JP2017023416A - 眼科撮影装置及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】被検眼を撮影して検査を行う際に、効率的で適正な検査を行える仕組みを提供する。
【解決手段】被検眼Eの眼底部を撮影する眼底部撮影モードと被検眼Eの前眼部を撮影する前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードの中から前眼部撮影モードが選択された場合に、被検眼Eの前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出部22と、作動距離検出部22で検出された作動距離が前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定するシステム制御部20と、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離が前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知部23を備える。
【選択図】図2
【解決手段】被検眼Eの眼底部を撮影する眼底部撮影モードと被検眼Eの前眼部を撮影する前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードの中から前眼部撮影モードが選択された場合に、被検眼Eの前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出部22と、作動距離検出部22で検出された作動距離が前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定するシステム制御部20と、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離が前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知部23を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、被検眼の撮影を行う眼科撮影装置及びその制御方法、並びに、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
従来から、1台の眼科撮影装置で被検眼の眼底部及び前眼部等の観察・撮影が可能な眼底カメラが知られている。この眼底カメラは、被検眼の眼底部を観察・撮影することを主目的としているため、眼底撮影に最適な設計となっている。そのため、この眼底カメラでは、被検眼の眼底部の合焦や位置合わせは、それに適した指標が用意されており、検者は当該指標に従って撮影をすることで最適な眼底画像を取得することができる。一方で、この眼底カメラでは、被検眼の前眼部等を観察・撮影する際には、その位置合わせや合焦は、例えば、検者の主観に依存されており、この場合、検者が被検眼の前眼部等を観察して手動で合焦レンズの調整を行う。
また、従来の技術として、特許文献1には、眼底部の撮影時における合焦レンズの位置情報から、前眼部の撮影時における合焦レンズ位置を算出する技術が提案されている。
上述したように、特許文献1では、眼底部の撮影時における合焦レンズの位置情報から、前眼部の撮影時における合焦レンズ位置を算出するようにしている。そのため、特許文献1の技術では、被検眼の前眼部を撮影したい場合であっても、その前にまずは被検眼の眼底部を撮影しなければならず、効率的な被検眼の検査を行うことが難しかった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、被検眼を撮影して検査を行う際に、効率的で適正な検査を行える仕組みを提供することを目的とする。
本発明の眼科撮影装置は、被検眼の撮影を行う眼科撮影装置であって、前記被検眼の眼底部を撮影する眼底部撮影モードと前記被検眼の前眼部を撮影する前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードのいずれかを選択する選択手段と、前記前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出手段と、前記選択手段において前記前眼部撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知手段とを有する。
本発明の眼科撮影装置における他の態様は、被検眼の撮影を行う眼科撮影装置であって、前記被検眼の前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出手段と、前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知手段とを有する。
また、本発明は、上述した眼科撮影装置の制御方法、及び、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明の眼科撮影装置における他の態様は、被検眼の撮影を行う眼科撮影装置であって、前記被検眼の前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出手段と、前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知手段とを有する。
また、本発明は、上述した眼科撮影装置の制御方法、及び、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、被検眼を撮影して検査を行う際に、効率的で適正な検査を行うことができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の外観構成の一例を示す図である。ここで、本実施形態においては、眼科撮影装置100として眼底カメラを適用した例について説明する。
眼科撮影装置100は、図1に示すように、基台C1、撮影部C2、ジョイスティックC3、及び、顔受け台C4を有して構成されている。
撮影部C2は、基台C1に対して、左右方向(X方向)、前後方向(作動距離の方向;Z方向)及び上下方向(Y方向)に移動可能な光学系が収納されている。具体的に、撮影部C2は、検者によるジョイスティックC3の操作によって、基台C1上をXYZ方向に移動可能となっている。検者は、ジョイスティックC3を操作することにより、被検眼と以下に説明する撮影光学系との位置合わせを行う。顔受け台C4は、被検者の顔を固定・保持させるための台である。
次に、図1に示す撮影部C2の内部に構成されている光学系について説明する。当該光学系は、被検眼を観察・撮影する撮影光学系に対応する。
図2は、図1に示す撮影部C2の内部構成の一例を示す図である。この撮影部C2は、可視光または赤外光を用いて被検眼Eの撮影を行うものである。
図2は、図1に示す撮影部C2の内部構成の一例を示す図である。この撮影部C2は、可視光または赤外光を用いて被検眼Eの撮影を行うものである。
以下、図2に示す撮影部C2の内部構成について説明を行う。
被検眼Eに対向して対物レンズ1が配置されており、その光軸L1上には、ダイクロイックミラー60、穴あきミラー6及び撮影絞り2、フォーカスレンズ(合焦レンズ)3、結像レンズ4、及び、撮像素子5が設けられている。ここで、ダイクロイックミラー60は、光軸L1に対して挿脱可能なミラーである。また、穴あきミラー6は、中央部に開口を有して構成されている。また、フォーカスレンズ(合焦レンズ)3は、光軸L1上の位置を移動することにより、焦点を調整することが可能となっている。また、撮像素子5は、ISO感度が任意の値に設定可能であり、可視光と赤外光に感度を有するセンサが設けられた撮像手段である。そして、この撮像素子5により、被検眼Eの動画観察と静止画撮影を行えるようになっている。また、対物レンズ1から結像レンズ4により、被検眼Eの観察及び撮影のための撮影光学系が構成されている。
被検眼Eに対向して対物レンズ1が配置されており、その光軸L1上には、ダイクロイックミラー60、穴あきミラー6及び撮影絞り2、フォーカスレンズ(合焦レンズ)3、結像レンズ4、及び、撮像素子5が設けられている。ここで、ダイクロイックミラー60は、光軸L1に対して挿脱可能なミラーである。また、穴あきミラー6は、中央部に開口を有して構成されている。また、フォーカスレンズ(合焦レンズ)3は、光軸L1上の位置を移動することにより、焦点を調整することが可能となっている。また、撮像素子5は、ISO感度が任意の値に設定可能であり、可視光と赤外光に感度を有するセンサが設けられた撮像手段である。そして、この撮像素子5により、被検眼Eの動画観察と静止画撮影を行えるようになっている。また、対物レンズ1から結像レンズ4により、被検眼Eの観察及び撮影のための撮影光学系が構成されている。
また、穴あきミラー6の反射方向の光軸L2上には、中心に遮光点を有する角膜バッフル7、リレーレンズ8、フォーカス指標ユニット9、レンズ10、遮光点を有する遮光部材としての水晶体バッフル11が設けられている。さらに、光軸L2上には、リング状のスリット開口を有するリングスリット12、赤外光を透過し可視光を反射する特性を有するダイクロイックミラー13が設けられている。ここで、フォーカス指標ユニット9は、光軸L2に沿って移動可能であり、かつ、光軸L2上から挿脱可能となっている。また、対物レンズ1とリレーレンズ8とレンズ10により、角膜バッフル7、水晶体バッフル11、リングスリット12は、被検眼Eの角膜と対物レンズ1との距離で定められる作動距離WDの位置において、それぞれ、被検眼Eの角膜、水晶体後面、瞳孔Epと光学的に略共役な位置に配置されている。
ダイクロイックミラー13の反射方向の光軸L3上には、コンデンサレンズ14、及び、可視光のパルス光を発する白色LED素子が複数個配置された撮影用光源である白色LED光源(可視光光源)15が設けられている。
また、ダイクロイックミラー13の透過方向の光軸L4上には、コンデンサレンズ16、及び、赤外LED光源(赤外光光源)17が設けられている。この赤外LED光源17は、赤外光の定常光を発する赤外LED素子が複数個配置されており、観察光源、及び、赤外光撮影の場合には撮影用光源にもなる。
これらの対物レンズ1からダイクロイックミラー13、及び、コンデンサレンズ14、コンデンサレンズ16は、被検眼Eの眼底部を撮影する場合には、被検眼Eの眼底部を照明する照明光学系を構成する。この照明光学系を介して、白色LED光源15、赤外LED光源17の光が、被検眼の眼底部を照明する。ここで、本実施形態においては、被検眼Eの眼底部を撮影する眼底部撮影モードの適正作動距離を第1の作動距離WD1とする。また、本実施形態においては、被検眼Eの前眼部を撮影する前眼部撮影モードの際に検出される作動距離を第2の作動距離WD2とする。さらに、本実施形態においては、前眼部撮影モードの適正作動距離は、眼底部撮影モードの適正作動距離(第1の作動距離WD1)よりも長くなる。
また、前眼部撮影モードの適正作動距離に位置合わせを行うことで、上述した照明光学系を介して、白色LED光源15、赤外LED光源17の光が、被検眼の前眼部を照明する。
また、撮像素子5からの出力信号は、A/D変換部18においてデジタル信号化されて、システム制御部20に入力される。システム制御部20は、眼科撮影装置100の動作を統括的に制御することや、眼科撮影装置100における各種の処理を行うものであり、例えば、CPU等で構成されている。このシステム制御部20には、メモリ21が接続されている。このメモリ21には、撮像素子5で撮像された静止画像データ等がデジタル画像データとして保存される。また、メモリ21には、システム制御部20が各種の処理や制御を行う際に用いる各種の情報(プログラムを含む)や、システム制御部20で処理された各種の情報が記憶される。
画像出力部19は、システム制御部20の制御に基づいて、撮像素子5で撮像された静止画像データ等に基づく画像を表示したり、各種の情報を表示したりする。
また、システム制御部20には、作動距離検出部22、報知部23、及び、情報入力部24が接続されている。報知部23は、ブザーやLED或いはディスプレイ等を含み構成されており、システム制御部20の制御に基づいて、検者が認識可能な態様で検者に対して所定の報知を行う。また、作動距離検出部22は、例えばエンコーダやポテンショメータ等の安価な位置検出機構を含み構成されており、当該位置検出機構において基台C1と当該撮影部C2とのZ軸方向に対する相対位置を検出することで、各種の作動距離を検出する。また、情報入力部24は、システム制御部20に対して各種の情報を入力するものであり、例えばジョイスティックC3を含み構成されている。本実施形態に係る眼科撮影装置100は、眼底部撮影モードと前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードでの動作が可能に構成されており、例えば、情報入力部24は、当該複数の撮影モードのうちのいずれかの撮影モードの情報を入力する処理も行う。この場合、システム制御部20は、情報入力部24から入力された撮影モードの情報に基づいて、上述した複数の撮影モードのうちのいずれかの撮影モードを選択する。この選択を行うシステム制御部20は、選択手段を構成する。
具体的に、本実施形態では、作動距離検出部22は、システム制御部20において前眼部撮影モードが選択された場合、第2の作動距離WD2を検出する。そして、この場合、システム制御部20は、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1よりも長い距離であって前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する。この判定を行うシステム制御部20は、判定手段を構成する。そして、報知部23は、システム制御部20において第2の作動距離WD2が前眼部撮影モードの適正作動距離以上でないと判定された場合(具体的には、前眼部の撮影における合焦範囲を外れた場合)に、検者に対して、所定の情報を報知する。ここで、本実施形態では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部22で検出された作動距離(第2の作動距離WD2)が前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報(即ち、前眼部の撮影における合焦範囲を外れた旨の情報)を適用することができる。また、本実施形態では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、当該眼科撮影装置100を被検眼Eから遠ざける方向に移動を促す旨の情報を適用することもできる。さらに、本実施形態では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部で検出された作動距離(第2の作動距離WD2)と前眼部撮影モードの適正作動距離との差を示す情報を適用することもできる。
次に、アライメントのための前眼部観察光学系の構成について説明する。
ダイクロイックミラー60の反射方向の光軸L5上には、レンズ61、絞り62、プリズム63、レンズ64、及び、二次元撮像素子65が設けられている。ここで、二次元撮像素子65は、例えば、赤外光に感度を有する二次元センサが設けられて構成されている。この61〜65の構成によって、被検眼Eの前眼部の観察を行うための前眼部観察光学系が形成されている。
ダイクロイックミラー60の反射方向の光軸L5上には、レンズ61、絞り62、プリズム63、レンズ64、及び、二次元撮像素子65が設けられている。ここで、二次元撮像素子65は、例えば、赤外光に感度を有する二次元センサが設けられて構成されている。この61〜65の構成によって、被検眼Eの前眼部の観察を行うための前眼部観察光学系が形成されている。
二次元撮像素子65は、システム制御部20に接続されている。二次元撮像素子65からの出力信号(画像信号)は、システム制御部20を介して、画像出力部19に出力される。検者は、画像出力部19に表示されている画像(映像)を見ながら眼科撮影装置100の撮影光学系と被検眼Eとのアライメントを行う。プリズム63に入射した光は、当該プリズム63の上半分と下半分とで相反する左右方向に屈折して分離される。このため、レンズ61による結像位置は、被検眼Eと撮影部C2との距離が所定作動距離(WD1)よりも長い場合には、プリズム63よりもレンズ61に近い側に結像し、観察像は、上半分は右側にずれ、下半分は左側にずれて撮像される。
これらの前眼部観察光学系によって、可視光を遮断する不図示のフィルタを透過する光の波長とは異なる赤外域の光が前眼部観察用光源105によって照明された被検眼Eの前眼部を観察し、被検眼Eの前眼部とのアライメント状態の検出が可能となっている。ここで上述した所定作動距離(WD1)は、被検眼の眼底部を撮影するのに適正な作動距離である第1の作動距離WD1となるように設計された既知の値である。
次に、フォーカス光学系の構成について説明する。
光軸L2上のリングスリット12とリレーレンズ8との間には、フォーカス指標ユニット9が配置されている。このフォーカス指標ユニット9は、被検眼Eの瞳孔Epに、分割されたスプリット指標を投影するためのものである。そして、フォーカス指標ユニット9及びフォーカスレンズ3は、システム制御部20からの制御に基づいて、それぞれ、フォーカス指標ユニット9の駆動及びフォーカスレンズ3の駆動により、光軸L2方向及び光軸L1方向に連動して移動するようになっている。このとき、フォーカス指標ユニット9と撮像素子5とは、光学的に共役関係になっている。これらのフォーカス光学系によって、被検眼Eの眼底部のフォーカス状態が検出可能となっている。
光軸L2上のリングスリット12とリレーレンズ8との間には、フォーカス指標ユニット9が配置されている。このフォーカス指標ユニット9は、被検眼Eの瞳孔Epに、分割されたスプリット指標を投影するためのものである。そして、フォーカス指標ユニット9及びフォーカスレンズ3は、システム制御部20からの制御に基づいて、それぞれ、フォーカス指標ユニット9の駆動及びフォーカスレンズ3の駆動により、光軸L2方向及び光軸L1方向に連動して移動するようになっている。このとき、フォーカス指標ユニット9と撮像素子5とは、光学的に共役関係になっている。これらのフォーカス光学系によって、被検眼Eの眼底部のフォーカス状態が検出可能となっている。
次に、眼底部撮影モード時及び前眼部撮影モードの際の作動距離の検出について、図3と図4を用いて説明する。
まず、作動距離検出部22は、既知の値である第1の作動距離WD1の検出(取得)を行う。
図3は、図2を用いて説明した前眼部観察光学系の二次元撮像素子65で得られた観察画像の一例を示す図である。
図2に示す前眼部観察用光源105により照明された被検眼Eの前眼部における観察像は、プリズム63により上下に分割され、二次元撮像素子65において図3(a)に示すように観察される。ここで、図3に示されているPO及びOは、それぞれ、システム制御部20で合成されたキャラクタを表している。瞳孔Ep以外の部分は、前眼部観察用光源105の反射光が多く反射して入ってくるために白く映り、また、瞳孔Epは、反射光が入らないので黒く映る。したがって、このコントラスト差から瞳孔Epを抽出することができ、これにより瞳孔位置を決定することができる。図3(a)では、上下に分割された瞳孔部のうち、下部の瞳孔部から、瞳孔中心POを検出している。図3の瞳孔中心POは、システム制御部20が算出した瞳孔中心であり、画面上にキャラクタとして表示を行ったものである。
図2に示す前眼部観察用光源105により照明された被検眼Eの前眼部における観察像は、プリズム63により上下に分割され、二次元撮像素子65において図3(a)に示すように観察される。ここで、図3に示されているPO及びOは、それぞれ、システム制御部20で合成されたキャラクタを表している。瞳孔Ep以外の部分は、前眼部観察用光源105の反射光が多く反射して入ってくるために白く映り、また、瞳孔Epは、反射光が入らないので黒く映る。したがって、このコントラスト差から瞳孔Epを抽出することができ、これにより瞳孔位置を決定することができる。図3(a)では、上下に分割された瞳孔部のうち、下部の瞳孔部から、瞳孔中心POを検出している。図3の瞳孔中心POは、システム制御部20が算出した瞳孔中心であり、画面上にキャラクタとして表示を行ったものである。
そして、検者は、図3(b)に示すように、瞳孔中心POが、画面に描かれた画像中心O内に入るように、基台C1に設けられたジョイスティックC3を操作することで、被検眼Eの前眼部とのアライメントを行うことが可能となっている。
また、システム制御部20には、アライメント完了検出機能が組み込まれており、瞳孔Epのエッジ検出等の演算を行うことで、眼科撮影装置100と被検眼とのアライメントが終了したことを検出可能である。アライメント終了情報を検出すると、システム制御部20は、接続されている作動距離検出部22から、被検眼Eと眼科撮影装置100との作動距離が第1の作動距離WD1となった瞬間の基台C1に対する撮影部C2の位置を読み取り、その値を基準位置とする。以後、システム制御部20は、基台C1に対して撮影部C2が動かされると、作動距離検出部22の相対位置情報と得られた基準位置情報から差分値を算出し、被検眼Eと撮影部C2との作動距離を取得可能である。
図4は、本発明の実施形態を示し、眼底部撮影モード時及び前眼部撮影モードの際の作動距離を説明するための模式図である。ここで、図4において、図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。具体的に、図4には、図2に示す構成のうち、光軸L1上の主要な光学部品のみを図示している。
図4(a)は、被検眼Eの眼底部Efを撮影する眼底部撮影モードの際の適正作動距離である第1の作動距離WD1を示している。また、図4(b)及び図4(c)は、被検眼Eの前眼部を撮影する前眼部撮影モードの際の作動距離を説明するための図である。
本実施形態に係る眼科撮影装置100は、上述したように眼底カメラを想定したものであるため、被検眼Eの眼底部Efの撮影に最適な光学設計となっている。そのため、本実施形態に係る眼科撮影装置100で被検眼Eの前眼部を撮影するためには、フォーカスレンズ3の位置を調整する必要がある。この場合、フォーカスレンズ3の位置を前眼部撮影基準位置である+ディオプタ端(プラスディオプタ端)にすると、撮影部C2の撮像素子5の光学的共役位置はWD1+Lとなる。したがって、被検眼Eの前眼部を観察・撮影するためには、被検眼Eと眼科撮影装置100との作動距離は、WD1+L以上とする必要がある。ここで、Lはディオプタの関数であり、フォーカスレンズ3の位置αにより関数L(α)と表すものとする。ここで、フォーカスレンズ3の位置αは、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端(図4に示すフォーカスレンズ3−1の位置)に位置するときにα=0となり、0ディオプタ(ゼロディオプタ)側に移動するに従って値は大きくなる。例えばα=0のときの関数Lは、L(0)と表せる。また、関数L(α)は、α1>α2のときにL(α1)>L(α2)の関係があるため、α=0、即ち、最大ディオプタ時に最小値L(0)となる。
図4(b)は、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端(フォーカスレンズ3−1の位置)に位置している時の被検眼Eと眼科撮影装置100との作動距離を表している。また、図4(c)は、フォーカスレンズ3が任意の位置α(図4に示すフォーカスレンズ3−0の位置)に位置している時の被検眼Eと眼科撮影装置100との作動距離を表している。
なお、フォーカスレンズ3の位置αが0から−ディオプタ端(マイナスディオプタ端)となる位置(図4に示すフォーカスレンズ3−2の位置)に移動すると、対物レンズ1に対して被検眼Eとは反対の位置に撮像素子5の像が現れ、前眼部と一致させることができなくなるため、前眼部観察時は0ディオプタを超えることはない。一般的には、対物レンズ1とフォーカスレンズ3との間に視度補正用の凸レンズを挿入することにより、フォーカスレンズ3の移動範囲全域を+ディオプタとすることができ、かつ、L(0)を小さくすることが可能である。
次に、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。ここで、図5に示すフローチャートは、システム制御部20において、複数の撮影モードの中から前眼部撮影モードが選択された際の処理手順の一例を示している。
まず、検者は、被検者の顔を顔受け台C4に固定させ、被検眼EのY方向の位置が所定の位置(高さ)になるように顎受け駆動機構(不図示)により調整する。ここで、顔受け台C4は、額台と顎受けの2点で被検者の顔の固定を行っている。当然ながら、被検者の額に対して被検眼Eの前眼部の位置は、個人差があり一意に決まらない。そのため、被検者の顔を顔受け台C4に固定した時点では、被検眼Eと撮影部C2との作動距離は不明である。よって、以下に説明するステップS103において、個体差のある被検眼Eと撮影部C2との作動距離を決定していく。以下、図5を用いて、各ステップについて順次説明を行う。
まず、検者がジョイスティックC3を介して被検眼E(具体的には前眼部)と撮影部C2のアライメント操作を行うと、ステップS101において、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、これを検知する。そして、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、検知したアライメント操作に基づいて、被検眼E(具体的には前眼部)と撮影部C2のアライメントを行う。即ち、本ステップでは、前眼部アライメントを行う。
ここで、検者によるアライメント操作について以下に説明する。
検者は、画像出力部19に映し出されている被検眼Eの前眼部と装置光学系中心とが一致するようにジョイスティックC3を操作し、図3で説明した方法で前眼部アライメント操作を行う。具体的に、検者は、プリズム63により分割された前眼部の観察像により、前後方向のアライメント状態を判定する。そして、検者は、図3(a)のように観察像の上半分と下半分とがずれて結像している場合には、図3(b)に示すように、観察像の上半分と下半分とがずれない方向に撮影部C2を動かす操作を行う。また、検者は、上下左右方向のアライメントについては、システム制御部20が算出する瞳孔中心P0が、画像中心O内に位置するように、撮影部C2を動かす操作を行う。
検者は、画像出力部19に映し出されている被検眼Eの前眼部と装置光学系中心とが一致するようにジョイスティックC3を操作し、図3で説明した方法で前眼部アライメント操作を行う。具体的に、検者は、プリズム63により分割された前眼部の観察像により、前後方向のアライメント状態を判定する。そして、検者は、図3(a)のように観察像の上半分と下半分とがずれて結像している場合には、図3(b)に示すように、観察像の上半分と下半分とがずれない方向に撮影部C2を動かす操作を行う。また、検者は、上下左右方向のアライメントについては、システム制御部20が算出する瞳孔中心P0が、画像中心O内に位置するように、撮影部C2を動かす操作を行う。
ここで、再び、図5の説明に戻る。
ステップS101の処理が終了すると、ステップS102に進む。
ステップS102に進むと、システム制御部20は、ステップS101の前眼部アライメントが完了したか否かを判断する。ここでは、システム制御部20は、図3に示す前眼部の観察像における上半分と下半分とが一致したことを検知した場合に、前眼部アライメントが完了したと判断する。
ステップS101の処理が終了すると、ステップS102に進む。
ステップS102に進むと、システム制御部20は、ステップS101の前眼部アライメントが完了したか否かを判断する。ここでは、システム制御部20は、図3に示す前眼部の観察像における上半分と下半分とが一致したことを検知した場合に、前眼部アライメントが完了したと判断する。
ステップS102の判断の結果、前眼部アライメントが完了していない場合には(S102/No)、ステップS101に戻り、前眼部アライメントを行う。
一方、ステップS102の判断の結果、前眼部アライメントが完了した場合には(S102/Yes)、ステップS103に進む。
ステップS103に進むと、システム制御部20は、作動距離検出部22から、ステップS102におけるアライメント完了時点の基台C1に対する撮影部C2の位置情報を取得する。ここで、ステップS102におけるアライメントが完了すると、被検眼Eと撮影部C2の作動距離は、元々の設計値である第1の作動距離WD1となっている。即ち、ここでは、システム制御部20は、作動距離検出部22で検出された第1の作動距離WD1の情報を、例えばメモリ21に記憶する。この第1の作動距離WD1の情報を記憶することで、以降、撮影部C2をZ方向に移動させた際の被検眼Eと撮影部C2の絶対距離である第2の作動距離WD2を測定可能となる。
ステップS103に進むと、システム制御部20は、作動距離検出部22から、ステップS102におけるアライメント完了時点の基台C1に対する撮影部C2の位置情報を取得する。ここで、ステップS102におけるアライメントが完了すると、被検眼Eと撮影部C2の作動距離は、元々の設計値である第1の作動距離WD1となっている。即ち、ここでは、システム制御部20は、作動距離検出部22で検出された第1の作動距離WD1の情報を、例えばメモリ21に記憶する。この第1の作動距離WD1の情報を記憶することで、以降、撮影部C2をZ方向に移動させた際の被検眼Eと撮影部C2の絶対距離である第2の作動距離WD2を測定可能となる。
続いて、ステップS104において、システム制御部20は、ダイクロイックミラー60を光路L1から退避させ、画像出力部19に表示させる撮像素子を二次元撮像素子65から撮像素子5に切り換える。ここで、本実施形態では、詳細な説明は割愛するが、前眼部アライメントが完了した状態では、撮像素子5は、被検眼Eの眼底部Efと光学的に共役な位置となっている。そのため、検者が被検眼Eの眼底部Efの詳細なアライメントとフォーカス指標ユニット9を用いたフォーカス調整を行うことで、眼科撮影装置100は、被検眼Eの眼底部Efの眼底画像を取得することが可能である。
被検眼Eの前眼部を撮影する前眼部撮影モードでは、上述したように、被検眼E(具体的には前眼部)と撮影部C2との第2の作動距離WD2を「WD1+L」以上とする必要がある。そして、検者がジョイスティックC3を介して撮影部C2を被検眼Eから離れる方向に操作すると、ステップS105において、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、これを検知する。そして、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、検知した操作に基づいて、撮影部C2を被検眼Eから離れる方向に移動させる。同時に、作動距離検出部22は、システム制御部20の制御に基づいて、被検眼E(具体的には前眼部)と撮影部C2との第2の作動距離WD2の計測(検出)を開始する。
その後、検者が、自身が欲する最適な画像サイズとなるように、ジョイスティックC3を介して撮影部C2を前後に動かす操作を行うと、ステップS106において、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、これを検知する。そして、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、検知した操作に基づいて、撮影部C2を前後に移動させる。
その後、検者がフォーカス調整操作を行うと、ステップS107において、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、これを検知する。そして、眼科撮影装置100(例えばシステム制御部20)は、検知した操作に基づいて、フォーカスレンズ3を調整して焦点を合わせる処理を行う。この際、作動距離検出部22は、被検眼E(具体的には前眼部)と撮影部C2とのZ方向の位置から第2の作動距離WD2の検出を行う。また、システム制御部20は、フォーカスレンズ3の位置情報から、図4を用いて説明したL(α)を算出する。
続いて、ステップS108において、システム制御部20は、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上の距離であるか否かを判定する。ここで、「第1の作動距離WD1+L(α)」は、前眼部撮影モードの適正作動距離に相当する。即ち、ステップS108では、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1よりも長い距離であって前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する。
ここで、前眼部撮影モードの適正作動距離について説明を行う。
この前眼部撮影モードの適正作動距離は、システム制御部20によって設定される。具体的に、システム制御部20は、フォーカスレンズ3の位置を検出し、検出したフォーカスレンズ3の位置に応じて前眼部撮影モードの適正作動距離を設定する。ここで、フォーカスレンズ3の位置を検出するシステム制御部20は、位置検出手段を構成する。また、図4を用いて説明したように、L(α)は、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端(図4に示すフォーカスレンズ3−1の位置)に位置するときが最小となり、フォーカスレンズ3がゼロディオプタ側に移動するのに従って値が大きくなる。これを考慮すると、前眼部撮影モードの適正作動距離は、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端に位置するときが最短となり、フォーカスレンズ3がゼロディオプタ側に移動するのに従って長くなる。
この前眼部撮影モードの適正作動距離は、システム制御部20によって設定される。具体的に、システム制御部20は、フォーカスレンズ3の位置を検出し、検出したフォーカスレンズ3の位置に応じて前眼部撮影モードの適正作動距離を設定する。ここで、フォーカスレンズ3の位置を検出するシステム制御部20は、位置検出手段を構成する。また、図4を用いて説明したように、L(α)は、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端(図4に示すフォーカスレンズ3−1の位置)に位置するときが最小となり、フォーカスレンズ3がゼロディオプタ側に移動するのに従って値が大きくなる。これを考慮すると、前眼部撮影モードの適正作動距離は、フォーカスレンズ3が+ディオプタ端に位置するときが最短となり、フォーカスレンズ3がゼロディオプタ側に移動するのに従って長くなる。
ステップS108の判定の結果、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上でない場合(即ち、第2の作動距離WD2が前眼部撮影モードの適正作動距離未満である場合)には(S109/No)、ステップS109に進む。
ステップS109に進むと、報知部23は、システム制御部20の制御に基づいて、検者に対して、所定の情報を報知する。この際、所定の情報としては、例えば、第2の作動距離WD2が前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報(即ち、前眼部の撮影における合焦範囲を外れた旨の情報)や、当該眼科撮影装置100を被検眼Eから遠ざける方向に移動を促す旨の情報、第2の作動距離WD2と前眼部撮影モードの適正作動距離との差を示す情報を適用できる。図5では、ブザーを用いて報知を行う例について記載しているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、LED表示やディスプレイ表示、その他の報知方法によって、上述した所定の情報を報知する形態であってもよい。そして、検者は、ステップS109の報知を受けると、再度、ステップS106の撮影部C2の前後操作及びステップS107のフォーカス調整操作を行い、ブザー等の報知がないことを確認した後、ステップS110において前眼部の撮影操作を行うことになる。
ステップS109に進むと、報知部23は、システム制御部20の制御に基づいて、検者に対して、所定の情報を報知する。この際、所定の情報としては、例えば、第2の作動距離WD2が前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報(即ち、前眼部の撮影における合焦範囲を外れた旨の情報)や、当該眼科撮影装置100を被検眼Eから遠ざける方向に移動を促す旨の情報、第2の作動距離WD2と前眼部撮影モードの適正作動距離との差を示す情報を適用できる。図5では、ブザーを用いて報知を行う例について記載しているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、LED表示やディスプレイ表示、その他の報知方法によって、上述した所定の情報を報知する形態であってもよい。そして、検者は、ステップS109の報知を受けると、再度、ステップS106の撮影部C2の前後操作及びステップS107のフォーカス調整操作を行い、ブザー等の報知がないことを確認した後、ステップS110において前眼部の撮影操作を行うことになる。
なお、本実施形態では、ステージ移動やフォーカス・撮影を、検者による手動操作に基づいて行うようにしているが、別途、電動駆動ステージ機構及び電動フォーカス機構を用意することで、システム制御部20により自動で行うことも可能である。また、本実施形態では、報知部23を、ブザーやLED等を含む独立したユニットとして構成しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば報知部23を独立したユニットとしてではなく画像出力部19上に表示する形態であってもよい。
ここで、ステップS108において、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上でない場合について説明を行う。
この場合、フォーカスレンズ3の合焦範囲外となり、フォーカスレンズ3による合焦が行えない状態となる。ここで、実際のフォーカスレンズ3による合焦点は、ある一定の被写界深度を有しているため、L(α)に被写界深度を加味した値に対して判定を行うようにしてもよい。上述したステップS108の例では、説明を容易にするため、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上であるか否かの判定としている。また、本実施形態では、被検眼Eに対して眼科撮影装置100を近接させた際のフォーカスレンズ3の合焦範囲について考慮するものである。これは、第2の作動距離WD2における限界距離は、眼科撮影装置100の可動範囲で制約があり、一般的には、第2の作動距離WD2を限界距離まで変更しても前眼部撮影時のピンボケは発生しないため、本実施形態では、第2の作動距離WD2を短くした際のピンボケの有無を判定することにしているためである。
この場合、フォーカスレンズ3の合焦範囲外となり、フォーカスレンズ3による合焦が行えない状態となる。ここで、実際のフォーカスレンズ3による合焦点は、ある一定の被写界深度を有しているため、L(α)に被写界深度を加味した値に対して判定を行うようにしてもよい。上述したステップS108の例では、説明を容易にするため、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上であるか否かの判定としている。また、本実施形態では、被検眼Eに対して眼科撮影装置100を近接させた際のフォーカスレンズ3の合焦範囲について考慮するものである。これは、第2の作動距離WD2における限界距離は、眼科撮影装置100の可動範囲で制約があり、一般的には、第2の作動距離WD2を限界距離まで変更しても前眼部撮影時のピンボケは発生しないため、本実施形態では、第2の作動距離WD2を短くした際のピンボケの有無を判定することにしているためである。
また、ステップS108の判定の結果、第2の作動距離WD2が、第1の作動距離WD1+L(α)以上である場合(即ち、第2の作動距離WD2が前眼部撮影モードの適正作動距離以上である場合)には(S109/Yes)、ステップS110に進む。
ステップS110に進むと、システム制御部20は、検者の操作等に基づいて、被検眼Eの前眼部撮影を行う。
ステップS110に進むと、システム制御部20は、検者の操作等に基づいて、被検眼Eの前眼部撮影を行う。
具体的に、ステップS110の前眼部撮影では、システム制御部20は、可視光光源である白色LED光源15からの白色光(可視光)を用いて被検眼Eの前眼部をカラー撮影することにより被検眼Eの前眼部のカラー画像を取得する処理を行う。この取得処理を行うシステム制御部20は、画像取得手段を構成する。
そして、ステップS110の処理が終了すると、図5のフローチャートの処理が終了する。
そして、ステップS110の処理が終了すると、図5のフローチャートの処理が終了する。
また、被検者の瞼の裏側には、マイボーム腺と呼ばれる皮脂腺の存在が知られている。一部の眼底カメラでは、赤外光光源による赤外光を用いることでマイボーム腺を撮影することが可能である。
本実施形態は、このマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードにも適用可能である。この態様の場合、眼科撮影装置100で動作可能な複数の撮影モードとして、当該マイボーム腺撮影モードを含み、システム制御部20は、上述した複数の撮影モードの中からマイボーム腺撮影モードを選択する。そして、マイボーム腺撮影モードが選択されると、作動距離検出部22は、被検眼Eの前眼部に対する作動距離を検出し、システム制御部20は、作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する。
そして、本態様では、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上でないと判定された場合、報知部23は、検者に対して、所定の情報を報知する。ここで、本態様では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報(即ち、マイボーム腺撮影における合焦範囲を外れた旨の情報)を適用することができる。また、本態様では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、当該眼科撮影装置100を被検眼Eから遠ざける方向に移動を促す旨の情報を適用することもできる。さらに、本実施形態では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部で検出された作動距離とマイボーム腺撮影モードの適正作動距離との差を示す情報を適用することもできる。
一方、本態様では、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であると判定された場合、システム制御部20は、赤外光光源である赤外LED光源17からの赤外光を用いてマイボーム腺を撮影することによりマイボーム腺のモノクロ画像を取得する。この取得処理を行うシステム制御部20は、画像取得手段を構成する。
そして、本態様では、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上でないと判定された場合、報知部23は、検者に対して、所定の情報を報知する。ここで、本態様では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報(即ち、マイボーム腺撮影における合焦範囲を外れた旨の情報)を適用することができる。また、本態様では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、当該眼科撮影装置100を被検眼Eから遠ざける方向に移動を促す旨の情報を適用することもできる。さらに、本実施形態では、報知部23で報知する所定の情報としては、例えば、作動距離検出部で検出された作動距離とマイボーム腺撮影モードの適正作動距離との差を示す情報を適用することもできる。
一方、本態様では、システム制御部20において作動距離検出部22で検出された作動距離がマイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であると判定された場合、システム制御部20は、赤外光光源である赤外LED光源17からの赤外光を用いてマイボーム腺を撮影することによりマイボーム腺のモノクロ画像を取得する。この取得処理を行うシステム制御部20は、画像取得手段を構成する。
ここで、マイボーム腺は、瞼の皮下にあるため、可視光を用いて撮影する前眼部撮影に比べて、元々のコントラスが低く焦点が合わせ難い。また、マイボーム腺は、上瞼のマイボーム腺に比べて下瞼のマイボーム腺の方が、面積が小さいという特徴もある。そのため、検者は、できるだけ大きく撮影しようとするために、被検眼Eと撮影部C2との距離に基づく作動距離を短くしてしまうことが想定される。そして、この作動距離が短くなり過ぎると、検者が認識しないまま眼科撮影装置100の合焦範囲を外れてしまい、焦点の定まらない状態での撮影となってしまう結果、適正な被検眼Eの検査が行えないこともあり得る。この点、本実施形態では、このような合焦範囲を外れた場合に、報知部23によって検者にその旨を報知するようにしており、フォーカスレンズ3の合焦範囲内での撮影を行うことができるため、ピンボケによる写損の可能性を低減することができ、最適なマイボーム腺等の撮影が可能となる。即ち、本実施形態に係る眼科撮影装置100によれば、被検眼Eを撮影して検査を行う際に、効率的で適正な検査を行うことができる。
また、本実施形態に係る眼科撮影装置100は、従来の眼底カメラに対してエンコーダやポテンショメータと言った安価な部品の追加のみで実現可能であるため、検者に対して低コストで適正な被検眼の検査を行える眼科撮影装置を提供することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 対物レンズ、2 撮影絞り、3 フォーカスレンズ(合焦レンズ)、4 結像レンズ、5 撮像素子、6 穴あきミラー、7 角膜バッフル、8 リレーレンズ、9 フォーカス指標ユニット、10 レンズ、11 水晶体バッフル、12 リングスリット、13 ダイクロイックミラー、14 コンデンサレンズ、15 白色LED光源(可視光光源)、16 コンデンサレンズ、17 赤外LED光源(赤外光光源)、18 A/D変換部、19 画像出力部、20 システム制御部、21 メモリ、22 作動距離検出部、23 報知部、24 情報入力部、C2 撮影部、E 被検眼、Ep 瞳孔、WD 作動距離
Claims (25)
- 被検眼の撮影を行う眼科撮影装置であって、
前記被検眼の眼底部を撮影する眼底部撮影モードと前記被検眼の前眼部を撮影する前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードのいずれかを選択する選択手段と、
前記前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出手段と、
前記選択手段において前記前眼部撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知手段と
を有することを特徴とする眼科撮影装置。 - 前記所定の情報は、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報であることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 前記所定の情報は、当該眼科撮影装置を前記被検眼から遠ざける方向に移動を促す旨の情報であることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 前記所定の情報は、前記作動距離検出手段で検出された作動距離と前記前眼部撮影モードの適正作動距離との差を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 前記前眼部撮影モードの適正作動距離は、前記眼底部撮影モードの適正作動距離よりも長いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
- 合焦レンズの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段で検出された前記合焦レンズの位置に応じて、前記前眼部撮影モードの適正作動距離を設定する設定手段と
を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。 - 前記前眼部撮影モードの適正作動距離は、前記合焦レンズがプラスディオプタ端に位置するときが最短となり、前記合焦レンズがゼロディオプタ側に移動するのに従って長くなることを特徴とする請求項6に記載の眼科撮影装置。
- 前記複数の撮影モードは、前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードを含み、
前記選択手段において、前記前眼部撮影モードが選択された場合には可視光を用いて前記前眼部をカラー撮影することにより前記前眼部のカラー画像を取得し、前記マイボーム腺撮影モードが選択された場合には赤外光を用いて前記マイボーム腺を撮影することにより前記マイボーム腺のモノクロ画像を取得する画像取得手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。 - 被検眼の撮影を行う眼科撮影装置であって、
前記被検眼の前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出手段と、
前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知手段と
を有することを特徴とする眼科撮影装置。 - 前記所定の情報は、前記作動距離検出手段で検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報であることを特徴とする請求項9に記載の眼科撮影装置。
- 前記所定の情報は、当該眼科撮影装置を前記被検眼から遠ざける方向に移動を促す旨の情報であることを特徴とする請求項9に記載の眼科撮影装置。
- 前記所定の情報は、前記作動距離検出手段で検出された作動距離と前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離との差を示す情報であることを特徴とする請求項9に記載の眼科撮影装置。
- 被検眼の撮影を行う眼科撮影装置の制御方法であって、
前記被検眼の眼底部を撮影する眼底部撮影モードと前記被検眼の前眼部を撮影する前眼部撮影モードとを含む複数の撮影モードのいずれかを選択する選択ステップと、
前記前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出ステップと、
前記選択ステップにおいて前記前眼部撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知ステップと
を有することを特徴とする眼科撮影装置の制御方法。 - 前記所定の情報は、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記前眼部撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報であることを特徴とする請求項13に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記所定の情報は、当該眼科撮影装置を前記被検眼から遠ざける方向に移動を促す旨の情報であることを特徴とする請求項13に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記所定の情報は、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離と前記前眼部撮影モードの適正作動距離との差を示す情報であることを特徴とする請求項13に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記前眼部撮影モードの適正作動距離は、前記眼底部撮影モードの適正作動距離よりも長いことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 合焦レンズの位置を検出する位置検出ステップと、
前記位置検出ステップで検出された前記合焦レンズの位置に応じて、前記前眼部撮影モードの適正作動距離を設定する設定ステップと
を更に有することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の眼科撮影装置の制御方法。 - 前記前眼部撮影モードの適正作動距離は、前記合焦レンズがプラスディオプタ端に位置するときが最短となり、前記合焦レンズがゼロディオプタ側に移動するのに従って長くなることを特徴とする請求項18に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記複数の撮影モードは、前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードを含み、
前記選択ステップにおいて、前記前眼部撮影モードが選択された場合には可視光を用いて前記前眼部をカラー撮影することにより前記前眼部のカラー画像を取得し、前記マイボーム腺撮影モードが選択された場合には赤外光を用いて前記マイボーム腺を撮影することにより前記マイボーム腺のモノクロ画像を取得する画像取得ステップを更に有することを特徴とする請求項13乃至19のいずれか1項に記載の眼科撮影装置の制御方法。 - 被検眼の撮影を行う眼科撮影装置の制御方法であって、
前記被検眼の前眼部に対する作動距離を検出する作動距離検出ステップと、
前記被検眼のマイボーム腺を撮影するマイボーム腺撮影モードが選択された場合に、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではないと判定された場合に、所定の情報を報知する報知ステップと
を有することを特徴とする眼科撮影装置の制御方法。 - 前記所定の情報は、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離が前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離以上ではない旨の情報であることを特徴とする請求項21に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記所定の情報は、当該眼科撮影装置を前記被検眼から遠ざける方向に移動を促す旨の情報であることを特徴とする請求項21に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 前記所定の情報は、前記作動距離検出ステップで検出された作動距離と前記マイボーム腺撮影モードの適正作動距離との差を示す情報であることを特徴とする請求項21に記載の眼科撮影装置の制御方法。
- 請求項13乃至24のいずれか1項に記載の眼科撮影装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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- 2015-07-22 JP JP2015145230A patent/JP2017023416A/ja active Pending
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