JP2017020145A - 高視認性織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高視認性と優れた耐光堅牢度を発揮し、かつ吸汗性や吸湿性に優れて快適に着用できる薄地の生地を提供することを技術的な課題とする。
【解決手段】ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物であって、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色してなり、セルロース系繊維は非蛍光色の染料によって着色してなる高視認性織編物。
ポリエステル繊維が蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高視認性の織編物に関するものであり、特に視認性と耐光堅牢度を兼ね備えた高視認性織編物に関するものである。
自動車や電車・列車等の車両や、航空機、船舶等、高速で移動する乗り物の近くでの作業に従事する者は、常に接触事故の危険を伴っている。そのため、視覚で認識しやすいように、蛍光色や鮮明色の生地や再起反射素材を使用した視認性の高い安全作業服を着用する必要がある。例えばEU諸国においては、特定の業務に従事する者は、EN―ISO20471規格に規定された高視認性安全作業服の着用が義務付けられている。この様な高視認性安全作業服については、日本においても必要性が高まっている。
欧州におけるEN−ISO20471規格を例にとると、高視認性安全作業服は、視覚的な認識効果に優れた特定の蛍光色に着色された生地と、光に対する再起反射性を有する素材をそれぞれ一定面積以上使用した衣類を着用する必要がある。これは、微細な違いはあるにせよ、米国規格協会の規定するANSI 107−1999規格等も同様の基準である。高視認性を付与した布帛に関する技術としては特許文献1が挙げられる。この技術によれば、ANSI 107−1999に適合する高視認性の色調に染色された布帛が開示されているが、屋外における太陽光が照射される環境下で長期に亘って使用した際の色調の退色については何ら言及したものではない。
日本をはじめとするアジア諸国では、欧米と比較して太陽光の照射が強く、蛍光着色された生地の耐光堅牢度を維持するのが難しい。特に綿やレーヨン等、吸汗性・吸湿性に優れたセルロース系繊維は一般的にポリエステル等の合成繊維に比べて堅牢度の維持が難しいため、セルロース系繊維を含む生地については太陽光による変色の懸念が高く、結果として吸汗性・吸湿性に乏しいポリエステル等の合成繊維のみを素材として使用せざるを得ない状況であった。そこで、本出願人は、このような状況下、吸汗性にも優れ、太陽光が照射される環境下で長期に亘って使用しても褪色しにくい高視認性の織物および衣服を提案している(特許文献2)。この技術によれば、表組織と裏組織とからなる重ね織物を採用し、それぞれの組織に特定の繊維を配することにより長期に亘って太陽光に照射されても褪色しにくいという効果を奏する。
特表2008−509297号公報 特開2014−185413号公報
上記した特許文献2の技術は、重ね織物という多層組織を採用して、優れた耐光堅牢度と高視認性とを発揮するとともに、衣服として快適に着用でき、安全作業服として非常に適している。
本発明者は、特許文献2の様に多層構造を採用しなくとも、快適に着用でき、かつ高視認性を付与できないかと考えた。すなわち、多層構造であると、ある程度の厚みを有する生地となり、薄地のものが得にくいからである。
したがって、本発明の課題は、高視認性と優れた耐光堅牢度を発揮し、かつ吸汗性や吸湿性に優れて快適に着用できる薄地の生地を提供することである。
セルロース系繊維は吸汗性や吸湿性に優れることから、作業者が快適に着用する衣服を得るためには重要な素材であるが、一般にセルロース系繊維に適用される蛍光染料は耐光堅牢度が劣るため、蛍光色に着色したセルロース系繊維は日光の照射によって色褪せやすい。本発明者は、このようなセルロース系繊維であるが、布帛の表側にセルロース系繊維が出ていても視認性に優れた蛍光色が長期間に亘り維持され、かつ吸汗性や吸放湿性にも優れた高視認性の生地を得ることはできないかと考え、種々検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物であって、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色してなり、セルロース系繊維は非蛍光色の染料によって着色してなることを特徴とする高視認性織編物を要旨とするものである。
以下、本発明について説明する。
本発明の高視認性織編物は、その構成繊維が、ポリエステル繊維とセルロース系繊維である。なお、構成繊維はポリエステル繊維とセルロース系繊維であるが、本発明の目的を達成する範囲において少量であれば他の繊維が含まれていてもよい。ポリエステル繊維は耐光堅牢度に優れた蛍光色に着色可能であり、一方、セルロース系繊維は吸汗性及び吸放湿性に優れるため、作業服等の衣類に適用すると快適性を発揮する。ポリエステル繊維とセルロース系繊維とを併用して織編物の構成繊維とすることにより、高視認性作業服に求められる視認性、耐光堅牢度、快適性を満たすことができる。
ポリエステル繊維は、一般に汎用性が高く機械的強度にも優れるポリエチレンテレフタレート繊維を好ましく用いる。ポリエステル繊維における二酸化チタンの含有量は、多くとも1質量%以下であることが好ましい。二酸化チタンの含有量が1質量%を超えると、光沢感が減少して発色性および視認性が低下し、加えて二酸化チタンが太陽光によって励起してポリエステル繊維中の蛍光染料に作用し、耐光堅牢度等の低下を起こす懸念があるためである。なお、二酸化チタンの含有量は、耐光堅牢度を低下させないことを考慮すれば、ゼロに近くなるほど好ましいが、繊維を製造する際の製糸性や表面光沢感の抑制を考慮して0.5質量%以下の範囲で少量含まれていることが好ましい。
セルロース系繊維としては、特に限定されるものではなく、綿やレーヨン、キュプラ、リヨセル等が挙げられる。織編物の用途として、衣服、特に作業服として用いる場合、洗濯回数が多い用途であることを考慮すると綿が最も好適である。セルロース系繊維を用いる理由は、本発明の織編物は、例えば、車両との接触事故の危険を伴う場所等での作業者が着用する安全作業服等として好適に使用するものであり、作業中には非常に多くの発汗を伴うことから、セルロース系繊維を配することにより、衣服内の蒸れた空気を吸収して外気へ放出することができることにある。
ポリエステル繊維およびセルロース系繊維の形態としては、短繊維であっても連続繊維であってもよい。ポリエステル繊維とセルロース系繊維とを併用する形態としては、例えば、ポリエステル繊維とセルロース系繊維とを混紡紡績した混紡糸を用いること、ポリエステル繊維からなる糸とセルロール系繊維からなる糸とを合撚した合撚糸を用いること等が挙げられる。また、織編物中で、ポリエステル繊維からなる糸とセルロース系繊維からなる糸とを用いて交織・交編した布帛が挙げられる。本発明においては、ポリエステル繊維とセルロース系繊維とを短繊維の形態で用い、混合してなる混紡紡績糸を好ましく用いることができる。混合して混紡紡績糸とすることにより、繊維の単位で均一に、ポリエステル繊維とセルロース系繊維とが混ざり合うため、蛍光色に着色したポリエステル繊維と非蛍光色に着色したセルロース系繊維とが、細い繊維の単位で均一に混じり合って色を発するため、色斑が感じ難く、均一な発色になり好ましい。
本発明において、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色されたものであり、一方、セルロース系繊維は蛍光色ではなく非蛍光色の染料によって着色されたものである。一般に、セルロース系繊維において、蛍光色の染料によって着色したものは、長時間の日光の曝露によって変色するため、高視認性を保つことが難しい。本発明においては、蛍光色を発するポリエステル繊維と、非蛍光色を発するが耐光堅牢度に優れるセルロース系繊維とを併用することにより、求められる色相および輝度を現すことが可能となり、かつ日光の照射によっても褪色しにくく、耐光堅牢度に優れたものとなる。なお、セルロース系繊維として着色していないものを用いると、所望の色相を現すことができず高視認性に劣るものとなる。
ポリエステル繊維に適用する蛍光分散染料は、市場で各染料メーカーから販売されているものを使用することができ、例えば、DIANIXFlavine XF(ダイスタージャパン社製)、リフォームブリリアントフラビンG−NやリフォームブリリアントレッドV(エヌ・エス・カラーテクノ社製)などが上げられ、これら染料を単独または複数用いることによって所望の色相とすることが可能となる。なお、蛍光発色する染料は耐光堅牢度に弱いものが多いため、染色時や仕上げ時に紫外線吸収剤を併用し、ポリエステル線に紫外線吸収剤を付着させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、松本油脂製薬社製のブリアンFOK−3などが挙げられる。
セルロース系繊維に適用する染料としては、直接染料、反応染料、スレン染料等が挙げられる。そして、ポリエステル繊維が発する蛍光色の輝度や色相を阻害しないために、近似する色であって鮮やかな染料を選択すればよい。すなわち、ポリエステル繊維が蛍光赤色であれば、セルロース系繊維は非蛍光で鮮やかな赤色を選択し、ポリエステル繊維が蛍光黄色であれば、セルロース系繊維は非蛍光で鮮やかな黄色を選択し、ポリエステル繊維が蛍光橙色であれば、セルロース系繊維は非蛍光で鮮やかな橙色を選択すればよい。市場で入手可能なものとしては、例えば、カヤラススプラライトイエローF8GやカヤラススプラライトスカーレットF2G(日本化薬社製)などが挙げられる。
本発明において、ポリエステル繊維は、蛍光黄色、蛍光橙色、蛍光赤色のいずれかに着色されていることが好ましく、この蛍光3色のいずれかに着色させることにより、例えば、工事現場や道路・港湾・空港等で作業者が着用する作業服として適用したときに、作業者の存在をより明確に示すことができる。また、各種ユニフォームの生地として衣服の少なくとも一部に使用した場合に、その存在をより識別しやすい。蛍光色である黄色、橙色、赤色は、いずれも注意・危険を喚起するのに優れた色であるため、好ましく用いることができる。さらには、より注意・危険を喚起する効果を奏するためには、高視認性織編物の表側から測定される色度が、それぞれの色相において、表2に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表2に示す輝度率の数値以上であることがより好ましい。
本発明の高視認性織編物において、布帛の高視認性と耐光堅牢度を保つために、使用の際に表側となる面に表出する繊維が主としてポリエステル繊維であることが好ましい。ここで「主として」とは、表側の面に表出する繊維のうち半分以上はポリエステル繊維が占めることをいう。織編物の組織、糸の配し方、混合した糸における配合比等を適宜選択することによって、ポリエステル繊維が主として表側に表出するように設計すればよく、また、ポリエステル繊維の表出する割合は、織編物の組織、組織に配する繊維の糸量や比率、混合した糸の質量比から算出することができる。なお、織編物中に含まれるセルロース系繊維の質量は、10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上である。織編物において、吸放湿性を保持するためである。
吸湿能力は、RMA(Real Moisture Absorption)により評価することができる。RMAは、25℃、60%RHの常温常湿雰囲気下より34℃、90%RHの高温高湿雰囲気に生地を移動させたときの生地の吸湿能力を示し、RMAの値が大きいほど衣服内の蒸れにより発生した湿気を吸収する能力が高いことを示す。具体的には、以下により測定する。すなわち、タテ・ヨコ25cmの正方形にカットした試料を105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量W(g)を測定する。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定する。測定した質量W、W、Wから吸湿能力RMAを下記式によって算出する。
RMA=({(W−W)/W} − {(W−W)/W})×100
本発明においては、衣服内の蒸れによる不快感を軽減するには、このRMAの値が0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上である。RMAが0.3未満である場合、衣服内の蒸れを十分に軽減しにくい。
高視認性安全作業服として、注意・危険を喚起する効果を奏するためには、昼夜・天候を問わず、視認性を維持する必要があり、特に太陽光下での使用によって変退色すると、目的とする効果を良好に奏することができにくくなる懸念がある。よって、本発明の高視認性織編物は、カーボンアーク灯およびキセノンランプを光源とした耐光堅牢度がいずれも4級もしくは4級以上であり、耐光照射後の織編物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表2に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表2に示す輝度率の数値以上である。耐光堅牢度の光源として世界で一般的なのはキセノンランプであり、この波長領域は太陽光に近いものである。しかしながら、日本を始めとするアジア諸国を中心として、欧米と比較して太陽光の照射が強い地域においては、キセノンランプでの耐光堅牢度試験で合格したとしても、実際に太陽光の下で着用したときに受ける光が強いため、変退色を起こす懸念がある。よって、蛍光染料の変退色に強い影響を及ぼす紫外光領域の波長が強く、キセノンランプに比べて同一時間照射での曝露が強いカーボンアーク灯を光源として耐光堅牢度を評価した場合でも4級もしくは4級以上であるとよく、さらには5級もしくは5級以上であることが好ましい。耐光堅牢度を4級もしくは4級以上とすることにより、太陽光曝露下で着用した場合に、経時で変退色が起こりにくく、長期に亘って良好に効果を奏しながら使用可能となる。
本発明の高視認性織編物を作業服として使用したとき、作業内容によっては引火性ガスや粉塵等の存在する場所で着用する可能性がある。この様な場所での作業においては、静電気の帯電による火花が引火・爆発を引き起こす懸念があることから、織編物の帯電電荷量を7μC/m以下にするとよく、4μC/m以下がより好ましい。織編物の帯電電荷量を前記数値以下とすることにより、着用時の静電気の帯電を十分に抑えることができる。なお、この数値を達成するためには、例えば、導電糸を織編物に2本/2.54cm程度の間隔で挿入するとよい。
また、本発明の高視認性織編物において、輝度、色相や耐光堅牢度に悪影響を及ぼさない範囲で、シルケット加工や、その他常法の起毛加工、吸水加工、制電加工、抗菌、消臭、防縮加工が施されたものであってもよい。
本発明の高視認性織編物は、例えば、以下の方法により得ることができる。すなわち、ポリエステル短繊維とセルロース系短繊維とを適宜の割合で混合して混紡紡績糸を得る。織組織もしくは編組織を適宜設計し、混紡紡績糸を配する。このとき、ポリエステル繊維のみからなる糸を併用して配することや、前記した混紡紡績糸とポリエステル繊維のみからなる糸とを合撚した合撚糸を併用して配してもよい。次いで、製編織した生機は、精錬・晒加工をし、その後、染色機を用いて染色する。まず、蛍光色の分散染料により染色加工を施し、ポリエステル繊維を染色により蛍光色に着色させ、その後、非蛍光色の染色加工を施して、セルロース系繊維を染色により着色する。
染色する順番として、ポリエステル繊維を先に染色した後に、セルロース系繊維を染色するのは、以下の理由による。
すなわち、ポリエステル繊維を分散染料により染色した後に未反応の分散染料を取り除く還元洗浄を行う。セルロース系繊維を着色する反応染料や直接染料は、この還元洗浄によって分解されてしまう。すなわち、先にセルロース系繊維を反応染料や直接染料を用いて染色した場合、その後、ポリエステル繊維を染色した後の還元洗浄によって、セルロース系繊維に着色した反応染料・直接染料が分解してしまい色が落ちてしまう。したがって、先にポリエステル系繊維を染色し、その後にセルロース系繊維を染色する。
また、セルロース系繊維を着色するスレン染料であるが、上記した還元洗浄によりスレン染料は可溶化する。したがって、ポリエステル繊維を染色した後にセルロース系繊維を染色するにあたり、ポリエステル繊維を分散染料により染色し、還元洗浄とスレン染料の可溶化工程とを同時に行い、続いてセルロース系繊維のスレン染料による染色を行うことができ、ポリエステル繊維の染色工程における還元洗浄工程とセルロース系繊維の染色工程におけるスレン染料の可溶化工程を同時に処理できるため、効率的で好ましい。
上記の理由により、ポリエステル繊維は初めに、次にセルロース繊維を染色する。染色した後は、余剰水分を除去して、テンター等を用いて熱セットして、本発明の高視認性織編物を得る。
本発明の高視認性織編物は、視認性に優れた蛍光色が長期間着用しても維持されており、かつセルロース系繊維を使用しているため、吸汗性や吸湿性にも優れたものである。また生地の織編構造の制約がないため、薄地の織編物も可能であり、したがって、作業者の安全作業服として好適に用いられるほか、各種の作業服やユニフォームとしてのシャツ地等として好適に用いられる。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の評価は下記の方法で行った。
(1)XYZ色度座標・輝度率
EN−ISO20471規格に基づき、分光光度計(Macbeth製 MS−2020PL)を用い、D65光源にて生地表面の色度座標および輝度率を測定した。
(2)耐光堅牢度
JIS L−0842(カーボンアーク灯)およびJIS L−0843(キセノンランプ)に基づき、第3露光法により、5級照射での耐光堅牢度を測定した。
(3)RMA
タテ・ヨコ25cmの正方形の試料を準備し、105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量W(g)を測定した。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定した。測定した質量W、W、Wから吸湿能力RMAを下記式で算出した。
RMA=({(W−W)/W} − {(W−W)/W})×100
(4)視認性
得られた織編物を用いて半袖上衣とパンツからなる作業着を作成し、この作業着を着用した人物より60m離れたところから目視で視認性を晴天時・曇天時・雨天時に確認を行い、3段階評価(◎:視認性極めて良好である、○:視認性は良好であるが状況によりやや低下する場合があった、×:視認性が不良である)を行った。
実施例1
ポリエステル繊維として酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)、セルロース系繊維として木綿繊維とから構成される混紡糸(32番手双糸)を準備した。混紡糸中の混合比率は、ポリエステル繊維:セルロース系繊維=65:35(質量%)である。
また、前記混紡糸と導電性ポリエステル繊維(ユニチカトレーディング社製「メガーナE」28dtex)とをS撚300T/Mで合撚した合撚糸を準備した。
混紡糸:合撚糸=56:1となるように配列して整経・サイジングを行い、ビームを作成した。準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、緯糸として前記混紡糸(32番手双糸)を用いて2/1左綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。
この生機を精練・晒加工後、連続染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、その後テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸113本/インチ、緯糸52本/インチの高視認性織物を得た。
実施例2
実施例1で得られた生機を、蛍光燈色の分散染料で染色加工を行った後に非蛍光燈色のスレン染料で染色加工を行った以外は実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの高視認性織物を得た。
実施例3
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸(167dtex/48f)を用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として、綿紡績糸30番手単糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、3/1右綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、その後テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸密度125本/インチ、緯糸密度81本/インチの高視認性織物を得た。なお、この織物中における混用率は、ポリエステル繊維60質量%、セルロース系繊維40質量%であった。
実施例4
酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)65質量%と木綿繊維35質量%とからなる混紡糸32番手を33インチ20ゲージのダブル丸編機を用いてスムース組織で編立を行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、蛍光黄色の反応染料で染色加工を行い、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、目付240g/mの高視認性編物を得た。
比較例1
実施例1で得られた生機を用い、蛍光黄色の分散染料のみで染色加工を行った以外は、実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
比較例2
比較例1で得られた生機を用い、蛍光黄色の分散染料で染色加工をした後、蛍光黄色の反応染料で染色加工を行った以外は、実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
比較例3
構成繊維として、ポリエステル繊維のみからなる織物を製織した。すなわち、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維(1.7dtex×38mm)からなる紡績糸30番手双糸を整経・サイジングしビームを準備した。準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、緯糸として前記ポリエチレンテレフタレート短繊維からなる紡績糸40番手双糸を用い、2/1右綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理後、連続染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸113本/インチ、緯糸52本/インチの織物を得た。
比較例4
実施例1で得られた生機を用い、非蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、非蛍光の反応染料で染色加工を行った以外は実施例1と同様にして、経糸密度113本/インチ、緯糸密度52本/インチの織物を得た。
得られた実施例1〜4および比較例1〜4の織編物生地について、前述した諸性能を評価した。その結果を表3に示す。
また、耐光堅牢度測定における耐光照射後の織編物生地について、色度座標および輝度率を測定した結果を表4に示す。
実施例1〜4の織編物は、良好に蛍光色を発現し、耐光堅牢度、RMA、視認性の何れにおいても優秀な成績を示した。着用試験においても蒸れが少なく快適性に優れ、疲労も少ないと高評価であり、高視認性安全作業衣用等の生地として好適であることが実証できた。
特に、実施例1〜4は、RMAの数値も高く、吸放湿性に優れ、快適な素材であった。なお、実施例3は、ポリエステルフィラメントと綿紡績糸の交織であった為、性能的には問題はなかったが、経糸と緯糸の同色性が完全には合わず、シャンブレー調の表情であった。
一方、比較例1は、ポリエチレンテレフタレート短繊維のみを染色して綿繊維を染色していなかったため、色度座標が基準値から外れてしまい、結果として視認性が劣るものであった。
比較例2は、ポリエチレンテレフタレート短繊維と綿繊維の両方を蛍光染料で染色しており、色度座標は基準値内に入っているが、糸表面に綿のセルロース系繊維が表出してしまっているため、耐光堅牢度の劣るものであった。
比較例3は、綿繊維を含まなかったため、RMAが不十分であり、結果として着用感としての快適性が劣っていた。
比較例4は、蛍光染料を使用していなかったため、輝度率が大きく劣り、本発明が目的とする視認性を有するものではなかった。

Claims (10)

  1. ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物であって、ポリエステル繊維は蛍光色の分散染料によって着色してなり、セルロース系繊維は非蛍光色の染料によって着色してなることを特徴とする高視認性織編物。
  2. ポリエステル繊維が蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色してなることを特徴とする請求項1記載の高視認性織編物。
  3. 織編物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表1に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表1に示す輝度率の数値以上であることを特徴とする請求項1または2記載の高視認性織編物。

  4. カーボンアーク灯およびキセノンランプを光源とする耐光堅牢度がいずれも4級もしくは4級以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高視認性織編物。
  5. 耐光堅牢度測定における耐光照射後の織編物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表1に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度率が表1に示す輝度率の数値以上であることを特徴とする請求項4項記載の高視認性織編物。
  6. 織編物の表側の面に表出する繊維が主としてポリエステル繊維によって構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の高視認性織編物。
  7. セルロース系繊維は、ポリエステル繊維と混合された混紡糸の形態で織編物を構成していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の高視認性織編物。
  8. 織編物の吸湿能力(RMA)が0.3以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の高視認性織編物。
  9. 請求項1〜7のいずれかに1項記載の高視認性織編物により構成される高視認性衣服。
  10. 請求項1記載の高視認性織編物の製造方法であって、ポリエステル繊維とセルロース系繊維によって構成される織編物を染色する際に、ポリエステル繊維を蛍光色の分散染料によって染色した後、セルロース系繊維を非蛍光色の染料によって染色することを特徴とする請求項1記載の高視認性織編物の製造方法。
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