JP2017015789A - 光波長フィルタおよびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長誤差を補償して低減することができ、波長分散が小さく、かつ高い矩形度の透過波長特性を有する光波長フィルタを提供する。【解決手段】シリコン導波路で形成された光波長フィルタであって、入力導波路401と、入力導波路401と光学的に接続された複数のマイクロリング導波路402−1〜32と、複数のマイクロリング導波路402−1〜32の各々と光学的に接続された出力導波路を複数403−1〜32備え、入力導波路401の一方の端部より光を入力したとき、他方の端部から出力される光の透過域は、複数のマイクロリング導波路402−1〜32のうち、1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振ピークを消去することにより設定されている。【選択図】図4

Description

本発明は、光波長フィルタおよびその作製方法に関し、より詳細には、シリコン導波路で形成された平面型の光波長フィルタ回路であり、1つの入力と1つの出力とを有し、特定の波長の光波のみを透過する光波長フィルタおよびその作製方法に関する。
光波長合分波回路は、合波する特定の波長チャネル、分波された特定の波長チャネル、またはすべての波長チャネルにおいて、波長チャネル間のクロストーク性能の向上が求められる場合がある。このような場合には、光波長合分波回路の特定の波長チャネルに、1入力1出力の光波長フィルタを接続する手法が知られている。この1入力1出力の光波長フィルタは、特定の波長チャネルの光波のみを透過し、他の波長チャネルは阻止する機能を有する。このような1入力1出力の光波長フィルタは、石英系の平面光波回路技術を使用してアレイ導波路回折格子により実現した例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、シリコン導波路による光回路は、石英系の材料と比較して、回路サイズを飛躍的に小さくできる利点を有し、研究開発が盛んに行われている。シリコン導波路においても、1入力1出力の光波長フィルタは、基本的な光機能回路として必要とされている。シリコン導波路を適用した1入力1出力の光波長フィルタを構成する手法は、いくつか知られている。
例えば、第1の従来例としてアレイ導波路回折格子が挙げられる。非特許文献1には、石英導波路によるアレイ導波路回折格子を用いた1入力1出力の光波長フィルタが開示されているが、シリコン導波路を適用しても、同様にアレイ導波路回折格子を実現することができる。
第2の従来例として環状導波路を用いたマイクロリング共振器が挙げられる。シリコン導波路は、石英導波路と比較して小さい半径で曲げることができるため、光波長フィルタとして十分な透過波長幅と自由スペクトル領域(Free Spectral Range:FSR)を実現することができる(例えば、非特許文献2参照)。また、真円の環状導波路を用いたマイクロリング共振器に類するものとして、レーストラック型の環状導波路を用いた共振器が挙げられる(例えば、非特許文献3参照)。
図1に、従来のマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す。図1(a)に示したマイクロリング共振器は、入力導波路101と出力導波路103とに光学的に接続された、真円の環状のマイクロリング導波路102を有する。入力導波路101とマイクロリング導波路102、マイクロリング導波路102と出力導波路103とを、それぞれ所定の間隔で近接して配置することにより、光結合を生じさせる。入力導波路101の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路101の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路103の一方の端部(図の左側)より出力する経路をドロップと称する。
マイクロリング共振器の透過波長特性を決める構造パラメータは、入力導波路101とマイクロリング導波路102との間の結合率κ1、マイクロリング導波路102と出力導波路103との間の結合率κ2、およびマイクロリング導波路の周長LRまたはマイクロリング導波路半径Rである。ここで、シリコンで構成された各導波路101、102、103の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。入力導波路101とマイクロリング導波路102との間のギャップは0.2μmで結合率κ1=0.01、マイクロリング導波路102と出力導波路103との間のギャップは0.2μmで結合率κ2=0.01である。また、マイクロリング導波路102の半径はR=5μmである。
図1(b)に、スルーの透過スペクトルの計算結果Thとドロッブの透過スペクトルの計算結果Drとを示す。
図2に、従来のレーストラック型マイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す。図2(a)に示したマイクロリング共振器は、入力導波路201と出力導波路203とに光学的に接続された、レーストラック形状の環状のマイクロリング導波路202を有する。入力導波路201の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路201の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路203の一方の端部(図の左側)より出力する経路をドロップと称する。
ここで、シリコンで構成された各導波路の201、202、203の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている.入力導波路201とマイクロリング導波路202との間の結合部のギャップは0.2μm、長さは10μmで結合率κ1=0.24、マイクロリング導波路202と出力導波路203との間の結合部のギャップは0.2μm、長さは10μmで結合率κ2=0.24である。また、レーストラック形状の環状のマイクロリング導波路202の曲線部分の曲げ半径R=3μmである。
図2(b)に、スルーの透過スペクトルの計算結果Thとドロッブの透過スペクトルの計算結果Drとを示す。
図3に、従来のレーストラック型ダブルマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す。図3(a)に示したマイクロリング共振器は、入力導波路301に光学的に接続されたレーストラック形状の環状のマイクロリング導波路302と、出力導波路304とに光学的に接続されたレーストラック形状の環状のマイクロリング導波路303とが光学的に接続されて、ダブルマイクロリング共振器を構成している。入力導波路301の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路301の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路304の他方の端部(図の右側)より出力する経路をドロップと称する。
ここで、シリコンで構成された各導波路の301、302、303、304の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。入力導波路301とマイクロリング導波路302との間の結合部のギャップは0.2μmで結合率κ1=0.24、マイクロリング導波路302とマイクロリング導波路303との間の結合部のギャップは0.35μmで結合率κ2=0.025、マイクロリング導波路303と出力導波路304との間の結合部のギャップは0.2μmで結合率κ3=0.24である。また、マイクロリング導波路302、303の曲線部分の曲げ半径はR=3μmである。
図3(b)に、スルーの透過スペクトルの計算結果Thとドロッブの透過スペクトルの計算結果Drとを示す。図2(b)に示したマイクロリング共振器と比較すると、スルーおよびドロップの透過帯域の形状が、より矩形に近い形になっている。
図1に示したように、真円のマイクロリング導波路を用いる場合、比較的大きな結合率を得るためには、結合部の導波路間のギャップを小さくする必要がある。このギャップは、シリコン導波路の加工限界によって制限されるため、結合率の大きさもこの加工限界によって制限を受ける。図2、図3に示したレーストラック形状の環状のマイクロリング導波路を用いる場合には、より大きな結合率を得るためには、結合部のギャップを小さくするだけでなく、結合部の長さをより長くすることによっても実現できる。従って、シリコン導波路の加工限界の制限を受けずに、より自由に結合率を設定することができる。
また、図3に示したように、マイクロリング共振器を2重化することにより、透過帯域の形状をより矩形に近づけることができるので、さらに、マイクロリング共振器を多重化することにより透過波長特性を改善することができる(例えば、非特許文献4参照)。
S. Kamei et al., "Crosstalk reduction in arrayed-waveguide grating multiplexer/demultiplexer using cascade connection," IEEE J. of Lightwave Technol., Vol. 23, pp. 1929-1938 (1905). Jan Niehusmann et al., "Ultrahigh-quality-factor silicon-on-insulator microring resonator," Opt. Lett., Vol. 29, No. 24, pp. 2861-2863 (2004) Andreas Vorckel et al., "Asymmetrically coupled silicon-on-insulator microring resonators for compact add-drop multiplexers," IEEE, Photonics Technol. Lett. Vol. 15, No. 7, pp. 921-923 (2003) Joyce K. S. Poon et al., "Designing coupled-resonator optical waveguide delay lines," J. Opt. Soc. Am. B, Vol. 21, No. 9, pp. 1665-1673 (2004)
しかしながら、アレイ導波路回折格子を用いた光波長フィルタ回路を、比屈折率の大きなシリコン導波路を用いて作製すると、導波路の厚さ、幅の作製誤差によって、フィルタの特性が劣化する。特に、波長に対する誤差が生じ、所望の透過帯域を実現できず、歩留まりの低下を招くという問題があった。そこで、導波路の近傍にヒーターを配置し、温度制御によって導波路の屈折率を制御して、透過帯域を調整することが行われているが、常に電力を必要とする欠点がある。また、アレイ導波路回折格子を用いた光波長フィルタ回路は、透過帯域の形状をより矩形に近づける、すなわち矩形度の高い透過波長特性を実現することが困難である。
マイクロリング共振器を用いた光波長フィルタ回路は、マイクロリング共振器を多重化することにより、アレイ導波路回折格子を用いた光波長フィルタ回路よりも、矩形度の高い透過波長特性を実現できる。しかしながら、作製時の導波路サイズの誤差により、波長に対する誤差を生じ、歩留りの低下を招くという問題がある。
また、マイクロリング共振器は、環状のマイクロリング導波路内を光が何度も周回することから透過波長における波長分散が大きくなる。これにより、透過する光信号の品質を劣化させ、伝送距離に制限が生じる。さらに、マイクロリング導波路の周長は、所望のFSR、すなわち動作波長範囲に応じて決定される。マイクロリング導波路の周長が決定されると、各結合部の結合率の設計のみで所望の透過帯域幅を得る必要があり、自由度の高いフィルタ特性の設計が困難になるという問題もある。
本発明の目的は、波長誤差を補償して低減することができ、波長分散が小さく、かつ高い矩形度の透過波長特性を有する光波長フィルタおよびその作製方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、シリコン導波路で形成された光波長フィルタであって、入力導波路と、前記入力導波路と光学的に接続された複数のマイクロリング導波路と、前記複数のマイクロリング導波路の各々と光学的に接続された出力導波路を複数備え、前記入力導波路の一方の端部より光を入力したとき、他方の端部から出力される光の透過域は、前記複数のマイクロリング導波路のうち、1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振ピークを消去することにより設定されていることを特徴とする。
各々のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振波長は、隣接する共振器との間隔が共振波長付近における阻止域の半値全幅よりも狭く、前記透過域は、前記共振ピークが消去された1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の阻止域に相当する。
本発明によれば、複数のマイクロリング導波路のうち、1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振ピークを消去することにより、光波長フィルタの透過域を形成する。従って、消去するマイクロリング導波路を選択するだけで、光波長フィルタの所望のフィルタ特性が得られるので、作製時の誤差があっても、所望のフィルタ特性を容易に得ることができる。これにより、波長誤差を補償して、波長分散が小さくかつ高い矩形度の透過波長特性を有する光波長フィルタを作製することができる。
従来のマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す図である。 従来のレーストラック型マイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す図である。 従来のレーストラック型ダブルマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる光波長フィルタの構成を示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタのうち一部のマイクロリング共振器の共振ピークを消去したときの透過スペクトルを示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタに、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した構成を示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタにおいて波長誤差を含む場合の透過スペクトルを示す図である。 第1の実施形態の光波長フィルタにおいて冗長構成を適用した場合の透過スペクトルを示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる光波長フィルタの構成を示す図である。 第2の実施形態の光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す図である。 第2の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す図である。 第2の実施形態の光波長フィルタに、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した構成を示す図である。 第2の実施形態の光波長フィルタにおいて冗長構成を適用した場合の透過スペクトルを示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる光波長フィルタにおいて共振ピークを消去する方法を示す図である。 第3の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す図である。 第2の実施形態の光波長フィルタにおいて共振ピークを消去した後の透過スペクトルを示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる光波長フィルタにおいて共振ピークを消去する方法を示す図である。 第4の実施形態の光波長フィルタにおいて共振ピークを消去した後の透過スペクトルを示す図である。 Nd:YAGレーザーの照射エネルギーとマイクロリング共振器の共振波長のシフト量の関係を示す図である。 第5の実施形態の光波長フィルタにおいて共振波長をシフトさせた後の透過スペクトルを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる光波長フィルタの構成を示す。光波長フィルタは、入力導波路401に、複数の真円の環状のマイクロリング導波路402−1、402−2、402−3…402−32が光学的に接続され、各々のマイクロリング導波路に、出力導波路403−1、403−2、403−3…403−32がそれぞれ光学的に接続されている。
第1の実施形態の光波長フィルタは、図1に示したマイクロリング共振器を32段縦続接続した構成である。入力導波路401の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路401の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路403−1、403−2、403−3…403−32の一方の端部(図の左側)より出力する経路をドロップと称する。シリコンで構成された各導波路401、402、403の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図5に、第1の実施形態の光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す。図5(a)に示したマイクロリング共振器は、入力導波路501と出力導波路503とに光学的に接続された、真円の環状のマイクロリング導波路502を有する。入力導波路501の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路501の他方の端部(図の右側)からスルー光を出力し、出力導波路503の一方の端部(図の左側)よりドロップ光を出力する。出力導波路503の他方の端部(図の右側)から光は出力されないが、散乱光や反射光による影響を抑制するため、導波路を終端しておくことが望ましい。
また、入力導波路501とマイクロリング導波路502との間の結合率κ1と、マイクロリング導波路502と出力導波路503との間の結合率κ2は、ともに0.1としている。シリコンで構成された各導波路501、502、503の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図5(b)に、スルー光の透過スペクトルの計算結果Thとドロッブ光の透過スペクトルの計算結果Drとを示す。
図4に示した光波長フィルタは、図5に示したマイクロリング共振器を構成要素としている。第1段目のマイクロリング共振器は、共振波長付近におけるスルー光の阻止域の出力レベルが、光波長フィルタの所望のフィルタ特性における阻止域の出力レベルと一致するように設計する。次に、隣接する第2段目のマイクロリング共振器は、共振波長がわずかに異なるように周長LRを決定する。第3段目以降のマイクロリング共振器、隣接するマイクロリング共振器の共振波長とわずかに異なるように、順次、周長LRを決定していく。隣接するマイクロリング共振器との共振波長の間隔を、共振波長付近におけるスルー光の阻止域の半値全幅よりも狭くしておけば、光波長フィルタは、動作波長範囲の全てが阻止域となる。
具体的には、図4の第1段目のマイクロリング導波路402−1の半径をR=6.2μmとし、隣接するマイクロリング導波路の周長LRは、図の左から順に(マイクロリング導波路402−2から402−32への順に)0.02μmずつ大きくなるように設計する。
図6に、第1の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す図である。図4に示した光波長フィルタ回路の最終段のマイクロリング共振器における、入力導波路501の他方の端部(図の右側)から出力されたスルー光の透過スペクトルである。FSRの波長範囲をWFSRとし、マイクロリング共振器の共振波長付近における、所望のフィルタ特性の阻止域の出力レベルと一致する阻止域幅をWSTOPとしたとき、
FSR/WSTOP
以上となる数だけマイクロリング共振器を接続する。このような構成により、光波長フィルタは、図6に示すように、FSRすなわち動作波長範囲の全てが阻止域となる。
図7に、第1の実施形態の光波長フィルタのうち一部のマイクロリング共振器の共振ピークを消去したときの透過スペクトルを示す。図4に示した光波長フィルタのマイクロリング共振器のうち、第1段目から第4段目までのマイクロリング導波路402−1、402−2、402−3、402−4の共振ピークを消去したときの、光波長フィルタの透過特性である。「共振ピークを消去する」とは、マイクロリング共振器のマイクロリング導波路を切断するなどして、光の周回を阻止し、共振器として機能させないことをいう。加えて、マイクロリング導波路の屈折率を変更するなどして、共振波長をシフトさせ、上述した阻止域を有する共振器として機能させないこと、マイクロリング導波路と入力導波路または出力導波路とを分離して共振器として機能させないことをいう。具体的な方法については、後述する。
光波長フィルタの動作波長範囲の中に所望の透過域を得るためには、透過域に対応した波長帯に共振波長を有する1または複数のマイクロリング共振器の共振ピークを消去することにより得ることができる。また、消去する共振ピークの数を変えることにより、自由に透過帯域幅を設計することができる。
図8に、第1の実施形態の光波長フィルタに、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した構成を示す。図4に示した光波長フィルタでは、真円の環状のマイクロリング導波路を用いた。ここでは、レーストラック形状の環状のマイクロリング導波路を用いる。入力導波路801に、複数のレーストラック形状の環状のマイクロリング導波路802−1、802−2、802−3…802−32が光学的に接続され、各々のマイクロリング導波路に、出力導波路803−1、803−2、803−3…803−32がそれぞれ光学的に接続されている。入力導波路801の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路801の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路803−1、803−2、803−3…803−32の一方の端部(図の左側)より出力する経路をドロップと称する。
上述したように、真円のマイクロリング導波路をレーストラック形状のマイクロリング導波路に置き換えることにより、結合部の結合率をより自由に設計することができ、より自由な光波長フィルタのフィルタ特性を設計することができる。レーストラック型マイクロリング共振器を用いた場合でも、光波長フィルタとしての特性は、真円のマイクロリング共振器を用いたものと同様であり、光波長フィルタの所望の透過域に対応した波長帯に共振波長を有するマイクロリング共振器の共振ピークを消去することにより、動作波長範囲の中に透過域を得ることができる。
なお、入出力導波路801とマイクロリング導波路802との間、およびマイクロリング導波路802と出力導波路803との間の各結合部のギャップは0.2μm、長さは10μmとしている。なお、シリコンで構成された各導波路801、802、803の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図9に、第1の実施形態の光波長フィルタにおいて波長誤差を含む場合の透過スペクトルを示す。ここまでの説明では、光波長フィルタの多段のマイクロリング共振器において、波長誤差が発生しない条件のもとでフィルタ回路を構成した。しかしながら、実際に回路を作製すると、各マイクロリング導波路の幅、厚みに、作製誤差が生じることにより波長誤差が発生し、所望の共振波長が得られなくなる。図4に示した光波長フィルタにおいて、波長誤差を含むスルー光の透過スペクトルである。
ここで、各マイクロリング共振器で発生する共振波長の波長誤差は、正規分布に従うものとし、その標準偏差を0.5nmと仮定して計算している。波長誤差がなければ、図6に示したように、動作波長範囲の全てが阻止域となる。しかし、各マイクロリング共振器で波長誤差が発生すると、図9に示したように遮断できない帯域が発生し、波長チャネル間のクロストーク成分を十分に抑制できなくなる。
この問題を解決するためには、光波長フィルタに配置するマイクロリング共振器の数を、波長誤差を無視したときの設計数より増加させ、冗長構成を適用することが有効である。第1の実施形態では、32段のマイクロリング共振器を用いていたが、3倍の96段のマイクロリング共振器を用いた場合を説明する。
図10に、第1の実施形態の光波長フィルタにおいて冗長構成を適用した場合の透過スペクトルを示す。図10(a)は、波長誤差を含むスルー光の透過スペクトルである。図6に示した結果と同様に、動作波長範囲の全てを阻止域とすることができる。図10(b)は、第1段目から第12段目までのマイクロリング導波路の共振ピークを消去したときの、光波長フィルタの透過特性である。
第1段目のマイクロリング導波路の半径をR=6.2μmとし、隣接するマイクロリング導波路の周長LRは、順に0.0066μmずつ大きくなるように設計する。波長誤差がないときに対して1/3倍の波長間隔で共振ピークが並ぶよう設計されている。なお、図10(a)および(b)における計算では、各マイクロリング共振器で発生する共振波長の誤差は、図9に示した計算結果と同様に正規分布に従うものとし、その標準偏差は0.5nmと仮定している。
ただし、実際に回路を設計および作製する際には、使用するプロセスで発生する作製誤差および波長誤差の実態に合わせ、配置するマイクロリング共振器の段数の冗長度を設計する必要がある。より製造誤差が小さく、光波長フィルタの波長誤差を小さくすることが可能なプロセスであれば、マイクロリング共振器の段数の冗長度も小さくすることができる。光波長フィルタの作製においては、マイクロリング共振器の段数を低減することができることから、より精度のよいプロセスを使用することが望ましい。
第1の実施形態の光波長フィルタは、作製誤差による波長誤差が発生しても、マイクロリング共振器の数を冗長に配置することによって、波長チャネル間のクロストークを十分に抑制することができ、波長誤差による歩留りの低下を抑制することができる。また、所望の透過波長帯に、所望の透過帯域幅を得ることができ、より自由なフィルタ特性の設計が可能となる。さらに、第1の実施形態ではマイクロリング共振器を多段に接続しているが、光波長フィルタとして使用する際には、スルー光を透過光として使用することから、ドロップ光を使用する場合に比べて、透過域付近での波長分散を小さくすることができ、長距離通信における信号の品質低下を抑えることができる。
第1の実施形態の光波長フィルタの動作波長範囲は、1540nmから1560nm、図4および図8に示した各マイクロリング共振器の阻止域の半値全幅は0.6nm、各マイクロリング共振器の共振波長間隔は0.5nm、共振ピークを消去した後に得られる透過域の半値全幅は1.5nmである。
光波長フィルタの各マイクロリング導波路の半径および周長は、要求される光波長フィルタの特性に応じて設計されるので、本実施形態における値に限定されるものではない。マイクロリング共振器の入力導波路とマイクロリング導波路との間の結合率、マイクロリング導波路と出力導波路との間の結合率、およびマイクロリング共振器の段数においても、所望の特性に応じて設計されるので、本実施形態で使用した値に限定されるものではない。レーストラック型マイクロリング共振器を用いた場合でも同様である。マイクロリング共振器の消去すべき共振ピークの数も本実施形態の数に限定されるものではなく、所望の透過帯域幅および使用する作製プロセスで発生する作製誤差に応じて決定される。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態で述べたマイクロリング共振器は、共振波長付近のスルー光の阻止域およびドロップ光の透過域が急峻で帯域が狭い。このため、所望の波長特性をもった光波長フィルタを構築するためには、多くのマイクロリング共振器を接続する必要がある。ここで、共振ピーク1つあたりの帯域を拡大するためには、マイクロリング導波路の各結合部の結合率を大きくすることが有効である。しかしながら、結合率を大きくすると、共振ピークと隣接する共振ピークとの間の波長帯、すなわち各共振ピークの裾に当たる波長帯では、ドロップ光の強度が大きくなり、スルー光の強度が小さくなる。そのために、共振ピークを消去しても、所望の透過域が他のマイクロリング導波路の共振ピークの裾によって光の強度が奪われ、これが損失となる。したがって、マイクロリング共振器の各結合部の結合率を大きくすると、接続する共振器の段数を削減することはできても、損失が大きくなる。
この損失を低減するためには、接続するマイクロリング共振器の段数を削減するか、または共振ピークの裾の波長帯でスルー光の強度を大きく、ドロップ光の強度を小さくする必要がある。マイクロリング共振器の段数を削減するためには、個々のマイクロリング共振器は、共振波長付近での帯域が確保されている必要があり、より矩形度の高い共振ピークをもっていることが望ましい。
図11に、本発明の第2の実施形態にかかる光波長フィルタの構成を示す。光波長フィルタは、入力導波路1101に、複数の真円の環状のマイクロリング導波路1102−1、1102−2、1102−3…1102−16が光学的に接続され、さらに各々のマイクロリング導波路に、複数の真円の環状のマイクロリング導波路1103−1、1103−2、1103−3…1103−16が接続され、後者のマイクロリング導波路の各々に、出力導波路1104−1、1104−2、1104−3…1104−16がそれぞれ光学的に接続されている。
入力導波路1101の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路1101の他方の端部(図の右側)から出力する経路をスルー、出力導波路1103−1、1103−2、1103−3…1103−16の一方の端部(図の左側)より出力する経路をドロップと称する。シリコンで構成された各導波路1101、1102、1103の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図12に、第2の実施形態の光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器の構成と透過スペクトルとを示す。図12(a)に示したマイクロリング共振器は、入力導波路1201に光学的に接続された真円の環状のマイクロリング導波路1202と、これに接続された真円の環状のマイクロリング導波路1203と、これに接続された出力導波路1204とを有する。入力導波路1201の一方の端部(図の左側)より光を入力したとき、入力導波路1201の他方の端部(図の右側)からスルー光を出力し、出力導波路1204の他方の端部(図の右側)よりドロップ光を出力する。出力導波路1204の他方の端部(図の左側)から光は出力されないが、散乱光や反射光による影響を抑制するため、導波路を終端しておくことが望ましい。
また、入出力導波路1201とマイクロリング導波路1202との間の結合率をκ1=0.24、マイクロリング導波路1202とマイクロリング導波路1203との間の結合率をκ2=0.025、マイクロリング導波路1203と出力導波路1204との間の結合率をκ3=0.24としている。シリコンで構成された各導波路1201、1202、1203、1204の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図12(b)に、スルー光の透過スペクトルの計算結果Thとドロッブ光の透過スペクトルの計算結果Drとを示す。上述したように、ダブルマイクロリング共振器を用いることにより、共振ピークの矩形度が高くなり、単一のマイクロリング共振器と比較して、1共振ピークあたりの帯域を拡大することができる。また、図5(b)と比較すると分かるように、共振ピークの裾野の波長帯では、マイクロリング共振器に比べ、スルー光強度が大きく、ドロップ光強度が小さくなるため、フィルタの透過域での損失を抑制することができる。
第2の実施形態のダブルマイクロリング共振器からなる光波長フィルタにおいて、第1の実施形態と同等の透過スペクトルを実現するためには、図11の第1段目のダブルリング共振器のマイクロリング導波路1102−1、1103−1の半径をR=6.2μmとし、隣接するマイクロリング導波路の周長LRは、図の左から順に(マイクロリング導波路1102−2から1102−16への順に)0.04μmずつ大きくなるように設計する。第1の実施形態の光波長フィルタと同等の透過域を得るためには、第1段目と第2段目のマイクロリング導波路1102−1、1102−2の共振ピークを消去すればよい。
図13に、第2の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す。図13(a)は、図11に示した光波長フィルタ回路の最終段のマイクロリング共振器における、入力導波路1101の他方の端部(図の右側)から出力されたスルー光の透過スペクトルである。光波長フィルタは、FSRすなわち動作波長範囲の全てが阻止域となる。図13(b)は、第1段目と第2段目のマイクロリング導波路1102−1、1102−2の共振ピークを消去したときの、光波長フィルタの透過特性である。このように、2つのマイクロリング導波路を用いたダブルマイクロリング共振器では、単一のマイクロリング導波路を用いた共振器と比較して、同じ透過波長特性を実現するために必要なマイクロリング共振器の段数、および共振ピークを消去するマイクロリング共振器の数を削減する(第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して半減)ことができる。
第2の実施形態では、透過域での損失を低減するために、ダブルマイクロリング共振器を適用した。しかしながら、上述した各結合部の結合率κ1=0.24,κ2=0.025,κ3=0.24を実現するためには、各結合部のギャップを非常に小さくする必要があり、作製が困難となる。
図14に、第2の実施形態の光波長フィルタに、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した構成を示す。第1の実施形態と同様に、レーストラック形状の環状のマイクロリング導波路を用いる。入力導波路1401に、複数のレーストラック形状の環状のマイクロリング導波路1402−1、1402−2、1402−3…1402−16と、マイクロリング導波路1403−1、1403−2、1403−3…1403−16と、出力導波路1404−1、1404−2、1404−3…1404−16とが、順に光学的に接続されている。
レーストラック形状のマイクロリング導波路は、真円のマイクロリング導波路と比較して、各結合部の結合率をより自由に設計することができる。なお、レーストラック形状のマイクロリング導波路1402、1403の曲げ半径は3μmとしている。また、入力導波路1401とマイクロリング導波路1402との間、マイクロリング導波路1402とマイクロリング導波路1403との間、およびマイクロリング導波路1403と出力導波路1404との間の各結合部の長さは10μmとしている。なお、シリコンで構成された各導波路1401、1402、1403、1404の幅は0.5μm、厚さは0.22μm、シリコン導波路の周囲は石英のクラッドで囲われている。
図11で示した光波長フィルタの透過スペクトルは、各々のマイクロリング共振器で発生する共振波長の誤差について考慮されていない。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、マイクロリング共振器の段数を増加させた冗長構成を適用することによって、波長誤差が発生しても、波長チャネル間のクロストーク成分を十分に抑制することができる。
図15に、第2の実施形態の光波長フィルタにおいて冗長構成を適用した場合の透過スペクトルを示す図である。第2の実施形態の光波長フィルタでは、16段のマイクロリング共振器を用いていたが、3倍の48段のマイクロリング共振器を用いる。図15(a)は、波長誤差を含むスルー光の透過スペクトルである。図10に示した結果と同様に、動作波長範囲の全てを阻止域とすることができる。図15(b)は、第1段目から第5段目までのマイクロリング導波路の共振ピークを消去したときの、光波長フィルタの透過特性である。隣接するマイクロリング導波路の周長LRは、順に0.013μmずつ大きくなるように設計する。波長誤差がないときに対して1/3倍の波長間隔で共振ピークが並ぶよう設計されている。なお、図15(a)および(b)における計算では、各マイクロリング共振器で発生する共振波長の誤差は、図10に示した計算結果と同様に正規分布に従うものとし、その標準偏差は0.5nmと仮定している。
ただし、実際に回路を設計および作製する際には、使用するプロセスで発生する作製誤差および波長誤差の実態に合わせ、配置するマイクロリング共振器の段数の冗長度を設計する必要がある。より製造誤差が小さく、光波長フィルタの波長誤差を小さくすることが可能なプロセスであれば、マイクロリング共振器の段数の冗長度も小さくすることができる。光波長フィルタの作製においては、マイクロリング共振器の段数を低減することができることから、より精度のよいプロセスを使用することが望ましい。
第2の実施形態の光波長フィルタは、第1の実施形態と同様に、作製誤差による波長誤差が発生しても、マイクロリング共振器の数を冗長に配置することによって、波長チャネル間のクロストークを十分に抑制することができ、波長誤差による歩留りの低下を抑制することができる。また、所望の透過波長帯に、所望の透過帯域幅を得ることができ、より自由なフィルタ特性の設計が可能となる。さらに、第2の実施形態ではマイクロリング共振器を多段に接続しているが、光波長フィルタとして使用する際には、スルー光を透過光として使用することから、ドロップ光を使用する場合に比べて、透過域付近での波長分散を小さくすることができ、長距離通信における信号の品質低下を抑えることができる。
第2の実施形態の光波長フィルタの動作波長範囲は、1540nmから1560nm、図11および図14に示した各マイクロリング共振器の阻止域の半値全幅は0.9nm、各マイクロリング共振器の共振波長間隔は1.3nm、共振ピークを消去した後に得られる透過域の半値全幅は1.4nmである。
第2の実施形態では、マイクロリング導波路を2重に配置したダブルマイクロリング共振器を用いたが、上述したように、マイクロリング導波路をさらに多重化した多段マイクロリング共振器を用いることにより、より矩形度の高い透過波長特性を得ることができる。多段マイクロリング共振器を用いて光波長フィルタを構成することにより、マイクロリング共振器の段数をさらに削減することができる。
光波長フィルタの各マイクロリング導波路の半径および周長は、要求される光波長フィルタの特性に応じて設計されるので、本実施形態における値に限定されるものではない。マイクロリング共振器の入力導波路とマイクロリング導波路との間の結合率、マイクロリング導波路とマイクロリング導波路との間の結合率、マイクロリング導波路と出力導波路との間の結合率、およびマイクロリング共振器の段数においても、所望の特性に応じて設計されるので、本実施形態で使用した値に限定されるものではない。レーストラック型マイクロリング共振器を用いた場合でも同様である。マイクロリング共振器の消去すべき共振ピークの数も本実施形態の数に限定されるものではなく、所望の透過帯域幅および使用する作製プロセスで発生する作製誤差に応じて決定される。
[第3の実施の形態]
第3の実施形態に係る光波長フィルタおよびその作製方法について説明する。第1および第2の実施の形態において、光波長フィルタを構成するために、マイクロリング共振器を多段に接続した光波長フィルタを用いた。そして、光波長フィルタの波長特性に、任意の透過域を付与するためにはマイクロリング共振器の共振ピークを所望の透過域内から消去する必要がある。本実施形態では、その具体的な方法として、高出力のレーザー光を照射することによるマイクロリングの切断について説明する。
石英系光導波路をはじめとする導波路型光デバイスを製造する際の後工程として、レーザートリミングが多く採用されている。光導波路の一部にレーザー光を照射して、光導波路の屈折率、複屈折の調整を行っていた。シリコン導波路に短パルスのガスレーザー、固体レーザーから高出力のレーザー光を照射すると、ある閾値以下のレーザー強度では、シリコンがアモルファス化することにより屈折率が増大する。また、ある閾値以上のレーザー強度で照射すると、シリコンはアブレーションされ損傷を引き起こす。この閾値以上の強度のレーザー光を用いて、第1および第2の実施形態で説明した光波長フィルタの一部のマイクロリング導波路に損傷を与え、光学的に切断する。これにより、マイクロリング共振器の共振を停止し、共振ピークを消去することができる。
図16に、本発明の第3の実施形態にかかる光波長フィルタにおいて共振ピークを消去する方法を示す。図16(a)は、第1の実施形態で説明した光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器に対して、マイクロリング導波路1602の一部の領域1604−1,1604−2に、レーザー光を照射して、光学的に切断することを示している。図16(b)は、マイクロリング導波路1602の一部および出力導波路1603の一部の領域1604−3に、レーザー光を照射して、光学的に切断することを示している。当然のことながら、入力導波路1601には、レーザー光を照射してはならない。
図17に、第3の実施形態の光波長フィルタの透過スペクトルを示す。図17(a)は、レーザー光を照射する前の光波長フィルタの透過スペクトルの一部を示している。図17(b)は、図16(b)で示した領域1604−3に、Nd:YAGレーザーを照射したあとの透過スペクトルを示している。マイクロリング導波路が光学的に切断されることにより、マイクロリング共振器の共振が停止し、スルー光の阻止域が消失していることがわかる。
図18に、第2の実施形態の光波長フィルタにおいて共振ピークを消去した後の透過スペクトルを示す。図14に示した、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した第2の実施形態の光波長フィルタにおいて、波長誤差を考慮して、48段のマイクロリング共振器を有する光波長フィルタを作製した。そして、第1段目から第5段目までの5つのマイクロリング共振器にレーザー光を照射して、マイクロリング導波路を光学的に切断し、透過域を発生させた場合の計算結果を示している。図15(b)に示した結果と、同等の結果が得られていることがわかる。
以上述べたように、高出力レーザーを用いてマイクロリング導波路の一部に損傷を与えて光学的に切断することにより、マイクロリング共振器の共振を停止させることができる。これにより、第1および第2の実施形態で説明したマイクロリング共振器を多段に接続した光波長フィルタにおいて、特定のマイクロリング共振器の共振ピークを消去することができ、透過域を発生させることができる。
本実施形態における光波長フィルタの動作波長範囲、各マイクロリング共振器の阻止域の半値全幅、各マイクロリング共振器の共振波長間隔、およびマイクロリング共振器の共振ピークを消去した後に得られる透過域の半値全幅は、全て第2の実施形態で説明した光波長フィルタと同様である。
なお、シリコン導波路に損傷を引き起こすためのレーザー強度の閾値は、そのレーザーの波長、照射回数、照射頻度等によって異なる。本実施形態の光波長フィルタの作製方法で用いるレーザーは、特定のレーザーに限定されるものではなく、シリコン導波路に対して損傷を与えるのに十分な強度をもち、かつマイクロリング導波路の一部を選択的に照射できるようなレーザーであればよい。また、本実施形態においては、高出力なレーザー光を照射することにより、マイクロリング共振器の共振を停止する方法を採用したが、マイクロリング導波路の一部が光学的に切断されればよく、レーザー光により損傷を与える方法だけに限定するものではない。先端の細く尖った器具を使用して、マイクロリング導波路に損傷を与えたり、マイクロリング導波路の一部分のみを選択的にエッチングしたりして除去するなど、物理的に切断することもできる。
[第4の実施の形態]
第4の実施形態に係る光波長フィルタおよびその作製方法について説明する。第3の実施形態では、マイクロリング共振器の共振ピークの消去方法として、マイクロリング導波路の一部を切断することにより、任意の波長、帯域幅の透過域を実現した。しかしながら、マイクロリング導波路の一部を切断しただけでは、入力導波路から光の一部が、マイクロリング導波路へと結合して損失となり、光波長フィルタ全体の損失増加を招いてしまう。上述した図18と図15(b)の計算結果を詳細に比較すると、フィルタ特性(透過スペクトルの形状)は同等であっても、透過域の透過率は、第3の実施形態では、およそ6dB低くなっている。第4の実施形態では、マイクロリング導波路を切断する際に発生する損失を回避するために、より高精度な照射位置と照射範囲の制御を適用する。
図19に、本発明の第4の実施形態にかかる光波長フィルタにおいて共振ピークを消去する方法を示す。図19(a)は、光波長フィルタの構成要素であるマイクロリング共振器に対して、入力導波路1801を除くマイクロリング導波路1803および出力導波路1803の全てを含む領域1804−1に、レーザー光を照射して、光学的に切断することを示している。図19(b)は、入力導波路1801とマイクロリング導波路1803の結合部付近の領域1804−2のみに、レーザー光を照射して、光学的に切断することを示している。当然のことながら、入力導波路1801には、レーザー光を照射してはならない。
このような方法により、マイクロリング共振器そのものが消失して、入力導波路から切り離された状態となるため、入力された光は、入力導波路からマイクロリング導波路へと結合することはない。
図20に、第4の実施形態の光波長フィルタにおいて共振ピークを消去した後の透過スペクトルを示す。図14に示した、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した第2の実施形態の光波長フィルタを適用している。上述した共振ピークの消去方法を適用することにより、共振ピークを消去したマイクロリング共振器における損失を抑制することができるので、図18に示した結果と比較すると、透過域の透過率が高く、すなわち損失が低減されていることがわかる。
以上述べたように、高出力であり、高精度で照射範囲を制御することができるレーザーを用いて、マイクロリング導波路の全体またはマイクロリング導波路と入力導波路との結合部付近に対して損傷を与えることにより、第3の実施形態よりも低損失に光波長フィルタを構成することができる。
本実施形態における光波長フィルタの動作波長範囲、各マイクロリング共振器の阻止域の半値全幅、各マイクロリング共振器の共振波長間隔、およびマイクロリング共振器の共振ピークを消去した後に得られる透過域の半値全幅は、全て第2の実施形態で説明した光波長フィルタと同様である。
なお、第3の実施形態と同様に、上述した範囲でマイクロリング導波路に損傷を与えられればよく、レーザー照射により損傷を与える方法のみに限定されず、その他物理的に損傷を与える方法でも実現することができる。
[第5の実施の形態]
第5の実施形態に係る光波長フィルタおよびその作製方法について説明する。第3および第4の実施形態では、所望の透過域内から共振ピークを消去して任意の波長の透過域を発生させる方法として、レーザートリミングによりマイクロリング導波路の一部、または全体に損傷を与えて光学的に切断する方法を示した。所望の透過域内から共振ピークを消去するためには、マイクロリング導波路に損傷を与えて光学的に切断する方法以外にも、マイクロリング共振器の共振ピークの波長をシフトさせる方法もある。
第5の実施形態では、マイクロリング導波路の屈折率を変化させ、共振波長をシフトさせることにより、任意の波長の透過域を発生させる手法について説明する。図16(a)および(b)に示したレーザー光の照射範囲において、ある閾値以下のレーザー強度でレーザー光を照射することにより、シリコンをアモルファス化して屈折率を増大させる。このとき、マイクロリング導波路は切断されないため、原理的な損失は発生しない。
また、図16に示した照射範囲であれば、図19に示した照射範囲に必要な高精度な照射位置と照射範囲の制御が不要となる。図14に示した、レーストラック型マイクロリング共振器を適用した第2の実施形態の光波長フィルタにおいて、図15(b)で示された透過域の−3dB幅は1.2nmである。従って、第5の実施形態において、マイクロリング共振器の共振波長をシフトさせる場合には、共振波長を、光波長フィルタの透過域外へシフトさせる、すなわち1.2nmまたはそれ以上シフトさせればよい。
図21に、Nd:YAGレーザーの照射エネルギーとマイクロリング共振器の共振波長のシフト量の関係を示す。図16(b)の領域1604−3で示した範囲に対して、Nd:YAGレーザー光を照射した場合の、レーザーの照射エネルギーとマイクロリング共振器の共振波長シフト量の関係を示している。図21に示すように、レーザーの照射エネルギーを大きくするに従い、共振波長のシフト量も増大する。
図22に、第5の実施形態の光波長フィルタにおいて共振波長をシフトさせた後の透過スペクトルを示す。図11に示した第2の実施形態の光波長フィルタにおいて、第1段目と第2段目のマイクロリング導波路1102−1、1102−2に対して、0.1mJのエネルギーのレーザー光を照射することにより、それぞれ共振波長を2.0nmシフトさせた場合を示している。共振波長をシフトさせた場合には、原理的な損失は発生しないので、図18に示した結果、すなわちマイクロリング導波路を切断した場合と比較すると、透過域の損失を小さく抑えることができる。
第5の実施形態において、マイクロリング共振器の共振波長のシフト量は、所望の透過帯域以上であればよいため、狙った値以上の波長シフト量が、導波路に損傷を与えない範囲で得られれば良い。すなわち、マイクロリング共振器の共振ピークを狙った波長に合わせるほどの高精度な屈折率制御を行う必要はないので、簡便で歩留りが良いという利点がある。
以上述べたように、マイクロリング導波路の屈折率を変化させ、共振ピークを所望の透過域外へとシフトさせることにより、所望の透過域内から共振ピークを消去することと同等の作用効果を得ることができる。これにより、所望の波長に透過域を有する低損失な光波長フィルタを簡便に構成することができる。第3の実施形態と比較して、低損失化が可能であり、第4の実施形態と比較して、高精度で照射範囲を制御することが不要であるという利点がある。
マイクロリング共振器の共振波長をシフトさせる方法は、レーザートリミングに限らず、光波長フィルタの透過域を発生させるのに十分な波長シフト量および屈折率変化量を、不揮発的に実現できる方法であればよい。例えば、マイクロリング導波路のクラッドに対して、紫外光または可視光を照射したり、クラッドまたはコア上部に堆積させたポリマー層に対して電子線を照射したりする方法がある。いずれの場合も、コアであるシリコン導波路の周囲の材料に歪みを与え、コアのシリコン導波路に応力をかけることによって屈折率を変化させることができる。このような応力による屈折率変化ではなくとも、直接コアのシリコン導波路の相を変化させ、屈折率を変化させられる方法であってもよい。
第5の実施形態においては、マイクロリング導波路の屈折率を正の方向に変化させていたが、これはシリコン導波路がアモルファス化することに起因する。シリコン導波路をポリシリコン化することにより、屈折率を負の方向に変化させることも可能である。これによりマイクロリング共振器の共振波長を、負の方向にシフトさせることにより、光波長フィルタの所望の透過域を実現することができる。
本実施形態における光波長フィルタの動作波長範囲、各マイクロリング共振器の阻止域の半値全幅、各マイクロリング共振器の共振波長間隔、およびマイクロリング共振器の共振ピークを消去した後に得られる透過域の半値全幅は、全て第2の実施形態で説明した光波長フィルタと同様である。
マイクロリング導波路の屈折率を変化させる領域は、本実施形態で示した範囲に限定されるものではない。マイクロリング導波路上であればいかなる範囲であっても、所望の透過スペクトルを得ることができ、例えば、図19に示した範囲に対して屈折率変化を与えてもよい。さらに、ダブルマイクロリング共振器を2段に接続した第2の実施形態の例、または3段以上のマイクロリング導波路を接続したマイクロリング共振器を用いる場合であっても、共振波長をシフトさせたいマイクロリング共振器の中のすべてのマイクロリング導波路に対して屈折率変化を与えることにより、所望の透過スペクトルを得ることができる。
101,201,301,401,501,801,1101,1201,1401,1601,1801 入力導波路
102,202,302,303,402,502,802,1102,1103,1202,1203,1402, 1403,1602,1802 マイクロリング導波路
103,203,304,403,503,803,1104,1204,1404,1603,1803 出力導波路

Claims (8)

  1. シリコン導波路で形成された光波長フィルタであって、
    入力導波路と、
    前記入力導波路と光学的に接続された複数のマイクロリング導波路と、
    前記複数のマイクロリング導波路の各々と光学的に接続された出力導波路を複数備え、
    前記入力導波路の一方の端部より光を入力したとき、他方の端部から出力される光の透過域は、前記複数のマイクロリング導波路のうち、1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振ピークを消去することにより設定されていることを特徴とする光波長フィルタ。
  2. 各々のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振波長は、隣接する共振器との間隔が共振波長付近における阻止域の半値全幅よりも狭く、
    前記透過域は、前記共振ピークが消去された1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の阻止域に相当することを特徴とする請求項1に記載の光波長フィルタ。
  3. 各々のマイクロリング導波路と出力導波路との間に、さらに1または複数のマイクロリング導波路が挿入され、光学的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光波長フィルタ。
  4. 前記複数のマイクロリング導波路は、レーストラック形状の環状のマイクロリング導波路であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の光波長フィルタ。
  5. シリコン導波路で形成され、入力導波路と、前記入力導波路と光学的に接続された複数のマイクロリング導波路と、前記複数のマイクロリング導波路の各々と光学的に接続された出力導波路を複数備えた光波長フィルタの作製方法であって、
    各々のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振波長を、隣接する共振器との間隔が共振波長付近における阻止域の半値全幅よりも狭くし、
    前記複数のマイクロリング導波路のうち、1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の共振ピークを消去し、
    前記共振ピークが消去された1または複数のマイクロリング導波路によって構成される共振器の阻止域を、前記入力導波路の一方の端部より光を入力したとき、他方の端部から出力される光の透過域として形成する、
    ことを特徴とする光波長フィルタの作製方法。
  6. 前記共振ピークを消去することは、マイクロリング導波路の一部を光学的に、または物理的に切断することにより、マイクロリング導波路によって構成される共振器の共振を停止させることであることを特徴とする請求項5に記載の光波長フィルタの作製方法。
  7. 前記共振ピークを消去することは、マイクロリング導波路を、前記入力導波路から光学的に、または物理的に分離することであることを特徴とする請求項5に記載の光波長フィルタの作製方法。
  8. 前記共振ピークを消去することは、マイクロリング導波路によって構成される共振器の共振波長を、前記透過域外へシフトさせることであることを特徴とする請求項5に記載の光波長フィルタの作製方法。
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