JP2017011330A - 通信不正成立防止システム - Google Patents

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Masanori Kosugi
正則 小杉
惠 森
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Abstract

【課題】システムを簡素化することができる通信不正成立防止システムを提供する。
【解決手段】車両1は、UWBアンテナ22からUWB電波を電子キー2に送信する。電子キー2は、UWB電波を受信したとき、この電波に対する応答としてUHF電波を車両1に返信するが、このUHF電波を、受信したUWB電波で同期をとる。車両1は、UWB電波と同期がとられたUHF電波を受信すると、送信したUWB電波のパルスエッジと、受信したUHF電波のパルスエッジのタイミングを確認することにより、ID照合の通信の正否を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ID照合の通信において不正な通信成立を防止する通信不正成立防止システムに関する。
従来、車両等において、電子キーから電子キーIDを車両に無線送信してID照合を行う電子キーシステムが周知である。ところで、この種の電子キーシステムにおいては、ユーザの意志によらないところでID照合成立を謀る不正行為として、中継器を使った不正行為(中継器使用不正行為:特許文献1等参照)というものがある。中継器使用不正行為は、例えば電子キーが車両から遠い場所に位置する際に、この電子キーを複数の中継器によって車両と繋いで電波を中継し、これら2者間の通信を成立させる行為である。よって、ユーザが気付かないところでID照合が成立されてしまうので、第三者によって不正にドア解錠やエンジンが始動されてしまう可能性がある。
この中継器を使用した不正通信に対する対策としては、例えば車両から超広帯域通信に準じた電波であるUWB(Ultra Wide Band)電波にて極小パルスを電子キーに送信し、同電波を受信した電子キーがUWB電波を車両に返信することにより、UWB電波の送受信に要する時間から2者間の距離を測定する対策がある(特許文献2等参照)。測定された距離が規定値よりも長い場合には、通信が不正である可能性が高いとして、ID照合の成立を許可しない。
特開2006−161545号公報 特開2014−227647号公報
しかし、特許文献2は、車両及び電子キーの双方にUWB電波の送受信機を設ける必要があり、システムが大掛かりになる懸念があった。特に、電子キーにUWB電波の送信機及び受信機の両方の回路が必要になると、電子キーのサイズが大型化してしまうので、この点からも何らかの対策が必要であった。
本発明の目的は、システムを簡素化することができる通信不正成立防止システムを提供することにある。
前記問題点を解決する通信不正成立防止システムは、通信相手からの通信を契機に電子キーから電子キーIDを前記通信相手に無線送信させて当該電子キーIDを照合するとき、ID照合の通信の正否を判定する構成において、前記通信相手及び電子キーの一方から超広帯域通信の電波を送信させる送信制御部と、前記超広帯域通信の電波を他方において受信したとき、その応答をID照合の通信の周波数の電波により相手に返すにあたり、当該応答の電波を、受信した前記超広帯域通信の電波で同期をとって送信する同期処理部と、前記超広帯域通信の電波の送信後に前記応答の電波を相手から受信したとき、当該電波のパルスの変化を確認することにより、前記ID照合の通信の正否を判定する通信正否判定部とを備えた。
本構成によれば、電子キー及びその通信相手の一方から送信された超広帯域通信の電波を他方で受信したとき、その電波に対する応答を、ID照合の通信の周波数の電波によって相手に返信する動作をとるが、このときの応答の電波を、受信した超広帯域通信の電波によって同期をとる。これにより、応答の電波が超狭帯域通信の電波に関連付けられることになる。そして、超広帯域通信の電波を送信した側は、当該電波の送信タイミングを知っているので、相手から応答の電波を受信したとき、超広帯域通信の電波を送信したときを起点として、受信した応答の電波のパルス変化を確認すれば、いま通信中の相手が正しいか否かを識別することが可能となる。こうすることで、ID照合の通信の正否を判定する。このように、本構成においては、通信の正否を判定するにあたって、電子キー及びその通信相手の双方に、超広帯域通信用の送受信機(送受信回路)を設けずに済む。よって、システムの構成を簡素化することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記超広帯域通信の電波は、極小のパルス波であることが好ましい。この構成によれば、電波波形の立ち上がりが急峻となるので、ID照合の通信の正否判定を、より正しく行うのに有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記送信制御部は、通信正否の判定の期間中、前記超広帯域通信の電波を複数回送信させて、通信正否の判定を複数回実行させることが好ましい。この構成によれば、判定精度が確保されるので、より正しい判定結果を得るのに有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記通信相手及び電子キーの間のID照合が成立することを確認できた後に、前記同期処理部の回路を通電する通電制御部を備えることが好ましい。この構成によれば、通信正否の判定時のみ同期処理部の回路が起動されるので、消費電力を少なく抑えるのに有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記通信正否判定部は、受信した前記応答の電波を、ある閾値でコンパレーションすることにより、受信側において急峻なパルスを取得し、当該パルスを基に、前記超広帯域通信の電波を送信してから前記応答の電波を受信するまでに要した時間を求めて、当該時間から通信の正否を判定することが好ましい。この構成によれば、受信した電波が緩やかな変化波形をとるものであっても、これをコンパレーションすることによって急峻な変化波形に切り替えることが可能となるので、通信正否の判定を正しく行うのに一層有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記通信正否判定部は、前記応答の電波を受信したとき、自らが送信する前記超広帯域通信の電波を送信タイミングとの相関を確認することにより、自らに対応する当該応答の電波のみ取得することが好ましい。この構成によれば、仮に他から応答の電波を受信したとしても、これを判定から除外することが可能となるので、通信正否の判定を正しく行うのに一層有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、室内に位置する前記電子キーとの間で前記ID照合が成立し、かつ当該ID照合の通信も正当と判定されたとき、車両においてエンジンの始動操作が許可されることが好ましい。この構成によれば、ID照合成立及び通信正当の両条件が揃わないとエンジン始動操作が許可されないので、車両盗難に対するセキュリティ性が確保される。
本発明によれば、通信不正成立防止システムにおいて、システムを簡素化することができる。
一実施形態の通信不正成立防止システムの構成図。 UWB電波の受信を契機にUHF電波のパルスを反転させるシーケンス図。 UWB電波の波形図。 通信正否の判定ロジックを示すシーケンス図。
以下、通信不正成立防止システムの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、電子キー2と無線によりID照合を行う電子キーシステム3を備える。電子キー2には、キー固有のIDとして電子キーIDが書き込み保存されている。本例の電子キーシステム3は、車両1からの通信を契機に狭域通信を通じて電子キー2とID照合を実施するキー操作フリーシステムである。一般に、キー操作フリーシステムで実施されるID照合を「スマート照合」といい、その通信を「スマート通信」という。
車両1は、ID照合(スマート照合)を行う照合ECU(Electronic Control Unit)4と、車載電装品の電源や駆動を管理するボディECU5と、エンジン7を制御するエンジンECU6とを備える。これらECUは、車内の通信線8を通じて電気接続されている。通信線8は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)からなる。照合ECU4には、車両1に登録された電子キー2の電子キーIDがメモリ(図示略)に書き込み保存されている。車両1は、室外に電波を送信する室外送信機9と、室内に電波を送信する室内送信機10と、車両1において電波を受信する電波受信機11とを備える。室外送信機9及び室内送信機10は、例えばLF(Low Frequency)帯の電波を送信する。電波受信機11は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信する。電子キー2は、LF電波を受信可能であり、UHF電波を送信可能である。ボディECU5は、車両ドアに設けられたドアロック機構12の作動を制御することにより、車両ドアの施解錠を切り替える。
電子キー2は、電子キー2の動作を制御するキー制御部15と、電子キー2において電波受信を可能とする受信部16と、電子キー2において電波送信を可能とする送信部17とを備える。キー制御部15には、キー固有のIDとして電子キーIDがメモリ(図示略)に書き込み保存されている。受信部16は、例えばLF電波を受信する。送信部17は、例えばUHF電波を送信する。
電子キー2が室外送信機9の通信エリアに進入して車両1及び電子キー2の間で通信(車外スマート通信)が確立すると、LF−UHFの双方向通信によるスマート照合(車外スマート照合)が開始される。スマート照合には、車両1が持つ固有の車両コードを認証する車両コード照合と、暗号鍵(認証鍵)を使用したチャレンジレスポンス認証と、電子キーIDを認証する電子キーID照合とが含まれる。照合ECU4は、車外に位置する電子キー2との間で、これら照合や認証の全てが成立することを確認すると、車外スマート照合を成立とみなし、例えば車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
照合ECU4は、電子キー2が室内送信機10の通信エリアに進入して通信(車内スマート通信)が確立すると、車外のときと同様のスマート照合(車内スマート照合)を実行する。照合ECU4は、車内スマート照合が成立することを確認すると、エンジンスイッチ(図示略)の操作による車両電源の遷移を許可する。
電子キーシステム3は、例えば第三者等による中継器を用いたID照合の通信(スマート通信)の不正成立を防止する通信不正成立防止機能(通信不正成立防止システム20)を備える。本例の通信不正成立防止システム20は、電子キー2の通信相手19(本例は車両1)から超広帯域通信(UWB:Ultra Wide Band通信)の電波S1を電子キー2に送信し、その応答の電波S2を、ID照合の通信の周波数により電子キー2から通信相手19に返信させる。すなわち、車両1から電子キー2に極小のパルス波のUWB電波を送信し、電子キー2から車両1へはUHF電波を応答として送信する。このUWB−UHFの通信により、電子キー2と通信相手19(本例は車両1)との間の距離を求め、この距離からID照合の通信の正否を判定する。
通信不正成立防止システム20は、通信相手19側においてID照合を管理する通信マスタ21(本例は照合ECU4)に設けられたアンテナ(以下、UWBアンテナ22と記す)から超広帯域通信の電波(UWB電波)を送信させる送信制御部23を備える。送信制御部23は、照合ECU4に設けられる。送信制御部23は、送信制御部23は、距離測定を実施するUWB電波として、極小パルスの電波を送信する。UWB電波は、スマート照合の開始前、実行中、実施後などいずれにおいて送信されてもよく、送信タイミングは、特に問わない。
通信不正成立防止システム20は、UWB電波の受信に対する応答をUWB電波に同期させる同期処理部24を備える。同期処理部24は、キー制御部15に設けられる。同期処理部24は、UWB電波を電子キー2において受信したとき、その応答を電子キー2からID照合の通信の周波数の電波(UHF電波)により通信相手19に返すにあたり、その応答のUHF電波を、電子キー2で受信したUWB電波によって同期をとって送信させる。
図2に示すように、同期処理部24は、車両1から送信されたUWB電波を電子キー2で受信したタイミング(瞬間)で、UHF帯の電波によって返信するUHF電波のパルスエッジを強制的に合わせることにより、UWB電波とUHF電波との同期をとる。これら電波の同期の取り方としては、例えばUWB電波の受信時にパルスを反転させる方法や、いま実施している通信において、この後、反転するであろうパルスを早める方法を用いてもよい。なお、UHF電波の変調方式は、AM(Amplitude Modulation)、FM(Frequency Modulation)、PM(Phase Modulation)のいずれでもよい。また、UWB電波のパルスは、ランダマイズされたタイミングとし、少なくとも通信中に1回以上存在すればよく、UHF通信される電波(UHF電波)のパケットに対して数回あれば足りる。
図1に戻り、本例の同期処理部24は、受信したUWB電波をトリガにしてUHF電波を反転させて送信する通信回路からなる。具体的な例として、同期処理部24は、超広帯域通信の電波を受信可能なアンテナ(以下、UWBアンテナ27と記す)と、UWBアンテナ27で受信した電波を増幅するアンプ28と、増幅後の信号電圧を監視するディテクタ29と、ディテクタ29を通過後の信号をコンパレーションするコンパレータ30と、コンパレート後の信号を強制反転させる反転素子31とを備える。同期処理部24を通過した信号は、送信部17からUHF電波として車両1に返信される。
通信不正成立防止システム20は、電子キー2及び通信相手19(本例は車両1)の間のID照合(スマート照合)が成立することが確認できた後に同期処理部24の回路を通電する通電制御部34を備える。通電制御部34は、キー制御部15に設けられる。本例の通電制御部34は、例えば車両1からスマート照合成立通知を受信するなどしてスマート照合が成立することを確認すると、アンプ28に電源を入れるなどして、同期処理部24を起動する。
通信不正成立防止システム20は、電子キー2から送信された応答の電波S2のパルス変化を確認することにより通信の正否を判定する通信正否判定部36を備える。通信正否判定部36は、照合ECU4に設けられる。通信正否判定部36は、通信相手19(本例は車両1)からUWB電波を送信した後に電子キー2から受信したUHF電波において、このUHF電波のパルスの変化を確認することにより、ID照合(スマート照合)の通信の正否を判定する。
次に、図3及び図4を用いて、通信不正成立防止システム20の動作を説明する。
図3に示すように、UWB電波は、使用する周波数帯域が広く、帯域幅が広い。このため、UWB通信の場合には、例えば中継器を用いて不正に通信を確立させようとする行為が行われても、同程度の帯域がないと無線によるリレーができないので、UWB通信を用いて通信の不正判定を実施すれば、結果、中継器を用いた不正通信に対する高いセキュリティ性が確保される。仮に、狭い帯域でUWB通信のパルスのエッジ情報だけをリレーしようとしても、帯域幅に反比例してエッジの立ち上がりが鈍くなるので、現実には不可能である。具体的には、例えば1μsの立ち上がりには、1MHzの帯域が必要である。
UWB電波は、例えば帯域幅が500MHz以上であり、かつ周波数がマイクロ波帯の電波である。例えば、UWB電波の周波数は、3GHz〜11GHzが好ましい。また、UWB電波の周波数は、3GHz〜5GHz、又は7GHz〜11GHzでもよい。いずれにせよ、UWB電波の周波数は、法規を満たす値に設定するのが好ましい。
図4に示すように、送信制御部23は、ID照合の通信の正否を確認するタイミングのとき、車両1のUWBアンテナ22からUWB電波を送信する。UWB電波は、例えばパルス幅が1〜数ns程度の極小幅のパルス信号であり、パルスが急峻に立ち上がる変化をとる。UWB電波の送信は、例えばスマート照合が成立した後に実行されることが好ましいが、スマート照合開始前や実施期間中であっても構わない。また、UWB電波は、通信の正否確認を複数実施するために数回送信されることが好ましい。
電子キー2がUWBアンテナ27でUWB電波を受信したとき、電子キー2は、UWB電波の受信に対する返信としてUHF電波を送信する。このとき、同期処理部24は、車両1からUWB電波を受信すると、この信号を強制反転させることによって生成したUHF電波を、電子キー2の送信部17から車両1に返信する。このUHF電波は、車両1から受信したUWB電波で同期がとられている。すなわち、UWB電波のパルスエッジと、UHF電波のパルスエッジとが合わせ込まれている。UWB電波のパルスは、1ns程度と幅が短く、急峻に立ち上がる。このUWB電波のパルスの立ち上がりをトリガとして、UHF電波(FM変調後の電波)の周波数が、「f1」→「f2」に遷移される。但し、UHF帯の電波は帯域を広くとることができないので、UHF電波の立ち上がりエッジは緩やかである。
通信正否判定部36は、電子キー2から送信されたUHF電波を電波受信機11で受信すると、この受信信号を基に、スマート照合の通信の正否を判定する。ところで、UHF電波を車両1側で受信したとき、ある閾値を基準に受信信号をコンパレーションすれば、車両1側において受信信号の急峻な立ち上がりを得ることが可能である。すなわち、UHF電波の波形自体は立ち上がりが緩やかであっても、ある閾値によってコンパレーションすることにより、急峻なエッジを有するパルス信号に変換可能である。
通信正否判定部36は、UWB電波を電子キー2に送信したときのタイミングt1と、UHF電波の周波数が閾値以上となったときのタイミングt2とを基に、これらの時間差(時間幅)である経過時間tdを算出する。そして、通信正否判定部36は、この経過時間tdと規定値tkとを比較することにより、車両1及び電子キー2の通信の正否を判定する。通信正否判定部36は、経過時間tdが規定値tk未満であれば、通信を正当として処理する。通信が正当と判定されたとき、電子キー2と車外スマート照合が成立していれば、車両ドアの施解錠操作が許可又は実行される。また、通信が正当と判定されたとき、電子キー2と車内スマート照合が成立していれば、エンジン7の始動操作が許可される。
一方、通信正否判定部36は、経過時間tdが規定値tk以上であれば、中継器等を用いた不正通信の可能性があるとして、通信を不当として処理する。これにより、車両ドアの施解錠が許可されず、かつエンジン始動操作も許可されない。すなわち、仮にスマート照合が成立していても、通信が不当と判定された場合には、ID照合の成立が不可とされ、車両1を操作することができない。
ところで、経過時間tdは車両1と電子キー2との間の距離と強い相関があるので、理想的には、経過時間tdと距離は一定の規則性をもって変化する。しかし、現実の回路においては、UWB通信のパルス受信で即座に周波数が遷移するとは限らず、また周波数が「f1」→「f2」に遷移が安定的に行われるとも限らない。さらに、コンパレートの閾値が安定して一定値をとるとも限らない。列挙したこれら不安定要素がわずかの誤差であっても、経過時間tdの誤差は、100nsオーダーにはなり得る。これは、例えば経過時間tdを電波の伝搬速度と乗算して車両1と電子キー2との距離を割り出そうとしたとき、30m以上の距離誤差となるので、経過時間tdから距離を直接計算するには誤差が大きくなってしまうことに繋がる。
しかし、中継器を使用した不正通信の場合、その通信時に発生すると想定される遅延が例えば0.5μs程度とすれば、経過時間tdからも車両1と電子キー2との距離が遠いと判断することができる。これにより、中継器を使用した不正通信を検出することが可能となる。また、UWB電波は帯域が広くリレーし難いので、下手にリレーすると経過時間tdが更に大きくなる。よって、リレーの距離に関係なく、不正通信を検出することができる利点にも繋がる。
UWB電波のパルスは、他車からも送信されることも想定されるので、電子キー2では、受信したUWB電波が自車又は他車のいずれから受信したのかを識別する必要がある。但し、本例の場合、自車から送信されたUWB電波とUHF電波とのパルスエッジは常に一致するので、仮に他車から受信したUWB電波でUHF電波のパルスが反転しても、自車がUWB電波を送信していないはずであるから、他車からのパルスとして取り扱うことが可能である。すなわち、本例においては、自車のUWB電波のパルス送信タイミングと相関をとっているので、UWB電波の自車又は他車の判定が可能である。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1から送信されたUWB電波を電子キー2で受信したとき、その電波に対する応答を、ID照合(スマート照合)の通信で用いるUHF電波によって車両1に返信する動作をとるが、このときの送信するUHF電波をUWB電波で同期をとる。これにより、UHF電波のパルスがUWB電波のパルスと関連付けられることになる。そして、車両1はUWB電波の送信タイミングを知っているので、電子キー2からUHF電波を受信したとき、UWB電波を送信したときを起点として、受信したUHF電波のパルス変化を確認すれば、いま通信中の相手が正しいか否かを識別することが可能となる。こうすることで、ID照合の通信の正否を判定するのである。このように、本例においては、通信の正否を判定するにあたって、車両1及び電子キー2の双方に、UWB通信の送受信機(送受信回路)を設ける必要がない。よって、システムの構成を簡素化することができる。
(2)超広帯域通信の電波S1(UWB電波)は、極小のパルス波である。よって、電子キー2において電波S1を受信したときの電波波形(パルス)の立ち上がりが急峻となるので、ID照合の通信の正否判定を、より正しく行うのに有利となる。
(3)送信制御部23は、通信正否の判定の期間中、UWB電波を複数回送信させて、通信正否の判定を複数回実行させる。よって、判定精度が確保されるので、より正しい判定結果を得るのに有利となる。
(4)ID照合(スマート照合)が成立することが確認できた後に、通電制御部34によって同期処理部24の回路(一例はアンプ28)を通電する。よって、通信正否の判定時のみ同期処理部24の回路が起動されるので、消費電力を少なく抑えるのに有利となる。
(5)通信正否判定部36は、電子キー2から受信したUHF電波を、ある閾値でコンパレーションすることにより、受信側において急峻なパルスを取得し、このパルスを基に、UWB電波を送信してからUHF電波を受信するまでに要した経過時間tdを求めて、この経過時間tdから通信の正否を判定する。よって、受信したUHF電波が緩やかな波形変化をとるものであっても、これをコンパレーションすることによって急峻な変化波形に切り替えることが可能となるので、通信正否の判定を正しく行うのに一層有利となる。
(6)通信正否判定部36は、車両1の電波受信機11においてUHF電波を受信したとき、車両1から送信されるUWB電波の送信タイミングとの相関を確認することにより、自らに対応するUHF電波のみを取得する。よって、仮に他車からUHF電波を受信したとしても、これを判定から除外することが可能となるので、通信正否の判定を正しく行うのに一層有利となる。
(7)室内に位置する電子キー2との間でスマート照合(車内スマート照合)が成立し、かつ通信正否判定部36によりID照合の通信が正当と判定されたとき、車両1においてエンジン7の始動操作が許可される。よって、ID照合成立及び通信正当の両条件が揃わないとエンジン始動操作が許可されないので、車両盗難に対するセキュリティ性が確保される。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・車両1のUWBアンテナ22は、レーダ(車載レーダ)として流用してもよい。レーダとして用いてれば、例えば中継器による電波のリレーの有無、キー操作の有無に関わらず、車両近傍に何かが近づいたことが分かる。車両近傍に何かが近づいたとき、例えば車載されたカメラ等で画像を撮影すれば、更に防犯機能を高めることができる。
・同期処理部24の回路は、電子キー2のキー制御部15に組み込むことも可能である。
・同期処理部24の回路は、実施形態以外の他の構成に適宜変更することができる。
・電子キー2からUWB電波を車両1に送信させ、車両1からUHF電波を電子キー2に返信させて、通信の正否を判定してもよい。
・超広帯域通信の電波は、帯域が広い電波であれば、周波数を問わない。
・応答の電波は、UHF電波に限定されず、他の周波数の電波に変更してもよい。
・電子キー2は、例えば高機能携帯電話等の他の端末に変更可能である。
・通信相手19は、車両1に限定されず、他の機器や装置に変更可能である。
1…通信相手の一例である車両、2…電子キー、7…エンジン、19…通信相手、20…通信不正成立防止システム、23…送信制御部、24…同期処理部、34…通電制御部、36…通信正否判定部、S1…超広帯域通信の電波(UWB電波)、S2…応答の電波(UHF電波)、時間…td。

Claims (7)

  1. 通信相手からの通信を契機に電子キーから電子キーIDを前記通信相手に無線送信させて当該電子キーIDを照合するとき、ID照合の通信の正否を判定する通信不正成立防止システムにおいて、
    前記通信相手及び電子キーの一方から超広帯域通信の電波を送信させる送信制御部と、
    前記超広帯域通信の電波を他方において受信したとき、その応答をID照合の通信の周波数の電波により相手に返すにあたり、当該応答の電波を、受信した前記超広帯域通信の電波で同期をとって送信する同期処理部と、
    前記超広帯域通信の電波の送信後に前記応答の電波を相手から受信したとき、当該電波のパルスの変化を確認することにより、前記ID照合の通信の正否を判定する通信正否判定部と
    を備えたことを特徴とする通信不正成立防止システム。
  2. 前記超広帯域通信の電波は、極小のパルス波である
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信不正成立防止システム。
  3. 前記送信制御部は、通信正否の判定の期間中、前記超広帯域通信の電波を複数回送信させて、通信正否の判定を複数回実行させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信不正成立防止システム。
  4. 前記通信相手及び電子キーの間のID照合が成立することを確認できた後に、前記同期処理部の回路を通電する通電制御部を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
  5. 前記通信正否判定部は、受信した前記応答の電波を、ある閾値でコンパレーションすることにより、受信側において急峻なパルスを取得し、当該パルスを基に、前記超広帯域通信の電波を送信してから前記応答の電波を受信するまでに要した時間を求めて、当該時間から通信の正否を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
  6. 前記通信正否判定部は、前記応答の電波を受信したとき、自らが送信する前記超広帯域通信の電波を送信タイミングとの相関を確認することにより、自らに対応する当該応答の電波のみ取得する
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
  7. 室内に位置する前記電子キーとの間で前記ID照合が成立し、かつ当該ID照合の通信も正当と判定されたとき、車両においてエンジンの始動操作が許可される
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
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