JP2017011008A - ステージ装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置決め精度の点で有利なステージ装置を提供する。
【解決手段】対象物を保持するYステージ4を浮上させて支持する電磁アクチュエータと、Yステージ4を対象物の表面に沿う第1方向へ移動させるリニアモータと、電磁アクチュエータを制御する制御部とを備えるステージ装置であって、電磁アクチュエータは、電磁石を有する第1の電磁石ユニット42a及び第2の電磁石ユニット42bを備える。第2の電磁石ユニット42b及び第1の電磁石ユニット42aは、ステージ4の重心から第1方向に向かって、順に離間して配置され、制御部は、移動の際に対象物の表面に沿って、かつ、第1方向に直交する第2方向の軸周りに発生するモーメントを制御する第1の力を、第1の電磁石ユニット42aから発生させ、第2の電磁石ユニット42bからは、第1方向及び第2方向に直交する方向の位置を制御する、第1の力よりも大きな第2の力を発生させる。
【選択図】図5
【解決手段】対象物を保持するYステージ4を浮上させて支持する電磁アクチュエータと、Yステージ4を対象物の表面に沿う第1方向へ移動させるリニアモータと、電磁アクチュエータを制御する制御部とを備えるステージ装置であって、電磁アクチュエータは、電磁石を有する第1の電磁石ユニット42a及び第2の電磁石ユニット42bを備える。第2の電磁石ユニット42b及び第1の電磁石ユニット42aは、ステージ4の重心から第1方向に向かって、順に離間して配置され、制御部は、移動の際に対象物の表面に沿って、かつ、第1方向に直交する第2方向の軸周りに発生するモーメントを制御する第1の力を、第1の電磁石ユニット42aから発生させ、第2の電磁石ユニット42bからは、第1方向及び第2方向に直交する方向の位置を制御する、第1の力よりも大きな第2の力を発生させる。
【選択図】図5
Description
本発明は、ステージ装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
荷電粒子線を基板へ照射することで微細パターンの形成を行うリソグラフィ装置として、荷電粒子線描画装置がある。荷電粒子線は大気中で減衰するため、上記パターン形成は真空環境下で行われる。したがって、荷電粒子線描画装置は、真空環境下で基板を保持して高精度に移動可能なステージを備える。真空内のガイド機構としては、主に転動ガイドやエアガイドがあるが、転動ガイドは高精度な位置決めが困難であるという課題があり、エアガイドは空気封止方法に課題がある。また、リニアモータでステージを磁気浮上させるガイドレスのステージ構成の場合は、コイルから生じる磁場の低減が困難であるという課題がある。
電磁石を用いた電磁ガイドにおいては、駆動力の印加点とステージの重心位置とのずれにより、ステージの加減速に伴い、移動方向に直交する軸周りにモーメントが発生しうる。モーメントによるステージの振動(傾き)は、加減速後の等速移動時にも残留し、ステージの位置決め精度の悪化要因となる。特許文献1は、電磁石を備えた電磁ガイドによりステージを非接触支持し、粗動ステージと微動ステージを駆動させる6自由度制御が可能なステージ装置を提案している。
リニアモータから発生する磁場は荷電粒子線に悪影響を与える可能性があり、描画精度の点で不利となりうる。リニアモータでなく電磁石アクチュエータによりステージを磁気吸引浮上制御させることで、全移動領域において磁場発生量を低減でき、描画精度の点で有利となる。ここで、モーメントの制御に要する力は、位置決め制御に要する力よりも大きく、一方、位置決め制御には、高い力分解能が必要である。しかしながら、電磁石が発生させる力(吸引力)は電磁石への投入電流の2乗に比例するため、吸引力と力分解能とはトレードオフの関係にあり、大きい吸引力と高い力分解能との両立は困難である。
本発明は、例えば、位置決め精度の点で有利なステージ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、対象物を保持して可動のステージと、ステージを浮上させて支持する電磁アクチュエータと、支持されたステージを対象物の表面に沿う第1方向へ移動させるリニアモータと、電磁アクチュエータが発生させる力を制御する制御部とを備えるステージ装置であって、電磁アクチュエータは、電磁石を有する第1の電磁石ユニットおよび第2の電磁石ユニットを備え、第2の電磁石ユニットおよび前記第1の電磁石ユニットは、ステージの重心から第1方向に向かって、順に離間して配置され、制御部は、移動の際に対象物の表面に沿って、かつ、第1方向に直交する第2方向の軸周りに発生するモーメントを制御する第1の力を第1の電磁石ユニットから発生させ、第2の電磁石ユニットからは、第1方向および第2方向に直交する方向の位置を制御する、第1の力よりも大きな第2の力を発生させることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、位置決め精度の点で有利なステージ装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るステージ装置と、このステージ装置を備える荷電粒子線描画装置(電子線描画装置)の構成について説明する。図1は本実施形態に係る電子線描画装置の構成を示す概略図である。電子線描画装置100は、半導体デバイス製造装置として用いられるリソグラフィ装置のひとつである。図1において、鉛直方向をZ軸方向とし、水平面内で互いに直交する2方向をX軸方向、Y軸方向とする。電子線描画装置100は、電子線照射ユニット1と、真空チャンバ2と、ステージ装置80とを備える。
図1は、本発明の第1実施形態に係るステージ装置と、このステージ装置を備える荷電粒子線描画装置(電子線描画装置)の構成について説明する。図1は本実施形態に係る電子線描画装置の構成を示す概略図である。電子線描画装置100は、半導体デバイス製造装置として用いられるリソグラフィ装置のひとつである。図1において、鉛直方向をZ軸方向とし、水平面内で互いに直交する2方向をX軸方向、Y軸方向とする。電子線描画装置100は、電子線照射ユニット1と、真空チャンバ2と、ステージ装置80とを備える。
電子線照射ユニット1は、真空チャンバ2の上壁に設けられた開口部を貫通して配置されている。真空チャンバ2には、真空ポンプ3が取り付けられており、基板(不図示)の周辺を真空に保っている。ステージ装置80は、マウント7を介して真空チャンバ2の底面(あるいは床)上に支持されたステージベース(定盤)6と、X軸方向に移動可能なXステージ5と、Y軸方向に移動可能なYステージ4と、を備える。Xステージ5は、Yステージ4をX方向に長ストロークで移動させることができる。マウント7は空気ばねを有し、真空チャンバ2の底面(あるいは床)から定盤6に伝わる振動を低減する。ステージ装置80の位置は、Yステージ4上に設けられたXバーミラー(Zバーミラー)10およびYバーミラー11と干渉計(不図示)によって6軸で計測される。そして、後述のアクチュエータ群50により6自由度制御されている。
ステージ装置80の上面図である図2、図2をY方向から見た側面図である図3を用いてYステージ4を駆動するアクチュエータ群50について説明する。アクチュエータ群50は、Xステージ5とYステージ4との間に設けられたXリニアモータ20、Yリニアモータ30および電磁アクチュエータ40により構成される。基板(対象物)8は、Yステージ4の可動部(天板)9に保持されている。Yステージ4は、アクチュエータ群50により、基板8の表面に沿うXY平面方向へ移動する。Xリニアモータ20は、Xステージ5に保持部(不図示)を介して固定された固定コイル21およびYステージ4の可動部9に連結された可動磁石22で構成される。そして、Yステージの重心の下にY軸に沿って配置される。Yリニアモータ30は、同様の固定コイル31および可動磁石32で構成される。そして、Yステージの両端にY軸に沿って配置される。固定コイル21や31に通電すると可動磁石22や32と固定コイル21や31との間にローレンツ力が発生し、Yステージ4の可動部9に推力として伝わる。なお、固定コイル31は多相コイルであり、固定コイル21は、単相の長尺コイルである。
電磁アクチュエータ40は、Yステージ4の可動部9に保持部材43を介して連結されたZ電磁石42とXステージ5に固定された磁性体からなるターゲット41から構成される。Z電磁石42はZ軸方向に向いたE型コアにコイルを巻くことによって構成されている。ターゲット41はY軸方向に沿って、並べて配置されている(Y軸方向を長手方向としている)。Z電磁石42はターゲット41に空隙を介して対面し、コイルに通電すると電磁石42から発生する磁束によってターゲット41との間に吸引力が発生する。これによりYステージ4の可動部9が吸引浮上する。E型コアおよびターゲット41は、たとえば珪素鋼の薄板を積層して構成される。積層構造を採用するのは、渦電流の影響を抑えるためである。
次に、電磁アクチュエータ40によるYステージ4の位置制御方法について説明する。電磁アクチュエータ40はターゲット41に対して吸引力(Z方向プラスの力)しか発生することができない。したがって、あらかじめ意図的に吸引力(オフセット吸引力)を発生させておき、オフセット吸引力を減らすことにより、Yステージ4に対しZ軸マイナス方向への力を発生させる。
一般的に、電磁石アクチュエータは、電磁石のコイルに流れる電流Iの2乗に比例し、電磁石と吸引対象との間の距離(ギャップ)rの2乗に反比例する吸引力Fを発生させる(式(1))。
F ∝ I2/r2 (1)
図4は、ある距離rの時のFとIとの関係を示す図である。図4のグラフ中のプロット(Is、Fs)における傾き(破線sの傾き)は、プロット(Im、Fm)における傾き(破線mの傾き)に比べ小さい。傾きが小さいことは、吸引力の変化に対する電流の変化が大きくなることを意味する。すなわち、吸引力が弱いほど、電流変化による吸引力の調整可能幅を細かくできる(=高分解能)。吸引力が強いと、吸引力の調整可能幅も粗くなる(=低分解能)。
F ∝ I2/r2 (1)
図4は、ある距離rの時のFとIとの関係を示す図である。図4のグラフ中のプロット(Is、Fs)における傾き(破線sの傾き)は、プロット(Im、Fm)における傾き(破線mの傾き)に比べ小さい。傾きが小さいことは、吸引力の変化に対する電流の変化が大きくなることを意味する。すなわち、吸引力が弱いほど、電流変化による吸引力の調整可能幅を細かくできる(=高分解能)。吸引力が強いと、吸引力の調整可能幅も粗くなる(=低分解能)。
ギャップrは、Yステージ4の加減速により変動しうる。これは、電磁石アクチュエータが発生させる吸引力の変動につながるため、ギャップの変動補正を行うことが好ましい。図2のA−A矢視図による側面図である図5に示すように、ギャップrはZ電磁石42の近傍に設置されたギャップセンサ44で計測される。ギャップセンサ44で計測されたギャップ値を用いて、ギャップ補正器で、ギャップ補正係数αを次式に従って算出する。
α = 1 + Δr/rd (2)
rdは、ギャップ変動が零の時の標準のギャップの値であり、Δrはギャップの変動値である。ここでは、Δrをギャップセンサ44で計測した値から算出したが、干渉計による計測値から割り出してもよい。電磁石指令器は、制御指令演算器で算出された力指令Fzの平方根であるFz1/2 に対して、このギャップ補正係数αを乗じたものを電流指令Izとして算出する((式3))。
Iz = Fz1/2 × α (3)
電流ドライバ(制御部)は、電流指令Izに基づき、Z電磁石42のコイルに流す電流(=電磁石アクチュエータに発生させる力)を制御する。
α = 1 + Δr/rd (2)
rdは、ギャップ変動が零の時の標準のギャップの値であり、Δrはギャップの変動値である。ここでは、Δrをギャップセンサ44で計測した値から算出したが、干渉計による計測値から割り出してもよい。電磁石指令器は、制御指令演算器で算出された力指令Fzの平方根であるFz1/2 に対して、このギャップ補正係数αを乗じたものを電流指令Izとして算出する((式3))。
Iz = Fz1/2 × α (3)
電流ドライバ(制御部)は、電流指令Izに基づき、Z電磁石42のコイルに流す電流(=電磁石アクチュエータに発生させる力)を制御する。
図3に示すように、Yリニアモータ30のZ方向位置と、Yステージ4の重心のZ方向位置との間には距離hがある。そのため、図5に示すように、Yステージ4をY方向プラスの向き(進行方向)に加速させた場合、X軸の正の向きを紙面裏から表へ向かう向きとすると、X軸周りに反時計回りの回転方向ωxのモーメントNyが発生する((式4))。減速させた場合は、同じ大きさNyで逆向き−ωxのモーメントが発生する。
Ny = Fy × h (4)
FyはYステージ4をY方向に加減速させる時のYリニアモータ30の発生力である。
Ny = Fy × h (4)
FyはYステージ4をY方向に加減速させる時のYリニアモータ30の発生力である。
図6(A)〜(C)は、電磁アクチュエータ40が発生させる力(吸引力)Fと時間Tとの関係を示した図である。図6(A)は、同じ電磁場を用いてωx方向に生じるモーメントの打消しと位置決め制御を行う電磁アクチュエータを用いた場合、図6(B)および(C)は、本実施形態の電磁アクチュエータ40を用いた場合である。まず、図6(A)により、従来の電磁アクチュエータ40が発生させる力について説明する。図中、Fmは、モーメントNyに対抗するための力、F0は、Z軸マイナス方向への力を発生させるためのオフセット吸引力、Fsは、Z軸方向、X軸周り及びY軸周りの回転方向の位置決めのための吸引力である。
Z電磁石42は、通常、進行方向に沿って複数個配置される。図5のようにYステージ4を加速し、モーメントが発生した場合、進行方向前方にあるZ電磁石では、加速時に発生したωxの向きのモーメントNyに対抗するZ軸マイナス方向への力を発生させる(図6(A)中、凹部)。逆に減速時には、−ωxの向きのモーメントNyに対抗するZ軸プラス方向への力(吸引力)を発生させる(図6(A)中、凸部)。Z軸マイナス方向への力を発生させる時は、図6(A)の凹部で示すように、オフセット吸引力F0から大きさFmだけ吸引力を弱くする。したがって、Z電磁石が発生させる吸引力に関し、F0>Fmの関係が充足される必要がある。このため、Yステージ4を加速させる場合および等速移動させる場合のZ電磁石への投入電流は大きくなり、電磁アクチュエータ40の力分解能は悪化する。この場合、Fsの強さを細かく設定することが困難となり、Yステージ4を高精度に位置決めすることは困難になる。
図7は本実施形態のZ電磁石42の配置図である。Z電磁石42は、第1の電磁石ユニット(モーメント制御ユニット)42aおよび第2の電磁石ユニット(位置決めユニット)42bからなる。モーメント制御ユニット42bおよび位置決めユニット42aは、Yステージ4の重心からY軸方向に向かって、順に離間して配置される。本実施形態では、モーメント制御ユニット42aおよび位置決めユニット42bは、Yステージ4のX軸方向に沿った中心線の両側に1個ずつ対称的に配置された2個で1組の電磁石をX軸方向に沿った直線状に2組有する。
電流ドライバ(制御部)は、Yステージ4の加減速力に基づいて、モーメント制御ユニット42aの4個の電磁石に発生させる力をフィードフォワード制御する。この力は、Yステージ4がY軸方向に加減速するときに発生するモーメントに対向する力である。Yステージを加減速していないときは、電流ドライバ(制御部)は、モーメント制御ユニット42aから力を発生させない。
電流ドライバ(制御部)は、Yステージ4のZ軸並進方向Z、X軸周りの回転方向ωx及びY軸周りの回転方向ωyを目標位置と実際位置との偏差に基づいて、位置決めユニット42bの4個の電磁石に発生させる力をフィードバック制御する。上記制御および実際位置の計測は、図5で示した制御指令演算器や干渉計等を用いて行われる。
各Z電磁石間の距離は、図5で示すとおり、Z電磁石42a1と42a2との距離(=42a3と42a4との距離)をL1とし、42b1と42b2との距離(=42b3と42b4との距離)をL2として、式(5)の関係を満たすように規定される。さらに、モーメント制御ユニット42aは、位置決めユニット42bの外側に配置される。
L1 > L2 (5)
モーメント制御ユニット42aを構成する各Z電磁石が発生させるモーメントの大きさNzは、式(6)で表される。
Nz = Fm × (L1/2) (6)
L1 > L2 (5)
モーメント制御ユニット42aを構成する各Z電磁石が発生させるモーメントの大きさNzは、式(6)で表される。
Nz = Fm × (L1/2) (6)
電流ドライバ(制御部)は、Yステージ4の加減速時に発生するモーメントの向きと大きさNyに対抗するように、モーメント制御ユニット42aを構成する各Z電磁石が発生するモーメントの向きと大きさNzを制御する。例えば、Yステージ4の加速時には、向きωx、大きさNyのモーメントに対抗する、向き−ωxでNyと等しい大きさのモーメントNz(発生力Fm)をモーメント制御ユニット42aが発生しなければならない。この時、モーメント制御ユニット42aを構成する各Z電磁石が発生させる−ωxの向きのモーメントの大きさの合計が、Nyと等しくなればよい。したがって、Z電磁石42a1〜42a4のうちひとつに下向きあるいは上向きの力を発生させて、向きωx、大きさNyのモーメントに対抗してもよいし、Z電磁石42a1〜42a4のいずれかを組み合わせにより対抗してもよい。ただし、Z電磁石へ流す電流を大きくすると、Z電磁石の発熱が基板等へ悪影響をおよぼすため、複数の電磁石(例えば、4個)を用いることが望ましい。位置決めユニット42bを構成するZ電磁石についても同様である。
モーメント制御ユニット42aを構成するZ電磁石間の距離L1の大小による電磁石の発生力の変化について説明する。図6(B)は、L1が小さいときの電磁石の発生力の変化を示し、図6(C)は、L1が大きいときの電磁石の発生力の変化を示す。本実施形態では、モーメント制御と位置決めとで各電磁石の役割を分けている。したがって、モーメントNyに対抗するための力Fmは、モーメント制御ユニット42aを構成するZ電磁石が発生させる力であり、Fsは、位置決めユニット42bを構成するZ電磁石が発生させる力である。さらに、従来は、オフセット吸引力F0がモーメント制御と位置決めとで共通となっていたが(図6(A))、本実施形態では、モーメント制御と位置決めとでオフセット吸引力を個別に設定できる。図6(B)および図6(C)において、それぞれFm0およびFs0で示す。これにより、位置決めに必要な発生力を弱くすることができ、力分解能が向上し位置決め精度が向上する。
さらに、図6(C)で示すL1が大きい場合は、モーメントNzを発生させるために必要な吸引力Fmを小さくすることができる。これにより、モーメント制御のオフセット吸引力Fm0を位置決めのオフセット吸引力Fs0と同等程度まで弱くすることができ、モーメント制御ユニット42aの力分解能も向上させることができる。その結果、モーメントの制御精度が良くなり、それに伴い位置決め精度も向上させることができる。なお、Y軸周りのモーメントについても、同様にして制御することができる。
以上のように、本実施形態によれば、位置決め精度の点で有利なステージ装置を提供することができる。
(物品の製造方法)
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。該製造方法は、感光剤が塗布された基板の該感光剤に上記の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、該工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含みうる。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。該製造方法は、感光剤が塗布された基板の該感光剤に上記の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、該工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含みうる。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。例えば、上記の説明では、真空環境下でパターン形成をするリソグラフィ装置として電子線描画装置の例を説明したが、リソグラフィ装置は、それに限らず、他のリソグラフィ装置(露光装置やインプリント装置)であってもよい。
4 Yステージ
42a 第1の電磁石ユニット(モーメント制御ユニット)
42b 第2の電磁石ユニット(位置決めユニット)
5 Xステージ
42a 第1の電磁石ユニット(モーメント制御ユニット)
42b 第2の電磁石ユニット(位置決めユニット)
5 Xステージ
Claims (9)
- 対象物を保持して可動のステージと、前記ステージを浮上させて支持する電磁アクチュエータと、前記支持されたステージを前記対象物の表面に沿う第1方向へ移動させるリニアモータと、前記電磁アクチュエータが発生させる力を制御する制御部とを備えるステージ装置であって、
前記電磁アクチュエータは、電磁石を有する第1の電磁石ユニットおよび第2の電磁石ユニットを備え、
前記第2の電磁石ユニットおよび前記第1の電磁石ユニットは、前記ステージの重心から前記第1方向に向かって、順に離間して配置され、
前記制御部は、前記移動の際に前記対象物の表面に沿って、かつ、前記第1方向に直交する第2方向の軸周りに発生するモーメントを制御する第1の力を前記第1の電磁石ユニットから発生させ、
前記第2の電磁石ユニットからは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向の位置を制御する、前記第1の力よりも大きな第2の力を発生させることを特徴とするステージ装置。 - 前記第1の電磁石ユニットおよび前記第2の電磁石ユニットは、それぞれ、前記ステージの前記第2方向に沿った中心線の両側に1個ずつ配置された2個で1組の電磁石を前記第2方向に沿った直線状に2組有することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
- 2個の前記電磁石は、前記中心線に関して対称的に配置されることを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
- 前記第1の電磁石ユニットが有する前記1組の電磁石を構成する2個の電磁石間の距離は、前記第2の電磁石ユニットが有する前記1組の電磁石を構成する2個の電磁石間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記制御部は、前記移動の目標位置と実際位置との偏差に基づいて前記第2の力をフィードバック制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記制御部は、前記ステージの加減速力に基づいて前記第1の力をフィードフォワード制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記制御部は、前記ステージの加減速時にのみ前記第1の電磁石ユニットから第1の力を発生させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のステージ装置。
- パターンを基板に形成するリソグラフィ装置であって、
前記基板を保持して可動なステージと、前記ステージを浮上させて支持する電磁アクチュエータと、前記支持されたステージを前記基板の表面に沿う第1方向へ移動させるリニアモータと、前記電磁アクチュエータが発生させる力を制御する制御部とを有するステージ装置を備え、
前記電磁アクチュエータは、電磁石を有する第1の電磁石ユニットおよび第2の電磁石ユニットを備え、
前記第2の電磁石ユニットおよび前記第1の電磁石ユニットは、前記ステージの重心から前記第1方向に向かって、順に離間して配置され、
前記制御部は、前記移動の際に前記対象物の表面に沿って、かつ、前記第1方向に直交する第2方向の軸周りに発生するモーメントを制御する第1の力を前記第1の電磁石ユニットから発生させ、
前記第2の電磁石ユニットからは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向の位置を制御する、前記第1の力よりも大きな第2の力を発生させることを特徴とするリソグラフィ装置。 - 請求項8に記載のリソグラフィ装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
前記工程でパターンが形成された基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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JP2015122652A JP2017011008A (ja) | 2015-06-18 | 2015-06-18 | ステージ装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022264287A1 (ja) * | 2021-06-15 | 2022-12-22 | 株式会社日立ハイテク | ステージ装置、荷電粒子線装置および真空装置 |
-
2015
- 2015-06-18 JP JP2015122652A patent/JP2017011008A/ja active Pending
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WO2022264287A1 (ja) * | 2021-06-15 | 2022-12-22 | 株式会社日立ハイテク | ステージ装置、荷電粒子線装置および真空装置 |
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