<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図58を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、始動口630、631、640、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22(図11(a))と選択スイッチ600(図11(b)参照)が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
選択スイッチ600は、図11(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ(a)、左方向の選択を指示するための左スイッチ600b、上方向の選択を指示するための上スイッチ600c、右方向の選択を指示するための右スイッチ600d下方向の選択を指示するための下スイッチ600eで構成されている。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口63a、第2始動口63b、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の右側には、第1普通図柄始動口67aとその第1普通図柄始動口67bの下方に第2普通図柄始動口67bとが設けられている。第1普通図柄始動口67aと第2普通図柄始動口67bとは、同一の形状で構成されており、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bへ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に第1普通図柄始動口67または第2普通図柄始動口67bに球が通過すると、その通過回数は、第1普通図柄始動口67aと第2普通図柄始動口67bとで合わせて最大4回まで保留される。その保留球数は第1図柄表示装置37により表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通図柄始動口67(第1普通図柄始動口67bまたは第2普通図柄始動口67b)についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、第1普通電動役物632が作動する。第1普通電動役物632は、左誘導部材632aと右誘導部材632bとを有しており、その左誘導部材632aと右誘導部材632bとを左右に遊技球1球が通過可能な間隔を空けて通常時は上方に起立した状態で維持されている。左誘導部材632aと右誘導部材632bとが略垂直に起立した状態から所定角度(本実施形態では、左誘導部材632aが反時計回りに40度、右誘導部材632bが時計回りに40度)回動し(即ち、開状態へと可変され)、遊技球を左誘導部材632aと右誘導部材とが第2始動口640へ誘導することにより、第2始動口640内に遊技球が入球し易い状態(特別状態)になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。このときには、第1普通電動役物632は作動されず、次の普通図柄(第2図柄)の変動が実行される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1始動口630、右始動口631、第2始動口640、第1普通図柄始動口(スルーゲート)67a、第2普通図柄始動口(スルーゲート)67bに入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1始動口630または右始動口631への入賞に基づく抽選(以下、第1抽選遊技という)の判定(抽選)結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口630または右第1始動口631への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。
右側の7セグメントLEDには、第2始動口640への入賞に基づく抽選(第2抽選遊技)の判定(抽選)結果を示す第2特別図柄が(動的表示)される。具体的には、第2始動口640への入賞に基づいて決定された変動時間が経過するまで表示されるものであり、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、第1抽選遊技の判定(抽選)結果を示す第1特別図柄と、第2抽選遊技の判定(抽選)結果を示す第2特別図柄とは、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)にも表示される。これにより、第3図柄表示装置81では7セグメント表示器37bに比べて多様な変動表示を行うことができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
また、後述するが、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640への入賞に対して行われる抽選(第1抽選遊技、第2抽選遊技)において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、大当たりA(15R大当たり確変大当たり)、大当たりB(15R通常大当たり)、大当たりE(15R通常大当たり(電サポ有り))の3種類が設定されている(図16(a)〜(c)参照)。ここで、大当たりEの電サポ有りとは、第1普通電動役物632が特別状態(開状態)に設定され易く設定される当たりであることを示している。大当たりEでは、15ラウンドの大当たり遊技後、第1抽選遊技と第2抽選遊技の回数が合わせて100回となるまで電サポ状態が設定される。
第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、大当たりC(15R確変大当たり(電サポ有り))、大当たりD(15R確変大当たり(電サポ無し))の2種類が設定されている(図16(a)〜(c)参照)。
ここで、本実施形態の構成では、大当たり遊技中に開放状態に作動される入賞装置として可変入賞装置65がそれぞれ配置されている。可変入賞装置65は、大当たりA〜Eについて、第1特定入賞口65aが15回所定期間または所定数(本実施形態では10球)の遊技球が入球するまで開放されるように作動される。
図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、右第1始動口631側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2始動口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態ST1)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりA、大当たりC、大当たりDに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりB、大当たりEに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図6(b)を参照して、通常排出口65e2に遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、14ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で14ラウンド目に入賞して、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、本実施形態における各種遊技状態について説明する。図7(a)は、各種遊技状態が設定される流れを示した図である。図7(b)は、各種遊技状態において、特別図柄毎に発生する大当たり種別と、その大当たりが発生した後に移行する遊技状態を示した図である。
本実施形態では、図7(a)に示す通り、遊技状態として次の4つの遊技状態が設定されるように構成されている。1つ目は、特別図柄の大当たり確率が低確率(通常)であり、電サポ無(第1普通電動役物632が特別状態(開状態)となりにくい)遊技状態である通常遊技状態ST1。2つ目は、通常遊技状態ST1と同じく特別図柄の大当たり確率が低確率(通常)であるものの、電サポ有(第1普通電動役物632が特別状態(開状態)となり易い)遊技状態である時短遊技状態ST1h。3つ目は、特別図柄の大当たり確率が高確率であり、電サポ無(第1普通電動役物632が特別状態(開状態)となりにくい)遊技状態である確変電サポ無遊技状態(所謂、潜伏確変遊技状態)ST2。4つ目は、特別図柄の大当たり確率が高確率であり、尚且つ、電サポ有(第1普通電動役物632が特別状態(開状態)となり易い)遊技状態である確変電サポ有遊技状態(所謂、確変遊技状態)ST3。
本実施形態では、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを同時に実行することが可能に構成されている。しかし、各遊技状態においては、どちらか一方の特別図柄の変動が実質的に行われる(実質変動対象であるともいう)ように構成されている。具体的には、実質変動対象である特別図柄の変動時間に比べて、実質変動対象でない特別図柄の変動時間が長くなるように構成されている。また、実質変動対象でない特別図柄の抽選を行うための始動口へ遊技球が入球し難い遊技状態、または、実質変動対象である特別図柄の抽選を行うための始動口へ遊技球が入球し易い遊技状態となるように構成している。これにより、実質変動対象でない特別図柄の大当たりを実質的に発生させず(発生し難くし)、実質変動対象である特別図柄の大当たりを実質的に発生させる(発生し易くする)ことができる。
なお、いずれか一方の特別図柄を実質変動対象とする方法は、上述した方法に限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選契機となる始動口と第2特別図柄の抽選契機となる始動口とにそれぞれ普通電動役物を設ける。そして、各遊技状態において、実質変動対象とする特別図柄に対応する始動口の普通電動役物のみを可動する(または、し易い)ようにすることが考えられる。これにより、実質変動対象である特別図柄に対応する始動口へは遊技球が入球し、実質変動対象でない特別図柄に対応する始動口へは遊技球が入球しない(入球し難い)ようにできる。この場合に、各始動口に設けられる普通電動役物を可動するための抽選を別々に行うようにしてもよい。例えば、一方の普通電動役物を可動するための抽選を第1普通図柄始動口への入球(通過)に基づいて行い(第1普通図柄の抽選という)、他方の普通電動役物を可動するための抽選を第2普通図柄始動口への入球(通過)で行う(第2普通図柄の抽選という)ようにしてもよい。さらに、第1普通図柄の抽選と第2普通図柄の抽選とは同時に実行可能としてもよく、本実施形態における特別図柄の抽選と同様に、一方の普通図柄の抽選が大当たりとなった場合には、他方の普通図柄の抽選が外れとなるようにしてもよい。これにより、遊技状態のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上できる。
本実施形態では、第1特別図柄に基づく大当たりと、第2特別図柄に基づく大当たりとでは、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な大当たりが選択される確率が異なる。即ち、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)に移行(ループ)可能な確率が異なる。具体的には図16を参照して後述するが、第1特別図柄に基づく大当たりは高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)に移行(ループ)可能となる確率が低い(34%)、即ち、低確率状態(通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h)に移行(転落)する確率が高い(66%)。一方、第2特別図柄に基づく大当たりは高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)に移行(ループ)可能となる確率が高い(100%)。なお、以下、各種遊技状態が設定される流れを説明するに当たり、便宜上、高確率遊技状態への移行可能(確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な)となる大当たりが選択された(発生した)場合には、高確率遊技状態へ移行する(確変スイッチ65e3を遊技球が通過する)ものとして説明する。
各遊技状態において、実質変動対象となる特別図柄を設定することにより、高確率遊技状態へ移行(ループ)し易いか、低確率状態へ移行(転落)しやすいかを調整(設定)できる。これにより、各遊技状態では、抽選結果が大当たりとなる確率として2種類(高確率、低確率)の状態に加え、大当たり後に高確率遊技状態に移行(ループ)する割合(確率)として2種類(高確率遊技状態への移行が高確率、低確率)の状態を設定できる。よって、遊技状態のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上できる。
具体的には、高確率遊技状態である確変遊技状態ST3では実質変動対象を特図1に設定することで、低確率状態へ移行(転落)し易い遊技状態とし、同じく高確率遊技状態である潜伏確変遊技状態ST2では実質変動対象を特図2に設定することで、高確率遊技状態へ移行(ループ)し易い遊技状態とすることが可能となる。つまり、同じ高確率遊技状態(または低確率状態)であったとしても、実質変動対象となる特別図柄を変更することにより、大当たり遊技の終了後に移行する遊技状態の振り分けを変えることができるため、遊技状態が移行するバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上できる。
図7に戻り説明を続ける。まず、パチンコ機10が初期化された状態(RAMクリアスイッチが押下されて電源が投入された状態)では、通常遊技状態ST1が設定されている。通常遊技状態ST1では、第1特別図柄が実質変動対象となっている。即ち、高確率遊技状態へ移行する大当たりが発生する確率(確変割合)が低い(34%)遊技状態である。具体的には、第1特別図柄(特図1)の変動時間として、8000ms(8秒)から30000ms(30秒)の変動時間が選択される(図17参照)。そして、第1特別図柄の大当たりでは大当たり種別として、高確率遊技状態へ移行する大当たりA(15R確変大当たり)が34%の確率で選択され、低確率状態のままとなる大当たりB(15R通常大当たり)が66%の確率で選択される(図7(b)、図16参照)。
これに対し、通常遊技状態ST1では、実質変動対象ではない第2特別図柄(特図2)の変動時間は長く設定される。具体的には、当否判定(抽選)結果が外れである場合には、特図2の変動時間は、64800000ms(18時間)が選択される(図17参照)。よって、第2特別図柄の外れ変動が1回行われる間に、第1特別図柄では、2160〜8200回の抽選を実行することが可能となる。通常遊技状態ST1(低確率状態)での大当たり確率は、1/400であるので、通常の遊技であれば外れの第2特別図柄が1回変動終了するまでに、第1特別図柄で大当たりが発生するように構成されている。また、主に遊技店の営業時間は、朝9時から夜11までの15時間程度であるので、それよりも長い時間で設定されている。よって、通常遊技状態ST1において、第2抽選遊技が実行されても、特図2の外れ変動が営業時間内に終了しない。このように構成することで、通常遊技状態ST1において、実質変動対象である第1特別図柄(特図1)の大当たりが発生する(し易い)ようにしている。
仮に、第2抽選遊技が実行され、その当否判定結果が外れとならず、当たりとなった場合には、特図2の変動時間は600000ms(10分)が選択される(図17参照)。これは、具体的には後述するが、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、いずれか一方の特別図柄で大当たりに基づく変動が開始されると、他方の特別図柄に基づく変動は外れとなるように制御されるためである。特図2の当否判定結果が当たりの場合に、変動時間として64800000ms(18時間)が選択されると、特図2の大当たりに基づく変動が営業時間内に終了しない。よって、営業時間内に実行される特図1に基づく変動(第1抽選遊技)が全て外れとなる(大当たりとならない)ように制御されてしまうとの問題が生じる。そこで、特図2の大当たりに基づく変動は営業時間内に終了し得る時間(10分)とした。これにより、上述した問題を解消できる。
ただし、特図2の大当たりに基づく変動が短い場合(例えば、500ms(0.5秒))には、遊技者が特図2の当否判定結果を短時間で判別可能となるので、次の不正行為が実行される虞がある。例えば、第2始動口640へ遊技球を入球させ、その入球に基づく特図2の当否判定結果が外れであると判別した(特図2の変動表示が0.5秒より長く実行された)場合に、パチンコ機10をリセット(初期化)する不正行為(所謂、リセットゴト)を実行される虞がある。上述した通り、パチンコ機10のRAMクリアスイッチが押下されて電源が投入(リセット)された場合には、通常遊技状態ST1が設定され、各特別図柄の変動も初期化される(即ち、変動停止される)。よって、上記不正行為(リセットゴト)を繰り返すことで、実質変動対象でない特図2に基づく大当たりを発生させることができてしまう。そこで、本実施形態では、特図2の大当たりに基づく変動を10分とすることで、遊技者が特図2の当否判定(抽選)結果を短時間で判別可能できないようにしている。これにより、上記不正行為(リセットゴト)を実行するには最低でも10分の期間が必要となるので、上記不正行為(リセットゴト)の実行可能頻度を下げることができる。その結果、上記不正行為(リセットゴト)によって、不正に特図2の大当たりを発生させることを困難にできる。
なお、特図2の変動時間は上述したものに限られず、適宜変更しても良い。例えば、意図して遊技球を発射(例えば右打ち遊技)しなければ第2抽選遊技を実行できない遊技機において、通常遊技状態ST1で右打ち遊技を行う(第2抽選遊技を行う)不正行為に対するペナルティとして、特図2の大当たりに基づく変動時間を600000ms(10分)よりも長い時間(例えば、1時間)に設定してもよい。さらにこの場合には、不正行為(通常遊技状態ST1において右打ち遊技)が実行されていること(または実行されたこと)を報知してもよい。
また、本パチンコ機10では、第2始動口640は可変表示ユニット80の右側に設けられている。よって、第2始動口640へ遊技球を入球させる(第2抽選遊技を行う)には、可変表示ユニット80の右側を通過させる遊技(右打ち遊技)を行う必要がある。通常遊技状態ST1では、可変表示ユニット80の右側に設けられる電動役物632が特別状態(開状態)に設定され難く構成されている(即ち、右第1始動口631へ入球し難い)。よって、通常遊技状態ST1で右打ち遊技を行った場合、実質変動対象である特図1による第1抽選遊技が実行され難く、実質変動対象でない特図2による第2抽選遊技が実行され易いことになる。即ち、通常遊技状態ST1における右打ち遊技は、遊技者にとって遊技球を可変表示ユニット80の左側を通過させて遊技(左打ち遊技)を行うことよりも不利となるように設定されている。よって、通常遊技状態ST1では、遊技者は左打ち遊技を行うこととなる。通常遊技状態ST1で左打ち遊技を行うと、第2始動口640へは遊技球が入球せず、第1始動口630へ遊技球が入球する。これにより、第2特別図柄の大当たりが発生せず(し難く)、第1特別図柄の大当たりが発生する(し易い)遊技状態(即ち、高確率遊技状態へ移行し難い遊技状態)とすることができる。
通常遊技状態ST1において、大当たりBが発生し、大当たりBの大当たり遊技が実行された後には、通常遊技状態ST1が設定(へ移行)される。一方、大当たりAが発生し、大当たり遊技が実行された後には、潜伏確変遊技状態ST2が設定(へ移行)される(図7(b)参照)。ただし、大当たりAに基づく大当たり遊技が実行された後に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過しない場合には、通常遊技状態ST1が設定(へ移行)される。
潜伏確変遊技状態ST2は、大当たり確率が通常遊技状態ST1の10倍高く(高確率遊技状態に)設定される遊技状態であり、第2特別図柄が実質変動対象となる遊技状態である。即ち、高確率遊技状態を継続可能な大当たりが発生する確率(確変割合)が高い遊技状態である。具体的には、第2特別図柄の変動時間が500ms(0.5秒)に設定される。これにより、潜伏確変遊技状態ST2では、右打ち遊技を行うことで、第2抽選遊技を効率よく行うことができる。そして、第2特別図柄の大当たりでは大当たり種別として、潜伏確変遊技状態ST2が継続(ループ)される大当たりC(15R確変大当たり)が66%の確率で選択され、確変遊技状態ST3へ移行される大当たりD(15R確変大当たり)が34%の確率で選択される。
これに対し、潜伏確変遊技状態ST2では、実質変動対象ではない第1特別図柄の変動時間は長く設定される。具体的には、第1特別図柄の当否判定(抽選)結果が外れの場合には、変動時間は1800000ms(30分)が選択される(図18(a)参照)。よって、第1特別図柄の外れ変動が1回行われる間に、第2特別図柄では、最大3600回の抽選を実行することが可能となる。確変中(高確率遊技状態)での大当たり確率は、1/40であるので、通常の遊技であれば外れの第1特別図柄が1回変動終了するまでに、第2特別図柄で大当たりとすることができるように構成されている。一方、第1特別図柄の当否判定結果が当たりの場合には、変動時間は500ms(0.5秒)が選択される(図18(a)参照)。潜伏確変遊技状態ST2では、パチンコ機10をリセット(初期化)すると通常遊技状態ST1へ移行してしまうため、上述した不正行為(リセットゴト)を実行することができない。よって、第1特別図柄で大当たりとなった場合には、変動時間を500ms(0.5秒)と短く設定している。これにより、潜伏確変遊技状態ST2において第1特別図柄で大当たりが発生した場合にも、遊技の効率(回転率)を落とすことなく遊技を継続可能な遊技機にできる。
また、詳細は後述するが、潜伏確変遊技状態ST2では、第2特別図柄の抽選結果として8/400の確率で小当たりとなるように構成されている。この潜伏確変遊技状態ST2における小当たりでは、可変入賞装置65の特定入賞口65aへ遊技球が約3球程度入球可能となっている。特定入賞口65aへの入球に基づいて払い出される賞球数は15球であるので、1回の小当たり遊技につき約45球が遊技者に対して払い出される。これにより、潜伏確変遊技状態ST2では、通常遊技状態ST1に比べて有利な状態(持ち球の消費が抑制された状態)で、右打ち遊技を実行することができる。
潜伏確変遊技状態ST2において、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たりD(15R確変大当たり)が選択されると、その後、再度、潜伏確変遊技状態ST2が設定される(ループ)する。一方、大当たりC(15R確変大当たり)が選択されると、その後には、確変電サポ有り遊技状態(確変遊技状態ST3)が設定される。
確変遊技状態ST3は、特別図柄の抽選確率が10倍高く設定される(高確率遊技状態に設定される)遊技状態であり、第1特別図柄が実質変動対象となる遊技状態である。さらに、普通図柄の抽選確率も40倍高く設定され、普通図柄の変動時間も短い変動時間が選択され易くなる(図19参照)。また、電動役物632が特別状態(開状態)に維持される時間(開放時間)も通常遊技状態ST1、潜伏確変遊技状態ST2に比べて長く設定される。よって、右打ちした場合に、右第1始動口631に入賞し易く構成できる。本実施形態では、右打ちした遊技球の95%が右第1始動口631に入賞するように構成している。よって、残りの5%の遊技球のうちの85%が第2始動口640に入賞し、その残りの5%がアウト球となり消費される。よって、確変遊技状態では、右打ちされた遊技球のうち約99%が右第1始動口631または第2始動口640へ入賞することとなり、右打ちした遊技球の99%が賞球として遊技者に払い出される。よって、遊技者の持ち球の減少を抑制して遊技を行うことができる。
確変遊技状態ST3では、第2特別図柄の抽選結果として5/400の確率で小当たりとなるように構成されている。この確変遊技状態ST3における小当たりでは、可変入賞装置65の特定入賞口65aへの遊技球の入球が困難となっている。これにより、確変遊技状態ST3において、遊技者に対して有利となりすぎてしまうことを防止(抑制)できる。なお、これに限られず、特定入賞口65aへ遊技球が入球(例えば1球)可能としてもよい。これにより、遊技者に対する特典を増加させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
確変遊技状態ST3では、実質変動対象でない第2特別図柄の変動時間は長く設定され、実質変動対象である第1特別図柄の変動時間は短く設定されている。具体的には、第2特別図柄の変動時間は、当否判定(抽選)結果に関わらず500ms(0.5秒)が選択される(図18(b)参照)。一方、第1特別図柄の変動時間は、当否判定(抽選)結果が外れの場合には、変動時間は1800000ms(30分)が選択される(図18(b)参照)。よって、第2特別図柄の外れ変動が1回行われる間に、第1特別図柄では、最大3600回の抽選を実行することが可能となる。確変中(高確率遊技状態)での大当たり確率は、1/40であるので、通常の遊技であれば外れの第2特別図柄が1回変動終了するまでに、第1特別図柄で大当たりとすることができるように構成されている。一方、第1特別図柄の当否判定(抽選)結果が当たりの場合には、変動時間は5000ms(5秒)が選択される(図18(b)参照)。上述したように、本パチンコ機10はリセット(初期化)すると通常遊技状態ST1へ移行してしまうため、上述した不正行為(リセットゴト)を実行することができない。よって、確変遊技状態ST3において第2特別図柄で大当たりとなった場合には、変動時間を5000ms(5秒)と短く設定している。これにより、確変遊技状態ST3において第2特別図柄で大当たりが発生した場合にも、遊技の効率(回転率)を落とすことなく遊技を継続可能な遊技機にできる。
また、上述したように、確変遊技状態ST3では、発射した遊技球のうち95%が右第1始動口631に入賞する。よって、第2始動口640へ遊技球が入球し難く、第2抽選遊技が実行され難いため、実質変動対象でない第2特別図柄の大当たりが発生することを抑制できる。
確変遊技状態ST3で第1特別図柄の大当たりとなると、34%の割合で大当たりAが選択される。大当たりAに基づく大当たり遊技後には潜伏確変遊技状態ST2が設定(へ移行)される。よって、34%の確率で潜伏確変遊技状態ST2が選択(へ移行)されることとなり、再び最低2回の大当たりに当選するまでは、高確率で遊技を行うことが可能となる。一方、66%の確率で大当たりBが選択されると、大当たり遊技後に通常遊技状態ST1が設定される(所謂、転落する)ことになる。
このように、本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2が設定されると、持ち球の消費が抑制された状態で、大当たりが2回実行されるまでは、遊技者に有利な高確率で第2抽選遊技(または第1抽選遊技)を実行することができる。よって、遊技者が通常遊技状態に比べて短期間で2回の大当たり遊技を実行できる可能性を高めることが可能となり、遊技者に優越感を提供することができるという効果がある。
さらに、大当たりが2回実行されるまで、遊技者に有利な高確率で抽選遊技が実行される旨を遊技者が把握できるよう表示することにより、遊技者に対して、最低2回の大当たりが保証されていると感じさせることができ、安心感を提供することができるという効果がある。
本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2において、第1特別図柄の大当たりBとなってしまうと、通常遊技状態ST1が設定(へ移行)されることとなる。即ち、2回の大当たりを得ることができない。潜伏確変遊技状態ST2では、上述したように第1抽選遊技が実行されにくい右打ち遊技が行われるようにしていると共に、長時間変動となる第1特別図柄の外れの変動中に、第2抽選遊技を複数回実行し、第2特別図柄の大当たりが発生する(し易い)ように構成されている(実質的に第1特別図柄の大当たりとならない)。しかし、潜伏確変遊技状態ST2において記憶されていた第1特別図柄の保留球などにより、第1特別図柄の大当たりとなってしまう場合がある。例えば、潜伏確変遊技状態ST2が設定された1回目の第2抽選遊技で大当たりとなる場合(1/40の確率)など。そこで、この場合には、潜伏確変遊技状態ST2において、第1特別図柄の大当たりとして34%の確率で大当たりAが選択され、66%の確率で大当たりEが選択されるように構成している(図7(b)、図16(b)参照)。大当たりAが選択されれば、その後高確率遊技状態である潜伏確変遊技状態ST2へ移行するので、2回の大当たりを得ることが可能となる。一方、大当たりEが選択された場合は、2回の大当たりを得ることができず、低確率状態へ移行される場合である。この場合には、大当たり遊技終了後に100回の時短遊技が付与されるようにしている。これにより、通常遊技状態ST1よりも遊技者に有利な状態が付与されるように構成されている。よって、遊技者が落胆して遊技への意欲が著しく低下する不具合を抑制できる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、図4(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。なお、第1表示領域(Dm)に表示される第3図柄の種別(特図1であるか、特図2であるか)は、遊技状態によって決定されて表示される。
本実施形態では、通常遊技状態ST1(低確率遊技状態)と確変電サポ有り遊技状態(確変遊技状態)である場合には、第1特別図柄が第1表示領域Dmに表示され、確変電サポ無し遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2)である場合には、第2特別図柄が第1表示領域Dmに表示されるように設定される。
なお、本実施形態では、上記したように第1表示領域Dmに表示される特別図柄の種別が切り替えられるように設定したが、それに限らず、常に同じ特別図柄を表示するように構成してもよい。
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。
なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、第1表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
また、第1表示領域Dmの右上には、第2表示領域Dnとその下に第2副表示領域Dtが形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す図柄列が表示される。また第2副表示領域Dtには、第2表示領域Dnに表示されている第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)の保留球数を示す図柄が表示される。詳細については後述するが、確変遊技状態ST3である場合には、図9(a)〜(b)に示すように、第2特別図柄を示す第3図柄として、宝箱の図柄が第2表示領域Dnに表示される。そして第2特別図柄の変動が開始されると、図9(a)の状態と図9(b)の状態とを交互に短い周期(例えば1秒)で繰り替えし表示する点滅表示が実行される。そして、第2特別図柄の抽選結果が外れである場合には、変動時間が経過すると図9(a)で示す状態で停止表示される。一方、抽選結果が当たりである場合には、変動時間が経過すると図9(b)で示す状態で停止表示されるように構成されている。
また、第1表示領域Dmの左上には、第3表示領域Duが形成されている。この第3表示領域Duには、図8(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、左側の図柄が第1特別図柄の抽選結果を示し、右側の図柄が第2特別図柄の抽選結果を示すように構成されている。なお、これに限られず、その他の態様によって第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果を示すようにしてもよい。例えば、「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)が当たりであったことを報知するように構成してもよい。また、第3表示領域Duと第2表示領域Dnとを共通化してもよい。例えば、通常遊技状態ST1では第2表示領域に「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示するようにし、確変遊技状態ST3では、図9(a)〜(b)に示すように、第2特別図柄を示す第3図柄として、宝箱の図柄が第2表示領域Dnに表示するようにしてもよい。この場合には、大当たり遊技後に遊技状態が切り替えられるのに基づいて、表示領域が切り替えられるように構成すればよい。これにより、第1表示領域Dmの表示領域を広くすることができるので、第1表示領域Dmに表示される演出の演出効果を高めることができる。また、第2特別図柄に基づく変動が実行されていない場合(特図2の保留がない場合)には、第2表示領域Dnと、第2副表示領域Dtとを表示しないようにしてもよい。これにより、第1表示領域Dmの表示領域を広くすることができる。
さらに、詳細については後述するが、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動を同時に実行することが可能に構成されている。第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動している場合に、一方が大当たり(または小当たり)を示す態様で停止表示されると、変動中の他方の特別図柄の変動も強制的に外れを示す態様で停止表示されるように構成されている。
ここで、大当たりでは可変入賞装置65の特定入賞口65aの開閉動作が15回(15ラウンドという)実行されるのに対して、小当たりでは、可変入賞装置65の特定入賞口65aの開閉動作が2回(例えば、2ラウンドという)実行される。また、大当たり遊技の1ラウンドは、30秒が経過するか、10球の遊技球が可変入賞装置65に入賞するまで実行される。これに対し、潜伏確変遊技状態ST2における小当たり遊技の1ラウンドは、1.8秒が経過するか、10球の遊技球が可変入賞装置65に入賞するまでに設定されている。よって、潜伏確変遊技状態ST2における小当たり遊技では、3球程度の遊技球が入球可能となっている。また、確変遊技状態ST3における小当たり遊技の1ラウンドは0.5秒が経過するか、10球の遊技球が可変入賞装置65に入賞するまでに設定されている。よって、確変遊技状態ST3における小当たり遊技では、ほとんど可変入賞装置65に遊技球を入球させることができず、賞球を得ることが困難に構成されている。
確変遊技状態ST3においても、上述したように、第1特別図柄で小当たりを示す抽選結果で停止表示された場合には、変動中の第2特別図柄は強制的に外れを示す図柄(図9(a)参照)で停止表示される。この場合には、長時間(10分)の変動である実質変動対象でない第2特別図柄の外れ変動が停止され、特図1の小当たり遊技が終了した後、特図1の新たな変動と同時に、第2特別図柄の新たな保留(次の保留)球に基づいて第2抽選遊技が実行される。即ち、第2特別図柄に基づく大当たりが発生する可能性がある。本実施形態では、第2特別図柄での第2抽選遊技で大当たりとなった場合には、高確率遊技状態へ移行可能な大当たりC(15R確変大当たり)が必ず(100%)選択されるように構成されており(図16(c)参照)、遊技者に有利な場合となっている。よって、第2特別図柄の新たな保留(次の保留)に基づいて変動が開始される場合には、図10(a)〜(b)に示すように、第2表示領域Dnに第1特別図柄の変動が表示され、第1表示領域Dmに第2特別図柄の変動が表示されるように可変される。同様にして第1特別図柄の保留球数を示す図柄が第2副表示領域Dtに表示され、第2特別図柄の保留球数を示す図柄が副表示領域Dsに表示されるように可変される。なお、可変される態様としてはこれに限られず、第2特別図柄の変動が表示されている第2表示領域Dnの表示領域を拡大し、第1特別図柄の変動が表示されている第1表示領域Dmを縮小するようにしてもよい。
第1表示領域Dmに第2特別図柄の変動が表示されるように可変されると、宝箱が開く表示態様が実行され、当否判定結果が外れである場合には図10(a)に示すように「残念」の文字が宝箱の中より表示されて、遊技者に抽選結果が外れであったことが表示される。一方、当否判定結果が当たりである場合には、図10(b)に示すように「おめでとう」の文字が宝箱の中より表示されて、遊技者に抽選結果が当たりであったことが表示される。
このように、確変遊技状態ST3において、第1特別図柄が小当たりに当選すると、第2特別図柄の変動は強制的に停止表示され、新たな第2特別図柄の変動が開始されるので、第2抽選遊技が実行される機会を増やすことができる。さらに、その場合には、図10(a)〜図10(b)に示すように第2特別図柄に基づく変動が強調して表示されるので、遊技者に第2特別図柄での大当たりを期待させることができる。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図8(a)に示すように、第1表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図8(b)に示すように、第1特別図柄に対応した保留図柄「黒い丸印」が表示される。一方、第2表示領域Dnの下方には、第2副表示領域Dtが形成される。この第2副表示領域Dtには、図9(a)に示すように、第2特別図柄に対応した保留図柄「黒い三角印」が表示される。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球数はそれぞれ4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄「黒い丸印」が最大4個表示され、第2副表示領域Dtには、保留図柄「黒い三角印」が最大4個表示される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留図柄を「黒い丸印」、第2特別図柄の保留図柄を「黒い三角印」で区別して表示するようにしている。なお、これに限られず、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄は同一としてもよい。第1特別図柄と第2特別図柄とで同一の保留図柄を利用することで、図柄データの容量を低減させることができる。さらに、副表示領域Dsに第1特別図柄の保留図柄と第2特別図柄の保留図柄とを表示するようにしてもよい。例えば、副表示領域Dsの左側領域に第1特別図柄の保留図柄を表示し、右側領域に第2特別図柄の保留図柄を表示するようにしてもよいし、表示領域の左側から変動開始される順に保留図柄が並ぶように表示してもよい。
また、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明したが、それに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果の変動表示を可能に構成するようにしても当然良い。
第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。なお、第1始動口630と右第1始動口631とは入球した遊技球が第1始動口スイッチへと誘導される共通の誘導路が遊技盤13の背面側に形成されている。第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640は、球が入賞すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄に基づく変動表示は、強制的に変動が終了される。なお、本実施形態では、一方の特別図柄で当否判定結果が大当たりとなる変動が開始されている場合には、他方の後から変動開始される特別図柄は、強制的に外れの抽選結果として変動が開始されるように構成されている。これにより、大当たり遊技が連続して開始されたり、同時に大当たり遊技が開始される不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄で当たりの抽選遊技が実行されている場合には、他方では外れの抽選遊技が強制的に実行されるように構成したが、それに限らず、他方でも抽選結果通りの抽選遊技を実行して、連続して大当たり遊技が開始されることが可能に構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、他方の特別図柄において変動時間の計測を中断して、大当たり後に残りの変動表示を継続する構成としてもよい。この場合、中断中については、所定周期で、第1特別図柄または第2特別図柄について、所定の表示態様「例えば、アルファベットのh」で停止表示させた状態で点滅表示させたりしてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止中(中断中)であることを遊技者に報知することができる。
また、各遊技状態において優先的に変動表示を実行する特別図柄を規定し、その特別図柄の変動表示が優先的に実行されるようにしてもよい。例えば、通常遊技状態ST1において、第1特別図柄の変動を優先的に実行するようにする。この場合は、第1特別図柄の変動の実行開始に基づいて第2特別図柄の変動が仮停止(または強制停止)されるようにすればよい。これにより、第1特別図柄が変動していなければ第2特別図柄の変動が実行可能であるが、第1特別図柄の変動が開始される場合には第2特別図柄の変動が仮停止(または強制停止)される。よって、通常遊技状態ST1において第1特別図柄の変動を優先的に実行することができる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<構成について>
図2を参照して、さらに本実施形態の特徴的な構成について詳細を説明する。本実施形態では、可変表示ユニット80の左側を遊技球が流下する左側流路PA1と、可変表示ユニット80の右側を流下する右側流路PA2とが形成されている。可変表示ユニット80の中央下方には、第1始動口630が配置されている。上述したように、右側流路PA2を流下する遊技球は釘群T2およびT3によって、流下する遊技球のうち85%が第2始動口640へ入球するように構成されている。よって、第1始動口630へは、左側流路PA1を流下した遊技球が、右側流路PA2を流下した遊技球よりも入球し易く構成されている。
右側流路PA2には、第1普通図柄始動口67aが配置されており、その下方に可変入賞装置65が配置され、その下方に右側第1始動口631が配置され、その右側に第2普通図柄始動口67bが配置されている。右第1始動口631の下方には、第2始動口640が配置されている。遊技盤13には遊技球の転動方向を可変させるための複数の釘Tが配置されている。
右側流路に発射された遊技球は、釘群T4(3本の釘により構成)により電動役物632が通常状態(左誘導部材632aと右誘導部材632bとが起立した状態)では、右第1始動口631に遊技球が入球しないように構成されている。電動役物632が通常状態である場合には、右側流路を流下する遊技球の85%が右側第1始動口631の左側を流下するように構成されている。なお、右第1始動口631の左側と右側とを流下する遊技球の割合は、釘T1の角度(傾き)を調整することで変更が可能に構成されている。釘T1の角度を可変入賞装置65側(釘群T4と反対側)に傾斜させることで、釘T1と釘群T4との幅が広くなり、釘T1と釘群T4との間を流下する、即ち、右第1始動口631の右側を遊技球が流下する割合が増す。一方、釘T1を右第1始動口631側(釘群T4側)に傾斜させることで、釘T1と釘群T4との幅が狭くなり、右第1始動口631の右側を遊技球が流下する割合が減ることで、右第1始動口631の左側を流下する遊技球の割合を増やすことができる。
右第1始動口631の左側を流下した遊技球は、釘群T3(5本の釘により構成)により第2始動口640へと誘導されるように構成されている。なお、釘群T3は、それぞれの釘の幅が遊技球1球分よりも狭く配置されており、その間(幅)を遊技球が通過不可能に構成されている。釘群T3に誘導された遊技球は、釘群T2(3本の釘で構成)により第2始動口640の下方へ流下することが妨げられ、すべて第2始動口640に入球するように構成されている。なお、これに限られず、一部の遊技球が釘群T3側(または釘群T2側、またはその両方)から下方へ流下するようにしても当然よい。
ここで、本実施形態では、第2始動口640に遊技球が入球すると遊技者に対して、1球の賞球が払い出されるように設定されている。右側流路PA2に発射された遊技球の85%は、第2始動口640に入賞するように構成されている(電動役物632が通常状態である場合)ので、遊技者が発射した遊技球のうち、85%は賞球として払い戻されるように構成されている。よって、遊技者は、右側流路PA2に遊技球を発射することで、左側流路に遊技球を発射するよりも持ち球としての遊技球の消費(減少)を抑制することができる。なお、本実施形態では、右第1始動口631の右側を流下した遊技球は、釘群T2により第2始動口640には入賞しない構成となっている。これにより、釘T1を調整することにより、第2始動口640へ入球する遊技球の割合、即ち、右打ち遊技において賞球として払い戻される割合を調整することができる。
次に、電動役物632が特別状態(左誘導部材632aと右誘導部材632bとが略水平となるまで回動した状態、開状態)では、左誘導部材632aにより右第1始動口631の左側を流下する流路が閉鎖されるように構成されている。これにより、電動役物632が特別状態(開状態)である場合には、右側流路を流下した遊技球が第2始動口640に入賞することが抑制されるように構成されている。よって、時短遊技状態ST1hや確変遊技状態ST3である時には、右第1始動口631への入賞が増し、第2始動口640への入賞が減少して第1特別図柄での第1抽選遊技の実行回数(実行頻度)が多くなるように構成されている。さらに、時短遊技状態ST1hと確変遊技状態ST3では、第2特別図柄の変動時間が長く設定されるので、より第2抽選遊技の実行回数(実行頻度)を少なく(低く)することができる。
さらに、本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2では、遊技者に有利となる第2特別図柄の変動時間が短く設定されるので、右側流路に遊技球を発射するように遊技が行われるが、既に述べたように、第2始動口640へ入賞する遊技球の割合は、右側流路を流下する遊技球の85%に設定されているので、遊技者の持ち球は減少していく。しかしながら、本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2となると、第2特別図柄で小当たりに当選する確率が高く設定される。さらに、潜伏確変遊技状態ST2中に実行される小当たり遊技は1可変入賞装置65の1ラウンドの開放時間が1.8秒または10球入賞するまでに設定され、1ラウンド当たりの開放時間が他の遊技状態における小当たりよりも延長されるので、小当たりにより賞球を得ることができる。本実施形態では、潜伏確変中の小当たりの確率が、右側流路を流下して消費される15%分となるように設定されており、遊技者の持ち球の減少を補填するように構成されている。よって、潜伏確変遊技状態ST2にも遊技者は、持ち球が減少するのを抑制して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、通常遊技状態ST1では、右打ち遊技(右側流路PA2に遊技球を発射して遊技)で遊技を行うことが禁止されており、通常遊技状態ST1時に第2始動口640に遊技球が入賞すると異常処理が実行されて、第3図柄表示装置81に警報表示「左打ちで遊技してください」という文字を表示するとともに、音声でも同様の警告が報知される。また、通常遊技状態ST1で、第2始動口640に遊技球が入賞した場合には、大当たりが無効となるように制御してもよいし、ホールコンピュータ等に異常信号を出力するように構成してもよい。
本実施形態では、各遊技状態で遊技方法(左打ち遊技または右打ち遊技)を変更するように構成したが、これに限られるものではない。全ての遊技状態において左打ち遊技または右打ち遊技のどちらを行っても良いように構成してもよいし、特定の遊技状態において左打ち遊技または右打ち遊技のどちらを行っても良いように構成してもよい。例えば、第1特別図柄の始動口と、第2特別図柄の始動口を遊技盤13の中央下部に設ける。そして、左打ち遊技を行うことで左側流路PA1を流下する遊技球と、右打ち遊技を行うことで、右側流路PA2を流下する遊技球とが第1特別図柄の始動口と、第2特別図柄の始動口へ入球可能となるように構成すればよい。これにより、全ての遊技状態または特定の遊技状態において、左打ち遊技と右打ち遊技とに打ち分ける必要がなくなるので、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
<第1実施形態における電気的構成>
次に、図12を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図13参照)が設けられている。
ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1600)(図45参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1始動口630と右第1始動口631に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2始動口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、第1始動口630と右第1始動口631とで合わせて保留球が最大4個、第2始動口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、第1始動口630または右第1始動口631に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2始動口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1始動口630または右第1始動口631、第2始動口640に入賞した場合には、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球1個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1始動口630と右第1始動口631で合わせて4個、第2始動口640とに対して4個としたが、それに限らず、それぞれ4個でもよいし、上限値をもうけないようにしてもよい。
図9に示す各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、この第1当たり乱数カウンタC1は、第1始動口630または右第1始動口631、第2始動口640への入球に対してそれぞれ共通に取得される。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1600)(図45参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図14参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、低確率時には、「7」、高確率時には、「0〜9」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は低確率時には1で、その値「7」が、高確率時には10で、その値「0〜9」が、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、入賞した始動口に対応するRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値が取得されるタイミングは、実際には、第1始動口スイッチ(図示せず)または第2始動口スイッチ(図示せず)に遊技球が検出されたタイミングのことである。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別選択テーブル202d(図16参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。
大当たり種別としては、上述したように、第1特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりAと大当たりBと大当たりEとが設定され、第2特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりC、大当たりDが設定されている。大当たりA〜大当たりEは、それぞれ15ラウンドの大当たり遊技で構成されている。さらに、大当たりA、大当たりC、大当たりDでは、14ラウンド目の開始時に可変入賞装置65の切替部材65hが5秒間回動され、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な状態となる。確変スイッチ65e3に遊技球が検出されることにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態である確変遊技状態ST3または潜伏確変遊技状態ST2に設定される。
なお、確変スイッチ65e3へ遊技球が通過可能な状態とする方法としては、上述した方法に限られるものではない。例えば、入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な(確変スイッチ65e3が設けられている)V可変入賞装置651と、入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能な(確変スイッチ65e3が設けられていない)非V可変入賞装置652とを設ける。そして、大当たり遊技後の遊技状態を高確率遊技状態へ移行可能とする大当たりでは、V可変入賞装置651が開閉されるように制御し、大当たり遊技後の遊技状態を高確率遊技状態へ移行不可能とする大当たりでは、V可変入賞装置651が開閉されず、非V可変入賞装置652が開閉されるように制御する。また、V可変入賞装置651には、本実施形態と同様に切替部材65hを設けるようにしてもよい。そして、特定のタイミング(例えば14ラウンド目の開始時)に切替部材65hが可動されることにより、確変スイッチ65e3へ遊技球が通過可能となるよう構成する。そして、大当たり遊技後の遊技状態を高確率遊技状態へ移行可能とする大当たりでは、14ラウンド目にV可変入賞装置651が開閉されるように制御し、大当たり遊技後の遊技状態を高確率遊技状態へ移行不可能とする大当たりでは、14ラウンド目に非V可変入賞装置652が開閉されるように制御する。これにより、確変スイッチ65e3の制御を大当たり種別毎に変更する必要がないため、設計コストの低減、プログラム容量の低減を図ることができる。
一方、大当たりB、大当たりEである場合には、14ラウンド目の開始時に切替部材65hが0.5秒間のみ回動される。可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3に到達するまでには、0.5秒以上必要であることより、大当たりB、大当たりEである場合には、確変スイッチ65e3を遊技球が通過することが不可能に構成されており、大当たり後の遊技状態が高確率の遊技状態に設定されないように構成されている。なお、大当たり遊技後に高確率遊技状態へ移行されない大当たりB、大当たりEである場合には、切替部材65hが回動されないようにしてもよい。これにより、大当たりBおよび大当たりEにおいて、確変スイッチ65e3へ遊技球が通過してしまうことを確実に防止できると共に、切替部材65hを回動する必要がないので、消費電力を低減することができる。
よって、大当たり遊技が開始されても、遊技者にとっては、その後の大当たり遊技中に確変が付与されるか否かが決定されるので、確変への期待を長く継続して持たせることができる。さらに、第1特別図柄と第2特別図柄とで確変が付与される割合が異なるので、遊技者は、特別図柄の違いによって確変が付与される期待度を変えて遊技を行うことができる。
図16(a)〜(c)に示すように大当たり種別選択テーブル202dは、大当たり種別選択テーブルA〜Cまでの3種類のテーブルで構成されている。図16(a)は大当たり種別選択テーブルAの内容を模式的に示した模式図である。この大当たり種別選択テーブルAは、通常遊技状態ST1(時短遊技状態ST1h含む)である場合に、大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定するための選択テーブルである。図16(a)に示すように、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、大当たりA(15R確変大当たり)と大当たりB(15R通常大当たり)とが設定されている。大当たりAは、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜33」の値が判定値として設定されており、大当たりBは、「34〜99」の第1当たり種別カウンタC2の値が判定値として設定されている。第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、大当たりCの1種類が設定されており、「0〜99」の第1当たり種別カウンタC2の値が判定値として設定されている。即ち、通常遊技状態ST1では、特図1で大当たりとなると34%の確率で大当たりAが選択され、66%の確率で大当たりBが選択されるように構成されている。一方、特図2で大当たりとなると100%の確率で大当たりCが選択されるように構成されている。
なお、図16(a)に示すように、大当たりAは、普通図柄の当たり確率を高くし、普通図柄の変動時間が短くされて、電動役物632の作動時間も長く設定される状態(電サポ状態)が付与されず、可変入賞装置65の確変スイッチ65e3に遊技球が入賞可能な開放パターンが付与されるV入賞開放パターンが設定される大当たりである。一方、大当たりBは、電サポ状態が付与されず、V入賞開放パターンも設定されない大当たりである。大当たりCは、電サポ状態が付与されV入賞開放パターンが設定される大当たりに設定されている。
このように、通常遊技状態ST1では、通常では遊技(変動)されないはずの第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりCのみとすることで、不正等により例え第2特別図柄で大当たりが発生したとしても、潜伏確変遊技状態ST2を付与せず、最低2回の大当たりが不正に高確率遊技状態で付与されてしまう不具合を抑制できるように構成されている。
次に、図16(b)は、大当たり種別選択テーブルBの内容を模式的に示した模式図である。この大当たり種別選択テーブルBは、潜伏確変遊技状態ST2で大当たりが成立した場合に、その大当たり種別を決定するためのテーブルである。この大当たり種別選択テーブルBでは、特図1の大当たり種別として、大当たりAと大当たりEとが設定されており、特図2の大当たり種別として、大当たりCと大当たりDがそれぞれ設定されている。
大当たりEは、15ラウンド時短大当たりであり、大当たり遊技終了後に第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動開始するまでの間、電サポ状態が付与される。なお、この場合の大当たり確率は低確率状態に設定される。なお、潜伏確変遊技状態ST2に移行すると、特図1の変動時間は長く設定されるので、大当たりとなるのは、潜伏確変遊技状態ST2に移行した1回目の第1特別図柄の変動であることが概ね考えられる。その場合には、遊技者を救済する意図もあり、通常遊技状態ST1では選択されない大当たりEが大当たりBの代わりに選択されるように設定されている。よって、遊技者の落胆を抑制でき、遊技への意欲が著しく低下してしまう不具合を抑制できる。
特図2で大当たりした場合には、大当たりCと大当たりDとがそれぞれ設定されている。大当たりDは、15ラウンドの潜伏確変が設定される大当たりで構成されている。ここで、本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2が設定されると、最低2回の大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の抽選確率が高確率遊技状態に設定される可能性が高く設定されている。よって、遊技者にとっては、確変遊技状態ST3が設定される大当たりCよりも大当たりDの方が有利な大当たり種別に設定されている。
なお、大当たり種別選択テーブルBでは、大当たりCは、判定値として「0〜65」が設定されており、大当たりDは、判定値として「66〜99」が設定されている。よって、大当たりCは第2特別図柄が当たりとなると66%の確率で選択され、大当たりDは、34%の確率で選択されるように設定されている。よって、遊技者は、潜伏確変遊技状態ST2中に第2特別図柄で大当たりすると大当たりDが選択されていることを期待して遊技を行う。
図16(c)は、大当たり種別選択テーブルCの内容を模式的に示した模式図である。大当たり種別選択テーブルCは、遊技状態が確変遊技状態ST3である場合に大当たり種別を決定する為に使用する選択テーブルである。大当たり種別選択テーブルCでは、第1特別図柄の大当たり種別として大当たりAと大当たりBが設定されており、第2特別図柄の大当たり種別としては、大当たりDのみが選択されるように構成されている。なお、大当たりAが選択される割合は34%に設定されており(判定値「0〜33」)、大当たりBが選択される割合は66%に設定されている(判定値「34〜99」)。
このように、確変遊技状態ST3が設定されている場合には、第2特別図柄で大当たりとなると必ず大当たりDが選択されることで、潜伏確変遊技状態ST2が設定され、さらに遊技者に最低2回大当たりが実行されるまで高確率遊技状態が継続して設定され易く構成している。ここで、本実施形態では、確変遊技状態ST3中では、第2特別図柄の変動時間が長く設定されており、さらに、電動役物632が特別状態(開状態)となり易く設定される(電サポ)となることで、第2始動口640への入球数が抑制されるように構成されている。後述するが確変遊技状態ST3となると、普通図柄の変動時間が191/199の割合で3000msが選択され、8/199の割合で30000msが抽選により選択される(図19参照)。よって、低い確率で、変動時間の長い30000msの変動時間が選択されるように構成されている。
この30000msの変動時間が経過するまでの間は、電動役物632は特別状態(開状態)に作動されないこととなるので、その間、第2始動口640に遊技球が入賞し易く(右打ちした遊技球の85%が入球)なるので、第2特別図柄の保留球を増大させることができる。一方、確変遊技状態ST3中には、図18(b)に示すように外れの場合には、1800000msの変動時間が第2特別図柄の変動時間として設定されているので、通常では第2特別図柄の保留球が記憶されている状態でも効率良く新たな抽選が実行されないように構成されている。しかしながら、確変遊技状態ST3中には、第1特別図柄の小当たり確率が1/80に設定されている(図15(b)参照))ので、第1特別図柄で小当たりに当選する毎に、第2特別図柄で実行されている変動は、強制的に停止表示され、次に記憶されている保留球の変動が開始されることとなる。即ち、第1特別図柄で小当たりに当選することで、第2特別図柄での抽選機会が増えることとなり、遊技者に有利な抽選が実行され易いように設定されている。よって、遊技者は、第1特別図柄で小当たりに当選することを期待して遊技を行うことができ、大当たり以外にも遊技者の期待を増大させることができる。なお、小当たりの抽選確率は、適宜適当な値で設定してもよい。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば、0〜198の範囲内で1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後、0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口630、右第1始動口631または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、本実施形態では、始動入賞したタイミングで変動種別カウンタCS1の値を取得するように構成したが、それに限らず、変動開始となるタイミングで取得するように構成してもよい。第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2についても変動開始時に選択するように構成しても当然よい。
図17、図18(a)〜(b)に示すように、変動パターン選択テーブル202eは、低確率遊技状態で変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルA(図17参照)、潜伏確変遊技状態ST2で変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルB(図18(a)参照)、確変遊技状態ST3または時短遊技状態ST1hで変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブルC(図18(b)参照)がそれぞれ設定されている。
各変動パターン選択テーブルは、変動開始する場合の保留球の数と変動種別選択カウンタCS1の値、当否判定結果に対応してそれぞれ変動パターンの種別が設定されている。なお、主制御装置110が決定する変動パターンの種別は、変動パターンの大まかな内容であり、主に、変動時間、大まかな変動種別(非リーチ、リーチ各種)が決定される。そして、音声ランプ制御装置114によりさらに詳細な変動パターンの内容が決定されるように構成されている。このように構成することで、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
図17に示したように、通常遊技状態ST1では、第2特別図柄の変動時間として当否判定結果が外れ、当たりに関わらず極端に長い変動時間(動的表示時間)が決定されるように構成されている。具体的には、64800000msが選択され、18時間が設定される。遊技店の営業時間は、通常朝9時から夜11時までが長くても一般的であるので、15時間の営業時間となっておりそれよりも長い変動時間で構成されている。よって、通常遊技状態ST1において第2特別図柄で遊技して大当たりさせることを防止できる。なお、本実施形態では、大当たりの場合も長い変動時間とした。この場合に、第2特別図柄で遊技されていることをホールコンピュータ等に出力することで、不正な遊技の監視や、正しい遊技方法での指導を遊技店側が行うことができる。
なお、本実施形態では、当たりの場合も第2特別図柄では長い変動時間としたが、当たりの場合には500ms等の短い変動時間で構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄で極端に長い当たり変動が実行されることで、その間第1特別図柄で当たり変動が実行されない不具合を抑制できる。
図18(a)に示すように、潜伏確変遊技状態ST2では、外れである場合の第1特別図柄の変動時間が180000msで構成されており、極端に長く設定されている。一方当たりとなる第1特別図柄の変動時間は、500msで構成されており短く設定されている。このように構成することで、潜伏確変遊技状態ST2に移行して1変動目の第1特別図柄が大当たりEとなった場合にも、潜伏確変遊技状態ST2に移行したことを分かり難くすることができる。さらには、大当たり遊技を連続して実行でき、遊技の興趣を向上できる。
図18(b)に示すように、確変遊技状態ST3では、第2特別図柄の外れの変動時間が180000msで構成されており、極端に長く設定されている。一方、当たりの変動時間は5000msで構成されており、後述する宝箱の演出が実行される期間に合わせて設定されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなる変動表示が同時に変動しないように構成したが、それに限らず、同時に大当たりとなる変動表示がされることが可能に構成した場合には、第2特別図柄の大当たりとなる変動表示時間は第1特別図柄よりも短い(例えば、5秒間)または極端に短い変動時間(例えば、0.5秒)として、第1特別図柄の大当たりとなる変動時間は第2特別図柄よりも長い変動時間(例えば、60秒間)または極端に長い変動時間(例えば、5分間)が選択されるように構成してもよい。このように、構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりBが決定される可能性がある第2特別図柄で大当たりすることを先延ばしにすることができ、その間に第2特別図柄で大当たりさせて、大当たりCを遊技者に付与することができる。なお、この場合には、一方の特別図柄で大当たりが開始された場合には、他方の特別図柄で変動中の抽選遊技は無効にするように構成する構成が考えられる。このように構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりCが付与されて確変遊技状態ST3が設定された後にすぐに決定されて、短期間で確変遊技状態ST3が終了してしまう不具合を抑制することができる。
また、上記した、第1特別図柄と第2特別図柄とで当否判定結果が大当たりである変動表示を同時に変動表示することを可能にした構成では、第1特別図柄における当否判定結果が外れの変動表示時間を長く(例えば、100秒間)設定して、第2特別図柄における当否判定結果が当たりの変動時間を短く(例えば、1秒間)に設定することで、時短遊技中に第1特別図柄で抽選結果が表示される回数を減らす(第1特別図柄が変動表示される回数を減らす)ことができ、遊技者に有利な第2特別図柄での抽選回数を増やすことができる。なお、時短回数が第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動表示するまでとされていた場合には、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄が外れ変動で連続して100回変動表示した場合の時間よりも長い時間で構成することにより第2特別図柄が時短遊技中に変動表示する回数を効果的に減らすことができる。
図13に戻って、各種カウンタの説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図22参照)毎に更新され、球が第1普通図柄始動口67a(スルーゲート)または第2普通図柄始動口67b(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は、通常遊技状態ST1では、5であり、その範囲は「5〜9」となっている。また、高確率遊技状態では、200であり、その範囲は「5〜204」となっている。即ち、通常遊技状態ST1では、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜9」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率遊技状態では、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物632の左誘導部材632a、右誘導部材632bが、通常遊技状態ST1では、所定時間(本実施形態では1.2s)の開放動作が1回行われ、高確率遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)の開放動作が2回行われる。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1600)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203cに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に第2当たり乱数カウンタC4から乱数値が取得されて、普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、第2当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄フラグ(図示せず)がオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示が停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1抽選遊技(第1特別図柄)と第2抽選遊技(第2特別図柄)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1抽選遊技と第2抽選遊技との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
図12に戻り、説明を続ける。RAM203は、図13に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1600)(図45参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図44参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図43参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、報知カウンタ203m、残球タイマフラグ203n、残球タイマ203o、確変有効フラグ203p、排出個数カウンタ203s、時短中カウンタ203t、大当たりフラグ203u、特図1変動停止フラグ203v、特図2変動停止フラグ203w、先読み保留球格納エリア203x、小当たりフラグ203y、時短フラグ203a2、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口630に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口640に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)と同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が第1始動口630または右第1始動口631へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口640へ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄フラグ(図示せず)をオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ(図示せず))が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bへ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される第1始動口630または第2始動口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図44、S1514)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1始動口630または右第1始動口631に遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2始動口640に遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図23、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示装置83、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図44、S1514)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図41、S1205参照)。
普通図柄フラグ(図示せず)は、第2当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア(図示せず)または普通図柄保留球格納エリア203cに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、第2当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ(図示せず)はオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ(図示せず)はオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ(図示せず)はオフに設定される。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)あることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態ST1h含む)であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に確変フラグ203gがオンに設定される(図50のS11682参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される(図29のS607、図36のS1007参照)。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図50のS1682)。一方、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりAでの13ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203sとの合計により第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図50のS1681)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図51のS1711)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図50のS1673)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203sと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、14ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりBおよび大当たりEでは14ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203kには、大当たりAでは、14ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりBでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図47のS1642)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図50、S1634)のS1679の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203kを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
報知カウンタ203mは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本実施形態では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本実施形態では12ラウンド目の終了タイミング(可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203mが設定される。この報知カウンタ203mは、主制御装置110の報知処理(図49、S1633)のS1664の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203mが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される14ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。ここで、大当たり遊技の13ラウンド目は、第3図柄表示装置81では、女の子のキャラクタが表示されて、第3図柄表示装置81を遊技者に見るように促す報知である「注目」の文字が表示されている。14ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態ST3が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図6(a)参照)の動きを遊技者が見えがたくするような報知演出が実行されている。しかしながら、13ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、14ラウンド開始前に、可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、13ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本実施形態では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(14ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりA、大当たりC、大当たりDであるか大当たりB、大当たりEであるかが判別される不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203oが1ずつ加算されて更新される(図50のS1632参照)。残球タイマ203oは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203oは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203oの上限値として設定されている。この残球タイマ203oの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図51のS1707)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、14ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりB、大当たりEであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態ST3が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203pは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203pがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203rは、上述した確変有効フラグ203pがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203rにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203rの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65hに遊技球を通過させたり、確変スイッチ65hの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203sは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203sは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図51のS1711)。
時短中カウンタ203tは、時短遊技状態ST1hにおける残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203tは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態ST3に設定されない場合には、100回の時短遊技状態ST1hに移行する。
大当たりフラグ203uは、第1始動口630、右第1始動口631または第2始動口640に入賞したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの図柄に対応した大当たりであるかを識別可能なフラグで構成されている。具体的には、2ビットで構成されて、「10」で第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオン、「01」で、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンとして設定され、「00」で大当たりフラグ203uがオフとして設定される。
ここで、大当たりフラグ203uは、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に使用されるので、変動開始時に、第1特別図柄と第2特別図柄とで先にどちらか一方がオンに設定されている場合には、他方の抽選結果が大当たりであっても、大当たりフラグ203uは上書きされたりせず、他方の抽選結果は、外れと同等に処理される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動表示が実行されることがないように処理できる。
即ち、どちらか一方の特別図柄で大当たりとなる変動表示が開始されると、他方では、大当たりとなる変動表示が開始されず、外れの変動態様のみが表示されるように構成される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通した大当たりフラグ203uで構成したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ独立した大当たりフラグを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動表示が実行されるように構成してもよい。このような構成とすることで、確変遊技状態ST3中に第1特別図柄で、大当たりB、大当たりEとなる変動表示が開始されたとしても、その変動時間を長く設定しておき、第2特別図柄で短い変動時間で抽選され易く構成することで、大当たりBが開始されるまでの間に、第2特別図柄で大当たりし易く構成することができる。よって、遊技者に大当たりBが開始されるまでの時間(即ち、確変遊技状態ST3が終了するまでの期間)を報知する演出を実行して、遊技者に急いで、第2特別図柄で大当たりを当選させようとして遊技を行わせる演出を実行できる。従って、遊技者に新鮮な演出を提供することができる。その結果、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
特図1変動停止フラグ203vは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たり遊技が実行開始されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)のS1004において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)のS611の処理において、オフに設定される。
特図2変動停止フラグ203wは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)のS605において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)のS1011の処理において、オフに設定される。
先読み保留記憶エリア203xは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2特別図柄保留球格納エリア203bとに記憶されている保留球に対する当否判定結果、大当たり種別、変動種別等の判別情報が記憶される記憶エリアである。
小当たりフラグ203yは、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が小当たりであることを示すフラグである。この小当たりフラグは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらが小当たりであるかを識別可能に構成されている。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に小当たりとならない(一方が小当たりであれば他方が外れとなる)ように構成している。よって、この小当たりフラグ203yは、第1特別図柄と第2特別図柄との両方が小当たりであることを示す値にはならない。
時短フラグ203a2は、パチンコ機10が特別図柄の時短状態(電サポ状態、普通図柄の高確率遊技状態)であるか否かを示すフラグである。時短フラグ203a2の値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の時短状態(電サポ状態)であることを示し、時短フラグ203a2の値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態)であることを示す。この時短フラグ203a2は、初期値がオフに設定されており、大当たり遊技の終了時に実行されるエンディング処理(図48参照)において、電サポ有りの大当たり種別の大当たり遊技終了時に、オンに設定される(図48のS1654参照)。そして、普通図柄変動処理(図41参照)において遊技状態が時短(電サポ)状態であるか否かを判別するために参照され(図41のS1208,S1214参照)、次の大当たり遊技が開始される場合(図29のS607、図36のS1007)、または、時短(電サポ)状態における特別図柄の抽選回数が所定回数に達した場合(図30のS628参照)にオフに設定される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図12に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ(図示せず)は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、始動口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図21(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aが少なくとも設定されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンの詳細な内容を決定するための選択テーブルである。この変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドが示す、変動時間、大まかな変動パターン(リーチ、非リーチ等)に対応して、複数種類の変動内容(例えば、変動時間は同一、判定結果も同一で構成されたリーチAからDの異なる表示内容のリーチ変動パターン)から一つの変動内容を決定する。
次に、図21(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図21(b)は、RAM223の内容を模式的に示した模式図である。RAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、第1特別図柄保留球数カウンタ223c、第2特別図柄保留球数カウンタ223d、特図2変動開始フラグ223e、特図2変動開始フラグ223f、特図1停止種別選択フラグ223g、特図2停止種別選択フラグ223i、演出カウンタ223j、従状態設定エリア223k、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを第1特別図柄と第2特別図柄に対してそれぞれ有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1始動口630または右第1始動口631への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ223dは、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
特図1変動開始フラグ223eは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する特図1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2変動開始フラグ223fは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する特図2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図1停止種別選択フラグ223gは、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2停止種別選択フラグ223iは、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
演出カウンタ223jは、変動パターンの選択や、各種演出の選択、加算時間選択テーブル222bからの加算時間の選択等に使用されるカウンタである。0から198の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
従状態設定エリア223kは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223hに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でなければベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、図9を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図9は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
本パチンコ機10では、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示がそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。具体的には、第1図柄表示装置37では、7セグメント表示器37bの2つの7セグメントLEDの内、左側の7セグメントLEDでは、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側の7セグメントLEDでは、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図22から図51のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640の入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図38を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bにおける球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図41および図42を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図23は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図23、S104)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図23、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図23、S104)では、まず、大当たり遊技中であるか否かが判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(S204)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄変動停止処理(S204)では、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理が実行される。なお、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には、変動表示中の第1特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。この第1特別図柄変動停止処理(S204)の詳細については、図29および図30を参照して後述する。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(S203)では、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。また、第1特別図柄変動開始処理(S203)では、抽選結果が大当たり(または小当たり)となる場合には、大当たりフラグ203u(または小当たりフラグ203y)をオンに設定する。これにより、第1特別図柄の大当たり(または小当たり)に基づく変動表示の実行中には、第2特別図柄の変動表示が外れの変動表示となるように制御される。この第1特別図柄変動開始処理(S203)については、図24から図28を参照して詳しく後述する。なお、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止される際に、変動表示中の第1特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成した場合は、中断(仮停止)されている第1特別図柄の変動表示を再開する処理を行うように構成すればよい。
第1特別図柄変動開始処理(S203)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第1抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。この第2特別図柄変動停止処理(S207)の詳細については、図36および図37を参照して後述する。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。第2特別図柄変動開始処理(S206)では、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。また、第2特別図柄変動開始処理(S206)では、抽選結果が大当たり(または小当たり)となる場合には、大当たりフラグ203u(または小当たりフラグ203y)をオンに設定する。これにより、第2特別図柄の大当たり(または小当たり)に基づく変動表示の実行中には、第1特別図柄の変動表示が外れの変動表示となるように制御される。この第2特別図柄変動開始処理(S206)については、図31から図35を参照して詳しく後述する。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止される際に、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成した場合は、中断(仮停止)されている第2特別図柄の変動表示を再開する処理を行うように構成すればよい。
次に、図24を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図24は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得する(S301)。第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別される(S302)。特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算する(S303)。第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S304)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S305)。第1特別図柄大当たり判定処理(図24、S305)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S306)。第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
次に、図25を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図23、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S305)について説明する。図25は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S305)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。遊技状態が確変遊技状態ST3(確変中)であるか否かが判別される(S402)。遊技状態が確変遊技状態ST3であるか否かの判別は、確変フラグ203gがオンに設定されているか否かにより判別される。確変フラグ203gがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態ST3(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が高確率時用の大当たり判定値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S403)。一方、確変フラグ203gがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が低確率時用の大当たり判定値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S404)。
S403またはS404の処理を終えると、大当たりフラグ203uまたは小当たりフラグ203yがオンであるか判別する(S405)。ここで、大当たりフラグ203uまたは小当たりフラグ203yがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりまたは小当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203u(および小当たりフラグ203y)を第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たり(または小当たり)が連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。なお、第2特別図柄において大当たりまたは小当たりとなる変動が開始されている場合には、第1特別図柄の抽選を行わずに(S402からS404の処理をスキップして)、第1特別図柄の外れに基づく変動表示(特図1外れ変動処理(S410))を実行するようにしてもよい。これにより、抽選処理(S402からS404の処理)をスキップすることができるので、処理負荷を低減させることができる。
S405において、大当たりフラグ203uおよび小当たりフラグ203yがオフであると判別された場合、即ち、第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が開始されていないと判別した場合には(S405:No)、S403またはS404の処理で実行された抽選結果が大当たりであるか判別する(S406)。抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S406:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uをオンに設定する(S407)。その後、第1特別図柄の抽選結果(特図1抽選結果)を大当たりに設定して(S408)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄を大当たり種別カウンタC1の値と遊技状態とに基づいて設定する(S409)。その後、この処理を終了する。
一方、S405の処理において、第2特別図柄に対する大当たりフラグ203uまたは小当たりフラグ203yがオンであると判別された場合(S405:Yes)、またはS406の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、特図1外れ変動処理を実行する(S410)。なお、この特図1外れ変動処理(S410)については、図26を参照して説明するが、第1特別図柄の抽選結果が外れである場合の外れ図柄の設定等が実行される。
このように、実際に取得している第1当たり乱数C1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203uまたは小当たりフラグ203yが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりまたは小当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れとなる設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たり(または小当たり)となる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たり(または小当たり)となる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。また、大当たり(または小当たり)が同時又は連続して実行されることにより、遊技者が困惑してしまうとの不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動が実行されない構成としたが、それに限らず、同時に実行されるように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の大当たりフラグを設定すればよい。この場合には、他方の特別図柄で大当たり遊技が実行された場合には、一方の特別図柄の変動では、変動時間の計測を一時的に仮停止して、特別図柄を擬似的に変動したり、仮停止するように構成することが考えられる。
次に、図26を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)の一処理である特図1外れ変動処理(S410)について説明する。図26は、この特図1外れ変動処理(S410)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ変動処理(図26、S410)では、まず、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203u又は小当たりフラグ203yがオンであるか判別する(S412)。大当たりフラグ203u又は小当たりフラグ203yがオンであると判別した場合には(S412:Yes)、第1特別図柄表示装置37に第1特別図柄の外れ図柄を設定する(S416)。その後、この処理を終了する。このように、第2特別図柄に大当たりまたは小当たりが設定されている場合には、第1特別図柄では強制的に外れ図柄が設定される。よって、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりまたは小当たりとなる変動が実行される不具合を防止できる。
一方、S411の処理において、第2特別図柄に対して、大当たりフラグ203uおよび小当たりフラグ203yがオフであると判別した場合には(S411:No)、抽選結果が小当たりであるかを、現在の遊技状態と小当たり乱数テーブル202b(図15(b)参照)とに基づいて判定する(S412)。S412の処理おいて、小当たりでないと判別した場合には(S412:No)、抽選結果が外れの場合であるので、S416の処理を実行して、この処理を終了する。
一方、S412の処理において、小当たりであると判別した場合には(S412:Yes)、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yをオンに設定する(S413)。第1特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S414)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の小当たり図柄を設定する(S415)。その後、この処理を終了する。
次に、図27を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)について説明する。図27はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図27、S306)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ203uは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図25参照)におけるS407の処理でオンに設定されるものである。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、現在の遊技状態(通常遊技状態ST1、潜伏確変遊技状態ST2、確変遊技状態ST3、時短遊技状態ST1hのいずれか)に応じた変動パターン選択テーブル202eを設定する(S502)。設定されている遊技状態に対応する大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)〜(c)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S503)。S502の処理で設定した変動パターン選択テーブル203eと、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動パターンを選択する(S504)。S504の処理において選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを生成する(S505)。その後、S507の処理を実行する。
一方、S501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203uがオフである)と判別した場合には(S501:No)、特図1外れ変動パターン選択処理を実行する(S506)。
ここで、図28を参照して、この特図1外れ変動パターン選択処理(S506)について説明する。図28は、特図1外れ変動パターン選択処理(S506)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ変動パターン選択処理(図28、S506)では、まず、第1特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S511)。ここでは、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオンに設定されているか判別する(S511)。小当たりフラグ203yがオンであると判別した場合には(S511:Yes)、小当たりの変動パターンを設定する(S512)。なお、小当たりである場合には、1種類の変動パターンが主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている。具体的には、変動時間3000ms(3秒)の変動パターンが設定されている。S512の処理を終えると、小当たりを示す特図1変動パターンコマンドを設定する(S513)。その後、この処理を終了する。
一方、S511の処理において、第1特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S511:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17および図18参照)を設定する(S514)。設定した変動パターン選択テーブルより、当否判定結果(外れ)と、変動種別選択カウンタCS1の値とに基づいて、外れの変動パターンを選択する(S515)。選択した外れの変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S516)。その後、この処理を終了する。
図27に戻って説明を続ける。S505の処理または特図1外れ変動パターン選択処理(図28、S506)を実行した後には、S507の処理を実行する。S507の処理では、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定する(S507)。その後、この処理を終了する。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図29はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(S601)。S601の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(S601:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203uがオンに設定されているか判別する(S602)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203uがオンに設定されていると判別した場合には(S602:Yes)、特図2変動停止フラグ203wをオンに設定する(S603)。図示は省略したが、S603の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203wがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。
S603の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(S604)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たり遊技の開始が設定される(S605)。その後、時短中カウンタ203tを初期値である0にリセットし(S606)、確変フラグ203g、および時短フラグ203a2をオフに設定する(S607)。次いで、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(S608)。第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S609)、本処理を終了する。
一方、S601の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(S601:No)、次いで、特図1変動停止フラグ203vがオンであるか否かを判別する(S610)。S610の処理において特図1変動停止フラグ203yがオフであると判別された場合は(S610:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S610の処理において特図1変動停止フラグ203vがオンであると判別した場合は(図29のS610)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止させるために、S611およびS612の処理を実行する。S611の処理では、特図1変動停止フラグ203vをオフに設定して、S612の処理へ移行する。
S612では、第1特別図柄を外れの態様で停止表示するための特図1外れ停止処理を実行する。上述したS602の処理において、特図1に対して大当たりフラグがオフであると判別された場合は(S602:No)、同様に、第1特別図柄を外れの態様で停止表示するための特図1外れ停止処理を実行する(S612)。S612の処理を終えると、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄停止処理(S204)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(S601:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S603からS609またはS612)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(S610:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(S612)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(S610:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。
ここで、図30を参照して、この特図1外れ停止処理(S612)について説明する。図30は、この特図1外れ停止処理(S612)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ停止処理(S612)では、まず、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオンに設定されているか判別する(S621)。特図2変動停止フラグ203wをオンに設定する(S622)。そして、特図2変動停止フラグ203wがオンに設定されたことを示す(特図2が強制的に変動停止されることを示す)特別2変動停止コマンドを設定する(S623)。小当たり遊技の開始を設定する(S624)。その後、S625の処理を実行する。
一方、S621の処理において、第1特別図柄に対して小当たりフラグ203yがオフであると判別した場合には(S621:No)、第1特別図柄の抽選結果が外れの場合であるので、S622からS624の処理をスキップして、S625の処理へ移行する。S625の処理では、時短中カウンタ203tが0より大きい値であるか否かを判別する(S625)。S625の処理において、時短中カウンタ203tが0より大きいと判別された場合には(S625:Yes)、時短中カウンタ203tを1減算して更新し(S626)、減算後の時短中カウンタ203tが0であるか否かを判別する(S627)。S627の処理において、時短中カウンタ203tが0であると判別された場合は(S627:Yes)、時短遊技状態ST1hが終了する場合であるので、時短フラグ203a2をオフに設定して(S628)、S629の処理へ移行する。
一方、S627の処理において、減算後の時短中カウンタ203tが0でない(0より大きい)と判別された場合は(S627;No)、時短遊技状態ST1hが継続する場合であるので、S628の処理をスキップして、S629の処理へ移行する。
S629の処理では、特図1確定コマンドを設定する(S629)。第1特別図柄表示装置37に変動表示(動的表示)している第1特別図柄を変動停止する処理を実行する(S630)。その後、この処理を実行する。ここで、図29に戻って、特図1外れ停止処理(S608)を実行した後には、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示しているが、第1特別図柄で大当たりまたは小当たりの抽選結果で変動停止させる場合には、第2特別図柄を強制的に変動停止させる処理を実行するように、特図2変動停止フラグ203wをオンに設定する。一方、後述するが、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりの抽選結果で変動停止させる場合には、特図1変動停止フラグ203vがオンに設定されることで、第1特別図柄の変動停止が強制的に実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄との同時変動を効率良く実行できる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で、大当たりまたは小当たりとなる変動が既に開始されている場合には、他方の特別図柄では、強制的に外れの当否判定結果として変動表示が開始される。よって、大当たりや小当たりが連続して強制的に実行されることが抑制でき、射幸性が高くなり過ぎる不具合を抑制できる。
次に、図31を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図31はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図31、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)に対して、S301〜S306までの各処理の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理(S305)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)がS701〜S706までの各処理では、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第2特別図柄大当たり判定処理(S705)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)に、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図32を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S705)について説明する。図32はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S705)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図32、S705)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図25、S305)に対して、次の点で相違する。S401の処理に対応するS801の処理で、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)が、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に変更される点と、S408の処理に対応するS808の処理で、特図1(第1特別図柄)が特図2(第2特別図柄)に変更される点と、S409およびS410の処理に対応するS809およびS810の処理で、第1特別図柄が第2特別図柄に変更される点でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。また、第2特別図柄大当たり判別処理(図32参照)において実行される特図2外れ変動処理(図32のS810、図33)も、上述した特図1外れ変動処理(図26参照)と同様の処理を、第2特別図柄に対して実行するものであるため、詳細な説明は省略する。
次に、図34を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図23、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)について説明する。図34はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図34、S706)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図27、S306)に対して、次の点で相違する。S501の処理に対応するS901の処理で、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)が特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に変更される点と、S506〜S507までの各処理に対応するS906〜S907の各処理で、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)が特図2変動パターンコマンドに変更される点でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図36を参照して、特別図柄変動処理(図22、S104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図36はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理(S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)に対して、次の点で相違する。S602の処理に対応するS1002の処理で、「特図1に対して」が、「特図2に対して」に変更される点と、S603の処理に対応するS1003の処理で、特図2変動停止フラグが特図1変動停止フラグに変更される点と、S604の処理に対応するS1004の処理で、特図1停止種別コマンドが特図2停止種別コマンドに変更される点と、S609およびS610の処理に対応するS1009およびS1010の処理で、特図1変動停止フラグが特図2変動停止フラグに変更される点と、S611に対応するS1011の処理で、特図1外れ停止処理が特図2外れ停止処理に変更される点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
また、第2特別図柄変動停止処理(図36参照)において実行される特図2外れ停止処理(図36のS1011、図37)も、上述した特図1外れ停止処理(図30参照)と同様の処理を、第2特別図柄に対して実行するものであるため、詳細な説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図22)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図38は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図38、S105)は、第1始動口630、右第1始動口631、第2始動口640のいずれかに遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口630と右第1始動口631、第2始動口640にそれぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図38、S105)について説明する。
始動入賞処理(図38、S105)では、まず、球が第1始動口である第1始動口630または右第1始動口631に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1101)。ここでは、第1始動口630または右第1始動口631への入賞を検出する。球が第1始動口630または右第1始動口631に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1101:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が取得される(S1102)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1103)。これは、第1始動口630と右第1始動口631とに対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(S1103:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)に1加算される(1104)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1105)。各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1106)。
次に、第1先読み処理が実行される(S1107)。第1先読み処理(S1107)については、詳しく図39を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。
次に、S1108〜S1114までの各処理については、S1101〜S1107までの各処理で実行された第1始動口(第1始動口630と右第1始動口631)への遊技球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2始動口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
次に、図39を参照して、始動入賞処理(図38、S105)の一処理である第1先読み処理(S1107)について説明する。図39は、この第1先読み処理(S1107)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図39、S1107)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値が読み出される(S1121)。読み出したデータを先読み保留記憶エリア203xの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶される(S1122)。
読み出した先読み保留記憶エリア203xに記憶されたデータに基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここで判定される当否判定結果は、通常遊技状態ST1で当たりとなる場合で判定される。変動時間は、保留個数によって可変されて設定されるので、変動開始するタイミングが第1特別図柄と第2特別図柄とで判別できないので、正確な変動開始時の遊技状態を判別することができない。よって、正確に当否判定結果が判別できるのは、高確率遊技状態でも低確率遊技状態でも大当たり判定値が共通している第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」である場合だけである。従って、S1123の処理では、通常遊技状態ST1中に当たりとして判定されるかが判別される。
S1123の処理において、当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S1123:Yes)、第1特別図柄が大当たりであり、その大当たり種別も示した第1入賞コマンドが設定される。その後、この処理を終了する。一方、S1123の処理で当否判定結果が外れであると判別した場合には(S1123:No)、第1特別図柄の先読み抽選結果が外れであることを示す第1入賞コマンドを設定する(S1125)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口(第1始動口630または右第1始動口631)に遊技球が入賞して、新たに保留記憶されると、その保留記憶された情報に基づいて、当否判定結果が変動開始前に判別されて音声ランプ制御装置113に対して通知される。これにより、保留記憶されている当否判定結果に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆する演出を実行できる。
なお、本実施形態では、先読みの場合に、当否判定を通常遊技状態ST1として判別したが、それに限らず、変動開始時の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
次に、図40を参照して、始動入賞処理(図38、S105)の一処理である第2先読み処理(S1114)について説明する。図40は、この第2先読み処理(S1114)を示すフローチャートである。
第2先読み処理(図40、S1114)は、上記した、第1先読み処理(図39、S1107)が第1始動口(第1始動口630または右第1始動口631)に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、各種判定を行う処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、各種判定を行う処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示が同時に実行可能となっている。一方の特別図柄において大当たり又は小当たりとなる変動表示が実行されると、他方の特別図柄では強制的に外れの変動表示が実行されるように構成されている。そこで、上述した第1先読み処理または第2先読み処理では、抽選結果を先読みする際に、強制的に外れとされるか否かを判別するように構成してもよい。このようにするには、例えば、第1特別図柄の抽選結果を先読みする場合には、その先読みする抽選結果の動的表示が実行される期間(時刻)を算出する。そして、当該動的表示が実行される期間において、第2特別図柄の大当たり又は小当たりとなる変動が実行されるか否かを判別すれば良い。なお、抽選結果が外れの場合には、第2特別図柄の実行状態に依らず外れとなるので、判別しないようにしてもよい。これにより、上述した判別を行うことによる処理負荷を軽減することができる。
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図41は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、電動役物632の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図41、S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1201)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから電動役物632の開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1201:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるか判別する(S1202)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別した場合には(S1202:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別する(S1220)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1219の処理によって予め設定された時間である。
S1220の処理において、変動時間が経過していなければ(S1220:No)、本処理を終了する。一方、S1220の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別した場合には(S1220:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1221)。S1221の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1213の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1218の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定する。S1221の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1213の処理、S1218の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S1222)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S1222:Yes)、電動役物632の開閉制御開始が設定される(S1223)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別した場合には(S1222:No)、本処理を終了する。
一方、S1202の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1202:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1203)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S1204)。普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S1204:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でないと判別された場合には(S1204:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1205)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1206)。S1206の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1207)。
次に、時短フラグ203a2がオンであるか否か、即ち、時短遊技状態ST1hまたは確変遊技状態ST3であるか否かを判別する(S1208)。S1208の処理において、時短フラグ203a2がオフであると判別された場合は(S1208:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1211)。一方、時短フラグ203a2がオンであると判別された場合には(S1208:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1209)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1209:Yes)、S1211の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1209:No)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(c))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1210)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S1212)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S1212:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S1218)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別された場合には(S1212:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S1213)。
時短フラグ203a2がオンであるか否か、即ち、時短遊技状態ST1hまたは確変遊技状態ST3であるか否かを判別する(S1214)。S1214の処理において、時短フラグ203a2がオフであると判別された場合には(S1214:No)、S1217の処理を実行する。一方、時短フラグ203a2がオンであると判別された場合には(S1214:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1215)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には、S1216の処理を実行する。
S1216の処理では、電動役物632の誘導部材(左誘導部材632aと右誘導部材632b)の開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S1216)。一方、S1215の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中である(即ち、低確率遊技状態である)と判別された場合には(S1215:Yes)、電動役物632の羽根の開放時間が0.2s、開放回数が1回に設定される(S1217)。
S1216〜S1218のいずれかが終了すると、次に、普図変動パターンテーブル202fから、普図変動種別カウンタCS2の値に対応する普通図柄の変動時間を決定し(S1219)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、普図変動パターン選択テーブル202f(図19参照)より普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて普図の変動パターン(変動時間)が決定される。図19に示すように、普図変動パターン選択テーブル202fでは、各遊技状態に対応して、普通図柄の変動パターンが設定されている。確変遊技状態ST3(確変:電サポ有り)以外では、変動パターンは1種類であり、選択した普図変動種別カウンタCS2の値に関わらず常に同じ変動時間が決定される。一方、確変遊技状態ST3である場合には、判定値「0〜190」で3000msの変動時間が決定され、判定値「191〜198」で30000msの変動時間が決定される。
これにより、確変遊技状態ST3では、8/199の確率で、他の場合よりも長い変動時間が選択されることとなる。この長い変動時間が選択されると、その変動時間が経過するまでは、電動役物632が作動されることはない。本実施形態では、図2に示すように、電動役物632の下方に第2始動口640が配置され、電動役物632が作動すると、左誘導部材632aにより第2始動口640へ入賞可能な流路が塞がれる。よって、その間には、第2始動口640への遊技球の入賞が規制されるように構成されている。
ここで、上述したように、普通図柄の変動パターンとして変動時間の長い変動時間(30000ms)が選択されると、その間、電動役物632が作動しないこととなるので、その間に右打ちされた遊技球の約85%が第2始動口640へ入賞することとなる。よって、確変遊技状態ST3で普通図柄の変動時間として長い変動時間が選択されることで、第2始動口640への入賞数を増加させることができる。
なお、図16(c)に示すように、確変遊技状態ST3中には、第2特別図柄で当たりとなると必ず大当たりDが選択されることとなり、第1特別図柄で大当たりするよりも有利な大当たりが選択される。よって、確変遊技状態ST3中では、第2特別図柄で抽選される方が、第1特別図柄で抽選されるよりも、大当たりとなった場合に、遊技者に有利とすることができる。よって、確変遊技状態ST3中に第2始動口640への入賞を増加させることで、遊技者に有利となる期間を与えることができる。
次に、図42のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図42は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図42、S107)では、まず、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したか否かを判定する(S1301)。ここでは、第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過したと判定されると(S1301:Yes)、遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判別する(S1302)。S1302の処理において、遊技状態が通常遊技状態であると判別された場合は(S1302:Yes)、通常遊技状態であるにも関わらず、右打ち遊技が実行された場合であるので、発射異常を示す報知コマンドを設定して、S1304の処理へ移行する。なお、発射異常を示す報知コマンドを設定した場合には、そのまま本処理を終了し、普通図柄の抽選を行わないようにしてもよい。
一方、遊技状態が通常遊技状態でなければ(S1302:No)、S1303の処理をスキップしてS1304の処理へ移行する。S1304の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得する(S1304)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1305)。
球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過していないか(S1301:No)、或いは、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1305:No)、この処理を終了する。一方、球が第1普通図柄始動口67aまたは第2普通図柄始動口67bを通過し(S1301:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1305:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1306)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203fの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S1307)。尚、S1307の処理では、普通図柄保留球カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図43は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1401)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図44を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図44は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図44)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1502)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1503)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1504)、オンされていれば(S1504:Yes)、処理をS1512へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1504:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1505)、記憶されていなければ(S1505:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1512へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1505:Yes)、RAM判定値を算出し(S1506)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1507:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1512へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1512の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1512)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1513、S1514)を実行する。RAMの初期化処理(S1513、S1514)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1513)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1514)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1510の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1504:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1505:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1507:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1508)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1509)、S1510の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1510)。その後、割込みを許可する(S1511)。そして、後述するメイン処理(S1600)に移行する。
次に、図45を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1600)について説明する。図45は、このメイン処理(S1600)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1600)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図45、S1600)においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1601)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1602)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1603)を実行する。S1253の処理が実行された後には、確変設定処理が実行される(S1254)。この確変設定処理(S1254)については、図42を参照して、後述するが、大当たりAまたは大当たりCが実行されている場合に第2特定入球口(図示せず)に遊技球が入球したかを判別して、入球した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を確変遊技状態ST3に設定することを示すデータを大当たり後状態設定エリアに設定する処理が実行される。
確変設定処理(S1254)が実行されると、大当たり制御処理が実行される(S1255)。この大当たり制御処理(S1255)については、図43を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(S1255)が実行された後には、電動役物開閉処理が実行される(S1256)。この電動役物開閉処理(S1256)では、電動役物632の開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1257)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1258)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、電動役物632が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1259)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1259:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1260)、既に所定時間が経過していれば(S1260:Yes)、処理をS1251へ移行し、上述したS1251以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1260:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1261,S1262)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1261)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1252の処理と同一の方法によって実行する(S1262)。
ここで、S1251〜S1258の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1256の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1259:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図40のNMI割込処理が実行されたということなので、S1263以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1263)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1264)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1265)、RAM203のアクセスを禁止して(S1266)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1259の処理は、S1251〜S1258で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1261とS1262の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1251の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1251の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1251の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図45を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図45は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図45、S1600)においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1601)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図23参照)や始動入賞処理(図38参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図46参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1602)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1603)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1604)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1604)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、右第1始動口630に付随する電動役物632の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1605)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図41参照)のS1225の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1216の処理、S1217の処理、S1220の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1606)。第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図31、S206)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図24参照)または第2特別図柄変動開始処理(図31)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図65参照)のS306,S310の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1607)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図41参照)のS1220の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図41参照)のS1223の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図41参照)のS1212の処理またはS1223の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1608)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1608:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1609)、既に所定時間が経過していれば(S1609:Yes)、処理をS1601へ移行し、上述したS1601以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1609:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1610,S1611)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1610)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1602の処理と同一の方法によって実行する(S1611)。
ここで、S1601〜S1607の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1608の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1608:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図43のNMI割込処理が実行されたということなので、S1612以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1612)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1613)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1614)、RAM203のアクセスを禁止して(S1615)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1608の処理は、S1601〜S1607で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1610とS1611の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1601の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1601の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1501)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1601の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図46のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1604)を説明する。図46は、この大当たり制御処理(S1604)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1604)は、メイン割込処理(図45参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されるかを判定する(S1621)。具体的には、第1特別図柄変動停止処理(図29参照)のS606または第2特別図柄変動停止処理(図36参照)のS1006の処理または特図1外れ停止処理(図30参照)のS624の処理、特図2外れ停止処理(図37参照)のS1024の処理が実行され、特別図柄の大当たりまたは小当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されると判定する。S1621の処理において、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始される場合には(S1621:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1622)、本処理を終了する。
なお、オープニングコマンドは遊技状態や大当たり種別に応じて遅延(可変)して送信するように構成してもよい。具体的には、定期的(4ms毎)に更新されるオープニングカウンタを設ける。そして、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始される場合に、オープニングカウンタを0に初期化して、その後、オープニングカウンタが所定値(例えば、大当たりAの場合は2500、大当たりBの場合は5000)となった場合に、オープニングコマンドを送信するようにすればよい。このようにすることで、例えば、左打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を長くし、右打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を短くできる。本実施形態では、左打ち遊技中に大当たりとなった場合には、大当たり遊技として右打ち遊技に切り替える必要がある。上記構成によれば、左打ち遊技において大当たりとなった場合に、右打ち遊技(大当たり遊技)に切り替える時間を十分に確保することができる。これにより、遊技者の操作負担を軽減できる。
一方、S1621の処理において、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されない場合には(S1621:No)、特別図柄の大当たり中または小当たり中であるかを判定する(S1623)。特別図柄の大当たり中または小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1623の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1623:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄の大当たり中または小当たり中であれば、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1624)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1624:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1625)。この大当たり動作設定処理(S1625)については、図47を参照して詳細を説明するが、大当たり種別に対応した、各ラウンドにおける可変入賞装置65と確変ソレノイドへの開放設定が実行される。
図47を参照して、大当たり制御処理(図46、S1604)内の一処理である大当たり動作設定処理(S1625)について説明する。図47は、この大当たり動作設定処理(S1625)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図47、S1625)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(S1641)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65k(図4参照)の開放動作をS1641で読み込んだデータに基づいて設定する(S1642)。可変入賞装置65の開閉扉65f1(図4参照)の開放動作をS1641の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技の場合には、確変ソレノイド65kの動作は設定されず、開閉扉65f1の開放動作のみが設定される。小当たりでは、2ラウンドで構成され、各ラウンドで、1秒間、開閉扉65f1が開放動作される。
図46に戻って説明を続ける。S1624の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1624:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1626)。動作タイミングであると判別した場合には(S1626:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1627)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(S1628)。その後、この処理を終了する。
一方、S1626の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1626:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1629)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1629:Yes)、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定して(S1630)、本処理を終了する。
S1629の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1629:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1631)。なお、大当たりの終了タイミングとは、具体的には、設定したエンディング演出の終了タイミングである。S1631の処理において、大当たりの終了タイミング(エンディング演出の終了タイミング)であると判別した場合は(S1631:Yes)、大当たりの終了を設定するための大当たり終了処理を実行して(S1632)、本処理を終了する。
ここで、図48を参照して、この大当たり終了処理(S1632)の詳細について説明する。図48は、このエンディング処理(図48、S1632)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図48、S1632)では、まず、確変設定フラグ203hはオンであるか否かを判別する(S1651)。S1651の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1651:Yes)、確変フラグ203gをオンに設定し(S1652)、S1653の処理へ移行する。なお、図示は省略したが、確変フラグ203gがオンに設定されたことに基づいて、確変設定フラグ203hはオフに設定されるように構成されている。
S1653の処理では、大当たり種別が電サポありの種別(大当たりC)であるか否かを判別する(S1653)。S1653の処理において、大当たり種別が電サポありの種別であると判別された場合は(S1653:Yes)、時短フラグ203a2をオンに設定して(S1654)、本処理を終了する。一方、S1653の処理において、大当たり種別が電サポありの種別(大当たりC)でないと判別された場合は(S1653:No)、S1654の処理をスキップして、本処理を終了する。
S1651の処理において確変設定フラグ203hがオフであると判別された場合は(S1651:No)、大当たり種別が大当たりEであるか否かを判別する(S1655)。S1655の処理において大当たり種別が大当たりEであると判別された場合は(S1655:Yes)、時短中カウンタ203tに100を設定して(S1656)、S1654の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1655の処理において、大当たり種別が大当たりEでないと判別された場合は、S1656およびS1654の処理をスキップして、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか判別されて、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ65e3を遊技球が通過しているかを判別して高確率遊技状態を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65e3に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも確変スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
図46に戻って説明を続ける。S1631の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1631:No)、報知処理を実行する(S1633)。ここで、図49を参照して、報知処理(S1633)の詳細について説明する。図49は、この報知処理(S1633)の内容を示したフローチャートである。
報知処理(S1633)では、まず、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であるか判別する(S1661)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1661:No)、13ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1662)。13ラウンド目の終了タイミングの判別は、13ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。13ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1662:Yes)、報知カウンタ203mに2秒に対応するカウンタ値を設定し(S1663)、この処理を終了する。一方、S1662の処理において、13ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1662:No)、この処理を終了する。ここで、S1663の処理で2秒のカウンタが設定されることで、13ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203mが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、14ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は13ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態ST3が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、報知カウンタ203mを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より14ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、13ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、S1661の処理において、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1661:Yes)、報知カウンタ203mの値を1減算して更新する(S1664)。更新後の報知カウンタ203mの値が0であるか判別する(S1665)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1665:Yes)、報知コマンドを設定する(S1666)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
図46に戻って説明を続ける。報知処理(図49、S1633)が終了すると、入賞処理を実行する(S1634)。ここで、図50を参照して、この入賞処理(S1634)について詳細に説明する。図50は、この入賞処理(S1634)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図50、S1634)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1671)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1671:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1671:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S1672:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新する(S1673)。その後、S1674の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S1672:No)、S1674の処理を実行する。
S1674の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1674)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1674:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1676)。その後、残球タイマフラグ203nをオンに設定する(S1677)。その後、S1678の処理を実行する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1674の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1675)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1675:Yes)、S1676の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1675:No)、S1678の処理を実行する。
S1678の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか判別する(S1678)。動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1678:Yes)、動作カウンタ203kの値を−1して更新する(S1679)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S1680)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S1680:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1加算して更新する(S1681)。確変設定フラグ203hをオンに設定する(S1682)。その後、S1683の処理を実行する。一方、S1680の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1680:No)、S1683の処理を実行する。S1683の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別する(S1683)。動作カウンタ203kが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S1684)。確変有効フラグ203pをオンに設定する(S1685)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203pがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、S1678の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合には(S1678:No)、確変有効フラグ203pがオンであるか判別する(S1686)。確変有効フラグ203pがオフである場合には(S1686:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203pがオンであると判別した場合には(S1686:Yes)、確変有効タイマ203rに1加算して更新する(S1687)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S1688)。確変有効タイマ203rが上限値であると判別した場合には(S1688:Yes)、確変有効フラグ203pをオフに設定する(S1689)。確変有効タイマ203rを初期値である0にリセットする(S1690)。その後、この処理を終了する。一方、S1688の処理において、確変有効タイマ203rが上限値でないと判別した場合には(S1688:No)、S1680の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203rが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態ST3を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態ST3が付与されることを抑制できる。
図46に戻って説明を続ける。入賞処理(図50、S1634)が終了すると、次いで、異常処理を実行し(S1635)、本処理を終了する。ここで、この異常処理(S1635)について、図51を参照して、詳細を説明する。図51は、この異常処理(S1635)の内容を示したフローチャートである。この異常処理(S1635)は、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視するための処理である。
異常処理(図51、S1635)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1701)。ラウンド有効期間外である場合には(S1701:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1701:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S1702)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1702:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(S1703)。その後、S1704の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1702:No)、S1704の処理を実行する。
S1704の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(S1704)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合には(S1704:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであると判別した場合には(S1704:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203oを1加算して更新する(S1705)。残球タイマ203oは上限値(本実施形態では、3秒)が経過したか判別する(S1706)。上限値でないと判別した場合には(S1706:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1706:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203sとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか判別する(S1707)。
一致すると判別した場合には(S1707:Yes)、S1709の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1707:No)、エラーコマンドを設定する(S1708)。その後、S1709の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1709の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1709)、残球タイマ203oを初期値である0にリセットする(S1710)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203s、確変通過カウンタ203iが初期値にそれぞれリセットされ(S1711)、その後、この処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図52から図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図52は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2116の電源断処理(図53参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図53を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図53、S2113参照)、S2116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2116の電源断処理の実行時にオンされる(図53、S2115参照)。つまり、電源断フラグは、S2116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2010)。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S2101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2110の処理を行わずにS2111の処理へ移行する。S2101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2111のコマンド判定処理やS2112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、操作入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この操作入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
操作入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。この後、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
その後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S2111)が実行され、S2112の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S2111)の詳細については、図54を参照して後述する。
S2112の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図59を参照して後述する。
S2112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2115)、電源断処理を実行する(S2116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2114)、RAM223が破壊されていなければ(S2114:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図54を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2111)について説明する。図54は、このコマンド判定処理(S2111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S2111)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図54、S2111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるためのコマンドである。そして、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2201:Yes)、第1特別図柄を変動表示させるために特図1変動開始処理を実行する(S2202)。この特図1変動開始処理(S2202)については、図55を参照して詳細について説明するが、第1特別図柄に対応する特別図柄を第3図柄表示装置81に変動表示するのに必要な設定が実行される。
ここで、図55を参照して、特図1変動開始処理(S2202)について説明する。図55は、この特図1変動開始処理(S2202)の内容を示したフローチャートである。特図1変動開始処理(図55、S2202)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223eがオンに設定され(S2241)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン(変動時間)を抽出する(S2242)。次に、抽出した変動パターンに基づいて、変動パターン選択テーブル222aから変動パターンの詳細な表示態様を選択する(S2243)。ここで選択された変動パターンの詳細な表示態様は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターンであることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図61、S2112)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2243の処理が終了すると、次に、現在の遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2(確変電サポ無し遊技状態)であるか判別する(S2244)。潜伏確変遊技状態ST2以外の遊技状態であると判別した場合には(S2244:No)、そのままこの処理を終了する。一方、S2244の処理において、潜伏確変遊技状態ST2であると判別した場合には(S2244:Yes)、変動開始する第1特別図柄の変動の抽選結果は、大当たりE(15R通常大当たり:電サポ100回)となる変動であるか判別する(S2245)。大当たりEとなる変動でないと判別した場合には(S2245:No)、この処理を終了する。一方、大当たりEとなる変動であると判別した場合には(S2245:Yes)、チャンスゾーンを示す文字(図63(a)〜(b)参照)を第3図柄表示装置81に表示する(S2246)。その後、この処理を終了する。
本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2となると、通常遊技状態ST1では、変動時間が長く設定されていて遊技者に不利となっていた第2特別図柄の変動時間が短く設定される。一方、通常遊技状態ST1では、主に遊技を実行していた第1特別図柄の変動時間が長く設定される。これにより、遊技者は、潜伏確変遊技状態ST2へ移行すると右打ちして第2特別図柄に遊技球が入賞するように遊技を行うようになる。しかしながら、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動開始される構成である。ここで、潜伏確変遊技状態ST2では、第2特別図柄では、大当たりとなると必ず高確率遊技(確変)が付与されるが、第1特別図柄では、大当たりとなると、通常確率遊技(低確率遊技)が抽選により付与される可能性があるように構成されている。よって、通常遊技状態ST1で、第1特別図柄で大当たりとなり大当たりA(15R確変大当たり:電サポ無し)が付与されても、その大当たり遊技後に第1特別図柄で開始される変動が大当たりEであると、直ぐに通常遊技状態ST1に移行してしまうこととなる。
上記したように、通常では、第2特別図柄で主に遊技を行う潜伏確変遊技状態ST2に移行後に、第1特別図柄で大当たりEとなる変動が開始されるのに基づいて、第3図柄表示装置81にチャンスゾーン(時短遊技状態ST1hまたは確変遊技状態ST3を示す報知態様)が表示される。遊技者は、図62(b)に示すように天国ゾーン(潜伏確変遊技状態ST2であることを示す報知態様)が第3図柄表示装置81に表示されることで、この後、2回大当たり遊技が実行されるまでは、高確率遊技状態(確変)が維持される(可能性が高い)ことを認識する。しかしながらチャンスゾーンでは、遊技者は確変遊技状態ST3が次の大当たり後にも付与されるかに確信(大きな期待)が持てず、時短遊技状態ST1h中(低確率状態)である可能性もあることを認識しながら遊技を行うこととなる。
よって、例えば、潜伏確変遊技状態ST2に移行して、第1特別図柄の1変動目が大当たりEとなる変動であると、通常であれば天国ゾーンが表示されるものが、チャンスゾーンが表示されることとなる。これにより、遊技者が短時間の間で落胆してしまう不具合を抑制できる。
図54に戻って説明を続ける。特図1変動開始処理(図55、S2202)の処理が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2201の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2201:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2203)。ここで、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2203:Yes)、特図2変動開始処理(S2204)を実行する。この特図2変動開始処理(S2204)の詳細については、図56を参照して説明する。
ここで、図56を参照して、この特図2変動開始処理(S2204)の詳細について説明する。図56は、この特図2変動開始処理(S2204)の内容を示したフローチャートである。特図2変動開始処理(S2204)では、まず、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223fがオンに設定され(S2301)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2302)。次に、抽出した変動パターンに基づいて、変動パターン選択テーブル222aから変動パターンの詳細な表示態様を選択する。ここで選択された変動パターンの詳細な表示態様は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図61、S2112)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2303の処理が終了すると、現在の遊技状態は、確変遊技状態ST3(確変電サポ有りの遊技状態)であるか判別する(S2204)。確変遊技状態ST3以外の遊技状態である場合には(S2304:No)、この処理を終了する。一方、遊技状態が確変遊技状態ST3である場合には(S2304:Yes)、変動開始する第2特別図柄の当否判定結果は大当たりであるか判別する(S2305)。ここでは、受信した特図2変動パターンコマンドより大当たりの変動パターンであるか判別することにより判別を実行する。
S2305の処理において、変動開始する第2特別図柄の当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S2305:Yes)、宝箱当たり予告演出コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2306)。一方、当否判定結果が外れである場合には、宝箱外れ予告演出コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2307)。
ここで、宝箱当たり予告演出コマンドは、図10(a)に示す表示態様を第3図柄表示装置81に表示させることを指示するコマンドである。本実施形態では、確変遊技状態ST3に移行すると、図9(a)〜(b)に示すように、第1表示領域Dmには、第1特別図柄に対応する第3図柄が表示され、第2表示領域Dnには、第2特別図柄に対応する第3図柄が表示される。ここで、第2表示領域Dnに表示される第2特別図柄に対応する第3図柄は、宝箱の図柄となり、図9(a)に示した表示態様と図9(b)に示した表示態様とが短時間周期(例えば、0.5秒毎)に繰り返し表示されることで、点滅表示されているように表示することができる。
ここで、確変遊技状態ST3が設定されている場合には、第2特別図柄の当否判定結果が外れではロング外れ変動パターンC(1800000ms)が選択される。よって、第2特別図柄の変動開始される頻度は極端に少なくなる。しかしながら、第1特別図柄で小当たりに当選した場合には、その変動の停止に基づいて、変動中の第2特別図柄の変動も強制的に停止表示され、小当たり遊技後に、新たに記憶されている第2特別図柄の保留球に対する変動が開始される。この場合には、遊技者は、第1特別図柄よりも有利な大当たりが選択され易い第2特別図柄で大当たりとなる変動が開始されることを期待する。
第2特別図柄が変動開始となる場合には、図10(a)〜(b)に示すように、第1表示領域Dmに第2特別図柄の変動を表す宝箱が拡大して大きく表示される。一方、第2表示領域Dnに第1特別図柄の変動表示が表示される。その後、宝箱が約2秒程度振動した表示態様で表示された後に、宝箱が開き、当否判定結果が大当たりである場合には、図10(b)に示すように、宝箱の中から「おめでとう」の文字が表示され、第2特別図柄で大当たりとなったことが報知される。そして、「チャンス継続!」という確変遊技状態ST3が継続して実行されることを示す報知態様が表示される。
なお、確変遊技状態ST3において特図2の大当たりとなった場合に大当たりDが選択されるように構成した場合(即ち、潜伏確変遊技状態ST2へ移行するように構成した場合)には、潜伏確変遊技状態ST2へ移行することを示す報知態様(例えば「天国ゾーン突入!」という文字)を表示すればよい。この場合には、「発射を止めてね!」という遊技球の発射を停止するように指示する報知態様も表示するよう構成すべきである。ここで、発射の停止を指示するのは、確変遊技状態ST3では、第1特別図柄で主に遊技を実行しているが、潜伏確変遊技状態ST2では、第2特別図柄で主に遊技を実行するように設定される。よって、右第1始動口631に遊技球が入球して、第1特別図柄の保留球が記憶されることは、遊技者にとって不利な抽選が実行されるきっかけとなるので、発射の停止を指示することで、その不具合を抑制できる。
一方、当否判定結果が外れである場合には、図10(a)に示すように、当否判定結果が大当たりである場合と同様に宝箱が開く表示が実行されて、その後、宝箱の中より当否判定結果が外れであることを示す「残念」の文字が表示される。その後、変動開始後、5秒間が経過すると、図9(a)〜(b)に示す表示態様に切り替えられて、第2特別図柄で設定されている変動時間が経過するまで、点滅表示が実行される。
これにより、遊技者は、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動される構成であっても、第2特別図柄の変動開始時の一定期間のみ第2特別図柄に注目して、その後は、第1特別図柄の変動に注目することができる。よって、遊技が分かり易くなり、遊技者が気分よく遊技を行うことができる。
図54に戻って説明を続ける。特図2変動開始処理(S2204)を実行した後には、この処理を終了する。特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2203:No)、主制御装置110より特図1または特図2停止種別コマンドを受信したか判別される(S2205)。特図1または特図2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S2205:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行する(S2206)。この停止種別コマンド受信処理(S2206)については、図57を参照して説明する。
図57は、この停止種別コマンド受信処理(S2206)の内容を示したフローチャートである。停止種別コマンド受信処理(S2206)では、まず、受信したコマンドに応じて、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223gがオンに設定される。特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定される。(S2311)。受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりE、外れ、リーチ外れ等)が抽出される(S2312)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか判別する(S2313)。遊技状態が通常遊技状態ST1以外の遊技状態である場合には、この処理を終了する。一方、遊技状態が通常遊技状態ST1であると判別した場合には(S2313:Yes)、停止種別は大当たりA(15R確変大当たり:電サポ無し)であるか判別する(S2314)。停止種別が大当たりA以外であると判別した場合には(S2314:No)、この処理を終了する。一方、停止種別が大当たりAであると判別した場合には(S2314:Yes)、第1特別図柄(特図1)の保留1(第1特別図柄保留球格納エリア203aの最も消化順序の早いエリア)に記憶されている保留球の当否判定結果は、大当たりE(15ラウンド通常大当たり:電サポ100回)であるか判別する(S2315)。ここでは、入賞コマンドで通知されている対応する保留球の大当たり乱数値を入賞情報格納エリア223bより読み出して判別する。なお、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のROM222には、主制御装置110のROM202に記憶されている第1当たり乱数テーブル202a(図15(a))と大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)〜(c))が記憶されており、主制御装置110から出力される入賞コマンドに付与される第1乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、確変状態における当否判定結果を音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
S2315の処理において、第1特別図柄の保留1が大当たりE以外の判定結果であると判別した場合には(S2315:No)、この処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留1が大当たりEであると判別した場合には(S2315:Yes)、大当たり遊技のエンディング時に「チャンスゾーン突入」の文字を第3図柄表示装置81に表示することを指示する表示用コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2316)。一方、第1特別図柄の保留1が大当たりEでないと判別した場合には(S2315:No)、図62(a)に示すように、大当たり遊技のエンディング時に天国ゾーン(潜伏確変遊技状態ST2)に移行することを示す「天国ゾーン突入!!」の文字を第3図柄表示装置81に表示させるための表示用コマンドを表示制御装置114に対して出力する(S2317)。その後、この処理を終了する。
ここで、本実施形態では、潜伏確変遊技状態ST2に移行した場合には、大当たり遊技が最低2回実行されるまでは、確変遊技が継続して設定され易くなる。よって、遊技者は、天国ゾーンの文字が表示されると最低2回の大当たりが確約されたと認識できる。また、大当たり遊技の最後であるエンディング時に表示するように構成したので、遊技者は大当たり遊技の最後まで、潜伏確変遊技状態ST2への移行を期待して遊技することができ、遊技の興趣を向上できる。
また、通常遊技状態ST1で大当たりAに当選したとしても、第1特別図柄の保留1に大当たりEが潜伏確変遊技状態ST2で当選すると判別されると、大当たりAのエンディングでは、時短遊技状態ST1hまたは確変遊技状態ST3であることを示す「チャンスゾーン突入!!」の文字が表示されるので、遊技者は、大当たり遊技が最低2回発生することが確定されたとは認識せず、時短遊技状態ST1hか確変遊技状態ST3であると認識して遊技を行うことができる。よって、潜伏確変遊技状態ST2に移行したことを遊技者は認識し難くでき、短時間で時短遊技状態ST1hへ移行してしまうことへの落胆を抑制できる。
図54に戻って説明を続ける。停止種別コマンド受信処理(図57、S2206)が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2205の処理において、特図1または特図2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S2305:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S2207)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S2207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタeの値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示演出の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納され、第2特別図柄の保留球数は、第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納される(S2208)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口630、右第1始動口631または第2始動口640に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2207の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cと第2特別図柄保留球カウンタ223dとの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと第2特別図柄保留球カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cまたは第2特別図柄保留球カウンタ223dの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2207:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S2209)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S2209:Yes)、入賞コマンド処理を実行する(S2210)。この入賞コマンド処理(S2210)の詳細については、図58を参照して説明する。
図56は、この入賞コマンド処理(S2210)を示したフローチャートである。入賞コマンド処理(S2210)では、まず、受信した入賞コマンドの情報を、対応する入賞情報記憶エリア223bに設定する(S2401)。ここで、入賞情報コマンドは、第1特別図柄と第2特別図柄とを識別可能に構成されており、その保留順序(保留球数)と通常遊技状態ST1における当否判定結果が判別可能に構成されている。さらに、始動入賞時に取得された各種カウンタの値も判別可能なコマンドで構成されている。
次に、遊技状態が低確率遊技状態であるか否かを判別する(S2402)。S2402の処理において、遊技状態が低確率遊技状態でないと判別された場合は(S2402:No)、S2405の処理に移行する。一方、遊技状態が低確率遊技状態である(即ち、確変中でない)と判別された場合には(S2402:Yes)、RAM223に設けられた入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報があるか否かを判別する(S2403)。S2403の処理において、入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報がないと判別された場合には(S2403:No)、S2403とS2404の処理を実行せず、そのままS2405の処理へ移行する。反対に、入賞情報格納エリア223bに確変大当たりの情報があると判別された場合には(S2403:Yes)、報知抽選処理(S2404)を実行し、S2405の処理へ移行する。S2404の報知抽選処理については、図59を参照して、説明する。S2405の処理では、その他の処理を実行し(S2405)、入賞コマンド処理を終了する。
次に、図59を参照して、この報知抽選処理(S2404)について説明する。図59は、この報知抽選処理(S2404)を示したフローチャートである。報知抽選処理(S2405)では、まず、RAM223に設けられた演出カウンタ223jの値を取得する(S2501)。次に、演出カウンタ223jの値は判定値であるか否かを判別する(S2502)。S2502の処理において、演出カウンタ223jの値が判定値でないと判別された場合には(S2502:No)、そのままこの処理を終了する。一方、演出カウンタ223j(0〜198の範囲のカウンタ)の値が判定値(本実施形態では「0〜50」のいずれか)であると判別された場合には(S2502:Yes)、第3図柄表示装置81に遊技球の発射を停止するように報知する「発射を止めてね!!」という文字を表示させる打ち止め表示態様コマンドを表示制御装置114に対して設定し(S2503)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、通常遊技状態ST1で、確変大当たり、即ち、大当たりAとなる入賞情報を受信すると、遊技者に発射を停止する報知をするか否かの抽選が実行される。ここで、通常遊技状態ST1から潜伏確変遊技状態ST2に移行すると、第2特別図柄の変動時間が短く設定され、第2特別図柄での遊技が主な遊技方法(第2特別図柄が実質変動対象)となる。しかしながら、通常遊技状態ST1で大当たりAに当選した場合に、第1特別図柄に対する保留球が記憶されていると、遊技者にとって不利な抽選が潜伏確変遊技状態ST2中にも第1特別図柄で実行されることとなる。よって、本実施形態のように、通常遊技状態ST1で大当たりAに当選する保留が記憶されると、遊技球の発射を停止させる報知が抽選により実行されるので、遊技者は早いタイミングで遊技球の発射を停止させることができ、第1始動口630への入賞を抑制することができる。また、遊技者は、発射の停止を示唆する報知がされることで、大当たりAとなることを早期に認識でき、遊技の演出を多様にできる。
なお、本実施形態では、遊技球の発射停止報知は、抽選により実行したが、大当たりAの保留球が記憶された場合に、必ず報知するように構成してもよい。
図54に戻って説明を続ける。入賞コマンド処理(図58、S2210)を実行した後には、この処理を終了する。一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S2209:No)、状態コマンドを受信したか判別される(S2211)。状態コマンドを受信していると判別された場合には(S2211:Yes)、状態コマンド受信処理(S2212)を実行する。この状態コマンド受信処理(S2212)の詳細については、図60を参照して説明する。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S2212)について説明する。図60は、状態コマンド受信処理(S2212)を示したフローチャートである。
状態コマンド受信処理(S2212)ではまず、主制御装置110より受信した状態コマンドに基づいて遊技状態に変更があるか否かを判別する(S2601)。遊技状態が変更されたかの判別は、従状態設定エリア223kに設定されている遊技状態の情報と、受信した遊技状態とを比較して実行する。遊技状態に変更があると判別された場合には(S2601:Yes)、S2602の処理へ移行する。S2602の処理では、遊技状態を通常遊技状態ST1(即ち時短遊技状態ST1h)に変更するか否かを判別する(S2602)。遊技状態を通常遊技状態ST1(即ち時短遊技状態ST1h)に変更すると判別された場合には(S2602:Yes)、通常遊技状態ST1に対応した主表示領域設定コマンドを設定する(S2603)。ここでは、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄(本実施形態では「○×」)が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。第3図柄表示装置81に通常遊技状態ST1であることを示す「下界ゾーン」の文字を表示させる表示用コマンドが表示制御装置114に対して設定される(S2604)。その後、S2612の処理を実行する。
一方、S2602の処理において、遊技状態が通常遊技状態ST1以外に変更されたと判別した場合には(S2602:No)、遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2(確変電サポ無しの遊技状態)に変更されたかを判別する(S2605)。S2605の処理において、遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2に変更されたと判別された場合には(S2605:Yes)、潜伏確変遊技状態ST2に対応した主表示領域設定コマンドを設定する(S2606)。ここでは、第1表示領域Dmに第2特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。また、副表示領域Dsに第2特別図柄の保留球数を示す保留図柄が表示され、第2副表示領域Dtに第1特別図柄の保留球数を示す保留図柄が表示されるように設定される。
次いで、第1特別図柄の保留1は大当たりEが確定する保留情報が記憶されているかを入賞情報格納エリア223bより判別する(S2607)。特図1の保留1が大当たりE以外となる保留情報が記憶されている場合には(S2607:No)、天国ゾーンを示す文字(図62(b)参照)を第3図柄表示装置81に表示させる表示用コマンドを設定する(S2608)。その後、S2612の処理を実行する。一方、第1特別図柄の保留1は大当たりEであると判別した場合には(S2607:Yes)、チャンスゾーンを示す文字を第3図柄表示装置81に表示させる表示用コマンドを設定する(S2609)。その後、S2612の処理を実行する。S2607およびS2609の処理により、潜伏確変状態ST2へ移行した後、すぐに大当たりEが発生し、時短遊技状態ST1hへ移行する場合に、天国ゾーンを示す表示を行わないようにできるので、遊技者が過度に落胆してしまうことを防止(抑制)できる。
一方、S2605の処理で、潜伏確変遊技状態ST2以外の遊技状態(即ち、確変遊技状態ST3)に移行されたと判別した場合には(S2605:No)、確変遊技状態ST3(確変電サポ有りの遊技状態)に対応した主表示領域設定コマンドを表示制御装置114に対して設定する(S2610)。ここでは、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄(本実施形態では宝箱の図柄(図9(a)〜(b)参照))が表示されるように表示制御装置114に対して指示する表示用コマンドが設定される。
そして、チャンスゾーンの文字を第3図柄表示装置81に表示する表示用コマンドが設定される(S2611)。その後、S2612の処理を実行する。S2612の処理では、受信した状態コマンドが示す遊技状態の状態を従状態設定エリア223kに設定する(S2612)。その後、この処理を終了する。
一方、図54に戻って説明を続ける。状態コマンド受信処理(S2212)を実行した後には、報知コマンドを受信したか否かを判別する(S2213)。S2213の処理において、報知コマンドを受信したと判別した場合には(S2213:Yes)、受信したコマンドが示す音声・ランプ報知態様を設定し(S2214)、受信したコマンドが示す報知態様に対応する表示コマンドを設定して(S2215)、本処理を終了する。S2214の処理により、例えば、上述したスルーゲート通過処理(図42参照)において設定され、送信された発射異常を示す報知コマンドに基づいて、発射異常を示す報知音(「左打ちしてください!」との音声)が出力される。また、S2215の処理により、例えば、上述したスルーゲート通過処理(図42参照)において設定され、送信された発射異常を示す報知コマンドに基づいて、発射異常を示す表示(「左打ちしてください!」との文字)が第3図柄表示装置81に出力される。
S2213の処理において、報知コマンドを受信していないと判別された場合には(S2213:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2219)、この処理を終了する。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2112)について説明する。図61は、この変動表示設定処理(S2112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図61、S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図61、S2112)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりE)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図59、S2112)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別される(S2701)。そして、特図1変動開始フラグ223eがオフであると判別された場合には(S2701:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2705の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223eがオンであると判別された場合には(S2701:Yes)、特図1変動開始フラグ223eをオフに設定する(S2702)。
次に、S2703の処理では、コマンド判定処理(図54、S2111)のS2203の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2703)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S2703の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を1減らす(S2704)。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223fがオンに設定されているか判別される(S2705)。そして、特図2変動開始フラグ223fがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2705:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2709の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223fがオンであると判別された場合には(S2705:Yes)、特図2変動開始フラグ223fをオフに設定する(S2706)。特図2変動開始処理(図55、S2205)のS2302の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2707)。
S2707の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第2特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を1減らす(S2708)。
次に、特図1停止種別選択フラグ223gまたは特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定されているか判別される(S2709)。特図1停止種別選択フラグ223g及び特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2709:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223gまたは特図2停止種別選択フラグ223iがオンであると判別された場合には(S2709:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223gがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223gがオフに設定され、特図2停止種別選択フラグ223iがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223iがオフに設定される(S2710)。
コマンド判定処理(図54、S2111)のS2206の処理において、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S2711)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用特図1停止種別コマンドが生成される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用特図2停止種別コマンドが生成される(S2712)。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応した第3図柄の両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
このように、本実施形態では、遊技状態の移行に基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄との変動時間で長時間の変動時間を設定する特別図柄を切り替えることで、遊技者が遊技可能となる特別図柄を制御するように構成した。そして、潜伏確変状態ST2では、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)となる大当たりのみが大当たり時に付与される第2特別図柄で抽選されるように設定されているので、大当たりが実行された後にも、再び高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)が設定される。よって、遊技者にとっては、潜伏確変遊技状態ST2に移行すると、最低2回大当たりが実行されるまで、確変状態が設定されるように設定できる。従って、遊技者には、潜伏確変遊技状態ST2になれば、大当たり2回が保証されていると認識できる。
さらに、本実施形態では、電動役物632が作動しない状態では、右打ちした遊技球の85%が第2始動口640に入賞するように構成されている。さらに、潜伏確変遊技状態ST2では、第2特別図柄で小当たりに当選するように設定されており、その抽選確率が、右打ちした遊技球の約15%が遊技者に賞球として小当たり遊技で払い出されるような確率で設定されている。よって、電動役物632の作動頻度が低く設定される(非電サポ状態)、潜伏確変遊技であっても、右打ち遊技した場合に遊技者の持ち球の減少を抑制した状態で遊技が行うことができる。
さらに、潜伏確変遊技状態ST2から第2特別図柄で大当たりすると66%の確率で確変遊技状態ST3へ移行する。ここで、確変遊技状態ST3では、第2特別図柄の変動時間が長くなり第1特別図柄の変動時間が短くなるように設定される。そして、第1特別図柄で大当たりすると、確変遊技状態ST3へ再度移行される大当たりか、通常遊技状態ST1へ移行される大当たりのいずれかが抽選により付与される。よって、遊技者は、再度2回の大当たりを得ることができるかを期待して遊技を行うことができる。また、確変遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行される場合を設けることで、射幸性が高くなりすぎてしまうことも抑制することができる。なお、確変遊技状態ST3では、第1特別図柄に基づく大当たりにより、潜伏確変遊技状態ST2か通常遊技状態ST1かのいずれかへ移行するようにしてもよい。これにより、遊技者は確変遊技状態ST3から再度2回の大当たりを得ることができる潜伏確変遊技状態ST2へ移行することを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上させることができる。
さらには、通常遊技状態ST1では、主に遊技を行う第1特別図柄で大当たりした場合に、潜伏確変遊技状態ST2が付与される大当たりAの抽選割合が大当たりBの抽選割合よりも低く設定したので、潜伏確変遊技状態ST2へ移行する難易度を上げて射幸性が高くなるのを抑制できる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技が実行された場合に、遊技状態が切り替えられるように構成したが、それに限らず、小当たり遊技に当選した場合にも小当たり種別により遊技状態が切り替えられるように構成してもよい。このように構成することで、小当たりを大当たりよりも抽選され易く構成することで、遊技状態が切り替えられる頻度を高くすることができる。よって、遊技者に不利な遊技状態に設定されている場合にも小当たりの当選により有利な遊技状態へと切り替えることが可能となり、遊技者に小当たりへの当選を期待させることができる。また、有利な遊技状態が設定されている場合にも、小当たりすることにより遊技者に不利な遊技状態に切り替える事が可能となり、射幸性を抑制することができる。
<第2実施形態>
次いで、図64から図86を参照し、第2実施形態について説明する。まず、図64から図65を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明する。図64は第2実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図65は遊技盤13の右側領域を拡大した拡大図である。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、第2可変入賞装置650を遊技盤13の正面視右上側に設けた点と、球誘導経路形成部材70を遊技盤13の正面視右側領域に設けた点と、右下装飾部材71を遊技盤13の正面視右下側に設けた点と、第2始動口640に第2普通電動役物640aを付随させ遊技盤13の正面視下側に設けた点と、第1可変入賞装置65を右下装飾部材71に付随させた点と、第1普通図柄始動口67aおよび第2普通図柄始動口67bに変えて普通図柄始動口(スルーゲート)670を遊技盤13正面視下側に設けた点と、右第1始動口631を削除した点とで相違する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64に示すように、遊技盤13には、第1実施形態に加え、球誘導経路形成部材70と、右下装飾部材71等が組み付けて構成される。第1始動口630、第2始動口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図64を参照して、遊技盤13の構成について第1実施形態に対して追加された点を説明する。
遊技盤13の右側には、スルーゲート670が設けられている。スルーゲート670は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。スルーゲート670を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。スルーゲート670へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、可変表示装置ユニット80(図2参照)に設けられた第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、30秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、第2始動口640に付随する第2普通電動役物640aが所定期間(例えば、3秒間)作動する。第2普通電動役物640aは、通常時(非作動状態)において第2始動口640への遊技球の入球を規制するように上方に起立した状態で維持される一方、第2普通電動役物640aを作動させることにより第2普通電動役物640aが時計回りに所定角度(本実施形態では40度)回転し、第2始動口640への遊技球の入球を許容する状態(特別状態)となるよう構成されている。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。このときには、第2普通電動役物640aは作動されず、次の普通図柄(第2図柄)の変動が実行される。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口630、第2始動口640への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。大当たり種別については、図74を参照して詳細を後述するが、ここで判定される大当たり種別としては、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、大当たりA〜大当たりHの8種類が設定されている(図74参照)。この8種類の大当たり種別は、インターバル時間の長短(1秒又は4秒)、V動作の可否、および大当たり遊技終了後の電サポの有無(第2普通電動役物640aを特別状態にし易くするか否か)がそれぞれ組み合わされて設定されている。
ここで、インターバル時間の長短とは、確変スイッチ65e3を備える特別排出口(特定領域)65e2(図6参照)が設けられている第1可変入賞装置65へ、遊技球を所定のタイミング(確変スイッチ65e3を通過可能なタイミング)で誘導することが可能か否か(容易か困難か)を変更するために設定されるインターバル時間の長さのことである。
なお、詳細な内容については図80を参照して後述するが、本実施形態では、大当たり遊技中における特定ラウンド間のインターバル時間(第2可変入賞装置650が開閉動作を行うラウンド(本実施形態では4R)と第1可変入賞装置65が開閉動作を行うラウンド(本実施形態では5R)との間に設けられるインターバル時間)を変更することによって、第1可変入賞装置65へ遊技球を到達させるタイミングを異ならせるよう構成しており、遊技球が第1可変入賞装置65へ到達するタイミングによって第1可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3へ遊技球が通過可能か否か(容易か困難か)を設定できるよう構成している。
V動作の可否とは、第1可変入賞装置65内に入賞した遊技球が特別排出口65e2(図6参照)に備えられる確変スイッチ65e3(図6参照)を通過可能か否か(容易か困難か)を設定するものであり、V動作が可の場合は、第1可変入賞装置65内に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能に設定するものであり、一方、V動作が不可の場合は、第1可変入賞装置65内に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)に設定するものである。詳細な内容については上述した第1実施形態と同一であるためその説明を省略するが、本実施形態では、第1可変入賞装置65内に設けられている切替部材65h(図6参照)の動作を制御することによって、V動作の可否を設定可能に構成している。
なお、本実施形態では、切替部材65hを駆動制御することにより、V動作の可否を設定しているが、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能か否か設定できるものであればよく、例えば、確変入賞スイッチ65e3を有する通路の上流側に常時一定間隔で開閉駆動する蓋部材を設け、その蓋部材の更に上流に遊技球を滞留させるストッパ部材を設ける。そして、ストッパ部材が解除されるタイミングと、蓋部材が開放状態となるタイミングが合致した場合のみ、遊技球が確変入賞スイッチ65e3を通過可能とする構成を用いてもよい。このような構成を用いることで、蓋部材が定期的に開状態となることを遊技者に把握させることが可能となり、遊技者に対して、遊技球を第1特定入賞口65内に入賞させれば確変スイッチ65e3を通過する可能性があると思わせることができ、遊技の意欲を高めることができるという効果がある。
また、第1特定入賞口65aを開状態とする下アタッカ(開閉扉)65f1の開放時間(開放タイミング)を変更し、第1可変入賞装置65内に遊技球が入賞困難とすることで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な否かを設定できるようにしてもよい。
電サポの有無とは、大当たり遊技終了後に第2普通電動役物640aが特別状態に作動され易い状態(電サポ状態)に移行するか否かを設定するものである。
また、本実施形態では第1特別図柄と同様に第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、大当たりA〜大当たりHの8種類が設定されている(図74参照)。
ここで、本実施形態の構成では、大当たり遊技中に開放状態に作動される可変入賞装置として第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650がそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、遊技盤13の下側に設けられ(図64参照)、大当たり遊技中の特定ラウンド(本実施形態では5ラウンド目)において、第1特定入賞口65aが所定期間(本実施形態では29秒)または所定数(本実施形態では10球)の遊技球が入球するまで開放されるように作動される(図80(b)参照)。
一方、第2可変入賞装置650は、遊技盤13の上側に設けられ(図64参照)、大当たり遊技中の特定ラウンド以外のラウンド(本実施形態では1〜4ラウンド目および6〜7ラウンド目)において、第2特定入賞口650aが所定期間(本実施形態では30秒)または所定数(本実施形態では10球)の遊技球が入球するまで開放されるように作動される。
図64に戻り説明を続ける。遊技盤13の右側には、右打ち遊技によって発射された遊技球を誘導するための球誘導経路形成部材70が遊技盤13の表面にビスで組み付けられている。球誘導経路形成部材70は、右打ち遊技によって発射された遊技球が通過可能な開口である開口部70aと、開口部70aを通過した遊技球を蛇行して流下するように誘導する複数の誘導部材(第1誘導部材(第1誘導面)70b、第2誘導部材(第2誘導面)70c、第3誘導部材(第3誘導面)70d)と、第3誘導部材70dを流下した遊技球が排出される排出部70eとが1つのユニットとして組み付け構成されている。
このように構成することにより、遊技球が通過する位置(開口部70aと排出部70eの位置)と、遊技球を誘導する部材(各誘導部材)との位置関係がずれてしまう不具合を抑制することが可能となるとともに、各誘導部材間の位置関係がずれてしまう不具合を抑制することが可能となり、パチンコ機10を製造する過程において製造効率を高めることができるという効果がある。
球誘導経路形成部材70の下方には、第1可変入賞装置65を備えて構成される右下装飾部材71が遊技盤13の表面にビスで組み付けられている。この右下装飾部材71は、球誘導経路形成部材70の第3誘導部材70d上を転動した遊技球を受け止める第4誘導部材(第4誘導面)71aと、第1可変入賞装置65と、装飾部71bとが1つのユニットとして組み付け構成されている。
なお、装飾部71bには図示しない装飾ランプ(発光手段)が設けられており、大当たり遊技中において、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開放状態であることを強調可能に構成されている。具体的には、装飾部71bの表面(遊技者が視認可能な面)はハーフミラーで構成されており、装飾ランプが消灯状態のときは第1可変入賞装置内が視認困難となり、第1特定入賞口65aが開放状態となると、装飾ランプが点灯し第1可変入賞装置内が視認可能となるように構成されている。
このように構成することにより、遊技者に対して第1特定入賞口65aを狙う遊技状態であることを容易に気付かせることができるとともに、遊技をしていない状態や通常遊技状態(大当たり遊技中ではない遊技状態)において、遊技者が第1可変入賞装置65内の構造を視認できない(困難)ようにすることができるため、不正行為(例えば、第1特定入賞口65a内に専用の治具を挿入し、切替部材を変形させる行為等)が行われ難くすることができるという効果がある。
図64に戻り説明を続ける。遊技盤13の右側領域には上述した球誘導領域形成部材70および第4誘導部材71aによって球誘導経路72が形成される。この球誘導経路72は遊技球が蛇行するように構成されており、具体的な構成について図65を参照して説明する。
図65は、遊技盤13の右側領域を拡大した正面図である。ここで、球誘導経路72における遊技球の流れについて説明する。まず開口部70aを通過した遊技球は第1誘導部材70bで受け止められる。第1誘導部材70bは遊技盤13正面視で右下方向に向けて傾斜されるように組み付けられており、遊技球は第1誘導部材70b上を右下方向に流下(転動)する。第1誘導部材70bの流下端部は第2誘導部材70cを臨むように組み付けられており、第1誘導部材70bを流下した遊技球は、第2誘導部材70c上に落下する。
第2誘導部材70cは、遊技盤13正面視で左下方向に向けて傾斜されるように組み付けられており、遊技球は第2誘導部材70c上を左下方向に流下(転動)する。第2誘導部材70cの流下端部は第3誘導部材70dを臨むように組み付けられており、第2誘導部材70cを流下した遊技球は、第3誘導部材70d上に落下する。
第3誘導部材70dは、遊技盤13正面視で右下方向に向けて傾斜されるように組み付けられており、遊技球は第3誘導部材70d上を右下方向に流下(転動)する。第3誘導部材70dの流下端部は、第4誘導部材71aを臨むように組み付けられており、第3誘導部材70dを流下した遊技球は、排出部70eを通過し第4誘導部材71a上に落下する。
そして、第4誘導部材71aは、遊技盤正面視で左下方向に向けて傾斜されるように遊技盤13に取り付けられており、遊技球は第4誘導部材71a上を左下方向に流下(転動)する。第4誘導部材71aの流下端部は、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1(図6参照)と連通するように構成されており、第1特定入賞口65aが閉鎖状態において、第4誘導部材71aを流下した遊技球は開閉扉65f1上を流下(転動)し、遊技盤13の下側領域(スルーゲート670、第2始動口640の配置される領域)へと排出されるように構成される。
上述したように、本実施形態では球誘導経路72を遊技球が蛇行するように構成しているため、遊技球が球誘導経路72を通過するために要する時間(誘導経路通過時間)を、蛇行させない場合よりも長く設定することが可能となる。
さらに、球誘導経路72を構成する各誘導部材は、上流側から順に傾斜角度が緩くなるように構成されている。具体的には、第1誘導部材70bと第2誘導部材70cは約20度、第3誘導部材70dは約10度、第4誘導部材71aは約5度に設定される。
このように構成することにより、球誘導経路72の下流側で遊技球の流下速度を低下させることが可能となり、第4誘導部材71a上、ひいては第4誘導部材71aの転動面と連通する開閉扉65f1上に、複数の遊技球を同時に滞留(転動)させることができる。
よって、第1特定入賞口65aが開放状態になった場合において複数の遊技球を短期間で入賞させることが可能となる。
さらに、本実施形態では各誘導部材間において、遊技球が流下方向とは反する方向に傾斜している傾斜面に落下するよう構成しているため、遊技球の流下速度を効率よく低下させることが可能である。
なお、本実施形態では球誘導経路72の下流側に複数の遊技球を同時に滞留(転動)させるために、誘導部材の傾斜角度を緩くし、遊技球の流下速度を低下させるように構成したが、それ以外の構成を採用してもよい。たとえば、誘導部材の遊技球転動面に摩擦係数の高い素材(ウレタン等)を貼付し、遊技球の流下速度を低下させてもよい。また、球誘導経路72の下流側に設けた誘導部材(第4誘導部材71a)や開閉扉65f1の遊技球転動面が遊技盤13正面視で奥行き方向(水平方向)に蛇行するように構成してもよい。このような構成を採用しても同様の効果を奏することが可能となる。
なお、本実施形態においては、第4誘導部材71aの誘導面と第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の表面(誘導面)との間に段差が生じないようにするために、第4誘導部材71aを球誘導経路形成部材70とは別体で構成される右下装飾部材71に設けている。このように構成することにより、例えば、第1可変入賞装置65の形状を若干変更させたパチンコ機10に対して、本パチンコ機10の球誘導経路構成を採用した場合において、第4誘導部材71aのみ第1可変入賞装置65の形状に対応した形状に変更することで球誘導経路形成部材70を流用することが可能となる。即ち、パチンコ機10の製造コストを削減することが可能になるという効果がある。
つぎに、上述した球誘導経路72の開口部70aは第2可変入賞装置650の下方に位置しており、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが開放した状態(アタッカ650bが開放動作した状態)では、遊技球が開口部70aを通過できない(困難)よう構成されている。
また、詳細な内容については図67を用いて後述するが、本実施形態では、大当たり遊技中における第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aを閉鎖させる期間(オープニング期間、インターバル期間)の長さを変更することで、球誘導経路72を通過した遊技球が、第1可変入賞装置65の切替部材65hの動作によって遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能となるタイミングに第1可変入賞装置65へ入賞させるか否かを制御可能に構成されている。
なお、本実施形態では2つの可変入賞装置を上下方向に離れて配置し、その間(遊技球が流下する経路における間)に球誘導経路72を設けることで、上側の可変入賞装置(第2可変入賞装置650)に入賞せずに通過した遊技球が下側の可変入賞装置(第1可変入賞装置65)に到達する時間を、遅延させる構成にしたが、2つの可変入賞装置の配置としてそれ以外の構成を用いてもよい。例えば、左右方向に複数の可変入賞装置を設け、その間に球誘導経路72を設けるよう構成してもよい。
また、複数の可変入賞装置及びその間の球誘導経路72を1つのユニットとして組み付け構成してもよい。このように構成することにより、遊技盤13への組み付け作業を容易にすることができ、製造効率を向上させることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では球誘導経路72として、遊技盤左右方向に遊技球を蛇行させる構成を用いたが、遊技球が球誘導経路72を通過する時間を所定時間以上とさせる構成であれば、それ以外の構成を用いてもよい。例えば、遊技盤13の正面視奥行き方向(水平方向)に経路を蛇行させる構成でもよいし、左右方向と奥行き方向の両方を用いて立体的に遊技球を蛇行させる構成でもよい。
また、本実施形態では、遊技盤13の右側領域を遊技球が通過する時間(第2可変入賞装置650から第1可変入賞装置65までの間を流下する時間)を、遊技球が流下する距離を延長させる構成、又は、遊技球が流下する速度を遅らせる構成を用いて、所定時間以上に延長させることを実現しているが、これ以外の方法を用いてもよい。例えば、球誘導経路72内に遊技球の流下を規制する規制部材を設け、その規制部材を常時、または、一定間隔で電気的に駆動させることで遊技球が球誘導経路72を通過する時間を所定時間以上とさせる構成にしてもよい。このように電気的に駆動する規制部材を用いることで、より確実に球誘導経路を通過する時間を所定時間以上とさせることを可能にすることができる。
なお、本第2実施形態は、右打ち遊技中に第1始動口630に遊技球が入賞困難な構成であるが、上述した第1実施形態同様に遊技盤13の右側領域に第1始動口631を設けてもよい。
次に、図66を参照して、本実施形態における各種遊技状態が設定される流れについて説明する。図66は、各種遊技状態が設定される流れを示した図である。本実施形態のパチンコ機10は上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して確変遊技状態ST3における電サポ付与回数に制限(100回)を設けた点と、各種遊技状態が設定される流れが相違している。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。
また、本実施形態では、大当たり遊技終了後の高確率遊技状態または低確率状態の移行割合を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄の2種類)と遊技状態(通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST1h、潜伏確変遊技状態ST2、確変遊技状態ST3の4種類)との組み合わせによって計8種類設定することが可能な点で上述した第1実施形態と相違する。詳細な内容については図74を参照して後述する。
まず、本実施形態における各種遊技状態が設定される流れについて図64及び図66を参照して説明する。通常遊技状態ST1ではまず、遊技盤13中央下部に設けられる第1始動口630(図64参照)を狙う左打ち遊技が行われる。通常遊技状態ST1中は第1特別図柄が実質変動対象となっており、具体的には通常遊技状態ST1では第1特別図柄遊技の変動時間として8000ms(8秒)〜30000ms(30秒)の変動時間が選択され、第2特別図柄遊技の変動時間として600000ms(10分)が選択されるよう構成されている(図76参照)。このように構成することにより、通常遊技状態ST1において第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動を開始したとしても、第2特別図柄が1回の変動を終了させるまでに、第1特別図柄を複数回(本実施形態では最小で20回)変動させることができるため、第1特別図柄を実質変動対象とすることが可能となる。
そして、通常遊技状態ST1中に、第1特別図柄(特図1)の第1抽選遊技で大当たりとなると、大当たりB(7R通常大当たり:電サポ無)と大当たりD(7R通常大当たり:電サポ有)と大当たりE(7R確変大当たり:電サポ有)と大当たりH(7R通常当たり:電サポ無)の何れかが選択される。
ここで、通常遊技状態ST1中に第1抽選遊技で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行する確率が50%に設定され、低確率状態(通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h)へ移行する確率が50%に設定されており、第1抽選遊技で大当たりB,D,Hに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、通常遊技状態ST1が再度設定され、第1抽選遊技で大当たりEに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態ST3が設定される。
なお、本実施形態のパチンコ機10は第1実施形態にて上述したように大当たり遊技中に遊技球が確変スイッチ65e3を通過しない限り大当たり確率を高確率へと移行しない構成であるため、第1抽選遊技で大当たりEに当選したとしても、その大当たり遊技中に遊技球が確変スイッチ65e3を通過しなければ確変遊技状態ST3が設定されず、確変遊技状態ST3(高確率:電サポ有)の大当たり確率が低確率となる時短遊技状態ST1h(低確率:電サポ有)に移行することになる。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10では、同一の大当たり種別に当選したとしても、大当たり遊技中の遊技の結果(大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を通過したか否かの結果)によって大当たり遊技終了後に移行する遊技状態が異なってしまうことがあるが、各種遊技状態を設定される流れを説明する際には、大当たり種別によって移行可能とされた遊技状態(正常に遊技を行うことで移行する遊技状態)を大当たり遊技終了後の移行先として説明を行う。
通常遊技状態ST1において、仮に第2抽選遊技が行われた場合は、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態へ移行することが無く、100%低確率状態に移行するよう設定されている(図74参照)。このように構成することで、通常遊技状態ST1中において、不正に第2抽選遊技が行われてしまうことを抑止することが可能となる。
次に、通常遊技状態ST1中に、第1抽選遊技で大当たりに当選した際に50%の確率で移行する確変遊技状態ST3について説明する。確変遊技状態ST3では、遊技盤13右側に設けられる第2始動口640(図64参照)を狙う右打ち遊技が行われる。確変遊技状態ST3中は第2特別図柄が実質変動対象となっており、具体的には、確変遊技状態ST3では第1特別図柄遊技の変動時間として600000ms(10分)の変動時間が選択され、第2特別図柄遊技の変動時間として500ms(0.5秒)が選択されるよう構成されている(図78参照)。このように第1特別図柄の変動時間を長くし、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間より短くすることにより、第2特別図柄を実質変動対象とすることが可能となる。
そして、確変遊技状態ST3中に、第2特別図柄(特図2)の第2抽選遊技で大当たりとなると、大当たりE(7R:高確率:電サポ有)と、大当たりF(7R:高確率:電サポ無)と大当たりG(7R:低確率:電サポ有)の何れかが選択される。
ここで、確変遊技状態ST3中に第2抽選遊技で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行する確率が70%に設定され、低確率状態(通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h)へ移行する確率が30%に設定されており、第2抽選遊技で大当たりEに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態ST3が再度設定され、第2抽選遊技で大当たりFに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、潜伏確変遊技状態ST2が設定される。そして、第2抽選遊技で大当たりGに当選した場合は、時短遊技状態ST1hが設定される。
本実施形態のパチンコ機10は、確変遊技状態ST3中の第1抽選遊技および第2抽選遊技の合算変動回数が100回になると電サポが終了するように構成されている。よって、確変遊技状態ST3において特別図柄変動が100回を超えた場合には、潜伏確変遊技状態ST2へと移行する。
なお、確変遊技状態ST3において、仮に第1抽選遊技が行われた場合は、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態へ移行する割合が10%に設定され、大当たり遊技終了後に低確率状態へ移行する割合が90%に設定されている(図74参照)。
次に、確変遊技状態ST3にて第2抽選遊技で大当たりに当選した際の10%で移行する潜伏確変遊技状態ST2について説明する。潜伏確変遊技状態ST2では、遊技盤13右側に設けられる第2始動口640(図64参照)を狙う右打ち遊技が行われる。潜伏確変遊技状態ST2中は第2特別図柄が実質変動対象となっており、具体的には潜伏確変遊技状態ST2では第1特別図柄遊技の変動時間として600000ms(10分)の変動時間が選択され、第2特別図柄遊技の変動時間として500ms(0.5秒)が選択されるよう構成されている(図78参照)。このように第1特別図柄の変動時間を長くし、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間より短くすることにより、第2特別図柄を実質変動対象とすることを可能としている。
そして、潜伏確変遊技状態ST2中に、第2特別図柄(特図2)の第2抽選遊技で大当たりとなると、大当たりE(7R:高確率:電サポ有)と、大当たりF(7R:高確率:電サポ無)の何れかが選択される。
ここで、確変遊技状態ST3中に第2抽選遊技で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行する確率が100%に設定され、低確率状態(通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h)へ移行することが無いように設定されており、第2抽選遊技で大当たりEに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態ST3が設定され、第2抽選遊技で大当たりFに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、潜伏確変遊技状態ST2が再度設定される。
つぎに、時短遊技状態ST1hについて説明する。時短遊技状態ST1hでは、遊技盤13中央に設けられる第1始動口630(図64参照)を狙う左打遊技が行われる。時短遊技状態ST1h中は第1特別図柄が実質変動対象となっており、具体的には時短遊技状態ST1hでは第2特別図柄遊技の変動時間として600000ms(10分)の変動時間が選択され、第1特別図柄の変動時間として1000ms(1秒)〜30000ms(30秒)が選択されるよう構成されている(図77参照)。このように第1特別図柄の変動時間を長くし、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間より短くすることにより、第2特別図柄を実質変動対象とすることを可能としている。
そして、時短遊技状態ST1h中に、第1特別図柄(特図1)の第1抽選遊技で大当たりとなると、大当たりA(7R:低確率:電サポ無)と、大当たりC(7R:低確率:電サポ無)と、大当たりE(7R:高確率:電サポ有)と、大当たりF(7R:高確率:電サポ無)の何れかが選択される(図75参照)。
ここで、時短遊技状態ST1h中に第1抽選遊技で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行する確率が95%に設定され、低確率状態(通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h)へ移行する確率が5%に設定されており、第1抽選遊技で大当たりA,Cに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、通常遊技状態ST1が設定され、第1抽選遊技で大当たりEに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態ST3が設定され、第1抽選遊技で大当たりFに当選した場合は、大当たり遊技終了後に、潜伏確変遊技状態ST2が設定される。
なお、図75を用いて詳細について後述するが、時短遊技状態ST1hは電サポが付与されており、第2始動口640に付随する第2普通電動役物640aが特別状態になり易い遊技状態ではあるが、上述したように時短遊技状態ST1h中は第1特別図柄が実質変動対象となっており、第2特別図柄の変動がロング変動であるため、時短遊技状態ST1h中において、第2始動口640を狙う遊技は非常に効率が悪い遊技となる。さらに、第2始動口640は遊技球の賞球が1個に設定されているため、時短遊技状態ST1h中に右打ち遊技を行い第2始動口640に遊技球を入賞させる遊技をしても出玉が増加することが無い、よって、時短遊技状態ST1hは、実質通常遊技状態ST1と同じ遊技が(左打ち遊技)が行われることになる。
以上、本実施形態のパチンコ機10の各種遊技状態の設定の流れについて説明をしたが、ここで、本パチンコ機10における主となるゲーム性(各種遊技状態の移行)について図66を用いて説明する。
まず、通常遊技状態ST1において、第1抽選遊技で大当たりEに当選し確変遊技状態ST3を目指す(振分け50%)。つぎに、確変遊技状態ST3は、第2抽選遊技を行いながら、大当たりFに当選し潜伏遊技状態ST2を目指す(振分け10%)。または、大当たりさせることなく特別図柄遊技を100回行い、電サポを終了させることで潜伏遊技状態ST2へ移行することを目指す。
なお、確変遊技状態ST3では、大当たり遊技終了後に再度確変遊技状態ST3が設定される大当たりが、大当たり全体の60%を占めていることから、大当たりによる出玉を獲得しながら潜伏確変遊技状態ST2へ移行することを目指すこととなる。
また、この確変遊技状態ST3は第2抽選遊技の抽選結果として小当たりに当選し、小当たり遊技を行うことで持ち球を減らすことなく遊技を行えるように構成されている。
つぎに、潜伏確変遊技状態ST2は大当たり遊技終了後に、再度、潜伏確変遊技状態ST2が設定される大当たりが、大当たり全体の90%を占めている。この潜伏確変遊技状態ST2は本パチンコ機10において最も出玉に期待ができる遊技状態となる。詳細な説明については図80を参照して後述するが、潜伏確変遊技状態ST2は小当たり遊技を繰り返し行うことで確変遊技状態ST3よりも多くの出玉を獲得することが可能に構成されている。即ち、潜伏確変遊技状態ST2中は、小当たり遊技と、大当たり遊技とで出玉を増加させることが可能であり、且つ大当たり遊技終了後に90%の確率で同じモードを繰り返す(ループする)状態として構成されている。
また、潜伏確変遊技状態ST2は第2抽選遊技の高確率遊技状態移行率が100%であり、たとえ、潜伏確変遊技状態ST2をループする90%ではなく残りの10%に当選したとしても、確変遊技状態ST3に移行するだけである。つまり、潜伏確変遊技状態ST2では、少なくとも2回(ST2→ST3、ST3→ST1hの2回)は高確率遊技状態で大当たりを当選させることができるよう構成されている。
最後に、時短遊技状態ST1hは、高確率状態から低確率状態へと移行(転落)した場合に設定される遊技状態であって、特別図柄の変動回数が所定回数(本実施形形態では100回)になるまで電サポが付与される遊技状態である。この時短遊技状態ST1は、通常遊技状態よりも大当たり終了後に高確率遊技状態へと移行する割合が高く設定されており、時短遊技状態ST1中に第1抽選遊技で大当たりに当選した場合は、高確率遊技状態へ移行する割合が95%(確変遊技状態ST3が70%で潜伏遊技状態ST2が25%)に設定されている。そして、特別図柄の変動回数が100回を超えた場合に、通常遊技状態ST1へと移行する。
上述したように本実施形態では、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)と遊技状態(通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST1h、潜伏確変遊技状態ST2、確変遊技状態ST3)に基づいて大当たり遊技終了後に高確率遊技状態へ移行する割合を複数設定できるように構成し、さらに、遊技状態に応じて実質変動対象となる特別図柄を変更できるように構成したため、通常遊技状態ST1において実質変動対象ではない第2抽選遊技が行われた場合に高確率遊技状態へ移行する割合を極端に下げる(本実施形態では0%)ことが可能となる。このように構成することにより、適正ではない遊技(不正遊技)が行われたとしても遊技者にとって有利な状態(高確率遊技状態)へ移行しないため、本パチンコ機10を対象とする不正遊技を抑制することができるという効果がある。
さらに、高確率遊技状態である潜伏確変遊技状態ST2の実質変動対象を、第2特別図柄が変動する第2抽選遊技とし、潜伏確変遊技状態ST2中に限り、第2抽選遊技の抽選結果が大当りとなった場合に高確率遊技状態へ100%移行させる構成としているため、高確率遊技状態の一部において、少なくとも2回は高確率遊技状態のまま大当たりする状態とすることができる。よって、遊技性に富んだ遊技機を提供することが可能となり、遊技機の興趣を向上させることができるという効果がある。
つぎに、図67を参照して、本実施形態のパチンコ機10の大当たり中における各種装置の制御の流れについて説明する。図67は大当たり遊技の開始から大当たり遊技の終了までに実行される各種装置の流れを示したタイミングチャートである。尚、各種装置の動作制御のうち、上述した第1実施形態と同一の動作制御については、その説明を省略し、その他の動作制御については、図80を参照してその詳細について後述する。
まず、大当たり遊技が開始されると、主制御装置110によって大当たり遊技に関する各種装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)が所定のタイミングで所定回数動作する(図80参照)。そして、主制御装置110から出力される各種コマンドに基づいて音声ランプ制御装置113によって、第3図柄表示装置81に大当たり遊技中に対応した演出表示が実行される。
まず、大当たり遊技が開始されると所定期間t1(オープニング期間)経過後に第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650bを開状態にするべくアタッカ(上アタッカ)650bを開放する(オンにする)。そして、所定期間(本実施形態では29秒)の経過、または、所定個数の入賞(本実施形態では10個)の何れかの条件が満たされた場合にアタッカ(上アタッカ)650bを閉鎖する。この第2特定入賞口650bが開状態となる期間t2を1回の開放期間(ラウンド)とし、1回の大当たり遊技において予め定められた回数(本実施形態では7回)繰り返し実行される。
なお、本実施形態では開放期間t2中は常に第2特定入賞口650aが開状態となっているが、この構成に限られるものではなく、開放期間中に第2特定入賞口が開状態と閉状態とを繰り返すよう上アタッカ650bを作動させてもよい。このような構成を用いる場合であっても、最初に第2特定入賞口が開状態となってから所定期間の経過または所定個数の入賞の何れかの条件が満たされた場合に開放期間t2が終了することとなる。
そして、1回のラウンドが終了してから所定期間t3(インターバル期間)経過後に次のラウンドが開始される。本実施形態のパチンコ機10は図80に示されているように1ラウンド目から4ラウンド目までは第2可変入賞装置の第2特定入賞口650aを開状態にする遊技が実行され、5ラウンド目は第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開状態にする遊技が実行される。
つぎに、大当たり遊技中に開状態となる特定入賞口が第2特定入賞口650aから第1特定入賞口65aに切り替わる4ラウンド目と5ラウンド目の間の流れについて説明する。本実施形態のパチンコ機10は、4ラウンド目と5ラウンド目の間の特定インターバル期間である所定期間t4が遊技状態に応じて変更可能に構成されている(図80参照)。例えば、大当たりA〜Dはインターバル期間が1秒に設定され、大当たりE〜Hはインターバル期間が4秒に設定される。
ここで、特定インターバル期間を変更することによる遊技への影響について説明する。まず、上述したように本実施形態のパチンコ機10は、遊技盤13の右側を狙う右打ち遊技によって発射された遊技球が、閉状態である第2可変入賞装置650を通過し、その後球誘導経路72を通過することで、第1特定入賞口65aに入賞可能に構成されている(図64参照)。なお、球誘導経路72は球誘導経路通過時間が3〜4秒になるように設計されている。
また、第1可変入賞装置65の切替部材65hは、第1特定入賞口65aが開状態(アタッカ65bがオン)になるのと同時に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な態様に動作(V開放動作がオン)するように制御されており、その態様(V開放動作がオンの状態)を所定期間t5(本実施形態では2秒)継続し、所定期間(V開放期間)t5経過後に遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)な態様に動作(V開放動作がオフ)するように制御されている。
即ち、本実施形態のパチンコ機10の大当たり遊技中において、確変スイッチ65e3に遊技球を通過させるためには、特定インターバル期間t4とV開放動作がオンの期間(2秒)t5とを合算したV有効期間t6が球誘導経路通過期間(本実施形態では最長4秒)より長くする必要がある。具体的には、特定インターバル期間t4を4秒に設定することで、特定インターバル期間t4(4秒)とV開放期間t5(2秒)とを合算したV有効期間t6を6秒とし、球誘導経路通過期間(最長4秒)よりも長くする。このように構成することで、4ラウンド目の上アタッカ650aがオフとなった後(遊技球が球誘導経路72通過可能となった後)に、球誘導経路72を通過した遊技球がV有効期間t6内に第1特定入賞口65aに入賞し、確変スイッチ65e3を通過可能とすることができる。
一方、V有効期間t6を球誘導経路通過期間よりも短く設定すると、V有効期間t6内に遊技球が第1特定入賞口65aに入賞することを不可能(困難)にすることが可能となる。
このように、本実施形態では、遊技状態に応じて特定インターバル期間t4の長さを変更することで、第1可変入賞装置65の動作制御を変更することなく実質的にV通過可能な大当たり遊技とV通過不可能(困難)な大当たり遊技を提供することを可能にしている。よって、大当たり遊技中の主制御装置110の処理負担を軽減させることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では上述した第1実施形態にて説明したように特別図柄の種別(第1特別図柄と第2特別図柄)に応じて第1可変入賞装置65(切替部材65h)の動作制御(遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な動作制御と、通過不可能(困難)な動作制御)を設定し、且つ、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて特定インターバル期間t4の長さを設定するように構成している。
なお、本実施形態では、上述した第1実施形態にて説明をしたように切替部材65hの動作内容を変更することで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能(容易)な動作パターンと通過不可能(困難)な動作パターンとを設定するよう構成しているが、第1可変入賞装置65の開閉扉(下アタッカ)65f1の開放パターンを変更することで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能(容易)な動作パターンと通過不可能(困難)な動作パターンとを設定するよう構成してもよい。
具体的には、まず、第1可変入賞装置65が開状態となるラウンド(本実施形態では5ラウンド)が開始されると、切替部材65hを2秒間オンにする。つまり、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開状態となったタイミングで遊技球が入賞した場合に、その遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能(容易)となるよう切替部材65hを駆動させる。そして、開閉扉(下アタッカ)65f1を第1特定入賞口65aに遊技球が入賞可能(容易)な開閉扉開放パターン(例えば、29秒継続開放する開放パターン)と、第1特定入賞口65aに遊技球が入賞不可能(困難)な開閉扉開放パターン(例えば、5ラウンド開始から、0.4秒開放を5回繰り返し、その後27秒継続開放する開放パターン)とを変更可能に構成する。
このように構成することにより、切替部材65hの動作内容を変更することなく、開閉扉65f1の開放パターンを変更するだけで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能(容易)な動作パターンと通過不可能(困難)な動作パターンとを設定することができる。よって、実質的に確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり遊技の割合を複数設定することができ、遊技者に対して様々な遊技性を提供し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、開閉扉65f1の開放パターンを変更することで、第1特定入賞口65aに遊技球が入球可能(容易)な状態と第1特定入賞口65aに遊技球が入球不可能(困難)な状態とを設定可能にする構成を用いた場合には、切替部材65の駆動を開始するタイミングを、第1可変入賞装置65の駆動が開始されるタイミングだけでなく、例えば、パチンコ機10の電源が投入されたタイミングとし、常時一定の動作を繰り返すよう動作制御するようにしてもよい。
さらに、開閉扉65f1の開放パターンを変更することで、第1特定入賞口65aに遊技球が入球可能(容易)な状態と第1特定入賞口65aに遊技球が入球不可能(困難)な状態とを設定可能にする構成を用いることで、切替部材65hをオン動作する期間を2秒より長く設定することが可能となる。これにより、第1特定入賞口65aに入球した遊技球を、より確実に確変スイッチ65e3を通過させることができる。
なお、本実施形態では、特定インターバル期間t4を変更することによって、V有効期間内に遊技球が第1可変入賞装置65に入賞可能か否かを変更できるように構成しているが、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、遊技球が球誘導経路72を通過する際に要する時間である球誘導経路通過時間が切替わるように構成してもよい。また、V開放期間t5の値を変更することでV有効期間t6の値が変更されるよう構成してもよい。このような構成を用いたとしても本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では大当たり遊技中の5ラウンド目に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開状態になる場合を示したが、例えば1ラウンド目に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開状態となる大当たり遊技の場合は、遊技状態に応じて変更する期間をオープニング期間t1とすればよい。
このように構成することで、例えば、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも長く設定することで、大当たり遊技開始(オープニング期間t1の開始)に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65に入賞し、確変スイッチ65e3を通過可能にすることができる。一方、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも短く設定することで、大当たり遊技開始に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞することを不可能(困難)にすることができる。
具体的な構成としては、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開状態にするために作動する開閉扉65f1(図6参照)が1ラウンド内で複数回作動するように構成し(1ラウンド内で第1特定入賞口65aが開状態と閉状態とを繰り返すように構成し)、最初に特定入賞口65aが開状態となった際に入賞した遊技球が、確変スイッチ65e3を通過可能となるよう構成するとよい。また、第1特定入賞口65aを開状態にするために作動する開閉扉65f1をそれぞれが異なる所定の動きをする複数の部材から構成し、複数の部材が特定の動作をした場合にのみ特定入賞口が開状態となるよう構成してもよい。
上述した具体的な構成を用いることにより、オープニング期間t1が短い大当たり遊技(遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)な大当たり遊技)が設定された場合においても、開状態(1ラウンド内の2回目の開状態)の特定入賞口に遊技球が入賞するため、遊技者に違和感を与えることが無いという効果がある。
図67に戻り説明を続ける。開閉扉(下アタッカ)65f1(図示せず)をオフに(5ラウンド目終了)し、第1特定入賞口65aが閉状態となると、インターバル期間t3経過後に上アタッカ650bがオンになる(第2特定入賞口650aが開状態)。以降、最終ラウンド(7ラウンド)が終了するまで上アタッカ650bの動作を繰り返し、最終ラウンド(7ラウンド)の第2特定入賞口650aが閉状態になった後、エンディング期間t7を経過し大当たり遊技を終了する。
第3図柄表示装置81は、大当たり遊技が行われている間、大当たり遊技に対応した演出表示が実行されている。具体的には、大当たり遊技序盤は大当たり遊技となったことを祝福する演出表示(演出A)が実行され、その後、次のラウンドで開放される特定入賞口が切替わることを報知するとともに、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態へ移行するか否かを決定する遊技が行われることを報知(示唆)する演出表示(演出B)が実行される。そして、高確率遊技状態へ移行するか否かを煽る演出表示(演出C)が実行され、大当たり遊技終盤にて、大当たり遊技終了後に提供される遊技状態(大当たり確率の高低、電サポの有無)を報知(示唆)する演出表示(演出D)が実行される。
本実施形態では、上述した演出Bと演出Cとが切替わるタイミングを、上アタッカ650bが閉鎖するタイミング(4ラウンド目が終了するタイミング)と異ならせている(遅らせている)。このように構成することで、パチンコ機10で実行される各種処理が集中してしまうことを防ぐことができる。
さらに、演出Bと演出Cとが切替わるタイミングを、上アタッカ650bが閉鎖するタイミング(4ラウンド目が終了するタイミング)と下アタッカ65f1が開放するタイミング(5ラウンド目を開始するタイミング)との間のインターバル期間(特定インターバル期間t4)に設定しているため、遊技者が第3図柄表示装置81に表示される演出表示が切替わるタイミングを基準に今回の大当たり遊技は遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な大当たりか否かを判別することを困難にさせることができ、大当たり遊技の結果を早期に把握してしまうことによる遊技への飽きを抑制することができるという効果がある。
なお、演出表示が切替わるタイミングを特定インターバル期間t4内で複数用意しておき、演出表示を切り替えるタイミングをランダムに設定する手段を設けることで、より一層演出表示の切り替わりタイミングを基準に大当たり遊技の結果を把握させることを困難にすることができる。
つぎに、図68から図71を参照して第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。なお、上述した第1実施形態にて説明した第3図柄表示装置81の表示画面の内容と同一の箇所については、表示画面への記載またはその説明を省略するが、本実施形態においても同一の表示を備えているものである。
まず、本実施形態では、通常遊技状態ST1中は主人公が野外を歩いているステージが表示画面に表示される(図示せず)。そして、大当たりに当選し、確変遊技状態ST3に移行すると、図68(a)に例示する表示画面が表示される。図68(a)は確変遊技状態ST3における演出を示す表示画面を例示した図である。
図68(a)の表示画面では、画面左上に第1特別図柄の変動が表示され、画面右上に第2特別図柄の変動が表示されている。画面下側には現在の遊技モード(遊技状態)である「塔探索モード(確変遊技状態ST3)」と遊技方法を報知する「右打ち」が表示される遊技状態表示領域が設けられている。また、画面右側には現在主人公が探索している塔を模した対象物が表示される状況表示領域が設けられている。この状態表示領域には、対象物の最下階である「1F」と最上階である「100F」と、最上階より上にある「屋上」と、現在の階数を示す「30F」とが表示されている。
確変遊技状態ST3中は特別図柄が1回変動する毎に塔を1階上り、特別図柄が大当りに当選することなく100回変動した場合に屋上に到達するよう変動毎に表示が更新される。即ち、「現在階」としてカーソル付で表示される階数(本図では「30F」)は、大当たり終了後の現在の特別図柄変動回数と同じ値が表示されるものである。この状況表示領域の表示によって、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選することなく特別図柄を100回変動させ、潜伏確変遊技状態ST2に移行する状況を、主人公が塔を昇っていき最終的に屋上に到達する演出として表示するよう構成されている。
つぎに、図68(b)を参照して、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選した際の表示内容について説明する。図68(b)は、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選したことを示す表示画面を例示した図である。図68(b)では、第2特別図柄が「555」と停止表示され、抽選の結果が大当りであることを表示している。また、第1特別図柄が外れを示す「246」で強制停止表示される。状況表示領域では現在の階数(前回大当たり終了後からの特別図柄変動回数)として「50F」が示されている。
確変遊技状態ST3では、大当たりに当選すると表示画面に大当たりに当選したことを報知する表示体(エレベータ)が表示される。大当たり遊技中はエレベータに乗り込みエレベータの行先を煽る演出が実行される(図示せず)。エレベータの行先としては、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1hに設定される場合の「野外」と、確変遊技状態ST3に設定される場合の「塔探索モード(塔の1F)」と、潜伏確変遊技状態ST2に設定される場合の「屋上モード」(図69参照)の3種類あり、それぞれ大当たり遊技中に実行される演出によって行先が示唆されるよう構成されている。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過するか否かで大当たり終了後に設定される遊技状態が変更されるため、大当たり遊技開始前または大当たり遊技の序盤では大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定していない。
よって、当選した大当たり種別(A〜H)に基づいて確変スイッチ65e3を遊技球が通過した場合に移行する遊技状態と通過しなかった場合に移行する遊技状態とを判別し(例えば、大当り種別が大当たりEの場合は、大当り遊技終了後に移行する遊技状態は確変遊技状態ST3又は時短遊技状態ST1h)、その判別結果に共通する演出を大当たり遊技序盤の演出(例えば、図67の演出A)として使用し、その後、遊技球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別し、その判別結果に基づいて遊技終盤の演出(例えば、図67の演出D)を設定するように構成するとよい。このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果(遊技球が確変スイッチ65e3を通過したか否かの結果)に対して、表示画面の演出を違和感なく表示することができる。
図69は、潜伏確変遊技状態ST2における演出を示す表示画面を例示した図である。図69の表示画面では、第1特別図柄および第2特別図柄の何れも変動中である旨が表示されており、遊技状態表示領域には、右打ち表示および現在の遊技モード(遊技状態)である「屋上モード(潜伏確変遊技状態ST2)」が表示されている。また、状況表示領域では主人公が屋上に到達していることを報知するために「屋上」の表示が強調表示されている。
この、「屋上モード」は潜伏確変遊技状態ST2を報知(示唆)するモードである。本パチンコ機10においては、遊技者が出玉を最も獲得し易い遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2となるよう各種値が設定されている。詳細については、図78(a)〜図80を参照して説明を後述するが、実質変動対象を第2特別図柄とした潜伏確変遊技状態ST2では、特図2の変動時間が短く設定されており、且つ小当たり遊技時間(小当たり遊技時間のうち、遊技球が特定入賞口に入賞しないオープニング期間およびエンディング時間)も短く(確変遊技状態ST3よりも短く)設定されている。即ち、潜伏確変遊技状態ST2は、全ての遊技状態のうち、単位時間当たりで、小当たり遊技において第1特定入賞口65aが開状態となる時間が最も長い遊技状態に設定されている。更に、大当たり確率が高確率に設定されている。
潜伏確変遊技状態ST2を示唆する「屋上モード」へは、確変遊技状態ST3中に大当たりFに当選するか(大当たり全体の10%)、或いは、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選することなく、特別図柄を100回変動させることによって移行するよう設計されている。
その際に、第3図柄表示装置81にて行われる演出表示としては、例えば、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選し(図68(b)参照)、エレベータに乗り込む演出(図示しない)が開始されると、大当たり遊技中にエレベータが上の階に上昇しているのか、それとも下の階に下降しているのか?といった演出を行い遊技者に対して大当たり遊技終了後にどのモードに移行するのかを報知(示唆)した後、エレベータが屋上に到達する演出表示が実行される。
また、確変遊技状態ST3中に大当たりに当選することなく、潜伏確変遊技状態ST2へと移行する場合は、図68(a)に示す演出が、特別図柄が100回変動するまで継続表示され、毎変動毎に状況表示領域にて示されている現在の階数が1階ずつ上がっていく。そして、特別図柄が100回変動し、「屋上モード」に移行した場合に、状況表示領域に示されるカーソルが100F」から「屋上」へと移行し「屋上モード」に移行することとなる。
つぎに、「屋上モード」中における第3図柄表示装置81の表示画面について、図70を用いて説明する。図70(a)は、潜伏確変遊技状態ST2における演出を示す表示画面を例示した図である。図70(b)は、潜伏確変遊技状態ST2において第2特別図柄にて小当たりに当選した場合の演出を示す表示画面を例示した図である。
図70(a)の表示画面では、第1特別図柄および第2特別図柄の何れも変動中である旨が表示されており、遊技状態表示領域には、右打ち表示および現在の遊技モード(遊技状態)である「屋上モード(潜伏確変遊技状態ST2)」が表示されている。また、状況表示領域では主人公が屋上に到達していることを報知するために「屋上」の表示が強調表示されている。
また、表示画面の上側には遊技者が獲得した遊技球に対応する値として「所持G(獲得媒体表示)」が表示されている。そして、表示画面中央には塔の屋上に複数の宝箱が表示されている。この宝箱は、特別図柄遊技の結果が大当りまたは小当たりの場合に開放されるよう演出表示される。
表示画面の上側に表示される獲得媒体表示は、パチンコ機10における一連の遊技の流れ(初大当たり〜通常遊技状態ST1に移行するまでの流れ)の中で獲得した遊技球に対応した表示がされるものである。
なお、本実施形態では獲得媒体表示として、一連の遊技中に獲得した媒体の合計数に対応した値を表示しているが、例えば、一連の遊技中において、大当り遊技で獲得した媒体に対応した値と、小当たり遊技で獲得した媒体に対応した値とを遊技者が識別できる表示態様で表示してもよい。このように構成することで、遊技者が一連の遊技でどのように媒体を獲得したのかを容易に把握することが可能となる。また、このような表示を実行する場合には、小当たり遊技で獲得した媒体に対応した値が所定条件(大当たり遊技1回で獲得可能な媒体に対応した値)を満たした場合に、別の表示態様を表示するようにするとよい。このように構成することで、複数回の小当たり遊技の結果、大当たり遊技と同等の媒体を獲得できたことを遊技者が容易に把握することができるという効果がある。
図70(b)の表示画面では、第2特別図柄が小当たりを示す「123」で停止表示される。そして、第2特別図柄の変動の停止と同タイミングで変動中であった第1特別図柄が強制的に外れ目で停止表示される。表示画面中央では選択された宝箱が開き、中から小当たりを示すお宝が出現する演出が表示される。
図71は、潜伏確変遊技状態ST2において第2特別図柄にて大当たりに当選した場合の演出を示す表示画面を例示した図である。第2特別図柄にて大当たりに当選した場合、その変動中に図70(a)の表示画面で表示された宝箱の一つを開け、その中から怪獣が出現する演出が表示される。そして、その大当たり中に怪獣とのバトルが始まりバトルの結果に応じて大当たり遊技後の遊技状態が報知(示唆)されるよう演出表示される(図示せず)。例えば、バトルに勝利すると、屋上に到達し「屋上モード」に移行する。また、バトルから逃亡すると「塔探索モード(1F)」に移行し、バトルに敗れると「野外」のステージに移行するよう演出表示される(図示せず)。
上述したように、本実施形態における第3図柄表示装置81では、遊技状態に対応するモード毎にストーリーが進行する演出が表示され、特別図柄の抽選結果(大当たり、小当たり)に応じてストーリーの結果が変化するよう構成されている。そして、現在が遊技者にとって有利な状態か否かを第3図柄表示装置81に表示される演出を見るだけで遊技者が把握できるようにしたため、従来のパチンコ機10よりも複雑な遊技性(大当たり遊技以外に多くの遊技球を獲得できる遊技性)を採用したとしても遊技者が困惑することなく遊技を行うことができるという効果がある。
<第2実施形態における電気的構成>
つぎに、図72から図81を参照して本第2実施形態における電気的構成を説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して主制御装置110のMPU201のROM202の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
また、本第2実施形態では、第1実施形態に対して音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容が変更されている点で相違する。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の相違点については、図81を参照してその詳細な説明を後述する。その他の点については、第1制御例とで同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図72(a)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202は、第1実施形態に対して、小当たり種別選択テーブル202gと、特別電動役物(第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650)作動テーブル202hと、大当たりシナリオ202iとが追加された点と、各種テーブルにて参照される各種カウンタ値の値を変更した点が相違し、その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態に対して、大当たり判定値として設定されている値が異なる点で相違している。詳細については図73(a)を参照して後述する。
小当たり乱数テーブル202bは、第1実施形態に対して、小当たり判定される条件を変更した点で相違している。詳細については図73(b)を参照して後述する。
第2当たり乱数テーブル202cは、当たり判定値として設定されている値が異なる点で相違している。詳細については図73(c)を参照して後述する。
大当たり種別選択テーブル202dは、第1実施形態に対して、大当たり種別を増加し、大当たり中の特定インターバル期間が異なる大当たりを選択できるようにした点、および、時短遊技状態ST1hに用いられる大当たり種別選択テーブルDを新たに設けた点で相違している。詳細については図74および図75を参照して後述する。
変動パターン選択テーブル202eおよび普図変動パターン選択テーブルは、第1実施形態に対して、設定されている変動時間が変更されている点で相違している。詳細については、図76から図79を参照して後述する。
小当たり種別選択テーブル202gは、小当たり乱数テーブル202bにて小当たりと安定された場合に用いられるテーブルであって、各遊技状態に対応した小当たり種別が選択されるテーブルである。詳細については、図80(a)を参照して後述する。
特別電動役物作動テーブル202hは、設定された大当たり種別または小当たり種別に対応した特別電動役物の動作内容が記憶されているテーブルである。詳細については図80(b)を参照して後述する。
大当たりシナリオ202iは、大当たりとなった場合に選択されるシナリオを記憶する領域であって、各大当たり中の役物動作のタイミングや回数が記憶されている。この大当たりシナリオ202iは、大当たり制御処理2(図85のS1720)によって更新され、大当たり終了処理2(図86のS1732)によってリセットされる。
図72(b)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203は、第1実施形態に対して、小当たり種別選択テーブル202gおよび特別電動役物(第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650)作動テーブル202hが追加された点と、各種テーブルにて参照される各種カウンタ値の値を変更した点が相違し、その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
大当たりシナリオ設定エリア203b2は、大当り制御処理2(図85のS1720)によって更新された大当たりシナリオを設定(記憶)するエリアであって、第1特別図柄変動停止処理2(図82のS254)にて、大当り種別に対応した大当たりシナリオが設定される。
シナリオカウンタ203c2は、大当たり制御処理2(図87のS1720)において、大当りシナリオが大当たりシナリオ設定エリア203b2に設定されている場合に、1加算して更新され、大当たり終了処理2(図86のS1732)にて大当たりシナリオをリセットすると同時にクリアされる。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201におけるRAM203に設定されるその他メモリエリアが含まれており、少なくとも、上述した第1実施形態にて示した入球個数カウンタ203jと、動作カウンタ203kと、報知カウンタ203mと、残球タイマフラグ203nと、残球タイマ203oが含まれており、上述した第1実施形態と同一の制御で用いられる。
次に、図73(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図73(a)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり乱数カウンタC1は、0〜199の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されており、低確率遊技状態においては第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」の場合に、高確率遊技状態においては第1当たり乱数カウンタC1の値が「7〜9」の場合に、第1当たり(大当たり)であると判別される。即ち、低確率遊技状態において大当たりとなる確率は「1/200」となり、高確率遊技状態において大当たりとなる確率は「3/200」となる。なお、本実施形態で用いられる第1特別図柄による第1抽選遊技と第2特別図柄による第2抽選遊技は、ともに第1当たり乱数テーブル202aを用いて当たりの判定が行われている。
図73(b)を参照して、小当たり乱数テーブル202bの内容について説明する。図73(b)は、小当たり乱数テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の第1抽選遊技によって小当たりに当選することが無い。一方、第2特別図柄(特図2)の第2抽選遊技では、低確率遊技状態(低確:電サポなし、低確:電サポあり)において、第1当たり乱数カウンタC1の値が「10〜20」であれば小当たりであると判別され、高確率遊技状態(高確:電サポなし、高確:電サポあり)において、第1当たり乱数カウンタC1の値が「10〜199」であれば小当たりであると判別される。即ち、第1抽選遊技による小当たり確率は「0/200」で、低確率遊技状態中の第2抽選遊技による小当たり確率は「11/200」で、高確率遊技状態中の第2抽選遊技による小当たり確率は「190/200」となる。
これにより、第2抽選遊技が行われる高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2と確変遊技状態ST3)では、頻繁に小当たり遊技が付与される。なお、詳細は図80(b)を参照して後述するが、潜伏確変遊技状態ST2と確変遊技状態ST3とでは、小当たり遊技として第2特定入賞口650が開状態となる時間は同じだが、小当たり遊技として設定されるオープニング時間とエンディング時間とが相違しており、潜伏確変遊技状態ST2中における小当たり遊技のほうがオープニング時間とエンディング時間とが短く設定される。即ち、単位時間当たりにおける第2特定入賞口650の開放時間が、確変遊技状態ST3よりも潜伏確変遊技状態ST2のほうが長くなる。よって、小当たり遊技として遊技者が獲得できる遊技球の数を確変遊技状態ST3より潜伏確変遊技状態ST2の方が多くすることができ、遊技者に対して、大当たり遊技以外でも遊技球を獲得可能な意外性のある遊技機を提供することが可能となり遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技において小当たりに当選する確率を0%に設定しているが、例えば10%程度に設定してもよい、また、低確率遊技状態中の第2抽選遊技において小当たりに当選する確率を「11/200」に設定しているが、例えば、高確率遊技状態中の第2抽選遊技と同じ確率に設定してもよい。
図73(c)を参照して、第2当たり乱数テーブル202cの内容について説明する。図73(c)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、第2当たり乱数カウンタC4は、0〜99の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されており、低確率遊技状態においては第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜98」の場合に、高確率遊技状態においては第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜99」の場合に、第2当たり(普図当たり)であると判別される。即ち、低確率遊技状態において当たりとなる確率は「99/100」となり、高確率遊技状態において当たりとなる確率は「100/100」となる。なお、普図当たりに当選した場合は、第2普通電動役物640aが作動し、第2始動口640に遊技球が入球し易い状態(特別状態)となる。本実施形態では、第2当たりとなる確率を高確率時と低確率時とで若干の高低差を設けたが、同一の確率としてもよい。
つぎに、図74から図75を参照して、大当たり種別選択テーブル202dについて説明する。図74(a)は、通常遊技状態ST1にて参照される大当たり種別選択テーブルA202dを模式的に示した模式図であり、図74(b)は、確変遊技状態ST3にて参照される大当たり種別選択テーブルB202dを模式的に示した模式図である。図75(a)は、潜伏確変遊技状態ST2にて参照される大当たり種別選択テーブルC202dを模式的に示した模式図であり、図75(b)は、時短遊技状態ST1hにて参照される大当たり種別選択テーブルD202dである。
この大当たり種別選択テーブル202dは、各特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の抽選結果として大当たりに当選した場合に参照されるものであって、大当たりに当選した特別図柄の種別(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2))、および、大当たり当選時の遊技状態に基づいて、第1当たり種別カウンタC2より取得したカウンタ値を用いて大当たり種別を大当たりA〜大当たりHの何れかから選択するものである。
本実施形態にて用いられる大当たり種別選択テーブル202dは、上述した第1実施形態に対して、時短遊技状態ST1hにて参照される大当たり種別選択テーブルD202dを追加した点と、選択される大当たり種別が増加した点と、大当たり種別に応じて大当たり遊技のインターバル時間を設定可能にした点と、各大当たり種別に対して振り分けられる第1当たり種別カウンタ値の割合を変更した点で相違し、その他の構成は同一である。同一の箇所の説明については省略し、相違点の説明を行う。
図74(a)に示すように、本実施形態では通常遊技状態ST1において特図1で大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が50%で、低確率状態(低確)になる割合が50%となるように、各大当たり種別毎にインターバル時間(図67の特定インターバル時間t4)と、V動作(切替部材65hの動作)と、大当たり遊技終了後の電サポの有無とが設定されている。具体的には、遊技状態に応じて、V動作として遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)可能に切替部材65hの動作を制御する開放パターン(V可)と、遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)不可能(困難)に切替部材65hの動作を制御する開放パターン(V不可)の何れかが設定される。
さらに、インターバル時間として遊技状態に応じて、V動作がV可の場合であれば、確変スイッチ65e3に遊技球が通過(入球)可能な期間に遊技球を第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞可能な「4秒(V可)」と、V動作がV可の場合であっても、確変スイッチ65e3に遊技球が通過(入球)可能な期間に遊技球を第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65に入賞不可能(困難)な「1秒(V不可)」の何れかが設定される。
そして、大当たり遊技終了後に電サポ(100回)が付与されるか否かが設定される。なお、電サポの付与については、遊技球が確変スイッチ65e3に遊技球が通過(入球)しても、通過(入球)しなくても付与されるものであって、例えば、電サポ「有り」が設定される大当たり種別が選択された場合、遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)すると、大当たり遊技終了後に確変遊技状態(ST3)へ移行し、仮に遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)しなければ、大当たり遊技終了後に時短遊技状態(ST1h)へ移行することになる。
このように、異なる内容が設定された大当たり種別の中から、第1当たり種別カウンタC2より取得した第1当たり種別カウンタ値によって今回の大当たり種別が選択される。例えば、通常遊技状態ST1中に特図1で大当たりに当選し、第1当たり種別カウンタ値として50を取得した場合は、大当たり種別Eが選択される。この大当たり種別Eによって提供される大当たり遊技の最中に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)することで、大当たり遊技終了後に確変遊技状態ST3が提供される。
なお、本実施形態では、大当たり遊技終了後に通常遊技状態STが選択される大当たり種別として、大当たりBと、大当たりDと、大当たりHとが設定されている。これは、インターバル時間として「1秒」、「4秒」が、V動作として「V可」、「V不可」の何れが選択されたとしても、大当たり遊技終了後に通常遊技状態ST1へ移行する可能性があることを示すものである。このように構成することにより、インターバル時間とV動作の内容を把握するだけでは大当たり遊技終了後の遊技状態を把握することが出来なくなる(困難になる)。よって、遊技者は大当たり遊技中(または、大当たり遊技終了後の初回の特別図柄変動)に行われる大当たり遊技終了後の遊技状態の報知(示唆)を注目することになり、パチンコ機10にて行われる演出表示に興味を持たせ、遊技に早期に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
また、V動作が「V可」、「V不可」となる振分けは、特別図柄の種別によって異なるのみであり、遊技状態に応じて変更されることが無いように設定されている。具体的には第1特別図柄では、V動作が「V可」となる割合が90%で「V不可」となる割合が10%と設定され、第2特別図柄では、V動作が「V可」となる割合が100%で「V不可」となる割合は0%と設定されている。このように構成することで、V動作(切替部材65hの動作)を遊技状態によって変更する必要がなくなるため、第1可変入賞装置65(切替部材65h)に対する動作指示内容を記憶する容量を削減することができる(2種類にすることができる)。という効果がある。
つぎに、図74(a)を参照して第2特別図柄で大当たりに当選した場合の大当たり種別の選択について説明する。なお、通常遊技状態ST1では第1特別図柄を狙う遊技(左打ち遊技)が遊技者にとって有利な適切な遊技方法ではあるが、不適切な遊技(不正遊技)が行われる場合に、通常遊技状態ST1中に第2特別図柄を用いた遊技が行われる。不適切な遊技としては、通常遊技状態ST1中において、ロング変動(10分)が設定されている第2特別図柄の変動を短縮するようパチンコ機10の主制御装置110のRAMをリセットすることで、通常必要とされる変動時間よりも短時間に複数回の抽選を受けることで、適正なゲームフロー(図66参照)を介さずに遊技者にとって最も有利な潜伏確変遊技状態ST2へと移行させる行為が考えられる。このような遊技が行われる場合を想定し、通常遊技状態ST1中に第2特別図柄で大当り当選した場合は、大当たりHが選択されるよう設定されている。大当たりHは大当たり遊技終了後に通常遊技状態ST1へ移行する大当たり種別である。
よって、通常遊技状態ST1中に不適切な遊技を行う遊技者に対してペナルティ(罰則)を与えることが可能となる。なお、不適切な遊技者に対して実行するペナルティ(罰則)については、上記した内容以外を用いてもよく、例えば通常遊技状態ST1中に実質変動対象ではない第2特別図柄で小当たりに当選した場合、その小当たり遊技終了後における特別図柄の変動パターンを特殊な変動パターンに設定し、少なくとも第1特別図柄がロング変動となる変動パターンが強制的に選択されるようにしてもよい。このように構成することで、実質的に遊技を続行することが困難となり継続して不適切な遊技が実行されることを抑制することができる。
また、不適切な遊技の結果、大当たりに当選した場合には、大当たり遊技中の特別電動役物の作動内容を、特殊な作動内容(特定入賞口に遊技球を入球できない(困難)な作動内容)として、予め主制御装置110のROMに予め記憶させておいてもよい。
なお、例えば、第2特別図柄の保留記憶がある状態で大当りに当選し、大当たり遊技終了後に通常遊技状態ST1へと移行した場合等、上述した不適切遊技が、遊技者が意図することなく行われてしまう場合もあるため、大当たり遊技終了後所定回数(第2特別図柄の上限保留記憶数(4個))以降にのみ実行させてもよいし、通常遊技状態ST1中に第2始動口640に入賞した場合にのみ実行させてもよい。このようにすることで、不適切な遊技に対するペナルティ(罰則)を、正常な遊技を行っている遊技者に付与してしまうことを無くし(抑制し)、遊技者に不満感を与えてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
つぎに、図74(b)を参照して、確変遊技状態ST3にて参照される大当たり種別選択テーブルB202dについて説明する。図74(b)に示すように、本実施形態では確変遊技状態ST3において特図1で大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が10%で、低確率状態(低確)になる割合が90%となるように設定されている。これは、確変遊技状態ST3における特図1の遊技は、通常遊技状態ST1における特図2遊技と同様に不適切な遊技であるため、遊技者にペナルティ(罰則)を付与するためである。一方、特図2で大当りに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が70%で、低確率状態(低確)になる割合が30%となるように設定されている。
つぎに、図75(a)を参照して、潜伏確変遊技状態ST2にて参照される大当たり種別選択テーブルC202dについて説明する。図75(a)に示すように、本実施形態では潜伏確変遊技状態ST2において特図1で大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が30%で、低確率状態(低確)になる割合が70%となるように設定されている。これは、潜伏確変遊技状態ST2における特図1の遊技は、通常遊技状態ST1における特図2遊技と同様に不適切な遊技であるため、遊技者にペナルティ(罰則)を付与するためである。一方、特図2で大当りに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が90%で、低確率状態(低確)になる割合が10%となるように設定されている。
つぎに、図75(b)を参照して、時短遊技状態ST1hにて参照される大当たり種別選択テーブルD202dについて説明する。図75(b)に示すように、本実施形態では時短遊技状態ST1hにおいて特図1で大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が95%で、低確率状態(低確)になる割合が5%となるように設定されている。一方、特図2で大当りに当選した場合は、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態(高確)になる割合が5%で、低確率状態(低確)になる割合が95%となるように設定されている。これは、時短遊技状態ST1hにおける特図2の遊技は、通常遊技状態ST1における特図2遊技と同様に不適切な遊技であるため、遊技者にペナルティ(罰則)を付与するためである。
このように、時短遊技状態ST1h中に特図1で大当りに当選した場合は、同じ低確率状態であったとしても、通常遊技状態ST1よりも高い確率で大当り遊技終了後の遊技状態を高確率遊技状態に移行できるよう設定されている。このように構成することで遊技者に対して低確率状態に移行(転落)しても、所定期間の間、高確率遊技状態へ移行するチャンス(引き戻しチャンス)を提供することが可能となり、遊技者に対して遊技の意欲を高めさせることができるという効果がある。
以上説明をしたように、本実施形態では、遊技状態および特別図柄の種別に応じて高確率遊技状態への移行割合をそれぞれ設定できるようにしたため、従来のパチンコ機よりも多種多様な遊技性を提供することが可能となり、遊技者が早期に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がる。また、不適切な遊技を行った遊技者に対して然るべきペナルティを付与することも可能となる。
つぎに、図76から図78を参照して、各遊技状態における変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルについて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して各変動パターンに設定されている変動時間が相違するだけで、その他は同一である。同一箇所については説明を省略し、相違点のみ説明する。
図76は通常遊技状態ST1にて参照される変動パターン選択テーブルAを示した模式図である。通常遊技状態ST1では特図2の変動時間が600000ms(10分)に設定された点で上述した第1実施形態と相違する。本実施形態では上述したように不適切な遊技に対してペナルティを付与することができるため、変動時間を短く設定したものである。
図77は、時短遊技状態ST1hにて参照される変動パターン選択テーブルBを示した模式図である。時短遊技状態ST1hでは、通常遊技状態ST1同様に、特図2の変動時間が600000ms(10分)に設定された点と、特図1の各種外れ変動パターンの変動時間を短くした点で上述した第1実施形態と相違する。
図78(a)は、潜伏確変遊技状態ST2にて参照される変動パターン選択テーブルCを示した模式図である。潜伏確変遊技状態ST2では、第1実施形態と異なり、特図2を実質変動対象としているため、特図1の変動時間を600000ms(10分)に変更し、特図2の変動時間を500msに変更した点で上述した第1実施形態と相違する。
図78(b)は、確変遊技状態ST3にて参照される変動パターン選択テーブルDを示した模式図である。確変遊技状態ST3では、特図1が外れの場合の変動時間を600000ms(10分)にした点で上述した第1実施形態と相違する。
図79は、普通図柄の変動時間を選択する普図変動パターン選択テーブルを示した模式図である。本実施形態では普通図柄の種類が1種類になった点で上述した第1実施形態と相違しているため、本テーブルを参照する普通図柄が1種類となった点が相違する。
図80(a)は、小当たり種別選択テーブル202gを模式的に示した模式図である。図80(a)は、特別図柄遊技の当否判定の結果、小当たりとなった場合に用いられる小当たり種別選択テーブル202gであり、遊技状態に応じて予め定められた小当たりが選択されるよう設定されている。遊技状態が通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1h中に小当たりに当選した場合は小当たり1が選択され、確変遊技状態ST3中に小当たりに当選した場合は小当たり2が選択され、潜伏確変遊技状態ST2中に小当たりに当選した場合は小当たり3が選択される。なお、小当たり1、小当たり2、小当たり3はそれぞれ、小当たり遊技中における特別電動役物の作動内容が異なっている。なお、詳細な内容については図80(b)を参照して後述する。
つぎに、図80(b)を参照して、大当たり遊技または小当たり遊技中に作動される特別電動役物(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)の作動内容を説明する。図80(b)は特別電動役物作動テーブル202hを模式的に示した図である。この特別電動役物作動テーブル202hによって、大当り種別に対応した特別電動役物の作動内容が設定される。
まず、各大当たり種別に基づく特別電動役物の作動内容について説明する。大当たり種別の大当たりAから大当たりEまでは同じ作動が設定されており、オープニング時間が5秒、ラウンド数が7、ラウンド中の開放動作として1ラウンド(R)から4ラウンドまでが第2可変入賞装置650(上)が29秒間開放し、5ラウンドは第1可変入賞装置65(下)が29秒間開放する。そして、6ラウンドから7ラウンドまでは、再度第2可変入賞装置650(上)が29秒間開放するよう設定される。なお、ラウンド中の開放動作時間としては29秒と設定されているが、その間に各可変入賞装置の特定入賞口に遊技球が10球入賞すると特定入賞口が閉鎖されるよう設定されている。そして、ラウンド間インターバルとして2秒、ラウンド間特定インターバル(図67のt4)として1秒、エンディング時間として5秒が設定される。
大当たり種別EからHは、上述した大当たりAからEに対してラウンド間特定インターバルの時間が1秒から4秒に増えている点で相違し、その他の項目については同一の値が設定されている。このように、ラウンド間特定インターバルを異ならせることにより、図67で説明したように、遊技球が確変スイッチ65e3へ通過可能にするか否か(容易か困難か)を設定することを可能にしている。このように、特定のラウンド間(第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへ遊技球を入賞させるラウンドと第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへ遊技球を入賞させるラウンドとの間)のインターバル時間を変更するだけで、実質的に確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり遊技の割合を複数設定することができ、遊技者に対して様々な遊技性を提供し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、特定インターバル期間t4を変更することによって、V有効期間t6(図67参照)内に遊技球が第1可変入賞装置65に入賞可能か否かを変更できるように構成しているが、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、遊技球が球誘導経路72を通過する際に要する時間である球誘導経路通過時間が切替わるように構成してもよい。また、V開放期間t5の値を変更することでV有効期間t6の値が変更されるよう構成してもよい。このような構成を用いたとしても本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では大当たり遊技中の5ラウンド目に第1可変入賞装置の第1特定入賞口65aが開状態になる場合を示したが、例えば1ラウンド目に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開状態となる大当たり遊技の場合は、遊技状態に応じて変更する期間をオープニング期間t1とすればよい。このように構成することで、例えば、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも長く設定することで、大当たり遊技開始(オープニング期間t1の開始)に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65に入賞し、確変スイッチ65e3を通過可能にすることができる。一方、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも短く設定することで、大当たり遊技開始に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞することを不可能(困難)にすることができる。
なお、本実施形態では、特別電動役物作動テーブル202hによって設定された特別電動役物の作動内容と、各大当たり種別に対応した切替部材65hの作動内容とを大当たりシナリオとして設定する構成としたが、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、特別電動役物作動テーブル202hによって、切替部材65hの作動内容も含めて設定できるよう構成してもよい。
また、本実施形態では1回の大当たり遊技において、確変スイッチ65e3を有する第1可変入賞装置65を5ラウンド目の1回しか開状態にしない構成としたが、1回の大当たり遊技において、第1可変入賞装置65を複数回開状態にするよう構成してもよい。具体的には、例えば、3ラウンド目と5ラウンド目と7ラウンド目に第1可変入賞装置65が開状態となるよう構成するとよい。
このように構成することで、第1可変入賞装置65が開状態となるラウンドの前のラウンドを第2可変入賞装置650が開状態となるラウンドにすることができ、1回の大当たり遊技中に特定インターバル期間を複数(3つ)有することが可能となる。よって、それぞれの特定インターバル期間に対し、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能なタイミングで第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに到達できるか否かを設定することが可能となり、遊技者に対して、1回の大当たり遊技中に複数回期待を抱かせることができるという効果がある。
なお、上述した構成を採用した際には、仮に、V動作がV可である場合(図74)、つまり、第1特定入賞口65aが開放されると同時に、切替部材65hが2秒間オンとなる場合に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能なタイミングで発射されているかを判別し、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能なタイミングで発射されていない場合は、適正な遊技方法を遊技者に報知するとよい。
具体的には、球誘導経路72の下流側に遊技球の通過を検出する検出手段を設け、特定インターバル期間内に遊技球の通過を検出したことを判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81にて遊技方法を報知する表示として「右打ちを止めないで!」や「発射し続ければ確変チャンス!!」といった遊技方法を説明する内容を表示するとよい。このような表示を行うことにより、次に、第1可変入賞装置65が開状態となる際に(5ラウンド目や7ラウンド目)、遊技者が適切な遊技を行えるよう遊技をサポートすることができ、遊技者が遊技性に戸惑うことを抑制することができる。
なお、大当たり遊技中に適切な遊技を行っているかを判別する方法は上述した内容に限定されることなく、その他の方法を用いてもよい。例えば、大当り遊技中に遊技球の発射を停止する打ち止めスイッチ51bが操作されたことを判別する方法や、ハンドルの回転量を検出し、右打ち遊技が行われていないことを判別する方法を用いてもよい。
さらに、遊技方法を報知(案内)する表示の表示内容については、当選した大当たりの内容に基づいて表示内容を変更してもよい。例えば、適切な遊技を行えば、遊技球が確変スイッチ65e3を通過する大当たりの場合は、表示を強調する態様にしてもよい。
また、連続するラウンドで第1可変入賞装置65を開状態となる大当たりシナリオを設定可能に構成してもよい。このような構成を用いることで、インターバル時間が短い場合であっても、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能とすることができ、更にバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
つぎに、小当たり種別に基づく特別電動役物の作動内容について説明する。小当たり種別には小当たり1から小当たり3があり、小当たり1は遊技状態が通常遊技状態ST1または時短遊技状態ST1hの場合に選択される小当たりであり、小当たり2は遊技状態が確変遊技状態ST3の場合に選択される小当たりである。そして、小当たり3は遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2の場合に選択される小当たりである(図80(a)参照)。
それぞれの小当たりは、オープニング時間、ラウンド中の開放動作、および、エンディング時間が異なるように設定されている。具体的には、小当たり1はオープニング時間およびエンディング時間が7.5秒に設定され、ラウンド中の開放動作として0.3秒の開放が6回繰り返されるように設定されている。即ち、小当たり1は高速開放が繰り返される小当たりとして設定されているものであり、小当たり遊技中に特定入賞口に遊技球が入賞することが殆ど無い(困難)ものである。
つぎに、小当たり2は、オープニング時間およびエンディング時間は、小当たり1と同じく7.5秒に設定されているが、ラウンド中の開放動作として1.8秒の開放が1回行われるように設定されている。即ち、小当たり2では、特別電動役物の作動を遊技球が特定入賞口に入賞することが可能となるように設定されている。
具体的には、小当たり2が選択される確変遊技状態ST3(図80(a)参照)では、特図2の変動時間が0.5秒に設定されており、小当たり2の小当たり遊技時間はオープニング時間(7.5秒)と開放時間(1.8秒)とエンディング時間(7.5秒)を合算して16.8秒(約17秒)に設定されている。小当たり遊技中に特定入賞口に入賞する遊技球の個数は2個とし、特定入賞口の賞球数を10個とすると、1分間に、約60〜70個の賞球を得ることが可能となる。
最後に、小当たり3は、ラウンド中の開放動作は小当たり2と同じであるが、オープニング時間とエンディング時間が0.3秒に設定されている。つまり、小当たり2に対して、特定入賞口が閉状態である期間が10倍以上短くなるように設定されている。
具体的には、小当たり3が選択される潜伏確変遊技状態ST2(図80(a)参照)では、特図2の変動時間が0.5秒に設定されており、小当たり3の小当たり遊技時間はオープニング時間(0.3秒)と開放時間(1.8秒)とエンディング時間(0.3秒)を合算して2.4秒(約2.5秒)に設定されている。小当たり遊技中に特定入賞口に入賞する遊技球の個数は2個とし、特定入賞口の賞球数を10個とすると、1分間に、約480個の賞球を得ることが可能となる。
即ち、小当たり3では、特別電動役物の作動を遊技球が特定入賞口に入賞することが可能となるように設定し、さらに、小当たり遊技において特定入賞口が開放されていない時間であるオープニング時間とエンディング時間とを短くすることで、小当たり遊技による特定入賞口の開放状態を小当たり2よりも頻繁に出現させることができる。よって、遊技者に対して多くの遊技球を獲得させることが可能となり、遊技の興趣を向上させるという効果がある。また、従来のように大当たり遊技が実行されることを待つといった遊技性に、別の遊技性(遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2に移行することを待つ遊技性)を加えることで、遊技者に多種多様な演出を提供することができ、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、図81を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図81(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。また、図81(b)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。
本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222は、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、第1実施形態に対して、有利期間フラグ223mと、有利情報格納エリア223nとが追加された点が相違し、その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
有利期間フラグ223mは、パチンコ機10の遊技状態が高確率遊技状態である間オンに設定されるフラグであって、遊技状態が高確率遊技状態になった場合にオンに設定され、遊技状態が低確率遊技状態になった場合にオフに設定されるものである。
有利情報格納エリア223nは、有利期間フラグ223mがオンに設定されている間(有利状態中)の遊技情報を格納するエリアである。遊技情報として、有利期間中に獲得した遊技球数や、有利期間中に当選した大当たり回数や小当たり回数が格納される。有利情報格納エリア223nに格納された情報は、有利期間フラグ223mがオフに設定されるとクリアされる。
上述した有利期間フラグ223mと有利情報格納エリア223nを用いて、高確率遊技継続中に遊技者が獲得した遊技球数を一時記憶することにより、潜伏確変遊技状態ST2中の表示画面に獲得媒体表示(図70参照)を表示することが可能となる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図82〜図86を参照して、第2実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
図82を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄変動停止処理2(S254)について説明する。図82は、この第1特別図柄変動停止処理2(S254)の内容を示したフローチャートである。第1特別図柄変動停止処理2(図82、S254)は、第1実施形態における第1特別図柄変動停止処理(図29、S204)に対して、S651の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S609の処理において、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の変動停止が実行された後には、S651の処理が実行される。S651の処理では、決定されている大当たり種別に対応する大当たり遊技の動作について規定された(特別電動役物作動テーブルによって決定された)大当たりシナリオ202iがROM202より選択され、大当たりシナリオ設定エリア203b2に設定される(S651)。
次に、図83を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理2(S257)について説明する。図83は、この第1特別図柄変動停止処理2(S257)の内容を示したフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理2(図83、S257)は、第1実施形態における第2特別図柄変動停止処理(図36、S207)に対して、S1051の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1009の処理において、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の変動停止が実行された後には、S1051の処理が実行される。S1051の処理では、決定されている大当たり種別に対応する大当たり遊技の動作について規定された大当たりシナリオ202iがROM202より選択され、大当たりシナリオ設定エリア203b2に設定される(S651)。
ここで、大当たりシナリオには、大当たり遊技における時間毎の動作が設定されている。大当たり遊技の開始が設定されると、大当たりシナリオに設定されているオープニング期間が経過した後に、大当たりシナリオに設定されている特定入賞口が開放されて設定される。その後、閉鎖条件(例えば、10球入賞するか、30秒の開放時間が経過するまで)が成立すると特定入賞口が閉鎖され、その後、大当たりシナリオに設定されているインターバル期間が経過した後に次の大当たりラウンドが開始され、特定入賞口の開放が設定される。
本第2実施形態では、大当たりとなった場合の遊技状態と大当たり種別とに対応して大当たりシナリオがそれぞれROM202に記憶されており、対応する大当たりシナリオが選択される。ここで、確変スイッチ65e3に遊技球が入球可能となる開放パターンで設定される大当たり種別であっても、オープニング期間やインターバル期間が可変させて設定されることで、確変スイッチ65e3に遊技球が入球できる大当たりと入球することが不可能となる大当たりとに設定することができる。これにより、大当たり遊技状態により、確変スイッチ65e3に入球可能となる大当たり種別をオープニング時間またはインターバル時間により規制することにより遊技状態毎の確変割合を可変して設定することが可能となる。
左流路PA1に遊技球を流下させて、第1始動口630に遊技球を入球させて遊技を行うことを通常の遊技方法と設定している通常遊技状態ST1では、右流路PA2に遊技球を流下させて遊技が行われると、第2普通電動役物640aが開放し易いので、遊技球を左流路PA1に遊技球を流下させて遊技を行う場合に第1始動口630に遊技球が入球するよりも第2始動口640へ容易に遊技球を入球させることができる。遊技者にとっては、通常遊技状態であっても右流路PA2に遊技球を流下させて遊技を行う方が、第2特別図柄における抽選機会をより多く得ることができ有利となる。しかしながら、本第2実施形態では、第2特別図柄で通常遊技状態に大当たりとなると、確変スイッチ65e3に入球可能となる開放パターンで開放される大当たり種別であっても、大当たりシナリオで設定されるインターバル期間により、遊技球が第1可変入賞装置65に到達する前に、特定入賞口65aの開放期間が終了してしまうように構成されているので、確変スイッチ65e3に遊技球を通過させることができず、確変が遊技者に付与されない、即ち、第2特別図柄の確変割合が0%に設定されている。よって、通常遊技状態ST1に右流路PA2に遊技球を流下させて遊技を行う不正が行われても、遊技店側の不利益を抑制できる。
同様に、各遊技状態において、設計上、遊技を行う流路(左流路PA1、右流路PA2)を設定しても、異なる流路で入球する入賞口における確変割合を遊技者に不利となるように大当たりシナリオにより設定することができる。
次に、図84を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される普通図柄変動処理2(S156)について説明する。図84は、この普通図柄変動処理2(S156)の内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理2(S156)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図41、S106)に対して、S1214〜S1215の処理が削除されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。なお、第1実施形態におけるS1214〜S1215の処理が削除されていることで、本実施形態では、遊技状態に関わらず、第2普通電動役物640aの開放時間と回数として1秒間が2回の開放パターンが設定される。よって、常時第2始動口640に入賞し易いサポート状態の開放パターンとなり、第2始動口640へ開放時に入賞させやすく設定できるように構成されている。
これにより、右流路PA2に遊技球を流下させて遊技を行う遊技状態(時短遊技状態ST1h、潜伏確変遊技状態ST2、確変遊技状態ST3)である場合に第2始動口640へ遊技球をより多く入賞させることができる。なお、本実施形態では、右流路PA2に遊技球を流下させると、第1始動口630には遊技球が左流路PA1に遊技球を流下させた場合よりも入賞し難くなる。よって、第2特別図柄を優先して変動させて遊技を行うことが可能となり、第2特別図柄で大当たりが遊技者に付与され易く設定できる。
次に、図85を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理2(S1720)について説明する。図85は、この大当たり制御処理2(S1720)の内容を示したフローチャートである。大当たり制御処理2(S1720)では、第1実施形態における大当たり制御処理(図46、S1604)に対して、S1621〜S1623までの処理がS1721〜S1724の処理に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行される。
S1721の処理では、大当たりシナリオが大当たりシナリオ設定エリア203b2に設定されているか判別する(S1721)。大当たりシナリオが設定されていると判別した場合には(S1721:Yes)、シナリオカウンタd2に1加算して更新する(S1722)。その後、S1723の処理を実行する。一方、S1721の処理において、大当たりシナリオが設定されていないと判別した場合には(S1721:No)、この処理を終了する。なお、大当たりシナリオには、シナリオカウンタに対応したデータがそれぞれ設定されており、現在のシナリオカウンタに対応する動作データが読み出されて制御される。
S1723の処理では、現在のシナリオカウンタに対応するデータがオープニングの開始を示すデータであるか判別する(S1723)。オープニングの開始を示すデータである場合には(S1723:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1724)。その後、この処理を終了する。一方、S1723の処理において、オープニングの開始でないと判別した場合には(S1723:No)、S1624の処理を実行する。
また、本第2実施形態の大当たり制御処理2(図85参照)では、S1631の処理において、大当たりの終了タイミング(エンディング演出の終了タイミング)であると判別した場合に(S1631:Yes)、第1実施形態における大当たり終了処理(図48参照)に代えて、大当たり終了処理2を実行し(S1732)、本処理を終了する。この大当たり終了処理2(S1732)は、大当たり終了処理(図48参照)と同様に、大当たり終了時の設定を行うための処理である。この大当たり終了処理2(S1732)の詳細については、図86を参照して後述する。
このように、本第2実施形態では、大当たりシナリオによりオープニングの開始や、新たなラウンドの開始タイミングが判別できるように構成されているので、容易に大当たり種別毎に、オープニング時間やインターバル時間を可変させて制御できる。
次に、図86を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり終了処理2(S1732)について説明する。図86は、この大当たり終了処理2(S1732)の内容を示したフローチャートである。大当たり終了処理2(図86、S1732)は、第1実施形態におけるエンディング処理(図48、S1632)に対して、S1655,S1656の処理がS1731〜S1733の処理に変更されている点で相違する。本第2実施形態では、確変遊技状態が付与される大当たりであっても、普通図柄の時短状態となる回数の上限が設定される大当たり種別が設定されているので、S1731の処理(時短カウンタ203tに100を設定する処理)のタイミングが変更されて設定されている。さらに、大当たりの終了の処理を設定する大当たり終了処理2(S1730)の最終処理で、大当たりシナリオ設定エリア203b2に設定されている大当たりシナリオが0クリアされてリセットされる。これにより、大当たり遊技中であるか否かを大当たりシナリオ設定エリア203b2により判別できる。
以上、説明をしたように、本第2実施形態によれば、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)と遊技状態(通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST1h、潜伏確変遊技状態ST2、確変遊技状態ST3)に基づいて大当たり遊技終了後に高確率遊技状態へ移行する割合を複数設定できるように構成したため、通常遊技状態ST1において実質変動対象ではない第2抽選遊技が行われた場合に高確率遊技状態へ移行する割合を極端に下げる(本実施形態では0%)ことが可能となる。このように構成することにより、適正ではない遊技(不正遊技)が行われたとしても遊技者にとって有利な状態(高確率遊技状態)へ移行しないため、本パチンコ機10を対象とする不正遊技を抑制することができるという効果がある。
なお、本第2実施形態では大当たり種別選択テーブル202dを用いて、特別図柄の種類と遊技状態とに基づいて大当たり種別を選択するよう構成したが、例えば、特別図柄の種類に基づく大当たり種別の選択と、遊技状態に基づくインターバル時間の選択とを別のテーブルを用いて行ってもよい。具体的には、大当たり種別選択テーブル202dでは、特別図柄の種類に基づいて大当たり種別を選択し、それとは別のテーブル(例えば、インターバル時間種別選択テーブル)を用いて、遊技状態に対応したインターバル時間を選択する。そして、選択された大当たり種別と、インターバル時間とを用いて大当たり制御を行うようにしてもよい。このように構成することにより、大当り種別の種類を削減することが可能となり、主制御装置110の容量を削減することができるという効果がある。
また、上述したインターバル時間種別選択テーブルでは、遊技状態とインターバル時間とを対応させている(ある特定の遊技状態の場合は特定のインターバル時間が必ず選択される)が、所定のカウンタ(例えば、インターバル時間種別カウンタ)のカウンタ値に基づいて複数のインターバル時間が選択できるように構成してもよい。このように構成することで、遊技性をより複雑にすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本第2実施形態は第1特別図柄と第2特別図柄との変動が同時に行われるパチンコ機(同時変動タイプ)を用いて説明を行ったが、それ以外のタイプの遊技機に採用してもよい。それ以外のタイプの遊技機としては、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とが始動口に入賞した順に変動を実行するタイプの遊技機や、一方の特別図柄の変動が他方の特別図柄の変動よりも優先して実行されるタイプの遊技機等がある。
さらに、第1始動口に遊技球が入賞することにより、当たりの抽選が行われ、その抽選結果が第1の結果であった場合に、第1の入賞口を入賞可能な状態に作動させる第1の特典遊技と、抽選結果が第2の結果であった場合に、第2の入賞口を入賞可能な状態に作動させる第2の特典遊技と、第2の特典遊技中に、第2の入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することにより、第1の入賞口を入賞可能な状態に作動させる第3の特典遊技とを備える遊技機(1種2種混合機)に用いてもよい。
本第2実施形態は、第2可変入賞装置650が閉状態の場合にのみ、球誘導経路72に遊技球が通過する構成であるが、第2可変入賞装置650が開状態の場合であっても、特定の経路を通過した遊技球が球誘導経路72を通過するよう構成してもよい。このように構成することにより、遊技盤13上の遊技球の球流れを複雑にすることができ、遊技者を楽しませることができるという効果がある。
また、球誘導経路72以外の特定の経路を通過した遊技球が第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞する構成としてもよい。このように構成することにより、遊技盤13上の遊技球の球流れを複雑にすることができ、遊技者を楽しませることができるという効果がある。
本第2実施形態によれば、遊技球の流下経路に2つの特定入賞口を設け、閉状態である上側(上流側)の特定入賞口を通過した遊技球が下側(下流側)の特定入賞口に到達可能に構成し、さらに、上側(上流側)の特定入賞口と下側(下流側)の特定入賞口との間に遊技球の流下時間を遅延させる遅延誘導経路を設けた遊技機において、遊技状態(通常、確変、潜伏、時短)に応じて特定インターバル期間t4(図67参照)の長さを変更することにより、下流側の特定入賞口に遊技球が到達するタイミングを変更可能に構成する。
このように構成することで、下流側の特定入賞口に入賞した遊技球が特定入賞口内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を通過するか否かを変更する。大当り遊技の終了後に移行する(設定される)遊技状態のモードを変更可能に構成している。第1可変入賞装置65の動作制御を変更することなく実質的にV通過可能な大当たり遊技とV通過不可能(困難)な大当たり遊技を提供することを可能にしている。よって、大当たり遊技中の主制御装置110の処理負担を軽減させることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では上述した第1実施形態にて説明したように特別図柄の種別(第1特別図柄と第2特別図柄)に応じて第1可変入賞装置65(切替部材65h)の動作制御(遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な動作制御と、通過不可能(困難)な動作制御)を設定し、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて特定インターバル期間t4の長さを設定するように構成しているため、実質的に確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり遊技の割合を複数設定することができ、遊技者に対して様々な遊技性を提供し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、特定インターバル期間t4を変更することによって、V有効期間内に遊技球が第1可変入賞装置65に入賞可能か否かを変更できるように構成しているが、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、遊技球が球誘導経路72を通過する際に要する時間である球誘導経路通過時間が切替わるように構成してもよい。また、V開放期間t5の値を変更することでV有効期間t6の値が変更されるよう構成してもよい。このような構成を用いたとしても本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では大当たり遊技中の5ラウンド目に第1可変入賞装置の第1特定入賞口65aが開状態になる場合を示したが、例えば1ラウンド目に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが開状態となる大当たり遊技の場合は、遊技状態に応じて変更する期間をオープニング期間t1とすればよい。このように構成することで、例えば、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも長く設定することで、大当たり遊技開始(オープニング期間t1の開始)に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65に入賞し、確変スイッチ65e3を通過可能にすることができる。一方、オープニング期間t1とV開放期間t5とを合算した時間を球誘導経路通過時間よりも短く設定することで、大当たり遊技開始に伴い右打ちされた遊技球が、V有効期間t6内に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞することを不可能(困難)にすることができる。
さらに、特定インターバル時間として異なる時間を設定可能にした場合、大当たり遊技中であって、特定インターバル期間以降の所定のインターバル期間の時間を、特定インターバル時間の差分を相殺するように設定し、大当り遊技におけるインターバル時間の合計を一致させるよう構成するとよい。このように構成することで、例えば、大当り遊技中において情報処理量が少ないインターバル期間を利用して行われる各処理に用いる時間を、統一することができ、安定した処理を実行することが可能となるという効果がある。
本実施形態では球誘導経路通過時間が所定の時間となる(遅延させる)よう、球誘導経路72(遅延誘導経路)を設けたが、本経路の入口(開口部70a)と出口(排出部70e)とに、遊技球の通過を検出する検出手段(センサ)を設け、所定時間内に遊技球が通過していることを判別(監視)する手段を設けてもよい。このような構成を用いることにより、球誘導経路72内で発生した球詰まりや、磁石や糸付球を用いて意図的に誘導経路内に遊技球を滞留させる不正行為を容易に発見することが可能となるという効果がある。
なお、本第2実施形態にて用いた第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650と、球誘導経路72(図65参照)とを、次のような遊技機に用いてもよい。即ち、大当たり遊技のラウンド数として第1ラウンド数(例えば12ラウンド)と第2ラウンド数(例えば15ラウンド)とを有し、1ラウンド目から12ラウンド目までは遊技盤13上側に設けた可変入賞装置(第2可変入賞装置650)が開放し、13ラウンド目から15ラウンド目までは遊技盤13下側に設けた可変入賞装置(第1可変入賞装置65)が開放する大当たり遊技が実行される遊技機に用いてもよい。
このような遊技機に本第2実施形態にて用いた第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650と、球誘導経路72とを用いることで、発射した遊技球を無駄にすることなく、且つ特定のラウンド間(12ラウンド目と13ラウンド目との間)の特定インターバル時間を用いて大当たり遊技中の演出を楽しませることができる。
具体的には、12ラウンド目の終了とともに、第2可変入賞装置650が閉鎖され、球誘導経路72に遊技球が流下する。球誘導経路72を遊技球が通過するために要する時間は3〜4秒に設定されているため(図65参照)、球誘導経路72の開口部70aを通過した遊技球が第1可変入賞装置65に到達するまでには少なくとも3秒を要する。
この、第1可変入賞装置65に遊技球が到達するまでに要する時間(到達時間)を用いてラウンド間の演出(今回の大当たり遊技が12ラウンド大当たりなのかそれとも15ラウンド大当たりなのかを煽る演出)を行うことで、右打ち遊技を継続していたとしても無駄な遊技球(大当たり中にも関わらず可変入賞装置の特定入賞口に入賞しない遊技球)を無くす(減らす)ことができるという効果がある。
つまり、仮に、上述した大当たり遊技中の演出について、可変入賞装置を1つ有する遊技機で実行した場合、特定インターバル時間中(可変入賞装置の特定入賞口が閉鎖中)に可変入賞装置を通過した遊技球は大当たり遊技中にも関わらず特定入賞口に入賞できず、無駄な遊技球となってしまう。また、無駄な遊技球を減らすために特定インターバル時間を短縮させてしまうと、特定ラウンド間で実行される演出(今回の大当たり遊技が12ラウンド大当たりなのかそれとも15ラウンド大当たりなのかを煽る演出)の効果が弱くなってしまうという問題が発生する。
それに対し、上述した大当たり遊技中の演出を本実施形態の構成を用いた遊技機で実行した場合、第2可変入賞装置650が閉鎖状態の場合に遊技球が流下可能となる球誘導経路72を遊技球が流下する時間(3〜4秒)を用いた特定インターバル時間中の演出が行われるため、大当たり中に発生する無駄球を抑制できるとともに、特定ラウンド間で実行される演出(今回の大当たり遊技が12ラウンド大当たりなのかそれとも15ラウンド大当たりなのかを煽る演出)の効果を強くすることができるという効果がある。
なお、特定ラウンド間のインターバル時間を、球誘導経路72を遊技球が流下する時間よりも短く設定すると、第2可変入賞装置650を通過した遊技球が第1可変入賞装置65に到達する前に、第1可変入賞装置65が開放状態となるため、無駄な遊技球が発生することを無くすことが可能となる。
なお、この場合の演出として、12ラウンド大当たりのエンディング期間に表示される表示データを流用し、15ラウンド大当たりの特定インターバル時間に表示させることが考えられる。このような演出を採用することにより、表示データ量を減らすことが可能となるとともに、遊技者に対して12ラウンド大当たりと思わせることが可能となり、13ラウンド目が開始された際に遊技者に驚きと喜びを提供することが出来るという効果がある。
また、球誘導経路72内に流下する遊技球を検知する検知手段を設け、その検知手段が特定インターバル期間中に遊技球を検知した場合に、今回の大当たりが15ラウンド大当たりである(大当たりがまだ続く)ことを報知するようにしてもよい。このように構成することにより、大当たり遊技中のインターバル期間に遊技球の発射を停止する行為を抑制することができるという効果がある。
さらに、上述した各実施形態の構成を組み合わせ、次のようにしてもよい。例えば、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650と、を並列に配置し、その間に、第2可変入賞装置650から第1可変入賞装置65に向けて遊技球を水平方向に蛇行するように誘導する誘導経路を設けた構成を、次のような遊技機に用いてもよい。即ち、大当たり遊技のラウンド数として第1ラウンド数(例えば12ラウンド)と第2ラウンド数(例えば15ラウンド)とを有し、1ラウンド目から12ラウンド目までは上流側に設けた可変入賞装置(第2可変入賞装置650)が開放し、13ラウンド目から15ラウンド目までは下流側に設けた可変入賞装置(第1可変入賞装置65)が開放する大当たり遊技が実行される遊技機に用いてもよい。
この構成では、上流側に設けた可変入賞装置が閉鎖状態となった場合に、遊技球が誘導経路を転動して下流側の可変入賞装置へと誘導される。この誘導経路は遊技球が通過するのに所定時間(インターバル期間以上の時間、例えば3秒)必要となるよう水平方向に蛇行するよう構成されている。上流側の可変入賞装置と下流側の可変入賞装置は、1回の大当たり遊技中に予め定められた順序で開放状態となるよう開放パターンが複数設定されており、大当たりの種別に応じて開放パターンが設定される。
そして、各可変入賞装置の開閉状況を表示手段にて表示可能に構成する。つまり、遊技者は、可変入賞装置が閉鎖している状況を、表示手段を確認することで把握可能に構成されている。しかし、その閉鎖状況が、インターバル期間(大当たり中)なのかエンディング期間(大当たり終了)なのかを判別できないように表示する。
このような構成を用いることで、例えば、上流側の可変入賞装置が閉鎖し、次に下流側の可変入賞装置が開放する場合のインターバル期間において、表示手段に可変入賞装置が閉鎖したことを示す演出(閉鎖演出)を表示手段にて表示することで、遊技者は大当たり遊技が終わったのか、それともまだ継続するのかを期待しながら遊技を行う。そして、インターバル期間が終了し、下流側の可変入賞装置が開放されると同時に、表示手段に可変入賞装置が開放したことを示す演出(開放演出)が表示手段に表示される。この開放演出が表示手段に表示されるタイミングでは、誘導経路を転動している遊技球が下流側の可変入賞装置に到達していないため(インターバル時間よりも誘導経路を通過するのに要する時間のほうが長いため)、閉鎖演出が実行されている間(上流側の可変入賞装置が閉鎖ししている間)に誘導経路を転動する遊技球を確実に下流側の可変入賞装置へ入賞させることが可能となる。よって、大当たり遊技における可変入賞装置の閉鎖を示す演出を実行しながらも、遊技球を無駄にすることを抑制することができるという効果がある。なお、このような構成を用いる場合、大当たり遊技における各可変入賞装置の開放パターンを複数種類用意するとよい。
以下に、第2実施形態の変形例1について、図87を参照して説明する。
<第2実施形態の変形例1>
本変形例1では、上述した第2実施形態に対して、大当たり種別選択テーブル202dの振り分け値を異ならせ、上述した第2実施形態とは異なる遊技性を提供するものである。具体的には後述するが、本変形例では通常遊技状態ST1にて大当たりに当選し、確変遊技状態ST3に移行した場合、大当たり遊技終了後所定期間の間(100回転の間)に限り、高確率遊技状態を維持したまま少なくとも2回は大当たりに当選する遊技性(所謂、2回ループ)を備えているものである。
図87は、本変形例における各種遊技状態が設定される流れを示した図である。本変形例1は上述した第2実施形態に対して、大当たり種別選択テーブル202dの振り分け値が相違している。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、通常遊技状態ST1中は、上述した第2実施形態と同一の振り分けであるため、その説明を省略する。つぎに、確変遊技状態ST3中における大当たりの振り分けを説明する。
確変遊技状態ST3中は実質変動対象が特図2に設定されており、特図2で大当りに当選した場合、100%の確率で高確率遊技状態(確変遊技状態ST3または潜伏確変遊技状態ST2)へと移行する。なお、この確変遊技状態ST3は大当たりに当選することなく、特別図柄の変動が100回を超えてしまうと、電サポが終了することにより、潜伏確変遊技状態ST2へと移行してしまうため、遊技者は確率変動遊技状態ST3に滞在している間(電サポが終了するまでの間)に、次の大当たりに当選させようと注目しながら遊技を行うこととなる。
つぎに、潜伏確変遊技状態ST2では、確変遊技状態ST3へ移行する引き戻し大当たりが34%、時短遊技状態ST1hへ移行(転落)する大当たりが66%となるように振分けが設定されている。
つぎに、時短遊技状態ST1hは、確変遊技状態ST3へ移行する引き戻し大当たりが75%、通常遊技状態ST1へ移行(転落)する大当たりが25%となるように振分けが設定されている。この時短遊技状態ST1hは、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動が100回を超えてしまうと、電サポが終了してしまい、通常遊技状態ST1へと移行してしまう。この間に大当たりに当選することで、同じ低確率状態である通常遊技状態ST1よりも高確率遊技状態である確変遊技状態ST3へ移行する割合が高くなるよう振分けが設定されている。
以上説明をしたように、本変形例1においては、低確率状態(通常遊技状態ST1)から一旦高確率遊技状態(確変遊技状態ST3)へ移行すると、所定期間内(大当たり後の特別図柄変動100回まで)のみ、その後高確率遊技状態を維持したまま2回の大当たりが保障される。よって、遊技者は低確率状態から高確率遊技状態へと移行したことだけに満足せず、その後、高確率遊技状態で行われる特別図柄遊技において所定期間内に大当たりに当選させるという目的を持ちながら遊技を継続することができる。よって、遊技の興趣を向上させることが可能となるという効果がある。
以下に、第2実施形態の変形例2について、図88を参照して説明する。
<第2実施形態の変形例2>
本変形例2では、上述した第2実施形態に対して、高確率遊技状態での遊技回数(変動回数)に上限回数(110回)を設け、且つ大当たり種別選択テーブル202dの振り分け値を異ならせ、上述した第2実施形態とは異なる遊技性を提供するものである。具体的には後述するが、本変形例では通常遊技状態ST1にて大当たりに当選し、確変遊技状態ST3に移行した場合、大当たり遊技終了後、所定期間を経過した後の特定期間(高確率遊技状態であって、且つ電サポが終了している潜伏確変遊技状態ST2の間)に限り、高確率遊技状態を維持したまま少なくとも2回は大当たりに当選する遊技性(所謂、2回ループ)を備えているものである。図88は、本変形例における各種遊技状態が設定される流れを示した図である。本変形例2は上述した第2実施形態に対して、大当たり種別選択テーブル202dの振り分け値が相違している。その他の構成については同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、通常遊技状態ST1中は、上述した第2実施形態と同一の振り分けであるため、その説明を省略する。つぎに、確変遊技状態ST3中における大当たりの振り分けを説明する。
本変形例2では高確率遊技状態は、大当たりに当選することなく特別図柄が110回変動した場合に低確率状態へと移行(転落)するよう設定されている。この確変遊技状態ST3では、実質変動対象が特図2に設定されており、特図2で大当りに当選した場合、70%の確率で確変遊技状態ST3が再度設定され、30%の確率で低確率状態へと移行する。この確変遊技状態ST3は大当たりに当選することなく、特別図柄の変動が100回を超えてしまうと、電サポが終了することにより、潜伏確変遊技状態ST2へと移行する。
つぎに、潜伏確変遊技状態ST2は、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が101回転目から開始され、高確率遊技状態が低確率状態へと移行(転落)してしまう110回転目までの間に実行される遊技状態である。この潜伏確変遊技状態ST2中に大当たりに当選した場合、100%の確率で高確率遊技状態(確変遊技状態ST3または潜伏確変遊技状態ST2)へと移行する。
つぎに、時短遊技状態ST1hは、確変遊技状態ST3へ移行する引き戻し大当たりが90%、通常遊技状態ST1へ移行(転落)する大当たりが10%となるように振分けが設定されている。この時短遊技状態ST1hは、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動が100回を超えてしまうと、電サポが終了してしまい、通常遊技状態ST1へと移行してしまう。この間に大当たりに当選することで、同じ低確率状態である通常遊技状態ST1よりも高確率遊技状態である確変遊技状態ST3へ移行する割合が高くなるよう振分けが設定されている。
以上説明をしたように、本変形例2においては、低確率状態(通常遊技状態ST1)から一旦高確率遊技状態(確変遊技状態ST3)へ移行し、その後、変動回数が所定回数(大当たり後の特別図柄変動100回まで)経過した後の特定期間(潜伏確変遊技状態ST2)のみ、その後高確率遊技状態を維持したまま2回の大当たりが保障される。よって、遊技者は低確率状態から高確率遊技状態へと移行したことだけに満足せず、その後、高確率遊技状態で行われる特別図柄遊技において所定期間内では当選することなく、所定期間経過後の特定期間中に大当たりに当選させるという目的を持ちながら遊技を継続することができる。よって、遊技の興趣を向上させることが可能となるという効果がある。
以下に、第2実施形態の変形例3について、図89を参照して説明する。
<第2実施形態の変形例3>
本変形例3は、上述した第2実施形態の遊技盤13の正面視右側領域に設けられた球誘導経路72に別の経路として短縮経路75を設けた点、及び流下する遊技球を球誘導経路72と短縮経路75とに振り分ける振分け機構75aと、短縮経路75を流下した遊技球を第1可変入賞装置65へ誘導する経路と、遊技盤13の正面視下側領域へと誘導する経路とに振り分ける振分け機構75bとを設けた点で相違する。その他の構成については、第2実施形態と同一の構成であり、その詳細な説明を省略する。
図89は、本変形例3の遊技盤13の正面視右側領域を拡大した拡大図である。本変形例では、閉状態である第2可変入賞装置650を通過した遊技球が、振分け機構75aによって、球誘導経路72と短縮経路75とに交互に振り分けられる。ここで、振分け機構75aは、時計回り、又は反時計回りに回動可能に構成されており、回動規制部材によって回動範囲(回動角度)が規制されるよう構成されている。球誘導経路72に振り分けられた遊技球は上述した第2実施形態と同一の経路を流下するため、その説明を省略する。
一方、短縮経路75は、球誘導経路72よりも球の軌跡が直線状になるように構成されており、少なくとも先に球誘導経路72に振り分けられた遊技球が排出部70eに到達するよりも早く短縮経路75から排出させるために、遊技球が短縮経路を通過する時間が2秒となるよう構成される。このように形状の異なる遊技球の流下経路を設け、振分け機構によって何れかの経路に遊技球を振り分けることで、遊技盤13上で意図的に遊技球の流下順序を異ならせることが可能となる(発射された順番と異なる順番で遊技盤13を流下させることが可能となる)。
このような構成を用いることで、例えば、特定インターバル期間において、最初に第2可変入賞装置650を通過した遊技球が短縮経路75に振り分けられた場合は、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な期間内に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへ入賞可能となり、一方、最初に第2可変入賞装置650を通過した遊技球が球誘導経路72に振り分けられた場合は、確変スイッチ65e3を遊技球が通過可能な期間内に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへ遊技球を入賞させることが不可能(困難)とすることが可能となる。
よって、確変スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かを、遊技球がどの経路を流下するかによって決定させることができるため、遊技者に対して自力で確変スイッチ65e3を通過させる遊技性を提供でき、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することが可能となるという効果がある。
さらに、本変形例では、短縮経路75を流下した遊技球を第1可変入賞装置65へ誘導する経路と、遊技盤13の正面視下側領域へと誘導する経路とに振り分ける振分け機構75bを設けている。これにより、短縮経路75を流下した遊技球が第1可変入賞装置65に誘導されるか否かを振り分けることが可能となる。よって、遊技盤上13上での遊技球の流下経路を更に複雑にすることができ、遊技者が遊技球の流れを楽しむことができる。
また、本変形例のように、所定の順序によって振り分け先が決定される振分け機構を用いたとしても、遊技球が確変スイッチ65e3を有する第1可変入賞装置65に到達するまでに、複数の振り分け機構によって複数の流下経路へと振り分けられるため、予め所定の振り分け先になるように、発射された遊技球を用いて各振分け機構の状態を設定することを困難にすることができる。
さらに、第1可変入賞装置65が閉状態である場合に、球誘導経路72を流下した遊技球が第1可変入賞装置65上を流下し、振分け機構75bに当接し、振分け機構75bの回動状態を変化させながら遊技盤下側に向けて流下していく。これにより、振分け機構75bの回動状態は常に変化することとなる。
なお、本変形例では短縮経路75を流下した遊技球のみが振分け機構75bに到達する構成を示したが、球誘導経路72を流下した遊技球も振分け機構75bに到達する構成としてもよい。また、球誘導経路72を流下した遊技球のみを振り分ける振分け機構75c(図示せず)を別途設けてもよい。このように構成することにより、さらに遊技球の流下経路を複雑にすることができ、遊技者が遊技球の流れを楽しむことができるとともに、例えば、閉状態である第2可変入賞装置650を通過した遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な期間に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞するかが決定されるパチンコ機に用いることで、遊技球がどの経路に振り分けられるのかによって確変遊技状態に突入する可能性を変更することができる。
また、複数の振り分け機構を、大当たり遊技中以外の右打ち遊技中に遊技球が流下する経路に設けているため、確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる遊技が行われる場合に各振分け機構の振り分け位置を予め調整することが困難となり、遊技結果をランダムにすることが可能になる。
なお、本変形例では、遊技球を2方向に振り分ける振分け機構を用いたが3方向以上に振り分ける振分け機構を用いてもよい。このように構成することで、遊技球の球流れをより複雑にすることが可能となり、遊技者を楽しませることができるという効果がある。
また、本変形例では、振分け機構として遊技球を物理的に振り分ける機構を用いているが、それ以外の構成でもよく、例えば、所定の領域を通過したことに基づいて抽選を行い、その抽選結果によって振分け方向を決定する手段を設けてもよい。
また、本変形例では、閉状態である第2可変入賞装置650を通過した遊技球が振分け機構75aに到達する構成としているが、第2可変入賞装置650よりも上流側(遊技球が第2可変入賞装置650に到達する前の領域)にて、振分け装置75aに到達するよう構成してもよい、この場合、振分け装置75aによって、所定の方向に振分けられた遊技球が第2可変入賞装置に向けて流下し、所定の方向以外の方向に振分けられた遊技球が別途特定の流下経路(例えば、短縮経路75または球誘導経路72)を通過し、特定の流下経路を通過した遊技球が振分け機構75bによって、第1可変入賞装置へ到達する遊技球経路と、それ以外の経路とに振り分けられるよう構成してもよい。このように構成することで、振分け機構75aによって第2可変入賞装置650方向以外に振分けられた遊技球を、振分け機構75bによって第1可変入賞装置65側へ到達させることを可能とすることができる。
このように構成することで、開状態の第2可変入賞装置650に入賞しなかった遊技球が、開状態の第1可変入賞装置65に入賞可能に振り分けられる場合があり、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
なお、大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開状態となるタイミングを遊技者に報知しないよう構成することで、遊技者が遊技盤上での遊技球の動きと、各可変入賞装置の開閉状況とを見ながら遊技を楽しむことができるという効果がある。
<第3実施形態>
次いで、図90〜図100を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、有利度合いの異なる4つの遊技状態を設ける構成とし、大当たり等を契機として各遊技状態間を行き来する構成としていた。そして、最も有利な潜伏確変遊技状態ST2では、大当たりになった場合にのみ他の遊技状態へと移行する構成とし、且つ、大当たりとなった場合でも、90%の割合で、大当たり後に再度、潜伏確変遊技状態ST2が設定される(潜伏確変遊技状態ST2をループする)構成としていた。また、潜伏確変遊技状態ST2から他の遊技状態へと移行する場合は、基本的に遊技者にとって比較的有利な確変遊技状態ST3へと移行する構成としていた。これにより、一旦潜伏確変遊技状態ST2へと移行させることができれば、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、多くの賞球を獲得し易い小当たり3が設定される状態と、多量の賞球を獲得し得る大当たりとが90%の割合で繰り返されるので、遊技者にとって極めて有利となる。よって、有利な潜伏確変状態ST2へと移行させることを一つの目標に遊技を行わせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、潜伏確変遊技状態ST3へと移行した場合には、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、上述した第2実施形態では、遊技者にとって最も有利な潜伏確変遊技状態ST2となった場合に、第3図柄表示装置81の表示態様を、屋上モードの表示態様(図70、図71参照)に設定する構成とし、屋上に設置されている宝箱の中身によって抽選結果を報知する構成としていた。即ち、宝箱の中身がお宝であれば、特別図柄の抽選結果が小当たりであることを示し、宝箱の中身が怪獣であれば、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す構成としていた。これにより、遊技者に分かり易い演出を提供することができていた。
これに加えて本第3実施形態では、屋上モードにおいて宝箱から怪獣が出現した場合に、その怪獣とバトルする演出の実行中に、バトルの期待度を示唆するための興趣演出の一種として、枠ボタン22を連続して押下することを促す演出(連打演出)を実行可能に構成している。この連打演出では、遊技者が枠ボタン22を押下した回数に応じて表示態様を可変させていく演出が実行される。そして、怪獣に勝利する期待度が高い程、表示態様が可変され易くなるように制御を行っている。このように構成することで、連打演出の期待度を知りたい遊技者に対して、枠ボタン22を積極的に操作させることができる。
また、本実施形態における連打演出では、遊技者が枠ボタン22を押下する間隔を監視し、押下間隔に応じて枠ボタン22を押下したことに対する押下音を異ならせる構成としている。このように構成することで、表示態様を変えずに演出のバリエーションを多様化することができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図90、および図91を参照して、本第3実施形態における連打演出について説明する。上述した通り、連打演出は、屋上モードにおいて宝箱から怪獣が出現する演出により大当たりとなった場合(図71参照)に、出現した怪獣とのバトル中に実行される可能性がある演出である。
図90(a)は、怪獣とのバトルが開始された時点における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図90(a)に示した通り、大当たりが開始されると共にバトルが開始されると、第3図柄表示装置81において、剣と盾を所持した男性のキャラクタと、怪獣とがにらみ合う態様が表示される。また、男性のキャラクタと、怪獣との上方には、「敵に勝利しろ!!」という文字が表示されると共に、下方には、「勝利すれば屋上モード継続!!」という文字が表示される。これらの文字により、怪獣に勝利すれば、大当たり後に再度「屋上モード」(潜伏確変遊技状態ST2)が設定されることを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、バトルの推移により興味を抱かせることができる。
なお、バトル演出では、男性のキャラクタが怪獣に対して攻撃を行う演出や、逆に、怪獣が男性に対して攻撃を仕掛ける演出等の様々な演出が実行される。このバトルにおいて、最終的に男性のキャラクタが怪獣を倒すことができれば、大当たり後に「屋上モード」へと再突入することを示し、怪獣の攻撃に屈して逃走した場合は、大当たり終了後に「塔探索モード(1F)」へと移行することを示す。また、屋上モード中に左打ちを行って第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、且つ、「V不可」のV動作が設定される大当たりに当選した場合や、大当たり中に遊技者が球を打ち出さなかった場合等、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった際は、男性のキャラクタが怪獣に敗北する演出が実行される。これらの演出により、大当たりが終了した後の遊技状態(モード)を遊技者に対して明確に理解させることができる。
図90(b)は、連打演出が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。バトル演出中に連打演出を行うか否かは、「屋上モード」における大当たりの開始時に判定される。詳細については後述するが、連打演出は、大当たりの終了後に「塔探索モード(1F)」が設定される場合よりも、「屋上モード」が再設定される場合の方が実行される割合が高くなるように構成されている。これにより、連打演出が発生した場合に、「屋上モード」が再設定されることを遊技者に対して期待させることができる。
図90(b)に示した通り、連打演出が開始されると、男性のキャラクタの持つ剣がオーラを纏った態様に変化する。また、男性の上方には、「連打で気合いを入れろ!!」という文字が出現すると共に、その文字が表示された表示領域の下方に、枠ボタン22を模した画像が表示される。これらの文字と画像によって、遊技者に対して枠ボタン22を連打すればよいことを容易に理解させることができる。また、枠ボタン22を模した画像の下方には、「気合いLv1」という文字が付された表示領域が出現する。詳細については後述するが、この気合いLvは、遊技者が枠ボタン22を連打した(操作した)回数に応じて数値が上昇していく可能性がある。なお、気合いLvが上昇すると共に、キャラクタが持つ件のオーラの量も増大していく演出が実行される。これにより、キャラクタの攻撃力が連打回数に準じてアップしていくことを、遊技者に対して容易に認識させることができる。よって、より積極的に枠ボタン22を連打(操作)させることができる。
次に、遊技者が行う連打の間隔に応じた演出態様について、図91(a)および図91(b)を参照して説明する。図91(a)は、連打の間隔が短い(2秒間に5回以上)ことが検出されている状態において、気合いLvが上昇した場合における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図91(a)に示した通り、気合いLvがLv1からLv2にアップすると、男性の持つ剣が纏うオーラが全体的に多くなると共に、男性のキャラクタの右側に表示された表示領域内の文字が、「気合いLv2」に更新される。なお、遊技者の連打回数に応じて、更に高いLvに移行する場合は、Lvに比例してオーラの量が増大していく態様の演出が実行される。
また、連打の間隔が比較的短い場合には、図91(a)に示した通り、枠ボタン22の押下を検出する毎に、「ダ」という比較的短い押下音(効果音)が出力される。これにより、遊技者が枠ボタン22を連打すると、「ダダダダ・・・」という音として出力される。連打間隔が短い場合に、比較的短い音声を押下音として出力することにより、押下音の出力が終わらないうちに枠ボタン22の新たな操作が検出される可能性を低減し、遊技者が枠ボタン22を押下(操作)する毎に、押下音を出力することができる。
図91(b)は、枠ボタン22の押下間隔が比較的長い(2秒間に2回以下)ことが検出されている状態において、気合いLvが上昇した場合における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図91(b)に示した通り、連打の間隔が比較的長い状態で気合いLvが上昇すると、オーラが剣先に集中すると共に、男性のキャラクタの右側に表示された表示領域内の文字が、「気合いLv2」に更新される。なお、遊技者の連打回数に応じて、更に高いLvに移行する場合は、Lvに比例して剣先に集中したオーラの量が増大していく態様の演出が実行される。
また、連打の間隔が比較的長い場合には、図91(b)に示した通り、枠ボタン22の押下を検出する毎に、「ドンッ」という比較的長い押下音が出力される。これにより、遊技者が枠ボタン22を連打すると、「ドンッドンッドンッ・・・」という音として出力される。連打の間隔が長い場合には、長い押下音に設定したとしても、押下音の出力中に新たな操作を検出する可能性が低くなる。よって、遊技者の連打間隔に応じた長さの押下音を設定することができるので、演出効果を高めることができる。
なお、図示については省略したが、連打演出が終了すると、怪獣に対して演出終了時点でのオーラの態様(気合いLv)に応じた攻撃を行う。気合いLvが高いほど、怪獣に攻撃が当たった場合に与えるダメージが大きくなるので、怪獣を倒し易くなる。よって、連打演出が発生した場合に、気合いLvを上昇させるために遊技者に枠ボタン22を積極的に操作させることができる。
また、本第3実施形態では、連打演出時における枠ボタン22の押下に対する押下音に、通常の音声出力パターンと、チャンスアップパターンとの2種類が設けられている。通常の音声出力パターンは、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、タイムラグなく出力されるのに対し、チャンスアップパターンでは、枠ボタン22に対する押下を検出してから所定期間(例えば、0.1秒間)遅れて押下音が出力される。これにより、押下操作のタイミングと押下音が出力されるタイミングとをずらすことができるので、遊技者に対して通常とは異なる演出が行われていることを容易に認識させることができる。
この通常のパターンと、チャンスアップパターンとについて、図92を参照して詳しく説明する。図92(a)は、通常の押下音のパターンが設定された連打演出における、遊技者の押下タイミングと押下音の出力期間との計時変化を示した図である。図92(a)に示した通り、通常の音声出力パターンが設定されている場合には、押下を検出すると、即座に70%の音量の押下音が出力される。これにより、枠ボタン22の押下に連動させて押下音を出力することができるので、演出効果を高めることができる。また、押下音の出力中に押下を検出した場合には、新たな押下音を出力させない構成としている。これにより、押下音が重ねて出力されることを防止(抑制)できる。
図92(b)は、チャンスアップパターンが設定された連打演出における、遊技者の押下タイミングと押下音の出力期間との計時変化を示した図である。図92(b)に示した通り、チャンスアップパターンの連打演出が設定されている場合には、押下を検出すると、0.1秒間のタイムラグ後に押下音が出力される。これにより、押下操作のタイミングと押下音が出力されるタイミングとをずらすことができるので、遊技者に対して通常とは異なる演出が行われていることを容易に認識させることができる。また、通常のパターンと同様に、押下音の出力中に押下を検出した場合には、新たな押下音を出力させない構成としている。これにより、押下音が重ねて出力されることを防止(抑制)できる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次いで、図93〜図95を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図93(a)を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成について説明する。図93(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。
図93(a)に示した通り、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第1および第2実施形態におけるROM222の構成(図21(a)参照)に対して、連打演出選択テーブル222bと、押下音選択テーブル222bと、ランクアップ回数選択テーブル222dとが追加されている点で相違する。
連打演出選択テーブル222bは、連打演出を実行するか否か、および連打演出を実行する場合における連打演出の演出種別を判定するために用いるデータテーブルである。この連打演出選択テーブル222bの詳細について、図94(a)を参照して説明する。
図94(a)に示した通り、この連打演出選択テーブル222bは、演出カウンタ223jの値の範囲毎に、連打演出の演出種別が対応付けて規定されている。また、この連打演出選択テーブル222bは、大当たり種別が大当たりE(大当たり後が「塔探索モード(1F)」)用のテーブルと、大当たり種別が大当たりF(大当たり後が「屋上モード」)用のテーブルとが設けられている。
大当たり種別が大当たりEの場合は、演出カウンタ223jの値が「0〜49」の範囲に対して演出種別として「連打演出無し」が対応付けて規定されている。このため、大当たりEの開始時に実行される連打演出の実行可否の判定において、演出カウンタ223jの値が「0〜49」の範囲内であれば、その大当たりEで実行されるバトル演出では、連打演出が実行されない。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「連打演出無し」が選択される乱数値(カウンタ値)が50個設定されているので、「屋上モード」で大当たりEとなった場合に、大当たり中のバトル演出で連打演出が実行されない割合は50%(50/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「50〜79」の範囲に対しては、演出種別として「通常A」が対応付けて規定されている。ここで、「通常A」は、通常の態様の連打演出のうち、Lvがアップするまでの規定回数(枠ボタン22の押下回数)が最も多い(Lvが上昇し難い)連打演出である。また、遊技者がどれだけ連打したとしても、Lv4までしか上昇することがない(LvがMAXに到達しない)。上述した通り、Lvが上昇するほど男性のキャラクタの攻撃力が増加し、怪獣を倒す期待度が高くなるので、Lvが上がり難い「通常A」は、怪獣を倒す期待度が最も低い演出である。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「通常A」が選択される乱数値(カウンタ値)が30個設定されているので、「屋上モード」で大当たりEとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「通常A」の連打演出が実行される割合は30%(30/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「80〜94」の範囲に対しては、演出種別として「通常B」が対応付けて規定されている。ここで、「通常B」は、通常の態様の連打演出のうち、Lvがアップするまでの規定回数(枠ボタン22の押下回数)が「通常A」に比較して少ない(「通常A」よりも怪獣を倒す期待度が高い)連打演出である。また、「通常A」と同様に、LvがMAXまで到達することがない。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「通常B」が選択される乱数値(カウンタ値)が15個設定されているので、「屋上モード」で大当たりEとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「通常B」の連打演出が実行される割合は15%(15/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「95〜99」の範囲に対しては、演出種別として「チャンスアップA」が対応付けて規定されている。ここで、「チャンスアップA」は、チャンスアップパターンが設定される連打演出のうち、Lvがアップするまでの規定回数(枠ボタン22の押下回数)が、後述する「チャンスアップB」に比較して多い連打演出である。また、「通常A」や「通常B」と同様に、LvがMAXまで到達することがない連打演出である。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「チャンスアップA」が選択される乱数値(カウンタ値)が5個設定されているので、「屋上モード」で大当たりEとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「チャンスアップA」の連打演出が実行される割合は5%(5/100)である。
大当たり種別が大当たりFの場合は、演出カウンタ223jの値が「0〜24」の範囲に対して演出種別として「連打演出無し」が対応付けて規定されている。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「連打演出無し」が選択される乱数値(カウンタ値)が25個設定されているので、「屋上モード」で大当たりFとなった場合に、大当たり中のバトル演出で連打演出が実行されない割合は25%(25/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「25〜39」の範囲に対しては、演出種別として「通常A」が対応付けて規定されている。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「通常A」が選択される乱数値(カウンタ値)が15個設定されているので、「屋上モード」で大当たりFとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「通常A」の連打演出が実行される割合は15%(15/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「40〜74」の範囲に対しては、演出種別として「通常B」が対応付けて規定されている。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「通常B」が選択される乱数値(カウンタ値)が35個設定されているので、「屋上モード」で大当たりEとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「通常B」の連打演出が実行される割合は35%(35/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「75〜79」の範囲に対しては、演出種別として「通常C」が対応付けて規定されている。この「通常C」は、Lv1〜Lv3において、Lvの上昇し易さが「通常B」と同等であり、且つ、Lv4から最高Lv(MAX)に上昇する可能性がある連打演出である。連打演出においてLvがMAXになる可能性があるのは、大当たりFの場合に選択される「通常C」、および「チャンスアップB」のみであるので、連打演出において気合いLvがMAXまで上昇した時点で、バトルの結果を確認するよりも前に、今回の大当たりが大当たりFであることを遊技者に察知させることができる。よって、バトルの結果が出るよりも早く、「屋上モード」が継続することを認識させることができるので、遊技者に対して残りのバトル演出を安心して確認させることができる。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「通常C」が選択される乱数値(カウンタ値)が5個設定されているので、「屋上モード」で大当たりFとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「通常C」の連打演出が実行される割合は5%(5/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「80〜97」の範囲に対しては、演出種別として「チャンスアップA」が対応付けて規定されている。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「チャンスアップA」が選択される乱数値(カウンタ値)が13個設定されているので、「屋上モード」で大当たりFとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「チャンスアップA」の連打演出が実行される割合は13%(13/100)である。
また、演出カウンタ223jの値が「98,99」の範囲に対しては、演出種別として「チャンスアップB」が対応付けて規定されている。この「チャンスアップB」は、Lv1〜Lv3において、Lvの上昇し易さが「チャンスアップA」と同等であり、且つ、Lv4から最高Lv(MAX)に上昇する可能性がある連打演出である。演出カウンタ223jの値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「チャンスアップB」が選択される乱数値(カウンタ値)が2個設定されているので、「屋上モード」で大当たりFとなった場合に、大当たり中のバトル演出で「チャンスアップA」の連打演出が実行される割合は2%(2/100)である。
このように、大当たりFの場合は、大当たりEに比較して「連打演出無し」が選択される割合が低く(50%→25%)なる構成としている。よって、連打演出が発生した時点で、大当たりF(屋上モードが継続する)期待感を遊技者に抱かせることができる。また、大当たりFの方が「通常A」が選択される割合が低くなると共に、「通常B」や「チャンスアップA」が選択される割合が高くなるので、Lvが上昇し易いと感じたり、枠ボタン22に対する押下に対して押下音が遅れたと感じた場合には、「通常A」でない可能性が高いと判別できるので、遊技者に対して「屋上モード」が継続することに対する期待感を抱かせることができる。
また、大当たりFになると、大当たりEでは選択されない「通常C」や、「チャンスアップB」が選択される可能性がある。これらの「通常C」、または「チャンスアップB」が選択されタ場合にのみ、連打演出において気合いLvがMAXまで上昇する可能性がある。よって、遊技者が連打を行った結果、気合いLvがMAXに上昇した場合は、その時点で大当たりFである(大当たり後に「屋上モード」に再突入する)ことが確定するので、遊技者を喜ばせることができる。このように、大当たりEであるか、大当たりFであるかに応じて選択される演出種別の振り分けを異ならせているので、演出の態様やLvの上昇具合等から、大当たりFであるか否かを予測させることができる。よって、連打演出中に積極的に連打を行いたいと遊技者に思わせることができるので、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
図93(a)に戻って説明を続ける。押下音選択テーブル222cは、枠ボタン22を押下した際に出力する押下音を選択するために用いるデータテーブルである。この押下音選択テーブル222cの詳細について、図94(b)を参照して説明する。図94(b)は、押下音選択テーブル222cの規定内容を示した図である。
図94(b)に示した通り、押下音選択テーブル222cには、連打演出の演出種別、および連打間隔毎に、押下音の種別が対応付けて規定されている。ここで、詳細については後述するが、連打間隔とは、遊技者が連打演出中に枠ボタン22を押下した間隔を意味し、連打間隔格納エリア223pに格納されたデータ(01H〜03H)によって示される。「01H」が最も短い連打間隔に対応するデータであり、03Hが最も長い連打間隔に対応するデータである。
通常のパターンの連打演出(通常A〜Cのいずれか)が実行されている場合には、連打間隔が「01H」(最も短い連打間隔)の場合に、押下音として「短間隔遅延無し」(図91(a)参照)が選択される。また、連打間隔が「02H」(中間の連打間隔)の場合には、押下音として「通常間隔遅延無し」が選択され、連打間隔が「03H」(最も長い連打間隔)の場合に、押下音として「長間隔遅延無し」(図91(b)参照)が選択される。
一方、チャンスアップパターンの連打演出(チャンスアップA,Cのいずれか)が実行されている場合には、連打間隔が「01H」(最も短い連打間隔)の場合に、押下音として「短間隔遅延有り」が選択され、連打間隔が「02H」(中間の連打間隔)の場合には、押下音として「通常間隔遅延有り」が選択され、連打間隔が「03H」(最も長い連打間隔)の場合に、押下音として「長間隔遅延有り」が選択される。これによりチャンスアップパターンの場合は、枠ボタン22の押下と押下音の発生タイミングとをずらすことができるので、チャンスアップパターンであることを遊技者に対して容易に認識させることができる。
図93(a)に戻って説明を続ける。ランクアップ回数選択テーブル222dは、連打演出の実行中において、次のLvにアップするまでの押下回数を、演出種別、および連打間隔毎に規定したデータテーブルである。このランクアップ回数選択テーブル222dの詳細について、図95を参照して説明する。図95は、このランクアップ回数テーブル222dの規定内容を示した図である。
図95に示した通り、このランクアップ回数選択テーブル222dには、各Lvから次のLvへとランクアップするまでの枠ボタン22の押下回数が、演出種別、および連打間隔毎に規定されている。具体的には、演出種別が「通常A」で、連打間隔が「01H」(最も短い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として20回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として20回が対応付けて規定されている。これらに対し、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。このため、Lv4でどれだけの回数、遊技者が枠ボタン22を押下したとしても、ランクアップは発生しない。
また、演出種別が「通常A」で、連打間隔が「02H」(中間の間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として15回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として15回が対応付けて規定されている。一方、連打間隔が「01H」の場合と同様に、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。
また、演出種別が「通常A」で、連打間隔が「03H」(最も長い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として5回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定されている。一方、連打間隔が「01H,02H」の場合と同様に、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。
このように、同じ演出種別でも、連打間隔に応じてランクアップが発生するまでの連打回数を異ならせ、連打間隔が短いほど、ランクアップに要する連打の回数が多くなる構成としている。このように構成することで、枠ボタン22を高速で連打することが苦手な遊技者には、少ない連打回数でランクアップさせることができるし、連打が得意な遊技者には、多い連打回数でランクアップさせることができるので、演出の発展度合い(ランクアップ)を遊技者の技量に合わせることができる。よって、遊技者によらず、ランクアップの機会を公平に与えることができる。
演出種別が「通常B」で、連打間隔が「01H」(最も短い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として15回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として15回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。
また、演出種別が「通常B」で、連打間隔が「02H」(中間の間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。
また、演出種別が「通常B」で、連打間隔が「03H」(最も長い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として5回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXのLvにランクアップする回数は規定されていない。
このように、演出種別が「通常B」の場合には、「通常A」に比較してランクアップするための連打回数が少なく設定されているので、ランクアップし易くなっている。これにより、ランクアップのし易さから今回の連打演出の演出種別を予測させることができる。上述した通り、「通常A」よりも、「通常B」の方が大当たりFで選択される割合が高いので、ランクアップまでの回数が少なければ、「屋上モード」が継続する期待感を高めることができる。
演出種別が「通常C」で、連打間隔が「01H」(最も短い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として15回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として15回が対応付けて規定され、Lv4からMAXのLvにランクアップするための連打回数として30回が規定されている。
また、演出種別が「通常C」で、連打間隔が「02H」(中間の間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として10回が対応付けて規定され、Lv4からMAXのLvにランクアップするための連打回数として20回が規定されている。
また、演出種別が「通常C」で、連打間隔が「03H」(最も長い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として5回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv4からMAXのLvにランクアップするための連打回数として15回が規定されている。
このように、連打演出の演出種別が「通常C」の場合には、連打回数に応じてMAXのLvまでランクアップ可能な構成としている。上述した通り、LvがMAXまでランクアップする可能性があるのは、大当たりFの場合のみであるので、LvがMAXまでランクアップした時点で、大当たりFであることが確定する。よって、遊技者に対して安心して残りのバトル演出を確認させることができる。
演出種別が「チャンスアップA」で、連打間隔が「01H」(最も短い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として12回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として12回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXのLvにランクアップするための回数は規定されていない。
また、演出種別が「チャンスアップA」で、連打間隔が「02H」(中間の間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として6回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXのLvにランクアップするための回数は規定されていない。
また、演出種別が「チャンスアップA」で、連打間隔が「03H」(最も長い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として4回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として6回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として6回が対応付けて規定されている。一方、Lv4からMAXにランクアップするための回数は規定されていない。
このように、チャンスアップAでは、枠ボタン22の押下タイミングと、押下音の出力タイミングとがずれる上に、ランクアップに要する連打回数が通常A〜Cよりも少なく設定されている。これにより、ランクアップまでの押下回数や、押下音の発生タイミング等によりチャンスアップであるか否かを予測させることができる。
演出種別が「チャンスアップB」で、連打間隔が「01H」(最も短い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として12回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として12回が対応付けて規定され、Lv4からMAXにランクアップするための連打回数として20回が規定されている。
また、演出種別が「チャンスアップB」で、連打間隔が「02H」(中間の間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として6回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として8回が対応付けて規定され、Lv4からMAXにランクアップするための連打回数として15回が規定されている。
また、演出種別が「チャンスアップB」で、連打間隔が「03H」(最も長い間隔)の場合、Lv1からLv2にランクアップするための連打回数として4回が対応付けて規定され、Lv2からLv3にランクするための連打回数として6回が対応付けて規定され、Lv3からLv4にランクアップするための連打回数として6回が対応付けて規定され、Lv4からMAXのLvにランクアップするための連打回数として10回が規定されている。
このように、連打演出の演出種別が「チャンスアップB」の場合には、連打回数に応じてMAXのLvまでランクアップ可能な構成としている。上述した通り、LvがMAXまでランクアップする可能性があるのは、大当たりFの場合のみであるので、LvがMAXまでランクアップした時点で、大当たりFであることが確定する。よって、遊技者に対して安心して残りのバトル演出を確認させることができる。
次に、図93(b)を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図93(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図93(b)に示した通り、本第3実施形態におけるRAM223は、第1、および第2実施形態におけるRAM223の構成に対して、連打間隔格納エリア223pと、押下回数カウンタ223qと、基準回数格納エリア223rと、レベルカウンタ223sと、音出力フラグ223tと、背面種別選択フラグ223yとが設けられている点で相違する。
連打間隔格納エリア223pは、上述した通り、連打演出において遊技者が行った連打の間隔に応じたデータが格納される記憶領域である。具体的には、連打間隔格納エリア223pに格納されたデータが「01H」であれば、連打間隔が短いこと(2秒間に5回以上連打していること)を示し、「02H」であれば、連打間隔が通常であること(2秒間に3回又は4回連打していること)を示し、「03H」であれば、連打間隔が長いこと(2秒間当たりの連打回数が2回以下であること)を示す。この連打間隔格納エリア223pに格納されたデータによって、押下音の種別やランクアップ回数が選択される。この連打間隔格納エリア223pのデータは、連打演出において2秒が経過する毎に、その2秒間に遊技者が枠ボタン22を押下した回数に応じて更新される(図98のS2911参照)。
押下回数カウンタ223qは、1の連打演出において遊技者が枠ボタン22を押下(操作)した回数をカウントするためのカウンタである。この押下回数カウンタ223qは、初期値が0に設定されており、連打演出の開始時にも0にリセットされる(図98のS2903参照)。そして、連打演出中に枠ボタン22の押下を検出する毎に、その値に1が加算される(図97のS2806参照)。この連打回数カウンタ223qの値と、後述する基準回数格納エリア223rに格納された基準回数とに基づいて、各Lvにおけるランクアップの可否が判定される。
基準回数格納エリア223rは、ランクアップするか否かの判断の基準となる回数が格納される記憶領域である。この基準回数格納エリア223rは、初期値として0回が設定されており、連打演出の開始時にも0回にリセットされる(図98のS2903参照)。そして、ランクアップが発生する毎に、その時点の押下回数カウンタ223qの値が格納される。ランクアップか否かを判定する際には、押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納された基準回数との差分により、現在のLvになってからの枠ボタン22の押下回数を判定し、ランクアップ回数選択テーブル222dとの比較によりランクアップの可否を判定する。
レベルカウンタ223sは、現在の気合いLvに応じて値が更新されるカウンタである。このレベルカウンタ223sは、初期値が0に設定されており、連打演出においてランクアップが発生する毎に値が1ずつ加算される(図97のS2812参照)。このレベルカウンタ223sの値によって現在のLvを判断することができる。
音出力フラグ223tは、連打演出において押下音の出力中であるか否かを示すフラグである。この音出力フラグ223tがオンの間は、枠ボタン22が押下されても押下音の出力が回避される。これにより、枠ボタン22の押下間隔が短い場合にも、押下音が競合することを防止(抑制)できるので、常に押下音を正常に出力することができる。
背面種別カウンタ223yは、背面種別に対応する値が格納されるカウンタである。本実施形態では、枠ボタン22に対する操作を検出する毎に、第3図柄表示装置81の背面に表示される背面画像を変更することが可能に構成されている。背面種別カウンタ223yは、枠ボタン22の押下を検出した際に、変更後の背面種別を特定するために用いられる。この背面種別カウンタ223yは、背面種別を変更可能な期間に枠ボタン22に対する操作を検出する毎に、値が1ずつ更新される。なお、背面種別カウンタ223yの値が最大値(例えば、3)の状態で更に更新された場合は、値が0に戻る構成となっている。これにより、予め定めた個数の背面種別を、枠ボタン22が遊技者によって押下される毎に、順番に切り替えることができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図96〜図100を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。なお、第1、および第2実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
まず、図96を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理3について説明する。このメイン処理3(図96参照)は、メイン処理(図53参照)に代えて実行される処理である。図96は、このメイン処理3の内容を示したフローチャートである。本実施形態におけるメイン処理3(図96参照)は、第1実施形態におけるメイン処理(図53参照)に対して、S2121〜S2123の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
メイン処理3(図96参照)では、S2106の処理において、保留個数表示更新処理を実行した後、操作入力監視・演出処理(図53のS2107)に代えて、枠ボタン22に対する操作を監視して、押下タイミングに対応する演出を設定するための操作入力監視・演出処理3を実行する(S2121)。この操作入力監視・演出処理3の詳細については、図97を参照して後述する。
次に、上述したメイン処理(図53参照)と同様に、S2108〜2110の処理を実行した後で、連打演出に関連する各種制御を行う連打演出制御処理を実行する(S2122)。この連打演出制御処理の詳細については、図98を参照して後述する。
連打演出制御処理(S2122)が終了するか、または、S2101の処理において、前回のS2101の処理から1ミリ秒が経過していないと判別された場合は(S2101:No)、メイン処理におけるコマンド判定処理(図53のS2111参照)に代えて、コマンド判定処理3を実行する(S2123)。このコマンド判定処理3の詳細については、図99を参照して後述する。また、コマンド判定処理3(S2123)の終了後は、S2112以降の処理へと移行する。
次に、図97を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理3(図96参照)内の一処理である操作入力監視・演出処理3(S2121)について説明する。図97は、この操作入力監視・演出処理3の内容を示したフローチャートである。
この操作入力監視・演出処理3(S2121)が開始されると、まず、枠ボタン22の押下を検出したか判別し(S2801)、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(S2801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2801の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S2801:Yes)、次に、現在が背面種別の変更禁止期間であるかを判別する(S2802)。ここで、背面種別の変更禁止期間とは、枠ボタン22を押下しても、背面画像の変更が禁止される期間であり、例えば、大当たり状態中や、連打演出の実行中等が挙げられる。S2802の処理において、現在が背面種別の変更禁止期間ではないと判別した場合は(S2802:No)、背面種別カウンタ223yの値を更新し(S2803)、更新後のカウンタ値に対応する背面種別を設定して(S2804)、本処理を終了する。
一方、S2802の処理において、現在が背面種別の変更禁止期間であると判別した場合は(S2802:Yes)、次いで、現在が連打演出の実行期間であるか否かを判別する(S2805)。ここで、連打演出の実行期間か否かは、連打期間タイマのタイマ値によって判別する。この連打期間タイマは、連打演出の開始時に、演出期間に対応するタイマ値が設定され、値が0になるまで定期的に更新される。この連打期間タイマの値が1以上であれば、連打演出の実行期間中であることを示し、0であれば、連打演出の実行期間外であることを示している。S2805の処理では、この連打期間タイマの値を読み出して、値が1以上であるか否かにより連打演出の実行期間か否かを判別している。
S2805の処理において、現在が連打演出の実行期間外であると判別した場合は(S2805:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が連打期間であると判別した場合は(S2805:Yes)、押下回数カウンタ223qの値に1を加算し(S2806)、加算後の押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納された値との差分を算出する(S2807)。次いで、ランクアップ回数選択テーブル222dに規定されたランクアップ回数のうち、今回の連打演出の演出種別、現在のLv、および遊技者の連打間隔(連打間隔格納エリア223pのデータ)に対応するランクアップ回数を、S2807の処理で算出した差分と比較して、差分がランクアップ回数以上であるか否かを判別する(S2808)。
S2808の処理において、押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納された値との差分がランクアップ回数未満であると判別した場合は(S2808:No)、今回の押下操作では気合いLvがアップしないので、枠ボタン22の押下に対する押下音を設定するためのS2809〜S2811の処理を実行する。具体的には、まず、音出力フラグ223tがオンであるか否かを判別し(S2809)、音出力フラグ223tがオフであると判別した場合は(S2809:No)、押下音が出力されていない状態であることを意味するので、次に、連打間隔格納エリア223pの値に対応する押下音を押下音選択テーブル222c(図94(b)参照)から選択し(S2810)、選択した押下音の出力を設定して(S2811)、本処理を終了する。
上述した通り、押下音選択テーブル222c(図94(b)参照)からは、遊技者の連打間隔(連打間隔格納エリア223pの値)に応じた異なる押下音が選択される。即ち、連打間隔が短い遊技者に対しては、出力期間が短い押下音が選択され、連打間隔が長い遊技者に対しては、出力期間が長い押下音が選択される。これにより、遊技者毎に異なる連打間隔の中で、最大限の長さの押下音を出力することができる。よって、演出効果を高めることができる。
一方、S2809の処理において、音出力フラグ223tがオンであると判別した場合は(S2809:Yes)、S2810、およびS2811の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。これにより、押下音が重ねて出力されることを防止(抑制)できるので、不自然な押下音となってしまうことを防止(抑制)できる。
一方、S2808の処理において、押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納された値との差分が、今回の演出種別、現在のLv、および連打間隔に対応するランクアップ回数以上であると判別した場合は(S2808:Yes)、レベルカウンタ223sの値に1を加算し(S2812)、連打間隔格納エリア223pの値に対応するレベルアップ演出とレベルアップ音を設定し(S2813)、音出力フラグ223tをオンに設定し(S2814)、押下回数カウンタ223qの値を基準回数格納エリア223rに上書きする(S2815)。その後、本処理を終了する。
次に、図98を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理3(図96参照)内の一処理である連打演出制御処理(S2122)について説明する。図98は、この連打演出制御処理の内容を示したフローチャートである。
連打演出制御処理(図98、S2122参照)では、まず、現在が連打演出の開始タイミングであるか否かを判別する(S2901)。現在が連打演出の開始タイミングであると判別した場合は(S2901:Yes)、連打演出の実行期間を計時するための連打期間タイマの値に、今回の連打演出に対応する値を設定し(S2902)、押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納されている回数とをそれぞれ0にリセットして(S2903)、本処理を終了する。一方、S2901の処理において現在が連打演出の開始タイミングではないと判別した場合は(S2901:No)、次いで、音出力フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S2904)。S2904の処理において、音出力フラグ223tがオンであると判別した場合は(S2904:Yes)、次に、音出力の終了タイミングであるか否かを判別する(S2905)。音出力の終了タイミングであると判別した場合は(S2905:Yes)、音出力フラグ223tをオフに設定し(S2906)、S2907の処理へ移行する。
一方、S2904の処理において、音出力フラグ223tがオフであると判別した場合と(S2904:No)、S2905の処理において音出力の終了タイミングではないと判別した場合は(S2905:No)、S2906の処理を実行せず、S2907の処理へ移行する。
S2907の処理では、連打期間タイマの値が0より大きいか否か(連打演出の実行期間中であるか否か)を判別する(S2907)。連打期間タイマの値が0であると判別した場合は(S2907:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2907の処理において、連打期間タイマの値が0より大きいと判別した場合は(S2907:Yes)、連打期間タイマの値から1減算し(S2908)、次いで、演出開始からの経過時間が2秒の倍数であるかを判別する(S2909)。演出開始からの経過時間が2秒の倍数ではないと判別した場合は(S2909:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2909の処理において、演出開始からの経過時間が2秒の倍数であると判別した場合は(S2909:Yes)、遊技者の押下間隔を判別するための処理を行う。具体的には、押下回数カウンタ223qの値に基づいて、2秒間の押下回数を特定し(S2910)、特定した押下回数に応じて連打間隔格納エリア223pのデータを更新して(S2911)、その後、本処理を終了する。S2911の処理では、2秒間に遊技者が枠ボタン22を5回以上押下していれば、連打間隔格納エリア223pに対して「01H」を設定し、2秒間の押下回数(連打回数)が3回、または4回であれば、連打間隔格納エリア223pに対して「02H」を設定し、2秒間の押下回数(連打回数)が2回以下であれば、連打間隔格納エリア223pに対して「03H」を格納する。この連打間隔格納エリア223pに設定された値に応じて、ランクアップ回数や押下音の種別を切り替えることができる。これにより、連打間隔が短い遊技者に対しては、出力期間が短い押下音が選択され、連打間隔が長い遊技者に対しては、出力期間が長い押下音が選択される。これにより、遊技者毎に異なる連打間隔の中で、最大限の長さの押下音を出力することができる。よって、演出効果を高めることができる。また、連打間隔が短いほど、ランクアップに要する連打の回数を多くすることで、枠ボタン22を高速で連打することが苦手な遊技者には、少ない連打回数でランクアップさせることができるし、連打が得意な遊技者には、多い連打回数でランクアップさせることができる。よって、演出の発展度合い(ランクアップ)を遊技者の技量に合わせることができるので、遊技者の技量によらず、ランクアップの機会を公平に与えることができる。
次に、図99を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理3内の一処理であるコマンド判定処理3(S2123)について説明する。図99は、このコマンド判定処理3(S2123)の内容を示したフローチャートである。本実施形態におけるコマンド判定処理3(図99、S2123参照)は、第1、および第2実施形態におけるコマンド判定処理(図54、S2111参照)に代えて実行される処理であり、主制御装置110から受信したコマンドを判別して対応する制御を実行するための処理である。
この第3実施形態におけるコマンド判定処理3(図99参照)のうち、S2201〜S2216の各処理では、それぞれ第1、および第2実施形態におけるコマンド判定処理(図54参照)と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態におけるコマンド判定処理3(S2123)では、S2213の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合に(S2213:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したかを判別する(S2221)。S2221の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S2221:Yes)、大当たりのオープニングを設定するためのオープニングコマンド処理を実行し(S2222)、その後、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理の詳細については、図100を参照して後述する。
一方、S2221の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2221:No)、第1実施形態のコマンド判定処理(図54、S2111参照)と同様にS2216の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図100を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(図99、S2123参照)内の一処理であるオープニングコマンド処理(S2222)について説明する。図100は、このオープニングコマンド処理(S2222)の内容を示したフローチャートである。
オープニングコマンド処理(S2222)では、まず、今回の大当たりが「屋上モード」(潜伏確変遊技状態ST2)で当選した大当たりであるか否かを判別する(S3001)。S3001の処理において、今回の大当たりが「屋上モード」中の大当たりでないと判別した場合は(S3001:No)、S3006の処理へ移行する。
一方、S3001の処理において、今回の大当たりが「屋上モード」で当選した大当たりであると判別した場合は(S3001:Yes)、連打演出選択テーブル222bを読み出して(S3002)、大当たり中に実行するバトル演出の演出種別を選択する(S3003)。
上述した通り、大当たり種別が大当たりEの場合において、演出カウンタ223jの値が「0〜49」の範囲内であれば、連打演出選択テーブル222bから演出種別として「連打演出無し」を選択し、「50〜79」の範囲内であれば、演出種別として「通常A」を選択し、「80〜94」であれば演出種別として「通常B」を選択し、「95〜99」であれば、演出種別として「チャンスアップA」を選択するように構成されている。また、大当たり種別が大当たりFの場合において、演出カウンタ223jの値が「0〜24」の範囲内であれば、演出種別として「連打演出無し」を選択し、「25〜39」の範囲内であれば、演出種別として「通常A」を選択し、「40〜74」であれば、演出種別として「通常B」を選択し、「75〜79」の範囲内であれば、演出種別として「通常C」を選択し、「80〜97」の範囲内であれば、演出種別として「チャンスアップA」を選択し、「99,98」であれば、演出種別として「チャンスアップB」を選択するように構成されている。
次に、連打演出を実行するか否か(S3003の処理で「連打演出無し」以外を選択したか否か)を判別する(S3004)。連打演出を実行しないと判別した場合は(S3004:No)、S3006の処理へ移行する。一方、S3004の処理において、連打演出を実行する(演出種別として「通常A〜C」、「チャンスアップA,B」のいずれかを選択した)と判別した場合は(S3004:Yes)、今回のバトル演出において連打演出を開始するタイミングを設定し(S3005)、S3006の処理へ移行する。ここで設定した開始タイミングは、上述した連打演出制御処理(図98参照)のS2901の処理で参照され、連打演出の開始タイミングになったと判別した場合は(S2901:Yes)、連打演出を開始するためのS2902,S2903の各処理を実行する。
S3006の処理では、大当たり中の演出種別に応じた表示用オープニングコマンドを設定し(S3006)、その後、本処理を終了する。このS3006の処理では、「屋上モード」(潜伏確変遊技状態ST2)であれば、バトル演出の開始を示す演出が実行されるオープニング演出を設定し、他の遊技状態であれば、通常の(大当たりとなったことを祝福する態様の)オープニング演出を設定する。これにより、大当たりとなった時点における遊技状態(モード)に応じた適切な態様のオープニング演出を実行できる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、興趣演出の一種として、枠ボタン22を連続して押下することを促す演出(連打演出)を実行可能に構成している。この連打演出では、遊技者が枠ボタン22を押下した回数に応じて表示態様を可変させていく演出が実行される。そして、怪獣に勝利する期待度が高い程、表示態様が可変され易くなるように制御を行っている。このように構成することで、連打演出の期待度を知りたい遊技者に対して、枠ボタン22を積極的に操作させることができる。
また、本実施形態における連打演出では、遊技者が枠ボタン22を押下する間隔を監視し、押下間隔に応じて枠ボタン22を押下したことに対する押下音(演出態様)を異ならせる構成としている。このように構成することで、演出のバリエーションを多様化することができる。
加えて、本実施形態では、連打演出の連打間隔に応じて、演出態様(Lv)がアップするまでの規定の押下回数を可変させる構成としている。即ち、連打の間隔が長い遊技者が遊技している場合には、Lvアップまでの規定回数を少なくし、逆に、連打の間隔が短い遊技者が遊技している場合には、Lvアップまでの規定回数を多くする構成としている。これにより、遊技者の技量によらず、連打操作を行う時間に応じて発展度合いを均一にすることができる。よって、連打の技量が低い遊技者でも、発展演出を見ることができるので、連打の技量によらず、連打演出に積極的に参加させることができる。
本第3実施形態では、遊技者の連打間隔に応じて、「ダ」という音や、「ドンッ」という音等、異なる音声データを押下音として出力する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、「ダ」という比較的出力期間が短い音声のみを用い、押下を1回検出する毎の押下音の出力回数を可変させることで押下音を異ならせてもよい。具体的には、例えば、連打間隔が「01H」の場合には、「ダ」という音声を1回のみ出力し、「02H」の場合には、「ダ」という音声を2連続で出力し(「ダダ」という押下音を設定し)、「03H」の場合には、「ダ」という音声を3連続で出力する(「ダダダ」という押下音を設定する)構成としてもよい。このように構成することで、各効果音を全て、「ダ」という音声を出力するための音声データから生成することができるので、音声データを削減することができる。
<第3実施形態の変形例>
次に、図101〜図106を参照して、第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、連打演出において遊技者が実行する連打の間隔(2秒間あたりの連打回数)を監視し、連打間隔に応じて枠ボタン22を押下した際の押下音をことならせる構成としていた。
これに対して、本変形例では、押下音としては同一のデータ(音声ファイル)を用いる構成とし、押下音に対して生じるエコーの長さを可変させる構成とした。即ち、連打間隔が長ければ、エコーも長くし、連打間隔が短ければエコーも短くなるように構成した。これにより、連打間隔によらず、押下音のエコーまで遊技者に対して聴かせることができる。
この第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、第3実施形態と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図101を参照して、本変形例における押下音について説明する。図101(a)は、連打間隔が短い場合(連打間隔格納エリア223pに格納されたデータが「01H」の場合)における音声出力の計時変化を示した図である。図101(a)に示した通り、連打間隔が短い場合は、枠ボタン22の押下が検出される毎に、「バシ」という音声が70%の音量で出力された後、0.01秒の間隔を経てエコー音として40%の音量の「バシ」という音声が出力され、更に、0.01秒の間隔を経てエコー音として20%の音量の「バシ」という音声が出力される。本第3実施形態の変形例における押下音は、この70%の音量の「バシ」という音声、および2種類(40%、20%の音量)のエコー音で構成される。エコー音を出力することにより、押下音に深みを持たせることができる。
次に、図101(b)を参照して、連打間隔が長い場合(連打間隔格納エリア223pに格納されたデータが「03H」の場合)における音声出力の計時変化を示した図である。図101(b)に示した通り、連打間隔が長い場合は、枠ボタン22の押下が検出される毎に、「バシ」という音声が70%の音量で出力され、その後、0.1秒の間隔を経てエコー音として40%の音量の「バシ」という音声が出力され、更に、0.1秒の間隔を経てエコー音として20%の音量の「バシ」という音声が出力される。
このように、本変形例では、押下音に対して設定されるエコー音の間隔を、遊技者の連打間隔に応じて可変させる構成としている。即ち、連打間隔が短ければエコー音が出力される間隔を短くし、連打間隔が長ければ、エコー音が出力される間隔を長くしている。このように構成することで、連打間隔が短い場合にも、1の押下を検出してから、次の押下を検出するまでに、エコー音を含めた全ての押下音を出力しきることができる。
<第3実施形態の変形例における電気的構成について>
次に、図102、および図103を参照して、本変形例における電気的構成について説明する。まず、図102(a)を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成について説明する。図102(a)は、本変形例におけるROM222の構成を示したブロック図である。
図102(a)に示した通り、本変形例におけるROM222は、上述した第3実施形態におけるROM222の構成(図93(a)参照)に対して、エコー間隔選択テーブル222abが追加されると共に、押下音選択テーブル222cが削除されている点で相違している。
エコー間隔選択テーブル222abは、エコー音を出力する間隔に対応するデータを規定したデータテーブルである。本変形例では、2秒間が経過する毎に、このエコー間隔選択テーブル222abに規定されたデータに基づいて押下音を生成し、RAM223に設けられた後述する押下音格納エリア223abに対して格納する。そして、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、押下音格納エリア223abに格納された押下音を読み出して出力する。
エコー間隔選択テーブル222abの詳細について、図103(a)を参照して説明する。図103(a)は、エコー間隔選択テーブル222abの規定内容を模式的に示した模式図である。図103(a)に示した通り、このエコー間隔選択テーブル222abには、連打間隔格納エリア223pに格納された連打間隔に対応するデータの値毎に、設定すべきエコー音(40%、20%の音量の「バシ」という音声)の出力間隔が規定されている。
具体的には、図103(a)に示した通り、連打間隔格納エリア223pのデータ「01H」に対しては、エコー間隔として10msが対応付けて規定されている。これにより、連打間隔が短い場合には、「バシ」という3回の音声を出力する間隔が、最も短い10msに設定されるので、押下音の出力が開始されてからエコー音を含めた全ての押下音の出力が終了するまでの期間を短くすることができる。よって、1の押下を検出してから、次の押下を検出するまでの間に、確実に押下音の出力を完了させることができる。
また、「02H」に対しては、エコー間隔として50msが対応付けて規定され、「03H」には、100msが対応付けて規定されている。即ち、連打間隔が長くなるにしたがって、エコー音を出力する間隔も長くなるように設定されている。これにより、遊技者の連打間隔に応じて、連打間隔内に押下音の出力を完了させることができる長さにアレンジすることができる。
次に、図102(b)を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図102(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図102(b)に示した通り、本変形例におけるRAM223は、第3実施形態におけるRAM223の構成(図93(b)参照)に対して、押下音格納エリア223abと、押下音用ポインタ223acと、押下音生成フラグ223adとが追加されている。また、音出力フラグ223tが削除されている。
押下音格納エリア223abは、遊技者の連打間隔に応じて生成された押下音を格納するための記憶領域である。この押下音格納エリア223abには、定期的に更新される押下音用ポインタ223acの値毎に、出力を設定する押下音の態様を対応付けて規定したデータテーブルが格納される。押下音用ポインタ223acの値が更新される毎に、この押下音格納エリア223abから、ポインタ値に対応する動作が読み出されて設定される。この押下音格納エリア223abの詳細について、図103(b)を参照して説明する。
図103(b)は、押下音格納エリア223abの内容を示した図である。図103(b)に示した通り、押下音格納エリア223abには、押下音用ポインタ223acの値毎に音声出力動作が格納される。図103(b)の例では、連打間隔が「02H」の場合における押下音を出力するためのデータが格納された状態を示している。
図103(b)に示した通り、押下用ポインタ223acの値が0001Hに対しては、音声出力動作として、「70%の音量の押下音を出力」という内容が格納され、押下音用ポインタ223acの値が0002H〜0096Hの範囲には、「出力無し」という内容が格納される。また、押下用ポインタ223acの値が0097Hに対しては、音声出力動作として、「40%の音量の押下音を出力」という内容が格納され、押下音用ポインタ223acの値が0098H〜012CHの範囲には、「出力無し」という内容が格納され、押下用ポインタ223acの値が012DHに対しては、音声出力動作として、「20%の音量の押下音を出力」という内容が格納され、押下音用ポインタ223acの値が012EH以降の値の範囲には、「出力無し」という内容が格納される。
音出力ポインタ223acの値は、1ms毎に更新されるので、押下音の出力が設定されると、70%の音量の「バン」という押下音が出力されてから50ms後に40%の音量の「バン」というエコー音が出力され、その後、50ms後に20%の音量の「バン」というエコー音が出力される。前もって押下音を生成しておき、押下音格納エリア223abに格納しておくことで、押下音を出力する際の処理負荷を低減することができる。
図102(b)に戻って説明を続ける。押下音用ポインタ223acは、連打演出の実行中に、押下音の出力が設定されたことを契機として、1ms毎に値が1ずつ更新されるポインタである(図106のS2923参照)。この押下音ポインタ223acの値が更新される毎に、対応する動作内容が押下音格納エリア223abから読み出されて設定される。
押下音生成済フラグ223adは、連打間隔格納エリア223rに格納された連打間隔に対応するデータに基づいて、押下音を生成済み(押下音格納エリア223abに格納済)であるか否かを示すフラグである。この押下音生成済フラグ223adがオンであれば、押下音を生成済みであることを意味し、オフであれば、押下音を未生成であることを意味する。
<第3実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図104〜図106を参照して、上述した第3実施形態の変形例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。なお、第3実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
まず、図104を参照して、本変形例において音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される操作入力監視・演出処理3(S2121)について説明する。図104は、この操作入力監視・演出処理3(S2121)の内容を示したフローチャートである。本変形例における操作入力監視・演出処理3(図104、S2121)では、S2808の処理において、押下回数カウンタ223qの値と、基準回数格納エリア223rに格納された値との差分がランクアップ回数未満であると判別した場合に(S2808:No)、第3実施形態における操作入力監視・演出慮理3(図97参照)のS2809〜S2811の処理に代えて、連打間隔に応じた押下音を出力するための押下音出力処理(S2831)を実行する点のみが相違している。この押下音出力処理の詳細については、図105を参照して後述する。
次に、図105を参照して、本変形例において音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される操作入力監視・演出処理3(図104、S2121)内の一処理である押下音出力処理(S2831)について説明する。図105は、この押下音出力処理(S2831)の内容を示したフローチャートである。
本変形例における押下音出力処理(図105、S2831)では、まず、押下音生成済フラグ223adがオンであるか否かを判別する(S2851)。押下音生成済フラグ223adがオフであると判別した場合は(S2851:No)、連打間隔格納エリア223pの値に対応するエコー間隔をエコー間隔選択テーブル222ab(図103(a)参照)から選択する(S2852)。
即ち、上述した通り、連打間隔格納エリア223pの値が「01H」であれば、エコー間隔選択テーブル222ab(図103(a)参照)より10ms(006DH)のエコー間隔を選択し、「02H」であれば50ms(0095H)のエコー間隔を選択し、「03H」であれば100ms(00C7H)のエコー間隔を選択する。
S2852の処理が終了すると、次に、読み出したエコー間隔の押下音を生成し、押下音格納エリア223ab(図103(b)参照)へ格納する(S2853)。次に、押下音生成済フラグ223adをオンに設定することで押下音が既に生成済みであることを示し(S2854)、S2855の処理へ移行する。
一方、S2851の処理において、押下音生成済フラグ223adがオンであると判別した場合は(S2851:Yes)、S2852〜S2854の処理を実行せずに、S2855の処理へ移行する。
S2855の処理では、押下音用ポインタ223acの値を「01H」に更新し(S2855)、更新後の押下音用ポインタ223acの値に対応する音出力動作を押下音格納エリア223ab(図103(b)参照)から読み出す(S2856)。次に、押下音格納エリア223ab(図103(b)参照)より読み出した音出力動作を設定し(S2857)、その後、本処理を終了する。
この押下音出力処理(図105参照)を実行することにより、枠ボタン22の押下を検出する度に、連打間隔に応じて生成された押下音を出力することができる。
次に、図106を参照して、本変形例において音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される連打演出制御処理(S2122)について説明する。この連打演出制御処理のうち、S2901〜S2903、およびS2907〜S2911の各処理では、それぞれ上記第3実施形態における連打制御処理(図98参照)のS2901〜S2903、およびS2907〜S2911の各処理と同一の処理が実行される。
また、本変形例における連打演出制御処理(図106、S2122参照)では、S2903の処理後、連打間隔格納エリア223pの値に01Hを設定し(S2921)、その後、本処理を終了する。このS2921の処理を実行することにより、連打演出の開始時に、最も短い連打間隔に対応する「01H」を設定することができるので、連打演出の開始時には、遊技者の技量に関係なく、確実に連打間隔内で押下音を出力しきることができる。
また、本変形例における連打制御処理(図106参照)では、S2908の処理後、押下音生成済フラグ223adがオンであるか否かを判別し(S2922)、押下音生成済フラグ223adがオンであると判別した場合は(S2922:Yes)、押下音用ポインタ223acの値を更新し(S2923)、更新後の押下音用ポインタ223acの値に対応する音声出力動作を押下音格納エリア223ab(図103(b)参照)から読み出す(S2924)。次いで、読み出した音声出力動作を設定し(S2925)、S2909の処理へ移行する。
一方、S2922の処理において、押下音生成済フラグ223adがオフであると判別した場合は(S2922:No)、S2923〜S2925の処理をスキップして、S2909以降の処理を実行する。
S2922〜S2925の処理を実行することにより、押下音格納エリア223223abに格納された押下音を正確に出力することができる。
また、本変形例における連打演出制御処理(図106参照)では、S2911の処理が終了すると、次に、S2911の処理で更新された連打間隔に対応する押下音を生成して、その生成した押下音を押下音格納エリア223abに上書きし(S2926)、本処理を終了する。このS2926の処理を実行することにより、連打間隔を判別する2秒毎に、連打間隔に対応する押下音に更新することができる。
なお、本変形例では、連打間隔格納エリア223pに対して連打演出の開始時に格納する値を「01H」としていたが、これに限られるものではなく、任意に定めてもよい。また、例えば、連打間隔格納エリア223pの値を更新せず、前回の連打演出において最後に実行されたS2911の処理で設定された値を保持しておく構成としてもよい。これにより、前回の連打演出で遊技を行っていた遊技者と今回の遊技者とが同じであれば、前回の連打演出で当該遊技者の連打間隔に合わせて更新された連打間隔を引き続き用いることができるので、連打演出の開始直後から、遊技者の連打間隔に応じた押下音を設定することができる。
以上説明した通り、本変形例では、連打演出の実行中に枠ボタン22の操作を検出したことに基づいて出力される押下音(実行される演出)を、1種類のみ設ける構成としている。そして、遊技者の連打間隔に応じて、押下音に伴って出力されるエコー音の出力間隔を可変させる構成としている。より具体的には、連打間隔が長いほど(単位時間当たりの連打回数が少ないほど)、エコー音を出力する間隔を長くし、連打間隔が短いほど(単位時間当たりの連打回数が多いほど)、エコー音を出力する間隔を短くしている。このように構成することで、遊技者の連打間隔によらず、枠ボタン22に対する1の押下操作から、次の押下操作までの間に、エコー音まで含めた押下音をより確実に出力することができる。また、遊技者の連打間隔に応じてエコー音の出力間隔を可変させることにより、押下音にバリエーションを設けることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。更に、上記第3実施形態では、連打間隔毎に、異なる押下音のデータを別々に設ける構成としていたが、本変形例では、単一の押下音を用いてエコー間隔が異なる複数のバリエーションを設ける構成としている。これにより、押下音を出力するためのデータの記憶容量を削減することができる。
なお、本第3実施形態の変形例では、エコー音の回数を2回とし、1の押下に対して合計3回、「バシ」という音声が出力される構成としていたが、これに限られるものではなく、エコー音の回数は任意に定めてもよい。また、エコー音の出力を、押下音の40%、および20%の音圧に設定していたが、これらに限られるものではなく、任意に定めてもよい。また、エコー音の回数や、各エコー音の音圧を、遊技者の連打間隔に応じて可変させてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
また、上記第3実施形態、およびその変形例では、演出種別が1の連打演出の途中で変更されない構成としていたが、途中で変更可能に構成してもよい。具体的には、例えば、Lvがアップするタイミングや、連打間隔を判別するタイミングで、演出種別を変更するか否かの抽選を行う構成としてもよい。即ち、変更するか否かの抽選を行うための、連打演出選択テーブル222bと同様の構成のデータテーブルを用意しておき、抽選タイミングになった場合に、テーブルと演出カウンタの値とを比較することで連打演出の演出種別を変更するか否か判別する構成としてもよい。これにより、期待度の低い演出種別で連打演出が開始された場合に、途中で期待度の高い演出種別に変更されることを期待して連打させることができる。また、この場合において、連打演出の途中で期待度の低い演出種別に変更されることが回避されるように構成してもよい。このように構成することで、期待度の高い演出種別から期待度の低い演出種別に変更され、遊技者の連打演出に対する期待感を損ねてしまうことを防止(抑制)することができる。
上記第3実施形態、およびその変形例では、遊技者の連打間隔に応じて、1の連打演出の中で枠ボタン22を押下した場合の押下音を可変させる構成としていたが、連打間隔に応じて可変させるのは押下音に限られるものではない。例えば、連打演出において、枠ボタン22を押下する毎に第3図柄表示装置81に対して所定のキャラクタ等が表示される構成とし、連打間隔に応じてキャラクタの種別や表示期間等を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、連打演出中に枠ボタン22の押下に応じて所定のキャラクタがその場でジャンプする演出を行う構成とし、連打間隔が長いほど高くジャンプする(滞空時間を長くする)構成としてもよい。このように構成することで、連打間隔に合わせた演出期間で枠ボタン22の押下が受け付けられたことを遊技者に報知できる。また、ジャンプするキャラクタを表示させる場合において、滞空時間が比較的短いジャンプの演出を設定する場合は、滞空時間が長いジャンプの画像データのうち、一部を用いて演出を表示させる構成としてもよい。例えば、滞空時間が最も長い演出に用いる各フレームの画像データのうち、ジャンプを開始してから50%の高さに到達するまでの各画像データと、ジャンプの頂点を過ぎて落下し、50%の高さに到達してから着地するまでの各画像データとをつなぎ合わせることで、滞空時間が短い(ジャンプの高さが半分の)演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、ジャンプの高さ毎に異なる画像データを別々に用意する必要が無いので、画像データのデータ量を削減することができる。また、遊技者の連打期間に合わせて、前面枠14に設けられた各種LEDが点滅する、または強く発光する構成とし、点滅の周期、または発光期間を連打間隔に応じて可変させる構成としてもよい。
上記第3実施形態、およびその変形例では、遊技者の連打間隔を2秒間あたりの押下回数により判別する構成としていたが、これに限られるものではなく、連打間隔を判別する頻度は任意に定めてもよい。また、連打間隔を判別する方法は、予め定めた時間(2秒間)内の押下回数で判別する方法に限定されるものではない。例えば、枠ボタン22に対する1の操作を検出してから、次に操作を検出するまでの時間を計時しておき、枠ボタン22に対する操作を検出する毎に、前回の操作からの経過時間に応じた押下音を設定する構成としてもよい。具体的には、例えば、経過時間が1秒以上であれば、最も出力期間が長い押下音を設定し、経過時間が0.4秒以上、1秒未満であれば、中間の長さの出力期間の押下音を設定し、経過時間が0.4秒未満であれば、最も短い出力期間の押下音を設定する構成としてもよい。
<第4実施形態>
次に、図107〜図127を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、枠ボタン22等、遊技者の操作を検出して、対応する制御を実行するための操作手段が設けられていた。これにより、操作手段を操作させることで、遊技者の参加意欲を向上させることができていた。
これに加え、本第4実施形態では、操作手段が振動動作を実行可能に構成し、遊技者による操作を受け付けることに加え、振動動作の態様により期待度の示唆や操作のアシスト等を実行可能に構成している。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技者が操作可能な操作手段の一種として、左右および前後に操作可能な首振り操作部材310が設けられている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図107を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の正面図について説明する。図107に示した通り、本第4実施形態では、正面視中央下方に、略球形状の首振り操作部材310が配設されている。この首振り操作部材310は、根本部分の略十字形状の溝に沿って、左右方向、および前後方向にそれぞれ傾倒させることが可能に構成されている。後述する選択肢演出では、この首振り操作部材310に対する操作方向に応じて異なる態様の演出に発展する構成としている。これにより、演出に多様性を持たせることができる。また、首振り操作部材310には、振動用モータ380が内蔵されており、この振動用モータ380を駆動させることにより、首振り操作部材310を振動させることができる。この振動動作には、複数のパターンが設けられており、振動の強弱、および振動の方向に応じて演出の期待度等を示唆することができる。
この首振り操作部材310の内部構造について、図108を参照して説明する。図108(a)は、首振り操作部材310の分解斜視図である。図108(a)に示した通り、首振り操作部材310は、略半球形状のドーム部材317と、遊技者が指を引っ掛けることで操作を容易とするために設けられているリング状のリング部材312とで構成されるカバー部と、振動用モータ380を内包した基部318とで構成されている。
図108(b)は、基部318に設けられている振動用モータ380の斜視図である。図108(b)に示した通り、振動用モータ380は、モータ部381と、円柱を略半分に切断した形状の偏心部材382と、その偏心部材382を軸支する軸部381aとで構成されている。偏心部材382は、軸部381aに対して固定されており、モータ部381の駆動により軸部381aが回転された場合には、軸部381aに連動して偏心部材382も回転動作を行う。
ここで、図108に示した通り、軸部381aは、偏心部材382の重心からずれた位置に固定されている。よって、モータ部381が回転動作した場合に、偏心部材382の回転動作の中心と、偏心部材381aの重心とが一致しないため、偏心部材382の配置に応じて異なる方向に遠心力が発生する。回転位置に応じて異なる方向に遠心力が生じる結果、様々な方向に向かって微小に可変動作を行うため、振動用モータ380全体が振動する。振動用モータ380は、首振り操作部材310の基部318に固定されているので、基部318、および基部318に対して固定されているカバー部に対して振動が伝達する。よって、首振り操作部材310に対して遊技者が手を触れている場合には、振動を遊技者の手に対して伝達させることができる。これにより、視覚的な表示演出、および聴覚的な音声演出に加え、振動による演出を行うことができるので、演出のバリエーションをより多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、振動用モータ380は、偏心部材382の回転速度が大きいほど、振動の大きさ(振動強度)が増大する。遠心力は回転速度(角速度)の二乗に比例するためである。そして、偏心部材382の回転速度は、モータ部381を駆動させるために首振り操作部材310に設けられているモータ制御用IC(図示なし)によって制御される。このモータ制御用ICは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに対応する駆動電圧(駆動電力)でモータ部381を駆動させる。より具体的には、音声ランプ制御装置113は、モータ制御用ICに対して、回転速度を指定するコマンドを出力する。モータ制御用ICは、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに応じたDUTY比で、且つ、振幅が固定(例えば、5ボルト)のパルス信号を、予め定められた周波数(例えば、1kHz)で振動用モータ380に対して駆動電圧として印加する。振動用モータ380は、公知のDCモータで構成されているため、駆動電圧がオンの期間は回転動作が行われ、オフの期間は回転動作が停止されるので、オン期間が長いほどモータの回転速度が速くなる。これにより、軸部381aに固定された偏心部材382の回転速度も可変させることができる。なお、音声ランプ制御装置113からモータ制御用ICに対して出力するコマンドには、回転速度に対応するデータとして、モータ制御用ICから振動用モータに対して出力される駆動電圧のDUTY比を指定するための情報が少なくとも含まれる。モータ制御用ICは、音声ランプ制御装置113から新たなコマンドを受信するまで、同一のDUTY比の駆動電圧波形を連続して出力する。このように、モータ制御用ICを採用することにより、音声ランプ制御装置113側では、単にDUTY比に対応する情報を1回出力するだけで、振動強度を可変させることができるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
次に、図109を参照して、首振り操作部材310の振動動作の態様について説明を行う。本第4実施形態では、首振り操作部材310を、全方向に均等に振動させる均等振動態様と、4方向のうち、いずれか1方向の振動強度が他の方向に比較して強くなる(いずれか1方向に偏重して振動する)偏重振動態様とで振動動作を実行可能に構成している。
図109(a)は、首振り操作部材310が均等振動動作を行っている場合における首振り操作部材310と、その内部の振動用モータ380の偏心部材382の動作とを示した図である。図109(a)に示した通り、首振り操作部材310が全方向に一定の振動強度で(均等振動態様で)振動している場合は、振動用モータ380が等速で駆動される結果、偏心部材382が等速で回転動作を行う。これにより、偏心部材382が1回転する毎に、回転位置に応じて同一の強さの遠心力が発生する。遠心力は、回転速度(角速度)の二乗に比例するためである。回転位置に連動して、遠心力の方向が可変する結果、全方向に対して均等に振動が発生する。
図109(b)は、首振り操作部材310が偏重振動動作を行っている場合における首振り操作部材310と、その内部の振動用モータ380の偏心部材382の動作とを示した図である。図109(b)の例では、首振り動作部材310の上側を、他の方向に比較して強く振動させている場合の例である。上側を強く振動させることにより、首振り操作部材310に手を触れている遊技者に対して、首振り操作部材310を正面視奥側へと操作することを示唆することができる。
図109(b)の右側に示した通り、首振り操作部材310の上側に偏重させて振動させている場合、振動用モータ380の偏心部材382の回転速度が、回転位置に応じて可変される。具体的には、偏心部材382の重心が上側を通過している最中に回転速度が高速となり、上側以外の方向を通過する場合には、回転速度が小さくなる。このように振動用モータ380の回転速度(角速度)を制御することで、偏心部材382の通過位置に応じて遠心力の大きさを異ならせることができる。具体的には、回転速度が高速に設定される上方向を通過中に遠心力が大きくなり、回転速度が低速になる他の方向を通過中に遠心力が小さくなる。これにより、遠心力が大きい上方向の振動が、遠心力の小さい他の方向に比較して大きくなる結果、首振り操作部材310に手を触れている遊技者にとって、上方向に偏重して振動しているように感じさせることができる。よって、首振り操作部材310を正面視奥側へと操作すればよいことを遊技者に対して容易に認識させることができる。同様に、右方向に偏重して振動させる場合には、偏心部材382が右方向を通過中に回転速度が高速になるように制御し、左方向に偏重して振動させる場合には、偏心部材382が左方向を通過中に回転速度が高速になるように制御し、下方向に偏重して振動させる場合には、偏心部材382が下方向を通過中に回転速度が高速になるように制御すればよい。
次に、図110を参照して、本第4実施形態の第3図柄表示装置81に表示される各種表示演出について説明する。まず、図110、および図111(a)を参照して、本第4実施形態において実行される選択肢演出について説明する。この選択肢演出は、屋上モードにおいて実行される可能性がある演出であり、第3図柄表示装置81に表示された選択肢の中から、首振り操作部材310の操作により1の対象を遊技者に選択させる演出である。
より具体的には、この選択肢演出は、屋上モードにおいて発生する可能性があり、4つの宝箱の中から男性のキャラクタに開かせる1の宝箱を選択する演出である。遊技者の選択した宝箱に応じて、異なる演出が実行される可能性がある。具体的には、この選択肢演出は特別図柄の抽選結果が外れ、または大当たりの場合に実行される可能性があり、外れ(ガセ)の場合には、いずれの宝箱を選択したとしても宝箱が空っぽである。
一方、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択肢演出が実行された場合には、遊技者が選択した宝箱に応じて異なる種類の怪獣(通常の怪獣、またはレアな怪獣)が出現する可能性があり、大当たりEの場合には、いずれの選択肢を選択したとしても、通常の怪獣が出現する構成となっている。一方、大当たりFの場合には、選択肢のうち一部にレアな怪獣が出現する選択肢が設定されている。つまり、レアな怪獣が出現した時点で、大当たりFが確定するので、バトル演出の結果を確認する前に、屋上モードが継続することを認識させることができる。よって、レアな怪獣を見ることを期待して遊技者に対して積極的に首振り操作部材310を操作させることができる。
図110(a)は、特別図柄の抽選結果が大当たりFとなったことに基づいて選択肢演出が設定された場合における第3図柄表示装置81の表示内容と、首振り操作部材310の振動態様とを示した図である。図110(a)に示した通り、選択肢演出が開始されると、第3図柄表示装置81の中央に「レバーで箱を選べ!!」という文字が表示された表示領域が表示されると共に、上下および左右にそれぞれ1個ずつ形状の異なる宝箱が表示される。この表示内容により、首振り操作部材310を左右、または前後に操作することで宝箱を選択することができることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図110(a)では、上下、および左の宝箱を選択すると、通常の怪獣が出現し、右側の宝箱を選択するとレアな怪獣が出現する場合を例示している。この場合、首振り操作部材310が、レアな怪獣を遊技者に示唆するために、右側に偏重して振動動作を行うように設定される。これにより、首振り操作部材310に振れた遊技者に対して、右側に操作することでレアな怪獣が出現する可能性があることを容易に理解させることができる。
図110(b)は、右側に偏重して振動している振動態様に従って、首振り操作部材310を右側に操作した場合における第3図柄表示装置81の表示内容と、首振り操作部材310の態様とを示した図である。図110(b)に示した通り、遊技者が首振り操作部材310を右側に傾倒させると、正面視右側に表示された宝箱が点滅して選択されたことを示すと共に、他の宝箱がブラックアウトする。これにより、遊技者の選択操作が受け付けられたことを遊技者に対して認識させることができる。
振動態様に従って遊技者が首振り操作部材310の操作を行った場合には、図111(a)に示した通り、宝箱の中から通常とは異なる(レアな)態様の怪獣が出現する。より具体的には通常の怪獣(図71参照)に比較して、牙や頭部の棘、前足の指の爪が無く、表情も頼りない見た目(弱そうな見た目)の怪獣が出現する。このレアな怪獣が出現する演出は、出現した時点で勝利が確定する(大当たり後に再度屋上モードに突入する)特別(プレミアム)な演出である。よって、プレミアム演出を見たいと考える遊技者に対して、選択肢演出の出現時に積極的に首振り操作部材310に触れさせることができる。よって、遊技者の選択肢演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、大当たりFの場合に必ず偏重振動態様によりレアな怪獣が出現するわけではなく、レアな怪獣を選択肢に含めるか否か、およびレアな怪獣を選択肢に含める場合に、偏重振動によりレアな怪獣が出現する選択肢を示唆するか否かは抽選で決定される。これにより、選択肢演出で首振り操作部材310が偏重振動を行っていなくても、大当たりFに対する期待感を損なうことを防止(抑制)し、バトル演出を最後まで期待感を抱かせたまま確認させることができる。
次に、図111(b)を参照して、本第4実施形態における保留予告演出の一例について説明する。本実施形態では、副表示領域Dsに表示される保留図柄が、通常とは異なる態様で表示される保留予告演出が設けられている。具体的には、図111(b)に示した通り、保留図柄のうち、最も新しい始動入賞に対応する保留図柄HY1が宝箱を模した特別な図柄に変更される演出が実行されると共に、首振り操作部材310が均等振動を行う演出が実行される。この保留予告演出は、保留図柄に対応する保留球の大当たり期待度が高いほど実行される割合が高くなるので、保留予告演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、大当たりとなる期待感を抱かせることができる。なお、この保留予告演出における均等振動態様では、基本的に最大の回転速度で振動用モータ380が駆動され、振動強度が最大となる(図112(c)参照)。これは、保留予告演出が、首振り操作部材380に対して遊技者が手を触れていない状態で実行される可能性が高いため、手を触れていなくても保留予告演出が実行されたことを認識させるためである。即ち、最大の振動強度とすることにより、首振り操作部材310の振動が見た目に視認し得るようになると共に、振動により発生する振動音が遊技者により聴き取り可能となる。これにより、首振り操作部材310に手を触れているか否かに拘わらず、保留予告演出が実行されたことを容易に認識させることができる。
なお、本実施形態では、保留予告演出の実行が決定された時点が、首振り操作部材310の振動を伴う変動表示演出(振動演出)の実行中である場合には、振動演出の実行期間外で保留予告演出の実行が決定された場合以下の振動強度が設定されるように構成している。これは、振動演出の実行中は、遊技者が首振り操作部材310に既に触れている可能性が高いため、強すぎる振動を出力してしまうと、遊技者を驚かせてしまう虞があるためである。そこで、本第4実施形態では、振動演出の実行に保留予告演出が決定された場合には、振動演出に対応する振動の振動強度に対して、振動強度を一律30%加算する構成としている。これにより、振動演出に基づく振動であるか否かを触覚的に区別可能としつつ、振動強度が強くなりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図112、および図113を参照して、振動演出や保留予告演出が実行されている場合において、首振り操作部材310に設定される振動の振動強度の計時変化(振動パターン)について説明する。まず、図112は、小当たりを報知する変動演出(小当たり報知演出)の実行中における振動強度の計時変化を示した図である。
図112(a)に示した通り、小当たり報知演出が開始されると、1.5秒間の間は、振動強度が0の状態(振動用モータ380が非作動の状態)に保たれる。その後、第3図柄表示装置81において、複数の宝箱を発見する演出が実行されると共に、演出中に流れるバックミュージック(楽曲)が盛り上がる(音圧が大きくなる)と、楽曲に合わせて首振り操作部材310が40%の振動強度で1秒間、振動動作する。これにより、楽曲の盛り上がり、および表示演出の発展に合わせて振動が発生するので、視覚、および聴覚に加え、触覚に訴える演出を提供することができる。
また、1秒間の振動動作が終了すると、2秒間、振動が停止される。振動動作の停止から2秒後には、発見した複数の宝箱から今回開放する1の宝箱を決定する演出が実行されると共に、楽曲が盛り上がる。よって、これらに合わせて再度、振動動作を実行する。具体的には、50%の振動強度で1秒間、振動動作を実行する。1秒間が経過した後は、2秒間の振動停止状態が設定される。この2秒間の間に、宝箱を開く演出が実行される。振動停止状態が終了すると、開かれた宝箱の中から財宝を発見する演出(図70(b)参照)に発展すると共に、楽曲が本変動表示演出の中で最大の盛り上がりとなる。これに合わせて、振動強度が70%の振動動作が2.5秒間設定される。そして、2.5秒間の振動動作が終了すると、小当たりが開始される。
このように、変動演出の表示態様、および楽曲の態様に合わせて振動動作を設定することにより、視覚的、および聴覚的な演出に加え、触覚的な演出を複合させて実行することができる。よって、演出動作を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図112(b)は、「屋上モード」において特別図柄の抽選結果が大当たりとなったことに基づいて実行される変動演出(大当たり報知演出)のうち、選択肢演出が設定される大当たり報知演出中の振動強度の計時変化(振動パターン)を示した図である。図112(b)に示した通り、大当たりに対応する変動演出が開始されると、小当たり報知演出と同様に、まずは1.5秒間の振動停止状態が設定された後、複数の宝箱を発見する演出に発展すると共に、40%の振動強度の振動動作が1秒間設定される。この1秒間の振動動作が終了すると、選択肢演出(図110(a)参照)に発展する。この選択肢演出では、上述した通り、首振り操作部材310により、第3図柄表示装置81に表示された4つの宝箱のうち、1の宝箱を選択させる演出である。選択肢演出は、最大で3秒間実行され、その3秒間は、例えば、平均50%の振動強度で振動動作が実行される。なお、均等振動態様の場合には、50%固定の振動強度が設定され、偏重振動態様の場合には、高速動作箇所と低速動作箇所との平均が50%となるように設定される。選択肢演出の終了後は、小当たり報知演出と同様に、選択した1の宝箱を開ける演出が実行されると共に、振動停止状態に設定され、2秒後に、宝箱から選択肢に対応する怪獣(通常の怪獣、またはレアな怪獣)が出現する演出が実行されると共に、70%の振動強度で均等振動態様の振動動作が2.5秒間設定される。2.5秒間が経過すると、大当たりが開始される。
また、図112(c)は、保留予告演出が実行された場合における振動強度の計時変化(振動パターン)を示した図である。保留予告演出は、新たな始動入賞を検出したことに基づいて実行される演出実行判定に当選した場合に設定される演出であり、新たな始動入賞に基づいて表示される新たな保留図柄を、通常とは異なる態様で表示させる演出である(図111(b)参照)。この保留予告演出により、新たな保留図柄に対応する保留球に対して大当たりとなる期待感を抱かせることができる。新たな始動入賞を検出し、保留予告演出の実行判定に当選すると、一旦通常の態様の保留図柄が新たに表示された後、始動入賞から1秒経過時に、新たな保留図柄が宝箱を模した特別な図柄に変更される演出が実行される。これに合わせて、0.2秒間、振動強度100%の振動動作が実行される。振動強度が100%(最大の振動強度)の振動動作を設定することにより、首振り操作部材310の振動が見た目に視認し得るようになると共に、振動により発生する振動音が遊技者により聴き取り可能となる。これにより、首振り操作部材310に手を触れているか否かに拘わらず、保留予告演出が実行されたことを容易に認識させることができる。
次に、図113を参照して、振動動作を伴う複数の演出が競合した場合における振動強度の計時変化について説明する。図113は、小当たり報知演出の実行中に保留予告演出が実行された場合の振動パターンを示した図である。図に示した通り、振動動作を伴う変動演出(振動演出)の実行中に、保留予告演出の実行タイミングとなった場合には、既に決定されている振動演出の振動強度に対して、30%の振動強度を加算した振動強度で0.2秒間の振動動作を行った後、振動演出に対応する振動強度に再度切り替えられる。即ち、図113に示した通り、40%の振動強度の振動動作が実行されている最中に保留予告演出の実行タイミングとなった場合は、40%の振動強度に30%を加えて70%の振動強度の振動動作が設定される。また、70%の振動強度の振動動作が実行されている最中に保留予告演出の実行タイミングとなった場合は、70%の振動強度に100%を加えて100%の振動強度の振動動作が設定される。このように、振動演出の実行中に保留予告演出の開始タイミングとなった場合に、振動演出としての振動強度に30%だけ加算した振動強度に設定することにより、首振り操作部材310に触れている遊技者に対して振動強度が切り替わったことを容易に認識させることができる。よって、保留予告演出が実行されたことを見落としてしまう可能性を低減することができるので、保留予告演出に対して、より確実に期待感を抱かせることができる。
また、振動演出の実行中は、保留予告演出に対応する振動強度の加算を30%に抑えることで、首振り操作部材310が過剰に振動してしまうことを抑制することができる。即ち、保留予告演出が単発で実行された場合に振動強度100%の振動動作を設定しているのは、上述した通り、遊技者が首振り操作部材310に触れていない可能性が高いため、振動している見た目、および振動音により振動動作が実行された(保留予告演出が設定された)ことをより確実に認識させる構成としている。これに対して、振動演出の設定中は、既に遊技者が首振り操作部材310に触れている可能性が高いので、振動強度を、保留予告演出の開始を契機として突然最大にしてしまうと、遊技者が驚いてしまう虞がある。よって、本第4実施形態では、振動強度の増加幅を、もともと設定されていた振動演出の振動強度から30%に抑える構成とし、過剰に振動してしまうことを抑制する構成としている。これにより、遊技者が強すぎる振動に驚いてしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図114を参照して、偏重振動動作が設定されている場合に、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づいてモータ制御用ICが出力するパルス波形(PWM波形)について説明を行う。図114は、上方向に偏重して偏重振動動作を行っている状態におけるPWM波形(駆動電圧波形)の計時変化を示した図である。振動動作の開始タイミングになると、音声ランプ制御装置113よりDUTY比40%を指定するコマンドが出力され、モータ制御用ICにより、DUTY比40%のパルス信号が1kHzの周波数で繰り返し出力される。このパルス波形が印加された振動用モータ380は、印加電圧に基づく回転速度で回転動作する。これにより、偏心部材382が左側に配置されている配置(回転動作の原点位置)から、正面視時計回りに回転動作が開始される。また、偏心部材382の回転動作が開始されてから10msが経過し、偏心部材382が左斜め上方向に配置されると、音声ランプ制御装置113から80%のDUTY比を指定するコマンドが出力され、モータ制御用ICから出力される駆動電圧のDUTY比が80%に切り替えられる。これにより、振動用モータ380に印加される駆動電圧のオン期間が、DUTY比が切り替えられる前に比較して2倍となるので、偏心部材382が正面視左斜め上方向から、右斜め上方向に回転するまでの25msの間、2倍の回転速度で回転動作される。これにより、偏心部材382が上方向を通過する前後において、偏心部材382の重心に対して回転軸から見て外向きに掛かる遠心力が増大する。
DUTY比が80%に設定されてから25msが経過すると、音声ランプ制御装置113からモータ制御用ICへと、DUTY比40%を指定するコマンドが出力される。このコマンドを受けたモータ制御用ICは、出力する駆動電圧のDUTY比を再度40%に切り替える。これにより、偏心部材382の回転速度が、回転動作開始時と同一の回転速度に戻される。この状態で65ms間回転動作を行うことにより、偏心部材382が1周して原点位置に戻る。このDUTY比の切り替えを繰り返すことにより、偏心部材382が上方向の前後を通過する場合に遠心力を増大させ、他の位置を通過する場合に遠心力を弱めることができる。これにより、遠心力が増大する上方向に対して、より強い振動を発生させることができるので、首振り操作部材310に手を触れている遊技者に対して、振動の態様で操作方向を示唆することができる。よって、斬新な操作方向の示唆を行うことができる。また、首振り操作手段310に手を触れていなければ、振動により示唆される方向を遊技者が認識することが困難であるので、振動演出が発生した場合に、遊技者に対して積極的に首振り操作部材310に手を触れさせることができる。首振り操作部材310に手を触れさせることができれば、遊技者が首振り操作部材310を操作する可能性も高まるので、遊技者の選択肢演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第4実施形態では、偏心部材382が原点位置(左側に配置されている配置)に配置されているか否かを検出可能な図示しない原点センサを設けている。偏重振動演出時は、1周の回転動作が完了する100ms毎に、原点センサの出力を検出して、設定通り1周できたか否かを判別する構成としている。そして、原点位置にない場合には、原点センサがオンになるまで追加で回転動作を行わせてから、原点センサがオンになったことを契機に、再度図114に示した偏重振動の設定を開始する構成としている。これにより、回転位置がずれたとしても、1周毎に回転位置を修正することができるので、偏重振動の方向をより正確に設定することができる。
<第4実施形態における電気的構成について>
次いで、図115〜図117を参照して、第4実施形態における電気的構成について説明する。まず、図115は、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。図115に示した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1、および第2実施形態におけるパチンコ機10の構成に対して、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して首振り操作部材310が電気的に接続されている点で相違している。
首振り操作部材310には、遊技者の操作方向(首振り操作部材310を傾倒させた方向)を検出する傾倒センサ385と、上述した振動用モータ380とが少なくとも設けられている。傾倒センサ385は、4方向(左右、および前後方向)のそれぞれに対応する4つの検出センサで構成されており、首振り操作部材310がいずれかの方向に操作されると、操作方向に対応するセンサの出力がオン(H)となる。各センサの出力は、入出力ポート225へと入力されるので、MPU221は、首振り操作部材310の状態を、逐次把握することができる。
振動用モータ380は、上述した通り、首振り操作部材310を振動動作させるために設けられている。振動用モータ380の回転速度は、音声ランプ制御装置113より出力されるパルスのDUTY比によって制御される。また、図示については省略したが、振動用モータ380の偏心部材382が原点位置に配置されているか否かを検出可能な原点センサも入出力ポート225に対して電気的に接続されている。この原点センサは、偏心部材382が原点位置に配置されている場合に出力がオンとなり、原点位置からずれている場合に出力がオフとなる。この出力を監視することにより、音声ランプ制御装置113において、偏心部材382が原点位置に配置されているか否かを正確に把握することができる。
次に、図116(a)を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の構成について説明する。図116(a)に示した通り、本第4実施形態におけるROM222は、第1、および第2実施形態におけるROM222の構成(図21(a)参照)に対して、振動シナリオ選択テーブル222eと、発展演出選択テーブル222fとが追加されている点で相違している。
振動シナリオ選択テーブル222eは、首振り操作部材310の振動動作を伴う演出の実行中における振動動作の設定(モータ制御用ICに対して出力させる駆動電圧のDUTY比)が、定期的に更新される振動ポインタ223vの値毎に規定されているデータテーブルである。振動演出が設定されると、この振動シナリオ選択テーブル222eから、今回実行する振動演出に対応する1の振動シナリオが選択されて、RAM223に設けられた後述する振動シナリオ格納エリア223uに対して格納される。振動演出の実行中は、振動ポインタ223vが更新される毎に、この振動シナリオ格納エリア223uに格納された振動シナリオが読み出されて、ポインタ値に対応する振動動作を設定される。これにより、毎回の振動演出において、同一の振動動作を同一のタイミングで正確に実行することができる。
振動シナリオ選択テーブル222eの詳細について、図117(a),(b)を参照して詳しく説明する。図117(a)は、振動シナリオ選択テーブル222eの構成を示したブロック図である。図117(a)に示した通り、振動シナリオ選択テーブル222eには、演出種別毎に、異なるシナリオが規定されている。具体的には、「屋上モード」において、小当たり報知演出(図70(b)参照)が変動演出の表示態様として選択された場合に設定される小当たり報知演出用テーブル222e1、選択肢演出を伴わない大当たり報知演出(図71参照)が選択された場合に設定される大当たり報知演出用テーブル222e2、保留予告演出が決定された場合に設定される保留予告演出用テーブル222e3、選択肢演出が実行され、且つ、上側に偏重した振動動作が設定される上偏重振動演出用テーブル222e4、選択肢演出が実行され、且つ、右側に偏重した振動動作が設定される上偏重振動演出用テーブル222e5等振動動作を伴うあらゆる演出態様に対応するシナリオが規定されている。
次に、振動シナリオ選択テーブル222eに規定されている各振動シナリオの規定内容について、小当たり報知演出用テーブル222e1を例にとり、図117(b)を参照して説明する。図117(b)は、小当たり報知演出用テーブル222e1の規定内容を示した図である。
図117(b)に示した通り、小当たり報知演出用テーブル222e1は、振動ポインタ223vの値に対応付けて、モータ制御用ICに対して出力させる駆動電圧のDUTY比が規定されている。具体的には、振動ポインタ223vの値0000Hの値に対しては、演出開始を示すSTART情報が対応付けて規定されている。また、振動ポインタ223vの値が0001H〜05DBHの範囲には、DUTY比0%が対応付けて規定されているので、この振動ポインタ223vの値の範囲では、振動停止状態となる。また、振動ポインタ223vの値が05DCH〜0DABHの範囲に対しては、DUTY比40%が対応付けて規定されている。よって、この振動ポインタ223vの値の範囲では、モータ制御用ICに対してDUTY比40%を指定するコマンドが入力される結果、振動用モータ380に対してDUTY比40%の電圧波形が入力されて、振動強度が40%に設定される。
振動ポインタ223vの値が0DACH〜1193Hの範囲には、DUTY比0%が対応付けて規定されているので、この振動ポインタ223vの値の範囲では、振動停止状態となる。また、振動ポインタ223vの値が1194H〜157BHの範囲に対しては、DUTY比50%が対応付けて規定されている。よって、この振動ポインタ223vの値の範囲では、モータ制御用ICに対してDUTY比50%が設定され、モータ制御用ICよりDUTY比50%の駆動電圧が出力される結果、振動用モータ380の振動強度が50%に設定される。
振動ポインタ223vの値が157CH〜1D4BHの範囲には、DUTY比0%が対応付けて規定されているので、この振動ポインタ223vの値の範囲では、振動停止状態となる。また、振動ポインタ223vの値が1D4CH〜270FHの範囲に対しては、DUTY比70%が対応付けて規定されている。よって、この振動ポインタ223vの値の範囲では、モータ制御用ICに対してDUTY比70%が設定され、モータ制御用ICよりDUTY比70%の駆動電圧が出力される結果、振動用モータ380の振動強度が70%に設定される。
更に、振動ポインタ223vの値2710Hに対しては、END情報が対応付けて規定されている。このEND情報は、振動シナリオに規定した振動動作を設定し終わったか否かを判別するために用いられる。この小当たり報知演出用テーブル222e1を設定することにより、図112(a)に図示した振動パターンを実現することができる。
このように、本第4実施形態では、音声ランプ制御装置113のROM222に予め各種演出に対応する振動シナリオを規定しておき、演出開始時に1のシナリオを振動シナリオ選択テーブル222eから読み出して設定する構成としている。そして、振動演出の実行中は、定期的に(1ms毎に)更新される振動ポインタ223vの値に対応する振動動作(DUTY比)を振動シナリオから特定して、その特定した振動動作を設定する構成としている。これにより、音声ランプ制御装置113のMPU221は、振動演出の進行状況から逐次振動動作を特定する必要が無く、単に振動シナリオから対応する振動動作を読み出すという単純な処理を行うだけで済むので、処理負荷を軽減することができる。
図116(a)に戻って説明を続ける。発展演出選択テーブル222fは、選択肢演出において遊技者が操作を行った方向に応じて発展内容を選択するために参照されるデータテーブルである。演出態様毎に、首振り操作部材310の操作方向と、演出態様とが規定されている。図示については省略するが、この発展演出選択テーブル222fには、発展するパターンが異なる複数のテーブルが設定されており、演出カウンタ223jの値に応じて何れか1のテーブルが選択される構成としている。これにより、操作方向と発展演出の内容との対応関係をランダムにすることができる。
次に、図116(b)を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図116(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図116(b)に示した通り、本第4実施形態では、第1、および第2実施形態におけるRAM223の構成(図21(b)参照)に対して、振動シナリオ格納エリア223uと、振動ポインタ223vと、シナリオ種別フラグ223wと、有効期間タイマ223xと、背面種別カウンタ223yとが設けられている点で相違している。
振動シナリオ格納エリア223uは、振動演出の実行が決定された場合に、振動シナリオ選択テーブル222eから読み出した、今回の振動演に出対応する振動シナリオを格納しておくための記憶領域である。振動演出の実行中は、この振動シナリオ格納エリア223uに格納された振動シナリオが参照され、振動ポインタ223vが更新される1ms毎に、対応する振動設定が読み出されて設定される(図123のS3404参照)。
振動ポインタ223vは、振動演出の実行中に、振動設定処理の中で1ずつ更新されるポインタである(図123のS3403参照)。振動設定処理(図123参照)は、メイン処理4(図118参照)の中で1ms毎に実行されるので、振動ポインタ223vは、1ms毎に定期的に更新される。振動演出の実行中は、この振動ポインタ223vの値が更新される毎に、ポインタ値に対応する振動動作(DUTY比)が振動シナリオ格納エリア223uから読み出されて、その読み出されたDUTY比がモータ制御用ICに対して通知される(図123のS3408参照)。
シナリオ種別フラグ223wは、設定されている振動シナリオの種別(振動演出の種別)を識別するためのフラグである。このシナリオ識別フラグ223wによって、現在の振動シナリオの種別を容易に特定することができる。
有効期間タイマ223xは、選択肢演出において、遊技者の首振り操作部材310に対する操作を有効とする有効期間を計時するためのタイマである。選択肢演出の開始タイミングになると、この有効期間タイマ223xに対して今回の選択肢演出に対応する有効期間が設定される(図121のS3202参照)。この有効期間タイマ223xの値は、遊技者による首振り操作部材310への操作を検出するまで、演出制御処理の中で1ずつ減算される(図121のS3204)。そして、遊技者が首振り操作部材310を操作するよりも前にタイマ値が0となると、有効期間が経過したと判別して、発展演出として通常の怪獣が宝箱から出現する演出が実行される(図121のS3206参照)。
背面種別カウンタ223yは、上述した第3実施形態におけるRAM223に設けられていた背面種別カウンタ223yと同一の機能のものなので、その詳細な説明については省略する。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図118〜図127を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される各種制御処理について説明する。なお、第1、および第2実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
まず、図118を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理4について説明する。図118は、このメイン処理4の内容を示したフローチャートである。本実施形態におけるメイン処理4(図118参照)は、第1、および第2実施形態におけるメイン処理(図53参照)に対して、S2131〜S2133の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、メイン処理(図53参照)と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
メイン処理4(図118参照)では、S2106の処理において、保留個数表示更新処理を実行した後、メイン処理(図53参照)の操作入力監視・演出処理(S2107)に代えて、操作入力監視・演出処理4を実行する(S2131)。この操作入力監視・演出処理4の詳細については、図119を参照して後述する。
また、本第4実施形態におけるメイン処理4(図53参照)では、2110の処理が終了すると、振動用モータ380の振動強度を設定するための振動設定処理(S2132)を実行する。この振動設定処理の詳細については、図123を参照して後述する。
S2132の処理を実行した後、または、S2101の処理において、当該メイン処理が開始されてから、又は、前回S2101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していないと判別した場合は(S2101:No)、S2133のコマンド判定処理4へ移行する。このコマンド判定処理4の詳細については、図124を参照して後述する。その後は、第1、および第2実施形態におけるメイン処理(図53参照)と同様にS2112〜S2117の処理を実行する。
次に、図119を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理4(図118参照)内の一処理である操作入力監視・演出処理4(S2131)について説明する。図119は、この操作入力監視・演出処理4の内容を示したフローチャートである。
操作入力監視・演出処理4(S2131)では、まず、首振り操作部材310に対する操作を検出した(傾倒センサ385のうち、何れかの方向に対応するセンサの出力がHになった)か否かを判別する(S2821)。首振り操作部材310に対する操作を検出した場合は(S2821:Yes)、首振り操作部材310の操作方向に応じた制御を行うための操作検出時処理を実行する(S2822)。この操作検出時処理の詳細については、図120を参照して後述する。一方、首振り操作部材に対する操作を検出しなかった場合(S2821:No)、連打演出の実行期間を更新するための操作演出制御処理を実行する(S2823)。この操作演出制御処理の詳細については、図121を参照して後述する。S2822またはS2823の処理後に実行されるS2824の処理では、枠ボタン22の押下を監視して、対応する制御を行うための枠ボタン押下時処理を実行し(S2824)、本処理を終了する。この枠ボタン押下時処理(S2824)の詳細については、図122を参照して後述する。
次に、図120を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される操作入力監視・演出処理4(図119参照)内の一処理である操作検出時処理(S2822)について説明する。図119は、この操作検出時処理の内容を示したフローチャートである。
操作検出時処理(S2822)では、まず、連打期間の有効期間(実行期間)を計時する有効期間タイマ223xの値が0よりも大きいか否かを判別する(S3101)。有効期間タイマ223xの値が0であれば(S3101:No)、現在が連打演出の有効期間外(実行期間外)であることを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、有効期間タイマ223xの値が1以上であれば(S3101:Yes)、傾倒センサ385を構成する各センサの出力から傾倒方向(出力がHのセンサに対応する方向)を特定する(S3102)。次いで、今回の選択肢演出(図110参照)でレア演出(図111参照)が設定される方向と、首振り操作部材310の傾倒方向とを比較し(S3103)、首振り操作部材310の傾倒方向がレア演出の設定される方向に一致したか否かを判別する(S3104)。なお、レア演出が設定される方向は、特別図柄の抽選結果が大当たりFとなった場合に実行される変動演出において選択肢演出を伴う態様の変動演出が決定された場合に、変動開始時に抽選により決定され、RAM223に記憶される。
S3104の処理において、首振り操作部材310の傾倒方向(操作方向)がレア演出の設定される方向に一致したと判別した場合は(S3104:Yes)、発展演出選択テーブル222fから特別演出用テーブルを読み出し(S3105)、S3107の処理へ移行する。これにより、選択肢演出において、レアな態様の怪獣が出現する演出を実行することができるので、遊技者を喜ばせることができる。一方、S3104の処理において、比較結果が一致しなかった場合は(S3104:No)、発展演出選択テーブル222fから通常演出用テーブルを読み出し(S3106)、S3107の処理へ移行する。通常演出用テーブルが読み出された場合には、宝箱から通常の態様の怪獣が出現する演出(図71参照)が実行されるので、大当たり後に「屋上モード」が継続するか否かが不明である。よって、この場合には、大当たり中のバトル演出で男性のキャラクタが怪獣を倒すことを期待して遊技を行わせることができる。よって、大当たり中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
S3107の処理では、読み出したテーブルと演出カウンタ223jの値とに基づいて発展演出を設定し(3108)、振動ポインタ223vの値を選択肢演出が終了する時点のポインタ値に更新する(S3109)。次いで、有効期間タイマ223xの値を0にリセットし(S3110)、本処理を終了する。
次に、図121を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される操作演出制御処理(S2823)について説明する。図121は、この操作演出制御処理(S2823)を示したフローチャートである。この操作演出制御処理(S2823)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される操作入力監視・演出処理4(図119参照)の中で実行される。以下、操作演出制御処理(S2823)の詳細を説明する。
操作演出制御処理(図121、S2823)では、まず、首振り操作部材310の操作が有効となる有効期間の開始タイミングであるか否かを判別する(S3201)。有効期間の開始タイミングであると判別した場合には(S3201:Yes)、有効期間タイマ223xに、今回の変動演出に対応する有効期間を設定し(S3202)、操作入力監視・演出処理4に戻る。
一方、S3201の処理において、有効期間の開始タイミングでないと判別した場合には(S3201:No)、有効期間タイマ223xの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S3203)。有効期間タイマ223xの値が0より大きいと判別した場合には(S3203:Yes)、有効期間タイマ223xの値を1減算して更新し(S3204)、減算後の有効期間タイマ223xの値が0であるか否かを判別する(S3205)。S3205の処理において、有効期間タイマ223xの値が0であると判別した場合は(S3205:Yes)、発展演出選択テーブル222f(図110(a)参照)から通常演出用テーブル(図示せず)を読み出す(S3206)。次いで、読み出した通常演出用テーブル(図示せず)と演出カウンタ223jの値に基づいて、発展演出を設定し(S3207)、操作入力監視・演出処理4(図119参照)に戻る。これにより、遊技者が選択肢演出において首振り操作部材310を操作しなかった場合に、通常の演出を設定することができる。
一方、S3203の処理において、有効期間タイマ223xの値が0であると判別した場合(S3203:No)と、S3205の処理において、減算後の有効期間タイマ223xの値が0でない(0より大きい)と判別した場合は(S3205:No)、S3206,S3207の処理を実行せずに、そのまま操作入力監視・演出処理4(図119参照)に戻る。
なお、本第4実施形態では、選択肢演出において設定された首振り操作部材310の操作有効期間の終了時に、通常演出を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、レア演出に対応する選択肢が含まれる場合には、レア演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、レア演出に対応する選択肢が含まれ、且つ、首振り操作部材310の振動態様が偏重振動態様の場合に、その偏重振動態様で示唆される操作方向を判別して、有効期間が経過した時点で振動態様によって示唆される操作方向に操作されたのと同一の制御を実行する(発展演出選択テーブル222fから特別演出用テーブルを読み出して発展演出を設定する)構成としてもよい。このように構成することで、首振り操作部材310の操作を行いたくないと考える遊技者に対しても、レア演出が実行される機会を与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図122を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン押下時処理(S2824)について説明する。図122は、この枠ボタン押下時処理(S2824)を示したフローチャートである。この枠ボタン押下時処理(S2824)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される操作入力監視・演出処理4(図119参照)の中で実行され、上述したように、枠ボタン22に対する押下を監視し、枠ボタン22の押下が検出された場合に対応した演出を設定する処理である。
枠ボタン押下時処理(図122、S2824)では、まず、枠ボタン22の押下を検出したか否かを判別する(S3301)。S3301の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S3301:Yes)、背面種別の変更禁止期間であるか否かを判別する(S3302)。背面種別の変更禁止期間でないと判別した場合は(S3205:No)、背面種別カウンタ223yの値を更新し(S3303)、更新後の背面種別カウンタ223yの値に対応する背面種別を設定する(S3304)。その後、操作入力監視・演出処理4に戻る。
一方、S3301の処理において、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合(S3301:No)と、S3302の処理において、背面種別の変更禁止期間であると判別した場合は(S3302:Yes)、操作入力監視・演出処理4に戻る。
次に、図123を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される振動設定処理(S2132)について説明する。図123は、この振動設定処理(S2132)を示したフローチャートである。この振動設定処理(S2132)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理4(図118参照)の中で実行される。以下、振動設定処理(S2132)の詳細を説明する。
振動設定処理(図123、S2132)では、まず、シナリオ種別フラグ223wを読み出し(S3401)、振動シナリオが設定されているか否かを判別する(S3402)。S3402の処理において、振動シナリオが設定されていると判別した場合は(S3402:Yes)、振動ポインタ223vの値に1を加算する(S3403)。次いで、加算後の振動ポインタ223vの値に対応するDUTY比を振動シナリオ格納エリア223uから読み出す(S3405)。そして、S3405の処理で、DUTY比ではなくEND情報を読み出したか否かを判別する(S3405)。
S3405の処理において、END情報を読み出したと判別した場合は(S3405:Yes)、振動用モータ380の停止を設定し(S3406)、メイン処理4(図118参照)に戻る。一方、S3405の処理において、END情報を読み出していない(DUTY比を読み出した)と判別した場合は(S3405:No)、次いで、現在設定されているDUTY比から変更するか否かを判別する(S3407)。S3407の処理において、DUTY比を変更すると判別した場合は(S3407:Yes)、読み出したDUTY比に基づいて動作コマンドを設定し(S3408)、メイン処理4に戻る。
次に、図124を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理4(図118参照)内の一処理であるコマンド判定処理4(S2133)について説明する。図124は、このコマンド判定処理4(S2133)の内容を示したフローチャートである。本実施形態におけるコマンド判定処理4(図124、S2133参照)のうち、S2201〜S2209、およびS2211〜S2216の各処理では、それぞれ第1、および第2実施形態におけるコマンド判定処理(図54、S2111参照)のS2201〜S2209、およびS2211〜S2216の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(S2133)では、S2202、およびS2204の処理を実行後、選択肢演出や、振動動作等の予告演出を設定するための各種予告設定処理(S2231)を実行する。この各種予告設定処理(S2231)の詳細については、図125を参照して後述する。
また、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図124参照)では、S2209の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S2209:Yes)、第1、および第2実施形態における入賞コマンド処理(図58参照)に代えて、入賞コマンド処理4を実行し(S2232)、その後本処理を終了する。この入賞コマンド処理4(S2232)の詳細については、図126を参照して後述する。
次に、図125を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(図124、S2133参照)内の一処理である各種予告設定処理(S2231)について説明する。図125は、この各種予告設定処理(S2231)の内容を示したフローチャートである。
各種予告設定処理(S2231)では、まず、現在の変動パターンが選択肢演出を伴うものであるか否かを判別する(S3501)。選択肢演出を伴うものであるか否かの情報は、特図1変動開始処理(図55参照)、または特図2変動開始処理(図56参照)の中で、変動パターンコマンドに基づいて選択された詳細な変動パターンの態様として選択肢演出を伴う態様が設定された場合に、RAM223に対して記憶される。
S3501の処理において、現在の変動パターンが選択肢演出を伴うものではないと判別した場合は(S3501:No)、S3502の処理を実行せず、S3503の処理へ移行する。一方、S3501の処理において、現在の変動パターンが選択肢演出を伴うものであると判別した場合は(S3501:Yes)、変動パターンに対応する有効期間の開始タイミングを設定し(S3502)、S3503の処理へ移行する。
S3503の処理では、現在の変動パターンが振動演出を伴うものであるか否かを判別する(S3503)。現在の変動パターンが振動演出を伴うものではないと判別した場合は(S3503:No)、S3504〜S3506の処理を実行せず、そのまま本処理を終了する。
一方、S3503の処理において、現在の変動パターンが振動演出を伴うものであると判別した場合は(S3503:Yes)、今回の振動演出に対応する振動シナリオを振動シナリオ選択テーブル222e(図117(a)参照)から読み出し(S3504)、読み出したシナリオを振動シナリオ格納エリア223uに格納し(S3505)、振動ポインタ223vの値をリセットし(S3506)、その後、本処理を終了する。
次に、図126を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(図124、S2133参照)内の一処理である入賞コマンド処理4(S2232)について説明する。図126は、この入賞コマンド処理4(S2232)の内容を示したフローチャートである。本実施形態における入賞コマンド処理4(図126、S2232参照)は、第1、および第2実施形態における入賞コマンド処理(図58、S2210参照)に代えて実行される処理であり、入賞コマンドにより通知された抽選結果に対応する制御を行う処理である。
この第4実施形態における入賞コマンド処理4(S2232)のうち、S2401〜S2405の各処理では、それぞれ第1、および第2実施形態における入賞コマンド処理(図58参照)のS2401〜S2405の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における入賞コマンド処理4(図126参照)では、S2405の処理を実行する前に、保留予告演出(図111(b)参照)の実行可否を判定するためのS2411,S2412の各処理を実行する。即ち、現在、保留予告演出の実行中であるか否かを判別し(S2411)、保留予告演出の実行中でなければ(S2411:No)、保留予告演出を設定するか否かを判定するための保留予告設定処理を実行し(S2412)、その後、S2405の処理へ移行する。この保留予告設定処理の詳細については図127を参照して後述する。
一方、S2411の処理において、保留予告演出の実行中であると判別した場合は(S2411:Yes)、S2412の処理をスキップして、S2405の処理へ移行する。
次に、図127を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞コマンド処理4(図126、S2232参照)内の一処理である保留予告設定処理(S2412)について説明する。図127は、この保留予告設定処理(S2412)の内容を示したフローチャートである。
保留予告設定処理(S2412)では、まず、演出カウンタ223jの値を取得し(S3601)、取得した演出カウンタ223jの値と、ROM222に設けられた保留予告判定テーブル(図示せず)とを比較して、新たな入賞情報に対する保留予告の実行可否を判定する(S3602)。図示については省略したが、保留予告判定テーブルは、入賞コマンドによって通知された特別図柄の抽選結果、および変動パターンの種別毎に、保留予告演出を実行すると判別する判定値が対応付けて規定されている。この保留予告判定テーブルでは、抽選結果が大当たりである場合に、保留予告を実行すると判定する割合が高くなるように設定されている。また、外れの場合には、変動パターンがスーパーリーチを伴う態様の方が、完全外れ、若しくはノーマルリーチの態様よりも保留予告を実行すると判定する割合が高くなるように設定されている。
次に、S3602の判定で保留予告を実行すると判定したか否かを判別し(S3603)、保留予告を実行しないと判別した場合は(S3603:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3603の処理において、保留予告を実行すると判別した場合は(S3603:Yes)、保留予告の種別を通知する表示用保留予告コマンドを設定し(S3604)、保留予告演出に対応する効果音を設定し(S3605)、保留予告に対応する振動パターンシナリオを読み出す(S3606)。
S3606の処理後は、他のシナリオが既に設定されているか否かを判別し(S3607)、他のシナリオが設定されていないと判別した場合は(S3607:No)、読み出したシナリオを振動シナリオ格納エリア223uに設定し(S3608)、その後、本処理を終了する。
一方、S3607の処理において、他の振動シナリオが既に設定されていると判別した場合は(S3607:Yes)、読み出した保留予告演出に対応する振動シナリオの各ポインタ値に対応するDUTY比に0.3を乗算する(S3609)。次に、読み出した振動シナリオに規定された各振動ポインタ223vの値に、現在の振動ポインタ223vの値を加算する(S3610)。そして、振動シナリオ格納エリア223uの各ポインタ値のDUTY比に対して、S3609の処理において乗算したDUTY比を、同一の振動ポインタ223vの値毎に加算し(S3611)、その後、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第4実施形態では、遊技者が4方向(左右、奥、および手前)に操作可能な首振り操作部材310を設ける構成としている。また、この首振り操作部材310を用いた演出として、選択肢演出を設けている。この選択肢演出では、第3図柄表示装置81に対して表示された4つの選択肢の中から1の選択肢を首振り操作部材310の操作方向により選択することができる。そして、遊技者が選択した方向に応じて、異なる発展演出(通常演出、またはレア演出)を設定可能に構成している。このように構成することで、選択肢演出が実行された場合に、レア演出を出現させることを期待して積極的に首振り操作部材310を操作させることができる。
また、本第4実施形態では、首振り操作部材310の内部に振動モータ380が設けられており、この振動モータ380を駆動させることにより振動動作を実行可能に構成している。振動モータ380は、全方向に均等に振動する均等振動態様と、1方向に偏って振動する偏重振動態様とで制御可能に構成されている。偏重振動態様は、「屋上モード」において、遊技者にとって有利な大当たりFを報知する演出として、選択肢演出が選択された場合に設定される可能性がある。即ち、首振り操作部材310が、レア演出に発展する選択肢の方向に偏重して振動する演出が実行される。これにより、首振り操作部材310に触れている遊技者に対して、レア演出が出現する方向を報知することができるので、レア演出を見たいと考える遊技者に対して、首振り操作部材310に積極的に触れさせることができる。よって、遊技者の選択肢演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第4実施形態では、レア演出の方向を示唆する報知態様の一種として、偏重振動態様を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、球の打ち出し方向を報知するために用いてもよい。即ち、左打ち遊技を行うべき遊技状態である通常遊技状態ST1や、時短遊技状態ST1hでは、首振り操作部材310を左方向に偏重して振動させる構成とし、右打ち遊技を行うべき遊技状態である確変遊技状態ST3や、潜伏確変遊技状態ST2では、首振り操作部材310を右方向に偏重して振動させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が打ち出し方向を誤り難い遊技機を提供することができる。
本第4実施形態では、振動動作を伴う変動演出の開始時に、振動シナリオ選択テーブル222eから1の振動シナリオを選択して、その選択した振動シナリオに規定された振動パターンで首振り操作部材310を振動させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、振動動作の実行タイミング、および実行期間のみを変動演出の種別毎に設定しておき、実行期間となる毎に、振動強度を抽選により定める構成としてもよい。そして、通常の振動強度と、期待度が高い振動強度とを設けておき、抽選結果が遊技者に有利となる結果(例えば、屋上モードにおける大当たりFや、小当たり)の場合に、期待度が高い振動強度が選択され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、振動強度に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の振動演出に対する参加意欲を向上させることができる。
本第4実施形態では、選択肢演出が実行された場合に、その選択肢演出でレア演出に発展する操作方向を振動の態様で遊技者に報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22が振動する構成としておき、第3図柄表示装置81において、枠ボタン22を押下するタイミングに応じて異なる演出態様が表示される押下演出を実行可能な遊技機に対して適用してもよい。つまり、押下演出において、最も良いタイミングと判定される期間において、枠ボタン22を振動動作させる構成としてもよい。このように構成することで、枠ボタン22に触れているだけで、操作タイミングを容易に判別することができるので、押下演出が苦手な遊技者に対しても、積極的に押下演出に参加させることができる。
本第4実施形態では、レア演出が実行される選択肢を振動の態様(振動強度が強い位置)で示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選択肢演出において、首振り操作部材310により選択肢にカーソルを合わせた後、所定の操作ボタン(例えば、枠ボタン22)によって決定操作を行うことにより選択肢を選択可能な構成とした上で、カーソルを合わせた選択肢がレア演出の選択肢か否かによって振動強度を異ならせる構成としてもよい。即ち、レア演出の選択肢にカーソルを合わせている間は強い振動強度とし、通常演出の選択肢にカーソルを合わせている間は弱い振動強度とする構成としてもよい。このように構成することで、各選択肢の振動強度を確かめるために、遊技者に対して積極的に首振り操作部材310を操作させることができる。
本第4実施形態では、大当たり後の遊技状態が潜伏確変遊技状態ST2となる場合に選択肢演出において偏重振動態様が設定される可能性があったが、これに限られるものではない。例えば、偏重振動態様を変動演出中の大当たり変動演出で、大当たりを報知する演出において実行する構成としてもよい。
本第4実施形態では、偏重振動態様によりレア演出の方向を報知する構成としていたが、これに代えて、または加えて、振動動作が開始された場合に、首振り操作部材310を遊技者の手があるであろう方向(正面視手前側)に動作させる構成としてもよい。これにより、遊技者に対してより積極的に首振り操作部材310に触れさせることができる。
<第5実施形態>
次に、図128〜図137を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、首振り操作部材310の振動動作を伴う演出の実行が決定された場合、当該演出に対応する振動動作の計時変化が規定された振動シナリオを設定することにより、予め定められた振動動作を、予め定められたタイミングで実行する構成としていた。
これに対して本第5実施形態では、楽曲や押下音等の音声を出力するための音声データから特定される音圧(遊技者が感じる音の大きさ)に応じて振動動作を決定する構成としている。これにより、遊技者が感じる音の大きさに合わせて振動を出力することができるので、より臨場感のある演出を提供することができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113と、音出力装置226とを相互通信可能に構成した点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図128を参照して、本第5実施形態における音響波形と、振動強度との対応関係について説明を行う。図128(a)は、小当たり報知演出の実行中に音声出力装置226のアンプ部307(図130参照)に対して出力される楽曲の音響波形(電圧波形)を示した図であり、図128(b)は、当該楽曲の音声データに基づいて出力される振動動作の計時変化を示した図である。図128(a)に示した通り、小当たり報知演出が実行され、当該演出に対応する楽曲が再生されると、時々刻々と振幅が可変する音響波形(電圧波形)がアンプ部307に対して出力される。出力された音響波形は、アンプ部によって増幅され、スピーカー部308から音声として出力される。なお、詳細については後述するが、この音響波形(電圧波形)を出力するためのデータ(音声ファイル)は、音出力装置226のMPU301に設けられたROM302(図130参照)に記憶されている。この音声ファイルのデータが読み出される(再生される)ことにより、楽曲が出力される。
図128(b)は、小当たり報知演出において出力される楽曲に合わせて出力される振動動作の計時変化を模式的に示した模式図である。ここで、本実施形態では、アンプ部307に対して出力される音声データに基づく音圧データを音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。音声ランプ制御装置113では、受信した音圧データに応じた振動強度で、首振り操作部材310が振動するように制御する。これにより、音圧の変化に振動強度を同期して可変させることができる。
図128(b)に示した通り、小当たり方落ち演出が実行され、図128(a)に例示した音圧波形の楽曲が出力されると、首振り操作部材310が、楽曲の音響波形の振幅に応じた振動強度で振動する。具体的には、例えば、振幅のピークが40%の場合に、振動強度(DUTY比)として40%が設定され、50%の場合に、振動強度(DUTY比)として50%が設定され、70%の場合に、振動強度(DUTY比)として70%が設定される。これにより、遊技者が感じる音の大きさと、振動の強さとを連動させることができるので、より臨場感のある演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、複数の楽曲または効果音が複合して同時に出力される場合がある。具体的には、例えば、大当たりとなり、大当たり用の楽曲が出力されている場合に、特定入賞口65に対する入賞を検出して、入賞音を出力する場合等である。詳細については後述するが、複数の異なる音声を同時に出力する場合は、音声出力装置226に設けられた音声合成部306(図130参照)によって複数の音声が合成されて、新たな1の音声データがアンプ部307に対して出力される。このため、音声合成部306には、合成すべき複数種類の音声データを受け付けるための複数のチャンネルが設けられている。音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、アンプ部307に出力することができる。これにより、異なる複数の音声データを同時に出力することができる。
次に、図129を参照して、複数の音声データを出力する場合において、一部の音声データが音として出力されることを回避する場合について説明する。本実施形態では、振動動作を伴う変動演出(振動演出)の実行中にも、新たな始動入賞を検出した場合には、保留予告演出の実行可否を判定可能に構成している。このため、判定に当選すれば、振動演出中に保留予告演出が実行される場合がある。しかしながら、振動演出中は、変動演出に注目して遊技を行うのが通常であり、保留図柄の態様が変更されたことに気づかない場合がある。かかる場合に、保留予告演出に対応する振動、および音声を出力してしまうと、振動演出において特別な(レアな)演出が実行されたのではないか、と遊技者に対して誤解させてしまう虞がある。そして、当該誤解が解けないまま、実行中の振動演出で最終的に外れとなった場合は、遊技者に対して不信感を抱かせてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、保留予告演出が決定された場合に、振動演出の実行中であれば、音声も振動も出力されない構成としている。即ち、副表示領域Dsにおける保留図柄の表示態様の変更のみを実行する構成としている。これにより、振動演出に基づく楽曲や振動と、保留予告演出に基づく効果音や振動とを遊技者が混同してしまうことを防止(抑制)できる。
図129は、保留予告演出が決定された場合において、その保留予告演出に対応する効果音の出力をキャンセルするための音声出力方式を示した図である。図129に示した通り、チャンネル1に対して振動演出ようの楽曲を出力(再生)中に、保留予告演出が決定されると、その効果音に対応する音声データ(音声ファイル)がチャンネル2に対して出力(再生)される。また、保留予告演出に対応する効果音の出力と同時に、効果音を打ち消すための音声データ(キャンセルデータ)が、チャンネル3に対して出力される。
図129に示した通り、効果音に対応する音声データと、その効果音のキャンセルデータとは、互いに逆位相のデータとなっているので、音声合成部306によって合成されると、互いに打ち消し合う。よって、設定された保留予告用の効果音が、実際に遊技者に音として届くことはない。また、上述した通り、首振り操作部材310の振動動作は、合成後の音声データに基づいて設定されるので、キャンセルデータによって合成後に打ち消された保留予告演出用の効果音については、振動動作に反映されることが無い。よって、振動演出の実行中に、異なる演出に対応する音声や振動が出力されてしまうことを防止することができる。これにより、遊技者が、他の演出に基づく音声や振動を、振動演出の音声や振動動作の一部と誤認してしまうことを防止(抑制)することができる。
<第5実施形態における電気的構成について>
次に、図130〜図132を参照して、第5実施形態における電気的構成について説明する。まず、図130は、本第5実施形態における音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図130に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113とデータの送受信が可能に接続されている。
図130に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPU301は、入出力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入出力ポート305を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。
音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。なお、本実施形態では、音声合成部306によって生成された合成音声データを、アンプ部307だけでなく、公知のAC−DCコンバータで構成されたADC309に対しても入力する構成としている。このADC309は、アナログデータである合成音声データを、デジタルデータに変換してMPU301に対して出力可能に構成されている。
より具体的には、ADC309は、比較器309a1〜309a15と、デコード部309bとを少なくとも有している。各比較器309a1〜309a15は、それぞれ受信したアナログデータの振幅(電圧)が、各比較器309a1〜309a15に対応する電圧よりも大きいか否かを判別することができる。なお、各比較器309a1〜309a15に対応する電圧としては、7ボルトから−7ボルトまでの範囲で1ボルトずつ設定されている。各比較器309a1〜309a15は、対応する電圧値よりも合成音声データの電圧値の方が大きい場合に、Lを出力し、合成音声データの方が小さければHを出力する構成となっている。
デコード部309bは、各比較器309a1〜309a15の出力の組み合わせから、今回の合成音声データの電圧値の範囲を特定して、4ビットのデジタル値に変換する。即ち、電圧が低い範囲の順に、「0000B」から「1111B」までのデジタル値に変換する。具体的には、例えば、合成音声データの電圧値が7ボルトよりも大きい場合には、デジタル値として「1111B」が出力される。また、例えば、合成音声データの電圧値が3ボルトより大きく、4ボルト以下である場合には、デジタル値として「1011B」が出力される。
MPU301では、ADC309から出力された合成後の音声データを所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングして、その平均値(平均の振幅)を音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としている。音声ランプ制御装置113は、受信した平均の振幅から、対応する振動強度(DUTY比)を特定する。そして、その特定した振動強度(DUTY比)で振動用モータ380を駆動させるための動作コマンドをモータ制御用ICに対して設定する。これにより、スピーカー部308から出力される音声に合わせて、首振り操作部材310の振動強度を可変させることができるので、臨場感のある演出を提供することができる。
なお、本第5実施形態では、ADC309から出力されたデジタル値をMPU301に出力する構成としているが、直接入出力ポート305に対して出力することで、デジタル値をそのまま音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。そして、振動演出を伴う変動演出を実行する場合には、音声ランプ制御装置113側において、デジタル値を所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングすることで平均の振幅を算出する構成としてもよい。そして、算出した平均の振幅に応じた振動強度(DUTY比)をモータ制御用ICに対して動作コマンドで通知する構成としてもよい。これにより、MPU301の処理負荷を軽減することができる。
本第5実施形態では、合成音声データを、振幅の絶対値の平均値に変換して、その平均値に基づいて振動強度(DUTY比)を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、サンプリングを行う所定期間(例えば、0.1秒間)における絶対値の最大値を、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよいし、実効値(振幅の最大値を2の平方根で除算した値)を算出して音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。
次に、図131(a)を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図131(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図131(a)に示した通り、本第5実施形態のROM222は、第4実施形態におけるROM222の構成(図116(a)参照)に対して、振動変換テーブル222gが設けられていると共に、振動シナリオ選択テーブル222eが削除されている点で相違している。
振動変換テーブル222gは、音出力装置226から受信した、合成音声データの振幅を示すデータから、振動強度(モータ制御用ICに出力させるパルス信号(駆動電圧)のDUTY比)を特定するために参照されるデータテーブルである。この振動変換テーブル222gの詳細について、図132(a)を参照して説明する。
図132(a)は、振動変換テーブル222gの規定内容を示した図である。図132(a)に示した通り、振動変換テーブル222gには、音声出力装置226から受信した合成音声データの振幅(A)の値の範囲毎に、モータ制御用ICに対して通知すべきDUTY比が対応付けて規定されている。
具体的には、合成音声データの振幅Aが0%以上、5%未満の範囲に対しては、DUTY比として5%が対応付けて規定されている。また、振幅Aが5%以上、15%未満の範囲に対しては、DUTY比として10%が対応付けて規定され、振幅Aが15%以上、25%未満の範囲に対しては、DUTY比として20%が対応付けて規定され、振幅Aが25%以上、35%未満の範囲に対しては、DUTY比として30%が対応付けて規定されている。以下同様に、振幅Aが10%増加する毎に、対応付けられているDUTY比も10%ずつ増加していく。そして、振幅Aが95%以上、100%以下の範囲に対しては、DUTY比として100%が対応付けて規定されている。この振動変換テーブル222gは、音声出力装置226の音声合成部306によって合成された合成音声データが音声ランプ制御装置113に対して通知された場合に参照され、振幅に対応するDUTY比をモータ制御用ICに通知するための動作コマンドを設定するように制御される。これにより、合成音声データに連動させて、首振り操作部材310の振動強度を可変させることができるので、首振り操作部材310に触れている遊技者に対して、より臨場感のある演出を提供することができる。
次に、図131(b)を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図131(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図131(b)に示した通り、本第5実施形態におけるRAM223は、第4実施形態におけるRAM223の構成(図116(b)参照)に対して、振動演出フラグ223baが追加されていると共に、振動シナリオ格納エリア223uと、振動ポインタ223vと、シナリオ種別フラグ223wとが削除されている。
振動演出フラグ223baは、首振り操作部材310の振動動作を伴う演出の実行中であるか否かを示すフラグである。この振動演出フラグ223baがオンの間は、音声出力装置226から出力される合成音声データに基づいて首振り操作部材310を振動動作させる。一方、振動演出フラグ223baがオフの場合は、合成音声データを受信したか否かによらず、振動動作が実行されない。この振動演出フラグ223baは、振動動作を伴う変動演出を開始する場合や、保留予告演出を開始する場合にオンに設定される。
次に、図132(b)を参照して、第5実施形態における音声出力装置226のMPU301に設けられたROM302の構成について説明する。図132(b)は、ROM302の構成を示したブロック図である。図132(b)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302aが少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリア302aには、パチンコ機10で実行される各種演出において楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)が記憶されている記憶領域である。各種演出の実行が音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
次に、図132(c)を参照して、音出力装置132に設けられたRAM303の構成について説明する。図132(c)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図132(c)に示した通り、RAM303は、コマンド記憶領域303aと、楽曲出力中フラグ303bと、逆位相出力フラグ303cとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域303aは、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声出力装置226のコマンド判定処理(図136参照)が実行されると、コマンド記憶領域303aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
楽曲出力中フラグ303bは、変動表示演出等が実行され、音声ファイルに基づく楽曲の出力中であるか否かを示すフラグである。この楽曲出力中フラグ303bがオンであれば、楽曲の出力中であることを意味し、オフであれば、楽曲の出力中でないことを意味する。この楽曲出力中フラグ303bがオンの状態で、保留予告演出に対応する効果音の出力が通知された場合は、効果音の音声ファイルを再生するのに加え、キャンセル用の音声データ(効果音の逆位相のデータ)を専用のチャンネルに出力する。これにより、楽曲の実行中に効果音が重ねて発音されることを抑制できる。
逆位相出力フラグ303cは、保留予告演出の効果音を打ち消すための逆位相の音声データの出力が設定されているか否かを示すフラグである。この逆位相出力フラグ303cがオンであれば、逆位相の音声データの出力が設定されていることを意味し、オフであれば、逆位相の音声データの出力が設定されていないことを意味する。逆位相出力フラグ303cがオンの状態で保留予告演出に対応する効果音を設定する(音声ファイルを再生する)場合は、同時に、キャンセル用の逆位相のデータが再生される。これにより、楽曲の実行中に効果音が重ねて発音されることを抑制できる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図133、および図134を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される各種制御処理について説明する。なお、第3実施形態と同様の処理については、図示とその説明を省略して、異なる制御処理についてのみ、図示とその説明をする。
まず、図133を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(S2141)について説明する。図133は、このコマンド判定処理5(S2141)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(図133、S2141参照)は、第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図124参照)に代えて実行され、主制御装置110から受信したコマンドに応じた制御を行うための処理である。
このコマンド判定処理5(図124参照)のうち、S2201〜S2209,S2211〜S2216,S2231、およびS2232の各処理では、それぞれ第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図124参照)のS2201〜S2209,S2211〜S2216,S2231、およびS2232の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図133参照)では、S2213の処理において、報知コマンドを受信していないと判別された場合に(S2213:No)、次いで、合成音声コマンドを受信したか否かを判別する(S2241)。この合成音声コマンドは、音声出力装置226より出力され、所定期間(0.1秒間)における合成音声データの平均の振幅を通知するためにMPU301によって出力されるコマンドである。
S2241の処理において、合成音声コマンドを受信していないと判別した場合には(S2241:No)、S2216の処理へ移行する。一方、S2241の処理において、合成音声コマンドを受信したと判別した場合には(S2241:Yes)、振動演出フラグ223baがオンであるかを判別する(S2242)。振動演出フラグ223baがオフであれば(S2242:No)、振動演出を実行中でなく、音声に連動させて振動を設定する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。一方、振動演出フラグ223baがオンであれば(S2242:Yes)、受信したコマンドにより特定される合成音声データの平均の振幅を振動強度(DUTY比)に変換し(S2243)、振動強度(DUTY比)に応じた動作コマンドをモータ制御用ICに設定することで振動用モータ380の振動動作を設定して(S2244)、本処理を終了する。
次に、図134を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される保留予告設定処理5(S2421)について説明する。この保留予告設定処理5(図134参照)は、第4実施形態における保留予告設定処理(図127参照)に代えて実行される処理であり、保留予告演出の実行可否を判定するための処理である。
この第5実施形態における保留予告設定処理5(図134参照)のうち、S3601〜S3605の各処理では、それぞれ第4実施形態における保留予告設定処理(図127参照)のS3601〜S3605の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における保留予告設定処理5(図134参照)では、S3605の処理で保留予告演出に対応する効果音を設定した後は、振動演出フラグ223baをオンに設定して(S3621)、本処理を終了する。これにより、振動を伴う演出の実行中であることを示すことができるので、合成音声コマンドに基づいて、保留予告演出に対応する振動強度の振動動作を振動用モータ380に対して設定することができる。
<第5実施形態における音声出力装置の制御処理について>
次に、図135〜図137を参照して、第5実施形態における音声出力装置226により実行される出力処理について説明する。
まず、図135(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図135(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、コマンド判定処理(S6002)の中で合成音声データを所定期間(0.1秒間)サンプリングすることで得られた平均の振幅に基づいて生成される合成音声コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(S6001)。次に、音声ランプ制御装置113や、ADC309から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S6002)。このコマンド判定処理(S6002)の詳細については、図136を参照して後述する。S6002の処理後、演出に応じた音声データ(音声ファイル)を再生する音声設定処理を実行する(S6003)。この音声設定処理(S6003)の詳細については、図137を参照して後述する。
S6003の処理が終わると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S6004)。S6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S6004:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S6006)、電源断処理を実行する(S6007)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S6008)、その後、処理を無限ループする。
一方、S6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S6004:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(S6005)、RAM303が破壊されていなければ(S6005:No)、S6001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(S6005:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図135(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図135(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。
このコマンド割込処理(図135(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図136を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図135参照)内の一処理であるコマンド判定処理(S6002)について説明する。図136は、このコマンド判定処理(S6002)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(S6002)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6101)、未処理の新規コマンドがなければ(S6101:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6101:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(S6102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、音声用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6104)。この音声用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113の特図1変動開始処理(図55参照)、または特図2変動開始処理(図56参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を選択したタイミング(図55のS2243、図56のS2303参照)で、あわせて、その表示態様に対応して再生すべき音声の種別および出力タイミングを通知するために設定される。
S6104の処理において、未処理のコマンドの中に音声用変動パターンコマンドがあると判別されると(S6104:Yes)、通知された変動パターンコマンドの実行中に用いる楽曲、効果音を特定し(S6105)、特定した楽曲、効果音の出力チャンネル、出力タイミングを設定して(S6106)、S6101の処理へ戻る。
S6104の処理において、音声用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、音声用保留予告コマンドがあるか否かを判別する(S6107)。この音声用保留予告コマンドは、音声ランプ制御装置113の保留予告設定処理5(図134参照)の中で、保留予告演出に対応する効果音を設定するS3605の処理で生成され、音声ランプ制御装置113のメイン処理4(図118参照)のコマンド出力処理(S2102)によって音声出力装置226に対して出力される。
S6104の処理において、未処理のコマンドの中に音声用保留予告コマンドがあると判別した場合は(S6107:Yes)、通知された保留予告の種別に対応する効果音を特定し(S6108)、特定した効果音の出力タイミングを設定して(S6109)、楽曲出力中フラグ303bがオンであるか判別する(S6110)。楽曲出力中フラグ303bがオフであれば(S6110:No)、S6101の処理へ戻る。一方、楽曲出力中フラグ303bがオンであれば(S6110:Yes)、逆位相音出力フラグ303cをオンに設定して(S6111)、S6101の処理へ戻る。ここで逆位相音出力フラグ303cをオンにしておくことにより、保留予告演出に対応する効果音を出力するタイミングで、効果音に対応する音声ファイルと、その効果音の逆位相の音声とを別々のチャンネルに対して同時に出力(再生)することができる。これにより、他の楽曲が既に再生中の場合に、保留予告演出に対応する効果音の出力、および効果音に連動して実行される振動動作をキャンセルすることができる。
S6107の処理において、未処理のコマンドの中に音声用保留予告コマンドがないと判別した場合は(S6107:No)、合成後の音声を受信したか否かを判別する(S6112)。合成後の音声のデジタル値をADC309受信したと判別した場合には(S6112:Yes)、合成後の音声を所定期間(0.1秒間)に渡ってサンプリングした結果から、その所定期間(0.1秒間)における振幅の平均値を特定し(S6113)、特定した振幅の平均値を通知する合成音声コマンドを設定して(S6114)、S6101の処理へ戻る。この合成音声コマンドにより、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(図133参照)のS2253の処理によって、合成音声データに対応する振動強度(DUTY)比が特定(変換)される。
一方、S6112の処理において、合成後の音声を受信していないと判別された場合には(S6112:No)、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6115)、S6101の処理へ戻る。
次に、図137を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図135参照)内の一処理である音声設定処理(S6003)の詳細について説明する。図137は、この音声設定処理(S6003)の内容を示したフローチャートである。
音声設定処理(S6003)では、まず、楽曲の出力(再生)タイミングであるか判別する(S6201)。S6201の処理において、楽曲の出力タイミングであると判別した場合は(S6201:Yes)、今回の楽曲に対応する音声ファイルを読み出し(S6202)、読み出した音声ファイルを、対応するチャンネルに出力し(6203)、楽曲出力中フラグ303bをオンに設定して(S6204)、S6205の処理へ移行する。なお、音声ファイルを出力するチャンネルは、ファイル毎に予め定められており、例えば、変動演出に用いる楽曲の音声ファイルは、チャンネル1に対して出力することが予め設定されている。
一方、S6201の処理において、楽曲の出力タイミングでないと判別した場合は(S6201:No)、S6202からS6204の処理をスキップして、S6205の処理へ移行する。
S6205の処理では、効果音の出力タイミングであるか否かを判別する(S6205)。効果音の出力タイミングでなければ(S6205:No)、本処理を終了する。一方、効果音の出力タイミングであれば(S6205:Yes)、今回の効果音に対応する音声ファイルを読み出し(S6206)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力して(6207)、逆位相出力フラグ303cがオンであるか判別する(S6208)。S6208の処理において、逆位相出力フラグ303cがオフであると判別した場合は(S6208:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S6208の処理において、逆位相出力フラグ303cがオンであると判別した場合は(S6208:Yes)、今回の効果音の逆位相の音声ファイルを読み出して(S6209)、読み出した音声ファイルをキャンセル用のチャンネル(チャンネル3)に出力し(6210)、本処理を終了する。これにより、効果音を逆位相の音声によって打ち消すことができるので、変動演出の実行中(他の楽曲が再生されている場合)に、異なる演出の効果音が重ねて出力されることを防止(抑制)できる。よって、変動演出に注目して遊技を行う遊技者が、保留予告演出に対応する効果音や振動を、変動演出に基づく効果音や振動であると誤認してしまうことを防止(抑制)し、変動演出に対して正確な期待感を抱かせることができる。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、楽曲や効果音を合成した後の合成音声データから、逐次、対応する振動強度を算出して首振り操作部材310の振動動作を設定する構成としている。これにより、首振り操作部材310に触れている遊技者に対して、スピーカー部308から出力される音声と、首振り操作部材310から伝わる振動の態様とが連動して変化していると認識させることができるので、より臨場感のある演出を提供することができる。
また、本第5実施形態では、振動動作を伴う変動演出の実行中に、保留予告演出の実行が決定された場合には、保留予告演出に対応する音声をキャンセルすることが可能に構成されている。より具体的には、保留予告演出用の効果音のデータと、その効果音のデータとは逆位相の音声データとを同時に設定することにより、合成することで互いに打ち消される構成としている。音声を合成することで、一部のデータを打ち消し可能に構成することで、合成音声データに基づいて特定される振動動作でも、当該一部のデータの影響を排除することができる。このように構成することで、変動演出に注目して遊技を行う遊技者が、保留予告演出に対応する効果音や振動を、変動演出に基づく効果音や振動であると誤認してしまうことを防止(抑制)し、変動演出に対して正確な期待感を抱かせることができる。
なお、本第5実施形態では、振動動作を伴う変動演出と、保留予告演出とが競合した場合に、保留予告演出に対応する音声(効果音)を、逆位相の音声データで打ち消す場合について説明したが、打ち消しを行う音声の種別、および打ち消しを行う条件はこれに限られるものではなく、任意に定めてもよい。また、音声の打ち消しを行う対象は、振動動作を伴う演出の音声に限られず、任意に定めてもよい。これにより、設計の自由度を向上させることができる。
本第5実施形態では、合成音声データを振動強度に変換する構成としていたが、振動強度に変換する対象は音声に限られるものではない。例えば、前面枠14等に設けられた各種LED(発光部材)の輝度に連動して振動強度を可変する構成としてもよい。即ち、各種LEDに対する駆動電力を判別し、駆動電力に比例して振動強度を可変させる構成としてもよい。一般的に、LEDは駆動電力が大きくなる程出力される光の輝度が増加するので、見た目の明るさと連動させて振動強度を可変させることができる。よって、より臨場感のある演出動作を提供することができる。また、盤面に役物が設けられているパチンコ機10の場合は、役物の動作に連動して振動強度を可変する構成としてもよい。具体的には、役物を可変させるステッピングモータ等のモータ手段の動作を制御するドライバICに対して設定した動作速度に比例させて振動強度を可変する構成としてもよい。役物の動作速度に連動させて振動強度を可変させることにより、臨場感のある演出動作を提供することができる。更に、第3図柄表示装置81に表示されている画像を判別して、振動強度を可変させる構成としてもよい。具体的には、例えば、各フレームにおいて描画される画像のヒストグラムを表示制御装置114から取得して、高階調の画素が多いほど、振動強度を増加させる構成としてもよい。また、特定の色の画素(例えば、赤)が多いほど、振動強度を増加させる構成としてもよい。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示内容に連動させて振動強度を可変させることができるので、より臨場感のある演出を提供することができる。
本第5実施形態では、合成音声データを、MPU301に出力する構成としているが、直接入出力ポート305に対して出力することで、合成音声データをそのまま音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。そして、振動演出を伴う変動演出を実行する場合には、音声ランプ制御装置113側において、合成音声データの振幅の絶対値を所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングすることで平均の振幅を取得する構成としてもよい。そして、特定した平均の振幅に応じた振動強度(DUTY比)をモータ制御用ICに対して通知する構成としてもよい。これにより、MPU301の処理負荷を軽減することができる。
本第5実施形態では、合成音声データを、振幅の絶対値の平均値に変換して、その平均値に基づいて振動強度(DUTY比)を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、サンプリングを行う所定期間(例えば、0.1秒間)における絶対値の最大値を、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよいし、実効値(振幅の最大値を2の平方根で除算した値)を算出して音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。
本第5実施形態では、合成音声データに基づいて振動動作を設定するための振動用モータ380を設ける構成としていたが、振動用モータとして異なる種別を設ける構成としてもよい。例えば、第3図柄表示装置81の表示態様に合わせて振動する振動用モータや、役物の動作に合わせて振動する振動用モータを設ける構成としてもよい。このように構成することで、多種多様な振動動作を実現することができる。
本第5実施形態では、音声出力装置226において、音声合成部306のチャンネル毎に異なる種別の音声ファイルを出力する(再生する)構成としていたが、これに限られるものではない。同種の効果音を複数のチャンネルにタイミングをずらして入力する構成としてもよい。具体的には、例えば、効果音を、その効果音の出力期間よりも短い期間に連続して(例えば、0.4秒間の出力期間の効果音を0.2秒おきに5回)出力する演出が実行される場合において、複数のチャンネルに対して少しずつタイミングをずらして同一の効果音を再生する構成としてもよい。単一のチャンネルに対してのみ効果音を再生する構成とした場合、新たに効果音を出力するタイミングとなる毎に、出力途中の効果音がキャンセルされて新たな効果音が出力されることとなるため、効果音の前半部分のみしか出力できなくなる。特に、効果音の出力開始直後は音圧(振幅)が小さく、出力開始から所定期間後(例えば、0.2秒後〜0.3秒後の範囲)に音圧(振幅)がピークとなる効果音の場合には、単一のチャンネルで短い期間(0.2秒毎)に連続して効果音を出力する構成とした場合、効果音のうち、音圧(振幅)が小さい部分のみが繰り返し再生されることになる。よって、効果音が連続して出力されたとしても、その効果音が遊技者に聴こえ難くなってしまい、演出効果が低減してしまう場合がある。一方で、単一のチャンネルを用いて音圧(振幅)が大きくなる部分まで出力させつつ、連続して効果音を出力させようとした場合、当該音圧(振幅)が大きい部分に到達するまでは、新たに効果音を出力することができないため、効果音の出力間隔を長くする必要がある。つまり、1の効果音の出力が開始されてから、次の効果音の出力が開始されるまでの期間が長くなることにより演出が間延びしてしまい、演出効果が低減してしまう虞がある。これに対して、短い間隔で連続して効果音を出力する演出において、効果音を出力するチャンネルを、1回毎に切り替える構成とすることにより、複数のチャンネルに入力されたタイミングの異なる効果音を、音声合成部306によって合成させて合成音声データとして出力させることができる。これにより、効果音の出力間隔を短く保ちつつ、音圧(振幅)がピークとなる部分まで効果音を出力させることができる。また、この場合において、1のチャンネルで出力された効果音を、完全に出力しきる必要はなく、途中で出力を打ち切る構成としてもよい。特に、中盤と後半の2箇所にピークを有する効果音の場合、各チャンネルに設定された効果音を、後半のピークに差し掛かる前に打ち切れば、中盤のピークのみを連続して出力することができる。よって、演出効果をより高めることができる。なお、本制御は第5実施形態への適用に限られず、上記第3実施形態や第4実施形態と組み合わせてもよい。特に、上記第3実施形態、およびその変形例に適用することにより、遊技者の連打間隔が、最も短い出力期間の効果音よりも更に短かったとしても、各押下操作に対する押下音を出力しきることができる。よって、遊技者の連打間隔に応じて押下音を好適に出力することができる。
本第5実施形態では、楽曲や効果音等の音声データを、音声ファイル記憶エリア302aに対して1つずつ記憶する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、効果音のデータを、原音の成分に対応する音声データと、残響(エフェクト)成分に対応する音声データとに分けて記憶しておく構成としてもよい。そして、効果音を出力する際は、当該効果音に対応する原音の成分と、残響(エフェクト)成分に対応する音声データとを音声ファイル記憶エリア302aから読み出して、音声合成部306の異なるチャンネルに対して同時に出力する構成としてもよい。このように構成することで、例えば、同一の原音に対して異なる残響(エフェクト)をかけた効果音を出力する場合に、同じ原音のデータを用いて、残響成分に対応するデータのみを異ならせて異なる態様の効果音を生成することができる。これにより、効果音のバリエーションを多様化させることができる。また、原音の成分が共通する効果音の場合には、同一の原音の成分に対応する音声データを用いることができるので、効果音の態様毎に、効果音を出力するための音声データを音声ファイル記憶エリア302aに用意しておく場合に比較して、音声ファイル記憶エリア302aに記憶しておくデータ量を削減することができる。なお、実際の制御では、音声設定処理(図137参照)の中で、効果音に対応する音声ファイルを読み出すS6206の処理で、原音の成分に対応する音声データ(音声ファイル)と、残響成分に対応する音声データとを音声ファイル記憶エリア302aから読み出せばよい。そして、原音用のデータを再生するチャンネル(例えば、チャンネル4)と、残響成分に対応するデータを再生するチャンネル(例えば、チャンネル5)とに同時に出力(再生)する構成とすればよい。なお、残響成分としては、例えば、原音のエコー音や原音の反響音等が挙げられる。また、効果音の出力中に、残響成分に対応する音声データを異なるデータに切り替えることで、異なる態様の効果音を出力してもよいし、原音のデータを再生するタイミングと残響成分のデータを再生するタイミングとをずらすことにより、原音の途中から残響が掛かったり、逆に効果音の出力途中で残響が無くなったりすることにより態様を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、効果音の態様をより多様化させることができる。更に、原音のデータはそのままで、残響成分のデータを増幅、または減衰させてから再生することにより、効果音の態様を異ならせる構成としてもよい。なお、本制御は第5実施形態への適用に限られず、上記第3実施形態や第4実施形態に適用してもよい。
本第5実施形態では、音出力装置226において、音声合成部306によって合成された合成音声データを、アンプ部307とADC309とに出力する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、一部のチャンネルに対して出力された音声データのみを合成してADC309に出力する構成としてもよい。即ち、音声に連動させて振動を発生させるチャンネル(例えば、チャンネル1、およびチャンネル2)と、振動を発生させず単独で音声出力を行うチャンネルとに分ける構成としてもよい。これにより、変動演出とは独立して実行される演出(例えば、保留予告演出)に基づいて出力(再生)される音声が、変動演出の音声と合成され、振動強度に反映されることを防止できる。よって、振動動作を伴う変動演出において、変動演出に対応する音声のみを振動強度に変換することができる。よって、振動を伴う変動演出と、他の演出とが競合し、他の演出で大音量の効果音が出力され、振動強度が可変してしまうことを防止できる。よって、変動演出の種別に応じて適切な振動強度を設定することができる。この変形例について、図138を参照して詳しく説明する。
図138は、本変形例における音声出力装置226の音声合成部306を示したブロック図である。図138に示した通り、本変形例では、音声合成部306に、チャンネル1に入力された音声データと、チャンネル2に入力された音声データとを合成する第1合成部306aと、その第1合成部306aによって合成された音声と、チャンネル3以降(チャンネル3〜チャンネルn)に対してそれぞれ入力された音声とを合成する第2合成部306bとが設けられている。
チャンネル1には、変動演出で流す楽曲の音声データが入力され、チャンネル2には、変動演出中に出力する効果音の音声データが入力される。一方、チャンネル3以降には、変動演出とは異なる演出で出力する音声の音声データが入力される。即ち、変動演出に関連する音声のみを第1合成部306aによって合成した上で、その合成音声(第1合成音声)を、第2合成部306b、およびADC309に対して出力する。
上述した通り、ADC309に入力された音声信号は、デジタル値に変換されてMPU301に対して出力される。そして、デジタル値が所定期間(例えば、0.1秒間)サンプリングされて、その平均値が音声の振幅として音声ランプ制御装置113に対して通知される。音声ランプ制御装置113では、通知された振幅に基づいて振動強度(DUTY比)を特定し、モータ制御用ICに対してDUTY比を変更するためのコマンドを設定する。これにより、振動を伴う変動演出(振動演出)と、他の演出とが競合した場合でも、振動演出の音声データのみを振動強度に反映させることができる。よって、変動演出の種別のみに応じて適切な振動強度を設定することができる。また、上述した第4実施形態では、振動演出と他の演出とが競合した場合に、他の演出(例えば、保留予告演出)を音声ごとキャンセルする構成としていたが、本変形例では音声を出力させることができる。よって、振動演出中に他の演出があわせて実行されたことを遊技者に対してより確実に認識させることができる。
上記第4、および第5実施形態では、首振り操作部材310を振動動作可能に構成しているが、振動動作を行う構成は首振り操作部材310に限定されるものではない。遊技者が触れることが可能な位置に設けられている構成であれば良く、例えば、下皿ユニット15やハンドル51を、表示演出や効果音等に合わせて振動させる構成としてもよい。下皿ユニット15やハンドル51は、遊技中の遊技者の手、または足が常に触れているので、振動演出が発生した場合に、遊技者に対してその振動演出を容易に認識させることができる。
上記第4、および第5実施形態では、振動用モータ380を音声ランプ制御装置113のMPU221によって制御する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110のMPU201によって制御してもよいし、音声出力装置226のMPU301によって制御する構成としてもよい。また、表示制御装置114によって制御を行う構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を低減することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(2回ループ構成)
遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とを少なくとも設定可能な状態設定手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを少なくとも実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記状態設定手段は、前記第1有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも前記第1有利状態を設定し、前記第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に前記第2有利状態を設定するものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に前記第1有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とが状態設定手段により少なくとも設定される。所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とが特典遊技実行手段により少なくとも実行される。第1有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも第1有利状態が状態設定手段により設定され、第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に第2有利状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に第1有利状態が状態設定手段により設定される。これにより、第1有利状態で第1特典遊技が実行された後にも、第2有利状態が設定されるので、遊技者に有利な状態を継続して設定することができる。よって、有利状態を複数の特典遊技が実行されるまで継続させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1において、前記特典遊技実行手段は、前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは異なる第3特典遊技を実行可能なものであり、前記状態設定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とよりも遊技者に不利となる特定状態を設定可能なものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に前記特定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1特典遊技と第2特典遊技とは異なる第3特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。第1有利状態と第2有利状態とよりも遊技者に不利となる特定状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に特定状態が状態設定手段により設定される。これにより、第2有利状態では、第3遊技状態が実行されると遊技者に不利となる特定遊技状態が設定されるので、有利状態の継続状態を抑制できる。よって、遊技の射幸性が高くなりすぎる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記第1有利状態は、前記第2有利状態よりも遊技者に有利な遊技状態であることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、第1有利状態は、第2有利状態よりも遊技者に有利な遊技状態であるので、遊技者に付与される有利が過度になることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1有利状態または前記第2有利状態が前記状態設定手段により設定されている場合には、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され易くする向上手段を有しているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3の奏する効果に加え、第1有利状態または第2有利状態が状態設定手段により設定されている場合には、特典遊技実行手段により特典遊技が向上手段により実行され易くなるので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機A1またはA4のいずれかにおいて、第1始動条件とその第1始動条件とは異なる第2始動条件との成立をそれぞれ判別することが可能な始動条件判別手段と、その始動条件判別手段により、前記第1始動条件または前記第2始動条件が成立したと判別されたことに基づいて、抽選を実行する抽選手段と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記抽選手段により特定の抽選結果が成立したと判別されたことに基づいて、前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1またはA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1始動条件とその第1始動条件とは異なる第2始動条件との成立がそれぞれ始動条件判別手段により判別される。その始動条件判別手段により、第1始動条件または第2始動条件が成立したと判別されたことに基づいて、抽選が抽選手段により実行される。抽選手段により特定の抽選結果が成立したと判別されたことに基づいて、特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。これにより、第1始動条件と第2始動条件との成立を遊技者に期待させることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A3またはA4において、前記設定手段により前記有利状態が設定されていない場合には、前記第2始動条件の成立を規制する規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3またはA4の奏する効果に加え、設定手段により有利状態が設定されていない場合には、第2始動条件の成立が規制手段により規制されるので、遊技者に不利な状態を容易に設定できるという効果がある。
遊技機A3からA5のいずれかにおいて、前記第1始動条件の成立に基づく前記抽選手段の抽選結果を示す第1識別情報と前記第2始動条件の成立に基づく前記抽選手段の抽選結果を示す第2識別情報とをそれぞれ表示手段に動的表示する動的表示手段を有し、その動的表示手段は、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを同時に動的表示することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1始動条件の成立に基づく抽選手段の抽選結果を示す第1識別情報と第2始動条件の成立に基づく抽選手段の抽選結果を示す第2識別情報とが動的表示手段によりそれぞれ表示手段に動的表示される。第1識別情報と第2識別情報とが同時に動的表示手段により動的表示される。これにより、第1識別情報と第2識別情報との動的表示を効率良く実行できる。よって、遊技の効率を向上できるという効果がある。
遊技機A5またはA6において、前記設定手段により前記特定の有利状態が設定されることに基づいて、前記規制手段による規制を解除する解除手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5またはA6の奏する効果に加え、設定手段により特定の有利状態が設定されることに基づいて、規制手段による規制が解除手段により解除されるので、遊技者に特定の有利状態が設定されることを期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され易い有利状態を設定する設定手段と、その設定手段により前記有利状態が設定されたことに基づいて、次に前記特典遊技が実行された場合にも、前記設定手段により前記有利状態が設定され易くする制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。その特典遊技実行手段により特典遊技が実行された場合に、特典遊技実行手段により特典遊技が実行され易い有利状態が設定手段により設定される。その設定手段により有利状態が設定されたことに基づいて、次に特典遊技が実行された場合にも、設定手段により有利状態が制御手段により設定され易くされるので、有利状態を複数の特典遊技に跨って継続させて設定することができる。よって、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴B群>(有利、不利の切替をし、不利側を阻止)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選遊技を実行し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2抽選遊技を実行する抽選遊技実行手段と、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技が遊技者に不利となる第1状態と、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技が有利となる第2状態とを所定契機に基づいて切り替える切替手段と、その切替手段により切り替えられた遊技者に不利となる抽選遊技が実行されることを抑制する抑制手段とを有することを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選遊技が抽選遊技実行手段により実行される。また、第1入球口とは異なる第2入球口に入球したことに基づいて第2抽選遊技が抽選遊技実行手段により実行される。第1抽選遊技よりも第2抽選遊技が遊技者に不利となる第1状態と、第1抽選遊技よりも第2抽選遊技が有利となる第2状態とが切替手段により所定契機に基づいて切り替えられる。その切替手段により切り替えられた遊技者に不利となる抽選遊技が実行されることが抑制手段により抑制される。これにより、不利側の抽選遊技が実行されることが抑制手段により抑制されるので、遊技者が有利な抽選遊技を実行させやすくすることができる。よって、遊技者に著しく不利を与えてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1抽選遊技の抽選結果を示す第1識別情報を表示手段に動的表示し、前記第2抽選遊技の抽選結果を示す第2識別情報を表示手段に動的表示する動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的期間決定手段は、前記切替手段により不利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間を有利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間を決定し易くするものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技の抽選結果を示す第1識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。また、第2抽選遊技の抽選結果を示す第2識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。その動的表示手段により動的表示される第1識別情報と第2識別情報との動的表示期間が動的表示期間決定手段によりそれぞれ決定される。切替手段により不利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間を有利に切り替えられた抽選遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が動的表示決定手段により決定し易くされる。これにより、不利に切り替えられた遊技が実行されることを抑制できる。よって、遊技者が有利に設定されている遊技を判別することができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調節する調節手段と、を有し、前記第1入球口と前記第2入球口とは、遊技者が前記調節手段に対して同一操作をした状態で前記発射手段より発射される遊技球が入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が遊技領域に発射手段により発射される。その発射手段により発射される遊技球の発射力が調節手段により遊技者の操作に基づいて調節される。第1入球口と第2入球口とは、遊技者が調節手段に対して同一操作をした状態で発射手段より発射される遊技球が入球可能な位置に配置されている。これにより、遊技者は、遊技の操作を変えなくても、遊技者に有利な抽選遊技を実行することができる。よって、遊技をより容易にすることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第1抽選遊技または前記第2抽選遊技の抽選結果が特定の抽選結果である場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1抽選遊技よりも前記第2抽選遊技で前記特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利となる特典の付与割合が高く設定されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技または第2抽選遊技の抽選結果が特定の抽選結果である場合に、遊技者に特典が特典付与手段により付与される。第1抽選遊技よりも第2抽選遊技で特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利となる特典の付与割合が高く設定されている。これにより、第2抽選遊技での遊技が遊技者に有利に設定された場合に、遊技者により有利な状態を設定することができる。よって、遊技者の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機B4において、前記特典付与手段は、前記第1抽選遊技で前記特定の抽選結果となった場合に、前記特典として、第1特典とその第1特典よりも有利な第2特典のどちらか一方を付与するものであり、前記特典付与手段により前記第2特典が付与されたことに基づいて、前記切替手段は、前記第2状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選遊技で特定の抽選結果となった場合に、特典として、第1特典とその第1特典よりも有利な第2特典のどちらか一方が特典付与手段により付与される。特典付与手段により第2特典が付与されたことに基づいて、切替手段により第2状態に切り替えられる。よって、遊技の興趣を変化させることができるという効果がある。
遊技機B4またはB5において、前記特典付与手段により前記第2抽選遊技に対して付与される前記特典には、特定条件が成立するまでの間、前記第1抽選遊技または前記第2抽選遊技が前記特定の抽選結果になり易くなるように設定される設定特典が付与される割合が前記第1抽選遊技に対する特典よりも高く設定されているものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4またはB5の奏する効果に加え、特典付与手段により第2抽選遊技に対して付与される特典には、特定条件が成立するまでの間、第1抽選遊技または第2抽選遊技が前記特定の抽選結果になり易くなるように設定される設定特典が付与される割合が第1抽選遊技に対する特典よりも高く設定されているので、第2抽選遊技が実行されることによる遊技者の期待を向上できるという効果がある。
遊技機B6において、前記特典付与手段により前記第2抽選遊技に対して付与される前記特典には、少なくとも前記設定特典が付与されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、特典付与手段により第2抽選遊技に対して付与される特典には、少なくとも設定特典が付与されるように構成されているものであるので、第2抽選遊技が実行される期待を高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1入球口は、前記第1流路と前記第2流路にそれぞれ配置され、前記第2入球口は、前記第2流路に配置されているものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、第1入球口は、第1流路と第2流路にそれぞれ配置され、第2入球口は、第2流路に配置されているので、第1抽選遊技のみを実行する状態を設定することができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記遊技者に不利な抽選遊技が実行された場合に、不利な抽選遊技が実行されていることを示す報知情報を報知するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかが奏する効果に加え、抑制手段では、遊技者に不利な抽選遊技が実行された場合に、不利な抽選遊技が実行されていることを示す報知情報が報知されるので、遊技者がより分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記抽選遊技実行手段は、前記第1抽選遊技と前記第2抽選遊技とを同時に実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、第1抽選遊技と第2抽選遊技とが抽選遊技実行手段により同時に実行されるので、効率良く遊技を行うことができるという効果がある。
<特徴C群>(電チュー構成)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選を実行する抽選手段と、前記第1入球口への入球を規制する第1状態とその第1状態よりも入球を容易にする第2状態とに可変可能な可変手段と、所定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段により特定の判定結果が判定された場合に、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態に可変させる可変制御手段と、所定条件の成立に基づいて、前記第2入球口への入球を規制または前記第2抽選が実行されることを規制する規制手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、第1入球口に入球したことに基づいて、第1抽選が抽選手段により実行される。また、第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選が抽選手段により実行される。第1入球口への入球を規制する第1状態とその第1状態よりも入球を容易にする第2状態とに可変手段により可変される。所定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段により特定の判定結果が判定された場合に、可変手段が第1状態から第2状態に可変制御手段により可変される。所定条件の成立に基づいて、第2入球口への入球を規制または第2抽選が実行されることが規制手段により規制される。これにより、遊技者に有利な状態と不利な状態とを規制手段により設定することができる。よって、遊技者に興趣の変化を与えることができ、興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2入球口は、前記第1入球口の下方に配置され、前記可変手段が前記第2状態となることで、前記可変手段により前記第2入球口へ入球する流路を流下する遊技球の流下を妨げるように配置され、前記規制手段は、前記可変制御手段により前記可変手段が前記第2状態に可変され易く設定することで、前記第2入球口への入球を規制するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球口は、第1入球口の下方に配置される。可変手段が第2状態となることで、可変手段により第2入球口へ入球する流路を流下する遊技球の流下を妨げるように配置される。可変制御手段により可変手段が第2状態に可変され易く設定されることで、第2入球口への入球が規制手段により規制される。これにより、容易な構成で第2入球口への入球を規制できる。よって、遊技機の構成が複雑になることを抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を有し、前記第1入球口は、前記第1流路と前記第2流路とにそれぞれ配置され、前記可変手段は、前記第2流路に配置された前記第1入球口に配置されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、第1入球口が第1流路と前記第2流路とにそれぞれ配置される。第2流路に配置された第1入球口に可変手段が配置されるので、第2流路を流下した遊技球を第1入球口に入球させ易く構成できるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1抽選による抽選結果を示す第1識別情報と前記第2抽選により第2識別情報とを動的表示可能な動的表示手段と、その動的表示手段に動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報の動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を有し、前記規制手段は、前記第2識別情報に対する動的表示期間として長い動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易くすることで、前記第2抽選の実行を規制するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記第1抽選による抽選結果を示す第1識別情報と第2抽選により第2識別情報とが動的表示手段により動的表示される。その動的表示手段に動的表示される第1識別情報と第2識別情報の動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定される。第2識別情報に対する動的表示期間として長い動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易くすることで、第2抽選の実行が規制手段により規制される。よって、容易な構成で第2抽選に実行を規制することができるという効果がある。
<特徴D群>(継続アップ構成)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選を実行する抽選手段と、前記第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報を表示手段に動的表示し、前記第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報を表示手段にそれぞれ動的表示することが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示決定手段により前記第2識別情報の動的表示期間として前記第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とを設定することが可能な設定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を遊技者に付与する特典付与手段と、その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、前記第1抽選または前記第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかを決定する特典決定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報のどちらか一方が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を前記特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様で停止表示させる停止表示手段と、前記設定手段により前記長状態が設定されている場合に、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くする設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選が抽選手段により実行される。第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、第1抽選よりも遊技者に有利となる第2抽選が抽選手段により実行される。第1抽選の抽選結果を示す第1識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。第2抽選の抽選結果を示す第2識別情報が動的表示手段により表示手段に動的表示される。その動的表示手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間が動的表示期間決定手段によりそれぞれ決定される。その動的表示期間決定手段により第2識別情報の動的表示期間として第1識別情報の動的表示期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長状態と、その長状態よりも短い動的表示期間が決定され易い短状態とが設定手段により設定される。第1識別情報または第2識別情報が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典が特典付与手段により遊技者に付与される。その特典付与手段により遊技者に付与される特典として、第1抽選または第2抽選の抽選結果に基づいて、少なくとも第1特典とその第1特典よりも付与される特典が少ない第2特典とのどちらかが特典決定手段により決定される。第1識別情報または第2識別情報のどちらか一方が特定の停止表示態様で停止表示された場合に、他方の識別情報が動的表示されていれば、その動的表示を特定の停止表示態様とは異なる停止表示態様が停止表示手段により停止表示される。設定手段により長状態が設定されている場合に、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により設定され易くされる。これにより、遊技者に特典が少ない第2特典の実行も期待させることができる。よって、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、複数の遊技状態から1の遊技状態を所定条件に基づいて設定する遊技状態設定手段を有し、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、前記第1抽選で前記特典決定手段により前記第2特典が決定され易くするものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の遊技状態から1の遊技状態が所定条件に基づいて遊技状態設定手段により設定される。遊技状態設定手段により特定の遊技状態が設定されていることを条件として、第1抽選で特典決定手段により第2特典が設定手段により決定され易くされる。よって、特定の遊技状態が設定された場合に遊技者に第2特典が決定されることをより期待させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特典付与手段により前記特典が付与された場合に、前記特典付与手段により前記特典が付与され易い有利状態を設定する設定手段と、その設定手段により前記有利状態が設定されたことに基づいて、次に前記特典が付与された場合にも、前記設定手段により前記有利状態が設定され易くする制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特典付与手段により特典が付与された場合に、特典付与手段により特典が付与され易い有利状態が設定手段により設定される。その設定手段により有利状態が設定されたことに基づいて、制御手段により次に特典が付与された場合にも、設定手段により有利状態が設定され易くされるので、複数の特典を跨いで有利状態が設定され易くでき、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴E群>(非優先の確変割合を低く設定)
遊技球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な第1可変入球手段と、その第1可変入球手段よりも下流側に配置される第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定する決定手段と、を有し、前記決定手段により決定される可変パターンには、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態である場合に前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球が、前記特定領域に入球可能となる有利パターンと、その有利パターンよりも前記特定領域に入球することが困難となる不利パターンとが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、第1可変入球手段と第2可変入球手段との可変パターンにより遊技者に与えられる特典を変化させることができるので、遊技者に可変パターンに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、遊技者の操作に基づいて、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段より発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へ容易に遊技球を入球させることを可能にする入球補助手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別手段による前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とが同時に動的表示されることが可能な表示手段と、特定の前記第1判別結果を示す前記第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示す前記第2識別情報が表示された場合に、前記特典遊技を実行させる特典遊技実行手段と、前記第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行うことを許容して設定される第1状態と、前記第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行うことを許容しないように設定される第2状態との一方を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1状態が設定されている場合と前記第2状態が設定されている場合とで、前記特定の第2判別結果となった場合に前記決定手段により前記有利パターンが設定される割合を可変させる割合可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により第1状態が設定されている場合と、第2状態が設定されている場合とで、有利パターンが設定される割合が割合可変手段により可変されるので、第2状態が設定されている場合には、例えば、有利パターンの割合を低く設定すれば、第2状態で第2入球手段に入球させて遊技を行う不正がされてもその被害を低減させることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記割合可変手段は、前記第2状態では前記第1状態よりも前記第2確率の割合を低く設定するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、第2状態における不正が行われた場合にも、被害を低減できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段に遊技球が容易に入球可能となる第1流路と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が容易に入球可能となる第2流路と、を有しているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、流路によって、第1入球手段と第2入球手段との入球率が可変するので、遊技球が流下する流路により遊技を変化させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間には、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球を前記第2可変入球手段へと所定期間以上かけて誘導する誘導手段が配置され、前記不利パターンは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変されてから、前記所定期間よりも短い期間で前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させた後に前記閉鎖状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、不利パターンでは、第2可変入球手段に入球させることが困難となるように容易な制御で行うことができ、制御負荷を軽減できるという効果がある。
<特徴F群>(有利図柄不利図柄をオープニング期間で可変させる)
遊技球が通過可能な開放状態とその開放状態よりも遊技球の通過が困難となる閉鎖状態とに可変可能な第1可変手段と、その第1可変手段よりも下流側に配置され、前記第1可変手段を通過した遊技球が入球可能な第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる特典遊技として前記第1可変手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定する決定手段と、を有し、前記決定手段により決定される可変パターンには、前記第1可変手段が前記開放状態である場合に前記第1入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる有利パターンと、その有利パターンよりも前記特定領域に入球することが困難となる不利パターンとが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、第1可変手段と第2可変入球手段との可変パターンにより遊技者に与えられる特典を変化させることができるので、遊技者に可変パターンに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1において、遊技者の操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段より発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別手段による前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とが同時に動的表示されることが可能な表示手段と、特定の第1判別結果を示す前記第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示す第2識別情報を示す前記第2識別情報が前記表示手段に表示された場合に、前記特典遊技を実行させる特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を所定条件の成立に基づいて設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定された遊技状態に対応して、前記有利パターンが設定される割合と前記不利パターンが設定される割合とを可変して設定する割合設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により設定される遊技状態に対応して有利パターンと不利パターンとが設定される割合が可変されるので、遊技状態により遊技者に与えられる特典に対する期待度を可変させて遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記第1判別手段または前記第2判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率として第1確率と、その第1確率より高い第2確率とを少なくとも設定する確率設定手段と、前記特典付与手段により付与される前記特典は、少なくとも前記確率設定手段により前記第2確率が設定されるようにするものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、特定領域を通過することで、第2確率が設定されるので、特典遊技が実行されている間も、特定領域に遊技球を通過させられるか否かに興味を持たせることで、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記有利パターンと前記不利パターンとでは、少なくとも前記特典遊技の開始から前記第1可変手段が前記開放状態となるまでの期間が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の開始については、第1可変手段が開放したタイミングで遊技者は判別するので、有利パターンと不利パターンとを遊技者に識別難くでき、不利パターンであっても、特定領域への入球を期待させることができる。
遊技機F4において、前記第1可変手段を通過した遊技球を前記第2可変入球手段に所定期間以上で誘導する誘導手段を有し、前記不利パターンは、前記第1可変入球手段が前記開放状態となってから前記所定期間以内に前記第2可変入球手段が前記開放状態から前記閉鎖状態へと可変されるように少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、より確実に、不利パターンで特定領域に遊技球が通過するのを抑制できるという効果がある。
<特徴G群>(有利図柄不利図柄をインターバル期間で可変)
遊技球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な第1可変入球手段と、その第1可変入球手段よりも下流側に配置される第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定する決定手段と、を有し、前記決定手段により決定される可変パターンには、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態である場合に前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球が、前記特定領域に入球可能となる有利パターンと、その有利パターンよりも前記特定領域に入球することが困難となる不利パターンとが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、第1可変入球手段と第2可変入球手段との可変パターンにより遊技者に与えられる特典を変化させることができるので、遊技者に可変パターンに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1において、前記有利パターンと前記不利パターンとは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変させてから前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させるまでの期間が少なくとも異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、有利パターンと不利パターンとを容易な制御で設定することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間には、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球を前記第2可変入球手段へと所定期間以上かけて誘導する誘導手段が配置され、前記不利パターンは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変されてから、前記所定期間よりも短い期間で前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させた後に前記閉鎖状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、より確実に不利パターンで特定領域に遊技球が通過することを困難にすることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、遊技者の操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段より発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別手段による前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とが同時に動的表示されることが可能な表示手段と、特定の前記第1判別結果を示す前記第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に表示された場合に、前記特典遊技を実行させる特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定された遊技状態に対応して、前記有利パターンと前記不利パターンとの割合を可変して設定する割合可変設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、遊技状態に対応して、有利パターンと不利パターンとの割合が可変して設定されるので、設定される遊技状態により特定領域に遊技球が入球することへの期待度が可変して遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1からG4において、前記第1判別手段または前記第2判別手段により前記特定の第1判定結果または前記特定の第2判定結果と判別される第1確率とその第1確率よりも高い第2確率とのどちらか一方を設定可能な確率設定手段を有し、前記特典付与手段により付与される前記特典は、少なくとも前記確率設定手段により前記第2確率が設定されるようにするものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、特定領域を通過することで、第2確率が設定されるので、特典遊技が実行されている間も、特定領域に遊技球を通過させられるか否かに興味を持たせることで、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴H群>(新ゼロアタッカー)
特定条件の成立を判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて、遊技球が入球困難な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に可変される第1可変入球手段と、その第1可変入球手段と並列に配置された第2可変入球手段と、前記第1可変入球手段または前記第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とをそれぞれ予め定められた順序で前記開放状態に所定条件が成立するまで可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間には、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態となる場合に、前記第2可変入球手段に遊技球が到達するまでの期間を所定期間以上にする誘導手段とを有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、2つの可変入賞装置を用いて遊技球の流下経路を形成しておらず、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、第1可変入球手段が閉鎖状態となった場合にも、誘導手段により第2可変入球手段に到達するまでの期間を所定期間以上にされるので、第2可変入球手段を開放状態とするまでに遊技球が第2可変入球手段に入球せずに流下してしまい遊技の興趣が低下する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機H1において、前記演出実行手段は、前記第1可変入球手段または前記第2可変入球手段が前記開放状態である場合に前記開放状態であることを示す開放演出と、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とがそれぞれ閉鎖状態である場合に閉鎖状態であることを示す閉鎖演出とを少なくとも実行する演出実行手段を有し、前記閉鎖演出は、前記所定期間以内で実行されるものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、閉鎖演出において、所定期間を使用して閉鎖状態であることを報知できるので、遊技者に分かり易い演出を行うことができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記特典遊技実行手段により1の前記特典遊技が実行される場合に、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とをそれぞれ前記開放状態に可変させる順序が設定された開放パターンを複数の開放パターンより決定する開放パターン決定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、複数の開放パターンより決定されるので、開放パターンをランダムにでき、遊技を多種多様にすることができるという効果がある。
遊技機H3において、前記開放パターン決定手段により決定される前記開放パターンには、前記第1可変入球手段または前記第2可変入球手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させるタイミングが予め設定されているものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、閉鎖状態から開放状態に可変させるタイミングが予め開放パターンに設定されているので、開放パターンにより第1可変入球手段と第2可変入球手段とに入球する遊技球の数を安定させることができ、遊技者に与える利益を設計値に基づいて設定することができるという効果がある。
<特徴I群>(大当たり後の所定期間のみ2回ループ)
遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とを少なくとも設定可能な状態設定手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを少なくとも実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記状態設定手段は、前記第1有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも前記第1有利状態を設定し、前記第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に前記第2有利状態を設定するものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に前記第1有利状態を設定し、前記第1有利状態が設定された後に、前記特典遊技実行手段による前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されることなく特定条件が成立した場合に、前記第2有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の大当たり抽選が行われ、その抽選の結果に基づいて、大当たりとなる確率が高確率となる高確率遊技を付与するものがある。このような構成において、大当たりに2回当選するまで高確率遊技が継続される遊技機が提案されている(例えば、特開平10−57583号公報)。このような遊技機では、一旦、高確率遊技が開始されると、高確率遊技を継続したまま大当たりに2回当選することが約束されているため、高確率遊技が開始された後に、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。遊技機I1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の飽きを緩和させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、遊技者に有利な第1有利状態とその第1有利状態とは異なる第2有利状態とが状態設定手段により少なくとも設定される。所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典を付与する第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とが特典遊技実行手段により少なくとも実行される。第1有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技が実行された後にも第1有利状態が状態設定手段により設定され、第2特典遊技が実行された場合には、その第2特典遊技の実行後に第2有利状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第1特典遊技が実行された場合には、その第1特典遊技の実行後に第1有利状態が状態設定手段により設定される。第1有利状態が設定された後に、特典遊技実行手段による第1特典遊技または第2特典遊技が実行されることなく特定条件が成立した場合には、その第1有利状態を第2有利状態に設定する。これにより、第1有利状態で特定条件が成立するまでに第1特典遊技が実行された場合は、その後、第2有利状態が設定されるので、遊技者に有利な状態を継続して設定することができる。よって、有利状態を複数の特典遊技が実行されるまで継続させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I1において、前記特典遊技実行手段は、前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは異なる第3特典遊技を実行可能なものであり、前記状態設定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とのいずれよりも遊技者に不利となる特定状態を設定可能なものであり、前記第2有利状態を設定している状態で、前記第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に前記特定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1特典遊技と第2特典遊技とは異なる第3特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。第1有利状態と第2有利状態とよりも遊技者に不利となる特定状態が状態設定手段により設定される。第2有利状態を設定している状態で、第3特典遊技が実行された場合に、その第3特典遊技の実行後に特定状態が状態設定手段により設定される。これにより、第2有利状態では、第3遊技状態が実行されると遊技者に不利となる特定遊技状態が設定されるので、有利状態の継続状態を抑制できる。よって、遊技の射幸性が高くなりすぎる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機I1またはI2において、判別条件の成立に基づいて、判別を実行する判別手段を有し、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に、前記所定の条件が成立するものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて、判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に所定の条件が成立するものであるため、遊技者は判別手段による判別結果に興味を持って遊技を行うことができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記特定条件は、前記判別条件が所定回数成立した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI4の何れかの奏する効果に加え、判別条件が所定回数成立した場合に特定条件が成立するので、遊技者は判別条件が所定回数成立するまでに、所定条件が成立することを期待しながら遊技を行うこととなる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I3またはI4のいずれかにおいて、前記判別手段により前記特定の判定結果と判別される第1確率とその第1確率よりも高確率となる第2確率との少なくとも一方を設定する確率設定手段を有し、前記第1有利状態と前記第2有利状態とは、前記第2確率が前記確率設定手段により設定されるものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I3またはI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により特定の判定結果と判別される第1確率とその第1確率よりも高確率となる第2確率との少なくとも一方を確率設定手段によって設定する。第1有利状態と第2有利状態とは、確率設定手段により第2確率が設定されるものである。これにより、第1有利状態も第2有利状態も、短期間で判別手段による判別結果が特定の判定結果となる可能性を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴J群>(アタッカへの入賞振り分け構成)
特定条件の成立を判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて、遊技球が入球困難な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に可変される第1可変入球手段と、その第1可変入球手段の下流側に配置された第2可変入球手段と、前記第1可変入球手段または前記第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とをそれぞれ予め定められた順序で前記開放状態に所定条件が成立するまで可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1可変入球手段と、前記第1可変入球手段の下流側とに少なくとも遊技球を振り分ける第1振り分け手段と、その第1振り分け手段により前記第1可変入球手段の下流側に振り分けられた遊技球を前記第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段の下流側とに少なくとも振り分ける第2振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の大当たり抽選が行われ、その抽選の結果が大当りとなった場合に、遊技盤面上に設けられた大入賞口に遊技球を入球させる大当たり遊技を提供するものがある。このような構成において、遊技盤面上に大入賞口2つ設けた遊技機が提案されている(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、一方の大入賞口に入球しなかった遊技球が他方の大入賞口へ入球することはなく、遊技盤面上での遊技球の流が乏しいという問題があった。遊技機J1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に期待を抱かせる遊技球の球流れを実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機J1によれば、条件判別手段により特定条件の成立を判別し、特定条件の成立が判別されたことに基づいて、遊技球が入球困難な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に第1可変入球手段を可変させる。その第1可変入球手段の下流側に第2可変入球手段を配置する。第1可変入球手段または第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により、遊技者に有利な特典を付与する。特定条件の成立が判別されたことに基づいて、特典遊技実行手段によって、第1可変入球手段と第2可変入球手段とをそれぞれ予め定められた順序で所定条件が成立するまで開放状態に可変させる特典遊技を実行する。第1振り分け手段によって、第1可変入球手段と、第1可変入球手段の下流側とに少なくとも遊技球を振り分け、第1可変入球手段の下流側に振り分けられた遊技球を、第2振り分け手段によって第2可変入球手段と、第2可変入球手段の下流側とに少なくとも振り分ける。これにより、第1可変入球手段の下流側に振り分けられた遊技球を第2可変入球手段に入球可能にすることができる。よって、遊技者に期待を抱かせる遊技球の球流れを実現可能な遊技機を提供することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機J1において、前記第1振り分け手段と前記第2振り分け手段とは、第1方向とその第1方向とは反対側の第2方向とに回動可能な回動部と、その回動部の回動範囲を所定角度で規制する規制手段と、を少なくともそれぞれ有しているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、第1振り分け手段と第2振り分け手段とは、回動部によって第1方向とその第1方向とは反対側の第2方向とに回動可能とし、規制手段によって、その回動部の回動範囲を所定角度で規制するので、適正な振り分け動作を実行することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機J2において、前記第1振り分け手段と前記第2振り分け手段とは、流下する遊技球により前記第1方向と前記第2方向とに交互に回動されるように構成されていることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、流下する遊技球により前記第1方向と前記第2方向とに交互に回動されるよう第1振り分け手段と第2振り分け手段を構成するので、より一層適正な振り分け動作を実行することが可能となる。
遊技機J1またはJ2において、前記第1可変入球手段が閉鎖状態である場合には、遊技球を前記第2可変入球手段へと誘導する誘導手段と、その誘導手段により遊技球が前記第2可変入球手段へと誘導された場合に、前記第2可変入球手段が閉鎖状態であると、誘導された遊技球を前記第2振り分け手段へと誘導する誘導路とを有しているものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J1または遊技機J2の奏する効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、第1可変入球手段が閉鎖状態である場合には、誘導手段により遊技球を第2可変入球手段へと誘導する。その誘導手段により遊技球が第2可変入球手段へと誘導された場合に、前記第2可変入球手段が閉鎖状態であると、誘導された遊技球を前記第2振り分け手段へと誘導する誘導路とを有しているものである。これにより、第2振り分け手段の回動状態を変化させることができる。よって、振り分け部材による遊技球の振り分けを複雑なものにすることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
<特徴K群>(同時変動以外の変動方法で通常時一方の図柄の確変割合を規制)
遊技球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な第1可変入球手段と、その第1可変入球手段よりも下流側に配置される第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定する決定手段と、を有し、前記決定手段により決定される可変パターンには、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態である場合に前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球が、前記特定領域に入球可能となる有利パターンと、その有利パターンよりも前記特定領域に入球することが困難となる不利パターンとが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機K1によれば、第1可変入球手段と第2可変入球手段との可変パターンにより遊技者に与えられる特典を変化させることができるので、遊技者に可変パターンに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機K1において、遊技者の操作に基づいて、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段より発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へ容易に遊技球を入球させることを可能にする入球補助手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別手段による前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方を予め定められた優先順序に基づいて前記表示手段に動的表示する動的表示手段と、特定の前記第1判別結果を示す前記第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示す前記第2識別情報が表示された場合に、前記特典遊技を実行させる特典遊技実行手段と、前記第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行うことを許容して設定される第1状態と、前記第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行うことを許容しないように設定される第2状態との一方を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1状態が設定されている場合と前記第2状態が設定されている場合とで、前記特定の第2判別結果となった場合に前記決定手段により前記有利パターンが設定される割合を可変させる割合可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により第1状態が設定されている場合と、第2状態が設定されている場合とで、有利パターンが設定される割合が割合可変手段により可変されるので、第2状態が設定されている場合には、例えば、有利パターンの割合を低く設定すれば、第2状態で第2入球手段に入球させて遊技を行う不正がされてもその被害を低減させることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において、前記割合可変手段は、前記第2状態では前記第1状態よりも前記第2確率の割合を低く設定するものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、第2状態における不正が行われた場合にも、被害を低減できるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段に遊技球が容易に入球可能となる第1流路と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が容易に入球可能となる第2流路と、を有しているものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかの奏する効果に加え、流路によって、第1入球手段と第2入球手段との入球率が可変するので、遊技球が流下する流路により遊技を変化させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間には、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球を前記第2可変入球手段へと所定期間以上かけて誘導する誘導手段が配置され、前記不利パターンは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変されてから、前記所定期間よりも短い期間で前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させた後に前記閉鎖状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK5のいずれかの奏する効果に加え、不利パターンでは、第2可変入球手段に入球させることが困難となるように容易な制御で行うことができ、制御負荷を軽減できるという効果がある。
<特徴L群>(同時変動以外の構成でオープニング、インターバルにより確変割合を可変させる)
遊技球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも遊技球の入球が困難となる閉鎖状態とに可変可能な第1可変入球手段と、その第1可変入球手段よりも下流側に配置される第2可変入球手段と、前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、特定条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定する決定手段と、を有し、前記決定手段により決定される可変パターンには、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態である場合に前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球が、前記特定領域に入球可能となる有利パターンと、その有利パターンよりも前記特定領域に入球することが困難となる不利パターンとが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003−265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機L1によれば、第1可変入球手段と第2可変入球手段との可変パターンにより遊技者に与えられる特典を変化させることができるので、遊技者に可変パターンに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機L1において、遊技者の操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段より発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別手段による前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とをそれぞれ表示されることが可能な表示手段と、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方を予め定められた優先順序に基づいて前記表示手段に動的表示する動的表示手段と、特定の前記第1判別結果を示す前記第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に表示された場合に、前記特典遊技を実行させる特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定された遊技状態に対応して、前記有利パターンと前記不利パターンとの割合を可変して設定する割合可変設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、遊技状態に対応して、有利パターンと不利パターンとの割合が可変して設定されるので、設定される遊技状態により特定領域に遊技球が入球することへの期待度が可変して遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機L1またはL2において、前記第1判別手段または前記第2判別手段により前記特定の第1判定結果または前記特定の第2判定結果と判別される第1確率とその第1確率よりも高い第2確率とのどちらか一方を設定可能な確率設定手段を有し、前記特典付与手段により付与される前記特典は、少なくとも前記確率設定手段により前記第2確率が設定されるようにするものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1またはL2の奏する効果に加え、特定領域を通過することで、第2確率が設定されるので、特典遊技が実行されている間も、特定領域に遊技球を通過させられるか否かに興味を持たせることで、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、前記有利パターンと前記不利パターンとは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変させてから前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させるまでの期間が少なくとも異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかの奏する効果に加え、有利パターンと不利パターンとを容易な制御で設定することができるという効果がある。
遊技機L1からL4のいずれかにおいて、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間には、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球を前記第2可変入球手段へと所定期間以上かけて誘導する誘導手段が配置され、前記不利パターンは、前記第1可変入球手段が前記閉鎖状態に可変されてから、前記所定期間よりも短い期間で前記第2可変入球手段を前記開放状態に可変させた後に前記閉鎖状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L1からL4の奏する効果に加え、より確実に不利パターンで特定領域に遊技球が通過することを困難にすることができるという効果がある。
<特徴M群>(音声出力に連動して振動強度を可変させる制御)
演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において遊技者が触れることが可能な接触部とその接触部を可動させることが可能な可動手段とその可動手段を可動データに基づいて可動制御する可動制御手段とその可動制御手段により用いられる複数の前記可動データが記憶された記憶手段と前記演出実行手段により実行される前記演出の演出情報を判別する判別手段とその判別手段により判別された前記演出情報に基づいて前記記憶手段より前記可動データを設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、演出を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示手段が設けられているものがある。かかる従来型の遊技機では、表示手段において興趣演出を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っている。また、従来型の遊技機には、興趣演出の一種として、振動動作を伴う振動演出を実行可能なものがある。かかる従来型の遊技機では、表示手段に表示された演出に応じて振動を発生させることにより、臨場感のある演出を実現できていた(例えば、特開2014−195692号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、臨場感の向上が未だ不十分であった。
これに対して遊技機M1では、遊技者が触れることが可能な接触部が、可動手段によって可動される。可動手段が可動データに基づいて可動制御手段によって可動制御され、その可動制御手段により用いられる複数の可動データが記憶手段に記憶されている。演出実行手段により実行される演出の演出情報が判別手段によって判別される。判別手段により判別された演出情報に基づいて設定手段によって記憶手段から可動データが設定される。
これにより、演出実行手段によって実行される演出に応じて、可動手段の可動制御を異ならせることができるので、可動手段を好適に可動させることができるという効果がある。
遊技機M1において前記判別手段は、前記演出で再生処理される音声データの情報を前記演出情報として判別するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、演出で再生処理される音声データの情報が判別手段により演出情報として判別されるので、演出の実行中に出力される音声に応じて可動手段の可動制御を異ならせることができる。
よって、可動手段を好適に可動させることができるという効果がある。
遊技機M2において前記可動データは、所定の電圧値を前記可動手段に供給するための駆動電圧データに関する情報で構成され前記判別手段は、前記再生処理される音声データの情報を、前記駆動電圧データに関する情報に対応する識別情報に変換して判別するものであり前記設定手段は、前記識別情報に基づいて対応する前記可動データを設定するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動データが所定の電圧値を可動手段に供給するための駆動電圧データに関する情報で構成されている。再生処理される音声データの情報が、判別手段によって、駆動電圧データに関する情報に対応する識別情報に変換して判別される。識別情報に基づいて対応する可動データが設定手段によって設定される。
これにより、音声に応じて可動手段に対して供給される電圧を可変させることができるので、可動手段を好適に制御することができるという効果がある。
遊技機M2又はM3において1または複数の音声データの再生処理を行う音声再生手段とその音声再生手段によって複数の音声データが並列して再生された場合に、その複数の音声データを合成する音声合成手段とその音声合成手段によって合成された合成音声データに基づいて音声を出力する音声出力手段と、を備え前記判別手段は、前記合成音声データの情報を前記演出情報として判別するものであることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M2又はM3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。1または複数の音声データが音声再生手段によって再生処理される。音声再生手段によって複数の音声データが並列して再生された場合に、その複数の音声データが音声合成手段によって合成される。音声合成手段によって合成された合成音声データに基づいて音声出力手段によって音声が出力される。合成音声データの情報が判別手段によって演出情報として判別される。
これにより、複数の音声が並列して出力されている場合であっても、合成後の合成音声データに応じて可動手段に設定する可動データを設定することができる。よって、可動手段を好適に制御することができるという効果がある。
遊技機M4において前記音声再生手段は、新たな音声データの再生を開始する場合に、所定条件が成立していれば、前記新たな音声データと、その新たな音声データと合成することで互いに打ち消し合う打ち消しデータとの再生処理を並列して実行するものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、新たな音声データの再生を開始する場合に、所定条件が成立していれば、新たな音声データと、その新たな音声データと合成することで互いに打ち消し合う打ち消しデータとの再生処理が音声再生手段によって並列して実行されるので、所定条件が成立している間は、新たな音声データが音声として音声出力手段より出力されることを抑制できるという効果がある。
遊技機M5において前記打ち消しデータは、前記新たな音声データと逆位相の波形のデータであることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、打ち消しデータが、新たな音声データと逆位相の波形のデータで構成されているので、新たな音声データを完全に打ち消すことができるという効果がある。
遊技機M5またはM6において前記音声再生手段は、前記演出実行手段により第1の種別の演出が実行されている状態で、前記第1の種別とは異なる第2の種別の演出が新たに開始される場合に、前記第2の種別の演出に対応する音声データと、前記打ち消しデータとの再生処理を並列して実行するものであることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M5またはM6の奏する効果に加え、演出実行手段により第1の種別の演出が実行されている状態で、第1の種別とは異なる第2の種別の演出が新たに開始される場合に、第2の種別の演出に対応する音声データと、打ち消しデータとの再生処理が、音声再生手段によって並列して実行されるので、第1の種別の演出の実行中に第2の種別の演出に対応する音声が出力されることを抑制できる。よって、第1の種別の演出に対応する音声が、他の音声によって聴こえ難くなってしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴N群>(振動の態様で操作内容を示唆)
演出を実行する演出実行手段と遊技者が操作可能な操作部を有した操作手段とその操作手段の操作部が操作されることで信号を出力可能な信号出力手段とその信号出力手段により出力された信号を判別する信号判別手段とその信号判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記演出実行手段により実行される前記演出の内容が可変されるように設定する演出可変設定手段と、を有した遊技機において遊技者が触れることが可能な接触部とその接触部を可動させることが可能な可動手段とその可動手段を可動データに基づいて可動制御する可動制御手段とその可動制御手段により可動制御される前記可動データを設定するデータ設定手段と、を有し前記信号出力手段は、第1操作に基づいて前記信号として第1信号を出力し、前記第1操作と異なる第2操作に基づいて前記第1信号とは異なる第2信号を少なくとも出力可能に構成され前記信号判別手段は、前記信号出力手段により出力された前記信号の種別を判別可能なものであり前記データ設定手段は、特定条件の成立に基づいて前記特定の判別結果となる前記操作部の操作を示唆する特定の前記可動データを設定するものであることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、プッシュボタン等、遊技者が操作可能な操作手段を構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の一種として、操作手段に対する操作に基づいて所定の報知を行うことにより、遊技者の興趣向上を図っていた。また、従来型の遊技機の中には、操作手段の操作タイミングを、操作手段を振動させることで示唆する振動演出を実行可能なものがある。これにより、遊技者にとってより分かり易い演出を提供可能に構成されていた(例えば、特開2014−128557号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、振動演出の態様が乏しく、遊技者の興趣向上の面では未だ改善の余地がある。
遊技機N1によれば、遊技者が触れることが可能な接触部が、可動手段によって可動される。可動手段が可動制御手段によって可動データに基づいて可動制御される。可動制御手段により可動制御される可動データがデータ設定手段によって設定される。第1操作に基づいて、信号出力手段により信号として第1信号が出力される。一方、第1操作と異なる第2操作に基づいて第1信号とは異なる第2信号が信号出力手段により出力される。信号出力手段により出力された信号の種別が信号判別手段によって判別される。特定条件の成立に基づいて特定の判別結果となる操作部の操作を示唆する特定の可動データがデータ設定手段によって設定される。
これにより、特定の判別結果となる操作部の操作に応じて可動手段の可動を異ならせることができるので、可動手段の可動に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1において前記可動手段は、前記接触部の可動動作として、前記接触部を振動させるものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、接触部の可動動作として、接触部が振動するように可動手段が可動するので、振動動作から特定の判別結果となる操作を知りたいと考える遊技者に対して積極的に接触部に触れさせることができるという効果がある。
遊技機N1またはN2において前記特定の振動データは、前記接触部のうち、第1位置を他の位置とは異なる可動動作で可動させるための第1特定データを少なくとも含む複数の可動データが設けられているものであり前記データ設定手段は、前記特定の判別結果となる前記操作部の操作が前記第1操作である場合に前記特定の可動データとして前記第1特定データを設定するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、接触部のうち、第1位置を他の位置とは異なる可動動作で稼動させるための第1特定データを少なくとも含む複数の可動データが特定の振動データとして設けられている。特定の判別結果となる操作部の操作が第1操作である場合に、データ設定手段により特定の可動データとして第1特定データが設定される。
これにより、第1位置の可動動作に着目することで、容易に第1操作が特定の判別結果となる操作であるかを遊技者に対して理解させることができるという効果がある。
遊技機N3において前記特定の振動データは、前記第1特定データと、前記第1位置とは異なる第2位置を他の位置とは異なる可動動作で可動させるための第2特定データとを少なくとも含む複数の可動データが設けられているものであり前記データ設定手段は、前記特定の判別結果となる前記操作部の操作が前記第1操作である場合に前記特定の可動データとして前記第1特定データを設定し、前記特定の判別結果となる前記操作部の操作が前記第2操作である場合に前記特定の可動データとして前記第2特定データを設定するものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、特定の振動データには、第1特定データと、第1位置とは異なる第2位置を他の位置とは異なる可動動作で可動させるための第2特定データとが少なくとも含まれる。特定の判別結果となる操作部の操作が第1操作である場合に、データ設定手段によって第1特定データが設定される一方で、特定の判別結果となる操作部の操作が第2操作である場合に、データ設定手段によって第2特定データが設定される。
これにより、第1位置と、第2位置との可動動作に着目することによって、特定の判別結果となる操作部の操作が第1操作であるか、第2操作であるかを遊技者に対して容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機N3またはN4において回転可能な回動部材を備え前記可動手段は、前記回動部材を、その回動部材の重心位置とは異なる所定位置を回転軸として回転動作させる回動モータで構成されているものであり前記可動制御手段は、前記可動データに対応する回転速度で、前記回動モータの回転動作を制御するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N3またはN4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段が、回転可能な回動部材を、その重心位置とは異なる所定位置を回転軸として回転動作させる回動モータで構成されている。可動データに対応する回転速度で、回動モータの回転動作が可動制御手段によって制御される。
これにより、回動部材の回転中は、回転軸から重心位置へと向かう方向に遠心力が強く作用するので、回転に応じて遠心力が作用する方向が変化する結果、振動を発生させることができる。よって、振動動作から特定の判別結果となる操作を知りたいと考える遊技者に対して積極的に接触部に触れさせることができるという効果がある。
遊技機N5において、前記第1特定データは、前記回動部材が前記第1位置に最も近接する位置を通過する前後の回転速度を、他の位置を通過する際の回転速度とは異なる速度に設定するためのデータであることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、第1特定データが、回動部材が第1位置に最も近接する位置を通過する前後の回転速度を、他の位置を通過する際の回転速度とは異なる速度に設定するためのデータで構成されているので、第1位置の前後において回動部材に作用する遠心力を、他の位置における遠心力と異なる大きさにすることができる。よって、第1位置の振動の大きさを、他の位置と比較するだけで、第1操作が特定の判別結果となる操作であるかを容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機N6において前記第1特定データは、前記回動部材が前記第1位置に最も近接する位置を通過する前後の回転速度を第1の速度に設定し、他の位置を通過する際の回転速度を前記第1の速度よりも遅い第2の速度に設定するためのデータであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、第1特定データが、回動部材が第1位置に最も近接する位置を通過する前後の回転速度を第1の速度に設定し、他の位置を通過する際の回転速度を第1の速度よりも遅い第2の速度に設定するためのデータで構成されているので、第1位置に最も近接する位置の前後において回動部材に作用する遠心力を、他の位置に比較して大きくすることができる。よって、第1位置の振動を他の位置よりも大きくすることができるので、第1位置の振動が大きいか否かを確認するだけで、容易に特定の判別結果となる操作が第1操作であるかを遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機N3またはN4において前記可動手段は、前記第1位置を可動させる第1可動部材を少なくとも含む複数の可動部材で構成されているものであり前記第1特定データは、前記第1可動部材を、他の可動部材とは異なる可動動作で可動させるためのデータで構成されているものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N3またはN4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。可動手段が、第1位置を可動させる第1可動部材を少なくとも含む複数の可動部材で構成されている。第1特定データが、第1可動部材を、他の可動部材とは異なる可動動作で可動させるためのデータで構成されている。
これにより、第1位置の可動動作を他の位置と比べるだけで、特定の判別結果となる操作が第1操作であるか否かを遊技者に対して容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機N1からN8のいずれかにおいて前記演出実行手段は、第1の選択肢と、その第1の選択肢とは異なる第2の選択肢とを少なくとも含む複数の選択肢の中から一部の選択肢を選択するように示唆する選択肢演出を実行可能なものであり前記第1操作は、前記第1の選択肢を選択することに対応する操作であり前記第2操作は、前記第2の選択肢を選択することに対応する操作であることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N1からN8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1の選択肢と、その第1の選択肢とは異なる第2の選択肢とを少なくとも含む複数の選択肢の中から一部の選択肢を選択するように示唆する選択肢演出が演出実行手段によって実行される。第1操作が、第1の選択肢を選択することに対応する操作として設定され、第2操作が、第2の選択肢を選択することに対応する操作として設定されている。
これにより、遊技者に選択肢を選択する楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機N9において前記選択肢演出には、前記信号判別手段により前記特定の判別結果と判定され得る第1選択肢演出と、前記信号判別手段により前記特定の判別結果と判定されることがない第2選択肢演出とが少なくとも含まれ前記データ設定手段は、前記第1選択肢演出の実行中にのみ、前記特定の可動データを設定可能なものであることを特徴とする遊技機N10。
遊技機N10によれば、遊技機N9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択肢演出には、信号判別手段により特定の判別結果と判定され得る第1選択肢演出と、信号判別手段により特定の判別結果と判定されることが無い第2選択肢演出とが少なくとも含まれている。第1選択肢演出の実行中にのみ、データ設定手段によって特定の可動データが設定可能に構成されている。
これにより、特定の可動データが設定されたか否かにより注目して遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N11において判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え前記演出実行手段は、前記第2遊技状態が設定される場合よりも、前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2選択肢演出を実行する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機N12。
遊技機N12によれば、遊技機N11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。第2遊技状態が設定される場合よりも、第1遊技状態が設定される場合に演出実行手段により第2選択肢演出が実行される割合が高くなるように構成されている。
これにより、第1選択肢演出であるか、第2選択肢演出であるかに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴O群>(ボタンプッシュ音を押下時の条件に応じて可変させる制御)
遊技者が操作可能な操作手段とその操作手段が操作された場合に、前記操作に基づく特定演出を実行する特定演出実行手段とその特定演出実行手段により実行される前記特定演出を複数の異なる特定演出より決定する特定演出決定手段とその特定演出決定手段によって第1特定演出が決定される第1状態と、前記第1特定演出とは異なる第2特定演出が決定される第2状態とを少なくとも含む複数の状態の中から1の状態を設定可能な状態設定手段とを備えることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、プッシュボタン等、遊技者が操作可能な操作手段を構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の一種として、操作手段に対する操作を促す演出を行うことにより興趣向上を図っていた。また、従来型の遊技機の中には、操作手段に対する操作に基づいて実行される演出により、大当たり抽選結果を報知するものも知られている。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の実行中に操作手段が操作される毎に、大当たりを示唆する当たり示唆演出と、その当たり示唆演出とは異なる通常演出とのいずれを実行するかを判別するものがある。これにより、興趣演出の実行中に当たり示唆演出が実行されることを期待して、遊技者に操作手段を積極的に操作させることができる構成としていた(例えば、特開2014−184177号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技者が連続して操作手段を操作した場合に、通常演出や当たり示唆演出を好適に実行することができなくなってしまう場合があった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができなくなってしまう場合があった。
遊技機O1によれば、遊技者が操作可能な操作手段が操作された場合に、操作に基づく特定演出が特定演出実行手段によって実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出が、特定演出決定手段によって複数の異なる特定演出より決定される。その特定演出決定手段によって第1特定演出が決定される第1状態と、第1特定演出とは異なる第2特定演出が決定される第2状態とを含む複数の状態の中から1の状態が状態設定手段によって設定される。
これにより、操作手段を操作した場合に実行される特定演出を、状態に応じて異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機O1において前記状態設定手段は、前記操作手段が操作されることで可変される情報に基づいて、前記複数の状態の中から1の状態を設定するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、操作手段が操作されることで可変される情報に基づいて、複数の状態の中から1の状態が状態設定手段によって設定されるので、遊技者の操作に応じて特定演出を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1またはO2において前記操作手段に対する操作を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段を備え前記特定演出実行手段は、前記有効期間の間に前記操作手段が操作された場合に、前記特定演出を実行するものであり前記状態設定手段は、1の前記有効期間の間に、予め定めた設定条件が成立する毎に前記複数の状態の中から1の状態を設定するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作を有効とする有効期間が有効期間設定手段によって設定される。有効期間の間に操作手段が操作された場合に、特定演出実行手段によって特定演出が実行される。1の有効期間の間に、予め定めた設定条件が成立する毎に、状態設定手段によって複数の状態の中から1の状態が設定される。
これにより、1の有効期間の中で、異なる特定演出を実行することができるので、1の有効期間における特定演出のバリエーションを多様化することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1からO3のいずれかにおいて遊技者が前記操作手段を操作した間隔を判別する間隔判別手段を備え前記状態設定手段は、前記間隔判別手段によって判別された間隔が予め定めた特定間隔よりも短い場合に前記第1状態を設定し、前記特定間隔よりも長い場合に前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O1からO3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作手段を操作した間隔が間隔判別手段によって判別される。間隔判別手段によって判別された間隔が予め定めた特定間隔よりも短い場合に状態設定手段により第1状態が設定される一方で、特定間隔よりも長い場合には状態設定手段によって第2状態が設定される。
これにより、遊技者の操作間隔に応じて実行される特定演出を異ならせることができるので、操作を行っている遊技者の遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機O4において前記第1特定演出は、前記第2特定演出よりも演出期間が短い演出であることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第1特定演出が、第2特定演出よりも短い演出期間で構成されているので、操作間隔が特定間隔よりも短い場合には、演出期間が短い第1特定演出を実行し、特定間隔よりも長い場合には第1特定演出よりも演出期間が長い第2特定演出を実行することができる。よって、遊技者の操作間隔に応じた演出期間の特定演出を実行することができるという効果がある。
遊技機O5において前記特定演出は、1の演出期間の中に少なくとも第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる第2演出態様とを含むものであり前記第1特定演出は、前記第2特定演出よりも前記第1演出態様が終了してから前記第2演出態様が開始されるまでの期間が短いものであることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が、1の演出期間の中に少なくとも第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる第2演出態様とを含んで構成されている。第1演出態様が終了してから第2演出態様が開始されるまでの期間は、第1特定演出の方が第2特定演出よりも短くなるように構成されている。
これにより、第1演出態様と第2演出態様との間隔を異ならせるだけで、演出期間を異ならせることができるという効果がある。
遊技機O1からO6のいずれかにおいて音声を出力可能な音声出力手段を備え前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記操作手段が操作されたことに基づく効果音を前記音声出力手段に出力させるものであることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O1からO6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力手段によって音声が出力可能に構成されている。特定演出として、操作手段が操作されたことに基づく効果音が、特定演出実行手段によって音声出力手段により出力されるように制御される。
これにより、特定演出として音声出力手段により出力される音声を異ならせることができるので、音声を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1からO7のいずれかにおいて前記操作手段に対する操作を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段とその有効期間設定手段によって設定された1の有効期間において前記操作手段が操作された回数を計数する計数手段とその計数手段により計数された回数が予め定めた特定回数となったかを判別する回数判別手段とその回数判別手段により前記予め定めた特定回数になったと判別されたことに基づいて、前記特定演出とは異なる特別演出を実行する特別演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O1からO7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作を有効とする有効期間が有効期間設定手段によって設定される。有効期間設定手段によって設定された1の有効期間において操作手段が操作された回数が計数手段によって計数される。計数手段によって計数された回数が予め定めた特定回数となったかが回数判別手段によって判別される。回数判別手段によって予め定めた特定回数になったと判別されたことに基づいて、特定演出とは異なる特別演出が特別演出実行手段によって実行される。
これにより、特別演出を実行させたいと考える遊技者に対して、有効期間において特定回数となるまで操作手段の操作部を操作させることができるという効果がある。
遊技機O8において前記予め定めた特定回数として、複数の異なる回数が規定されているものであり前記回数判別手段は、前記複数の異なる回数のうち、操作手段が操作されることで可変される情報に対応する回数を判別に用いるものであることを特徴とする遊技機O9。
遊技機O9によれば、遊技機O8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定めた特定回数として、複数の異なる回数が規定されている。複数の異なる回数のうち、操作手段が操作されることで可変される情報に対応する回数が、回数判別手段による判別に用いられる。
これにより、遊技者の操作に応じて特定回数を異ならせることができるので、各遊技者の操作に内容に合わせて特定回数を最適化することができるという効果がある。
遊技機O9において遊技者が前記操作手段を操作した間隔を判別する間隔判別手段を備え前記回数判別手段は、前記複数の異なる回数のうち、前記間隔判別手段によって判別された間隔に対応する1の回数を判別に用いるものであることを特徴とする遊技機O10。
遊技機O10によれば、遊技機O9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作手段を操作した間隔が間隔判別手段によって判別される。複数の異なる回数のうち、間隔判別手段によって判別された間隔に対応する1の回数が回数判別手段による判別に用いられる。
これにより、遊技者が操作手段を操作した間隔に応じて、特別演出が実行されるまでの操作回数を可変させることができるので、遊技者の操作間隔に応じて特別演出の実行頻度を異ならせることができるという効果がある。
遊技機O10において前記複数の異なる回数には、第1の回数と、その第1の回数よりも多い第2の回数とが少なくとも含まれ前記回数判別手段は、前記間隔判別手段によって判別された間隔が特定間隔よりも長ければ、前記第1の回数を判別に用い、前記特定間隔よりも短ければ前記第2の回数を判別に用いるものであることを特徴とする遊技機O11。
遊技機O11によれば、遊技機O10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の回数と、その第1の回数よりも多い第2の回数とが、複数の異なる回数として規定されている。間隔判別手段によって判別された間隔が特定間隔よりも長ければ、回数判別手段により第1の回数が判別に用いられる。一方、特定間隔よりも短ければ第2の回数が判別に用いられる。
これにより、遊技者の操作間隔に合わせて回数を可変させることができるという効果がある。
<特徴P群>(効果音を短い間隔で出力する場合に立ち上がりを出力する制御)
予め定めた特定条件の成立に基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と前記特定条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果に基づいて、前記特定演出実行手段によって実行される前記特定演出の種別を決定する種別決定手段とを備えることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、プッシュボタン等、遊技者が操作可能な操作手段を構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の一種として操作手段に対する操作を促す演出を行うことにより、興趣向上を図っていた。また、従来型の遊技機の中には、操作手段に対する操作に基づいて実行される演出により、大当たり抽選結果を報知するものも知られている。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の実行中に操作手段が操作される毎に、大当たりを示唆する当たり示唆演出と、その当たり示唆演出とは異なる通常演出とのいずれを実行するかを判別するものがある。これにより、興趣演出の実行中に当たり示唆演出が実行されることを期待して、遊技者に操作手段を積極的に操作させることができる構成としていた(例えば、特開2014−184177号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技者が連続して操作手段を操作した場合に、通常演出や当たり示唆演出を好適に実行することができなくなってしまう場合があった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができなくなってしまう場合があった。
遊技機P1によれば、予め定めた特定条件の成立に基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいて、前記特定演出実行手段によって実行される前記特定演出の種別を決定する種別決定手段とを備える。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1において音声を出力することが可能な音声出力手段を有し前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出には、前記音声出力手段より特定の音声を出力させる音声演出が少なくとも含まれており前記特定の音声は、所定期間の音声態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え聴覚的な演出を行うことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上できるという効果がある。
遊技機P2において前記音声出力手段は、複数の異なる音声を同時に出力可能に構成されており前記音声出力手段に、前記複数の異なる音声を同時に出力させるための複数の出力部を有した音声出力制御手段を有しその音声出力制御手段は、前記特定条件が成立した場合に、前記複数の出力部のうち、1つ前に設定した前記出力部とは異なる出力部に前記特定の音声に対応する音声情報を設定するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、音声制御手段により1つ前に設定された出力部とは異なる出力部に音声情報が設定されるので、特定条件が短期間に連続して成立した場合にも、前回の特定条件の成立に基づいて出力された音声態様が、今回の特定条件の成立に基づく音声態様を出力するために、途切れてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機P1からP3のいずれかにおいて前記特定演出は、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる第2演出態様とを少なくとも含んで構成されるものであり前記種別決定手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記第2演出態様の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P1からP3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる第2演出態様とを少なくとも含んで構成される。判別手段による判別結果に基づいて、第2演出態様の種別が種別決定手段によって決定される。
これにより、特定演出の態様を、第2演出態様のみを可変させることで異ならせることができるという効果がある。
遊技機P4において遊技者が操作可能な操作手段とその操作手段に対する操作を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段とその有効期間設定手段により設定された有効期間の間に特定の判別を実行する特定判別手段とその特定判別手段による判別の判別結果に基づいて、第2演出態様の種別として第1種別が決定される第1状態と、前記第1種別とは異なる第2種別が決定される第2状態と含む複数の状態から1の状態を設定可能な状態設定手段とを備えるものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作を有効とする有効期間が有効期間設定手段によって設定され、その有効期間設定手段により設定された有効期間の間に特定判別手段によって特定の判別が実行される。特定判別手段による判別の判別結果に基づいて、第2演出態様の種別として第1種別が決定される第1状態と、第1種別とは異なる第2種別が決定される第2状態とを含む複数の状態から1の状態が、状態設定手段によって設定される。
これにより、特定判別手段による特定判別結果に応じて第2演出態様の種別を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P5において前記特定判別手段による前記特定の判別は、1の前記有効期間の中で複数回実行されるものであることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P5の奏する効果に加え、特定判別手段による特定の判別が、1の有効期間の中で複数回実行されるので、1の有効期間の中で複数回、第2演出態様の種別を切り替えることができる。よって、遊技者が操作手段を操作する際に、特定演出における第2演出態様の種別に注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P5またはP6において前記特定判別手段による前記特定の判別は、遊技者の前記操作手段に対する操作間隔を判別するものであることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P5またはP6の奏する効果に加え、特定判別手段による特定の判別が、遊技者の操作手段に対する操作間隔の判別であるので、遊技者の操作間隔に応じて第2演出態様の種別を可変させることができるという効果がある。
<特徴Q群>(効果音のデータと残響音のデータとを別々に処理する)
予め定めた特定条件の成立に基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と前記特定条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果に基づいて、前記特定演出実行手段によって実行される前記特定演出の種別を決定する種別決定手段とを備えることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、プッシュボタン等、遊技者が操作可能な操作手段を構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の一種として操作手段に対する操作を促す演出を行うことにより、興趣向上を図っていた。また、従来型の遊技機の中には、操作手段に対する操作に基づいて実行される演出により、大当たり抽選結果を報知するものも知られている。かかる従来型の遊技機では、興趣演出の実行中に操作手段が操作される毎に、大当たりを示唆する当たり示唆演出と、その当たり示唆演出とは異なる通常演出とのいずれを実行するかを判別するものがある。これにより、興趣演出の実行中に当たり示唆演出が実行されることを期待して、遊技者に操作手段を積極的に操作させることができる構成としていた(例えば、特開2014−184177号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技者が連続して操作手段を操作した場合に、通常演出や当たり示唆演出を好適に実行することができなくなってしまう場合があった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができなくなってしまう場合があった。
遊技機Q1によれば、予め定めた特定条件の成立に基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいて、前記特定演出実行手段によって実行される前記特定演出の種別を決定する種別決定手段とを備える。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において音声を出力可能な音声出力手段とその音声出力手段に複数の音声データを合成した合成音声を出力させることが可能な音声制御手段と、を有し前記特定演出は、前記音声出力手段より音声態様を出力させる音声演出を含むものであり前記音声演出に対応する音声データを合成して生成するための音声データを決定する音声データ決定手を有するものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え特定演出で出力される音声態様として、音声データ決定手段により決定された音声データを合成して生成されるので、少ない音声データであっても多様な音声態様を生成することができるという効果がある。
前記音声データ決定手段は、少なくとも1の基礎となる音声データと、その基礎となる音声データに対応する少なくとも1の残響音声データとを少なくとも決定するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え残響音声データを基礎となる音声データに合成することで、基礎となる音声データを異なる音声態様に可変させることができるという効果がある。
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて遊技者が操作可能な操作手段と音声を出力可能な音声出力手段を備え前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記操作手段が操作されたことに基づく効果音を前記音声出力手段に出力させるものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声出力手段によって音声が出力される。特定演出として、特定演出実行手段により、操作手段が操作されたことに基づく効果音が音声出力手段によって出力されるように制御される。
これにより、効果音を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q4において前記特定演出決定手段は、第1効果音と、その第1効果音よりも出力期間が短い第2効果音とを少なくとも前記音声出力手段に出力させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、第1効果音は、第2効果音よりも出力期間が長い効果音で構成されるので、効果音を多様化することができるという効果がある。
遊技機Q1からQ5のいずれかにおいて遊技者が操作可能な操作手段とその操作手段に対する操作を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段とを備え前記特定演出実行手段は、前記有効期間設定手段により設定された1の有効期間の間に、前記操作手段の操作を検出する毎に前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q1からQ5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。操作手段に対する操作を有効とする有効期間が有効期間設定手段によって設定される。有効期間設定手段により設定された1の有効期間の間に、操作手段の操作を検出する毎に、特定演出実行手段によって特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して操作手段を複数回操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q6において1の前記有効期間の中で、前記操作手段に対して行われた前回の操作からの経過時間を計時する計時手段を備え前記特定演出決定手段は、前記計時手段により計時された経過時間が予め定めた特定時間よりも短い場合に前記第1特定演出を決定し、前記特定時間よりも長い場合に前記第2特定演出を決定するものであることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。1の有効期間の中で、操作手段に対して行われた前回の操作からの経過時間が計時手段によって計時される。計時手段により計時された経過時間が予め定めた特定時間よりも短い場合に特定演出決定手段により第1特定演出が決定される一方で、特定時間よりも長い場合には第2特定演出が決定される。
これにより、遊技者が操作手段を操作する間隔に応じて特定演出を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3、E1からE5、F1からF5、G1からG5、H1からH4、I1からI5、J1からJ4、K1からK5、L1からL5、M1からM7,N1からN12、O1からO11、P1からP7、Q1からQ7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3、E1からE5、F1からF5、G1からG5、H1からH4、I1からI5、J1からJ4、K1からK5、L1からL5、M1からM7,N1からN12、O1からO11、P1からP7、Q1からQ7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB10、C1からC4、D1からD3、E1からE5、F1からF5、G1からG5、H1からH4、I1からI5、J1からJ4、K1からK5、L1からL5、M1からM7,N1からN12、O1からO11、P1からP7、Q1からQ7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカ等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作された場合に、前記操作に基づく特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出を複数の異なる特定演出より決定する特定演出決定手段と、その特定演出決定手段によって第1特定演出が決定される第1状態と、前記第1特定演出とは異なる第2特定演出が決定される第2状態とを少なくとも含む複数の状態の中から1の状態を設定可能な状態設定手段とを備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記状態設定手段は、前記操作手段が操作されることで可変される情報に基づいて、前記複数の状態の中から1の状態を設定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記操作手段に対する操作を有効とする有効期間を設定する有効期間設定手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記有効期間の間に前記操作手段が操作された場合に、前記特定演出を実行するものであり、前記状態設定手段は、1の前記有効期間の間に、予め定めた設定条件が成立する毎に前記複数の状態の中から1の状態を設定するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、遊技者が前記操作手段を操作した間隔を判別する間隔判別手段を備え、前記状態設定手段は、前記間隔判別手段によって判別された間隔が予め定めた特定間隔よりも短い場合に前記第1状態を設定し、前記特定間隔よりも長い場合に前記第2状態を設定するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想4に記載の遊技機において、前記第1特定演出は、前記第2特定演出よりも演出期間が短い演出である。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技者が操作可能な操作手段が操作された場合に、操作に基づく特定演出が特定演出実行手段によって実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出が、特定演出決定手段によって複数の異なる特定演出より決定される。その特定演出決定手段によって第1特定演出が決定される第1状態と、第1特定演出とは異なる第2特定演出が決定される第2状態とを含む複数の状態の中から1の状態が状態設定手段によって設定される。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1に記載の遊技機の奏する効果に加え、操作手段が操作されることで可変される情報に基づいて、複数の状態の中から1の状態が状態設定手段によって設定されるので、遊技者の操作に応じて特定演出を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作を有効とする有効期間が有効期間設定手段によって設定される。有効期間の間に操作手段が操作された場合に、特定演出実行手段によって特定演出が実行される。1の有効期間の間に、予め定めた設定条件が成立する毎に、状態設定手段によって複数の状態の中から1の状態が設定される。
これにより、1の有効期間の中で、異なる特定演出を実行することができるので、1の有効期間における特定演出のバリエーションを多様化することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作手段を操作した間隔が間隔判別手段によって判別される。間隔判別手段によって判別された間隔が予め定めた特定間隔よりも短い場合に状態設定手段により第1状態が設定される一方で、特定間隔よりも長い場合には状態設定手段によって第2状態が設定される。
これにより、遊技者の操作間隔に応じて実行される特定演出を異ならせることができるので、操作を行っている遊技者の遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想4に記載の遊技機の奏する効果に加え、第1特定演出が、第2特定演出よりも短い演出期間で構成されているので、操作間隔が特定間隔よりも短い場合には、演出期間が短い第1特定演出を実行し、特定間隔よりも長い場合には第1特定演出よりも演出期間が長い第2特定演出を実行することができる。よって、遊技者の操作間隔に応じた演出期間の特定演出を実行することができるという効果がある。