JP2017029159A - 改変され、そして改善された細胞および生物を生成するための組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
に関心対象の物質および化合物を効率的に産生する能力は、これらの生物の望ましい特性である。
その活性の適切な制御を可能にする。コードされるタンパク質またはRNAの異常な特性を生じ、その生化学的および構造特性、細胞内局在化、および/または他のタンパク質またはRNAとの会合に影響を及ぼすポリヌクレオチド配列の改変は、生物の特性または表現型に顕著な結果を有しうる。別個のポリヌクレオチドによってコードされる、損なわれていない(intact)または部分的なオープンリーディングフレームの連結を伴う、ポリヌクレオチド融合は、ポリヌクレオチド配列を改変して、コードされるRNAまたはタンパク質の特性を変化させ、そして生物の表現型を改変する既知の方法である。
が、戦略の妥当性を確認するために十分にしばしば観察されてきている。進化的な時間に起こるもの、例えばエクソン・シャッフリング(Gilbert 1978)による新規遺伝子配列進化におけるものとは別に、遺伝子融合は、2つの癌原遺伝子の融合が癌細胞の制御されない細胞増殖に寄与する、発癌における頻繁な事象である(Mitelman 2004、Mitelman 2007、Rabbitts 2009、Inaki 2012)。ポリヌクレオチド融合の活性改変の例は、慢性骨髄性
白血病において、調節されない細胞増殖を促進する際に関与するBCL−ABL癌遺伝子(Sawyers 1992、Melo 1996)、侵襲性急性白血病に関与するヒストン−リジンN−メチ
ルトランスフェラーゼをコードする混合細胞系譜白血病(MLL)ポリヌクレオチド(Marshalek 2011)、原核2構成要素シグナル伝達タンパク質(Ashby 2006、Whitworth 2009)、ならびに多機能細菌抗生物質耐性ポリヌクレオチド(Zhang 2009)である。しかし、これらの例にもかかわらず、ポリヌクレオチド融合は、点突然変異などの他の遺伝子変化に比較して、生物学においては比較的まれであり、そして細胞世代あたりというよりも、進化的な時間に渡って、より適切に測定される頻度で生じる傾向がある(Babushok 2007
、Eisenbeis 2010)。その結果、人工的なポリヌクレオチド融合を生成するための系は、自然界でまれにしかまたはまったく見られない多くの表現型を生成する潜在能力を有する。多様な有用な生物において、多様な遺伝子チェックポイントをバイパスすることが可能な融合タンパク質は、より迅速に増殖し、そしてより収率が高い株および変種の単離を可能にするであろう。
などの遺伝子およびタンパク質進化法とは異なる。本発明は、ランダム組換えおよび新規コード配列を生成するため、インプット配列として実質的に非相同である配列のコレクションを用いる。
は非翻訳配列である。1つの態様において、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドは、ベクターに機能可能であるように連結されている。ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを宿主細胞内に導入してもよい。いくつかの場合、宿主細胞を、宿主細胞が得られた生物に再生することも可能である。ランダム化融合ポリペプチドは、対照細胞または対照生物に存在しない表現型を引き起こす。
ある上流および下流ポリヌクレオチドを含有する融合ポリヌクレオチドの割合に関して、多様でありうる。コレクション全体の割合は、少なくとも10%であり、そして数値10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%あるいはその間の任意の数値であることも可能である。
全長に渡って、核酸またはタンパク質配列の整列を可能にする、コンピュータプログラムClustalW(バージョン1.83、デフォルトパラメーター)を用いて、1またはそれより多い対象核酸またはアミノ酸配列に整列させる(全体整列、Chenna 2003)。
;増幅によるランダム化オリゴヌクレオチド由来の部分的または完全ランダムDNA配列が含まれる。
の2つの部分を分離するために適した「リンカー」ペプチドまたはポリペプチド配列をコードすることも可能である。小さいアミノ酸、例えばグリシン、アラニン、セリン、プロリン、スレオニン、アスパラギン酸またはアスパラギンは、柔軟でそして構造化されていないドメイン、またはかさばる側鎖を欠くアルファらせんドメインを形成する傾向があるため、リンカーペプチドとして適しており、コードされるランダム化融合ポリペプチドの2つの部分間の分離を可能にし、そしてコードされるランダム化融合ポリペプチドの各部分が、互いに対して独立に動くことを可能にする。したがって、2つの融合したORFを分離する配列挿入は、これらのアミノ酸を特定するコドンを含有することも可能である。あるいは、特定の二次構造、例えばアルファらせん、ベータシート、コイルドコイルまたはターン、あるいはその組み合わせなどの、コードされるランダム化融合ポリペプチドが、特定の構造または特定の構造の組み合わせによって分離されることを可能にする、リンカーペプチド配列を設計してもよい。
在し、これには、連結テーリング(Lathe 1984)、融合内クローニング(Zhu 2007、Irwin 2012)、配列および連結独立性クローニング(SLIC、Li 2007、Li 2012)、迅速クローニング(Li 2011)、環状ポリメラーゼ伸張クローニング(Quan 2009、Quan 2011)
、ギブソン組み立て法(Gibson 2009、Gibson 2010)、迅速およびクリーンクローニング(Thieme 2011)およびその他(Vroom 2008)が含まれる。
などの実験室生物内へのプラスミド形質転換を含む、いくつかの方法のいずれを用いて、再単離を行ってもよい。再単離後、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを、同じ生物内に、そして/または異なる生物内に再形質転換して、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドが、反復実験において、同じ表現型を再現可能に与えることを確認することが可能である。
あるいは複雑な配列変化およびゲノム再編成を生じるその組み合わせが含まれる。特異的ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドによって与えられるこうした発展表現型は、高率の進化、ならびに生物の遺伝的および表現型的多様性増加を伴う生物を生成するために、あるいはターゲティングされる遺伝子変化を導入するために適した生物、または特定のタイプの遺伝子変化に素因がある生物を生成するために、有用でありうる。
細菌株およびゲノムDNA調製:
[0060]大腸菌株K−12 MG1655の参照配列(ウィスコンシン大学ウェブサイトのゲノムセクションを通じて、インターネット上で入手可能)に基づいて、大腸菌ORFの完全コレクションを生成する。この株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能であり、そして関心対象のORFを増幅する高純度ゲノムDNAの供給源として用いられる。このゲノムの配列注釈を用いて、各ORFの開始および停止コドンを同定する。例えば、J.クレイグ・ベンター研究所によって用意される1つの特定の注釈(インターネット上でcmr-jcviウェブサイトから入手可能)は、総数5,286のタンパク質コードORFを列挙し、これには、検証されたおよび仮説上のタンパク質コード遺伝子の両方が含まれ、サイズは93bp(31アミノ酸をコードする)から7152bp(2384アミノ酸をコードする)の範囲である。
g/mlニワトリ(hen)卵リゾチームを添加することによって細胞を溶解し、そして1
/20体積の10mg/mlDNAse不含RNAse Aを添加し、よく混合し、そして室温で15分間インキュベーションした。プロテイナーゼKで処理することによって、細胞溶解およびゲノムDNA放出を完了する。溶解した細胞に、1/10体積の1M Tris、0.5M EDTA、pH9.5および1/100体積の20mg/mlプロテイナーゼK溶液を添加する。試験管に蓋をし、そして反転させることによって、溶解した細胞を穏やかに混合し、そして混合物を時々穏やかに混合しながら50℃で2時間インキュベーションする。次いで、等体積のフェノール−クロロホルム(pH7.0)で、DNAを2回抽出し、その後、等体積のクロロホルムでさらに1回抽出する。1/10体積の3M酢酸ナトリウムpH5.5および2.5体積のエタノール(または1体積のイソプロパノール)を添加することによって、DNAを沈殿させる。アルコールを添加した後、試験管を直ちに反転させ、そしてDNAは紐状の白色沈殿物として可視である。細胞由来の他の不純物(残渣タンパク質または炭水化物)が同時に沈殿するのを回避するため、清浄なピペットチップまたはパスツールピペットを用いてアルコール溶液から沈殿したDNAを取り除き、そして70%エタノールを含有する清浄な試験管に移す。試験管に蓋をし、そして複数回反転させて、DNA沈殿物から塩を除去する。遠心分離によってペレットを収集し、吸引によってエタノールを除去し、そしてエアフローフード中でペレットを乾燥させ、過剰なエタノールを取り除く。ペレットを1xTE(10mM Tris pH8.0、0.1mM EDTA)中に溶解する。カラムクロマトグラフィまたは塩化セシウム密度遠心分離(Sambrook 1989)を用いて、DNAのさらなる精製を行ってもよい。
[0064]単純なそして標準的な発現ベクターを用いて、すべての融合タンパク質を発現させる。大腸菌lacプロモーター/オペレーターは、大部分の標準的クローニングベクター上に存在し、そしてラクトースまたはラクトース類似体の存在下で、異種ポリヌクレオチドを高レベルで発現することが可能である。pUC19ベクター(Vieira 1982)は、
プラスミド骨格(pMB1レプリコン)、抗生物質耐性ポリヌクレオチド(例えばアンピシリン耐性を与えるTn3由来のβ−ラクタマーゼ)、ならびに大腸菌lacプロモーター/オペレーターおよびターミネーター配列の好適な供給源である。図3に例示するように、これらの配列をpUC19からPCR増幅し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドのクローニングおよび発現のためのプラスミド主鎖供給源として用いる。例えば、配列番号25124および配列番号25125に列挙するPCRプライマーを用いて、pUC19由来のこうした断片をPCR増幅して、2391bp直鎖ベクター断片(配列番号25126)を生じることも可能である。5’ORFの5’端および3’ORFの3’端に含まれる、この発現ベクター断片に対する相同性領域(図3を参照されたい)は、このベクター配列の末端と相同性を共有する(配列番号25126)。
1992)、Tn3 β−ラクタマーゼプロモーター、Pspcリボソームタンパク質プロ
モーターまたはファージラムダPLおよびPRプロモーター(Liang 1999、Menart 2002
)を用いてもよい。ストレス誘導性大腸菌pspオペロンのプロモーター(Brisette 1990、Brisette 1991、Weiner 1991、Weiner 1995、Jovanovic 1996、Model 1997、Beekwilder 1999)は、非生物ストレスの条件下で、植物性細胞増殖に依存する恒常性プロモータ
ーが非常に活性でない可能性もある場合、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現のために特に適している可能性もある。あるいは、細菌発現のためのコンセンサス要素を含有する部分的ランダム化配列から、合成プロモーターを発展させてもよい(Jensen 1998a、Jensen 1998b、Hammer 2006、De May 2007)。
候補プロモーターを試験するため、選択したプロモーターおよびその会合5’UTRを250bp DNA断片として合成し、そしてpUC19などの高コピー数プラスミド中のlacZ α断片の上流にクローニングする。大腸菌ターミネーターを、プロモーター断片の上流に配置して、プラスミド上の別の箇所に存在するプロモーターからのリードスルー転写を防止する。lacZ α断片の発現の指標となる、発色原基質X−Galの存在下で、青色コロニー色表現型を与える能力に関して、生じた構築物を大腸菌において試験する。
[0068]2つの異なるプライマーセットを各ORFに関して設計し、1つはORFをランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの5’位にクローニングするためのものであり、そしてもう一方は3’に配置するためのものである。5’端に15〜100塩基の保存配列を含有するようにプライマーを設計する。この保存配列は、対形成するであろう他のORFの末端の配列に相同であるか、またはベクター配列の末端に相同である。この配列相同性を図3に例示する。各ORFは、すべての他のORFと組み合わせて、5’および3’位の両方に配置されるはずであるため、各ORFに関して、2つの異なるPCRアンプリコンが生成され、1つは5’位に、そしてもう一方は3’位に向けられる(図3を参照されたい)。
のバージョンは、停止コドンを含有するであろうし、そして発現ベクターのターミネーター領域に3’相同性(またはクローニング目的のための他の配列適合性)を有するであろう。
ーを提供する一方、タンパク質分解には比較的耐性であろう。適切なリンカーペプチド配列の例は、GGGGSGGSGGSGGGGS(配列番号25117)またはSGGSSAAGSGSG(配列番号25118)またはSAGSSAAGSGSG(配列番号25119、Wang 2010)である。あるいは、ア
ルファらせんリンカー配列を用いてもよく、例えば配列A(EAAAAK)nA、n=2〜5(配列番号25120〜25123、Arai 2001)がある。
ターpUC19の誘導体(Vieira 1982、配列番号25126))に、そしてランダム化
インフレーム融合ポリヌクレオチド・パートナーの末端の保存配列に相同性を含有し、ベクター中での、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの、迅速でそして効率的な、相同性依存性組み立てを可能にする(図3を参照されたい)。各ORFの2つのアンプリコンは、停止コドンの存在(ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーの3’位に関して向けられるORFにのみ存在する)、および保存隣接配列のみが異なる。
まかに基づく、グリシン、セリンおよびアラニンが豊富な20アミノ酸ペプチド(配列番号25104)をコードする。このリンカー配列は、PCR増幅の第二のまたは保存される段階で完全にコードされ(以下を参照されたい)、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの5’位に向けられるORFの3’端およびランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの3’位に向けられるORFの5’端への、保存されたコード配列の付加を生じる。
[0075]3’端の20〜30ポリヌクレオチド特異的塩基を含有するポリヌクレオチド特異的プライマーおよび5’端の保存配列を含有するプライマーを用いて、各ORFをPCR増幅する。各ポリヌクレオチドに関して個々に、またはポリヌクレオチドプールに関して同時に、増幅を行う。
(登録商標)ポリメラーゼが使用可能である。Phusion(登録商標)ポリメラーゼに関し
ては、95℃2分間の変性、その後、95℃20秒間、60℃20秒間の10〜35周期、および72℃1分/kb(72℃で最低30秒間)によって、PCRアンプリコンを生成する。アガロース電気泳動によって、または蛍光計、例えばQubit(登録商標)蛍光計
(Life Technologies)を用いた蛍光分光測定によって、PCR産物形成の効率を測定す
る。DNA精製に適したシリカ樹脂を用いて、成功したPCR反応を精製することも可能である。成功しなかった反応を、PCR反応中のMg+2濃度および/または他の反応条件を変化させることによって反復する。各ORFの増幅成功後、各PCR産物濃度を規準化し、そして特定のサイズ範囲に対応する産物をクローニングのためにプールする。
ラーゼとともに供給されないすべての溶液を作るためにも脱イオン水を用いる。
[0082]1. PCR反応の各段階のため、以下に記載するようなPCR混合物を調製し、そしてサーマルサイクラーに挿入するまで低温で維持する。
[0084]3. プレートまたは試験管をサーマルサイクラー内に挿入する。
[0085]上述のような配列特異的PCRプライマープールを用いて、第一段階増幅を行う。反応あたり2μLの10ng/μL大腸菌株MG1655ゲノムテンプレートDNAを用いて、20μL総体積中、各増幅を行う。各反応に、100μMストックから2.5μLプライマープールを添加して、12.5μMの最終総プライマー濃度を提供する。各プライマープールは、26または27プライマー対のいずれかを含有し;そして最終の個々のプライマー濃度は、およそ0.23〜0.24μMである。
[0087]第二段階の増幅で用いるプライマーは、第一段階の増幅プライマーの保存された部分に相同性を持つ単一のプライマーである。第二段階のプライマーは、対の混合物として調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。
ポリメラーゼ(2単位/μl)。PCRサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
[0090]試料のより効率的な下流プロセシングを可能にするため、8試料を1つにプールすることによって、192多重PCR試料を24のより大きいプールに統合する。各多重PCR反応中の産物の量をまず定量化して、異なるサイズの断片コレクションの等モルプールを可能にする。これは、各多重反応に対してゲル電気泳動を行い、そして予期されるサイズの各バンド中の蛍光を定量化することによって、あるいはApplied Biosystems(登録商標)3730 DNA分析装置またはQIAGEN(登録商標)QIAxcel(登録商標)装置
などのキャピラリー電気泳動によってのいずれかで、行う。各多重プールの平均サイズを考慮に入れ、一緒にプールされて、プールに添加される各産物の等モル量を生じる、各多重PCR反応の相対量を計算するために、各多重反応中の望ましい産物の濃度を用いる。産物をサイズによってグループ分けし、そしてプールして、下流PCR増幅における増幅バイアスを最小限にする。
のプレートを用いて、10μgの望ましい産物総量に対応する各ORF大プールの量を精製する。精製PCR産物の溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度測定で決定する。
Rクリーンアップキットなどのシリカ樹脂ゲル精製法を用いて、そこからDNAを精製する。精製が完了したら、すべての試料の濃度を分光光度測定で決定し、そして精製第二段階大プール増幅産物各々の濃度を、第三段階増幅のため、10ng/μLに調整する。
[0094]第三段階増幅は、各PCR産物に最終配列を付加して、末端相同性によって効率的な組み立てを可能にし、そして各大プールの量を増加させる。第三段階増幅に用いるプライマーは、第一段階および第二段階増幅プライマーの保存された部分に相同性を持つ単一プライマーである。第三段階プライマーは、対の混合物として調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。
サイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
プキットなどのシリカ樹脂精製を用いて、精製する。溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度で測定する。
[0099]増幅およびスーパープールへのプーリング後、ORFの相対濃度を、DNA分子のモル濃度(質量濃度ではなく)に関して規準化する。上述のような個々のまたはプールされたPCR増幅によって生成されたORFコレクションに添加される、他の生物由来のクローニングされたポリヌクレオチドまたはORF由来のORFを含めた、特定のORFを、多様な量でORFコレクションに添加してもよい。例えば、特定のORFを、他のORFの濃度に対応するモル量で、あるいは最終ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリー内の提示を変化させる、より低いまたはより高い量で、添加する。例えば、ストレス耐性を与える特定のタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、大腸菌におけるストレス許容性を与える特に高い可能性を有すると推測される場合、ORFコレクション中にこの配列を過剰提示して、大部分のまたはすべてのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの組み合わせが、この優先される配列とともに試験されることを確実にすることも可能である。
の5’および3’端に位置し、そして図3に示す環状の組み立てられた産物の構造を特定する、保存された/相同配列によって指示される。多数の方法のいずれか1つを用いて、この相同性依存性組み立てを達成することも可能であり、これらのすべては、相同一本鎖DNA端のアニーリングに基づくクローニング法、例えばリンカーテーリング法(Lathe 1984)またはDNA分子の末端の相補的ホモポリマー性一本鎖テールに依存する方法(Lobban 1973)に由来する。さらに、現代の相同性依存性クローニング技術は、1990年
代初期に記載される連結独立性クローニング法(Aslanidis 1990、Aslanidis 1994)に概念的に関連する。こうした相同性依存性クローニング法には、限定されるわけではないが:融合内クローニング(Zhu 2007、Irwin 2012)、配列および連結独立性クローニング(SLIC、Li 2007、Li 2012)、迅速クローニング(Li 2011)、環状ポリメラーゼ伸張
クローニング(Quan 2009、Quan 2011)、ギブソン組み立て法(Gibson 2009、Gibson 2010)、迅速およびクリーンクローニング(Thieme 2011)およびその他(Vroom 2008)が
含まれる。
せを用いて、総数25の組み立て反応に関して、ライブラリー組み立てを行う。各反応において、150fmolの5’ORFスーパープールDNAおよび150fmolの3’ORFスーパープールDNA(平均サイズに基づくモル濃度)を、75fmolのPCR増幅単一断片pUC19ベクターDNA(配列番号25126)と合わせる。DNA混合
物の体積を10μlに調整し、これに10μlの組み立て混合物(200mM Tris
pH8.0、20mM MgCl2、各0.4mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、20mMジチオスレイトール、2mMニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド、0.02単位/μl T5エキソヌクレアーゼ、0.05単位/μl Phusion(
登録商標)熱安定性DNAポリメラーゼ、0.4単位/μl Taqリガーゼ)を添加する。反応を穏やかに混合し、そして50℃で1〜2時間インキュベーションする。次いで、反応を氷上に維持するか、または大腸菌形質転換に使用する前に凍結する。
ている可能性もあるエキソヌクレアーゼ活性を持つ他の酵素、例えばT4 DNAポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼIII、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼを用いて行ってもよい。活性の5’から3’の方向性を持つエキソヌクレアーゼ(すなわちT4ポリメラーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼ)は、各クローニング接合部の2つのニックの間に、より多数のアニーリング配列塩基対を生じ、したがって、望ましい産物を安定化させるため、こうしたエキソヌクレアーゼが好ましい。Taq DNAリガーゼを添加せずに、この方法を実行して、満足出来る結果を得ることも可能である。反応に、最終濃度5〜10%でポリエチレングリコール(分子量4000〜10000)を補充して、一本鎖DNA端のアニーリングを促進することも可能である。しかし、上述のような十分に高いDNA濃度が与えられていれば、PEGは必要ではない。
することによって、エレクトロポレーションによって組み立て反応を大腸菌に形質転換する。次いで、細胞/DNA混合物を1mmギャップ幅エレクトロポレーション・キュベット内に移し、そしてBio-Rad Micropulserエレクトロポレーターを用いて、1.5kVで
エレクトロポレーションする。細胞を1ml LBブロス中に再懸濁し、10ml培養試験管中、℃で1時間、250rpmで培養し、そして50〜100μg/μlカルベニシリンを含有するLB寒天上にプレーティングする。組み立て反応を、エタノールでのDNA沈殿によって、または微小透析によって、または製造者の推奨にしたがってBio-Rad Micro Bio-Spin P6ゲルカラムを通じて遠心分離することによってのいずれかで、組み立て
反応を脱塩することによって、形質転換効率を改善することも可能である。
[00104]組み立て後、大腸菌内への形質転換のため、異なるライブラリーをプールして
、扱う必要がある形質転換および試料の総数を減少させる。特定のORFプールの組み立てから生じる別個の連結/ライブラリーは、ほぼ5’ORFの数x3’ORFの数x2に対応する配列組み合わせの数を含有する。例えば、1000の5’ORFを1000の3’ORFと組み合わせる場合、総数200万の組み合わせがある。典型的には、スクリーニングプロジェクトの目的は、DNAプールの中に等しい配列提示があると仮定して、形質転換体間で各組み合わせが提示される>90%の可能性を達成するために、ライブラリー複雑性の3倍多いクローンまたは形質転換体をスクリーニングすることである。上記の例では、これは、600万の形質転換体を選択するかまたはスクリーニングする必要があることを意味する。
ブラリーを大腸菌の実験室株に形質転換し、プラスミドの存在に関して選択し、そしてコードされるランダム化融合ペプチドまたはポリペプチドを発現することを可能にする。形質転換体をIPTGまたはラクトースの存在下で固形培地上にプレーティングし、lacプロモーターからのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を誘導する。プ
レート上のコロニー増殖を監視し、改変された増殖および耐性特性を持つコロニーのスクリーニングまたは選択を可能にする。固形培地上で選択またはスクリーニング可能な特質には、限定されるわけではないが:増殖率(細胞数または細胞量のいずれかまたは両方の増加率)、増殖収率(培養が定常期に到達した後の最終細胞密度または最終細胞量)、ストレス許容性(高温または低温あるいは高い浸透力の条件下で、増殖するかまたは生存する能力)および産物許容性(エタノールおよびブタノールなどの有機溶媒または毒性化学薬品の存在下で増殖するかまたは生存する能力)が含まれる。
よび耐性特性に関して選択する条件下で培養する。固形培地上で選択またはスクリーニング可能な特質には、限定されるわけではないが:増殖率(細胞数または細胞量のいずれかまたは両方の増加率)、ストレス許容性(高温または低温あるいは高い浸透力の条件下で、増殖するかまたは生存する能力)および産物許容性(エタノールおよびブタノールなどの有機溶媒または毒性化学薬品の存在下で増殖するかまたは生存する能力)が含まれる。固形および液体培地を用いた選択およびスクリーニングの例を以下に提供する。
ド・ライブラリーの形質転換後、形質転換体を、抗生物質を欠く液体培地中であらかじめ、37℃で1時間培養する。次いで、抗生物質およびIPTGを液体培養に添加して、プラスミドの存在に関して選択し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を誘導し、そして形質転換体をさらに1時間培養する。次いで、培養を適切に希釈して、プレートあたりの形質転換体数をほぼ管理可能であるようにする(選択するかまたはスクリーニングする特質に応じて、10cmプレートあたり、およそ2000〜20000コロニー)。培養を固形培地上でプレーティングし、この組成は、選択する特質に応じ、例えばLB寒天、または表1に列挙する添加物を含有するLB寒天である。プレートを12時間から数日インキュベーションし、そしてコロニー摘み取り、プラスミド単離、表現型検証および活性ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの性質決定のため、その時点で選択する(以下を参照されたい)。コロニー選択は、コロニーサイズ(増殖率および増殖収率を反映し、増殖率、低温増殖および増殖収率特性に影響を及ぼすポリヌクレオチドを同定するために用いられる)に基づいて、または陽性選択に基づいて、すなわち大多数の形質転換体がプレート上で増殖するのに失敗し、そして増殖するのが、関心対象のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するもののみである場合(高温、塩または有機溶媒の耐性に影響を及ぼすランダム化融合ポリヌクレオチドを同定するために用いられる)に基づいて行われる。
可能にするため、より大きいコロニーとして明らかに可視である、迅速な増殖に寄与するランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発現している形質転換体を同定するために、特に柔軟である。倍加時間の数パーセント程度の小さい相違が、定常期前のコロニーサイズの測定可能な相違を導きうる。例えば、30分間の平均倍加時間の株の12時間の増殖期間は、24回の倍加を可能にし、一方、28.5分間の、5%より迅速な平均倍加時間を持つ株は、25.3回倍加し、コロニーサイズに明らかに反映される、細胞数の2.5倍の相違を導く。こうしたスクリーニングを任意の培地条件で行ってもよく、例えば、致死量以下の量の阻害剤、例えば塩、エタノールまたはブタノールの存在下で、あるいは致死量以下の高温または低温下で、増殖率に関してスクリーニングすることが可能である。
れる。ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーのコンピテント細胞への形質転換後、形質転換体を、抗生物質を欠く液体培地中であらかじめ、37℃で1時
間培養する。次いで、抗生物質およびIPTGを培養に添加して、プラスミドの存在に関して選択し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を誘導する。次いで、培養を、抗生物質およびIPTGを含有し、そして適切な場合、表1に列挙するものなどの選択剤を含有する新鮮な培地中、2〜10倍希釈する。細胞に課される選択のタイプに応じて、培養は37℃または選択する温度で、さらに12時間から数日間、増殖することを可能にされる。その時点で、細胞を遠心分離によって採取し、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するプラスミドDNAを、標準的ミニプレッププラスミド単離法を用いて抽出し、次いでプラスミドを新鮮なコンピテント細胞バッチに導入し、そして選択を反復する。形質転換体を、個々の形質転換体の選択を可能にする固形培地上にプレーティングする前に、この方式で、2〜10周期のバッチ選択を行った後、コロニーを摘み取り、プラスミドを単離し、表現型を検証し、そして活性融合ポリヌクレオチドの性質決定をしてもよい(下記参照)。
択を行ってもよい。致死濃度の選択剤(例えば塩、エタノールまたはブタノール)の存在下で、あるいは致死性の高温または低温で、そして特定の期間(一般的に6〜12時間)、生存選択を行う。選択期間後、選択培養を新鮮な非選択性培地中で希釈するか、または温度を37℃に戻して、いかなる生存細胞も正常増殖を再開することを可能にする。上述のように、生存細胞を含有するこの培養を増殖させ、プラスミドを抽出し、そして必要であれば、バッチ選択を反復する。
例では、塩、エタノールまたはブタノール)の存在下で、あるいは致死性でない高温または低温で、迅速な増殖に関して選択する。この場合、選択条件下で維持された、形質転換体の液体培養は、対数中期(一般的に、選択条件の重度に応じて、増殖の6〜24時間)までの増殖を可能にされる。この時点で、培養中の細胞の大部分は、生存していることが期待されるが、培養は、選択条件下で、正常で迅速な増殖が可能である細胞に関して濃縮されている。細胞を遠心分離によってペレットにし、プラスミドを抽出し、そして必要であれば、バッチ選択を反復する。
[00112]望ましい増殖または許容性表現型を与えるランダム化インフレーム融合ポリヌ
クレオチドを含有するクローンの単離後、個々のコロニーを小規模培養に置き、増殖させ、そしてそこからプラスミドを単離する。これは、小規模培養を含有する個々の試験管(1〜5ml)で、または100〜2000μlの液体培地を含有する96ウェルプレート中で行うことが可能である。標準的プラスミド単離法を用いて、各クローンからプラスミドDNAを抽出する。必要な場合、制限消化ゲル電気泳動によってプラスミドDNAを性質決定して、プラスミド構造およびランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド挿入物の存在を確認する。次いで、候補プラスミドを大腸菌内に再形質転換して、表現型を検証する。再形質転換は、選択に用いたものと同じ細菌株内、または異なる株内で行ってもよい。96ウェルまたは384ウェル形式で、同じ時間および試薬で、再形質転換を行ってもよい。
よび増殖収率特性に関して、これは、形質転換体を低細胞密度でプレーティングし、そして対照形質転換体に比較して、生じたコロニーのサイズを観察するか、あるいは液体培養中で、選択条件を伴いまたは伴わず、倍加時間または細胞ペレットサイズを、対照株の増
殖率に比較する工程を伴う。耐性表現型(温度、エタノールおよびブタノール)に関して、再スクリーニングは、形質転換体の固形培地上への複製プレーティング(すなわち96ピンツールを用いたプレート上への96ウェルプレートからの複製)および選択条件下での増殖を伴い、各形質転換の増殖の度合いを対照に比較する。あるいは、形質転換を液体培養中の選択条件に曝露した後、非選択固形培地上にピンツールによって複製して、生存コロニーの数に反映される、各培養中の細胞生存の度合いを評価する。
た表現型の授与に関して、または別の表現型に関してのいずれかで、試験してもよい。細胞増殖およびストレス許容性に関連する多様な表現型は、交差反応性でありうる。例えば、温度耐性の授与に関して選択されるランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドはまた、塩耐性等も与えうる。多様な条件下でランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを徹底的に交差試験することによって、多様な非生物ストレス条件下で、細胞増殖を前進させる広範囲の能力を持つランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発見することが可能である。
ミド、例えばpMB1複製起点を含有するものの使用に基づく。しかし、他のプラスミド系もまたこの研究に適切であり;ここで発見されたポリヌクレオチドの最大複製性のため、他のプラスミド型で試験することが有用である。例えば、F’に基づくプラスミド、例えばpBeloBAC11(Shizuya 1992)を用い、高コピー数プラスミド上で用いられるものと同じプロモーターまたは異なるプロモーターセットを用いて、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発現させることも可能である。
[00116]最も劇的なまたは広い表現型を与えるランダム化インフレーム融合ポリヌクレ
オチド発現構築物を配列決定して、活性ポリヌクレオチドを同定する。結果を表にし、そして最適な融合ポリヌクレオチドを将来の研究のために選択する。別個のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド内に反復して同定される配列を、ORFコレクションの部分として、将来のスクリーニングに用いる。望ましい表現型を与えることが可能なORFを含有することがすでに知られるランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するORFコレクションは、大腸菌に関して上述する全ゲノムORFコレクションよりも小さい可能性もある。
[00117]産生微生物の産物許容性特質は、発酵産物の最大収率および力価に寄与する重
要な要因である(Ding 2009、Jia 2009、Dunlop 2011)。微生物が毒性化合物の存在下で
耐性を示し、そして増殖し続ける能力は、多数の経路の大きな組の遺伝子に依存しており、遺伝子的に複雑である(Liu 2009、Dunlop 2011)。細菌、シアノバクテリアおよび酵
母における産物許容性を操作する、以前の努力は、ある程度の成功を収めてきた(Alper 2006、Tomas 2003、Atsumi 2010、Dunlop 2011a、Liu 2012、Tian 2013)。耐性特質は、生成することが本質的に困難であり、そして生じる耐性株のいくつかは、より低い収率に苦しむ(Baer 1987、Zhao 2003、Atsumi 2010)。これは、問題の複雑さと組み合わされ
て、そして産物許容性のための解決の経路の必要性を強調し、これらをまず、個々に、そして次いで組み合わせて試験して、細胞増殖および産物力価に対する影響を決定することも可能である。ブタノールは、多くが高い毒性を有し、そして微生物におけるその産生が試みられ、そして最適化されている、中鎖燃料および化学薬品の代表であるため、この例のターゲットとして特徴付けられる(Dunlop 2011、Jang 2012、Lee 2012)。ブタノールは、多くの他の化学薬品の産生のために用いられる化学的原材料である(Mascal 2012)
。
[00118]サッカロミセス・セレビシエ遺伝子配列の完全コレクションを、酵母ゲノムウ
ェブサイト上で入手可能な酵母株S288Cの参照配列に基づいて生成する。やはり酵母ゲノムウェブページ上で入手可能なこのゲノムの配列注釈は、各遺伝子の開始および停止コドンを同定するために用いられる。
ち5820が2,598bp以下の長さである。インプット配列として用いる遺伝子の長さは、2502bp、好ましくは2598bpを上限とし、これは、生じるインフレーム融合ポリペプチドまたはタンパク質のPCR増幅成功および正しいフォールディングの可能性を増加させる。予備的分析において、すべての転位性要素遺伝子、シュード遺伝子、注釈に「疑わしい」と示されるORF、および長さ102bp未満、好ましくは長さ90bp未満のORFは、排除される。重複ORFは、ATG開始コドンで始まる最初の24bp、および停止コドンで終わる最後の24bpの同一配列の存在に基づいて排除される。目的が、出来る限り多くの酵母ORFを含める一方で、多数の同一PCRプライマー対の冗長な合成を回避することであるため、内部相同性は重複排除においては考慮されない。
配列コレクションの平均の長さは1146bpであり、そして長さ中央値は1074bpである。これらのORFのサイズ分布を図5に示す。ORFを配列番号1〜配列番号5019に列挙する。
停止コドンに基づいて、PCRプライマーを設計する。酵母ゲノムウェブサイト上で入手可能な酵母株S288Cの注釈に基づいて、コード領域の5’端にATGを欠く、いくつかの酵母ORFに、ATG開始コドンを付加する。2つの異なるプライマーセットを各ORFに関して設計して、1つはORFを融合遺伝子の5’位にクローニングするため、そしてもう一方は3’位に配置するため、2つの異なるPCR産物が生成されるようにする。
。まず、過剰な配列は、互いに関して異なるORFの提示にバイアスを掛けることなく、コレクション中のすべてのORFを増幅することが可能な保存されたPCRプライマー配列を用いたORFプールの効率的なPCR増幅を可能にする(Dahl 2005、Myllykangas 2011、Natsoulis 2011)。第二に、これらは発現ベクターに(酵母発現ベクターp426
−GAL1の誘導体(Funk 2002)、配列番号25096)に、そしてランダム化インフ
レーム融合ポリヌクレオチド・パートナー末端の保存された配列に、相同性を含有し、ベクター中のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの迅速でそして効率的な相同性依存性組み立てを可能にする(図3を参照されたい)。各ORFの2つのアンプリコンは、停止コドンの存在(ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーの3’位に向けられるORFにのみ存在)および保存された隣接配列の存在のみが異なる。
加される、保存された配列は、GGATCCAGCTAGCAAA(配列番号25099)である。融合遺伝子の5’位に向けられるORFのすべての3’ PCRプライマーに付加される、保存された配列は、CAGGAGCTGCACTTCC(配列番号25100)である。融合遺伝子の3’位に向けられるORFのすべての5’ PCRプライマーに付加される、保存された配列は、TGGAAGTGGTTCAGGA(配列番号25101)である。融合遺伝子の3’位に向けられるORFのすべての3’ PCRプライマーに付加される、保存された配列は、AATTACATGACTCGAG(配列番号25102)である。
同じ順序で、配列番号5020から配列番号10038に列挙する。すべての5’ORFを増幅するために用いられる3’プライマーを、ORFと同じ順序で、配列番号10039から配列番号15057に列挙する。すべての3’ORFを増幅するために用いられる5’プライマーを、ORFと同じ順序で、配列番号15058から配列番号20076に列挙する。すべての3’ORFを増幅するために用いられる3’プライマーを、ORFと同じ順序で、配列番号20077から配列番号25095に列挙する。したがって、配列番号1に列挙するORFを、5’位用に増幅する場合には配列番号5020および配列番号10039のプライマーでPCR増幅することが可能であり;3’位用に増幅する場合には、同じORFを配列番号15058および配列番号20077のプライマーでPCR増幅することが可能である。配列番号2に列挙するORFを、5’位用に増幅する場合には配列番号5021および配列番号10040のプライマーでPCR増幅することが可能であり;3’位用に増幅する場合には、同じORFを配列番号15059および配列番号20078のプライマーでPCR増幅することが可能である。配列番号3に列挙するORFを、5’位用に増幅する場合には配列番号5022および配列番号10041のプライマーでPCR増幅することが可能であり;3’位用に増幅する場合には、同じORFを配列番号15060および配列番号20079のプライマーでPCR増幅することが可能である。以下同様である。
端16ヌクレオチド、および融合遺伝子中の3’位に向けられるORFの5’PCRプライマー中の5’末端16ヌクレオチドは、2つのORFを分離するリンカー配列の一部を形成する。この60bpリンカー配列(配列番号25103)は、融合遺伝子中の2つのORFを連結する際に他の研究者が用いる配列(Arai 2001、Eldridge 2009、Wang 2010
)に大まかに基づく、グリシン、セリンおよびアラニンが豊富な20アミノ酸ペプチド(配列番号25104)をコードする。このリンカー配列は、PCR増幅の第二のまたは保存される段階で完全にコードされ(以下を参照されたい)、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの5’位に向けられるORFの3’端およびランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの3’位に向けられるORFの5’端に、保存されたコード配列の付加を生じる。
の完全なセットが生成される必要があるため、以下に記載するすべての方法は、2つのORF位に関して、2つ組で行われる。
[00127]選択したサッカロミセス・セレビシエ遺伝子を株S288CからPCR増幅す
る。この株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ワールドワイドウェブ上、ATCC:エラー。ハイパーリンク参照は有効でない)から入手可能であり、そして関心対象の遺伝子およびポリヌクレオチドを増幅可能である高純度ゲノムDNAの供給源として用いられる。
製キット、例えばZymo Research社YeaStarTMゲノムDNAキットを、さらなるクリーンアップ工程とともに用いて、十分な純度のゲノムDNAを生成する。50ml YPD培地(培地1リットルあたり:20g Difco BactoTMペプトン、10g BactoTM酵母エキスおよび20gグルコース)に、プレートまたは液体培養由来のS288C細胞を接種することによって、S.セレビシエ株S288Cの50ml培養を生成し、そして30℃で振盪しながら2日間増殖させる。細胞を3000gで5分間遠心分離し、そしてキットとともに供給される3.5ml YD消化緩衝液中に再懸濁し;次いで、キットとともに供給される150μlのザイモリアーゼ溶液を添加し、そして細胞懸濁物を混合する。細胞懸濁物を37℃で振盪せずに1.5時間インキュベーションする。次いで、3.5mlのYD溶解緩衝液(およびここ)を添加し、そして溶液を完全に混合する。
て4000rpmで5分間遠心分離することによって、有機抽出を実行する。上清を新鮮な50ml試験管内に取り除き、そしてZymo Research社YeaStarTMゲノムDNAキットの10のスピンカラムに分配して、QIAGEN(登録商標)QIAvac 24 Plus真空マニホール
ド内に挿入する。真空を用いて、溶解物をカラムに抜き取り、これを次いで、300μl
DNA洗浄緩衝液で2回洗浄する。スピンカラムをマニホールドから取り除き、キャッチ試験管内に挿入し、そして14,000rpmで1分間遠心分離して、残渣エタノールを取り除く。ゲノムDNAを100μl TE緩衝液(10mM Tris pH8.0、0.25mM EDTA)中に溶出させ、そしてすべての溶出物をプールする(〜総量1.0ml)。等体積の25:24:1フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールで1回、そして等体積のクロロホルムで1回抽出することによって、DNA調製物をさらに精製する。1/10体積の3M酢酸ナトリウムpH5.0および2.5体積のエタノールを添加することによって、ゲノムDNAを沈殿させる。試験管を14000rpmで10分間遠心分離し、ペレットを800μlの70%エタノールで1回洗浄し、そして再び5分間遠心分離し;上清を吸引によって取り除き、そしてペレットを200μl TE緩衝液中に溶解する。DNA濃度を分光光度測定で決定し、そしてTE緩衝液を添加することによって、DNA濃度を10ng/μlに調整する。
[00130]時間および試薬を節約するため、ORFを各26〜27のORFの192プー
ル中でPCR増幅する(192プールx平均26.14 ORF=総数5019 ORF;これは、各27プライマー対を含有する27プール、および各26プライマー対を含有する165プールに対応する)。PCR増幅の効率は、非常にサイズ依存性であるため、そしてPCR伸張時間はアンプリコンのサイズに依存するため、ORFをサイズによってプールにグループ分けする。各多重プールの平均ORFサイズは、表2に以下に示すとおりである。
、その後、2)保存されたプライマーを用いた各ORFプールの増大、その後、さらなるプーリング、ゲル上でのサイズ選択、および3)最終長PCR産物を生じる第三の増幅工程。3つの増幅工程は、それぞれ、第一段階、第二段階および第三段階増幅と称される。
tificTM)を用いて、すべてのPCR増幅を行う。5xHF増幅緩衝液とともに酵素を
供給し、すべての反応に用いる。増幅は、以下に示すように、20μLまたは50μL反応体積で行う。すべての増幅を、96ウェルブロックを含有するT100サーマルサイクラー(Bio-Rad Laboratories)上で行う。すべての増幅で用いるデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)は、各dNTP 10mMを含有するストックであり、やはりThermo
Scientific(登録商標)より得られる。すべての反応に脱イオン水を用い、そしてポリ
メラーゼとともに供給されないすべての溶液を作るためにも脱イオン水を用いる。
[00134]1. PCR反応の各段階のため、以下に記載するようなPCR混合物を調製
し、そしてサーマルサイクラーに挿入するまで低温で維持する。
して、試験管またはプレートウェルの底に反応産物を集める。
[00136]3. プレートまたは試験管をサーマルサイクラー内に挿入する。
[00137]上述のような配列特異的PCRプライマープールを用いて、第一段階増幅を行
う。反応あたり2μLの10ng/μLサッカロミセス・セレビシエ株S288CゲノムテンプレートDNAを用いて、20μL総体積中、各増幅を行う。各反応に、100μMストックから2.5μLプライマープールを添加して、12.5μMの最終総プライマー濃度を提供する。各プライマープールは、26または27プライマー対のいずれかを含有し;そして最終の個々のプライマー濃度は、およそ0.23〜0.24μMである。
構成要素から混合される:4μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、0.4μl 10mM dNTP、10.7μl脱イオンH2O、2μl 10ng/μl酵母ゲノムテンプレートDNA、2.5μLプライマープール(100μM)、0.4μl PhusionTMホットスタートII熱安定性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PCRサイクリング
条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各3工程(98℃10秒間、60℃30秒間および72℃3分間)からなる10周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから試料を取り出すまでの4℃での浸漬。PCR増幅が完了した後、試料をサーマルサイクラーから取り出し、完全に混合し、そして4000rpmで1分間遠心分離して、第一段階増幅産物を提供する。
[00139]第二段階の増幅で用いるプライマーは、第一段階の増幅プライマーの保存され
た部分に相同性を持つ単一のプライマーである。融合遺伝子中の5’位に向けられるORFを増幅するために用いた第二段階プライマーはPG0085(配列番号25105)およびPG0095(配列番号25106)である。融合遺伝子中の3’位に向けられるORFを増幅するために用いた第二段階プライマーはPG0096(配列番号25107)およびPG0088(配列番号25108)である。第二段階のプライマーは、対の混合物として調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。上に列挙するように、5’ORFプライマー混合物は、プライマーPG0085およびPG0095を含有し;3’ORFプライマー混合物は、プライマーPG0096およびPG0088を含有する。
の構成要素から混合する:10μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、1μl 10mM dNTP、22μl脱イオンH2O、10μl第一段階反応産物、6μl第二段
階プライマー混合物(20μM)および1μl PhusionTMホットスタートII熱安定
性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PCRサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
合し、そして4000rpmで1分間遠心分離する。
[00142]試料のより効率的な下流プロセシングを可能にするため、8試料を1つにプー
ルすることによって、192多重PCR試料を24のより大きいプールに統合する。各多重PCR反応中の産物の量をまず定量化して、異なるサイズの断片コレクションの等モルプールを可能にする。これは、各多重反応に対してゲル電気泳動を行い、そして予期されるサイズの各バンド中の蛍光を定量化することによって、あるいはApplied Biosystems(登録商標)3730 DNA分析装置またはQIAGEN(登録商標)QIAxcel(登録商標)装
置などのキャピラリー電気泳動によってのいずれかで、行う。各多重プールの平均サイズを考慮に入れ、一緒にプールされて、プールに添加される各産物の等モル量を生じる、各多重PCR反応の相対量を計算するために、各多重反応中の望ましい産物の濃度を用いる。産物をサイズによってグループ分けし、そしてプールして、下流PCR増幅における増幅バイアスを最小限にする。
ル1:多重プール1〜8;大プール2:多重プール9〜16;大プール3:多重プール17〜24;大プール4:多重プール25〜32;大プール5:多重プール33〜40;大プール6:多重プール41〜48;大プール7:多重プール49〜56;大プール8:多重プール57〜64;大プール9:多重プール65〜72;大プール10:多重プール73〜80;大プール11:多重プール81〜88;大プール12:多重プール89〜96;大プール13:多重プール97〜104;大プール14:多重プール105〜112;大プール15:多重プール113〜120;大プール16:多重プール121〜128;大プール17:多重プール129〜136;大プール18:多重プール137〜144;大プール19:多重プール145〜152;大プール20:多重プール153〜160;大プール21:多重プール161〜168;大プール22:多重プール169〜176;大プール23:多重プール177〜184;および大プール24:多重プール185〜192。各大プールの生じた平均ORFサイズ(添加されるプライマー配列を伴わない)を計算する。
ラムまたはMacherey Nagel NucleoSpin(登録商標)96 PCRクリーンアップキット
などのプレートを用いて、10μgの望ましい産物総量に対応する各ORF大プールの量を精製する。精製PCR産物の溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度測定で決定する。図7は、48の精製サッカロミセス・セレビシエ5’および3’ORFの、より大きいプール各々を含むアガロースゲルを示す。
除くため、2μgの各プールを1%アガロースゲル上で電気泳動し、そしてエチジウムブロミドで染色し、バンドをUVまたは青い光の下で視覚化し、そしてより大きいプール各々の正しいサイズに対応するゲル断片をゲルから切り出す。ゲル断片の重量を測定し、そして製造者の推奨にしたがって、Macherey Nagel NucleoSpin(登録商標)ゲルおよびP
CRクリーンアップキットなどのシリカ樹脂ゲル精製法を用いて、そこからDNAを精製する。精製が完了したら、すべての試料の濃度を分光光度測定で決定し、そして精製第二段階大プール増幅産物各々の濃度を、第三段階増幅のため、10ng/μLに調整する。
[00146]第三段階増幅は、各PCR産物に最終配列を付加して、末端相同性によって効
率的な組み立てを可能にし、そして各大プールの量を増加させる。第三段階の増幅で用いるプライマーは、第一段階および第二段階の増幅プライマーの保存された部分に相同性を持つ単一のプライマーである。融合遺伝子中の5’位に向けられるORFを増幅するために用いた第三段階プライマーはPG0055(配列番号25109)およびPG0003(配列番号25110)である。融合遺伝子中の3’位に向けられるORFを増幅するために用いた第三段階プライマーはPG0004(配列番号25111)およびPG0006(配列番号25112)である。第三段階のプライマーは、対の混合物として調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。上に列挙するように、5’ORFプライマー混合物は、プライマーPG0055およびPG0003を含有し、一方、3’ORFプライマー混合物は、プライマーPG0004およびPG0006を含有する。
の構成要素から混合する:10μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、1μl 10mM dNTP、22μl脱イオンH2O、10μlゲル精製したプール第二段階反応産物(10ng/μl)、6μl第三段階プライマー混合物(20μM)および1μl Phusion(登録商標)ホットスタートII熱安定性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PC
Rサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
の推奨にしたがって、Macherey Nagel NucleoSpin(登録商標)96 PCRクリーンア
ップキットなどのシリカ樹脂精製を用いて、精製する。溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度で測定する。
のスーパープールに合わせ、そして5つの大プールの続くセットを合わせて、さらなるスーパープールを形成することによって、24の大プールを5つの「スーパープール」に統合する。各スーパープールに添加される各大プールの相対量は、第三段階増幅および精製後の各大プールの最終濃度、ならびに各大プールの最終平均サイズ(プライマーによって付加される配列を含む)と、等モル量の各大プールを各スーパープールに添加する目的とを考慮することによって、計算される。表3は、大プールおよびスーパープール各々におけるORFの平均サイズを列挙する。ORFサイズは、純粋ORFサイズおよびPCR増幅中にプライマーによって付加される配列を含む最終PCR断片サイズの両方として提供される。
々のORFの相対量を決定するため、総数418 ORFを含む16の多重プール(プール番号8、17、28、41、56、70、86、101、113、125、136、146、156、164、171、178)に対して3’ORFの試験増幅を行い、そして総数419 ORFを含む16の多重プール(プール番号7、16、27、40、55、69、85、100、112、124、135、145、155、163、170、177)に対して、5’ORFの試験増幅を行った。16の多重プールの各群の第二段階増幅産物を上記のように調製し、そして合わせて、そしてIon TorrentTM Ion 318TMチップを用いて配列決定した。CLCゲノムワークベンチ配列分析ソフトウェア(CLC Bio(
登録商標))を用いて、これらのプールにおけるターゲットORF配列に、16の多重プールの各組み合わせから得られる配列を整列させることによって、結果を分析した。3’ORF多重プールにおいて、395/418(94%)のORFが少なくとも単一の配列反応によって検出され、そして非常に少数の読み取り値によって含まれる外れ値を排除した後、374/418 ORF(89%)が、妥当なレベルで提示された。5’ORF多重プールにおいて、405/419(97%)のORFが少なくとも単一の配列反応によって検出され、そして非常に少数の読み取り値によって含まれる外れ値を排除した後、386/419 ORF(92%)が、妥当なレベルで提示された。多重化PCR戦略から予期されるように、各プール中の個々のORFの提示は変動し:3’ORF多重プール間
の平均標準偏差は平均読み取り値の75%であり、そしてこの数値は、外れ値を排除すると62%に低下した。5’ORF多重プール間の平均標準偏差は平均読み取り値の69%であり、そして5’ORF間で、この数値は、外れ値を排除すると60%に低下した。これらの結果は、各試料内の高い割合のORFの多重化増幅成功を示し、これらのORFコレクションから作製される融合遺伝子ライブラリー中のORFの対応する高い割合の提示を確実にする。
[00152]酵母中心体発現プラスミドp416−GAL1(Funk 2002)を、すべてのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・クローニングおよび発現研究に用いる。このプラスミド発現ベクターは、GAL1ガラクトース誘導性プロモーターを用いて、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を指示する。全発現ベクター(5538bp)を、PCRプライマーPG0089(配列番号25113)およびPG0090(配列番号25114)を用いてPCRによって増幅する。増幅された直鎖ベクターを以下に記載するように、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの複雑なライブラリーをクローニングするために用いる。あるいは、2つの別個の断片;プライマーPG0089(配列番号25113)+PG0097(配列番号25115)で増幅される4295bpの第一の断片、およびプライマーPG0090(配列番号25114)+PG0098(配列番号25116)で増幅される1626bpの第二の断片として、ベクターを増幅する。これらの2つの断片は、ベクター配列中に存在するURA3遺伝子内の383bpの末端相同性を共有する。2つのベクター断片を使用すると、単一のベクター断片とは異なり、ベクターのみで得られるコロニーのバックグラウンドを低下させる利点がある可能性があり、そしてより高い率の融合遺伝子組み立てを生じることも可能である。
はまた、挿入物サイズに依存すると予期されるため、配列は、長さに基づいて分離され続ける、表3を参照されたい。インフレーム融合遺伝子のランダム化ライブラリーの組み立てのため、各5’スーパープール中のORFを、各3’スーパープール中のORFと、総数25のスーパープール組み立てのために組み合わせる。ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリー組み立て工程中で形成される25のライブラリーに関して予期される平均挿入物サイズは、表3に示すスーパープール各々の平均アンプリコンサイズの合計である。
び3’端に位置し、そして図3に示す環状の組み立てられた産物の構造を特定する、保存された/相同配列によって指示される。こうした相同性依存性組み立て(Lobban 1973)
を達成するために使用可能な多数の方法が存在し、融合内クローニング(Zhu 2007、Irwin 2012)、配列および連結独立性クローニング(SLIC、Li 2007、Li 2012)、迅速クローニング(Li 2011)、環状ポリメラーゼ伸張クローニング(Quan 2009、Quan 2011)
、ギブソン組み立て法(Gibson 2009、Gibson 2010)、迅速およびクリーンクローニング(Thieme 2011)、酵母における直接組み立て(Ma 1987、Degryse 1995、Raymond 1999、Raymond 2002、Shao 2009、Wingler 2011、Eckert 2012、Kuijpers 2013)およびその他
(Vroom 2008)が含まれる。
組み立て(Kuijpers 2013)および相同性依存性in vitro組み立て法の修飾法(Gibson 2010、Li 2012)。
[00156]in vitroで、5つの5’および5つの3’ORFスーパープールの各組み合わ
せを用いて、総数25の組み立て反応に関して、ライブラリー組み立てを行う。各反応において、150fmolの5’ORFスーパープールDNAおよび150fmolの3’ORFスーパープールDNA(平均サイズに基づくモル濃度、表3を参照されたい)を、75fmolのPCR増幅単一断片ベクターDNA(5538bp)と合わせる。DNA混合物の体積を10μlに調整し、これに10μlの組み立て混合物(200mM Tris pH8.0、20mM MgCl2、各0.4mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、20mMジチオスレイトール、2mMニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド、0.02単位/μl T5エキソヌクレアーゼ、0.05単位/μl PHUSION熱安定性DNAポリメラーゼ、0.4単位/μl Taqリガーゼ)を添加する。反応
を穏やかに混合し、そして50℃で1〜2時間インキュベーションする。次いで、反応を氷上に維持するか、または大腸菌形質転換に使用する前に凍結する。
レクトロポレーションする。細胞を1ml LBブロス中に再懸濁し、10ml培養試験管中、℃で1時間、250rpmで振盪しながら培養し、そして50〜100μg/μlカルベニシリンを含有するLB寒天上にプレーティングする。組み立て反応を、エタノールでのDNA沈殿によって、または微小透析によって、または製造者の推奨にしたがってBio-Rad Micro Bio-Spin P6ゲルカラムを通じて遠心分離することによってのいずれかで
、組み立て反応を脱塩することによって、形質転換効率を改善することも可能である。
GAL1ベクター(配列番号25096)の組み立て由来の20のランダムクローンを摘み取り、そして配列決定することによって、この組み立て法の品質を評価した。20のクローンのうち、12がインフレームで融合した全長5’および3’ORFを示し、すべてのクローニング接合部は完全であり、そして完全なリンカー配列によって分離されており、いずれのORFも1回より多くは見られなかった。残りの8つのクローンは、損なわれていない5’または3’ORFのいずれかを含有したが、第二のORF内に、再編成、フレームシフトまたは未知の配列を示した。これらの結果によって、in vitro組み立て後の大腸菌におけるクローニングは、インフレームで融合したランダムORFからなる融合遺伝子で実質的に構成されるライブラリーを産生可能であることを示す。
ことによって、パイロットエレクトロポレーションにおいて、各組み立て反応の形質転換効率を試験する。次いで、エレクトロポレーションをスケールアップして、ORFプール組み合わせあたり100万またはそれより多いライブラリークローンの生成を可能にする。大腸菌において、S.セレビシエ機能生成ライブラリーをクローニングする際は、各ORFスーパープール組み合わせに関して、総数5回のエレクトロポレーションを行って、6500万クローンを超える総ライブラリー複雑性に関して、表4に列挙するクローン数を生じた。
せを250rpmで振盪しながら37℃で1時間回復させて、そして次いで、軟ゲル中のライブラリー増幅のため、0.3%超低融点アガロース(Lonza SeaPrepアガロース)を
含有する500ml LBブロス中に細胞を希釈する(Elsaesser 2004)。各ORFスーパープール組み合わせのための500ml細胞懸濁物を、3枚の2.5cm深型15cmペトリプレートに分配し、そして4℃で1時間インキュベーションして、アガロースが半固形ゲルを形成することを可能にする。次いで、プレートを37℃にトランスファーし、そして16時間増殖させる。次いで、10,000gで30分間遠心分離することによって、細胞を採取する。Machery Nagel NucleoSpin 96プラスミド精製キット(Clontech)
に用いる12ml再懸濁緩衝液A1に、各細胞ペレットを再懸濁する。各ORFスーパープール組み合わせに関して、次いで、製造者の推奨にしたがって、キットを用いて0.25mlの細胞懸濁物をプロセシングする。残った細胞を将来の使用のため、−80℃で凍結する。
ー品質をチェックするため、各スーパープール組み合わせ由来の1μgのDNAを、完全に組み立てられた融合遺伝子ベクター中、5’ORFの上流、2つのORF間、および3’ORFの3’で切断する制限酵素であるNheI、PflMIおよびXhoIで消化して、こうしてプロセスにおいて、両方の融合遺伝子を切除する。図8は、25のORFの
組み合わせのうち23に関するこの消化の結果を示す。
ラリーのいずれかを、別個のスーパープールの組み合わせとして、またはすべての組み合わせが混合された単一プールとして、形質転換することも可能である。最終融合遺伝子プラスミドのサイズは、ベクターDNA(5538bp)によって優先的に占められているため、異なるスーパープール間のサイズ相違は、個々のORFで実施するより少ないサイズバイアスを生じ、そしてその結果、すべてのスーパープールの組み合わせを、酵母形質転換のための単一試料にプールすることが安全である。
が、インフレームで融合されたランダムORFからなる融合遺伝子を含有することを検証するため、酵母形質転換体に含有されるプラスミドを大腸菌内にレスキューし(Ward 1990、および以下に記載する通り)、そしてこれらのプラスミドの挿入物を配列決定して、
構造を確認することによって、in vitroで生成され、そして大腸菌においてクローニングされたランダム化インフレーム融合遺伝子ライブラリーで形質転換された11のランダム酵母クローン、ならびに酵母における組み立てのため、別個の5’および3’ORFプールおよびベクター断片で形質転換された10のランダム酵母クローンをさらに分析した。この分析の結果によって、in vitroで生成され、そして大腸菌においてクローニングされたランダム化インフレーム融合遺伝子ライブラリーでの形質転換によって生成され、そして大腸菌においてクローニングされた11の酵母クローンのうち4つ、ならびに酵母における組み立てのため、別個の5’および3’ORFプールおよびベクター断片での形質転換によって生成された10の酵母クローンのうち6つが、インフレームで融合され、そして損なわれていないリンカー配列によって分離された2つの損なわれていない全長酵母ORFを含有する融合遺伝子を含有することが確認された。残りのクローンは、いずれかの組み立て法を用いた際に、ある程度の頻度で生じるようである、未知の起源の一部切除5’ORF、ならびに損なわれていない、そして全長のリンカー配列および3’ORFを含有した。これらの21クローンにおいて観察されるORFのいずれも、1回より多くは現れなかった。これらの結果は、上述のどちらの組み立て法も、インフレームで融合したランダムORFの対からなる融合遺伝子を含有する酵母形質転換体をかなりの比率で生じることを確認する。
[00164]酵母株BY4741(mat a his 3D1 leu2D0 met15D0 ura3D0)をすべての形質転換およびスクリーニングに用いる(Brachmann 1998)。酵母における融合遺伝子ライブラリーの組み立てを達成するため、この酵母株を別個に各々25の組み合わせの5’および3’ORFスーパープールで形質転換する。各形質転換において、200fmolの5’ORFスーパープールを、200fmolの3’ORFスーパープールと、そして100fmolの単一ベクターPCR断片(5538bp)または上述のようにURA3遺伝子内で重複する各100fmolの2つのベクター断片(4295および1626bp)のいずれかと組み合わせる。酵母内への形質転換前に、各25の組み合わせをあらかじめ混合する。こうした形質転換は、典型的には、以下に記載するように、形質転換あたり、4000〜5000コロニーの酵母を生じ、このうち>90%がp416−GAL1ベクター内で正しく組み立てられた融合遺伝子を含有する。大腸菌において、すでにクローニングされ、そして拡大されたライブラリーでの形質転換のため、以下に要約する形質転換法は、クローニングされたプラスミドライブラリーDNAのマイクログラムあたり、約250,000〜300,000形質転換体を生じる。2つのアプローチ各々(in vitro組み立ておよび大腸菌におけるライブラリークローニング対酵母の形質転換によるライブラリーの組み立て)は、異なる配列バイアスを生じると予期される(すなわち、あるORFが他のもののに比較して、クローンまたは形質転換体のコレクション内に優先して取り込
まれる)ため、特定の表現型に関してスクリーニングする際、両方の方法を使用することが好適である。にもかかわらず、in vitroで組み立てられそして大腸菌にクローニングされたライブラリーの酵母の形質転換効率は、50〜60倍高いため、非常に多数の形質転換体を生成するためには、この方法が好ましい。
上、出発密度5x106細胞/ml〜2x107細胞/mlで、接種する。3000gで5分間遠心分離することによって細胞を採取し、次いで細胞を25mlの無菌脱イオン水に再懸濁し、再び遠心分離し、1mlの無菌水中に再懸濁し、1.5mlの微量遠心管に移し、3000rpmで30秒間遠心分離し、そして上清を吸引する。次いで、細胞ペレットを0.4mlの無菌脱イオン水中に再懸濁した。細胞懸濁物を3.26mlの形質転換混合物(2.4mlの50%w/v PEG3350、360μl 1M酢酸リチウムおよび500μl 10mg/mlの剪断煮沸したサケ精子DNA)と合わせ、そしてよく混合する。DNAのアリコット(100ng〜1μg)を別個の1.5ml微量遠心管にピペッティングし、そして360μlの形質転換緩衝液中の細胞懸濁物と組み合わせる。細胞/DNA混合物を徹底的に混合し、そして振盪装置上、42℃、250rpmで40分間、インキュベーションする。次いで、形質転換体を3000rpmで1分間、微量遠心管中で遠心分離し、上清を吸引し、そして各細胞アリコットを0.5〜1mlの無菌脱イオン水中に再懸濁する。コロニーの望ましい密度に応じて、10μl〜1mlの細胞懸濁物を、無菌4mmガラスビーズを用いて、炭素供給源としてグルコースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、15g Bacto寒天、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、および20gグルコース)、炭素供給源としてガラクトースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、15g Bacto寒天、およびオートクレーブ後に添
加される100ml無菌濾過20%ガラクトース)を含有する10cmまたは15cmプレート上にプレーティングする。プレートをベンチトップ上で開放して、液体が乾燥することを可能にし、そして次いで、蓋をし、そして30℃で、または選択的温度で数日間、インキュベーションする。
うる総数は、この数値の平方=2520万である。典型的には、スクリーニングプロジェクトの目的は、(DNAプール内に等しい配列の提示があると仮定して)各々の組み合わせが形質転換体間で示される>90%の可能性を有するライブラリー複雑性の3倍より多いクローンをスクリーニングすることである。本発明者らの場合、これは、ほぼ7400万の形質転換体に相当し、酵母においては、DNAのμgあたり106形質転換体に近づく形質転換効率と仮定することが可能であり、これは特定の株に関していくつかのプロトコル最適化でルーチンに達成可能であり(Gietz 2007)、特に、in vitroで組み立てられそして大腸菌にクローニングされているライブラリを用いた際に達成可能である。
[00167]形質転換後、細胞を5000rpmで1分間遠心分離し、そして上清を吸引す
る。ペレットを、炭素供給源としてグルコースを含有する1ml合成完全培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、および20gグルコース)中に再懸濁し、そして各形質転換を30℃で2〜3時間、250rpmの振盪装置上で培養した
後、細胞を遠心分離し、1ml無菌脱イオン水中に再懸濁し、そして適切な選択培地上でプレーティングする。
地ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、15g Bacto寒天、およびオートクレーブ後に添加される、100ml無菌濾
過20%ガラクトース)上にプレーティングする。10〜15の4mm無菌ガラスビーズを用いて、細胞をプレート上に広げる。プレートを開放したまま放置して乾燥させ、そして30℃で24時間インキュベーションし、その後、40℃で4日間インキュベーションする。高温に抵抗することが可能な個々のコロニーは、プレーティング5日後に可視である。
で、炭素供給源としてガラクトースを含み、そして1M NaClを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、15g Bacto寒天、58.44g NaClおよびオートクレーブ後に添加される
100ml無菌濾過20%ガラクトース)上にプレーティングする。10〜15の4mm無菌ガラスビーズを用いて、細胞をプレート上に広げる。プレートを開放したまま放置して乾燥させ、そして30℃で5日間インキュベーションする。高温に抵抗することが可能な個々のコロニーは、プレーティング5日後に可視である。
コースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、15g Bacto寒天、pHを5.
6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、および20gグルコース)上に再ストリークする。30℃で数日増殖させた後、増殖を示すクローンを、炭素供給源としてグルコースを含有する1ml合成完全ウラシルドロップアウト液体培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N NaOH、および20gグルコース)内、深型ウェル96ウェルプレート中に摘み取り、そして振盪装置上、800rpm、30℃で2日間増殖させる。次いで、ベンチトップ遠心分離装置中、細胞を4000rpm5分間の遠心分離によってペレットにし、上清をこぼし、そして製造者の指示にしたがって、商業的キット(例えばZymo ResearchのZymoprep酵母プラスミドミニプレップキット)を用いて、
酵母プラスミドDNAを精製する。2μlのDNAと20μlのエレクトロコンピテント細胞を氷上で合わせ、1mmギャップサイズ・エレクトロポレーション・キュベット内に移し、そしてBio-Rad MicroPulserエレクトロポレーターを用いて、1.5kVでエレク
トロポレーションし、細胞を0.5ml LBブロス中に再懸濁し、振盪装置上、37℃で1時間、細胞を回復させ、そして50μg/mlカルベニシリンを含むLB寒天培地を含有する10cmプレート上に形質転換細胞0.2mlアリコットをプレーティングすることによって、大腸菌のDH10B細胞(Life Technologies)またはEC100細胞(Epicentre Technologies)株内に、再懸濁DNAを導入する。
つのコロニーをDNA単離に用い、そして標準法(Sambrook 1989)を用いて、これらか
らプラスミドDNAを調製する。プラスミドDNAを5’ORFの5’(NheI)、3’ORFの3’(XhoI)で、そして2つのORFの間(PflM1)で切断する制限酵素で消化して、レスキューされたプラスミドが融合タンパク質を含有することを検証する。
ック形質転換(Gietz 2006)によって酵母内に再導入し、形質転換から生じる個々のコロニーを摘み取り、脱イオン水に懸濁し、そして5μlアリコットを、炭素供給源としてガラクトースを含む合成完全ウラシルドロップアウト混合物上に、または炭素供給源としてガラクトースを含有するYPGalリッチ培地(1リットルあたり、20g Bactoペプ
トン、10g Bacto酵母エキスおよび20gガラクトース)上に、連続10倍希釈でス
ポットし、そして40℃でインキュベーションして熱許容性を検証するか、あるいは炭素供給源としてガラクトースを含み、そして1M NaClを含有する同じ培地上に連続10倍希釈でスポットして、そして30℃でインキュベーションして塩許容性を検証する。候補融合遺伝子構築物で形質転換した酵母クローンを、p416−GAL1空ベクターでの形質転換体に、選択条件下で、増殖に関して比較して、融合遺伝子構築物の活性を確立する。
合遺伝子の例を図9に列挙し、そしてこれらのクローンで形質転換された酵母細胞が、上昇した温度で増殖する能力を図10に示す。図10に示すプレート上にスポットした細胞は、図9に列挙する融合遺伝子クローンでの株BY4741の再形質転換体に相当し、そして熱許容性を与える能力を確認する。
[00174]ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するプールしたライブラ
リーを酵母の実験室株内に形質転換し、そして次いで、プラスミドの存在に関して選択し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドにコードされるランダム化インフレーム融合ポリペプチドの発現が誘導される条件下で、増殖させる。4つの異なるアプローチを用いて、ブタノール許容性形質転換体に関して選択するかまたはスクリーニングする。これらのうちの2つは、生存選択を伴い、致死濃度のブタノールを用いて、アルコールで生き延びる能力を持つ細胞を単離する。他の2つのアプローチは、ブタノールの致死量以下の濃度の存在下で改善された増殖特性を持つ細胞を単離することを目的とする。選択に際して、2回の生存選択および2回の増殖許容性選択の各々は、固形培地上の増殖および選択を伴い、一方、もう一方は、液体培地中での増殖後、固形培地上の選択またはスクリーニングを用いる。3つの選択およびスクリーニング・アプローチを、公表された情報に基づくブタノール濃度範囲とともに、表5に要約する(Knoshaug 2008)。
め、後にバルク酵母形質転換体とともに用いる正確なプレーティングまたは培養条件および細胞密度のもとでの、注意深い力価決定が先行する。キャリアーDNAと組み合わせ、そしてそのほかは実際の形質転換におけるように処理した偽形質転換を、これらの力価決定実験に用いる。注意深く制御された一定の条件下で、すべての培養を30℃で増殖させて、選択における均一性を維持する。
そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーDNAで形質転換した。形質転換培養を形質転換後2時間、ガラクトースを含有する液体培養中、ウラシルドロップアウト培地中で増殖させて、細胞が形質転換ショックから回復し、そしてコードされるランダム化インフレーム融合ポリペプチドの発現を誘導し始めることを可能にする。次いで、細胞密度を決定し、そして一定の細胞密度で、そしてセントロメア・プラスミドの存在に関して選択するために用いる、特定の栄養素を欠き、そしてガラクトースおよびブタノールを含有する、固形最少培地を含有する15cmの選択プレートあたりおよそ50,000形質転換体の予期されるコロニー密度でプレーティングする。形質転換の小規模アリコットを、対照として、同じ培地であるが、ブタノールを欠くプレート上にプレーティングする。プレートを密封し、そして生存コロニーが可視になるまで30℃でインキュベーションする。
質転換する。細胞を、炭素供給源としてグルコースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、15g Bacto寒天、pHを5.6〜5.8に調整する120μl 10N
NaOH、および20gグルコース)上にプレーティングし、そして形質転換されたコロニーが可視になるまで、30℃でインキュベーションする。次いで、掻き取ることによって、またはプレートの上部に添加される液体中で、コロニーを懸濁するためのガラスビーズを用いることによって、細胞をプレートから取り除く。細胞を0.1のOD600まで希釈し、そして炭素供給源としてラフィノースを含有する液体合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関して、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整するための120μl 10N NaOH、および20gラフィノース)中で4時間増殖させて、細胞が残りのグルコースを代謝し、そして
GAL1プロモーターの異化抑制を取り除くことを可能にする。次いで、炭素供給源としてガラクトースを含有するYPGalリッチ培地内に、細胞を再びOD600=0.1の密度に希釈して、そして振盪装置上、30℃で2時間増殖させて、GAL1プロモーターを通じた融合遺伝子の発現を誘導する。血球計算板で計数することによって、生じた懸濁物の細胞密度を決定し、そして15cmプレートあたり2.5x107細胞の密度で(平方cmあたりおよそ150,000細胞)、2〜3%ブタノールを含有するYPGal寒天培地上にプレーティングし、2%は致死量以下であり、そして3%は致死量である。プレートを30℃で4〜10日間インキュベーションし、そして次いで、コロニーに関して(プレート中で致死濃度のブタノールを用いた場合)、またはバックグラウンドより大きいコロニーに関して(プレート中で致死量未満のブタノールを用いた場合)、調べる。
可能にするため、より大きいコロニーとして明らかに可視である、迅速な増殖に寄与する遺伝子を発現している形質転換体を同定するために、特に有用である。倍加時間の数パーセント程度の小さい相違が、コロニーサイズの測定可能な相違を導きうる。例えば、2時間の平均倍加時間の株の48時間増殖期間は、24回の倍加を可能にし、一方、114分間の、5%より迅速な平均倍加時間を持つ株は、25.3回倍加し、コロニーサイズに明らかに反映される、細胞数の2.5倍の相違を導く。したがって、致死量以下の濃度のブタノールを含有する固形培地上でのプレーティングは、ブタノールの存在下で増殖利点を有する形質転換体の同定を可能にし、ブタノール許容性の指標となる。こうしたスクリーニングは、エタノール許容性に寄与する遺伝子の単離のため、他の研究者によって用いられてきている(Hong 2010)。
ブラリーDNAで形質転換する。細胞を、炭素供給源としてグルコースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関しては、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、20g Bacto寒天、pHを5.6〜5.8に調整する1
20μl 10N NaOH、および20gグルコース)上にプレーティングし、そして形質転換されたコロニーが可視になるまで、30℃でインキュベーションする。掻き取ることによって、またはプレートの上部に添加される液体中で、コロニーを懸濁するためのガラスビーズを用いることによって、細胞をプレートから取り除き、そして次いで、0.1のOD600まで希釈し、そして炭素供給源としてラフィノースを含有する液体合成完全ウラシルドロップアウト培地(1Lに関して、6.7g酵母窒素塩基、0.77gウラシルドロップアウト混合物、pHを5.6〜5.8に調整するための120μl 10N
NaOH、および20gラフィノース)中で4時間増殖させて、細胞が残りのグルコースを代謝し、そしてGAL1プロモーターの異化抑制を取り除くことを可能にする。次いで、炭素供給源としてガラクトースを含有するYPGalリッチ培地内に、細胞を再びOD600=0.1の密度に希釈して、そして振盪装置上、30℃で2時間増殖させて、GAL1プロモーターを通じた融合遺伝子の発現を誘導する。次いで、ブタノールを培養に3%まで添加し、培養に蓋をして蒸発を防止し、そしてさらに2〜7日間、穏やかに振盪しながら30℃で増殖させる。次いで、選択期間の終了時に残った細胞を回転して落とし、そして大腸菌内へのクローニングのため、プラスミドDNAを単離し、そして酵母内に再度形質転換し、そして別の選択周期を行うか、あるいは炭素供給源としてグルコースを含有する合成完全ウラシルドロップアウト混培地上に細胞をプレーティングして、生存細胞を単離する。
き延びる酵母細胞プールを遠心分離によって収集し、必要であれば選択培地中で拡大し、そしてプラスミド抽出および大腸菌におけるプラスミド増加に用いる。2つの大腸菌コロニーを各酵母形質転換体に関して摘み取り、そして液体選択から20の大腸菌コロニーを
生存酵母細胞の各プールに関して摘み取り、DNAを単離し、そして制限消化によってチェックする。次いで、表現型確認のため、プラスミドDNAを酵母に再導入する。
イを用いて、すべてのプラスミドをチェックする。2つのアッセイは、液体培養中で、それぞれ、致死および致死量以下の濃度のブタノールを用いる。致死条件下での培養期間後、または致死量以下の条件下での増殖の数継代後、培養を連続希釈し、そして固形培地上で複製プレーティングして、生存細胞の密度を評価する。これらのアッセイによって、必要な対照を用いたすべての単離プラスミドの迅速でそして均質な試験が可能になり、そしてブタノールの存在下で、生存または増殖利点を与えるランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの迅速な検証が可能になる。
[00182]最も劇的であるかまたは広い表現型を与えるランダム化インフレーム融合ポリ
ヌクレオチド発現構築物を配列決定して、活性遺伝子を同定する。結果を表にして、そして最適なランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを将来の研究のために選択する。別個のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド内に反復して同定される配列を、将来のスクリーニングに用いるか、またはORFコレクションの部分として用いる。望ましい表現型を与えることがすでに知られるORFコレクションを含有するランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドは、大腸菌に関して上述する全ゲノムORFコレクションよりも小さい可能性もあり、これは、より小さいライブラリーサイズ、より安価でそして迅速なスクリーニング、ならびに藻類および植物を含めて、より低い形質転換効率の生物における従順性を含めて、多くの利点を有する。
とが可能なランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの単離
序論:
[00183]シアノバクテリアは、エタノール(Deng 1999、Dexter 2009、Gao 2012)、イ
ソブチルアルデヒド(Atsumi 2009)、イソブタノール(Atsumi 2009)、n−ブタノール(Lan 2011、Lan 2012)、1,3−ブタンジオール(Oliver 2013)、アセトン(Zhou 2012)、エチレン(Takahama 2003)、イソプレン(Lindberg 2010)、脂肪酸および脂肪族アルコール(Liu 2011、Tan 2011)ならびに糖(Ducat 2011、Ducat 2012)を含む、多様な化学薬品を産生するように操作されてきており、いくつかの場合、有望な結果が得られている(すなわち、Ducat 2011、Oliver 2013)。植物および真核藻類と比較して、相対
的に遺伝子が単純であり、培養のためのインプット必要性が低く、ストレスに抵抗する能力があり、そして遺伝子操作に対して従順であるため、シアノバクテリアは、生物学的産生に向かうこの全般的なシフトにおいて、主要な役割を果たすであろう光合成生物の1つである(Ducat 2011、Robertson 2011、Ruffing 2011)。
象でもあり;その結果、これらの生物は、燃料および化学薬品産生のための原材料として利用可能なバイオマスの供給源として、非常に有望である。にもかかわらず、バイオマス生産性は、遺伝的に複雑で、そしてほとんど理解されておらず、そしてしたがって操作が困難である。産業的に有望なシアノバクテリア種におけるバイオマス集積率を増加させることは、シアノバクテリアを経済的産生生物に発展させる試みにおいて、シアノバクテリア・バイオテクノロジー産業が直面する障害の1つである。
ノバクテリア、シネココッカス・エロンガトゥスにおいて、より高いバイオマス、増殖率
加速またはアルコール耐性を操作することを記載する。S.エロンガトゥスは、迅速に増殖し、そして容易に培養され、容易にそして効率的に形質転換可能な、重要な実験シアノバクテリアである(Golden 1987、Tsinoremas 1994、Elhai 1994、Vioque 2007、Clerico
2007、Flores 2008、Heidorn 2011)。
[00186]シネココッカス・エロンガトゥス遺伝子配列の完全コレクションを、J. Craig Venter研究所(JCVI)包括的微生物リソースゲノムデータコレクション(インターネット上、CMR−JCVIウェブサイト上で入手可能)から入手可能なS.エロンガトゥス株PCC7942の参照配列に基づいて生成する。各遺伝子の開始および停止コドンを同定するため、このゲノムの配列注釈を用いる。
5アミノ酸のタンパク質をコードする4,785bpの間の長さの範囲の、2991の総タンパク質コード遺伝子を列挙する。これらのORFのうち、2958は、長さ100bp〜3000bpの間である。インプット配列として用いる遺伝子の長さは、3000bpを上限とし、好ましくは2604bpであり、これによって、PCR増幅の成功、および生じるインフレーム融合ポリペプチドまたはタンパク質の正しいフォールディングの可能性が増加する。結果は、PCR増幅用の長さ100〜2604bpの間である総数2,925のORFの最終コレクションである。この配列コレクションの平均の長さは785bpであり、そして長さの中央値は693bpである。これらのS.エロンガトゥスORFのサイズ分布を図6に示す。
停止コドンに基づいて、PCRプライマーを設計する。2つの異なるプライマーセットを各ORFに関して設計して、1つはORFを融合遺伝子の5’位にクローニングするため、そしてもう一方は3’位に配置するため、2つの異なるPCR産物が生成されるようにする。各ORFに関する2つのアンプリコンは、停止コドンの存在(ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーの3’位に向けられるORFのみに存在)および保存される隣接配列に関してのみ異なる。
。まず、過剰な配列は、互いに関して異なるORFの提示にバイアスを掛けることなく、コレクション中のすべてのORFを増幅することが可能な保存されたPCRプライマー配列を用いたORFプールの効率的なPCR増幅を可能にする(Dahl 2005、Myllykangas 2011、Natsoulis 2011)。第二に、これらは発現ベクター(詳細は以下を参照されたい)
に、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・パートナー末端の保存された配列に、相同性を含有し、ベクター中のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの迅速でそして効率的な相同性依存性組み立てを可能にする(図3を参照されたい)。
端16ヌクレオチド、および融合遺伝子中の3’位に向けられるORFの5’PCRプライマー中の5’末端16ヌクレオチドは、2つのORFを分離するリンカー配列の一部を形成する。この60bpリンカー配列は、グリシン、セリンおよびアラニンが豊富な20アミノ酸ペプチド(配列番号25104)をコードし、該配列は、融合遺伝子中の2つのORFを連結する際に他の研究者が用いる配列(Arai 2001、Eldridge 2009、Wang 2010
)に大まかに基づく。このリンカー配列は、PCR増幅の第二のまたは保存される段階で完全にコードされ(以下を参照されたい)、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの5’位に向けられるORFの3’端およびランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの3’位に向けられるORFの5’端に、保存されたコード配列の付加を生じる。
ORFの2つの完全なセットが生成される必要があるため、以下に記載するすべての方法は、2つのORF位に関して、2つ組で行われる。
[00192]選択したシネココッカス・エロンガトゥス遺伝子を、株PCC7942からP
CR増幅する。この株は、パスツール研究所シアノバクテリア培養コレクションから入手可能であり、そして関心対象の遺伝子を増幅可能な高純度ゲノムDNAの供給源として使用可能である。
G11培地中で、標準的増殖条件(Bustos 1992、Kulkarni 1997、Mutsuda 2003、Clerico 2007)を用いて、液体培養中で増殖させる。修飾BG−11液体培地(BG11M、Clerico 2007)を以下のように作製する: 1.5g/L NaNO3、0.039g/L
K2HPO4、0.075g/L MgSO4 7H2O、0.02g/L Na2CO3、0.027g/L CaC12、0.001g/L EDTA、0.012g/L
FeNH4クエン酸塩、および1mLの以下の微量要素溶液: 2.86g/L H3BO3、1.81g/L MnC12・4H2O、0.222g/L、ZnSO4・7H2O、0.391g/L Na2MoO4、0.079g/L CuSO4・5H2O、および0.0494g/L Co(NO3)2・6H2O。別個にオートクレーブした等体積の2倍濃縮BG−11M液体培地およびDifco寒天溶液(無菌水中、3%)を合わせ、そしてともに混合することによって固形培地を作製し;濾過滅菌したNa2SO3を1mMまで添加する。
pH8.0、10mM EDTAおよび100mMグルコースを用いて、元来の培養体積の1/10に再懸濁する。10mM Tris pH8.0、10mM EDTA中に溶解した10mg/mlニワトリ卵リゾチームの1/100体積を添加し、そして10mg/ml DNアーゼ不含RNアーゼAの1/20体積を添加し、よく混合し、そして室温で15分間インキュベーションすることによって、細胞を溶解する。プロテイナーゼKで処理することによって、細胞溶解およびゲノムDNA放出を完了させる。溶解した細胞に、1/10体積の1M Tris、0.5M EDTA、pH9.5および1/100体積の20mg/mlのプロテイナーゼK溶液を添加する。試験管に蓋をし、そして反転させることによって、溶解した細胞を穏やかに混合し、そして混合物を時々穏やかに混合しながら、50℃で2時間インキュベーションする。次いで、等体積のフェノール−クロロホルム(pH7.0)で2回、DNAを抽出し、その後、等体積のクロロホルムでさらに1回抽出する。1/10体積の3M酢酸ナトリウムpH5.5および2.5体積のエタノール(または1体積のイソプロパノール)を添加することによって、DNAを沈殿させる。アルコールを添加した後、試験管を直ちに反転させ、そしてDNAは紐状の白色沈殿物として可視である。細胞由来の他の不純物(残渣タンパク質または炭水化物)が同時に沈殿するのを回避するため、清浄なピペットチップまたはパスツールピペットを用いてアルコール溶液から沈殿したDNAを取り除き、そして70%エタノールを含有する清浄な試験管に移す。試験管に蓋をし、そして複数回反転させて、DNA沈殿物から塩を除去する。遠心分離によってペレットを収集し、吸引によってエタノールを除去し、そしてエアフローフード中でペレットを乾燥させ、過剰なエタノールを取り除く。ペレットを1xTE(10mM Tris pH8.0、0.1mM EDTA)中に溶解する。カラムクロマトグラフィまたは塩化セシウム密度遠心分離(Sambrook 1989)を用いて、DNAのさ
らなる精製を行ってもよい。
載されてきている(Clerico 2007、Heidorn 2011)。
発現ベクター
[00196]単純なそして標準的な発現ベクターを用いて、すべての融合タンパク質を発現
させる。イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG、Geerts 1995、Kutsuna 1998)によって誘導可能なS.エロンガトゥスPtrcプロモーターは、頻繁に用
いられ、そしてS.エロンガトゥスにおける遺伝子発現のために有効である。さらに、発現ベクターは、S.エロンガトゥス染色体内への部位特異的組み込みを指示するNS1またはNS2中性部位要素(Matsuda 2003)、適切なターミネーター(Wang 2012)、pU
C19由来の抗生物質耐性マーカー遺伝子(単数または複数)および高コピー数pMB1プラスミドレプリコン(Yanish-Perron 1985)を含有する。pUC19ベクターは、プラスミド主鎖(pMB1レプリコン)、抗生物質耐性ポリヌクレオチド(例えばアンピシリン耐性を与えるTn3由来のβ−ラクタマーゼ)、ならびに大腸菌lacプロモーター/オペレーターおよびターミネーター配列の好適な供給源である。図3に例示するように、これらの配列をpUC19からPCR増幅し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドのクローニングおよび発現のためのプラスミド主鎖供給源として用いる。例えば、PCRプライマー5’−agctgtttcctgtgtgaaattgtt−3’および5’−ttaagccagccccgacacccgcca−3’を用いて、pUC19からのこうした断片をPCR増幅することも
可能である。5’ORFの5’端および3’ORFの3’端に含まれる、この発現ベクター断片に対する相同性領域(図3を参照されたい)は、これらの2つのPCRプライマーによって特定される同じDNA配列に相当する。
ーター系の代替物として、文献(Ruffing 2011、Wang 2012)に記載されるような他のシ
アノバクテリア・プロモーターを用いてもよい。あるいは、細菌発現のためのコンセンサス要素を含有する部分的ランダム化配列から合成プロモーターを発展させてもよい(Jensen 1998a、Jensen 1998b、Hammer 2006、De May 2007)。
、候補プロモーターを試験するため、選択したプロモーターおよびその関連5’UTRを250bp DNA断片として合成し、そして選択可能マーカーを含有するベクター中、大腸菌lacZベータ−ガラクトシダーゼ遺伝子の上流にクローニングする(Heidorn 2011、Ruffing 2011)。プロモーター断片の上流にターミネーターを配置して、プラスミド上の別の箇所に存在するプロモーターからのリードスルー転写を防止する。生じた構築物をS.エロンガトゥスに形質転換し、そして形質転換体をベータ−ガラクトシダーゼ活性に関してアッセイする(Bustos 1991)。ホタル(firefly)ルシフェラーゼもまた、アッセイ可能マーカー遺伝子として適切であり、そしてlacZの代わりにプロモーター試験に使用可能である(Kondo 1993、Andersson 2000)。
プラスミドは、pMB1複製起点を含有するものなどの高コピー数プラスミドに基づく。しかし、他のプラスミド系もまた、この研究に適している。例えば、F’に基づくプラスミド、例えばpBeloBAC11(Shizuya 1992)または広宿主域プラスミド系(Heidorn 2011)を用い、上記と同じプロモーターを用いて、または異なるプロモーターセットを用いて、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発現させてもよい。クローニングおよびプラスミド精製後、S.エロンガトゥスの形質転換には、任意の適切な宿主細胞において、関心対象の配列のクローニングおよび増加を可能にする任意のプラスミド主鎖が使用可能である(Heidorn 2011)。
[00200]例えば、ペプチドまたはタンパク質をコードする仮説上のポリヌクレオチド配
列Aは、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドのコレクションの構築のために用いられるよう意図される。ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドのコレクションを生成する目的は、ポリヌクレオチドAを含めた出発コレクション中の各ポリヌクレオチドをランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドシリーズの5’位に存在させること、そして同じ配列を、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの異なるシリーズの3’位に存在させることである。これらの2つのシリーズのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの各々において、ポリヌクレオチドAは、こうした融合を生成するために利用可能な方法で実現可能であるような出発コレクションの出来る限り多くの他のメンバーと融合するであろう。出発コレクションに存在する他のポリヌクレオチドに対して5’または3’位のポリヌクレオチドAを含む、これらの別個のシリーズの融合を可能にするため、2つの異なるバージョンのポリヌクレオチド配列Aを生成する。5’位で使用するために意図されるポリヌクレオチド配列Aのバージョンは、停止コドンを含有せず、そして発現ベクターのプロモーター領域に5’相同性(またはクローニング目的のための他の配列適合性)を有する。3’ 位で使用するために意図されるポリヌクレオチド配列Aの
バージョンは、停止コドンを含有し、そして発現ベクターのターミネーター領域に3’相同性(またはクローニング目的のための他の配列適合性)を有する。
する配列(図3において、「リンカー配列」と示される)は、グリシンおよびセリン残基が豊富な短いペプチドをコードする。こうしたペプチドは、非構造であることが予期され、そしてランダム化融合タンパク質の2つのメンバーを分離する柔軟なタンパク質スペーサーを提供する一方、タンパク質分解には比較的耐性であろう。適切なリンカーペプチド配列の例は、GGGGSGGSGGSGGGGS(配列番号25117)またはSGGSSAAGSGSG(配列番号25118)またはSAGSSAAGSGSG(配列番号25119、Wang 2010)である。あるいは、
アルファらせんリンカー配列を用いてもよく、例えば配列A(EAAAAK)nA、n=2〜5(配列番号25120〜25123、Arai 2001)がある。
[00202]3’端の24ポリヌクレオチド特異的塩基を含有するポリヌクレオチド特異的
プライマーおよび5’端の16bpの保存配列を含有するプライマーを用いて、各ORFをPCR増幅する。各ポリヌクレオチドに関して個々に、またはポリヌクレオチドプールに関して同時に、増幅を行う。
0〜1000ngの大腸菌ゲノムDNA、PCR緩衝液および熱安定性ポリメラーゼと、1〜50μlの総反応体積中で合わせる。高忠実度熱安定性ポリメラーゼ、例えばPhusion(登録商標)ポリメラーゼが使用可能である。Phusion(登録商標)ポリメラーゼに関しては、95℃2分間の変性、その後、95℃20秒間、60℃20秒間の10〜35周期、および72℃1分/kb(72℃で最低30秒間)によって、PCRアンプリコンを生成する。アガロース電気泳動によって、または蛍光計、例えばQubit(登録商標)蛍光計
(Life Technologies)を用いた蛍光分光測定によって、PCR産物形成の効率を測定す
る。DNA精製に適したシリカ樹脂を用いて、成功したPCR反応を精製することも可能である。成功しなかった反応を、PCR反応中のMg+2濃度および/または他の反応条件を変化させることによって反復する。各ORFの増幅成功後、各PCR産物濃度を規準化し、そして特定のサイズ範囲に対応する産物をクローニングのためにプールする。
終プール中の各ORFがほぼ同等の提示であることを可能にする利点を有する。多数のPCR反応を平行して行い、そしてアッセイする必要があり、ロボット装置および多数の増
幅の最適化を必要とする、不都合な点がある。
ため、そしてPCR条件(72℃での伸張時間、上記を参照されたい)はアンプリコンのサイズに応じるため、ORFは、サイズによってプールされる。ORFは、任意の数のサイズプールに分離される。より少数のサイズプールは、増幅をより少数の試料で行うことが可能であり、時間および試薬を節約する利点を有する。多数のサイズプールは、各プールの複雑性がより低く、より高い濃度の各プライマー対、そしてしたがって、各ポリヌクレオチドの増幅成功の可能性がより高いことを意味する。
の96プールであり、1つの96ウェルプレートを満たす(96プールx平均30.81遺伝子=総数2958遺伝子)。プールへの各遺伝子の割り当てに到達するため、遺伝子およびその対応するプライマー対を、遺伝子サイズに基づいてソーティングし、そしてソーティングしたリスト由来の連続したプライマーセットから、プライマーを各プールに割り当てる。増幅総数を96プールに分割する際、同一のまたは類似のサイズの31遺伝子=62プライマーを78プール各々に割り当て、そして残った18プールは各々、30遺伝子に対応する60プライマーを含有する。
特異的プライマーおよび5’端の保存配列を含有するプライマーを用いて、各ORFをPCR増幅する。各ポリヌクレオチドに関して個々に、またはポリヌクレオチドプールに関して同時に、増幅を行う。
0〜1000ngの大腸菌ゲノムDNA、PCR緩衝液および熱安定性ポリメラーゼと、1〜50μlの総反応体積中で合わせる。高忠実度熱安定性ポリメラーゼ、例えばPhusion(登録商標)ポリメラーゼが使用可能である。Phusion(登録商標)ポリメラーゼに関しては、95℃2分間の変性、その後、95℃20秒間、60℃20秒間の10〜35周期、および72℃1分/kb(72℃で最低30秒間)によって、PCRアンプリコンを生成する。アガロース電気泳動によって、または蛍光計、例えばQubit(登録商標)蛍光計
(Life Technologies)を用いた蛍光分光測定によって、PCR産物形成の効率を測定す
る。DNA精製に適したシリカ樹脂を用いて、成功したPCR反応を精製することも可能である。成功しなかった反応を、PCR反応中のMg+2濃度および/または他の反応条件を変化させることによって反復する。各ORFの増幅成功後、各PCR産物濃度を規準化し、そして特定のサイズ範囲に対応する産物をクローニングのためにプールする。
終プール中の各ORFがほぼ同等の提示であることを可能にする利点を有する。多数のPCR反応を平行して行い、そしてアッセイする必要があり、ロボット装置および多数の増幅の最適化を必要とする、不都合な点がある。
ため、そしてPCR条件(72℃での伸張時間、上記を参照されたい)はアンプリコンのサイズに応じるため、ORFは、サイズによってプールされる。ORFは、任意の数のサイズプールに分離される。より少数のサイズプールは、増幅をより少数の試料で行うことが可能であり、時間および試薬を節約する利点を有する。多数のサイズプールは、各プールの複雑性がより低く、より高い濃度の各プライマー対、そしてしたがって、各ポリヌクレオチドの増幅成功の可能性がより高いことを意味する。好適な数のサイズプールは、1または2の96ウェルプレート中のウェルの数に対応する。例えば各15〜16のORF
の192プール(192プールx平均15.23 ORF=総数2925のORF;これは、各16プライマー対を含有する45プール、および各15プライマー対を含有する147プールに対応する)。
最初の増幅、その後、2)保存されたプライマーを用いた各ORFプールの増大、その後、さらなるプーリング、ゲル上でのサイズ選択、および3)最終長PCR産物を生じる第三の増幅工程。3つの増幅工程は、それぞれ、第一段階、第二段階および第三段階増幅と称される。
供給し、すべての反応に用いる。増幅は、以下に示すように、20μLまたは50μL反応体積で行う。すべての増幅を、96ウェルブロックを含有するT100サーマルサイクラー(Bio-Rad Laboratories)上で行う。すべての増幅で用いるデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)は、各dNTP 10mMを含有するストックであり、やはりThermo
Scientific(登録商標)より得られる。すべての反応に脱イオン水を用い、そしてポリ
メラーゼとともに供給されないすべての溶液を作るためにも脱イオン水を用いる。
[00214]1. PCR反応の各段階のため、以下に記載するようなPCR混合物を調製
し、そしてサーマルサイクラーに挿入するまで低温で維持する。
して、試験管またはプレートウェルの底に反応内容物を集める。
[00216]3. プレートまたは試験管をサーマルサイクラー内に挿入する。
[00217]上述のような配列特異的PCRプライマープールを用いて、第一段階増幅を行
う。反応あたり2μLの10ng/μLシネココッカス・エロンガトゥス株PCC7942ゲノムテンプレートDNAを用いて、20μL総体積中、各増幅を行う。各反応に、100μMストックから2.5μLプライマープールを添加して、12.5μMの最終総プライマー濃度を提供する。各プライマープールは、15または16プライマー対のいずれかを含有し;そして最終の個々のプライマー濃度は、およそ0.39〜0.42μMである。
構成要素から混合される:4μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、0.4μl 10mM dNTP、10.7μl脱イオンH2O、2μl 10ng/μlゲノムテンプレートDNA、2.5μLプライマープール(100μM)、0.4μl PhusionT
MホットスタートII熱安定性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PCRサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各3工程(98℃10秒間、60℃30秒間および72℃3分間)からなる10周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから試料を取り出すまでの4℃での浸漬。PCR増幅が完了した後、試料をサーマルサイクラーから取り出し、完全に混合し、そして4000rpmで1分間遠心分離して、第一段階増幅産物を提供する。
[00219]第二段階の増幅で用いるプライマーは、第一段階の増幅プライマーの保存され
た部分に相同性を持つ単一のプライマーである。第二段階のプライマーは、対の混合物と
して調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。
の構成要素から混合する:10μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、1μl 10mM dNTP、22μl脱イオンH2O、10μl第一段階反応産物、6μl第二段階プライマー混合物(20μM)および1μl PhusionTMホットスタートII熱安定
性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PCRサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
合し、そして4000rpmで1分間遠心分離する。
[00222]試料のより効率的な下流プロセシングを可能にするため、8試料を1つにプー
ルすることによって、192多重PCR試料を24のより大きいプールに統合する。各多重PCR反応中の産物の量をまず定量化して、異なるサイズの断片コレクションの等モルプールを可能にする。これは、各多重反応に対してゲル電気泳動を行い、そして予期されるサイズの各バンド中の蛍光を定量化することによって、あるいはApplied Biosystems(登録商標)3730 DNA分析装置またはQIAGEN(登録商標)QIAxcel(登録商標)装
置などのキャピラリー電気泳動によってのいずれかで、行う。各多重プールの平均サイズを考慮に入れ、一緒にプールされて、プールに添加される各産物の等モル量を生じる、各多重PCR反応の相対量を計算するために、各多重反応中の望ましい産物の濃度を用いる。産物をサイズによってグループ分けし、そしてプールして、下流PCR増幅における増幅バイアスを最小限にする。
ル1:多重プール1〜8;大プール2:多重プール9〜16;大プール3:多重プール17〜24;大プール4:多重プール25〜32;大プール5:多重プール33〜40;大プール6:多重プール41〜48;大プール7:多重プール49〜56;大プール8:多重プール57〜64;大プール9:多重プール65〜72;大プール10:多重プール73〜80;大プール11:多重プール81〜88;大プール12:多重プール89〜96;大プール13:多重プール97〜104;大プール14:多重プール105〜112;大プール15:多重プール113〜120;大プール16:多重プール121〜128;大プール17:多重プール129〜136;大プール18:多重プール137〜144;大プール19:多重プール145〜152;大プール20:多重プール153〜160;大プール21:多重プール161〜168;大プール22:多重プール169〜176;大プール23:多重プール177〜184;および大プール24:多重プール185〜192。構成要素ORFのサイズに基づいて、各大プールの生じた平均ORFサイズ(添加されるプライマー配列を伴うおよび伴わない)を計算する。
ラムまたはMacherey Nagel NucleoSpin(登録商標)96 PCRクリーンアップキット
などのプレートを用いて、10μgの望ましい産物総量に対応する各ORF大プールの量を精製する。精製PCR産物の溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度測定で決定する。
除くため、2μgの各プールを1%アガロースゲル上で電気泳動し、そしてエチジウムブロミドで染色し、バンドをUVまたは青い光の下で視覚化し、そしてより大きいプール各
々の正しいサイズに対応するゲル断片をゲルから切り出す。ゲル断片の重量を測定し、そして製造者の推奨にしたがって、Macherey Nagel NucleoSpin(登録商標)ゲルおよびP
CRクリーンアップキットなどのシリカ樹脂ゲル精製法を用いて、そこからDNAを精製する。精製が完了したら、すべての試料の濃度を分光光度測定で決定し、そして精製第二段階大プール増幅産物各々の濃度を、第三段階増幅のため、10ng/μLに調整する。
[00226]第三段階増幅は、各PCR産物に最終配列を付加して、末端相同性によって効
率的な組み立てを可能にし、そして各大プールの量を増加させる。第三段階増幅に用いるプライマーは、第一段階および第二段階増幅プライマーの保存された部分に相同性を持つ単一プライマーである。第三段階プライマーは、対の混合物として調製され、各々、等モル量の2つのプライマーを含有し、そして20μMの総プライマー濃度を含有する。
の構成要素から混合する:10μl 5x Phusion(登録商標)HF緩衝剤、1μl 10mM dNTP、22μl脱イオンH2O、10μlゲル精製したプール第二段階反応産物(10ng/μl)、6μl第三段階プライマー混合物(20μM)および1μl Phusion(登録商標)ホットスタートII熱安定性ポリメラーゼ(2単位/μl)。PC
Rサイクリング条件は以下の通りである:98℃45秒間の最初の変性、各2工程(98℃20秒間および72℃3分間)からなる25周期、72℃3分間の最終伸張工程、およびサーマルサイクラーから取り出すまでの4℃での浸漬。
の推奨にしたがって、Macherey Nagel NucleoSpin(登録商標)96 PCRクリーンア
ップキットなどのシリカ樹脂精製を用いて、精製する。溶出後、各試料を完全に混合し、そしてその濃度を分光光度で測定する。
のスーパープールに合わせ、そして5つの大プールの続くセットを合わせて、さらなるスーパープールを形成することによって、24の大プールを5つの「スーパープール」に統合する。各スーパープールに添加される各大プールの相対量は、第三段階増幅および精製後の各大プールの最終濃度、ならびに各大プールの最終平均サイズ(プライマーによって付加される配列を含む)と、等モル量の各大プールを各スーパープールに添加する目的とを考慮することによって、計算される。
いて調製し、同様のサイズのORFのより大きいプールを同じスーパープールにグループ分けする。挿入物サイズに基づくクローニングバイアスを最小限にするため、各々の場合に、クローニングベクターと一緒に、5’ORFの各サイズプールを3’ORFの各サイズプールと対で合わせることによって、サイズ分画を別個に発現ベクターにクローニングする。
[00231]増幅後、ORFの相対濃度を、DNA分子のモル濃度(質量濃度ではなく)に
関して規準化する。上述のような個々のまたはプールされたPCR増幅によって生成されたORFコレクションに添加される、他の生物由来のクローニングされたポリヌクレオチドまたはORF由来のORFを含めた、特定のORFを、多様な量でORFコレクションに添加してもよい。例えば、特定のORFを、他のORFの濃度に対応するモル量で、あるいは最終ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリー内の提示を変化させる、より低いまたはより高い量で、添加する。例えば、ストレス許容性を与える特定
のタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、S.エロンガトゥスにおけるストレス許容性を与える特に高い可能性を有すると推測される場合、ORFコレクション中にこの配列を過剰提示して、大部分のまたはすべてのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの組み合わせが、この優先される配列とともに試験されることを確実にすることも可能である。
[00232]増幅およびスーパープールへのプーリング後、ORFの相対濃度を、DNA分
子のモル濃度(質量濃度ではなく)に関して規準化する。上述のような個々のまたはプールされたPCR増幅によって生成されたORFコレクションに添加される、他の生物由来のクローニングされたポリヌクレオチドまたはORF由来のORFを含めた、特定のORFを、多様な量でORFコレクションに添加してもよい。例えば、特定のORFを、他のORFの濃度に対応するモル量で、あるいは最終ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリー内の提示を変化させる、より低いまたはより高い量で、添加する。例えば、ストレス許容性を与える特定のタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、大腸菌におけるストレス許容性を与える特に高い可能性を有すると推測される場合、ORFコレクション中にこの配列を過剰提示して、大部分のまたはすべてのランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの組み合わせが、この優先される配列とともに試験されることを確実にすることも可能である。
の5’および3’端に位置し、そして図3に示す環状の組み立てられた産物の構造を特定する、保存された/相同配列によって指示される。多数の方法のいずれか1つを用いて、この相同性依存性組み立てを達成することも可能であり、これらのすべては、相同一本鎖DNA端のアニーリングに基づくクローニング法、例えばリンカーテーリング法(Lathe 1984)またはDNA分子の末端の相補的ホモポリマー性一本鎖テールに依存する方法(Lobban 1973)に由来する。さらに、現代の相同性依存性クローニング技術は、1990年
代初期に記載される連結独立性クローニング法(Aslanidis 1990、Aslanidis 1994)に概念的に関連する。こうした相同性依存性クローニング法には、限定されるわけではないが:融合内クローニング(Zhu 2007、Irwin 2012)、配列および連結独立性クローニング(SLIC、Li 2007、Li 2012)、迅速クローニング(Li 2011)、環状ポリメラーゼ伸張
クローニング(Quan 2009、Quan 2011)、ギブソン組み立て法(Gibson 2009、Gibson 2010)、迅速およびクリーンクローニング(Thieme 2011)およびその他(Vroom 2008)が
含まれる。
せを用いて、総数25の組み立て反応に関して、ライブラリー組み立てを行う。各反応において、150fmolの5’ORFスーパープールDNAおよび150fmolの3’ORFスーパープールDNA(平均サイズに基づくモル濃度)を、75fmolのPCR増幅単一断片pUC19ベクターDNA(配列番号25126)と合わせる。DNA混合物の体積を10μlに調整し、これに10μlの組み立て混合物(200mM Tris
pH8.0、20mM MgCl2、各0.4mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、20mMジチオスレイトール、2mMニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド、0.02単位/μl T5エキソヌクレアーゼ、0.05単位/μl Phusion(
登録商標)熱安定性DNAポリメラーゼ、0.4単位/μl Taqリガーゼ)を添加する。反応を穏やかに混合し、そして50℃で1〜2時間インキュベーションする。次いで、反応を氷上に維持するか、または大腸菌形質転換に使用する前に凍結する。
ている可能性もあるエキソヌクレアーゼ活性を持つ他の酵素、例えばT4 DNAポリメ
ラーゼ、エキソヌクレアーゼIII、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼを用いて行ってもよい。活性の5’から3’の方向性を持つエキソヌクレアーゼ(すなわちT4ポリメラーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼ)は、各クローニング接合部の2つのニックの間に、より多数のアニーリング配列塩基対を生じ、したがって、望ましい産物を安定化させるため、こうしたエキソヌクレアーゼが好ましい。Taq DNAリガーゼを添加せずに、この方法を実行して、満足出来る結果を得ることも可能である。反応に、最終濃度5〜10%でポリエチレングリコール(分子量4000〜10000)を補充して、一本鎖DNA端のアニーリングを促進することも可能である。しかし、上述のような十分に高いDNA濃度が与えられていれば、PEGは必要ではない。
レクトロポレーションする。細胞を1ml LBブロス中に再懸濁し、10ml培養試験管中、℃で1時間、250rpmで培養し、そして50〜100μg/μlカルベニシリンを含有するLB寒天上にプレーティングする。組み立て反応を、エタノールでのDNA沈殿によって、または微小透析によって、または製造者の推奨にしたがってBio-Rad Micro Bio-Spin P6ゲルカラムを通じて遠心分離することによってのいずれかで、組み立て反
応を脱塩することによって、形質転換効率を改善することも可能である。
[00237]産業的にならびに研究目的のために用いられているS.エロンガトゥス株PC
C7942またはPCC7002(Ruffling 2011)をすべての形質転換およびスクリー
ニングに用いる。
体を生成するか、または大腸菌への形質転換によって最初に増幅する。
[00239]2925のORFのランダム対組み立てから生じる配列組み合わせのありうる
総数は、この数字の平方=860万に等しい。典型的には、スクリーニングプロジェクトの目的は、各組み合わせが提示される>90%の可能性を達成するために、ライブラリー複雑性の3倍多いクローンまたは形質転換体をスクリーニングすることである。この例では、これは、およそ2600万の形質転換体に対応し、これはS.エロンガトゥスにおいて、多様な実験室株で達成されてきている高い形質転換効率のために可能である。1000万のS.エロンガトゥス形質転換体の生成は、10リットルの培地中で増殖させる細胞を用いて、およそ1000の形質転換を実行することに対応する。
である可能性があり(Li 2007、Quan 2009、Gibson 2010、Li 2011、Quan 2011、Thieme 2011、Li 2012)、インプットDNAの正しい産物への組み立てを高率で生じるため、S
.エロンガトゥスをFGプールDNAで直接形質転換することも可能である。S.エロンガトゥスの形質転換効率を、DNA μgあたり、1E6形質転換体と仮定すると、これは>10μgの組み立てFGプールDNAを必要とし、各組み立て反応は、全部で約0.5μgのDNAを含有することを考慮すると、これは達成可能な数値である。パイロットS.エロンガトゥス形質転換実験を用いて、FGプールDNAから生成可能な形質転換体の数を測定し、そしてこれらの形質転換体が正しい構造の組み込み配列を含有するかどうかを調べる。
十分な数の形質転換体を生成するには限定されている場合、FGプールをまず、大腸菌において増幅することも可能である。単一の20μl相同性仲介組み立て反応は、およそ200万の大腸菌形質転換体を生じることも可能であり、これは、液体ゲル培地(Elsaesser 2004)において、または液体増殖およびphi29ポリメラーゼを用いた増幅の組み合わせ(Fullwood 2008)によってのいずれかで増幅可能である。プラスミド増幅を、25
の組み立てプール各々に関して別個に行い、各プール中に提示される配列組み合わせの比率を維持する。
ゥス細胞を100mLの液体BG−11M中で、0.7のOD750まで増殖させる。15mLのシアノバクテリア細胞懸濁物を、6000g10分間の遠心分離によって採取する。細胞ペレットを10mLの10mM NaCl中で再懸濁し、そして6000g10分間の遠心分離によって再びペレットにする。細胞ペレットを0.3mLのBG−11Mに再懸濁し、そして微量遠心管に移す。0.3mLの細胞の各アリコットに、50ng〜2μgの間のDNAを、1〜20μLの体積で添加する。試験管をアルミニウムホイルで包み、細胞を光から遮蔽して、そして30℃で穏やかに攪拌しながら一晩インキュベーションする。全0.3mL細胞懸濁物を、適切な抗生物質または選択剤を含有するBG−11Mプレート上にプレーティングする。プレートを一定の光の中、30℃で、単一コロニーが出現するまで、およそ5日間インキュベーションする。
する効率的な方法として、大腸菌およびS.エロンガトゥスの間の細菌コンジュゲート化を用いてもよい(Tsinoremas 1994、Elhai 1994)。
養中で増殖させて、挿入物に関して選択し続けることも可能である。形質転換細胞を誘導剤の存在下で増殖させて、融合タンパク質の発現を活性化させることも可能である(すなわち、Ptrcプロモーターを用いる場合、IPTGの存在下で)。
[00245]S.エロンガトゥスのPCC7942実験室株(Ruffing 2011)に、融合遺伝
子を含有するプールされたライブラリーを形質転換し、そして次いで、プラスミドの存在に関して選択し、そして融合タンパク質の発現を誘導する条件下で増殖させる。すべての培養を、光照射されたラックおよび光照射された軌道プラットフォーム振盪装置中の注意深く調節された一定条件下で増殖させて、選択の均一性を維持する。
イオマス集積率を持つ形質転換体に関して、選択するかまたはスクリーニングする。これらのうちの一方は、より大きいサイズのコロニーに関して形質転換プレートをスクリーニングする工程を伴い、一方、他方は、アルギン酸ビーズ中に被包し、そして増殖させた、シアノバクテリア微小コロニーを、FACSソーティングを用いて単離する。
形質転換体の可視化を可能にするため、より大きいコロニーとして明らかに可視である、迅速な増殖に寄与する遺伝子を発現している形質転換体を同定するために、特に有用である。倍加時間の数パーセント程度の小さい相違が、コロニーサイズの測定可能な相違を導きうる。例えば、6時間=360分間の平均倍加時間の株の6日間=144時間の増殖期間は、24回の倍加を可能にし、一方、342分間の、5%より迅速な平均倍加時間を持つ株は、25.3回倍加し、コロニーサイズに明らかに反映される、細胞数の2.5倍の
相違を導く。こうしたスクリーニングは、他の研究者によって用いられてきており、酵母においてエタノール耐性に寄与する遺伝子の単離のため、用いられてきている(Hong
2010)。
あり、これは、細胞分裂速度の増加または平均細胞サイズの増加以外の理由のためにコロニーサイズが改変されるものであろう。こうした偽陽性の例は、より平らなコロニーまたはコロニーの縁から広がる傾向を持つ、高い運動性を持つ細胞を含有するコロニーである。これらの偽陽性を迅速に排除するため、各候補コロニーを、針金またはプラスチックループでスクリーニングプレートから持ち上げるかまたは掻き取り、そして少量の液体培地に懸濁する。細胞懸濁物の半量を、フローサイトメーターで計数し、細胞数、および細胞サイズの指標である細胞の光散乱特性を決定する。10の対照コロニー中に見られる平均細胞数よりも2標準偏差を超える細胞数のコロニー、または細胞サイズの比例的に類似の増加を持つ細胞を含有するコロニーのみが、さらなる性質決定および検証のために保持される。*
[00249]ゲル微小ビーズ中の被包:アルギン酸またはアガロースゲル微小ビーズまたは
微小滴中の被包は、多様な環境条件における増殖が可能な微生物の単離に、高い栄養素濃度では増殖不可能な微生物の培養に、あるいは微生物株または微生物混合物の増殖アッセイの実行に、成功裡に用いられてきている。ゲル微小ビーズ内に被包された個々の微生物は、増殖するにつれて、ビーズ内に微小コロニーを形成し、そして微小ビーズ内部の微小コロニーサイズを反映する、微小ビーズの側方散乱特性に基づく蛍光活性化細胞ソーティングによって分離可能である。
いて、寒天マトリックスからコロニーを分離することによって、シアノバクテリア形質転換体をプレートから除去する。懸濁された形質転換細胞を、産生に用いたサブライブラリーに対応してプールし、そして各プールの一部を凍結保存する。公表されたプロトコル、ならびにOne Cell Systems Incによって販売される被包材料および装置を用いて、個々のシアノバクテリア細胞をゲル微小滴中に被包する。微小滴組成物を調整して、細胞分裂の正常な速度での滴内のS.エロンガトゥス細胞の均質な増殖を可能にする。
増殖フラスコ中、一定の振盪を加えながら増殖させる。多数の細胞が同じ微小滴内に被包される可能性を減少させるため、細胞密度を調整して、およそ10%の微小滴が細胞を含有するようにし、>90%提示信頼性で107形質転換体の全ライブラリーを提示するには、およそ3x108微小滴(培地総体積1.5L中)を必要とする。
活性化細胞ソーティングによってソーティングする。側方散乱において平均より2標準偏差高い微小コロニーを含有するゲル微小小滴を単離し、液体培養に戻し、そしてさらに数日間増殖させて、シアノバクテリア細胞が過剰増殖して微小小滴を破裂させるのを可能にする。こうした培養からDNAを単離し、そして大腸菌におけるプラスミド・レスキューに用いる(Dolganov 1993)。レスキューされたプラスミドを分子の集団として精製し、
そしてS.エロンガトゥスに再導入し、そして被包、増殖およびソーティング・プロセスを反復する。
[00253]プレート上で、または微小滴培養中で生じる関心対象の表現型を持つ細胞のコ
ロニーまたは集団を摘み取り、拡大し、そして大腸菌におけるプラスミド・レスキューに用いる(Dolganov 1993)。4つの大腸菌コロニーを各S.エロンガトゥス形質転換体に
関して摘み取るか、または200の大腸菌コロニーを微小小滴の各集団から摘み取る。DNAを単離し、そして制限消化によってチェックする。次いで、表現型確認のため、プラスミドDNAをS.エロンガトゥスに再導入する。
を用いて、この方式で単離したすべてのプラスミドを検証する。検証しようとする各S.エロンガトゥス形質転換体由来の細胞を、自動化フローサイトメーターを用いて計数し、そして同じ標準的細胞密度に希釈する。各細胞培養100μlアリコットを96ウェルプレート中のウェルに添加し、これを覆い、そして蒸発を最小限にする条件下、照明下で穏やかに攪拌しながらインキュベーションする。数日増殖させた後、各培養の少量のアリコットをフローサイトメトリーによって分析して、細胞密度および平均細胞サイズを決定する。各培養の残りを水で洗浄して塩を取り除き、細胞ペレットを乾燥させて、そして重量測定し、乾燥重量を測定する。結果を表にして、生じた培養の細胞数、細胞サイズ、または乾燥重量に対して最大の影響を持つ、最も有望な融合遺伝子構築物の選択を可能にする。
[00255]4つの異なるアプローチを用いて、ブタノールまたはエタノール許容性形質転
換体に関して選択するかまたはスクリーニングする。これらの2つは、生存選択を伴い、致死濃度のブタノールを用いて、アルコールで生き延びる能力を持つ細胞を単離する。他の2つのアプローチは、ブタノールまたはエタノールの致死量以下の濃度の存在下で改善された増殖特性を持つ細胞を単離することを目的とする。選択/スクリーニングは、固形培地上での増殖および選択を伴うか、または固形培地上でのスクリーニングと液体培地中での増殖を組み合わせるかいずれかを伴う。ブタノールに関する選択およびスクリーニング・アプローチを表6の例として要約し、ブタノール濃度範囲は、イソブタノールおよびn−ブタノールに関する公表された情報に基づいて概算される(Atsumi 2009、Kamarainen 2012)。列「インキュベーション時間」は、ブタノールの存在下で形質転換体が培養された時間の量を指す。また、アルコール耐性またはアルコール許容性細胞を単離するために用いるのと同じ方法を用いて、ブチルアルデヒドなどの他の毒性化合物に対する、または高塩および高温などの非生物ストレスの他の条件に対する許容性に関して選択し、そしてスクリーニングすることも可能である。
の多様なタイプに関して選択する条件下で培養する。4つの選択スキームには、正確なプレーティングまたは培養条件、および各選択のための最適なブタノール濃度に到達するため、後にバルクS.エロンガトゥス形質転換体とともに用いる細胞密度のもとでの、注意深い力価決定が先行する。注意深く制御された一定の条件下で、すべての培養を増殖させて、選択における均一性を維持する。
ド・ライブラリーの形質転換後、形質転換体を、抗生物質を欠く液体培地中、30℃で6時間、照明下であらかじめ培養する。次いで、抗生物質およびIPTGを液体培養に添加して、プラスミドの存在に関して選択し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を誘導し、そして形質転換体をさらに1時間培養する。次いで、培養を希釈して、プレートあたりの形質転換体数をほぼ管理可能であるようにする(選択するかまたはスクリーニングする特質に応じて、10cmプレートあたり、およそ2000〜20000コロニー)。培養を固形培地上でプレーティングし、この培地組成は、選択する特質に応じ、例えばブタノールを含有するBG11M寒天である。表6を参照されたい。プレートを30℃で数日間インキュベーションし、そしてコロニー摘み取り、プラスミド単離、表現型検証および活性ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの性質決定のため、その時点で選択する(以下を参照されたい)。コロニー選択は、コロニーサイズ(増殖率および増殖収率を反映し、増殖率、低温増殖および増殖収率特性に影響を及ぼすポリヌクレオチドを同定するために用いられる)に基づいて、または陽性選択に基づいて、すなわち大多数の形質転換体がプレート上で増殖するのに失敗し、そして関心対象のランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するもののみが増殖する場合(高温、塩または有機溶媒の許容性に影響を及ぼすランダム化融合ポリヌクレオチドを同定するために用いられる)のいずれかで行われる。
可能にするため、より大きいコロニーとして明らかに可視である、迅速な増殖に寄与するランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発現している形質転換体を同定するために、特に有用である。倍加時間の数パーセント程度の小さい相違が、コロニーサイズの測定可能な相違を導きうる。例えば、6時間=360分間の平均倍加時間の株の6日間=144時間の増殖期間は、24回の倍加を可能にし、一方、342分間の、5%より迅速な平均倍加時間を持つ株は、25.3回倍加し、コロニーサイズに明らかに反映される、細胞数の2.5倍の相違を導く。こうしたスクリーニングを任意の培地条件で行ってもよく、例えば、致死量以下の量の阻害剤、例えば塩、エタノールまたはブタノールの存在下で、あるいは致死量以下の高温または低温下で、増殖率に関してスクリーニングすることが可能である。類似のスクリーニングが、エタノール許容性に寄与する遺伝子の単離に関し
て、他の研究者によって用いられてきている(Hong 2010)。
れる。ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブラリーのコンピテント細胞への形質転換後、形質転換体を、抗生物質を欠く液体培地中であらかじめ、30℃で6時間、照明下で培養する。次いで、抗生物質およびIPTGを液体培養に添加して、プラスミドの存在に関して選択し、そしてランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの発現を誘導し、そして形質転換体をさらに1時間培養する。次いで、培養を、抗生物質およびIPTGを含有し、そして表6に列挙するようなブタノールなどの選択剤を含有する新鮮な培地中、2〜10倍希釈する。細胞に課される選択のタイプに応じて、培養を30℃で、またはさらに24時間から数日間、増殖させる。その時点で、細胞を遠心分離によって採取し、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを含有するDNAを、染色体DNA単離法(Clerico 2007)を用いて抽出し、プラスミドを大腸菌においてクローニングし、バルクで調製し、そしてS.エロンガトゥスの形質転換および選択を反復する。形質転換を固形培地上にプレーティングし、個々の形質転換体の選択を可能にする前に、この方式で2またはそれより多い周期のバッチ選択を行い、その後、コロニー摘み取り、プラスミド単離、表現型検証および活性融合ポリヌクレオチドの性質決定を行ってもよい(以下を参照されたい)。
行ってもよい。致死濃度の選択剤(すなわち、本実施例では、塩、エタノールまたはブタノール)の存在下で、あるいは致死性の高温または低温で、そして特定の期間(一般的に12時間またはそれより長い)、生存選択を行う。選択期間後、選択培養を新鮮な非選択性培地中で希釈するか、または温度を37℃に戻して、いかなる生存細胞も正常増殖を再開するようにする。上述のように、生存細胞を含有するこの培養を増殖させ、染色体DNAを抽出し、プラスミドを大腸菌においてクローニングし、そして必要であれば、バッチ選択を反復する。
ち、本実施例では、塩、エタノールまたはブタノール)の存在下で、迅速な増殖に関して選択する。この場合、選択条件下で維持された、形質転換体の液体培養は、対数中期(一般的に、選択条件の重度に応じて、増殖の2〜5日間)までの増殖を可能にされる。この時点で、培養中の細胞の大部分は、生存していることが期待されるが、選択条件下で、培養は、正常の迅速な増殖が可能である細胞に関して濃縮される。細胞を遠心分離によってペレットにし、染色体DNAを抽出し、プラスミドを大腸菌においてクローニングし、そして必要であれば、バッチ選択を反復する。あるいは、致死量以下の増殖条件から採取した細胞を、致死量または致死量以下の濃度のブタノールまたは別の選択剤を含有する固形培地上でプレーティングして、選択剤の存在下で増殖が可能な、または増殖が加速しているコロニーの視覚的選択を可能にしてもよい。
[00262]選択プレート上で生じるブタノール耐性表現型を持つコロニーを摘み取り、拡
大し、そして大腸菌におけるプラスミド・レスキューに用いる(Dolganov 1993)。4つ
の大腸菌コロニーを各S.エロンガトゥス形質転換体に関して摘み取り、DNAを単離し、そして制限消化によってチェックする。次いで、表現型確認のため、プラスミドDNAをS.エロンガトゥスに再導入する。
イを用いて、すべてのプラスミドをチェックする。2つのアッセイは、液体培養中で、それぞれ、致死および致死量以下の濃度のブタノールを用いる。致死条件下での培養期間後
、または致死量以下の条件下での増殖の数継代後、培養を連続希釈し、そして固形培地上にスポットして、生存細胞の密度を評価する。これらのアッセイによって、必要な対照を用いたすべての単離プラスミドの迅速でそして均質な試験が可能になり、そしてブタノールの存在下での生存または増殖利点を与える融合遺伝子の迅速な検証が可能になる。
転換を試験する。増殖率および増殖収率特性に関して、これは、形質転換体を低細胞密度でプレーティングし、そして対照形質転換体に比較して、生じたコロニーのサイズを観察するか、あるいは液体培養中で、選択条件を伴いまたは伴わず、倍加時間または細胞ペレットサイズを、対照株の増殖率に比較する工程を伴う。耐性表現型(温度、エタノールおよびブタノール)に関して、再スクリーニングは、形質転換体の固形培地上への複製プレーティング(すなわち96ピンツールを用いた、プレート上への96ウェルプレートからの複製)および選択条件下での増殖を伴い、各形質転換の増殖の度合いを対照に比較する。あるいは、形質転換を液体培養中の選択条件に曝露した後、非選択固形培地上にピンツールによって複製して、生存コロニーの数に反映される、各培養中の細胞生存の度合いを評価する。
た表現型の授与に関して、または別の表現型に関してのいずれかで、試験してもよい。細胞増殖およびストレス耐性に関連する多様な表現型は、交差反応性でありうる。例えば、ブタノール許容性の授与に関して選択されるランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドはまた、エタノール許容性、温度許容性、塩許容性等も与えうる。多様な条件下でランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを徹底的に交差試験することによって、多様な非生物ストレス条件下で、細胞増殖を前進させる広範囲の能力を持つランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを発見することが可能である。
活性遺伝子を同定する。結果を表にし、そして最適な融合遺伝子を将来の研究のために選択する。別個の融合遺伝子内に反復して同定される配列を、ORFコレクションの部分として、将来のスクリーニングに用いてもよい。望ましい表現型を与えることがすでに知られる遺伝子を含有するORFコレクションは、本提案に記載する全ゲノムORFコレクションよりも小さい可能性もあり、より小さいライブラリー・サイズ、より安価でそしてより迅速なスクリーニング、ならびに、真核藻類および植物を含む、より複雑なゲノムおよびより低い形質転換効率を持つ生物への適用可能性を含めて、多くの利点が生じる。
ものは、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドの生じるライブラリー中に提示される対の組み合わせの数がより小さいことである。より低い複雑性のライブラリーは、より複雑なライブラリーよりも、より迅速にそしてより安価にスクリーニング可能であり、そして可視スクリーニングおよび陽性選択を伴う、上に列挙したものよりも、より複雑な表現型に関してスクリーニング可能である。より低い複雑性のライブラリーはまた、(数千の数のORFコレクションから生じる)数千万の配列の組み合わせを含有するライブラリーをスクリーニングすることが現実的でないかまたは妥当に可能ではない可能性もあるが、(数百の数のORFコレクションから生じる)数十万の配列の組み合わせを含有するライブラリーをスクリーニングするために適している可能性もある、より低い形質転換効率を持つ生物における試験も可能にする。
[00268]ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチドを構築しそして試験するこのア
プローチを実施する際、結果を、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド・ライブ
ラリーを構築するために用いたものと同じ遺伝子コレクションの単純な過剰発現から得られたものに比較することが可能である。こうした実験の経過で生じたデータによって、各アプローチで単離される活性遺伝子の数、活性遺伝子の頻度(すなわちスクリーニングする1000遺伝子あたり)および生じる表現型の性質の比較が可能になる。これらの3つの計量は、ランダム化インフレーム融合ポリヌクレオチド技術がシアノバクテリアの有用な表現型を操作する有望性を保持するかどうかを決定する際に非常に重要である。
Claims (21)
- ランダムに融合したポリヌクレオチドのコレクションであって、ランダムに融合したポリヌクレオチドの各々はユニークなコード領域を含み、ここでユニークなコード領域はインフレームでともに融合した少なくとも2つの非相同ポリヌクレオチドコード領域を含む、前記コレクション。
- (a)生物から、部分的または完全コード領域を含む相同および非相同ポリヌクレオチド配列を単離し;
(b)工程(a)の単離ポリヌクレオチド配列を場合によって増幅し;そして
(c)工程(a)または(b)の増幅ポリヌクレオチド配列を、互いに機能可能であるようにランダムに連結して、ユニークなコード領域を含むランダムに融合されたポリヌクレオチドを生成する、ここでユニークなコード領域は、少なくとも2つの非相同コード領域のインフレーム連結によって形成される;
工程を含む方法にしたがって得られる、請求項1のコレクション。 - ユニークなコード領域が2つの非相同コード領域を含む、請求項1または2記載のコレクション。
- ユニークなコード領域が完全非相同コード領域を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のコレクション。
- リンカー配列が、少なくとも2つの非相同コード領域を機能可能であるように連結する、請求項1〜4のいずれか一項記載のコレクション。
- リンカー配列が長さ3〜3,000ヌクレオチドである、請求項1〜5のいずれか一項記載のコレクション。
- 単離相同および非相同ポリヌクレオチドが、長さ90〜2,502ヌクレオチドのコード領域を含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のコレクション。
- ランダム融合ポリヌクレオチドが、発現ベクターに対する同一性を有する配列をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載のコレクション。
- 少なくとも1つの制御配列をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチド。
- 制御配列がプロモーターである、請求項1〜9のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチド。
- 制御配列がターミネーターである、請求項1〜10のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチド。
- 生物が酵母である、請求項1〜11のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチド。
- 請求項1〜12のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチドを含む、ベクター。
- 請求項1〜12のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチドを含む、宿主細胞
。 - 請求項14の宿主細胞から再生される生物。
- 新規表現型を同定するための、請求項1〜15のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチドの使用。
- 請求項1〜12のいずれか一項記載のランダム融合ポリヌクレオチドを産生する方法であって:
(a)生物から、部分的または完全コード領域を含む相同および非相同ポリヌクレオチド配列を単離し;
(b)工程(a)の単離ポリヌクレオチド配列を場合によって増幅し;そして
(c)工程(a)または(b)の増幅ポリヌクレオチド配列を、互いに機能可能であるようにランダムに連結して、ユニークなコード領域を含むランダムに融合されたポリヌクレオチドを生成する、ここでユニークなコード領域は、少なくとも2つの非相同コード領域のインフレーム連結によって形成される;
工程を含む、前記方法。 - (i)工程(a)の単離非相同ポリヌクレオチド配列および(ii)発現ベクターに対する同一性を有する5’プライマーで増幅を行う、請求項76の方法。
- (i)工程(a)の単離非相同ポリヌクレオチド配列および(ii)発現ベクターに対する同一性を有する3’プライマーで増幅を行う、請求項17または18の方法。
- 新規表現型を産生する方法であって:
(a)請求項13記載のベクターを宿主細胞内に導入し;
(b)細胞において、ランダム融合ポリヌクレオチドを発現させ;
(c)ベクターを欠く、同じ種の対照細胞に比較した際に、異なる表現型を示す細胞を、複数の細胞から選択し、そして同じ条件下で培養し;そして
(d)選択した細胞から生物を、場合によって再生する;
工程を含む、前記方法。 - 生物が酵母である、請求項17〜20のいずれか一項の方法。
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