JP2017009713A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下での偏光子耐久性に優れ、かつワープによる輝度ムラが低減できる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムとを有する偏光板であって、上記光学フィルムは、上記偏光子側の最表面に第一の領域を有し、かつ、上記第一の領域と上記偏光子側とは反対の表面の間に第二の領域を有し、
上記第一の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有し、
上記第二の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを0質量部以上15質量部以下含有し、
上記光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、上記偏光子の吸収軸とが平行に配置された偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は、液晶テレビや、パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの液晶パネル等の用途で広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を設けた液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。偏光板は偏光子とその保護フィルム(偏光板保護フィルム)とを含んでなり、一般的な偏光子はヨウ素又は二色性色素で染色されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを延伸することにより得られ、保護フィルムとしては例えばセルロースエステルフィルムなどが用いられている。
液晶表示装置は、高品質化とともに、用途も多様化し、耐久性への要求が厳しくなってきている。例えば、屋外用途での使用においては環境変化に対する安定性が求められ、偏光板についても高温高湿環境下での偏光子耐久性の改良(温度変化及び湿度変化に対する偏光性能の低下の抑制)が求められる。
また、偏光板は環境変化に伴って伸縮するため、例えば保管や輸送時に吸湿した偏光板を用いた液晶パネルでは、バックライトを点灯した際の発熱で偏光板中に残存している水分が蒸発し、偏光板に伸縮が発生し反りが生じることがあり、特に薄膜化や大型化の進んだ液晶表示装置において、画面の周辺部に輝度ムラ(ワープによる輝度ムラ)が発生することがある。
特許文献1には、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンを含む二塩基酸と二価のアルコールとを反応させて得られるポリエステルを含有するセルロースエステルフィルムが記載されており、このセルロースエステルフィルムは、湿度変化に対する厚み方向のレターデーション値(Rth)の変化が少ないことが記載されている。
また、特許文献2には、脂環構造を有する二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる、水酸基含有量が50%よりも大きいポリエステルポリオールと、セルロースエステルとを含有する光学フィルムが記載されており、この光学フィルムは、湿度変化による光学特性の変化が少ないことが記載されている。
国際公開第2014/027594号 特開2012−72223号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の光学フィルムを用いた偏光板は、高温高湿環境下での偏光子耐久性の改良と、ワープによる輝度ムラの低減の両立を達成することができなかった。
本発明は、高温高湿環境下での偏光子耐久性に優れ、かつワープによる輝度ムラが低減できる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
高温高湿環境下での偏光子の偏光性能の低下の要因のひとつに、偏光子中のヨウ素の偏光板保護フィルム中への拡散が考えられ、偏光子−偏光板保護フィルム間の層間移動がこの拡散を支配していると本発明者らは推定している。
特許文献1及び2においてセルロースエステルフィルムの添加剤として用いられている脂環式ポリエステルは、上記のヨウ素の拡散を抑制するはたらきがあると考えられるが、本発明者らの検討から、フィルム中に均一に高濃度で添加した場合、高温高湿環境下での偏光子耐久性は改善するものの、ワープによる輝度ムラが悪化してしまうことがわかった。
本発明者らは鋭意検討した結果、セルロースエステルフィルムの偏光子側の表面の近傍に脂環式ポリエステルを偏在させることで、高温高湿環境下での偏光子耐久性の改良と、ワープによる輝度ムラの低減を両立できることを見出した。
すなわち、下記構成の手段により、上記課題を解決できる。
<1>
偏光子と、上記偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムとを有する偏光板であって、
上記光学フィルムは、上記偏光子側の最表面に第一の領域を有し、かつ、上記第一の領域と上記偏光子側とは反対の表面の間に第二の領域を有し、
上記第一の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有し、
上記第二の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを0質量部以上15質量部以下含有し、
上記光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、上記偏光子の吸収軸とが平行に配置された偏光板。
<2>
上記光学フィルムの上記第二の領域は、上記第二の領域に含まれるセルロースエステル100質量部に対して、上記脂環式ポリエステルを1質量部以上10質量部以下含有する、<1>に記載の偏光板。
<3>
上記光学フィルムの上記第二の領域は、上記第二の領域に含まれるセルロースエステル100質量部に対して、鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有する、<1>又は<2>に記載の偏光板。
<4>
上記光学フィルムの厚みが10μm以上45μm以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の偏光板。
<5>
上記第二の領域の厚みに対する上記第一の領域の厚みの比が、0.03以上0.75以下である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の偏光板。
<6>
上記第一の領域の厚みが1μm以上14μm以下である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の偏光板。
<7>
上記第二の領域の厚みが4μm以上43μm以下である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の偏光板。
<8>
上記光学フィルムに含まれる脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルの含有量が、上記光学フィルムに含まれるセルロースエステル100質量部に対して、1質量部以上28質量部以下である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の偏光板。
<9>
上記偏光子と上記光学フィルムとが接着層を介して貼合された、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の偏光板。
<10>
上記光学フィルムは、
25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの面内のレターデーション値Reの絶対値が10nm以下であり、
25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの厚み方向のレターデーション値Rthの絶対値が10nm以下である、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の偏光板。
<11>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の偏光板と、液晶セルとを含む液晶表示装置。
<12>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の偏光板の上記光学フィルムが、上記偏光子と上記液晶セルとの間に配置された、<11>に記載の液晶表示装置。
<13>
上記液晶セルが、IPSモード型の液晶セルである、<11>又は<12>に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、高温高湿環境下での偏光子耐久性に優れ、かつワープによる輝度ムラが低減できる偏光板、及びこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することができる。
本発明の偏光板の一例を示す模式図である。 本発明の偏光板の一例を示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。
(偏光板)
本発明の偏光板は、
偏光子と、上記偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムとを有する偏光板であって、
上記光学フィルムは、
偏光子と、上記偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムとを有する偏光板であって、
上記光学フィルムは、上記偏光子側の最表面に第一の領域を有し、かつ、上記第一の領域と上記偏光子側とは反対の表面の間に第二の領域を有し、
上記第一の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有し、
上記第二の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを0質量部以上15質量部以下含有し、
上記光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、上記偏光子の吸収軸とが平行に配置された偏光板である。
上記光学フィルムは、第一の領域と第二の領域のみからなるものであってもよいし、第一の領域及び第二の領域以外の領域を有していてもよいが、第一の領域と第二の領域のみからなるものであることが好ましい。また、第一の領域及び第二の領域は、光学フィルム面に平行な層状の領域であることが好ましい。
図1は、本発明の偏光板の一例を示す模式図である。
図1の偏光板10は、偏光子1と、偏光子1の一方の面に配置された光学フィルム2とを有する。光学フィルム2は、上記第一の領域Iと、上記第二の領域IIとを有する。光学フィルム2は、第一の領域Iが偏光子1に最も近い側に配置されている。
図2は、本発明の偏光板の一例を示す模式図である。
図2の偏光板10は、光学フィルム2が第一の領域Iを偏光子1から最も遠い側にも有している点が、図1の偏光板10とは異なっている。
このように、本発明における光学フィルムは、第一の領域Iを2つ以上有していてもよく、1つの第一の領域が偏光子に最も近い側に配置されていればよい。
本発明の偏光板は、偏光子と光学フィルムとが接着層を介して貼合されていてもよい。
本発明の偏光板は、偏光子のもう一方の面に保護フィルムを有していてもよい。
(光学フィルム)
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムを有する。
本発明における光学フィルムは、偏光子側の最表面に第一の領域を有し、かつ、第一の領域と偏光子側とは反対の表面の間に第二の領域を有し、第一の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有し、第二の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを0質量部以上15質量部以下含有する。
また、本発明の偏光板において、上記光学フィルムは、第一の領域が偏光子に最も近い側に配置され、かつ、光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、偏光子の吸収軸とが平行に配置される。
上記のように、本発明における光学フィルムは、セルロースエステルと脂環式ポリエステルとを含有してなり、セルロースエステルに対する脂環式ポリエステルの含有量が異なる少なくとも2種の領域(第一の領域及び第二の領域)を有する。
本発明の偏光板は偏光板保護フィルムとして上記の構成の光学フィルムを有することで、脂環式ポリエステルを高濃度で含有する第一の領域が偏光子側に配置されることで、偏光子中のヨウ素の偏光板保護フィルム中への拡散が抑制され、高温高湿環境下での偏光子耐久性が改良されるものと考えられる。
更に、上記光学フィルムが、脂環式ポリエステルを含有しないか、又は低濃度で含有する第二の領域を有することで、光学フィルム全体としての弾性率の上昇を抑え、偏光板の収縮力の上昇を抑えることで、ワープによる輝度ムラも低減できると考えられる。また、弾性率の上昇を抑えられることから、光学フィルムの脆性も改良できると考えられる。さらに、Re、Rthの上昇を抑制できる。
高温高湿環境下での偏光子耐久性の改良と、ワープによる輝度ムラの低減の観点から、第一の領域を第二の領域よりも薄い厚みで設けることが好ましい。それぞれの厚みの好ましい範囲については後述する。
また、第一の領域と第二の領域はそれぞれ複数有していてもよく、たとえば、図2に示すように、1つの第二の領域と、その両側に第一の領域に相当する領域を有していてもよい。第一の領域と第二の領域とは、それぞれセルロースエステルと脂環式ポリエステルとを異なる含有量で含む溶液(ドープ)を2種以上用いて共流延することで作成することができ、たとえば、スキン層/コア層/スキン層という構成で、図2に示すような第一の領域/第二の領域/第一の領域の構成の光学フィルムを得ることもできる。
第一の領域における脂環式ポリエステルの含有量は、セルロースエステル100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下であり、好ましくは20質量部以上35質量部以下であり、より好ましくは22質量部以上30質量部以下である。
脂環式ポリエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
第一の領域の厚みは、1μm以上14μm以下であることが好ましく、1μm以上9μm以下であることがより好ましく、1μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
第一の領域における脂環式ポリエステルの含有量は、光学フィルムの偏光子側の表面から厚み方向に2μmまでの部分を切削し、定量する。定量は、TOF−SIMS(Time of Flight−Secondary Ion Mass Spectrometry)により行う。TOF−SIMSの測定は、Phi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMS(商品名)を用いて、脂環式ポリエステルに起因するフラグメントを検出することで観察する。TOF−SIMS法については、具体的には日本表面科学会編「表面分析技術選書 二次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。
第二の領域における脂環式ポリエステルの含有量は、セルロースエステル100質量部に対して、0質量部以上15質量部以下であり、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上8質量部以下である。下限値より明らかなように、第二の領域には脂環式ポリエステルを含有しなくてもよい。
脂環式ポリエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
なお、第一の領域に含まれる脂環式ポリエステルと、第二の領域に含んでもよい脂環式ポリエステルとは同じであっても異なっていてもよいが、第二の領域には、種類を問わず脂環式ポリエステルは上記範囲の含有量であることが好ましい。
第二の領域の厚みは、4μm以上43μm以下であることが好ましく、6μm以上41μm以下であることがより好ましく、8μm以上37μm以下であることが更に好ましい。
第二の領域における脂環式ポリエステルの含有量は、光学フィルムの厚み方向における中央部から±2μmの部分を削り出し、定量する。定量の具体的な方法は第一の領域におけるものと同様である。たとえば、厚み20μmの光学フィルムであれば、一方の表面から10μmの位置を中央部とし、ここから厚み方向に±2μmの部分、すなわち、厚み方向に8μmから12μmまでの部分を削り出して定量する。
第二の領域の厚みに対する第一の領域の膜厚の比が、0.03以上0.75以下であることが好ましく、0.04以上0.6以下であることがより好ましく、0.05以上0.5以下であることが更に好ましい。
光学フィルムの全体としての厚みは10μm以上45μm以下であることが好ましく、10μm以上42μm以下であることがより好ましく、10μm以上40μm以下であることが更に好ましい。
光学フィルムの第一の領域及び第二の領域における脂環式ポリエステルの含有量の好ましい範囲は前述のとおりであるが、光学フィルム全体における脂環式ポリエステルの含有量の好ましい範囲としては以下のとおりである。
光学フィルムに含まれる脂環式ポリエステルの含有量が、光学フィルムに含まれるセルロースエステル100質量部に対して、1質量部以上28質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、8質量部以上15質量部以下であることが更に好ましい。
脂環式ポリエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
(脂環式ポリエステル)
本発明における脂環式ポリエステルは、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルである。すなわち、本発明における脂環式ポリエステルは、二塩基酸に由来する繰り返し単位とグリコールに由来する繰り返し単位を有し、二塩基酸に由来する繰り返し単位の全体に対して、脂環構造を有する二塩基酸に由来する繰り返し単位を50モル%以上含む。
(二塩基酸)
脂環構造を有する二塩基酸としては、炭素数4〜12の脂環構造を有する二塩基酸が好ましく、炭素数6〜12の脂環構造を有する二塩基酸がより好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸が更に好ましく、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の少なくとも一方が特に好ましい。
本発明における脂環式ポリエステルは、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルであり、脂環構造を有する二塩基酸を70モル%以上100モル%以下含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルであることが好ましく、脂環構造を有する二塩基酸を90モル%以上100モル%以下含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルであることがより好ましい。
本発明における脂環式ポリエステルは、脂環構造を有する二塩基酸以外の二塩基酸に由来する繰り返し単位を有していてもよい。
脂環構造を有する二塩基酸以外の二塩基酸としては、鎖状脂肪族二塩基酸又は芳香族二塩基酸が挙げられ、鎖状脂肪族二塩基酸が好ましい。
鎖状脂肪族二塩基酸としては、炭素数3〜12の鎖状脂肪族二塩基酸が好ましく、炭素数4〜8の鎖状脂肪族二塩基酸がより好ましい。
芳香族二塩基酸としては、炭素数3〜12の芳香族二塩基酸が好ましく、炭素数4〜8の芳香族二塩基酸がより好ましい。
鎖状脂肪族二塩基酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸などが挙げられ、コハク酸又はアジピン酸が特に好ましい。
ただし、本発明における脂環式ポリエステル中、脂環構造を有する二塩基酸以外の二塩基酸に由来する繰り返し単位のモル比率は、二塩基酸に由来する繰り返し単位全体に対して50モル%以下であり、30モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
(グリコール)
本発明における脂環式ポリエステルの合成に用いられるグリコールとしては、特に限定はないが、炭素数2〜10の脂肪族ジオールが好ましい。
脂環構造を含む脂肪族ジオールとしては、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
非環状の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールを挙げることができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくは、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールの少なくとも1種であり、より特に好ましくはセルロースとの相溶性の観点からエチレングリコールである。2種用いる場合は、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールを用いることが好ましい。
グリコールの炭素数は、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることが特に好ましい。2種以上のグリコールを用いる場合には、2種以上の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。グリコールの炭素数が上記範囲であれば、セルロースアシレートとの相溶性に優れ、光学フィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいため好ましい。
(末端構造)
上記ポリエステルの末端構造は特に限定はなく、封止されていてもよいし、封止されていなくてもよいが、脂環構造を有する基で封止されたものであることが特に好ましい。その中でも、ポリエステルの末端が、脂環構造を有するモノアルコール(あるいは、モノアルコールの誘導体であって、ポリエステルの末端カルボキシル基とエステル結合を形成できる化合物)または脂環構造を有するモノカルボン酸(あるいは、モノカルボン酸の誘導体であって、ポリエステルの末端水酸基とエステル結合を形成できる化合物)と反応させて得られる末端構造を有することが好ましい。例えば、二塩基酸とジオールを反応させて末端にカルボキシル基を有するポリエステルを得た場合、これと脂環構造を有するモノアルコールを反応させて脂環構造を有するモノアルコール残基で末端を封止することができる。また、末端に水酸基を有するポリエステルを得た場合、これと脂環構造を有するモノカルボン酸を反応させて脂環構造を有するモノカルボン酸残基で末端を封止することができる。これは、末端を疎水性官能基で保護することにより、偏光板の高温高湿環境下での偏光子耐久性の改善とフィルム表面性の改善に有効であり、エステル基の加水分解を遅延させる役割を示すことが要因となっている。
ここで、残基とは、上記ポリエステルの部分構造で、上記ポリエステルを形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−であり、モノアルコールR−OHより形成されるモノアルコール残基はR−O−である。
本発明の光学フィルムは、脂環構造を有する基が、炭素数6〜12のシクロアルキル基を含む基であり、前述の炭素数6〜12のシクロアルキル基を含む基が少なくとも1つのシクロヘキシル環を含むことがより特に好ましい。
上記ポリエステルの末端が、脂環構造を有するモノアルコール由来の基(以下、モノアルコール残基とも言う)でカルボキシル基の一部が置換されてエステル結合が形成された末端構造を有する(以下、水酸基末端の水素原子が封止されているとも言う)ことも、脂環構造を有するモノカルボン酸由来のアシル基(以下、モノカルボン酸残基とも言う)で水酸基の水素原子が置換された末端構造を有する(以下、水酸基末端の水素原子が封止されているとも言う)ことも好ましい。その中でも、脂環構造を有するモノカルボン酸由来のアシル基で水酸基の水素原子が置換された末端構造を有することがより好ましい。
脂環構造を含むモノアルコールとしては、炭素数4〜12の脂環構造を有するモノアルコールであることが好ましく、炭素数4〜12のシクロアルキルモノアルコールであることがより好ましく、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールであることが特に好ましい。脂環構造を含むモノアルコールとしては、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールであり、かつ、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールが少なくとも1つのシクロヘキシル環を含むことがより特に好ましい。具体的にはシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、2−エチルシクロヘキサノール、4−エチルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−ブチルシクロヘキサノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール、2,5−ジメチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、4−シクロヘキシルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサンメタノール、ノルボルネオール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノール等が挙げられる。
上記脂環構造を有するモノカルボン酸としては、炭素数4〜12の脂環構造を有するモノカルボン酸であることが好ましく、炭素数4〜12のシクロアルキルモノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸であることが特に好ましい。脂環構造を有するモノカルボン酸としては、炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸であり、かつ、炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸が少なくとも1つのシクロヘキシル環を含むことが特に好ましい。具体的にはシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4−tert−ブチルシクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸が好ましく、シクロヘキサンカルボン酸が特に好ましい。炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸であり、かつ、炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸が少なくとも1つのシクロヘキシル環を含む化合物には、シクロヘキシル環の置換基どうしが連結した縮合環を含む、炭素数6〜12のシクロアルキルモノカルボン酸なども含まれる。
封止に用いる脂環構造を有するモノアルコールや脂環構造を有するモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。このとき、上記ポリエステルの両末端は脂環構造を有するモノアルコール残基または脂環構造を有するモノカルボン酸残基となっていることが好ましい。末端を疎水性かつ、嵩高い脂環構造を有する官能基で保護することにより、偏光板の高温高湿環境下での偏光子耐久性の改善に有効であり、また、フィルムの剛性を改良することができる。
また、モノカルボン酸で封止されていることも好ましい態様の1つである。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、酢酸、プロピオン酸がより好ましく、酢酸であることが特に好ましい。モノカルボン酸で封止することにより疎水性が向上する。
上記ポリエステルの酸価は10mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以下であることがより好ましく、1mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
上記ポリエステルの水酸基価は10mgKOH/g以下であることが高温高湿環境下での偏光子耐久性を改善する観点から好ましく、5mgKOH/g以下であることがより好ましく、1mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
また、本発明における光学フィルムは、上記脂環式ポリエステル以外のポリエステルを含んでいてもよい。上記脂環式ポリエステル以外のポリエステルとしては、鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルが挙げられ、鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールの好ましい範囲は前述したものと同様である。
光学フィルムの第二の領域は、第二の領域に含まれるセルロースエステル100質量部に対して、鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有するものであることも好ましい。
(合成方法)
ポリエステルの合成方法としては、二塩基酸とグリコールの脱水縮合反応、又は、グリコールへの無水ジカルボン酸の付加および脱水縮合反応などの公知の方法を利用することができる。
さらに、上記ポリエステルの合成は、常法により二塩基酸と、グリコールと、末端封止用の脂環構造を有するモノメタノールや脂環構造を有するモノカルボン酸とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。
ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、500〜3000であることが好ましく、600〜1500がより好ましく、700〜1200がさらに好ましい。ポリエステルの数平均分子量は500以上であれば揮発性が低くなり、光学フィルムの延伸時の高温条件下における揮散によるフィルム故障や工程汚染を生じにくくなる。また、ポリエステルの数平均分子量は3000以下であればセルロースエステルとの相溶性が高くなり、製膜時及び加熱延伸時のブリードアウトが生じにくくなる。
本発明で使用されるポリエステルの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定、評価することができる。具体的には、以下の方法で測定した値を採用する。上記ポリエステルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、東ソー株式会社製高速GPCを用いて行った。数平均分子量Mnはポリスチレン換算で計算した。以下に詳細を示す。
(分子量の測定)
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム;東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶離液;テトラヒドロフラン、流速;1mL/min、サンプル濃度;0.7〜0.8wt%、サンプル注入量;70μL、測定温度;40℃、検出器;RI(40℃)、標準物質;東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnは標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
(セルロースエステル)
本発明の光学フィルムは、セルロースエステルを含有してなる。
セルロースエステルとしては、セルロースアシレートが好ましい。セルロースアシレートは、セルロースと酸とのエステルである。上記エステルを構成する酸としては、有機酸が好ましく、カルボン酸がより好ましく、炭素原子数が2〜22の脂肪酸がさらに好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸であるセルロースアシレートが最も好ましい。
セルロースアシレートの原料セルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
本発明に用いられるセルロースアシレートはセルロースの水酸基の水素原子が、アシル基によって置換されたものである。アシル基の炭素原子数は、2〜22であるのが好ましい。アシル基は、脂肪族アシル基であっても芳香族アシル基であってもよく、単一でも2種類以上のアシル基によって置換されていてもよい。具体的には、上記セルロースアシレートの例には、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、及び芳香族アルキルカルボニルエステルが含まれる。アルキル部位、アルケニル部位、芳香族部位、及び芳香族アルキル部位のそれぞれは、さらに置換基を有していてもよい。好ましいアシル基の例には、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、i−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、及びシンナモイル基などが含まれる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、及びシンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、及びブタノイルがより好ましく、アセチルが最も好ましい。
本発明に用いられるセロースアシレートとしては、セルロースの水酸基の水素原子がアセチル基で置換された、セルロースアセテートであることが好ましい。
セルロースアシレートのアシル置換度については特に限定されないが、アシル置換度が2.00〜2.95のセルロースアシレートを使用すると、製膜性、及び製造されるフィルムの種々の特性の観点で好ましい。なお、アシル置換度は、酢酸等の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTM
D−817−91に準じて実施することができる。
アセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類のアシル基を有するセルロースアシレートの態様では、その全置換度が2.50〜2.95であることが好ましく、より好ましいアシル置換度は2.60〜2.95であり、さらに好ましくは2.65〜2.95である。
アセチル基のみを有するセルロールアシレート、即ちセルロースアセテートの態様では、その全置換度が2.00〜2.95であることが好ましい。さらには置換度が2.40〜2.95であることがより好ましく、2.70〜2.95であることが更に好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度がこの上限値以下であれば、セルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなりすぎることがなく流延によるフィルム作製が容易にできるので好ましい。重合度がこの下限値以上であれば、作製したフィルムの強度が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法{宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁(1962年)}により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
セルロースエステルの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがさらに好ましく、2.3〜3.4であることがよりさらに好ましい。
本発明における光学フィルムの第一の領域におけるセルロースエステルの含有量は、第一の領域の全質量100質量部に対して、好ましくは70質量部以上85質量部以下である。
セルロースエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明における光学フィルムの第二の領域におけるセルロースエステルの含有量は、第二の領域の全質量100質量部に対して、好ましくは70質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは80質量部以上95質量部以下である。
セルロースエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
なお、第一の領域に含まれるセルロースエステルと、第二の領域に含まれるセルロースエステルとは同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
光学フィルムに含まれるセルロースエステルの含有量は、光学フィルム全体の質量100質量部に対して、70質量部以上100質量部以下であることが好ましく、80質量部以上95質量部以下であることが更に好ましい。
(その他の成分)
本発明の光学フィルムには、脂環式ポリエステル及びセルロースエステル以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例としては、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、偏光子耐久性改良剤、湿度依存低減剤などが挙げられる。
(可塑剤)
可塑剤としては高分子系可塑剤(例えば、リン酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、重縮合オリゴマー系可塑剤等)が含まれる。
高分子系可塑剤としては、ポリエステルポリウレタン系可塑剤、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系ポリマー(エステル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、tert−ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基、ベンジル基、フェニル基など)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリN−ビニルピロリドン等のビニル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、酢酸ビニル、等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤(UV吸収剤)については特に制限はない。従来セルロースアシレートフィルムに使用されているUV吸収剤はいずれも用いることができる。紫外線吸収剤としては、特開2006−184874号公報に記載の化合物を挙げることができる。高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、上記紫外線吸収剤が、セルロースアシレートに対して1〜5質量%の割合で含まれていることがより好ましい。
(偏光子耐久性改良剤)
偏光子耐久性改良剤としては、公知の有機酸などを用いることができ、例えば、多価カルボン酸のモノグリセリドなどの有機酸モノグリセリド、特開2012−72348号公報に記載の化合物、バルビツール酸誘導体などを挙げることができる。
本発明の光学フィルムが偏光子耐久性改良剤を含有する場合は、偏光子耐久性改良剤の含有量としては、セルロースエステルに対して、6質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を挙げることができる。さらに、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤を挙げることもできる。
本発明の光学フィルムが酸化防止剤を含有する場合は、酸化防止剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.05〜5.0質量部であることが好ましい。
(湿度依存低減剤)
湿度依存低減剤としては、特開2014−95880号公報の[0042]〜[0106]の記載を本発明においても参照することができる。
<層構成>
本明細書中、後述の機能層を有するフィルムのことを機能層も含めて光学フィルムと言うことがあるが、特に機能層以外の光学フィルムのことを「セルロースエステルを含むフィルム」と言うことがある。
本発明の光学フィルムは、コア層と、コア層の少なくとも片面にスキン層とを積層した構成を有することが好ましく、スキン層用のドープとコア層用のドープとを共流延することで作成することが好ましい。この態様においては、コア層の一方の面に設けられたスキン層がセルロースエステルと脂環式ポリエステルを含有する第一の領域になることが好ましい。
光学フィルムのスキン層には、さらにマット剤を添加することが好ましい。マット剤としては、例えば特開2011−127045号公報に記載のものなどを用いることができ、例えば平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子などを用いることができる。
(弾性率)
光学フィルムの弾性率が最大となる方向の弾性率は、2.5〜10.0GPaが好ましく、3.0〜7.5GPaがより好ましく、3.5〜6.0GPaがさらに好ましい。この範囲であれば、例えば、フィルムをロール状態で保管したときの外観が劣化しにくいため好ましい。
弾性率は、光学フィルムから200mm×10mmのサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、25℃、相対湿度60%雰囲気で24時間調湿した後、引張速度10%/分で0.1%伸びと0.5%伸びにおける応力を測定し、その傾きから求めた。
(レターデーション)
光学フィルムは、波長590nmで測定したRe(面内レターデーション値)及びRth(厚み方向のレターデーション値)を、用途に応じて適切に調整することができ、この値は、光学フィルムを構成するポリマーの化学構造(例えば、セルロースエステルの置換基の種類や置換度)、前述のポリエステルの種類や添加量、フィルムの膜厚、製膜時の工程条件、延伸工程などにより制御することができる。
式(I) Re=(nx−ny)×d(nm)
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)
この場合、面内の遅相軸の方位は特に限定されないが、面内でフィルムの弾性率が最大となる方位に対して略並行若しくは略直交であることが好ましい。
光学フィルムは、25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの面内のレターデーション値Reの絶対値が10nm以下であり、25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの厚み方向のレターデーション値Rthの絶対値が10nm以下であることが好ましい。Reは0〜10nmがより好ましく、0〜5nmが更に好ましい。また、Rthは−20〜5nmがより好ましく、−10〜0nmが更に好ましい。
なお、Re及びRthは次のようにして測定できる。
本明細書において、Re、Rth(単位;nm)は次の方法に従って求めたものである。まず、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、プリズムカップラー(MODEL2010 Prism Coupler:Metricon製)を用い、25℃、相対湿度60%において、532nmの固体レーザーを用いて下記式(B)で表される平均屈折率(n)を求める。
式(B): n=(nTE×2+nTM)/3
[式中、nTEはフィルム平面方向の偏光で測定した屈折率であり、nTMはフィルム面法線方向の偏光で測定した屈折率である。]
本明細書において、Re(λnm)、Rth(λnm)は各々、波長λ(単位;nm)における面内レターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λnm)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが一軸又は二軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λnm)は算出される。
Rth(λnm)はRe(λnm)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、λに関する記載が特になく、Re、Rthとのみ記載されている場合は、波長590nmの光を用いて測定した値のことを表す。また、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基に、以下の式(3)及び式(4)よりRthを算出することもできる。
式(3)
Figure 2017009713
[式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタ−デーション値を表す。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する厚み方向の屈折率を表し、dはフィルムの膜厚を表す。]
式(4): Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが一軸や二軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λnm)は算出される。
Rth(λnm)はRe(λnm)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。これら平均屈折率と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また、上記の測定において、平均屈折率は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することもできる。平均屈折率の値が既知でないものについては、前述の方法で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
(光学フィルムの製造方法)
本発明における光学フィルムを製造する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いて製膜することができる。例えば、溶液流延製膜法及び溶融製膜法のいずれを利用して製膜してもよい。フィルムの面状を改善する観点から、光学フィルムは、溶液流延製膜法を利用して製造するのが好ましい。以下、溶液流延製膜法を用いる場合を例に説明するが、光学フィルムを製造する方法は溶液流延製膜法に限定されるものではない。なお、溶融製膜法を用いる場合については、公知の方法を用いることができる。
−ポリマー溶液−
溶液流延製膜方法では、セルロースエステル、脂環式ポリエステル及び必要に応じてその他の成分を含有するポリマー溶液(「セルロースエステル溶液」、「ドープ」ともいう)を用いてウェブを形成する。
−溶媒−
セルロースエステルは溶媒に溶解させてドープを形成し、これを基材上に流延しフィルムを形成させる。この際に押し出しあるいは流延後に溶媒を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒を用いることが好ましい。
更に、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、かつ流延用基材を溶解しないものである。又、2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
また、セルロースエステルと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に混合してもよい。
ここで、上記セルロースエステルに対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
上記良溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン、アセト酢酸メチルなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチルおよび塩化メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。
これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上にセルロースエステルのドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進したりする役割もあり、反応性金属化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。
これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からメタノール、エタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロースエステルに対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
ポリマー溶液の溶媒として好ましく用いられる有機溶媒の組み合せの例については、特開2009−262551号公報に挙げられている。
また、必要に応じて、非ハロゲン系有機溶媒を主溶媒とすることもでき、詳細な記載は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載がある。
ポリマー溶液中のセルロースエステル濃度は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜30質量%が最も好ましい。
セルロースエステル濃度は、セルロースエステルを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、セルロースエステルの濃度を低下させることもできる。
添加剤を添加する時期は、添加剤の種類に応じて適宜決定することができる。たとえば、芳香族エステルオリゴマーやUV吸収剤は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒或いはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
このような条件を満たす好ましい高分子化合物であるセルロースエステルを高濃度に溶解する溶剤として最も好ましい溶剤は、塩化メチレン:メタノールの質量比が95:5〜70:30の混合溶剤である。
(1)溶解工程
セルロースエステルに対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中でこのセルロースエステル、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいはセルロースエステル溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程である。
セルロースエステルの溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送ることが好ましい。
(2)流延工程
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
(3)溶媒蒸発工程
ウェブ(光学フィルムの完成品となる前の状態であって、まだ溶媒を多く含むものをこう呼ぶ)を金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
(4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることができる)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることができる。
金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、この金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
また、この剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を100〜280質量%とすることが好ましく、更に150〜250質量%とすることが好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)=[(M−N)/N]×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
(5)乾燥または熱処理工程、延伸工程
上記剥離工程後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、および/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥することが好ましい。
本発明において熱処理をする場合、この熱処理温度はTg−5℃未満であることが好ましく、Tg−20℃以上Tg−5℃未満であることがより好ましく、Tg−15℃以上Tg−5℃未満であることがさらに好ましい。
また、熱処理温度は、30分以下であることが好ましく、20分以下であることがより好ましく、10分程度であることが特に好ましい。
乾燥および熱処理の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。使用する溶媒によって、温度、風量及び時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて条件を適宜選べばよい。
延伸処理は、MD及びTDのいずれか一方向に行ってもよいし、双方の方向に2軸延伸してもよい。延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。また、引張り弾性率は、使用するセルロースアシレートの種類やアシル置換度を調整したり、添加剤の種類を選択することで、又はその割合を調整したりすることで、上記範囲に調整することができる。
フィルム搬送方向MDへの延伸における延伸倍率は、0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましく、0〜10%であることが特に好ましい。上記延伸の際のウェブの延伸倍率(伸び)は、金属支持体速度と剥ぎ取り速度(剥ぎ取りロールドロー)との周速差により達成することができる。例えば、2つのニップロールを有する装置を用いた場合、入口側のニップロールの回転速度よりも、出口側のニップロールの回転速度を速くすることにより、搬送方向(縦方向)にフィルムを好ましく延伸することができる。このような延伸が施されることによって、MDの引張り弾性率を調整できる。
なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
フィルム搬送方向に直交する方向TDへの延伸における延伸倍率は、3〜100%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましく、10〜60%であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、フィルム搬送方向に直交する方向TDに延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
2軸延伸の際に縦方向に、例えば0.8〜1.0倍に緩和させて所望のレターデーション値を得ることもできる。延伸倍率は様々な目的に応じて設定される。本発明の光学フィルムを製造する場合、長尺方向に一軸延伸することもできる。
延伸の際の温度が、Tg以下であると、延伸方向の引張り弾性率が上昇するので好ましい。延伸温度は、Tg−50℃〜Tgであることが好ましく、Tg−30℃〜Tg−5℃であることがより好ましい。
なお、延伸工程後に乾燥してもよい。延伸工程後に乾燥する場合、使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。本発明では、延伸工程後の乾燥温度は、延伸工程の延伸温度よりも低い方が、フィルムを液晶表示装置に組み込んだときの正面コントラストを上昇させる観点から好ましい。
(6)巻き取り
以上のようにして得られた、フィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。フィルムの幅は、0.5〜5.0mが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mであり、さらに好ましくは1.0〜2.5mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
このようにして得られたウェブを巻き取り、光学フィルムを得ることができる。
本発明の偏光板は、上記本発明における光学フィルムと偏光子とを含む。
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、光学フィルムの一方の面と、偏光子とを貼り合わせて積層することで作製することができる。光学フィルムの貼合面は、アルカリ鹸化処理を行うことが好ましい。また、貼合には、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いることができる。
積層には、通常、接着剤が用いられる。偏光子と両面の偏光板保護フィルムの間の接着剤層は、その厚さを0.01〜30μm程度とすることができ、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μmである。接着剤層の厚さがこの範囲にあれば、積層される光学フィルムと偏光子との間に浮きや剥がれを生じず、実用上問題のない接着力が得られる。
好ましい接着剤の一つとして、水系接着剤、すなわち、接着剤成分が水に溶解又は分散しているものを挙げることができ、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤が好ましく用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤において、ポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。
この接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキシル酸塩等が架橋剤として添加されていてもよい。水系接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層の厚みは通常、1μm以下である。
もう一つの好ましい接着剤として、活性エネルギー線の照射又は加熱により硬化するエポキシ化合物を含有する硬化性接着剤組成物が挙げられる。ここで硬化性のエポキシ化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものである。この場合、偏光子と光学フィルムとの接着は、上記接着剤組成物の塗布層に対して、活性エネルギー線を照射するか、又は熱を付与し、接着剤に含有される硬化性のエポキシ化合物を硬化させる方法により行うことができる。エポキシ化合物の硬化は、一般に、エポキシ化合物のカチオン重合により行われる。また生産性の観点から、この硬化は活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
硬化性接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層の厚みは通常、0.5〜5μm程度である。
硬化性接着剤を用いる場合には、貼合ロールを用いてフィルムを貼合した後、必要に応じて乾燥を行ない、活性エネルギー線を照射するかまたは加熱することにより硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。
耐候性、屈折率、カチオン重合性などの観点から、硬化性接着剤組成物に含有されるエポキシ化合物は、分子内に芳香環を含まないものであることが好ましい。分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物として、水素化エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが例示できる。このような硬化性接着剤組成物に好適に用いられるエポキシ化合物は、例えば、特開2004−245925号公報に詳細に説明されている。
また、光学フィルムと偏光子とを接着剤で貼合するにあたり、接着強度を向上させる目的で、光学フィルムの、偏光子と対向する面に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理)や易接着層形成等をしてもよい。特開2007−127893号公報、特開2007−127893号公報等に記載されている易接着層の材料や形成法などを用いることができる。
偏光子としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールあるいはエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%であるエチレン変性ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーからなるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルムを処理して配向させたものを用いる。
偏光子の膜厚としては、5〜30μmのものが好ましく用いられる。こうして得られた偏光子を、本発明の光学フィルムと貼合する。偏光子の膜厚が薄くなると、偏光子の耐久性が悪化しやすくなるが、本発明の光学フィルムは高温高湿環境下での偏光子耐久性を改良することが出来るので、偏光子の膜厚が薄い場合にも好適に用いられる。特に5〜20μmの偏光子と貼合することが好ましく、5〜15μmの偏光子と貼合することがより好ましい。
本発明における光学フィルムは、第一の領域が偏光子に最も近い側になるように配置される。
また、光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、偏光子の吸収軸とが平行になるように配置される。ここで、「平行」とは、光学フィルムの弾性率が最大となる方向と偏光子の吸収軸とが厳密に平行である状態のみならず、光学フィルムの弾性率が最大となる方向と偏光子の吸収軸とが5°以下の範囲でずれている状態をも含む。厳密な平行からのずれとしては4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
偏光子に本発明における光学フィルムが貼合された面の反対面には、さらに本発明の光学フィルムを貼合してもよいし、従来知られている保護フィルムを貼合してもよい。
上記した従来知られている保護フィルムについては、光学特性及び材料のいずれについても特に制限はないが、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、又は環状オレフィン樹脂を含む(あるいは主成分とする)保護フィルムを好ましく用いることができ、光学的に等方性のフィルムを用いても、光学的に異方性の位相差フィルムを用いてもよい。
上記の従来知られている保護フィルムについて、セルロースエステル樹脂を含むものとしては、例えばフジタックTD40UC(富士フイルム(株)製)などを利用することができる。
上記の従来知られている保護フィルムについて、アクリル樹脂を含むものとしては、特許第4570042号公報に記載のスチレン系樹脂を含有する(メタ)アクリル樹脂を含む保護フィルム、特許第5041532号公報に記載のグルタルイミド環構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂を含む保護フィルム、特開2009−122664号公報に記載のラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む保護フィルム、特開2009−139754号公報に記載のグルタル酸無水物単位を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む保護フィルムを利用することができる。
また、上記の従来知られている保護フィルムについて、環状オレフィン樹脂を含むものとしては、特開2009−237376号公報の段落[0029]以降に記載の環状オレフィン系樹脂フィルム、特許第4881827号公報、特開2008−063536号公報に記載のRthを低減する添加剤を含有する環状オレフィン樹脂フィルムを利用することができる。
本発明の偏光板を液晶表示装置に利用する態様では、本発明における光学フィルムを偏光子の内側(すなわち偏光子と液晶セルの間)、外側(すなわち液晶セル側の面と反対側の面)のいずれの配置でも好適に使用することができるが、偏光子と液晶セルの間に配置することが好ましい。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板とを有する液晶表示装置であって、上記偏光板のうち少なくとも1枚が、本発明の偏光板である。本発明の光学フィルムの液晶表示装置における機能については特に制限はない。本発明の光学フィルムの配置方法の一例は、ハードコート層を有さない状態でバックライト側の偏光板中、偏光子と上記液晶セルとの間(すなわち偏光板の液晶セル側の面)に配置した偏光板の表面保護フィルムである。本発明の光学フィルムの配置方法の他の一例は、ハードコート層を有さない状態で表示面側の偏光板中、偏光子と上記液晶セルとの間(すなわち偏光板の液晶セル側の面)に配置される表面保護フィルムである。このように、本発明の液晶表示装置は、本発明の光学フィルムが、偏光子と液晶セルとの間に配置されることが好ましい。
図3は、本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。
図3の液晶表示装置20は、偏光板10と、別の偏光板6と、これらの偏光体の間に液晶セル5を有する。偏光板10は、光学フィルム2が液晶セル5側になるように配置されており、光学フィルム2が偏光子1と液晶セル5との間に配置されている。偏光板10において、光学フィルム2は偏光子1と接着剤層3を介して貼合されており、保護フィルム4と偏光子1とは接着剤層3を介して貼合されている。
上記以外のその他の構成については、公知の液晶表示装置のいずれの構成も採用することができる。液晶セルのモードについても特に制限はなく、TN(Twisted Nematic)モード型の液晶セル、IPS(In−Plane Switching)モード型の液晶セル、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、OCB(Optically Compensatory Bend)モード型の液晶セル、STN(Supper Twisted Nematic)モード型の液晶セル、VA(Vertically Aligned)モード型の液晶セルおよびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モード型の液晶セル等の様々な表示モードの液晶表示装置として構成することができる。その中でも、本発明の液晶表示装置は、液晶セルが、IPSモード型の液晶セルである液晶表示装置であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
《測定法》
まず、特性の測定法及び評価法を以下に示す。
[置換度]
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
[弾性率]
作製した光学フィルムから200mm×10mmのサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、25℃、相対湿度60%雰囲気で24時間調湿した後、引張速度10%/分で0.1%伸びと0.5%伸びにおける応力を測定し、その傾きから弾性率を求めた。
[レターデーション]
光学フィルムの幅方向5点(光学フィルムの中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)、及び中央部と端部の中間部2点)を長手方向に100mごとにサンプリングし、5cm×5cmの大きさのサンプルを取り出し、前述の方法に従って評価した各点の平均値を算出し、それぞれRe及びRthを求めた。Re及びRthは、25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの面内のレターデーション値及び厚み方向のレターデーション値を求めた。
《1》 光学フィルムの製造と評価
光学フィルムは、以下に示す材料と製造方法から表1記載のものを選択して製造した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
1〕セルロースアシレート
下記のセルロースアシレートAを使用した。各セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、20質量部を使用した。
・セルロースアシレートA:
置換度が2.86のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
2〕溶媒
下記の溶媒A 80質量部を使用した。各溶媒の含水率は0.2質量%以下であった。
・溶媒A ジクロロメタン/メタノール/ブタノール=81/18/1(質量比)
3〕ポリエステル
下記表1に記載したポリエステルを用いた。各実施例及び比較例において下記表2に記載のポリエステルを用いた。
Figure 2017009713
上記表1に記載したポリエステルのうち、A〜Cは脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルである。Dは鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールを反応させて得られるポリエステルである。Eは脂環構造を有する二塩基酸を20モル%含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルである(Eは本発明における脂環式ポリエステルではない)。
A及びEの末端構造は、シクロヘキサンカルボン酸に由来する基(シクロヘキシルカルボニルオキシ基)であり、B〜Dは末端を封止していない。
[脂環式ポリエステルの含有量]
第一の領域の含有量については、光学フィルムの偏光子側最表面から1〜2μmの領域をカミソリ刃等で削り出し、得られた粉を1H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、1H−NMR測定を行い、2.2から2.5ppm付近の脂環式ポリエステルの繰り返し単位中の脂環プロトン由来のピーク面積Aと、4.6から4.9ppm付近のセルロースエステルのグルコピラノース環プロトン由来のピークの面積Bの面積比(A/B)から含有量を求めた。面積比から含有量への換算は、含有量既知のサンプルを用いて検量線を作成することにより求めた。
第二の領域については、フィルムを厚み方向中心まで削り出し(例えば、50μmのフィルムであれば、25μmまで削り出した後に、さらに1〜2μmの領域を削り出す)、第一の領域と同様にして1H−NMR測定により含有量を求めた。
脂環式ポリエステルの含有量の測定により、光学フィルムの層構成を求めた。結果は表2に示した。実施例1〜10、比較例7及び8における光学フィルムは、第一の領域/第二の領域/第一の領域という構成であり、第二の領域にマット剤として平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子を0.05質量部添加した。また、比較例1〜6における光学フィルムは第二の領域のみからなる構成とし、平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子を0.05質量部添加した。
4〕溶解
攪拌羽根を有する4000リットルのステンレス製溶解タンクに、前述の溶媒及びポリエステルを投入して撹拌、分散させながら、前述のセルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、5m/sec(剪断応力5×10kgf/m/sec〔4.9×10N/m/sec〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×10kgf/m/sec〔9.8×10N/m/sec〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、更に1.2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金(登録商標)製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧のタンク内でフラッシュさせて、蒸発した溶剤を凝縮器で回収分離した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、24.8質量%となった。なお、凝縮された溶剤は調製工程の溶剤として再利用すべく回収工程に回された(回収は蒸留工程と脱水工程などにより実施されるものである)。フラッシュタンクでは、中心軸にアンカー翼を有する軸を周速0.5m/secで回転させることにより攪拌して脱泡を行った。タンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内の平均滞留時間は50分であった。
5〕ろ過
次に、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルターを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルターを通過させた。ろ過後のドープ温度は、36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。
(フィルムの作製)
1)流延工程
続いてストックタンク内のドープを送液した。流延ダイは、幅が2.1mであり、流延幅を2000mmとしてダイ突出口のドープの流量を調整して流延を行った。ドープの温度を36℃に調整するため、流延ダイにジャケットを設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。実施例1〜10、比較例7及び8における光学フィルムは、スキン層/コア層/スキン層の構成を共流延で作製した。
ダイ、フィードブロック、配管はすべて作業工程中で36℃に保温した。
2)流延ダイ
ダイの材質は、オーステナイト相とフェライト相との混合組成を持つ2相系ステンレス鋼であり、熱膨張率が2×10−6(℃−1)以下の素材であり、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有する素材を使用した。
また、流延ダイのリップ先端には、溶射法によりWCコーティングを形成したものを用いた。また、ドープを可溶化する溶剤である混合溶媒(ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部))をビード端部とスリットの気液界面に片側で0.5ml/分で供給した。
3)金属支持体
ダイから押出されたドープは、支持体として幅2.1mで直径が3mのドラムである鏡面ステンレス支持体を利用した。表面はニッケル鋳金及びハードクロムメッキを行った。ドラムの表面粗さは0.01μm以下に研磨し、50μm以上のピンホールは皆無であり、10μm〜50μmのピンホールは1個/m以下、10μm以下のピンホールは2個/m以下である支持体を使用した。このとき、ドラムの温度は−5℃に設定し、ドラムの周速度が50m/分となるようにドラムの回転数を設定した。なお、流延に伴ってドラム表面が汚れた場合には、適宜、清掃を実施した。
4)流延乾燥
続いて、15℃に設定された空間に配置されているドラム上に流延され、冷却されてゲル化したドープは、ドラム上で320°回転した時点でゲル化フィルム(ウェブ)として剥ぎ取られた。このとき、支持体速度に対して剥ぎ取り速度を調整して、表1記載の延伸倍率に設定した。延伸開始時の残留溶媒量は200%とした。
5)テンター搬送・乾燥工程条件
剥ぎ取られたウェブは、ピンクリップを有したテンターで両端を固定されながら乾燥ゾーン内を搬送され、乾燥風により乾燥し、この工程では積極的な延伸は行わなかった。
6)後乾燥工程条件
前述した方法で得られた耳切り後の光学フィルムを、ローラー搬送ゾーンで更に乾燥した。ローラーの材質はアルミ製若しくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラーの表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。作製した光学フィルムを130℃10分間の後熱処理を行った。
7)後処理、巻取り条件
乾燥後の光学フィルムは、30℃以下に冷却して両端耳切りを行った。耳切りはフィルム端部をスリットする装置をフィルムの左右両端部に、2基ずつ設置して(片側当たりスリット装置数は2基)、フィルム端部をスリットした。更に光学フィルムの両端にナーリングを行った。ナーリングは片側からエンボス加工を行うことで付与した。こうして、最終製品幅1400mmの光学フィルムを得て、巻取り機により巻き取り、光学フィルムを作製した。
《2》 偏光板の作製と評価
(偏光板の作製)
1)光学フィルムの鹸化
実施例及び比較例で作成した各光学フィルム及びフジタックTDP40UT(富士フイルム(株)製)を37℃に調温した4.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(けん化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理した光学フィルムを作製した。
2)偏光子の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光子を調製した。
3〕貼り合わせ
このようにして得た偏光子と、鹸化処理した光学フィルムとフジタックTDP40UTを鹸化したフィルムで偏光子を挟んだ後、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3質量%水溶液を接着剤として、偏光子の吸収軸と光学フィルムの弾性率が最大となる方向とのなす角αが表2に記載の角度となるようにロールツーロールで貼り合わせて偏光板を作成した。
なお、すべての光学フィルムについて、弾性率が最大となる方向はMD方向であった。
(偏光子耐久性の評価値)
作製した偏光板について、各実施例および各比較例の光学フィルムの片方の面を粘着剤でガラス板に貼り合わせたサンプル(約5cm×5cm)を2組作製した。これをクロスニコル配置して、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率を410nm、および730nmで測定した。その後、85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で24時間保存した後の直交透過率を上記方法で測定した。
偏光板の偏光子耐久性の評価値を以下のように定義する。
偏光板の偏光子耐久性の評価値=[経時後の直交透過率(%)−経時前の直交透過率(%)]/経時前の直交透過率(%)
実用使用上、問題が無いのは410nmの偏光板の偏光子耐久性の評価値が10以下の場合であり、8以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。
また、730nmの偏光板の偏光子耐久性の評価値は8以下の場合に実使用上問題がなく、6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
3〕液晶表示装置への実装評価
(IPS型液晶表示装置への実装)
市販の液晶テレビ(IPSモードのスリム型42型液晶テレビ;LG電子製42LS5600)から、液晶セルを挟んでいる一対の偏光板を剥がし取り、作製した偏光板を、表2記載の光学フィルムが液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに貼合した。組みなおした液晶テレビの表示特性を確認し、正面及び斜めからの輝度、色味を確認した。液晶セルを挟んでいる一対の偏光板のうち、視認側の偏光板だけを剥がしとって、実施例のフィルムを用いた偏光板を貼合して評価した場合も、本表示特性は好ましいものであった。
(ワープによる輝度ムラの評価)
作製した液晶表示装置を、25℃・相対湿度60%の環境で、黒表示状態で点灯させ続け、4時間後に目視観察して、輝度ムラを評価した(サーモ前)。
また、作製した液晶表示装置を、50℃・相対湿度85%の環境で10日間保持した後に、25℃・相対湿度60%の環境に移し、黒表示状態で点灯させ続け、4時間後に目視観察して、輝度ムラを評価した(サーモ後)。
装置正面から観察した場合の黒表示時の輝度ムラを観察し、以下の基準で評価した。
S: 照度1001xの環境下で、パネル4角の光漏れが視認されず、優れている(パネルの光漏れがサーモ投入前と同程度)。
A: 照度1001xの環境下で、パネル4角のうち、1〜2角でわずかな光漏れが視認されるが、良好なレベル。
B: 照度1001xの環境下で、パネル4角のうち、3〜4角でわずかな光漏れが視認されるが許容できる。
C: 照度1001xの環境下で、パネル4角に淡い光漏れが視認でき、許容できない。
D: 照度1001xの環境下で、パネル4角の光漏れが強く、許容できない。
E: 照度3001xの環境下で、パネル4角の光漏れが強く、許容できない。
Figure 2017009713
表2中、ポリエステルの添加量は、セルロースアシレート100質量部に対するポリエステルの質量部であり、第一の領域及び第二の領域においては、それぞれの領域におけるセルロースアシレート100質量部に対するポリエステルの質量部である。
表2の結果から分かるように、本発明の実施例の光学フィルムは、高温高湿環境下での偏光子耐久性及びワープによる輝度ムラの観点で優れている。
1 偏光子
2 光学フィルム
3 接着剤層
4 保護フィルム
5 液晶セル
6 偏光板
10 偏光板
20 液晶表示装置
I 第一の領域
II 第二の領域

Claims (13)

  1. 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された光学フィルムとを有する偏光板であって、
    前記光学フィルムは、前記偏光子側の最表面に第一の領域を有し、かつ、前記第一の領域と前記偏光子側とは反対の表面の間に第二の領域を有し、
    前記第一の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有し、
    前記第二の領域は、セルロースエステル100質量部に対して、脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルを0質量部以上15質量部以下含有し、
    前記光学フィルムの弾性率が最大となる方向と、前記偏光子の吸収軸とが平行に配置された偏光板。
  2. 前記光学フィルムの前記第二の領域は、前記第二の領域に含まれるセルロースエステル100質量部に対して、前記脂環式ポリエステルを1質量部以上10質量部以下含有する、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記光学フィルムの前記第二の領域は、前記第二の領域に含まれるセルロースエステル100質量部に対して、鎖状脂肪族二塩基酸とグリコールとを反応させて得られるポリエステルを20質量部以上40質量部以下含有する、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記光学フィルムの厚みが10μm以上45μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記第二の領域の厚みに対する前記第一の領域の厚みの比が、0.03以上0.75以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記第一の領域の厚みが1μm以上14μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記第二の領域の厚みが4μm以上43μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 前記光学フィルムに含まれる脂環構造を有する二塩基酸を50モル%以上含む二塩基酸とグリコールとを反応させて得られる脂環式ポリエステルの含有量が、前記光学フィルムに含まれるセルロースエステル100質量部に対して、1質量部以上28質量部以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 前記偏光子と前記光学フィルムとが接着層を介して貼合された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板。
  10. 前記光学フィルムは、
    25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの面内のレターデーション値Reの絶対値が10nm以下であり、
    25℃、相対湿度60%の環境下における波長590nmの厚み方向のレターデーション値Rthの絶対値が10nm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光板。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の偏光板と、液晶セルとを含む液晶表示装置。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の偏光板の前記光学フィルムが、前記偏光子と前記液晶セルとの間に配置された、請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 前記液晶セルが、IPSモード型の液晶セルである、請求項11又は12に記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014091759A1 (ja) * 2012-12-14 2014-06-19 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムとその製造方法、円偏光板および有機el表示装置
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