JP2017012028A - 人工マッチ型miRNAおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】標的遺伝子の発現を抑制できる非ヌクレオチド構造を利用した一本鎖核酸分子の提供。【解決手段】X領域とY領域とを有する一本鎖核酸であり、前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、テレフタル酸誘導体(TP)を介して連結し、前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする、人工マッチ型miRNAの提供。【選択図】図1
Description
本発明は、遺伝子発現を抑制する人工マッチ型miRNAおよびその用途に関する。
マイクロRNA(miRNA)は、遺伝子の発現を抑制する核酸分子として知られており、例えば、以下のような生成プロセスを経て、遺伝子がコードするタンパク質の転写を抑制すると報告されている。すなわち、まず、核内において、5’末端にキャップ構造、3’末端にポリ(A)を有するmiRNA転写産物(Pri−miRNA)が生成される。前記Pri−miRNAは、RNase(Drosha)により切断され、miRNA前駆体(Pre−miRNA)が生成される。前記Pre−miRNAは、ループ領域とステム領域とを有するヘアピン構造をとる。このPre−miRNAは、核外に移動した後、細胞質のRNase(Dicer)により分解され、3’末端に1〜4塩基のオーバーハングを有する、二本鎖のmiRNA(成熟miRNA)が切り出される。この二本鎖のmiRNAのうち、一方の鎖は、ガイド鎖と呼ばれ、他方の鎖は、パッセンジャー鎖と呼ばれ、前記ガイド鎖が、RNA induced Silencing Complex(RISC)に類似した複合体に結合する。このmiRNA/RISC複合体が、特定のmRNAの3’非翻訳領域(3’UTR)に結合することによって、前記mRNAからのタンパク質の翻訳が抑制される。
miRNAは、分化、細胞増殖、アポトーシス等の生命現象やウイルス感染症,ガン等の多くの疾患に深く関わっていることが明らかになってきている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。このことから、特に医療分野における応用が期待されている。特に、hsa−miR−34aのmiRNAの標的遺伝子の発現が抑制されることによって、癌の治療が可能になるため、注目されている(特許文献2、3)。
Deiters, 2009, The AAPS Journal, 12, 51−60
Takeshita et al., 2010, Mol. Ther., 18, 181−187
前記miRNAを応用するにあたっては、例えば、二本鎖の成熟miRNAや二本鎖の成熟miRNA模倣体を使用する方法等がある。しかし、二本鎖RNAを用いる方法は、使用に先立って、二本の一本鎖核酸分子をアニーリングする必要があり、また、二本鎖を認識するTLR3等によって自己免疫を発生する可能性がある。
本出願人は、これまでに様々な非ヌクレオチド構造を利用した一本鎖核酸分子を創意工夫の上開発してきた(特許文献4〜9)。そこで、本発明は、これまでの研究成果により得られた知見に基づき、非ヌクレオチド構造を利用した一本鎖核酸分子である、人工マッチ型miRNAを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の人工マッチ型miRNAは、
X領域、Y領域およびリンカー領域を有する一本鎖核酸であり、
具体的には、前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、リンカー領域(テレフタル酸誘導体)を介して連結し、前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする。
X領域、Y領域およびリンカー領域を有する一本鎖核酸であり、
具体的には、前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、リンカー領域(テレフタル酸誘導体)を介して連結し、前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする。
本発明の組成物は、遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことを特徴とする。
本発明の組成物は、薬学的組成物であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことを特徴とする。
本発明の発現抑制方法は、標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することを特徴とする。
本発明の疾患の治療方法は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを、患者に投与する工程を含み、前記疾患が、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子が関与する疾患であることを特徴とする。
本発明の人工マッチ型miRNAによれば、容易に低コストで合成でき、且つ、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子がコードするタンパク質の翻訳の抑制が可能である。
本明細書で使用する用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で用いることができる。
(1)人工マッチ型miRNA
本発明の人工マッチ型miRNAは、前述のように、
X領域、Y領域およびリンカー領域を有する一本鎖核酸であり、
前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、リンカー領域(テレフタル酸誘導体)を介して連結し、
前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする。
本発明の人工マッチ型miRNAは、前述のように、
X領域、Y領域およびリンカー領域を有する一本鎖核酸であり、
前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、リンカー領域(テレフタル酸誘導体)を介して連結し、
前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする。
本発明の人工マッチ型miRNAは、hsa−miR−34aの標的遺伝子の発現を抑制できる。発現抑制とは、例えば、前記標的遺伝子の翻訳の抑制、すなわち、前記標的遺伝子がコードするタンパク質の翻訳の抑制を意味し、より詳細には、前記標的遺伝子のmRNAからの前記タンパク質の翻訳の抑制を意味する。前記標的遺伝子の発現抑制は、例えば、前記標的遺伝子からの転写産物の生成量の減少、前記転写産物の活性の減少、前記標的遺伝子からの翻訳産物の生成量の減少、または前記翻訳産物の活性の減少等によって確認できる。前記タンパク質は、例えば、成熟タンパク質、または、プロセシングもしくは翻訳後修飾を受ける前の前駆体タンパク質があげられる。
本発明の人工マッチ型miRNAは、一本鎖の核酸分子であるため、例えば、成熟miRNAのように二本の一本鎖をアニーリングする必要もなく、安価に製造できる。さらに、本発明の人工マッチ型miRNAは、一本鎖の核酸分子であるため、例えば、自己免疫に関与するTLR3、RIG−I、MDA5等に認識されることも回避できる。
本発明の人工マッチ型miRNAにおける前記X領域および前記Y領域の配置関係の概略を、図1に示す。なお、図1は、概略であって、例えば、各領域の長さ、形状等は、制限されない。本発明の人工マッチ型miRNAは、図1に示すように、5’側に前記X領域が配置され、3’側に前記Y領域が配置され、前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、テレフタル酸誘導体(図において「TP」で表す)を介して連結している。
本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むため、前記X領域と前記Y領域とは、例えば、分子内アニーリングする。分子内アニーリングとは、例えば、自己アニーリングともいう。本発明の人工マッチ型miRNAは、前記分子内アニーリングした領域において、二本鎖が形成されるともいう。
本発明の人工マッチ型miRNAは、その5’末端と3’末端とが未連結である、線状一本鎖核酸分子ということもできる。本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、両末端の未結合の維持のため、5’末端が非リン酸基であることが好ましい。
本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、前記X領域は、前述のように、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含む。成熟miRNAのガイド鎖配列は、例えば、各種データベースに登録されている(例えば、http://www.mirbase.org/等)。したがって、例えば、これらの公知の成熟miRNAの情報に基づいて、前記X領域を設定できる。前記成熟miRNAのガイド鎖とは、RNA−induced silencing complex(RISC)のArgonaute(Ago)タンパク質に取り込まれ、ターゲットのmRNAに結合する鎖である。
前記X領域は、例えば、前記ガイド鎖配列のみからなってもよいし、さらに付加配列を有してもよい。後者の場合、前記X領域は、例えば、前記ガイド鎖配列と前記付加配列とからなり、前記付加配列は、例えば、前記ガイド鎖配列の3’末端に連結している。
本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、前記Y領域は、前記X領域と前記Y領域とをアライメントした際、前記X領域と完全に相補な配列を含む。前記Y領域は、例えば、前記X領域と完全に相補的な配列のみからなってもよいし、前記相補的な配列の他に、さらにオーバーハングを有してもよい。すなわち、本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、前記Y領域と前記X領域とをアライメントした際に、前記Y領域が、3’末端にオーバーハングを有してもよい。ここで、前記Y領域のオーバーハングとは、例えば、前記Y領域と前記X領域とをアライメントした場合に、前記Y領域が前記X領域よりも過剰に有する末端の塩基である。オーバーハングの長さ(O)は、例えば、下記式で表すことができる。
オーバーハングの長さ(O)=[Y領域の全長の塩基数(Y)]−[X領域の全長の塩基数(X)]
オーバーハングの長さ(O)=[Y領域の全長の塩基数(Y)]−[X領域の全長の塩基数(X)]
本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、各領域の長さは、特に制限されない。以下に、条件を例示するが、本発明の人工マッチ型miRNAは、これらの記載には限定されない。また、本発明において、塩基の数値範囲は、その範囲に属する正の整数を全て開示するものであり、例えば、「1〜4塩基」との記載は、「1、2、3、4塩基」の全ての開示を意味する(以下、同様)。
前記X領域において、前記ガイド鎖配列の長さは、特に制限されず、例えば、報告されている成熟miRNAにおけるガイド鎖配列の長さが例示できる。具体例として、下限が、例えば、19塩基長、20塩基長であり、上限が、例えば、25塩基長、24塩基長であり、範囲が、例えば、19〜25塩基長、20〜24塩基長である。
前記X領域が前記付加配列を有する場合、前記付加配列の長さは、特に制限されず、下限が、例えば、0塩基長、1塩基長、2塩基長であり、上限が、例えば、5塩基長、4塩基長、3塩基長であり、範囲が、例えば、0〜5塩基長、1〜4塩基長、2〜3塩基長である。
前記X領域の長さは、特に制限されず、下限が、例えば、19塩基長、21塩基長、23塩基長であり、上限が、例えば、33塩基長、30塩基長、28塩基長、26塩基長であり、範囲が、例えば、19〜33塩基長、19〜30塩基長、21〜28塩基長、23〜26塩基長である。
前記Y領域が前記オーバーハングを有する場合、前記オーバーハングの長さは、特に制限されず、下限が、例えば、0塩基長、1塩基長であり、上限が、例えば、4塩基長、3塩基長であり、範囲が、例えば、0〜4塩基長、1〜3塩基長、2塩基長である。
前記オーバーハングの配列は、特に制限されず、例えば、3’側から、UU、CU、GC、UA、AA、CC、UG、CG、AU、TT等が例示できる。前記オーバーハングは、例えば、TTとすることで、RNA分解酵素に対する耐性を付加できる。
前記Y領域の長さは、特に制限されず、下限が、例えば、19塩基長、21塩基長、23塩基長であり、上限が、例えば、35塩基長、32塩基長、30塩基長、28塩基長であり、範囲が、例えば、19〜35塩基長、21〜35塩基長、19〜32塩基長、21〜30塩基長、23〜28塩基長である。
本発明の人工マッチ型miRNAの全長(T)は、特に制限されず、下限が、例えば、38塩基長、42塩基長、46塩基長であり、上限が、例えば、62塩基長、58塩基長、54塩基長であり、範囲が、例えば、38〜62塩基長、42〜58塩基長、46〜54塩基長である。
前記成熟miRNAとしては、hsa−miR−34a(配列番号1)の成熟miRNAでよい。
hsa−miR−34a(配列番号1)
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU
hsa−miR−34a(配列番号1)
UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU
miR−34aのガイド鎖は、例えば、AXL、MET、CDK4、CDK6、SIRT1、CCND1、SIRT1、BCL−2等をターゲットとし、これらの標的遺伝子の発現抑制により、例えば、がん(肺がん、大腸がん、胃がん、肝がん、乳がん等)等の疾患を予防または治療できる。前記成熟miRNAが、hsa−miR−34aの場合、前記人工マッチ型miRNAのポリヌクレオチドは、例えば、配列番号3からなる塩基配列があげられる。
本発明の人工マッチ型miRNAの構成単位は、特に制限されず、例えば、ヌクレオチド残基があげられる。前記ヌクレオチド残基は、例えば、リボヌクレオチド残基およびデオキシリボヌクレオチド残基があげられる。本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、前記ヌクレオチド残基は、例えば、リボヌクレオチド残基が好ましい。前記ヌクレオチド残基は、例えば、修飾されていない非修飾ヌクレオチド残基および修飾された修飾ヌクレオチド残基があげられる。本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、前記修飾ヌクレオチド残基を含むことによって、ヌクレアーゼ耐性を向上し、安定性を向上可能である。また、本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、前記ヌクレオチド残基の他に、さらに、非ヌクレオチド残基を含んでもよい。
本発明の人工マッチ型miRNAが、例えば、前記非修飾リボヌクレオチド残基の他に前記修飾リボヌクレオチド残基を含む場合、前記修飾リボヌクレオチド残基の個数は、特に制限されず、例えば、「1個もしくは数個」であり、具体的には、例えば、1〜5個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、最も好ましくは1または2個である。前記非修飾リボヌクレオチド残基に対する前記修飾リボヌクレオチド残基は、例えば、リボース残基がデオキシリボース残基に置換された前記デオキシリボヌクレオチド残基であってもよい。本発明の人工マッチ型miRNAが、例えば、前記非修飾リボヌクレオチド残基の他に前記デオキシリボヌクレオチド残基を含む場合、前記デオキシリボヌクレオチド残基の個数は、特に制限されず、例えば、「1もしくは数個」であり、具体的には、例えば、1〜5個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、最も好ましくは1または2個である。
前記ヌクレオチド残基は、例えば、構成要素として、糖、塩基およびリン酸を含む。前記リボヌクレオチド残基は、例えば、糖としてリボース残基を有し、塩基として、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびウラシル(U)を有し、前記デオキシリボース残基は、例えば、糖としてデオキシリボース残基を有し、塩基として、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびチミン(T)を有する。
前記非修飾ヌクレオチド残基は、前記各構成要素が、例えば、天然に存在するものと同一または実質的に同一であり、具体的には、例えば、人体において天然に存在するものと同一または実質的に同一である。
前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、前記未修飾ヌクレオチド残基の構成要素のいずれが修飾されてもよい。前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、天然に存在するヌクレオチド残基、人工的に修飾したヌクレオチド残基等があげられる。
前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、前記未修飾ヌクレオチドの代替物の残基であってもよい。前記代替物は、例えば、人工核酸モノマー残基があげられる。具体例として、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、ENA(2’−O,4’−C−Ethylenebridged Nucleic Acid)等があげられる。
前記ヌクレオチド残基において、前記塩基は、特に制限されない。前記塩基は、例えば、天然の塩基でもよいし、非天然の塩基でもよい。前記塩基は、例えば、天然由来でもよいし、合成品でもよい。前記塩基は、例えば、一般的な塩基、その修飾アナログ等が使用できる。
本発明の人工マッチ型miRNAにおいて、前記リンカー領域は、例えば、下記化学式(I−0)で表わされる。
前記化学式(I−0)中、
Q11およびQ12は、それぞれ独立して、単結合、CH2(メチレン基)、NH(イミノ基)、C=O(カルボニル基)、C=S(チオカルボニル基)、C=NH(イミノメチレン基)、O、またはSであり、
Q1およびQ2は、それぞれ独立して、単結合、CH2(メチレン基)、NH(イミノ基)、C=O(カルボニル基)、C=S(チオカルボニル基)、C=NH(イミノメチレン基)、O、またはSであり、
Y1およびY2は、それぞれ独立して、単結合、CH2、NH、OまたはSであり;
L1は、n個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、アルキレン炭素原子上の水素原子は、OH、ORa、NH2、NHRa、NRaRb、SH、もしくはSRaで置換されても置換されていなくてもよく、または、
L1は、前記アルキレン鎖の一つ以上の炭素原子が、酸素原子で置換されたポリエーテル鎖であり、
ただし、Y1が、NH、OまたはSの場合、Y1に結合するL1の原子は炭素であり、OR1に結合するL1の原子は炭素であり、酸素原子同士は隣接せず;
L2は、m個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、アルキレン炭素原子上の水素原子は、OH、ORc、NH2、NHRc、NRcRd、SHもしくはSRcで置換されても置換されていなくてもよく、または、
L2は、前記アルキレン鎖の一つ以上の炭素原子が、酸素原子で置換されたポリエーテル鎖であり、
ただし、Y2が、NH、OまたはSの場合、Y2に結合するL2の原子は炭素であり、OR2に結合するL2の原子は炭素であり、酸素原子同士は隣接せず;
Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して、置換基または保護基であり;
mは、0〜30の範囲の整数であり;
nは、0〜30の範囲の整数であり;
前記X領域および前記Y領域は、それぞれ、−OR1−または−OR2−を介して、前記リンカー残基に結合し、
ここで、R1およびR2は、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヌクレオチド残基または前記構造(I−0)であり、
Aは、任意の原子団である。
Q11およびQ12は、それぞれ独立して、単結合、CH2(メチレン基)、NH(イミノ基)、C=O(カルボニル基)、C=S(チオカルボニル基)、C=NH(イミノメチレン基)、O、またはSであり、
Q1およびQ2は、それぞれ独立して、単結合、CH2(メチレン基)、NH(イミノ基)、C=O(カルボニル基)、C=S(チオカルボニル基)、C=NH(イミノメチレン基)、O、またはSであり、
Y1およびY2は、それぞれ独立して、単結合、CH2、NH、OまたはSであり;
L1は、n個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、アルキレン炭素原子上の水素原子は、OH、ORa、NH2、NHRa、NRaRb、SH、もしくはSRaで置換されても置換されていなくてもよく、または、
L1は、前記アルキレン鎖の一つ以上の炭素原子が、酸素原子で置換されたポリエーテル鎖であり、
ただし、Y1が、NH、OまたはSの場合、Y1に結合するL1の原子は炭素であり、OR1に結合するL1の原子は炭素であり、酸素原子同士は隣接せず;
L2は、m個の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、アルキレン炭素原子上の水素原子は、OH、ORc、NH2、NHRc、NRcRd、SHもしくはSRcで置換されても置換されていなくてもよく、または、
L2は、前記アルキレン鎖の一つ以上の炭素原子が、酸素原子で置換されたポリエーテル鎖であり、
ただし、Y2が、NH、OまたはSの場合、Y2に結合するL2の原子は炭素であり、OR2に結合するL2の原子は炭素であり、酸素原子同士は隣接せず;
Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して、置換基または保護基であり;
mは、0〜30の範囲の整数であり;
nは、0〜30の範囲の整数であり;
前記X領域および前記Y領域は、それぞれ、−OR1−または−OR2−を介して、前記リンカー残基に結合し、
ここで、R1およびR2は、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヌクレオチド残基または前記構造(I−0)であり、
Aは、任意の原子団である。
前記X領域および前記Y領域と、−OR1−および−OR2−との結合の組合せは、特に制限されず、例えば、以下のいずれかの条件があげられる。条件(1) 前記X領域は、−OR2−を介して、前記Y領域は、−OR1−を介して、前記式(I−0)の構造と結合する。条件(2) 前記X領域は、−OR1−を介して、前記Y領域は、−OR2−を介して、前記式(I−0)の構造と結合する。
前記化学式(I−0)において、例えば、Q11がC=O(カルボニル基)であり、Q1がNH(イミノ基)であってもよい。また、例えば、Q11がNH(イミノ基)であり、Q1がC=O(カルボニル基)であってもよい。また例えば、Q12がC=O(カルボニル基)であり、Q2がNH(イミノ基)であってもよい。また、例えば、Q12がNH(イミノ基)であり、Q2がC=O(カルボニル基)であってもよい。
前記化学式(I−0)中、Q11およびQ12は、例えば、それぞれカルボニル基であってもよい。この場合において、Q1およびQ2が、それぞれイミノ基であることが好ましい。また、この場合において、下記化学式(Iα)の構造が、下記化学式(Iα2)で表されることがより好ましい。
前記化学式(Iα2)中、
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。R100における前記任意の置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdにおいて例示する後述の置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。また、前記化学式(Iα2)の構造が、下記化学式(Iα3)で表されることがさらに好ましい。
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。R100における前記任意の置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdにおいて例示する後述の置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。また、前記化学式(Iα2)の構造が、下記化学式(Iα3)で表されることがさらに好ましい。
なお、Q11およびQ12がカルボニル基であり、かつQ1およびQ2がイミノ基である場合、前記化学式(I−0)のリンカー残基は、カルボン酸アミド残基であるということもできるが、カルボン酸残基であるということもできる。例えば、後述の実施例における「TPA」構造は、テレフタル酸アミド残基であるということもできるが、前記化学式(Iα3)で表されるテレフタル酸の残基であるということもできる。
前記化学式(I−0)中、Q11およびQ12が、それぞれイミノ基であってもよい。この場合において、Q1およびQ2が、それぞれカルボニル基であることが好ましい。また、この場合において、下記化学式(Iβ)の構造が、下記化学式(Iβ2)で表されることがより好ましい。
前記化学式(Iβ2)中、
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。具体的には、例えば、前記化学式(Iα2)中のR100と同様である。また、前記化学式(Iβ2)の構造が、下記化学式(Iβ3)で表されることがさらに好ましい。
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。具体的には、例えば、前記化学式(Iα2)中のR100と同様である。また、前記化学式(Iβ2)の構造が、下記化学式(Iβ3)で表されることがさらに好ましい。
本発明の天然型miRNAにおいて、前記リンカー残基が、アミノ酸残基である場合、前記アミノ酸残基は、例えば、下記化学式(I)で表わされる。なお、下記化学式(I)の構造は、前記化学式(I−0)で表される構造の一例である。
前記式(I)中、例えば、X1、X2、Y1、Y2、L1およびL2は、前記と同様である。
前記microRNAの配列に対する相補的配列は、それぞれ、−OR1−または−OR2−を介して、前記アミノ酸残基に結合し、
ここで、R1およびR2は、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヌクレオチド残基または前記構造(I)であり、
Aは、任意の原子団であり、ただし、下記化学式(Ia)は、アミノ酸またはペプチドである。
前記microRNAの配列に対する相補的配列は、それぞれ、−OR1−または−OR2−を介して、前記アミノ酸残基に結合し、
ここで、R1およびR2は、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヌクレオチド残基または前記構造(I)であり、
Aは、任意の原子団であり、ただし、下記化学式(Ia)は、アミノ酸またはペプチドである。
前記化学式(I)、(Iα)または(Ia)中の原子団Aは、例えば、鎖式原子団、脂環式原子団、芳香族性原子団、ヘテロ芳香族性原子団、およびヘテロ脂環式原子団からなる群から選択される少なくとも一つを含んでいても含んでいなくても良い。前記鎖式原子団は、特に限定されないが、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル等が挙げられる。前記脂環式原子団は、特に限定されないが、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル等が挙げられる。前記芳香族性原子団は、特に限定されないが、例えば、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、縮環系アリール、縮環系アリールアルキル、縮環系アルキルアリール等が挙げられる。前記ヘテロ芳香族性原子団は、特に限定されないが、例えば、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリール、縮環系ヘテロアリール、縮環系ヘテロアリールアルキル、縮環系アルキルヘテロアリール等が挙げられる。また、前記化学式(I)、(Iα)または(Ia)中の原子団Aにおいて、前記各原子団は、さらに置換基または保護基を有していても有していなくても良い。前記置換基または保護基は、複数の場合は同一でも異なってもよい。前記置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。前記保護基は、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した保護基と同様である。
本発明において、「アミノ酸」は、前述のとおり、分子中にアミノ基およびカルボキシ基をそれぞれ1つ以上含む任意の有機化合物をいう。前記「アミノ基」は、−NH2基に限定されず、イミノ基(−NH−)も含む。例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン等は、分子中に−NH2基を含まず、イミノ基(−NH−)を含むが、本発明における「アミノ酸」の定義に含まれる。本発明において、前記「アミノ酸」は、後述するとおり、天然アミノ酸でもよいし、人工アミノ酸でもよい。例えば、後述する化学式(Ia2)または(Ia3)で表される化合物も、分子中にアミノ基およびカルボキシ基を含むため、本発明における「アミノ酸」の定義に含まれる。したがって、例えば、前記化学式(I)において、原子団Aが、後述の化学式(A2)または化学式(A2a)で表される構造は、本発明における「アミノ酸残基」の定義に含まれる。また、例えば、後述の実施例における「TPA」構造も、本発明における「アミノ酸残基」の定義に含まれる。また、本発明において、「ペプチド」は、2分子以上のアミノ酸がペプチド結合により結合した構造の有機化合物をいう。前記ペプチド結合は、酸アミド構造でも良いし、酸イミド構造でも良い。また、前記化学式(Ia)で表すアミノ酸またはペプチド分子中にアミノ基が複数存在する場合は、前記化学式(Ia)中に明示しているアミノ基は、いずれのアミノ基であっても良い。また、前記化学式(Ia)で表すアミノ酸またはペプチド分子中にカルボキシ基が複数存在する場合は、前記化学式(Ia)中に明示しているカルボキシ基は、いずれのカルボキシ基であっても良い。
本発明の天然型miRNAの前記アミノ酸残基において、前記アミノ酸は、例えば、前述のとおり、天然アミノ酸でも良いし、人工アミノ酸であっても良い。なお、本発明において、「天然アミノ酸」は、天然に存在する構造のアミノ酸またはその光学異性体をいう。前記天然アミノ酸の製造方法は特に限定されず、例えば、天然から抽出しても良いし、合成しても良い。また、本発明において、「人工アミノ酸」は、天然に存在しない構造のアミノ酸をいう。すなわち、前記人工アミノ酸は、アミノ酸すなわちアミノ基を含むカルボン酸誘導体(分子中にアミノ基およびカルボキシ基をそれぞれ1つ以上含む有機化合物)であって、天然に存在しない構造のカルボン酸誘導体をいう。前記人工アミノ酸は、例えば、ヘテロ環を含まないことが好ましい。前記アミノ酸は、例えば、タンパク質を構成するアミノ酸であっても良い。前記アミノ酸は、例えば、グリシン、α−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、ヒドロキシリシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、チロシン、バリン、プロリン、4−ヒドロキシプロリン、トリプトファン、β−アラニン、1−アミノ−2−カルボキシシクロペンタン、アミノ安息香酸、アミノピリジンカルボン酸および下記化学式(Ia2)で表されるアミノ酸からなる群から選択される少なくとも1種類であっても良く、さらに置換基または保護基を有していても有していなくても良い。前記置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。前記保護基は、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した保護基と同様である。また、前記化学式(Ia)のペプチドでないアミノ酸に、光学異性体、幾何異性体、立体異性体等の異性体が存在する場合は、いずれの異性体でも良い。
前記化学式(Ia2)中、
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。R100における前記任意の置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。また、前記化学式(Ia2)の構造は、例えば、下記化学式(Ia3)であってもよい。
R100は、任意の置換基であり、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、1個でも複数でもよく、複数の場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。R100における前記任意の置換基としては、例えば、前記Ra、Rb、RcおよびRdで例示した置換基が挙げられ、より具体的には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、スルホ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクリルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シリル、シリルオキシアルキル、ピロールイル、イミダゾリル、等があげられる。また、前記化学式(Ia2)の構造は、例えば、下記化学式(Ia3)であってもよい。
なお、前記化学式(Ia)の構造が、前記化学式(Ia2)である場合、前記化学式(I)中の原子団Aの構造は、下記化学式(A2)で表される。下記化学式(A2)中のR100は、前記化学式(Ia2)中のR100と同じである。また、前記化学式(Ia)の構造が、前記化学式(Ia3)である場合、前記化学式(I)中の原子団Aの構造は、下記化学式(A2a)で表される。
前記化学式(I)の構造は、例えば、下記化学式(I−1)〜(I−7)が例示でき、下記化学式(I−1)〜(I−7)において、nおよびmは、前記化学式(I)と同じである。
本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、標識物質を含み、前記標識物質で標識化されてもよい。前記標識物質は、特に制限されず、例えば、蛍光物質、色素、同位体等があげられる。前記標識物質は、例えば、ピレン、TAMRA、フルオレセイン、Cy3色素、Cy5色素等の蛍光団があげられ、前記色素は、例えば、Alexa488等のAlexa色素等があげられる。前記同位体は、例えば、安定同位体および放射性同位体があげられ、好ましくは安定同位体である。また、前記安定同位体は、例えば、標識した化合物の物性変化がなく、トレーサーとしての性質にも優れる。前記安定同位体は、特に制限されず、例えば、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sがあげられる。
本発明の人工マッチ型miRNAは、前述のように、前記標的遺伝子の発現抑制ができる。このため、本発明の人工マッチ型miRNAは、例えば、遺伝子が原因となる疾患の治療剤として使用できる。本発明の人工マッチ型miRNAが、例えば、前記疾患に関与する遺伝子の発現を抑制する成熟miRNAのガイド鎖配列を有する場合、例えば、前記標的遺伝子の発現抑制により、前記疾患を治療できる。本発明において、「治療」は、例えば、前記疾患の予防、疾患の改善、予後の改善の意味を含み、いずれでもよい。前記疾患は、特に制限されず、例えば、目的の疾患に応じて前記発現抑制配列を適宜設定できる。前記疾患としては、例えば、がん(乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん、肝がん)があげられる。
本発明の人工マッチ型miRNAの使用方法は、特に制限されず、例えば、前記標的遺伝子を有する投与対象に、前記人工マッチ型miRNAを投与すればよい。
前記投与対象は、例えば、細胞、組織または器官があげられる。前記投与対象は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト哺乳類等の非ヒト動物があげられる。前記投与は、例えば、in vivoでもin vitroでもよい。前記細胞は、特に制限されず、例えば、NCI−H1299細胞、HeLa細胞、293細胞、NIH3T3細胞、COS細胞等の各種培養細胞、ES細胞、造血幹細胞等の幹細胞、初代培養細胞等の生体から単離した細胞等があげられる。
本発明において、発現抑制の対象となる前記標的遺伝子は、特に制限されず、所望の遺伝子を設定できる。
本発明の人工マッチ型miRNAの使用に関しては、後述する本発明の組成物、発現抑制方法および治療方法等の記載を参照できる。
本発明の人工マッチ型miRNAは、前述のように、標的遺伝子の発現を抑制可能であることから、例えば、医薬品、診断薬および農薬、ならびに、農学、医学、生命科学等の研究ツールとして有用である。
本発明の人工マッチ型miRNAの合成方法は、特に制限されず、従来公知の核酸の製造方法が採用できる。前記合成方法は、例えば、遺伝子工学的手法による合成法、化学合成法等があげられる。遺伝子工学的手法は、例えば、インビトロ転写合成法、ベクターを用いる方法、PCRカセットによる方法があげられる。前記ベクターは、特に制限されず、プラスミド等の非ウイルスベクター、ウイルスベクター等があげられる。前記化学合成法は、特に制限されず、例えば、ホスホロアミダイト法およびH−ホスホネート法等があげられる。前記化学合成法は、例えば、市販の自動核酸合成機を使用可能である。前記化学合成法は、一般に、アミダイトが使用される。前記アミダイトは、特に制限されず、市販のアミダイトとして、例えば、RNA Phosphoramidites(2’−O−TBDMSi、商品名、三千里製薬)、ACEアミダイトおよびTOMアミダイト、CEEアミダイト、CEMアミダイト、TEMアミダイト等があげられる。
(2)組成物
本発明の発現抑制用組成物は、前述のように、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことを特徴とする。本発明の組成物は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことが特徴であり、その他の構成は、何ら制限されない。本発明の発現抑制用組成物は、例えば、発現抑制用試薬ということもできる。
本発明の発現抑制用組成物は、前述のように、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことを特徴とする。本発明の組成物は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことが特徴であり、その他の構成は、何ら制限されない。本発明の発現抑制用組成物は、例えば、発現抑制用試薬ということもできる。
本発明によれば、例えば、前記標的遺伝子が存在する対象に投与することで、前記標的遺伝子の発現抑制を行うことができる。
また、本発明の薬学的組成物は、前述のように、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことを特徴とする。本発明の組成物は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを含むことが特徴であり、その他の構成は何ら制限されない。本発明の薬学的組成物は、例えば、医薬品ということもできる。
本発明によれば、例えば、遺伝子が原因となる疾患の患者に投与することで、前記遺伝子の発現を抑制し、前記疾患を治療することができる。本発明において、「治療」は、前述のように、例えば、前記疾患の予防、疾患の改善、予後の改善の意味を含み、いずれでもよい。
本発明において、治療の対象となる疾患は、特に制限されず、例えば、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子の発現が原因となる疾患があげられる。前記疾患の種類に応じて、その疾患の原因となる遺伝子を前記標的遺伝子に設定し、さらに、前記標的遺伝子に応じて、hsa−miR−34aの前記成熟miRNAのガイド鎖配列を選択すればよい。
本発明の発現抑制用組成物および薬学的組成物(以下、組成物という)は、その使用方法は、特に制限されず、例えば、前記標的遺伝子を有する投与対象に、前記人工マッチ型miRNAを投与すればよい。
前記投与対象は、例えば、細胞、組織または器官があげられる。前記投与対象は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト哺乳類等の非ヒト動物があげられる。前記投与は、例えば、in vivoでもin vitroでもよい。前記細胞は、特に制限されず、例えば、NCI−H1299細胞、HeLa細胞、293細胞、NIH3T3細胞、COS細胞等の各種培養細胞、ES細胞、造血幹細胞等の幹細胞、初代培養細胞等の生体から単離した細胞等があげられる。
前記投与方法は、特に制限されず、例えば、投与対象に応じて適宜決定できる。前記投与対象が培養細胞の場合、例えば、トランスフェクション試薬を使用する方法、エレクトロポレーション法等があげられる。
本発明の組成物は、例えば、本発明の人工マッチ型miRNAのみを含んでもよいし、さらにその他の添加物を含んでもよい。前記添加物は、特に制限されず、例えば、薬学的に許容された添加物が好ましい。前記添加物の種類は、特に制限されず、例えば、投与対象の種類に応じて適宜選択できる。
本発明の組成物において、前記人工マッチ型miRNAは、例えば、前記添加物と複合体を形成してもよい。前記添加物は、例えば、複合化剤ということもできる。前記複合体形成により、例えば、前記人工マッチ型miRNAを効率よくデリバリーすることができる。
前記複合化剤は、特に制限されず、ポリマー、シクロデキストリン、アダマンチン等があげられる。前記シクロデキストリンは、例えば、線状シクロデキストリンコポリマー、線状酸化シクロデキストリンコポリマー等があげられる。
前記添加剤は、この他に、例えば、担体、標的細胞への結合物質、縮合剤、融合剤、賦形剤等があげられる。
(3)発現抑制方法
本発明の発現抑制方法は、前述のように、標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することを特徴とする。本発明の発現抑制方法は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
本発明の発現抑制方法は、前述のように、標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することを特徴とする。本発明の発現抑制方法は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
本発明の発現抑制方法において、前記標的遺伝子の発現抑制のメカニズムは、特に制限されず、例えば、成熟miRNAによる発現抑制があげられる。
本発明の発現抑制方法は、例えば、前記標的遺伝子が存在する対象に、前記人工マッチ型miRNAを投与する工程を含む。前記投与工程により、例えば、前記投与対象に前記人工マッチ型miRNAを接触させる。前記投与対象は、例えば、細胞、組織または器官があげられる。前記投与対象は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト哺乳類等の非ヒト動物があげられる。前記投与は、例えば、in vivoでもin vitroでもよい。
本発明の発現抑制方法は、例えば、前記人工マッチ型miRNAを単独で投与してもよいし、前記人工マッチ型miRNAを含む前記本発明の組成物を投与してもよい。前記投与方法は、特に制限されず、例えば、投与対象の種類に応じて適宜選択できる。
(4)治療方法
本発明の疾患の治療方法は、前述のように、前記本発明の人工マッチ型miRNAを、患者に投与する工程を含み、前記疾患が、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子が関与する疾患であることを特徴とする。本発明の治療方法は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
本発明の疾患の治療方法は、前述のように、前記本発明の人工マッチ型miRNAを、患者に投与する工程を含み、前記疾患が、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子が関与する疾患であることを特徴とする。本発明の治療方法は、前記本発明の人工マッチ型miRNAを使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
本発明の治療方法は、例えば、前記本発明の発現抑制方法等を援用できる。前記投与方法は、特に制限されず、例えば、経口投与および非経口投与のいずれでもよい。
(5)人工マッチ型miRNAの使用
本発明の使用は、前記標的遺伝子の発現抑制のための、前記本発明の人工マッチ型miRNAの使用である。
本発明の使用は、前記標的遺伝子の発現抑制のための、前記本発明の人工マッチ型miRNAの使用である。
本発明の一本鎖核酸は、疾患の治療に使用するための一本鎖核酸であって、前記一本鎖核酸は、前記本発明の人工マッチ型miRNAであり、前記疾患が、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子が関与する疾患であることを特徴とする。
以下、実施例等により、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
成熟miR−34aのガイド鎖に基づいて、本発明の人工マッチ型miRNAを合成し、H1299細胞の増殖の抑制を確認した。
成熟miR−34aのガイド鎖に基づいて、本発明の人工マッチ型miRNAを合成し、H1299細胞の増殖の抑制を確認した。
(1)人工マッチ型miRNAの合成
実施例の人工マッチ型miRNAとして、前記ガイド鎖(配列番号1)と付加配列とからなるX領域と、前記X領域に完全に相補的な配列とオーバーハングとからなるY領域とが、下記式のテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造(配列において[TP]で表す)を介して連結しているマッチ型miR−34a(配列番号3)を合成した。下記配列において、下線部が、前記ガイド鎖に対応する。前記マッチ型miRNAにおける前記非ヌクレオチド構造は、下記式で表され、前記マッチ型miRNAの合成において、テレフタル酸アミダイト(WO2013/133393参照)を使用することにより導入した。また、人工マッチ型miRNAに対するネガティブコントロールとして、前記ガイド鎖の塩基組成をスクランブルにしたガイド鎖とそれに対応するパッセンジャー鎖とからなるマッチ型miR−34aスクランブル(配列番号4)を合成した。
実施例の人工マッチ型miRNAとして、前記ガイド鎖(配列番号1)と付加配列とからなるX領域と、前記X領域に完全に相補的な配列とオーバーハングとからなるY領域とが、下記式のテレフタル酸誘導体の非ヌクレオチド構造(配列において[TP]で表す)を介して連結しているマッチ型miR−34a(配列番号3)を合成した。下記配列において、下線部が、前記ガイド鎖に対応する。前記マッチ型miRNAにおける前記非ヌクレオチド構造は、下記式で表され、前記マッチ型miRNAの合成において、テレフタル酸アミダイト(WO2013/133393参照)を使用することにより導入した。また、人工マッチ型miRNAに対するネガティブコントロールとして、前記ガイド鎖の塩基組成をスクランブルにしたガイド鎖とそれに対応するパッセンジャー鎖とからなるマッチ型miR−34aスクランブル(配列番号4)を合成した。
これらのmiRNAの配列及び構造を、以下に示す。下記において、下線部で示す配列が、ガイド鎖に相当する。
成熟miR−34a
ガイド鎖(配列番号1)
5’−UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU−3’
成熟miR−34aスクランブル
ガイド鎖(配列番号2)
5’−UGUAUCGUUAUCGGGUCGGUUG−3’
マッチ型miR−34a(配列番号3)
5’−UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[TP]-GGAACAACCAGCUAAGACACUGCCACU−3’
マッチ型miR−34aスクランブル(配列番号4)
5’−UGUAUCGUUAUCGGGUCGGUUGUCC-[TP]-GGACAACCGACCCGAUAACGAUACAUA−3’
成熟miR−34a
ガイド鎖(配列番号1)
5’−UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGU−3’
成熟miR−34aスクランブル
ガイド鎖(配列番号2)
5’−UGUAUCGUUAUCGGGUCGGUUG−3’
マッチ型miR−34a(配列番号3)
5’−UGGCAGUGUCUUAGCUGGUUGUUCC-[TP]-GGAACAACCAGCUAAGACACUGCCACU−3’
マッチ型miR−34aスクランブル(配列番号4)
5’−UGUAUCGUUAUCGGGUCGGUUGUCC-[TP]-GGACAACCGACCCGAUAACGAUACAUA−3’
(2)肺がん由来細胞に対する人工マッチ型miRNAの影響
前記人工マッチ型miRNAを、ヒト非小細胞性肺がん細胞株(NCI−H1299)に導入し、前記細胞への影響を確認した。
前記人工マッチ型miRNAを、ヒト非小細胞性肺がん細胞株(NCI−H1299)に導入し、前記細胞への影響を確認した。
(2−1)トランスフェクション
前記miRNAを、注射用蒸留水(大塚製薬、以下同様)で溶解し、10μmol/LのmiRNA溶液を調製した。培地は、10%FBSを含むRPMI−1640(Invitrogen)を使用し、培養条件は、37℃、5%CO2下とした。
前記miRNAを、注射用蒸留水(大塚製薬、以下同様)で溶解し、10μmol/LのmiRNA溶液を調製した。培地は、10%FBSを含むRPMI−1640(Invitrogen)を使用し、培養条件は、37℃、5%CO2下とした。
まず、細胞を前記培地中に懸濁し、24穴プレートに400 μLずつ、1 x 104 細胞 / ウェルとなるように分注した。前記ウェル中の細胞を24時間培養した後、前記miRNAをトランスフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX Transfection Reagent(商品名、Invitrogen)を用い、添付プロトコールに従って、トランスフェクションした。トランスフェクションは、前記ウェルあたりの組成を以下のように設定した。下記組成において、(A) は前記トランスフェクション試薬であり、(B) はOpti−MEM(商品名、Invitrogen)であり、(C) は前記RNA溶液であり、三者を合わせて100 μL添加した。なお、前記ウェルにおいて、前記miRNAの最終濃度は 10 nmol/Lとした。トランスフェクション後、前記ウェル中の細胞を3日間培養した。そして前記3日間の培養後、培養細胞について以下に示す確認を行った。
(2−2)細胞数のカウント
培養後の培養細胞について、ウェルあたりの細胞数をカウントした。この結果を図2に示す。図2は、ウェルあたりの細胞数を示すグラフである。図2において、「Mock」はトランスフェクション試薬のみを添加した細胞、「Scramble」はネガティブコントロールのmiR−34aスクランブル、「miR−34a」は実施例のマッチ型miR−34aの結果を示す。図2に示すように、実施例のマッチ型miR−34aは最も細胞数を減少させた。
培養後の培養細胞について、ウェルあたりの細胞数をカウントした。この結果を図2に示す。図2は、ウェルあたりの細胞数を示すグラフである。図2において、「Mock」はトランスフェクション試薬のみを添加した細胞、「Scramble」はネガティブコントロールのmiR−34aスクランブル、「miR−34a」は実施例のマッチ型miR−34aの結果を示す。図2に示すように、実施例のマッチ型miR−34aは最も細胞数を減少させた。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
本発明の人工マッチ型miRNAによれば、容易に低コストで合成でき、且つ、前記遺伝子がコードするタンパク質の翻訳の抑制が可能である。本発明の人工マッチ型miRNAは、前述のように標的遺伝子の発現を抑制可能であることから、例えば、医薬品、診断薬および農薬、ならびに、農学、医学、生命科学等の研究ツールとして有用である。
Claims (23)
- 標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、
X領域とY領域とを有する一本鎖核酸であり、
前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、下記式(TPA)を介して連結し、
前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする、人工マッチ型miRNAを使用することを特徴とする、標的遺伝子の発現抑制方法。
- 前記Y領域と前記X領域とをアライメントした際に、前記Y領域が、3’末端にオーバーハングを有する、請求項1記載の発現抑制方法。
- 前記オーバーハングが、0〜4塩基長である、請求項2記載の発現抑制方法。
- 前記X領域が、前記ガイド鎖配列と付加配列とからなり、前記付加配列が、前記ガイド鎖配列の3’末端に連結している、請求項1から3のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記X領域における前記付加配列の長さが、0〜5塩基長である、請求項4記載の発現抑制方法。
- 前記X領域の長さが、19〜33塩基長である、請求項1から5のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記Y領域の長さが、21〜35塩基長である、請求項1から6のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 全長が、40〜68塩基長である、請求項1から7のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記一本鎖核酸の塩基配列が配列番号3で表される塩基配列である、請求項1から8のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記人工マッチ型miRNAを、細胞、組織または器官に投与する工程を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記人工マッチ型miRNAを、in vivoまたはin vitroで投与する、請求項1から10のいずれか一項に記載の発現抑制方法。
- 前記人工マッチ型miRNAを、非ヒト動物に投与する、請求項1から10のいずれか一項に発現抑制方法。
- 疾患の治療方法であって、
X領域とY領域とを有する一本鎖核酸であり、
前記X領域の3’末端と前記Y領域の5’末端とが、下記式(TPA)を介して連結し、
前記X領域は、hsa−miR−34aの成熟miRNAのガイド鎖配列を含み、
前記Y領域は、前記X領域と完全に相補な配列を含むことを特徴とする人工マッチ型miRNAを、患者に投与する工程を含み、
前記疾患が、hsa−miR−34aの成熟miRNAの標的遺伝子が関与する疾患であることを特徴とする、治療方法。
- 前記Y領域と前記X領域とをアライメントした際に、前記Y領域が、3’末端にオーバーハングを有する、請求項13記載の治療方法。
- 前記オーバーハングが、0〜4塩基長である、請求項14記載の治療方法。
- 前記X領域が、前記ガイド鎖配列と付加配列とからなり、前記付加配列が、前記ガイド鎖配列の3’末端に連結している、 請求項13から15のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記X領域における前記付加配列の長さが、0〜5塩基長である、請求項16記載の治療方法。
- 前記X領域の長さが、19〜33塩基長である、請求項13から17のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記Y領域の長さが、21〜35塩基長である、請求項13から18のいずれか一項に記載の治療方法。
- 全長が、40〜68塩基長である、請求項13から19のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記一本鎖核酸の塩基配列が配列番号3で表される塩基配列である、請求項13から20のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記疾患が、がんである、請求項13から21のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記疾患が、肺がんである、請求項13から21のいずれか一項に記載の治療方法。
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