JP2017009561A - 測量装置、測量方法、及び測量プログラム - Google Patents

測量装置、測量方法、及び測量プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】森林域等のようにGPS衛星からのGPS信号が直接届きにくい環境でも、高精度かつ作業効率の高い測量を可能にする。
【解決手段】測量装置10は、測定期間内において複数のタイミングで受信したGPS信号の各々に基づいて、複数のGPS衛星とGPS受信部12との距離を複数のタイミングの各々について算出する距離算出部30、複数のタイミングの各々について算出した距離と複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数のGPS衛星の各々について算出する近似式算出部32、複数のGPS衛星の各々について、近似式により求まる近似直線を距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に近似直線と重なる複数のタイミングの各々について算出した距離のうち、近似直線の移動量が最も大きい距離を最適距離として特定する最適距離特定部34、特定した最適距離に基づいてGPS受信部12の位置を算出する位置算出部36を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、測量装置、測量方法、及び測量プログラムに関する。
従来、GPS衛星から送信されたGPS信号を用いた測量方法が知られている。GPSとは、Global Positioning System(全地球測量システム)の略であり、米軍が開発・運用しているシステムの名称である。地球を半日で1周する高度約2万kmの6つの軌道上を、31基(および予備数基)のGPS衛星が周回しており、それらのGPS衛星から発信されているGPS信号の電波を受信機で受信し演算処理を行うことで、受信機の位置を知ることができるシステムである。1978年に最初の実験衛星が打ち上げられてから40年以上経った現在、受信機はカーナビゲーションやスマートフォンなどに広く搭載されている。更に、新型GPS衛星への更新による性能向上が進められているほか、ロシアのGRONASS(グロナス)や中国の北斗、また日本の準天頂衛星なども開発・運用され、人工衛星を利用した測量システムは、今後ますます発展していくものと期待されている。
GPS測量は、GPS衛星からのGPS信号が直接到来する開放地においては高精度の測量が可能である。しかしながら、例えば森林域のようにGPS信号が枝葉で遮られる場所では、電波遅延及びマルチパスのために誤差が大きくなり、測量精度が低下する。そのため、そのような場所においては、受信機のアンテナをポールの先端に取り付け、GPS信号を直接受信できるようにしたり、光波測量で見通し範囲内の測量を繰り返したりする等の対策が取られており、測量に時間を要し作業効率が悪い。
また、例えば特許文献1には、観測点において各GPS衛星から到来したGPS信号のうち測位誤差が大きい信号、すなわちマルチパスによる誤差が大きい信号の方向(方位・仰角)の範囲を割り出し、この範囲以外から到来するGPS信号を用いて測量する技術が開示されている。
特開2006−90754号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、マルチパスによる誤差が大きい信号の方向の範囲を観測点毎に予め求める必要があるため作業効率が悪い、という問題があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、森林域等のようにGPS衛星からのGPS信号が直接届きにくい環境であっても、高精度かつ作業効率の高い測量を行うことができる測量装置、測量方法、及び測量プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の測量装置は、複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信するGPS受信部が、予め定めた測定期間内において予め定めた複数のタイミングで受信した前記GPS信号の各々に基づいて、複数の前記GPS衛星と前記GPS受信部との距離を前記複数のタイミングの各々について算出する距離算出部と、前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離と前記複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数の前記GPS衛星の各々について算出する近似式算出部と、複数の前記GPS衛星の各々について、前記近似式により求まる近似直線を前記距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた前記近似直線と重なる前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離のうち、前記近似直線の移動量が最も大きい前記距離を最適距離として特定する最適距離特定部と、複数の前記GPS衛星の各々について特定した前記最適距離に基づいて、前記GPS受信部の位置を算出する位置算出部と、を含む。
なお、請求項2に記載したように、前記距離算出部は、前記GPS信号を受信したGPS衛星が4個を超えている場合、前記測定期間内において受信できたGPS信号の数が多い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星の各々について前記距離を算出するようにしてもよい。
また、請求項3に記載したように、前記距離算出部は、前記GPS信号を受信したGPS衛星が4個を超えている場合、前記測定期間内において受信した前記GPS信号の信号強度の代表値が高い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星の各々について前記距離を算出するようにしてもよい。
請求項4に記載の発明の測量方法は、複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信するGPS受信部が、予め定めた測定期間内において予め定めた複数のタイミングで受信した前記GPS信号の各々に基づいて、複数の前記GPS衛星と前記GPS受信部との距離を前記複数のタイミングの各々について算出する距離算出ステップと、前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離と前記複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数の前記GPS衛星の各々について算出する近似式算出ステップと、複数の前記GPS衛星の各々について、前記近似式により求まる近似直線を前記距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた前記近似直線と重なる前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離のうち、前記近似直線の移動量が最も大きい前記距離を最適距離として特定する最適距離特定ステップと、複数の前記GPS衛星の各々について特定した前記最適距離に基づいて、前記GPS受信部の位置を算出する位置算出ステップと、を含む。
請求項5記載の発明の測量プログラムは、コンピュータを、請求項1〜3の何れか1項に記載の測量装置として機能させるための測量プログラムである。
本発明によれば、森林域等のようにGPS衛星からのGPS信号が直接届きにくい環境であっても、高精度かつ作業効率の高い測量を行うことができる、という効果が得られる。
測量装置の機能ブロック図である。 森林域でRTK−GPS測位を測量点P1〜P22について行った結果を示す図である。 各測量点の測量結果に基づいて誤差平均及び誤差標準偏差を算出した結果を示す図である。 森林域におけるGPS衛星とGPS受信部との位置関係を模式的に示す図である。 各時刻におけるGPS衛星とGPS受信部との距離を測定した結果を示す図である。 1秒間隔で測量したときのGPS衛星とGPS受信部との距離の関係を示す図である。 近似式について説明するための図である。 GPS衛星毎に最適距離が異なることについて説明するための図である。 測量処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1には本実施の形態に係る測量装置10の機能ブロック図を示した。図1に示すように、測量装置10は、GPS受信部12、本発明に係る測量装置としての測量部14、表示部16、操作部18、記憶部20、及び通信部22を備えている。
GPS受信部12は、地球上を周回する複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信する。
測量部14は、距離算出部30、近似式算出部32、最適距離特定部34及び位置算出部36を含む。
距離算出部30は、GPS受信部12が予め定めた期間内において予め定めた複数のタイミング、すなわち予め定めた時間間隔で受信したGPS信号の各々に基づいて、複数のGPS衛星とGPS受信部12、すなわち測量装置10との距離を複数のタイミングの各々について算出する。
近似式算出部32は、複数のタイミングの各々について算出した距離と複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数のGPS衛星の各々について算出する。
最適距離特定部34は、複数のGPS衛星の各々について、近似式により求まる近似直線を距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた近似直線と重なる複数のタイミングの各々について算出した距離のうち、近似直線の移動量が最も大きい距離を最適距離として特定する。
位置算出部36は、複数のGPS衛星の各々について特定した最適距離に基づいて、GPS受信部の位置を算出、すなわち測量する。
表示部16は、測量部14で測量された測量装置10の位置を表示する。
操作部18は、測量の開始の指示や各種設定を行うための操作ボタンを含んで構成される。
記憶部20は、測量部14で測量された測量装置10の位置を記憶する。記憶部20は例えば不揮発性メモリ又はハードディスク等で構成される。
通信部22は、無線又は有線で外部装置と接続され、測量部14で測量された測量装置10の位置を外部装置へ送信する。
また、測量部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、後述する測量ルーチンを実行するための測量プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)と、を備えたコンピュータにより実現される。なお、ROMに代えて不揮発性メモリを用いてもよい。
次に、GPS測量の原理について説明する。GPS測量では3個の衛星から受信機までの距離と地球の表面の位置とを用いて受信機の位置を測量する。GPS衛星は決められた時刻にGPS信号を送信している。このため、GPS衛星と受信機との距離は、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信機で受信した受信時刻と、GPS衛星からGPS信号が送信された送信時刻と、の差に電波の移動速度(光速)を乗算することで求めることができる。
ここで、例えば、或るGPS衛星Aから受信機までの距離がL1のとき、受信機は衛星Aを中心とする半径L1の球の表面上に存在する。同様に、或るGPS衛星B及び或るGPS衛星Cから受信機までの距離をそれぞれL2及びL3とするとき、受信機は、GPS衛星Bを中心とする半径L2の球の表面上及びGPS衛星Cを中心とする半径L3の球の表面上に存在する。従って、受信機の位置は、これら3個の球が重なる2つの点のうち、地表と重なる点の位置となる。
GPS測量では、GPS衛星と測量点、すなわち受信機との間の距離を測ることで位置を知ることができる。GPS衛星から送信されたGPS信号が受信機まで到達するのに要した時間を計測し、この時間に光の速度cを乗算すればGPS衛星からの距離rが分かる。GPS衛星から送信されるGPS信号には正確な時刻情報が含まれており、受信機側で送信時刻と受信時刻とを比較することにより、GPS衛星からGPS信号が送信されてから受信機に到達するまでに要した時間を知ることができる。
実際のGPS測量では、安価な受信機にGPS衛星と同等の精度の時計を搭載することは困難であるため、受信機の時刻は正確ではない。このため、受信機の緯度、経度、及び高度に加えて時刻を未知数とし、GPS衛星Dを加えた4個のGPS衛星からのGPS信号に基づいて受信機の位置を算出する。
具体的には、測量点、すなわち受信機の位置(緯度、経度、高度)を(X、Y、Z)、GPS衛星Aの位置を(X、Y、Z)、GPS衛星Bの位置を(X、Y、Z)、GPS衛星Cの位置を(X、Y、Z)、GPS衛星Dの位置を(X、Y、Z)、GPS衛星の時計と受信機の時計との時刻のずれ量をt、光速をc、GPS衛星Aと受信機との距離をr、GPS衛星Bと受信機との距離をr、GPS衛星Cと受信機との距離をr、GPS衛星Dと受信機との距離をr、とし、受信機の位置(X、Y、Z)、時刻のずれ量tの4つのパラメータを未知数として、下記(1)〜(4)式から成る4つの連立方程式を解く。なお、GPS衛星A〜Dの位置は、軌道情報から得られるため既知である。これにより、受信機の位置(X、Y、Z)が求められる。
・・・(1)
・・・(2)
・・・(3)
・・・(4)
次に、GPS測量を森林域で行った場合の問題について説明する。
図2には、森林域でRTK(Real Time Kinematic)−GPS測位を測量点P1〜P22について行った結果を示した。図2に示す測量点P1〜P22の同心円の中心点は、測量位置、すなわち受信機の位置であり、その周囲の点はRTK−GPS測位の結果得られた測量位置である。例えば測量点P22の場合、同心円の中心に測量位置P22Aがあり、その周囲にRTK−GPS測位の結果得られた測量位置P22B〜P22Dがある。各測量点では複数回の測量が行われており、各測量点の複数回の測量結果に基づいて誤差平均(m)及び誤差標準偏差(m)を算出した結果を図3に示した。
図3に示すように、森林域におけるRTK−GPS測位の測量誤差は平均3.96mであった。しかしながら、一般にRTK−GPS測位の測量誤差は、開放地においては数cm以下になる。従って、森林域における測量誤差の主な原因はマルチパスによるものと考えられる。森林域における測量では、GPS衛星から受信機に直接到来するGPS信号の電波は枝葉で遮られ大きく減衰することがある。一方、GPS衛星から送信されたGPS信号の電波は樹木の幹等で反射し、受信機では直接到来する電波よりも反射した電波の方が電界強度が強い。このため、受信機で反射波を正しいGPS信号として捉えて処理してしまうことがある。反射波は直接波よりも遅れて到来するため、受信機はGPS衛星までの距離を実際よりも長く計算してしまう。これがマルチパスによる測量誤差の発生原理である。
以上のように、森林域等のように、GPS衛星からの電波が測量点に直接届きにくい環境下においては、測量誤差が大きくなる。
次に、本発明の概要について説明する。
GPS衛星は一定速度で連続した軌道上を移動するため、GPS衛星と受信機との間の距離は時間的に連続して変化する。しかしながら、森林域のような環境下でGPS衛星から送信された場合は、GPS衛星と受信機との間の距離の変化は不連続になる。
図4には、森林域におけるGPS衛星Sと受信機としてのGPS受信部12との位置関係を模式的に示した。GPS衛星Sは、軌道K上を矢印A方向へ一定速度で移動する。時刻TにおいてはGPS衛星Sからの直接波W1は木40に遮断されGPS受信部12に到来していない。時刻T、T、Tにおいては、GPS衛星Sからの直接波W2、W4、W5が木40又は木42で遮断されているが、反射波W21、W41、W51がGPS受信部12に到来している。時刻Tにおいては、GPS衛星Sからの直接波W3がGPS受信部12に到来している。
このときの各時刻におけるGPS衛星SとGPS受信部12との距離を測定した結果を図5に示した。図5に示すように、森林域のような環境下では、GPS衛星SとGPS受信部12との距離の変化は不連続になる。
図6には、1秒間隔で測量したときのGPS衛星SとGPS受信部12との距離の関係を示した。森林域等では、マルチパス信号が受信されるため、GPS衛星SとGPS受信部12との間の距離は時間的に不連続に変化する。また、GPS衛星SからのGPS信号が完全に遮断され、GPS受信部12で受信できない場合もある。例えば、5〜7秒の期間は、GPS衛星Sから送信されたGPS信号が木40、42によって遮られ、直接波及び反射波も到来しないため、距離を測定できなかった時間帯と考えられる。
しかしながら、このような場合においても、仮にGPS衛星Sからの直接波がGPS受信部12で受信されたとした場合、GPS衛星Sは一定速度で連続した軌道上を移動するため、GPS衛星SとGPS受信部12との間の距離は時間的に連続して変化している筈である。
そこで、本実施形態では、GPS衛星SとGPS受信部12との距離と、GPS信号を受信した複数のタイミングとの関係を表す近似式を、例えば最小二乗法等を用いて算出する。そして、算出した近似式により求まる近似直線を距離が小さくなる方向、すなわち負の方向に平行移動させた場合に、平行移動させた近似式を満たす距離のうち、近似直線の移動量が最も大きい距離を、測量に用いる最適距離として特定する。これにより、測量した際の誤差が最も小さい距離を特定することができる。
図7には、GPS衛星SとGPS受信部12との距離とGPS信号を受信した複数のタイミングとの関係を表す近似式の一例を示した。図7に示す近似直線44は、GPS信号を受信した複数のタイミング毎に算出した距離に基づいて最小二乗法により算出した近似式で求められる。なお、本実施形態では、近似式を一次式で表しているが、二次式以上の近似式としてもよい。
図7の例の場合、近似直線44を距離が負になる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた近似直線44と重なる複数のタイミングの各々について算出した距離のうち、近似直線44の移動量Xが最も大きい距離は、測定を開始してから2秒後のタイミングで算出した距離dである。このため、距離dを、測量に用いる最適距離として特定する。
図8には、GPS衛星毎に最適距離が異なる場合の一例を示した。破線で示す距離が最適距離として特定された距離を表している。すなわち、図8に示すように、GPS衛星Sは、時刻T1〜T6で測定された距離L11〜L61のうち、距離L11が最適距離として特定される。以下同様に、GPS衛星Sは、距離L52が最適距離として特定され、GPS衛星Sは、距離L63が最適距離として特定され、GPS衛星Sは、距離L44が最適距離として特定され、GPS衛星Sは、距離L35が最適距離として特定される。
このような処理を観測可能な各GPS衛星についてそれぞれ行い、その結果得られた最適距離に基づいて、GPS受信部12の位置を算出する。
このように、一定時間内に得られたGPS信号のうち、マルチパスによる影響の最も少ないGPS信号を測量に使用することができる。このため、森林域等のようにGPS衛星からの電波が直接受信できないような環境下においても高精度かつ作業効率の高い測量を行うことができる。
次に、図9を参照して、本実施の形態に係る測量装置10において実行される測量プログラムの処理ルーチンについて説明する。図9に示す処理ルーチンは、例えばユーザーが操作部18を押下して測量を指示した場合に実行される。
ステップS100では、距離算出部30が、GPS受信部12が複数のGPS衛星から受信したGPS信号を予め定めた測定期間内において予め定めた複数のタイミング、すなわち予め定めた時間間隔で取得する。GPS信号を取得する時間間隔及び測定期間は、長すぎると測量に要する時間が長くなり、短すぎると精度良く測量することが困難になるため、測量に要する時間が許容範囲で且つ測量の精度が許容範囲となる値に設定される。本実施形態においては、一例として時間間隔は1秒、測定期間は20秒とするが、これに限られるものではない。
ステップS102では、距離算出部30が、複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信するGPS受信部が予め定めた測定期間内において複数のタイミングで受信したGPS信号の各々に基づいて、複数のGPS衛星とGPS受信部12との距離を複数のタイミングの各々について算出する。本実施形態では、20秒の測定期間内において1秒間隔で取得した複数のGPS信号に基づいて、GPS衛星とGPS受信部12との距離をそれぞれ算出する。このため、1個のGPS衛星について、そのGPS衛星とGPS受信部12との距離が20回算出される。これを、GPS信号を受信したGPS衛星毎に行う。
なお、前述したように、4個のGPS衛星からGPS信号を受信できればGPS受信部12の位置は算出できる。また、GPS信号を受信したGPS衛星が4個を超えている場合もある。この場合、GPS信号を受信したGPS衛星のうち、できるだけ精度良く測量できるGPS衛星を4個選択することが好ましい。
そこで、例えば測定期間内において受信できたGPS受信号の数が多い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星から受信したGPS信号を用いて距離を算出するようにしてもよい。本実施形態の場合、20秒の測定期間内において1秒間隔でGPS信号を取得するので、木等に遮られなければGPS信号を測定期間内で20回受信できるはずであるが、木等に遮られることによって受信できたGPS信号の数が少ない場合、精度良く測量することができない恐れがある。このため、測定期間内において受信できたGPS受信号の数が多い順にGPS衛星を4個選択して距離を算出すれば、精度良く測量することができる。
また、例えば測定期間内において受信したGPS信号の信号強度の代表値が高い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星から受信したGPS信号を用いて距離を算出するようにしてもよい。なお、代表値は、例えば測定期間内において受信したGPS信号の信号強度の平均値とすることができるが、これに限らず、測定期間内において受信したGPS信号の信号強度の最大値や中央値としてもよい。
ステップS104では、近似式算出部32が、ステップS102において複数のタイミングの各々について算出した距離と複数のタイミングとの関係を表す近似式を、距離の算出に用いた4個のGPS衛星の各々について算出する。近似式は、前述したように、最小二乗法等を用いて算出する。
ステップS106では、最適距離特定部34が、近似式により求まる近似直線を距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、近似直線と重なる複数のタイミングの各々について算出した距離のうち、近似直線の移動量が最も大きい距離を最適距離として特定する。最適距離特定部34は、この処理を、距離の算出に用いた4個のGPS衛星の各々について実行する。
ステップS108では、位置算出部36が、4個のGPS衛星の各々について特定した最適距離に基づいて、GPS受信部12の位置を測量する。すなわち、4個のGPS衛星の位置を(X、Y、Z)、(X、Y、Z)、(X、Y、Z)、(X、Y、Z)、各GPS衛星の時計とGPS受信部12との時刻のずれ量をt、光速をc、4個のGPS衛星とGPS受信部12との最適距離をr1〜r4として、上記(1)の連立方程式を解くことにより、GPS受信部12の位置(X、Y、Z)を算出する。
ステップS110では、表示部16が、ステップS108で測量したGPS受信部12の位置(X、Y、Z)を表示する。なお、表示部16が位置(X、Y、Z)を表示するのに代えて又は表示するのに加えて、例えば記憶部20に位置(X、Y、Z)を記憶させるようにしてもよいし、通信部22を介して位置(X、Y、Z)を外部装置に送信するようにしてもよい。
なお、GPS信号を受信したGPS衛星が3個の場合は、上記(1)〜(4)式から成る連立方程式を解くことはできない。この場合は、3個のGPS衛星とGPS受信部12との最適距離をr1〜r3として、下記(5)〜(7)式から成る連立方程式を解くことにより、GPS受信部12の位置(X、Y、Z)を算出すればよい。この場合、r〜rは時刻のずれ量tによる誤差を含むため、擬似的な距離となる。
・・・(5)
・・・(6)
・・・(7)
上記のようにしてGPS受信部12の位置、すなわち測量装置10の位置を算出するため、森林域等のGPS衛星からのGPS信号が直接届きにくい環境であっても、高精度かつ作業効率の高い測量を行うことができる。
なお、本発明は、例えば地形の測量や工事現場の測量等で用いる測量装置に適用可能であるが、例えばカーナビゲーションやスマートフォン等に適用してもよい。
また、本実施形態で説明した測量プログラムはあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
10 測量装置
12 GPS受信部
14 測量部
16 表示部
18 操作部
20 記憶部
22 通信部
30 距離算出部
32 近似式算出部
34 最適距離特定部
36 位置算出部
40、42 木
44 近似直線

Claims (5)

  1. 複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信するGPS受信部が、予め定めた測定期間内において予め定めた複数のタイミングで受信した前記GPS信号の各々に基づいて、複数の前記GPS衛星と前記GPS受信部との距離を前記複数のタイミングの各々について算出する距離算出部と、
    前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離と前記複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数の前記GPS衛星の各々について算出する近似式算出部と、
    複数の前記GPS衛星の各々について、前記近似式により求まる近似直線を前記距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた前記近似直線と重なる前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離のうち、前記近似直線の移動量が最も大きい前記距離を最適距離として特定する最適距離特定部と、
    複数の前記GPS衛星の各々について特定した前記最適距離に基づいて、前記GPS受信部の位置を算出する位置算出部と、
    を含む測量装置。
  2. 前記距離算出部は、前記GPS信号を受信したGPS衛星が4個を超えている場合、前記測定期間内において受信できたGPS信号の数が多い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星の各々について前記距離を算出する
    請求項1記載の測量装置。
  3. 前記距離算出部は、前記GPS信号を受信したGPS衛星が4個を超えている場合、前記測定期間内において受信した前記GPS信号の信号強度の代表値が高い順にGPS衛星を4個選択し、選択したGPS衛星の各々について前記距離を算出する
    請求項1又は請求項2記載の測量装置。
  4. 複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を各々受信するGPS受信部が、予め定めた測定期間内において予め定めた複数のタイミングで受信した前記GPS信号の各々に基づいて、複数の前記GPS衛星と前記GPS受信部との距離を前記複数のタイミングの各々について算出する距離算出ステップと、
    前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離と前記複数のタイミングとの関係を表す近似式を複数の前記GPS衛星の各々について算出する近似式算出ステップと、
    複数の前記GPS衛星の各々について、前記近似式により求まる近似直線を前記距離が小さくなる方向に平行移動させた場合に、平行移動させた前記近似直線と重なる前記複数のタイミングの各々について算出した前記距離のうち、前記近似直線の移動量が最も大きい前記距離を最適距離として特定する最適距離特定ステップと、
    複数の前記GPS衛星の各々について特定した前記最適距離に基づいて、前記GPS受信部の位置を算出する位置算出ステップと、
    を含む測量方法。
  5. コンピュータを、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の測量装置として機能させるための測量プログラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021532373A (ja) * 2018-10-31 2021-11-25 三菱電機株式会社 測位システム、測位方法及び記憶媒体
CN115950407A (zh) * 2023-03-13 2023-04-11 四川大学 一种同心圆森林样地调查测量方法

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