JP2017025675A - 耐力壁 - Google Patents

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内藤 晃
Akira Naito
晃 内藤
武 東郷
Takeshi Togo
武 東郷
大偉 劉
Daii Ryu
大偉 劉
小林 昌弘
Masahiro Kobayashi
昌弘 小林
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Abstract

【課題】波形鋼板の優れた耐震機能を得ながら、広いスリーブ挿通用開口を確保することができ、かつ構造設計および製造が容易な耐力壁を提供する。【解決手段】耐力壁1は、左右の縦フレーム材3,3および上下端の横フレーム材4,5により組まれた外周フレーム2と、中桟となる上下複数本の横フレーム材6とを備える。外周フレーム2は、中桟となる横フレーム材6を境界として上下に並ぶ複数の区画層aに区画され、各区画層aに耐力要素となる波形鋼板7が設けられる。各区画層aのうちの一部の区画層aに、他の区画層aには無く、または他の区画層aに設けられるよりも横幅の広いスリーブ挿通用開口Gが、一部の区画層aの上下の横フレーム材4,6間に渡って設けられる。【選択図】図6

Description

この発明は、戸建住宅や、その各種の建築物の外壁等となる耐力壁に関する。
従来、工業化住宅に用いられる耐力壁として、外周フレーム内に水平耐力要素となる角波鋼板を配置したものがある。角波鋼板などのメンブレン型の耐力要素を用いると、紡錘型の変形履歴が得られると言う利点がある。
特許第4414832号公報 特開2003−176582号公報 特許第5341335号公報 特許第5383166号公報 特開平10−184076号公報 特許第3506528号公報
従来の耐力要素として波形鋼板を用いた耐力壁は、上記のような種々の利点がある。しかし、耐力壁の全面に波形鋼板が張られていると、配管や配線を通すためのスリーブ開口スペースを得ることができない。波形鋼板にスリーブ開口を形成すると、耐力要素しての機能が低下する。
そこで、図11に示すように、パネルフレーム100内を上下複数段に区画した耐力壁において、最上層の区画に水平力Pに対する耐力要素としてブレース105を設け、残りの各区画に波形鋼板104を設けたものが提案されている。ブレース105は、上端が横フレーム材102の中央に接合され、下端が横フレーム材に接合される。この構成によると、耐力壁のブレース105を設けた区画において、十分なスリーブ開口スペースを得ることができる。
しかし、上端の区画のみにブレース105を用いると、ブレース105と波形鋼板104とでは構造性能が異なるため、材料ばらつきによる影響を受けやすく、構造設計が行い難いという問題がある。また、ブレース105を設ける個所と角波鋼板104を設ける個所とでパネル組立方法となるため、製造工程が複雑になるという問題がある。
この発明の目的は、波形鋼板の優れた耐震機能を得ながら、広い開口を耐力壁に確保することができ、かつ構造設計および製造が容易な耐力壁を提供することである。
この発明の耐力壁は、左右の縦フレーム材および上下端の横フレーム材により組まれた外周フレームと、この外周フレームの前記左右の縦フレーム材に両端が接合されて中桟となる上下一本または複数本の横フレーム材とを備え、前記中桟となる横フレーム材を境界として上下に並ぶ複数の区画層に区画され、各区画層に耐力要素となる波形鋼板が設けられた耐力壁であって、
前記各区画層のうちの一部の区画層に、他の区画層には無く、または他の区画層に設けられるよりも横幅の広い開口が、前記一部の区画層の上下の横フレーム材間に渡って設けられていることを特徴とする。
この構成によると、耐力要素として全ての区画層に波形鋼板を用いるため、紡錘型の変形履歴となる優れた耐震機能が得られ、またブレースを用いる場合に比べて鋼材使用量が少なくて済む。耐力要素として波形鋼板を用いるが、一部の区画層に、他の区画層には無く、または他の区画層に設けられるよりも横幅の広い開口を、その区画層の上下の横フレーム材間に渡って設けるため、広い開口を確保することができる。また、全ての区画層に耐力要素として波形鋼板を用いるため、一部の区画層にブレースを用いる場合に比べて、構造設計および製造が容易となる。なお、前記開口は、例えばスリーブ挿通用に用いられる。
この発明において、前記一部の区画層に設けられる波形鋼板は、前記外周フレームの両側の縦フレーム材間の幅よりも横幅が狭く、前記波形鋼板が前記外周フレームの横幅方向に偏って配置されることで、前記波形鋼板と前記縦フレーム材との間に前記開口が設けられていても良い。
この構成の場合、前記波形鋼板を外周フレームの横幅方向に偏らせることで前記開口を広げるため、全ての区画層に同じ幅の波形鋼板を用いることができ、部材種類数を増やすことなく、広い開口を得ることができる。
この発明において、前記一部の区画層の前記波形鋼板の横幅を、前記他の区画層に設けられる波形鋼板よりも狭くすることで、前記波形鋼板の左右両側に、前記波形鋼板と前記外周フレームの前記縦フレーム材との間に前記開口が設けられ、前記の横幅を狭くした波形鋼板は、他の区画層の波形鋼板よりも肉厚が厚くても良い。
この構成の場合、一部の波形鋼板の横幅を狭くするため、広い開口を得ることができる。前記一部の波形鋼板は横幅を狭くするが、肉厚を他の区画層の波形鋼板の肉厚よりも厚くするので、横幅を狭くして開口を広げながら、他の区画層の耐力を均等にすることができる。
この場合に、波形鋼板を偏らせかつ幅狭とする場合は、さらに大きい開口を得ることができる。
この発明において、前記一部の区画層に設けられる波形鋼板は、左右に並ぶ複数の分割鋼板に分割され、隣合う分割鋼板の間に前記開口が形成されても良い。
この構成の場合、波形鋼板を偏らせる場合に比べて、左右均等に耐力を得ることができる。
この発明において、前記区画層が4つであり、前記開口が設けられる前記一部の区画層は、上端の区画層であっても良い。
この構成の場合、上下の中間は幅の広い波形鋼板が設けられるため、耐震性能に優れる。また、耐力壁の上端に広い開口が設けられるため、上下方向の中間に広い開口を設ける場合に比べて、配管や配線が行い易い。
この発明において、前記波形鋼板の横幅は前記左右の縦フレーム材との間に間隔が生じる横幅であって、互いに上下に位置する前記横フレーム材に上下端がそれぞれ固定され、前記波形鋼板の両側縁に沿う位置で上下に延びる固定用補助材が前記横フレーム材に設けられ、前記固定用補助材と重なる位置で前記波形鋼板が前記固定用補助材に固定されるものとしても良い。
この構成の場合、波形鋼板の固定が基本的には上下辺だけの固定となるが、上下辺だけの固定であると、大荷重の作用時に、波形鋼板の左右の側縁で大きな上下方向力が生じる。しかし、横フレーム材に固定された固定用補助材を設け、この固定用補助材に波形鋼板を固定しているため、前記波形鋼板の左右の側縁で生じる上下方向力に十分に抵抗することができる。波形鋼板は、一般的には全周固定とすることで、その変形を均等分布とし、変形の局部集中を避けて大変形時の構造性能を維持させる。しかし、上記のように固定用補助材を用いることで、全周固定と同等に変形の局部集中を避けて大変形時の構造性能を維持させることができ、かつ全周固定の場合に比べて固着具の本数を削減できる。
この発明の耐力壁は、左右の縦フレーム材および上下端の横フレーム材により組まれた外周フレームと、この外周フレームの前記左右の縦フレーム材に両端が接合されて中桟となる上下一本または複数本の横フレーム材とを備え、前記中桟となる横フレーム材を境界として上下に並ぶ複数の区画層に区画され、各区画層に耐力要素となる波形鋼板が設けられた耐力壁であって、前記各区画層のうちの一部の区画層に、他の区画層には無く、または他の区画層に設けられるよりも横幅の広い開口が、前記一部の区画層の上下の横フレーム材間に渡って設けられているため、波形鋼板の優れた耐震機能を得ながら、広い開口を確保することができ、かつ構造設計および製造が容易になる。
この発明の一実施形態にかかる耐力壁の正面図である。 図1におけるII部の拡大図である。 同耐力壁の波形鋼板の拡大断面図である。 同耐力壁の波形鋼板と横フレーム材の関係を示す部分斜視図である。 同耐力壁の波形鋼板取付け前の状態を示す正面図である。 この発明の他の実施形態にかかる耐力壁の正面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる耐力壁の正面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる耐力壁の正面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる耐力壁の正面図である。 耐力壁が2枚隣合う部分の拡大水平断面図である。 提案例の正面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図5、図9と共に説明する。この耐力壁は、例えば2〜3階建の戸建て住宅に用いられる1〜2階に渡る外壁に適用される。図1に正面図で示すように、この耐力壁1は、左右の縦フレーム材3,3および上下端の横フレーム材4,5により組まれた外周フレーム2と、この外周フレーム2の前記左右の縦フレーム材3,3に両端が接合されて中桟となる上下複数本の横フレーム材6と、水平耐力負担用の耐力要素となる複数枚の波形鋼板7とを備える。前記外周フレーム2は、中桟となる横フレーム材6を境界として上下に並ぶ複数の区画層aに区画され、各区画層aに前記波形鋼板7がそれぞれ設けられる。前記縦フレーム材3は、角形鋼管またはその他の断面形状の形鋼からなり、建築部の鉛直荷重を負担する柱となる。各横フレーム材6は、角形鋼管またはその他の断面形状の形鋼からなる。
図示の例では、前記外周フレーム2が、中桟となる3本の横フレーム材6を境界として上下に並ぶ4つの区画層aに区画され、各区画層aには横幅が互いに同じである4枚の波形鋼板7が、それらの波山稜線方向を上下方向とした向きにそれぞれ設けられる。各波形鋼板7の横幅は、前記左右の縦フレーム材3,3との間に隙間が生じる横幅であって、その上下端は上下に位置する横フレーム材4,5,6にドリル付きタッピングねじ等の固着具20でそれぞれ固定される。固着具20の配置間隔は、例えば波形鋼板7の一つの波谷部分に複数、例えば2つ配置される間隔とされる。
4つの区画層aのうち、上端の区画層aを除く3つの区画層aでは、波形鋼板7は、その両側縁と左右の縦フレーム材3との間の間隔が等しくなるように、すなわち区画層aの幅方向の中央に波形鋼板7が位置するように配置される。2段目および3段目の区画層aの波形鋼板7の上下端は、中桟となる上下の横フレーム材6,6にそれぞれ前記固着具20で固定され、下端の区画層aの波形鋼板7の上下端は、中桟となる上の横クレーム材6と下端の横フレーム材5とにそれぞれ固着具20で固定される。
図5に、前記各波形鋼板7を取付ける前の耐力壁1の構成を正面図で示すように、各横フレーム材4,5,6には、波形鋼板7の両側縁に沿う位置で上下方向に片持ち状に延びる固定用補助材10が設けられる。固定用補助材10は、同図の例ではリップ無しの溝形鋼が用いられているが、リップ溝形鋼や、アングル材などの形鋼であっても良く、また短冊状の鋼板であっても良い。波形鋼板7の両側縁は、前記固定用補助材10と重なる位置で、固定用補助材10に、上下に並ぶ複数の固着具20で固定される。なお、固定用補助材10の長さは、この固定用補助材10に波形鋼板7を固定するための固着具20の耐力計算上必要な本数に応じて変えられる。
4つの区画層aのうち、上端の区画層aでは、波形鋼板7が幅方向の片側(図1では右側)に偏って配置されている。すなわち、波形鋼板7の左側縁と左の縦フレーム材3との間隔が他の区画層aの場合よりも広くなるように波形鋼板7が配置される。これにより、この波形鋼板7の右側縁と右の縦フレーム材3との間隔は他の区画層aの場合よりも狭くなる。この配置に合わせて、上端の区画層aに設けられる各固定用補助材10の位置は、図5のように他の区画層aの場合よりも右側にずらされている。これにより、上端の区画層aでは、その左側に他の区画層aに設けられるよりも横幅の広い開口Gが確保される。この開口Gは、例えばスリーブ挿通用開口であり、以下、「スリーブ挿通用開口G」と称す。図2は、図1のII部を拡大して示す。上端の区画層aの波形鋼板7の両側縁が固定用補助材10に固着具20で固定されることは、他の区画層aの場合と同様である。
この実施形態では、前記波形鋼板7は、図3および図4に拡大断面図および斜視図で示すような角波鋼板であり、前記固着具20としてビスなどのねじ部材が用いられる。角波鋼板である波形鋼板7は、図3のように一方向に延びる波山部分7aと波谷部分7bとが交互に並ぶ断面波形(具体的には波山となる波山部分7aの頂部および波谷となる波谷部分7bの底部が平坦部分となる断面矩形または台形)の鋼板であり、ここでは波山稜線方向が上下方向に延びるように、すなわち波山部分7aおよび波谷部分7bの延びる方向が上下方向となるように張られている。
図1に示すように、波形鋼板7の固定は、基本的には上下辺だけの固定となるが、上下辺だけの固定であると、大荷重の作用時に、波形鋼板の左右の側縁で大きな上下方向力が生じる。しかし、横フレーム材4,5,6に固定された固定用補助材10を設け、この固定用補助材10に波形鋼板7を固定しているため、前記波形鋼板7の左右の側縁で生じる上下方向力に十分に抵抗することができる。波形鋼板7は、一般的には全周固定とすることで、その変形を均等分布とし、変形の局部集中を避けて大変形時の構造性能を維持させる。しかし、上記のように固定用補助材10を用いることで、全周固定と同等に変形の局部集中を避けて大変形時の構造性能を維持させることができ、かつ全周固定の場合に比べて固着具20の本数を削減できる。
図9は、この実施形態の2枚の耐力壁1、1の隣接部付近の拡大水平断面を、外装材等を施した外壁パネルとして構成した状態で示す。外周フレーム2の屋外側には合板からなる下地材41および空気層42を介して外装面材43が張られ、外周フレーム2の内部にはグラスウール等の断熱材44,45が充填されている。外周フレーム2の屋内側には内装面材46が張られる。2枚の耐力壁1,1の隣合う縦フレーム材3の屋外側および屋内側には、グラスウールボード等からなる柱部断熱面材47が張られている。
この構成の耐力壁1では、上記したように外周フレーム2が、中桟となる上下複数本の横フレーム材6を境界として上下に並ぶ複数の区画層aに区画され、各区画層aに耐力要素となる波形鋼板7が設けられ、各区画層aのうちの一部の区画層a(ここでは上端の区画層a)に、他の区画層aに設けられる場合よりも横幅の広いスリーブ挿通用開口Gが、その区画層aの上下の横フレーム材4,6間に渡って設けられる。
このように、この耐力壁1では、すべての区画層aの耐力要素を波形鋼板7としていることから、耐力要素としてブレースと波形鋼板を混用する従来例の構成の場合に比べて、構造設計および製造が容易となる。また、この実施形態のように、波形鋼板4として横幅が外周フレーム2の左右の縦フレーム材3,3間の幅よりも狭いものを用い、一部の区画層aにおいてその波形鋼板7の位置を他の区画層aの波形鋼板7の位置よりも左右に偏らせることで、横幅の広いスリーブ挿通用開口Gも容易に確保することができる。
前記他の区画層aに生じる縦フレーム材3と波形鋼板7の間の隙間は、開口幅は狭いが、細い径のスリーブの挿通用開口として利用できる。
図6は、この発明の他の実施形態の正面図を示す。この耐力壁1では、図1〜図5に示した実施形態において、一部の区画層aである上端の区画層aの波形鋼板7の横幅を、他の区画層aに設けられる波形鋼板7よりも狭くしており、その幅方向の位置は他の区画層aの波形鋼板7と同様に幅方向の中央としている。その他の構成は、先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態では、上端の区画層aの波形鋼板7の横幅を他の区画層aの波形鋼板7の横幅よりも狭くしているので、全ての波形鋼板7を各区画層aの幅方向の中央に位置させると、上端の区画層aでは波形鋼板7の両側縁と外周フレーム2の左右の縦フレーム材3,3との間、つまり区画層aの左右両側に、他の区画層aに設けられるよりも横幅の広いスリーブ挿通用開口Gが確保される。この場合、横幅を狭くした波形鋼板 7は、他の区画層aの波形鋼板7よりも肉厚を厚くすることで、横幅を狭くした波形鋼板7を設けた区画層aでの耐力が他の区画層aの耐力と均等になるようにしている。
この実施形態の場合、一部の区画層aの左右両側に、他の区画層aに設けられるよりも横幅の広いスリーブ用挿通用開口Gを確保することができる。その他の作用効果は先の実施形態の場合と同様である。
図7は、この発明のさらに他の実施形態の正面図を示す。この耐力壁1では、図6に示した実施形態の場合と同様に、一部の区画層aである上端の区画層aの波形鋼板7の横幅を、他の区画層aに設けられる波形鋼板7よりも狭くしているが、その幅方向の位置は左右の片側(ここでは右側)に偏らせている。その他の構成は、図6の実施形態の場合と同様である。
この実施形態では、上端の区画層aの波形鋼板7の横幅を他の区画層aの波形鋼板7の横幅よりも狭くしているだけでなく、その波形鋼板7を上端の区画層aの幅方向の一方向(ここでは右側)に偏らせて位置させているので、上端の区画層aの左側に図6の実施形態の場合よりもさらに間隔の広いスリーブ挿通用開口Gが確保される。この場合、左側により広いスリーブ用挿通用開口Gが確保される分、右側における波形鋼板7の側縁と縦フレーム材3との間隔は狭くなる。この場合も、横幅を狭くした波形鋼板 7は、他の区画層aの波形鋼板7よりも肉厚を厚くすることで、横幅を狭くした波形鋼板7を設けた区画層aでの耐力が他の区画層aの耐力と均等になるようにしている。
この実施形態の場合、一部の区画層aの幅方向の片側に、他の区画層aに設けられるよりも横幅の広いスリーブ用挿通用開口Gを確保することができる。その他の作用効果は先の実施形態の場合と同様である。
図8は、この発明のさらに他の実施形態の正面図を示す。この耐力壁1では、図1〜図5に示した実施形態において、一部の区画層aである上端の区画層aの波形鋼板7を、左右に並ぶ複数の分割鋼板(ここでは2枚の分割鋼板)7A,7Aに分割し、隣合う分割鋼板7A,7Aの間に前記スリーブ挿通用開口Gを設けている。各分割鋼板7A,7Aの両側縁が上下の横フレーム材4,6から上下に片持ち状に延びる固定用補助材10に固着具20で固定されることは、図1〜図5の実施形態の場合と同様である。各分割鋼板7A,7Aの合計幅寸法は、他の区画層aの波形鋼板7の幅寸法よりも狭くても良い。
この実施形態の場合には、一部の区画層aである上端の区画層aに他の区画層aに設けられる隙間よりも横幅の広いスリーブ挿通用開口Gを、その区画層aの幅方向中央に確保することができる。その他の作用効果は、図1〜図5に示した実施形態の場合と同様である。
図9は、この発明のさらに他の実施形態の正面図を示す。上記した各実施形態では、外周フレーム2の全ての区画層aの波形鋼板7は、左右の縦フレーム材3,3間の間隔よりも幅狭であって、その両側縁が左右の縦フレーム材3,3から幅方向に間隔を開けて設けられる例を示した。この実施形態の耐力壁1では、図6に示した実施形態において、一部の区画層aである上端の区画層aを除く他の区画層aの波形鋼板7の両側縁が左右の縦フレーム材3,3に固定されている。これらの区画層aでは左右の縦フレーム材3,3と波形鋼板7の両側縁との間に隙間は無い。固定用補助材10も用いられていない。上端の区画層aの波形鋼板7は横幅が狭いので、図6の実施形態の場合と同様に、その区画層aの左右両側に横幅の広いスリーブ挿通用開口Gが確保される。この場合も、上端の区画層aの波形鋼板7は、その両側縁が前記固定用補助材10に固着具20で固定されるが、例えば固定用補助材10を用いず波形鋼板7の両側縁の固定を省略しても良い。
なお、前記各実施形態では、上端の区画層aのみに広いスリーブ挿通用開口Gを設けるようにしたが、下端の区画層aのみ、または上下両端の区画層a、または中間の区画層aに、上記各実施形態と同様に、上端の区画層aと同様に広いスリーブ挿通用開口Gを設けるように、波形鋼板7の横幅、配置などを変えても良い。
1…耐力壁
2…外周フレーム
3…縦フレーム材
4,5,6…横フレーム材
7…波形鋼板
7A…分割鋼板
10…固定用補助材
20…固着具
a…区画層
G…スリーブ挿通用開口(開口)

Claims (7)

  1. 左右の縦フレーム材および上下端の横フレーム材により組まれた外周フレームと、この外周フレームの前記左右の縦フレーム材に両端が接合されて中桟となる上下一本または複数本の横フレーム材とを備え、前記中桟となる横フレーム材を境界として上下に並ぶ複数の区画層に区画され、各区画層に耐力要素となる波形鋼板が設けられた耐力壁であって、
    前記各区画層のうちの一部の区画層に、他の区画層には無く、または他の区画層に設けられるよりも横幅の広い開口が、前記一部の区画層の上下の横フレーム材間に渡って設けられていることを特徴とする耐力壁。
  2. 請求項1に記載の耐力壁において、前記一部の区画層に設けられる波形鋼板は、前記外周フレームの両側の縦フレーム材間の幅よりも横幅が狭く、前記波形鋼板が前記外周フレームの横幅方向に偏って配置されることで、前記波形鋼板と前記縦フレーム材との間に前記開口が設けられている耐力壁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐力壁において、前記一部の区画層の前記波形鋼板の横幅を、前記他の区画層に設けられる波形鋼板よりも狭くすることで、前記波形鋼板の左右両側に、前記波形鋼板と前記外周フレームの前記縦フレーム材との間に前記開口が設けられ、前記の横幅を狭くした波形鋼板は、他の区画層の波形鋼板よりも肉厚が厚い耐力壁。
  4. 請求項1に記載の耐力壁において、前記一部の区画層に設けられる波形鋼板は、左右に並ぶ複数の分割鋼板に分割され、隣合う分割鋼板の間に前記開口が形成された耐力壁。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の耐力壁において、前記区画層が4つであり、前記開口が設けられる前記一部の区画層は、上端の区画層である耐力壁。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の耐力壁において、前記波形鋼板が角波鋼板である耐力壁。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の耐力壁において、前記波形鋼板の横幅は前記左右の縦フレーム材との間に間隔が生じる横幅であって、互いに上下に位置する前記横フレーム材に上下端がそれぞれ固定され、前記波形鋼板の両側縁に沿う位置で上下に延びる固定用補助材が前記横フレーム材に設けられ、前記固定用補助材と重なる位置で前記波形鋼板が前記固定用補助材に固定される耐力壁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108468397A (zh) * 2018-04-20 2018-08-31 青岛理工大学 装配式自恢复耗能型双钢板开缝剪力墙结构
CN108468384A (zh) * 2018-04-20 2018-08-31 青岛理工大学 装配式自恢复耗能型框架核心筒结构体系

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