JP2017026385A - 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置 - Google Patents

熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017026385A
JP2017026385A JP2015143273A JP2015143273A JP2017026385A JP 2017026385 A JP2017026385 A JP 2017026385A JP 2015143273 A JP2015143273 A JP 2015143273A JP 2015143273 A JP2015143273 A JP 2015143273A JP 2017026385 A JP2017026385 A JP 2017026385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal conductivity
measurement object
heat
measurement
differential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015143273A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6634546B2 (ja
Inventor
長谷川 壽一
Juichi Hasegawa
壽一 長谷川
志宏 後藤
Shiko Goto
志宏 後藤
千葉 勇
Isamu Chiba
勇 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eko Instruments Trading Co Ltd
Original Assignee
Eko Instruments Trading Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eko Instruments Trading Co Ltd filed Critical Eko Instruments Trading Co Ltd
Priority to JP2015143273A priority Critical patent/JP6634546B2/ja
Publication of JP2017026385A publication Critical patent/JP2017026385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6634546B2 publication Critical patent/JP6634546B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

【課題】短時間で正確な熱伝導率を測定する。【解決手段】熱伝導率の測定対象物に接するように配置された熱発生源と、熱発生源に接するように配置された熱抵抗材と、熱発生源から熱が流れることによって発生する熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を測定する、少なくとも1対の示差熱電対と、示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて、測定対象物の熱伝導率を算出する計算装置と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置に関する。
真空断熱材(VIP:Vacuum Insulation Panel)は、断熱性能が高く大きな省エネルギー効果が得られるため、冷蔵庫のみならず住宅用建材などへの利用も進んでいる。真空断熱材は、リークによる真空度低下などの原因により性能が低下するが、それを目視で確認することは困難なため、熱伝導率の測定による確認が必須である。試験体の熱伝導率を測定する方法は、例えば特許文献1,2等にも記載されている。
米国特許第6676287号明細書 特開2013−88258号公報
しかし、特許文献1,2に記載された方法では、短時間で正確な熱伝導率を測定することは困難であった。すなわち、熱伝導率を正確に測定するためには、測定対象物の温度変化が一定の定常状態に達した時点での熱電対の出力を用いることが望ましいが、一般に温度上昇が定常状態に達するまでには時間がかかり、特に熱伝導率がきわめて低い真空断熱材では、長い時間が必要である。
そこで、本発明は、短時間で正確な熱伝導率を測定することを一つの目的とする。
また、本発明は、短時間で効率よく真空度を評価することを一つの目的とする。
本発明に係る熱伝導率測定装置は、熱伝導率の測定対象物に接するように配置された熱発生源と、前記熱発生源に接するように配置された熱抵抗材と、前記熱発生源から熱が流れることによって発生する前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を測定する、少なくとも1対の示差熱電対と、前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する計算装置と、を備えたものである。
また、前記計算装置は、式(1)を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するようにしてもよい。
Y=aX-b …(1)
(但し、式(1)において、Xは前記測定対象物の熱伝導率、Yは前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率、a,bは定数。)
また、前記式(1)における定数a,bは、2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行った結果を式(1)にあてはめることにより求められた値とすることができる。
また、前記計算装置は、あらかじめ2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行い、各材料の熱伝導率と、各材料について測定を行った際の前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率との関係から求められた直線の式を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するようにしてもよい。
また、2つ以上の前記示差熱電対を備え、各々の示差熱電対は、それぞれ異なる2点間の温度差に起因する電圧値を測定し、各々の示差熱電対は直列接続され、前記計算装置は、直列接続された複数の示差熱電対の出力の時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するようにしてもよい。
また、前記熱発生源の前記測定対象物と接する表面に、前記測定対象物の凹凸形状を吸収する緩衝材を備えるようにしてもよい。
また、前記熱発生源からの横方向の熱流によって前記熱抵抗材内部に生じる温度差を測定する機構を備え、前記計算装置は、測定された横方向の温度差を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を補正するようにしてもよい。
本発明に係る熱伝導率測定方法は、制御装置が、熱伝導率の測定対象物と熱抵抗材に接するように配置された熱発生源から熱を発生させ、計算装置が、示差熱電対によって測定された、前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を取得し、前記計算装置が、前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、前記計算装置が、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するものである。
また、前記計算装置は、式(1)を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するようにしてもよい。
Y=aX-b …(1)
(但し、式(1)において、Xは前記測定対象物の熱伝導率、Yは前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率、a,bは定数。)
また、前記式(1)における定数a,bは、2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行った結果を式(1)にあてはめることにより求められた値とすることができる。
また、前記計算装置は、あらかじめ2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行い、各材料の熱伝導率と、各材料について測定を行った際の前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率との関係から求められた直線の式を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出するようにしてもよい。
本発明に係る真空度評価装置は、真空度の測定対象物に接するように配置された熱発生源と、前記熱発生源に接するように配置された熱抵抗材と、前記熱発生源から熱が流れることによって発生する前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を測定する、少なくとも1対の示差熱電対と、前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する計算装置と、算出された前記熱伝導率に基づいて、前記測定対象物の真空度を評価する真空度評価部と、を備えたものである。
本発明によれば、短時間で正確な熱伝導率を測定することができる。
また、本発明によれば、短時間で効率よく真空度を評価することができる。
本発明の実施の形態による、熱伝導率測定装置の構成を示す図。 本発明の実施の形態による、熱伝導率測定装置の測定部の構成を示す図。 本発明の実施の形態による、熱伝導率測定装置の測定原理を説明する図。 本発明の実施の形態による、熱伝導率測定装置の動作のフローチャート。 本発明の実施の形態による、示差熱電対の出力電圧の時間変化を表したグラフ。 本発明の実施の形態による、各種の材料の熱伝導率と示差熱電対の出力の時間変化率を示す表。 本発明の実施の形態による、各種の材料の熱伝導率と示差熱電対の出力の時間変化率の関係を表したグラフ。 本発明の実施の形態による、中心部と周縁部の温度差を測定する示差熱電堆の例を示す図。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態による熱伝導率測定装置10の構成を示す図である。図1に示すように、熱伝導率測定装置10は、測定部11、表示装置12、制御装置13、コンピュータ(計算装置、真空度評価部)14を備えている。測定部11、表示装置12、制御装置13、コンピュータ14は、通信回線を介して接続されている。熱伝導率測定装置10は、必要に応じて、バーコード、QRコード(登録商標)リーダーなどを備え、測定対象物に付与されたバーコードを読み取り、自動的に測定対象物を識別できるようにしてもよい。
熱伝導率測定装置10は、真空断熱材などの測定対象物30の熱伝導率を測定する装置である。熱伝導率測定装置10は、測定部11において熱電対を利用して取得した測定データを制御装置13において処理し、さらにコンピュータ14で解析することにより、測定対象物30の熱伝導率を算出する。
図2は、測定部11の構成を示す分解図である。図2に示すように、測定部11は、ヒーター(熱発生源)21、熱抵抗材22、示差熱電対23、カバー24、重り25を備えている。
ヒーター21は、熱抵抗材22と真空断熱材などの測定対象物30に接触するように配置される。ヒーター21は、中央部に測定する熱流を発生する主熱発生部、その外周に、横方向のヒートブリッジを防ぐ副熱発生部を備えた2重構造としてもよい。ヒーター21には、温度変化の少ない材料(コンスタンタン等)を用いる。ヒーター21は、例えば、カバーレイとコンスタンタンシートを貼り付けて、エッチングでヒーターのパターンを作成した薄いフィルム状のものとすることができる。主熱発生部のメインヒーターは、例えば外形φ28mm、内部抵抗は約45Ω、供給電流は100mAとすることができる。副熱発生部のガードヒータは、メインヒーターの外周にドーナツ状に配置し、例えば幅6mm、内部抵抗は約45Ω、供給電流は100mAとすることができる。
熱抵抗材22は、熱流によって内部に温度差が生じるものであり、例えば、スーパーシリカを用いることができる。スーパーシリカは無機素材であり、温度による素材変化が起こりにくく、熱伝導率は、0.0438W/mK(乾燥時)である。
示差熱電対23は、ヒーター21から熱が流れることによって発生する熱抵抗材22内部の2点間の温度差を測定し、その温度差に起因する電圧値を出力する。
示差熱電対23は、熱抵抗材2内部の少なくとも一対の2点間で温度差を測定できるように設けられている。温度差を測定する2点は、ヒーター21からの熱流の方向に沿って配置されるようにすると、2点間で温度差が発生しやすくなるため望ましい。例えば、図3に示すように、一方の点T1(温接点)をヒーター21に接する面に設け、他方の点T2(冷接点)を点T1から熱流の方向(図3では鉛直方向)に移動した位置(例えばT1から20mm離れた位置。)に設けるようにしてもよい。示差熱電対23には、例えば銅−コンスタンタン熱電対を用いることができる。線径は例えばφ0.1mm、抵抗値は15Ωとすることができる。
示差熱電対23は、熱抵抗材2内部の2対以上の2点間で温度差を測定できるように複数設けるようにしてもよい。例えば、図3に示す(T1,T2)のような組み合わせを、熱抵抗材2内部に均等に3〜4組設けるようにして、それぞれの2点間の温度差を測定できるように複数の示差熱電対を設ける。各々の示差熱電対は直列接続され、直列接続された複数の示差熱電対の出力が制御装置13に供給される。このように、複数の示差熱電対を用いて複数組の温度差を測定し、直列接続された複数の示差熱電対の出力を得ることにより、より大きな出力電圧の値が得られ、制御装置13における増幅処理の際などに受けるノイズの影響を小さく抑えることができる。
カバー24は、ヒーター21と熱抵抗材22を被覆するものであり、熱抵抗材22の表面の劣化を防ぐとともに、外部の雰囲気温度の影響を防いでいる。カバー24には、伝導率が小さすぎない材料が適しており、例えばテフロン(登録商標)製やアクリル製とすることができる。カバー24は、図2に示すように、熱抵抗材22と同様の形状で、熱抵抗材22よりも一回り大きい形状に形成されており、厚さは例えば5mmとすることができる。
重り25は、熱抵抗材22の上に配置され、重力によって熱抵抗材22、ヒーター21及び測定対象物30を密着することができる。重り25は、例えば真鍮製とすることができる。
表示装置12は、熱伝導率測定の経過の情報や測定部11の状態、測定結果等を文字や画像で表示する。表示装置12は、制御装置13からの指示に基づいてこれらの情報を表示する。
制御装置13は、表示装置12の表示制御、測定部11のヒーター21の電流制御等を行うと共に、示差熱電対23からの出力をコンピュータ14に送信する。図2に示すように、制御装置13は、増幅器(AMP)131、A/D変換器132、定電流回路133、CPU134、USBインタフェース135、RS−232Cインタフェース136を備えている。示差熱電対23からの出力電圧は、増幅器131で増幅された後、A/D変換器132でデジタル信号に変換されてCPU134に供給される。デジタル信号に変換された出力結果は、USBインタフェース135またはRS−232Cインタフェース136を介してコンピュータ14に送信される。また、制御装置13は、定電流回路133からヒーター21に定電流(例えば100mA)を供給する。
コンピュータ14は、制御装置13から受信した測定部11における測定結果を用いて測定対象物30の熱伝導率を計算する。また、コンピュータ14は、制御装置13から受信するその他の情報の管理も行う。コンピュータ14は、本体装置と、ディスプレイ、およびマウス、キーボード等の入力手段を有している。コンピュータ14における熱伝導率の算出の詳しい手順については後述する。
次に、熱伝導率測定装置10による熱伝導率測定方法について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、測定対象物30を測定部11のヒーター21に接するようにセットし、測定に必要なパラメータがコンピュータ14を介して制御装置13に入力される。パラメータは、例えば、ヒーター21に供給される電流値、熱伝導率の算出に必要な定数等である。それらの準備が整うと、測定が開始される(ステップS1)。
測定が開始すると、定電流回路133からヒーター21に定電流が供給され、ヒーター21で発生した熱が測定対象物30と熱抵抗材22に流れる(ステップS2)。
熱抵抗材22に熱が流れると、示差熱電対23によって、熱抵抗材22の2点間に生じた温度差による電圧値が測定され、測定された電圧値が制御装置13に供給される(ステップS3)。
図3は、熱伝導率測定装置10の測定原理を示す図である。図3に示すように、測定対象物30の断熱性が悪い(熱伝導率が高い)ほど、測定対象物30側への熱の流れが多くなるため、熱抵抗材22への熱の流入は少なくなる。したがって、熱抵抗材22の内部の温度差は小さく、示差熱電対23の出力電圧も小さくなる。一方、測定対象物30の断熱性が良い(熱伝導率が低い)ほど、熱抵抗材22への熱の流入は多くなり、示差熱電対23の出力電圧も大きくなる。この原理を利用して、熱抵抗材22の内部に生じた温度差によって、間接的に測定対象物30の熱伝導率を測定することができる。
制御装置13では、測定部11から供給された電圧値を、増幅器131で増幅した後、A/D変換器132でデジタル信号に変換されてCPU134に供給する。さらに、制御装置13は、デジタル信号に変換された電圧値をコンピュータ14に送信する(ステップS4)。なお、示差熱電対23による熱伝導率の測定の開始と同時に、コンピュータ14は測定時間の計測を開始し、所定の時間(例えば30秒)が経過すると、制御装置13に測定を終了させる指示を送信する。示差熱電対23が出力する電圧値は、測定継続中、リアルタイムにコンピュータ14に提供される。
コンピュータ14は、制御装置13から取得した示差熱電対23の出力電圧の時間変化率(一次微分、dV/dt)を算出する(ステップS5)。
さらに、コンピュータ14は、算出した時間変化率に基づいて、測定対象物30の熱伝導率を算出する(ステップS6)。従来は、正確な熱伝導率を測定するために、温度差が定常状態に達するまでヒーター21に電流を供給して測定を行っていたため、2分程度の測定時間が必要であった。これに対し、本実施形態では、示差熱電対23の出力電圧をリアルタイムに時間微分して時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて測定対象物30の熱伝導率を算出するので、測定時間は従来の半分以下で済み、短時間で正確な熱伝導率を測定することができる。
図5は、示差熱電対23の出力電圧の時間変化を表したグラフである。図中、Aで示す曲線は断熱性の悪い(熱伝導率が高い)測定対象物30を用いて測定を行った結果、Bで示す曲線は断熱性の良い(熱伝導率が低い)測定対象物30を用いて測定を行った結果を示している。コンピュータ14は、示差熱電対23の出力電圧値の時間変化率(傾き)を算出する。示差熱電対23の熱伝導率(X)と、出力電圧の傾き(Y)の関係は、下記の式(1)で表すことができる。
Y=aX-b …(1)
(a,bは、定数)
定数a,bは、2種類以上の熱伝導率が既知のサンプルを用いて測定を行った結果を式(1)にあてはめることにより、あらかじめ求めておくことができる。なお、定数a,bの算出に用いるサンプルは、熱伝導率が測定対象物30の熱伝導率に概ね近い値であることが望ましい。サンプルは、できれば5種類以上用意し、それぞれについて2〜3回、熱伝導率測定装置10において測定を行い、各サンプルについての示差熱電対23の出力の平均値を求める。コンピュータ14は、式(1)のYに、示差熱電対23の出力電圧の時間変化率(傾き)を当てはめることにより、測定対象物30の熱伝導率を算出することができる。
また、図6は、各サンプルの熱伝導率と示差熱電対の出力の傾きを示す表であり、図7は、図6の結果をグラフに表したものである。横軸に熱伝導率、縦軸に示差熱電対の出力の傾きを取っている。図7に示すように、各サンプルの結果をプロットすると、ほぼ直線上に配置されることが分かる。具体的には、図7に示すように、ほぼY=0.0392X-0.492の関係を満たしている。したがって、この検量線の式をあらかじめ求めておき、測定対象物30の測定結果(示差熱電対の出力の傾き)を当てはめることにより、測定対象物30の熱伝導率を算出することができる。
コンピュータ14は、算出した測定対象物30の熱伝導率に基づいて、測定対象物30の良否判定を行う(ステップS7)。例えば、算出された熱伝導率の値が所定の範囲に入るか否かによって合否を判定するようにしてもよい。判定結果は、コンピュータ14のディスプレイや表示装置12に表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、コンピュータ14は、制御装置13から取得した示差熱電対23の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて、測定対象物30の熱伝導率を算出するようにしたので、測定される温度差が定常状態に達するまで待つ必要がなく、短時間で正確な熱伝導率を測定することができる。
また、複数の示差熱電対を用いて複数個所の温度差を測定し、直列接続された複数の示差熱電対の出力を用いて熱伝導率を算出するようにしたので、より大きな出力電圧の値を用いて処理が行え、制御装置13における増幅処理の際などに受けるノイズの影響を小さく抑えることができる。
なお、本実施形態では、コンピュータ14が制御装置13から取得した示差熱電対23の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて、測定対象物30の熱伝導率を算出するようにしたが、例えば、示差熱電対23の出力電圧の時間変化率の算出は、制御装置13に実装されたソフトウェア等により行うようにしてもよい。
また、測定対象物30の表面に凹凸形状などがある場合、ヒーター21と測定対象物30を密着させることができず、熱伝導率が正確に測定できない可能性がある。このため、ヒーター21の測定対象物30と接する表面に、測定対象物30の凹凸形状を吸収する緩衝材を備えるようにしてもよい。具体的には、ヒーター21の表面に、厚さ0.3〜0.6mm程度のシリコーン製等のシートを貼り付けることにより、測定対象物30表面の凹凸形状がシートに吸収され、より正確に熱伝導率を測定することができる。
また、住宅用建材として使用される真空断熱材の場合、保護などの目的で真空断熱材が発泡材などでカバーされていることがある。このような場合、発泡材による影響でヒーター21からの熱流が横方向に逃げ、熱流の方向(図3のT1からT2へ向かう方向)に沿った温度差の測定が正確に行えなくなる可能性がある。このため、ヒーター21に横方向の熱流を監視し、補償するための機構を設けるようにしてもよい。具体的には、図8に示すような中心部と周縁部の温度差を測定する示差熱電堆26を用いて測定を行うようにしてもよい。図8は、熱抵抗材22のヒーター21と接する面を示している。示差熱電堆26は、熱抵抗材22の表面の中心部の点と周縁部の点の間の温度差を測定し、温度差に基づく電圧を出力する。図8に示すように、中心部の点T3と周縁部の点T4はそれぞれ複数設けられており、各々のT3とT4の間の温度差を測定する8対の示差熱電対が直列接続されている。コンピュータ14および制御装置13では、直列接続された8対の示差熱電対の出力を用いて、中心部と周縁部の間での横方向の熱流分を補償し、測定対象物30の熱伝導率を補正する。
(真空度評価装置)
本発明による熱伝導率測定装置は、測定対象物30が真空断熱材等である場合、熱伝導率を用いて測定対象物30の真空度を評価する真空度評価装置として用いることもできる。この場合、コンピュータ14に、測定する真空断熱材の真空度を評価するためのパラメータ(合否判定の閾値となる熱伝導率等)を記憶しておく。コンピュータ14は、例えば、算出した測定対象物30の熱伝導率を閾値となる熱伝導率と比較し、測定値が閾値以下であれば合格と判定し、測定値が閾値よりも大きい場合には不合格と判定する。
このように、測定した熱伝導率を利用して測定対象物30の真空度を評価することにより、短時間で効率よく真空度を評価することができる。
10 熱伝導率測定装置、11 測定部、12 表示装置、13 制御装置、14 コンピュータ、21 ヒーター、22 熱抵抗材、23 示差熱電対、24 カバー、25 重り、26 示差熱電堆、30 測定対象物、131 増幅器(AMP)、132 A/D変換器、133 定電流回路、134 CPU、135 USBインタフェース、136 RS−232Cインタフェース

Claims (12)

  1. 熱伝導率の測定対象物に接するように配置された熱発生源と、
    前記熱発生源に接するように配置された熱抵抗材と、
    前記熱発生源から熱が流れることによって発生する前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を測定する、少なくとも1対の示差熱電対と、
    前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する計算装置と、を備えた熱伝導率測定装置。
  2. 前記計算装置は、
    式(1)を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、請求項1に記載の熱伝導率測定装置。
    Y=aX-b …(1)
    (但し、式(1)において、Xは前記測定対象物の熱伝導率、Yは前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率、a,bは定数。)
  3. 前記式(1)における定数a,bは、2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行った結果を式(1)にあてはめることにより求められた値である、請求項2に記載の熱伝導率測定装置。
  4. 前記計算装置は、
    あらかじめ2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行い、各材料の熱伝導率と、各材料について測定を行った際の前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率との関係から求められた直線の式を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、請求項1に記載の熱伝導率測定装置。
  5. 2つ以上の前記示差熱電対を備え、各々の示差熱電対は、それぞれ異なる2点間の温度差に起因する電圧値を測定し、各々の示差熱電対は直列接続され、
    前記計算装置は、直列接続された複数の示差熱電対の出力の時間変化率を算出し、算出した時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱伝導率測定装置。
  6. 前記熱発生源の前記測定対象物と接する表面に、前記測定対象物の凹凸形状を吸収する緩衝材を備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の熱伝導率測定装置。
  7. 前記熱発生源からの横方向の熱流によって前記熱抵抗材内部に生じる温度差を測定する機構を備え、
    前記計算装置は、測定された横方向の温度差を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を補正する、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱伝導率測定装置。
  8. 制御装置が、熱伝導率の測定対象物と熱抵抗材に接するように配置された熱発生源から熱を発生させ、
    計算装置が、示差熱電対によって測定された、前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を取得し、
    前記計算装置が、前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、
    前記計算装置が、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、熱伝導率測定方法。
  9. 前記計算装置は、
    式(1)を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、請求項8に記載の熱伝導率測定方法。
    Y=aX-b …(1)
    (但し、式(1)において、Xは前記測定対象物の熱伝導率、Yは前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率、a,bは定数。)
  10. 前記式(1)における定数a,bは、2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行った結果を式(1)にあてはめることにより求められた値である、請求項9に記載の熱伝導率測定方法。
  11. 前記計算装置は、
    あらかじめ2種類以上の熱伝導率が既知の材料を用いて測定を行い、各材料の熱伝導率と、各材料について測定を行った際の前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率との関係から求められた直線の式を用いて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する、請求項8に記載の熱伝導率測定方法。
  12. 真空度の測定対象物に接するように配置された熱発生源と、
    前記熱発生源に接するように配置された熱抵抗材と、
    前記熱発生源から熱が流れることによって発生する前記熱抵抗材の2点間の温度差に起因する電圧値を測定する、少なくとも1対の示差熱電対と、
    前記示差熱電対の出力電圧の時間変化率を算出し、算出した前記時間変化率に基づいて、前記測定対象物の熱伝導率を算出する計算装置と、
    算出された前記熱伝導率に基づいて、前記測定対象物の真空度を評価する真空度評価部と、を備えた真空度評価装置。
JP2015143273A 2015-07-17 2015-07-17 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置 Active JP6634546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143273A JP6634546B2 (ja) 2015-07-17 2015-07-17 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143273A JP6634546B2 (ja) 2015-07-17 2015-07-17 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017026385A true JP2017026385A (ja) 2017-02-02
JP6634546B2 JP6634546B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=57949531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015143273A Active JP6634546B2 (ja) 2015-07-17 2015-07-17 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6634546B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018100608A1 (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 英弘精機株式会社 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018100608A1 (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 英弘精機株式会社 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置
US11193901B2 (en) 2016-11-29 2021-12-07 Eko Instruments Co., Ltd. Thermal conductivity measuring device, thermal conductivity measuring method and vacuum evaluation device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6634546B2 (ja) 2020-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018100608A1 (ja) 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置
KR102630649B1 (ko) 비-침습적 열 조사를 위한 장치, 시스템들 및 방법들
JP5985653B2 (ja) 材料の熱物性値を推定するプロセス、該推定プロセスを含む測定プロセス、及び自己調整流量計
JP2008309729A (ja) 熱伝導率測定装置および熱伝導率測定方法
WO2015137075A1 (ja) 内部温度測定方法及び内部温度測定装置
Manjhi et al. Performance assessment of K-type, E-type and J-type coaxial thermocouples on the solar light beam for short duration transient measurements
CN109282912A (zh) 用于确定介质的温度的过程自动化技术传感器和方法
JP2011102768A (ja) 熱特性の測定方法
Michalski et al. Comparison of two surface temperature measurement using thermocouples and infrared camera
RU2577389C1 (ru) Способ калибровки термоэлектрических датчиков тепловых потоков
Vega et al. Fire thermal boundary condition measurement using a hybrid heat flux gage
JP2017026385A (ja) 熱伝導率測定装置、熱伝導率測定方法、及び真空度評価装置
Arpino et al. Design of a calibration system for heat flux meters
Gavignet et al. Dynamic operation of a micro-thermocouple sensor as a vacuum gauge
Holmsten et al. Inhomogeneity measurements of long thermocouples using a short movable heating zone
García Izquierdo et al. Evaluation of the self‐heating effect in a group of thermometers used in meteorological and climate applications
Garinei et al. A laser calibration system for in situ dynamic characterization of temperature sensors
KR101261627B1 (ko) 열 유속 측정 장치 및 이를 포함하는 열 유속 측정 시스템
JP2006071565A (ja) 断熱材における断熱性能の検査方法と検査装置
KR20160064272A (ko) 열전박막의 수직방향 열전특성 측정센서유닛
KR102257190B1 (ko) 열전도율 측정시스템 및 이를 이용한 열전도율 측정방법
Hohmann et al. Calibration of heat flux sensors with small heat fluxes
JP2006078185A (ja) 断熱性能検査方法と検査装置
Hubble et al. Development and evaluation of the time-resolved heat and temperature array
JP2015087277A (ja) 測温体校正装置、測温体校正システム及び測温体校正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6634546

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250