JP2017009726A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献1に記載の虚像表示装置は、観察者の左右にそれぞれ設けられる第1像形成本体部及び第2像形成本体部と、これら像形成本体部により形成される画像光を観察者の右眼及び左眼にそれぞれ導く導光部材とを備えるシースルー型のHMDとして構成されている。更に、当該虚像表示装置は、観察者の鼻に当接される鼻当て部材を備える枠部と、枠部に設けられ、観察者のこめかみ付近に当接されるつる部分とを備える。そして、当該虚像表示装置は、それぞれのつる部分を左右のこめかみに応じた位置に配置させるとともに、鼻当て部材を鼻に当てることにより、各導光部材が観察者の眼前に配置されるように装着される。
上記第1態様によれば、使用者の頭部に沿うフレームは、当該フレームに支持部を介して接続される表示部により表示される画像が観察者によって視認可能な位置に固定される。これによれば、フレームは、当該フレームが頭部に沿って配置された状態で固定されるので、画像表示装置の荷重が観察者の鼻に加わることを抑制できる。従って、画像表示装置の装着時における観察者の負荷を軽減でき、使用感(装着感)を向上させることができる。
上記第1態様によれば、支持部を回動させることにより、フレームに対する表示部の位置や角度を調整できる。これによれば、装着時の観察者の視線方向に応じた位置に表示部を位置させて、当該表示部によって表示される画像の視認性を向上させることができる。また、上記画像を視認しない場合には、観察者の眼前から表示部を退避させることができる。従って、画像表示装置の利便性を向上させることができる。
上記第1態様によれば、支持部に対する回動操作によって、表示部の位置を簡易に調整できる他、上記画像を視認しない場合に、観察者の眼前から表示部を確実に退避させることができる。従って、画像表示装置の利便性を確実に向上させることができる。
上記第1態様によれば、支持部は、フレームにおいて観察者のこめかみに応じた位置から延出して表示部と接続される。これによれば、画像表示装置の装着時に、支持部が観察者の耳に当接することを抑制できる。従って、画像表示装置の装着感を一層向上させることができる。
上記第1態様によれば、支持部を構成する複数のアームによって表示部が支持されるので、当該表示部を安定して支持できる。従って、表示部が揺動することを抑制できる。
上記第1態様によれば、観察者の眼の位置に応じて、視方向に重なるように表示部の位置を調整できる。従って、観察者に応じて表示部の位置を調整でき、画像表示装置の利便性及び汎用性を向上させることができる。
上記第1態様によれば、例えば、撮像部による撮像画像を表示部にて表示したり、当該撮像画像を外部に出力したりすることにより、観察者の周囲の状況を、当該観察者又は他者が把握できる。
ここで、表示部に撮像部が位置する場合には、撮像部の荷重によって画像表示装置の重量バランスがずれることが考えられる。これに対し、撮像部は、観察者の頭部に沿って配置されるフレームに設けられていることにより、表示部の重量を低減できるだけでなく、画像表示装置の重量バランスを適正化しやすくすることができる。従って、観察者への負荷を一層軽減できる。
上記第1態様によれば、観察者の視線方向に応じた位置に、撮像部の撮像方向を調整できる。従って、撮像部によって、観察者の視野における少なくとも一部の領域を確実に撮像できる。
上記第1態様によれば、上記撮像部と同様に、表示部に制御部が設けられる場合と比べて、表示部の重量を低減できるだけでなく、画像表示装置の重量バランスを適正化しやすくすることができる。従って、観察者への負荷を一層軽減できる。
なお、ケーブルとしては、表示される画像の画像情報や表示部の動作を制御する制御情報を表示部に伝送するためのケーブルを例示できる。
ここで、表示部からケーブルを直接外部に延出させる場合には、ケーブルが動くことを考慮して、表示部の外形を構成する筐体の強度を高める必要がある。また、表示部からケーブルが外部に延出していると見た目がよくないという問題がある。
これに対し、上記第1態様によれば、表示部から延出するケーブルは、支持部及びフレームを通るので、当該表示部の筐体の強度を高める必要がない他、画像表示装置の外観を良好なものにすることができる。
上記第1態様によれば、フレームを頭部に沿わせやすくすることができるので、画像表示装置の装着感を向上させることができる他、当該画像表示装置の装着時の外観を良好なものとすることができる。
上記第1態様によれば、左眼用表示部及び右眼用表示部により、観察者の左目及び右目にて、それぞれ同じ画像を視認させることができるだけでなく、例えば視差画像等のそれぞれ異なる画像を視認させることができる。従って、画像表示装置の利便性及び汎用性を向上させることができる。
上記第1態様によれば、導光部材を介して、上記画像と観察者の周囲とを観察できる。このため、画像を視認中の観察者に安心感を付与できる他、周囲の風景に重ね合わせた画像を視認させることにより、拡張現実を実現できる。従って、画像表示装置の利便性及び汎用性を一層向上させることができる。
上記第1態様によれば、画像表示装置は、頭部の軸方向及び前後方向に対して所定角度傾斜した視線に対して上記表示面が略直交するように、表示部が配置可能に構成されているので、観察者の視線に応じて表示部を配置できる。
ここで、一般的に、人は、頭部の軸方向に対する直交方向を含む上側に視線を向けるより、当該直交方向より下側に視線を向ける方が楽である。詳述すると、当該直交方向を含む上側に視線を向ける場合には、視線が当該直交方向より下向きに向けられる場合よりも、視線を変更する外眼筋を緊張させる必要があり、外眼筋が疲労しやすくなる。逆に言うと、視線が当該直交方向よりやや下向きである場合には、外眼筋を緊張させずに済み、疲労しにくい。
このため、上記のように、画像表示装置が、表示部を配置可能に構成されていることにより、視線を下向きに向けた場合でも、表示部により表示される画像を視認しやすくすることができる。従って、このような場合には、比較的リラックスできる視線の向きにて、表示される画像を視認しやすくすることができる。
ここで、立位姿勢においてリラックスした状態では、視線は水平方向に対して略10°下向きとなる。このため、上記視線が、前後方向に対して略10°下向きに傾斜した視線であり、当該視線に対して表示面が略直交していることにより、立位姿勢の観察者が、リラックスした状態で画像を視認できる。従って、表示される画像を一層視認しやすくすることができる。
上記第1態様によれば、導光部材における観察者側の面及び観察者とは反対側の面が上記視線に対して略直交するように配置されることにより、表示面が当該視線に対して略直交するように導光部材を配置させやすくすることができる。従って、画像を視認しやすくなる位置に導光部材を容易に配置できる。
このような固定部としては、頭部を囲むバンド等の帯状部材や紐状部材を例示できる他、頭部を覆うキャップ型の固定部を例示できる。
上記第1態様によれば、固定部によって上記位置にフレームが固定されるので、当該フレームを確実に固定できる。従って、画像表示装置の装着感を一層高めることができる。
上記第2態様によれば、支持部を回動させることにより、表示面が観察者の視線に略直交するように、表示部の位置を調整できるので、当該観察者の視線に応じて、画像を視認しやすい位置に表示部の位置を調整できる。従って、画像の視認性を向上できる。この他、上記のように、観察者がリラックスできる視線に向きに応じて、表示部を配置できるので、当該観察者がリラックスした状態で画像を確実に視認できる。
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
[虚像表示装置の概略構成]
図1は、本実施形態に係る虚像表示装置1が観察者に装着された状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る虚像表示装置1は、本発明の画像表示装置に相当する。この虚像表示装置1は、図1に示すように、観察者US(使用者)の頭部やヘルメット等に装着されて使用されるヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)であり、詳しくは、観察者によって視認可能に虚像を表示するとともに、外光を透過させて外界を観察可能とするシースルー型のHMDである。
この虚像表示装置1は、観察者USの頭部HD(詳しくは、眉及び耳を通る頭部の外周線より上側の部位)に応じた固定に固定される。
また、虚像表示装置1は、図2に示すように、帽子CPやヘルメット等を介して頭部HDに間接的に装着可能である。このため、以下の説明において、頭部HDとは、当該頭部HDを直接指す場合だけでなく、帽子CPやヘルメット等が装着された頭部HDを指す場合も含まれる。
なお、以下の説明では、Z方向は、虚像表示装置1を装着した観察者USの頭部HDの軸方向に直交する方向のうち、両眼間の中央を通って頭部HDの外側に向かう方向である。X方向及びY方向は、Z方向にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する方向である。これらのうち、Y方向は、頭部HDの軸方向に沿って顎部側から頭頂部側に向かう方向であり、X方向は、観察者USから見て左側から右側に向かう方向である。更に、Z方向側とは、Z方向における下流側(Z方向先端側)を指し、Z方向とは反対側とは、Z方向における上流側(Z方向基端側)を指す。他の方向も同様である。
このような虚像表示装置1は、図1〜図4に示すように、装置本体2と、当該装置本体2を上記頭部HDに固定する装着部材6と、を備え、当該装置本体2は、フレームとしてのヘッドバンド部3と、虚像を表示する表示部4と、ヘッドバンド部3に対して回動可能に取り付けられ、表示部4を支持して、当該ヘッドバンド部3及び表示部4を接続する支持部5と、を備える。
ヘッドバンド部3は、虚像表示装置1における機能の一部を制御するものであり、上記支持部5を構成するアーム51の一端が回動可能に取り付けられるものである。
このヘッドバンド部3は、観察者USの頭部HDに沿う円弧状の外形を有し、図3及び図4に示すように、当該頭部HDに沿って配置される本体ケース31と、制御部32及び撮像部33と、を有する。
本体ケース31は、図5に示すように、観察者US(図5における点線で輪郭を示す観察者US)の前額部に沿って配置され、頭部HDに装着部材6によって固定される。この本体ケース31は、上記制御部32(図2参照)やケーブルCB等を内部に収納し、かつ、上記撮像部33及び支持部5を支持する筐体である。
この本体ケース31は、Y方向側から見て、観察者USの前額部及び側頭部の形状に沿う略半円形状(略U字状)の外形を有する。すなわち、本体ケース31において、観察者USの前額部から側頭部に対向する内面311は、Y方向側から見て、観察者USの頭部に沿って湾曲している。
また、図6に示すように、本体ケース31の円弧状の両端近傍には、それぞれのアーム51の一端を回動可能に軸支する回動軸部35が設けられている。なお、後に詳述するが、各アーム51における当該一端は、本体ケース31の内部に配置されている。
また、モジュール筐体334のX方向に交差する側面334Aには、当該側面334AからX方向に沿って突出する回動軸部336が設けられている。詳述すると、回動軸部336は、側面334AにおけるY方向とは反対側の位置に突設されている。この回動軸部336は、モジュール筐体334が配置される本体ケース31の凹部313に設けられた軸受け部(図示省略)によって支持されている。これら回動軸部336及び軸受け部等により、本発明の調整機構34が構成される。なお、図3では、2つの側面334AのX方向の基端側における回動軸部336のみを図示しているが、X方向の先端側の側面の対応する位置にも同様の回動軸部が設けられている。
このようなモジュール筐体334は、回動軸部336によって規定されるX方向に平行な回動軸R1を中心として所定範囲内にて回動可能である。このため、本体ケース31に対するモジュール筐体334の姿勢を調整することにより、ステレオカメラ331の撮像方向(すなわち、撮像部33による撮像方向)を調整できる。
表示部4は、入力される画像情報に応じた画像を形成して、当該画像を虚像として観察者に視認させる。この表示部4は、観察者の右眼と左眼のそれぞれに対して配置される一対の光学装置41(左眼用及び右眼用光学装置を、それぞれ41L,41Rとする)と、一対の光学装置41を保持する略U字状のフレーム部42と、を備える。
これらのうち、フレーム部42は、Y方向の先端側において、一対の光学装置41を保持する。このフレーム部42のX方向の基端側には、左眼用光学装置41Lが固定され、X方向の先端側には、右眼用光学装置41Rが固定される。
一対の光学装置41を構成する左眼用光学装置41L及び右眼用光学装置41Rは、互いに鏡面対称の関係を有し、これらは、本発明の左眼用表示部及び右眼用表示部にそれぞれ相当する。これら光学装置41は、それぞれ、筐体411、光学ユニット412及び導光部材413を有する。
筐体411は、光学ユニット412を内部に収納するものであり、後述する移動機構AMにより、アーム51と接続される。
光学ユニット412は、光源装置から入射された光を、光変調装置によって、入力される画像情報に応じた画像光に変調し、対応する導光部材413に当該画像光を出射する。なお、光変調装置としては、例えば、液晶パネルやMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等のマイクロミラーを用いたデバイスを採用できる。
ここで、導光部材413の配置について説明する。
各光学ユニット412から出射された画像光は、上記のように、対応する導光部材413L,413Rを介して観察者USの左眼及び右眼に導かれ、当該画像光に対応する画像が虚像として観察者USにより視認される。これら導光部材413L,413Rは、本実施形態では図8に示すように、観察者USの左眼LE及び右眼REの視線が交わる交点Pが、当該左眼LE及び右眼REの前方(Z方向)に略8m離れた位置となった時に、画像が適切に観察されるように配置及び構成される。この交点Pの位置は、観察者USの各眼LE,REの輻輳角に依存する。
このため、本実施形態では、内部を通過した画像光を上記半透過層によって眼に導く導光部材413L,413Rの配置や、当該半透過層の位置を調整することによって、表示された画像を観察する際の観察者USの輻輳角を調整し、これにより、表示距離が調整され、上記交点Pの位置にて画像を観察させている。
なお、上記交点Pの位置が、両眼LE,REから前方に略8mの位置に設定されている場合には、表示された画像(視認される虚像)が無限遠に位置するように観察される。
支持部5は、上記のように、本体ケース31に回動可能に取り付けられて、表示部4を支持するものであり、本実施形態では、図3及び図4に示すように、一対のアーム51により構成されている。
この一対のアーム51(観察者USにとっての左側に位置するアームを51Lとし、右側に位置するアームを51Rとする)は、それぞれ、図6及び図7に示すように、第1端部52及び第2端部53を有する。
このようなアーム51内に上記表示部4(筐体411)から挿入されたケーブルCRは、図6に示すように、当該アーム51内を通って、第1端部52から上記本体ケース31内に侵入する。そして、このケーブルCRは、上記本体ケース31内にて上記制御部32と接続される。
本実施形態では、図9に示すように、各アーム51は、表示部4及びアーム51のいずれかにおけるY方向側の端部がヘッドバンド部3(本体ケース31)と接触するまで、当該ヘッドバンド部3側に上記回動軸R2を中心として回動可能である。一方、各アーム51は、開口部314Aの端縁におけるZ方向とは反対側の端部と、アーム51とが接触するまで、上記とは逆方向に回動可能である。
このようにアーム51を回動させることにより、表示部4の位置や角度を調整できる。これにより、図9に示すように、虚像を視認しづらくなる位置、すなわち、外界(観察者USの周囲)を観察しやすい位置に、当該表示部4を移動させることができる。
移動機構AMは、表示部4の筐体411及びアーム51の数に応じて2つ設けられ、当該表示部4をヘッドバンド部3に対して接離する方向(すなわちY方向及びY方向とは反対方向)に移動可能に、筐体411とアーム51とを接続する。この移動機構AMは、図7に示すように、上記筐体411に設けられるガイドレール4111と、アーム51の第2端部53に設けられるスライド部材54と、を備えて構成される。
このスライド部材54は、上記ガイドレール4111が挿通する孔部541と、Y方向における中間位置に孔部541を横切るように形成されたスリット542と、アナンゴム等の弾性体により形成されたOリング(図示省略)と、を有する。これらのうち、Oリングは、スリット542に配置され、当該Oリングには、ガイドレール4111が挿通される。このOリングがガイドレール4111を内径方向に締め付けることにより、適度な抵抗感を付与しつつ、スライド部材54に対してガイドレール4111がスライド可能に支持される。そして、当該Oリングが、ガイドレール4111の溝4112に嵌合することにより、これらの相対位置が維持される。しかしながら、移動機構AMの構成はこれに限らず、スライド部材54は、ガイドレール4111の高さ方向に沿って連続的に相対移動可能としてもよい。この場合、溝4112は無くてもよい。
このような移動機構AMにより、図10に示すように、上記ガイドレール4111を有する筐体411を備えた表示部4は、スライド部材54を有するアーム51に対してY方向に沿って移動可能となる。これにより、ヘッドバンド部3と表示部4との距離を調整することができる。従って、虚像表示装置1を装着した観察者USが、表示される画像(虚像)を観察しやすい位置に表示部4を移動させることができる。
装着部材6は、上記のように、装置本体2(詳しくはヘッドバンド部3)を頭部HDに装着させるものである。この装着部材6は、本実施形態においては、上記ヘッドバンド部3に取り付けられる固定部としてのバンド61により構成されている。
バンド61は、図3〜図5に示すように、本体ケース31の内面311に取り付けられるバンド本体62(図4及び図5)と、バンド本体62に取り付けられる帯部63(図3及び図5)と、を有する。
帯部63は、バンド本体62とともに環状のバンド61を構成する。この帯部63は、例えば伸縮性を有する帯状の部材で形成され、図3及び図5に示すように、上記環状部62Aに両端が取り付けられる。この帯部63が、バンド本体62に対して頭部HDとは反対側の位置から、当該バンド本体62に向けて頭部HDとの接触位置を押圧することにより、バンド61、ひいては、ヘッドバンド部3が、観察者USの頭部HDに固定される。
以上説明した本実施形態に係る虚像表示装置1によれば、以下の効果がある。
観察者USの頭部HDに沿うフレームとしてのヘッドバンド部3は、当該ヘッドバンド部3と支持部5のアーム51を介して接続される表示部4によって表示される虚像が観察者USによって視認可能な位置に固定される。これによれば、ヘッドバンド部3は、頭部HD(額)に沿って配置された状態で固定されるので、虚像表示装置1の荷重が観察者の鼻や耳に加わることを抑制できる。従って、虚像表示装置1の使用時における観察者USへの負荷を軽減でき、使用感及び装着感を向上させることができる。
ここで、表示部4に撮像部33が位置する場合には、撮像部33の荷重によって虚像表示装置1の重量バランスがずれることが考えられる。これに対し、撮像部33は、ヘッドバンド部3に設けられていることにより、表示部4の重量を低減できるだけでなく、虚像表示装置1の重量バランスを適正化しやすくすることができる。従って、観察者USへの負荷を一層軽減できる。
これに対し、表示部4の筐体411から延出したケーブルCRは、アーム51内及びヘッドバンド部3内を通って制御部32に接続される。また、制御部32から延出したケーブルCBは、ヘッドバンド部3内を通って外部に延出する。これによれば、筐体411やフレーム部42等の強度を高める必要がない他、虚像表示装置1の外観を良好なものにすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る虚像表示装置は、上記虚像表示装置1と同様の構成を有するが、上記表示部の配置の他、虚像表示装置を頭部に装着するための構成が、当該虚像表示装置1と異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る虚像表示装置1Aは、上記虚像表示装置1と同様の構成及び機能を有する。具体的に、虚像表示装置1Aは、図11に示すように、ケーブルCBを介して接続される制御装置CDから入力される制御信号(画像信号及び操作信号を含む)に基づいて動作し、当該虚像表示装置1Aを装着した観察者USに画像を虚像として視認させる頭部装着型の画像表示装置である。
この虚像表示装置1Aは、図12及び図13に示すように、上記虚像表示装置1と同様の機能を有し、観察者USの頭部HDに直接装着可能である他、帽子CPやヘルメット等を介して頭部HDに間接的に装着可能である。このため、本実施形態においても、頭部HDとは、当該頭部HDを直接指す場合だけでなく、帽子CPやヘルメット等が装着された頭部HDを指す場合も含まれる。
このような虚像表示装置1Aは、装置本体2A及び装着部材6Aを備え、装置本体2Aは、フレームとしてのヘッドバンド部3Aと、表示部4Aと、支持部5と、を有する。
図14は、虚像表示装置1Aを左方正面側から見た斜視図であり、図15は、虚像表示装置1Aを右方背面側から見た斜視図である。また、図16は、虚像表示装置1Aを示す右側面図である。
ヘッドバンド部3Aは、上記ヘッドバンド部3と同様に、後述する装着部材6とともに上記頭部HDを挟持して、虚像表示装置1Aを当該頭部HDに装着させる部位である。このヘッドバンド部3Aは、図14〜図16に示すように、上記頭部HDの額から耳の上部(上記帽子CPやヘルメット等が頭部HDに装着されている場合には、これらにおける観察者USの額に応じた部位から耳の上部に応じた部位)までの位置に応じて配置される本体ケース31Aを有する。この本体ケース31Aは、上記本体ケース31と略同じ外形を有する。具体的に、本体ケース31Aは、Y方向側から見て頭部HDの前額部に沿う略半円の円弧形状を有するとともに、X方向側から見てZ方向とは反対側に向かうに従って緩やかにY方向とは反対側に延びる円弧形状を有する。換言すると、ヘッドバンド部3Aは、Y方向側から見て頭部HDの額及び側頭部に沿う略U字状の円弧形状を有する。
更に、本体ケース31Aの両端近傍の位置には、上記回動軸R3と同軸の回動軸部35Aによって回動可能に取り付けられる支持部5のアーム51が取り付けられる。なお、当該支持部5の構成、及び、当該支持部5の一部によって構成される移動機構AMは、上記虚像表示装置1に採用された構成と同様である。
レンズホルダー44は、視力矯正用のレンズを保持するものであり、上記フレーム部42に着脱可能に取り付けられる。
図17は、視線に対する導光部材413(413R)の配置位置を示す部分断面図である。
上記各光学装置41を構成する各導光部材413(413L,413R)は、観察者USが所定の方向に視線を向けた場合に、当該視線に対して、導光部材413の上記半透過層にて反射されて視認される虚像面が略直交するように配置される。具体的に、導光部材413は、Z方向に沿って視線を向けた場合(頭部HDの軸方向が鉛直方向に沿う状態において視線が水平に沿う場合)の当該視線をL1とすると、視線L1に対して下方に略10°傾斜した視線L2に、各導光部材413における観察者側の面413Aと観察者側とは反対側の面413Bが略直交するように配置される。これら各面413A,413Bは、それぞれ略平行であり、かつ、虚像面に対して略平行である。このため、このように導光部材413が配置されると、当該視線L2に対して各導光部材413の虚像面が略直交する。
なお、移動機構AMによって表示部4Aを上下にスライドさせる場合、虚像面と略平行な各面413A,413Bが視線L2に対して直交する状態では、当該状態が維持されたまま、表示部4Aは上下にスライドされる。このため、上記視線L2が虚像面において視認される画像(虚像)の中心を通るように、表示部4Aを配置でき、これにより、当該画像を視認しやすくすることができる。
図18は、導光部材413の配置と、両眼の視線の交点Pまでの距離(表示距離)との関係を示す模式図である。
また、本実施形態に係る虚像表示装置1Aでは、図18に示すように、画像が視認される際の設計上の輻輳角は、上記交点Pが両眼LE,REの略8m前方に位置するように設定されるのではなく、当該交点Pが両眼LE,REの略4m前方に位置するように設定されている。すなわち、虚像表示装置1Aに対して設定された上記交点Pの位置は、上記虚像表示装置1に対して設定された上記交点Pの位置より、観察者USの両眼LE,REに近い位置に設定され、これにより、虚像表示装置1Aに対して設定された設計上の輻輳角は、上記虚像表示装置1に対して設定された設計上の輻輳角より広くなっている。
詳述すると、虚像表示装置1Aにおける導光部材413Lは、虚像表示装置1における導光部材413Lの配置位置に比べて、導光部材413Lにおける左眼用光学装置41Lの光学ユニット412側の端部が観察者USから離れ、当該光学ユニット412とは反対側の端部(導光部材413R側の端部)が観察者USに近接する位置に配置される。
詳述すると、虚像表示装置1Aにおける導光部材413Rは、虚像表示装置1における導光部材413Rの配置位置に比べて、導光部材413Rにおける右眼用光学装置41Rの光学ユニット412側の端部が観察者USから離れ、当該光学ユニット412とは反対側の端部(導光部材413L側の端部)が観察者USに近接する位置に配置される。
なお、本実施形態では、これら光学装置41L,41Rの回動角は、輻輳角が1°変更される程度の角度を想定しているが、これに限らず、当該回動角及び輻輳角は、適宜変更可能である。
ここで、輻輳角は、導光部材413(413L,413R)に表示される画像の中心位置を調整することによって、上記輻輳角を調整できる。このため、光学装置41L,41Rの各光学ユニット412にて形成される画像の中心位置を、当該画像が視認される際の左右方向にずらすことによって、輻輳角、ひいては、視認される画像(虚像)の表示距離を調整できる。
例えば、図19に示すように、光学装置41L,41Rの各光学ユニット412によって最大解像度の画像光が形成され、当該画像光が導光部材413L,413Rの半透過層にて観察者USの左眼LE及び右眼REに導かれたときに、当該画像光に応じた画像を視認可能な領域を視認領域LA,RAとする。また、当該視認領域LA,RAにて視認される画像の中心位置を中心位置PCL,PCRとする。
これら画像が、上記各光学ユニット412により形成されて、当該画像が導光部材413L,412Rを介して表示された場合、左眼の視線は、中心位置PCLを通る視線となり、右眼の視線は、中心位置PCRを通る視線となる。この場合の輻輳角を輻輳角αとする。
図19に示した状態から、中心位置PCLが導光部材413R側(すなわち右側であり、X方向側)にずれた場合、左眼の視線は、図20に示すように、ずれた後の中心位置PCLを通る視線となる。同様に、図19に示した状態から、中心位置PCRが導光部材413L側(すなわち左側であり、X方向とは反対側)にずれた場合、右眼の視線は、図20に示すように、ずれた後の中心位置PCRを通る視線となる。
この場合の輻輳角βは、上記輻輳角αより大きくなる。すなわち、図20に示した状態では、図19に示した状態に比べ、同じ解像度及び同じサイズの画像を表示した場合でも、観察者USにとっては、当該画像は観察者USに比較的近い位置に表示されているように視認される。中心位置PCL,PCRが、上記とは逆にずれた場合には、輻輳角は狭くなるため、上記と同じ解像度及び同じサイズの画像を表示した場合でも、観察者USにとっては、当該画像は観察者USから遠い位置に表示されているように視認される。
このように、光学ユニット412における画像の形成位置、すなわち、画像形成領域における表示画像の形成位置を調整する(画像形成領域において表示画像を形成する画素の位置をずらす)ことによっても、上記輻輳角を調整でき、これにより、観察者USが当該画像を視認する虚像面の位置(表示距離)を調整できる。従って、例えば、快適視差とされる範囲に表示距離及び輻輳角が入るように、画像を形成及び表示できる。
以上説明した本実施形態に係る虚像表示装置1Aによれば、上記虚像表示装置1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
ここで、上記のように、人は、頭部HDの軸方向(Y方向)に対する直交方向(Z方向)を含む上側に視線を向けるより、当該直交方向より下側に視線を向ける方が楽である。
これに対し、表示部4は、Y方向及びZ方向にそれぞれ直交する方向(X方向)に沿って頭部HDを見た場合に、当該Y方向及びZ方向に対して所定角度下向きに傾斜した仮想線である視線L2に対して、画像が視認される虚像面が略直交するように配置される。
これによれば、視線を上記視線L2に沿わせた場合に、表示部4により表示される画像を視認しやすくすることができる。従って、比較的リラックスできる視線の向きにて、表示される画像を視認しやすくすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、支持部5は、一対のアーム51を備え、当該一対のアーム51が表示部4,4AをX方向の両側から支持する構成を例示した。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、支持部5は、1つのアーム51を備える構成としてもよい。この際、アーム51は、表示部4,4AのX方向における略中央と接続されていてもよく、X方向における一端側に接続されていてもよい。このような構成では、虚像表示装置1,1Aを構成する部品点数を減らすことができ、軽量化を図ることができる。なお、表示部4,4Aを一対のアーム51によりX方向における両側にて支持する構成では、1箇所で支持するよりも、表示部4,4Aを安定的に支持することができる。
例えば、1つのアーム51で表示部4,4Aを支持する構成や、上述のように左側のアーム51Lで左眼用光学装置41Lを、右側のアーム51Rで右眼用光学装置41Rを個別に支持する構成において、Y軸に平行な回動軸を中心にアームを回動可能としてもよい。
また、例えば、XZ平面に沿い、かつ、観察者USの視方向と交差する回動軸を中心にアーム51を回動可能としてもよい。
具体的には、固定部の構成として、固定部位を覆って装着されるヘッドキャップ型や、固定部位に沿う複数のバンドが頭頂部において交差する交差バンド型や、固定部位の周囲を囲み配置されるベルト型の構成を採用してもよい。また、固定部は、観察者の前後方向や、左右方向から、固定部位を挟むように当接される2以上の当接部材と、当該当接部材を支持する支持部と、を備える構成であってもよい。更に、装着部材は、断面視円筒状や角筒状等の紐状部材でもよく、頭部に対向する面は平面で、当該面以外の面は円弧状等の曲面形状を有していてもよい。
また、移動機構AMは、ガイドレール4111をスライド可能にスライド部材54が支持する構成に限らず、表示部4,4Aとアーム51とを相対的に移動させることで、ヘッドバンド部3,3Aに対して表示部4,4Aを接離させることができる移動機構であればよい。例えば、表示部4,4Aに接続されたアーム51が、本体部としてのヘッドバンド部3,3Aに対してY方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。
上記各実施形態では、ケーブルCBは、ヘッドバンド部3,3Aの内部に引き回され、ケーブルCRは、アーム51の内部に引き回された後、ヘッドバンド部3,3Aの内部に引き回されて制御部32に接続される構成を例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、ケーブルCB,CRが、ヘッドバンド部3,3Aやアーム51の外側に引き回された構成としてもよい。
例えば、コントローラーや制御装置等の外部機器が接続される構成において、虚像表示装置1,1A(画像表示装置)と外部機器とのうちの一方が、観察者の操作に応じた操作情報を取得する機能と、画像情報を取得して当該画像情報に応じて表示部4,4Aを駆動させる機能と、電力を供給する機能の少なくともいずれかを有し、他方が、残りの機能を有するように構成してもよい。
また、虚像表示装置1,1A(画像表示装置)が、上記外部機器を介して画像供給装置(PC等)に接続されてもよく、当該外部機器を介さずに当該画像供給装置に直接接続されてもよい。このような構成において、虚像表示装置1,1Aは、画像供給装置における画像表示部分として用いられ、虚像表示装置1,1Aの各種動作は、画像供給装置によって制御される構成としてもよい。なお、この場合、画像供給装置が、虚像表示装置1,1Aを駆動させる電力を供給してもよい。
また、虚像表示装置1,1A(例えば、ヘッドバンド部3,3Aや表示部4,4A)にバッテリーや、画像処理装置等の制御装置が配置されてもよく、更に、メモリーカード等のスロットが設けられていてもよい。逆に、ヘッドバンド部3,3Aには、虚像表示装置の機能の一部を制御するような制御部が設けられていなくてもよい。更に、虚像表示装置1,1Aに、観察者USの入力操作を受け付ける操作部を設けてもよく、タップ操作を検出可能な構成を設けてもよい。すなわち、コントローラーや制御装置CDは無くてもよい。
また、レーザー網膜投影型のHMDに対して本発明を適用することも可能である。例えば、表示部が、レーザー光源と、レーザー光源を観察者の眼に導く光学系とを備え、レーザー光を使用者の眼に入射させて網膜上を走査し、網膜に結像させることにより、使用者に画像を視認させるHMDに、本発明を適用してもよい。
Claims (18)
- 観察者の頭部に沿うフレームと、
前記観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、
前記フレームに取り付けられ、前記表示部を支持する支持部と、を備え、
前記フレームは、前記支持部を介して前記フレームに接続された前記表示部によって表示された前記画像が前記観察者によって視認される位置に固定されることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1に記載の画像表示装置において、
前記支持部は、前記フレームとの接続部位を中心として回動可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2に記載の画像表示装置において、
前記支持部は、前記画像を前記観察者が視認する際の視方向と略直交する回動軸を中心として回動可能に前記フレームに接続されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置において、
前記表示部は、前記観察者の眼に応じた位置に配置され、
前記支持部は、前記フレームにおいて前記観察者のこめかみに応じた位置と前記表示部とを接続することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記支持部は、一端が前記観察者にとっての左右方向における前記フレームの一端側の部位及び他端側の部位にそれぞれ接続され、他端が前記表示部に接続される複数のアームを有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示部を前記フレームに対して接離する方向に移動可能とする移動機構を備えることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記フレームに設けられ、前記観察者の視野における少なくとも一部の領域を撮像する撮像部を備えることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項7に記載の画像表示装置において、
前記フレームは、前記撮像部の撮像方向を調整する調整機構を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記フレーム内に配置され、当該画像表示装置の少なくとも一部の機能を制御する制御部を備えることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示部から延出し、前記支持部内及び前記フレーム内を通るケーブルを備えることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記フレームは、前記観察者の頭部に沿う円弧状の外形を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示部は、前記画像を前記観察者の左眼及び右眼のそれぞれにて視認させる左眼用表示部及び右眼用表示部を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示部は、前記画像を形成する光を前記観察者の眼に導光するとともに、外光を透過する導光部材を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
当該画像表示装置は、前記頭部の軸方向及び前記頭部の前後方向にそれぞれ直交する方向に沿って前記頭部を見た場合に、前記軸方向及び前記前後方向に対して所定角度傾斜した視線に対して、前記画像が視認される表示面が略直交するように前記表示部を配置可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項14に記載の画像表示装置において、
前記視線は、前記前後方向に対して略10°下向きに傾斜した視線であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項14又は請求項15に記載の画像表示装置において、
前記表示部は、前記画像を形成する光を前記観察者の眼に導光するとともに、外光を透過させる導光部材を有し、
前記導光部材における前記観察者側の面、及び、前記観察者とは反対側の面は、それぞれ前記表示面に対して略平行であり、
前記観察者側の面及び前記反対側の面は、それぞれ、前記視線に対して略直交することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記画像が前記観察者によって視認される位置に前記フレームを固定する固定部を有することを特徴とする画像表示装置。 - 観察者の頭部に沿うフレームと、
前記観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、
前記表示部を支持し、前記フレームとの接続部位を中心として回動可能に構成され、前記画像が視認される表示面が前記観察者の視線に対して略直交するように、前記表示部の位置を調整可能な支持部と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
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