本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。尚、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
尚、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
[パチンコ遊技機の動作] 次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図16は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、可動部材321を移動させる慣らし動作を実行する可動部材慣らし処理を実行する(S51A)。可動部材慣らし処理については図18で後述する。そして、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51B)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図17は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
次に、図3〜図13に基づいて、演出ユニット300について説明する。図3は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図4は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。図7は、(A)はピニオンギヤ、(B)はラックギヤを示す背面図である。図8は、(A)は可動部材が第1位置にある状態、(B)は第2位置にある状態を示す概略図である。図10は、(A)はピニオンギヤがラックギヤに噛合した状態、(B)はラックギヤを移動させている状態、(C)はラックギヤが規制されている状態を示す概略図である。図11は、(A)〜(D)は規制状態となるまでのギヤの状態を示す要部拡大図である。図12は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第1作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。図13は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第2作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。
図3〜図6に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた可動部302と、可動部302を横向きに傾倒する傾倒位置(図6(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図6(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ303と、を有する。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には、可動部302を回動させる第1演出用モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には検出片315が突設されており、該検出片315が回転盤312の下方に設けられた位置検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部302は、回動部材320と、回動部材320の前面側に該回動部材320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材321と、回動部材320の背面側にて可動部材321と一体に移動するラックギヤ322と、を有する。可動部材321は、回動部材320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
尚、本実施の形態では、演出制御用CPU120は、可動部302が起立位置にあるときに、可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動演出を実行するようになっている。また、可動部材321は、第1位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図1参照)。
回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入されることで回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、が突設されている。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
第1ガイド軸326の左側には、可動部材321を左右方向に案内する直線状のスライド溝329が左右方向に向けて延設されている。回動部材320の前面におけるスライド溝329の上方には、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330が固設されており、ベース部301を貫通して後側に突出した駆動軸330aの先端には、ラックギヤ322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。尚、本実施の形態では、第2演出用モータ330としてステッピングモータが適用されている。
回動部材320の左側の背面には、ラックギヤ322を付勢するための引張バネ323の左端が係止されるフック332が後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ322の右端に形成された検出片334を検出する位置検出センサ333が設けられており、該検出片334が位置検出センサ333により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部材321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材321は、円盤状の発光部321Aと、発光部321Aから右側に延びる取付部321Bと、を有する。発光部321Aは、内部に図示しない複数の発光ダイオード(LED)が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部321Bの背面には、2つのボス334a,334bが突設されており、該ボス334a,334bはスライド溝329に挿入され、ラックギヤ322の背面側から螺入されるネジN1によりラックギヤ322が止着されることで、回動部材320前側に配置された可動部材321と回動部材320の後側に配置されたラックギヤ322とが一体化されている。
一体化された可動部材321とラックギヤ322とは、2つのボス334a,334bがスライド溝329に挿入されていることで、回動部材320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ322の右側には、左端が回動部材320のフック332に係止された引張バネ323の右端が係止されるフック335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ323は、一端が回動部材320のフック332に係止され、他端がラックギヤ322のフック335に係止されていることで、可動部材321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット300は、可動部302は、駆動初期状態において、図6(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ303により回転盤312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図6(B)に示す起立位置まで回転する。尚、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の詳細な構造について説明する。図7(A)に示すように、ピニオンギヤ331は、円盤部材の周面の一部に複数の駆動歯が突設された回転ギヤである。駆動歯は、回転方向に向けて複数突設される駆動歯340Aと、駆動軸330aから歯が噛み合う位置までを半径とするピッチ円における歯厚寸法L2が駆動歯340Aの歯厚寸法L1よりも大きい駆動歯340Bと、ピッチ円における歯厚寸法L3が駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸の駆動歯340Cと、を有している(歯厚寸法L1<L2<L3)。
また、このように駆動歯340A,340B,340Cの歯厚寸法L1,L2,L3がそれぞれ異なることで、駆動歯340Aの先端面342A、駆動歯340Bの先端面342B及び駆動歯340Cの先端面342Cそれぞれにおける周方向の長さ寸法は、歯厚寸法L1,L2,L3の関係と同じである。つまり、先端面342Bの周方向の長さ寸法は、先端面342Aの周方向の長さ寸法より長寸とされ、先端面342Cの周方向の長さ寸法は、先端面342A,342Bの周方向の長さ寸法より長寸とされている。
尚、本実施の形態では、先端面342A,342Bは平坦面とされ、後述する規制部を構成する先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされている。
各駆動歯340Aと駆動歯340Aとの間の歯溝寸法L4と、駆動歯340Aと駆動歯340Bとの間の歯溝寸法L5とは同一とされ(歯溝寸法L4=L5)、駆動歯340Aと駆動歯340Cとの間の歯溝寸法L6は、歯溝寸法L4,L5より長寸とされている(L4,L5<L6)。これら駆動歯340A,340B,340Cは、周面の約1/3に亘り形成されており、周面の残りの2/3は、駆動歯を円周方向に欠落させた欠落部341とされている。つまり、ピニオンギヤ331は、駆動歯を有しラックギヤ322に噛合する噛合部と、駆動歯を有せずラックギヤ322に噛合しない非噛合部と、を周面に有する。
尚、本実施の形態では、ピニオンギヤ331は、図7(A)における時計回りがラックギヤ322を第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動させる第1作動方向であり、反時計回りがラックギヤ322を第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動させる第2作動方向である。
図7(B)に示すように、ラックギヤ322は、棒状部材の側面の一部に複数の従動歯が突設されたギヤである。従動歯は、ピニオンギヤ331側の側面に沿って複数突設される従動歯350Aと、駆動歯が噛み合う位置における歯厚寸法L12が従動歯350Aの歯厚寸法L11よりも大きい従動歯350Bと、歯厚寸法L13が従動歯350A,350Bの歯厚寸法L11,L12よりも長寸の従動歯350Cと、を有している(歯厚寸法L11<L12<L13)。また、各従動歯350A,350B,350Cの先端面は平坦面とされている。
各従動歯350Aと従動歯350Aとの間の歯溝寸法L14と、従動歯350Aと従動歯350Cとの間の歯溝寸法L15とは同一とされ(歯溝寸法L14=L15)、従動歯350Aと従動歯350Bとの間の歯溝寸法L16は、歯溝寸法L14,L15より長寸とされている(L14,L15<L16)。
尚、ラックギヤ322における歯溝寸法L14,L15は、駆動歯340Aの歯厚寸法L1に対応する寸法とされ、歯溝寸法L16は、駆動歯340Bの歯厚寸法L2に対応する寸法とされている。また、ピニオンギヤ331における歯溝寸法L4,L5は、従動歯350Aの歯厚寸法L11に対応する寸法とされ、歯溝寸法L6は、従動歯350Cの歯厚寸法L13に対応する寸法とされている。
これら従動歯350A,350B,350Cは、側面の長手方向の下部から上下方向の略中央まで形成されており、中央から上方は、従動歯を長手方向に欠落させた欠落部351とされている。つまり、ラックギヤ322は、従動歯を有しピニオンギヤ331に噛合する噛合部と、従動歯を有せずピニオンギヤ331に噛合しない非噛合部と、を側面に有する。
尚、本実施の形態では、ラックギヤ322は、図7(B)における上方の第2位置と下方の第1位置との間で移動する。つまり、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動し、ピニオンギヤ331が第2作動方向へ回転することで第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動するようになっている。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の作動態様について、図8〜図13に基づいて説明する。尚、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するため、以下においては、可動部302が起立位置にあるときの上下左右方向を基準として説明する。
尚、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作する例について説明するが、可動部302が傾倒位置にあるときや回動中に可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するようにしてもよい。
図8(A)及び図8(B)に示すように、可動部材321(ラックギヤ322)は、回動部材320に対し、ボス334bがスライド溝329の下端に位置する下方の第1位置と、ボス334aがスライド溝329の上端に位置する上方の第2位置と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
図8(A)に示すように、可動部材321は、第1位置において引張バネ323による上方への付勢力が作用しているが、ピニオンギヤ331とラックギヤ322とが、後述するように駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで引張バネ323の付勢力による可動部材321の上方への移動を規制する規制状態(ロック状態)へ変化することで、第2演出用モータ330がオフ状態であっても、可動部材321は第1位置に保持される。尚、規制状態(ロック状態)の詳細については後述する。
図8(B)に示すように、規制状態が解除されると、可動部材321は、引張バネ323の付勢力により上方に移動した後、該引張バネ323により第2位置に保持される。つまり、引張バネ323による付勢力は可動部材321の荷重を上回っている。
次いで、図10(A)に示すように、駆動歯340Bが対応する従動歯350Bに上方から噛合した状態で、図10(B)に示すように、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回動することで、駆動歯340Aと対応する従動歯350Aとが噛合し、ラックギヤ322が引張バネ323による上向きの付勢力に抗して第1方向(下方向)へ移動していく。そして、図10(C)に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで規制状態となり、ラックギヤ322、つまり、可動部材321が第1位置に保持される。
ここで、規制解除状態から規制状態(ロック状態)へ変化する際の詳細について説明する。図10(A)に示すように、可動部材321が第2位置にある状態において、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで、駆動歯340A,340Bが従動歯350A、350Bに噛合することにより、引張バネ323による上向きの付勢力に抗してラックギヤ322が第1方向へ移動し、可動部材321が第1位置へ向けて下降する。
次いで、図11(A)に示すように、複数のうち駆動歯340Cに隣接する駆動歯340Aと複数のうち従動歯350Cに隣接する従動歯350Aとの噛合が解除される前に、駆動歯340Cと従動歯350Cとが噛合され、駆動歯340Aと従動歯350Aとの噛合が解除される。そして、図11(B)に示すように、駆動歯340Cがラックギヤ322の欠落部351に対向した後、駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面の歯元から歯先へ向けて移動していく。
そして、図11(C)に示すように、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れると、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除される。つまり、駆動歯340Cは欠落部341に隣接する隣接駆動歯であり、従動歯350Cは欠落部351に隣接する隣接従動歯である(駆動歯340Cは、複数の従動歯のうち第1方向の後側の端部の従動歯350Cに噛合する駆動歯である)ことで、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えるため、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れ、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除されると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとする。
そして、図11(C)に示すように、ピニオンギヤ331がさらに回転すると、駆動歯340Cの先端面342Cが、ラックギヤ322の各従動歯350A,350B,350Cの歯先を通る歯先線Tに交差する。このとき、上記したように、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えていることで、ラックギヤ322は、引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとするため、従動歯350Cの歯先が駆動歯340Cの先端面342Cに押し付けられるように当接する。
このように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sは、駆動歯340Cの歯面から(図11(A)参照)、駆動歯340Cの歯先へ移動した後(図11(B)参照)、駆動歯340Cの先端面342Cへと移動する(図11(C)参照)。つまり、駆動歯340Cの歯面から歯先へ向けて摺接したまま滑るように先端面342Cへ乗り移る。
その後、従動歯350Cの歯先が先端面342Cにおける周方向の略中央位置に到達した際に第2演出用モータ330がオフ状態となりピニオンギヤ331の回転が停止される(図11(D)参照)。この状態において、先端面342Cが歯先線Tに対し交差するように、第2方向へ向けてラックギヤ322側に傾斜して配置され、また、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により上方へ向けて付勢されていることで、従動歯350Cの歯先が先端面342Cに押し付けられ、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態(ロック状態)となる。すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとは、ラックギヤ322を第2方向(上方向)への移動を規制する規制手段を構成している。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、図11(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図11(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の第2方向へ変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動、つまり、可動部材321が僅かに上昇して遊技者に違和感を与えることを防止できる。
例えば、規制部を構成する先端面342Cが平坦面である場合、図11(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図11(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転すると、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点S’がラックギヤ322の第2方向へ変位してしまう。また、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて規制状態を解除しようとする際に、先端面342Cが湾曲面の場合に比べて、引張バネ323による付勢力が増大するため、第2演出用モータ330にかかる負荷が大きくなってしまう。よって、先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成することが好ましい。
尚、本実施の形態では、第2演出用モータ330はステッピングモータであるため、基準位置からのステップ数(回転角度)により駆動歯340Cが図11(D)に示す規制位置に停止するようにピニオンギヤ331の回転を停止させることができるが、例えば、駆動歯340Cが図11(D)に示す規制位置にあることを検知するセンサ等を設け、該センサからの検出状況に基づいてピニオンギヤ331の回転を停止させるようにしてもよい。
また、規制状態に変化させる際にピニオンギヤ331の回転を停止する停止位置を、例えば、先端面342Cに従動歯350Cが当接する範囲内の複数個所に設定し、所定回数ごとに異なる個所に停止するようにすることで、繰り返しの停止により先端面342Cの局所が摩耗により変形することを回避することができる。この場合、例えば、先端面342Cを欠落部341の周方向に亘り延設すること等が考えられる。
次に、規制状態の解除方法について説明する。まず、図12(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、欠落部341がラックギヤ322に対向して先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されることで、先端面342Cによる従動歯350Cの規制が解除され、規制状態から規制解除状態へ変化する。
図12(B)に示すように、規制解除状態となることで、ラックギヤ322は引張バネ323の引張力により第2方向へ上昇するため、可動部材321は第1位置から第2位置へ向けて高速で移動する。また、本実施の形態では、第1位置が駆動初期位置とされているため、図12(C)に示すように、規制解除状態へ変化した後もピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて、駆動歯340Bが従動歯350Bに噛合する位置に到達したときに第2演出用モータ330をオフ状態としてピニオンギヤ331の回転を停止させる。
よって、可動部材321を第2位置から第1位置へ移動させる際には、ピニオンギヤ331をさらに第1作動方向へ回転させることで、駆動歯340B,340Aと従動歯350B,350Aとの噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させることができる。このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけで、可動部材321を第1位置から第2位置へ移動させることができるとともに、第2位置から第1位置へ移動させることもできるため、第2演出用モータ330を制御する演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
図13には、規制状態の解除方法の他の例が示されている。図13(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向と逆の第2作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されるが、従動歯350Cが駆動歯340Cと駆動歯340Aとの間の歯溝に入り込み、図11(A)に示すように、従動歯350Cの歯面が駆動歯340Cの歯面に当接する噛合状態になるため、ラックギヤ322の引張バネ323による第2方向への移動が駆動歯340Cとの当接により規制される。
よって、ピニオンギヤ331をさらに第2作動方向へ回転させることで、ラックギヤ322をピニオンギヤ331の回転により上昇させることができる。すなわち、図12に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321は引張バネ323の付勢力により所定速度で第1位置から第2位置へ移動するが、図13に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321を任意の速度で第1位置から第2位置へ移動させることができる。
具体的には、ピニオンギヤ331を低速で回転させれば可動部材321を低速で、ピニオンギヤ331を高速で回転させれば可動部材321を高速で上昇させることができる。また、上昇させる途中で停止させたり、上下動させたりするなど、種々の態様にて上昇させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動源としての第2演出用モータ330により回転(作動)する駆動ギヤとしてのピニオンギヤ331と、ピニオンギヤ331に噛合される従動ギヤとしてのラックギヤ322と、を備え、ラックギヤ322は、引張バネ323によって、ピニオンギヤ331により移動(作動)する第1方向と反対の第2方向へ付勢されており、ピニオンギヤ331は、駆動歯340A,340B,340Cを一部欠落させた欠落部341と、欠落部341に隣り合う隣接駆動歯としての駆動歯340Cの先端に設けられる規制部としての先端面342Cと、を有し、駆動歯340Cとラックギヤ322の従動歯350Cとの噛合が解除された後、該従動歯350Cが先端面342Cに当接することによりラックギヤ322の第2方向への移動が規制される。
すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除され、欠落部341がラックギヤ322に対向すると、第2方向へ付勢されているラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに当接することにより該第2方向への移動が規制される。このように、ピニオンギヤ331の駆動歯340Cに設けられた先端面342Cを用いてラックギヤ322の第2方向への移動を規制することができるので、ラックギヤ322や可動部材321の第1方向への移動を規制するための規制手段を別個に設けるなどして部品点数を増加させることなく、駆動ギヤと従動ギヤとによる簡素な構造でラックギヤ322の作動を停止させることができる。
また、実施の形態では、従動ギヤであるラックギヤ322は、引張バネ323により第2方向へ付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ギヤはバネ部材以外の付勢手段により第2方向へ付勢されていてもよい。また、例えば、可動部302を上下反転して設ける場合、ラックギヤ322は、可動部材321の荷重により常時下方(第2方向)へ付勢されることになるため、自重により第2方向へ付勢されるもの等も含まれる。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、ラックギヤ322は、第1位置(図8(A)で示す位置)と該第1位置とは異なる第2位置(図8(C)で示す位置)との間で往復作動可能であり、ピニオンギヤ331がラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向に回転することで、駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合により第2位置から第1位置へ移動した後、欠落部341が対向し駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合が解除されることにより、引張バネ323により第2方向へ付勢され、第1位置から第2位置へ作動する。
このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけでラックギヤ322を往復作動させることができるので、第2演出用モータ330の制御負荷を軽減できる。
また、先端面342Cに従動歯350Cが当接することにより、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態は、ピニオンギヤ331を、図12に示すように、ラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向または図13に示すように、第1作動方向とは反対の第2作動方向に作動させることで解除可能である。
このようにすることで、ピニオンギヤ331を第1作動方向と第2作動方向のうち一作動方向へ回転させても規制状態が解除されない場合、他方向へ作動させることで解除されるため、ラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに噛んでラックギヤ322を移動できなくなることを回避しやすくなる。
また、規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させたときと第2作動方向へ回転させたときとで、ラックギヤ322の作動態様が異なる。具体的には、図12(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力にて上昇し、図13(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させると、ラックギヤ322はピニオンギヤ331の回転に応じて上昇することで、ラックギヤ322に一体化されている可動部材321の作動態様を多様化することができる。
また、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされている(例えば、歯厚寸法L1<L2<L3)。このようにすることで、従動歯350A,350B,350Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに駆動歯340Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、歯厚寸法L3が広くなることで規制部を構成する先端面342Cも広くなるので、従動歯350Cを規制しやすくなる。
ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、従動歯350Cが先端面342Cに当接している状態においてピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の移動方向に変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動することを防止できる。
また、従動歯において駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13は、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされている(歯厚寸法L11<L12<L13)このようにすることで、駆動歯340Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに従動歯350Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、規制部に当接している状態において第2方向へ付勢される力によりかかる負荷による破損等を防止できる。
[演出ユニットのケーブル] 図3、図8および図9を参照して、演出ユニット300には、可動部材321の発光部321AのLEDに電力を供給するケーブル361が設けられる。
図9(A)および図9(B)は、それぞれ、図8(A)および図8(B)の側面を模式的に表したものである。なお、図9においては、見易くするために、可動部材321と回動部材320との間隔、および、回動部材320とラックギヤ322との間隔は、広めに描いているが、実際は、図で示すよりも狭くなっている。
図1で示されるように、ケーブル361は、ベース部301の演出制御基板12からの中継基板に設けられるコネクタ363から、回動部材320に設けられるケーブル361の押さえ部材364を経て、可動部材321の発光部321AのLEDが搭載されるLED基板に設けられるコネクタ362に接続される。
図9(A)で示されるように、可動部材321が第1位置で待機している状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、かなり屈曲した状態である。
図9(B)で示されるように、可動部材321が第2位置に進出した状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、伸びて余裕が余り無い状態となる。
このため、可動部材321には、ケーブル361によって第2位置から第1位置へ向かう方向の力が掛かる。ケーブル361が伸びた状態においては、ケーブル361の被覆材は樹脂であるので、ケーブル361が冷えている状態のときは、冷えていない状態のときよりも、ケーブル361によって可動部材321に掛かる力は強くなる。
引張バネ323は、第2演出用モータ330によって可動部材321が第2位置になるまで引っ張られる。このため、第2演出用モータ330は、引張バネ323が最も引っ張られた状態の引張力(付勢力)よりも強い力を発生することが可能である。
前述したように、引張バネ323による付勢力は、可動部材321の荷重を上回っている。しかし、引張バネ323による付勢力を強くすると、引張バネ323を引っ張る第2演出用モータ330の出力も強くする必要がある。出力の大きいモータを用いると製造コストが上がるため、モータの出力は必要最小限であることが好ましい。
本実施の形態における引張バネ323としては、可動部材321の荷重だけではなく、ケーブル361が伸びた状態での可動部材321を引っ張る力、および、第2演出用モータ330のコストも考慮して、必要最小限の付勢力が得られるバネが用いられる。
このため、万一、品質の悪いケーブル361が用いられ、低温で硬くなるような場合、可動部材321を最初に移動させるときに、引張バネ323の付勢力が不足することが考えられる。通常は低温で想定以上に硬くなるようなケーブルが用いられることはない。
しかし、本実施の形態においては、引張バネ323の付勢力が不足するような事態が生じないようにするために、夜間に放置されて冷えたパチンコ遊技機1を起動するときに、後述の図18のステップS515で示すように、可動部材321の動きを慣らすための慣らし動作をする。可動部材321を第1位置から第2位置まで移動させる慣らし動作をすることによって、ケーブル361が屈伸させられることでケーブル361を柔軟に慣らすことができる。その結果、引張バネ323の付勢力が不足するような事態を未然に防止することができる。
また、本実施の形態においては、パチンコ遊技機1が起動されているときは、ケーブル361は、熱を発する物(演出表示装置5、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330)の近傍に設けられるため、ケーブル361が熱によって柔軟性が高い状態が保たれる。
図18は、演出制御メイン処理における可動部材慣らし処理(S51A)を示すフローチャートである。図18を参照して、演出制御用CPU120は、可動部302を起立位置に移動させるよう第1演出用モータ303を制御する(S511)。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部302の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S512)。異常が検出された(S512でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部302の異常を報知する(S513)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行われる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行われたか否かを判定する(S514)。可動部302の移動の異常が検出されていない(S512でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行われた(S514でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321を第1位置に移動させるよう第2演出用モータ330を制御する(S515)。ここで、可動部材321を第2位置と第1位置との間で往復させるようにしてもよい。
このように、引張バネ323よりも力の強い第2演出用モータ330によって可動部材を移動させるので、より確実に、可動部材321を移動させることができる。これによって、ケーブル361が曲がった状態から伸ばされた状態とされることによってケーブル361および可動部材321の動きを慣らすことができる。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部材321の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S516)。異常が検出された(S516でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321の異常を報知する(S517)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行われる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行われたか否かを判定する(S518)。可動部材321の移動の異常が検出されていない(S516でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行われた(S518でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
以上説明した構成および効果をまとめると以下のとおりである。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、待機位置(たとえば、図8,図9で示す第1位置)および進出位置(たとえば、図8,図9で示す第2位置)に移動可能な可動物(たとえば、可動部材321)と、遊技機が起動されたときに、可動物の動作を確認するための確認動作(たとえば、図16のステップS51Bの可動部材初期化処理における初期動作、イニシャル動作ともいう)と、可動物を移動させる慣らし動作(たとえば、図16のステップS51A,図18の可動部材慣らし処理における動作、ショートイニシャル動作ともいう)とを実行させる制御手段(たとえば、演出制御用CPU120)とを備える。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させる慣らし動作とを実行させる。このため、可動物の動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
(2)上記(1)の遊技機において、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理(たとえば、異常の報知)を実行するエラー処理手段(たとえば、図18のステップS513,ステップS517)をさらに備える。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理が実行される。その結果、可動物が正常に動作しない状態に対応した処理を実行することができる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、制御手段は、確認動作よりも前に慣らし動作を実行させる(たとえば、図16参照)。
このような構成によれば、確認動作よりも前に慣らし動作が実行される。その結果、確認動作において可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(4)上記(3)の遊技機において、制御手段は、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、確認動作の実行を禁止し(たとえば、図18のステップS514,ステップS518で報知停止操作がされるまでは、図16のステップS51Bの可動部材初期化処理が実行されない)。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、確認動作の実行が禁止される。その結果、可動物が正常に動作しない状態のまま確認動作が実行されてしまうことを抑制できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、可動物は、遊技中と慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、遊技中と慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって可動物が進出位置まで動かされる。その結果、慣らし動作を好適な動力源で実行することができる。
(6)上記(5)の遊技機において、可動物は、遊技中は弾性体(たとえば、引張バネ323。渦巻きバネ、板バネ、ゴムなどの他の弾性体であってもよい。)を、慣らし動作の実行中は弾性体よりも力の強いモータ(たとえば、第2演出用モータ330)を、動力源として進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、慣らし動作は弾性体よりも力の強いモータが可動物の動力源とされる。その結果、慣らし動作において可動物をより確実に進出位置まで動かすことができる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、可動物は、可動物の移動に伴なって屈伸する電気ケーブル(たとえば、ケーブル361)を含み、慣らし動作は、可動物を移動させることで電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作である。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させることで電気ケーブルを屈伸させて慣らす慣らし動作とを実行させる。このため、電気ケーブルの動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(8)上記(7)の遊技機において、電気ケーブルは、熱を発する物(たとえば、演出表示装置5のLCD、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)の近傍に設けられる。
このような構成によれば、電気ケーブルが熱によって柔軟性が高くなる。その結果、可動物をより確実に動かすことができる。
(9)前述した実施の形態においては、慣らし動作が可動物を移動させることで電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作であることとした。しかし、これに限定されず、可動物がレールに沿って動くように構成されている場合、可動物がボールねじやリニアガイドなどで動くように構成されている場合、および、可動物がすべり軸受やメタル軸受や樹脂軸受などの軸受によって回転などの動作をするように構成されている場合に、オイルやグリスなどの潤滑剤が馴染むように動かして慣らす動作であることとしてもよい。また、可動物に回転や直動などの摺動部分がある場合、摺動部分の固着を動かして滑らかにして慣らす動作であることとしてもよい。
(10)前述した実施の形態においては、慣らし動作を起動時に行うようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作を起動後の遊技が行われていないデモ中などに定期的に行ってもよい。このようにしても、遊技中に可動物が良好に動作しないことを抑制することができる。
(11)前述した実施の形態のケーブル361は、LEDに電力を供給するものであることとした。しかし、これに限定されず、他の電気部品(たとえば、可動物を動かすモータやソレノイドなどのアクチュエータや映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置)に電力または制御信号を供給するものであってもよい。
(12)ケーブル361は、フレキシブルフラットケーブルであってもよいし、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線,撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
(13)前述した実施の形態においては、慣らし動作と確認動作とを分けて行うようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作と確認動作とを一連の動作として実行するようにしてもよい。
(14)前述した実施の形態においては、確認動作において、可動物の初期位置を検出するようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作において、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。また、慣らし動作および確認動作とは別に、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。
[変形例]次に、本発明の変形例について説明する。図19は、(A)〜(D)は本発明の変形例1としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図20は、(A)〜(D)は本発明の変形例2としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図21は、(A)〜(D)は本発明の変形例3としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図22は、(A)は本発明の変形例4としての規制部、(B)は本発明の変形例5としての規制部を示す説明図である。
実施の形態では、駆動ギヤの一例としてピニオンギヤ331が適用され、従動ギヤの一例としてラックギヤ322が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動ギヤと従動ギヤの種別は種々に変更可能である。
例えば、図19に示す変形例1のように、駆動ギヤG1及び従動ギヤG2の双方を回転ギヤとし、図19(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG1を第1作動方向へ回転させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410を当接させ、従動ギヤG2の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。
このように、従動ギヤとして回転ギヤを適用してもよい。また、実施の形態では、隣接駆動歯としての駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13が、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、隣接駆動歯としての駆動歯400に噛合する従動歯410の歯厚寸法L13が、他の従動歯の歯厚寸法L11,12よりも長寸とされていなくてもよい。
また、図20に示す変形例2のように、駆動ギヤG3をラックギヤ、従動ギヤG4を回転ギヤとし、図20(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG3を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG4の第2方向への移動を規制する規制状態とすることができる。このように、駆動ギヤとしてラックギヤを適用してもよい。
また、実施の形態では、規制部としての先端面342Cを有する隣接駆動歯としての駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていなくてもよい。
具体的には、図21に示す変形例3のように、駆動ギヤG5を回転ギヤ、従動ギヤG6をラックギヤとし、図21(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG5を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG6の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。このように、隣接駆動歯としての駆動歯400の先端面402の周方向の長さ寸法は、必ずしも他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法よりも長寸とされなくてもよく、図21(D)に示すように、先端面402が歯先線Tを交差するようになれば、他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法とほぼ同じまたは短寸であってもよい。
また、実施の形態では、規制部としての先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦面、球面あるいは凹状面等にて構成されていてもよい。また、図22(A)の変形例4に示すように、先端面の一部または先端面全域に、従動歯350Cが係止可能な係止凹部420等を形成することで、従動歯350Cが先端面342C上を滑っても、従動歯350Cの歯先が係止凹部420に係止されることで噛みやすくなるので、従動歯350Cが規制部としての先端面342C上を滑って規制状態に変化しにくくなることを抑制できる。
また、実施の形態では、規制部の一例として、欠落部341に隣接する駆動歯340Cの先端面342Cが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、規制部は駆動歯の先端面にて構成されるものに限定されるものではなく、図22(B)の変形例5に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cと、該先端面342Cから欠落部341側へ延設された延設面430と、により構成される規制面としてもよい。すなわち、規制部は、駆動歯の先端面のみにより形成されるものだけでなく、先端面から欠落部側へ延設される延設面など、駆動歯として機能しない部位にて構成されていてもよい。
また、規制部を構成する先端面342C及び延設面430からなる規制面の作動方向の長さ寸法は、実施の形態や変形例に記載のものに限定されるものではなく、例えば、延設面430等の規制面が、欠落部341の長手方向に亘り延設されていてもよい。
また、実施の形態や変形例1〜5では、駆動ギヤは、隣接駆動歯の第1作動方向の後側に駆動歯が欠落した欠落部を有していたが、欠落部とは駆動歯が存在しない部分であり、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ駆動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯が第1作動方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、従動ギヤにおいても、第1方向の後側に従動歯が欠落した欠落部を有していたが、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ従動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯に噛合する従動歯が第1方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、実施の形態では、駆動ギヤと従動ギヤの種別として、ラックギヤとピニオンギヤを適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、平歯車、かさ歯車及びはすば歯車等を適用してもよい。
また、実施の形態では、第2演出用モータ330の駆動軸330aに固着されたピニオンギヤ331が駆動ギヤとされ、可動部材321に一体化されたラックギヤ322が従動ギヤとされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動源により駆動する複数のギヤのうち互いに噛合する2つのギヤが本発明の駆動ギヤと従動ギヤとされていればよい。例えば、ピニオンギヤ331に直接または間接的に噛合するギヤを駆動ギヤとし、該駆動ギヤに噛合するギヤを従動ギヤとしてもよい。また、可動部材321は従動ギヤであるラックギヤ322に直接設けられていなくてもよく、例えば、可動部材321は、ラックギヤ322の動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けられていてもよい。
また、実施の形態では、回動部材320に対し可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動部302を傾倒位置と起立位置との間で駆動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用してもよいし、あるいは、他の可動演出ユニットの駆動機構として適用してもよい。また、このように演出用の可動部を駆動させる駆動機構に適用するものだけでなく、例えば、特別可変入賞球装置7の大入賞口用扉などを開閉させるための駆動機構等、遊技用可動部の駆動機構として適用してもよい。
また、上述した実施の形態では、単一の可動部材321が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、複数の可動部材が設けられているものであってもよい。具体的には、以下の変形例6を用いて説明する。
変形例6では、上述した可動部材321の他に、図25〜図28に後述する可動部材170が設けられている。可動部材170は、演出表示装置5の上部が原点位置となるよう設けられている。可動部材170の演出動作としては、原点位置から下降して、演出表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して演出表示装置5の表示画面の一部を隠し(このときの可動部材170の位置を「進出位置」ということがある)、再び原点位置に戻る第1の動作や、原点位置から微小距離下降された後に上昇されて再び原点位置に戻される一連の動作を複数回(例えば、3回)に亘り行う第2の動作が設けられている。
図23は、変形例6における、演出図柄変動開始処理(ステップS74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(ステップS8001)。変動パターン指定コマンド格納領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した変動パターン指定コマンドが格納される記憶領域である。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8002で読み出した変動パターン指定コマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。表示結果指定コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。なお、変動パターン指定コマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせや、通常では表示されない特殊な画像(数字以外の画像であってもよい。)を含む図柄の組み合わせなど。「擬似連図柄」ともいう。)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターン指定コマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置5において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動部材を動作させる可動部材予告演出(「役物演出」ということがある)、演出羽根役物予告演出などであってもよい。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
可動部材(可動部材321、可動部材170)を用いる可動部材予告演出としては、可動部材321または可動部材170が単独で動作される単独動作演出(「単独役物演出」ともいう)と、可動部材321および可動部材170が連動して動作される連動動作演出(「連動役物演出」ともいう)とが設けられている。単独役物演出としては、可動部材321のみが動作される第1単独役物演出および第2単独役物演出と、可動部材170のみが動作される第3単独役物演出とが設けられている。各役物演出における動作態様の詳細については、図25〜図28に後述する。
ステップS8003では、具体的に、可動部材(可動部材321、可動部材170)を用いる可動部材予告演出(役物演出)については、図24に示す役物演出実行抽選テーブル用いて予告演出設定処理を行う。
図24は、変形例6における、役物演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図24に示す役物演出実行抽選テーブルには可変表示結果(大当り、リーチはずれ、非リーチはずれ)に応じて可動部材予告演出の実行の有無および実行する場合の可動部材予告演出の種類に対応する判定値が割り当てられているが、図24に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、役物演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、可変表示結果が大当りである場合(大当りを示す変動パターン指定コマンドが受信された場合)、10/100の割合で第1単独役物演出を実行することが、15/100の割合で第2単独役物演出を実行することが、20/100の割合で第3単独役物演出を実行することが、25/100の割合で連動役物演出を実行することが、30/100の割合で可動部材予告演出を実行しないことが、それぞれ決定される。
また、例えば、可変表示結果がリーチハズレである場合(リーチはずれを示す変動パターン指定コマンドが受信された場合)、20/100の割合で第1単独役物演出を実行することが、15/100の割合で第2単独役物演出を実行することが、10/100の割合で第3単独役物演出を実行することが、5/100の割合で連動役物演出を実行することが、50/100の割合で可動部材予告演出を実行しないことが、それぞれ決定される。
また、例えば、可変表示結果が非リーチハズレである場合(非リーチはずれを示す変動パターン指定コマンドが受信された場合)、100/100の割合で可動部材予告演出を実行しないことが決定される。すなわち、この実施の形態では、リーチとなる場合にのみ可動部材予告演出が実行され得ることとしているが、これに限るものではなく、リーチとならない場合であっても可動部材予告演出が実行され得ることとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンや予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。また、可動部材制御データに設定されている態様で各役物に対応する駆動手段を制御することにより、可動部材321、可動部材170を動作させる。また、プロセステーブルは、演出制御基板12におけるROM121に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU120は、予告演出を実行することに決定され、予告演出を実行する場合には、ステップS8004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ8および演出用部品としての可動部材321、可動部材170)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、 演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるための制御データを演出表示装置5に出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8からの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材321、可動部材170を動作させるために、各可動部材の駆動手段(モータ)に対して制御信号(可動部材制御データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS75)に対応した値にする(ステップS8008)。
次に、図25〜図28を用いて、可動部材321および可動部材170の少なくともいずれか一方を用いた第1の演出動作〜第4の演出動作を説明する。第1の演出動作は第1単独役物演出において行われる動作であり、第2の演出動作は第2単独役物演出において行われる動作であり、第3の演出動作は第3単独役物演出において行われる動作であり、第4の演出動作は連動役物演出において行われる動作である。
図25は、変形例6における、可動部材170を用いた第1の演出動作(第1単独役物演出における動作)の一例を示す図である。第1の演出動作において、まず、図25(A)に示すように、可動部材170が原点位置(演出表示装置5の上部)に位置している。このとき、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。次に、図25(B)に示すように、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となる。そして、図25(C)に示すように、可動部材170が原点位置から微小距離下降された後に上昇されて再び原点位置に戻される一連の動作が複数回(例えば、3回)に亘り行われる。この後、図示は省略するが、可動部材170が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。
図26は、変形例6における、可動部材170を用いた第2の演出動作(第2単独役物演出における動作)の一例を示す図である。第2の演出動作において、まず、図26(A)に示すように、可動部材170が原点位置(演出表示装置5の上部)に位置している。このとき、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。次に、図26(B)に示すように、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となる。そして、図26(C)に示すように、可動部材170が原点位置から演出表示装置5の表示画面中央部まで下降される。下降した可動部材170は、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。この後、図示は省略するが、可動部材170が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。
図27は、変形例6における、可動部材321を用いた第3の演出動作の一例(第3単独役物演出における動作)を示す図である。第3の演出動作において、まず、図27(A)に示すように、可動部材170が原点位置(演出表示装置5の上部)に位置している。このとき、可動部材321を有する可動部302は傾倒位置に制御されているとともに、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。次に、図27(B)に示すように、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となる。そして、図27(C)に示すように、可動部材321を有する可動部302が起立位置に移動される。そして、図27(D)に示すように、可動部材321が第2位置に移動される。移動された可動部材321は、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。この後、図示は省略するが、可動部材321が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。
図28は、変形例6における、可動部材321および可動部材170を用いた第4の演出動作(連動役物演出における動作)の一例を示す図である。第4の演出動作において、まず、図28(A)に示すように、可動部材170が原点位置(演出表示装置5の上部)に位置している。このとき、可動部材321を有する可動部302は傾倒位置に制御されているとともに、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。次に、図28(B)に示すように、演出表示装置5の飾り図柄表示エリアには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となる。そして、図28(C)に示すように、可動部材321を有する可動部302が起立位置に移動される。そして、図28(D)に示すように、可動部材321が第2位置に移動されるとともに、可動部材170が原点位置から微小距離下降された後に上昇されて再び原点位置に戻される一連の動作が複数回(例えば、3回)に亘り行われる。移動した可動部材321は、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。その後、図28(E)に示すように、動作中の可動部材321および可動部材170が一体的に動作していることを示す画像200が演出表示装置5にて表示される。これにより、可動部材321および可動部材170が一の演出において連動していることを遊技者に示唆するものである。この後、図示は省略するが、可動部材321および可動部材170が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。
以上に説明したように、変形例6によれば、可動部材を単独にて動作させる単独動作演出(例えば、第1単独役物演出〜第3単独役物演出)と、複数の可動物を連動して動作させる連動動作演出(例えば、連動役物演出。なお、「連動」とは、見た目上、複数の可動物が何らかの関わり合いを有するよう動作することである。すなわち、「連動動作演出」とは、複数の可動物が何らかの関わり合いを有するよう動作される演出である。なお、「連動動作演出」は、複数の可動物を一体的に動作させることにより複数の可動物が何らかの関わり合いを有するよう遊技者に認識させる演出(例えば、複数の可動物を合体させる演出)であってもよいし、各々の可動物を独立して動作させるものであって、動作させるタイミングや他の演出部材の制御により複数の可動物が何らかの関わり合いを有するよう遊技者に認識させる演出(例えば、演出表示装置5において複数の可動物の一体的に動作していることを示す画像を表示する演出)であってもよい。)とを実行可能であることとした。これにより、好適な初期動作を実行できる。
なお、本実施の形態では、単独動作演出および連動動作演出を変動中に実行することとしたが、変動中でないタイミングに実行することとしてもよい。例えば、大当り演出や小当り演出として単独動作演出および連動動作演出を実行可能であることとしてもよい。具体的には、遊技者にとって有利な大当り(例えば、ラウンド数が多い大当り、確変状態に移行する大当り)であるか否かを認識困難な演出を実行した後に、遊技者にとって有利な大当りであることを大当り中に報知する演出(いわゆる、昇格演出)や、大当りとなる保留記憶が記憶されていることを大当り中に示唆する演出(いわゆる、保留連演出)として、単独動作演出および連動動作演出を行うこととしてもよい。また、例えば、デモンストレーション表示(デモ画面表示)を行っているときに単独動作演出および連動動作演出を実行可能であることとしてもよい。また、単独動作演出および連動動作演出のうちいずれか一方のみを変動中に実行可能であり、他方を非変動中に実行可能であることとしてもよい。また、未だ開始されていない変動に対する予告演出(いわゆる、先読み予告)として、単独動作演出および連動動作演出を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、全ての可動物を連動させる演出を連動動作演出として実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、3つ以上の可動物が設けられている遊技機であれば、一部の可動物を複数動作させる演出を連動動作演出として実行することとしてもよい。
また、本実施の形態では、単独動作演出において動作される可動物と、連動動作演出において動作される一部の可動物とが共通していることとしたが、これに限るものではない。例えば、単独動作演出と連動動作演出とで全く異なる可動物を動作させることとしてもよい。
また、以上に説明したように、変形例6によれば、可動物を演出領域の中央方向に動作させる第1動作演出(例えば、可動部材170が演出表示装置5の中央方向に動作される第2単独役物演出。「演出領域」とは、パチンコ遊技機1において何らかの演出が行われる領域である。例えば、演出表示装置5、遊技盤2、パチンコ遊技機1全体、遊技球が打ち込まれる遊技領域、または演出表示装置5などの演出部材を配置するために遊技盤2に設けられた開口部などを「演出領域」としてもよい。また、演出表示装置や遊技盤が遊技機の略中央でない箇所や遊技枠の外側に設けられている遊技機であっても、該演出表示装置や遊技盤を「演出領域」としてもよい。)と、第1動作演出とは異なる態様にて可動物を動作させる第2動作演出(例えば、第1単独役物演出)とを実行可能であることとした。これにより、好適な初期動作を実行できる。
なお、「第2動作演出」として、第1動作演出(第2単独役物演出)と可動部材170の動作距離(移動距離)が異なる演出(第1単独役物演出)を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、可動部材170の動作方向が第1動作演出と異なる演出や、可動部材170を回転動作させる演出を第2動作演出として実行可能であることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、第1動作演出および第2動作演出を変動中に実行することとしたが、変動中でないタイミングに実行することとしてもよい。例えば、大当り演出や小当り演出として第1動作演出および第2動作演出を実行可能であることとしてもよい。具体的には、遊技者にとって有利な大当り(例えば、ラウンド数が多い大当り、確変状態に移行する大当り)であるか否かを認識困難な演出を実行した後に、遊技者にとって有利な大当りであることを大当り中に報知する演出(いわゆる、昇格演出)や、大当りとなる保留記憶が記憶されていることを大当り中に示唆する演出(いわゆる、保留連演出)として、第1動作演出および第2動作演出を行うこととしてもよい。また、例えば、デモンストレーション表示(デモ画面表示)を行っているときに第1動作演出および第2動作演出を実行可能であることとしてもよい。また、第1動作演出および第2動作演出のうちいずれか一方のみを変動中に実行可能であり、他方を非変動中に実行可能であることとしてもよい。また、未だ開始されていない変動に対する予告演出(いわゆる、先読み予告)として、第1動作演出および第2動作演出を実行可能であることとしてもよい。
また、上述した実施の形態において、可動物を待機位置に復帰させる復帰動作を行い、復帰動作の態様に応じた態様において可動物の慣らし動作を行うものであってもよい。具体的には、以下の変形例7を用いて説明する。
変形例7では、上述した実施の形態における演出ユニット300に代えて、可動部材173および可動部材175が設けられている。可動部材173は、演出動作として、原点位置(図30(A)に示す位置)から右斜め上に上昇して、演出表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して演出表示装置5の表示画面の一部を隠し、再び原点位置に戻る動作を行う。可動部材173は、図30等を用いて後述するように、演出表示装置5の表示画面中央部まで移動した後に複数に分裂する演出動作を行う。また、可動部材175は、演出動作として、原点位置(図30(A)に示す位置)から下降して、演出表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して演出表示装置5の表示画面の一部を隠し、再び原点位置に戻る動作を行う。また、可動部材173及び可動部材175は、演出動作として、原点位置から動作端である表示画面中央部まで移動せずに途中で停止して、再び原点位置に戻る動作を行ってもよい。可動部材173及び可動部材175は、演出動作として、激しく移動動作を繰り返す強動作と、強動作に比べて動作が緩やかな弱動作とが選択的に実行されるものであってもよい。また、可動部材173及び可動部材175には、それぞれの原点位置を検出可能な原点センサ171A〜171D(図33〜図35参照)が設けられている。
次に、図29を用いて、デモ中初期動作実行処理について説明する。デモ中初期動作実行処理とは、デモ演出中において行われる処理である。すなわち、変形例7ではデモ演出中に初期動作を行うこととしているが、それ以外のタイミング(例えば、電源投入時)に初期動作を行うこととしてもよい。
図29は、変形例7における、デモ中初期動作実行処理の一例を示すフローチャートである。デモ中初期動作実行処理おいて、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10141)。デモ演出中において初期動作は1回のみ実施される。初期動作実行済みフラグは、パチンコ遊技機1がデモ演出を開始するときにステップS1014のデモ中初期動作実行処理において初期動作が行われたことを示すフラグである。したがって、初期動作実行済みフラグがオン状態であると判断した場合(ステップS10141;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。なお、初期動作実行済みフラグは、変動が開始されるときにオフ状態とされる。
一方、初期動作実行済みフラグがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10141;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグをオン状態にする(ステップS10143)。ステップS10142の処理を実行後、演出制御用CPU120は、原点センサAオン状態であるか否かを判断する(ステップS10143)。原点センサ171Aがオン状態であると判断した場合(ステップS10143;YES)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10144)。
原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS10144;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Aを実行するための処理を行う(ステップS10145)。一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS1513;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Bを実行するための処理を行う(ステップS1515)。
ステップS10143の処理において、原点センサ171Aがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10143;NO)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10147)。原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS10147;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Cを実行するための処理を行う(ステップS10148)。一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10147;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Dを実行するための処理を行う(ステップS10149)。すなわち、初期動作Aは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオン状態であるときに実行される初期動作である。また、初期動作Bは、原点センサ171Aがオン状態であり、かつ原点センサ171Bがオフ状態であるときに実行される初期動作である。また、初期動作Cは、原点センサ171Aがオフ状態であり、かつ原点センサ171Bがオン状態であるときに実行される初期動作である。さらに、初期動作Dは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオフ状態であるときに実行される初期動作である。
ステップS10145、ステップS10146、ステップS10148、又はステップS10149の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。
次に、図30〜図32を用いて、可動部材173および可動部材175の少なくともいずれか一方を用いた第1の演出動作〜第4の演出動作を説明する。まず、図30を用いて、通常の演出における可動部材173を用いた第1の演出動作を説明する。図30は、変形例7における、可動部材173を用いた第1の演出動作の一例を示す図である。図30(A)〜図30(E)は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いて可動部材173を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。
図30(A)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。演出表示装置5の図30(A)の図示左下には、可動部材173が原点位置で停止しているものとする。なお、可動部材173は、原点位置においてその一部を遊技者が視認できるものとする。可動部材173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を有し、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が合体することにより(閉状態において)所定の図形を形成しているものとする。なお、演出表示装置5の図30(A)の図示上方には、可動部材175が原点位置にあるものとする。
次に、図30(B)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となっていることを示している。可動部材173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま演出表示装置5の表示画面中央部まで、アクチュエータ172Aによって回動され、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図30(C)において、可動部材173は、演出表示装置5の表示画面中央部において分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がアクチュエータ172Bによって開状態とされる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を開状態にするには、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3の周囲に開状態になったときに必要な所定の空間が必要である。可動部材173が図30(A)に示す原点位置にあるときには、所定の空間が無いため分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を開状態とすることができない。すなわち、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は、可動部材173が図30(B)に示す位置にあるときでないと開状態とすることができない。分裂片173B2、及び分裂片173B3が開状態とされることによって、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cが遊技者に視認可能となる。図30(C)は、可変表示中の図柄表示エリア5Cに所定の演出図柄が表示されている場合を例示している。
次に、図30(D)において、可動部材173は、演出表示装置5の表示画面中央部において分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がアクチュエータ172Bによって閉状態とされる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態とされることにより、可変表示中の図柄表示エリア5Cが再び隠されて遊技者が視認できなくなる。
次に、図30(E)において、可動部材173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま、アクチュエータ172Aによって回動されて原点位置に戻される。可動部材173が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。なお、図30(E)は最終停止図柄が大当りである場合を例示しているが、最終停止図柄は大当りであってもハズレであってもよい。以上で、図30を用いた、通常の演出における可動部材173を用いた第1の演出動作の説明を終了する。
次に、図31を用いて、通常の演出における可動部材173を用いた第2及び第3の演出動作を説明する。図31は、変形例7における、可動部材173を用いた第2及び第3の演出動作の一例を示す図である。図31(A)〜図31(E)は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いて可動部材173を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。図31において、図31(C1)は、可動部材173を用いた第2の演出動作を示すものであり、図31(C2)は、可動部材173を用いた第3の演出動作を示すものである。なお、図31を用いて説明する可動部材173を用いた第2及び第3の演出動作は、図31(A)、図31(B)、及び図31(D)において、図30を用いて説明した第1の演出動作の図30(A)、図30(B)、及び図30(D)とそれぞれ同じ演出態様となるため、以下の説明では一部を省略して説明する。
図31(A)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。演出表示装置5の図31(A)の図示左下には、可動部材173が原点位置で停止している。可動部材173の分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は閉状態である。
次に、図31(B)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、リーチ状態の飾り図柄が表示されている。可動部材173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま演出表示装置5の表示画面中央部まで、アクチュエータ172Aによって回動されて、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図31(C1)において、可動部材173は、アクチュエータ172Cによって演出表示装置5の表示画面中央部から図示左側に横方向に移動する。横方向に移動した可動部材173は、飾り図柄表示エリア5Lを隠すとともに飾り図柄表示エリア5Cを表示して遊技者から視認可能にする。すなわち、可動部材173を用いた第2の演出動作においては、可動部材173の左方向に横移動を伴う演出動作が行われるものとする。
一方、図31(C2)において、可動部材173は、アクチュエータ172Cによって演出表示装置5の表示画面中央部から図示右側に横方向に移動する。横方向に移動した可動部材173は、飾り図柄表示エリア5Rを隠すとともに飾り図柄表示エリア5Cを表示して遊技者から視認可能にする。すなわち、可動部材173を用いた第3の演出動作においては、可動部材173の右方向に横移動を伴う演出動作が行われるものとする。
なお、可動部材173を用いた第2の演出動作と第3の演出動作は、いずれかの演出動作が選択されて実行されるものであり、第2の演出動作と第3の演出動作を同時に実行されるものではないものとする。また、図31(C1)及び図31(C2)においては、可動部材173の横移動に伴って可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cが単純に表示される場合を例示したが、可動部材173の横移動に伴って演出表示装置5の表示画面に特定の演出画像が表示されるようにしてもよい。
次に、図31(D)において、可動部材173は、アクチュエータ172Cによって、図31(C1)又は図31(C2)で示した位置から演出表示装置5の表示画面中央部に戻される。可動部材173が演出表示装置5の表示画面中央部に戻されることにより可変表示中の図柄表示エリア5Cが再び隠される。
次に、図31(E)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって回動されて原点位置に戻される。可動部材173が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。以上で、図31を用いた、通常の演出における可動部材173を用いた第2の演出動作及び第3の演出動作の説明を終了する。
次に、図32を用いて、通常の演出における可動部材175を用いた第4の演出動作を説明する。図32は、変形例7における、可動部材175を用いた第4の演出動作の一例を示す図である。図32(A)〜図32(C)は、アクチュエータ172Cを用いて可動部材175を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。
図32(A)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。演出表示装置5の図32(A)の図示左下には、可動部材173が原点位置で停止している。演出表示装置5の図32(A)の図示上方には、可動部材175が原点位置にあるものとする。
次に、図32(B)において、演出表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となっていることを示している。可動部材175は、アクチュエータ172Cによって、原点位置から演出表示装置5の表示画面中央部まで下降される。下降した可動部材175は、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図32(C)において、可動部材175は、アクチュエータ172Cによって上昇されて原点位置に戻される。可動部材175が原点位置まで戻されることにより、演出表示装置5に最終停止図柄が表示される。以上で、図32を用いた、通常の演出における可動部材175を用いた第4の演出動作の説明を終了する。
次に、図33を用いて、可動部材173を動作させるアクチュエータA及びアクチュエータCの詳細を説明する。図33は、変形例7における、可動部材を動作させるアクチュエータA及びアクチュエータCの構成の一例を示す図である。図33において、可動部材173は、回動機構173A、及びスライド機構173Cの可動機構を有している。
先ずは、回動機構173Aによる可動部材173の回動動作について説明する。回動機構173Aは、アクチュエータ172Aによって回動される。図33図示(a)の位置は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aの原点位置である。回動機構173Aの原点位置(a)は、原点センサ171Aによって検出される。原点センサ171Aは、例えば回動機構173Aの一部を検出することにより、回動する回動機構173Aが原点位置に戻ったことを検出することができる。
原点位置(a)にある可動部材173は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aによって、破線で図示する図33図示(b)の位置まで図示時計回りに移動される。図33図示(b)の位置まで回動された回動機構173Aは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上回動しないように係止される。
図33図示(a)の原点位置は、図30(A)に示す可動部材173の位置である。すなわち、図33図示(a)の原点位置は、図30(A)に示す演出表示装置5の左下の位置である。また、図33図示(b)の位置は、図30(B)に示す可動部材173の位置である。すなわち、図33図示(b)の位置は、図30(B)に示す演出表示装置5の表示画面中央部の位置である。
アクチュエータ172Aは、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間において回動機構173Aを回動させる。演出制御用CPU120は、例えば、回動機構173Aを、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、回動機構173Aを、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、回動機構173Aを回動させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、回動機構173Aを早く複数回回動させる強動作と、回動機構173Aをゆっくり1回回動させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Aと原点センサ171Aを用いた回動機構173Aを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。回動機構173Aの原点位置は、回動機構173Aが図33図示反時計方向に回動して原点センサ171Aが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Aがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Aがオフ状態になるまでアクチュエータ172Aを図33図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Aがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。なお、変形例7では、回動機構173Aが原点復帰前に原点位置よりさらに反時計回りに回動している場合であっても機械的に回動が係止されて原点センサ171Aはオン状態を維持するものとする。
次に、スライド機構173Cによる可動部材173のスライド動作について説明する。スライド機構173Cは、アクチュエータ172Cによって横方向にスライドされる。図33図示(b)の位置は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cの原点位置である。すなわち、アクチュエータ172Cは、アクチュエータ172Aが時計方向に回動して(b)の位置にあるときに横方向にスライドができるものとする。スライド機構173Cの原点位置(b)は、原点センサ171Cによって検出される。原点センサ171Cは、例えばスライド機構173Cに設けられた検出板を検出することによってスライド機構173Cの横方向における位置を検出するようにしてもよい。
図33図示(a)の位置にある可動部材173は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cによって、破線で示す、図33図示(c1)の位置、又は(c2)の位置まで図示横方向に移動される。図33図示(c1)又は(c2)の位置までスライドされたスライド機構173Cは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上スライドしないように係止される。図33示(c1)の位置は、図31(C1)に示す演出表示装置5左側の位置である。また、図33図示(c2)の位置は、図31(C2)に示す演出表示装置5右側の位置である。
アクチュエータ172Cは、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間においてスライド機構173Cをスライドさせる。演出制御用CPU120は、例えば、スライド機構173Cを、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、スライド機構173Cを、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、スライド機構173Cをスライドさせる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、スライド機構173Cを早く複数回スライドさせる強動作と、スライド機構173Cをゆっくり1回スライドさせる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Cと原点センサ171Cを用いたスライド機構173Cを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。スライド機構173Cの原点位置は、スライド機構173Cが図33図示右方向にスライドして原点センサ171Cが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Cがオフ状態になるまでアクチュエータ172Cを図33図示左方向にスライドさせ、次にアクチュエータ172Cを右方向にスライドさせ原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Cがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。但し、原点復帰前にスライド機構173Cが原点センサ171Cより右側にある場合、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせても原点センサ171Cはオン状態にならないため、アクチュエータ172Cを右方向にスライド開始してから所定時間内に原点センサ171Cがオン状態にならない場合には、アクチュエータ172Cを左方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になるのを確認し、その後上記の原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときの動作によってスライド機構173Cを原点位置に復帰させてもよい。
なお、回動機構173Aは、演出表示装置5の裏側に配置されて、演出表示装置5の裏側から可動部材173を磁石等によって保持して移動させるものであってもよい。回動機構173Aを演出表示装置5の裏側に配置することにより、回動機構173Aによって演出表示装置5の表示画面が邪魔されることを防ぐことができる。なお、図34で説明する開閉機構173B、及び図35で説明する昇降機構173Dについても回動機構173Aと同様に演出表示装置5の裏側に配置して可動部材173又は可動部材175を磁石等によって保持して移動させるようにしてもよい。以上で、図33を用いた、可動部材173を動作させるアクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cの詳細の説明を終了する。
次に、図34を用いて、可動部材173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細を説明する。図34は、変形例7における、可動部材173を動作させるアクチュエータ172Bの構成の一例を示す図である。図34において、可動部材173は、開閉機構173Bの可動機構を有している。開閉機構173Bは、アクチュエータ172Bによって開閉される。図34(A)は、開閉機構173Bが閉状態であることを示し、図34(B)は、開閉機構173Bが開状態であることを示している。開閉機構173Bは、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3の3つの分裂片を有する。
図34(A)上図において、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は閉状態において結合して所定の形状を形成している。図34(A)下図において、アクチュエータ172Bは、回転する円形歯車(ピニオン)を有し、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3にそれぞれ接続されている歯切りがされた平板(ラック)である、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13と噛合している。図34(A)の位置は、アクチュエータ172Bによって開閉される開閉機構173Bの原点位置である。開閉機構173Bの原点位置は、原点センサ171Bによって検出される。原点センサ171Bは、ラック173B11の一部を検出することにより、開閉する開閉機構173Bが閉状態の原点位置であることを検出することができる。
図34(A)下図において、アクチュエータ172Bが駆動されて、ピニオンが図示反時計方向に回転すると、ピニオンと噛合しているラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動する。ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動することにより、開閉機構173Bは、図34(B)に示す開状態となる。
図34(B)下図は、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13が、図34(A)図示矢印の方向に移動したときの状態を示している。このとき、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13にそれぞれ接続されている分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は、図34(B)上図に示すようにお互いが離れた開状態となる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が開状態となることにより、図32(C)に示すように演出表示装置5の表示画面中央部が視認可能になるものとする。なお、開閉機構173Bが開状態のきは、原点センサ171Bはオフ状態となる。
ここで、アクチュエータ172Bと原点センサ171Bを用いた開閉機構173Bを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。開閉機構173Bの原点位置は、開閉機構173Bのラック173B11が図34(B)下図図示上方向に回動して原点センサ171Bが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Bがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオフ状態になるまでアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを図34(A)下図図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを反時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Bがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Bを駆動してピニオンを時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。なお、変形例7では、開閉機構173Bが原点復帰前に原点位置よりさらに閉じた状態である場合であっても、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がそれぞれ接触して係止されて原点センサ171Bはオン状態を維持するものとする。以上で、図34を用いた、可動部材173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細の説明を終了する。
次に、図35を用いて、可動部材175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細を説明する。図35は、変形例7における、可動部材175を動作させるアクチュエータ172Dの構成の一例を示す図である。図35において、可動部材175は、昇降機構173Dの可動機構を有している。昇降機構173Dは、アクチュエータ172Dによって昇降される。図35図示(a)の位置にある可動部材175は、アクチュエータ172Dによって昇降される昇降機構173Dによって、破線で示す、図35図示(b)の位置まで図示縦方向に移動される。図35図示(b)の位置まで下降された昇降機構173Dは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上下降しないように係止される。図35図示(b)の位置は、図32(B)に示す演出表示装置5の表示画面中央の位置である。
アクチュエータ172Dは、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間において昇降機構173Dを昇降させる。演出制御用CPU120は、例えば、昇降機構173Dを、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを昇降させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを早く複数回昇降させる強動作と、昇降機構173Dをゆっくり1回昇降させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Dと原点センサ171Dを用いた昇降機構173Dを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。昇降機構173Dの原点位置は、昇降機構173Dが図35図示上方向に上昇して原点センサ171Dが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Dがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Dがオフ状態になるまでアクチュエータ172Dを図35図示下方向に下降させて、次にアクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Dがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。なお、変形例7では、昇降機構173Dが原点復帰前に原点位置よりさらに上昇している場合であっても機械的に上昇が係止されて原点センサ171Dはオン状態を維持するものとする。以上で、図35を用いた、可動部材175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細の説明を終了する。
次に、図36〜図39を用いて、図29で説明した、初期動作A〜初期動作Dの詳細を説明する。初期動作A〜初期動作Dは、アクチュエータ172A、アクチュエータ172B、アクチュエータ172C、及びアクチュエータ172Dを用いた可動部材173及び可動部材175のショートイニシャル動作である。初期(イニシャル)動作には、可動部材173等を通常の演出動作と同様に動作させるロングイニシャル動作と、可動部材173等を通常の演出動作の一部を省略して動作させるショートイニシャル動作がある。ショートイニシャル動作を実行することにより、ロングイニシャル動作を実行する場合に比べて短時間で可動部材173等の動作のチェックをすることが可能となる。変形例7では、初期動作としてショートイニシャル動作を実行する場合は、アクチュエータの原点復帰動作の態様に応じて、初期動作A〜初期動作Dの態様で初期動作を行うものとする。
なお、図36〜図39において、各可動機構が原点位置から動作端まで移動する場合の矢印を実線で表している。また、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動する場合の矢印、及び原点センサがオフ状態になってからオン状態になるまで移動する場合の矢印を破線で表している。なお、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動した後に再び原点センサがオン状態になるまで移動する動作をショートイニシャル動作と呼ぶものとする。ショートイニシャル動作を行うことにより、可動機構の移動距離が短くなり、動作確認の時間を短縮することが可能となる。さらに、各可動機構が原点復帰の動作によって移動する場合の原点復帰動作を矢印を点線で表している。また、図36〜図39で説明する可動部材173及び可動部材175の初期動作A〜初期動作Dに合せて、スピーカ8から所定の効果音を出力したり、演出用LED9を点灯させたりしてもよい。
先ず、図36を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Aの動作を説明する。図36は、変形例7における、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Aの動作の一例を示す図である。初期動作Aは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173A及び開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態であり、かつ開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、回動機構173A及び開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。しかし、回動機構173A及び開閉機構173Bは、原点センサ171A及び原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Aでは、原点センサ171A及び原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173A及び開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。なお、図36〜図39において、昇降機構173Dの原点を検出する原点センサ171Dは、初期動作を実行する前にオン状態であり、可動部材175はショートイニシャル動作にて初期動作を行うものとする。
図36図示(1)及び(2)において、可動部材175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。図36図示(3)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である演出表示装置5の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aはショートイニシャル動作を行わず、回動端まで回動する。図36図示(4)及び(5)において、可動部材173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。図36図示(6)において、可動部材173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Aを終了する。以上で、図36を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Aの動作の説明を終了する。
次に、図37を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Bの動作を説明する。図37は、変形例7における、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Bの動作の一例を示す図である。初期動作Bは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行わずかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がない。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がある。回動機構173Aは、原点センサ171Aがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Bでは、原点センサ171Aがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173Aを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う開閉機構173Bは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるので、初期動作の実行を省略することが可能となるとともに、開閉機構173Bの動作をチェックすることができる。
図37図示(1)において、可動部材173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。図37図示(2)及び(3)において、可動部材175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。図37図示(4)及び(5)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。初期動作Bにおいては、開閉機構173Bは開動作を行わないため、回動機構173Aを回動端まで移動させる必要がない。したがって、ショートイニシャル動作によって回動機構173Aの動作チェックの時間を短縮することができる。以上で、図37を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Bの動作の説明を終了する。
次に、図38を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Cの動作を説明する。図38は、変形例7における、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Cの動作の一例を示す図である。初期動作Cは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行いかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。開閉機構173Bは、原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Cでは、原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う回動機構173Aは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるが、開閉機構173Bを開閉動作さえるために、原点位置から回動端まで回動する初期動作を行う。
図38図示(1)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。図38図示(2)及び(3)において、可動部材175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。図38図示(4)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である演出表示装置5の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aは原点復帰をした場合であっても、回動端まで回動する。図38図示(5)及び(6)において、可動部材173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。図38図示(7)において、可動部材173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Cを終了する。以上で、図38を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Cの動作の説明を終了する。
次に、図39を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Dの動作を説明する。図39は、変形例7における、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Dの動作の一例を示す図である。初期動作Dは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173A及び開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171A、及び開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。そこで、初期動作Dでは、回動機構173A及び開閉機構173Bを原点復帰動作させて、回動機構173A及び開閉機構173Bの初期動作を省略する。
図39図示(1)において、可動部材173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。図39図示(2)において、可動部材173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。図39図示(3)及び(4)において、可動部材175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。以上で、図39を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動部材の初期動作Dの動作の説明を終了する。
以上、変形例7について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、本発明に係る遊技機は、動作を行う可動物(例えば、図33等に示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される、可動部材173の回動機構173A、開閉機構173B又はスライド機構173C、並びに可動部材175の昇降機構173D等)を原点位置に復帰させる復帰動作(例えば、図36〜図39において示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される原点位置に復帰する動作(原点復帰動作)等)を行い、復帰動作の態様(例えば、図36又は図37において回動機構173Aが原点復帰動作をしない態様と、図38又は図39において回動機構173Aが原点復帰動作をする態様。また、図36又は図38において開閉機構173Bが原点復帰動作をしない態様と、図37又は図39において開閉機構173Bが原点復帰動作をする態様等)に応じた態様において(例えば、図36〜図39において、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行ったときには初期動作をしない態様等で、又は、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行わなかったときには初期動作を行う態様等で)可動物の慣らし動作(例えば、図36〜図39に示すショートイニシャル動作。通常の演出動作と同様に動作させる初期動作(ロングイニシャル動作)であってもよい。)を行う(例えば、図39に示す、初期動作をしない態様を含む)ことにより、好適な初期動作を実行できる遊技機を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。
また、変形例7では、復帰動作の態様に応じた態様で可動物の慣らし動作(ショートイニシャル動作)を行うこととしたが、これに限るものではなく、復帰動作の態様に応じた態様で可動物の初期動作(ロングイニシャル動作)を行うこととしてもよい。例えば、慣らし動作(ショートイニシャル動作)は常に一定の動作であるとともに、復帰動作(原点復帰動作)の態様に応じて異なる態様の初期動作(ロングイニシャル動作)を行うこととしてもよい。
また、変形例7では、可動部材を原点位置に復帰させる原点復帰動作を行う場合に初期動作を行わない場合(下記パターンA)と、原点復帰動作を行わない場合にショートイニシャルを行う場合(下記パターンF)を例示したが、初期動作における、可動部材の原点復帰動作の態様と初期動作の態様の組み合わせのパターンは、以下の様なパターンA〜Hであってもよい。 パターンA 原点復帰動作+初期動作無し パターンB 原点復帰動作+ショートイニシャル動作 パターンC 原点復帰動作+ショートイニシャル動作+ロングイニシャル動作 パターンD 原点復帰動作+ロングイニシャル動作 パターンE 原点復帰動作無し+初期動作無し パターンF 原点復帰動作無し+ショートイニシャル動作 パターンG 原点復帰動作無し+ショートイニシャル動作+ロングイニシャル動作 パターンH 原点復帰動作無し+ロングイニシャル動作
なお、上記パターンA及びパターンEに示すように、初期動作の動作態様には初期動作を行わないものを含んでもよいものとする。また、上記パターンにおいては、原点復帰動作、ショートイニシャル動作、及びロングイニシャル動作を分けてその組み合わせパターンを説明したが、例えば、原点復帰動作の中にショートイニシャル動作が含まれているものであってもよい。すなわち、ロングイニシャル動作の動作態様がショートイニシャルを含む原点復帰動作の動作態様に応じて実行されるものであってもよい。
また、上記パターンA〜Hは、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、それぞれのパターンを用いてもよい。例えば、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、それぞれ異なったパターンを用いるようにしてもよい。また、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、同じパターンを用いるようにしてもよい。また、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において用いるパターンは、それぞれ、予め定められた一のパターンであってもよいし、所定の条件によって複数のパターンから一のパターンが選択されるものであってもよい。
また、変形例7では、ショートイニシャル動作は一つの動作を行う場合を例示したが、ショートイニシャル動作は複数の動作態様の中から動作態様を選択して行うものであってもよい。例えば、原点復帰動作の態様に応じて、複数の動作態様の中から所定の動作態様を選択して行うようにしてもよい。ショートイニシャルの所定の動作態様には、例えば、可動部材の移動距離、移動速度、移動回数、動作時間、スピーカ8から出力される効果音、演出用LED9の点灯パターン等の演出態様が異なるものであってもよい。同様に、変形例7では、ロングイニシャル動作は一つの動作を行う場合を例示したが、ロングイニシャル動作は複数の動作態様の中から動作態様を選択して行うものであってもよい。例えば、原点復帰動作の態様、又はショートイニシャル動作の態様に応じて、複数の動作態様の中から所定の動作態様を選択して行うようにしてもよい。さらに、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作を組み合わせて実行する初期動作のパターンにおいて、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作は複数の動作態様の組み合わせの中から動作態様の組み合わせを選択して行うものであってもよい。
また、変形例7において、初期動作は、電源投入時とデモ中に行われる場合を例示したが、初期動作は他のタイミングで行われるものであってもよい。例えば、初期動作は、遊技機が所定の条件を満たしたタイミングであってもよい。所定の条件を満たすタイミングとは、例えば、デモ中に限定されないタイミングであって、変動停止後所定の時間が経過したときであってもよい。変動停止後所定の時間とは、例えば、変動停止後1時間であってもよい。また、変動停止後所定の時間は変動停止直後であってもよい。また、所定の条件を満たすタイミングは、変動開始後であってもよい。所定の条件を満たすタイミングは、例えば、変動開始直後のタイミングであってもよい。また、変動開始後、スーパーリーチ演出等が行われる直前であってもよい。また、初期動作は、遊技者やホール店員が所定の操作を行う任意のタイミングで実行されるものであってもよい。
また、可動部材が復帰動作前に原点位置にあった場合(例えば、図33に示す原点センサ171A、又は図34に示す原点センサ171Bがオン状態であった場合等)に可動部材の初期動作を行うもの(例えば、図36に示す、回動機構173Aが(3)及び(6)の動作において、及び開閉機構173Bが(4)及び(5)の動作において初期動作を行う等)であってもよく、このような遊技機によれば、始めから原点位置にある可動部材であっても初期動作において動作確認をすることができる場合を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。
また、復帰動作を行った可動部材は初期動作を行わないもの(例えば、図39に示す、(2)の動作を行った回動機構173A、及び(1)の動作を行った開閉機構173Bが初期動作を行わない等)であってもよく、このような遊技機によれば、動作確認に要する時間を抑制することにより、好適な初期動作を実行できる場合を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。
また、復帰動作を行った可動部材(例えば、図38において、(1)の復帰動作を行った回動機構173A等)の初期動作(例えば、図38において、回動機構173Aの(4)及び(7)の動作等)を他の可動部材の初期動作(例えば、図38に示す、開閉機構173Bの(5)及び(6)の動作等)に応じて行うものであってもよく、このような遊技機によれば、状況に応じた好適な初期動作を実行できる場合を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。
また、復帰動作は、電源投入時以外のタイミング(例えば、図29に示す、演出制御用CPU120によって実行される、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理が実行されるタイミング等)で行うものであってもよく、このような遊技機によれば、可動部材の不具合を確認する機会が増えて、演出動作の不具合を抑制することができる場合を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。
また、上述した実施の形態において、第1演出と、可動物を動作させる第2演出とを実行可能であり、所定期間内における第2演出の実行割合が高いときに、第2演出の実行を制限するとともに、実行割合が低いときよりも高い割合で第1演出を実行することとしてもよい。具体的には、以下の変形例8を用いて説明する。
変形例8では、変動中の予告演出として、可動部材321を動作させる可動体予告演出(可動体予告A,可動体予告B,可動体予告C)と、可動部材321を可動させない非可動体予告演出(カットイン予告、群予告)とが設けられている。可動体予告Aは、可動部材321を有する可動部302を傾倒位置から起立位置まで低速で移動させる予告演出であり、可動体予告Bは、可動部材321を有する可動部302を傾倒位置から起立位置まで可動体予告Aよりも高速で移動させる予告演出である。可動体予告Cは、可動部材321を有する可動部302を傾倒位置から起立位置まで可動体予告Bよりも更に高速で移動させた後、可動部材321を第1位置から第2位置に移動させる予告演出である。カットイン予告は、所定の表示を挿入(カットイン)して演出表示装置5に表示する予告演出である。群予告は、群れを成したキャラクタを演出表示装置5に表示する予告演出である。可動体予告Cは、スーパーリーチ突入時に3秒間に亘って行われる演出である一方で、可動体予告C以外の予告演出は、変動開始1秒後から1秒間に亘って実行されるものである。
なお、可動体予告Cはスーパーリーチ突入時に必ず行われるとともに、可動体予告C以外の予告演出はスーパーリーチ変動であるか否かにかかわらず所定の割合にて実行されるよう構成されているため、一の変動において2回までの可動体予告演出を実行可能である。
図40は、変形例8における、予告演出設定処理を示すフローチャートである。予告演出設定処理は、変動中の予告演出を設定するために実行される処理であり、ステップS74に示した演出図柄変動開始処理において行われる処理である。予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、直近10回の変動における可動部材321の動作回数を計測する動作回数計測処理を行う(ステップS3901)。具体的には、RAM122に形成されている動作回数格納領域を用いて動作回数計測処理を行う。
図41は、変形例8における、動作回数格納領域の具体例を示す説明図である。図41に示すように、動作回数格納領域は、10個の格納領域(格納領域1〜格納領域10)から成り、各格納領域は変動毎の可動部材321の動作回数を記憶可能である。具体的に、格納領域1は、1回前の変動における可動部材321の動作回数を記憶しており、格納領域2は、2回前の変動における可動部材321の動作回数を記憶している。格納領域3〜格納領域10においても、同様に、3〜10回前の変動における可動部材321の動作回数を記憶している。なお、変形例8では、一の変動において2回までの可動体予告演出を実行可能であることとしているため、各格納領域における動作回数の値は「0」〜「2」のいずれかである。
各格納領域に記憶されている動作回数は、変動開始時に更新されるものである。具体的には、変動開始時に、格納領域の動作回数をシフトし(格納領域10の動作回数をクリアする(「0」を格納する)とともに、格納領域1〜格納領域9の動作回数を、それぞれ格納領域2〜格納領域10の動作回数に記憶し直す。後述するステップS3905参照。)、新たな変動における可動体予告演出の実行回数を格納領域1の動作回数として格納する(後述するステップS3908,S3910参照)ことにより、更新が完了するものである。
ステップS3901では、具体的に、動作回数格納領域における動作回数の総数を計測する。例えば、図55に示す例では、格納領域1、格納領域3および格納領域9に動作回数として「1」が格納され、格納領域7に「2」が格納されていることから、動作回数計測処理の処理結果は「5」となる。その場合、直近10回の変動における可動部材321の動作回数は5回である。
ステップS3901の後、演出制御用CPU120は、動作回数計測処理の処理結果が「5」以上であるか否か(直近10回の変動における可動部材321の動作回数が5回以上であるか否か)を判定し(ステップS3902)、「5」未満であれば通常予告演出実行抽選テーブルを選択する(ステップS3903)。また、「5」以上であれば制限時予告演出実行抽選テーブルを選択する(ステップS3904)。通常予告演出実行抽選テーブルおよび制限時予告演出実行抽選テーブルは、予告演出の実行の有無を決定するための予告演出実行抽選処理(ステップS3906参照)において用いられる予告演出実行抽選テーブルである。各予告演出実行抽選テーブルについて、図42を用いて説明する。
図42は、変形例8における、予告演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図42に示す予告演出実行抽選テーブルには変動パターンに応じて予告演出の実行の有無および実行する場合の予告演出の種類に対応する判定値が割り当てられているが、図42に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、予告演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、予告演出設定処理において設定される予告演出の種類には、可動部材321を動作させる可動体予告演出(可動体予告A,可動体予告B)と、可動部材321を可動させない非可動体予告演出(カットイン予告、群予告)とがある。
例えば、図42(A)に示す通常予告演出実行抽選テーブルにおいては、非リーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、90%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、7%の割合で可動体予告Aを実行することが、3%の割合でカットイン予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、ノーマルリーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、70%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、12%の割合で可動体予告Aを実行することが、8%の割合で可動体予告Bを実行することが、7%の割合でカットイン予告を実行することが、3%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、スーパーリーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、40%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、20%の割合で可動体予告Aを実行することが、20%の割合で可動体予告Bを実行することが、10%の割合でカットイン予告を実行することが、10%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、ノーマルリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、60%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、15%の割合で可動体予告Aを実行することが、10%の割合で可動体予告Bを実行することが、10%の割合でカットイン予告を実行することが、5%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、スーパーリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、20%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、20%の割合で可動体予告Aを実行することが、30%の割合で可動体予告Bを実行することが、10%の割合でカットイン予告を実行することが、20%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
このように、可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行割合を比較すると、大当りに対する信頼度の低いリーチ(非リーチ、ノーマルリーチ)である場合には可動体予告Aの方が発生しやすく、大当りに対する信頼度の高いリーチ(スーパーリーチ)である場合には可動体予告Bの方が発生しやすい構成となっている。すなわち、大当りに対する信頼度は可動体予告Bの方が可動体予告Aより高い構成である。
また、カットイン予告および群予告の実行割合を比較すると、大当りに対する信頼度の低いリーチ(非リーチ、ノーマルリーチ)である場合にはカットイン予告の方が発生しやすく、大当りに対する信頼度の高いリーチ(スーパーリーチ)である場合には群予告の方が発生しやすい構成となっている。すなわち、大当りに対する信頼度は群予告の方がカットイン予告より高い構成である。
また、例えば、図42(B)に示す制限時予告演出実行抽選テーブルにおいては、非リーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、90%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、10%の割合でカットイン予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、ノーマルリーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、70%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、25%の割合でカットイン予告を実行することが、5%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、スーパーリーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、40%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、40%の割合でカットイン予告を実行することが、20%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、ノーマルリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、60%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、30%の割合でカットイン予告を実行することが、10%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
また、スーパーリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、20%の割合でいずれの予告演出も実行しないこと(非実行)が、35%の割合でカットイン予告を実行することが、45%の割合で群予告を実行することが、それぞれ決定される。
このように、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられた予告演出実行抽選処理では、可動体予告Aおよび可動体予告Bが選択されない構成としている。すなわち、直近10回の変動中における可動部材321の動作回数が5回以上である場合には、可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行を制限するものである。
また、このように、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられた予告演出実行抽選処理では、通常予告演出実行抽選テーブルが用いられた場合と比較して、非可動体予告演出を高い割合で実行することとなる。すなわち、直近10回の変動中における可動部材321の動作回数が5回以上である場合には、非可動体予告演出の実行割合を高めることとしている。
また、このように、非リーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられたときには、通常予告演出実行抽選テーブルが用いられたときと比較して、可動体予告Bよりも可動体予告Aの制限度合いが大きい(具体的には、可動体予告Aの実行割合が7ポイント減少している一方で、可動体予告Bの実行割合は変化していない)一方で、群予告の実行割合よりもカットイン予告の実行割合の方が高い。
また、ノーマルリーチはずれを示す変動パターンを受信した場合、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられたときには、通常予告演出実行抽選テーブルが用いられたときと比較して、可動体予告Bよりも可動体予告Aの制限度合いが大きい(具体的には、可動体予告Aの実行割合が12ポイント減少している一方で、可動体予告Bの実行割合は8ポイント減少している)一方で、群予告の実行割合よりもカットイン予告の実行割合の方が高い。
また、ノーマルリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられたときには、通常予告演出実行抽選テーブルが用いられたときと比較して、可動体予告Bよりも可動体予告Aの制限度合いが大きい(具体的には、可動体予告Aの実行割合が15ポイント減少している一方で、可動体予告Bの実行割合は10ポイント減少している)一方で、群予告の実行割合よりもカットイン予告の実行割合の方が高い。
また、スーパーリーチ大当りを示す変動パターンを受信した場合、制限時予告演出実行抽選テーブルが用いられたときには、通常予告演出実行抽選テーブルが用いられたときよりも、可動体予告Aよりも可動体予告Bの制限度合いが大きい(具体的には、可動体予告Aの実行割合が20ポイント減少している一方で、可動体予告Bの実行割合は30ポイント減少している)一方で、カットイン予告の実行割合よりも群予告の実行割合の方が高い。
このように、変形例8では、可動体予告演出の制限度合い(いずれの可動体予告演出を制限するか)に応じて、複数の非可動体予告演出における実行割合が異なる構成としている。これにより、状況に応じた演出を実行することができる。具体的には、可動体予告Aが制限されたときにはカットイン予告を実行しやすくする(すなわち、大当りに対する信頼度の低い可動体予告演出が制限されたときには、大当りに対する信頼度の低い非可動体予告演出の実行割合を高くする)一方で、可動体予告Bが制限されたときには群予告を実行しやすくする(すなわち、大当りに対する信頼度の高い可動体予告演出が制限されたときには、大当りに対する信頼度の高い非可動体予告演出の実行割合を高くする)こととしている。従って、可動体予告演出の実行の制限にもとづく予告演出の実行頻度の低下を、制限した可動体予告演出と同等の信頼度を有する非可動体予告演出の実行により補うことができ、演出効果の低下を防止することができる。
なお、変形例8では、各予告演出の実行の有無を一括して決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、可動体予告演出の実行の有無を決定する抽選(可動体予告Aおよび可動体予告Bのうちいずれか一方のみを実行可能とする抽選)と、非可動体予告演出の実行の有無を決定する抽選(カットイン予告および群予告のうちいずれか一方のみを実行可能とする抽選)をそれぞれ実行することとしてもよい。また、可動体予告Aの実行の有無と、可動体予告Bの実行の有無と、カットイン予告の実行の有無と、群予告の実行の有無とをそれぞれ独立した抽選によって決定することとしてもよい。なお、複数の予告演出を実行することが決定された場合には、同時に実行するものであってもよいし、それぞれ異なるタイミングにて実行するものであってもよい。
なお、変形例8では、制限時予告演出実行抽選テーブルを用いた予告演出実行抽選処理では、可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行割合を0%としたが、いずれか一方の可動体予告演出の実行割合のみを低下させることとしてもよい。例えば、可動体予告Aの実行割合を0%とし、可動体予告Bの実行割合を通常予告演出実行抽選テーブルを用いた予告演出実行抽選処理と同じ割合としてもよい。また、実行を制限した可動体予告演出の実行割合は、0%に限るものではなく、非制限時における実行割合よりも低いものであればよい。
なお、具体的な実行割合については、図42に示したものに限られない。例えば、図42に示したものとは逆に、可動体予告Aの実行が制限される場合には群予告の実行割合を高めるとともに、可動体予告Bの実行が制限される場合にはカットイン予告の実行割合を高めることとしてもよい。
ステップS3903,S3904の後、演出制御用CPU120は、動作回数格納領域の記憶内容をシフトする(ステップS3905)。具体的には、格納領域10の動作回数をクリアする(「0」を格納する)とともに、格納領域9に格納されている動作回数を格納領域10にシフトし、格納領域8に格納されている動作回数を格納領域9にシフトし、格納領域7に格納されている動作回数を格納領域8にシフトし、格納領域6に格納されている動作回数を格納領域7にシフトし、格納領域5に格納されている動作回数を格納領域6にシフトし、格納領域4に格納されている動作回数を格納領域5にシフトし、格納領域3に格納されている動作回数を格納領域4にシフトし、格納領域2に格納されている動作回数を格納領域3にシフトし、格納領域1に格納されている動作回数を格納領域2にシフトし、格納領域1に0を記憶する。そして、演出制御用CPU120は、予告演出の実行の有無を決定する予告演出実行抽選処理を行う(ステップS3906)。具体的には、ステップS3903,S3904において選択した予告演出実行抽選テーブルを用いて予告演出実行抽選処理を行う。
ステップS3906の後、演出制御用CPU120は、可動体予告Aまたは可動体予告Bを実行することが決定されたか否かを判定し(ステップS3907)、実行しないことが決定された場合にはステップS3910へ移行する。実行することが決定された場合には、実行する可動体予告演出(可動体予告Aまたは可動体予告B)の設定を行い(ステップS3908)、格納領域1の動作回数に1を加算する(ステップS3909)。このとき、格納領域1の動作回数は0であることから、1が加算されて「1」が格納されることとなる。
その後、開始する変動がスーパーリーチ変動であるか否かを判定し(ステップS3910)、スーパーリーチ変動でない場合にはそのまま処理を終了する。スーパーリーチ変動である場合には、格納領域1の値に1を加算する(ステップS3911)。これにより、可動体予告Cに対応する可動部材321の動作回数を計測している。
なお、変形例8では、動作回数格納領域に動作回数を格納する処理(ステップS3909,S3911)を変動開始時に実行することとしたが、これに限るものではなく、可動体予告演出において実際に可動部材321を動作させるタイミングや、可動部材321を動作させた変動の終了タイミングにて格納領域1の値を格納することとしてもよい。
なお、変形例8では、一の変動における可動体予告演出の最大実行回数は2回であることとしたが、これに限るものではない。例えば、擬似連を伴う変動パターンが選択された場合に、再変動毎に予告演出を繰り返し実行可能であるものとすれば、一の変動において3回以上の可動体予告演出が実行され得ることとなる。具体的には、再変動が3回行われる変動パターンが選択された場合には、1回目の再変動の前、1回目の再変動の後であって2回目の再変動の前、および2回目の再変動の後であって3回目の再変動の前に可動体予告Aが実行され、3回目の再変動後に可動体予告Cが実行されることとすれば、一の変動において4回の可動体予告演出が実行されることとなる。なお、1回目の再変動の前、1回目の再変動の後であって2回目の再変動の前、および2回目の再変動の後であって3回目の再変動の前においては、必ずしも同じ予告演出を実行するものとしないものであってもよく、例えば、1回目の再変動の前、1回目の再変動の後であって2回目の再変動の前に可動体予告Aを実行し、2回目の再変動の後であって3回目の再変動の前に可動体予告Bを実行することとしてもよい。また、擬似連を伴う変動パターンが選択された場合には、各再変動を「一の変動」であることとして取り扱うこととしてもよい。例えば、上述したように再変動が3回行われる変動パターンが選択され、1回目の再変動の前、1回目の再変動の後であって2回目の再変動の前、および2回目の再変動の後であって3回目の再変動の前に可動体予告Aが実行され、3回目の再変動後に可動体予告Cが実行されることとした場合には、3回の変動において4回の可動体予告演出が行われたものとして取り扱うこととしてもよい。
以上に説明したように、変形例8によれば、第1演出(本例では、非可動体予告演出(カットイン予告、群予告))と、可動物を動作させる第2演出(本例では、可動体予告演出(可動体予告A,可動体予告B,可動体予告C))とを実行可能であり(本例では、演出制御用CPU120における、ステップS8004において選択したプロセステーブルにもとづいてステップS8006,S74を実行する部分)、所定期間内における第2演出の実行割合が高いときに、第2演出の実行を制限するとともに、実行割合が低いときよりも高い割合で第1演出を実行する(本例では、演出制御用CPU120は、直近10回の変動において可動体予告演出を5回以上実行しているとき(ステップS3902のY)、図42(B)に示す制限時予告演出実行抽選テーブル(図42(A)に示す通常予告演出実行抽選テーブルよりも可動体予告演出の実行割合が低く、非可動体予告演出の実行割合が高い予告演出実行抽選テーブル)を用いてステップS3906を実行する)こととした。これにより、コストの増加を防ぎつつ、可動物の動作を好適に実行することができる。具体的には、短期間に可動物を動作させることによる駆動手段(例えば、モータ)の発熱を防止することができるため、駆動手段の温度を測定するためのコストがかかることなく発熱による動作の不具合を防止することができ、可動物の動作を好適に実行することができる。
また、以上に説明したように、変形例8によれば、可変表示を実行可能であり、可変表示の実行中に第2演出を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、変動中にステップS8006,S172を実行可能である)こととした。これにより、コストの増加を防ぎつつ、可変表示中の可動物の動作を好適に実行することができる。
また、変形例8では、可動物の動作態様が異なる複数の第2演出(本例では、可動体予告A、可動体予告Bおよび可動体予告C)を実行可能であることとした。これにより、演出のバリエーションを増加することができるとともに、可動物の動作を好適に実行することができる。
また、変形例8では、演出態様が異なる複数の第1演出(本例では、カットイン予告および群予告)を実行可能であり、所定期間内における第2演出の実行割合が高いときに、複数の第2演出のうちいずれかの第2演出の実行を制限するとともに、いずれの第2演出の実行が制限されるかに応じて異なる割合により複数の第1演出のうちいずれかの第1演出を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、図42(B)に示す制限時予告演出実行抽選テーブルを用いてステップS3906を実行することにより、可動体予告Aを主に制限した場合(非リーチはずれ、ノーマルリーチはずれまたはノーマルリーチ大当りを示す変動パターンである場合)にはカットイン予告を実行しやすく、可動体予告Bを主に制限した場合(スーパーリーチ大当りを示す変動パターンである場合)には群予告を実行しやすい)こととした。これにより、状況に応じた演出を実行することができる。
また、変形例8では、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、演出の実行を制御する演出制御手段(本例では、演出制御用CPU120)とを備え、遊技制御手段は、複数の第2演出(本例では、可動体予告A、可動体予告Bおよび可動体予告C)のうち特定第2演出(本例では、可動体予告C)の実行の有無を決定可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを選択することにより、可動体予告Cの実行の有無を決定可能である)、演出制御手段は、特定第2演出とは異なる特別第2演出(本例では、可動体予告Aおよび可動体予告B)の実行の有無を決定可能であり(本例では、演出制御用CPU120は、ステップS3906行うことにより、可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行の有無を決定可能である)、特別第2演出の実行を制限可能である(本例では、演出制御用CPU120は、ステップS3906行うことにより、ステップS3904を行うことにより可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行を制限する)こととした。仮に、変動パターンに対応する可動体予告演出の実行についても制限した場合には、演出が不自然になってしまう(例えば、動作するはずのタイミングで可動部材321が動作しないことにより遊技者に違和感を与えてしまう)ことがある。そこで、変形例8のように、変動パターンに対応する可動体予告演出の実行については制限しないことにより、演出が不自然になることを防止し、演出効果の低下を防止することができる。
なお、変形例8では、「第1演出」として非可動体予告演出(カットイン予告、群予告)を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、段階的に演出が発展するステップアップ演出や、キャラクタが登場するキャラクタ演出など、いずれの予告演出であってもよい。また、演出表示装置5以外の演出部材を用いた演出であってもよく、スピーカから音声出力を行う演出や、ランプやLEDなどの発光体を用いた演出であってもよい。また、可動物を動作させない演出に限るものではなく、第2演出よりも駆動量(例えば、モータの回転数)が少ない演出や可動物の移動距離が短い演出を、「第1演出」として実行可能であることとしてもよい。また、複数の可動物のうち一部の可動物を用いた演出を「第1演出」とし、他の可動物を用いた演出を「第2演出」としてもよい。
また、変形例8では、複数種類の非可動体予告演出(カットイン予告、群予告)を実行可能であることとしたが、単一の非可動体予告演出を実行可能であることとしてもよい。
なお、変形例8では、「第2演出」として複数種類の可動体予告演出(可動体予告A〜C)を実行可能であることとしたが、「第2演出」として単一の可動体予告演出を実行可能であることとしてもよい。また、可動体予告演出において動作される可動部材は単一のものに限られず、複数の可動部材を動作させる可動体予告演出を実行可能であることとしてもよい。また、可動物の動作に伴い、演出表示装置5による画像の表示や、スピーカによる音声の出力を行うこととしてもよい。
また、変形例8では、可動体予告演出を変動中の演出であることとしたが、これに限るものではなく、例えば、大当り演出や小当り演出として可動体予告演出を実行可能であることとしてもよい。具体的には、遊技者にとって有利な大当り(例えば、ラウンド数が多い大当り、確変状態に移行する大当り)であるか否かを認識困難な演出を実行した後に、遊技者にとって有利な大当りであることを大当り中に報知する演出(いわゆる、昇格演出)や、大当りとなる保留記憶が記憶されていることを大当り中に示唆する演出(いわゆる、保留連演出)として、可動物を動作させる演出を行うこととしてもよい。その場合においても、可動物を動作させる演出の実行割合が高いときに、可動物を動作させる演出の実行を制限してもよい。また、大当り中において可動物を動作させる演出を制限対象としてもよい。
また、未だ実行を開始していない変動に対する予告演出(いわゆる、先読み予告演出)として「第2演出」を実行可能であることとしてもよい。例えば、複数回の変動に跨って(間欠的であっても継続的であってもよい)可動物を動作させる先読み予告演出を「第2演出」として実行可能であることとしてもよい。その場合、先読み予告演出の予告対象である保留記憶が何個目の保留記憶であるか(例えば、1個目の保留記憶であるか、4個目の保留記憶であるか)によって先読み予告演出の実行期間が異なることから、可動物の動作時間が異なるものである。そこで、先読み予告演出の予告対象である保留記憶が何個目の保留記憶であるかに応じて、制限の態様を異ならせることとしてもよい。例えば、1個目の保留記憶が予告対象である先読み予告演出Aの制限度合いよりも、4個目の保留記憶が予告対象である先読み予告演出Bの制限度合いの方が高い(制限時には、先読み予告演出Aの実行割合が通常時の半分となる一方、先読み予告演出Bの実行割合が0%となる(実行を禁止する))こととしてもよい。また、先読み予告演出の制限条件を満たしていないときであっても、実行する先読み予告演出が何個目の保留記憶を予告対象とするものであるかによって、先読み予告演出を実行終了したときには制限条件を満たしてしまうことがある。例えば、直近10変動中における可動体予告演出の実行回数が5回となることを制限条件とする遊技機において、直近10変動中における可動体予告演出の実行回数が2回であるときに、4個目の保留記憶を予告対象とした先読み予告演出(毎変動中に1回ずつ可動体予告演出を実行するもの。すなわち、4回の可動体予告演出を実行する先読み予告演出。)を実行した場合には、先読み予告演出の実行終了後には制限条件を満たすこと(直近10変動中における可動体予告演出の実行回数が5回以上になること)が考えられる。そこで、先読み予告演出の制限条件を満たしていないときであっても、先読み予告演出を実行することにより制限条件を満たしてしまうことが考えられる場合には、該先読み予告演出の実行を制限することとしてもよい。例えば、上述した例であれば、4個目の保留記憶を予告対象とした先読み予告演出(毎変動中に1回ずつ可動体予告演出を実行するもの。すなわち、4回の可動体予告演出を実行する先読み予告演出。)の実行は禁止する一方、4個目の保留記憶を予告対象とした先読み予告演出(2回までしか可動体予告演出を実行しないもの)については実行可能であることとしてもよい。また、4個目の保留記憶を予告対象とした先読み予告演出(毎変動中に1回ずつ可動体予告演出を実行するもの。すなわち、4回の可動体予告演出を実行する先読み予告演出。)の実行を禁止する一方、2個目の保留記憶を予告対象とした先読み予告演出(毎変動中に1回ずつ可動体予告演出を実行するもの。すなわち、2回の可動体予告演出を実行する先読み予告演出。)は実行可能であることとしてもよい。また、先読み予告演出を実行する各変動における可動体予告演出の実行回数や実行期間などの実行割合についても、監視対象としてもよい。
また、変形例8では、実行割合の監視を行う「所定期間」として、10回の変動を行う期間を用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、10回以外の回数(9回未満であっても、11回以上であってもよい)の変動を行う期間や、所定の時間(例えば、5分間)を「所定期間」としてもよい。なお、遊技状態や演出状態(例えば、演出モード)が切り替えられた場合には、複数の遊技状態や演出状態に跨って実行割合の監視を行うこととしてもよいし、遊技状態の切替時点および演出状態の切替時点のうち少なくともいずれか一方において実行割合の監視をリセットし(例えば、変形例8における動作回数格納領域のデータをクリアする)、切り替えた後における実行割合のみを監視することとしてもよい。例えば、5分間を「所定期間」とし、大当り遊技状態の制御時間が5分以内であり、大当りの前後で演出状態が異なることとした場合、大当り発生直後においては、大当り発生前から大当り発生後における実行割合を監視するものであってもよいし、大当り発生後の演出状態における実行割合のみを監視するものであってもよい。
また、1回の変動を行う期間を「所定期間」としてもよい。例えば、これから実行する1回の変動期間を「所定期間」とし、多くの可動物演出を1回の変動において実行してしまうと駆動手段(アクチュエータ、モータ)にかかる負荷が増大することから、1回の変動における可動体予告演出の実行回数の上限を設けることにより、可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。また、例えば、前回行った1回の変動期間を「所定期間」とし、前回の変動における可動体予告演出の実行割合(実行回数、実行期間など)に応じて、これから実行する変動における可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。その際、可動体予告演出を一切実行しないことにより制限するものであってもよいし、可動体予告演出の実行可能範囲(実行回数の上限、実行期間の上限など)を設けることにより制限するものであってもよい。
また、変形例8では、「所定期間」を常に固定(直近の10回の変動)するものとしたが、これに限るものではない。例えば、低ベース状態では直近の10回の変動における可動体予告演出の実行割合を監視し、高ベース状態では直近の20回の変動における可動体予告演出の実行割合を監視することとしてもよい。また、低ベース状態では直近の10回の変動における可動体予告演出の実行割合を監視し、高ベース状態では直近5分間における可動体予告演出の実行割合を監視することとしてもよい。
また、変形例8では、所定期間内(10回の変動)における可動体予告演出の実行回数が多いときに可動体予告演出の実行を制限することとしたが、制限条件はこれに限るものではない。例えば、所定期間内における可動体予告演出の実行時間または可動体予告演出の実行に伴う駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷の大きさが所定値よりも高いことを制限条件としてもよい。
例えば、所定期間内における可動体予告演出の累計実行時間が所定の閾値を超えた場合に可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。具体的には、可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行時間が1.0秒、可動体予告Cの実行時間が3.0秒であり、閾値が10秒とした場合には、可動体予告Aまたは可動体予告Bが5回、可動体予告Cが2回発生したときには累計実行時間が11秒となり、閾値よりも高いため、可動体予告演出の実行を制限するものである。
また、例えば、可動体予告演出の種別毎に駆動手段(アクチュエータ、モータ)にかかる負荷に応じた負荷ポイントが予め定められている遊技機であれば、所定期間内において実行された可動体予告演出の負荷ポイントの合計値が所定の閾値以上であれば、可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。具体的には、可動体予告Aの負荷ポイントAとして10ポイントが、可動体予告Bの負荷ポイントBとして20ポイントが、可動体予告Cの負荷ポイントCとして40ポイントが、閾値として50ポイントが、それぞれ定められている場合、可動体予告A〜Cが1回ずつ発生したときには合計値が70ポイントとなり、閾値よりも高いため、可動体予告演出の実行を制限するものである。
また、所定期間内における可動体予告演出の実行回数を監視する場合に、駆動手段の負荷の大きさを考慮して、可動体予告演出の実行の制限の有無を決定するものであってもよい。例えば、駆動手段にかかる負荷が大きい可動体予告演出であるほど、少ない回数の実行を条件として可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。具体的には、駆動手段にかかる負荷が大きい可動体予告Dと、駆動手段にかかる負荷が小さい可動体予告Eとが設けられている場合には、可動体予告Dについては所定期間内に2回実行することを制限条件とする一方、可動体予告Eについては所定期間内に5回実行することを制限条件としてもよい。
また、所定期間内における監視対象(可動体予告演出の実行回数、可動体予告演出の実行時間、または可動体予告演出の実行に伴う駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷の大きさ)は、一のものに限られず、複数の監視対象にもとづいて可動体予告演出の実行の制限の有無を決定することとしてもよい。その場合、複数の監視対象のうちいずれか一の監視対象が条件を満たした場合に可動体予告演出の実行を制限することとしてもよいし、複数の監視対象のうち全ての監視対象が条件を満たした場合に可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。これにより、状況に応じた条件にもとづいて可動体予告演出の実行を制限することができる。
また、上述した監視対象(可動体予告演出の実行回数、可動体予告演出の実行時間、または可動体予告演出の実行に伴う駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷の大きさ)と、所定期間内における累計変動時間にもとづいて、単位時間あたりの可動体予告演出の実行回数、実行時間、または駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷の大きさを算出し、算出結果が所定の閾値を超えた場合には可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。
また、変形例8では、可動部材321の動作態様の異なる複数の可動体予告演出のうち、全ての可動体予告演出の実行回数を監視することとしたが、これに限るものではない。例えば、複数の可動体予告演出のうち、可動部材321の動作時間が一定以上である可動体予告演出、駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷が一定以上である可動体予告演出、または制限対象である可動体予告演出(変形例8における可動体予告Aおよび可動体予告B)について、所定期間内における実行回数、実行時間または実行に伴う駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷を監視することとしてもよい。
また、変形例8では、所定期間内における第2演出の実行割合が高いか否かを判定するための閾値を常に固定することとした(直近10回の変動における可動体予告演出の実行回数が5回以上)が、これに限るものではない。例えば、高ベース状態に移行されているときには直近の10回の変動において3回以上を閾値とする一方、低ベース状態に制御されているときには直近の10回の変動において5回以上を閾値とすることとしてもよい。
また、変形例8では、可動体予告演出の実行を禁止する(実行割合を0%とする)ことにより「第2演出の実行を制限する」こととしたが、可動体予告演出の実行割合を非制限時よりも低くすることにより「第2演出の実行を制限する」こととしてもよい。例えば、非制限時には可動体予告演出を30%の割合で実行するものであれば、制限時には可動体予告演出を20%の割合で実行することとしてもよい。
また、変形例8では、制限条件を満たした場合(直近10回の変動における可動物の動作回数が5回を超えた場合)であっても、変動パターンに応じた可動体予告Cの実行は制限しないものとしたが、これに限るものではない。例えば、制限条件を満たした場合、可動体予告Cを伴う変動パターンが選択された場合であっても可動体予告Cを実行しないようにしてもよい。また、制限条件を満たした場合、可動体予告Cよりも可動部材312の動作時間の短い可動体予告演出や、駆動手段(アクチュエータ、モータ)にかかる負荷の低い可動体予告演出や、他の可動部材を動作させる可動体予告演出に差し替えて実行することとしてもよい。
また、制限条件を段階的に設けるものであってもよく、例えば、直近10回の変動における可動体予告演出の実行回数が3回〜5回であれば可動体予告Aおよび可動体予告Bの実行を制限し、直近10回の変動における可動体予告演出の実行回数が6回以上であれば更に可動体予告Cの実行を制限することとしてもよい。
なお、変形例8では、制限条件が成立している場合には、不具合が生じない程度に駆動手段(アクチュエータ、モータ)が放熱した後(例えば、変動が行われないまま、駆動手段(アクチュエータ、モータ)が放熱するのに十分な時間が経過した後)であっても、可動体予告演出の実行が制限されることとなる。その場合、不具合が生じないにもかかわらず可動体予告演出の発生頻度が低下するため、演出効果が低下する虞がある。そこで、可動部材312が動作されない状態で所定の期間が経過したとき(例えば、可動部材が動作されずに5分間経過したとき、変動が行われずに5分経過したとき、大当り遊技状態が終了したとき)、または可動部材312が動作されない状態で所定の期間が経過することが決定したとき(例えば、大当り遊技状態に移行することが決定したとき)に、監視対象のデータ(例えば、動作回数格納領域)をクリアすることにより、可動体予告演出の制限を解除するものであってもよい。他にも、小当りとなることや、客待ちデモ演出の実行を開始することなどを契機として、監視対象のデータをクリアすることとしてもよい。
また、変形例8では、実行を制限している場合を除き、可動体予告演出の実行割合を一定(図42(A)参照)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、演出内容の異なる複数の演出モードが設けられている遊技機においては、制御されている演出モードに応じて異なる割合にて可動体予告演出を実行することとしてもよい。具体的には、背景の異なる演出モードA〜Cが設けられていた場合、演出モードAであれば1/20の割合で可動体予告演出を実行し、演出モードBであれば1/10の割合で可動体予告演出を実行し、演出モードCであれば1/5の割合で可動体予告演出を実行することとしてもよい。
その場合、可動体予告演出の実行回数、実行期間または駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷を複数の演出モードに亘って監視すること(例えば、直近10回の変動を常に監視していれば、演出モードが切り替わった場合、切り替わる前後の演出モードにおいて監視をすることとなる)としてもよいし、現在制御されている演出モードにおいてのみを監視する(演出モードが切り替わることを契機として監視対象のデータ(例えば、変形例8における動作回数格納領域)をクリアする)こととしてもよい。
また、可動体予告演出の実行割合が異なる複数の演出モードが設けられているものであれば、制限時の演出モードによって制限度合いが異なるものであってもよい。また、所定期間内における第2演出の実行割合が高いときであっても、演出モードによって可動体予告演出の実行の制限の有無が異なることとしてもよい。例えば、上述したような演出モードA〜Cが設けられているものであれば、演出モードAでは制限せず、演出モードBおよび演出モードCでは制限を行うこととしてもよい。
また、可動体予告演出の実行の制限時には、特定の演出モードに移行することとしてもよい。例えば、演出モードBおよび演出モードCにおいて、所定期間内における可動体予告演出の実行割合が高いときには、可動体予告演出の実行割合が低い演出モードAに移行することにより、可動体予告演出の実行を制限することとしてもよい。
また、制御されている演出モードによって、可動体予告演出の実行割合を監視するための期間が異なることとしてもよい。例えば、演出モードAでは直近20回の変動において可動体予告演出の実行割合を監視し、演出モードBでは直近10回の変動において可動体予告演出の実行割合を監視し、演出モードCでは直近5回の変動において可動体予告演出の実行割合を監視することとしてもよい。
また、制御されている演出モードによって、所定期間内における監視対象(可動体予告演出の実行回数、可動体予告演出の実行時間、または可動体予告演出の実行に伴う駆動手段(アクチュエータ、モータ)の負荷の大きさ)が異なることとしてもよい。例えば、演出モードAでは可動体予告演出の実行回数、演出モードBでは可動体予告演出の実行期間、演出モードCでは可動体予告演出の実行回数および実行期間を監視対象としてもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態および各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用CPU120側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用CPU120側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用CPU120側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13およびランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU120に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、音声制御基板13やランプ制御基板14など、または音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用CPU120に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用CPU120に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用CPU120は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
例えば、実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、本実施の形態では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、実施の形態では、遊技球を打球発射装置により遊技領域10よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域10の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域10の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、実施の形態では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、実施の形態では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。