JP2017020145A - 高視認性織編物 - Google Patents
高視認性織編物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017020145A JP2017020145A JP2015140743A JP2015140743A JP2017020145A JP 2017020145 A JP2017020145 A JP 2017020145A JP 2015140743 A JP2015140743 A JP 2015140743A JP 2015140743 A JP2015140743 A JP 2015140743A JP 2017020145 A JP2017020145 A JP 2017020145A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- woven
- knitted fabric
- visibility
- fluorescent
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物であって、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色してなり、セルロース系繊維は非蛍光色の染料によって着色してなる高視認性織編物。
ポリエステル繊維が蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されていることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
欧州におけるEN−ISO20471規格を例にとると、高視認性安全作業服は、視覚的な認識効果に優れた特定の蛍光色に着色された生地と、光に対する再起反射性を有する素材をそれぞれ一定面積以上使用した衣類を着用する必要がある。これは、微細な違いはあるにせよ、米国規格協会の規定するANSI 107−1999規格等も同様の基準である。高視認性を付与した布帛に関する技術としては特許文献1が挙げられる。この技術によれば、ANSI 107−1999に適合する高視認性の色調に染色された布帛が開示されているが、屋外における太陽光が照射される環境下で長期に亘って使用した際の色調の退色については何ら言及したものではない。
本発明において、ポリエステル繊維は、蛍光黄色、蛍光橙色、蛍光赤色のいずれかに着色されていることが好ましく、この蛍光3色のいずれかに着色させることにより、例えば、工事現場や道路・港湾・空港等で作業者が着用する作業服として適用したときに、作業者の存在をより明確に示すことができる。また、各種ユニフォームの生地として衣服の少なくとも一部に使用した場合に、その存在をより識別しやすい。蛍光色である黄色、橙色、赤色は、いずれも注意・危険を喚起するのに優れた色であるため、好ましく用いることができる。さらには、より注意・危険を喚起する効果を奏するためには、高視認性織編物の表側から測定される色度が、それぞれの色相において、表2に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表2に示す輝度率の数値以上であることがより好ましい。
RMA=({(WB−W0)/W0} − {(WA−W0)/W0})×100
本発明においては、衣服内の蒸れによる不快感を軽減するには、このRMAの値が0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上である。RMAが0.3未満である場合、衣服内の蒸れを十分に軽減しにくい。
すなわち、ポリエステル繊維を分散染料により染色した後に未反応の分散染料を取り除く還元洗浄を行う。セルロース系繊維を着色する反応染料や直接染料は、この還元洗浄によって分解されてしまう。すなわち、先にセルロース系繊維を反応染料や直接染料を用いて染色した場合、その後、ポリエステル繊維を染色した後の還元洗浄によって、セルロース系繊維に着色した反応染料・直接染料が分解してしまい色が落ちてしまう。したがって、先にポリエステル系繊維を染色し、その後にセルロース系繊維を染色する。
また、セルロース系繊維を着色するスレン染料であるが、上記した還元洗浄によりスレン染料は可溶化する。したがって、ポリエステル繊維を染色した後にセルロース系繊維を染色するにあたり、ポリエステル繊維を分散染料により染色し、還元洗浄とスレン染料の可溶化工程とを同時に行い、続いてセルロース系繊維のスレン染料による染色を行うことができ、ポリエステル繊維の染色工程における還元洗浄工程とセルロース系繊維の染色工程におけるスレン染料の可溶化工程を同時に処理できるため、効率的で好ましい。
上記の理由により、ポリエステル繊維は初めに、次にセルロース繊維を染色する。染色した後は、余剰水分を除去して、テンター等を用いて熱セットして、本発明の高視認性織編物を得る。
(1)XYZ色度座標・輝度率
EN−ISO20471規格に基づき、分光光度計(Macbeth製 MS−2020PL)を用い、D65光源にて生地表面の色度座標および輝度率を測定した。
(2)耐光堅牢度
JIS L−0842(カーボンアーク灯)およびJIS L−0843(キセノンランプ)に基づき、第3露光法により、5級照射での耐光堅牢度を測定した。
(3)RMA
タテ・ヨコ25cmの正方形の試料を準備し、105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W0(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量WA(g)を測定した。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量WB(g)を測定した。測定した質量W0、WA、WBから吸湿能力RMAを下記式で算出した。
RMA=({(WB−W0)/W0} − {(WA−W0)/W0})×100
(4)視認性
得られた織編物を用いて半袖上衣とパンツからなる作業着を作成し、この作業着を着用した人物より60m離れたところから目視で視認性を晴天時・曇天時・雨天時に確認を行い、3段階評価(◎:視認性極めて良好である、○:視認性は良好であるが状況によりやや低下する場合があった、×:視認性が不良である)を行った。
ポリエステル繊維として酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)、セルロース系繊維として木綿繊維とから構成される混紡糸(32番手双糸)を準備した。混紡糸中の混合比率は、ポリエステル繊維:セルロース系繊維=65:35(質量%)である。
また、前記混紡糸と導電性ポリエステル繊維(ユニチカトレーディング社製「メガーナE」28dtex)とをS撚300T/Mで合撚した合撚糸を準備した。
混紡糸:合撚糸=56:1となるように配列して整経・サイジングを行い、ビームを作成した。準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、緯糸として前記混紡糸(32番手双糸)を用いて2/1左綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。
この生機を精練・晒加工後、連続染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、その後テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸113本/インチ、緯糸52本/インチの高視認性織物を得た。
実施例1で得られた生機を、蛍光燈色の分散染料で染色加工を行った後に非蛍光燈色のスレン染料で染色加工を行った以外は実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの高視認性織物を得た。
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸(167dtex/48f)を用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として、綿紡績糸30番手単糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、3/1右綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、その後テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸密度125本/インチ、緯糸密度81本/インチの高視認性織物を得た。なお、この織物中における混用率は、ポリエステル繊維60質量%、セルロース系繊維40質量%であった。
酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)65質量%と木綿繊維35質量%とからなる混紡糸32番手を33インチ20ゲージのダブル丸編機を用いてスムース組織で編立を行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、目付240g/m2の高視認性編物を得た。
実施例1で得られた生機を用い、蛍光黄色の分散染料のみで染色加工を行った以外は、実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
比較例1で得られた生機を用い、蛍光黄色の分散染料で染色加工をした後、蛍光黄色の反応染料で染色加工を行った以外は、実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
構成繊維として、ポリエステル繊維のみからなる織物を製織した。すなわち、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)からなる紡績糸30番手双糸を整経・サイジングしビームを準備した。準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、緯糸として前記ポリエチレンテレフタレート短繊維からなる紡績糸40番手双糸を用い、2/1右綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理後、連続染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸113本/インチ、緯糸52本/インチの織物を得た。
実施例1で得られた生機を用い、非蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光の反応染料で染色加工を行った以外は実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
Claims (10)
- ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物であって、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色してなり、セルロース系繊維は非蛍光色の染料によって着色してなることを特徴とする高視認性織編物。
- ポリエステル繊維が蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色してなることを特徴とする請求項1記載の高視認性織編物。
- 織編物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表1に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表1に示す輝度率の数値以上であることを特徴とする請求項1または2記載の高視認性織編物。
- カーボンアーク灯およびキセノンランプを光源とする耐光堅牢度がいずれも4級もしくは4級以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高視認性織編物。
- 耐光堅牢度測定における耐光照射後の織編物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表1に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表1に示す輝度率の数値以上であることを特徴とする請求項4項記載の高視認性織編物。
- 織編物の表側の面に表出する繊維が主としてポリエステル繊維によって構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の高視認性織編物。
- セルロース系繊維は、ポリエステル繊維と混合された混紡糸の形態で織編物を構成していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の高視認性織編物。
- 織編物の吸湿能力(RMA)が0.3以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の高視認性織編物。
- 請求項1〜7のいずれかに1項記載の高視認性織編物により構成される高視認性衣服。
- 請求項1記載の高視認性織編物の製造方法であって、ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物を染色する際に、ポリエステル繊維を蛍光色の分散染料によって染色した後、セルロース系繊維を非蛍光色の染料によって染色することを特徴とする請求項1記載の高視認性織編物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015140743A JP6556537B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 高視認性織編物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015140743A JP6556537B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 高視認性織編物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017020145A true JP2017020145A (ja) | 2017-01-26 |
JP6556537B2 JP6556537B2 (ja) | 2019-08-07 |
Family
ID=57889154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015140743A Active JP6556537B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 高視認性織編物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6556537B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019178460A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 冨士経編株式会社 | 経編地 |
WO2022059259A1 (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-24 | 株式会社カネカ | 布帛、その製造方法およびそれを用いた衣料 |
-
2015
- 2015-07-14 JP JP2015140743A patent/JP6556537B2/ja active Active
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019178460A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 冨士経編株式会社 | 経編地 |
JP7129806B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-09-02 | 冨士経編株式会社 | 経編地 |
WO2022059259A1 (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-24 | 株式会社カネカ | 布帛、その製造方法およびそれを用いた衣料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6556537B2 (ja) | 2019-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103221597B (zh) | 阻燃织物和服装 | |
CN104736750B (zh) | 具有洗涤持久的热性能和舒适性的纤维共混物 | |
JP5913783B2 (ja) | 難燃性布帛およびそれから製造した衣服 | |
US8528120B2 (en) | Flame resistant fabric made from a fiber blend | |
JP5922093B2 (ja) | 個人防護衣類用布帛 | |
EP2597980B1 (en) | Fluorescent fibres and their use | |
EP2643508B1 (en) | Flame resistant fabric for protective clothing | |
US20180127917A1 (en) | Lightweight, arc-rated, dyeable fabrics | |
US20120270456A1 (en) | Flame retardant fabric for protective clothing | |
TW201525215A (zh) | 布帛及纖維製品 | |
SA518400699B1 (ar) | أقمشة مقاومة للاشتعال بها ألياف تحتوي على مواد إضافية تمتص و/أو تعكس الطاقة | |
EP3276059B1 (en) | Fabric and garment | |
JP6162447B2 (ja) | 高視認性重ね織物 | |
JP6556537B2 (ja) | 高視認性織編物 | |
WO2014107750A1 (en) | Flame resistant fabric for protective clothing and upholstery applications and its use | |
KR20190059914A (ko) | 난연성 및 높은 가시성 직물 및 그 제조방법 | |
JP2014198916A (ja) | 審美性の高い耐熱布帛 | |
JP6468746B2 (ja) | 高視認性織物 | |
JP6636258B2 (ja) | 高視認性編物 | |
JP2021011650A (ja) | 高視認性織編物 | |
US20240018704A1 (en) | Fabric material that is resistant to flash fires and electrical arc flashes | |
EP4215658A1 (en) | Fabric, method for producing same and clothing item using same | |
JP2021155869A (ja) | 高視認性織編物 | |
NZ715059A (en) | High visibility clothing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180611 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190625 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190710 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6556537 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |