JP2017011934A - 車両用回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの温度を好適に把握できる車両用回転電機を提供すること。【解決手段】車両用回転電機10は、回転軸20と、回転軸20と一体回転するものであってロータコイル35が捲回されたロータ30と、ロータコイル35に対して電力供給を行うのに用いられる複数のスリップリング機構80u〜80wとを備えている。車両用回転電機10は、ロータ30に設けられ、ロータコイル35の温度を把握するのに用いられる温度センサ121と、複数のスリップリング機構80u〜80wとは別に設けられ、温度センサ121によって検出された検出信号を伝送する信号伝送機構122と、ロータ30、複数のスリップリング機構80u〜80w及び信号伝送機構122が収容されたハウジング11とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用回転電機に関する。
車両用回転電機は、例えば回転軸と、回転軸と一体回転するものであってコイルが捲回されたロータとを備えている場合がある(例えば特許文献1参照)。当該車両用回転電機は、特許文献1に示すように、コイルに電力供給を行うために、スリップリング機構を備えている場合がある。
特開2013−215032号公報
ここで、コイルに電力が供給されると、コイルが発熱する。コイルの温度が過度に高くなると、車両用回転電機の運転に支障が生じ得る。このため、コイルの温度を把握したい場合があり得る。
これに対して、例えばコイルの温度を把握するために、ロータに温度センサを設けることも考えられる。かかる構成においては、温度センサの検出信号を取り出す必要がある。この場合、検出信号を取り出すために、車両用回転電機が大型になることや構成が複雑となることは好ましくない。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はコイルの温度を好適に把握できる車両用回転電機を提供することである。
上記目的を達成する車両用回転電機は、回転軸と、前記回転軸と一体回転するものであってコイルが捲回されたロータと、前記コイルに対して電力供給を行うのに用いられるスリップリング機構と、前記ロータに設けられ、前記コイルの温度を把握するのに用いられる温度センサと、前記スリップリング機構とは別に設けられ、前記温度センサによって検出された検出信号を伝送する信号伝送機構と、前記ロータ、前記スリップリング機構及び前記信号伝送機構が収容されたハウジングと、を備え、前記スリップリング機構は、前記回転軸と一体回転するものであって前記コイルに電気的に接続されたスリップリングと、前記スリップリングに対して摺動可能な状態で接触しているブラシと、前記ブラシを前記スリップリングに向けて押圧する押圧部と、を備え、前記信号伝送機構は、前記回転軸の周方向に延びたリング状電極と、弾性変形によって前記リング状電極を押圧している弾性電極と、を備え、前記弾性電極と前記リング状電極とは、前記ロータが回転している状況において摺動することを特徴とする。
かかる構成によれば、スリップリング機構とは別に信号伝送機構が設けられている。当該信号伝送機構は、スリップリング機構と比較して、簡素な構成となり易い。これにより、構成の複雑化を抑制しつつ、ロータに設けられた温度センサの検出信号を取り出すことができる。よって、コイルの温度を好適に把握できる。
上記車両用回転電機について、前記コイルは、複数の相コイルを含み、前記スリップリング機構は、前記複数の相コイルに対応させて複数設けられており、当該複数のスリップリング機構は、前記回転軸の軸線方向に互いに離間して配列されており、前記リング状電極及び前記弾性電極は、前記複数のスリップリング機構の間に配置されているとよい。
かかる構成によれば、デッドスペースである複数のスリップリング機構の間にリング状電極及び弾性電極が配置されているため、信号伝送機構に起因する車両用回転電機の大型化を抑制できる。よって、車両用回転電機の大型化を抑制しつつ、コイルの温度を把握できる。
上記車両用回転電機について、前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、前記スリップリングは、前記複数のスリップリング機構に対応させて複数設けられており、当該複数のスリップリングは、前記絶縁部材の外周面に、前記回転軸の軸線方向に互いに離間して設けられており、前記絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、前記弾性電極は、前記信号配線に電気的に接続されているものであって前記絶縁部材に埋設されている基端部を有し、前記絶縁部材の外周面から前記回転軸の径方向外側に向けて突出しており、前記リング状電極は、前記回転軸の軸線方向に幅を有し、前記絶縁部材の外周面に対して前記回転軸の径方向外側に配置されており、前記弾性電極は、前記リング状電極と接触している先端部を有しているとよい。
かかる構成によれば、スリップリングが絶縁部材の外周面に設けられている一方、リング状電極が絶縁部材の外周面に対して回転軸の径方向外側に配置されているため、スリップリングとリング状電極とが接触することを抑制できる。また、弾性電極における絶縁部材側の端部である基端部が、絶縁部材に埋設された固定端となっている。これにより、基端部の位置ずれを抑制することができるため、弾性電極の基端部とスリップリングとの接触を抑制できる。以上のことから、スリップリングと信号伝送機構との短絡を好適に抑制できるとともに、スリップリングと信号伝送機構との沿面距離が確保され、放電による絶縁破壊も抑制できる。
上記車両用回転電機について、前記弾性電極には、当該弾性電極における前記絶縁部材の外周面から突出している部分のうち前記先端部以外の部分をカバーしている絶縁カバーが取り付けられているとよい。
かかる構成によれば、弾性電極とリング状電極とを電気的に接続しつつ、弾性電極とスリップリング機構との接触を、より好適に抑制できる。
上記車両用回転電機について、前記スリップリング機構は、前記ブラシを保持するブラシホルダと、前記ブラシホルダが固定される保持プレートと、を備え、前記車両用回転電機は、前記保持プレートとユニット化された状態で前記ハウジングに固定されたものであって、前記リング状電極を前記回転軸の径方向外側から覆っているカバー部材を備え、前記リング状電極は、前記カバー部材に支持されているとよい。
かかる構成によれば、カバー部材は、保持プレートとユニット化された状態でハウジングに固定されているため、カバー部材が回転軸の回転に伴って回転しないようになっている。そして、リング状電極はそのカバー部材によって支持されている。これにより、複数のスリップリング機構の間に配置されているリング状電極を、回転軸の回転に伴って回転しないようにすることができる。
上記車両用回転電機について、前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、当該絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、前記回転軸は、軸拡径部と、前記軸拡径部よりも縮径された軸縮径部と、を備え、前記絶縁部材は、前記軸縮径部を覆う筒状の絶縁縮径部と、前記絶縁縮径部の外径よりも長い外径を有する筒状の絶縁拡径部と、を備え、前記スリップリングは前記絶縁縮径部の外周面に設けられており、前記ハウジングは、前記絶縁拡径部と対向する対向壁部を備え、前記絶縁拡径部には、前記リング状電極及び前記弾性電極のうちの一方が前記信号配線に電気的に接続された状態で設けられており、前記対向壁部には、前記リング状電極及び前記弾性電極のうちの他方が固定されているとよい。
かかる構成によれば、デッドスペースである絶縁拡径部と対向壁部との間のスペースを用いて、検出信号を取り出すことができるため、車両用回転電機の大型化を抑制することができる。
上記車両用回転電機について、前記リング状電極は、前記信号配線と電気的に接続された状態で前記絶縁拡径部に設けられており、前記弾性電極は、前記回転軸の回転に伴って回転しないように前記対向壁部に固定された基端部を備え、該基端部から前記リング状電極に向けて突出しており、前記弾性電極の先端部が前記リング状電極に接触しているとよい。
かかる構成によれば、弾性電極には遠心力は付与されないため、遠心力が付与されることに起因する弾性電極の位置ずれを回避できる。よって、遠心力が付与されることに起因して、弾性電極とリング状電極とが接触しなくなったり、弾性電極とリング状電極との接触面積が変動したりすることを抑制できる。
上記車両用回転電機について、前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、当該絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、前記信号伝送機構は、前記絶縁部材に固定された平板リング状の第1絶縁リングと、前記ハウジングに固定されたものであって、前記第1絶縁リングと前記回転軸の軸線方向に対向する第2絶縁リングと、を備え、前記第1絶縁リングにおける前記第2絶縁リングとの対向面である第1対向面、及び、前記第2絶縁リングにおける前記第1対向面との対向面である第2対向面のうちいずれか一方の対向面には、前記回転軸の径方向に幅を有する前記リング状電極が設けられ、前記第1対向面及び前記第2対向面のうち他方の対向面には当該他方の対向面から前記一方の対向面に向けて突出した前記弾性電極が設けられており、前記第1対向面に設けられている電極は、前記信号配線に電気的に接続されているとよい。
かかる構成によれば、回転軸の回転に伴って、弾性電極とリング状電極とが摺動する。よって、ロータに設けられた温度センサの検出信号を取り出すことができる。
上記車両用回転電機について、前記回転軸には、前記ロータの回転角を検出する回転角センサが取り付けられており、前記スリップリング機構と前記回転角センサとは、前記回転軸の軸線方向に離間して配置されており、前記第1絶縁リング及び前記第2絶縁リングは、前記スリップリング機構と前記回転角センサとの間に配置されているとよい。
かかる構成によれば、デッドスペースであるスリップリング機構と回転角センサとの間のスペースを用いて、検出信号を取り出すことができるため、車両用回転電機の大型化を抑制できる。
この発明によれば、コイルの温度を好適に把握できる。
車両用回転電機の概要を模式的に示す断面図。 スリップリング機構及びカバー部材を示す斜視図。 スリップリング機構及び信号伝送機構を模式的に示す断面図。 図3の4−4線端面図。 弾性電極の周辺を模式的に示す拡大端面図。 第2実施形態の信号伝送機構を模式的に示す断面図。 図6の7−7線端面図。 第3実施形態の信号伝送機構を模式的に示す断面図。 第1弾性電極及びその周辺を模式的に示す端面図。 両絶縁リングを模式的に示す斜視図。
以下、車両用回転電機の一実施形態について説明する。なお、本実施形態の車両用回転電機は、例えばエンジンと蓄電装置とを有するハイブリッド車両に搭載されており、ハイブリッドトランスアクスルに用いられる。
図1に示すように、車両用回転電機10は、その外郭を構成するハウジング11を備えている。ハウジング11は、例えば金属で構成されている。ハウジング11は、複数のパーツで構成されている。詳細には、ハウジング11は、軸線方向に開口した筒状(詳細には円筒状)のメインハウジング12と、当該メインハウジング12の開口部12aを区画している開口端部12bに当接した状態で取り付けられた筒状の第1カバーハウジング13と、第1カバーハウジング13に取り付けられた第2カバーハウジング14とを備えている。
第1カバーハウジング13は、メインハウジング12の開口端部12bに固定され、メインハウジング12の開口部12aの一部を塞ぐ円環板状のカバーベース部13aと、カバーベース部13aからメインハウジング12側とは反対側に突出したリング状の突条部13bとを備えている。突条部13bは、カバーベース部13aの内周端と外周端との間に設けられている。
第2カバーハウジング14は例えば円板状である。第2カバーハウジング14は、突条部13bによって区画された開口部13cを塞いだ状態で、第1カバーハウジング13の突条部13bに固定されている。これにより、メインハウジング12の開口部12aが、第1カバーハウジング13及び第2カバーハウジング14によって塞がれており、ハウジング11内に空間が形成されている。
図1に示すように、第1カバーハウジング13は、カバーベース部13aの内周端から第2カバーハウジング14とは反対側に起立した筒状のインナー壁部15を備えている。インナー壁部15は、メインハウジング12の内側に配置されており、両者は径方向に対向している。
車両用回転電機10は、ハウジング11内に収容されるものとして、回転軸20及び回転軸20と一体回転するロータ30を備えている。回転軸20は、当該回転軸20の軸線方向Zがメインハウジング12の軸線方向と一致するように配置されている。回転軸20は、ハウジング11内にて回転可能に支持されている。
回転軸20は、太さが相違する軸拡径部21及び軸縮径部22を有している。軸縮径部22は、軸拡径部21よりも細い。軸拡径部21と軸縮径部22とは連続している。軸縮径部22は、軸拡径部21よりも第2カバーハウジング14側に配置されており、インナー壁部15の内側に配置されている。軸縮径部22における軸拡径部21と連続している端部とは反対側の端部が、回転軸20の軸線方向Zの第1軸端部20aを構成している。当該第1軸端部20aは、第2カバーハウジング14に設けられた収容凹部14aに収容されている。そして、回転軸20の第1軸端部20aには、ロータ30の回転角を検出する回転角センサとしてのレゾルバ23が取り付けられている。レゾルバ23は、収容凹部14aに収容されており、詳細には第1軸端部20aと収容凹部14aの内壁面との間に配置されている。
軸拡径部21は、軸縮径部22よりも第2カバーハウジング14とは反対側に配置されている。軸拡径部21の外周面とインナー壁部15の内周面の先端部分とは回転軸20の径方向に対向しており、両者の間にはオイルの流入を規制する環状のリップシール24が設けられている。当該リップシール24及び軸拡径部21によって、インナー壁部15の開口が塞がれている。
ここで、ハウジング11内には、両カバーハウジング13,14によって区画されたものであって流体としての冷媒(例えば空気)が循環するエアー室A1と、メインハウジング12と第1カバーハウジング13とによって区画されたものであってオイルが循環するオイル室A2とが設けられており、両者はリップシール24によって仕切られている。そして、リップシール24によって、オイル室A2からエアー室A1へのオイルの流入が規制されている。
なお、詳細には、エアー室A1は、インナー壁部15の内周面及び突条部13bの内周面と、第2カバーハウジング14と、リップシール24等によって区画された空間である。また、オイル室A2は、メインハウジング12と、カバーベース部13aと、インナー壁部15の外周面と、リップシール24等によって区画された空間である。
また、回転軸20は、軸拡径部21から第1軸端部20aとは反対側に突出した第2軸端部20bを備えている。第2軸端部20bは、軸拡径部21よりも縮径した形状であり、本実施形態では、軸縮径部22と略同一径となっている。但し、これに限られず、第2軸端部20bの径は任意である。
なお、説明の便宜上、以降の説明において、第1軸端部20a側を単に「右」ともいい、第2軸端部20b側を単に「左」とも言う。
ロータ30は、回転軸20に固定されたロータベース部材31を備えている。ロータベース部材31は、全体として略有底筒状である。ロータベース部材31は、第2軸端部20bに固定されたベース底部31aと、ベース底部31aから第1軸端部20aとは反対方向(詳細には左方向)に突出した筒状(詳細には円筒状)の入力軸部31bとを備えている。入力軸部31bには、エンジンの駆動力によって回転する駆動軸が挿入される。入力軸部31bは、上記駆動軸と回転軸20とが一体回転するように両者を連結するのに用いられる。これにより、エンジンによって生じた回転駆動力が回転軸20に伝達される。
また、ロータベース部材31は、ベース底部31aの外周縁から回転軸20の軸線方向Zに延びたベース側壁部31cを備えている。ベース側壁部31cは、ベース底部31aの外周縁から入力軸部31bの突出方向と同一方向(詳細には左方向)に延びているとともに、第1軸端部20aに向かう方向(詳細には右方向)に延びている。ベース側壁部31cは、入力軸部31b及びインナー壁部15よりも回転軸20の径方向外側に配置されており、これら入力軸部31b及びインナー壁部15を径方向外側から覆っている。
第1カバーハウジング13は、ベース側壁部31cの右端部に対して回転軸20の径方向外側に配置された突起13dを備えており、当該突起13dとベース側壁部31cの右端部との間には、ロータベース部材31を回転可能に支持するロータベース部材用軸受32が設けられている。当該ロータベース部材用軸受32によって、ロータベース部材31は、回転可能な状態でハウジング11に固定されている。
図1に示すように、ロータ30は、ロータベース部材31に固定されたインナーロータ33を備えている。インナーロータ33は、ベース側壁部31cに対して回転軸20の径方向外側に配置された筒状のインナーロータコア34と、当該インナーロータコア34に捲回されたロータコイル35とを備えている。ロータコイル35は、u相ロータコイル35uと、v相ロータコイル35vと、w相ロータコイル35wとから構成されている。ロータベース部材31及びインナーロータ33は、回転軸20が回転した場合、回転軸20の回転軸を中心として一体回転する。なお、ロータ30がインナーロータ33を備えている点に着目すれば、ロータコイル35はロータ30に捲回されているとも言える。ロータコイル35が「コイル」に対応する。
ちなみに、回転軸20の軸拡径部21及び第2軸端部20bは、相対的に大きなトルクが付与されるインナーロータ33及びロータコイル35の内側領域に配置されている。一方、回転軸20の軸縮径部22の大部分は、相対的に小さなトルクが付与されるインナーロータ33よりも右側領域に配置されている。
本実施形態では、車両用回転電機10は、インナーロータ33に対して回転軸20の径方向外側に配置されたアウターロータ40を備えている。すなわち、本実施形態の車両用回転電機10はダブルロータ型である。
アウターロータ40は、インナーロータコア34の外周面と回転軸20の径方向に対向する内周面を有する筒状(詳細には円筒状)のアウターロータコア41と、アウターロータコア41に埋設された永久磁石42とを備えている。
図1に示すように、車両用回転電機10は、メインハウジング12内に設けられたものであって、アウターロータ40や駆動軸等を支持するのに用いられる支持ハウジング50を備えている。支持ハウジング50は、全体として有底筒状である。支持ハウジング50は、回転軸20の径方向に延びた平板リング状の支持底部51と、支持底部51の外周縁から第1軸端部20a(詳細には右方向)に向けて延びた第1支持側壁部52と、第1支持側壁部52と協働してアウターロータ40を回転軸20の軸線方向Zから挟持する第2支持側壁部53とを備えている。
両支持側壁部52,53は、アウターロータコア41と同一内径を有する円筒状である。両支持側壁部52,53は、アウターロータ40に対して回転軸20の軸線方向Zの両側に配置されており、アウターロータ40と両支持側壁部52,53とは連結されてユニット化されている。
第2支持側壁部53の右端部は、第1カバーハウジング13のカバーベース部13aに設けられたカバー収容凹部13eに収容されている。そして、第2支持側壁部53の右端部とカバー収容凹部13eの側壁面との間には、支持ハウジング50を回転可能な状態で支持する支持ハウジング用軸受54が設けられている。支持ハウジング50は、ハウジング11に対して回転可能な状態で当該ハウジング11に取り付けられている。
また、支持ハウジング50は、支持底部51の内周側の部位から入力軸部31bとは反対側(詳細には左方向)に突出した筒状の出力軸部55を備えている。出力軸部55は、減速機構(図示略)に固定される。これにより、アウターロータ40にて発生した回転駆動力は、支持ハウジング50を介して、減速機構に伝達される。なお、減速機構は、例えば車軸に連結されている。
ここで、図1に示すように、支持底部51の内周面と入力軸部31bの先端部とは回転軸20の径方向に対向しており、その内周面と入力軸部31bの先端部との間にはロータ間軸受56が設けられている。これにより、インナーロータ33とアウターロータ40とは個別に回転可能となっている。
車両用回転電機10は、ハウジング11内に収容され、且つ、ハウジング11に固定されたステータ60を備えている。ステータ60は、アウターロータ40に対して回転軸20の径方向外側に配置されており、詳細にはアウターロータ40とメインハウジング12との間に配置されている。ステータ60は、アウターロータコア41よりも径が大きい筒状(詳細には円筒状)のステータコア61と、ステータコア61に捲回されたステータコイル62とを備えている。ステータコイル62は、ロータコイル35と同様に、3つの相コイルで構成されている。ステータコイル62は、ステータ側インバータ(図示略)に電気的に接続されている。
かかる構成によれば、インナーロータ33及びアウターロータ40によって第1の回転電機が構成され、アウターロータ40及びステータ60によって第2の回転電機が構成されている。
図1に示すように、ロータ30は、回転軸20に固定された筒状(詳細には円筒状)の絶縁部材70を備えている。絶縁部材70は、例えば樹脂等で形成されている。絶縁部材70は、第1カバーハウジング13(詳細には突条部13b及びインナー壁部15)の内側に配置されている。
絶縁部材70は、軸縮径部22を覆う筒状(詳細には円筒状)の絶縁縮径部71と、絶縁縮径部71の外径よりも長い外径を有する筒状の絶縁拡径部72とを備えている。絶縁拡径部72の外径は、回転軸20の軸線方向Zに応じて異なっている。詳細には、絶縁拡径部72の外径は、絶縁縮径部71から回転軸20の軸線方向Zに離れるに従って、詳細には第1軸端部20aから第2軸端部20bに向かうに従って徐々に長くなっている。
絶縁拡径部72は、回転軸20の径方向に対して傾斜したテーパ面72aを有している。テーパ面72aは、第1軸端部20aから第2軸端部20bに向かうに従って徐々に軸縮径部22から離れるように傾斜している。
インナー壁部15の内周面には、当該内周面から回転軸20の径方向内側に突出したものであって、絶縁拡径部72と対向する対向壁部73が設けられている。対向壁部73は、テーパ面72aと対向する対向壁面73aを有している。対向壁面73aは、テーパ面72aと同一角度で傾斜したテーパ面である。なお、絶縁拡径部72(詳細にはテーパ面72a)と対向壁部73(詳細には対向壁面73a)との対向方向は、回転軸20の径方向に対して交差している。
図1〜図3に示すように、車両用回転電機10は、ハウジング11に収容され、ロータコイル35に対して電力供給を行うのに用いられるスリップリング機構80を備えている。スリップリング機構80は、ロータコイル35が複数(3つ)の相ロータコイル35u〜35wで構成されていることに対応させて、複数(3つ)設けられている。詳細には、車両用回転電機10は、u相ロータコイル35uに電力供給を行うu相スリップリング機構80uと、v相ロータコイル35vに電力供給を行うv相スリップリング機構80vと、w相ロータコイル35wに電力供給を行うw相スリップリング機構80wとを備えている。複数のスリップリング機構80u〜80wは、絶縁縮径部71に取り付けられており、回転軸20の軸線方向Zに離間して配列されている。
各スリップリング機構80u〜80wの構成は同一であるため、u相ロータコイル35uに対応するu相スリップリング機構80uについて以下に詳細に説明し、v相スリップリング機構80v及びw相スリップリング機構80wについては詳細な説明を省略する。
図2及び図3に示すように、u相スリップリング機構80uは、例えば絶縁縮径部71の外周面71aに固定されたu相スリップリング81uと、u相スリップリング81uに対して摺動可能な状態で接触しているu相ブラシ82uとを備えている。u相スリップリング81uは、回転軸20の軸線方向Zに幅を有する円筒形状であり、回転軸20と一体回転する。u相ブラシ82uは複数(詳細には3つ)設けられており、複数のu相ブラシ82uは回転軸20の周方向に配列されている。各u相ブラシ82uは、u相スリップリング81uと接触する位置に配置されている。
また、u相スリップリング機構80uは、u相ブラシ82uを回転軸20の径方向に移動可能な状態で保持するu相ブラシホルダ83uと、u相ブラシ82uをu相スリップリング81uに向けて押圧する押圧部としてのu相巻きバネ84uとを備えている。u相巻きバネ84uは、u相ブラシ82uを回転軸20の径方向内側に向けて付勢するものとも言える。u相ブラシホルダ83u及びu相巻きバネ84uは、u相ブラシ82uが複数設けられていることに対応させて、複数設けられている。
更に、u相スリップリング機構80uは、u相ブラシホルダ83u及びu相巻きバネ84uが固定されている平板リング状のu相保持プレート85uと、各u相ブラシ82uとu相保持プレート85uとを電気的に接続するu相リード線86u(図2参照)とを備えている。u相保持プレート85uは導電材料で構成されており、絶縁縮径部71よりも一回り大きいu相貫通孔85uaを有している。u相保持プレート85uは、回転軸20及び絶縁縮径部71がu相貫通孔85uaに挿通された状態で配置されている。
u相スリップリング機構80uと同様に、v相スリップリング機構80vは、v相スリップリング81v、v相ブラシ82v、v相ブラシホルダ83v、v相巻きバネ84v及びv相保持プレート85v等を備えている。同様に、w相スリップリング機構80wは、w相スリップリング81w、w相ブラシ82w、w相ブラシホルダ83w、w相巻きバネ84w及びw相保持プレート85w等を備えている。
図3に示すように、回転軸20の軸線方向Zに所定の幅を有する各スリップリング81u〜81wは、絶縁縮径部71の外周面71aにおいて、回転軸20の軸線方向Zに離間して配列されている。同様に、各保持プレート85u〜85wは、回転軸20の軸線方向Zに離間して配列されている。
図2に示すように、車両用回転電機10は、各保持プレート85u〜85wを連結するスペーサ87を備えている。スペーサ87は、回転軸20の周方向に離間させて複数(詳細には3つ)設けられている。スペーサ87は、回転軸20の軸線方向Zに延びた筒状である。スペーサ87は、回転軸20の軸線方向Zから見て回転軸20の径方向外側に向けて凸となったU字状の内周面87aを有しており、当該内周面87aにおける各保持プレート85u〜85wに対応する部分には溝が形成されている。溝は、1つのスペーサ87において、回転軸20の軸線方向Zに互いに離間して、各保持プレート85u〜85wと同一数(詳細には3つ)設けられている。
各保持プレート85u〜85wの外周面には、当該外周面から回転軸20の径方向内側に凹み、且つ、スペーサ87が挿入可能な凹部が形成されている。凹部は、複数のスペーサ87に対応させて回転軸20の周方向に互いに離間した状態で複数設けられている。スペーサ87は、当該スペーサ87の溝が各保持プレート85u〜85wの凹部の側壁に嵌合した状態で各保持プレート85u〜85wに取り付けられている。これにより、各保持プレート85u〜85wは、回転軸20の軸線方向Zに所定の間隔ずつ離間した状態で保持される。
なお、図2及び図4に示すように、スペーサ87にはボルト88が挿通されている。当該ボルト88は、対向壁部73に固定されている。これにより、各保持プレート85u〜85wは、回転軸20の回転に伴って回転しないようにハウジング11に固定される。この場合、u相保持プレート85uに固定されているu相ブラシホルダ83uは、ハウジング11に固定されていると言える。また、u相ブラシホルダ83uに保持されているu相ブラシ82uは、回転軸20の回転に伴って回転しないように保持されている。
図1及び図2に示すように、車両用回転電機10は、各保持プレート85u〜85wとユニット化された状態でハウジング11に固定されたものであって、絶縁縮径部71を回転軸20の径方向外側から覆うカバー部材90を備えている。カバー部材90は、樹脂等といった絶縁性を有する材料で構成されている。カバー部材90は、全体として筒状である。カバー部材90は、各保持プレート85u〜85wの外径と同一の内径を有する筒状の第1カバー部91と、第1カバー部91よりも拡径された筒状の第2カバー部92とを備えている。第2カバー部92は、第1カバーハウジング13の突条部13bに対して回転軸20の径方向内側に配置されており、第2カバー部92の開口端は第2カバーハウジング14の内面に当接している。
また、カバー部材90は、スペーサ87に挿通されたボルト88によって第1カバーハウジング13の対向壁部73に固定されている。詳細には、カバー部材90は、スペーサ87の内周孔と連通する連通孔が形成された板部(図示略)を有しており、ボルト88は、上記連通孔ごとスペーサ87(詳細にはスペーサ87の内周孔)に挿通されて、対向壁部73に固定されている。これにより、カバー部材90は、各保持プレート85u〜85wとユニット化された状態で、回転軸20の回転に伴って回転しないようにハウジング11に固定されている。
カバー部材90の第1カバー部91は、その内周面と各保持プレート85u〜85wの外周面とが当接している状態で、各スリップリング機構80u〜80wを回転軸20の径方向外側から覆っている。
また、図2に示すように、保持プレート85u〜85wには、当該保持プレート85u〜85wの外周縁から延びた接続バスバー93u〜93wが設けられている。接続バスバー93u〜93wは、カバー部材90の第1カバー部91に形成されたスリット91u〜91wを介してカバー部材90の外側に突出しており、ロータ側インバータ(図示略)に電気的に接続されている。
ちなみに、図3に示すように、第1カバー部91の開口端は、u相貫通孔85uaの内面と絶縁縮径部71の外周面71aとの間の隙間を除いて、u相保持プレート85uによって塞がれている。これにより、図1に示すように、エアー室A1は、カバー部材90とu相保持プレート85uとによって、第1エアー室A11と第2エアー室A12とに区画されている。第1エアー室A11は、カバー部材90の内側の領域である。複数のスリップリング機構80u〜80wは第1エアー室A11に収容されている。第2エアー室A12の一部は、第1エアー室A11に対して回転軸20の径方向外側に配置されている。第1エアー室A11と第2エアー室A12とは、上記隙間やスリット91u〜91wを介して連通している。また、第2エアー室A12内に対向壁部73が設けられている。
第2カバーハウジング14には、第1エアー室A11と連通するものであって、流体としての冷媒が供給されるリング状の供給溝101と、第2エアー室A12と連通するものであって、冷媒が排出されるリング状の排出溝102とが形成されている。
かかる構成によれば、供給溝101から供給された冷媒は、第1エアー室A11を流れ、u相貫通孔85uaの内面と絶縁縮径部71の外周面71aとの間の隙間やスリット91u〜91wを介して、第2エアー室A12に流れる。そして、第2エアー室A12の冷媒は、排出溝102から排出される。これにより、エアー室A1内にて、冷媒が循環するため、当該エアー室A1内に配置されている各スリップリング機構80u〜80wを冷却することができる。
また、対向壁部73によって第1エアー室A11から第2エアー室A12に流出した冷媒のリップシール24への移動が規制されている。これにより、各スリップリング機構80u〜80wから生じ得る粉塵等がリップシール24に付着することを抑制できる。
次に、スリップリング81u〜81wと相ロータコイル35u〜35wとの電気的接続について説明する。
図4に示すように、絶縁部材70には、相ロータコイル35u〜35wに電気的に接続されたバスバー111u〜111wが埋設されている。バスバー111u〜111wは、全体として回転軸20の軸線方向Zに延びており、互いに回転軸20の周方向に離間して配列されている。
各バスバー111u〜111wの構成、及び、バスバー111u〜111wとスリップリング81u〜81wとの電気的接続にかかる構成については、基本的に同一であるため、以下u相について詳細に説明し、他の相については説明を省略する。
図1に示すように、絶縁部材70は、絶縁拡径部72から絶縁縮径部71とは反対方向(詳細には左方向)に突出したu相絶縁柱部112uを備えている。u相絶縁柱部112uは、回転軸20の軸線方向Zに延びており、軸拡径部21及びベース底部31aを貫通している。u相バスバー111uは、u相絶縁柱部112u、絶縁拡径部72及び絶縁縮径部71を貫通しており、当該u相バスバー111uにおけるu相絶縁柱部112u側にある端部は、u相絶縁柱部112uから突出している。そして、その突出部分とu相ロータコイル35uとが電気的に接続されている。
また、図3に示すように、絶縁縮径部71におけるu相バスバー111uとu相スリップリング81uとの間の部分には、u相バスバー111uを露出させるu相スリット113が形成されている。u相スリップリング81uは、当該u相スリップリング81uの内周面から回転軸20の径方向内側に突出し、且つ、u相バスバー111uと接触した状態でu相スリット113に嵌合するu相接続部81uaを備えている。これにより、u相バスバー111uとu相スリップリング81uとが電気的に接続されている。
以上のことから、u相ロータコイル35uとu相スリップリング81uとは、u相バスバー111uを介して、電気的に接続されている。そして、ロータ側インバータとu相ロータコイル35uとは、u相接続バスバー93u、u相保持プレート85u、u相リード線86u、u相ブラシ82u、u相スリップリング81u及びu相バスバー111u等を介して電気的に接続されている。
なお、図示は省略するが、絶縁部材70は、u相絶縁柱部112uの他に、v相バスバー111vが埋設されたv相絶縁柱部と、w相バスバー111wが埋設されたw相絶縁柱部とを備えている。
ここで、本実施形態の車両用回転電機10は、ロータコイル35の温度を把握するための構成を備えている。当該構成について以下に説明する。
図1に示すように、車両用回転電機10は、ロータ30に設けられた温度センサ121を備えている。温度センサ121は、ロータコイル35の温度を把握するのに用いられる。温度センサ121は、例えばロータコイル35のコイルエンドとロータベース部材31のベース側壁部31cとの間に設けられている。
車両用回転電機10は、スリップリング機構80u〜80wとは別に設けられ、温度センサ121によって検出された検出信号を伝送する信号伝送機構122を備えている。信号伝送機構122は、ロータ30に設けられた温度センサ121の検出信号を、回転軸20の回転に伴って回転しない固定側に取り出すものである。検出信号の電圧値及び電流値は、スリップリング機構80にて伝送される電力の電圧値及び電流値よりも低い。
信号伝送機構122は、ロータベース部材31及び絶縁部材70に埋設されているものであって温度センサ121に電気的に接続された2本の信号配線123a,123bを備えている。絶縁部材70は、絶縁拡径部72からベース底部31aに向けて(詳細には左方向に向けて)突出して形成されたものであって、軸拡径部21を貫通する信号絶縁柱部124を備えている。信号配線123a,123bは、ベース側壁部31c→ベース底部31a→信号絶縁柱部124→絶縁拡径部72を通っており、絶縁縮径部71に埋設されている。温度センサ121によって検出された検出信号は信号配線123a,123bを伝送する。
2つの信号配線123a,123bは、絶縁縮径部71にて回転軸20の周方向に離間するように曲がっている。そして、図4に示すように、両信号配線123a,123bは、絶縁縮径部71内において、各バスバー111u〜111wと干渉しないように、各バスバー111u〜111wに対して回転軸20の周方向にずれた位置に配置されている。なお、図示の都合上、図1においては、両信号配線123a,123bを1本で示す。
信号伝送機構122は、信号配線123a,123bを伝送する検出信号を取り出す構成として、第1伝送ユニット130a及び第2伝送ユニット130bを備えている。各伝送ユニット130a,130bは、各スリップリング機構80u〜80wの間に配置されている。詳細には、第1伝送ユニット130aは、u相スリップリング機構80uとv相スリップリング機構80vとの間に配置されており、第2伝送ユニット130bは、v相スリップリング機構80vとw相スリップリング機構80wとの間に配置されている。両伝送ユニット130a,130bは、カバー部材90によって、回転軸20の径方向外側から覆われている。
第1伝送ユニット130aは、第1信号配線123aと、ロータ側インバータ及びステータ側インバータ等を制御する制御装置(制御CPU)とを電気的に接続しており、第2伝送ユニット130bは、第2信号配線123bと制御装置とを電気的に接続している。
両伝送ユニット130a,130bは、接続対象の信号配線が異なる点を除いて同一の構成であるため、第1伝送ユニット130aについて以下に詳細に説明し、第2伝送ユニット130bの詳細な説明を省略する。
図3及び図4に示すように、第1伝送ユニット130aは、回転軸20の周方向に延びたリング状電極131を備えている。リング状電極131は例えば回転軸20の軸線方向Zに幅を有する円筒形状であり、回転軸20と同一軸線上に配置されている。リング状電極131は、絶縁縮径部71の外周面71aに対して回転軸20の径方向外側に配置されている。リング状電極131は、カバー部材90の第1カバー部91よりも回転軸20の径方向内側に配置されており、第1カバー部91によって回転軸20の径方向外側から覆われている。
リング状電極131は、スペーサ87と干渉しないように形成されている。詳細には、リング状電極131の外径は、リング状電極131がスペーサ87の内側に配置されるように設定されている。また、リング状電極131の内径は、絶縁縮径部71の外径よりも長く設定されており、リング状電極131と絶縁縮径部71との間にはドーナツ形状の隙間が形成されている。
第1伝送ユニット130aは、リング状電極131を支持する支持部132を備えている。支持部132は、リング状電極131が固定されたリング支持部132aと、リング支持部132aと第1カバー部91とを連結している連結支持部132bとを有している。リング支持部132aは、回転軸20の軸線方向Zに幅を有する円筒形状であり、回転軸20と同一軸線上に配置されている。リング支持部132aの幅は、リング状電極131の幅よりも長く設定されている。リング支持部132aの内径はリング状電極131の内径と同一であり、リング支持部132aの外径は、リング状電極131の外径よりも長く設定されている。
連結支持部132bは、回転軸20の周方向に離間して複数設けられている。連結支持部132bは、スペーサ87と干渉しないように、スペーサ87に対してずれた位置に配置されている。連結支持部132bによって第1カバー部91とリング支持部132aとが連結されることにより、リング支持部132aが第1カバー部91に支持されている。
リング支持部132aの内周面には、回転軸20の周方向に延び、且つ、リング状電極131が嵌合する嵌合溝132cが形成されており、リング状電極131は、その内周面が露出した状態で嵌合溝132cに嵌合している。これにより、リング状電極131がカバー部材90によって覆われた状態で当該カバー部材90に支持されている。
図4及び図5に示すように、第1伝送ユニット130aは、リング状電極131を押圧している弾性変形可能な弾性電極133を備えている。弾性電極133は、弾性変形可能な導電性材料で構成されている。弾性電極133は、絶縁縮径部71に埋設されている基端部133aを有している。弾性電極133の基端部133aは、絶縁縮径部71に埋設された第1信号配線123aに電気的に接続されている。なお、本実施形態では、弾性電極133と第1信号配線123aとは一体形成されているが、これに限られず、別体であってもよい。
また、弾性電極133は、絶縁縮径部71の外周面71aから回転軸20の径方向外側に突出しており、絶縁縮径部71とリング状電極131との間の隙間に配置されている。弾性電極133は、リング状電極131の内周面と接触している先端部133bを備えている。第1信号配線123aとリング状電極131とは、弾性電極133を介して、電気的に接続されている。
弾性電極133の先端部133bは、回転軸20の軸線方向Zから見てフック状に湾曲している。弾性電極133は、回転軸20の径方向に若干縮んだ状態で配置されている。このため、弾性電極133は、弾性変形によって、リング状電極131を回転軸20の径方向外側に向けて押圧(換言すれば付勢)している。
ちなみに、弾性電極133の基端部133aが絶縁縮径部71に埋設されているため、弾性電極133の基端部133aは固定端となっている。一方、弾性電極133の先端部133bは自由端となっている。
ここで、弾性電極133の先端部133bとリング状電極131との接触面積は、u相スリップリング81uとu相ブラシ82uとの接触面積よりも小さい。特に、本実施形態では、弾性電極133は1つのみである一方、u相ブラシ82uは複数設けられているため、u相スリップリング機構80uにおける回転側電極(u相スリップリング81u)と保持側電極(複数のu相ブラシ82u)との全体の接触面積は、信号伝送機構122における全体の接触面積よりも十分に大きくなっている。
また、例えば弾性電極133の弾性変形による弾性電極133の先端部133bからリング状電極131への押圧力は、u相巻きバネ84uの付勢によるu相ブラシ82uからu相スリップリング81uへの押圧力よりも小さい。更に、例えばu相ブラシ82uは弾性電極133よりも柔らかい。
第1伝送ユニット130aは、弾性電極133に取り付けられた絶縁カバー134を備えている。絶縁カバー134は、弾性電極133における絶縁縮径部71の外周面71aから回転軸20の径方向外側への突出部分、換言すれば絶縁縮径部71とリング状電極131との間の隙間に配置されている部分の一部を覆っている。詳細には、絶縁カバー134は、上記突出部分のうちフック状に湾曲した先端部133b以外の部分を覆っている。
図4に示すように、第1伝送ユニット130aは、リング状電極131の外周面から回転軸20の径方向外側に向けて引き出された信号リード線135を備えている。信号リード線135は、リング支持部132a及び第1カバー部91の双方を、回転軸20の径方向に貫通しており、カバー部材90の外側に引き出されている。当該信号リード線135は制御装置に接続されている。
制御装置は、検出信号に基づいて、ロータコイル35に接続されているロータ側インバータを制御する。例えば、制御装置は、検出信号に基づいてロータコイル35の温度を把握する。そして、制御装置は、把握されたロータコイル35の温度が予め定められた閾値温度よりも高い場合には、ロータ側インバータの動作を停止させたり、ロータコイル35に流れる電流が小さくしたりする。
次に本実施形態の作用について説明する。
回転軸20が回転することに伴って、ロータベース部材31、インナーロータ33及び絶縁部材70を有するロータ30が回転する。すると、絶縁部材70の絶縁縮径部71に埋設されている基端部133aを有する弾性電極133が回転する。この場合、弾性電極133と、回転軸20の周方向に延びたリング状電極131とが摺動する。これにより、温度センサ121の検出信号が、信号配線123a,123b→弾性電極133→リング状電極131→信号リード線135を通って、制御装置に伝送される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)車両用回転電機10は、回転軸20と、回転軸20と一体回転するものであってロータコイル35が捲回されたロータ30と、ロータコイル35に対して電力供給を行うのに用いられるu相スリップリング機構80uとを備えている。車両用回転電機10は、ロータ30に設けられ、ロータコイル35の温度を把握するのに用いられる温度センサ121と、u相スリップリング機構80uとは別に設けられ、温度センサ121によって検出された検出信号を伝送する信号伝送機構122と、を備えている。そして、車両用回転電機10は、ロータ30、u相スリップリング機構80u及び信号伝送機構122が収容されたハウジング11を備えている。
u相スリップリング機構80uは、回転軸20と一体回転するものであってロータコイル35に電気的に接続されたu相スリップリング81uと、u相スリップリング81uに対して摺動可能な状態で接触しているu相ブラシ82uと、u相ブラシ82uをu相スリップリング81uに向けて押圧する押圧部としてのu相巻きバネ84uとを備えている。信号伝送機構122は、回転軸20の周方向に延びたリング状電極131と、弾性変形によってリング状電極131を押圧している弾性電極133とを備えている。そして、リング状電極131と弾性電極133とはロータ30が回転している状況において摺動する。
かかる構成によれば、u相スリップリング機構80uとは別に信号伝送機構122が設けられており、当該信号伝送機構122は、u相スリップリング機構80uと比較して、簡素な構成となり易い。これにより、構成の複雑化を抑制しつつ、ロータ30に設けられた温度センサ121の検出信号を取り出すことができる。よって、ロータコイル35の温度を好適に把握できる。
詳述すると、弾性電極133は、弾性変形することによってリング状電極131を押圧しているため、信号伝送機構122にはu相巻きバネ84uのような押圧部を別途設ける必要がない。これにより、信号伝送機構122の構成の複雑化を抑制できる。
特に、信号伝送機構122の伝送対象は検出信号であるため、車両用回転電機10のロータコイル35に対して電力供給を行うu相スリップリング機構80uと比較して、信号伝送機構122には、低い電圧値等が印加される。このため、弾性電極133とリング状電極131との接触面積や接触抵抗が多少変動しても、弾性電極133とリング状電極131との接触箇所にて過度な発熱が発生する等といった不都合が生じにくく、検出信号を比較的安定して取得できる。よって、例えば弾性電極133をリング状電極131に向けて押圧する押圧部等を別途設けることなく、ロータコイル35の温度を把握できる。
(2)特に、u相スリップリング81uとu相ブラシ82uとの接触面積は、弾性電極133とリング状電極131との接触面積よりも大きい。また、u相スリップリング機構80uは、u相ブラシ82uを保持するu相ブラシホルダ83uと、u相ブラシホルダ83uが固定されるu相保持プレート85uとを備えている。このため、u相スリップリング機構80uは、比較的構成が複雑となり易く、大型になり易い。
これに対して、信号伝送機構122では、取り扱う電圧値等が低いため、弾性電極133とリング状電極131との接触面積が比較的小さくてもよい。これにより、信号伝送機構122の小型化を図り易い。また、信号伝送機構122は、u相ブラシホルダ83uやu相保持プレート85uに対応する構成を備えていなくてもよい。このため、信号伝送機構122は、u相スリップリング機構80uと比較して、構成が簡素なものとなり易い。よって、信号伝送機構122の小型化を図り易い。
(3)ロータコイル35は複数の相ロータコイル35u〜35wを含み、車両用回転電機10は、複数の相ロータコイル35u〜35wに対応させて、複数のスリップリング機構80u〜80wを備えている。複数のスリップリング機構80u〜80wは、回転軸20の軸線方向Zに離間して配列されている。そして、リング状電極131及び弾性電極133は、複数のスリップリング機構80u〜80wの間に配置されている。かかる構成によれば、デッドスペースである複数のスリップリング機構80u〜80wの間にリング状電極131及び弾性電極133が配置されているため、信号伝送機構122に起因する車両用回転電機10の大型化を抑制できる。よって、車両用回転電機10の大型化を抑制しつつ、ロータコイル35の温度を把握できる。また、複数のスリップリング機構80u〜80wの近くに信号伝送機構122が配置されているため、配線をまとめ易いため、配線の引き回しを比較的容易に行うことができる。
(4)ロータ30は、回転軸20に固定された筒状の絶縁部材70を備えている。絶縁部材70における絶縁縮径部71の外周面71aには、複数のスリップリング機構80u〜80wに対応させて複数のスリップリング81u〜81wが設けられており、複数のスリップリング81u〜81wは、回転軸20の軸線方向Zに離間して配列されている。絶縁部材70(詳細には絶縁縮径部71)には、温度センサ121に電気的に接続された信号配線123a,123bが埋設されている。第1伝送ユニット130aの弾性電極133は、第1信号配線123aに接続されているものであって絶縁縮径部71に埋設された固定端としての基端部133aを有し、絶縁縮径部71の外周面71aから回転軸20の径方向外側に向けて突出している。そして、リング状電極131は、回転軸20の軸線方向Zに幅を有し、絶縁縮径部71の外周面71aに対して回転軸20の径方向外側に配置されている。弾性電極133は、リング状電極131と接触している自由端としての先端部133bを備えている。かかる構成によれば、各スリップリング81u〜81wが絶縁縮径部71の外周面71aに設けられている一方、リング状電極131が絶縁縮径部71の外周面71aに対して回転軸20の径方向外側に配置されているため、各スリップリング81u〜81wとリング状電極131とが接触することを抑制できる。また、各スリップリング81u〜81wと信号伝送機構122との沿面距離(回転軸20の軸線方向Zの距離)を確保することができ、放電による絶縁破壊を抑制できる。
特に、本実施形態では、各スリップリング81u〜81w及びリング状電極131の双方は、回転軸20の軸線方向Zに幅を有する形状であるため、各スリップリング81u〜81w及びリング状電極131は、回転軸20の軸線方向Zにスペースを占め易い。これに対して、本実施形態では、リング状電極131が絶縁縮径部71の外周面71aに対して回転軸20の径方向外側に配置されているため、両者の干渉を抑制することができる。
更に、弾性電極133における絶縁部材70(詳細には絶縁縮径部71)側の端部である基端部133aが、絶縁部材70に埋設された固定端となっている。これにより、基端部133aの位置ずれを抑制することができるため、弾性電極133の基端部133aと各スリップリング81u〜81wとの接触を抑制できる。
また、弾性電極133の突出方向は、遠心力の方向(詳細には回転軸20の径方向)と一致しているため、遠心力が付与されることによる弾性電極133の位置ずれを抑制できる。
(5)弾性電極133の先端部133bは、回転軸20の周方向に向けて湾曲したフック状である。換言すれば、弾性電極133の先端部133bは、回転軸20の軸線方向Zから見てフック状に湾曲している。これにより、弾性電極133とリング状電極131とを安定して接触させることができる。また、弾性電極133が回転軸20の軸線方向Zに占めるスペースを小さくすることができるため、複数のスリップリング機構80u〜80wと、これら複数のスリップリング機構80u〜80wの間に配置されている弾性電極133との接触を抑制できる。
(6)弾性電極133には、当該弾性電極133における絶縁縮径部71の外周面71aから突出している部分のうち先端部133b以外の部分をカバーしている絶縁カバー134が取り付けられている。かかる構成によれば、弾性電極133とリング状電極131とを電気的に接続しつつ、弾性電極133と各スリップリング機構80u〜80wとの接触を、より好適に抑制できる。
ここで、弾性電極133の先端部133bはリング状電極131と接触している関係上、弾性電極133の先端部133bに絶縁カバー134を設けることはできない。このため、仮にリング状電極131を絶縁縮径部71の外周面71aに設けると、弾性電極133は、当該弾性電極133の先端部133bが基端部133aよりも絶縁縮径部71側となるように配置する必要がある。すると、自由端であって絶縁カバー134にカバーされない弾性電極133の先端部133bが各スリップリング81u〜81wに近づくこととなり、弾性電極133と各スリップリング81u〜81wとが接触し易いという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態では、上述した通り、リング状電極131が絶縁縮径部71の外周面71aよりも回転軸20の径方向外側に配置され、弾性電極133が、絶縁縮径部71の外周面71aから回転軸20の径方向外側に向けて突出している。これにより、上記不都合を回避できる。
(7)車両用回転電機10は、保持プレート85u〜85wとユニット化された状態でハウジング11に固定されているものであって、リング状電極131を回転軸20の径方向外側から覆っているカバー部材90を備えている。そして、リング状電極131は、カバー部材90に支持されている。詳細には、信号伝送機構122は、リング状電極131を支持した状態でカバー部材90に固定された支持部132を備えている。かかる構成によれば、カバー部材90は、各保持プレート85u〜85wとユニット化された状態でハウジング11に固定されているため、カバー部材90は回転軸20の回転に伴って回転しないようになっている。そして、リング状電極131はそのカバー部材90によって支持されている。よって、複数のスリップリング機構80u〜80wの間に配置されているリング状電極131を、回転軸20の回転に伴って回転しないようにすることができる。
(8)信号伝送機構122は、エアー室A1に収容されている。これにより、信号伝送機構122にオイルが付着することを抑制できる。よって、検出信号の信号伝送に対するオイルの悪影響を抑制できるため、把握されるロータコイル35の温度の信頼性の向上を図ることができる。
(9)ロータ30は、ロータコイル35が捲回されたインナーロータ33を有している。車両用回転電機10は、インナーロータ33に対して回転軸20の径方向外側に配置され、永久磁石42を有するアウターロータ40を備えている。これにより、例えばインナーロータ33及びアウターロータ40のうち一方の回転力を力行に用い、他方の回転力を発電に用いることができる。
かかる構成においては、インナーロータ33にロータコイル35が捲回されているため、スリップリング機構80が必要となる。そして、そのロータコイル35の温度を精度よく把握するためには、回転軸20と一体回転するロータ30に温度センサ121を設ける必要が生じる。これに対して、本実施形態では、上記のように、車両用回転電機10がスリップリング機構80とは別に信号伝送機構122を備えていることにより、インナーロータ33及びアウターロータ40の双方を備えている車両用回転電機10において、インナーロータ33に捲回されているロータコイル35の温度を好適に把握できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、信号伝送機構の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の信号伝送機構140は、互いに対向配置された絶縁拡径部72と対向壁部73との間に設けられている。信号伝送機構140は、絶縁拡径部72のテーパ面72aに設けられたリング状電極141a,141bを備えている。リング状電極141a,141bは、回転軸20と同一軸線上に配置されている。リング状電極141a,141bは、テーパ面72aに対応させて、回転軸20の軸線方向Zの一端から他端に向けて徐々に拡径しており、拡径側の端部が縮径側の端部よりも軸拡径部21に近づくように配置されている。
リング状電極141a,141bは、テーパ面72aに形成された環状の収容溝142a,142bに嵌り込んだ状態で絶縁拡径部72に固定されている。これにより、リング状電極141a,141bは、回転軸20の回転に伴って回転する。リング状電極141a,141bは信号配線123a,123bに電気的に接続されている。
図6に示すように、信号伝送機構140は、弾性変形によってリング状電極141a,141bを押圧している弾性電極143a,143bと、両弾性電極143a,143bを支持する支持部144を備えている。支持部144は、対向壁部73の対向壁面73aに固定されており、弾性電極143a,143bが回転軸20の回転に伴って回転しないように支持している。支持部144は筒状であって、回転軸20と同一軸線上に配置されている。
支持部144は、対向壁面73aが傾斜していることに対応させて、回転軸20の軸線方向Zの一端から他端に向けて徐々に拡径しており、拡径側の端部が縮径側の端部よりも軸拡径部21に近づくように配置されている。支持部144と両リング状電極141a,141bとは、テーパ面72a及び対向壁面73aの対向方向に対向している。
図6及び図7に示すように、弾性電極143a,143bは、支持部144に埋設されている基端部143aa,143baを備え、支持部144におけるテーパ面72aと対向する支持内周面144aからリング状電極141a,141bに向けて突出している。換言すれば、弾性電極143a,143bの突出方向は、絶縁拡径部72と対向壁部73との対向方向と一致している。そして、弾性電極143a,143bは、リング状電極141a,141bに接触している先端部143ab,143bbを備えている。弾性電極143a,143bの先端部143ab,143bbは、回転軸20の周方向に湾曲したフック状となっている。
なお、支持部144が対向壁部73に固定されていることに着目すれば、弾性電極143a,143bの基端部143aa,143baは、支持部144を介して、回転軸20の回転に伴って回転しないように対向壁部73に固定されていると言える。
信号伝送機構140は、弾性電極143a,143bをカバーする絶縁カバー145a,145bを備えている。当該絶縁カバー145a,145bについては、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、信号伝送機構140は、弾性電極143a,143bの基端部143aa,143baと電気的に接続されている信号リード線146a,146bを備えている。信号リード線146a,146bは、支持部144から引き出されており、制御装置に接続されている。なお、本実施形態では、弾性電極143a,143bと信号リード線146a,146bとは一体形成されているが、これに限られず、両者は別体であってもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(10)ロータ30は、回転軸20に固定された筒状の絶縁部材70を備えている。回転軸20は、太さが相違する軸拡径部21及び軸縮径部22を備えており、絶縁部材70は、軸縮径部22を覆う筒状の絶縁縮径部71と、絶縁縮径部71の外径よりも長い外径を有する筒状の絶縁拡径部72とを備えている。そして、ハウジング11は、絶縁拡径部72と対向する対向壁部73を備えている。これにより、対向壁部73によって、対向壁部73よりも絶縁縮径部71側(詳細には右側)の冷媒や粉塵が対向壁部73よりも軸拡径部21側(詳細には左側)に流入することを規制できる。よって、絶縁縮径部71に設けられているスリップリング機構80を冷却する冷媒が、対向壁部73よりも左側に流れてしまうことを抑制できたり、対向壁部73よりも左側に設けられているリップシール24に粉塵が付着することを抑制できたりする。
(11)絶縁部材70には、温度センサ121と電気的に接続された信号配線123a,123bが埋設されている。信号伝送機構140は、信号配線123a,123bに接続された状態で絶縁拡径部72に設けられているリング状電極141a,141bと、対向壁部73に固定され、リング状電極141a,141bを押圧している弾性電極143a,143bとを備えている。これにより、(1)等の効果を得ることができる。また、デッドスペースである絶縁拡径部72と対向壁部73との間のスペースを用いて、検出信号を取り出すことができるため、車両用回転電機10の大型化を抑制できる。
(12)弾性電極143a,143bは、回転軸20の回転に伴って回転しない対向壁部73に固定されている。これにより、弾性電極143a,143bには遠心力は付与されないため、遠心力が付与されることに起因する弾性電極143a,143bの位置ずれを回避できる。
詳述すると、仮に回転軸20と一体回転する絶縁拡径部72に弾性電極143a,143bが設けられていると、回転軸20の回転に伴って弾性電極143a,143bも回転する。この場合、弾性電極143a,143bに対して回転軸20の径方向外側に向かう遠心力が付与される。すると、絶縁拡径部72と対向壁部73との対向方向が回転軸20の径方向に対して交差しており、且つ、弾性電極143a,143bの突出方向が上記対向方向と一致している構成においては、弾性電極143a,143bが回転していない状態の位置から、回転軸20の径方向外側にずれる。この場合、弾性電極143a,143bとリング状電極141a,141bとが接触しなくなったり、両者の接触面積が変動したりする不都合が生じ得る。これに対して、本実施形態では、弾性電極143a,143bには遠心力は付与されないため、上記不都合を回避できる。
(第3実施形態)
図8に示すように、本実施形態の信号伝送機構150は、回転軸20の回転に伴って回転する平板リング状の回転側絶縁リング151と、回転軸20の回転に伴って回転しないように保持されたものであって回転側絶縁リング151と回転軸20の軸線方向Zに対向する保持側絶縁リング152とを備えている。回転側絶縁リング151及び保持側絶縁リング152は、例えば樹脂等で形成されている。回転側絶縁リング151が「第1絶縁リング」に対応し、保持側絶縁リング152が「第2絶縁リング」に対応する。
本実施形態の信号伝送機構150(詳細には回転側絶縁リング151及び保持側絶縁リング152)は、回転軸20の軸線方向Zに互いに対向配置されているスリップリング機構80(詳細にはw相スリップリング機構80w)とレゾルバ23との間に配置されている。
保持側絶縁リング152は、ハウジング11内に設けられた基板支持部153によってハウジング11に固定されている。詳細には、基板支持部153は、回転軸20の軸縮径部22が挿通された挿通孔が形成された底部を有する有底円筒状である。基板支持部153は、回転軸20の軸線方向Zの一方(詳細には右方向)に開口しており、その開口端は第2カバーハウジング14に固定されている。保持側絶縁リング152は、回転側絶縁リング151と対向している第1保持側板面152aと、第1保持側板面152aとは反対側の第2保持側板面152bとを備えている。第2保持側板面152bと基板支持部153の底部とは接触しており、当該接触箇所にて固定されている。第1保持側板面152aが「第2対向面」に対応する。
回転側絶縁リング151は、回転軸20の外周面、及び、絶縁縮径部71における軸線方向の端面71bと接触した状態で、絶縁縮径部71に固定されている。回転側絶縁リング151と絶縁縮径部71とは一体回転する。なお、回転側絶縁リング151と絶縁縮径部71とは、一体回転するようになっていれば、その具体的な固定態様は任意であり、例えばネジ等の固定具による固定でもよいし、バネなどで付勢することによって固定されていてもよい。
ここで、絶縁縮径部71に埋設されている第1信号配線123aは、回転軸20の軸線方向Zに延びており、第1信号配線123aの端面123aaは絶縁縮径部71から回転軸20の軸線方向Zに露出している。また、回転側絶縁リング151における絶縁縮径部71の端面71bと接触している第1回転側板面151aには、第1接続電極154aが設けられている。第1接続電極154aは、回転軸20の軸線方向Zに露出した状態で回転軸20の径方向に延びている。第1接続電極154aは第1信号配線123aと接合されている。詳細には、第1接続電極154aは、第1信号配線123aの端面123aaと接触している状態で固定されている。なお、第1接続電極154aと第1信号配線123aとの具体的な接合態様は、例えば押し付け圧接や、コネクタ構造や、バネ構造等任意である。
同様に、第2信号配線123bの端面は絶縁縮径部71から回転軸20の軸線方向Zに露出している。そして、第1回転側板面151aには、第2信号配線123bと接合されている第2接続電極154bが設けられている(図10参照)。第2接続電極154bは、回転軸20の軸線方向Zに露出した状態で回転軸20の径方向に延びており、第2信号配線123bの端面と接触している。
図8〜図10に示すように、信号伝送機構150は、回転側絶縁リング151に設けられた弾性電極155a,155bを備えている。弾性電極155a,155bは、接続電極154a,154bと電気的に接続されている基端部155aa,155baを備え、第1回転側板面151aとは反対側であって第1保持側板面152aと対向している第2回転側板面151bから第1保持側板面152aに向けて突出している。第2回転側板面151bが「第1対向面」に対応する。なお、弾性電極155a,155bと接続電極154a,154bとは一体形成されているが、これに限られず、両者は別体でもよい。
図10に示すように、両弾性電極155a,155bは、互いに干渉しないように、回転軸20の周方向にずれているとともに回転軸20の径方向にずれて配置されている。また、弾性電極155a,155bの基端部155aa,155baは、回転側絶縁リング151に埋設されている。弾性電極155a,155bは、回転軸20の回転に伴って回転する。
第1保持側板面152aには、リング状電極156a,156bが設けられている。リング状電極156a,156bは、回転軸20の軸線方向Zに露出した状態で第1保持側板面152aに埋め込まれている。リング状電極156a,156bは、回転軸20の径方向に幅を有する平板リング状であり、両リング状電極156a,156bは同心円状に配置されている。第1リング状電極156aは、第2リング状電極156bよりも一回り大きく形成されており、詳細には、第1リング状電極156aの内径は、第2リング状電極156bの外径よりも長く設定されている。
ここで、図8及び図10に示すように、第1弾性電極155aは、第1リング状電極156aと回転軸20の軸線方向Zに対向する位置に設けられている。第1弾性電極155aは、第1リング状電極156aと接触している先端部155abを備えている。当該先端部155abは、第1リング状電極156aの周方向に湾曲している。
同様に、第2弾性電極155bは、第2リング状電極156bと回転軸20の軸線方向Zに対向する位置に設けられている。第2弾性電極155bは、第2リング状電極156bと接触している先端部155bbを備えている。当該先端部155bbは、第2リング状電極156bの周方向に湾曲している。
また、図8〜図10に示すように、信号伝送機構150は、弾性電極155a,155bをカバーする絶縁カバー157a,157bを備えている。絶縁カバー157a,157bについては、第1実施形態の絶縁カバー134と同一の構成である。
なお、図示は省略するが、信号伝送機構150は、リング状電極156a,156bと電気的に接続された信号リード線を備えており、当該信号リード線は、制御装置に接続されている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(13)信号伝送機構150は、絶縁部材70の絶縁縮径部71に固定された平板リング状の回転側絶縁リング151と、ハウジング11に固定されたものであって、回転側絶縁リング151と回転軸20の軸線方向Zに対向する保持側絶縁リング152とを備えている。保持側絶縁リング152における回転側絶縁リング151との対向面である第1保持側板面152aには、回転軸20の径方向に幅を有するリング状電極156a,156bが設けられている。回転側絶縁リング151における第1保持側板面152aとの対向面である第2回転側板面151bには、当該第2回転側板面151bから第1保持側板面152aに向けて突出した弾性電極155a,155bが設けられている。そして、弾性電極155a,155bは、回転側絶縁リング151に設けられている接続電極154a,154bを介して信号配線123a,123bに電気的に接続されている。これにより、回転軸20の回転に伴って、弾性電極155a,155bとリング状電極156a,156bとが摺動する。よって、ロータ30に設けられた温度センサ121の検出信号を取り出すことができ、(1)等の効果を得ることができる。
(14)回転軸20には、ロータ30の回転角を検出するレゾルバ23が取り付けられており、w相スリップリング機構80wとレゾルバ23とは、回転軸20の軸線方向Zに離間して配置されている。かかる構成において、信号伝送機構150の回転側絶縁リング151及び保持側絶縁リング152は、デッドスペースであるw相スリップリング機構80wとレゾルバ23との間に配置されている。これにより、信号伝送機構150を設けることに伴う車両用回転電機10の大型化を抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ステータ60を省略してもよい。
○ アウターロータ40を省略して、1つのロータ30とステータ60とによって構成された車両用回転電機でもよい。
○ 温度センサ121は、ロータ30に設けられ、ロータコイル35の温度を検出することができれば、その具体的な設置位置は任意である。この場合、制御装置は、温度センサ121によって検出された検出温度をロータコイル35の温度としてもよいし、検出温度からロータコイル35の温度を推定してもよい。
○ ブラシ82u〜82wをスリップリング81u〜81wに向けて押圧する押圧部の具体的な構成は、巻きバネ84u〜84wに限られず任意である。また、巻きバネ84u〜84wを省略してもよい。
○ スリップリング機構80の数は3つに限られず任意である。同様に、1つのスリップリング機構80のブラシの数は3つに限られず任意である。
○ 絶縁拡径部72の外径は、回転軸20の軸線方向Zの位置に応じて異なっていたが、これに限られず、回転軸20の軸線方向Zの位置に関わらず一定となっていてもよい。つまり、絶縁拡径部の軸線方向の端面は、回転軸20の軸線方向Zと直交する面でもよい。この場合、対向壁部73は、絶縁拡径部72の軸線方向の端面と回転軸20の軸線方向Zに対向しているとよい。要は、絶縁拡径部72と対向壁部73との対向方向は、回転軸20の軸線方向Zと交差していてもよいし、一致していてもよい。
○ 回転軸20の太さは一定でもよい。
○ 第1実施形態において、絶縁カバー134は、弾性電極133における先端部133b以外の部分のうち少なくとも一部を覆っていればよい。また、絶縁カバー134を省略してもよい。他の実施形態についても同様である。
○ 第1実施形態において、1つの信号伝送機構122に弾性電極133が複数設けられていてもよい。第2実施形態などについても同様である。
○ 第1実施形態及び第3実施形態においては、対向壁部73を省略してもよい。
○ カバー部材90を省略してもよい。この場合、第1実施形態のリング支持部132aは、ハウジング11に直接固定されているとよい。
○ 信号伝送機構122,140,150はエアー室A1以外に配置されてもよい。
○ 車両用回転電機10は、エアー室A1内を冷媒が循環するように構成されていたが、これに限られず、冷媒が循環しないように構成されていてもよい。
○ 第1実施形態において、リング状電極131が絶縁縮径部71の外周面71aに設けられてもよい。この場合、弾性電極133は、リング支持部132aに固定されてもよいし、リング支持部132aを省略して、カバー部材90に直接固定されてもよい。
○ 第1実施形態では、弾性電極133の先端部133bの形状はフック状となっていたが、これに限られない。弾性電極133の先端部133bの形状は任意である。他の実施形態についても同様である。
○ 第2実施形態において、弾性電極143a,143bが絶縁拡径部72に設けられ、リング状電極141a,141bが対向壁部73に固定されていてもよい。
○ 第3実施形態において、弾性電極155a,155bが保持側絶縁リング152の第1保持側板面152aに設けられ、リング状電極156a,156bが回転側絶縁リング151の第2回転側板面151bに設けられていてもよい。この場合、遠心力に起因する弾性電極155a,155bの位置ずれを回避できる。
○ 第3実施形態において、信号伝送機構150(詳細には回転側絶縁リング151及び保持側絶縁リング152)は、スリップリング機構80(詳細にはu相スリップリング機構80u)と対向壁部73との間に配置されていてもよい。
○ 信号伝送機構122,140,150によって取り出された検出信号が入力される制御装置は、車両用回転電機10に一体化されていてもよいし、別体でもよい。また、ロータコイル35を駆動させるロータ側インバータ、及び、ステータコイル62を駆動させるステータ側インバータは、車両用回転電機10に一体化されていてもよいし、車両用回転電機10と別体でもよい。
○ 車両用回転電機10は、ハイブリッドトランスアクスルに用いられていたが、他の用途に用いられてもよい。また、車両は、エンジンと蓄電装置とを有するハイブリッド車両に限られず任意である。
10…車両用回転電機、11…ハウジング、20…回転軸、21…軸拡径部、22…軸縮径部、23…レゾルバ(回転角センサ)、30…ロータ、33…インナーロータ、35…ロータコイル、40…アウターロータ、60…ステータ、70…絶縁部材、71…絶縁縮径部、71a…絶縁縮径部の外周面、72…絶縁拡径部、72a…テーパ面、73…対向壁部、73a…対向壁面、80…スリップリング機構、81u〜81w…スリップリング、82u〜82w…ブラシ、83u〜83w…ブラシホルダ、84u〜84w…巻きバネ、85u〜85w…保持プレート、90…カバー部材、121…温度センサ、122,140,150…信号伝送機構、123a,123b…信号配線、131,141a,141b,156a,156b…リング状電極、133,143a,143b,155a,155b…弾性電極、133a,143aa,143ba,155aa,155ba…弾性電極の基端部、133b,143ab,143bb,155ab,155bb…弾性電極の先端部、134,145a,145b,157a,157b…絶縁カバー、151…回転側絶縁リング(第1絶縁リング)、152…保持側絶縁リング(第2絶縁リング)、A1…エアー室、A2…オイル室。

Claims (9)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸と一体回転するものであってコイルが捲回されたロータと、
    前記コイルに対して電力供給を行うのに用いられるスリップリング機構と、
    前記ロータに設けられ、前記コイルの温度を把握するのに用いられる温度センサと、
    前記スリップリング機構とは別に設けられ、前記温度センサによって検出された検出信号を伝送する信号伝送機構と、
    前記ロータ、前記スリップリング機構及び前記信号伝送機構が収容されたハウジングと、を備え、
    前記スリップリング機構は、前記回転軸と一体回転するものであって前記コイルに電気的に接続されたスリップリングと、前記スリップリングに対して摺動可能な状態で接触しているブラシと、前記ブラシを前記スリップリングに向けて押圧する押圧部と、を備え、
    前記信号伝送機構は、前記回転軸の周方向に延びたリング状電極と、弾性変形によって前記リング状電極を押圧している弾性電極と、を備え、前記弾性電極と前記リング状電極とは、前記ロータが回転している状況において摺動することを特徴とする車両用回転電機。
  2. 前記コイルは、複数の相コイルを含み、
    前記スリップリング機構は、前記複数の相コイルに対応させて複数設けられており、当該複数のスリップリング機構は、前記回転軸の軸線方向に互いに離間して配列されており、
    前記リング状電極及び前記弾性電極は、前記複数のスリップリング機構の間に配置されている請求項1に記載の車両用回転電機。
  3. 前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、
    前記スリップリングは、前記複数のスリップリング機構に対応させて複数設けられており、当該複数のスリップリングは、前記絶縁部材の外周面に、前記回転軸の軸線方向に互いに離間して設けられており、
    前記絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、
    前記弾性電極は、前記信号配線に電気的に接続されているものであって前記絶縁部材に埋設されている基端部を有し、前記絶縁部材の外周面から前記回転軸の径方向外側に向けて突出しており、
    前記リング状電極は、前記回転軸の軸線方向に幅を有し、前記絶縁部材の外周面に対して前記回転軸の径方向外側に配置されており、
    前記弾性電極は、前記リング状電極と接触している先端部を有している請求項2に記載の車両用回転電機。
  4. 前記弾性電極には、当該弾性電極における前記絶縁部材の外周面から突出している部分のうち前記先端部以外の部分をカバーしている絶縁カバーが取り付けられている請求項3に記載の車両用回転電機。
  5. 前記スリップリング機構は、
    前記ブラシを保持するブラシホルダと、
    前記ブラシホルダが固定される保持プレートと、
    を備え、
    前記車両用回転電機は、前記保持プレートとユニット化された状態で前記ハウジングに固定されたものであって、前記リング状電極を前記回転軸の径方向外側から覆っているカバー部材を備え、
    前記リング状電極は、前記カバー部材に支持されている請求項3又は請求項4に記載の車両用回転電機。
  6. 前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、
    当該絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、
    前記回転軸は、
    軸拡径部と、
    前記軸拡径部よりも縮径された軸縮径部と、
    を備え、
    前記絶縁部材は、
    前記軸縮径部を覆う筒状の絶縁縮径部と、
    前記絶縁縮径部の外径よりも長い外径を有する筒状の絶縁拡径部と、
    を備え、
    前記スリップリングは前記絶縁縮径部の外周面に設けられており、
    前記ハウジングは、前記絶縁拡径部と対向する対向壁部を備え、
    前記絶縁拡径部には、前記リング状電極及び前記弾性電極のうちの一方が前記信号配線に電気的に接続された状態で設けられており、前記対向壁部には、前記リング状電極及び前記弾性電極のうちの他方が固定されている請求項1に記載の車両用回転電機。
  7. 前記リング状電極は、前記信号配線と電気的に接続された状態で前記絶縁拡径部に設けられており、
    前記弾性電極は、前記回転軸の回転に伴って回転しないように前記対向壁部に固定された基端部を備え、該基端部から前記リング状電極に向けて突出しており、
    前記弾性電極の先端部が前記リング状電極に接触している請求項6に記載の車両用回転電機。
  8. 前記ロータは、前記回転軸に固定された筒状の絶縁部材を備え、
    当該絶縁部材には、前記温度センサと電気的に接続された信号配線が埋設されており、
    前記信号伝送機構は、
    前記絶縁部材に固定された平板リング状の第1絶縁リングと、
    前記ハウジングに固定されたものであって、前記第1絶縁リングと前記回転軸の軸線方向に対向する第2絶縁リングと、
    を備え、
    前記第1絶縁リングにおける前記第2絶縁リングとの対向面である第1対向面、及び、前記第2絶縁リングにおける前記第1対向面との対向面である第2対向面のうちいずれか一方の対向面には、前記回転軸の径方向に幅を有する前記リング状電極が設けられ、
    前記第1対向面及び前記第2対向面のうち他方の対向面には当該他方の対向面から前記一方の対向面に向けて突出した前記弾性電極が設けられており、
    前記第1対向面に設けられている電極は、前記信号配線に電気的に接続されている請求項1に記載の車両用回転電機。
  9. 前記回転軸には、前記ロータの回転角を検出する回転角センサが取り付けられており、
    前記スリップリング機構と前記回転角センサとは、前記回転軸の軸線方向に離間して配置されており、
    前記第1絶縁リング及び前記第2絶縁リングは、前記スリップリング機構と前記回転角センサとの間に配置されている請求項8に記載の車両用回転電機。
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