JP2017017636A - 頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法 - Google Patents

頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イヤホンを用いた場合でも適切に処理することができる頭外定位フィルタを生成する頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法を提供する。【解決手段】実施の形態1にかかる頭外定位フィルタ生成装置は、直管部分を有する測定管6と、測定管6内の直管部分6bに設けられたマイク1と、マイク1を測定管6に固定するイヤプラグ2と、測定管6に装着されるイヤピース5aを備えたイヤホン5と、スピーカ8と、第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成する処理部と、を備えるものである。イヤプラグの有無を切替えて、スピーカを駆動したときの音圧が第1及び第2の音圧であり、イヤホンを駆動した時の音圧が第3及び第4の音圧である。【選択図】図7

Description

本発明は、頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法に関する。
特許文献1、2には、ヘッドホン、イヤホンにおける頭外定位方式が記載されている。また、特許文献1、2では、ダミーヘッドを用いて、外耳道入口から鼓膜までの伝達関数を求めている。外耳道入口から鼓膜までの伝達関数の逆関数は外耳道補正関数と呼ばれている。
また、非特許文献1には、バイノーラル信号を音源に用いて、音響インピーダンスの比が1となるようなヘッドホンを使用することで、マイクの感度と、外耳道入口の音圧によって、外耳道補正関数を簡単に求められることが記載されている。バイノーラル音源とは、録音者の頭部伝達関数が反映された音源である。
こうして求められた外耳道補正関数は、頭外定位フィルタを構成する複数のフィルタの一部である。外耳道補正関数を含め、頭外定位フィルタを構成する複数のフィルタは、以下便宜的に頭外定位フィルタと記載する。
特開2004−128854号公報 特開2002−209300号公報
Henrik Moller "Fundamentals of Binaural Technology "Applied Acoustics 36 (1992)
非特許文献1には、自由音場での音源から鼓膜までの音響伝達回路(伝達関数)と等価なヘッドホン再生による音響伝達回路(伝達関数)を求める方法が開示されている。
非特許文献1では、外耳道入口が閉じられた状態で録音されたバイノーラル信号を音源に用いて、録音時の被験者と受聴時の被験者(受聴者)とが同一、かつ後述する'open headphone'を使用することにより、簡単に頭外定位フィルタが求められると記載されている。'open headphone'とは、以下の式(1)に示す各音響インピーダンスの比が1となるヘッドホンである。
Figure 2017017636
なお、式(1)に用いられる記号は以下の通りである。
:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
ear canal:外耳道入口から鼓膜側を見た音響インピーダンス
headphone:ヘッドホン受聴時に外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
radiation:自由音場における、外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
ここで、Pは第1の音圧、Pは第2の音圧、Pは第3の音圧、Pは第4の音圧である。
そして、非特許文献1には、録音時の被験者と受聴時の被験者(受聴者)とが同一、かつヘッドホンまたはイヤホンが'open headphone'の条件を満たす場合、マイク感度Mと、ヘッドホン端子電圧Eheadphoneと、音圧Pとが求められれば、頭外定位フィルタGを以下の式(2)で近似値G として算出できることが開示されている。
Figure 2017017636
なお、式(2)に用いられる記号は以下の通りである。
:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧Pを用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
:Gの近似値であり、'open headphone'を使用した場合の頭外定位フィルタ
:録音時のマイクロホン伝達関数
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
headphone:ヘッドホン端子電圧
図12は、音圧Pと音圧Pを模式的に示す図である。音圧Pは、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧である。図13は音圧Pと音圧Pを模式的に示す図である。音圧Pはヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧である。式(1)のP及びPは図12及び図13の回路図にのみ示されているが、それぞれP及びPと同じ位置における、外耳道入口をイヤプラグ(耳栓)等で閉塞した状態での音圧である。
しかしながら、非特許文献1では、イヤホンについて触れられていない。イヤホンの音響インピーダンスと自由音場の音響インピーダンスとは大きく異なるため、式(1)の比を1とすること、すなわち'open headphone'の条件を満たすことは構造上、実現が困難である。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、イヤホンを用いた場合でも適切に音像を頭外に定位することができる頭外定位フィルタを生成する頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる頭外定位フィルタ生成装置は、直管部分を有する測定管と、前記測定管内の前記直管部分に設けられたマイクと、前記マイクを前記測定管に固定するイヤプラグと、前記測定管に装着されるイヤホンと、前記測定管の外部に設置されたスピーカと、第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成する処理部と、を備え、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧とするものである。
本発明の一態様にかかる頭外定位フィルタ生成方法は、測定管、マイク、イヤプラグ、イヤホン、及びスピーカを用いて第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧を測定するステップと、前記第1の音圧、前記第2の音圧、前記第3の音圧、及び前記第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成するステップと、を備え、前記測定管が直管部分を有し、前記マイクが、前記測定管内の前記直管部分に設けられており、前記イヤプラグ、前記マイクを前記測定管に固定し、前記イヤホンが、前記測定管に装着され、前記スピーカが前記測定管の外部に設置されており、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧とするものである。
本発明によれば、イヤホンを用いた場合でも適切に音像を頭外に定位することができる頭外定位フィルタを生成する頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法を提供できる。
頭外定位フィルタの考え方を説明する図である。 頭外定位フィルタの考え方を説明する図である。 頭外定位フィルタの考え方を説明する図である。 頭外定位フィルタの考え方を説明する図である。 頭外定位フィルタを生成するための測定を説明するための図である。 頭外定位フィルタを生成するための測定を説明するための図である。 頭外定位フィルタを生成するための測定を説明するための図である。 頭外定位フィルタを生成するための測定を説明するための図である。 頭外定位処理装置の構成を示すブロック図である。 頭外定位処理における個人特性調整を行う様子を示す模式図である。 頭外定位処理における個人特性調整の動作を説明するためのフローチャートである。 自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧Pと、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧Pを模式的に示す図である。 ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧Pと、ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧Pを模式的に示す図である
<実施の形態1>
[発明の概要]
これまでの頭外定位処理では、イヤホンから聴こえる仮想音源の位置は、頭外には出るものの現実の音源の位置よりは手前(受聴者に近い位置)に定位する。また、音質が変化した(ある周波数の音が強調された)音になる場合が多い。これらの原因として、以下の2つの理由が挙げられる。
第一の理由として、ダミーヘッドで代用した外耳道の特性がユーザの特性と正確に一致していないことが挙げられる。人の音像定位は、外耳道の入口から鼓膜までの間の1次元問題として扱うことができる。しかしながら厳密には外耳道はS字型をしており、個人によってその曲がり方も異なる。また外耳道の長さは25〜30mmと言われており、その共鳴周波数は長さによって異なる。
第二の理由は、イヤホンの装着状態が適切でない場合があることが挙げられる。300名程度の被験者を対象とした実験において、イヤホンの装着状態を観察したところ、大きめのイヤピースを無理やりに押し込み、自然と外れたり、斜めに挿入して音道が外耳道の壁に塞がれたりする等、イヤホンの装着状態が適切でない被験者が数多く見受けられた。
実施の形態1では、次に示す(A)万人に共通な特性と、(B)個人毎の特性とに切り分け、(B)のみを個人毎に調整することで、適切な頭外定位を実現する。
(A)万人に共通な特性
外耳道をモデル化した構造物、すなわち一端が閉じられている測定管を用いて、頭外定位フィルタを求めるための音圧を測定する。例えば、イヤピース全体が外耳道に沿って密着してはめ込まれた状態におけるイヤピースの先から0.5〜1cmの位置にマイクを設置して音圧を測定する。測定を通じ、個人によらない万人共通の頭外定位フィルタを取得する。
(B)個人毎の特性
上記で取得された万人共通の頭外定位フィルタは、あくまで外耳道という管を1次元振動していくと仮定したものである。したがって、鼓膜でふさがれた外耳道で起こる共鳴が発生することについては考慮されていない。共鳴により、ある高い周波数のみ大きく聴こえたり、逆に全く聴こえなかったりすることが発生する。このように共鳴する周波数は個人毎の特性であり、共鳴の発生は避けられない。また、イヤホンの装着状態が適切でない場合も個人毎の特性に関係する。こうした個人毎の特性は聴取者にしか知覚できないため、聴取者による調整によって共鳴周波数を特定する。モデル化した構造物によって起こる共鳴を排除するためのノッチフィルタまたはピーキングフィルタを用いて、減衰または増強処理を実施する仕組みを備えている。
以上のように、(A)万人に共通な特性と、(B)個人毎の特性とに切り分け、(B)のみを個人毎に調整することで、適切な頭外定位を実現する構成により、カナル型イヤホンでも原音場と等価な音場を楽しむことができる。
['open headphone'の頭外定位フィルタ]
実施の形態1では、非特許文献1に記載された頭外定位フィルタを求めるための数式を用いる。したがって、まずこれらの数式について説明する。非特許文献1では鼓膜位置の音圧を録音し、ヘッドホンで再生することが想定されている。ヘッドホン受聴でも自由音場と同じ音を聴くためには、頭外定位フィルタGを使って、以下の式(3)が成り立つ必要がある。すなわち、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧Pと、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧Pとの伝達関数の比が、音圧Pと、ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧Pとの伝達関数の比に等しくなる必要がある。マイクが伝達関数Mを有し、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタをGとすれば、以下の式(3)が成り立つ。
Figure 2017017636
なお、式(3)に用いられる記号は以下の通りである。
:音圧Pを用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
:録音時のマイクロホン伝達関数
headphone:ヘッドホン端子電圧
しかしながら、鼓膜位置での録音は現実的でないので、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧Pを用いて式(3)を表すと、式(4)となる。
Figure 2017017636
なお、式(4)に用いられる記号は以下の通りである。
:音圧Pを用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
:録音時のマイクロホン伝達関数
headphone:ヘッドホン端子電圧
式(4)を変形していくと、頭外定位フィルタGは、式(5)で表せる。
Figure 2017017636
なお、式(5)に用いられる記号は以下の通りである。
:音圧Pを用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
:録音時のマイクロホン伝達関数
headphone:ヘッドホン端子電圧
式(5)において、右辺第1項[(P/P)/(P/P)]は、録音者と受聴者が同一の場合、分母(P/P)、分子(P/P)ともに同一の外耳道の伝達関数を表している。したがって、右辺第1項は1となる。右辺第3項[1/M(P/Eheadphone)]は、マイクの特性が必要であるが、音圧Pを測定する際のマイクと同一のものを使えば、式(6)のように、ヘッドホン端子電圧Eheadphoneとマイクロホン端子電圧Emicrophoneの比で表される。従って、右辺第3項は、電圧比、すなわち音量の大きさによって求められる。
Figure 2017017636
headphone:ヘッドホン端子電圧
microphone:マイクロホン端子電圧
G:式(5)の右辺第3項
式(5)の右辺第1項[(P/P)/(P/P)]は1であり、右辺第3項[1/M(P/Eheadphone)]は音量の大小によって求められる。このため、式(5)の右辺第2項[(P/P)/(P/P)]が求められれば、頭外定位フィルタGが得られる。ここで、式(5)の右辺第2項は、図12及び図13より、以下に再掲する式(1)で表される。
Figure 2017017636
:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
ear canal:外耳道入口から鼓膜側を見た音響インピーダンス
headphone:ヘッドホン受聴時に外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
radiation:自由音場で外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
式(1)の右辺は、音響インピーダンスZheadphoneが音響インピーダンスZradiationと等しければ、1となる。すなわち、これは'open headphone'の条件を満たす場合である。この場合、上記の式(6)のみで頭外定位フィルタGが得られる。
[イヤホンの頭外定位フィルタ]
ここでイヤホンに注目する。イヤホンにもインナイヤと呼ばれる開放型のものがあるが、音漏れが多いことから、近年ではカナル型のイヤホンが圧倒的多数を占めている。しかしながらカナル型のイヤホンの音響インピーダンスと自由音場の音響インピーダンスとは大きく異なるため、式(1)の比を1とすること、すなわち'open headphone'の条件を満たすことは、上記の通り、構造上、実現が困難である。
そこで、実施の形態1では、式(1)、すなわち式(5)の右辺第2項を測定により求める。そのためには、マイク位置は特許文献1に示された外耳道入口やダミーヘッドの鼓膜位置ではなく、図1〜図4に示すような位置とする。図1〜図4は頭外定位フィルタの考え方を説明する図であり、具体的には、音圧を測定するための配置を概念的に示している。
イヤホン5はイヤピース5aを備えている。イヤピース5aが外耳道9の内部に挿入されることで、イヤホン5が耳3に装着される。イヤホン5のスピーカからの音を集音するためのマイク1は、鼓膜4の手前(外耳道9の入口側)であって、イヤホン5の装着位置よりも奥側(鼓膜4側)に取り付けられる。すなわち、図1〜図4に示すようにマイク1は、外耳道9における、鼓膜4とイヤホン5との間の位置に取り付けられる。
図1、図3では、イヤプラグ2によってマイク1が外耳道9内で固定された状態となっている。一方、図2、図4では、イヤプラグ2が外されており、マイク1が外耳道9内で固定されていない状態となっている。非特許文献1の各音圧P,P,P,Pは、カナル型イヤホンでは、それぞれ図1〜図4のマイク位置での各音圧P2e,P3e,P5e,P6eとなる。
マイク1の設置位置はイヤピース5aの先端から0.5〜1cm程度の位置とするのが望ましい。この位置が望ましい理由は次の通りである。鼓膜位置までのわずかに曲がったS字特性は個人それぞれに違っている。したがって、この距離を1cm以下とすることにより、完全に円筒とみなせる短い部分のみを利用できる。そうすれば、ダミーヘッドも人間もこの区間に限り同じ特性であるとみなすことができる。また、0.5cm以下とすると、イヤホン5とマイク1とが近くなりすぎてしまい、設置が難しくなり、また適切な集音測定が困難になる。
このように、イヤホン毎にダミーヘッドを用いて音圧P2e,P3e,P5e,P6eを測定することで、式(1)に示す音圧の比を算出することができる。そして、式(1)の音圧比から式(5)を用いてイヤホンの頭外定位フィルタGceを求めることができる。音圧P2e,P3e,P5e,P6eの測定を同じイヤホン5で行うと、上記したように、式(5)の第1項は1となり、第3項は式(6)のように、ヘッドホン端子電圧Eheadphoneとマイクロホン端子電圧Emicrophoneの比、すなわち音量の大きさで求められる。すなわち、測定により求めた音圧P2e,P3e,P5e,P6eをそれぞれ式(5)の各音圧P,P,P,Pとすることで、式(5)の頭外定位フィルタGがイヤホン5の頭外定位フィルタGceとなる。このように、イヤホン5に対する万人共通の頭外定位フィルタGceを簡単に求めることができる。イヤホンの頭外定位フィルタGceは同型(量産された同種の商品)のイヤホンであれば同一となる。
図5〜図8に音圧を測定するための装置構成を示す。図5〜図8に示す装置は、イヤホン5を用いた場合に頭外定位処理を行うための頭外定位フィルタGceを生成するフィルタ生成装置100である。フィルタ生成装置100は、マイク1、イヤプラグ2、測定管6、スピーカ8、処理装置10を備えている。
図5は音圧P2e、図6は音圧P3e、図7は音圧P5e、図8は音圧P6eを測定する状態をそれぞれ示している。これらの各音圧は、非特許文献1におけるP2、3、5、にそれぞれ対応している。
ここで、フィルタ生成装置100におけるマイクロホン1とイヤホン5の位置について説明する。図1、図2はカナル型のイヤホン5を耳3に装着していない状態を示しており、図3、図4は、イヤホン5を耳3に装着した状態を示している。マイクロホン1の設置位置はイヤピース5aの先端から0.5〜1cmの距離が望ましい。
さらに、式(1)の左辺は式(7)のように変形できる。
Figure 2017017636
及びPは、開放された外耳道入口位置の音圧であるため、それぞれに外耳道特性を含むが、録音者と受聴者が同一であれば、(P/P)は受聴者の外耳道の特性を相殺していることを示す。また、(P/P)も同様に、受聴者の外耳道の特性を相殺していることを示す。したがって、ダミーヘッドも、人間の外耳道特性を真似たS字に曲がっている管も用いる必要はない。このことから各音圧は、鼓膜の付いた外耳道、すなわち一端が閉じられた円筒であって、外耳道と同じ大きさ、長さ、材質の似た試験管のような円筒を用いて簡単に測定できる。
測定管6は、試験管のような形状であり、直管部分6bを備えている。測定管6は一端に開放口6aが設けられている。直管部分6bは、真っ直ぐな円筒形状を有している。すなわち、直管部分6bは、断面円形で一定になっている。そして、直管部分6bの一端が開放口6aとなっている。
測定管6は、人間の外耳道と同様の特性を有する材料によって形成されている。測定管6は外耳道とほぼ同じ大きさ、長さ、材質の似た試験管のような外耳道様円筒である。測定管6は、例えば、シリコーン樹脂によって形成されている。外耳道の鼓膜に当たる部分、すなわち外耳道様円筒の底はマイクケーブル7が通るよう穴をあけ、粘土でふさぐ等処置を施す。測定管6は、例えば、長さ3cm、直径(内径)6mmである。
そして、測定管6の内部には、マイク1が設置されている。マイク1は、直管部分6bに設置されている。マイク1の位置は図5〜図8まですべて同じ位置としている。測定管6の内径は、人の外耳道と同程度の大きさとなっている。マイク1は、測定管6に収まるサイズとなっている。マイク1は、マイクケーブル7を介して集音した信号を処理装置10に出力する。なお、マイク1のマイクケーブル7は、測定管6の他端から測定管6の外部に取り出されている。処理装置10は、A/D変換器、メモリ、プロセッサ等を備えた信号処理装置である。
図5、図7では、マイク1がイヤプラグ2によって、測定管6に固定されている。イヤプラグ2はマイク1を覆っている。イヤプラグ2は、測定管6に収まることで、マイク1が固定される。イヤプラグ2は、測定管6を塞ぐ大きさとなっている。イヤプラグ2は、カナル型のイヤホン5に使用されるイヤピース5aと同型の物を用いることもできる。一方、図6、図8では、イヤプラグ2が外されており、マイク1が測定管6に固定されていない。すなわち、図6、図8では、マイク1が測定管6内で浮いている状態である。
図5、図6では、イヤホン5が測定管6に装着されておらず、音源であるスピーカ8が測定管6の外側に設けられている。図5、図6では、スピーカ8を駆動した時の音圧をマイク1が測定する。マイク1で集音された信号はマイクケーブル7を介して、処理装置10に入力される。これにより、音圧P2e、音圧P3eが測定される。スピーカ8の位置(角度及び距離)は特に限定されるものではないが、測定精度を考慮すると50〜100cm、マイク1から離すことが好ましい。図5に示すように、マイク1をイヤプラグ2で測定管6に固定せずに設置し、イヤホン5を測定管6に装着せずにスピーカ8を駆動した時の自由音場の音圧を測定して、音圧P2eとしている。図6に示すように、マイク1をイヤプラグ2で測定管6に固定し、イヤホン5を測定管6に装着せずにスピーカ8を駆動した時の自由音場の音圧をマイク1が測定して、音圧P3eとしている。
図7、図8に示すように測定管6の開放口6aには、カナル型のイヤホン5が装着される。ここでは、イヤホン5のイヤピース5aが測定管6に完全に入るように装着されることが好ましい。イヤピース5aはイヤプラグ2と同じ大きさで、測定管6の開放口6aに嵌め込むことができるものが好ましい。図7に示すように、マイク1をイヤプラグ2で測定管6に固定せずに設置し、イヤホン5を駆動した時の音圧をマイク1が測定して、音圧P5eとしている。図8に示すように、マイク1をイヤプラグ2で測定管6に固定し、イヤホン5を駆動した時の音圧をマイク1が測定して、音圧P6eとしている。
図7、図8では、イヤホン5が音源となっている。イヤホン5を駆動した時の音圧を、マイク1が測定する。マイク1は、集音した信号を、マイクケーブル7を介して処理装置10に出力する。以上の処理により、音圧P5e、音圧P6eが測定される。
図5〜図8の構成において、例えば、イヤホン5又はスピーカ8がインパルス信号を発生する。そして、マイク1がインパルス応答を測定することで、音圧P2e、音圧P3e、音圧P5e、音圧P6eが測定される。そして、測定した音圧P2e、音圧P3e、音圧P5e、音圧P6eを式(5)、及び(7)の音圧P、音圧P、音圧P、音圧Pとして用いる。なお、測定する順序は特に限定されるものではない。測定に用いられるマイク1、イヤホン5、スピーカ8は共通とする。
処理装置10は、メモリ及びプロセッサ等を備えた情報処理装置である。処理装置10は、音圧P2e、音圧P3e、音圧P5e、音圧P6eをメモリ等に記憶する。4つの音圧が測定されたら、処理装置10は、音圧P2e、音圧P3e、音圧P5e、音圧P6eに基づいて、頭外定位フィルタを算出する。例えば、処理装置10は、式(1)の音圧の比(P3e/P2e)/(P6e/P5e)を求める。そして、処理装置10は、式(5)に音圧の比を代入することで、頭外定位フィルタGceを算出する。音圧の比、すなわち頭外定位フィルタはイヤホンに固有な値であるから、イヤホン毎に測定しておけばよい。同型のイヤホンであれば、同じ値を用いることができる。
このように、4種のマイク音圧を測定することで、簡便に頭外定位フィルタGceを求めることができる。上記したように、式(5)の第3項は、式(6)のGで示されるように、電圧の比であることから、実際にはレベル(音量)として表現される。
測定管6は耳穴と同程度の穴径を有する形状としている。式(5)から式(1)を正確に求め、イヤピース5aが完全に耳穴又は測定管6に嵌まるように装着することが望ましい。したがって、耳穴及び測定管6と同じサイズのイヤピース5aを取り付ける必要がある。こうすることで音道が正確に外耳道と平行となり、信号が1次元振動として伝達される。
実施の形態1では、外耳道をモデル化した円筒を測定管6として用いている。すなわち、一端が開放されており、他端が閉じられている円筒を測定管6としている。そして、測定管6の開放口6a側には直管部分6bが設けられている。直管部分6bに設置されたマイク1によって音圧を測定している。このようにすることで、1次元振動として音が伝達するため、外耳道のS字部分の個人差を排除して、音圧を測定することができる。したがって、万人共通の頭外定位フィルタGceを求めることができる。なお、直管部分6bが設けられている測定管6であれば、特にその形状は限定されるものではない。
また、イヤピース5a全体が外耳道に沿って密着して嵌め込まれた状態におけるイヤピース5aの先から0.5〜1cmの位置にマイクを設置することが好ましい。こうすることで、測定を通じ、個人によらない万人共通の頭外定位フィルタGceを取得することができる。通常、外耳道入口から1cmまでは、万人共通でほぼ直管となっている。よって、同型のイヤホンであれば、共通の頭外定位フィルタGceを用いることができる。換言すると、イヤホンのユーザの外耳道形状に依存せずに頭外定位フィルタを求めることができる。また、ダミーヘッドも不要となるため、簡便に音圧を測定することができる。さらに、左右の耳の特性も共通となるため、1回の測定で左右の頭外定位フィルタGceを求めることができる。
そして、同型のイヤホン5については、共通の頭外定位フィルタGceを用いることができる。すなわち、あるイヤホン5について測定を行うことで、そのイヤホン5と同型のイヤホンについては、個別の測定が不要となる。異なる型のイヤホンについては、同様の音圧測定を行うことで、そのイヤホンの型に固有の頭外定位フィルタGceを求めることができる。
[頭外定位処理]
次に、頭外定位処理を行う頭外定位処理装置20の構成について、図9を用いて説明する。頭外定位処理装置20は、イヤホンを用いた場合に、頭外定位のためのフィルタ処理を行う。頭外定位処理装置20は、畳み込み演算部11〜14と、補正処理部15、音質調整部16、周波数スイープ信号発生器17、スイッチ18、加算器19を備えている。なお、図9では、左のイヤホンに対応する構成については、符号にLを付し、右のイヤホンに対応する構成については符号にRを付している。
頭外定位処理装置20には、左右のステレオ入力信号SL,SRが入力されている。ステレオ入力信号SL,SRは、CDプレーヤ等から出力されるステレオ信号である。スイッチ18は、ステレオ入力信号SL、SRと、周波数スイープ信号発生器17からの周波数スイープ信号SIGと、を切替える。ステレオ入力信号SLは、左チャンネルの入力信号であり、ステレオ入力信号SRは右チャンネルの入力信号である。なお、周波数スイープ信号SIGは、個人特性の調整のために用いられる。周波数スイープ信号SIGについては後述する。
畳み込み演算部11には、Lスピーカから左耳外耳道入口までの伝達関数Hlsが設定されている。畳み込み演算部11は、ステレオ入力信号SLに対して伝達関数Hlsを用いた畳み込み演算を行う。畳み込み演算部12は、Lスピーカから右耳外耳道入口までの伝達関数Hloが設定されている。畳み込み演算部12は、ステレオ入力信号SLに対して、伝達関数Hloを用いた畳み込み演算を行う。
畳み込み演算部13には、Rスピーカから左耳外耳道入口までの伝達関数Hroが設定されている。畳み込み演算部13は、ステレオ入力信号SRに対して伝達関数Hroを用いた畳み込み演算を行う。畳み込み演算部14は、Rスピーカから右耳外耳道入口までの伝達関数Hrsが設定されている。畳み込み演算部14は、ステレオ入力信号SRに対して伝達関数Hrsを用いた畳み込み演算を行う。
畳み込み演算部11〜14の伝達関数については、受聴者本人の特性の頭部伝達関数を用いることが好ましい。例えば、ステレオスピーカを音源とするインパルス応答測定により、頭部伝達関数を求めることができる。図1と同じマイク位置の特性が望ましいが、マイクの設置が困難である。そのため、外耳道入口ぎりぎりの位置にマイクと設置して測定を行う。この位置から図1のマイク位置までは1次元振動と考えてよい。そして、マイク1での測定結果から、4つの伝達関数を求める。例えば、ステレオスピーカのそれぞれを音源とするインパルス応答測定により、伝達関数を求めることができる。あるいは、複数の頭部伝達関数を図示しない記憶部にプリセットさせ、受聴者に近い特性を持つ頭部伝達関数をプリセットから選択して用いてもよい。なお、記憶部は、ダミーヘッドや他の受聴者により測定されたインパルス応答の測定結果に基づく頭部伝達関数を記憶する。こうすることで、受聴者本人にマイクを装着した状態でのインパルス応答測定が不要となる。
畳み込み演算部11、13は、畳み込み演算処理がなされた畳み込み演算データを加算器19Lに出力する。加算器19Lは、2つの畳み込み演算データを加算して、加算信号として補正処理部15Lに出力する。畳み込み演算部12、14は、畳み込み演算処理がなされた畳み込み演算データを加算器19Rに出力する。加算器19Rは、2つの畳み込み演算データを加算して、加算信号として、補正処理部15Rに出力する。
補正処理部15L、15Rは、頭外定位フィルタGceを用いて、加算信号に対して補正処理を行う。すなわち、補正処理部15L、15Rはそれぞれ、畳み込み演算部11〜14での演算結果に対して、頭外定位フィルタGceを用いた補正を行う。なお、頭外定位フィルタGceは、図5〜図8で示した頭外定位フィルタ生成装置100での音圧測定結果に基づいて算出されたものである。
音質調整部16L、16Rは補正処理部15L、15Rで補正された信号の音質をそれぞれ調整する。音質調整部16は、周波数に応じてゲインを変えるフィルタを有している。具体的には、音質調整部16は、ノッチフィルタ及びピーキングフィルタを有している。音質調整部16は、周波数帯毎にゲインを変えることができる。音質調整部16は、共鳴周波数に応じて音質を調整する。共鳴周波数は、受聴者の外耳道形状に応じて変化する。すなわち、共鳴周波数は個人差がある。したがって、音質調整部16は、受聴者に応じたフィルタを有している。実施の形態1では、周波数スイープ信号SIGを用いた調整によって、受聴者に応じたフィルタが設定される。以下、音質調整部16における共鳴周波数の調整方法について説明する。
[共鳴周波数の調整]
イヤピース5aの先端から0.5〜1cmに設置したマイク1とイヤホン5の直管部分には特有の共鳴が発生する。このため共鳴周波数により音質が変化しまうことがある。これを避けるためにノッチフィルタ群を必要とする。さらにマイクロホン1から受聴者の鼓膜までの区間は個人毎に湾曲しており、その結果、共鳴周波数が異なる。したがって、音質調整部16は、先のノッチフィルタ群にて共鳴によって変化した音質を調整する。これはその受聴者にしか知覚できない音であるので、頭外定位処理装置20は、周波数を提示して、強く聴こえるタイミングにおいてノッチ周波数を決定する。また逆に鼓膜位置にて聴こえない周波数も現れる。これについてもスイープさせた純音を再生することによって、急に聴こえにくくなる周波数がわかるのでピーキングフィルタにて強調すればよい。
音質調整部16における個人特性調整について、図10、図11を用いて説明する。図10は、受聴者に応じた個人特性調整を行う様子を模式的に示す図である。図11は個人特性の測定方法を示すフローチャートである。図10に示すように、頭外定位処理装置20を用いて個人特性に応じたフィルタを設定する。イヤホン5は、頭外定位処理装置20に接続されている。左右のイヤホン5L、5Rは、受聴者Uの左右の耳3L、3Rにそれぞれ装着されている。
音質調整部16での個人特性調整の目的は外耳道によって起こる共鳴を特定し、補正することである。この共鳴は受聴者自身の外耳道の特徴によって生じる。このため、図10に示すように、受聴者Uがイヤホン5を装着する。イヤホン5は、音圧測定に用いたイヤホン5と同型である。そして、受聴者Uがイヤホン5を音源とする音を聴いている間、頭外定位処理装置20が個人特性を調整する。このとき、図3等に示したように、受聴者Uはイヤホン5のイヤピース5a全体が完全に耳穴に嵌まるようにして装着する。
受聴者Uは図9のスイッチ18にて、周波数スイープ信号発生器17に入力を切り替える。受聴者Uは、主に高周波数域の周波数スイープ信号を試聴する。周波数スイープ信号は、純音であり、中心周波数が徐々に変わっていく信号である。周波数スイープ信号発生器17は周波数F=5kHzの信号を200msec発生させる(S1)。次に、周波数スイープ信号発生器17はF(5kHz)+10Hzの信号を発生させる(S2)。受聴者Uは前者の音(5kHz)に比べ、後者の音(5kHz+10Hz)の大きさが大きく聴こえたら(S3→Yes)、受聴者Uが頭外定位処理装置20に設けられた表示装置21のゲインコントロールバーを下げる。頭外定位処理装置20はゲインコントロールバーを下げる操作を受け付けると、音質調整部16はノッチフィルタでその周波数のゲインを下げる(S4)。
受聴者Uは前者の音(5kHz)に比べ、後者の音(5kHz+10Hz)の音量が大きいと感じなかった場合(S3→No)、受聴者Uはゲインを調整しないでそのままの音量とする。受聴者Uは音量が大きいと感じなかった場合(S3→No)又はS4で音質調整部16がゲインを下げた場合、受聴者Uは前者の音(5kHz)に比べ、後者の音(5kHz+10Hz)の音量が小さいか判断する(S5)。受聴者Uは音量が小さいと感じたら(S5→Yes)、受聴者Uは、頭外定位処理装置20に設けられた表示装置21のゲインコントロールバーを上げる。頭外定位処理装置20はゲインコントロールバーを上げる操作を受け付けると、音質調整部16はピーキングフィルタでその周波数のゲインを上げる(S6)。そして、周波数Fのゲインが適切な値となるまで、音質調整部16はステップS3〜S6までの処理を繰り返す。
受聴者Uは特に音量が小さいとは感じなかった場合(S5→No)、S7へ進む。周波数Fが20kHzより小さければ(S7→Yes)、S2に戻り、周波数スイープ信号発生器17が周波数Fを10Hz上げた信号を発生させる。周波数Fが20kHz以上であれば、音質調整部16は処理を終了する(S7→No)。このように、周波数Fが徐々に変化する周波数スイープ信号を出力して、各周波数に対するゲインが適切になるまで処理が行われる。
受聴者Uが、5kHz〜20kHzのどの周波数もほぼ等しい大きさに聴こえれば個人特性調整は終了する。なお、受聴者Uが判断しやすいよう、表示装置21に、周波数スイープ信号発生器17が発生させている周波数を表示することが望ましい。周波数スイープ信号発生器17が周波数をスイープする速度を、受聴者Uに調整させるようにしてもよい。スイープする周波数領域は、外耳道共鳴のメカニズム(外耳道の長さ30mmの場合、一番低い共鳴周波数は5667Hz)から5kHz以上から開始することが好ましい、また、調整する周波数を8kHz以上とするようにしてもよい。もちろん、カナル型イヤホンの再生周波数領域すべてを対象にしてもよい。また調整する周波数を受聴者Uが指定してもよい。
個人特性調整は受聴者毎に行うことが好ましい。個人特性調整が終われば、周波数に応じたゲインを有するフィルタが音質調整部16に設定される。頭外定位処理装置20は、切り替えスイッチ18をステレオ入力信号SL、SRに切り替えて、受聴者が音楽を聴取する。このときも、図5〜図8に示した音圧測定を行ったイヤホン5と同型のイヤホン5を、イヤピース全体が完全に耳穴に嵌まるようにして装着する。これにより、生成された頭外定位フィルタが正確に再現され、カナル型イヤホンでも原音場と等価な音場を楽しむことができる。また、個人特性調整によって設定されたフィルタを受聴者と対応付けて、音質調整部16が図示しない記憶部に記憶させるようにしてもよい。受聴時には受聴者が個人用のフィルタを選択する。このようにすることで、音質調整部16が受聴者に応じた音質調整を行い、適切な頭外定位処理を行うことが可能になる。
外耳道内を模した測定管6に設置したマイクによって、イヤホン5毎に個人によらない万人共通の頭外定位フィルタGceを得ることができる。イヤピース5aの先から0.5〜1cmにマイク1を設置することが好ましい。こうすることで、適切に頭外定位フィルタを得ることができる。さらに、イヤピース5a全体が耳穴に嵌まるイヤホン5を利用することで、求めた頭外定位フィルタを正確に適用できる。
測定管6を用いた測定によって万人共通の頭外定位フィルタGceを得た後は、受聴者の個人特性に応じてその頭外定位フィルタGceを補正する。すなわち、音質調整部16が受聴者に応じて音質を調整している。受聴者Uがイヤホン5を装着した状態で、周波数が変化するスイープ信号を出力した時の、受聴者Uの受聴結果に応じて設定されたノッチフィルタ及びピーキングフィルタを音質調整部16が備えている。受聴者はノッチフィルタ及びピーキングフィルタで共鳴を微調整することでイヤホンにおいても現音場と等価な音場再現を楽しむことができる。以上のことから、万人共通の頭外定位フィルタを求めることができ、カナル型イヤホンでも原音場と等価な音場を楽しむことができる。
なお、頭外定位処理装置20と処理装置10は物理的に同一の装置であってもよく、異なる装置であってもよい。異なる装置とする場合、処理装置10での生成されたフィルタ又は頭外定位フィルタを頭外定位処理装置20に転送すればよい。
<実施の形態2>
実施の形態1でカナル型イヤホンについて説明を行ったが、実施の形態2では、開放型イヤホン(インナイヤ型)を用いている。非特許文献1では開放型のヘッドホンの場合、式(1)は1に近いと記載されているが、ヘッドホンと比較するとイヤホンは再生帯域、及び再生音量が十分でなく、1に近いとは言えない。そこで実施の形態1と同様に、インナイヤ型イヤホンの頭外定位フィルタを測定によって求める。また、インナイヤ型イヤホンについて、音質調整部16が周波数スイープ信号を用いたゲイン調整を行う。このようにすることで、インナイヤ型イヤホンについても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
上記したフィルタ生成処理方法、頭外定位処理方法のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 マイク
2 イヤプラグ
3 耳
4 鼓膜
5 イヤホン
5a イヤピース
6 測定管
6a 開放口
6b 直管部分
7 マイクケーブル
8 スピーカ
9 外耳道
10 処理装置
11〜14 畳み込み演算部
15 補正処理部
16 音質調整部
17 周波数スイープ信号発生器
20 頭外定位処理装置
100 フィルタ生成装置

Claims (10)

  1. 直管部分を有する測定管と、
    前記測定管内の前記直管部分に設けられたマイクと、
    前記マイクを前記測定管に固定するイヤプラグと、
    前記測定管に装着されるイヤホンと、
    前記測定管の外部に設置されたスピーカと、
    第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成する処理部と、
    を備え、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧としている頭外定位フィルタ生成装置。
  2. (前記第1の音圧/前記第2の音圧)/(前記第3の音圧/前記第4の音圧)の値に基づいて、前記頭外定位フィルタを算出する請求項1に記載の頭外定位フィルタ生成装置。
  3. 前記マイクの設置位置は、前記イヤホンのイヤピースの先端から0.5〜1cmである請求項1、又は2に記載の頭外定位フィルタ生成装置。
  4. 左チャンネルの信号、及び右チャンネルの信号に対して、頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算部と、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成装置で生成された頭外定位フィルタを用いて、前記畳み込み演算部での演算結果に対して補正を行う補正処理部と、
    前記補正処理部で補正された信号に対して、受聴者の個人特性に応じた音質調整を行う音質調整部と、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成装置で用いられた前記イヤホンと同型であり、前記音質調整部で調整された信号を出力するイヤホンと、を備える頭外定位処理装置。
  5. 前記音質調整部は、前記音質調整部で調整された信号を出力する受聴者が前記イヤホンを装着した状態で、周波数が変化するスイープ信号を出力した時の、前記受聴者の受聴結果に応じて設定された複数のフィルタを備えており、
    前記音質調整部は、前記複数のフィルタを用いて周波数に応じてゲインを変化させる請求項4に記載の頭外定位処理装置。
  6. 測定管、マイク、イヤプラグ、イヤホン、及びスピーカを用いて第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧を測定するステップと、
    前記第1の音圧、前記第2の音圧、前記第3の音圧、及び前記第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成するステップと、
    を備え、
    前記測定管が直管部分を有し、
    前記マイクが、前記測定管内の前記直管部分に設けられており、
    前記イヤプラグ、前記マイクを前記測定管に固定し、
    前記イヤホンが、前記測定管に装着され、
    前記スピーカが前記測定管の外部に設置されており、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、
    前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧としている頭外定位フィルタ生成方法。
  7. (前記第1の音圧/前記第2の音圧)/(前記第3の音圧/前記第4の音圧)の値に基づいて前記頭外定位フィルタを算出する請求項6に記載の頭外定位フィルタ生成方法。
  8. 前記マイクの設置位置は、前記イヤホンのイヤピースの先端から0.5〜1cmである請求項6、又は7に記載の頭外定位フィルタ生成方法。
  9. 左チャンネルの信号、及び右チャンネルの信号に対して、頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算ステップと、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成方法で生成された頭外定位フィルタを用いて、前記畳み込み演算ステップでの演算結果に対して補正を行う補正ステップと、
    前記補正ステップで補正された信号に対して、受聴者の個人特性に応じた音質調整を行う音質調整ステップと、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成方法で用いられた前記イヤホンと同型のイヤホンから、前記音質調整ステップで調整された信号を出力するステップを備える頭外定位処理方法。
  10. 前記受聴者が前記音質調整ステップで調整された信号を出力するイヤホンを装着した状態で、周波数が変化するスイープ信号を出力した時の、前記受聴者の受聴結果に応じて複数のフィルタを設定するステップをさらに備え、
    前記音質調整ステップでは、前記複数のフィルタを用いて周波数に応じてゲインを変化させる請求項9に記載の頭外定位処理方法。
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