入賞口64bに開口w2の幅が狭くなり、左第1入賞口64aに遊技球が振り分けられ易く設定される。ここで、開口w2の幅を遊技球の直径(11mm)よりも狭く調整すれば、左第1入賞口64aにのみ遊技球が振り分けられるように構成できる。
また、図40(b)に示すように、遊技釘t1を下方に傾斜させて左第1入賞口64aの開口w1の幅を狭くすることで、右第1入賞口64bに振り分ける遊技球の割合を多く設定できる。また、開口w1の幅を遊技球の直径(11mm)よりも狭く調整することで、右第1入賞口64bにのみ遊技球を振り分けるように調整できる。
ここで、前面カバー体64cを振り分け入賞装置64に取り付けた状態では、図41(b)に示すように、調整釘t1,t2を前面カバー体64が前面側より覆う状態となり、遊技者には、釘の調整具合を識別することが困難に構成されている。よって、遊技者が振り分け入賞装置64の振り分け調整を判別することが困難にできる。また、前面カバー体64cの調整釘t1,t2と対峙する面は凹部形状に構成されており、干渉を防止するように構成されている。
通過口645には、電動役物645a,645bが配置されており、電動役物645a,645bがそれぞれ作動して、羽根が外側に開いた状態となると、通過口645へと遊技球を誘導し易く構成される。
このように、本実施形態では、遊技者は、振り分け入賞装置64の上部に形成された通過口645を入球口と認識して遊技球を入球させるように遊技を行うことができる。また、左第1入賞口64aに遊技球が入球すると、1個の賞球が遊技者に払い出される。また、右第1入賞口64bに遊技球が入球すると、3個の賞球が遊技者に払い出されるように設定されている(図46(b)参照)。よって、遊技店側は、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bに遊技球を振り分ける割合を変えることで、遊技者に払い出される賞球の数を可変して調整することができる。従って、調整釘t1,t2を調整することで、遊技店側は利益等を調整し易くできる。この場合には、通過口645への入球率を変えなくとも利益の調整をすることができ、より多く振り分け入賞口64に遊技球を入球させる設定で遊技者に遊技させることができる。
また、左第1入賞口64a、右第1入賞口64bに遊技球が入球することで、特別図柄の抽選が実行され、その抽選結果を示す第3図柄の変動表示が第3図柄表示装置81で実行される。よって、遊技者にとっては、特別図柄の抽選機会を維持した状態で遊技が可能となる。従って、遊技者の興趣を増大できる。
左第1入賞口64aへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、左第1入賞口64aの正面視右方には、球が入賞し得る右第1入賞口64bが配設されている。この右第1入賞口64bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
なお、本実施形態では、振り分け入賞装置64に設けられた調整釘t1,t2によって、左第1入賞口64a、および右第1入賞口64bのいずれかに球を振り分ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、調整釘t1,t2に代えて、ソレノイド等で可動する切換弁によって振り分けられる入賞口を切り替える構成としてもよい。即ち、左第1入賞口64a、又は右第1入賞口64bのうち一方を切換弁によって閉鎖し、他方の閉鎖されていない入賞口へと球が流下するように構成してもよい。また、この場合において、切換弁はホールによって閉鎖される入賞口を設定可能に構成してもよいし、ランダムに切り替えてもよいし、一定間隔で閉鎖される入賞口が切り替わるように構成してもよい。また、普通図柄の当たりとなる毎に、予め定められた動作パターンで切り替わるように構成してもよい。具体的には、例えば、通常時には払い出される賞球が少ない左第1入賞口64aが開放され(右第1入賞口64bが切換弁で閉鎖され)、普通図柄の当たりとなった場合に、所定期間(例えば、電動役物645a,645bが開放される以上の期間)、右第1入賞口64bが開放された(左第1入賞口64aが切換弁で閉鎖された)状態に設定される構成としてもよい。更に、普通図柄の当たりとなる毎に、切換弁が一定の動作を実行する構成としてもよい。例えば、当たりとなってから一定期間(例えば、1.5秒間)は左第1入賞口64bが開放された状態に設定され、1.5秒後〜4.5秒後は右第1入賞口64bが開放された状態に設定され、4.5秒後以降は再度左第1入賞口64aが開放された状態に設定されるように構成してもよい。そして、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物645a,645bの開放パターン(時短状態の種別)にバリエーションを設ける構成としてもよい。即ち、左第1入賞口64aが開放されている期間に電動役物645a,645bが開放されるパターンの時短状態(時短状態1)と、右第1入賞口64bが開放されている期間に電動役物645a,645bが開放されるパターンの時短状態(時短状態2)とを設ける構成としてもよい。
また、左第1入賞口64a、および右第1入賞口64bを設けるのに代えて、互いに異なる抽選が実行される(例えば、大当たりとなった場合に異なる大当たり種別が決定される)入賞口を設ける構成としてもよい。そして、入球可能な入賞口を切り替え可能に構成してもよい。具体的には、例えば、賞球が少ない大当たりが決定され易い入賞口と、賞球が多い大当たりが決定され易い入賞口とを設ける構成としてもよい。抽選が実行される場合の有利度合いが異なる入賞口を設ける構成とすることによって、有利な入賞口へと球が入賞することを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、振り分け入賞装置64に設けるのは入賞口に限られない。例えば、各入賞口は遊技盤上の異なる部分に設けておき、その各入賞口を球が入球可能な状態とするか、入球不可能な状態にするかを切り替えるための複数の作動口(所謂、非電動役物)を設ける構成としてもよい。そして、いずれの作動口へと球を入球させるか(いずれの入賞口を入球可能な状態に切り替えるか)を、釘や切換弁等によって切り替える構成としてもよい。
遊技盤13の左下方には、第1可変入賞装置65が配設されており、左第1入賞口64a又は右第1入賞口64bへの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37B、第3図柄表示装置81において所定の動的表示が実行されて、大当たりの発生が示される。その後、第1可変入賞装置65に球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1可変入賞装置65が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1可変入賞装置65は、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第1可変入賞装置65が所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
具体的に、図42〜図44を参照して、第2実施形態における第1可変入賞装置65の詳細について説明する。図42は、この第1可変入賞装置65の分解斜視図である。第1可変入賞装置65は、図42に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、第1可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図43(a)は、第1可変入賞装置65のLa断面(図43(b)参照)における断面図である。図43(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図43(b)は、第1可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図43(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図43(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図43(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図43(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、第2入賞口65側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図43(a)は、図43(b)に示すLa−La断面図である。図43(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図44(a)〜(b)を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図44(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図44(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図44(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1可変入賞口65に入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりBに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりCに当選した場合には、13ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりBでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりCでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図44(b)を参照して、通常排出流路65e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図44(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。
よって、13ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で13ラウンド目に入賞して、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図45〜図47を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110内に設けられるROM202とRAM203の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113内に設けられるRAM223の内容を一部変更した点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図45(a)を参照して、本第2実施形態におけるROM202の内容について説明する。図45(a)は、本第2実施形態におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。
本実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を変更した点と、賞球テーブル202eの内容を追加した点とで相違し、その他の点で同一である。
ここで、図46(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明する。第1当たり種別選択テーブル202b(図46(a)参照)は、大当たりBと大当たりCとがそれぞれ選択可能となるように設定されている。具体的には、大当たりBの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜29」が、大当たりCの判定値として「30〜99」が設定されている。
ここで、上述したように、「大当たりB」は、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されている(即ち、確変状態となるか否かの抽選を実行する)が、「大当たりC」では、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている(即ち、確変状態となるか否かの抽選を実行しない)ため、「大当たりC」よりも「大当たりB」の方が、遊技者にとって有利な大当たりとなる。
次に、図46(b)を参照して、賞球テーブル202eの内容について説明する。賞球テーブル202e(図46(b)参照)は、上述した各入賞口(一般入賞口63、左第1入賞口64a、右第1入賞口64b、特定入賞口65a)に遊技球が入球した場合に、払い出される遊技球の数を規定しているテーブルである。この賞球テーブル202eは、スイッチ読込処理(図48のS101参照)により検出された入賞検知情報に基づいて、払い出される遊技球の数である賞球数を算出するために参照される。ここで算出された賞球数に基づいて賞球コマンドが生成され、払出制御装置111のMPU211に対して送信される。払出制御装置111のMPU211がこの賞球コマンドを受信すると、受信したコマンドに応じた賞球数を払い出すように払出モータ216が制御される。
具体的には、左第1入賞口64aへ遊技球が入球した場合の払出球数として1球が規定され、右第1入賞口64bへ遊技球が入球した場合の払出球数として3球が規定され、特定入賞口640へ遊技球が入球した場合の払出球数として10球が規定され、普通入賞口63へ遊技球が入球した場合の払出球数として5球が規定されている。このように、本実施形態では、左第1入賞口64aよりも右第1入賞口64bへ遊技球が入球した場合に払い出される払出球数が多くなるように設定されている。これにより、通過口645を通過した遊技球が、右第1入賞口64bへ多く入賞すると遊技者にとって有利となり、一方そうでない場合は遊技者にとって不利となる。
ここで、本パチンコ機10には、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bのそれぞれへ入球する比率を調整可能な調整釘t1,t2が設けられている。これにより、通過口645を通過した遊技球が、右第1入賞口64bへ多く入賞するか否かを調整することができ、遊技者にとって有利であるか否かを調整することができる。
図45に戻り、説明を続ける。図45(b)は、本第2実施形態におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図45(b)に示すように、本実施形態におけるRAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、普通図柄保留球数カウンタ203f、カウンタ用バッファ203h、大当たりフラグ203i、確変フラグ203r、確変設定フラグ203s、確変通過カウンタ203t1、入賞個数カウンタ203t2、動作カウンタ203t3、残球タイマフラグ203t4、残球タイマ203t5、確変有効フラグ203t6、確変有効タイマ203t7、排出個数カウンタ203t8、時短中カウンタ203u、オープニングフラグ203v、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bに入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通始動口67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS504参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図17のS204参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図17のS205、図20のS505参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置(図示せず)で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図23のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS705参照)。
球が普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図23のS805)。一方、球が普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図23のS803:No)。
カウンタ用バッファ203hは、上述した第1実施形態と同様ように、各カウンタ値を保持する為に用いられるバッファエリアである。
大当たりフラグ203iは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203iは、特別図柄変動処理(図17参照)にて大当たりとなった場合に実行される、大当たり設定処理(S233)においてオンに設定され(図51のS2503)、大当たりの終了時に実行されるエンディング処理(図55)においてオフに設定される(図55のS2702)。
確変フラグ203rは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203rがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203sがオンに設定されている場合に確変フラグ203rがオンに設定される(図55のS2704参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203sは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図44(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203sがオンに設定される(図56のS2812)。一方、確変フラグ203rがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203sは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203sがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203sを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203t1が0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203sのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203t1は、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりBでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203t1と後述する排出個数カウンタ203t8との合計により第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203t1は、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図56のS2811)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図57のS2911)。なお、この確変通過カウンタ203t1は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203t2は、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図42参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図56のS2803)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203t2の値)と排出された個数(排出個数カウンタ203t8と確変通過カウンタ203t1との合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203t2の値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203t3は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりBでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりCでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203t3には、大当たりBでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりCでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図54のS2602)。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図56、S1341)のS2809の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203t3の値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203t3は、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203t3を設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
残球タイマフラグ203t4は、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203t4がオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203t4がオンに設定されることで、後述する残球タイマ203t5が1ずつ加算されて更新される(図57のS2905参照)。残球タイマ203t5は、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203t5は、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203t5の上限値として設定されている。この残球タイマ203t5の上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図57のS2907)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、13ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203sをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203t6は、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203t6がオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図44(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203t7は、上述した確変有効フラグ203t6がオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203t7により流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203t7の上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203t8は、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図44(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203t8は、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図57のS2911)。
時短中カウンタ203uは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203uは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
オープニングフラグ203vは、大当たりの発生有無を示すフラグである。このオープニングフラグ203vは、特別図柄変動処理(図17参照)にて大当たりとなった場合に実行される、大当たり設定処理(図51)においてオンに設定され(図51のS2504)、大当たり制御処理2(図53)においてオープニングコマンドを設定する際に、オフに設定される(図53のS1332)。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
次に、図47(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図47(b)に示すように、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223は、第1実施形態におけるRAM223に対し、特別図柄2保留球数カウンタ223cが削除された点と、演出カウンタ223fが追加された点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出カウンタ223eは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理2(図52参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図48から図57のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理は、上述した第1実施形態に対して、タイマ割込処理(図12参照)において特別図柄変動処理(S104)に代えて特別図柄変動処理2(図49参照)を実行するようにした点と、メイン処理(図22参照)においてゲート制御処理(S1104)を実行しないようにし、大当たり制御処理(S1105)に代えて大当たり制御処理2(図53参照)を実行するようにした点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その説明と図示とを省略する。
図48は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2を示すフローチャートである。タイマ割込処理2は、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理2では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、左第1入賞口64aへの入球や右第1入賞口64bへの入球の情報が保存される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理2を実行する(S104)。その後、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、始動入賞処理(S105)では、第1実施形態に対し、特別図柄2に関する処理を実行しないようにしたのみであるので、その詳細な説明と図示とを省略する。
S105の処理を終えると、第1実施形態と同様にS106〜S109の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理2(S104)について説明する。図49は、この特別図柄変動処理2(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図48参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S231)。次に、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。S212の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理2を実行する(S213)。なお、特別図柄1変動開始処理(S213)の詳細については、図50を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図50を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S217)によって予め行われる。この特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1特別図柄の停止図柄が設定される。より具体的には、第1特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりBとなるか、大当たりCとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりBになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりCになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たり設定処理を実行し(S233)、S222の処理へ移行する。なお、大当たり設定処理(S233)の詳細については、図51を参照して後述する。
一方、S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、時短中カウンタ203uの値が0より大きいか否かを判別し(S234)、時短中カウンタ203uの値が0より大きいと判別した場合は(S234:Yes)、時短中カウンタ203uの値を1減算して(S234)、S235へと処理を移行する。一方、時短中カウンタ203uの値が0であると判別した場合は(S234:No)、S235の処理をスキップして、S222の処理へ移行する。
S233、S234またはS235の処理後に実行されるS222の処理では、S216の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S222)。S222の処理を終えると、本処理を終了する。
次に、図50を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理2(S213)について説明する。図50は、特別図柄1変動開始処理2(S213)を示したフローチャートである。本第2実施形態における特別図柄1変動開始処理2(S213)では、第1実施形態のS302の処理に代えてS331の処理を実行するようにした点で相違し、その他の点は同一である。
具体的に、第1実施形態におけるS302の処理では、確変カウンタ203gが0より大きいか否かを判定することで、確変中であるか否かを判定していた。これに対し、本実施形態におけるS331の処理では、確変フラグ203rがオンであるか否かを判定することにより、確変中であるか否かを判別する。
S331の処理において、確変フラグ203rがオンであると判別された場合(即ち、確変中であると判別された場合)は(S331:Yes)、S303の処理を実行し、S305〜S311の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S331の処理において、確変フラグ203rがオフであると判別された場合(即ち、確変中でないと判別された場合)は(S331:No)、S304の処理を実行し、S305〜S311の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図51を参照して、大当たり設定処理について説明する。図51は、この大当たり設定処理(S233)を示すフローチャートである。この大当たり設定処理(S233)は、特別図柄変動処理2(図49参照)の中で実行され、大当たり遊技を開始するための設定を行う処理である。
大当たり設定処理では、まず、第1当たり種別選択テーブル202bに基づいて、大当たり種別を判別し(S2501)、その判別した大当たり種別に基づいて、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作の開放シナリオを設定する(S2502)。より具体的には、大当たり種別Aの場合は、大当たり遊技の13ラウンド目において、確変スイッチ65e3に遊技球が通過するように、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放が設定される。一方、大当たりCの場合は流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kが開放されない(確変スイッチ65e3に遊技球が通過しない)ように設定される。
次いで、大当たりフラグ203iをオンに設定し(S2503)、オープニングフラグ203vをオンに設定し(S2504)、本処理を終了する。
次に、図52を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理2について説明する。図52は、このメイン処理2を示すフローチャートである。このメイン処理2では遊技の主要な処理が実行される。
メイン処理2においては、まず、タイマ割込処理(図48参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図48参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、賞球テーブル202eに基づいて、払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、第1実施形態と同様に保留球数コマンド、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、大当たり制御処理2(図53参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新し(S1102)、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理2を実行する(S1105)。大当たり制御処理2(S1105)の詳細については、図53〜図57を参照して後述する。
S1105の処理を終えると、通過口645に付随する電動役物645a,645bの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1106)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
S1106の処理を終えると、第1実施形態と同様に、S1107〜S1116の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図53〜図57のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理2(S1105)について説明する。図27は、この大当たり制御処理2(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1104)は、メイン割込処理(図52参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理2では、まず、オープニングフラグ203vがオンであるか否かを判定する(S1331)。S1331の処理において、オープニングフラグ203vがオンであると判定された場合には(S1331:Yes)、オープニングフラグ203vをオフし(S1332)、オープニングコマンドを設定して(S1333)、本処理を終了する。
一方、S1331の処理において、オープニングフラグ203vがオンでない場合には(S1331:No)、大当たりフラグ203iがオンであるか否かを判定する(S1301)。大当たりフラグ203iがオンとなるのは、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオンでなければ(S1301:No)、特別図柄の大当たり中でないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオンであると判別された場合(S1301:Yes)は、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1334)。S1334の処理で、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1334)、新たなラウンドを開始するための設定を行う処理である、大当たり動作設定処理(S1335)を実行し、本処理を終了する。
ここで、大当たり動作設定処理(図54、S1335)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(S2601)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をS2601で読み込んだデータに基づいて設定する(S2602)。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS2601の処理で読み込んだデータにより設定する(S2603)。その後、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図53に戻って説明を続ける。S1334の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1334:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1336)。動作タイミングであると判別した場合には(S1336:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1337)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(S1338)。その後、この処理を終了する。
一方、S1336の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1336:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1339)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1339:Yes)、エンディング処理を実行する(S1340)。その後、この処理を終了する。
ここで、図55を参照して、このエンディング処理(S1340)の詳細について説明する。図55は、このエンディング処理(図55、S1340)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図55、S1340)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(S2701)。次いで、大当たりフラグをオフに設定し(S2702)、確変設定フラグ203sはオンであるか判別する(S2703)。S2703の処理において確変設定フラグ203sがオンであると判別されると(S2703:Yes)、確変フラグ203rをオンに設定する(S2704)。図示は省略したが、確変フラグ203rがオンに設定されるのに基づいて、確変設定フラグ203sはオフに設定されるように構成されている。その後、この処理を終了する。
一方、S2703の処理において、確変設定フラグ203sがオンでないと判別されると(S2703:No)、時短中カウンタを100に設定し、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203sがオンであるか判別されて、オンであれば、確変フラグ203rがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過しているかを判別して確変を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65e3に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、確変遊技状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも確変スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、確変遊技状態とならなかった場合に、時短遊技状態を100回付与するようにしたが、これに限られず、50回や150回付与するようにしてもよいし、確変遊技状態と共に時短遊技状態を100回付与するようにしてもよい。
図53に戻って説明を続ける。S1339の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1339:No)、入賞処理を実行する(S1341)。ここで、図56を参照して、この入賞処理(S1341)について詳細に説明する。図56は、この入賞処理(S1341)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図56、S1341)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S2801)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S2801:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S2801:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S2802:Yes)、入賞個数カウンタ203t2を1加算して更新する(S2803)。その後、S2804の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S2802:No)、S2804の処理を実行する。
S2804の処理では、入賞個数カウンタ203t2の値が10以上であるか判別する(S2804)。入賞個数カウンタ203t2の値が10以上であると判別した場合には(S2804:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S2806)。その後、残球タイマフラグ203t4をオンに設定する(S2807)。その後、S2808の処理を実行する。この残球タイマフラグ203t4がオンに設定されることで、開閉扉65f1が閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S2804の処理において、入賞個数カウンタ203t2の値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S2805)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S2805:Yes)、S2806の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S2805:No)、S2808の処理を実行する。
S2808の処理では、動作カウンタ203t3の値が0より大きい値であるか判別する(S2808)。動作カウンタ203t3の値が0より大きい値であると判別した場合には(S2808:Yes)、動作カウンタ203t3の値を−1して更新する(S2809)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S2810)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S2810:Yes)、確変通過カウンタ203t1の値に1加算して更新する(S2811)。確変設定フラグ203sをオンに設定する(S2812)。その後、S2813の処理を実行する。一方、S2810の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S2810:No)、S2813の処理を実行する。S2813の処理では、動作カウンタ203t3が0であるか判別する(S2813)。動作カウンタ203t3が0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S2814)。確変有効フラグ203t6をオンに設定する(S2815)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203t6がオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、S2808の処理において、動作カウンタ203t3が0であると判別した場合には(S2808:No)、確変有効フラグ203t6がオンであるか判別する(S2816)。確変有効フラグ203t6がオフである場合には(S2816:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203t6がオンであると判別した場合には(S2816:Yes)、確変有効タイマ203t7に1加算して更新する(S2817)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S2818)。確変有効タイマ203t7が上限値であると判別した場合には(S2818:Yes)、確変有効フラグ203t6をオフに設定し(S2819)、確変有効タイマ203t7を初期値である0にリセットする(S2820)。その後、この処理を終了する。一方、S2818の処理において、確変有効タイマ203t7が上限値でないと判別した場合には(S2818:No)、S2810の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203t7が上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
図53に戻って説明を続ける。入賞処理(図56、S1341)が実行されると、異常処理を実行する(S1342)。その後、この処理を終了する。ここで、この異常処理(S1342)について、図57を参照して、詳細を説明する。図57は、この異常処理(S1342)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1342)では、不正に確変スイッチ65e3へ遊技球が通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理(図57、S1342)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S2901)。ラウンド有効期間外である場合には(S2901:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S2901:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S2902)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S2902:Yes)、球排個数カウンタ203pの値を1加算して更新する(S2903)。その後、S2904の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S2902:No)、S2904の処理を実行する。
S2904の処理では、残球タイマフラグ203t4がオンであるか判別する(S2904)。残球タイマフラグ203t4がオフであると判別した場合には(S2904:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203t4がオンであると判別した場合には(S2904:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203t5を1加算して更新する(S2905)。残球タイマ203t5は上限値(本実施形態では、3秒)が経過したか判別する(S2906)。上限値でないと判別した場合には(S2906:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S2906:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203t1と排出個数カウンタ203t8との合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203t2の値)とが一致するか判別する(S2907)。
一致すると判別した場合には(S2907:Yes)、S2909の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S2907:No)、エラーコマンドを設定する(S2908)。その後、S2909の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S2909の処理では、残球タイマフラグ203t4をオフに設定し(S2909)、残球タイマ203t5を初期値である0にリセットする(S2910)。その後、入賞個数カウンタ203t2、排出個数カウンタ203t8、確変通過カウンタ203t1が初期値にそれぞれリセットされ(S2911)、その後、この処理を終了する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理では、上述した第1実施形態に対し、コマンド判定処理(図29参照)に代えてコマンド判定処理2(S1611)を実行するように変更した点で相違し、その他の点は同一である。
図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S1611)について説明する。図58は、このコマンド判定処理2(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理2(図52参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理2では、第1実施形態と同様にS1701からS1708の処理を実行する。そして、S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S1731)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S1731:Yes)、受信したコマンドから特別図柄における大当たり判定結果を入賞情報として抽出し入賞情報格納エリア223aの最初のエリアに格納し(S1732)、メイン処理2に戻る。尚、S1732の処理では、特別図柄1保留球カウンタ223bの値を参照し、その値が0であれば、第1特別図柄用の保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S1731の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1731:No)、次いで、主制御装置110より大当たりに関するコマンドを受信したか否かを判別する(S1711)。ここで、大当たりに関するコマンドとは、例えば、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドなどが挙げられる。
S1711の処理において、大当たりに関するコマンドを受信した場合には、そのコマンドに対応した処理を実行し(S1712)、メイン処理2へ戻る。具体的には、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドである場合には、表示用オープニングコマンドを設定する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理2(図52参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たり演出を開始する。
一方、S1711の処理において、大当たりに関するコマンドを受信していないと判別した場合には(S1711:No)、エラーコマンドを受信したか否かを判別する(S1733)。S1733の処理において、エラーコマンドを受信したと判別された場合は、そのコマンドに対応したエラー処理を実行し(S1734)、メイン処理2に戻る。
S1734の処理は、具体的には、受信したエラーコマンドからエラー種別を抽出して、そのエラー種別に基づいて表示用エラーコマンドを設定する。これにより、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知することができる。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
よって、主制御装置において入賞個数不一致のエラーが発生した場合において、そのエラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信し、表示制御装置114へ通知することで、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。これにより、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正などを抑制できる。
S1734の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別した場合には(S1734:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1719)、メイン処理2に戻る。S1719の処理は、例えば、その他のコマンドが音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであれば、そのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
以上、説明したように、従来のパチンコ機では、特別図柄の抽選が行われる入球口の入賞率を遊技店側が調整することで、利益を調整するようにされていた。このような構成では、特別図柄の抽選機会が減ってしまい、特別図柄の変動がされていない期間等が発生してしまう等の不具合があり、遊技者の遊技への意欲を減衰させるという問題があった。一方、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、通過口645を通過した遊技球が、左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bのいずれかに入球することで、大当たりの抽選が行われる。この左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとは、遊技球が入球した場合に払い出される払出球数が異なるように、賞球テーブル202e(図46(b)参照)が設定されている。具体的には、左第1入賞口64aへ遊技球が入球した場合の払出球数が1球であるのに対し、右第1入賞口64bへ遊技球が入球した場合の払出球数は3球となっている。よって、通過口645を通過した遊技球が、右第1入賞口64bへ多く入賞すると遊技者にとって有利となり、一方そうでない場合は遊技者にとって不利となる。
ここで、本パチンコ機10には、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bのそれぞれへ入球する比率を調整可能な調整釘t1,t2が設けられている。これにより、通過口645を通過した遊技球が、右第1入賞口64bへ多く入賞するか否かを調整することができ、遊技者にとって有利であるか否かを調整することができる。また、調整釘t1,t2により遊技者に払い出される賞球数(通過口645を通過した遊技球に対する賞球数)を可変することができるので、通過口645を通過する入球率を調整する必要が無く、振り分け入賞装置64に遊技球を入賞し易く構成できる。よって、遊技店にとっては、振り分け入賞装置64に多く入賞する遊技球に設定しても、払い出される賞球の数を抑えることで利益を確保することができる。また、遊技者は、特別図柄の抽選される機会が多くなり、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、左第1入賞口64aおよび右第1入賞口64bの前面には前面カバー体64cが設けられているが、この前面カバー体を不透明な部材で構成したり、前面部に模様を付したりすることで、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aまたは右第1入賞口64bのいずれに入球したかを、遊技者が視認することを困難にするようにしても良い。これにより、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aへ多く入賞した場合などに、遊技者がそれを視認し、左第1入賞口64aへ多く入賞する(即ち、遊技者にとって不利となる)ように調整されていると感じることにより、不満等を感じることを低減することができる。
さらに、前面カバー体を不透明な部材で構成したり、前面部に模様を付したりすることで、調整釘t1、t2の位置を、遊技者が視認困難にするように構成してもよい。これにより、遊技者が調整釘t1、t2の位置を視認し、左第1入賞口64aへ多く入賞する(即ち、遊技者にとって不利となる)ように調整されていると感じることにより、不満等を感じることを低減することができる。
また、通過口645を通過した遊技球が、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに振り分けられた比率を算出し、表示するように構成してもよい。具体的には、通過口645を通過した遊技球をセンサなどにより検出し、その通過した遊技球が100球となるまで、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに入球する遊技球の数を記憶する。その後、通過した遊技球が100球となった場合に記憶している遊技球の数を表示し、その記憶情報をクリアする。ここで、上述した入球比率を示す表示は、例えば、遊技機の背面側にスイッチを設け、そのスイッチがオンである場合にのみ表示するようにしても良い。これにより、店舗において入球比率を調整する場合には、入球比率を表示して調整することで、入球比率の調整を容易に行えるようにしつつ、遊技者に対しては、スイッチをオフにすることで入球比率が表示されないようにし、調整した入球比率がわからないようにできる。
なお、通過口645を通過した遊技球の数は検出せずに、左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとに入球した遊技球の数のみを検出して、それらの合計が100球となる場合に上記処理を実行するようにしてもよい。これにより、通過口645のセンサを不要とできるために、遊技機のコストを低減することができる。また、上記入球比率の算出タイミングは100球毎に限られず、300球毎や50球毎でも良いし、所定時間毎に算出されるようにしても良い。
また、上述したように、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新されるので、「普通図柄の時短状態」の継続期間中に新たに特別図柄の大当たりになると、新たな大当たりになるまでに残っていた普通図柄の時短期間が無効となる。例えば、「特別図柄の大当たりB」になって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続されることになる。しかし、その後直ぐに、再度「特別図柄の大当たりB」になると、それまでの時短期間が無効になり、「普通図柄の通常状態」は、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続されることになる。
また、電動役物645a,645bは、通過口645へ遊技球を入球し易くなるように配置したがそれに限らず、左第1入賞口64aのみ、右第1入賞口64bのみに遊技球を誘導し易くするように構成してもよい。この場合には、ベース体64cの左第1入球口64aまたは右第1入賞口64bを形成する側壁を回動する羽根(電動役物)で構成して、回動することにより、遊技球を左第1入球口64aまたは右第1入球口64bに入球させ易くする構成としてもよい。このような構成とすることで、例えば、右第1入賞口64bに電動役物を付随させることで、時短中や確変中に遊技球を多く払い出すことができ、遊技者の持ち球の減少を抑制できる。よって、時短遊技状態や確変遊技状態へ移行することへの期待感を多くすることができる。
なお、本実施形態では、振り分け入賞装置64に設けられた調整釘t1,t2によって、左第1入賞口64a、および右第1入賞口64bのいずれかに球を振り分ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、調整釘t1,t2に代えて、ソレノイド等で可動する切換弁によって振り分けられる入賞口を切り替える構成としてもよい。即ち、左第1入賞口64a、又は右第1入賞口64bのうち一方を切換弁によって閉鎖し、他方の閉鎖されていない入賞口へと球が流下するように構成してもよい。また、この場合において、切換弁はホールによって閉鎖される入賞口を設定可能に構成してもよいし、ランダムに切り替えてもよいし、一定間隔で閉鎖される入賞口が切り替わるように構成してもよい。また、普通図柄の当たりとなる毎に、予め定められた動作パターンで切り替わるように構成してもよい。具体的には、例えば、通常時には払い出される賞球が少ない左第1入賞口64aが開放され(右第1入賞口64bが切換弁で閉鎖され)、普通図柄の当たりとなった場合に、所定期間(例えば、電動役物645a,645bが開放される以上の期間)、右第1入賞口64bが開放された(左第1入賞口64aが切換弁で閉鎖された)状態に設定される構成としてもよい。更に、普通図柄の当たりとなる毎に、切換弁が一定の動作を実行する構成としてもよい。例えば、当たりとなってから一定期間(例えば、1.5秒間)は左第1入賞口64bが開放された状態に設定され、1.5秒後〜4.5秒後は右第1入賞口64bが開放された状態に設定され、4.5秒後以降は再度左第1入賞口64aが開放された状態に設定されるように構成してもよい。そして、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物645a,645bの開放パターン(時短状態の種別)にバリエーションを設ける構成としてもよい。即ち、左第1入賞口64aが開放されている期間に電動役物645a,645bが開放されるパターンの時短状態(時短状態1)と、右第1入賞口64bが開放されている期間に電動役物645a,645bが開放されるパターンの時短状態(時短状態2)とを設ける構成としてもよい。
また、左第1入賞口64a、および右第1入賞口64bを設けるのに代えて、互いに異なる抽選が実行される(例えば、大当たりとなった場合に異なる大当たり種別が決定される)入賞口を設ける構成としてもよい。そして、入球可能な入賞口を切り替え可能に構成してもよい。具体的には、例えば、賞球が少ない大当たりが決定され易い入賞口と、賞球が多い大当たりが決定され易い入賞口とを設ける構成としてもよい。抽選が実行される場合の有利度合いが異なる入賞口を設ける構成とすることによって、有利な入賞口へと球が入賞することを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、振り分け入賞装置64に設けるのは入賞口に限られない。例えば、各入賞口は遊技盤上の異なる部分に設けておき、その各入賞口を球が入球可能な状態とするか、入球不可能な状態にするかを切り替えるための複数の作動口(所謂、非電動役物)を設ける構成としてもよい。そして、いずれの作動口へと球を入球させるか(いずれの入賞口を入球可能な状態に切り替えるか)を、釘や切換弁等によって切り替える構成としてもよい。
<第3実施形態>
次に、図59〜図79を参照して本パチンコ機10の第3実施形態について説明する。上述した第2実施形態におけるパチンコ機10では、通過口645と通過した遊技球は、入球に基づく払出球数が異なる左第1入賞口64aと右第1入賞口64bとのいずれかに入球する。この入球比率を調整釘t1,t2によって調整することで、遊技者にとって有利であるか否かを調整できる遊技機について説明した。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりとなった場合に期待される払出球数の異なる左第1入賞口64aと第2入賞口640とのいずれかに、通過口645を通過した遊技球が入球する遊技機について説明する。
ここで、左第1入賞口64aへ遊技球が入球したことに基づき、第1特別図柄の抽選が行われ、第2入賞口640へ遊技球が入球したことに基づき、第2特別図柄の抽選が行われる。この第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなった場合に選択される大当たり種別の比率が異なるように設定されている。第2特別図柄に基づく大当たりは、第1特別図柄に基づく大当たりに比べて遊技者にとって有利な大当たり種別が選択されやすく設定されている。
また、入賞に基づく払出球数も、第2実施形態と同様に、左第1入賞口64aよりも第2入賞口640が多くなるように構成されている。これにより、本第3実施形態では、第2実施形態に比べ、遊技者にとって有利となるか否かの調整をより強弱をつけて調整することができる。
また、本第3実施形態では、保留球数が所定値(本実施形態では4)より多いことを示す保留図柄は、遊技者に認識困難な態様で表示される。これにより、例えば、左第1入賞口64aと第2入賞口640とのいずれか一方に入球しないよう調整する場合において、保留球数の最大が8球であると遊技者が認識していると、保留球数が4球より増えないことで遊技者は不満を抱いてしまうが、保留球数の最大が4球であると遊技者が認識していれば、保留球数が4球より増えないとしても、そのような不満を抱かないようにできる。なお、上述した第1実施形態において、保留球数が所定値(本実施形態では4)より多いことを示す保留図柄が、遊技者に認識困難な態様で表示されるようにしても当然よい。
この第3実施形態では、第2実施形態に対して、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の表示が変更された点と、右第1入賞口64bに代えて、第2入賞口640を設けた点で相違する。また、主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203の内容が一部変更されている点と、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容が変更されている点とで相違する。その他の点については、第2実施形態と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図59はパチンコ機10の遊技盤13の正面図を示す図である。図59に示すように、遊技盤13には右第1入賞口64bに代えて、第2入賞口640が設けられている。この第2入賞口640は、第2実施形態における右第1入賞口64bと同一の構造であるが、第2入賞口640への入球に基づいて、第2特別図柄の抽選が行われる。この第2特別図柄の抽選による大当たりと、第1特別図柄の抽選による大当たりとでは、大当たり種別の選択比率が異なっており、遊技者に払い出される払出球数の期待値が異なっている。詳細については後述する。
次に、図60を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図60は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図60(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図60(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
本実施形態では、上述した第2実施形態における各表示領域に加え、画面右上に小領域Ds4を設けている。この小領域Ds4は、遊技者が保留個数を認識困難な識別情報を表示するものであり(図60(b)参照)、保留球数が所定値(本実施形態では4)となるまでは小領域Ds1のみに保留球数を示す保留図柄が表示され、それより保留球数が増える場合に、その所定値より増えた保留球の数を示す、遊技者が認識困難な保留図柄が表示される。具体的に、本実施形態では、保留球数が4球以下の場合は小領域Ds1に保留球数1球につき、1個の保留図柄が表示され、小領域Ds4には「−」が表示される。これにより、遊技者は保留図柄の数を数えることで、保留球数が何球であるのかを容易に認識することができる。
一方、保留球数が4個より増えた場合には、小領域Ds1には4個の保留図柄が表示されると共に、小領域Ds4に、その増加分の保留球数を示す、遊技者が認識困難な保留図柄が表示される。具体的には、増加分の保留球数が1球(即ち、保留球数が5球)の場合に「A」、増加分の保留球数が2球(即ち、保留球数が6球)の場合に「B」、増加分の保留球数が3球(即ち、保留球数が7球)の場合に「C」、増加分の保留球数が4球(即ち、保留球数が8球)の場合に「D」と表示する。これにより、小領域Ds1に表示される保留図柄のみが認識容易であるため、遊技者に対して保留球数の最大が4であると錯覚させることができる。これにより、例えば、左第1入賞口64aと第2入賞口640とのいずれか一方に入球しないよう調整する場合において、保留球数の最大が8球であると遊技者が認識していると、保留球数が4球より増えないことで遊技者は不満を抱いてしまうが、保留球数の最大が4球であると遊技者が認識していれば、保留球数が4球より増えないとしても、そのような不満を抱かないようにできる。
また、本実施形態では、小領域Ds4を他の表示領域(例えば、小領域Ds1)と比べ、小さい表示領域としている。これにより、小領域Ds4よりも大きい表示領域である小領域Ds1の保留図柄のみに基づいて、遊技者に保留球数を認識させやすくなる。これにより、例えば、左第1入賞口64aと第2入賞口640とのいずれか一方に入球しないよう調整する場合において、保留球数の最大が8球であると遊技者が認識していると、保留球数が4球より増えないことで遊技者は不満を抱いてしまうが、保留球数の最大が4球であると遊技者が認識していれば、保留球数が4球より増えないとしても、そのような不満を抱かないようにできる。
なお、小領域Ds4に表示する遊技者が認識困難な保留図柄はこれに限られず、その他の記号や図柄で表示するようにしても良い。
次に、図61から図64を参照して、小領域Ds4に表示される保留図柄の表示(変更)タイミングについて説明する。本パチンコ機10では、保留球数が所定値(本実施形態では4)より大きい場合に、変動演出が継続して実行されることを示唆する継続表示を示す停止図柄を表示するよう構成されている。これにより、遊技者が認識している保留球数と、実際の保留球数との差を、遊技者に違和感を持たせることなく解消することができる。
まず、図61と図62とを参照して、変動期間の停止種別が差し替え可能な期間において、保留球数が所定値より大きくなる場合について説明する。図61は、変動期間の停止種別が差し替え可能な期間において、保留球数が所定値より大きくなる場合における、第3図柄表示装置81に表示される表示内容と、その小領域Ds1に表示される保留図柄と、小領域Ds4に表示される保留図柄との関係を示したタイミングチャートである。
本実施形態において、保留球数が4球である場合は、小領域Ds1には保留図柄が4個表示され、小領域Ds4には「−」が表示される。この場合において、変動演出が実行されているとし、その変動演出の停止図柄の差替可能期間に新たに遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640へ入球した場合は、保留球数が5球となる。これにより、小領域Ds4の表示が「−」から「A」へと変更されると共に、停止表示される図柄が、変動演出の継続を示唆するものに変更される(図62(a)参照)。その結果、この変動演出が終了すると、変動演出が継続して実行されることを示唆する継続表示を示す停止図柄が表示される(図62(b)参照)。そして、変動演出が開始されると共に、小領域Ds4の表示が「A」から「−」へと変更され、実際の保留球数が4球となる(図62(c))。
これにより、継続表示の停止図柄を表示させることで、変動演出が継続して実行され、保留球を消化することなく次の変動演出が開始されることを、遊技者に認識させることができる。よって、遊技者が認識している保留球数が4球であるのに対し、実際の保留球数を5球となっている場合において、遊技者に違和感を抱かせることなく、実際の保留球数を5球から4球へと減らして、変動演出を開始することができる。
図62は、本第3実施形態における第3図柄表示装置81の表示画面を模式的に示した模式図である。上述したように、図62(a)は、変動演出の停止図柄の差替可能期間に新たに遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640へ入球した場合の表示画面の一例であり、図62(b)は、図62(a)の後に停止表示される、変動演出の継続を示唆する継続表示が表示された場合の表示画面の一例であり、図62(c)は、図62(b)の後に変動演出が実行された場合の表示画面の一例である。
次に、図63と図64とを参照して、変動期間の停止種別が差し替え不可能な期間において、保留球数が所定値より大きくなる場合について説明する。図63は、変動期間の停止種別が差し替え不可能な期間において、保留球数が所定値より大きくなる場合における、第3図柄表示装置81に表示される表示内容と、その小領域Ds1に表示される保留図柄と、小領域Ds4に表示される保留図柄との関係を示したタイミングチャートである。
本実施形態において、保留球数が4球である場合は、小領域Ds1には保留図柄が4個表示され、小領域Ds4には「−」が表示される。この場合において、変動演出が実行されているとし、その変動演出の停止図柄の差替不可能期間に新たに遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640へ入球した場合は、保留球数が5球となる。これにより、小領域Ds4の表示が「−」から「A」へと変更されると共に、次の変動演出において停止表示される図柄を、変動演出の継続を示唆する継続表示に変更するために、停止種別変更カウンタに1加算する。これにより、その変動演出の次の変動演出の停止種別が、主制御装置110から受信した場合に継続表示に変更され、上述した停止種別変更カウンタが1減算される。その結果、次に実行される変動演出において、変動演出が継続して実行されることを示唆する継続表示を示す停止図柄が表示される(図64(b)参照)。そして、その変動演出が開始されると共に、小領域Ds4の表示が「A」から「−」へと変更され、実際の保留球数が4球となる(図64(c))。
これにより、実行中の変動演出の停止図柄が差替不可能期間であっても、次に実行される変動演出の停止図柄を継続表示の停止図柄を表示させることで、変動演出が継続して実行され、保留球を消化することなく次の変動演出が開始されることを、遊技者に認識させることができる。よって、遊技者が認識している保留球数が4球であるのに対し、実際の保留球数を5球となっている場合において、遊技者に違和感を抱かせることなく、実際の保留球数を5球から4球へと減らして、変動演出を開始することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図65を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203とについて説明する。図65(a)は、ROM202の内容を模式的に示した模式図であり、図65(b)は、RAM203の内容を模式的に示した模式図である。
まず、ROM202について、本第3実施形態では、第2実施形態と比べ、第1当たり種別選択テーブル202bと賞球テーブル202eとの内容が異なる点で相違し、その他の点は同一である。第1当たり種別選択テーブル202bの内容の相違点については、図65(a)と図66とを参照し、賞球テーブル202eの内容の相違点については、図65(b)を参照して説明する。なお、第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとは、上述した第2実施形態と同一の内容であるため、その説明を省略する。
まず、図65(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図65(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり種別選択テーブル202bには、特図1用選択テーブル202b1と特図2用選択テーブル202b2とが設けられている。
特図1用選択テーブル202b1は、左第1入賞口64aへの入球に基づいて大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために用いられるテーブルであり、特図2用選択テーブル202b2は、第2入賞口640への入球に基づいて大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために用いられるテーブルである。この特図1用選択テーブル202b1と、特図2用選択テーブル202b2とは、大当たり種別が異なる比率で規定されており、第1特別図柄と第2特別図柄との大当たりにおいて、遊技者に対して払い出される払出球数の期待値が異なるように設定されている。
具体的に、図66を参照して、特図1用選択テーブル202b1と特図2用選択テーブル202b2との内容について説明する。
図66(a)、(b)に示すように、特図1用選択テーブル202b1と、特図2用選択テーブル202b2とは、大当たりBと大当たりCとがそれぞれ選択可能となっており、それぞれ選択される比率が異なるように設定されている。
具体的には、特図1用選択テーブル202b1では、大当たりBの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜29」が、大当たりCの判定値として「30〜99」が設定されている(図66(a)参照)。また、特図2用選択テーブル202b2では、大当たりBの判定値として、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜69」が、大当たりCの判定値として「70〜99」がそれぞれ設定されている(図66(b)参照)。
上述したように、「大当たりC」よりも「大当たりB」の方が、確変となるか否かの抽選が行われる大当たりであることから、遊技者にとって有利な大当たりとなっている。よって、特図1用選択テーブル202b1よりも特図2用選択テーブル202b2が遊技者にとって有利な選択テーブルとなっており、左第1入賞口64aよりも第2入賞口640への入球に基づく大当たりが、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすい。また、第2実施形態と同様に、左第1入賞口64aよりも第2入賞口640への入球に基づく払出球数が多くなるよう設定されている。その結果、第2実施形態に比べて、遊技者にとってより有利または不利となるよう調整することができる。
なお、本実施形態では第2入賞口640への入球に基づく大当たりが、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすいよう構成したが、これに限られず、左第1入賞口64aへの入球に基づく大当たりの方が、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすく構成しても良い。これにより、払出球数においては左第1入賞口64aよりも第2入賞口640に入球した方が遊技者にとって有利となり、大当たり種別の選択においては第2入賞口640よりも左第1入賞口64aへ入球した方が遊技者にとって有利となるようにできる。これにより、遊技者にとって有利となりすぎたり、不利となりすぎたりすることがないように調整することができる。
次に、図65(b)を参照して、賞球テーブル202eについて説明する。賞球テーブル202eには、入球した入賞口の種別に応じて払い出される払出球数が規定されている。具体的には、左第1入賞口64aへ遊技球が入球した場合の払出球数は1球であり、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合の払出球数は3球であり、特定入賞口640へ遊技球が入球した場合の払出球数は10球であり、普通入賞口63へ遊技球が入球した場合の払出球数は5球である。このように、本実施形態では、左第1入賞口64aより第2入賞口640に入球した場合に払い出される払出球数が多くなるよう設定されている。これにより、通過口645を通過した遊技球が、第2入賞口640へ多く入賞すると遊技者にとって有利となり、一方そうでない場合は遊技者にとって不利となる。
ここで、本パチンコ機10には、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640のそれぞれへ入球する比率を調整可能な調整釘t1,t2が設けられている。これにより、通過口645を通過した遊技球が、第2入賞口640へ多く入賞するか否かを調整することができ、遊技者にとって有利であるか否かを調整することができる。また、本第3実施形態では、第2入賞口640への入球に基づいて大当たりとなった場合、左第1入賞口64aに基づく大当たりに比べて、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすいようになっているため、第2実施形態に比べて、遊技者にとってより有利または不利となるよう調整することができる。
なお、本実施形態では、左第1入賞口64aよりも第2入賞口640へ入球した場合に払い出される払出球数が多くなるように構成したが、これに限られず、第2入賞口640よりも左第1入賞口64aへ入球した場合に払い出される払出球数が多くなるように構成しても良い。これにより、大当たり種別の選択においては左第1入賞口64aよりも第2入賞口640へ入球した方が遊技者にとって有利となるが、払出球数においては第2入賞口640よりも左第1入賞口64aに入球した方が遊技者にとって有利となるようにできる。これにより、遊技者にとって有利となりすぎたり、不利となりすぎたりすることがないように調整することができる。
次に、図67を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられるRAM203の内容について説明する。本第3実施形態におけるRAM223は、第2実施形態におけるRAM223と比べ、特別図柄2保留球格納エリア203cと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、変動実行フラグ203w1と、変動順格納エリア203w2とが設けられている点で相違し、その他の点は同一である。
特別図柄2保留球格納エリア203cは、第1実施形態と同様に、第2入賞口640(第2特別図柄)専用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、左第1入賞口63aまたは右第1入賞口63b(第1特別図柄)が第2入賞口640(第2特別図柄)に変更される点で相違するのみであり、その他の点は同一であるので、その詳細な説明は省略する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第1実施形態と同様に、第2入賞口640(第2特別図柄)専用の保留球数カウンタであり、上述した特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、左第1入賞口63aまたは右第1入賞口63b(第1特別図柄)が第2入賞口640(第2特別図柄)に変更される点で相違するのみであり、その他の点は同一であるので、その詳細な説明は省略する。
変動実行フラグ203w1は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203cとの、どちらの格納エリアのデータに基づいて変動を実行するかを設定するためのフラグである。この変動実行フラグ203w1は、変動実行判定処理(図70参照)において、後述する変動順格納エリア203w2のデータに基づいて設定され、特別図柄変動処理(図69参照)のS252およびS253の処理において参照される。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、特別図柄1保留球格納エリア203aに基づいて変動を実行するように設定されている。
変動順格納エリア203w2は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203cとに記憶されている各保留データについて入賞順序を記憶するエリアである。この変動順格納エリア203w2には、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされる。
次に、図68を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容について説明する。図68はこのRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、第2実施形態のRAM223に対して、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、停止種別変更カウンタ223gと、停止種別変更済カウンタ223hと、保留図柄記憶エリア223iとが追加されている点で相違する。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、第1実施形態と同様に、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
停止種別変更カウンタ223gは、特別図柄1保留球数カウンタ223bと特別図柄保留球数カウンタ223fとの値の合計が4より大きい場合に、次の変動において表示される停止表示を、上述した疑似的な連続変動を示唆する継続表示(図62(b)参照)に変更するか否かを判別するためのカウンタである。この停止種別変更カウンタ223gは、左第1入賞口64aまたは第2入賞口640への入球に基づいて主制御装置110より送信される保留球数コマンドを、受信した場合に実行される継続表示判定処理(図75参照)において、現在実行されている変動の停止図柄を差替できない場合に、1加算される。また、停止種別コマンドを受信した場合に実行される停止種別受信処理(図74参照)において、停止種別を継続表示の停止種別に変更(S2252参照)した場合に、1減算される。さらに、停止図柄が継続表示に変更される場合には、保留図柄の表示もその変更に応じたものにする必要があるため、保留図柄設定処理(図76参照)において停止種別変更カウンタ223gが参照され、その値に応じた処理が実行される。
停止種別変更済カウンタ223hは、上述した停止種別カウンタ223g等によって、疑似的な連続変動を示唆する継続表示(図62(b)参照)に、停止図柄が変更されたか否かを判別するためのカウンタである。この停止種別変更済カウンタ223hは、停止種別受信処理において停止図柄が継続表示に変更された場合に1加算され(図74のS2053参照)、変動表示設定処理において変動を開始する時(即ち、変動が終了した時)に1減算される(図79のS2152)。また、この停止種別変更済カウンタは、保留図柄設定処理(図76参照)において停止種別変更カウンタ223gが参照される。
保留図柄記憶エリア223jは、表示制御装置114に表示する保留図柄の情報を記憶しておくエリアである。この保留図柄記憶エリア223jには、上述した第3図柄表示装置81の、Ds1領域に表示される保留図柄(通常保留図柄)の表示個数と、Ds4領域に表示される保留図柄(特殊保留図柄)の表示個数とを記憶する領域がある。この保留図柄記憶エリア223jは、主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合に、保留図柄設定処理(図76参照)により更新される。具体的な内容は図76〜図78を参照して後述する。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
第3実施形態における制御処理は、第2実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容の一部が変更されている。その他の処理については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図69から図72を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第3実施形態では、第2実施形態に対して、特別図柄変動処理と、大当たり設定処理と、始動入賞処理との一部が変更されている点で相違する。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図69を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(SS104)について説明する。図69は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。上述した第2実施形態と同一の処理については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、S202の処理において、特別図柄の変動中でないと判別された場合は(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)とを取得し(S203)、変動実行判定処理を実行する(S251)。
ここで、図70を参照して、変動実行判定処理(S251)について説明する。図70は、この変動実行判定処理(S251)を示すフローチャートである。この変動実行判定処理(S251)は、特別図柄変動処理(図69参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203cの、どちらのエリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理では、まず、変動実行フラグ203w1に0を設定することで、初期化を行い(S3001)、変動順格納エリア203w2のデータを取得する(S3002)。その後、変動順格納エリア203w2のデータをシフトする(S3003)。S3003の処理では、変動順格納エリア203w2の第1エリア〜第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→保留第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→保留第6エリア、第8エリア→保留第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアのデータが特図1であるか否かを判定する(S3004)。
S3004の処理にて、実行エリアのデータが特図1であると判定された場合(S3004:Yes)、変動実行フラグ203w1を特図1で変動実行に設定し(S3005)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、実行エリアのデータが特図1でないと判定された場合(S3004:No)、実行エリアのデータが特図2であるか否かを判定する(S3006)。S3006の処理にて、実行エリアのデータが特図2であると判定された場合(S3006:Yes)、変動実行フラグ203w1を特図2で変動実行に設定し(S3007)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
S3006の処理にて、実行エリアのデータが特図2でないと判定された場合(S3006:No)、変動実行する保留球が無いため、変動実行フラグ203w1が初期状態のまま、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
図69に戻り、説明を続ける。S251の処理を終えると、特図2で変動実行するか否かを判別する(S252)。具体的には、S251の処理によって設定された変動実行フラグ203w1を参照して、変動実行フラグ203w1が特図2であれば、特図2で変動実行すると判別する。
S251の処理において、特図2で変動実行すると判別された場合は(S252:Yes)、第2特別図柄の変動を開始させるために、上述した第1実施形態と同様の処理であるS205からS208の処理を実行して、本処理を終了する。一方、特図2で変動実行しないと判別された場合は(S252:No)、S253の処理へ移行する。
S253の処理において、特図1で変動実行しないと判別された場合は(S253:No)、変動実行する保留球がないため、そのまま本処理を終了する。一方、特図1で変動実行すると判別された場合は(S253:Yes)、上述した第1実施形態と同様の処理であるS210からS213の処理を実行して、本処理を終了する。なお、本実施形態では、特図2で変動を実行するか否かを特図1よりも先に判別するようにしたが、特図1で変動を実行するか否かを特図2よりも先に判別するようにしてもよい。これにより、特図1と特図2とのいずれを優先的に判別するかを設定できる。
なお、特別図柄2変動開始処理(S213)では、特別図柄1変動開始処理2(S208)とでは、大当たりBと大当たりCとが選択される比率が異なるように設定されている。上述したように、大当たりCよりも大当たりBの方が遊技者にとって有利な大当たり種別であり、特図2用選択テーブル202b2のほうが大当たりBの選択比率が高いことから、特図2用選択テーブル202b2に基づいて大当たり種別を選択した方が、遊技者にとって有利となる。即ち、第2入賞口640への入球に基づく大当たりを、左第1入賞口64aへの入球に基づく大当たりと比べて有利となっている。
これにより、通過口645を通過した遊技球を第2入賞口640へ入賞しやすいように、調整釘t1、t2を調整すれば、遊技者にとって有利となるように調整することができ、一方そうでないように調整すれば、遊技者にとって不利となるように調整することができる。
なお、本実施形態では特図1用選択テーブル202b1と特図2用選択テーブル202b2とで、大当たり種別の選択比率を異なるように設定したが、例えば、特図1用選択テーブル202b1では「4ラウンドの大当たり」が選択されるようにし、特図2用選択テーブル202b2では「16ラウンドの大当たり」が選択されるように大当たりの種類を異ならせることで、遊技者にとって有利となるか否かを調整できるようにしてもよい。
次に、図71を参照して、本第3実施形態において主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり設定処理3(S254)について説明する。図71は、この大当たり設定処理3(S254)を示すフローチャートである。この大当たり設定処理3(S254)は、特別図柄変動処理(図69参照)の中で実行され、大当たり遊技を開始するための設定を行う処理である。本第3実施形態における大当たり設定処理3(S254)では、第2実施形態における大当たり設定処理(図51参照)に対して、第1特別図柄の大当たりか否かを判別し(S2551)、その判別結果に応じて大当たり種別を判別(S2552またはS2553)するようにした点で相違し、その他の点は同一であるため、その説明を省略する。
まず、大当たり設定処理3(S233)では、第1特別図柄の大当たりであるか否かを判別する(S2551)。S2551の処理によって第1特別図柄の大当たりであると判別された場合は(S2551:Yes)、特図1用選択テーブル202b1に基づいて大当たり種別を判別し、S2502の処理へ移行する。一方、S2551の処理によって第1特別図柄の大当たりでない(第2特別図柄の大当たりである)と判別された場合は、特図2用選択テーブル202b2に基づいて大当たり種別を判別し、S2502の処理へ移行する。S2551〜S2553の処理により、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに応じた大当たり種別を判別でき、その大当たり種別に基づいて大当たり遊技を実行することができる。
S2502の処理へ移行すると、第2実施形態と同様に、S2502〜S2504の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図72は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図48参照)の中で実行され、左第1入賞口64aの入賞(始動入賞)の有無を判断し、左第1入賞口64aまたは第2入賞口640の入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を行うための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が左第1入賞口64aへ入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S501)。ここでは、左第1入賞口64aの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が左第1入賞口64aへ入賞したと判別されると(S501:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S502)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S503)。
そして、左第1入賞口64aへの入賞がないか(S501:No)、或いは、左第1入賞口64aへの入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S503:No)、S508の処理へ移行する。一方、左第1入賞口64aへの入賞があり(S501:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S503:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S504)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S505)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理2(図66参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S505の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄1保留球格納エリア203aへ格納し(S506)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図1を設定し(S551)、S507の処理へ移行する。なお、S551の処理では、特別図柄1保留球カウンタ203cまたは特別図柄2保留球カウンタ203wの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203kに設定された値を上述した変動実行判定処理(S251)にて判別することにより、本実施形態のように始動口が第1特別図柄を変動させるものと、第2特別図柄を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
S507の処理では、球が第2入賞口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S507)。球が第2入賞口640に入賞したと判別されると(S507:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eについて、左第1入賞口64aに入賞した場合と同様の処理を行う。
より具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S508)、値が上限値(本実施形態では4)未満であれば(S509:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1加算すし(S510)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S511)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄2保留球格納エリア203bへ格納し(S512)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図2を設定し(S552)、本処理を終了する。なお、S552での最初のエリアの判定はS551の処理と同様にして行う。
第1入賞口640への入賞がないか(S507:No)、或いは、第2入賞口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でなければ(S509:No)、先読み処理へ移行し(S513)、本処理を終了する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図73から図79を参照して第2制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2制御例では、第1制御例に対して、コマンド判定処理2(S1611)と、停止種別受信処理(S1705)と、変動表示設定処理(S1612)との一部処理が変更されている点で相違し、その他の構成は同一であるので、その詳細説明は省略する。
まず、図73を参照して、本実施形態におけるコマンド判定処理3(S1611)について説明する。図73は、このコマンド判定処理3(S1611)のフローチャートを示した図である。本第3実施形態では、第2実施形態と比べ、S1705およびS1706の処理に代えて停止種別受信処理(S1751)を実行するようにした点と、S1708の処理に代えて、継続表示判定処理(S1751)、保留図柄設定処理(S1752)を実行するように変更されている点とで相違する。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。
コマンド判定処理3(S1611)では、まず、第2実施形態と同様に、S1701〜S1704の処理を実行する。そして、S1704の処理において、停止種別コマンドを受信したと判別された場合は、停止種別受信処理が実行され(S1705)、本処理を終了する。
ここで、図74を参照して、停止種別受信処理(S1705)について説明する。図74はこの停止種別受信処理(S1705)のフローチャートを示した図である。
停止種別受信処理(S1705)では、まず、停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S3101)、受信したコマンドから停止種別を抽出して(S3102)、S3103の処理へ移行する。
S3103の処理では、停止種別カウンタ223iが0より大きいか否かを判別する(S3103)。S3103の処理において、停止種別カウンタ223iが0であると判別された場合は(S3103:No)、停止種別の変更を実行する必要はないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3103の処理において、停止種別カウンタ223iが0より大きいと判別された場合は(S3103:Yes)、停止種別の変更を実行する必要があるため、抽出した停止種別を継続表示の停止種別に変更する(S3104)。その後、停止種別変更済カウンタ223hを1加算して(S2053)、停止種別変更カウンタ223iを1減算し(S3105)、本処理を終了する。
ここで、停止種別変更カウンタ223iは、変動演出の差替不可能期間に、遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640へ入球したことにより、保留球数が5以上となる場合に1加算されるものである。この停止種別変更カウンタ223iが1加算されることにより、S3104の処理で、受信した停止種別を継続表示の停止種別に変更することができる。これにより、変動演出の差替不可能期間に遊技球が入球し、保留球数が5以上となる場合においても、次の変動演出の停止種別を継続表示の停止種別に変更することができる。これにより、変動演出が継続して実行され、保留球を消化することなく次の変動演出が開始されることを、遊技者に認識させることができる。よって、遊技者が認識している保留球数が4球であるのに対し、実際の保留球数を5球となっている場合において、遊技者に違和感を抱かせることなく、実際の保留球数を5球から4球へと減らして、変動演出を開始することができる。
また、ここで停止種別変更済カウンタ223hを1加算することにより、後述する保留図柄設定処理(図76参照)において、増加時保留図柄設定処理を実行するか(図77参照)、減少時保留図柄設定処理を実行するか(図78参照)を判別することができる。
図73に戻り、説明を続ける。S1704の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合は(S1704:No)、次いで、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1706)。S1706の処理において、保留球数コマンドを受信したと判別した場合は(S1706:Yes)、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄の保留球数カウンタに格納し(S1707)、継続表示判定処理を実行し(S1751)、保留図柄設定処理を実行して(S1752)、本処理を終了する。
ここで、図75を参照して、継続判定処理(S1751)について説明する。図75は継続判定処理(S1751)を示したフローチャートの図である。この継続判定処理(S1751)は、主制御装置110のMPU201より、遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640へ入球したことに基づいて送信される保留球数コマンドを受信した場合に実行される処理である。継続判定処理(S1751)では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(N2)とに基づいて、停止種別を継続表示の停止種別に変更するか否かを判別する処理である。
継続表示判定処理(S1751)では、まず、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(N2)とを取得し(S3201)、その合計値(N1+N2)が4より大きいか否かを判別する(S3202)。S3202の処理において、合計値(N1+N2)が4より大きくない(即ち、4以下)であると判別された場合には(S3202:No)、停止種別を変更する必要はないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3202の処理において、合計値(N1+N2)が4より大きい(即ち、5以上)であると判別された場合には(S3202:Yes)、次いで、停止種別変更済カウンタ223hが0であるか否かを判別する(S3203)。S3203の処理において、停止種別変更済カウンタ223hが0でないと判別された場合は(S3203:No)、実行中の変動演出の停止図柄が既に継続表示に変更されているため、停止種別変更カウンタを1加算して(S3207)、本処理を終了する。これにより、停止図柄が重複して継続表示に変更されることを防止できる。
一方、S3203の処理において、停止種別変更済カウンタ223hが0であると判別された場合は(S3203:Yes)、次いで、停止図柄の差替可能期間であるか否かを判別する(S3204)。S3204の処理において、停止図柄の差替可能期間でないと判別された場合は、上述したように次の変動演出の停止図柄を変更するために、停止種別変更カウンタを1加算して(S3207)、本処理を終了する。
ここで、S3204の処理において、変動期間中における停止図柄の差替可能期間であるか否かを判別は、変動期間中に停止図柄を変更することが可能な期間(差替可能期間)が予め各変動パターンに定められており、その期間を経過したか否かを図示しないタイマによって判別する。
S3204の処理において、停止図柄の差替可能期間であると判別された場合は、表示用停止種別コマンド(継続表示)を設定し(S3205)、停止種別変更済カウンタ223hを1加算し(S3206)、本処理を終了する。ここで設定された、表示用停止種別コマンド(継続表示)は、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理2(図52参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンド(継続表示)を受信することによって、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われた場合に停止図柄が継続表示となるように、設定されている停止種別の情報が上書きされる。
また、S3206の処理により、停止種別変更済カウンタ223hが1加算されるので、上述したように、S3203の処理において、重複した停止種別の変更が実行されることを抑制できる。
次に、図76を参照して、継続表示判定処理(S1751)の後に実行される、保留図柄設定処理(S1752)について説明する。図76は、この保留図柄設定処理(S1752)のフローチャートを示した図である。この保留図柄設定処理(S1752)は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合に実行される処理であり、保留球数が増加するか減少するかの変化に基づいて、その保留球数の変化に対応した処理を実行する処理である。
保留図柄設定処理では、まず、保留図柄記憶エリア223iのデータを取得し(S3301)、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(N2)とを取得する(S3302)。次いで、S3301とS3302との処理により取得した値により、保留球数が増加したか否かを判別する(S3303)。
具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(N2)との合計値が、保留図柄記憶エリア223iにおける通常保留図柄の表示数と、特殊保留図柄の表示数との合計より多ければ増加であると判別し、少なければ減少であると判別する。
ここで、遊技球の入賞または特別図柄の変動開始により保留球数が変化した場合は、主制御装置110から送信される保留球数コマンドが送信される。この保留球数コマンドを受信すると、コマンド判定処理2(図73参照)のS1707の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値(N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(N2)との値が更新される。その後、保留図柄設定処理(S1752)が実行されるため、特別図柄の保留球数カウンタ(223b,223f)の合計値と、保留図柄記憶エリア223iの表示数の合計値とを比較することで、保留球数が増加したか減少したかを判別することができる。
S3303の処理において、保留球数が増加したと判別された場合(S3303:Yes)、増加時保留図柄設定処理を実行し(S3304)、本処理を終了する。一方、保留球数が増加したと判別されなかった場合(S3303:No)、減少時保留図柄設定処理を実行し(S3305)、本処理を終了する。
ここで、図77を参照して、増加時保留図柄設定処理(S3304)について説明する。図77は、増加時保留図柄設定処理(S3304)のフローチャートを示した図である。この増加時保留図柄設定処理(S3304)は、左第1入賞口64aまたは第2入賞口640への入球に基づいて、保留球数が増加した場合に主制御装置110から送信される保留球数コマンドを受信した場合の処理であり、保留球数の増加に基づいて保留図柄記憶エリア223iのデータを更新し、表示制御装置114へ保留図柄を表示させるための表示用保留球数コマンドを設定するための処理である。
増加時保留図柄設定処理では、まず、保留図柄記憶エリア223iのデータを取得する(S3401)。次いで、保留図柄記憶エリア223iに格納されている、通常保留図柄の表示数が4であるか否かを判別する(S3402)。S3402の処理において、通常保留図柄が4個であると判別された場合は(S3402:Yes)、通常保留図柄(小領域Ds1に表示される保留図柄)が上限値(4)に達しているので、特殊保留図柄(小領域Ds4に表示される保留図柄)の表示数を1加算して(S3403)、S3405の処理へ移行する。
一方、S3402の処理において、通常保留図柄の表示数が4でないと判別された場合は(S3402:No)、通常保留図柄(小領域Ds1に表示される保留図柄)が上限値(4)に達していないので、通常保留図柄の表示数を1加算して(S3404)、S3405の処理へ移行する。
S3402またはS3403の処理を終えると、S3402またはS3403の処理により更新された保留図柄記憶エリア223iに基づいて、表示用保留球数コマンドを設定し(S3405)、本処理を終了する。S3405の処理で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理2(図52参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds1および小領域Ds4に表示される保留図柄の表示を更新する処理を実行する。これにより、主制御装置110が遊技球の入賞を検出したことに基づいて、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新することができる。
次に、図78を参照して、減少時保留図柄設定処理(S3305)について説明する。図78は、減少時保留図柄設定処理(S3305)のフローチャートを示した図である。この減少時保留図柄設定処理(S3305)は、特別図柄の変動開始に基づいて、保留球数が減少した場合に主制御装置110から送信される保留球数コマンドを受信した場合の処理であり、保留球数の減少に基づいて保留図柄記憶エリア223iのデータを更新し、表示制御装置114へ保留図柄を表示させるための表示用保留球数コマンドを設定するための処理である。
減少時保留図柄設定処理(S3305)では、まず、保留図柄記憶エリア223iのデータを取得する(S3501)。次いで、停止種別変更カウンタ223gが0より大きいか否かを判別する(S3502)。S3502の処理において、停止種別変更カウンタ223gが0より大きいと判別された場合は(S3502:Yes)、保留図柄記憶エリア223iの特殊保留図柄の表示数を1減算し(S3503)、S3505の処理へ移行する。S3502の処理において、停止種別済変更カウンタ223hが0より大きい場合は、前回の特別図柄の変動において、停止種別が継続表示に変更されており、今回の変動開始前の停止表示が継続表示となる場合である。
これにより、前回開始された特別図柄の変動の停止表示が継続表示(図62(b)参照)となる場合に、特殊保留図柄の表示数を1減算するので、今回開始する特別図柄の変動に基づいて、第3図柄表示装置81における小領域Ds4の保留図柄を1つ減少させることができる。遊技者は、前回の変動表示の停止図柄が、連続変動を示唆する継続表示であるため、遊技者が認識容易な態様である小領域Ds1の保留図柄を減少させずに、特別図柄の変動を開始させても違和感を抱くことがない。その結果、遊技者に違和感を抱かせることなく、遊技者が認識困難な態様である小領域Ds4の保留図柄を1つ減少させて、特別図柄の変動を開始させることができる。
ここで、停止種別変更済カウンタ223hは停止種別変更カウンタ223gが0より大きい場合(即ち、保留球数が5以上となり、特殊保留図柄が設定される場合)に、停止種別受信処理によって加算される。よって、停止種別変更済カウンタ223hが0より大きくなる場合は、特殊保留図柄が有る場合となる。これにより、S3503の処理において特殊保留図柄の表示数がなく減算できないといった問題は生じない。仮に、S3503の処理において、特殊保留図柄の表示数が0であり減算できない場合には、エラー処理を行うようにしても良い。具体的には、表示用エラーコマンドを設定し、表示制御装置114に送信することで、エラーを示唆する表示を行うようにする等の処理が例示される。これにより、ノイズ等の影響により、特殊保留図柄の表示数が0であるにも関わらず、停止種別変更済カウンタが加算されてしまう不具合を検出することができる。
一方、S3502の処理において、停止種別変更済カウンタ223hが0でないと判別された場合は、(S3502:No)、前回の特別図柄の変動において、停止種別が継続表示に変更されている場合であるので、特殊保留図柄の有無に関わらず、通常保留図柄の表示数を1減算して(S3506)、S3507の処理へ移行する。
これにより、特殊保留図柄が無い場合については、通常保留図柄(小領域Ds1に表示される保留図柄)を1減少させることができる。また、特殊保留図柄が有る場合については、停止種別変更済カウンタ223hが0である、即ち、前回開始された特別図柄の変動の停止図柄が継続表示に変更されていないことから、特殊保留図柄が無い場合と同様に、通常保留図柄(小領域Ds1に表示される保留図柄)を1減少させることができる。
このように、変動演出が継続表示で停止されると(図62(b)参照)、S3503の処理によって、その次の変動演出の開始時に特殊保留図柄が1つ減少させて表示することができる(図62(c)参照)。一方、変動演出が継続表示で停止されない場合は、S3504の処理によって、その次の変動演出の開始時には通常保留図柄が1つ減少させて表示することができる(図64(a)参照)。
なお、本実施形態では、停止種別を変更したか否かを、停止種別変更済カウンタ223hを加算減算することにより判別できるようにしたが、これに限られず、例えば、停止表示された停止種別をリングバッファ等に記憶しておき、前回の停止表示された停止種別を参照して判別できるようにしても良い。
次に、図59を参照して、変動表示設定処理3(S1612)について説明する。図74は、変動表示設定処理3(S1612)のフローチャートを示した図である。本第3実施形態における変動表示設定処理3(S1612)は、第2実施形態に対し、停止種別変更済カウンタ223hの判別処理と、減算処理とが追加されている点で相違し、その他の処理は同一であるため、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
S2104の処理を終えると、次いで、停止種別変更済カウンタ223hが0より大きいか否かを判別する(S2151)。S2151の処理において、停止種別変更済カウンタが0より大きいと判別されるのは、今回変動を開始する特別図柄の変動の前に開始された特別図柄の変動において、停止種別が変更された場合であるので、停止種別変更済カウンタ223hを1減算して(S2152)、S2105の処理へ移行する。
これにより、停止種別が継続表示に変更された特別図柄の変動表示の実行後に、停止種別変更済カウンタ223hを減算することができるので、停止種別が継続表示に変更された次の特別図柄の変動表示の変動開始でのみ、上述した減少時保留図柄設定処理(S3303)のS3503の処理により特殊保留図柄(小領域Ds4の保留図柄)を減少させることができる。よって、継続表示の停止図柄が表示されていない場合には、遊技者が認識困難な態様である特殊保留図柄(小領域Ds4の保留図柄)を減少して特別図柄の変動を開始されない、即ち、継続表示の停止図柄が表示されていない場合には、遊技者が視認容易な態様である通常保留図柄(小領域Ds1の保留図柄)を減少して特別図柄の変動が開始されるため、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
以上、説明したように、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、通過口645を通過した遊技球が、左第1入賞口64aまたは第2入賞口640のいずれかに入球することで、大当たりの抽選が行われる。この左第1入賞口64aと第2入賞口640とは、遊技球が入球した場合に払い出される払出球数が異なるように、賞球テーブル202e(図65(d)参照)が設定されている。具体的には、左第1入賞口64aへ遊技球が入球した場合の払出球数が1球であるのに対し、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合の払出球数は3球となっている。よって、通過口645を通過した遊技球が、第2入賞口640へ多く入賞すると遊技者にとって有利となり、一方そうでない場合は遊技者にとって不利となる。
また、左第1入賞口64aに基づく大当たりと第2入賞口640とに基づく大当たりとでは、第2入賞口640に基づく大当たりの方が、遊技者にとって有利な大当たり種別が選択されやすいように、第1当たり種別選択テーブル202bが設定されている。具体的には、左第1入賞口64aに基づく大当たりでは、「大当たりB」よりも「大当たりC」が選択されやすく(図66(a)参照)、第2入賞口640に基づく大当たりでは「大当たりC」よりも「大当たりB」が選択されやすくなっている(図66(b))。
ここで、上述したように「大当たりB」は「大当たりC」よりも、確変となるか否かの抽選が行われる大当たりであることから、遊技者にとって有利な大当たりとなっている。よって、第2入賞口640への入球に基づく大当たりは、左第1入賞口64aへの入球に基づく大当たりよりも、遊技者にとって有利な大当たりである「大当たりB」が選択されやすい。
これにより、第2入賞口640への入球は、左第1入賞口64aへの入球よりも、払出球数が多く、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすいので、第2実施形態と比べ、遊技者にとってより有利な入球となる。その結果、通過口645を通過した遊技球が左第1入賞口64aまたは第2入賞口640のそれぞれへ入球する比率を、調整釘t1,t2によって調整することにより、第2実施形態と比べ、遊技者にとって有利であるか否かの調整をより強弱をつけて調整することができる。
なお、本実施形態では第2入賞口640への入球に基づく大当たりが、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすいよう構成したが、これに限られず、左第1入賞口64aへの入球に基づく大当たりの方が、遊技者にとって有利な大当たりが選択されやすく構成しても良い。これにより、払出球数においては左第1入賞口64aよりも第2入賞口640に入球した方が遊技者にとって有利となり、大当たり種別の選択においては第2入賞口640よりも左第1入賞口64aへ入球した方が遊技者にとって有利となるようにできる。これにより、遊技者にとって有利となりすぎたり、不利となりすぎたりすることがないように調整することができる。
また、本第3実施形態では、保留球数が所定値(本実施形態では4)より多いことを示す保留図柄は、遊技者に認識困難な態様である特殊保留図柄(第3図柄装置81の小領域Ds4の保留図柄)で表示される(図60(b)参照)。これにより、例えば、左第1入賞口64aと第2入賞口640とのいずれか一方に入球しないよう調整する場合において、保留球数の最大が8球であると遊技者が認識していると、保留球数が4球より増えないことで遊技者は不満を抱いてしまうが、保留球数の最大が4球であると遊技者が認識していれば、保留球数が4球より増えないとしても、そのような不満を抱かないようにできる。
また、電動役物645a,645bは、通過口645へ遊技球を入球し易くなるように配置したがそれに限らず、左第1入賞口64aのみ、右第1入賞口64bのみに遊技球を誘導し易くするように構成してもよい。この場合には、ベース体64cの左第1入球口64aまたは右第1入賞口64bを形成する側壁を回動する羽根(電動役物)で構成して、回動することにより、遊技球を左第1入球口64aまたは右第1入球口64bに入球させ易くする構成としてもよい。このような構成とすることで、例えば、右第1入賞口64bに電動役物を付随させることで、時短中や確変中に遊技球を多く払い出すことができ、遊技者の持ち球の減少を抑制できる。よって、時短遊技状態や確変遊技状態へ移行することへの期待感を多くすることができる。
本実施形態では、左第1入賞口64aに入賞した場合には、特別図柄1の抽選が実行され、右第1入賞口64bに入賞した場合には、特別図柄2の抽選が実行される。ここで、特別図柄2の抽選で大当たりとなると、特別図柄1で大当たりとなる場合よりも、確変遊技が付与され易い大当たり遊技が実行され易く構成されている。よって、電動役物を右第1入賞口64bの側壁に代わって配置することで、確変中や、時短中には、特別図柄2の抽選が実行され易くなるので、確変状態や、時短状態では、確変遊技が付与され易くできる(確変遊技が付与される確率が高くできる)。
<第4実施形態>
次に、図88〜図93を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第4実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の確変状態、および有利度合いが異なる複数の時短状態をそれぞれ設ける構成としている。より具体的には、本実施形態では、第1特別図柄の抽選に比較して、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった方が遊技者にとってより多くの特典を得易く構成されている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりとあった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して、より多くの賞球を獲得することができる上に、特別図柄の確変状態に移行する割合が高くなる(確変スイッチ65e3を通過することが可能な大当たり種別が選択され易くなる)ように構成されている。そして、特別図柄の確変状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)確変状態1と、その確変状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)確変状態2とが設けられている。加えて、普通図柄の時短状態として、第1特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的不利な)時短状態1と、その時短状態1に比較して第2特別図柄の抽選が実行され易い(即ち、比較的有利な)時短状態2とが設けられている。状態に応じて獲得できる賞球の量や、確変状態への移行割合を異ならせることで、より有利な状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、確変状態1とは、特別図柄の確変状態と、時短状態1とが複合した状態であり、確変状態2とは、特別図柄の確変状態と、時短状態2とが複合した状態である。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図88を参照して、第4実施形態における遊技盤13について説明する。図88は、本実施形態における遊技盤13の正面図である。図13に示した通り、本実施形態では、球が入球することで特別図柄の抽選が実行される3つの入球口が設けられている。具体的には、可変表示装置ユニット80に対して正面視下側に設けられた第1入球口64a1と、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられた右第2入球口64bと、その右第2入球口64bに対して正面視右側に設けられた右第1入球口64a2とが設けられている。
第1入球口64a1、および右第1入球口64a2は、いずれも球が入球したことを契機として第1特別図柄の抽選が実行される。即ち、第1入球口64a1と、右第1入球口64a2とは、同一の機能を有した入球口である。一方、右第2入球口64bは、球が入球したことを契機として第2特別図柄の抽選が実行されるため、上述した2種類の入球口とは異なる機能を有した入球口である。
また、図88に示した通り、右第1入球口64a2には、第1作動役物645aが付随して設けられている。この第1作動役物645aは、右第1入球口64a2への球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第1入球口64a2への球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変される。第1作動役物645aは、後述する振分入賞装置700の内部に設けられた第1作動口704へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第1作動役物645aは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
同様に、右第2入球口64bには、第2作動役物645bが付随して設けられている。この第2作動役物645bも、右第2入球口64bへの球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第2入球口64bへの球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変される。第2作動役物645bに付随する第2作動役物645bは、振分入賞装置700の内部に設けられた第2作動口707へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第2作動役物645bは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
可変表示装置ユニット80に対して正面視右側には、振分入賞装置700が設けられている。この振分入賞装置700は、内部へと入球した球を第1作動口704、または第2作動口707のいずれかへと振り分ける(入球させる)ための装置である。上述した通り、第1作動口704へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、第2作動口707へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
ここで、振り分け入賞装置700の詳細について、図81を参照して説明する。図81は、振り分け入賞装置700の正面図である。振分入賞装置700の上面側は、球が流下可能に構成されている。図81に示した通り、振分入賞装置700の上面側は、正面視左下方向へと傾斜しているので、振分入賞装置700の上面に到達した球は、基本的に左下方向へと流下する。また、振分入賞装置700の上面右側には、電動役物701が設けられている。この電動役物701は、振分入賞装置700の内部へと球が入球可能(容易)となる開放状態(没入状態)と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態(突出状態)とに切り替え可能に構成されている。この電動役物701は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に開放状態に設定される。
電動役物701の下流側は、第1流路703、および第2流路706の2つの流路に分岐している。第1流路703の下流側には、第1作動口704が設けられているので、第1流路703を流下した球は第1作動口704へと入球する。一方、第2流路706の下流側には第2作動口707が設けられているので、第2流路706を流下した球は第2作動口707へと入球する。また、第1流路703と第2流路706とが分岐する位置には、電動役物701を介して振分入賞装置700の内部へと入球した球が流下する流路を切換弁(可変流路)702が設けられている。この切換弁(可変流路)702は、第1流路703へと球を流下させる第1切換状態と、第2流路706へと球を流下させる第2切換状態とに切り換える(スライド変位させる)ことができる。第1切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視左側へとスライド変位することで第2流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第1流路へと進行する。一方、第2切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視右側へとスライド変位することで第1流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第2流路へと進行する。
切換弁(可変流路)702は、基本的に第1切換状態に設定されており、普通図柄の当たりとなってから所定期間(例えば、普通図柄の当たり状態となってから1.5秒後)が経過したことに基づいて、第1切換状態から第2切換状態に切り換えられる。また、第2切換状態に切り換えられてから特定期間(例えば、3秒間)が経過すると、再度第1切換状態に切り替えられる。
第2切換状態の間に球を振分入賞装置700へと入球させることができれば、球を第2作動口707へ向けて流下させることができる。球が第2作動口707へと入球すると、上述した通り第2作動役物645bが開放状態に設定され、右第2入球口64bへと球を入球させることが可能となる。即ち、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球の流下方向(第1流路703を流下するか、第2流路707を流下するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図81に示した通り、第1作動口704の内部には、第1作動機構705が設けられている。この第1作動口704は、公知の非電動役物で構成されている、即ち、第1作動口704へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを開放状態に切り替えることができる。また、第1作動役物645aが開放状態において、右第1入球口64a2へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを閉鎖状態に切り替えることができる。
一方、第2作動口707の内部には、第2作動機構708が設けられている。この第2作動機構708は、第1作動機構705と同様の構成となっている。即ち、第2作動口707へと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。また、第2作動役物645bが開放状態において、右第2入球口64bへと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを閉鎖状態に切り替えることができる。
このように、振分入賞装置700に対して球を入球させることにより、第1作動口704、または第2作動口707へと球を入球させて、第1作動役物645a、または第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。上述した通り、特別図柄2の抽選で大当たりになると、特別図柄1の抽選よりも有利になるので、球が第1作動口704へと入球するか、第2作動口707へと入球するかに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図82を参照して、振分入賞装置700における電動役物701の動作(開放パターン)と、切換弁(可変流路)702の切換動作との対応関係について説明する。図82に示した通り、電動役物701の動作(開放パターン)には、2種類(開放パターンA、および開放パターンB)が設けられている。開放パターンAが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に比較的長い時間(即ち、1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、0.1秒間の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。一方、0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。しかしながら、0.1秒間の開放期間の間に球を入球させることは困難であるため、多くの場合、開放パターンAが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第1作動口704へと振り分けられ、右第1入球口64a1が開放される。よって、開放パターンAが設定されると、遊技者にとって比較的不利となる。
一方、開放パターンBが設定されると、普通図柄の当たりが開始された直後に極めて短い時間(即ち、0.1秒間)電動役物701が開放状態に設定された後、1.4秒間閉鎖状態に設定される。そして、比較的長い時間(即ち、1秒間)の開放状態が設定された後で当たり状態が終了する。0.1秒の開放期間中は、切換弁(可変流路)702が第1切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第1作動口704へと振り分けられる。しかしながら、上述した通り、0.1秒間という極めて短い開放期間の間に球を入球させることは困難である。一方、1秒間の開放期間において、切換弁(可変流路)702は、第2切換状態に設定されるので、この間に振分入賞装置700へと入球した球は第2作動口707へと振り分けられる。よって、多くの場合、開放パターンBが設定されている間に振分装置700へと入球した球は、第2作動口707へと振り分けられ、右第2入球口64bが開放される。よって、開放パターンBが設定されると、遊技者にとって比較的有利となる。
このように、設定される開放パターンによって遊技者にとっての有利度合いを異ならせることができるので、普通図柄の当たりとなる毎に、開放パターンに興味を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本実施形態では、設定される開放パターンは遊技状態に応じて定められている。即ち、通常状態(非確変非時短状態)、時短状態1、および確変状態1においては、普通図柄の当たりになった場合に、電動役物701の開放パターンとして、開放パターンAが設定される。一方、時短状態2、および確変状態2においては、普通図画の当たりになった場合に開放パターンBが設定される。このため、時短状態2、および確変状態2では、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者にとって有利となる。一方、時短状態2、および確変状態2においては、第2特別図柄の抽選が実行され難いため、遊技者にとって不利となる。このように、遊技状態に応じて実行され易い特別図柄の種別を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図88に戻って説明を続ける。遊技盤13の左下方には、可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64a1、右第1入球口64a2、又は右第2入球口64bへの入球(入賞)に起因して行われた大当たり抽選により大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。なお、可変入賞装置65の構造については、第2実施形態における可変入賞装置65(図42〜図44参照)と同一である。第2実施形態において上述した通りであるため、詳細については省略するが、大当たり中にこの可変入球装置65へと入球した遊技球が、その内部の確変スイッチ65e3を通過することにより、大当たり終了後に確変状態が付与される。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図84、および図90を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図84は、本第4実施形態におけるRAM203の構成を示すブロック図であり、図90(a)は、本第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1の内容を示した図であり、図90(b)は、本第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図2用選択テーブル202b2の内容を示した図である。なお、特図1用選択テーブル202b1は、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照され、特図2用選択テーブル202b2は、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たり種別を決定するために参照される。
まず、図90(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bに含まれる特図1用選択テーブル202b1について説明する。図90(a)は、特図1用選択テーブル202b1の規定内容を示した図である。図90(a)に示した通り、特図1用選択テーブル202b1には、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、大当たりAが対応付けられている。この大当たりAは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65eを通過可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65eの設けられている流路が開放される)動作パターンである。遊技者は、大当たりにおいて、可変入賞装置65に向けて連続的に球を打ち出すので、5秒間の間に1球以上球を確変スイッチ65eへと流下させることができる。大当たりにおいて球が確変スイッチ65eを通過すると、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態と時短状態1とが複合した確変状態1が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65eを球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たり終了後に時短状態1のみが付与される。大当たりAは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられている。この大当たりBは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。大当たりにおいて球が確変スイッチ65eを通過すると、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態と時短状態2とが複合した確変状態2が付与される。一方、遊技者が大当たり中に球を打ち出さなかった等により、大当たり中に確変スイッチ65eを球が通過しないまま大当たりが終了した場合は、大当たりBの終了後に時短状態2のみが付与される。大当たりBは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。一方、賞球の面では、第2特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも少ないため、賞球面では不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜94」の範囲には、大当たりCが対応付けられている。この大当たりCは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。なお、確変スイッチ65eを通過不可能なパターンとは、例えば、4ラウンドの開始に基づいて確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが0.5秒間オンに設定される(可変入賞装置65内における確変スイッチ65eの設けられている流路が開放される)動作パターンである。4ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放されたと同時に球を入球させたとしても、0.5秒間の間に確変ソレノイド65kが設けられた流路まで球が到達することはできないので、球が確変ソレノイド65kへと到達する前に流路が閉鎖されてしまう。よって、大当たりCでは、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与されることはない。即ち、大当たりCは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別であり、更に、賞球数も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないので、遊技者にとって最も不利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「95〜94」の範囲には、大当たりDが対応付けられている。この大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されず、賞球も第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較して少ないが、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりDは、大当たりCに比較すると有利となる。
次に、図90(b)を参照して、特図2用選択テーブル202b2について説明する。図90(b)は、特図2用選択テーブル202b2の規定内容を示した図である。図90(b)に示した通り、特図2用選択テーブル202b2にも、特図1用選択テーブル202b1と同様に、第1当たり種別カウンタC2の値毎に、選択される大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりEが対応付けられている。この大当たりEは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。大当たりEは、確変状態になり易いものの、付与される確変状態が確変状態1であり、その確変状態中に第2特別図柄の抽選が実行され難いので、確変状態2が付与され易い大当たり種別(大当たりB、大当たりF)に比較して大当たり終了後の状態が不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜79」の範囲には、大当たりFが対応付けられている。この大当たりFは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。大当たりFは、遊技者にとって最も有利な確変状態2へと移行し易いので、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一つである。また、賞球の面でも、第1特別図柄の抽選により大当たりになった場合よりも多量の賞球を獲得することができる。よって、大当たりFは、遊技者にとって最も有利な大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜84」の範囲には、大当たりGが対応付けられている。この大当たりGは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別である。よって、大当たりGは、特別図柄の確変状態が付与されない上に、第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態1が付与される大当たり種別なので、大当たり終了後の遊技状態は最も不利となる。一方、賞球の面では第1特別図柄の抽選により大当たりとなるよりも有利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「85〜94」の範囲には、大当たりHが対応付けられている。この大当たりHは、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり中に確変スイッチ65eを通過不可能なパターンで確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kが動作され、大当たり後に時短状態2が付与される大当たり種別である。確変状態が付与されないものの、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態2が付与されるので、大当たりHは、大当たりCや大当たりGに比較すると有利となる。また、賞球面でも第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも有利となる。
このように、本実施形態では、多様な大当たり種別が設けられている。各大当たり種別は、ラウンド数や、大当たり後の遊技状態が異なるので、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合に、どの大当たり種別となるかに遊技者を注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、獲得できる賞球数や、確変スイッチ65eを通過可能な動作パターンとなる大当たり種別の割合が異なっている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、多くの賞球を獲得できるので、遊技者にとって有利となる。また、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、確変スイッチ65eを通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりE,F)の割合が80%となっているのに対し、第1特別図柄の抽選では、確変スイッチ65eを通過可能な動作パターンとなる大当たり種別(大当たりA,B)の割合が50%となっている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が確変状態になり易い。よって、遊技者に対して第2特別図柄の抽選で大当たりになることを期待させることができるので、実行される抽選が第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図83を参照して、本実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図83に示した通り、本実施形態では、5つの遊技状態が設けられており、上述した通り、大当たりとなる毎に、その大当たりの終了後に新たに遊技状態が設定される。図83に示した通り、通常状態(非確変非時短状態)において大当たりAになると、基本的に(大当たり中に球の打ち出しを停止しない限りは)、確変状態1へと移行し、大当たりBになると、確変状態2へと移行する。また、大当たりCになると、時短状態1へと移行し、大当たりDになると、時短状態2へと移行する。また、図83に示した通り、遊技状態が時短状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い時短状態)、および確変状態1(第2特別図柄の抽選が実行され難い確変状態)の場合は、通常状態(非確変非時短状態)と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態1、または確変状態1において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
また、図83に示した通り、遊技状態が時短状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態)の場合は、大当たりEになると、確変状態1へと移行し、大当たりFになると、最も有利な確変状態2へと移行し、大当たりGになると、時短状態1へと移行し、大当たりHになると、時短状態2へと移行する(時短状態2をループする)。また、図83に示した通り、確変状態2(第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態)においても、時短状態2と同一の状態移行を行う。なお、図示については省略したが、時短状態2、または確変状態2において、大当たりにならずに時短回数分の特別図柄の抽選が実行されると、通常状態へと移行する。
次に、図84を参照して、主制御装置110のRAM203の構成について説明する。RAM203は、図84に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203s、確変通過カウンタ203t1、入賞個数カウンタ203t2、動作カウンタ203t3、カウンタ用バッファ203h、残球タイマフラグ203t4、残球タイマ203t5、確変有効フラグ203t6、確変有効タイマ203t7、排出個数カウンタ203t8、時短中カウンタ203u、時短識別フラグ203x、大当たりフラグ203i、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
これらのうち、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、カウンタ用バッファ203h、大当たりフラグ203i、および、その他メモリエリア203zについては、第1実施形態におけるRAM203に設けられた特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、カウンタ用バッファ203h、大当たりフラグ203i、および、その他メモリエリア203zと同一であるので、その詳細な説明については省略する。
また、確変通過カウンタ203t1、入賞個数カウンタ203t2、動作カウンタ203t3、残球タイマフラグ203t4、残球タイマ203t5、確変有効フラグ203t6、確変有効タイマ203t7、および排出個数カウンタ203t8については、それぞれ第2実施形態におけるRAM203に設けられた確変通過カウンタ203t1、入賞個数カウンタ203t2、動作カウンタ203t3、残球タイマフラグ203t4、残球タイマ203t5、確変有効フラグ203t6、確変有効タイマ203t7、および排出個数カウンタ203t8と同一である。これらの詳細については第2実施形態の説明で上述したので、その説明については省略する。
時短識別フラグ203xは、時短状態の種別を識別するためのフラグである。この時短識別フラグ203xに0が設定されていれば、時短状態1(確変状態1)であることを意味する。なお、時短状態1と同様に第2特別図柄の抽選が実行され難い通常状態においても、この時短識別フラグ203xが0に設定される。一方、時短識別フラグ203xに1が設定されている場合には、時短状態2(確変状態2)であることを意味する。普通図柄の当たりとなった場合には、この時短識別フラグ203xを参照して、電動役物701の開放パターンが設定される。具体的には、時短識別フラグ203xが0の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンAが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第1作動口704へと球が入球し、左第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、時短識別フラグ203xが1の場合に普通図柄の当たりとなると、開放パターンBが設定されるため、電動役物701の開放期間中に球を振分入賞装置700へと入球させることで第2作動口707へと球が入球し、左第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。この時短識別フラグ203xは、大当たりの終了時に、その大当たり後に付与される時短状態に対応する値が設定される。また、普通図柄の時短期間が終了した場合に(即ち、時短中カウンタ203uが0になった場合に)0が設定される。
なお、通常状態(非確変非時短状態)において時短識別フラグ203xに0を設定しているのは、非時短状態において遊技盤13の右側方向へと球を打ち出す(所謂右打ち)変則的な遊技方法を抑制するためである。即ち、仮に通常状態において時短識別フラグ203xが1になる構成とすると、有利な第2特別図柄の抽選を実行させようとして、遊技者が常に右打ちを行う虞がある。通常状態では、普通図柄の当たりとなる確率が低いため、右第2入球口64bへと球を入球させることが困難であるが、大当たりとなった場合に80%の割合で特別図柄の確変状態となるため、大当たりとなった場合におけるメリットが大きくなる。よって、変則的な遊技方法を誘発してしまう可能性がある。
これに対して本実施形態では、通常状態において時短識別フラグ203xが0になる構成としているため、普通図柄の当たり確率が低い上に、当たりとなっても開放パターンAが設定されるので、遊技者が右打ちを実行するメリットが全くない状態とすることができる。よって、通常状態においては遊技者に対して左打ちを実行させることができるので、変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
大当たりフラグ203iは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203iは、特別図柄変動処理4(図91参照)にて大当たりとなった場合にオンに設定され、大当たりの終了時に実行されるエンディング処理においてオフに設定される。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図91から図93のフローチャートを参照して、本第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。まず、図91を参照して、上述した第1実施形態における特別図柄変動処理(図49参照)に代えて実行される特別図柄変動処理4(S164)について説明する。図74は、この特別図柄変動処理4(S164)の内容を示したフローチャートである。
特別図柄変動処理4(図91、S164)のうち、S201〜S218,S220.およびS222〜S224の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図49参照)のまず、S201〜S218,S220.およびS222〜S224の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における特別図柄変動処理4(図91参照)では、S218の処理において大当たりの開始を設定すると(S280)次いで、時短中カウンタ203u及び確変カウンタ203gの値を初期値(本実施形態では0)にリセットし(S271)、S222の処理へ移行する。
また、S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであると判別した場合は(S217:No)、時短中カウンタ203uの値が0より大きいか否かを判別し(S272)、時短中カウンタ203uの値が0より大きいと判別した場合は(S272:Yes)、時短中カウンタ203uの値を1減算して(S273)、S223へと処理を移行する。一方、S272の処理において、時短中カウンタ203uの値が0であると判別した場合は(S272:No)、S273の処理をスキップし、処理をS223へと移行する。
ここで、図93を参照して、本第4実施形態における先読み処理4について説明する。図93は、先読み処理4(S513)を示したフローチャートである。この先読み処理4(S513)は、第1実施形態における先読み処理(図17参照)に代えて実行される処理である。
この第4実施形態における先読み処理4(S513)のうち、S601、およびS603の各処理では、それぞれ第1実施形態における先読み処理(図17参照)のS601、およびS603の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における先読み処理4では、S601の処理において、第1入球口64a1右第1入球口64a2、または右第2入球口64bに新たな入賞があったと判別した場合(S601:Yes)、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判定し(S671)、特別図柄の確変状態でなければ(S671:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S672)、処理をS674へと移行する。
一方、S671の処理において、遊技状態が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S671:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S673)、処理をS674へと移行する。S674の処理では、抽選結果に基づいて、大当たりの判定結果である第1当たり種別カウンタC2と停止種別選択カウンタC3の各値を含む入賞情報コマンドを設定する(S674)。
S674の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S672、またはS673の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の確変大当たりであるかを判定する(S675)。S672、またはS673の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の確変大当たりである場合には(S675:Yes)、先読み確変中フラグ(図示なし)をオンに設定して(S676)、本処理を終了する。この先読み確変中フラグは、実行する時点の遊技状態が確変状態であるか否かを示すフラグであり、オンであれば抽選時が確変状態であることを意味し、オフであれば抽選時が低確率状態であることを意味する。
一方、S675の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の確変大当たりでないと判別した場合には(S675:No)、S672、またはS673の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の通常大当たりであるかを判定する(S677)。S672、またはS673の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の通常大当たりであると判別した場合には(S677:Yes)、先読み確変中フラグ(図示なし)をオフに設定して(S678)、本処理を終了する。一方、S672、またはS673の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の通常外れである場合には(S677:No)、S678の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図88を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理4(図88参照)について説明する。図88は、この普通図柄変動処理4を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理4は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図18参照)に代えて実行される処理である。
この普通図柄変動処理4(図88参照)のうち、S701〜S714、およびS718〜S725の各処理では、それぞれ第第1実施形態における普通図柄変動処理(図18参照)のS701〜S714、およびS718〜S725の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における普通図柄変動処理4(図88参照)では、S714の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S714:Yes)、時短識別フラグ203xは0であるか、即ち、時短状態1であるか判別する(S771)。識別フラグ1(時短状態2)であると判別した場合には(S771:No)、電動役物開放パターンBを設定する(S772)。一方、S714の処理において時短状態でないと判別した場合や(S714:No)、S771の処理において識別フラグ0(時短状態1)であると判別した場合は(S771:Yes)、電動役物開放パターンAを設定する(S773)。
ここで、詳細は後述するが、電動役物開放パターンAは、振分入賞装置700に遊技球が入球した場合に、第1作動口704に遊技球が案内されるタイミングで電動役物701が突出(開放)される開放パターンである。よって、第1作動口704に遊技球が入球することにより第1作動役物645aが開放状態にされ、右第1入球口64a2に遊技球が入球し易くなり、遊技球が入球することで、第1特別図柄の抽選が実行される。なお、時短識別フラグ203xの設定は、大当たり遊技のエンディング時の後述するエンディング処理4(図93、S1379)のS4106,S4107の処理で行われ、実行された大当たり種別に基づいてその値に0または1が設定される。これにより、大当たりとなった場合にその大当たり種別により時短識別フラグ203xが設定されるので、大当たり種別によりその後に実行される確変遊技(時短遊技)において、右第1入球口64a2に遊技球が入球するように設定するか、右第2入球口64b2に遊技球が入球するように設定するかを切り替えて設定できる。よって、第1特別図柄よりも第2特別図柄の抽選の方が、大当たり遊技におけるラウンド数が多く設定されているので、同じ確変遊技状態や時短遊技状態であっても、遊技者に有利な確変遊技状態とその確変遊技状態よりもさらに遊技者に有利となる確変遊技状態を設定することができ、遊技者の興趣を向上できる。
また、本第4実施形態における普通図柄変動処理4(図88参照)では、S725の処理が終了すると、次いで、可変流路702の動作制御を設定し(S774)、本処理を終了する。なお、切替弁(可変流路)702の動作は、普通図柄の当たり全てに対して一定であり、普通図柄の当たりから1.5秒間は、第1流路に遊技球を案内するように切替弁702は第2流路706を塞ぐように左側に移動して制御され、その後、右側に移動されて、第1流路703を塞いで第2流路へ遊技球を誘導する。その後、この処理を終了する。
次に、図89を参照して、第1実施形態における立ち上げ処理(図21参照)に代えて実行される立ち上げ処理4について説明する。図89は。この立ち上げ処理4を示すフローチャートである。この第4実施形態における立ち上げ処理4(図89参照)のうち、S1001〜S1014の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図17参照)のS1001〜S1014の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における立ち上げ処理4(図89参照)では、S1010の処理が終了した後で、可変流路702の初期設定を行って、処理をS1011へと移行する。
次に、図90のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理4(S1105)を説明する。図90は、この大当たり制御処理4(S1105)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理4(S1105)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図24参照)に代えて実行され、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理4では、まず、大当たりフラグ203iがオンであるか否かを判定する(S1301)。S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオフであると判別された場合は(S1301:No)、大当たりの制御を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオンであると判別した場合には(S1301:Yes)、次いで、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(S1371)。S1371の処理において大当たりの開始タイミングであると判別された場合は、(S1371:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1372)、本処理を終了する。
S1371の処理において、大当たりの開始タイミングでないと判別した場合には(S1371:No)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1374)。S1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1374:Yes)、第1特定入賞口64aの開閉動作の設定や、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作の設定を行うために大当たり動作設定処理4を実行し(S1375)、本処理を終了する。大当たり動作設定処理4(S1375)の詳細については、図91を参照して後述する。
一方、S1374の処理において新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(S1374:No)、次いで、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであるか否かを判別する(S1376)。
S1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングであると判別された場合は(S1376:Yes)、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの状態を切り替えて(S1377)、本処理を終了する。
一方、S1376の処理において、確変ソレノイド(流路ソレノイド)65kの切替動作のタイミングでないと判別された場合は(S1376:No)、次いで、エンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(S1378)。
S1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合は(S1378:Yes)、エンディング処理4を実行して(S1379)、本処理を終了する。エンディング処理4の詳細については、図93を参照して後述する。
S1378の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合は(S1378:No)、入賞処理4を実行し(S1380)、異常処理4を実行して(S1381)、本処理を終了する。なお、入賞処理4、および異常処理4では、それぞれ第2実施形態における入賞処理(図56参照)、および異常処理(図57参照)と同一の処理が実行される。内容については第2実施形態の説明に手上述した通りであるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図91のフローチャートを参照して、大当たり動作設定処理4(図90のS1375)の詳細について説明する。大当たり動作設定処理4(S1375)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(S4001)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの切替動作をS4001で読み込んだデータに基づいて設定する(S4002)。そして、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS4001の処理で読み込んだデータにより設定する(S4003)。その後、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
次に、図93を参照して、エンディング処理4(図90のS1379)の詳細について説明する。図93は、このエンディング処理4(S1379)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理4(S1379)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(S4101)。次いで、大当たりフラグ203iをオフに設定し(S4102)、確変設定フラグ203sはオンであるか判別する(S4103)。S4103の処理において確変設定フラグ203sがオンであると判別されると(S4103:Yes)、確変カウンタ203gを100に設定する(S4104)。図示は省略したが、確変カウンタ203gが100に設定されることに基づいて、確変設定フラグ203sはオフに設定されるように構成されている。その後、このS4105の処理へ移行する。
一方、S4103の処理において、確変設定フラグ203sがオンでないと判別されると(S4103:No)、S4104の処理をスキップしてS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では、実行されていた大当たり遊技が大当たりA、C、E、Gのいずれかに基づく大当たり遊技であったか否かを判別する(S4105)。S4105の処理において大当たりA、C、E、Gのいずれかであったと判別された場合は(S4105:Yes)、時短識別フラグ203xに0を設定して(S4106)、S4108の処理へ移行する。
一方、S4105の処理において、大当たりA、C、E、Gのいずれでもなかったと判別された場合は(S4105:No)、時短識別フラグ203xに1を設定して(S4107)、S4108の処理へ移行する。
S4106またはS4107の処理により、時短識別フラグ203xが0または1に設定されることで、普通図柄変動処理4(図88参照)において設定される電動役物の開放パターンが切り替わることになる。
S4106またはS4107の処理を終えると、時短中カウンタ203uの値に100を設定して(S4108)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、時短状態(確変遊技状態または時短遊技状態)が付与される場合に、大当たり種別により設定される時短状態の種別が異なるように設定される。これにより、その大当たり遊技の後に実行される時短状態では、振分入賞装置700に遊技球が入球した場合に、第1作動口704に入球するか、第2作動口707に入球するかを切り替えることができ、右第1入球口64a2に遊技球を入球させるか、右第2入球口64bに遊技球を入球させるかを大当たり種別により切り替えて設定できるようになる。よって、時短状態で、第1特別図柄で抽選が実行されるか、第2特別図柄で抽選が実行されるかを切り替えることができ、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選で遊技者に付与される有利さを異ならせて設定しておくことで、大当たり種別により遊技者に与えられる特典の大小を可変できる。なお、本実施形態では、大当たり遊技におけるラウンド数を第1特別図柄と第2特別図柄とで可変させたが、確変割合や、大当たり判定の確率、時短回数、変動時間等を第1特別図柄と第2特別図柄とで変えて設定することで、特典が異なるように設定してもよい。また、本実施形態のような構成とすることで、同じ大当たり確率の確変遊技状態であっても、付与される時短状態の種別によって、時短中(確変中)に変動する特別図柄の種別を切り替えることができ、確変遊技状態における遊技者が受けることができる恩恵を可変できる。よって、複数の付与される特典が異なる確変遊技状態を設定することができる。また、本実施形態では、確変スイッチ65e3に案内される大当たりの種別を第2特別図柄の当たり種別の方が第1特別図柄よりも多く設定したので、複数の確変割合を設定することができる。よって、時短状態により、確変割合を変えることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を提供できる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図93を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理を説明する。図93は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図29参照)に代えて、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28参照)の中で実行されるコマンド判定処理4(S1671)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理4(S1671)は、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
この第4実施形態のコマンド判定処理4(図93参照)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図29参照)におけるS1713〜S1718の各処理が削除されている点が相違するのみである。その他の処理については、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図29参照)と同一の処理が実行されるので、その詳細については省略する。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合とで有利度合いを異ならせ、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者にとって有利になるように構成している。また、本実施形態では、大当たり終了後に付与される時短状態として、時短状態1、および時短状態2の2種類の時短状態を設ける構成としている。時短状態1は、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第1入球口64a2へと球が入球し易くなる)時短状態であり、時短状態2は、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第2入球口64bへと球が入球し易くなる)時短状態である。より詳述すると、時短状態1では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第1作動口704へと入球し易い(第1作動役物645aが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態1において右打ちを行うことにより、右第1入球口64a1へと球が入球し易くなるので、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる。一方、時短状態2では、当たりとなった場合に振分入賞装置700の内部における第2作動口707へと入球し易い(第2作動役物645bが開放され易い)タイミングで電動役物701が開放される。よって、時短状態2において右打ちを行うことにより、右第2入球口64bへと球が入球し易くなるので、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。
また、本実施形態では、可変入賞装置65の内部に確変スイッチ65e3を設ける構成とし、内部の流路を可変させることにより大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能(容易)な大当たり種別と、確変スイッチ65e3を球が通過不可能(困難)な大当たり種別とを設けている。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるかによって、確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり種別の割合を可変させることにより、特別図柄の確変状態へと移行する割合を可変させる構成としている。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、第1特別図柄の抽選で大当たりになる場合に比較して確変状態に移行し易くなる構成としている。このように構成することで、遊技者に対して第2特別図柄の抽選を実行させたいと思わせることができるので、振分入賞装置700へと入球した球が何れの作動口(第1作動口704、または第2作動口707のいずれか)へ入球するかについてより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
また、本実施形態では、時短状態と同様に、確変状態にも有利度合いが異なる2種類の状態が設けられている。即ち、第1特別図柄の抽選が実行され易い確変状態1と、第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態2とが設けられている。確変状態へと移行する割合が、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに応じて異なる上に、付与される確変状態にも有利度合いが異なる複数の確変状態が設けられているので、よりよい状態を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第5実施形態>
次に、図94〜図101、および図133を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、遊技盤13の右下領域に第1可変入賞装置65を設け、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3を球が通過することで大当たり終了後に確変状態を付与するように構成されていた。
これに対して、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、第1可変入賞装置65を削除した点で相違する。なお、第4実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図133を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技性について説明をする。本第5実施形態におけるパチンコ機10は、通常の遊技状態では第1入球口64a1を狙う遊技(以下、通常遊技と称す)が実行される。第1入球口64a1への球の入球に基づいて実行される抽選(特図1抽選)の結果、大当たりに当選した場合には第2可変入賞装置65が開放される大当たり遊技が実行されるとともに、当選した大当たりの種別に応じて大当たり遊技終了後に特図抽選により大当たりとなる確率が高確率となり、さらに、特図の抽選が受けやすくなる確率変動遊技状態(以下、確変状態)または、大当たりとなる確率は変わらないが、特図の抽選が受けやすくなる時短遊技状態(以下、時短状態)が付与される。
ここで、本第5実施形態のパチンコ機10における確変状態について説明をする。詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は確変状態中に実質的に特図1の抽選が実行される確変状態1と、実質的に特図2の抽選が実行される確変状態2とが設けられている。また、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、特図2の抽選に基づく大当たりのほうが遊技者にとって有利となる(1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、または、大当たり遊技終了後に1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い大当たりに当選しやすい遊技状態に移行しやすい)ように設定されている。
つまり、本パチンコ機10は、遊技者に対して通常遊技よりも有利となる確変状態に確変状態1と、確変状態1よりもさらに有利となる確変状態2とを設けている。これにより、例えば、通常遊技から確変状態へと移行する割合を高くし(確変状態1へ突入しやすくし)、遊技者に通常遊技よりも大当たりしやすい遊技状態(確変状態)を体験させやすくすることで、大当たり遊技中の演出や確変状態中に第3図柄表示装置81にて実行される演出を体験させやすくし遊技を楽しませることを可能としたり、確変状態2へと移行する割合を低くし、確変状態2へと移行した遊技者に優越感を提供させることを可能としたりすることが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本パチンコ機10では時短状態においても上述した確変状態と同様に、時短状態1と時短状態2とを設定可能に構成されており、時短状態1および時短状態2の何れも通常遊技よりも特図抽選を受けやすい遊技状態(特図抽選が実行される入球口に球が入球しやすく、さらに、特図抽選における特図の変動時間として通常遊技状態よりも短い変動時間が設定されやすい遊技状態)が設定されている。さらに、時短状態1は実質的に特図1の抽選が実行され、時短状態2は実質的に特図2の抽選が実行されるように構成されており、時短状態1よりも、時短状態2のほうが遊技者に有利な遊技状態として設定されている。
なお、確変状態として確変状態1および確変状態2を設定し、時短状態として時短状態1および時短状態2を設定する構成については詳細な説明は後述する。
図133に戻って説明を続ける。大当たり遊技終了後に遊技状態が確変状態または時短状態へと移行した場合には、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行される。右打ち遊技が実行されると遊技盤13の右側領域へと発射された球が返しゴム69に衝突し、スルーゲート(普通入球口)67またはスルーゲート(普通入球口)67の近傍に植設された釘の間を通過し、振分入賞装置700に向けて流下する。振分入賞装置700に電動役物710が設けられており、電動役物710が開状態になると球が振分入賞装置700に入球可能となるように構成されている。この電動役物710は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに基づいて実行される普通図柄の抽選(普図抽選)の結果が当たりとなる場合に開状態となる。なお、電動役物710には複数の開放パターンが設けられており、球が振分入賞装置700に入球するタイミングが異なるように構成されている。
なお、詳細な説明は上述した第4実施形態の図81と同様であるため省略するが、振分入賞装置700内の構成について説明する。振分入賞装置700に設けられた電動役物710が開状態になると振分入賞装置700に球が入球可能となり、振分入賞装置700に入球した球は、切換弁702上に落下する(振分入賞装置700を入球した球が切換弁702に到達するまでの時間が約0.4秒)。この切換弁702は、普図抽選の結果、当たり(普図当たり)に当選したことに基づいて予め定められた動作が実行されるように構成されており、切換弁702の動作位置によって第1流路703又は第2流路706の何れかが球が流下可能な流路として連通するように構成される。なお、図82を参照して上述したが、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)、第2流路706が連通するように切換弁702が動作し、その他の期間は第1流路703が連通するように動作される。
第1流路703の最下流位置には第1作動口704が設けられており、一方、第2流路706の最下流位置には第2作動口707が設けられており、各流路を流下した球は何れかの作動口へと入球する。ここで、図133に戻り、第1作動口704および第2作動口707について説明をする。
図133に示すように、第1作動口704は遊技盤13の右側領域下方に設けられる第1作動役物645aと第1作動機構705で連結されており、第1作動口704に入球した球が図示しない第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片を押下することで、第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片が押し上げられ第1作動役物645aに当接し第1作動役物645aが開状態となるように構成されている。
そして、第1作動機構705の作動により第1作動役物645aが開状態となることで右第1入球口64a2が入球可能な状態となる。この右第1入球口64a2に球が入球すると、第1入球口64a1と同様に特図1の抽選が実行されるとともに、入球した球が第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片を押下することで、第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片が押し上げられ、第1作動役物645aが閉状態となる。
このように、電気的な構成を用いること無く球の動きによって役物を開状態または閉状態へと可変させる機構は、非電動役物と呼ばれる公知な技術である。本実施形態ではこの非電動役物の構成について詳細な説明を省略したが、既に開示されている技術であれば適宜採用すればよい。
一方、振分入賞装置700内の第2流路706を流下し第2作動口707に入球した球は、上述した非電動役物の構成と同様に第2作動機構708の作動により、第2作動役物645bを開状態とする。第2作動役物645bが開状態となることで入球可能となる右第2入球口64bに球が入球することにより、特図1よりも有利に設定された特図2の抽選が実行される。なお、第2作動口707、第2作動機構708および第2作動役物645bとから構成される非電動役物の構成については、上述した第1作動口704、第1作動機構705および第1作動役物645aとから構成される非電動役物の構成と同一であるため詳細な説明は省略する。
なお、上述した切換弁702が所定期間、つまり、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)のみ、第2流路706が連通するようにし、それ以外の期間(普図当たりに当選していない期間も含む)において第1流路703が連通するように動作されるのは、第2流路706を流下することにより開放する第2作動役物645bに球が入球することで遊技者に有利な特図抽選(特図2抽選)が実行されるため、不正な遊技によって特図2抽選が実行されることを防ぐためである。
図133に戻り、遊技盤13の右側領域の構成についての説明を続ける。振分入賞装置700に入球した球により右第1入球口64a2または右第2入球口64bが入球可能な状態となると、振分入賞装置700に入球せずに遊技盤13の右側領域を流下した球が複数の釘によって誘導され入球可能状態である何れかの入球口へと入球する。
このように、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態または時短状態)においては、通常遊技状態に比べて特図抽選(特図1抽選または特図2抽選)が実行されやすい状態となっている。
振分入賞装置700内には入球した球を第1流路703または第2流路706へと振り分けるための切換弁702が設けられている。この切換弁702は普図当たりに当選した後、1.5秒経過してから3秒間第2流路が連通する位置へと動作されるよう構成されている。この切換弁702の動作制御は、電動役物710の開放パターンとして何れの開放パターンが設定されていたとしても、一定の動作が行われる。
次に、電役開放パターン毎に振分入賞装置700に入球する球の流れについて説明をする。まず、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される場合は、振分入賞装置700に球が入球可能な期間が当たり遊技開始からの1秒間となる。この間に入球した球は、上述したように0.4秒経過後に切換弁702へと到達する。球が切換弁702に到達したタイミングでは切換弁は第1流路1644が連通する状態に位置しているため、球は第1流路1644へと誘導される。このように電動役物701の開放パターンとして開放パターンAが設定されている間は、振分入賞装置700に入球した球が第1流路703へ誘導され、第1作動口704に入球することに作用して右第1入球口64a2へ球が入球可能な状態となる。つまり、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAが設定される場合は、時短状態または確変状態において特図1が実質的に変動する遊技状態(時短状態1、確変状態1)が設定されることとなる。なお、開放パターンAにおいて、大当たり当選後、1.5秒経過後に0.1秒間の間電動役物701が開放されるが、0.1秒間の開放は球が入球するのに困難な間隔であり殆ど球が入球することが無い。万が一、この期間に球が振分入賞装置700に入球した場合は、後述する開放パターンBと同じタイミングで球が振分入賞装置700に入球することになる。
次に、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される場合は、振分入賞装置700に球が入球可能な期間が当たり遊技開始から1.5秒が経過してからの1秒間となる。この間に入球した球は、上述したように0.4秒経過後に切換弁702へと到達する。球が切換弁702に到達したタイミングでは切換弁は第2流路706が連通する状態に位置しているため、球は第2流路706へと誘導される。このように、電動役物701の開放パターンとして開放パターンBが設定されている間は、振分入賞装置700に入球した球が第2流路706へ誘導され、第2作動口707に入球することに作用して右第2入球口64bへ球が入球可能な状態となる。つまり、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンBが設定される場合は、時短状態または確変状態において特図2が実質的に変動する遊技状態(時短状態2、確変状態2)が設定されることとなる。なお、開放パターンBにおいて、大当たり当選後、0.1秒間の間電動役物701が開放されるが、0.1秒間の開放は球が入球するのに困難な間隔であり殆ど球が入球することが無い。万が一、この期間に球が振分入賞装置700に入球した場合は、上述した開放パターンAと同じタイミングで球が振分入賞装置700に入球することになるため、その説明は省略する。
さらに、本第4実施形態では切換弁702の動作制御として、開放パターンAで入球した球が確実に第1流路703へ誘導されるように、開放パターンBで入球した球が確実に第2流路706へ誘導されるように、電動役物701の動作に対して所定期間以上(0.5秒以上)遅らせたタイミングで動作が実行されるよう構成されている。これにより、振分入賞装置700に入球した球を所望の流路へ誘導させることが可能になるとともに、切換弁702が状態を可変させるために行う動作中に球が振分入賞装置700から流下してくることを防ぐことができる。
また、本第4実施形態では、普図の変動時間が短縮されている状態(時短状態、確変状態)において、普図の変動時間が3秒となるように設定されている。よって、電役開放パターンとして開放パターンBが設定されている状態において、振分入賞装置700に入球した球を確実に第2流路へと誘導するために切換弁702を普図当たり開始から1.5秒経過後から3秒間第2流路が連通する状態に位置させたとしても、次の普図変動後に再度普図当たり遊技が実行されるまでに第1流路が連通する状態に位置させることができるため、複数回の普図当たり遊技を跨いで振分入賞装置700に入球した球が意図しない流路へと誘導される事態を防ぐことができる。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、大当たり種別に基づいて電役(電動役物)の開放パターンを設定可能に構成し、設定された電役(電動役物)の開放パターンに基づいて特図1が実質的に変動する遊技状態と特図2が実質的に変動する遊技状態とを設定することができる。さらに、特図1抽選にて大当たりに当選した場合よりも、特図2抽選にて大当たりに当選した場合のほうが遊技者に有利な特典(大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、実質的に特図2の抽選が実行される遊技状態へと移行する割合が高い)が付与されるように設定されている。
これにより、時短状態や確変状態をさらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態2、確変状態2)と、有利な遊技状態よりも不利ではあるが通常遊技の状態よりは遊技者に有利な遊技状態である遊技状態(時短状態1、確変状態1)とを設けることが可能となる。従って、パチンコ機10にて実行される遊技に多彩な遊技状態を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
具体的には、通常遊技の状態から時短状態1や確変状態1へと移行する移行割合を高く設定することで、時短状態や確変状態にて実行される演出を遊技者が容易に見ることができるようにしたり、最も遊技者に有利な遊技状態となる確変状態2へと移行する移行割合を低く設定することで、確変状態2へと移行した遊技者に対して優越感を与えるようにしたりすることで遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本第5実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAと開放パターンBの2種類を設定可能に構成しているが、これに限ること無く開放パターンの種類を3種類以上設定可能に構成してもよい。これにより、より多彩な遊技状態を設定することが可能となる。
また、本第4実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定しているが、例えば、第1流路703または第2流路706の何れかに球が誘導されるタイミングで電動役物701が開放する開放パターンを設けても良い。これにより、遊技者は電動役物701に入球した球が何れの流路(第1流路703または第2流路706)に誘導させるのかを楽しむことが可能となり、遊技の興趣を更に向上させることが可能となる。
さらに、本第5実施形態では振分入賞装置700に入球した球が何れかの作動口(第1作動口704または第2作動口707)に入球するように構成されているが、例えば、振分入賞装置700から再度遊技盤13へと排出される流路を設けたり、各作動口へ入球することなく遊技盤13の裏面に設けた排出口(図示せず)に連通するアウト口へ入球する流路を設けたりしてもよい。このように構成することにより、振分入賞装置700内での球の流れに対して遊技者に興味を持たせることが可能となり、より遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、切換弁702は、当たり遊技が実行されてから予め定められた一定の動作が行われるように構成しているが、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから常に一定の動作が行われるように構成してもよいし、振分入賞装置700内に入球した球数が所定個数(例えば10個)に到達することで連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
本第5実施形態では切換弁702を電気的駆動源(図示しないモータ)によって動作制御しているが、例えば、切換部材である切換弁702を球が当接することにより作動し、所定条件(例えば、10球通過)を満たした場合に連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
さらに、本第5実施形態では切換弁702によって何れかの流路に誘導された球は流路を流下して何れかの作動口へと入球するよう構成されているが、例えば、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球を複数の流路に振り分ける振り分け部材を設け、その振り分け部材によって特定の流路に振り分けられた球が対応する作動口へと入球するように構成してもよい。
加えて、本第5実施形態では振分入賞装置700に入球した球が一定の時間(本実施形態では0.4秒)で切換弁702へと到達するように構成されているが、例えば振分入賞装置700に入球した球が切換弁702へと到達する時間を可変させる(延長させる)手段として、振分入賞装置700に入球した球が切換弁702に到達するまでの期間を異ならせた経路を複数設け、振分入賞装置700に入球した球を何れかの経路に振り分ける振分手段を設けてもよい。これにより、振分入賞装置700に入球した球がどのタイミングで切換弁702に到達するのかを予想しながら遊技を行うことが可能となる遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、図94を参照して、本第5実施形態における遊技状態の移行について説明をする。図94は第4実施形態における遊技状態の移行を示す模式図である。図95に示すように本パチンコ機10は、通常遊技状態と確変状態1(不利確変)と確変状態2(有利確変)と時短状態1(不利時短)と時短状態2(有利時短)とを当選した大当り種別に基づいて移行させるよう構成されている。
まず、通常遊技状態では特図1の変動が実行される遊技が行われ、大当たりに当選すると50%が確変状態1に移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。
次に、確変状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。確変状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1をループし、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1に移行し、5%が時短状態2に移行する。このように、確変状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される点では異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
確変状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。確変状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2をループし、15%が時短状態2に移行し、5%が時短状態1に移行する。このように、確変状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たり確率が通常遊技状態よりも高く設定される遊技状態であるため、最も遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、時短状態1では電役開放パターンとして開放パターンAが設定されることから、特図1の変動が実行される遊技が行われる(特図1実質変動)。時短状態1において、大当たりに当選すると50%で確変状態1へ移行し、30%が確変状態2に移行し、15%が時短状態1をループし、5%が時短状態2に移行する。このように、時短状態1は通常遊技状態と同じく特図1が実質的に変動する遊技状態であるため、特図および普図の変動時間が短縮され、普図当たり時の電動役物701の開放パターンが通常遊技状態に対して異なるが、大当たり当選後の遊技状態の移行先およびその振分は同一である。
時短状態2では電役開放パターンとして開放パターンBが設定されることから、特図2の変動が実行される遊技が行われる(特図2実質変動)。時短状態2において、大当たりに当選すると80%で確変状態2へ移行し、15%が時短状態2をループし、5%が時短状態1に移行する。このように、時短状態2は特図2が実質的に変動する遊技状態であり、且つ、大当たりに当選した場合に遊技者に最も有利となる確変状態2へと移行する確率が通常遊技状態の2.5倍以上に設定される遊技状態である(所謂、引き戻しゾーン)。このような遊技状態を設けることで、遊技者に対して通常の遊技状態よりも最も有利な遊技状態(確変状態2)に移行する可能性を高くし、意欲的に遊技を行わせることを可能とすることができるという効果がある。
なお、本第5実施形態にて設定した各遊技状態における大当たり後の遊技状態移行先および移行振分率については、これに限ること無く適宜設定すればよい。例えば、通常遊技状態から移行する時短状態を、時短状態2のみとしてもよい。これにより、通常遊技状態で大当たりに当選したにも関わらず確変状態に移行できなかった遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、本第5実施形態では、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、本実施形態では確変状態が次回大当たりまで継続し、時短状態として遊技状態に関わらず10回の時短が付与される構成にしているが、例えば、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
<第5実施形態の電気的構成について>
次に図95から図98を参照して本第5実施形態における電気的構成について説明する。まず、図95を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図95は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図95に示した通り、本第5実施形態では、第1実施形態に対して、役物用モータ270が削除されている点で相違する。
まず、図96を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。RAM203は、図96に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、大当たりフラグ203iと、確変フラグ203rと、時短中カウンタ203rと、電役開放パターン格納エリア203yと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、大当たりフラグ203i、確変フラグ203r、およびその他メモリエリア203zについては、第1実施形態と同一なので、その詳細な説明については省略する。また、時短中カウンタ203rについても、第2実施形態や第4実施形態のRAM203に設けられていたものと同一であるため、その詳細な説明については省略する。
電役開放パターン格納エリア203yは、電役開放パターンテーブル202deに記憶されている電役開放パターンを格納するための領域である。この電役開放パターン格納エリア203yに格納されている電役開放パターンに基づいて、電動役物701が可動される。
次に、図97を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられたROM202について説明する。このROM202には、図97に示すように、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、電役開放パターンテーブル202deが少なくとも設けられている。なお、第1当たり種別選択テーブル202bと、電役開放パターンテーブル202de以外の各テーブルについては上記各実施形態と同一であるので、詳細な説明は省略する。電役開放パターンテーブル202deは、図示については省略したが、電動役物701を可動するための動作パターン(電役開放パターン)が記憶されている記憶領域である。
次に、図98を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bを構成する特図1用種別選択テーブル202b1と、特図2用種別選択テーブル202b2とについて説明する。図98(b)は、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に参照される特図1用種別選択テーブル202b1の詳細を示した図である。
図98(a)に示した通り、本実施形態の特図1用種別選択テーブル202b1では、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けられている。この「大当たりA」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に確変状態が付与され、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けられている。この「大当たりB」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に確変状態が付与され、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜94」の範囲には、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けられている。この「大当たりC」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に10回の時短状態のみが付与され、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「95〜99」の範囲には、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けられている。この「大当たりD」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に10回の時短状態のみが付与され、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される大当たりである。
次に、図98(b)を参照して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に参照される特図2用種別選択テーブル202b2について説明する。図98(b)に示した通り、本実施形態の特図2用種別選択テーブル202b2では、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜74」の範囲には、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けられている。この「大当たりE」は、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり後に確変状態が付与され、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜79」の範囲には、大当たり種別として「大当たりF」が対応付けられている。この「大当たりF」は、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり後に確変状態が付与され、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜84」の範囲には、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けられている。第2特別図柄の抽選で「大当たりC」になると、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に7回の時短状態のみが付与され、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される。第1当たり種別カウンタC2の値が「95〜99」の範囲には、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けられている。第2特別図柄の抽選で「大当たりD」になると、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり後に7回の時短状態のみが付与され、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される大当たりである。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図99から図100のフローチャートを参照して、本第5実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。
まず、図99を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理5(S164)について説明する。図99は、この特別図柄変動処理5(S164)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理4(S164)は、第4実施形態における特別図柄変動処理4(図86参照)に代えて実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
本第5実施形態における特別図柄変動処理5(S164)は、上述した第4実施形態における特別図柄変動処理4(図86参照)に対して、確変カウンタ203gの減算処理を実行しない点、電役開放パターン格納エリアを設定する点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理5(S164)では、特別図柄変動処理4(図86参照)と同様に、S201からS217の処理を実行する。そして、S217の処理で今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S217:Yes)、大当たりフラグ203iをオンに設定し(S218)、ラウンドカウンタに大当たり種別に対応したラウンド数を設定し(S281)、ラウンド開始フラグをオンに設定する(S282)。そして、大当たりの開始を設定し(S220)、時短中カウンタ203rを0にリセットし(S283)、電役開放パターン格納エリア203yをクリアして(S284)、S222の処理へ移行する。
一方、S217の処理において、今回の抽選結果が外れであると判別した場合には(S217:No)、時短中カウンタ203rの値が0より大きいか否かを判別する(S272)。時短中カウンタ203rの値が0より大きいと判別された場合には(S272:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算して(S213)、S282の処理へ移行する。
S272の処理において、時短中カウンタ203rの値が0であると判別された場合は(S272:No)、電役開放パターン格納エリア203yに電役開放パターンAを格納して(S285)、本処理を終了する。上述したように電役開放パターンAの場合は、振分入賞装置700へ入球した遊技球が第1作動口704へ誘導される場合である。即ち、右第1入球口64a2へ遊技球が入球し、第1特別図柄の抽選が実行される状態となる。
次に、図100を参照して、本第4実施形態における特別図柄2変動開始処理5(図100、S208)について説明する。図100は特別図柄2変動開始処理5(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理5(S208)は、上述した第4実施形態(および第1実施形態)における特別図柄2変動開始処理(図14参照)に対して、遊技状態に対応した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを選択するようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別図柄2変動開始処理5(S208)では、第4実施形態における特別図柄変動開始処理(図14参照)と同様に、S301からS305の処理を実行する。S305の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S305:No)、外れの表示態様を設定して(S308)、現在の遊技状態に対応した変動パターンテーブルに基づいて外れ変動パターンを決定して(S381)、S310の処理へ移行する。
具体的には、遊技状態が通常状態の場合には、外れ用(通常)変動パターンテーブルと変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターンを決定する。一方、遊技状態が確変遊技状態の場合には、外れ用(確変)変動パターンテーブルと変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターンを決定する。なお、遊技状態が時短状態の場合には、時短状態に対応する変動パターンテーブル(図示せず)に基づいて変動パターンを決定する。これにより、遊技状態に応じた変動パターンを設定することができる。
次に、図101を参照して、特別図柄1変動開始処理5(図101、S213)の詳細について説明する。図101は、特別図柄1変動開始処理5(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理5(S213)は、上述した第4実施形態(および第1実施形態)における特別図柄1変動開始処理(図15参照)に対して、遊技状態に対応した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを選択するようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、相違点についても、上述した特別図柄2変動開始処理5(図100参照)と同様の相違点であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図102を参照して、先読み処理5(S513)の詳細について説明する。図102は、先読み処理(S513)を示したフローチャートである。この先読み処理5(図102参照)のうち、S601、およいS672の各処理では、それぞれ第4実施形態における先読み処理4(図87参照)と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態の先読み処理5(図102参照)では、S672が終了すると、抽選結果に基づいて入賞情報コマンドを設定して(S681)、本処理を終了する。
本実施形態では、低確率時(通常遊技状態)の大当たり判定値(「0」)は、高確率時(確変遊技状態)の大当たり判定値(「0〜9」)に含まれている。よって、通常遊技状態において抽選結果の先読みを行い、その後確変遊技状態に移行したとしても、抽選結果が変化してしまうという不具合を抑制(防止)できる。
次に、図103を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理5(S106)について説明する。図103は、この普通図柄変動処理5(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理5(S106)は、第4実施形態における普通図柄変動処理4(図88参照)に代えて実行される処理であり、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、通過口701aに付随する電動役物701の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理5(図103参照)のうち、S701〜S713、およびS718〜S725の各処理では、それぞれ第4実施形態における普通図柄変動処理4(図88参照)のS701〜S713、およびS718〜S725の各処理と同一の処理が実行される。
また、普通図柄変動処理5(図103参照)では、S713の処理が終了すると、次いで、電役開放パターン格納エリア203yに格納されている開放パターンに基づいて、電動役物701の開放パターンを設定し(S781)、処理をS719へと移行する。また、本第5実施形態の普通図柄変動処理5(図103参照)では、S725の処理が終了すると、切換弁の動作を設定して、本処理を終了する(S782)。
次に、図104のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理5(S1105)を説明する。図104は、この大当たり制御処理5(S1105)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理5(S1105)は、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口65aを、開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理5では、まず、大当たりフラグ203iがオンであるか否かを判定する(S1301)。S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオフであると判別された場合は(S1301:No)、大当たりの制御を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、大当たりフラグ203iがオンであると判別された場合には(S1301:Yes)、次いで、ラウンド開始フラグがオンであるか判別し(S1381)、オンであれば、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1382)、ラウンド開始フラグをオフに設定し(S1383)、新たに開始するラウンドを示すラウンド数コマンドを設定して(S1384)、本処理を終了する。
一方S1381の処理でラウンド開始フラグがオフであると判別した場合は(S1381:No)、大開放口の閉鎖条件が成立したか判別し(S1385)、成立していれば(S1385:Yes)、大開放口を閉鎖し(S1386)、ラウンドカウンタを1減算して(S1387)、本処理を終了する。
一方、大開放口の閉鎖条件が成立していない場合は(S1385:No)、ラウンドカウンタの値が0かを判別し(S1388)、0であれば(S1388:No)、ラウンド開始フラグをオンに設定して(S1389)、本処理を終了する。
一方、S1388の処理において、ラウンドカウンタの値が0でないと判別した場合は(S1388)、大当たりフラグ203iをオフに設定し(S1390)、今回の大当たり種別に対応する電役開放パターンを電役開放パターンテーブル202deから読み出して電役開放パターン格納エリア203yに格納する(S1391)。次いで、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別して(S1392)、確変大当たりであれば(S1392:Yes)、確変フラグ203rをオンに設定して(S1393)、本処理を終了する。これに対し、S1392の処理において通常大当たりであると判別した場合は(S1392:No)、確変フラグ203rをオフに設定して(S1394)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように本第5実施形態では、普図抽選により当たりに当選した場合に入球可能となる振分入賞装置700に入球した球が切換弁702により第1流路703または第2流路706の何れかに振り分けられ、第1作動口704または第2作動口707の何れかに入球する。各作動口(704,707)に球が入球することにより、対応する作動役物(645a,645b)が開状態となる。第1作動役物645aが開状態となることで右第1入球口64a2が入球可能となり、第2作動役物645bが開状態となることで右第2入球口64bが入球可能となる。
そして、特図抽選により大当たりに当選した場合における大当たり種別によって、振分入賞装置700のスライド部材(電役)710の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定している。即ち、大当たり種別に基づいて設定された電役(電動役物)の開放パターンに基づいて特図1が実質的に変動する遊技状態と特図2が実質的に変動する遊技状態とを設定することができる。さらに、特図1抽選にて大当たりに当選した場合よりも、特図2抽選にて大当たりに当選した場合のほうが遊技者に有利な特典(大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、実質的に特図2の抽選が実行される遊技状態へと移行する割合が高い)が付与されるように設定されている。
これにより、時短状態や確変状態をさらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態2、確変状態2)と、有利な遊技状態よりも不利ではあるが通常遊技の状態よりは遊技者に有利な遊技状態である遊技状態(時短状態1、確変状態1)とを設けることが可能となる。従って、パチンコ機10にて実行される遊技に多彩な遊技状態を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
なお、本第5実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAと開放パターンBの2種類を設定可能に構成しているが、これに限ること無く開放パターンの種類を3種類以上設定可能に構成してもよい。これにより、より多彩な遊技状態を設定することが可能となる。
また、本第5実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定しているが、例えば、第1流路703または第2流路706の何れかに球が誘導されるタイミングで電動役物701が開放する開放パターンを設けても良い。これにより、遊技者は電動役物701に入球した球が何れの流路(第1流路703または第2流路706)に誘導させるのかを楽しむことが可能となり、遊技の興趣を更に向上させることが可能となる。
<第6実施形態>
次に図105から図116を参照して第6実施形態について説明をする。この第6実施形態では、上述した第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13と同一の構成を用いている。上述した第4実施形態では、大当たりとなった場合に第2可変入賞装置650に設けられている特定入賞口650aへ遊技球が入球することで、多量の遊技価値が付与される(1球の入賞につき15球の払い出し)が行われ、その大当たり期間中の一部の期間において開放される可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3を球が通過することで確変遊技状態が付与されるパチンコ機10について説明した。
これに対し、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選結果として大当たりとは別に小当たりを設け、小当たりとなった場合に可変入賞装置65に設けられている特定入賞口65aの開閉扉65f1が開閉されるように構成した。また、可変入賞装置65aとは異なる特定入賞口650aを設け、大当たりとなった場合には特定入賞口650aが開閉されるように構成した。以下、小当たりとなった場合に遊技球が入球可能となる可変入賞装置65を第1可変入賞装置65と呼び、その第1可変入賞装置65に設けられている特定入賞口65aを第1特定入賞口65aと呼ぶこととする。また、大当たりとなった場合に遊技球が入球可能となる可変入賞装置650を第2可変入賞装置650と呼び、その第2可変入賞装置650に設けられている特定入賞口650を第2特定入賞口650と呼ぶこととする。
また、第4実施形態におけるパチンコ機10では、特定入賞口65aへ入球した遊技球が、可変入賞装置65内の確変スイッチ65e3を通過することで、確変遊技状態が付与される。
これに対し、本第6実施形態では、可変入賞装置65内の確変スイッチ65e3を大当たりスイッチ65e3と呼ぶこととし、大当たりスイッチ65e3を遊技球が通過したことに基づいて、大当たりが付与されるように構成した。
これにより、小当たりとなった場合には、可変入賞装置65内へ遊技球が入球可能となり、大当たりスイッチ65e3を遊技球が通過すると大当たりが付与される遊技機となっている。よって、小当たりとなった場合でも、その後、大当たりが付与される可能性があるため、遊技者の興趣を向上できる。
次に、本第6実施形態における特徴的な遊技性について説明をする。本第6実施形態のパチンコ機10では大当たり遊技が実行される契機が2種類設けられており、1つは、特別図柄の抽選によって大当たりに当選することで実行される大当たりであり、もう1つは、特別図柄の抽選の結果が小当たりとなり、その小当たり遊技中に第1可変入賞装置65内に設けられた大当たりスイッチ65e3を球が通過することで実行される大当たりである。
このように、特別図柄の抽選結果、および、特定期間(小当たり期間)内での特定領域(大当たりスイッチ65e3)の球通過といった2種類の契機で大当たり遊技が実行される遊技性を備えたパチンコ機10は1種2種混合機と呼ばれている。
なお、本第6実施形態のパチンコ機10には特別図柄の大当たり確率または普通図柄の当たり確率が通常よりも高確率となる遊技状態(所謂、確率変動状態(以下、確変状態と称す))を有しておらず、大当たり遊技終了後は、特図、普図の変動時間が短縮され、更に、普図抽選の結果大当たりに当選した場合に動作制御される電動役物(電役)701の開放パターンが変更される時短遊技状態(以下、時短状態と称す)が付与される。
このように構成された1種2種混合機では、例えば、特図1と特図2とで大当たり確率を変えずに、小当たりとなる確率が特図2の方が高くなるように設定し、時短状態中に特図2の抽選が行われやすくすることで、時短状態中の大当たり確率を通常遊技中に比べて高く設定することが可能となる。さらに、時短状態中の電動役物(電役)701の開放パターンを通常遊技中に比べて振分入賞装置700に入球しやすい開放パターンとすることで、より一層、大当たり遊技が実行される確率を高くすることが可能となる。
また、特図1と特図2とで、小当たりに当選した場合の特定扉65f1の開放パターンを変更(予め定められた開放パターンのうち、有利な開放パターンが選択される割合を特図2の小当たりのほうが特図1の小当たりよりも高く設定する)ことで、より一層、通常遊技状態よりも時短状態における大当たり遊技が実行される確率を高く設定することが可能となる。
大当たり終了後に付与される時短状態には、上述した第4実施形態と同様に、実質的に特図1の変動が実行される第1時短状態と、実質的に特図2の変動が実行される第2時短状態とが大当たり時の大当たり種別に対応して設定される。なお、詳細な説明については図106(b)を参照して後述する。
本第6実施形態のパチンコ機10では、詳細は図106(b)を参照して説明するが、特図1よりも特図2の抽選によって当選した大当たり遊技のほうが遊技者にとって有利となる大当たり遊技(大当たり遊技中に遊技者が獲得できる球数が多い大当たり遊技)が実行されるように構成されている。これにより、通常遊技状態よりも有利な時短状態の中に更に有利な状態(第2時短状態)と、不利な状態(第1時短状態)とを設定することが可能となる。
このように構成することで、遊技状態の中に遊技者に対する有利度合い応じた複数段階の遊技状態(通常遊技状態、第1時短状態、第2時短状態)を設定することが可能となり、遊技者が早期に飽きてしまうことを防止することが可能な遊技機を提供することが可能となる。
なお、振分入賞装置700内の構造および第1作動役物645a、第2作動役物645bが動作する機構については、上述した第4実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
以上、本第6実施形態のパチンコ機10の盤面構成について説明をしたが、可変入賞装置65内の大当たりスイッチ65e3を遊技球が通過するか否か(通過し易いか否か)を、特定入賞口65aの開閉扉65f1の開放パターンによって可変させてもよい。
例えば、「小当たりA」が選択された場合は、遊技球が第1可変入賞装置65に入賞しやすい開放パターンとして、第1可変入賞装置65の扉(アタッカ)65fを小当たり遊技中に1.5秒開放させる開放シナリオを設定する。一方、「小当たりB」が選択された場合は、球が第1可変入賞装置65に入賞困難な開放パターンとして、第1可変入賞装置65の扉(アタッカ)65fを小当たり遊技中に0.1秒開放させる動作が3回行われる開放シナリオを設定すればよい。
このように各小当たり種別によって、小当たり遊技中の扉(アタッカ)65fの開放パターンを異ならせることにより、第1可変入賞装置650を開放させる小当たり遊技に遊技者に有利な小当たりと不利な小当たりとを設定することができ、多様な遊技性を提供することができる。
また、上述したように本実施形態では、大当たり遊技後の特典として、大当たり種別に応じて時短遊技状態を付与する構成としているが、大当たり遊技後に付与される特典として別の特典を付与してもよく、例えば、特別図柄の大当たり確率または小当たり確率を通常遊技状態よりも高く設定した高確率状態を所定期間付与してもよい。この場合における所定期間としては、次回の大当たりに当選するまでの期間や、特別図柄が所定回数(例えば10回)変動するまでの期間や、所定確率(例えば1/5)で通常遊技状態へ移行する抽選を行い、その抽選に当選するまでの期間等が考えられる。また、その他の特典として、普通図柄の当たり確率を通常遊技状態より高める特典や、大当たり遊技や小当たり遊技にて実行される各入賞装置の開放パターンを遊技者に有利な開放パターンへと変更する特典等が考えられる。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図105から図119を参照して、本第6実施形態における電気的構成について説明をする。まず図105(a)を参照して、主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図105(a)は、本第6実施形態における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示す模式図である。
第1当たり乱数テーブル202aは、図106(a)に示すように、図柄種別と第1当たり乱数カウンタC1の値に対応して大当たり判定値が規定されている。具体的には図柄種別が特図1の場合は第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」の場合に大当たりと判定され、それ以外の値の場合は外れと判定される。
一方、図柄種別が特図2の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」の場合に大当たりと判定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜399」の場合に小当たりと判定される。このように、特図1には小当たりに判定されることは無く、特図2では外れに判定されることが無い。
次に、図106(b)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bについて説明をする。第1大当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。図106(b)に示すように、第1当たり種別選択テーブル202bは、特図1に対応して大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりBの判定値として「50〜99」が設定されている。また、特図2に対応して大当たりCの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりDの判定値として「50〜99」が設定されている。なお、大当たりCと大当たりDについては、詳細は後述するが、大当たりスイッチ65e3を球が通過することで実行される大当たり遊技の大当たり種別として、小当たり種別を設定される際にも参照される。
ここで、本パチンコ機10では大当たり遊技が開始されると第1可変入賞装置65の開閉65f1が開状態となり、第1特定入賞口65aへ遊技球を入球させることで多量の賞球を獲得する遊技が実行される。また、大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短遊技状態が付与される。
次に、各大当たり種別の内容について説明する。大当たりAが選択された場合、第1可変入賞装置65が4ラウンド(4R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短状態として時短状態1(電役開放パターンAが設定される時短状態)が、特図が100回変動するまで付与される(時短100回)。
大当たりBが選択された場合、第1可変入賞装置65が4ラウンド(4R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短状態として時短状態2(電役開放パターンBが設定される時短状態)が、特図が100回変動するまで付与される(時短100回)。
大当たりCが選択された場合、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短状態として時短状態1(電役開放パターンAが設定される時短状態)が、特図が100回変動するまで付与される(時短100回)。
大当たりDが選択された場合、第1可変入賞装置65が15ラウンド(15R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短状態として時短状態2(電役開放パターンBが設定される時短状態)が、特図が100回変動するまで付与される(時短100回)。
次に、図106(c)を参照して第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。図106(c)に示すように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の場合に当たりと判定される。
電役開放パターンテーブル202eaには、上述した第4実施形態と同様に開放パターンAと開放パターンBとが設定されている。詳細な内容については第4実施形態と同一のためその詳細な説明は省略する。
次に、図106(d)を参照して、第1小当たり種別選択テーブル202ebについて説明する。図106(d)に示すように、第1小当たり種別選択テーブル202ebは、第1当たり種別カウンタ値C2の値と、選択される小当たりとの関係が規定されているテーブルである。
具体的には、第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の場合には、小当たりAが選択される。この小当たりAは、ラウンド数が1回で、アタッカ(第1特定入賞口65a)の開放時間が1.5秒となっており、第1特定入賞口65aへ入球した遊技球が大当たり通過スイッチ65e3を通過することで、大当たりCが付与される小当たりである。
一方、第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の場合には、小当たりBが選択される。この小当たりBは、ラウンド数が1回で、アタッカ(第1特定入賞口65a)の開放時間が1.5秒となっており、第1特定入賞口65aへ入球した遊技球が大当たり通過スイッチ65e3を通過することで、大当たりDが付与される小当たりである。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図107から図116を参照して第6実施形態における主制御装置110の制御処理について、上述した第4実施形態における主制御装置110の制御処理と相違する点を説明する。上述した第4実施形態のパチンコ機10では確変状態を付与可能な処理が実行されるが、本第6実施形態のパチンコ機10は確変状態を有していない点、および、特図の当たり種別として小当たりが追加されている点、小当たりに関する制御が追加された点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理4に代えて特別図柄変動処理6(図107参照)を実行するようにした点、普通図柄変動処理に代えて普通図柄変動処理6(図108参照)を実行するようにした点、メイン処理(図110参照)において大当たり制御処理4に代えて大当たり制御処理6(図111参照)を実行するようにし、小当たり制御処理(図113参照)を追加した点で相違する。その他の構成については、第4実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図107は、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理6の内容を示したフローチャートである。第6実施形態における特別図柄変動処理6は、第4実施形態における特別図柄変動処理4に対して、S291〜S296までの処理が追加された点と、一部処理を削除した点で相違している。その他の処理については、第4実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
特別図柄変動処理6が実行されると、特別図柄変動処理4と同様にS201〜S217の処理を実行する。S217の処理において今回の抽選が大当たりであると判別された場合は(S217:Yes)、オープニングフラグ203vをオンに設定し(S241)、大当たりフラグ203iをオンに設定し(S220)、時短中カウンタ203uを0にリセットして(S292)、S222の処理へ移行する。
一方、S217の処理において今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S217:No)、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別する(S293)。S293の処理において今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S293:Yes)、小当たり設定処理が実行される(S294)。この小当たり設定処理の詳細な説明については、図108を参照して後述する。
S294の処理が終了した場合、又は、S293の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別された場合(S293:No)は、次に特別図柄変動処理4と同様に、S272、S273の処理が実行される。S273の処理を終えると次いで、時短中カウンタ203crの値が0であるかを判別し(S295)、カウンタの値が0であると判別された場合は(S295:Yes)、電役開放パターン格納エリア203eeに開放パターンAを格納し、上述したS282へ移行する。また、S295の処理において、カウンタの値が0ではないと判別された場合はS245の処理をスキップして上述したS282の処理へ移行する。そして、S282に処理を終えると本処理を終了する。
次に、図108を参照して、小当たり設定処理(S294)を説明する。小当たり設定処理が実行されると、まず、第1当たり種別選択テーブルに基づいて小当たり種別を判別し(S4501)、小当たり種別に基づいて開放シナリオを設定し(S4502)する。その後、小当たりフラグ203edをオンに設定し(S4503)、小当たりオープニングフラグ203ecをオンに設定する。そして、小当たり種別に応じてV通過時大当たり種別を設定し(S4505)、本処理を終了する。
次に、図123を参照して、普通図柄変動処理6(S106)を説明する。この普通図柄変動処理6は上述した第4実施形態の普通図柄変動処理3に対して、普通図柄の高確率状態(確変状態)に関する処理を削除した点と、詳細な動作制御の内容を変更した点で相違し、その他の構成については同一である。同一の箇所については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
普通図柄変動処理6(S106)が実行されると、普通図柄変動処理3と同様にS701からS707の処理が実行される。S707の処理を終えると次いで、普通図柄当たり乱数テーブル(第2当たり乱数テーブル)202cに基づいた抽選結果を取得する(S791)。S791の処理において取得した抽選結果を参照して、普通図柄変動処理3と同様にS712〜S715、S717およびS718の処理が実行される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中ではないと判別された場合(S715:No)は、次に電動役物の開放時間および回数を電役開放パターン格納エリア203eeに格納されているテーブルに基づいて設定する(S792)。S792の処理を終えると、次に現在が時短中であるかを判別する(S719)。具体的には、時短中カウンタ203crの値が0よりも大きいかを判別する。S719の処理において現在が時短中であると判別された場合は(S719:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し、本処理を終了する。一方、S719の処理にて、現在が時短中ではないと判別された場合は(S719:No)、普通図柄の変動時間を180秒に設定し(S721)、本処理を終了する。
また、図123の普通図柄変動処理6にて実行されるS702の処理において、現在が普通図柄の変動中であると判別された場合(S702:Yes)は、次いで変動時間が経過したかを判別する(S722)。S722の処理にて変動時間が経過していないと判別された場合(S722:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S722の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S722:Yes)、普通図柄変動処理3と同様にS723〜S725の処理を実行し、切替弁702の動作を設定し(S793)、本処理を終了する。
上述したように、本第6実施形態のパチンコ機10は確変機能を有していないため、普図の当たり確率も変動させることができない。よって、通常遊技状態と時短遊技状態とで普図の変動時間に大きな差を設け(通常遊技状態は180秒で時短状態は3秒)、更に、電動役物701の開放パターンを変更することで、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態を設定可能に構成している。
次に、図124を参照して、本第6実施形態の主制御装置110にて実行されるメイン処理6について説明する。本第6実施形態のメイン処理6は上述した第4実施形態のメイン処理5に対して、大当たり制御処理3の内容を変更した点と、小当たり制御処理(S1191)を追加した点で相違し、その他の構成は同一である。同一の箇所については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
メイン処理6が実行されると、第4実施形態のメイン処理5と同様にS1161〜S1165の処理が実行される。なお、S1165の処理において大当たり制御処理5が実行されるが、その詳細な説明は図125を参照して後述する。
S1165の処理を終えると、次いで、小当たり制御処理が実行される(S1191)。この小当たり制御処理については図112を参照して詳細な説明について後述する。S1191の処理が終了すると、第4実施形態のメイン処理5と同様にS1166〜S1176までの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図125を参照してメイン処理6(図124参照)にて実行される大当たり制御処理5(S1165)について説明をする。大当たり制御処理5(S1165)が実行されると、まず、オープニングフラグ203vがオンであるかを判別する(S1391)。S1391の処理においてオープニングフラグ203vがオンであると判別されると(S1391:Yes)、次いで、オープニングフラグ203vをオフに設定し(S1392)、オープニングコマンドを設定し(S1372)、大当たり種別に対応する開放パターンを設定し(S1393)、本処理を終了する。
一方、S1391の処理において、オープニングフラグがオンではないと判別されると(S1391:No)、大当たりフラグ203ebがオンであるかを判別する(S1301)。S1301にて大当たりフラグがオンでは無いと判別されると(S1301:No)、本処理を終了する。
S1301の処理において、大当たりフラグ203ebがオンであると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、開放動作のタイミングであるかを判別する(S1394)。開放動作のタイミングであると判別した場合には(S1394:Yes)、第2可変入賞装置650を開状態とするために開放ソレノイドをオンに設定し(S1395)、本処理を終了する。
一方、S1394の処理において、開放動作のタイミングでは無いと判別した場合は(S1394:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別し(S1378)、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合は(S1378:Yes)、エンディング処理6を実行する(S1379)。S1378にてエンディング演出の開始タイミングではないと判別した場合(S1378:No)、またはS1379の処理が終了すると、本処理を終了する。
次に、図112を参照して、エンディング処理6について説明をする。このエンディング処理では、図112に示すようにS4101〜S4195の処理が実行され、大当たり終了後に付与される遊技状態(時短状態を付与するか否か)と、電役の開放パターンが設定される。
具体的には、第1当たり種別選択テーブル202bにて各大当たり種別に対応して設定されている規定内容によって判別され、例えば、今回の大当たりが特図1の大当たりAの場合では、時短中カウンタを100に設定し(S4193)、電役開放パターンとしてパターンAが設定される(S4194)。
このように、大当たり種別に対応して設定されている規定内容(時間の有無、電役開放パターン)に基づいて、時短状態および時短状態中の電役開放パターンを設定可能に構成しているため、時短状態中において時短状態1または時短状態2を容易に設定することが可能となる。
次に、図113を参照してメイン処理6(図124参照)にて実行される小当たり制御処理(S1191)について説明する。この小当たり制御処理(S1191)は、小当たりの開始から小当たりの終了までを制御する処理であって、特に、小当たり中に第1可変入賞装置65内の大当たりスイッチ65e3を球が通過することにより付与される大当たり遊技を小当たり遊技終了に付与する制御に特徴がある。
小当たり制御処理(S1191)が実行されると、図113に示すようにS4601〜S4611の処理が実行され、その後、第4実施形態にて実行される異常処理4と同様の処理が実行される。なお、詳細には、図89で示すS1061〜S1670と同一の処理を実行し、S1671の処理に変えて、入賞個数カウンタ203t2、排出個数カウンタ203t8をリセットして本処理を終了する。
上述した小当たり制御処理(S1191)では、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1を所定のタイミング(例えば、小当たりが開始されてから0.2秒後)で開放させる処理(S4605およびS4606)と、開閉扉65f1が開放されてから所定期間経過後(第1可変入賞装置65内に入球した球が流路切替部材65hに到達するのに必要な期間として、例えば、小当たりが開始されてから0.5秒後)に第1可変入賞装置65内に設けられた流路切替部材65hを動作させて流路を切り替えるために流路ソレノイド65kがオンに設定される(S4607〜S4608)。
このように、小当たり中に実行される各種装置(開閉扉65f1、流路切替部材65h)の動作制御を一連の制御で実行することにより、各種装置の動作タイミングに誤差が生じることを抑制し、適正な小当たり遊技を提供することが可能となる。なお、この小当たり制御にて実行される各種動作制御を1つの開放シナリオに規定し、一定周期(例えば、2ミリ秒)でカウントされるカウンタによって開放シナリオを更新し、更新された開放シナリオの内容に基づいて各種動作制御を実行するように構成してもよい。このように構成することで、各種動作制御が実行されるタイミングの誤差をより減少させることが可能となる。
次に、上述した小当たり制御処理(S1191)内で実行される小当たり入賞処理(S4611)について、図114を参照して説明する。この小当たり入賞処理(S4611)は、小当たり期間中に第1可変入賞装置65内に入球した球に基づく各種処理を実行するものである。具体的な内容については、上述した第4実施形態にて実行される入賞処理3(図88のS1270)と同様の処理が実行される。小当たり入賞処理(S4611)と入賞処理3(S1270)とで相違する点は、第4実施形態は第1可変入賞装置65が大当たり遊技中に開放され、第1可変入賞装置65内に設けられた特定領域である確変スイッチ65e3を球が通過することで確変が付与される構成であるのに対し、本第6実施形態では、小当たり中に第1可変入賞装置65が開放され、第1可変入賞装置65内に設けられた特定領域である大当たりスイッチ65e3を球が通過することで大当たりが付与される構成であるため、図114に示すように各種構成の名称が変更されている点である。
小当たり入賞処理S4611が実行されると、図114に示すようにS4701〜S4721の処理が実行される。
次に、図115を参照して、V通過時大当たり設定処理(S4711)について説明する。このV通過時大当たり設定処理(S4711)が実行されると、まずV通過時大当たり種別値Β1に基づいて大当たり種別を判別し(S4801)、次いで大当たり種別に基づいて開放シナリオを設定する(S4802)。これにより、小当たり終了後に大当たりが実行されることになる。
次に、図116を参照して小当たり入賞完了処理(S4721)について説明する。この小当たり入賞完了処理(S4721)が実行されると、まず、大当たり設定フラグ203β2がオンであるかを判別する(S4901)。S4901にお処理において大当たり設定フラグ203β2がオンであると判別された場合は(S4901:Yes)、次に大当たりフラグ203ebをオンに設定し(S4902)、オープニングフラグ203vをオンに設定し(S4903)、S4904に移行する。
一方、S4901の処理において大当たり設定フラグ203β2がオフに設定されていると判別された場合は、S4904へ移行する。S4904ではV通過時大当たり種別値がクリアされ、本処理を終了する。
<第7実施形態>
次に、図117〜図125を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、大当たりとなった場合に付与される時短状態として、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の時短状態を設ける構成としていた。即ち、大当たりとなった場合に遊技者にとって有利な大当たり種別が選択され難い時短状態1(確変状態1)と、大当たりとなった場合に遊技者にとって有利な大当たり種別が選択され易い時短状態2(確変状態2)とが設けられていた。これらの複数の時短状態により、遊技状態を多様化させることで、遊技者の興趣向上を図っていた。
これに対して第7実施形態では、各時短状態の有利度合いを可変させるだけでなく、大当たりとなった場合の遊技状態に応じて付与される時短状態の時短期間を異ならせる構成とした。これにより、遊技状態によって時短期間が長く継続するか否かの期待度を異ならせることができるので、遊技状態を加味して付与される時短期間を予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第7実施形態における電気的構成について>
まず、図117を参照して、第7実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の構成について説明する。図117(a)は、ROM202の構成を示したブロック図である。図117(a)に示した通り、本実施形態では、第4実施形態におけるROM202の構成に加えて、時短回数選択テーブル202hが設けられている。この時短回数選択テーブル202hは、特別図柄の大当たりとなった場合に、その大当たりの終了後に設定される普通図柄の時短状態として、遊技状態に応じた時短回数を選択するためのデータテーブルである。この時短回数選択テーブル202hについて、図117(b)を参照して説明する。
図117(b)は、時短回数選択テーブル202hの規定内容を示した図である。図117(b)に示した通り、時短回数選択テーブル202hは、大当たり種別、および大当たりに当選した時点における遊技状態に対応付けて、大当たり後に付与される普通図柄の時短期間が規定されている。
具体的には、当選した大当たりが大当たりA,Bの何れかであり、当選時の遊技状態が通常状態(非確変非時短状態)である場合は、時短期間として50回が設定される。即ち、大当たりAの場合には、大当たり終了後に50回の時短状態1が設定されると共に、基本的に(大当たり中に確変スイッチ65e3を通過していれば)特別図柄の確変状態が100回付与される。言い換えれば、大当たりAが終了後してから50回は確変状態1となり、51回〜100回では確変非時短状態(潜伏確変状態)となる。潜伏確変状態になると、普通図柄の当たりとなり難くなるので、持ち球が減り易くなってしまう。よって、確変状態1に比較して不利となるので、遊技者に対して確変状態1の間に再度大当たりとなることを願って遊技を行わせることができる。よって、遊技に対する緊張感を抱かせることができる。また、大当たりBの場合は、大当たり終了後に50回の時短状態2が設定されると共に、基本的に(大当たり中に確変スイッチ65e3を通過していれば)特別図柄の確変状態が100回付与される。言い換えれば、大当たりBが終了後してから50回は確変状態2となり、51回〜100回では確変非時短状態(潜伏確変状態)となる。潜伏確変状態では、普通図柄の当たりとなり難く、また、当たりになったとしても開放パターンAが設定される(第1作動口704へと入球し易い開放パターン)が設定されるため、確変状態2に比較して不利となる。よって、大当たりBの終了後1回〜50回の遊技に対してより大きな緊張感を抱かせることができる。
潜伏確変状態(確変非時短状態)において大当たりA、又は大当たりBに当選した場合には、時短状態が100回付与される。即ち、大当たりAの場合には基本的に確変状態1が100回付与され、大当たりBとなった場合には基本的に確変状態2が100回付与される。よって、潜伏確変状態に切り替わることが無いので、特別図柄の抽選が100回実行されるまで安心して遊技を行わせることができる。更に、潜伏確変状態において長い時短期間を選択する構成とすることで、確変状態1又は確変状態2から潜伏確変状態に切り替わってしまったことに対する落胆を軽減し、潜伏確変状態中に大当たりAや大当たりBに当選させたいと思わせることができる。よって、潜伏確変状態中における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
時短状態1、又は時短状態2(非確変時短状態)において大当たりA、又は大当たりBに当選した場合には、時短状態が30回付与される。よって、大当たりAの場合は、30回の確変状態1の後、70回の潜伏確変状態へと切り替わる。また、大当たりBの場合は、30回の確変状態2の後、70回の潜伏確変状態へと切り替わる。
確変状態1、又は確変状態2(確変時短状態)において大当たりA、又は大当たりBに当選した場合には、時短状態が20回付与される。よって、大当たりAの場合は、20回の確変状態1の後、80回の潜伏確変状態へと切り替わる。また、大当たりBの場合は、20回の確変状態2の後、80回の潜伏確変状態へと切り替わる。
また、大当たりC,Dに当選した場合にも、当選時の遊技状態に応じて時短回数の振り分けを異ならせている。具体的には、通常状態(非確変非時短状態)において大当たりC,Dの何れかになった場合には、100回の時短期間が付与される。よって、大当たりCの場合は、100回の時短状態1が付与され、大当たりDの場合は100回の時短状態2が付与される。通常状態において比較的長い時短期間を設定するのは、遊技者にとって過剰に不利となることを防止するためである。即ち、遊技者にとって最も不利な通常状態において、確変状態が付与されない大当たりになり、更に、時短期間まで短くなると、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、比較的長い時短期間を設定することで、遊技者のモチベーションが低下することを防止することができる。
同様に、潜伏確変状態(確変非時短状態)において大当たりC,Dに当選した場合は、時短期間が付与されない。即ち、最も不利な通常状態へと移行する。上述した通り、潜伏確変状態において大当たりA,Bになった場合には、比較的長い(100回の)時短期間が選択される。これに対して、大当たりC,Dでは、最も不利な通常状態へと移行してしまうので、潜伏確変状態では、大当たり種別によって遊技者の有利度合いが大幅に異なっている。従って、潜伏確変状態において大当たりとなった場合に、大当たり種別に対してより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、時短状態1、又は時短状態2において大当たりC,Dになった場合には、30回の時短期間が付与される。よって、大当たりCの場合は、30回の時短状態1が付与され、大当たりDの場合は30回の時短状態2が付与される。更に、確変状態1、又は確変状態2において大当たりC,Dになった場合には、10回の時短期間が付与される。よって、大当たりCの場合は、10回の時短状態1が付与され、大当たりDの場合は10回の時短状態2が付与される。
一方で、大当たりF〜H(第2特別図柄の抽選による大当たり)となった場合には、当選時の遊技状態に関係なく同一の時短期間が設定される。具体的には、大当たりE,Fの何れかとなった場合には、遊技状態に関係なく100回の時短期間が付与される。一方、大当たりG,Hの何れかとなった場合には、遊技状態に関係なく20回の時短期間が付与される。
このように、本実施形態では、大当たりとなった時点における遊技状態に応じて、付与される時短期間を異ならせる構成としている。このように構成することで、遊技状態に応じて当選して欲しい大当たりを異ならせることができる。即ち、遊技状態に応じて各大当たりの有利度合いを可変させることができるので、より多様な遊技性を実現することができる。
次に、図118を参照して、本第7実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203について説明する。図118は、本第7実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図118に示した通り、本実施形態では、第4実施形態におけるRAM203の構成に加え、当当選時状態格納エリア203γが設けられている。この当選時状態格納エリア203γは、大当たりとなった時点における遊技状態を示す情報を大当たりの開始時に格納しておくための記憶領域である。この当選時状態格納エリア203γに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりの終了時に時短期間を設定する場合に参照される。即ち、大当たりの終了時には、上述した時短回数選択テーブル202hから、この当選時状態格納エリア203γに格納された情報が示す遊技状態に対応する時短回数が読み出されて、時短中カウンタ203crの値に設定される。なお、その他の構成に関しては、第4実施形態におけるRAM203の構成と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
<第7実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図119〜図121を参照して、第7実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図119を参照して、第7実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理7(図119参照)について説明する。この特別図柄変動処理7(図119参照)は、第4実施形態における主制御装置110の特別図柄変動処理3(図75参照)に代えて実行される処理である。
この特別図柄変動処理7(図119参照)のうち、S201〜S273の各処理では、それぞれ第4実施形態における特別図柄変動処理3(図75参照)のS201〜S273の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における特別図柄変動処理7(図119参照)では、S218の処理が終了すると、大当たりの当選時の遊技状態を判別して当選時状態格納エリア203γに対応する情報を格納するための当選時状態判別処理を実行して(S299)、S220以降の処理を実行する。この当選時状態判別処理(S299)の詳細について、図120を参照して説明する。
図120は、当選時状態判別処理(S299)を示すフローチャートである。この当選時状態判別処理(図120参照)が開始されると、まず、確変カウンタ203ce、および時短中カウンタ203crの値を読み出す(S5001)。次いで、読み出した確変カウンタ203ceの値が0より大きいか否かを判別し(S5002)、値が0である(確変状態でない)と判別した場合は(S5002:No)、次に、読み出した時短中カウンタ203crの値が0より大きいか否かを判別する(S5003)。
S5003の処理において、時短中カウンタ203crの値が0である(時短状態でない)と判別した場合は(S5003:No)、遊技状態が通常状態(非確変非時短状態)において大当たりに当選したことを意味するので、非確変非時短状態を示す値である「00H」を当選時状態格納エリア203γに格納して(S5004)、本処理を終了する。一方、S5003の処理において、時短中カウンタ203crの値が0より大きいと判別した場合は(S5003:Yes)、時短状態1、又は時短状態2の何れかの状態(非確変時短状態)において大当たりに当選したことを意味するので、非確変時短状態を示す値である「01H」を当選時状態格納エリア203γに格納し(S5005)、本処理を終了する。
また、S5002の処理において、確変カウンタ203ceの値が0より大きいと判別した場合には(S5002:Yes)、次いで、時短中カウンタ203crの値が0より大きいかを判別し(S5006)、値が0である(時短状態でない)と判別した場合は(S5006:No)、潜伏確変状態(確変非時短状態)において大当たりになったことを意味するので、潜伏確変状態を示す「02H」を当選時状態格納エリア203γに格納して(S5007)、本処理を終了する。一方、S5006の処理において、時短中カウンタ203crの値が0より大きいと判別した場合は(S5006:Yes)、確変状態1、又は確変状態2のいずれかにおいて大当たりになったことを意味するので、確変時短状態を示す「03H」を当選時状態格納エリア203γに格納して(S5008)、本処理を終了する。
大当たりの終了時には、この当選時状態格納エリア203γに格納された値が参照されて大当たりに当選した時点における遊技状態が判別され、時短回数が選択される。これにより、遊技状態に応じた多様な時短回数を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図121を参照して、エンディング処理7(S1379)について説明する。このエンディング処理7(S1379)は、第4実施形態におけるエンディング処理3(図87参照)に代えて実行される処理であり、エンディング処理3(図87参照)と同様に、大当たりのエンディング、および大当たり後の遊技状態を設定するための処理である。
このエンディング処理7(図121参照)が開始されると、まず、大当たりの終了を示すエンディング演出を開始させるためのエンディングコマンドが設定される(S4101)。次いで、大当たりフラグ203ctをオフに設定することで、大当たりの終了を設定する(S4102)。次に、確変設定フラグ203cfがオンであるかを判別して(S4103)、オンであれば(S4103:Yes)、確変カウンタ203ceの値に100を設定し(S4104)、処理をS4105へと移行する。これにより、大当たり後に特別図柄の確変状態を100回設定することができる。
一方、S4103の処理において、確変設定フラグ203cfがオフであると判別した場合は(S4103:No)、S4104の処理をスキップして、処理をS4105へと移行する。S4105の処理では、今回の大当たりが大当たりA,C,E,Gのいずれかであるかを判別する(S4105)。即ち、大当たり後に時短状態1が付与される大当たり種別であるかを判別し、大当たりA,C,E,Gのいずれかであると判別した場合には(S4105:Yes)、時短識別フラグ203csに対して0を設定し(S4106)、処理をS4191へと移行する。これに対して、S4105の処理において、大当たりA,C,E,Gのいずれでもない(大当たりB,D,F,Hのいずれかである)と判別した場合は(S4105:No)、時短識別フラグ203csに対して1を設定し(S4107)、処理をS4191へと移行する。
S4106、又はS4107の処理後に実行されるS4191の処理では、時短回数選択テーブル202h、および当選時状態格納エリア203γに格納された値を読み出して(S4191)、読み出した当選時状態格納エリア203γの格納値と、今回の大当たり種別とにより示される時短回数を、時短回数選択テーブル202hから特定する(S4192)。そして、特定した時短回数を時短中カウンタ203crに設定して(S4193)、本処理を終了する。
このエンディング処理を実行することにより、大当たり当選時の遊技状態に応じて多様な時短回数を設定することができる。これにより、遊技状態に応じた多様な時短回数を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第7実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合とで有利度合いを異ならせ、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者にとって有利になるように構成している。また、本実施形態では、大当たり終了後に付与される時短状態として、時短状態1、および時短状態2の2種類の時短状態を設ける構成としている。時短状態1は、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第1入球口64a2へと球が入球し易くなる)時短状態であり、時短状態2は、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(右第2入球口64bへと球が入球し易くなる)時短状態である。更に、本実施形態では、大当たり終了後に付与される時短状態の時短回数を、遊技状態に応じて異ならせる構成としている。これにより、遊技状態によって時短期間が長く継続するか否かの期待度を異ならせることができるので、遊技状態を加味して付与される時短期間を予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、上記した各実施形態および各制御例の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
次に図122を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機の遊技盤13について説明をする。 図122は、この第4実施形態における遊技盤13を示した図である。本第4実施形態においては、第1実施形態に対して、振分入賞装置1640の構成が変更されている点、右第1入球口64a2を設けた点、右第2入球口64bへ球が入球するための構成が変更されている点で相違する。ここで、まず、図39を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技性について説明をする。
本第4実施形態におけるパチンコ機10は、通常の遊技状態では第1入球口64a1を狙う遊技(以下、通常遊技と称す)が実行される。第1入球口64a1への球の入球に基づいて実行される抽選(特図1抽選)の結果、大当たりに当選した場合には第2可変入賞装置65が開放される大当たり遊技が実行されるとともに、当選した大当たりの種別に応じて大当たり遊技終了後に特図抽選により大当たりとなる確率が高確率となり、さらに、特図の抽選が受けやすくなる確率変動遊技状態(以下、確変状態)または、大当たりとなる確率は変わらないが、特図の抽選が受けやすくなる時短遊技状態(以下、時短状態)が付与される。
ここで、本第4実施形態のパチンコ機10における確変状態について説明をする。詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は確変状態中に実質的に特図1の抽選が実行される確変状態1と、実質的に特図2の抽選が実行される確変状態2とが設けられている。また、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、特図2の抽選に基づく大当たりのほうが遊技者にとって有利となる(1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、または、大当たり遊技終了後に1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い大当たりに当選しやすい遊技状態に移行しやすい)ように設定されている。
つまり、本パチンコ機10は、遊技者に対して通常遊技よりも有利となる確変状態に確変状態1と、確変状態1よりもさらに有利となる確変状態2とを設けている。これにより、例えば、通常遊技から確変状態へと移行する割合を高くし(確変状態1へ突入しやすくし)、遊技者に通常遊技よりも大当たりしやすい遊技状態(確変状態)を体験させやすくすることで、大当たり遊技中の演出や確変状態中に第3図柄表示装置81にて実行される演出を体験させやすくし遊技を楽しませることを可能としたり、確変状態2へと移行する割合を低くし、確変状態2へと移行した遊技者に優越感を提供させることを可能としたりすることが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本パチンコ機10では時短状態においても上述した確変状態と同様に、時短状態1と時短状態2とを設定可能に構成されており、時短状態1および時短状態2の何れも通常遊技よりも特図抽選を受けやすい遊技状態(特図抽選が実行される入球口に球が入球しやすく、さらに、特図抽選における特図の変動時間として通常遊技状態よりも短い変動時間が設定されやすい遊技状態)が設定されている。さらに、時短状態1は実質的に特図1の抽選が実行され、時短状態2は実質的に特図2の抽選が実行されるように構成されており、時短状態1よりも、時短状態2のほうが遊技者に有利な遊技状態として設定されている。
なお、確変状態として確変状態1および確変状態2を設定し、時短状態として時短状態1および時短状態2を設定する構成については詳細な説明は後述する。
図122に戻り説明を続ける。大当たり遊技終了後に遊技状態が確変状態または時短状態へと移行した場合には、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行される。右打ち遊技が実行されると遊技盤13の右側領域へと発射された球が返しゴム69に衝突し、スルーゲート(普通入球口)67またはスルーゲート(普通入球口)67の近傍に植設された釘の間を通過し、振分入賞装置700に向けて流下する。振分入賞装置700に電動役物710が設けられており、電動役物710が開状態になると球が振分入賞装置700に入球可能となるように構成されている。この電動役物710は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに基づいて実行される普通図柄の抽選(普図抽選)の結果が当たりとなる場合に開状態となる。なお、電動役物710には複数の開放パターンが設けられており、球が振分入賞装置700に入球するタイミングが異なるように構成されている。
なお、詳細な説明は上述した第3実施形態の図40と同様であるため省略するが、振分入賞装置700内の構成について説明する。振分入賞装置700に設けられた電動役物710が開状態になると振分入賞装置700に球が入球可能となり、振分入賞装置700に入球した球は、切換弁702上に落下する(振分入賞装置700を入球した球が切換弁702に到達するまでの時間が約0.4秒)。この切換弁702は、普図抽選の結果、当たり(普図当たり)に当選したことに基づいて予め定められた動作が実行されるように構成されており、切換弁702の動作位置によって第1流路703又は第2流路706の何れかが球が流下可能な流路として連通するように構成される。なお、図44を参照して上述したが、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)、第2流路706が連通するように切換弁702が動作し、その他の期間は第1流路703が連通するように動作される。
第1流路703の最下流位置には第1作動口704が設けられており、一方、第2流路706の最下流位置には第2作動口707が設けられており、各流路を流下した球は何れかの作動口へと入球する。ここで、図122に戻り、第1作動口704および第2作動口707について説明をする。
図122に示すように、第1作動口704は遊技盤13の右側領域下方に設けられる第1作動役物645aと第1作動機構705で連結されており、第1作動口704に入球した球が図示しない第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片を押下することで、第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片が押し上げられ第1作動役物645aに当接し第1作動役物645aが開状態となるように構成されている。
そして、第1作動機構705の作動により第1作動役物645aが開状態となることで右第1入球口64a2が入球可能な状態となる。この右第1入球口64a2に球が入球すると、第1入球口64a1と同様に特図1の抽選が実行されるとともに、入球した球が第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片を押下することで、第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片が押し上げられ、第1作動役物645aが閉状態となる。
このように、電気的な構成を用いること無く球の動きによって役物を開状態または閉状態へと可変させる機構は、非電動役物と呼ばれる公知な技術である。本実施形態ではこの非電動役物の構成について詳細な説明を省略したが、既に開示されている技術であれば適宜採用すればよい。
一方、振分入賞装置700内の第2流路706を流下し第2作動口707に入球した球は、上述した非電動役物の構成と同様に第2作動機構708の作動により、第2作動役物645bを開状態とする。第2作動役物645bが開状態となることで入球可能となる右第2入球口64bに球が入球することにより、特図1よりも有利に設定された特図2の抽選が実行される。なお、第2作動口707、第2作動機構708および第2作動役物645bとから構成される非電動役物の構成については、上述した第1作動口704、第1作動機構705および第1作動役物645aとから構成される非電動役物の構成と同一であるため詳細な説明は省略する。
なお、上述した切換弁702が所定期間、つまり、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)のみ、第2流路706が連通するようにし、それ以外の期間(普図当たりに当選していない期間も含む)において第1流路703が連通するように動作されるのは、第2流路706を流下することにより開放する第2作動役物645bに球が入球することで遊技者に有利な特図抽選(特図2抽選)が実行されるため、不正な遊技によって特図2抽選が実行されることを防ぐためである。
図122に戻り、遊技盤13の右側領域の構成についての説明を続ける。振分入賞装置700に入球した球により右第1入球口64a2または右第2入球口64bが入球可能な状態となると、振分入賞装置700に入球せずに遊技盤13の右側領域を流下した球が複数の釘によって誘導され入球可能状態である何れかの入球口へと入球する。
このように、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態または時短状態)においては、通常遊技状態に比べて特図抽選(特図1抽選または特図2抽選)が実行されやすい状態となっている。
まず、図123を参照して、第3実施形態における遊技盤13について説明する。図123は、本実施形態における遊技盤13の正面図である。図13に示した通り、本実施形態では、球が入球することで特別図柄の抽選が実行される3つの入球口が設けられている。具体的には、可変表示装置ユニット80に対して正面視下側に設けられた第1入球口64a1と、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられた右第2入球口64bと、その右第2入球口64bに対して正面視右側に設けられた右第1入球口64a2とが設けられている。
第1入球口64a1、および右第1入球口64a2は、いずれも球が入球したことを契機として第1特別図柄の抽選が実行される。即ち、第1入球口64a1と、右第1入球口64a2とは、同一の機能を有した入球口である。一方、右第2入球口64bは、球が入球したことを契機として第2特別図柄の抽選が実行されるため、上述した2種類の入球口とは異なる機能を有した入球口である。
また、図123に示した通り、右第1入球口64a2には、第1作動役物645aが付随して設けられている。この第1作動役物645aは、右第1入球口64a2への球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第1入球口64a2への球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変される。第1作動役物645aは、後述する振分入賞装置700の内部に設けられた第1作動口704へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第1作動役物645aは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
同様に、右第2入球口64bには、第2作動役物645bが付随して設けられている。この第2作動役物645bも、右第2入球口64bへの球の入球が可能(容易)となる開放状態と、右第2入球口64bへの球の入球が不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変される。第2作動役物645bに付随する第2作動役物645bは、振分入賞装置700の内部に設けられた第2作動口707へと球が入球した場合に開放状態に切り替わる。一方、開放状態に切り替わった第2作動役物645bは、球が1球入球することによって閉鎖状態へと切り替わる。
可変表示装置ユニット80に対して正面視右側には、振分入賞装置700が設けられている。この振分入賞装置700は、内部へと入球した球を第1作動口704、または第2作動口707のいずれかへと振り分ける(入球させる)ための装置である。上述した通り、第1作動口704へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、第2作動口707へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
ここで、振り分け入賞装置700の詳細について、図124を参照して説明する。図124は、振り分け入賞装置700の正面図である。振分入賞装置700は、図124に示した通り、その上部右側に電動役物701が設けられている。この電動役物701は、遊技盤13において、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路へと突出した突出位置と、流路へ突出せずに流路の左側の壁面に埋没する埋没位置とに切換可能に構成されている。電動役物701が突出位置となった場合、流路を流下した球を1球のみ、その上部に受け止めて保持することが可能に構成されている。また、電動役物701は、突出位置から埋没位置へと切り替わる際に、上部に保持されていた球を、開口部701aを介して振分入賞装置700の内部へと流入させることができる。
電動役物701、および開口部701aの下流側は、第1流路703、および第2流路706の2つの流路に分岐している。第1流路703、および第2流路706にはそれぞれ球の通過を検出するための検出センサ703a,706aが設けられている。また、第1流路703の下流側には、第1作動口704が設けられているので、第1流路703を流下した球は第1作動口704へと入球する。一方、第2流路706の下流側には第2作動口707が設けられているので、第2流路706を流下した球は第2作動口707へと入球する。また、第1流路703と第2流路706とが分岐する位置には、電動役物701を介して振分入賞装置700の内部へと入球した球が流下する流路を切換弁(可変流路)702が設けられている。この切換弁(可変流路)702は、第1流路703へと球を流下させる第1切換状態と、第2流路706へと球を流下させる第2切換状態とに切り換える(スライド変位させる)ことができる。第1切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視左側へとスライド変位することで第2流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第1流路へと進行する。一方、第2切換状態は、切換弁(可変流路)702が正面視右側へとスライド変位することで第1流路の上流側を塞ぎ、第1流路のみが開放された状態となるため、球が第2流路へと進行する。
第2切換状態の間に球を振分入賞装置700へと入球させることができれば、球を第2作動口707へ向けて流下させることができる。球が第2作動口707へと入球すると、上述した通り第2作動役物645bが開放状態に設定され、右第2入球口64bへと球を入球させることが可能となる。即ち、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球の流下方向(第1流路703を流下するか、第2流路707を流下するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図124に示した通り、第1作動口704の内部には、第1作動機構705が設けられている。この第1作動口704は、公知の非電動役物で構成されている、即ち、第1作動口704へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを開放状態に切り替えることができる。また、第1作動役物645aが開放状態において、右第1入球口64a2へと入球した球の重みに基づいて第1作動役物645aを閉鎖状態に切り替えることができる。
一方、第2作動口707の内部には、第2作動機構708が設けられている。この第2作動機構708は、第1作動機構705と同様の構成となっている。即ち、第2作動口707へと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。また、第2作動役物645bが開放状態において、右第2入球口64bへと入球した球の重みに基づいて第2作動役物645bを閉鎖状態に切り替えることができる。
このように、振分入賞装置700に対して球を入球させることにより、第1作動口704、または第2作動口707へと球を入球させて、第1作動役物645a、または第2作動役物645bを開放状態に切り替えることができる。上述した通り、特別図柄2の抽選で大当たりになると、特別図柄1の抽選よりも有利になるので、球が第1作動口704へと入球するか、第2作動口707へと入球するかに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図125は、この第4実施形態における遊技盤13を示した図である。本第4実施形態においては、第1実施形態に対して、振分入賞装置1640の構成が変更されている点、右第1入球口64a2を設けた点、右第2入球口64bへ球が入球するための構成が変更されている点で相違する。ここで、まず、図39を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技性について説明をする。
本第4実施形態におけるパチンコ機10は、通常の遊技状態では第1入球口64a1を狙う遊技(以下、通常遊技と称す)が実行される。第1入球口64a1への球の入球に基づいて実行される抽選(特図1抽選)の結果、大当たりに当選した場合には第2可変入賞装置65が開放される大当たり遊技が実行されるとともに、当選した大当たりの種別に応じて大当たり遊技終了後に特図抽選により大当たりとなる確率が高確率となり、さらに、特図の抽選が受けやすくなる確率変動遊技状態(以下、確変状態)または、大当たりとなる確率は変わらないが、特図の抽選が受けやすくなる時短遊技状態(以下、時短状態)が付与される。
ここで、本第4実施形態のパチンコ機10における確変状態について説明をする。詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は確変状態中に実質的に特図1の抽選が実行される確変状態1と、実質的に特図2の抽選が実行される確変状態2とが設けられている。また、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、特図2の抽選に基づく大当たりのほうが遊技者にとって有利となる(1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、または、大当たり遊技終了後に1回の大当たり遊技によって獲得できる球数が多い大当たりに当選しやすい遊技状態に移行しやすい)ように設定されている。
つまり、本パチンコ機10は、遊技者に対して通常遊技よりも有利となる確変状態に確変状態1と、確変状態1よりもさらに有利となる確変状態2とを設けている。これにより、例えば、通常遊技から確変状態へと移行する割合を高くし(確変状態1へ突入しやすくし)、遊技者に通常遊技よりも大当たりしやすい遊技状態(確変状態)を体験させやすくすることで、大当たり遊技中の演出や確変状態中に第3図柄表示装置81にて実行される演出を体験させやすくし遊技を楽しませることを可能としたり、確変状態2へと移行する割合を低くし、確変状態2へと移行した遊技者に優越感を提供させることを可能としたりすることが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本パチンコ機10では時短状態においても上述した確変状態と同様に、時短状態1と時短状態2とを設定可能に構成されており、時短状態1および時短状態2の何れも通常遊技よりも特図抽選を受けやすい遊技状態(特図抽選が実行される入球口に球が入球しやすく、さらに、特図抽選における特図の変動時間として通常遊技状態よりも短い変動時間が設定されやすい遊技状態)が設定されている。さらに、時短状態1は実質的に特図1の抽選が実行され、時短状態2は実質的に特図2の抽選が実行されるように構成されており、時短状態1よりも、時短状態2のほうが遊技者に有利な遊技状態として設定されている。
なお、確変状態として確変状態1および確変状態2を設定し、時短状態として時短状態1および時短状態2を設定する構成については詳細な説明は後述する。
図125に戻り説明を続ける。大当たり遊技終了後に遊技状態が確変状態または時短状態へと移行した場合には、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行される。右打ち遊技が実行されると遊技盤13の右側領域へと発射された球が返しゴム69に衝突し、スルーゲート(普通入球口)67またはスルーゲート(普通入球口)67の近傍に植設された釘の間を通過し、振分入賞装置700に向けて流下する。振分入賞装置700に電動役物710が設けられており、電動役物710が開状態になると球が振分入賞装置700に入球可能となるように構成されている。この電動役物710は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに基づいて実行される普通図柄の抽選(普図抽選)の結果が当たりとなる場合に開状態となる。なお、電動役物710には複数の開放パターンが設けられており、球が振分入賞装置700に入球するタイミングが異なるように構成されている。
なお、詳細な説明は上述した第3実施形態の図61と同様であるため省略するが、振分入賞装置700内の構成について説明する。振分入賞装置700に設けられた電動役物710が開状態になると振分入賞装置700に球が入球可能となり、振分入賞装置700に入球した球は、切換弁702上に落下する(振分入賞装置700を入球した球が切換弁702に到達するまでの時間が約0.4秒)。この切換弁702は、普図抽選の結果、当たり(普図当たり)に当選したことに基づいて予め定められた動作が実行されるように構成されており、切換弁702の動作位置によって第1流路703又は第2流路706の何れかが球が流下可能な流路として連通するように構成される。なお、図65を参照して上述したが、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)、第2流路706が連通するように切換弁702が動作し、その他の期間は第1流路703が連通するように動作される。
第1流路703の最下流位置には第1作動口704が設けられており、一方、第2流路706の最下流位置には第2作動口707が設けられており、各流路を流下した球は何れかの作動口へと入球する。ここで、図125に戻り、第1作動口704および第2作動口707について説明をする。
図125に示すように、第1作動口704は遊技盤13の右側領域下方に設けられる第1作動役物645aと第1作動機構705で連結されており、第1作動口704に入球した球が図示しない第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片を押下することで、第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片が押し上げられ第1作動役物645aに当接し第1作動役物645aが開状態となるように構成されている。
そして、第1作動機構705の作動により第1作動役物645aが開状態となることで右第1入球口64a2が入球可能な状態となる。この右第1入球口64a2に球が入球すると、第1入球口64a1と同様に特図1の抽選が実行されるとともに、入球した球が第1作動機構705の他端側に設けられた第2当接片を押下することで、第1作動機構705の一端側に設けられた第1当接片が押し上げられ、第1作動役物645aが閉状態となる。
このように、電気的な構成を用いること無く球の動きによって役物を開状態または閉状態へと可変させる機構は、非電動役物と呼ばれる公知な技術である。本実施形態ではこの非電動役物の構成について詳細な説明を省略したが、既に開示されている技術であれば適宜採用すればよい。
一方、振分入賞装置700内の第2流路706を流下し第2作動口707に入球した球は、上述した非電動役物の構成と同様に第2作動機構708の作動により、第2作動役物645bを開状態とする。第2作動役物645bが開状態となることで入球可能となる右第2入球口64bに球が入球することにより、特図1よりも有利に設定された特図2の抽選が実行される。なお、第2作動口707、第2作動機構708および第2作動役物645bとから構成される非電動役物の構成については、上述した第1作動口704、第1作動機構705および第1作動役物645aとから構成される非電動役物の構成と同一であるため詳細な説明は省略する。
なお、上述した切換弁702が所定期間、つまり、普図当たりに当選してから1.5秒経過してから3.5秒経過するまでの間(2秒間)のみ、第2流路706が連通するようにし、それ以外の期間(普図当たりに当選していない期間も含む)において第1流路703が連通するように動作されるのは、第2流路706を流下することにより開放する第2作動役物645bに球が入球することで遊技者に有利な特図抽選(特図2抽選)が実行されるため、不正な遊技によって特図2抽選が実行されることを防ぐためである。
図125に戻り、遊技盤13の右側領域の構成についての説明を続ける。振分入賞装置700に入球した球により右第1入球口64a2または右第2入球口64bが入球可能な状態となると、振分入賞装置700に入球せずに遊技盤13の右側領域を流下した球が複数の釘によって誘導され入球可能状態である何れかの入球口へと入球する。
このように、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態または時短状態)においては、通常遊技状態に比べて特図抽選(特図1抽選または特図2抽選)が実行されやすい状態となっている。
次に、図65を参照して上述した電動役物710の開放パターンと切換部材702について簡単に説明をする。本パチンコ機10には電役(電動役物)710の開放パターンとして、開放パターンAと開放パターンBとが設けられている。この電役の開放パターンは、特図抽選により当選した大当たりの種別によって設定されるよう構成されている。なお、パチンコ機10の初期設定(RAMをクリアした状態)では、開放パターンAが設定される。
開放パターンAが設定されると、普図当たり当選後、1秒間開放され(開状態となり)、その後、1.4秒間閉鎖され(閉状態となり)、再度開放される(0.1秒)よう電動役物710が動作制御される(当たり期間は2.5秒)。一方、開放パターンBが設定されると、0.1秒間開放され(開状態となり)、その後、1.4秒間閉鎖され(閉状態となり)、再度開放される(1秒間)ように電動役物710が動作制御される(当たり期間は2.5秒)。
このように、電動役物710は、設定される開放パターンによって開閉動作される制御内容が異なるように構成されている。なお、電動役物710の動作制御内容が設定される開放パターンは、大当たり当選時に設定される大当たり種別によって決定する。
なお、本第4実施形態では、普図当たりによって実行される当たり遊技(普図当たり遊技)における当たり期間(2.5秒)と、当たり期間中における電動役物710の開放期間(合計時間)と、当たり期間中における電動役物710の開放回数(2回)については、開放パターンAおよび開放パターンBの何れが設定されても同一にしている。これは、当たり遊技における動作制御処理の処理負荷を軽減させるためのものであり、且つ、何れの普図当たり遊技が実行されたとしても遊技者に対して振分入賞装置1640に入球する期待度を変更させないためである。
なお、振分入賞装置700に球が入球する期待度が変わらないのであれば、ス電動役物710を動作させる制御として別の動作制御内容を用いても良い。例えば、球が入球困難な期間(0.1秒)開放する回数を増加させたり、球が入球不可能(困難)な閉状態となる期間を変更したりしてもよい。
さらに、全ての電動役物710の開放パターンにおいて、振分入賞装置700への球の入球期待度を統一する必要はなく、振分入賞装置700に入球しやすい当たり遊技と入球しにくい当たり遊技とを設けても良い。なお、本第4実施形態では普図大当たりに当選すると直ぐに電動役物710が開状態となるよう動作制御されているが、これは当たり遊技を直ぐに実行させることで普図当たりに当選したことを遅延なく遊技者に報知するためである。なお、普図当たりに当選してから所定期間(例えば、1秒)経過してから電動役物710を開状態にさせるよう動作制御してもよい。
このような構成を採用する場合は、第3図柄表示装置81のように遊技者が視認可能な表示装置を用いて普図当たりに当選したことを報知する構成を用いると良い。これにより、遊技者に対して普図当たりに当選し、振分入賞装置700に球が入球可能な状態になることを事前に報知することが可能となる。また、普図当たりに当選するか否かを特別図柄の抽選結果(判別結果)を報知する技術(識別図柄(識別情報)を変動表示させた後に停止表示させた際の識別図柄(識別情報)の表示態様に応じて抽選結果(判別結果)を報知する技術)を用いて遊技者に報知してもよい。これにより、遊技者は特別図柄と普通図柄の両方の変動表示を楽しむことが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
図125に戻り説明を続ける。振分入賞装置700内には入球した球を第1流路703または第2流路706へと振り分けるための切換弁702が設けられている。この切換弁702は普図当たりに当選した後、1.5秒経過してから3秒間第2流路が連通する位置へと動作されるよう構成されている。この切換弁702の動作制御は、電動役物710の開放パターンとして何れの開放パターンが設定されていたとしても、一定の動作が行われる。
次に、電役開放パターン毎に振分入賞装置700に入球する球の流れについて説明をする。まず、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される場合は、振分入賞装置700に球が入球可能な期間が当たり遊技開始からの1秒間となる。この間に入球した球は、上述したように0.4秒経過後に切換弁702へと到達する。球が切換弁702に到達したタイミングでは切換弁は第1流路1644が連通する状態に位置しているため、球は第1流路1644へと誘導される。このように電動役物701の開放パターンとして開放パターンAが設定されている間は、振分入賞装置700に入球した球が第1流路703へ誘導され、第1作動口704に入球することに作用して右第1入球口64a2へ球が入球可能な状態となる。つまり、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAが設定される場合は、時短状態または確変状態において特図1が実質的に変動する遊技状態(時短状態1、確変状態1)が設定されることとなる。なお、開放パターンAにおいて、大当たり当選後、1.5秒経過後に0.1秒間の間電動役物701が開放されるが、0.1秒間の開放は球が入球するのに困難な間隔であり殆ど球が入球することが無い。万が一、この期間に球が振分入賞装置700に入球した場合は、後述する開放パターンBと同じタイミングで球が振分入賞装置700に入球することになる。
次に、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される場合は、振分入賞装置700に球が入球可能な期間が当たり遊技開始から1.5秒が経過してからの1秒間となる。この間に入球した球は、上述したように0.4秒経過後に切換弁702へと到達する。球が切換弁702に到達したタイミングでは切換弁は第2流路706が連通する状態に位置しているため、球は第2流路706へと誘導される。このように、電動役物701の開放パターンとして開放パターンBが設定されている間は、振分入賞装置700に入球した球が第2流路706へ誘導され、第2作動口707に入球することに作用して右第2入球口64bへ球が入球可能な状態となる。つまり、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンBが設定される場合は、時短状態または確変状態において特図2が実質的に変動する遊技状態(時短状態2、確変状態2)が設定されることとなる。なお、開放パターンBにおいて、大当たり当選後、0.1秒間の間電動役物701が開放されるが、0.1秒間の開放は球が入球するのに困難な間隔であり殆ど球が入球することが無い。万が一、この期間に球が振分入賞装置700に入球した場合は、上述した開放パターンAと同じタイミングで球が振分入賞装置700に入球することになるため、その説明は省略する。
さらに、本第4実施形態では切換弁702の動作制御として、開放パターンAで入球した球が確実に第1流路703へ誘導されるように、開放パターンBで入球した球が確実に第2流路706へ誘導されるように、電動役物701の動作に対して所定期間以上(0.5秒以上)遅らせたタイミングで動作が実行されるよう構成されている。これにより、振分入賞装置700に入球した球を所望の流路へ誘導させることが可能になるとともに、切換弁702が状態を可変させるために行う動作中に球が振分入賞装置700から流下してくることを防ぐことができる。
また、本第4実施形態では、普図の変動時間が短縮されている状態(時短状態、確変状態)において、普図の変動時間が3秒となるように設定されている。よって、電役開放パターンとして開放パターンBが設定されている状態において、振分入賞装置700に入球した球を確実に第2流路へと誘導するために切換弁702を普図当たり開始から1.5秒経過後から3秒間第2流路が連通する状態に位置させたとしても、次の普図変動後に再度普図当たり遊技が実行されるまでに第1流路が連通する状態に位置させることができるため、複数回の普図当たり遊技を跨いで振分入賞装置700に入球した球が意図しない流路へと誘導される事態を防ぐことができる。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、大当たり種別に基づいて電役(電動役物)の開放パターンを設定可能に構成し、設定された電役(電動役物)の開放パターンに基づいて特図1が実質的に変動する遊技状態と特図2が実質的に変動する遊技状態とを設定することができる。さらに、特図1抽選にて大当たりに当選した場合よりも、特図2抽選にて大当たりに当選した場合のほうが遊技者に有利な特典(大当たり遊技によって獲得できる球数が多い、実質的に特図2の抽選が実行される遊技状態へと移行する割合が高い)が付与されるように設定されている。
これにより、時短状態や確変状態をさらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態2、確変状態2)と、有利な遊技状態よりも不利ではあるが通常遊技の状態よりは遊技者に有利な遊技状態である遊技状態(時短状態1、確変状態1)とを設けることが可能となる。従って、パチンコ機10にて実行される遊技に多彩な遊技状態を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
具体的には、通常遊技の状態から時短状態1や確変状態1へと移行する移行割合を高く設定することで、時短状態や確変状態にて実行される演出を遊技者が容易に見ることができるようにしたり、最も遊技者に有利な遊技状態となる確変状態2へと移行する移行割合を低く設定することで、確変状態2へと移行した遊技者に対して優越感を与えるようにしたりすることで遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本第4実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして開放パターンAと開放パターンBの2種類を設定可能に構成しているが、これに限ること無く開放パターンの種類を3種類以上設定可能に構成してもよい。これにより、より多彩な遊技状態を設定することが可能となる。
また、本第4実施形態では、電役(電動役物)の開放パターンとして第1流路703へ球を誘導する開放パターン(開放パターンA)と、第2流路706へ球を誘導する開放パターン(開放パターンB)とを設定しているが、例えば、第1流路703または第2流路706の何れかに球が誘導されるタイミングで電動役物701が開放する開放パターンを設けても良い。これにより、遊技者は電動役物701に入球した球が何れの流路(第1流路703または第2流路706)に誘導させるのかを楽しむことが可能となり、遊技の興趣を更に向上させることが可能となる。
さらに、本第4実施形態では振分入賞装置700に入球した球が何れかの作動口(第1作動口704または第2作動口707)に入球するように構成されているが、例えば、振分入賞装置700から再度遊技盤13へと排出される流路を設けたり、各作動口へ入球することなく遊技盤13の裏面に設けた排出口(図示せず)に連通するアウト口へ入球する流路を設けたりしてもよい。このように構成することにより、振分入賞装置700内での球の流れに対して遊技者に興味を持たせることが可能となり、より遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、切換弁702は、当たり遊技が実行されてから予め定められた一定の動作が行われるように構成しているが、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから常に一定の動作が行われるように構成してもよいし、振分入賞装置700内に入球した球数が所定個数(例えば10個)に到達することで連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
本第4実施形態では切換弁702を電気的駆動源(図示しないモータ)によって動作制御しているが、例えば、切換部材である切換弁702を球が当接することにより作動し、所定条件(例えば、10球通過)を満たした場合に連通する流路が切り換わるように構成してもよい。
さらに、本第4実施形態では切換弁702によって何れかの流路に誘導された球は流路を流下して何れかの作動口へと入球するよう構成されているが、例えば、切換弁702によって何れかの流路に誘導された球を複数の流路に振り分ける振り分け部材を設け、その振り分け部材によって特定の流路に振り分けられた球が対応する作動口へと入球するように構成してもよい。
加えて、本第4実施形態では振分入賞装置700に入球した球が一定の時間(本実施形態では0.4秒)で切換弁702へと到達するように構成されているが、例えば振分入賞装置700に入球した球が切換弁702へと到達する時間を可変させる(延長させる)手段として、振分入賞装置700に入球した球が切換弁702に到達するまでの期間を異ならせた経路を複数設け、振分入賞装置700に入球した球を何れかの経路に振り分ける振分手段を設けてもよい。これにより、振分入賞装置700に入球した球がどのタイミングで切換弁702に到達するのかを予想しながら遊技を行うことが可能となる遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<第8実施形態>
次に、図126〜図132を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、遊技盤13の右側領域(以下、右打領域)に振分入賞装置700、右第1入球口64a2および、右第2入球口64bが設けられるように構成されていた。
それに対して、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13の左側領域(以下、左打領域LEと称す)に左スルーゲート67aおよび第1入球口64a1を設けた点、遊技盤13の右打領域REに右スルーゲート67bおよび第2入球口64b1を設けた点、左打領域LEおよび右打領域REに発射された遊技球の何れも通過可能な遊技盤13の下側領域(以下、中央領域CE)に、振分入賞装置700に代えて第3振分入賞装置7000を設けた点、中央領域CEに可変入賞装置165を設けた点および、第3振分入賞装置7000内に入球した遊技球が入球可能な中央第1入球口64a3および中央第2入球口64b3を設けた点、第1可変入賞装置65を削除した点で相違する。なお、第4実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図126は、この第8実施形態における遊技盤13を示した図である。ここで、まず、図126を参照して、本第8実施形態におけるパチンコ機10の遊技性について説明をする。本第8実施形態におけるパチンコ機10は、左打領域LEを狙う遊技(以下、左打遊技と称す)と、右打領域REを狙う遊技(以下、右打遊技と称す)とで、異なる遊技性を有している。
具体的には、左打遊技では、第1入球口64a1を狙う遊技が実行され、第1入球口64a1への遊技球の入球に基づいて特別図柄1(特図1)の抽選が実行される。特図1の抽選の結果、大当たりに当選した場合は、その大当たり遊技の終了後に第3振分入賞装置7000へ遊技球が入球容易な遊技状態(時短状態)が所定回数(例えば、50回または次回大当たりに当選するまで)実行される。
この時短状態には、上述した第4実施形態と同様に、遊技者にとっての有利度合いが異なる時短状態(時短状態1、時短状態2)とが設定されており、左打遊技にて抽選が実行される特図1の抽選の結果、大当たりに当選した後には、時短状態1(第3振分入賞装置7000に入球した球が特図1の抽選を実行する入球口(第1入球口64a2)へと流下する時短状態)のみが設定可能に構成されている。
一方、右打遊技では、第2入球口64b1を狙う遊技が実行され、第2入球口64b1への遊技球の入球に基づいて特別図柄2(特図2)の抽選が実行される。特図2の抽選の結果、特定の大当たりに当選した場合は、その大当たり遊技の終了後に第3振分入賞装置7000へ遊技球が入球容易な遊技状態(時短状態)として、時短状態2(第3振分入賞装置7000に入球した球が特図2の抽選を実行する入球口(第2入球口64b2)へと流下する時短状態)が設定されるように構成されている。
上述したように、本実施形態では、遊技者が左打遊技を行うか右打遊技を行うかを任意に選択することで、異なる遊技性のうち何れかを選択して遊技を実行することができる。
このような構成を用いることで、例えば、左打遊技では特図1の抽選(大当たり確率1/100)の結果、大当たりに当選した場合に高確率(100%含む)で時短状態(時短状態1)へと移行し(例えば、30%の確率で、次回大当たりまで時短状態(時短状態1)へ移行し、70%の確率で、特図変動が50回実行されるまで時短状態(時短状態1)へ移行し)、その時短遊技(時短遊技1)中に更なる大当たりを目指す遊技(射幸性の低い遊技)を実行することが可能となる。
一方、右打遊技では特図2の抽選(大当たり確率1/100(特図1の大当たり確率と同一))の結果、大当たりに当選した場合に所定の確率(特図1で大当たりに当選した場合に時短状態(時短状態1)が付与される確率よりも低い確率(例えば、30%))で時短状態(時短状態2)へと移行し(例えば、次回大当たりまで時短状態(時短状態2)が付与される時短状態(時短状態2)へと移行し)、その時短状態(時短状態2)中に更なる大当たりを目指す遊技(射幸性の高い遊技)を実行することが可能となる。
更に、本実施形態では、時短状態2中に、特図2の抽選が大当たりとなった場合には、非時短状態で特図2の抽選が大当たりとなった場合よりも高い確率(例えば、80%)で時短状態(時短状態2)へと移行するように構成することで、一旦、時短状態2に移行した場合に、大当たりと時短状態2とを高確率でループする遊技(射幸性の高い遊技)を実行することが可能となる。
以上、説明をしたように、本実施形態では、遊技者が遊技球を発射する遊技を選択することで、射幸性の低い遊技と射幸性の高い遊技とを選択して実行することが可能に構成されているため、遊技者が射幸性の異なる遊技を実行するために、わざわざ異なるパチンコ機10に移動する行為を無くすことができる。さらに、遊技への投資金額や獲得した出玉に合わせて遊技者が射幸性を選択しながら遊技を行うことができるため、遊技のバリエーションを増加させることができる。
ここで、本第8実施形態のパチンコ機10における確変状態について説明をする。詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10における確変状態は、確変状態ではない通常状態に対して特図の大当たり確率が殆ど変わらないように構成されている(例えば、通常状態の大当たり確率が1/100に対して、確変状態の大当たり確率が5/400)。これは、通常状態中の右打遊技における特図2の抽選結果が大当たりとなった場合と、確変状態中の右打遊技における特図2の抽選結果が大当たりとなった場合とで、遊技者にとって有利となる状態へと移行する確率を異ならせるためである。
図126に戻り説明を続ける。特別図柄(特図1または特図2)の抽選結果が大当たりとなった場合に、実行される大当たり遊技にて遊技球が入球可能となる可変入賞装置165が、中央領域CEに設けられており、右打領域REおよび左打領域LEを通過した遊技球が入球可能に構成されている。
これにより、右打遊技の結果、大当たりとなった場合と、左打遊技の結果、大当たりとなった場合とで、同一の可変入賞装置165を用いた大当たり遊技を実行することが可能となり、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することが可能となる。
なお、本実施形態では、右打遊技と左打遊技とで同一の可変入賞装置165を用いるように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、右打遊技用の可変入賞装置(右可変入賞装置)を右打領域REに設け、左打遊技用の可変入賞装置(左可変入賞装置)を左打領域LEに設け、それぞれの可変入賞装置に遊技球が入球した場合に払い出される遊技球数(賞球数)を異ならせるように構成してもよい。この場合、例えば、左可変入賞装置に対して右可変入賞装置に遊技球が入球した場合に払い出される賞球数が多くなるように設定するとよい。これにより、射幸性の高低をより明確にすることができるという効果がある。
図126に戻り、説明を続ける。中央領域CEには、可変入賞装置165に入球することなく可変入賞装置165を通過した球が入球可能な箇所(可変入賞装置165の下側(下流側))に、第3振分入賞装置7000が設けられている。ここで、この第3振分入賞装置7000の構成について図127を参照して説明をする。
図127は、第3振分入賞装置7000の構成を模式的に示した模式図であって、図127(a)は第3振分入賞装置7000に入球した球が、第1作動口704に入球する場合の流れを示した模式図であり、図127(b)は、第3振分入賞装置7000に入球した球が、中央第1入球口64a3に入球する場合の流れを示した模式図である。
この第3振分入賞装置7000は上述した第4実施形態の第2振分入賞装置700に対して、第3振分入賞装置7000内に中央第1入球口64a3および中央第2入球口64b3を設けた点、第3振分入賞装置7000内に入球し、第1流路703を流下した球が第1作動口704または中央第1入球口64a3へと入球する構成および第2流路706を流下した球が第2作動口707または中央第2入球口64b3へと入球する構成を設けた点で相違している。その他の構成については、上述した第4実施形態の第2振分入賞装置700と同一の構成であるため、同一の箇所には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図127(a)に示す通り、第3振分入賞装置7000に入球した遊技球が第1流路703を流下可能となるように、切換弁702が可動している状態(即ち、時短状態1)で、第3振分入賞装置7000に遊技球が入球すると、まず、第1流路703を流下して第1作動口704へ入球する。そして、第1作動口704に遊技球が入球すると、図127(b)に示す通り、第1作動役物645aが開放状態となり、次に第3振分入賞装置7000に入球した遊技球が中央第1入球口64a3に入球する。
このように、第3振分入賞装置7000に入球した遊技球が第1流路703を流下するのか第2流路706を流下するのかは、設定されている時短状態の種別(時短状態1、時短状態2)によって決定されるため、同一の時短状態中に第3振分入賞装置7000に入球した遊技球は同一の流路(第1流路703または第2流路706)を流下することになる。よって、第3振分入賞装置7000に入球した球は、作動口(第1作動口704または第2作動口707)に入球し、その次に第3振分入賞装置7000に入球した球が入球口(中央第1入球口64a3または中央第2入球口64b3)に交互に入球させることができる。
なお、本実施形態では、中央第1入球口64a3と中央第2入球口64b3とを第3振分入賞装置7000内に設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、左打領域LEまたは右打領域REを流下する遊技球が通過可能な中央領域CEに、左打遊技と右打遊技のいずれの遊技を行っても入球可能な形態であれば、第3振分入賞装置7000の外部に設けてもよい。
図126に戻り、上述した各構成が設けられた遊技盤13を流下する遊技球の球流れについて説明をする。まず、左打遊技が実行され左打領域LEを遊技球が流下すると、左スルーゲート67aを通過する。そして、左スルーゲート67aを通過した遊技球は、第1入球口64aの上方に設けられた釘Q1,Q2,Q3によって、一般入賞口63、第1入球口64a、可変入賞装置165(または、第3振分入賞装置7000)の何れかに入球しやすい流路へと振り分けられる。
つまり、例えば、第1入球口64aへの入球率を下げるために釘Q3を左方向に調整すると、その分可変入賞装置165(または、第3振分入賞装置7000)へ入球する割合が増え、第1入球口64aへの入球率を下げるために釘Q2を右方向に調整すると、その分一般入賞口63へ入球する割合が増えるように構成されている。よって、遊技者が不利となる釘調整がされることを抑制することができる。なお、右打領域REにおける第2入球口64bと釘Q4、Q5,Q6も同一の関係性で構成されているが、内容が同一であるため、その説明を省略する。
そして、左スルーゲート67aを通過した遊技球が第1入球口64aに入球した場合には、特図1の抽選が実行され、左スルーゲート67aを通過し、可変入賞装置165に向けて流下する遊技球は、大当たり遊技中であれば、可変入賞装置165に入球し、大当たり遊技中以外であれば、可変入賞装置165を通過し、第3振分入賞装置7000へと流下する。そして、第3振分入賞装置7000の通過口701aを電動役物701が閉鎖している状態では、第3振分入賞装置7000に入球することなく、アウト口71へ入球し、遊技盤13の裏面に設けた排出口(図示せず)からパチンコ機10外へと排出される。
一方、第3振分入賞装置7000の通過口701aを電動役物701が開放している状態では、遊技球が第3振分入賞装置7000に入球し、切換弁702によって通過可能状態に構成される流路(第1流路703、第2流路706)を流下し、作動口(第1作動口704または第2作動口707)または入球口(中央第1入球口64a3または中央第2入球口64b3)に入球する。
なお、本制御例では、第3振分入賞装置7000に入球した遊技球が、作動口(第1作動口704または第2作動口707)または入球口(中央第1入球口64a3または中央第2入球口64b3)の何れかに入球する構成を用いているが、その以外の構成を用いてもよく、例えば、アウト口を設けてもよいし、再度、遊技盤13に放出されるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、遊技者の遊技状態(左打遊技または右打遊技)を判別可能に構成されており(例えば、各入球口に入球する遊技球を検出することで判別する)、遊技者が遊技を行っている領域(左打領域LEまたは右打領域RE)を識別できるように構成されている。
具体的には、左打領域LEに設けられる各種左装飾LEDと右打領域REに設けられる各種右装飾LEDの輝度を遊技状態(左打遊技または右打遊技)に対応して変更させることで、現在遊技が実行されている遊技領域に設けられているLEDの輝度が高くなるように構成されている。これにより、遊技者に遊技状態を分かりやすく報知することができる。
なお、上述した構成以外を用いてもよく、例えば、遊技盤13を覆うガラスユニット16をハーフミラーで構成し、現在遊技を行っている領域のみ透過(遊技盤13を遊技者が視認可能となるように透過)させる制御を用いても良い。
また、本実施形態では、可変入賞装置165および第3振分入賞装置7000への遊技球の入球を許容または規制する電動役物701を中央領域CEに設けて共通化(左打遊技と右打遊技で共通化)することで、パチンコ機10を構成する部品点数を削減しているが、可変入賞装置165と、電動役物701とを左打遊技と右打遊技とでそれぞれ別々に設けてもよいし、第3振分入賞装置7000を左打遊技と右打遊技とでそれぞれ別々に設けてもよい。
さらに、本実施形態では左打領域LEを流下する遊技球と右打領域REを流下する遊技球とのいずれも流下可能な領域として中央領域CEを設けているが、遊技盤13上で左打領域LEと右打領域REとを完全に分離させる構成にしてもよい。これにより意図しない領域に遊技球が流下することを抑制することができる。
また、ハンドル51に、遊技球の発射力を調整する調整手段(調整ボタン等)を設け。遊技者が容易に所望の領域(左打領域LEまたは右打領域RE)を狙えるようにしてもよい。
次に、図128を参照して、本実施形態における遊技状態の移行について説明をする。図128は遊技状態の移行の流れを模式的に示した模式図である。図128に示すように本パチンコ機10は、電動役物701が開放し難い遊技(電サポ無し遊技)状態である通常状態と潜伏確変状態と、時短状態1(特図1変動用時短状態(不利時短))、時短状態2(特図2変動用時短状態(有利時短))とを当選した大当たり種別に基づいて移行させるよう構成されている。
まず、通常状態において、左打遊技が実行される場合について説明をする。左打遊技では特図1の変動(抽選)が実行される遊技が行われ、大当たりに当選すると30%が確変・時短状態1(次回大当たりまで)に移行し、50%が確変(次回大当たりまで)・時短状態1(50回)に移行し、20%が通常・時短状態1(50回)に移行する。
次に、時短(電サポ有り遊技)状態に移行すると、それぞれ図示した割合でそれぞれの遊技状態を移行し、時短状態が終了すると図示するように電サポ無し遊技に移行する。
一方、通常状態において、右打ち遊技が実行されると、特図2の変動(抽選)が実行される遊技が行われ、大当たりに当選すると30%が確変・時短状態2(次回大当たりまで)に移行し、50%が確変(次回大当たりまで)・時短なし(即ち、潜伏確変状態)に移行し、20%が通常状態に移行する。
そして、時短状態2(電サポ有り遊技)において大当たりに当選すると、80%が確変・時短状態2(次回大当たりまで)に移行し、20%が通常状態へと移行する。つまり、左打遊技は通常状態から100%の確率で時短状態(時短状態1)へ移行するのに対して、右打遊技は通常状態から30%の確率でしか時短状態(時短状態2)へ移行しないように設定されている。つまり、左打遊技のほうが通常状態から時短遊技が付与されやすい遊技を実行することができる。
一方、時短状態(電サポ有り遊技)においては、左打遊技は、時短状態が次回大当たりまで設定される遊技状態に移行する確率が30%であるのに対して、右打遊技は、時短状態が次回大当たりまで設定される遊技状態に移行する確率が80%と高く設定されている。つまり、一旦、時短状態に移行すると、右打遊技のほうが時短状態を継続させやすい遊技を実行することができる。
以上、説明をしたように、遊技者が遊技方法(左打遊技、右打遊技)を選択することで遊技者が通常状態から時短状態に移行しやすく、時短状態から通常状態へと移行しやすい遊技(射幸性の低い左打遊技)を実行したり、通常状態から時短状態に移行し難く、時短状態から通常状態へと移行し難い遊技(射幸性の高い右打遊技)を実行したりすることができる。よって、遊技者が異なる射幸性の遊技を実行する場合に、異なるパチンコ機10に移動する手間を省くことができるという効果がある。
<第8実施形態の電気的構成について>
次に図129から図130を参照して本第8実施形態における電気的構成について説明する。本第8実施形態では上述した第4実施形態に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数2テーブル202aを設けた点と、第1当たり種別選択テーブル202bに代えて第1当たり種別選択2テーブル202bを設けた点と、で相違する。その他の構成については、上述した第4実施形態と同一であり、同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図129を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図129(a)は、第1当たり乱数2テーブル202aの内容を示す模式図であり、図129(b)は、第1当たり種別選択2テーブル202bの内容を示す模式図である。
図129(a)に示す通り、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されており、特別図柄の低確率時(通常状態時)に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は4個あり、その乱数値である「0〜3」は、第1当たり乱数テーブル202aに低確率時用の判定値として格納されている。このように特別図柄の低確率時(通常状態時)には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時(確変状態時)に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その値である「0〜5」は、第1当たり乱数テーブル202aに高確率時用の判定値として格納されている。このように特別図柄の高確率時(確変状態時)には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。
以上、説明をしたように、本実施形態では、通常状態時における特別図柄の大当たり確率と、確変状態時における特別図柄の大当たり確率とに大きな差が生じないように設定されている。これについては、図129および図130を参照して、詳細な内容について後述する。なお、通常状態時における特別図柄の大当たり確率と、確変状態時における特別図柄の大当たり確率については、通常状態時よりも特別図柄の大当たり確率が高くなるように設定されていれば他の値を設定してもよく、例えば、乱数値の総数を4000とし、通常状態においては大当たりとなる乱数値の総数が40(大当たり確率が1/100)、確変状態において大当たりとなる乱数値の総数が41(大当たり確率が約1/98)となるように設定してもよい。
次に、図129(b)に示す通り、本実施形態における第1当たり種別選択2テーブル202bには、特図1用選択2テーブル202b3と特図2用選択2テーブル(通常)202b4と特図2用選択2テーブル(時短)202b5とが設定されている。
ここで、図130(a)を参照して、特図1用選択2テーブル202b3の内容について説明をする。図130(a)は、特図1用選択2テーブル202b3の内容を模式的に示した模式図である。本パチンコ機10では、特図1の抽選(判別)にて大当たりとなった場合に選択される大当たり種別として大当たりAから大当たりCまでの3種類の大当たり種別が設定されている。
図130(a)に示す通り、大当たりAに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜29」が設定されており、大当たりBに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「30〜79」が設定されており、大当たりCに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が設定されている。
ここで、大当たり種別として大当たりAが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に次回大当たりに当選するまで確変状態が付与され、さらに、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される時短状態(時短状態1)が次回大当たりに当選するまで付与される。なお、大当たりAが実行された場合は、その大当たり遊技中に約1000個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
大当たり種別として大当たりBが選択された場合には、大当たり遊技として8ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に次回大当たりに当選するまで確変状態が付与され、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される時短状態(時短状態1)が、特別図柄が50回変動されるまで付与される。なお、大当たりBが実行された場合は、その大当たり遊技中に約500個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
大当たり種別として大当たりCが選択された場合には、大当たり遊技として4ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることなく、電役開放パターンとして開放パターンAが設定される時短状態(時短状態1)が、特別図柄が50回変動されるまで付与される。なお、大当たりCが実行された場合は、その大当たり遊技中に約250個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
次に、図130(b)を参照して、特図2用選択2テーブル(通常)202b4の内容について説明をする。図130(b)は、特図2用選択2テーブル(通常)202b4の内容を模式的に示した模式図である。この特図2用選択2テーブル(通常)202b4は、通常状態において、特図2の抽選(判別)にて大当たりとなった場合に参照されるものであり、選択される大当たり種別として大当たりDから大当たりFまでの3種類の大当たり種別が設定されている。
図130(b)に示す通り、大当たりDに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜29」が設定されており、大当たりEに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「30〜79」が設定されており、大当たりFに対しては、第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が設定されている。
ここで、大当たり種別として大当たりDが選択された場合には、大当たり遊技として15ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に次回大当たりに当選するまで確変状態が付与され、さらに、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される時短状態(時短状態2)が次回大当たりに当選するまで付与される。なお、大当たりDが実行された場合は、その大当たり遊技中に約1000個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
大当たり種別として大当たりEが選択された場合には、大当たり遊技として8ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与されることなく、次回大当たりに当選するまで確変状態が付与される。なお、大当たりBが実行された場合は、その大当たり遊技中に約500個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
大当たり種別として大当たりFが選択された場合には、大当たり遊技として4ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後には時短状態および確変状態が付与されないように設定されている。なお、大当たりCが実行された場合は、その大当たり遊技中に約250個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
次に、図131を参照して、特図2用選択2テーブル(時短)202b5の内容について説明をする。図131は、特図2用選択2テーブル(時短)202b5の内容を模式的に示した模式図である。この特図2用選択2テーブル(時短)202b5は、時短状態において、特図2の抽選(判別)にて大当たりとなった場合に参照されるものであり、上述した特図2用選択2テーブル(通常)202b4に対して、大当たりEに代えて大当たりGを設定した点で相違する。なお、同一の構成についてはその説明を省略する。
図131に示す通り、特図2用選択2テーブル(時短)202b5では大当たりGが選択された場合には、大当たり遊技として8ラウンドの大当たり遊技が付与され、その大当たり遊技終了後に次回大当たりに当選するまで確変状態が付与され、さらに、電役開放パターンとして開放パターンBが設定される時短状態(時短状態2)が次回大当たりに当選するまで付与される。なお、大当たりGが実行された場合は、その大当たり遊技中に約1000個の遊技球が払い出されるよう構成されている。
以上、説明をしたように、本実施形態では、特図2用選択2テーブル(時短)202b5では、80%の振り分け率で時短状態(時短状態2)が付与され、特図2用選択2テーブル(通常)202b4では、30%の振り分け率で時短状態(時短状態2)が付与されるように設定されている。これにより、通常状態における特図2の大当たり(即ち、初当たり)と時短状態における特図2の大当たり(即ち、連荘中の大当たり)とで、時短状態(時短状態2)が付与される確率を異ならせることが可能となる。
よって、遊技状態が遊技者にとって有利となる遊技状態(時短状態2)へ移行する割合と、遊技者にとって有利となる遊技状態(時短状態2)をループする割合とに差を設けることが可能となるため、遊技者にとって有利であって移行確率が低く設定されている遊技状態(時短状態2)に移行したにも関わらず、即座に別の遊技状態(例えば、通常状態)へと移行してしまい、遊技者に不満を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、上述した本第8実施形態では、遊技者が遊技盤13の左打領域LEを狙って遊技を実行する場合と、遊技盤13の右打領域REを狙って遊技を実行する場合とで、異なる遊技(射幸性の異なる遊技)を実行することができる。よって、遊技者が射幸性の異なる遊技を実行するために、わざわざ異なるパチンコ機10に移動する行為を無くすことができる。さらに、遊技への投資金額や獲得した出玉に合わせて遊技者が射幸性を選択しながら遊技を行うことができるため、遊技のバリエーションを増加させることができる。
また、左打遊技または右打遊技において特別図柄の大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中に遊技球が入球可能な開放状態となる可変入賞装置165を、左打領域LEまたは右打領域REを流下した何れの遊技球も流下可能な中央領域CEに設けているため、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができる。
さらに、本実施形態では、中央領域CEに第3振分入賞装置7000を設けているため、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができる。さらに、第3振分入賞装置7000に入球した球が中央第1入球口64a3および中央第2入球口64b3の何れに入球するかは、実行されている時短状態の種別(時短状態1または時短状態2)によって決定されるため、時短状態において第3振分入賞装置7000に球を入球させる遊技を実行する場合には、左打遊技と右打ち遊技の何れで実行しても同一の遊技結果(第3振分入賞装置7000内での遊技球の入球結果)を得ることができる。
よって、例えば、右打遊技を行った結果、時短状態(時短状態2)となった場合に、右打遊技を行って第3振分入賞装置7000に遊技球を入球させるよりも、左打遊技を行って第3振分入賞装置7000に遊技球を入球させるほうが容易の場合に、右打遊技から左打遊技へと遊技方法を変更することが可能となる。よって、遊技者が現在の遊技状態(通常状態、時短状態)に適した遊技方法(左打遊技、右打遊技)を選択して遊技を行うことが可能となり、遊技意欲を高めることができる。
なお、左打遊技と右打遊技とで第3振分入賞装置7000への入球のしやすさが異なる原因としては、遊技盤13に植設された釘の調整が考えられ、例えば、左スルーゲート67aのほうが右スルーゲート67bよりも遊技球が通過し易い釘調整にしたり、左打領域LEを流下する遊技球を第3振分入賞装置7000に向けて誘導する誘導釘が、右打領域REを流下する遊技球を第3振分入賞装置7000に向けて誘導する誘導釘よりも、遊技球を誘導させやすい釘調整にすることが考えられる。
次に、本第8実施形態の変形例について図132を参照して説明する。図132は本第8実施形態の変形例の遊技盤13正面図を模式的に示した模式図である。この変形例は、上述した第8実施形態に対して振分装置7000へ遊技球が入球可能な通過口が複数(2つ)設けられており、各通過口に対して遊技球の入球を許容する許容位置と規制する規制位置とに可変可能な電動役物(左電動役物701a、右電動役物701b)が設けられる点、遊技球が左スルーゲート67aを通過することで実行される普通図柄抽選(左普通図柄抽選)に基づいて左電動役物701aが開放制御され、遊技球が右スルーゲート67bを通過することで実行される普通図柄抽選(右普通図柄抽選)に基づいて右電動役物701bが開放制御される点で相違している。それ以外の構成については同一である。よって同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図132に示すように、左電動役物701aは左打領域LEに設けられており、左スルーゲート67aを遊技球が通過することにより実行される普通図柄抽選(左普通図柄抽選)の結果が当たりとなった場合に開放(許容位置)されるように構成されている。この左電動役物701aは、時短状態1が設定されている場合に、遊技球が入球しやすいように開放制御される。
一方、右電役物701bは右打領域REに設けられており、右スルーゲート67bを遊技球が通過することにより実行される普通図柄抽選(右普通図柄抽選)の結果が当たりとなった場合に開放(許容位置)されるように構成されている。この右電役物701bは、時短状態2が設定されている場合に、遊技球が入球しやすいように開放制御される。
このように、第3振分入賞装置7000に対して、遊技球が入球可能な通過口(左通過口、右通過口)を左打遊技用と右打遊技用とでそれぞれ設け、左通過口に対して左電動役物701aを、右通過口に対して右電動役物701bを設けることで、時短状態においても右打遊技と左打遊技とを確実に切り分けることができる。
さらに、左スルーゲート67aを遊技球が通過することにより実行される普通図柄抽選(左普通図柄抽選)に基づいて開放制御される左電動役物701aが、時短状態1が設定されている場合に、遊技球が入球しやすいように構成され、右スルーゲート67bを遊技球が通過することにより実行される普通図柄抽選(右普通図柄抽選)に基づいて開放制御される右電動役物701bが、時短状態2が設定されている場合に、遊技球が入球しやすいように開放制御されるため、遊技者にとって最も有利となる時短状態2が設定されている状態で電動役物701aに遊技球が入球することを抑制することができる。
なお、本変形例では、第3振分入賞装置7000内に、上述した第8実施形態と同様の構成を用いており、左電動役物701aまたは右電動役物701bが開放(許容)されている状態で各通過口を通過した遊技球が、切換弁702上に誘導される構成としているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、左電動役物701aが開放され、左通過口から入球した球が第1流路703を流下し、右電動役物701bが開放され、右通過口から入球した球が第2流路706を流下するように構成してもよい。これにより、左打遊技と右打遊技とを確実に分離させることができる。よって、遊技者が意図しない遊技が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
以上、説明をした第8実施形態および第8実施形態の変形例の構成を、上述した各制御例および各実施形態の構成と組み合わせてもよい。
<第4実施形態の第1の変形例>
次に、図133を参照して、上述した第4実施形態の第1の変形例について説明する。この第4実施形態の第1の変形例では、振分入賞装置700に代えて、振分入賞装置7000が設けられている点で上記第4実施形態と相違している。この振分入賞装置7000の詳細について、図133を参照して説明する。図133は、本第4実施形態の第1の変形例における振分入賞装置7000の構成を示した正面図である。
図133に示した通り、振分入賞装置7000は、第1実施形態の変形例における振分入賞装置650(図35参照)と、第4実施形態における振分入賞装置700(図81参照)とを組み合わせた構成となっている。なお、この振分入賞装置7000の基本的な機能は、振分入賞装置700と同様であり、球が振分入賞装置7000の第1作動口7040へと入球した(振り分けられた)場合は、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、振分入賞装置7000の内部に設けられた第2作動口7070へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
右第2入球口64bへと球が入球すると、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球が入球する作動口(第1作動口7040に入球するか、第2作動口7070に入球するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図133に示した通り、振分入賞装置7000の上面側には、電動役物7010が設けられている。この電動役物7010は、第1実施形態の変形例における振分入賞装置700の電動役物701と同様に、振分入賞装置7000の内部へと球が入球可能(容易)となる開放状態(没入状態)と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態(突出状態)とに切り替え可能に構成されている。この電動役物7010は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に開放状態に設定される。
振分入賞装置7000の内部には、球が流下可能な誘導流路7020が設けられており、その誘導流路7020の下流には、球の通過を検出する磁気センサ7020aが設けられている。この磁気センサ7020aの下方には、第1回転体7090が設けられている。この第1回転体7090は、第1実施形態の変形例における確変回転体900と同様に、その周囲に遊技球が入球可能な4つの凹部(回転入球口7090a〜7090d)が設けられている。これらの凹部のうち、回転入球口7090aは、背面側へと遊技球を誘導可能に構成されている。よって、振り分け入賞装置7000に入球した遊技球が回転入球口7090aへと入球し、第1回転体が正面視時計回りに回転して回転入球口7090aの背面側に第1作動口7040が配置する位置関係になると、遊技球が回転入球口7090aから、その背面側に向けて転動し、第1作動口7040へと入球する。この場合、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。
一方、回転入球口7090b〜7090dには、背面側に球が誘導されることを妨げる壁部が設けられている。よって、回転入球口7090b〜7090dへと入球した遊技球は、第1回転体7090が第1作動口7040の前面側まで回転動作したとしても、壁部に妨げられて第1作動口7040へと入球することができない。よって、回転入球口7090b〜7090dへと入球した遊技球は第2回転体7091へと続く誘導流路7060に誘導される。
誘導流路7060には、通過した遊技球を検出するための磁気センサ7060aが設けられており、その磁気センサ7060aによって検出された遊技球は、第2回転体7091へと流下する。第2回転体7091も、第1回転体7090と同様に、遊技球が入球可能な4つの凹部(回転入球口7091a〜7091d)が設けられており、回転入球口7091aのみ、遊技球を背面側へと誘導可能に構成されている。よって、遊技球が回転入球口7091aへと入球すると、第2回転体が正面視反時計回りに回転し、第2作動口7070が回転入球口7091aの手前側となる配置になった場合に、遊技球が背面側方向へと転動して第2作動口7070へと入球する。この場合、右第2入球口64bに付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。一方、遊技球が回転入球口7091b〜7091dへと入球した場合は、遊技球が第2作動口7070へと誘導されないので、排出流路656へと誘導されて排出口657から遊技機の外部へと排出される。
第1回転体7090と、第2回転体7091とは、パチンコ機10に対して電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常に等速で回転し続ける。より具体的には、第1回転体7090は、5秒間に1回転する回転速度で正面視時計回りに、第2回転体7091は、3秒間に1回転する回転速度で正面視反時計回りに、それぞれ回動されている。これにより、普通図柄の当たりになり、電動役物7010が開放されるタイミング、および遊技球が振分入賞装置7000へと入球するタイミングに応じて、遊技球が第1作動口7040へと入球する(回転入球口7090aへと入球する)か、第2作動口7070へと入球する(回転入球口7091aへと入球する)か、排出口657へと入球するかが変わる。これにより、遊技者に対して、遊技球が振分入賞装置7000へと入球した場合に、各回転体(第1回転体7090、第2回転体7091)の配置をより興味深く観察させることができる。即ち、第1回転体7090へと遊技球が到達した場合に、遊技球が第1作動口7040へと誘導されずに第2回転体7091へと流下する(遊技球が回転入球口7090b〜7090dのいずれかに入球する)ことを期待させることができる。また、遊技球が第2回転体7091へと到達した場合に、遊技球が第2作動口7070へと誘導される(遊技球が回転入球口7091aへと入球する)ことを期待させることができる。
このように、本変形例では、普通図柄の時短状態において入球し易くなる振分入賞装置7000によって、遊技球を第1作動口7040、第2作動口7070、および排出口657のいずれかへと振り分ける構成としている。また、遊技球が振り分けられる作動口(または排出口)は、第1回転体7090、および第2回転体7091の回転位置に応じて変わる。よって、遊技者に対して、遊技球が振分入賞装置7000へと入球したタイミングや、各回転体(第1回転体7090、第2回転体7091)の配置を興味深く観察させることができる。そして、第2作動口7070へと遊技球が振り分けられた場合に、遊技者を喜ばせることができる。
なお、本第4実施形態の第1の変形例では、第1回転体7090、および第2回転体7091において、背面側へと遊技球を誘導可能な回転入球口(回転入球口7090a、回転入球口7091a)をそれぞれ1つのみ設ける構成としていたが、これに限られず、任意の個数に定めてもよい。例えば、第1回転体7090において背面側へと遊技球を誘導する凹部を増加させれば(例えば、回転入球口7090a,7090bの2個に増加させれば)、時短状態において第1作動口7040へと遊技球が入球する確率(右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わる確率)を上げることができるので、時短状態において大当たりとなった場合に確変状態が付与され難い第1特別図柄の抽選を多く実行させることができる。よって、確変状態が連続し過ぎてしまい、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止(抑制)することができる。また、例えば、第1回転体7091において背面側へと遊技球を誘導する凹部を増加させれば(例えば、回転入球口7091a〜7091cの3個に増加させれば)、時短状態において第2作動口7070へと遊技球が入球する確率(右第2入球口64bに付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わる確率)を上げることができるので、時短状態において大当たりとなった場合に確変状態が付与され易い第2特別図柄の抽選を多く実行させることができる。よって、大当たり終了後に確変状態が付与される割合を高くすることができるので、確変状態に対する期待感をより高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第4実施形態の第1の変形例では、第1回転体7090と、第2回転体7091とを等速で回転動作させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ランダムに回転速度を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が第2作動口7070を入球させるために、どのタイミングで振分入賞装置7000へと入球させればよいのかを遊技者に認識させ難くすることができる。これにより、振分入賞装置7000へと遊技球が入球した場合に、遊技球の行方をより興味深く見守らせることができる。また、回転速度をランダムに可変させるのではなく、規則的に可変させてもよい。具体的には、例えば、振分入賞装置7000へと入球した遊技球が回転入球口7090aに入球可能となる範囲で第1回転体7090の回転速度を速くし、回転入球口7090aへと入球不可能(回転入球口7090b〜7090dへと入球可能)となる範囲では第1回転体7090の回転速度を遅くしてもよい。このように構成することで、回転入球口7090aへ遊技球が入球し難くなり、第1作動口7040へと遊技球が入球し難くなるので、相対的に第2作動口7070へと遊技球を入球し易くすることができる。また、例えば、誘導流路7060を流下した遊技球が回転入球口7091aに入球可能となる範囲の回転位置で第2回転体7091の回転速度を遅くし、回転入球口7091aへと入球不可能(回転入球口7091b〜7091dへと入球可能)となる範囲の回転位置では、第2回転体7091の回転速度を速くしてもよい。このように構成することで、回転入球口7091aへ遊技球が入球し易くなるので、右第2入球口64bに付随する第2作動役物645bが開放され易くなる。よって、右第2入球口64bに遊技球が入球し易くなるので、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。よって、時短状態に対する期待感をより高めることができる。
本第4実施形態の第1の変形例では、第2回転体7091の回転入球口7091b〜7091dへと入球した遊技球が排出口657へと誘導される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1作動口7040と同一の機能(遊技球が入球することで第1作動役物645aを開放状態に作動させる)を有する作動口を設ける構成としてもよい。このように構成することで、振分入賞装置7000へと遊技球が入球した場合に、第1作動役物645a、または第2作動役物645bのどちらかを開放状態に作動させることができる。よって、確変状態や時短状態における遊技効率を向上させることができる。
本第4実施形態の第1の変形例では、第1回転体7090や第2回転体7091に対して、球が入球可能な凹部を4つずつ設ける構成としていたが、凹部の個数は4個に限られず、任意に定めてもよい。また、各回転体の背面側へと遊技球を誘導可能な凹部の割合も任意に定めてもよい。このように構成することで、第1作動口7040、および第2作動口7070へと遊技球が誘導される確率(割合)を、より細かく設定することができるので、確変状態や時短状態において確変状態へと突入する割合をより自由に(細かく)設定することができる。
本第4実施形態の第1の変形例では、振分入賞装置7000の内部構造を、第1実施形態の変形例における振分入賞装置650(図35参照)と同様の構造としていたが、これに限られるものではない。例えば、上記第1実施形態における振分入賞装置650(図3参照)を採用してもよい。
なお、本変形例における振分入賞装置7000を、図126〜図133に示した盤面構成のパチンコ機10の振分入賞装置700に対して適用してもよい。これにより、パチンコ機10の設計の自由度をより高めることができる。
<第4実施形態の第2の変形例>
次に、図134を参照して、上述した第4実施形態の第2の変形例について説明する。この第4実施形態の第2の変形例では、振分入賞装置700に代えて、振分入賞装置8000が設けられている点で上記第4実施形態と相違している。図134に示した通り、振分入賞装置8000は、第1実施形態における振分入賞装置64c(図40(a),(b)参照)と、第4実施形態における振分入賞装置700(図81参照)とを組み合わせた構成となっている。なお、この振分入賞装置8000の基本的な機能は、振分入賞装置700(図81参照)と同様であり、球が振分入賞装置8000の第1作動口8040へと入球した(振り分けられた)場合は、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、振分入賞装置8000の内部に設けられた第2作動口8070へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
右第2入球口64bへと球が入球すると、大当たりとなった場合に特別図柄の確変状態が付与される割合が高い第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、遊技者にとって有利となる。よって、振分入賞装置700へと入球した球が入球する作動口(第1作動口8040に入球するか、第2作動口8070に入球するか)を遊技者に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図134に示した通り、振分入賞装置8000の上面には、第4実施形態における振分入賞装置700の電動役物701と同様の構成の電動役物8010が設けられている。この電動役物8010は、上述した電動役物701と同様に、球が入球可能(容易)となる開放状態(没入状態)と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態(突出状態)とに切り替え可能に構成されている。この電動役物8010は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に開放状態に設定される。
電動役物8010から振分入賞装置8000の内部へと入球した遊技球は、誘導流路8020を流下する。この誘導流路8020には、遊技球の通過(振分入賞装置8000へと入球した遊技球の個数)を検出するための磁気センサ8030aが設けられている。また、磁気センサ8030aの下方には、調整釘8030a,8030bが設けられている。この調整釘8030a,8030bの間の開口部8030cを通過した遊技球は、その下流に設けられた第1作動口8040、または第2作動口8070の何れかに入球する。上述した通り、球が第1作動口8040へと入球した(振り分けられた)場合は、右第1入球口64a2に付随する第1作動役物645aが開放状態に切り替わり、右第1入球口64a2へと球が入球可能な状態となる。一方、振分入賞装置8000の内部に設けられた第2作動口8070へと球が振り分けられれば(入球すれば)、右第2入球口に付随する第2作動役物645bが開放状態に切り替わり、右第2入球口64bへと球が入球可能な状態となる。
調整釘8030a,8030bは、上記第1実施形態における調整釘t1,t2と同様に、遊技店の店員等によって傾斜を調整可能に構成されている。調整釘8030aを下方に傾斜させるように調整する程、第1作動口8070の上方が調整釘8030bによって遮られる結果、第2作動口8070へと遊技球が進行し難くなる。よって、相対的に遊技球を第1作動口8040へと入球し易くできる。逆に、遊技釘8030bを下方に傾斜させるように調整する程、第2作動口8040の上方が調整釘8030bによって遮られる結果、第1作動口8040へと遊技球が進行し難くなるので、相対的に遊技球を第1作動口8070へと入球し易くできる。
このように、本変形例では、時短状態において入球し易くなる作動口(第1作動口8040、または第2作動口8070)を、調整釘8030a,8030bを調整することによって可変させることができる。つまり、時短状態(および確変状態)において右打ちを行った場合に、球が右第1入球口64a2に入球し易くなるか、右第2入球口64bに入球し易くなるかを可変させることができるので、大当たりとなった場合に確変状態が付与される確率(割合)を可変させることができる。より具体的には、第1作動口8040への入球が妨げられるように調整釘8030bを下方に傾斜させることにより、確変状態で右打ちを行うと、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される構成とすることができる。よって、確変状態の継続率を80%に設定することができる。一方、第2作動口8070への入球が妨げられるように調整釘8030aを下方に傾斜させることにより、確変状態で右打ちを行うと、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される構成とすることができるよって、確変状態の継続率を50%に設定することができる。このように、本変形例では、調整釘8030a,8030bを調整可能に構成することで、遊技店の営業方針に合わせて、パチンコ機10の確変突入率を可変させることができる。
また、調整釘8030a,8030bを調整する場合は、一方の作動口(第1作動口8040、または第2作動口8070)への入球を完全に妨げ、他方の作動口にのみ遊技球が入球可能に構成するのでなく、両方の作動口に遊技球が入球可能とし、入球割合を異ならせるような調整を行うこともできる。
例えば、調整釘8030a,8030bを正面視右方向に傾斜させる程、振分入賞装置8000へと入球した遊技球が第1作動口8040へと入球する割合を高くすることができる。一方で、調整釘8030a,8030bを正面視左方向に傾斜させる程、振分入賞装置8000へと入球した遊技球が第2作動口8070へと入球する割合を高くすることができる。よって、調整釘8030a,8030bの調整具合を可変させることにより、確変状態が継続し易い(第2作動口8070に遊技球が入球し易い)個体や、確変状態が継続し難い個体を設けることができる。よって、遊技者に対してより真剣に台選びを行わせることができるので、遊技を行うよりも前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本変形例の振分入賞装置8000では、切換弁702が削除されているので、遊技中に時短状態の種別を切り替えることは出来ないが、構成を簡素化することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減させることができる。また、時短識別フラグ203csを削除することができるので、普通図柄の時短状態において時短識別フラグ203csを参照して電動役物8010の開放パターンを切り替える処理や、大当たり終了時に時短識別フラグ203csの値を大当たり種別に応じて設定する処理等を削除することができる。よって、MPU201の処理負荷を低減することができる。
なお、本変形例における振分入賞装置8000を、図126〜図133に示した盤面構成のパチンコ機10の振分入賞装置700に対して適用してもよい。これにより、パチンコ機10の設計の自由度をより高めることができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(アタッカの中でV確抽選ルートと継続抽選ルートとを切替)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、遊技球が入球することで遊技者に有利となる第1特典が付与される入賞口と、その入賞口に遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球困難な第2状態とに可変する可変手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合に、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有した遊技機において、前記入賞口内部に配置され、その入賞口に入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1特典とは異なる第2特典を付与し、前記第2入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1特典および前記第2特典とは異なる第3特典を付与する特典付与手段と、前記可変制御手段により前記可変手段が可変されるタイミングにより、前記第1入球領域に入球可能となる第1入球状態と前記第2入球領域に入球可能となる第2入球状態とを切り替える切替手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、例えば所定の表示態様が現出した後、遊技盤上に複数設けられた所定の領域に遊技球を通過させることで、遊技球の通過した所定の領域に基づく大当たり遊技の種別の抽選がなされ、その抽選された大当たり遊技の種別で大当たり遊技が開始される遊技機が知られている。大当たり遊技の種別の抽選比率は、複数設けられた所定の領域ごとに異なっており、複数設けられた所定の領域のうち、いずれか一つを遊技者が選択し、遊技球を通過させることによって、大当たり遊技の種別が抽選される遊技機が提案されている(例えば、特開2013−233181号公報)。この場合、特典遊技である大当たり遊技が付与されるまでは遊技者の興趣を高めることができるが、大当たり遊技が付与されてからは遊技が単調なものとなり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合があった。
遊技機A1によれば、特定の抽選結果となった場合に、可変制御手段により可変手段が可変されるタイミングにより第1特典に加え、第2特典または第3特典が付与されることが可能となるので、特定の抽選結果となった後にも、付与される特典に興味を持つことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記入賞口内に、前記第1入球領域へと遊技球を案内可能な第1流路と、前記第2入球領域へと遊技球を案内可能な第2流路とを有し、前記切替手段は、前記入賞口に入球した遊技球を前記第1流路に振り分ける第1振り分け状態と前記第2流路に振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け部材と、その振り分け部材を所定タイミングで前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とのどちらか一方に可変させる可変制御手段とで少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、振り分け部材の状態により振り分けられる流路が可変するので、特定の抽選結果となった後に、振り分け部材の状態を予測する楽しみを与えることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記入賞口内に配置され、前記第1入球領域を含む遊技球が入球可能な複数の入球領域を周囲に有した第1回転体と、前記入賞口内に配置され、前記第2入球領域を含む遊技球が入球可能な複数の入球領域を周囲に有した第2回転体と、少なくとも前記入賞口に遊技球が入球可能となる期間において前記第1回転体と前記第2回転体とを所定方向に回転させる回転制御手段とを有するものであることを特徴する遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1からA2のいずれかの奏する効果に加え、所定方向に回転する第1回転体の第1入球領域と、所定方向に回転する第2回転体の第2入球領域とのいずれかに入球するかに注目させることができる。これにより、遊技者は第1回転体と第2回転体との回転に注目するので、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記入賞口とは異なる遊技球が入球可能に構成された特定入賞口と、その特定入賞口に遊技球が入球可能な入球状態とその入球状態よりも入球困難となる規制状態とに可変可能な特定可変手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記抽選手段により前記特定の抽選結果であると判別された場合に、前記可変手段または前記特定可変手段のうちどちらか一方を選択して、前記第2状態から前記第1状態または前記規制状態から前記入球状態に可変制御するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、第2特典または第3特典が付与される入賞口が可変手段により可変されるか、そうではない特定入賞口が特定可変手段により可変されるかのいずれか一方が選択される。これにより、遊技者は入賞口と特別入賞口とのどちらが可変されるかに注目することとなり、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
<特徴B群>(V確と継続の2回抽選)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、遊技球が入球することで遊技者に有利となる第1特典が付与される入賞口と、その入賞口に遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球困難な第2状態とに可変する可変手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合に、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、を有した遊技機において、前記入賞口内部に配置され、その入賞口に入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1特典とは異なる第2特典を付与するか否かを決定する第1決定手段と、前記第2入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1特典および前記第2特典とは異なる第3特典を付与するか否かを決定する第2決定手段と、前記第1入球領域を前記第2入球領域の上流側に配置して、前記第1入球領域に遊技球が入球して前記第1決定手段により前記第2特典が付与されない場合に、その入球した遊技球を前記第2入球領域に誘導する誘導路とを有することを特徴とする遊技機B1。
ここで、例えば所定の表示態様が現出した後、遊技盤上に複数設けられた所定の領域に遊技球を通過させることで、遊技球の通過した所定の領域に基づく大当たり遊技の種別の抽選がなされ、その抽選された大当たり遊技の種別で大当たり遊技が開始される遊技機が知られている。大当たり遊技の種別の抽選比率は、複数設けられた所定の領域ごとに異なっており、複数設けられた所定の領域のうち、いずれか一つを遊技者が選択し、遊技球を通過させることによって、大当たり遊技の種別が抽選される遊技機が提案されている(例えば、特開2013−233181号公報)。この場合、特典遊技である大当たり遊技が付与されるまでは遊技者の興趣を高めることができるが、大当たり遊技が付与されてからは遊技が単調なものとなり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合があった。
遊技機B1によれば、第1入球領域に入球して第2特典が付与されない場合にも、その遊技球を第2入球領域に遊技球を誘導して、第3特典の付与が決定されるか否かの機会を遊技者に与えることができる。これにより、遊技者に第1特典が与えられる遊技中にもさらに第2特典または第3特典が遊技者に与えられるかの演出を行うことができる。よって、遊技者に多様の演出を与えることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記入賞口内に配置され、前記第1入球領域を含む遊技球が入球可能な複数の入球領域を周囲に有した第1回転体と、前記入賞口内に配置され、前記第2入球領域を含む遊技球が入球可能な複数の入球領域を周囲に有した第2回転体と、少なくとも前記入賞口に遊技球が入球可能となる期間において前記第1回転体と前記第2回転体とを所定方向に回転させる回転制御手段とを有するものであることを特徴する遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、所定方向に回転する第1回転体の第1入球領域と、所定方向に回転する第2回転体の第2入球領域とのいずれかに入球するかに注目させることができる。これにより、遊技者は第1回転体と第2回転体との回転に注目するので、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記入賞口とは異なる遊技球が入球可能に構成された特定入賞口と、その特定入賞口に遊技球が入球可能な入球状態とその入球状態よりも入球困難となる規制状態とに可変可能な特定可変手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記抽選手段により前記特定の抽選結果であると判別された場合に、前記可変手段または前記特定可変手段のうちどちらか一方を選択して、前記第2状態から前記第1状態または前記規制状態から前記入球状態に可変制御するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、第2特典または第3特典が付与される入賞口が可変手段により可変されるか、そうではない特定入賞口が特定可変手段により可変されるかのいずれか一方が選択される。これにより、遊技者は入賞口と特別入賞口とのどちらが可変されるかに注目することとなり、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<特徴C群>(えらべるパチンコ)
遊技球が通過することが可能な通過口と、その通過口を通過した遊技球が入球することが可能な第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域に遊技球が入球したことに基づいて、第1の遊技価値を付与することが可能な第1付与手段と、前記第2領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を付与することが可能な第2付与手段と、前記通過口を通過した遊技球が、前記第1領域と前記第2領域とのそれぞれに入球する比率を調整することが可能な調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技球が入球可能な入球口を複数配置して、その入球口に遊技球が入球した場合に、その入球口に対して予め定められている個数の賞球を遊技者に対して払い出すように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2010−269071号公報)。この場合、遊技店側は、賞球の個数等を設定することはできず、遊技店の営業方法に合った賞球の個数や、大当たり確率等が予め設定された遊技機を購入せねばならず、営業方法の変更等では、新たにその営業方法にあった遊技機を購入する必要があった。
遊技機C1によれば、通過口を通過した遊技球が第1領域と第2領域とのそれぞれに入球する比率を調整手段により調整できる。よって、例えば、調整手段により第2領域に対して第1領域への入球率が高くなるように調整すれば、第1の遊技価値が付与される易い遊技機に設定できるし、調整手段により第1領域に対して第2領域への入球率が高くなるように調整すれば、第2の遊技価値が付与され易い遊技機に設定できる。従って、遊技者に付与され得る遊技価値を変更する必要がある場合に、新たに遊技機を設置するのに比べ、安価なコストでその遊技価値を変更することができるという効果がある。
遊技機C1において、遊技者に対して、遊技球を払い出すことが可能な払出手段を有し、前記第1領域に遊技球が入球したことに基づいて、第1個数の遊技球が前記払出手段により前記第1の遊技価値の一つとして払い出され、前記第2領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1個数とは異なる第2個数の遊技球が前記払出手段により前記第2の遊技価値の一つとして払い出されるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、第1領域と第2領域とで、それぞれ異なる数の遊技球が遊技者に払い出されるので、調整手段による入球率の調整により遊技店側の利益を容易に調整することができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記第1領域と前記第2領域とにそれぞれ遊技球が入球したことに基づいて同じ抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球領域と第2入球領域とでは、同じ抽選が実行されながらも、異なる遊技価値が付与されるので、調整手段で入球比率が調整されても特典遊技を実行するか否かの抽選を平等に行われるように構成できる。よって、付与される遊技価値が調整されても特典遊技への期待度を変えずに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記調整手段は、直接遊技機外部より調整することが可能な調整部を有しており、その調整部を前面側から覆うことで前記調整部の調整を困難とする第1状態と、その第1状態よりも前記調整部を調整し易い状態とする第2状態とに可変されることが可能なカバー体を有するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、調整手段が不正に調整されることが、カバー体を第1状態にすることで抑制することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記カバー体には、前記第1状態に可変された場合に前記調整部を視認困難とする視認困難手段を有するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、視認困難手段により第1状態にカバー体が可変されることで、調整部の状態が視認困難となるので、遊技者に調整部を有している遊技機であることを気にせずに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記調整手段は、前記第1領域への入球幅と前記第2領域への入球幅とを調整可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5の奏する効果に加え、入球幅を変えることで、入球率を調整することができるので、容易な操作で入球率を調整できるという効果がある。
遊技機C1からC6において、前記第1領域と前記第2領域とをそれぞれ通した遊技球の数をカウントするカウント手段と、そのカウント手段によるカウント値に基づいて、所定期間における前記第1領域と前記第2領域とのそれぞれに対して、前記通過口を通過した遊技球に対する入球率を算出する算出手段と、その算出手段による算出結果を所定条件の成立に基づいて報知可能な報知手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6の奏する効果に加え、所定条件が成立することにより第1領域と第2領域との入球率を報知することができるので、調整手段により調整された入球率を実際に確認することができるという効果がある。
<特徴D群>
遊技球が通過することが可能な通過口と、その通過口を通過した遊技球が入球することが可能な第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域に遊技球が入球したことに基づいて、第1の遊技価値を付与することが可能な第1付与手段と、前記第2領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を付与することが可能な第2付与手段と前記通過口を通過した遊技球が、前記第1領域と前記第2領域とのそれぞれに入球する比率を調整することが可能な調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、通過口を通した遊技球が調整手段によって前記第1領域と前記第2領域とのそれぞれに入球する比率を調整できる。よって、例えば、調整手段により第2領域に対して第1領域への入球率が高くなるように調整すれば、第1の遊技価値が付与される易い遊技機に設定できるし、調整手段により第1領域に対して第2領域への入球率が高くなるように調整すれば、第2の遊技価値が付与され易い遊技機に設定できる。従って、遊技者に付与され得る遊技価値を変更する必要がある場合に、新たに遊技機を設置するのに比べ、安価なコストでその遊技価値を変更することができるという効果がある。
遊技機D1において、抽選を実行する抽選手段を有し、前記第1の遊技価値と前記第2の遊技価値として、前記抽選手段による抽選が実行され、その抽選結果が特定の抽選結果であった場合に、前記第1の遊技価値としての抽選よりも前記第2の遊技価値としての抽選の方が遊技者に有利となる特典が付与され易いものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1の遊技価値と第2の遊技価値として抽選が実行され、その抽選結果により付与される特典の大きさが異なるので、調整手段による調整により射幸性を調整することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される識別情報を動的表示した後に、抽選結果を示す識別情報で停止表示する動的表示手段と、前記第1の遊技価値に対する抽選結果を示す識別情報の動的表示態様が複数記憶された第1記憶手段と、前記第2の遊技価値に対する抽選結果を示す識別情報の動的表示態様が複数記憶された第2記憶手段と、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を前記第1記憶手段または前記第2記憶手段より決定する動的表示態様決定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1領域に遊技球が入球した場合と、第2領域に遊技球が入球した場合とで、表示手段に表示される識別情報の動的表示態様も異なるようにすることが可能となり、調整手段の調整により遊技者に新鮮味のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機D2またはD3において、前記抽選手段により前記特定の抽選結果と抽選される確率を設定する確率設定手段を有し、前記第1の遊技価値としての抽選よりも前記第2の遊技価値としての抽選の方が、前記特定の抽選結果となった場合に、前記確率設定手段により通常時よりも高い抽選確率が設定され易いものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、第1領域と第2領域とでそれぞれ、通常時よりも高い抽選確率が設定される割合が異なるように設定したので、遊技店に合わせた調整をすることで遊技店の利益を調整し易くできるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記調整手段は、直接遊技機外部より調整することが可能な調整部を有しており、その調整部を前面側から覆うことで前記調整部の調整を困難とする第1状態と、その第1状態よりも前記調整部を調整し易い状態とする第2状態とに可変されることが可能なカバー体を有するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、調整手段が不正に調整されることが、カバー体を第1状態にすることで抑制することができるという効果がある。
遊技機D5において、前記カバー体には、前記第1状態に可変された場合に前記調整部を視認困難とする視認困難手段を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、視認困難手段により第1状態にカバー体が可変されることで、調整部の状態が視認困難となるので、遊技者に調整部を有している遊技機であることを気にせずに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記調整手段は、前記第1領域への入球幅と前記第2領域への入球幅とを調整可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6の奏する効果に加え、入球幅を変えることで、入球率を調整することができるので、容易な操作で入球率を調整できるという効果がある。
遊技機D1からD7において、前記第1遊技領域と前記第2遊技領域とをそれぞれ通過した遊技球の数をカウントするカウント手段と、そのカウント手段によるカウント値に基づいて、前記第1遊技領域と前記第2遊技領域とのそれぞれ前記通過口を通過した遊技球に対する所定期間における入球率を算出する算出手段と、その算出手段による算出結果を所定条件の成立に基づいて報知可能な報知手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7の奏する効果に加え、所定条件が成立することにより第1領域と第2領域との入球率を報知することができるので、調整手段により調整された入球率を実際に確認することができるという効果がある。
<特徴E群>(2種非電とV確で複数確変)
遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段が特定の第1判別結果となった場合に第1特典を付与し、前記第2判別手段が特定の第2判別結果となった場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、特定の第1判別結果と特定の第2判別結果とで、特典付与手段により付与される特典を異ならせたので、第1流路と第2流路とで遊技者の期待度を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、振分状態設定手段により設定される振分状態により第1流路と第2流路との振分が可変されるので、遊技者に振分状態がどちらに設定されるかに興味を持たせて、興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E2において、前記振分状態設定手段は、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別されたことに基づいて、前記第1振分状態または前記第2振分状態を設定するものであり、前記特定の第1判別結果よりも前記特定の第2判別結果であることに基づいて前記第2振分状態を設定し易いものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、特定の第2判別結果であることを遊技者により期待させて興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な第2可変入球手段と、その第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利となる遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記第2可変入球手段を前記第1特典または前記第2特典として前記第2状態から前記第1状態へと所定条件が成立するまで可変させるものであり、前記第2特典である場合に前記第1特典よりも前記特定領域へ入球し易い状態にするものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、特定領域に遊技球が入球するか否かを遊技者に楽しませることができ、斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機E4において、前記遊技状態設定手段は、前記遊技者に有利となる遊技状態として前記第1判別手段により前記特定の第1判別結果と判別される確率または前記第2判別手段により前記特定の第2判別結果と判別される確率を通常よりも高く設定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特定の第2判別結果と判別される確率が高く設定されるので、短期間に遊技者に特定の第2判別結果と判別され易くなるので、遊技に変化があり、遊技者が早期に飽きるのを抑制できるという効果がある。
遊技機E4において、前記遊技状態設定手段は、前記遊技者に有利となる遊技状態として、遊技者に有利な特典遊技を実行する遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技が実行される遊技状態が設定されることで、遊技がマンネリするのを抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて前記第1入球手段を遊技球が入球可能な状態にし、前記第1入球手段に所定数の遊技球が入球したことに基づいて前記第1入球手段を遊技球が入球困難な状態にする手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて前記第1入球手段を遊技球が入球可能な状態にし、前記第1入球手段に所定数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2入球手段を遊技球が入球困難な状態にする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかの奏する効果に加え、第1入球手段または第2入球手段に所定数の遊技球を安定して入球させることができ、安定した遊技を実行することができるという効果がある。
<特徴F群>(Gタイプ)
遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段が特定の第1判別結果となった場合に第1特典遊技を実行し、前記第2判別手段が特定の第2判別結果となった場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、特定の第1判別結果よりも特定の第2判別結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技が実行されるので、第2振分状態に設定されることを期待して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1において、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて前記振分状態設定手段により前記第1振分状態と前記第2振分状態とに設定される設定割合を可変する割合可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となった場合における遊技状態に応じて、第1振分状態と第2振分状態とのいずれかに設定される割合が可変されるので、判別結果だけでなく遊技状態によって、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記遊技状態として、複数の遊技状態が設定されており、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となったことに基づいて、前記複数の遊技状態より1の遊技状態を選択して設定する選択設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となったことに基づいて選択設定手段により1の遊技状態が選択して設定されるので、判別結果だけでなく設定される遊技状態にも興味を持たせて興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な第2可変入球手段と、その第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、特定領域に入球するか否かを期待させる遊技を行うことができ遊技を多様にできるという効果がある。
遊技機F4において、前記特典付与手段により付与される特典は、前記特定の第1判別結果と判別される確率または前記特定の第2判別結果と判別される確率を所定条件が成立するまで高く設定するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果と判別される確率を可変できるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合に、特定条件の成立に基づいて終了条件が成立するまで、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率を通常よりも高く設定する特別状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、終了条件が成立してしまうか否かを遊技者に心配させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴G群>(時短回数で割合可変)
遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段が特定の第1判別結果となった場合に第1特典遊技を実行し、前記第2判別手段が特定の第2判別結果となった場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段による前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が終了した後に、終了条件が成立するまで前記開放条件が成立し易くする有利設定手段と、前記終了条件を前記特定の第1判別結果と前記特定の第1判別結果とで異ならせて設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、終了条件が成立するまでの期間の違いにより遊技者の有利不利を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1において、前記終了条件は、前記第1判別と前記第2判別とが実行された回数が前記設定手段により設定された回数となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、終了条件が第1判別と第2判別とが実行された回数で設定されているので、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果と判別される確率を終了条件により容易に可変できるという効果がある。
遊技機G2において、前記設定手段は、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果となった場合の遊技状態に応じて前記設定回数を可変して設定するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となった場合の遊技状態に応じて設定回数が可変して設定されるので、設定される遊技状態に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記特定の第1判定結果または前記特定の第2判定結果となった場合における遊技状態に応じて前記振分状態設定手段により前記第1振分状態と前記第2振分状態とに設定される設定割合を可変する割合可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、第1振分状態と第2振分状態とが設定される割合が第1判別と第2判別とで可変するので、遊技者にどちらの判別であるかに関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴H群>(混合機でラッシュ後も時短付与)
遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との一方に振分可能な振分手段と、遊技球を前記第1流路に振分易い第1振分状態と前記第2流路に振分易い第2振分状態とを設定する振分状態設定手段と、前記第1流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第1入球手段と、前記第2流路に遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球可能となる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段により特定の第1判別結果または前記第2判別手段により特定の第1判別結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2判別手段により前記特定の第2判別結果とは異なる特殊第2判別結果となった場合に、遊技者に前記特典遊技が実行される権利が付与される特定領域へ遊技球が入球可能となる領域へ遊技球を入球させる特殊遊技を実行する特殊遊技実行手段と、その特殊遊技により前記特典遊技が付与される場合に、その特典遊技が実行された後に、前記第1振分状態と前記第2振分状態との何れか一方を設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、特殊遊技を経由して、特典遊技が付与される場合に、第1振分状態と第2振分状態とを切り替えることができるので、遊技を多様にすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機H1において、遊技球が入球可能な開口部と、その開口部を遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球困難となる第2状態とに可動可能な可動部材と、前記特殊遊技が実行されることに基づいて前記第2状態から前記第1状態へと前記可動部材を可動させる可動手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、特殊遊技が実行されることで開口部へ遊技球が入球可能な状態となるので、特別な状態を遊技者に付与でき、遊技に新鮮味を持たせる事ができるという効果がある。
遊技機H2において、前記開口部に入球した遊技球を前記特定領域へ誘導する誘導状態と、前記特定領域へ誘導しない非誘導状態とに切り替える切替手段を有するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、特定領域に入球する状態が切り替えられるので、射幸性を容易に制御することができるという効果がある。
遊技機H1からH3において、遊技球が入球可能となる開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能であり、入球した遊技球が前記第1流路と前記第2流路とのいずれかに前記振分手段により振分られる可変入球手段と、その可変入球手段を開放条件の成立に基づいて、前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる可変制御手段と、前記開放条件の成立し易い状態を終了条件が成立するまで設定する状態設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3の奏する効果に加え、開放条件の成立し易い状態が設定されることで、終了条件の成立する期間により特定の第1判別結果または特定の第2判別結果となる確率を実質的に可変して、遊技を多様にできるという効果がある。
遊技機H4において、前記終了条件は、前記第1判別と前記第2判別が実行された回数が前記状態設定手段により設定された回数となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、終了条件が第1判別と第2判別とが実行された回数が状態設定手段により設定された回数となった場合に成立するので、状態設定手段により設定される回数に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機H5において、前記状態設定手段は、前記特典遊技が実行された後に、前記第1振分状態が設定される場合には、前記設定手段により予め定められた回数を前記終了条件とした前記開放条件の成立し易い状態を設定するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、状態設定手段は、特典遊技が実行された後に、第1振分状態が設定される場合には、設定手段により予め定められた回数を前記終了条件とした開放条件の成立し易い状態を設定するものであるので、興趣を向上できるという効果がある。
<特徴I群>(打ち分け)
遊技球を遊技領域へ発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な第1流下領域と、その第1流下領域を流下する遊技球が流下困難であり遊技球が流下可能な第2領域とに遊技領域を区画する区画手段と、遊技者の操作に基づいて前記発射手段の発射強度を可変させることで、前記第1流下領域と前記第2領域とのどちらか一方に向けて遊技球を前記発射手段に発射させることが可能な発射調整手段と、前記第1流下領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第2流下領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段により特定の第1判別結果と判別されたことに基づいて遊技者に有利となる第1遊技状態とその第1遊技状態よりも不利となる第2遊技状態とのどちらか一方を設定することが可能な第1設定手段と、前記第2判別手段により特定の第2判別結果と判別されたことに基づいて前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とのどちらか一方を決定することが可能な第2設定手段と、前記第1設定手段と前記第2設定手段とは、前記第1遊技状態を設定する割合が異なるものであることを特徴とする遊技機I1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選結果が有利となる確変遊技状態を所定の確率で設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2003−265765号公報)。ところで、上記した遊技機は、一定確率で確変遊技状態が設定されるのみであり、遊技が単調となりやすいという不具合があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、第1流下領域と第2流下領域とのどちらに遊技球を流下させるかで、第1遊技状態が設定される割合が異なるので、遊技者の発射操作により異なる遊技を楽しむことができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I1において、前記第1入球手段または前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、その第3入球手段を遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、その可変部材を開放条件の成立に基づいて、前記第2状態から前記第1状態へと所定条件の成立まで可変させる可変手段と、前記第3入球手段に入球した遊技球を遊技者に有利となる第1誘導流路とその第1誘導流路よりも遊技者に不利となる第2誘導流路とのどちらか一方に振り分ける振分手段と、前記第1遊技状態が設定されている場合には、前記第2遊技状態が設定されている場合よりも前記振分手段により前記第1誘導流路へと遊技球を振分易くする振分制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されている場合に、振分手段により第1誘導流路へと遊技球が振分られ易いので、第1遊技状態が設定されることをより遊技者に期待させて遊技を実行させることができるという効果がある。
遊技機I1またはI2において、前記第2遊技状態よりも遊技者に不利となる通常遊技状態が通常の遊技では設定する手段と、前記第1遊技状態または前記第2遊技状態が設定されることに基づいて、前記開放条件を成立し易くする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、第1遊技状態または第2遊技状態が設定されることで、開放条件が成立し易くなるので、段階的に遊技の有利さを可変させることができるという効果がある。
遊技機I2またはI3において、遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに可変可能な第1可変入球手段と、遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに可変可能な第2可変入球手段と、前記第1誘導流路に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1可変入球手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させ、前記開放状態である場合に、前記第1可変入球手段に所定数の遊技球が入球した後に前記閉鎖状態へと可変させる第1可変手段と、前記第2誘導流路に遊技球が入球したことに基づいて、前記第2可変入球手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させ、前記開放状態である場合に、前記第2可変入球手段に所定数の遊技球が入球した後に前記閉鎖状態へと可変させる第2可変手段と、を有し、前記第1可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別手段により判別が実行され、前記第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別手段により判別が実行されるものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2またはI3の奏する効果に加え、第1入球手段と第2入球手段とに安定して遊技球を入球させて第1判別または第2判別を安定して実行させて、遊技者に判別機会をより多く与えることができるという効果がある。
遊技機I1からI4のいずれかにおいて、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I1からI4のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行されることで、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果であることを遊技者により期待させることができるという効果がある。
遊技機H5において、前記特典遊技実行手段は、前記特定の第1判別結果に基づいて実行される前記特典遊技よりも前記特定の第2判別結果に基づいて実行される前記特典遊技の方が遊技者により有利に実行するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、特定の第2判別結果をより期待させて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I4からI6のいずれかにおいて、前記第1可変入球手段は、前記第2流下領域を流下した遊技球よりも前記第1流下領域を流下した遊技球の方が入球し易い位置に配置され、前記第2可変入球手段は、前記第1流下領域を流下した遊技球よりも前記第2流下領域を流下した遊技球の方が入球し易い位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I4からI6のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が操作を変えることなく、第1可変入球手段または第2可変入球手段へ遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機I1からI8のいずれかにおいて、所定の演出を実行可能な演出手段を有し、前記第1流下領域と前記第2流下領域とそれぞれを視認し易い第1視認状態とその第1視認状態よりも視認困難となる第2視認状態とに可変可能な視認可変手段と、遊技者の選択操作に基づいて、前記第1流下領域と前記第2流下領域とのどちらか一方を前記第2視認状態から前記第1視認状態へと可変させる視認可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I1からI8のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の選択操作により第1流下領域または第2流下領域が視認可能となるので、遊技者が選択操作した流下領域を分かり易く認識できるという効果がある。
遊技機I8において、前記選択操作は、前記発射手段により遊技球が流下した流下領域に基づくものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、発射手段により発射された遊技球がどちらの流下領域を流下したかを分かり易く認識できるという効果がある。
遊技機I8において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記選択操作は、前記操作手段を操作するものであることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、遊技者が選択した流下領域を分かり易く認識させることができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。