JP2017026619A - 測定中の吸水性物体の状態を視認できる測定器具 - Google Patents

測定中の吸水性物体の状態を視認できる測定器具 Download PDF

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智嗣 松本
加奈子 津留
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加奈子 津留
好希 片田
Yoshiki Katada
好希 片田
洋人 春日
Hiroto Kasuga
洋人 春日
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Abstract

【課題】本発明は、測定中の吸水性樹脂の状態を視認できる測定器具を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、支持筒と、本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと、該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と、を含む吸水性樹脂の測定器具であって、該支持筒および該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、該荷重は不透明であり、該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性樹脂を視認できる、器具を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、測定中の吸水性物体の状態を視認できる測定器具に関する。
近年、高度の吸水性を有する吸水性物体が開発され、紙オムツ、生理用ナプキン等の吸収性物品、更には、農園芸用保水剤、工業用止水材等として、主に使い捨て用途に多用されている。
かかる吸水性物体としては、原料として多くの単量体や親水性高分子が提案されており、中でも、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、その吸水性能の高さから工業的に最も多く用いられている。
前記の吸水性物体に望まれる吸水特性としては、拡散吸収倍率、AAP(加圧下吸水倍率)が知られ、これらの物性を測定する器具が提案されている。
特許文献1(特開平08−057311号明細書)は、吸水性物体の拡散吸収倍率の測定器具を開示する。また、特許文献2(国際出願第2011/040530号)は、吸水性物体のAAP(加圧下吸水倍率)の測定器具を開示する。特許文献3(国際公開第2012/043821号)は、吸水性物体の戻り量(ミニ吸収体)、吸液時間(紙オムツ型吸収体)、及び、戻り量(紙オムツ型吸収体)の測定器具を開示する。
しかし特許文献1および2に記載されている図1のような測定器具は、支持筒100はアクリル樹脂製であるが、視認性を考慮していないためピストン103が不透明の塩化ビニル製等であり、かつ荷重104が金属であるため、測定中の吸水性物体の状態は側面からしか確認できなかった。
測定中の吸水性物体の状態を上面からも視認できるようにするために、支持円筒100、ピストン103を透明アクリル樹脂にした試作器具を作製し、測定を行ったが、ピストン103に厚みを設けても、反射や屈折の関係で極表面が見える程度であった。
ピストン103を透明アクリル樹脂のような透明素材を用いて十分に大きくして荷重104の機能をも有するようにすれば、原理的には上面から視認可能となる。しかし、その高さは10cm以上になるため、装置全体の安定性が悪く、透過光量が乏しくなり、また樹脂内部の不均一性に起因すると思われる像のゆがみなどもあり、視認性はかなり悪くなる。
また、特許文献3に記載されている戻り量(ミニ吸収体)の測定器具は、容器がSUS製シャーレであり、荷重104が金属であるため、測定中の吸水性物体の状態はほとんど見えなかった。さらに特許文献3に記載されている吸液時間(紙オムツ型吸収体)、及び、戻り量(紙オムツ型吸収体)の測定器具は天板にアクリル板を使用しているものの、荷重104が金属であるため、測定中の吸水性物体の大部分が荷重104に隠れていた。
特開平08−057311号明細書 国際出願第2011/040530号 国際公開第2012/043821号
検討を行った結果、支持筒100、ピストン103を透明アクリル樹脂にして、荷重104をピストン103の柱状物の特定の高さの位置に保持可能にし、ピストンの本体から浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようになった。これにより、特許文献1および2に記載されている図1のような測定器具および試作器具において、測定中の吸水性物体の状態は周囲からしか視認できなかったということを解決できた。
また、検討を行った結果、天板200を透明アクリル樹脂にして、荷重104を天板200の本体から浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようになった。これにより、特許文献3に記載されている測定器具において、測定中の吸水性物体の状態を視認できなかったということを解決できた。
本発明は、また、以下の項目を提供する。
(項目1)
支持筒と
本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと
該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該支持筒および該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
該荷重は不透明であり、
該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目2)
支持筒と
本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと
該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
該荷重は不透明であり、
該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、荷重と支持筒の隙間から、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目3)
支持筒と
本体と本体から上方に突起物をそなえるピストンと
荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
該荷重は不透明であり、
該ピストンが、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目4)
支持筒と
ピストンと
下方に脚状物をそなえる荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
該荷重は不透明であり、
該荷重は該脚状物で支持される状態でピストン上に設置可能であり、ピストンを通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目5)
前記支持筒は、透明アクリル樹脂製である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目6)
前記ピストンは、透明アクリル樹脂製である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目7)
前記器具は、前記支持筒の一方に吸水性物体を配置し得るように取り付けられる網状の部材をさらに含み、該網状の部材は支持筒の底部を構成していて、水を通過させるが、該吸水性物体は通過させないものである、上記項目に記載の器具。
(項目8)
前記器具は、濾紙の上に置いて検査を行うものである、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目9)
前記器具によって測定されるパラメーターは、AAP(加圧下吸水倍率)である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目10)
前記器具によって測定されるパラメーターは、拡散吸水倍率である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目11)
前記ピストンは、上下方向に貫通した穴を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目12)
底板と
本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえる天板と
荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、
該荷重は不透明であり、
該天板が、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目13)
底板と
本体と本体から上方に突起物をそなえる天板と
荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、
該荷重は不透明であり、
該天板が、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目14)
底板と
天板と
下方に脚状物をそなえる荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、
該荷重は不透明であり、
該荷重は該脚状物で支持される状態でピストン上に設置可能であり、ピストンを通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
(項目15)
前記天板は、透明アクリル樹脂製である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目16)
前記底板は、透明アクリル樹脂製である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目17)
前記天板は、上下方向に貫通した穴を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目18)
前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目19)
前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記荷重が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目20)
前記支持部材は、円筒状の部材であって、該円筒状の部材上端面と前記荷重とが接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目21)
前記支持部材は、前記荷重を特定の高さの位置に保持するために十分な摩擦力を有する摩擦部である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目22)
前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目23)
前記柱状物の形状は、少なくとも一部が支持筒の底部に向かって漸増する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目24)
前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目25)
前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記柱状物が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目26)
前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目27)
前記荷重の孔部は、少なくとも一部が荷重の上面部に向かって漸減する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目28)
前記荷重の形状は、リング状であり、そのことにより前記ピストンの下にある吸水性物体を視認できる、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目29)
前記荷重は、金属製である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
(項目30)
前記吸水性物体は、吸水性樹脂または吸収体である、前記項目のいずれか1項に記載の器具。
本発明において、前記の一つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
本発明の測定器具により、測定中の吸水性物体の状態を側面のみからではなく、上面からも視認できるようになり、測定中の吸水性物体の状態を三次元的に把握することができるようになった。
図1は、従来の測定器具の概略構成を示す側面図である。 図2は、本発明の測定器具と試作器具の写真である。(a)は本発明の測定器具であり、(b)は試作器具である。 図3は、ストッパー109が突起状の部材である本実施例に係るAAP(加圧下吸水倍率)の測定器具の概略構成を示す側面図である。(a)は、荷重の底面が支持円筒の上面より下にあるときの図であり、(b)は、荷重の底面が支持円筒の上面より上にあるときの図である。 図4は、ストッパー109が円筒状の部材である本実施例に係るAAP(加圧下吸水倍率)の測定器具の概略構成を示す側面図である。(a)は、荷重の底面が支持円筒の上面より下にあるときの図であり、(b)は、荷重の底面が支持円筒の上面より上にあるときの図である。 図5は、本実施例に係る吸水性樹脂の拡散吸水倍率を測定するための器具の概略構成を示す側面図である。(a)は、荷重の底面が支持円筒の上面より下にあるときの図であり、(b)は、荷重の底面が支持円筒の上面より上にあるときの図である。 図6は、図5に示す器具の要部の側面図である。(a)は、図5(a)の要部の側面図であり、(b)は、図5(b)の要部の側面図である。 図7は、図5に示す器具において、生理食塩水の拡散方向を説明する説明図である。 図8は、本実施例に係る吸収体の拡散吸水倍率を測定するための器具の概略構成を示す側面図である。(a)は、荷重の底面が支持角筒の上面より下にあるときの図であり、(b)は、荷重の底面が支持角筒の上面より上にあるときの図である。 図9は、図8に示す器具の要部の側面図である。(a)は、図8(a)の要部の側面図であり、(b)は、図8(b)の要部の側面図である。 図10は、図8に示す器具において、生理食塩水の拡散方向を説明する説明図である。 図11は、本実施例に係る吸水性樹脂の拡散吸水倍率を測定するための測定器具における要部の側面図である。 図12は、本実施例に係る吸水性樹脂の拡散吸水倍率を測定するための測定器具における要部の側面図である。 図13は、従来の測定器具の概略構成を示す側面図である。 図14は、本実施例に係る吸収体評価のための測定器具の概略構成を示す側面図である。 図15は、本実施例に係る吸収体評価のための測定器具の概略構成を示す側面図である。 図16は、本実施例に係る吸収体評価のための測定器具の概略構成を示す側面図である。 図17は、本実施例に係る吸収体評価のための測定器具の概略構成を示す側面図である。
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。
従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を記載する。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性の高分子ゲル化剤を指し、「水膨潤性」として、自重の5倍以上の水性液を吸収することができる、高分子ゲル化剤を指す。
前記吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜、設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。また、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物であってもよい。
更に、本発明における吸水性樹脂は、最終製品に限らず、吸水性樹脂の製造工程における中間体(例えば、重合後の含水ゲル状架橋重合体や乾燥後の乾燥重合体、表面架橋前の吸水性樹脂粉末等)を指す場合もあり、前記吸水性樹脂組成物と合わせて、これら全てを包括して「吸水性樹脂」と総称する。なお、測定する吸水性樹脂の形状は、どのようなものでもよく、シート状、繊維状、フィルム状、粒子状、ゲル状等が挙げられる。また、吸水性物質の材料は限定されないが、代表的にはポリアクリル酸(塩)で形成されたものを用いることができる。
(1−2)「ポリアクリル酸(塩)」
本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、ポリアクリル酸及び/又はその塩を指し、主成分として、アクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を繰り返し単位として含み、任意成分としてグラフト成分を含む重合体を指す。
なお、前記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の使用量(含有量)が、重合に用いられる単量体(内部架橋剤を除く)全体に対して、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質100モル%であることをいう。
(1−3)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。吸水性樹脂は衛生材料用途に広く普及しているため、本発明でも、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(1−3−1)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下吸水倍率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂0.9gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、1時間、2.06kPa(21g/cm2、0.3psi)荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。なお、荷重条件を4.83kPa(49g/cm2、0.7psi)に変更して測定する場合もある。
また、ERT442.2−02には、Absorption Under Pressureと表記されているが、実質的に同一内容である。
(1−4)吸収体
本発明における「吸収体」とは、前記吸水性樹脂を含む成形体であり、一例として、前記吸水性樹脂と、親水性繊維及び/又は接着剤と、の混合物を成形したものである。また、別の例として、前記吸水性樹脂又は前記混合物を、袋状の透水性の不織布に入れたりしたものも含まれる。
(1−5)拡散吸収倍率
「拡散吸収倍率」とは、吸水性樹脂の坪量が高く、かつ、外力によって樹脂粒子同士が密着している状態における水性液体の拡散力を加味した、吸収体の吸水量を評価するための物性値である。前記の拡散吸収倍率は、所定条件下での測定における、吸収開始から所定時間後、例えば60分後の測定値から算出される。尚、拡散吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
拡散吸収倍率により、吸水性樹脂が水性液体を樹脂層方向(以下、横方向と称する)にどの程度均一に素早く拡散させることができるか、また、吸水性樹脂全体として実際にどの程度の吸水量を備えているかを評価することができる。水性液体の横方向への液拡散性(液拡散能力および液伝達能力)は、水性液体を多量に吸収する上において、特に重要な因子である。そして、前記評価の結果から、例えば、主に吸水性樹脂と親水性繊維とからなる吸収体、特に、吸水性樹脂の重量%(以下、樹脂濃度と称する)が高い吸収体における吸水性樹脂の吸水挙動を容易に予測することができる。
(1−6)吸水性物体
本発明における「吸水性物体」とは、吸水性を有する物体のことである。吸水性物体は、これに限定されないが、代表的には吸水性樹脂、及び/又は、吸収体である。
(1−7)その他
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」はそれぞれ同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜前記すことがある。更に、微量成分の測定を行う場合において、検出限界以下をN.D(Non Detected)と表記する。
〔2〕吸水性樹脂の物性
一般に吸水性樹脂は、該吸水性樹脂を衛生用品、特に紙オムツに使用する場合には、下記の(2−1)〜(2−2)に掲げた物性のうち、少なくとも1つ、最も好ましくは全ての物性を、所望する範囲に制御することが望まれる。これらの物性が下記の範囲を満たさない場合、本発明の効果が十分に得られず、高濃度紙オムツにおいて十分な性能を発揮しない虞がある。
また、本発明に係る器具で測定される吸水性樹脂は、その形状について特に限定されないが、好ましくは粒子状である。本項においては、好ましい態様である粒子状の吸水性樹脂について、その物性を説明する。なお、下記の物性は、特に断りのない限り、EDANA法に準拠して測定した。
(2−1)AAP(加圧下吸水倍率)
一般に吸水性樹脂のAAP(加圧下吸水倍率)は、好ましくは20g/g以上、より好ましくは25g/g以上、更に好ましくは27g/g以上、特に好ましくは30g/g以上、最も好ましくは32g/g以上である。上限値については特に限定されないが、好ましくは50g/g以下である。また、荷重を4.83kPaに変更したときのAAPは、好ましくは20g/g以上、より好ましくは22g/g以上、更に好ましくは23g/g以上、特に好ましくは24g/g以上、最も好ましくは25g/g以上である。上限値については特に限定されないが、好ましくは30g/g以下である。
該AAPが20g/g未満の場合、吸収体に圧力が加わった際の液の戻り量(通常、「Re−Wet(リウェット)」と称する)が多くなり、紙オムツ等の衛生用品の吸収体として適さない。なお、AAPは、粒度や表面架橋剤等で制御することができる。本発明の測定器具を用いることで、このような加圧下吸水倍率の測定の際の吸水性樹脂等の挙動を立体的に視認することができる。
(2−2)拡散吸収倍率
一般に吸水性樹脂の拡散吸収倍率は、好ましくは吸収開始から30分後の拡散吸収倍率が15g/g以上であり、かつ、60分後の拡散吸収倍率が25g/g以上、より好ましくは吸収開始から20分後の拡散吸収倍率が15g/g以上であり、かつ、60分後の拡散吸収倍率が25g/g以上、更に好ましくは吸収開始から20分後の拡散吸収倍率が15g/g以上であり、かつ、60分後の拡散吸収倍率が28g/g以上、最も好ましくは吸収開始から20分後の拡散吸収倍率が15g/g以上であり、かつ、60分後の拡散吸収倍率が30g/g以上である。吸収開始から30分後の拡散吸収倍率が15g/g未満の吸水性樹脂は、横方向の液拡散性が劣り、吸収体の吸収力の低下を招く場合がある。本発明の測定器具を用いることで、このような拡散吸収倍率の測定の際の吸収性樹脂等の挙動を立体的に視認することができる。
〔3〕吸水性樹脂の用途
一般に吸水性樹脂の用途は、特に限定されないが、好ましくは紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生用品の吸収体用途が挙げられる。特に、樹脂濃度が高い吸収体として使用することができる。更に、前記吸収体の上層部に使用される場合に、顕著な効果が期待できる。本発明の測定器具を用いることで、加圧下吸水倍率の測定の際の吸収性樹脂等の挙動を立体的に視認することで、吸水性樹脂等の用途の開発においてより詳細な条件設定を行うことができる。
〔4〕好ましい実施形態の説明
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
1つの局面において、本発明は、支持筒と、本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと、該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、該支持筒および該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、該荷重は不透明であり、該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具を提供する。
別の1つの局面において、本発明は、支持筒と、本体と本体から上方に突起物をそなえるピストンと、荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、
該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、該荷重は不透明であり、該ピストンが、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具、を提供する。
さらに別の1つの局面において、本発明は、支持筒と、ピストンと、下方に脚状物をそなえる荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、
該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、該荷重は不透明であり、該荷重は該脚状物で支持される状態でピストン上に設置可能であり、ピストンを通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具、を提供する。
本明細書において「支持筒」とは、ピストンと荷重と吸水性物体とを支持する筒である。支持筒の材料は、支持すべき物体を支持することができるものであればどのようなものでもよく、好ましくは透明なものであり、例えばこれに限定されるわけではないが、透明アクリル樹脂等が挙げられる。支持筒のサイズは、断面がピストンおよび荷重が内部を移動可能な程度のものである。具体的には支持筒が円柱状の場合、内径が好ましくは1〜20cm、より好ましくは2〜10cmである。また、支持筒の断面の形状は、どのようなものでもよく、例えばこれに限定されるわけではないが、円形、楕円形、三角形、四角形等が挙げられる。断面が円形以外の場合、好ましくは支持筒内部の断面積と同等の断面積をもつ円の内径が前記範囲である。支持筒の形状は、例えばこれに限定されるわけではないが、円柱状、楕円柱状、三角柱状、四角柱状が挙げられる。支持筒の長手方向の形状は、例えばピストンと荷重の組み合わせにより吸収性物体に荷重をかける形状であればどのようなものでもよく、下方に向かって細る形状や広がる形状などの長手方向に断面が変化するようなものでもよいが、このましくは、長手方向に断面が変化しない形状が用いられる。支持筒の断面はピストンの断面と同じ形状であることが好ましい。
本明細書において「ピストン」とは、測定する吸水性物体に荷重に由来する力をかけるものであり、本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえ、柱状物に荷重が組み込まれる構造になって、荷重が柱状物を移動可能であればどのような形状であってもよい。ピストンの本体のピストンの断面の形状は、支持筒の内部の構造よりもわずかに小さいことが好ましい。ピストンの本体の材料は、透明なものであればよく、これに限定されるわけではないが、透明アクリル樹脂等が挙げられる。ピストンの柱状部の材料は本体と同じであっても異なっていてもよく、透明である必要はない。もちろん本体と同じ材料を用いて一体成型してもよいがこれに限定されない。外形が支持筒よりもわずかに小さく、ピストンの側面と支持円筒の間には隙間はなく、かつ上下の動きは妨げられない。理論的に拘束されることを望まないが、このことにより試験対象に均一に荷重をかけることができるからである。ピストンの柱状物は、荷重を組み込むことができる構造であればどのようなものでもよく、好ましくは荷重が有する孔部よりも小さい。
本明細書において「荷重」とは、ピストンの上から測定する吸水性物体に力をかけるものである。ピストンと荷重により吸水性物体にかかる圧力は、測定する物性によるが、紙オムツなどの衛生材料に用いる吸水性物体の物性の場合、好ましくは0.5〜10kPa、より好ましくは1〜8kPa、さらに好ましくは2〜5kPaである。荷重の材料は、測定する吸水性物体に十分な力をかけるための重量を持つものであり、これに限定されるわけではないが、金属等が挙げられ、事実上不透明な材質のものに限定される。そのため、荷重を通して吸水性物体を視認することができず、従来の測定器具では、側面からの視認しかできなかった。荷重の断面は、支持筒の内部を移動可能な程度の大きさであり、荷重の断面は、ピストンの柱状物の断面よりも大きい。また、視認性と安定性(器具の転倒防止)のために、好ましくはピストンの本体の断面よりも小さい。
荷重が保持される特定の高さの位置は、支持筒の上面よりも上にあっても下にあってもよい。支持筒は、通常透明であるが、荷重と支持筒の隙間から吸水性物体が見える限り、不透明であっても良い。
即ち、本発明は、支持筒と、本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと、該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、該荷重は不透明であり、該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、荷重と支持筒の隙間から、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具も提供する。
1つの好ましい実施形態では、前記支持円筒は、透明アクリル樹脂製、ポリカーボネート製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製、AS樹脂製、透明ポリスチレン製、透明塩化ビニル樹脂製、ガラス製等、可視光透過性の高い素材である。理論的に拘束されることを望まないが、支持円筒を通して、測定中の吸水性物体を視認するためである。より好ましい実施形態では、透明アクリル樹脂製、ポリカーボネート製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製、AS樹脂製、透明ポリスチレン製、透明塩化ビニル樹脂製である。前記ピストンの出し入れによる変形や破損を避けるためである。更に好ましい実施形態では、透明アクリル樹脂製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製である。
1つの好ましい実施形態では、前記ピストンは、透明アクリル樹脂製、ポリカーボネート製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製、AS樹脂製、透明ポリスチレン製、透明塩化ビニル樹脂製、ガラス製等、可視光透過性の高い素材である。理論的に拘束されることを望まないが、ピストンを通して、測定中の吸水性物体を視認するためである。より好ましい実施形態では、透明アクリル樹脂製、ポリカーボネート製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製、AS樹脂製、透明ポリスチレン製、透明塩化ビニル樹脂製である。前記ピストンの出し入れによる変形や破損を避けるためである。更に好ましい実施形態では、透明アクリル樹脂製、ポリエチレンテレフタレート製、メタクリル樹脂製である。
一つの好ましい実施形態では、前記支持円筒と前記ピストンとは、同じ素材で作られている。同じ素材であると、両者の界面での反射や屈折などが起こらず視認性が向上するためである。また、同じ素材であると、硬度が等しいため、接触面での傷がつきにくい。
1つの好ましい実施形態では、前記支持筒の一方に吸水性物体を配置し得るように取り付けられる網状の部材をさらに含み、該網状の部材は支持筒の底部を構成していて、水を通過させるが、該吸水性物体は通過させないものである。理論的に拘束されることを望まないが、本発明の器具を用いて測定する吸収倍率を算出するためには、吸水性物体が水を吸収する必要があること、水の吸収前後で吸水性物体が漏れ出すことによりその量が変化してしまうと、吸収倍率を算出できないからである。網状の部材は、測定方法により適宜選択されるが金属製と樹脂製のいずれも使用され得る。網状の部材の目開きは、測定方法により適宜選択されるが、衛生材料向けの吸水性樹脂の測定に用いる場合は、好ましくは10〜150μm角(開孔部が正方形でない場合は前記範囲に相当する面積の開孔部)である。また、網状の部材の代わりにセラミックフィルターを用いる場合もある。
1つの好ましい実施形態では、前記器具は、濾紙の上に置いて検査を行うことができる。
1つの好ましい実施形態では、前記器具によって測定される値は、AAP(加圧下吸水倍率)である。
1つの好ましい実施形態では、前記器具によって測定される値は、拡散吸水倍率である。
1つの好ましい実施形態では、前記ピストンは上下方向に貫通した穴を有する。上下方向は鉛直方向に限られず、上面と下面を貫通しているということを意味する。ピストンが前記柱状物を有する場合は、前記穴がピストンの本体と前記柱状物を貫通していることが好ましい。上記AAPや拡散吸水倍率が器具の下から被吸収液を供給するのに対し、本実施形態では、このピストンを貫通する穴に被吸収液を供給することにより、器具の上から被吸収液を供給できる。ピストンを貫通する穴の数は、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下、さらに好ましくは1個である。穴の数が多い(例えば10個以上)と、屈折や反射のためピストンの透明性が低下し、本発明の効果を示さない。なお、本実施形態において、支持筒の底部は液が流れないように塞がれていてもよいし、透水性の部材(例えば前記の網状の部材やセラミックフィルター等)が取り付けられて、吸収されなかった液が網状の部材から流れ出てもよい。
別の1つの局面において、本発明は、底板と、本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえる天板と、荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、該荷重は不透明であり、該天板が、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具、を提供する。
さらに別の1つの局面において、本発明は、底板と、本体と本体から上方に突起物をそなえる天板と、荷重と、を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、該荷重は不透明であり、該天板が、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具、を提供する。
さらに別の1つの局面において、本発明は、底板と、天板と、下方に脚状物をそなえる荷重と
を含む吸水性物体の測定器具であって、
該天板は透明であり、該荷重は不透明であり、該荷重は該脚状物で支持される状態でピストン上に設置可能であり、天板を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具、を提供する。
本明細書において「天板」とは、測定する吸水性物体に荷重に由来する力をかける板であり、測定する吸水性物体は天板の下に設置される。通常天板の下面は平面であるが、測定方法によっては曲面であってもよい。
本明細書において「底板」とは、測定する吸水性物体の下に設置して吸水性物体を保持する板である。実験台の上面を底板として使用する場合もあるが、値を安定させるために、専用の底板が用意される。通常底板の上下面は平面であるが、測定方法によっては曲面であってもよい。
1つの好ましい実施形態では、天板の面積が、好ましくは100cm以上、より好ましくは200cm以上、さらに好ましくは500cm以上である。上限は天板の強度のため好ましくは10000cm以下である。天板の形状は、目的により適宜設計されるが、吸水性物体が膨潤する際、天板や荷重が転倒しないような形状である。底板の面積は限定されないが、好ましくは前記天板と同様の範囲である。本実施形態の器具は、測定される吸水性物体が薄く面積が大きい場合、又は、吸水性物体を薄く広範囲に散布する場合に、支持筒が不要となることに基づく。
1つの好ましい実施形態では、前記天板の材料については、前記ピストンの材料と同様である。より好ましくは、前記天板が透明アクリル樹脂である。
1つの好ましい実施形態では、前記底板の材料については、限定されないが、測定中、又は測定後に、底側から吸水性物体の状態を確認するために、透明であることが好ましい。具体的には前記ピストンの材料が参照される。より好ましくは、前記底板が透明アクリル樹脂である。
1つの好ましい実施形態では、前記天板は、上下方向に貫通した穴を有する。上下方向は鉛直方向に限られず、上面と下面を貫通しているということを意味する。天板が前記柱状物を有する場合は、前記穴がピストンの本体と前記柱状物を貫通していることが好ましい。本実施形態では、この天板を貫通する穴に被吸収液を供給することにより、器具の上から被吸収液を供給できる。被吸収液は測定する吸水性物体に全て吸収されても良いし、天板と底板の間から流出しても良い。
前記柱状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する。理論的に拘束されることを望まないが、荷重をピストンの本体から特定の位置に浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようにするためである。
さらに好ましい実施形態では、前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記荷重が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される。
さらに好ましい実施形態では、前記支持部材は、円筒状の部材であって、該円筒状の部材と前記柱状物が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される。より好ましい実施形態では、該円筒状の部材は交換可能であり、異なる長さを有するものである。測定方法や被測定物に応じて、最も視認性の良い高さを選択する事が容易になるためである。
さらに好ましい実施形態では、前記支持部材は、前記荷重を特定の高さの位置に保持するために十分な摩擦力を有する摩擦部である。理論的に拘束されることを望まないが、荷重をピストンの本体から特定の位置に浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようにするためである。
前記柱状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する。理論的に拘束されることを望まないが、荷重をピストンの本体から特定の位置に浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようにするためである。
さらに好ましい実施形態では、前記柱状物の形状は、少なくとも一部が支持円筒の底部に向かって漸増する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である。
1つの好ましい実施形態では、前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する。理論的に拘束されることを望まないが、荷重をピストンの本体から特定の位置に浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようにするためである。
さらに好ましい実施形態では、前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記柱状物が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される。
前記柱状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する。理論的に拘束されることを望まないが、荷重をピストンの本体から特定の位置に浮かせることにより、測定中の吸水性物体の状態を視認できるようにするためである。
さらに好ましい実施形態では、前記荷重の孔部は、少なくとも一部が荷重の上面部に向かって漸減する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である。
さらに好ましい実施形態では、前記荷重の形状は、リング状であり、そのことにより前記ピストンの下にある吸水性物体を視認できる。
前記突起物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記突起物は、上から見たとき点状の突起である。この場合、荷重1つあたり、多角形を形成するように配置された3点以上の突起物により荷重を支持することで、荷重を安定させることができる。但し、ピストンの面積にもよるが過度に突起物が多い場合(例えば荷重1つあたり10点以上)、ピストン本体の下にある吸水性物体の視認性が悪くなることがある。
前記突起物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記突起物は、上から見たとき線状の突起である。この場合、上から見たときの形状が直線でも曲線でもよいが、リング状又は渦巻き状は、ピストン又は天板の本体の下にある吸水性物体の視認性が悪くなる場合がある。前記突起物は、上から見たとき好ましくは、2本の平行線である。
前記突起物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記突起物は、ピストン又は天板の本体と同じ材料である。
前記脚状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記脚状物は、下から見たとき点状の突起である。この場合、荷重1つあたり、多角形を形成するように配置された3点以上の脚状物により荷重を支持することで、荷重を安定させることができる。但し、荷重の面積にもよるが過度に脚状物が多い場合(例えば荷重1つあたり10点以上)、ピストン本体の下にある吸水性物体の視認性が悪くなることがある。
前記脚状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記脚状物は、下から見たとき線状の突起である。この場合、下から見たときの形状が直線でも曲線でもよいが、リング状又は渦巻き状は、ピストン本体の下にある吸水性物体の視認性が悪くなる場合がある。
前記脚状物を有する場合、1つの好ましい実施形態では、前記脚状物は、荷重と同じ材料である。
1つの好ましい実施形態では、前記荷重は、金属製である。理論的に拘束されることを望まないが、吸水性物体に十分な荷重をかけるためである。金属の例としては、鉄、銅、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムなどである。それゆえ、荷重は実質的には不透明なものであることになる。それゆえ、本発明のように上から視認するための工夫が必要となることになる。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下の実施例に従って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
なお、本発明の吸水性樹脂の諸物性は、特に注釈のない限り、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜上、表記する場合がある。更に微量成分の測定において、検出限界以下を「N.D」(Non Detected)と表記する。
(実施例1)
本発明の器具を用いたAAP(加圧下吸水倍率)の測定
先ず、実施例1においてAAP(加圧下吸水倍率)の測定に用いる測定器具について、図3を参照しながら、その構成を以下に説明する。
実施例1において使用する測定器具は、支持円筒100、金網101、ピストン103、荷重104、ペトリ皿105、ガラスフィルター106を含む。支持円筒100は、内径60mmの透明アクリル樹脂製である。金網101は、ステンレス製400メッシュ(目開き38μm)である。ピストン103は、荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないものであり、ストッパー109を有する。ストッパー109は、荷重104と接することにより、荷重104を特定の高さの位置に該荷重を保持可能にし、ピストン103の本体と荷重104との間に隙間を形成するものである。荷重104は、粒子状吸水剤に対して、4.83kPa(0.7psi)又は2.0kPa(0.3psi)の荷重を加えることができるものである。ペトリ皿105は、直径150mmである。ガラスフィルター106は、直径90mm、株式会社相互理化学硝子製作所製、細孔直径:100〜120μmである。
前記構成の測定器具を用いてAAP(加圧下吸水倍率)を測定した。測定方法について以下に説明する。
内径60mm、長手方向の長さが8cmである透明アクリル樹脂の支持円筒100の底に、金網101を融着させ、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、該網上に粒子状吸水剤0.900gを均一に散布し、その上に、粒子状吸水剤に対して、柱状部の長手方向の長さが10cmであるピストン103を載置し、ピストン103にある長手方向の長さが4cmであるストッパー109に荷重104を載置した。このとき、ピストン103の本体と荷重104との間には隙間があり、ピストン本体を通して、吸水性樹脂を視認することができた。この測定器具一式の重量Wa[g]を測定した。
ペトリ皿105の内側にガラスフィルター106を置き、0.90重量%塩化ナトリウム水溶液108(20〜25℃)をガラスフィルター106の上面と同じレベルになるように加えた。その上に、直径90mmの濾紙107(ADVANTEC東洋株式会社製、品名:JIS P 3801、No.2、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を1枚載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
圧力に対する吸収力(AAP)は0.90重量%食塩水に対する21g/cm(=2.06kPa)で60分の吸水倍率を示す。尚、AAPは、21g/cm(=2.06kPa)での加圧下吸水倍率と称されることもある。
前記測定器具一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で吸収させた。このときピストン本体を通して、測定中の吸水性樹脂の状態を視認することができた。1時間経過後、測定器具一式を持ち上げ、その重量Wb[g]を測定した。そして、Wa、Wbから、下記の式に従ってAAP[g/g]を算出した。
AAP[g/g]=(Wb−Wa)/(粒子状吸水材の重量(0.900g))
(実施例2)
本発明の器具を用いた拡散吸収倍率の測定
実施例2において拡散吸収倍率の測定に用いる測定器具について、図5および図6を参照しながら、その構成を以下に説明する。
図5に示すように、測定器具は、天秤110と、この天秤110上に載置された所定容量の容器111と、外気吸入パイプ112と、導管113と、ガラスフィルター106と、このガラスフィルター106上に載置された測定部114とを含む。前記の容器111は、その頂部に開口部111aを、その側面部に開口部111bをそれぞれ有しており、開口部111aに外気吸入パイプ112が嵌入される一方、開口部111bに導管113が取り付けられている。また、容器111には、所定量の生理食塩水108が入っている。外気吸入パイプ112の下端部は、生理食塩水108中に没している。前記のガラスフィルター106は、直径70mmに形成されている。そして、容器111およびガラスフィルター106は、導管113によって互いに連通している。また、ガラスフィルター106は、外気吸入パイプ112の下端に対してごく僅かに高い位置に固定されている。
図6に示すように、前記の測定部114は、濾紙107と、シート115と、透明アクリル樹脂製の支持円筒100と、この支持円筒100の底部に貼着された金網101と、金属製の荷重104と、透明アクリル樹脂製のピストン103と、ストッパー109を有している。そして、測定部114は、ガラスフィルター106上に、濾紙107、シート115、支持円筒100(つまり、金網101)がこの順に載置されると共に、支持円筒100内部、即ち、金網101上にピストン103が載置され、ピストン103にあるストッパー109に荷重104を載置した。このとき、ピストン103の本体と荷重104との間には隙間があった。シート115は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、中央部に直径18mmの開口部を有する厚さ0.1mmのドーナツ状に形成されている。支持円筒100は、内径60mmに形成されている。金網101は、ステンレスからなり、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されている。そして、金網101上に所定量の吸水性樹脂が均一に撒布されるようになっている。荷重104は、金網101、即ち、吸水性樹脂に対して、20g/cm2の荷重を均一に加えることができるように、その重量が調整されている。
前記構成の測定器具を用いて拡散吸収倍率を測定した。測定方法について図5および6を参照しながら以下に説明する。
先ず、容器111に所定量の生理食塩水108を入れる、容器111に外気吸入パイプ112を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルター106上に濾紙107を載置し、この濾紙107上にシート115を、その開口部がガラスフィルター106の中心部に位置するようにして載置した。一方、これら載置動作に並行して、支持円筒100内部、即ち、金網101上に吸水性樹脂1.5g(好ましくは、分級等の操作により、粒径を300μm〜500μmに予め調整した吸水性樹脂1.5g)を均一に撒布し、この吸水性樹脂上にピストン103が載置され、ピストン103にあるストッパー109に荷重104を載置した。このとき、ピストン103の本体と荷重104との間には隙間があり、ピストン本体を通して、吸水性樹脂を視認することができた。
次いで、シート115上に、金網101、つまり、吸水性樹脂および荷重104を載置した前記支持円筒100を、その中心部がガラスフィルター106の中心部に一致するようにして載置した。
そして、シート115上に支持円筒100を載置した時点から、20分間、30分間、或いは、60分間にわたって吸水性樹脂が吸水した生理食塩水108の重量W2(g)を、天秤110を用いて測定した。尚、図7に示すように、生理食塩水108は、シート115の開口部を通過した後、吸水性樹脂の横方向にほぼ均一に拡散しながら、吸水性樹脂に吸水された。このときピストン本体を通して、測定中の吸水性樹脂の状態を視認することができた。
そして、前記の重量W2から、次式、
拡散吸収倍率(g/g)=重量W2(g)/吸水性樹脂の重量(g)
に従って、吸水開始から20分後、30分後、或いは、60分後の拡散吸収倍率(g/g)を算出した。
(実施例3)
吸収体の拡散吸収倍率の測定
先ず、実施例3において、吸収体の拡散吸収倍率の測定に用いる測定器具について、図8および図9を参照しながら、その構成を以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記拡散吸収倍率の測定に用いる測定器具と同一の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図8に示すように、測定器具は、天秤110と、容器111と、外気吸入パイプ112と、導管113と、直径120mmに形成されたガラスフィルター106と、このガラスフィルター106上に載置された測定部118とからなっている。図9に示すように、前記の測定部118は、濾紙107と、シート115と、透明アクリル樹脂製の支持角筒116と、金属製の荷重104とを有している。尚、前記の金網は有していない。
測定部118は、ガラスフィルター106上に、濾紙107、シート115、支持角筒116がこの順に載置されると共に、支持角筒116内部に荷重104が載置され、ピストン103にあるストッパー109に荷重104を載置されることによりなっている。このとき、ピストン103の本体と荷重104との間には隙間があり、ピストン本体を通して、吸水性樹脂を視認することができた。シート115は、ポリエチレンテレフタレートからなり、中央部に12.5mm×100mmの長方形の開口部を有する厚さ0.1mmの矩形状に形成されている。支持角筒116は、内寸法が100mm×100mmに形成されている。そして、支持角筒116内部に所定の大きさの吸収体117が載置されるようになっている。測定器具のその他の構成は、前記拡散吸収倍率の測定に用いる測定器具と同一である。
前記構成の測定器具を用いて吸収体117の拡散吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
先ず、吸収体117を100mm×100mmの大きさに形成した。また、所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルター106上に濾紙107を載置し、この濾紙107上にシート115を、その開口部がガラスフィルター106の中心部に位置するようにして載置した。次いで、シート115上に支持角筒116を、その中心部がガラスフィルター106の中心部に一致するようにして載置した。
その後、支持角筒116内部、即ち、シート115上に吸収体117を載置した。さらにこの吸収体117の上にピストン103を載置し、ピストン103にあるストッパー109に荷重104を載置した。このとき、ピストン103の本体と荷重104との間には隙間があり、ピストン本体を通して、吸水性樹脂を視認することができた。この吸収体117上に荷重104を載置した。尚、吸収体117および荷重104の載置動作は、素早く行った。
そして、シート115上に吸収体117を載置した時点から、30分間、或いは、60分間にわたって吸収体117が吸水した生理食塩水108の重量W3(g)を、天秤110を用いて測定した。このときピストン本体を通して、測定中の吸収体117の状態を視認することができた。尚、図9および図10に示すように、生理食塩水108は、シート115の開口部を通過した後、吸収体117中を横方向にほぼ均一に拡散しながら、吸収体117に吸水された。
そして、前記の重量W3から、次式、
吸収体117の拡散吸収倍率(g/g)=重量W3(g)/吸収体117の重量(g)
に従って、吸水開始から30分後、或いは、60分後の、吸収体117の拡散吸収倍率(g/g)を算出した。
(実施例4)
実施例4において、図11の器具を用いた。即ち、透明アクリル樹脂製のピストン103の上に透明アクリル樹脂製の直方体片を2つ平行に並べて突起物119とし、さらにその上に金属製の荷重104を載せた。2つの突起物119の間から吸水性樹脂が良く観察できた。
(実施例5)
実施例5において、図12の器具を用いた。即ち、金属製の荷重104の下に透明アクリル樹脂製の直方体片を2つ平行に貼り付けて脚状物120とし、ピストン103の上に荷重104を載せた。2つの脚状物120の間から吸水性樹脂が良く観察できた。
(実施例6)
吸液時間、戻り量(Re−Wet)
先ず、実施例6において吸液時間、戻り量(Re−Wet)の測定に用いる測定器具について、図14を参照しながら、その構成を以下に説明する。
実施例6において使用する測定器具は、板の上に円筒を載せたような天板200、底板201、金属製の荷重104を含む。天板200は、大きさが120×380mmの透明アクリル樹脂板である。天板200はその中央部に、円筒部分と板状の部分を貫通するように貫通穴202が開いており、その穴の直径は70mmである。貫通穴202の内容積は100mlである。天板200には突起物119としてさらに2つの透明アクリル樹脂の直方体片が平行に並べられ、これが貫通穴をはさんで対称に2箇所(合計4つ)設置されている。底板201は、大きさが120×380mmの透明アクリル樹脂板である。
国際公開第2012/43821号に記載の方法を参照して模擬紙オムツを作製した。
即ち、大きさ:120mm×380mmの液不透過性のポリプロピレンからなるバックシート(液不透過性シート)上に、紙オムツ型吸収体を載せ、その上に大きさ:120mm×380mmの不織布、更に同じ大きさの液透過性のポリプロピレンからなるトップシート(液透過性シート)を置き、4層からなる模擬紙オムツを作製した。前記模擬紙オムツを底板201の上に置き、さらに前記天板200を前記模擬紙オムツ上に置いた。さらに天板の上にある突起物119の上に2.1kPaの荷重が全体に均等にかかるように調整された荷重104を置いた。
続いて、生理食塩水(0.90wt%塩化ナトリウム水溶液)75mlを前記貫通穴202から30分間隔で合計5回注ぎ入れた(合計投入量:375ml)。5回目に投入した生理食塩水が、紙オムツ型吸収体に吸収されるまでの時間(即ち、液透過性シートの上から生理食塩水が取り込まれるまでの時間)を「吸液時間」として記録した。
さらに、生理食塩水の吸収に用いられた吸収体の範囲を「拡散長」として記録した。なお、拡散長は、貫通穴202の中心から最も遠くまで生理食塩水が浸透した地点までの距離である。生理食塩水が浸透した地点が荷重で隠されることはなかった。
上記吸液時間の測定後、30分経過してから上記荷重104及び天板200を取り外し、予め総重量(W19[g])を測定したキッチンタオル(大きさ:120mm×380mm、王子ネピア株式会社製)30枚を載せ、更に荷重が均等にかかるアクリル板(大きさ:120mm×380mm)及び錘(総重量10kg)を素早く置いた。
1分経過後、上記キッチンタオル30枚の重量(W20[g])を測定し、次式にしたがって紙オムツ型吸収体の戻り量[g]を算出した。
戻り量(紙オムツ型吸収体)[g] = W20 − W19
(実施例7)
実施例7において、図15に示す器具を用いた。即ち突起物119を用いる代わりに、四隅に脚状物120をもつ荷重104を用いた。前記吸液時間、拡散長、戻り量を問題なく測定できた。
(実施例8)
実施例8において、図16に示す器具を用いた。即ち突起物119を用いる代わりに、天板200の円筒部分にストッパー109を設け、そのストッパー上に荷重104が載るようにした。やや荷重が天板200の中央部分にかかりすぎる傾向があったが、前記吸液時間、拡散長、戻り量を問題なく測定できた。
(実施例9)
国際公開第2012/43821号に記載の戻り量(Re−Wet)(ミニ吸収体)に適した器具(図17)を作製した。ここで、支持円筒100として、内径90mmのSUS製シャーレを用い、押し面が直径89mmの透明アクリル樹脂製のピストン103、ミニ吸収体に4.8kPaの荷重をかけることができる金属製の荷重104を用意した。ピストン103は本体と本体から上方に延在する柱状物を備えており、本体と柱状物を貫通するように直径5mmの貫通穴202が設けられていた。また、柱状物にはストッパー109が設けられており、荷重104はピストンの本体から浮いている。ミニ吸収体の状態は支持円筒100と荷重104の隙間から、ピストンの本体を通して見ることができた。更に吸収させる生理食塩水108を青色2号で着色することで、生理食塩水の拡散が見えやすくなった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
発明者らは、測定中の吸水性樹脂の状態を視認できる測定器具を見出した。本発明の測定器具は、吸水性樹脂の改良・開発において有用である。
100 支持円筒
101 金網
102 膨潤ゲル
103 ピストン
104 荷重
105 ペトリ皿
106 ガラスフィルター
107 濾紙
108 生理食塩水
109 ストッパー
110 天秤
111 容器
112 外気吸入パイプ
113 導管
114 測定部
115 シート
116 支持角筒
117 吸収体
118 測定部
119 突起物
120 脚状物
200 天板
201 底板
202 貫通穴

Claims (30)

  1. 支持筒と
    本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと
    該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該支持筒および該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
    該荷重は不透明であり、
    該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  2. 支持筒と
    本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえるピストンと
    該柱状物に嵌合するための孔部がある荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
    該荷重は不透明であり、
    該ピストンが、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、荷重と支持筒の隙間から、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  3. 支持筒と
    本体と本体から上方に突起物をそなえるピストンと
    荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
    該荷重は不透明であり、
    該ピストンが、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、ピストンの本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  4. 支持筒と
    ピストンと
    下方に脚状物をそなえる荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該ピストンは透明であり、該ピストンは、該支持筒の内部を移動可能なサイズおよび形状であり、
    該荷重は不透明であり、
    該荷重は該脚状物で支持される状態でピストン上に設置可能であり、ピストンを通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  5. 前記支持筒は、透明アクリル樹脂製である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の器具。
  6. 前記ピストンは、透明アクリル樹脂製である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の器具。
  7. 前記器具は、前記支持筒の一方に吸水性物体を配置し得るように取り付けられる網状の部材をさらに含み、該網状の部材は支持筒の底部を構成していて、水を通過させるが、該吸水性物体は通過させないものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の器具。
  8. 前記器具は、濾紙の上に置いて吸水性物体の検査を行うものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の器具。
  9. 前記器具によって測定されるパラメーターは、AAP(加圧下吸水倍率)である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の器具。
  10. 前記器具によって測定されるパラメーターは、拡散吸水倍率である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の器具。
  11. 前記ピストンは、上下方向に貫通した穴を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の器具。
  12. 底板と
    本体と本体から上方に延在する柱状物をそなえる天板と
    荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該天板は透明であり、
    該荷重は不透明であり、
    該天板が、該柱状物の特定の高さの位置に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  13. 底板と
    本体と本体から上方に突起物をそなえる天板と
    荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該天板は透明であり、
    該荷重は不透明であり、
    該天板が、該突起物の上に該荷重を保持可能であり、天板の本体を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  14. 底板と
    天板と
    下方に脚状物をそなえる荷重と
    を含む吸水性物体の測定器具であって、
    該天板は透明であり、
    該荷重は不透明であり、
    該荷重は該脚状物で支持される状態で天板上に設置可能であり、天板を通して該本体の下にある吸水性物体を視認できる、器具。
  15. 前記天板は、透明アクリル樹脂製である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の器具。
  16. 前記底板は、透明アクリル樹脂製である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の器具。
  17. 前記天板は、上下方向に貫通した穴を有する、請求項12〜16のいずれか1項に記載の器具。
  18. 前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する、請求項1、2、又は、12のいずれか1項に記載の器具。
  19. 前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記荷重が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、請求項18に記載の器具。
  20. 前記支持部材は、円筒状の部材であって、該円筒状の部材上端面と前記荷重とが接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、請求項18に記載の器具。
  21. 前記支持部材は、前記荷重を特定の高さの位置に保持するために十分な摩擦力を有する摩擦部である、請求項18に記載の器具。
  22. 前記柱状物は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する、請求項1、2、又は、12のいずれか1項に記載の器具。
  23. 前記柱状物の形状は、少なくとも一部が支持筒の底部に向かって漸増する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である、請求項22に記載の器具。
  24. 前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための支持部材を有する、請求項1、2、又は、12のいずれか1項に記載の器具。
  25. 前記支持部材は、突起状の部材であって、該突起状の部材と前記柱状物が接することによって、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重が保持される、請求項24に記載の器具。
  26. 前記荷重は、前記柱状物の特定の高さの位置に前記荷重を保持可能にするための形状を有する、請求項1、2、又は、12のいずれか1項に記載の器具。
  27. 前記荷重の孔部は、少なくとも一部が荷重の上面部に向かって漸減する面構造を有し、特定の高さの位置で前記孔部が保持される形状である、請求項26に記載の器具。
  28. 前記荷重の形状は、リング状であり、そのことにより前記ピストンの下にある吸水性物体を視認できる、請求項26に記載の器具。
  29. 前記荷重は、金属製である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の器具。
  30. 前記吸水性物体は、吸水性樹脂または吸収体である、請求項1〜29のいずれか1項に記載の器具。
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