JP2017020478A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソレノイドの非通電時に可動コアとニードルとの間にギャップ(隙間)が形成される構造の燃料噴射弁の噴射量ばらつきを精度良く補正できるようにする。【解決手段】所定の実行条件が成立したときに、まず、可動コア40のテーパ部40aがニードル41の鍔部42に当接するがニードル41が開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態に維持されるようにソレノイドに通電するプレチャージ制御を実行する。このプレチャージ制御の実行後に、可動コア40及びニードル41が開弁方向に移動して燃料が噴射されるようにソレノイド52に通電する開弁制御を実行する。このようにしてプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁の駆動電流に基づいて燃料噴射弁のフルリフト到達タイミングを検出し、このフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁の通電時間を補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、ソレノイドの非通電時に可動コアとニードルとの間に所定の隙間が形成される構造の燃料噴射弁を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置に関する発明である。
近年、更なる省燃費要求や排出ガス規制の強化に対応するために、筒内噴射式の内燃機関において燃料噴射弁の微小噴射量の精密制御が求められるようになってきている。しかし、燃料噴射弁の噴射量が少ないパーシャルリフト領域(つまりニードルがフルリフト位置に到達しないパーシャルリフト状態となる領域)では、燃料噴射弁の個体差、回路のばらつき、経時劣化等による気筒間の噴射量ばらつきが排気エミッションに及ぼす影響が大きくなる。
そこで、燃料噴射弁の可動コア及びニードルが開弁方向に移動して燃料が噴射されるようにソレノイドに通電する開弁制御を実行したときの燃料噴射弁の開弁応答性の情報として、ニードルの開弁開始タイミングやフルリフト到達タイミングを検出し、その開弁応答性の情報に基づいて燃料噴射弁の噴射量を補正するようにしたものがある。
また、燃料噴射弁の開弁速度を向上させる技術として、特許文献1(特開2012−97728号公報)に記載されたものがある。このものは、ソレノイドの非通電時に可動コアの押圧部とニードルの被押圧部との間に所定の隙間(ギャップ)が形成される構造(いわゆるコアブースト構造)とすることで、ソレノイドの通電時に可動コアを加速してからニードルに衝突させるようにしている。
特開2012−97728号公報
しかし、上述したコアブースト構造の燃料噴射弁では、ニードル及び可動コアを閉弁方向に付勢するスプリングのバネ力(付勢力)のばらつきと、可動コアとニードルとの間のギャップ(隙間)のばらつきの二つの複合要因で、開弁時の挙動(例えば開弁速度や開弁開始タイミング)がばらつく傾向がある(図6参照)。このため、開弁制御を実行したときの開弁応答性の情報(例えばフルリフト到達タイミング)と開弁時の挙動との間の相関が低く、開弁応答性の情報が同じでも開弁時の挙動が異なって噴射量が異なる可能性があり、開弁応答性の情報が噴射量ばらつきを精度良く反映した情報にならない可能性がある。このため、単に開弁制御を実行したときの開弁応答性の情報に基づいて噴射量を補正しただけでは、噴射量ばらつきを精度良く補正できない可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ソレノイドの非通電時に可動コアとニードルとの間にギャップ(隙間)が形成される構造の燃料噴射弁の噴射量ばらつきを精度良く補正することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、噴孔(49)を開閉するニードル(41)と該ニードルを開弁方向に押すための押圧部(40a)を有する可動コア(40)とが別体で設けられると共に、ニードル及び可動コアを閉弁方向に付勢する付勢部材(45)と可動コアを開弁方向に駆動するソレノイド(52)とが設けられ、ソレノイドの非通電時に可動コアの押圧部とニードルの被押圧部(42)との間に所定の隙間が形成される構造の燃料噴射弁(21)を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、所定の実行条件が成立したときに、可動コアの押圧部がニードルの被押圧部に当接するがニードルが開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態に維持されるようにソレノイドに通電するプレチャージ制御を実行し、該プレチャージ制御の実行後に、可動コア及びニードルが開弁方向に移動して燃料が噴射されるようにソレノイドに通電する開弁制御を実行する制御部(30)と、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁の電気的信号に基づいて燃料噴射弁の開弁応答性の情報(以下「開弁応答情報」という)を検出する検出部(30)と、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁の噴射制御量を補正する補正部(30)とを備えた構成としたものである。
この構成では、可動コアの押圧部がニードルの被押圧部に当接するがニードルが開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態に維持されるようにソレノイドに通電するプレチャージ制御を実行することで、可動コアとニードルとの間のギャップ(隙間)を無くした状態にして、ギャップのばらつきの影響を排除することができる。この点に着目して、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁の電気的信号(例えばソレノイドの駆動電流や端子電圧)に基づいて開弁応答情報を検出することで、ギャップのばらつきと付勢部材の付勢力のばらつきのうち付勢力のばらつきのみの影響を含んだ開弁応答情報を検出することができる。このプレチャージ制御有りでの開弁応答情報(つまりプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における開弁応答情報)は、付勢力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く反映した情報になる。従って、プレチャージ制御有りでの開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁の噴射制御量を補正することで、付勢力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができ、コアブースト構造の燃料噴射弁の噴射量ばらつきを精度良く補正することができる。特に付勢力のばらつきに起因する噴射量ばらつきがギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきよりも大きい場合に効果的である。
図1は本発明の実施例1におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。 図2は燃料噴射弁の断面図である。 図3は燃料噴射弁の非通電時の状態を示す要部の拡大断面図である。 図4は燃料噴射弁の通電時の状態(その1)を示す要部の拡大断面図である。 図5は燃料噴射弁の通電時の状態(その2)を示す要部の拡大断面図である。 図6は燃料噴射弁の開弁時の挙動に対するバネ力ばらつき及びギャップばらつきの影響を示す図である。 図7はフルリフト到達タイミングの検出方法を説明するタイムチャートである。 図8は実施例1の噴射量補正ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図9は実施例2の噴射量補正ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図8に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システムの概略構成を説明する。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、エンジン11の各気筒には、それぞれ筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって各気筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、燃料噴射弁21に燃料を供給する燃料供給系(例えばデリバリパイプ等)には、燃圧(燃料圧力)を検出する燃圧センサ31が設けられている。
これら各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。
その際、ECU30は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて要求噴射量を算出し、この要求噴射量に応じた噴射パルス幅(通電時間)で燃料噴射弁21を開弁駆動して要求噴射量分の燃料を噴射する。
次に、図2乃至図5に基づいて燃料噴射弁21の概略構成を説明する。
図2に示すように、燃料噴射弁21の本体ハウジング32は、磁性材により形成された第1筒状部材33の下端部に、非磁性材により形成された第2筒状部材34を介して、磁性材により形成された第3筒状部材35を接続して構成されている。本体ハウジング32の上端部(第1筒状部材33の上端部)には、デリバリパイプ(図示せず)と連結される燃料コネクタ部36が接続され、この燃料コネクタ部36の内周側に、燃料を濾過する燃料フィルタ37が装着されている。
本体ハウジング32の内周側には、磁性材により形成された円筒状の固定コア38が配置され、この固定コア38の内周側に、円筒状のアジャスタ39が配置されている。固定コア38の下方側には、磁性材により形成された円筒状の可動コア40が開閉方向(図2乃至図5では上下方向)に移動可能に配置されている。この可動コア40は、噴孔49を開閉するニードル41とは別体で設けられ、可動コア40の内周側に、ニードル41が開閉方向に移動可能に挿通されている。
図3乃至図5に示すように、ニードル41の上端部には、可動コア40の内径よりも大きい外径の鍔部42が設けられ、この鍔部42が可動コア40の上方側に突出している。可動コア40の上面に形成されたテーパ部40a(押圧部)がニードル41の鍔部42(被押圧部)の下面に当接することで、可動コア40がニードル41を開弁方向(図2乃至図5では上方向)に押すことができるようになっている。
ニードル41の上方側には、有底円筒状のカップ43がニードル41の鍔部42に被さった状態で開閉方向に移動可能に配置され、このカップ43の外周壁44が可動コア40の上面(テーパ部40aの外周側)に当接している。このカップ43の外周壁44の深さ寸法は、ニードル41の鍔部42の高さ寸法よりも大きい値に設定されている。
このカップ43とアジャスタ39(図2参照)との間に付勢部材である第1スプリング45が配置され、この第1スプリング45によってカップ43が閉弁方向(図2乃至図5では下方向)に付勢されることでニードル41及び可動コア40が閉弁方向に付勢されている。また、ニードル41の外周面のうち可動コア40の下方側には、リング部材46が固定されている。このリング部材46と可動コア40との間に第2スプリング47が配置され、この第2スプリング47によって可動コア40が開弁方向に付勢されている。この第2スプリング47のバネ力(付勢力)は、第1スプリング45のバネ力(付勢力)よりも小さい値に設定されている。
図2に示すように、本体ハウジング32の下端部(第3筒状部材35の下端部)には、ノズル部48が設けられ、このノズル部48に、複数の噴孔49が形成されている。ニードル41の下端部(先端部)の弁体50がノズル部48の弁座51から離間(離座)することで噴孔49が開放されて燃料が噴射され、弁体50が弁座51に当接(着座)することで噴孔49が閉鎖されて燃料の噴射が停止されるようになっている。
本体ハウジング32の外周側には、可動コア40を開弁方向に駆動するソレノイド52(コイル)が配置されている。このソレノイド52の上方側に設けられコネクタ53の内部に、ソレノイド52に接続されたターミナル54が配置されている。
図3に示すように、ソレノイド52の非通電時には、第1スプリング45のバネ力によってカップ43が閉弁方向に移動すると共に該カップ43に押されてニードル41及び可動コア40が閉弁方向に移動して燃料噴射弁21が閉弁(噴孔49が閉鎖)される。この際、ニードル41の弁体50が弁座51に当接することでニードル41の下限位置が規制され、この下限位置がニードル41の閉弁位置となる。前述したようにカップ43の外周壁44の深さ寸法がニードル41の鍔部42の高さ寸法よりも大きい値に設定されているため、ソレノイド52の非通電時に可動コア40のテーパ部40aとニードル41の鍔部42との間に所定の隙間(ギャップ)が形成される構造(いわゆるコアブースト構造)となっている。
一方、ソレノイド52の通電時には、図4に示すように、まず、ソレノイド52の電磁吸引力によって可動コア40が開弁方向に移動すると共に該可動コア40に押されてカップ43が開弁方向に移動して可動コア40のテーパ部40aがニードル41の鍔部42に当接する。この後、図5に示すように、可動コア40に押されてニードル41及びカップ43が開弁方向に移動して燃料噴射弁21が開弁(噴孔49が開放)される。この際、可動コア40の上面がストッパ55に当接することで、可動コア40の上限位置が規制されてニードル41の上限位置が規制され、この上限位置がニードル41のフルリフト位置となる。
しかし、コアブースト構造の燃料噴射弁21では、ニードル41及び可動コア40を閉弁方向に付勢するスプリング45のバネ力(付勢力)のばらつきと、可動コア40とニードル41との間のギャップ(隙間)のばらつきの二つの複合要因で、開弁時の挙動(例えば開弁速度や開弁開始タイミング)がばらつく傾向がある(図6参照)。このため、開弁制御を実行したときの開弁応答性の情報(例えばフルリフト到達タイミング)と開弁時の挙動との間の相関が低く、開弁応答性の情報が同じでも開弁時の挙動が異なって噴射量が異なる可能性があり、開弁応答性の情報が噴射量ばらつきを精度良く反映した情報にならない可能性がある。このため、単に開弁制御を実行したときの開弁応答性の情報に基づいて噴射量を補正しただけでは、噴射量ばらつきを精度良く補正できない可能性がある。
そこで、本実施例1では、ECU30により後述する図8の噴射量補正ルーチンを実行することで、次のようにして噴射量補正を行う。
図7に示すように、所定の実行条件が成立したときに、まず、可動コア40のテーパ部40aがニードル41の鍔部42に当接するがニードル41が開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態(図4参照)に維持されるようにソレノイド52に通電するプレチャージ制御を実行する。このプレチャージ制御の実行後に、可動コア40及びニードル41が開弁方向に移動して燃料が噴射されるようにソレノイド52に通電する開弁制御を実行する。このようにしてプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁21の電気的信号(例えば駆動電流)に基づいて燃料噴射弁21の開弁応答性の情報である開弁応答情報(例えばフルリフト到達タイミング)を検出し、この開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁21の噴射制御量(例えば通電時間)を補正する。
この場合、プレチャージ制御を実行することで、可動コア40とニードル41との間のギャップ(隙間)を無くした状態にして、ギャップのばらつきの影響を排除することができる。この点に着目して、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における開弁応答情報を検出することで、ギャップのばらつきとスプリング45のバネ力のばらつきのうちバネ力のばらつきのみの影響を含んだ開弁応答情報を検出することができる。このプレチャージ制御有りでの開弁応答情報(つまりプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における開弁応答情報)は、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く反映した情報になる。従って、プレチャージ制御有りでの開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁21の噴射制御量を補正することで、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができる。
以下、本実施例1でECU30が実行する図8の噴射量補正ルーチンの処理内容を説明する。
図8に示す噴射量補正ルーチンは、ECU30の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、所定の実行条件が成立しているか否かを、例えば、次の(1) 〜(4) の条件を全て満たすか否かによって判定する。
(1) エンジン11が定常運転中(例えばエンジン回転速度と負荷が一定)であること
(2) 冷却水温が所定範囲内であること
(3) 燃圧が所定範囲内(又は目標燃圧が一定)であること
(4) バッテリ電圧が所定範囲内であること
上記(1) 〜(4) の条件を全て満たせば、実行条件が成立するが、上記(1) 〜(4) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、実行条件が不成立となる。このステップ101で、実行条件が不成立と判定された場合には、ステップ102以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102に進み、要求噴射量がフルリフト領域(ニードル41がフルリフト位置に到達する領域)であるか否かを判定する。このステップ102で、要求噴射量がフルリフト領域ではないと判定された場合には、ステップ103以降の噴射量補正に関する処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ102で、要求噴射量がフルリフト領域であると判定された場合には、ステップ103以降の噴射量補正に関する処理を次のようにして実行する。
まず、ステップ103で、プレチャージ制御の通電電流I1 と通電時間T1 を設定する(図7参照)。この場合、例えば、予め燃料噴射弁21の設計パラメータ(例えば、可動コア40の質量、スプリング45,47のバネ設定荷重、流体抵抗等)に基づいてプレチャージ制御のベース通電電流とベース通電時間を算出してECU30のROM等に記憶しておき、その記憶値を読み出す。そして、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧とに応じた通電電流補正値と通電時間補正値をそれぞれマップ等により算出し、通電電流補正値を用いてベース通電電流を補正して通電電流I1 を求めると共に、通電時間補正値を用いてベース通電時間を補正して通電時間T1 を求める。これにより、プレチャージ制御によるソレノイド52の電磁吸引力Fが、可動コア40のテーパ部40aをニードル41の鍔部42に当接させるのに必要な電磁吸引力の最小値F1 以上で、且つ、ニードル41を開弁方向に移動させるのに必要な電磁吸引力の最小値F2 よりも小さい値(F1 ≦<F<F2 )になるように、プレチャージ制御の通電電流I1 と通電時間T1 を設定する。
この後、ステップ104に進み、今回のプレチャージ制御の通電電流I1 に対応する噴射量特性(要求噴射量と通電時間Ti との関係を規定するマップ又は数式等)を、プレチャージ制御の通電電流毎に設定された複数の噴射量特性の中から選択する。この選択した噴射量特性を用いて、今回の要求噴射量に応じた通電時間Ti を算出する。この通電時間Ti として、開弁制御の通電時間を算出するようにしても良いが、プレチャージ制御の通電時間T1 と開弁制御の通電時間との合計値を算出するようにしても良い。
この後、ステップ105に進み、プレチャージ制御を実行する(図7参照)。このプレチャージ制御では、今回の通電電流I1 と通電時間T1 となるように燃料噴射弁21のソレノイド52に通電することで、可動コア40のテーパ部40aがニードル41の鍔部42に当接するがニードル41が開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態(図4参照)に維持されるようにソレノイド52に通電する。この場合、燃料噴射弁21のソレノイド52に低電圧(バッテリ電圧)を印加して、燃料噴射弁21の駆動電流(ソレノイド52に流れる電流)を通電電流I1 まで上昇させる。
この後、ステップ106に進み、開弁制御を実行する(図7参照)。この開弁制御では、今回のプレチャージ制御の通電電流I1 に対応する噴射量特性を用いて算出した通電時間Ti となるように燃料噴射弁21のソレノイド52に通電することで、可動コア40及びニードル41が開弁方向に移動して要求噴射量分の燃料が噴射されるようにソレノイド52に通電する。この場合、燃料噴射弁21のソレノイド52に高電圧(バッテリ電圧を昇圧回路で昇圧した電圧)を印加して、燃料噴射弁21の駆動電流を目標ピーク電流I2 まで上昇させた後、燃料噴射弁21のソレノイド52に低電圧を印加して、燃料噴射弁21の駆動電流を目標ピーク電流I2 よりも低い電流に制御する。
この後、ステップ107に進み、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁21の駆動電流の検出値に基づいてフルリフト到達タイミング(つまりニードル41がフルリフト位置に到達するタイミング)を検出する。これにより、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミング(つまりプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合におけるフルリフト到達タイミング)を検出する。
ニードル41がフルリフト位置に到達する(つまり可動コア40が上限位置に到達する)と、可動コア40の速度が大きく変化するため、それに伴うインダクタンス変化により燃料噴射弁21の駆動電流の変化特性(例えば傾き)が変化する。このため、フルリフト到達タイミングで燃料噴射弁21の駆動電流の変化特性が変化する変曲点となる。このような特性に着目して、燃料噴射弁21の駆動電流の変化特性が変化する変曲点を検出することでフルリフト到達タイミングを検出することができる。
具体的には、燃料噴射弁21の駆動電流が目標ピーク電流I2 に到達した後の期間(つまり燃料噴射弁21に低電圧を印加している期間)に、ニードル41がフルリフト位置に到達する場合には、その期間中に燃料噴射弁21の駆動電流の1階微分値が所定の閾値を越えたタイミングをフルリフト到達タイミングとして検出する(図7参照)。また、燃料噴射弁21の駆動電流が目標ピーク電流I2 に到達する前の期間(つまり燃料噴射弁21に高電圧を印加している期間)に、ニードル41がフルリフト位置に到達する場合には、その期間中に燃料噴射弁21の駆動電流の1階微分値が所定の閾値を越えたタイミングをフルリフト到達タイミングとして検出する。尚、燃料噴射弁21の駆動電流に基づいてフルリフト到達タイミングを検出する方法は、上述した方法に限定されず、適宜変更しても良い。
この後、ステップ108に進み、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間Ti を補正する。この場合、例えば、各気筒毎に、フルリフト到達タイミングと基準値(例えば各気筒のフルリフト到達タイミングの平均値又は標準品のフルリフト到達タイミング)との差分を算出し、この差分を小さくする方向に燃料噴射弁21の通電時間Ti を補正する(例えば通電時間Ti の算出に用いる噴射量特性を補正する)。
本実施例1では、ステップ101〜106等の処理が特許請求の範囲でいう制御部としての役割を果たす。また、ステップ107等の処理が特許請求の範囲でいう検出部としての役割を果たし、ステップ108等の処理が特許請求の範囲でいう補正部としての役割を果たす。
以上説明した本実施例1では、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行し、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出する。これにより、ギャップのばらつきの影響を排除して、ギャップのばらつきとバネ力のばらつきのうちバネ力のばらつきのみの影響を含んだフルリフト到達タイミングを検出することができる。このプレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正する。これにより、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができ、コアブースト構造の燃料噴射弁21の噴射量ばらつきを精度良く補正することができる。特にバネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきがギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきよりも大きい場合に効果的である。
また、本実施例1では、(1) エンジン11が定常運転中であること、(2) 冷却水温が所定範囲内であること、(3) 燃圧が所定範囲内(又は目標燃圧が一定)であること、(4) バッテリ電圧が所定範囲内であること、という(1) 〜(4) の条件を全て満たしたときに、実行条件が成立していると判定して、フルリフト到達タイミングを検出して燃料噴射弁21の通電時間を補正するようしている。これにより、エンジン運転状態、冷却水温、燃圧、バッテリ電圧の変動によるフルリフト到達タイミングの変動を抑制して、フルリフト到達タイミングを精度良く検出することができ、フルリフト到達タイミングに基づいた燃料噴射弁21の通電時間の補正を精度良く行うことができる。
また、本実施例1では、燃料噴射弁21の設計パラメータ(例えば、可動コア40の質量、スプリング45,47のバネ設定荷重、流体抵抗等)に基づいてプレチャージ制御のベース通電電流とベース通電時間を設定し、これらのベース通電電流とベース通電時間を、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧とに応じて補正してプレチャージ制御の通電電流と通電時間を設定するようにしている。これにより、燃圧や冷却水温やバッテリ電圧に応じて、プレチャージ制御によるソレノイド52の電磁吸引力Fを適正範囲(F1 ≦<F<F2 )に設定するのに必要な通電電流や通電時間が変化するのに対応して、プレチャージ制御の通電電流と通電時間を変化させて、プレチャージ制御の通電電流と通電時間を適正値に設定することができ、燃圧や冷却水温やバッテリ電圧の変化に左右されずに、プレチャージ制御によるソレノイド52の電磁吸引力Fを適正範囲(F1 ≦<F<F2 )に設定することができる。
次に、図9を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、ECU30により後述する図9の噴射量補正ルーチンを実行することで、次のようにして噴射量補正を行う。
所定の実行条件が成立したときに、まず、前記実施例1と同じように、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行し、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出する。これにより、ギャップのばらつきの影響を排除して、ギャップのばらつきとバネ力のばらつきのうちバネ力のばらつきのみの影響を含んだフルリフト到達タイミングを検出する。このプレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正することで、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正する。
更に、この後(つまりバネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを補正した後)、プレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行し、プレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミング(つまりプレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行した場合におけるフルリフト到達タイミング)を検出する。これにより、ギャップのばらつきとバネ力のばらつきのうちギャップのばらつきのみの影響を含んだフルリフト到達タイミングを検出する。このプレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を再補正することで、ギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正する。
本実施例2で実行する図9のルーチンは、前記実施例1で説明した図8のルーチンのステップ108の処理の後に、ステップ109〜111の処理を追加したものであり、それ以外の各ステップの処理は図8と同じである。
図9の噴射量補正ルーチンでは、まず、ステップ101で、所定の実行条件が成立しているか否かを判定し、実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102に進み、要求噴射量がフルリフト領域であるか否かを判定する。
要求噴射量がフルリフト領域であると判定された場合には、ステップ103に進み、プレチャージ制御の通電電流I1 と通電時間T1 を設定した後、ステップ104に進み、今回のプレチャージ制御の通電電流I1 に対応する噴射量特性を選択する。
この後、ステップ105に進み、プレチャージ制御を実行した後、ステップ106に進み、開弁制御を実行する。
この後、ステップ107に進み、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁21の駆動電流の検出値に基づいてフルリフト到達タイミングを検出することで、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出する。
この後、ステップ108に進み、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間Ti を補正する(例えば通電時間Ti の算出に用いる噴射量特性を補正する)。
この後、ステップ109に進み、プレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行する。この開弁制御では、通常(つまりプレチャージ制御を実行しない場合)の噴射量特性を用いて算出した通電時間Ti となるように燃料噴射弁21のソレノイド52に通電する。
この後、ステップ110に進み、プレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁21の駆動電流の検出値に基づいてフルリフト到達タイミングを検出することで、プレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングを検出する。
この後、ステップ111に進み、プレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間Ti を再補正する(例えば通電時間Ti の算出に用いる噴射量特性を再補正する)。
本実施例2では、ステップ101〜106,109等の処理が特許請求の範囲でいう制御部としての役割を果たす。また、ステップ107,110等の処理が特許請求の範囲でいう検出部としての役割を果たし、ステップ108,111等の処理が特許請求の範囲でいう補正部としての役割を果たす。
以上説明した本実施例2では、まず、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行して、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出し、このプレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正する。これにより、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができる。この後、プレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行して、プレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングを検出し、このプレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を再補正する。これにより、ギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができる。その結果、バネ力のばらつき及びギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正することができ、コアブースト構造の燃料噴射弁21の噴射量ばらつきを更に精度良く補正することができる。
尚、上記実施例2では、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出して、このプレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正した後、プレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングを検出して、このプレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を再補正するようにしている。しかし、これに限定されず、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングを検出した後に、引き続いてプレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングを検出して、プレチャージ制御有りでのフルリフト到達タイミングとプレチャージ制御無しでのフルリフト到達タイミングとに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、要求噴射量がフルリフト領域のときに、燃料噴射弁21の電気的信号(例えば駆動電流)に基づいて開弁応答情報(例えばフルリフト到達タイミング)を検出して燃料噴射弁21の噴射制御量(例えば通電時間)を補正するようしている。しかし、これに限定されず、例えば、要求噴射量がパーシャルリフト領域(ニードル41がフルリフト位置に到達しないパーシャルリフト状態となる領域)のときに、燃料噴射弁21の電気的信号(例えば端子電圧)に基づいて開弁応答情報(例えば閉弁タイミング)を検出して燃料噴射弁21の噴射制御量(例えば通電時間)を補正するようしても良い。
具体的には、所定の実行条件が成立し且つ要求噴射量がパーシャルリフト領域のときに、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行し、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における燃料噴射弁21の端子電圧(例えばマイナス端子電圧)の検出値に基づいて燃料噴射弁21の閉弁タイミング(つまりニードル41が閉弁位置に戻るタイミング)を検出する。このプレチャージ制御有りでの閉弁タイミング(つまりプレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行した場合における閉弁タイミング)に基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正することで、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正する。
或は、所定の実行条件が成立し且つ要求噴射量がパーシャルリフト領域のときに、まず、プレチャージ制御を実行した後に開弁制御を実行し、プレチャージ制御有りでの閉弁タイミングを検出する。このプレチャージ制御有りでの閉弁タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正することで、バネ力のばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正する。更に、この後、プレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行し、プレチャージ制御無しでの閉弁タイミング(つまりプレチャージ制御を実行せずに開弁制御を実行した場合における閉弁タイミング)を検出する。このプレチャージ制御無しでの閉弁タイミングに基づいて燃料噴射弁21の通電時間を再補正することで、ギャップのばらつきに起因する噴射量ばらつきを精度良く補正する。
ここで、燃料噴射弁21は、通電オフ後に誘導起電力によって端子電圧(例えばマイナス端子電圧)が変化する。その際、ニードル41が閉弁位置に到達したときに、可動コア40の速度が大きく変化して、端子電圧の変化特性が変化する。このため、閉弁タイミングで燃料噴射弁21の端子電圧の変化特性が変化する変曲点となる。このような特性に着目して、燃料噴射弁21の端子電圧の変化特性が変化する変曲点を検出することで閉弁タイミングを検出することができる。また、パーシャルリフト領域では、燃料噴射弁21の開弁応答性と閉弁タイミングとの間の相関が高くなるため、開弁応答情報として閉弁タイミングを用いることができる。
また、上記各実施例1,2では、上記(1) 〜(4) の条件を全て満たしたときに実行条件が成立していると判定するようにしたが、これに限定されず、例えば、(1) 〜(4) の条件のうちの一つ又は二つ以上を満たしたときに実行条件が成立していると判定するようにしても良いし、実行条件の内容を適宜変更しても良い。
また、上記各実施例1,2では、燃料噴射弁21の設計パラメータ(例えば、可動コア40の質量、スプリング45,47のバネ設定荷重、流体抵抗等)に基づいてプレチャージ制御のベース通電電流とベース通電時間を設定し、これらのベース通電電流とベース通電時間を、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧とに応じて補正してプレチャージ制御の通電電流と通電時間を設定するようにしている。しかし、これに限定されず、ベース通電電流とベース通電時間を、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧のうちの一つ又は二つに応じて補正してプレチャージ制御の通電電流と通電時間を設定するようにしても良い。或は、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧のうちの少なくとも一つと燃料噴射弁21の設計パラメータとに基づいて通電電流と通電時間をそれぞれマップ等により算出するようにしても良い。また、通電電流に応じて通電時間を設定するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、検出した開弁応答情報(例えばフルリフト到達タイミング)に基づいて燃料噴射弁21の通電時間を補正するようしている。しかし、これに限定されず、検出した開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁21の駆動電流(例えば開弁制御時の目標ピーク電流I2 の設定値)又は駆動電圧(例えば開弁制御時に印加する高電圧の設定値)を補正するようにしても良い。或は、検出した開弁応答情報に基づいて燃料噴射弁21の通電時間と駆動電流と駆動電圧のうちの二つ又は三つを補正するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2において、ECU30が実行する機能の一部又は全部を、一つ或は複数のIC等によりハードウェア的に構成しても良い。
その他、本発明は、筒内噴射用の燃料噴射弁を備えたシステムに限定されず、コアブースト構造の燃料噴射弁を備えたシステムであれば、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁を備えたシステムにも適用して実施できる。
21…燃料噴射弁、30…ECU(制御部,検出部,補正部)、40…可動コア、40a…テーパ部(押圧部)、41…ニードル、42…鍔部(被押圧部)、45…第1スプリング(付勢部材)、49…噴孔、52…ソレノイド

Claims (6)

  1. 噴孔(49)を開閉するニードル(41)と該ニードルを開弁方向に押すための押圧部(40a)を有する可動コア(40)とが別体で設けられると共に、前記ニードル及び前記可動コアを閉弁方向に付勢する付勢部材(45)と前記可動コアを開弁方向に駆動するソレノイド(52)とが設けられ、前記ソレノイドの非通電時に前記可動コアの押圧部と前記ニードルの被押圧部(42)との間に所定の隙間が形成される構造の燃料噴射弁(21)を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    所定の実行条件が成立したときに、前記可動コアの押圧部が前記ニードルの被押圧部に当接するが前記ニードルが開弁方向に移動せずに閉弁位置で停止した状態に維持されるように前記ソレノイドに通電するプレチャージ制御を実行し、該プレチャージ制御の実行後に、前記可動コア及び前記ニードルが開弁方向に移動して燃料が噴射されるように前記ソレノイドに通電する開弁制御を実行する制御部(30)と、
    前記プレチャージ制御を実行した後に前記開弁制御を実行した場合における前記燃料噴射弁の電気的信号に基づいて前記燃料噴射弁の開弁応答性の情報(以下「開弁応答情報」という)を検出する検出部(30)と、
    前記プレチャージ制御を実行した後に前記開弁制御を実行した場合における前記開弁応答情報に基づいて前記燃料噴射弁の噴射制御量を補正する補正部(30)と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御部は、前記実行条件が成立したときに、前記プレチャージ制御を実行した後に前記開弁制御を実行する処理と、前記プレチャージ制御を実行せずに前記開弁制御を実行する処理とを実施し、
    前記検出部は、前記プレチャージ制御を実行した後に前記開弁制御を実行した場合における前記開弁応答情報を検出する処理と、前記プレチャージ制御を実行せずに前記開弁制御を実行した場合における前記開弁応答情報を検出する処理とを実施し、
    前記補正部は、前記プレチャージ制御を実行した後に前記開弁制御を実行した場合における前記開弁応答情報と、前記プレチャージ制御を実行せずに前記開弁制御を実行した場合における前記開弁応答情報とに基づいて、前記燃料噴射弁の噴射制御量を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記検出部は、前記開弁応答情報として、前記ニードルがフルリフト位置に到達するタイミング又は前記ニードルが前記閉弁位置に戻るタイミングを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御部は、内燃機関が定常運転中、冷却水温が所定範囲内、燃圧が所定範囲内、目標燃圧が一定、バッテリ電圧が所定範囲内のうちの少なくとも一つの条件を満たしたときに、前記実行条件が成立していると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記制御部は、前記燃料噴射弁の設計パラメータに基づいて前記プレチャージ制御の通電電流と通電時間を設定し、該プレチャージ制御の通電電流と通電時間を、燃圧と冷却水温とバッテリ電圧のうちの少なくとも一つに応じて補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記補正部は、前記燃料噴射弁の噴射制御量として、前記燃料噴射弁の通電時間と駆動電流と駆動電圧のうちの少なくとも一つを補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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