JP2017009514A - 突起検査装置及びバンプ検査装置 - Google Patents

突起検査装置及びバンプ検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各種基板に形成された突起物やバンプの高さを高精度に高速で計測できる突起検査装置を実現する。【解決手段】突起検査装置は、基板に形成された突起の頂部を検出する第1の測定系と、突起が形成されている基板の表面を検出する第2の測定系と、第1及び第2の測定系から出力される出力信号を用いて突起の高さ情報を出力する信号処理装置とを具える。第1の測定系は、第1の検査ビームを発生する第1の照明光源、及び、第1の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズ22を含む照明光学系と、突起の頂部で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する検出系30とを有する。第2の測定系は、第2の検査ビームを発生するレーザ光源41と、第2の検査ビームを前記対物レンズの光路に結合する結合光学系20と、基板表面で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する光検出手段47とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハや回路基板等の各種基板に形成された突起やバンプの高さ又は欠陥を検査する突起検査装置に関するものである。
本発明は、TSVウエハ等に形成されたバンプを高精度で且つ高速で検査できるバンプ検査装置に関するものである。
次世代半導体デバイスの3次元実装技術として、TSV(Through Silicon Via)技術の開発が進行している。TSV技術では、バンプを介してシリコンウエハが積層され、各シリコンウエハに形成されたデバイスはバンプを介して隣接するシリコンウエハのデバイスに接続される。よって、TSVウエハでは、一部のバンプの電気的接続が不完全な場合、製造の歩留りが大幅に低下する不具合が発生する。従って、素子間の電気的接続を確実に行うために、バンプの管理が極めて重要であり、ウエハに形成されたバンプの全数を高速で検査することが要請されている。特に、ウエハ間の良好な電気的接続を確保する上で、バンプの高さ管理は極めて重要であり、バンプの高さの絶対値を高精度で測定できる突起検査装置の開発が強く要請されている。
TSVウエハのバンプは微細化する傾向にあり、直径が15μm以下の半球状のバンプが使用され、例えば直径が4μmの半球状のバンプの高さを0.1μmの精度で検出できることが要請されている。このようなバンプの高さを測定する方法として、共焦点顕微鏡を用いてZ軸方向(バンプの高さ方向)にスキャンする方法がある。共焦点顕微鏡を利用した高さ測定では、0.1μm程度の測定分解能が得られ、従ってバンプの高さを高精度に測定することができる。しかしながら、共焦点顕微鏡による検査では、各バンプごとにZ軸スキャンを行う必要があるため、バンプ検査に長時間かかり、多数のバンプを短時間で検査することが要求されるTSVウエハのバンプ検査には適合しないものである。
バンプの高さを検査するバンプ検査装置として、基板上に形成されたバンプに向けて45°の入射角でライン状の照明ビームを投射し、バンプの頂部で反射した反射光及び基板表面で反射した反射光を2次元撮像装置で検出してバンプの高さを計測する検査装置が既知である(例えば、特許文献1参照)。この既知の検査装置では、2次元撮像装置を基板面に対して直交するように配置し、バンプの頂部から出射した反射光の検出位置及びベース面から出射した反射光の検出位置が求められ、バンプの高さhは、2つの検出位置間の距離をdとし、式 h=d/2に基づいて求められている。しかしながら、この既知の測定方法では、1つの撮像系を用いてバンプの頂部と基板表面の両方を検出するため、焦点深度の深い対物レンズが必要である。そのため、開口数(NA)の小さい対物レンズが用いられるため、解像度が低く、その結果十分な測定精度が得られない欠点があった。
別の共焦点光学系を利用した突起検査装置として、対物レンズを介して照明ビームを基板に向けて投射し、バンプから出射した反射光を2本の反射ビームに分割し、一方の受光素子は前ピン位置に配置し他方の受光素子は後ピン位置に配置し、2つの受光素子からの出力信号の差分信号を形成し、差分信号に基づいてバンプの高さを測定する微小突起物検査装置が既知である(例えば、特許文献2参照)。この既知の検査装置では、2つの受光素子からの出力信号について2値化処理を行い、2値化画像を隣接する画像比較により欠陥が検出されている。
特開2002−334899号公報 特開2001−311608号公報
TSVウエハのバンプ検査では、単に欠陥を検出するだけでなく、バンプの高さを高精度に検出することが要求されている。特に、TSVウエハでは、バンプが微細化しており、例えば直径が4μmのバンプについて0.1μmの精度で高さ測定することが要求されている。従って、上述した特許文献1に記載された突起検査装置では、NAの大きな対物レンズが使用できないため、有効な解像度が得られず、バンプの高さを現在要求されている精度で測定できないものである。また、特許文献2に記載された既知の検査装置では、共焦点光学系により撮像された画像を2値化処理された画像に変換して欠陥検出しているため、欠陥は検出されるものの、バンプの高さ情報を出力できないものである。
本発明の目的は、各種基板に形成された突起物やバンプの高さを高精度に高速で計測できる突起検査装置を実現することにある。
本発明の別の目的は、TSVウエハに形成されたバンプを高精度で検査できるバンプ検査装置を提供することにある。
本発明による突起検査装置は、各種基板に形成された突起を検査する突起検査装置であって、
突起が形成されている基板を支持するステージと、
基板に形成された突起の頂部を検出する第1の測定系と、
突起が形成されている基板の表面を検出する第2の測定系と、
前記第1及び第2の測定系から出力される出力信号を用いて突起の高さ情報を出力する信号処理装置とを具え、
前記第1の測定系は、第1の検査ビームを発生する第1の照明光源、及び、第1の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズを含む照明光学系と、突起の頂部で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する検出系とを有し、
前記第2の測定系は、第2の検査ビームを発生する第2の照明光源と、第2の検査ビームを前記対物レンズの光路に結合する結合光学系と、基板表面で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する光検出手段とを含むことを特徴とする。
TSVウエハに形成されているバンプは、直径が4μm程度の半球状の突起物である。半球状の突起物の頂部は平面ではなく凸状の湾曲面であるため、バンプの頂部の位置を高精度に検出することは極めて困難である。この課題を解決するため、本発明では、共焦点光学系を用いると共に開口数の大きな対物レンズを用いて落射照明を行う。開口数の大きな対物レンズを用いることにより、基板面方向(XY方向)の分解能が高くなる。すなわち、開口数の大きな対物レンズを用いることにより対物レンズの集光角が一層大きくなるため、バンプの頂部の広いエリアから出射した反射光が対物レンズにより集光され、バンプの頂部の検出を高精度に行うことができる。同時に、共焦点光学系を利用するため光軸方向(Z軸方向)の分解能も高くなる。この結果として、直径が4μm程度の半球体のバンプの頂部を0.1μm程度の分解能で検出することが可能となる。
一方、NAの大きな対物レンズを用いる場合、撮像系の焦点深度が浅くなるため、検査ビームをバンプの頂部に合焦させた場合、バンプが形成されている基板表面が合焦範囲から外れてしまい、バンプの頂部と基板表面の両方を一緒に検出できない問題点が発生する。この課題を解決するため、本発明では、2つの測定系を採用し、第1の測定系によりバンプの頂部を検出し、第2の測定系によりバンプが形成されている基板表面を検出する。2つの測定系を用いれば、バンプの頂部及び基板表面は、それぞれ開口数の大きな対物レンズを介して個別に検出されるので、高精度な検出が可能になる。
2つの測定系によりバンプの頂部及び基板表面をそれぞれ別々に検出する場合、2つの測定系の座標に共通性がないと、2つの測定系からの出力信号を統合できず、バンプの高さを簡単な信号処理により求められない問題点が発生する。そこで、本発明では、2つの測定系について対物レンズを共通に用いる。すなわち、対物レンズを共用すれば、2つの測定系について光軸方向の共通の基準座標が設定され、バンプの頂部及び基板表面について共通の基準位置からの変位量をそれぞれ計測でき、計測された2つの変位量を用いてバンプの高さを求めることができる。例えば、共通の基準位置として、対物レンズ又はその焦点の位置を利用することができる。この場合、初期設定として、対物レンズの焦点をバンプの頂部に設定する。その状態において、第1の測定系により対物レンズの焦点位置(基準位置)に対するバンプ頂部の変位量(ΔT)を測定し、第2の測定系により基準位置に対する基板表面の変位量(ΔS)を測定する。この場合、前もって計測したバンプの正規の高さ(d0)に、検出された2つの変位量を加算するだけで、バンプの高さ(H)が検出される(H=d0+ΔT+ΔS)。尚、突起ないしバンプの高さ情報は、基板表面から突起ないしバンプの頂部までの距離を示す情報だけでなく突起やバンプの頂部の高さ方向の変位量を示す情報も含むものである。さらに、基板表面の変位量と突起頂部の変位量との加算値もバンプの高さ情報に含まれる。
本発明による突起検査装置の好適実施例は、前記第1の測定系は、突起の頂部で反射した反射光の輝度値に基づいて突起の頂部の光軸方向の位置を検出し、前記第2の測定系は、基板表面で反射した反射光の空間的な変位量に基づいて基板表面の光軸方向の位置を検出することを特徴とする。全てのバンプの頂部は同一材料で構成されているため、同一の反射率である。従って、バンプ頂部の反射光の輝度ないし強度に基づいて高さ検出を行うことができる。これに対して、各種基板の表面には、ウエハの表面上に配線層等が形成されているためシリコンウエハの反射率と配線層の反射率とが混在し、一様な反射率ではない。よって、基板表面の高さ変化を反射光の輝度値の変化から検出した場合、反射率の不均一性に起因して測定値が不安定になる欠点がある。そこで、本発明では、基板表面の位置検出については、反射ビームの空間的な変位に基づいて行うこととする。すなわち、本発明では、基板表面の高さが変化すると、基板表面から出射した反射光の位置が空間的に変化する。そして、基板表面から出射した反射光が空間的に変位すると、光検出手段上に形成されるライン像も空間的に変位する。よって、光検出手段におけるライン像の変位量を計測することにより基板表面の光軸方向の変位量を測定することができる。この場合、基板表面の反射率の要素が含まれることなく計測されるので、基板表面の反射率の不均一性に起因する不具合が解消される。
本発明による突起検査装置の好適実施例は、信号処理装置は、第1の測定系の検出系から出力される輝度信号を用いて突起の頂部の光軸方向の変位量を形成する第1の処理手段と、第2の測定系の光検出手段から出力される出力信号に基づいて基板表面の光軸方向の変位量を形成する第2の処理手段とを有することを特徴とする。
本発明による突起検査装置の別の好適実施例は、対物レンズと基板との間の相対距離を制御する駆動手段を有し、前記第2の処理手段から出力される変位信号を用いて、前記駆動手段を制御する制御信号が形成され、この制御信号により前記対物レンズと基板との間の距離が所定の値に維持されるように自動的に制御されることを特徴とする。基板表面の変位情報は、第1の測定系の焦点制御信号として利用することも可能である。すなわち、第2の測定系から出力される変位信号を第1の測定系の焦点制御信号として利用すれば、例えば対物レンズから基板表面までの距離が常時一定に維持された状態で検査が行われるので、検査精度が一層高くなる。
本発明による突起検査装置の好適実施例は、信号処理装置は、前記第1の処理手段から出力される第1の変位信号と第2の処理手段から出力される第2の変位信号とを加算する加算手段を有し、加算手段から出力される信号に基づいて突起の高さ情報が出力することを特徴とする。本発明では、バンプの高さ及びバンプが形成されている基板表面の位置は共に対物レンズの光軸方向の変位情報として計測される。従って、第1及び第2の測定系の処理手段からそれぞれ出力される変位信号を加算するだけでバンプの高さを計測することができる。
本発明によるバンプ検査装置は、TSVウエハに形成されたバンプの高さを検査するバンプ検査装置であって、
バンプが形成されているTSVウエハを支持するステージと、
TSVウエハに形成されたバンプの頂部を検出する第1の測定系と、
バンプが形成されているウエハ表面を検出する第2の測定系と、
前記第1及び第2の測定系から出力される出力信号を用いてバンプの高さ情報を出力する信号処理装置とを具え、
前記第1の測定系は、第1の検査ビームを発生する第1の照明光源、及び、第1の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズを含む照明光学系と、バンプの頂部で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する検出系とを有し、
前記第2の測定系は、第2の検査ビームを発生する第2の照明光源と、第2の検査ビームを前記対物レンズの光路に結合する結合光学系と、基板表面で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する光検出手段とを含み、
前記信号処理装置は、前記第1の測定系の検出系から出力される出力信号を用いてバンプの頂部の光軸方向の変位量を示す第1の変位信号を形成する第1の処理手段と、前記第2の測定系の光検出手段から出力される出力信号に基づいてウエハ表面の光軸方向の変位量を示す第2の変位信号を形成する第2の処理手段とを有することを特徴とする。
本発明では、2つの測定系を用いてバンプの頂部及び基板表面をそれぞれ個別に検出してバンプの高さ情報を出力しているので、開口数の大きな対物レンズを用いることができる。この結果、測定系の分解能が一層高くなり、バンプの高さを高精度に検出することができる。さらに、2つの測定系は1つの対物レンズを共用しているので、前もって計測した正規のバンプの高さ情報(d0)に、2つの測定系により計測された変位量(ΔT,ΔS)を加算処理するだけでバンプの高さ情報を出力することができ、この結果信号処理の処理速度及びスループットが一層高くなる。
さらに、基板表面の検出に際し、ライン状の検査ビームを用いて基板表面を走査し、基板表面から出射した反射光を2次元センサに入射させ、2次元センサ上におけるライン像の移動量(変位量)から基板表面の光軸方向の変位を計測しているので、基板表面の反射率の不均一性による影響を受けない利点が達成される。
また、基板表面の変位を計測する第2の測定系において、検査ビームとしライン状ビームを用いると共に光検出手段として複数の受光素子が2次元アレイ状に配列された2次元センサを用いているので、検査ビームが基板表面に形成されたバンプ上を走査しても、2次元センサ上において、バンプに起因して特異的な変位を示すライン像部分を選択的に測定範囲から除外することができる。この結果、バンプによる影響を受けない計測が可能になる。
本発明による突起検査装置の基本原理を示す図である。 本発明による突起検査装置の光学系の一例を示す図である。 対物レンズの視野中の照明ラインを示す図である。 対物レンズの視野中の第2の測定系の照明ラインを照明図である。 2次元センサ上に形成されるライン像の変位を示す図である。 2次元センサ上に形成されるライン像の形態を示す図である。 第1〜第3のラインセンサ31〜33から出力される出力信号の輝度値(信号強度)とバンプ頂部の高さとの関係を示すグラフ及び差分信号と高さ変位量との関係を示すグラフである Z軸スキャン中における光軸方向の変位量と輝度値との関係を示すグラフである。 本発明による突起検査装置の信号処理装置の一例を示す図である。
発明の実施するための形態
図1は本発明による突起検査装置の基本原理を示す図である。本発明では、基板1に形成されたバンプ2の高さを計測する。バンプの高さは、基板の表面1aからバンプ2の頂部2aまでの距離とする。本発明では、第1の測定系から第1の検査ビームを投射し、第1の検査ビームは、ビームスプリッタ(結合光学系として機能する)3及び対物レンズ4を介してバンプ2の頂部2aに向けて垂直に投射する。バンプの頂部で反射した反射光は対物レンズ4により集光され、ビームスプリッタ3を透過して検出系(図示せず)に入射する。また、第2の測定系から出射した第2の検査ビームは、ビームスプリッタ3により対物レンズ4の光路に結合され、対物レンズ4を介して基板表面1aに斜めの角度で入射する。基板表面1aで反射した反射光は、対物レンズ4を経てビームスプリッタ3に入射する。そして、ビームスプリッタで反射し、対物レンズの光路から出射し、検出系5に入射する。
ここで、基板表面1aが対物レンズの光軸方向に変位すると、第2の検査ビームの基板表面から出射した反射光はa又はb方向に空間的に変位する。従って、反射光の空間的な変位を光検出手段5により検出することにより、基板表面の変位量を計測することができる。また、後述するように、第1の測定系は共焦点光学系を形成しているので、バンプ2の頂部2aが対物レンズの光軸方向に変位すると、バンプの頂部から出射した反射光の光検出手段により受光される光量が変化する。従って、バンプ頂部の光軸方向の変位量は、光検出手段から出力される出力信号の輝度値の変化として検出される。ここで、重要なことは、バンプの頂部及び基板表面は個別に検出されるので、対物レンズ4としてNAの大きな対物レンズを用いることができる。これにより、測定系の分解能が高くなり、高精度な高さ測定が可能になる。
さらに、本発明では、2つの測定系は対物レンズを共用しているので、2つの測定系に対して、光軸方向に共通の座標系を設定することができる。この結果、2つの測定系により検出された変位量を加算することにより、バンプの高さ情報を出力することができる。また、第2の測定系により検出された基板表面の変位量を用いてオートフォーカス用の焦点制御信号を形成することもでき、オートフォーカス制御を行いながらバンプの高さ計測を行うことができる。
尚、第2の検査ビームとして、ライン状の照明ビームを用いる場合、図1において、ライン状ビームの延在方向が紙面と直交する方向となるように設定する。また、ビームスプリッタ3は、ライン状ビームの延在方向軸線(紙面と直交する軸線)と平行になるように設定する。同時に、光検出手段5は、紙面と直交する方向に延在する分割線により受光エリアが2分割されたセンサが用いられる。この場合、基板表面1aの光軸方向の変化に応じて基板表面から出射した反射ビームは分割線と直交する方向(図1における矢印a又はb方向)に変位するため、基板表面の高さ変化を反射ビームの空間的な変化として検出することが可能である。
図2は本発明による突起検査装置の光学系の一例を示す図である。本例では、TSVウエハに形成されたバンプの検査を行うバンプ検査装置について説明する。勿論、本発明は、TSVウエハ以外の各種回路基板や半導体ウエハに形成された突起物の検査にも適用される。バンプ検査の一例として、基板に形成されたバンプを検出してその位置すなわちアドレスを特定すると共に、検出されたバンプの基板表面から頂部までの高さ(距離)を検出し、アドレス情報と高さ情報とを対として出力する。勿論、バンプの高さだけでなく、バンプの有無を検査するミッシング、及びバンプの頂部の形状等を検査することもできる。
本発明による突起検査装置は、バンプの頂部を検出する第1の測定系と、バンプが形成されている基板表面を検出する第2の測定系とを有する。第1の測定系は、共焦点光学系を用いてバンプ頂部のZ軸方向の位置(対物レンズの光軸方向の位置)を測定する。第2の測定系は、いわゆる光テコの原理を利用して基板表面のZ軸方向の位置を測定する。第1の測定系及び第2の測定系により測定されたバンプ及び基板表面のZ軸方向の位置情報は信号処理装置に供給され、バンプの高さ情報が各バンプごとに出力される。
第1の測定系は、バンプに向けて照明ビーム(検査ビーム)を投射する照明光学系と、バンプの頂部で反射した反射光を検出する検出系とを有し、検出系の出力信号を信号処理装置に供給し、バンプ検出を行うと共に検出されたバンプの高さ情報をアドレス情報と共に出力する。照明光学系は、照明光源11を有し、本例では照明光源として水銀キセノンランプを用いる。勿論、レーザ光源やLEDを照明光源として用いることもできる。照明光源11から出射した光ビームは、光ファイバ12を伝搬し、所望の位置から発散性ビームとして出射する。光ファイバ12から出射した光ビームは、レンズ13を介して視野絞り14に入射する。視野絞り14は、互いに平行に形成された3つのスリット開口を有し、これらスリット開口は紙面と直交する方向、すなわち第1の方向(X方向)に延在する。従って、視野絞りから、第1の方向に延在する3本のライン状検査ビームが出射する。
3本の検査ビームは、ビームスプリッタ15に入射する。ビームスプリッタ15は、照明光源からTSVウエハに向かうビームとTSVウエハで反射し光検出手段に向かうビームとを分離する作用を果たし、本例では、ハーフミラーで構成する。ビームスプリッタ15で反射した照明ビームは、レンズ16を介してガルバノミラー17に入射する。ガルバノミラー17は、ウエハの検査中は固定された全反射ミラーとして機能し、検出されたバンプや欠陥をレビューする際ビーム偏向装置として機能する。よって、ガルバノミラー17は、レビュー中には第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に周期的に回動してY方向スキャンが行われ、2次元画像が撮像される。
ガルバノミラーで反射した検査ビームは、第1及び第2のリレーレンズ18及び19を通過し、さらに偏光ビームスプリッタ20及び1/4波長板21を経て対物レンズ22に入射する。対物レンズ22は、3本のライン状照明ビームを集束性ライン状ビームに変換し、ステージ上に配置したTSVウエハ23に向けて投射する。TSVウエハ23には、多数の半球状のバンプが形成され、本例では、3本の照明ビームを用いて、バンプ検出すると共に検出されたバンプの頂部の光軸方向の位置ないし変位量を検出する。本例では、対物レンズの焦点は、検査すべきバンプの頂点の位置と一致するように設定する。この対物レンズの焦点設定は、検査に先立って、TSVウエハ23を支持するステージをZ軸方向にそってスキャンし、バンプの頂部から出射した反射光の輝度値が最大値となる位置を検出し、その位置に設定する。
ウエハ23を支持するステージは、XYステージ24とZステージ25とを有するXYZステージで構成する。すなわち、XYステージ24はX及びY方向にジッグザッグ状に移動する走査手段として機能する。また、Zステージ25は、光軸方向(Z軸方向)における検査ビームの集束点とバンプの頂点との間の距離を制御する機能を果たすと共にオートフォーカス系の駆動手段を構成する。尚、XYステージ24はXYステージドライバ26からの駆動信号により駆動され、Zステージ25はZステージドライバ27からの駆動信号により駆動する。
図3は対物レンズの視野中に形成される3本の検査ビームの形態を示す。対物レンズの視野28中には、X方向に延在する3本のライン状ビームによる照明ライン1〜3が形成される。これら照明ライン1〜3はY方向にそって所定の間隔で形成され、これら3本の照明ラインにより形成される反射ビームはそれぞれ個別に検出する。
ステージ上に配置されたTSVウエハ23は、X方向に延在する3本の検査ビームに対するステージのY方向移動によりスキャンされ、バンプからの反射光は対物レンズ22により集光され、光路を逆方向に進行する。すなわち、1/4波長板21、偏光ビームスプリッタ20、リレーレンズ19及び18、及びガルバノミラー17を経てレンズ16に入射する。本例では、レンズ16は、光検出器に対する結像レンズとして作用する。結像レンズ16から出射した3本の反射ビームは、ビームスプリッタ15を透過して検出系30に入射する。
検出系30は、3つのラインセンサ(撮像素子)31〜33を有し、照明ライン1〜3により形成された反射光をそれぞれ個別に受光する。中央の照明ライン1により形成された反射光は直進して第1のラインセンサ31に入射する。照明ライン2により形成された反射ビームは、全反射ミラー34で反射し、第2のラインセンサ32に入射する。照明ライン3により形成された反射ビームは、全反射ミラー35で反射し、第3のラインセンサ33に入射する。ここで、第1〜第3のラインセンサ31〜33の受光素子の配列方向は、照明ライン1〜3からそれぞれ出射した反射ビームの延在方向と対応するように設定する。また、第1〜第3のラインセンサ31〜33の配置位置に関して、第1のラインセンサ31は、結像レンズ16の合焦点位置に配置し、第2のラインセンサ32は合焦点位置よりも対物レンズに近い側の前ピン位置に配置し、第3のラインセンサ33は合焦点位置よりも対物レンズから遠い側の後ピン位置に配置する。第1〜第3のラインセンサからの出力信号は、信号処理装置に供給され、バンプの検出及び検出したバンプの頂部の変位量の検出に用いられる。
次に、第2の測定系40について説明する。第2の測定系は、バンプが形成されている基板表面の対物レンズの光軸方向(Z軸方向)の位置ないし変位量を検出する。検出された基板表面の位置情報とバンプ頂部の位置情報を用いてバンプの高さ情報を出力することができる。また、第2の測定系からの出力信号を用いてオートフォーカス系の焦点制御信号を形成することが可能である。すなわち、検査中に、第2の測定系により基板表面の基準点に対するZ軸方向の変位量を検出し、検出された変位量を焦点誤差として利用する。すなわち、検出された変位量から焦点制御信号を形成し、TSVウエハを支持するステージのZ軸方向の位置を制御する。この場合、検出された変位量を用いて第1の測定系により検出された変位量を補正することも可能である。この場合、オートフォーカスの遅延に起因する誤差を調整することができ、高精度な高さ測定が可能になる。
第2の測定系40は、レーザ光源41を有する。レーザ光源41から出射したレーザビームを第2の測定系の検査ビームとして用いる。第2の検査ビームは、コリメターレンズ(図示せず)により拡大平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ42に入射する。シリンドリカルレンズ42は、入射したレーザビームを1方向にだけ集束性を有するライン状の楕円ビームに変換する。このライン状の第2の検査ビームは、紙面と直交する方向に延在する。第2の検査ビームは、レンズ43及びビーム位置調整手段44を通過し、偏光ビームスプリッタ20に入射し、対物レンズ22の光路に結合される。ここで、ビーム位置調整手段44は、例えば平行平面板で構成され、光軸に対する角度を調整することにより、第2の検査ビームの光軸からの変位量が調整される。すなわち、ビーム位置調整手段を制御することにより、後述する2次元センサ上に形成されるライン像の位置を分割線上に位置するように調整することができる。さらに、第2の検査ビームは、1/4波長板21を透過し、対物レンズ22に入射する。そして、集束性のライン状ビームとしてTSVウエハ23上に斜めに投射され、照明ラインを形成する。尚、第2の検査ビームの延在方向に関し、その延在方向は、偏光ビームスプリッタ20のミラー面と平行になるように設定する。
図4は、TSVウエハ上に形成される第2の測定系の照明ラインを示す。対物レンズの視野28中には、第1の方向に対して斜めの角度(例えば、20〜30°)をなすように照明ラインを形成する。すなわち、TSVウエハや各種基板の表面にはバンプが形成されているため、表面高さは一様ではない。従って、断面が円形の検査ビームを用いた場合、検査ビームがバンプ上に位置する場合が発生し、基板表面とは異なる部位の位置を検出する不具合が発生する。このような不具合を解消するため、本発明では、第2の測定系の検査ビームについて、第1の測定系の照明ビームと同様にライン状ビームを用いる。検査ビームとしてライン状ビームを用いれば、当該ビームの一部部分がバンプ上を照明しても、残りのビーム部分が基板表面を照明するため、バンプからの反射光を測定範囲から除外(マスク)する処理を行うことにより、基板表面で反射した反射光だけにより変位量検出を行うことが可能になる。
TSVウエハ23の表面で反射した反射ビームは、対物レンズ22に集光され、光軸をはさんで反対側の光路を伝搬し、1/4波長板21を透過し、偏光ビームスプリッタ20で反射して対物レンズの光路から出射する。このライン状の反射ビームは、紙面と直交する方向に延在し、全反射ミラー45で反射し、結像レンズ46を経て光検出手段47に入射する。本例では、光検出手段47として、複数の受光素子が2次元マトリックス状に配列された2次元センサを用いる。2次元センサ上には反射ビームによるライン状のライン像が形成され、このライン像は、基板表面の光軸方向の変位に応じて変位する。本例では、ライン像の変位量から基板表面の光軸方向の変位量を検出する。尚、2次元センサ上に形成されるライン像の位置は、ビーム位置調整手段44を調整することにより調整することがきる
前述したように、第2の検査ビームの一部がバンプを照明した場合、2次元センサ上に形成されるライン像の一部が大きく変位し、測定が不安定になる不具合が発生する。この課題を解決するため、本発明では、光検出手段として、複数の受光素子が2次元マトリックス状に配列された2次元センサを用いる。2次元センサを用いれば、第2の検査ビームの一部がバンプを照明することにより反射ビームの一部が部分的に変位しても、特異的に変位した受光素子からの出力信号をマスクすることにより、不安定なデータを測定範囲から除外することができ、バンプ等の突起物に起因する測定誤差を解消することができる。
図5は2次元センサ47上に形成されるライン像の形態を示す。本発明では、ライン状の検査ビームを基板表面に向けて投射しているので、2次元センサ47上には、ウエハ表面から出射したライン状の反射光によるライン像48が形成される。このライン像48は、基板表面の光軸方向の変位に応じて矢印方向に変位する。本発明では、2次元センサ47には、ライン像の変位方向と直交する分割線49(一点鎖線で示す)を規定し、分割線49により2次元センサの受光エリアを2分割する。分割線を境界として、一方の側に位置する受光素子エリアを第1のエリア(受光エリアA)とし、分割線の反対側の受光素子エリアを第2のエリア(受光エリアB)とする。尚、分割線の設定は、受光素子のアドレス情報を用いて設定することが可能である。
図5において、中段に示す図5(B)はライン像が分割線49上に位置するように調整された状態を示す。すなわち、ビーム位置調整手段44(図2参照)の光軸に対する角度を調整することにより、第2の検査ビームの光軸からの変位量が調整され、これによりライン像が分割線49と直交する方向に変位する。従って、検査に先立って、ビーム位置調整手段を調整することによりライン像を分割線上に位置決めすることができる。検査中に、基板表面の光軸方向の変位に応じて、2次元センサ上に形成されるライン像も変位し、検査中に基板表面が光軸方向の上方に変位すると、ライン状ライン像は、図5(A)に示すように変位する。また、基板表面が下方に変位すると、図5(C)に示すようにライン像が変位する。従って、基板表面から出射した反射光の2つの受光エリアに対する受光面積比率から基板表面の変位量を求めることができる。すなわち、分割線49により規定される2つの受光エリアA及びBの受光素子について、ライン像を形成する受光素子数(反射光が入射した受光素子の数)をそれぞれ求め、反射光が入射した受光素子数の差分値を形成することにより基板表面の変位量を計測することができる。すなわち、受光エリアAの受光素子のうち反射光が入射した受光素子の数をS1とし、受光エリアBについて反射光が入射した受光素子の数をS2とし、差分値(S1−S2)又は(S1−S2)/(S1+S2)を算出することにより、基板表面の変位量を求めることができる。ここで、Δd1=(S1−S2)/(S1+S2)を第1の変位信号と称することにする。この場合、第1の変位信号Δd1の大きさと基板表面の光軸方向の変位量との関係を予め測定し、基準データとして記憶する。そして、検査中に取得された変位量の測定データを基準データと比較することにより、基板表面の変位量を検出することが可能である。
次に、第2の検査ビームの一部がバンプを照明する場合について説明する。TSVウエハには多数のバンプが形成されているため、第2の検査ビームの一部が基板表面だけでなく、バンプも照明するケースが発生する。すなわち、ライン状の検査ビームの一部が基板表面を照明し、残りの一部がバンプを照明するケースが発生する。この場合、バンプは、基板表面からバンプの高さ分だけ上方に位置する(対物レンズに近い側に位置する)ため、2次元センサ47上に形成されるライン像が部分的に且つ特異的に変位する。この状態を図6に示す。図6において、ライン状の検査ビームが2つのバンプを照明し、残りのビーム部分が基板表面を照明した状態を示す。尚、基板表面は光軸方向に変位せず基準点に位置しているものとする。図6において、符号50a、50c及び50eは第2の検査ビームがウエハ表面を照明することにより形成されたライン像部分を示し、符号50b及び50dは当該検査ビームがバンプを照明することにより形成されたライン像部分を示す。
図6に示す形状のライン像が形成された場合、ライン像部分50b及び50dはバンプによる変位情報を示し基板表面に起因する変位情報を示すものではない。従って、ライン像部分50b及び50dを測定範囲に含めた場合、第1の変位信号Δd1に誤差が発生する。このような問題を解決するため、本発明では、検査中に特異的に変位するライン像部分を測定対象から除外する処理を行う。検査ビームがバンプ上を照明すると、図6において、バンプに対応するライン像部分は分割線49から上方に大きく変位する。そこで、本発明では、2次元センサ上に上限閾値51を設定する。そして、上限閾値51を超えて変位したライン像部分を測定対象から除外(マスク)する。このようなマスク処理により、特異的に変位するライン像部分が測定対象から除外され、基板表面から出射した反射光による変位だけによる基板表面情報を出力することが可能になる。このマスク処理方法として、例えば、各受光素子から出力される輝度信号について閾値比較処理を行い、閾値を超える輝度値を出力した受光素子だけを抽出してライン像を形成する受光素子を抽出する。続いて、抽出された受光素子のアドレスについて、分割線49からの離間距離を求めて、求めた離間距離を設定した上限閾値51とアドレス比較を行い、閾値を超えたアドレスの受光素子の輝度信号をマスクする。このように、比較的簡単な信号処理により、特異的に変位した輝度信号をマスクすることができる。そして、上限閾値51以下の変位を示す残りのライン像部分50a、50c及び50eを形成する受光素子の数を用いて第1の変位信号Δd1を求める。この処理により、特異的な変位を示すライン像が測定範囲から除外されるので、バンプによる影響を受けない測定が可能になり、高精度な変位量測定を行うことができる。尚、設定される上限閾値51については、バンプの高さは予め知ることができるので、予めバンプの高さを計測し、計測されたバンプの高さに対応する変位量を考慮し、それよりも若干小さい値に設定する。
さらに、輝度値に関しても閾値設定することができる。すなわち、ウエハ表面や各種基板表面には、種々のパターンや金属配線が形成され、基板表面の反射率が一様ではない場合がある。例えば、金属配線の反射率はウエハ表面の反射率よりも高く、パターンのエッジの反射率はウエハ表面の反射率よりも低い。従って、反射率の不均一性による課題を解決するため、受光素子から出力される輝度信号について閾値設定を行い、輝度値に関して所定の範囲内の輝度値の信号だけを有効なデータとして用い、閾値の範囲から外れた輝度値の信号を排除することができる。例えば、TSVウエハの検査の場合、TSVウエハの表面反射率を予め測定し、予め設定した表面反射率に測定誤差を加味した閾値範囲を設定する。そして、設定された閾値範囲内の輝度値の輝度信号だけを有効なデータとして用いて変位量測定を行うことも可能である。この場合、反射率の相違により、金属配線やバンプからの反射光とウエハ表面からの反射光との間に輝度差が発生するため、この輝度差を利用して基準面(例えば、ウエハ表面又は金属配線層)以外からの反射光を選択的に除外することができる。すなわち、金属配線層を基準面とした場合において、金属配線の反射率が高く、バンプ表面の反射率が低い場合、第2の検査ビームによる反射光について、輝度値について閾値を設定し、閾値以下の反射光をマスクし、閾値以上の反射光だけを選択的に用いることにより、基準面である金属配線層からの反射光だけにより基板表面の変位量が計測されるため、バンプの影響が除かれた計測を行うことができる。或いは、バンプの反射率よりも低い反射率の面を基準面とする場合、閾値処理を行って閾値を超える反射光を選択的に除去することによりバンプの影響を受けない計測が可能になる。
次に、第1の測定系によるバンプ頂部の高さ測定について説明する。図7(A)は第1〜第3のラインセンサ31〜33から出力される出力信号の輝度値(信号強度)とバンプ頂部の高さ変位量との関係を示すグラフである。符号61(実線)は結像レンズの合焦点に配置された第1のラインセンサ31からの出力信号の特性を示し、符号62(1点鎖線)は前ピン位置に配置された第2のラインセンサ32からの出力信号の特性を示し、符号63(2点鎖線)は後ピン位置に配置された第3のラインセンサ33からの出力信号の特性を示す。第1の測定系は共焦点光学系を形成するので、Z軸スキャンを行った場合、照明系の集束点がバンプの頂部に位置したとき、検出系の結像位置に配置した光検出手段には最大の反射光が入射する。従って、対物レンズの焦点位置を基準点として設定する。基板を支持するステージをZ軸方向に移動させてZ軸スキャンを行う。Z軸スキャンにおいて、バンプの頂部が対物レンズの焦点に位置した場合、第1のラインセンサ31は最大強度の出力信号を出力し、バンプ頂部が基準位置から上方又は下方に変位するにしたがって、出力信号の強度は滑らかに減少する。第2のラインセンサの出力信号の強度は、基準点(対物レンズの焦点位置)より−側にピーク値を有し、ピーク位置から変位するにしたがって滑らかに減少する。また、第3のラインセンサの出力信号の強度は、基準点よりも+側にピーク値を有し、ピーク値から滑らかに減少する。
図7(B)は、第2のラインセンサからの出力信号の強度と第3のラインセンサからの出力信号の強度との差分信号を示す。すなわち、第2及び第3のラインセンサからの出力信号の強度(輝度値)をA及びBとした場合、基準点からの変位量に対する正規化された差分値(A−B)/(A+B)の変化を示す。ここで、Δd2=(A−B)/(A+B)は正規化された差分値であり、第2の変位信号と称する。図7(B)に示すように、第2の変位信号は、基準位置(対物レンズの焦点位置)を中心にして約±7μm程度の範囲内において、ほぼ線形に変化する。従って、第2の変位信号の強度と、基準位置に対するバンプ頂部の変位量との関係を示すデータを予め測定しておけば、第2の変位信号を用いてバンプ頂部の光軸方向の変位量を測定することができる。
次に、検査方法について説明する。本発明では、検査に先立って、第1の測定系について基準データを予め取得する。初めに、ステージ移動によりZ軸スキャンを行い、基板表面及びバンプ頂部のZ軸方向の位置を確認すると共に正規のバンプの高さd0を予め測定する。図8は、Z軸スキャンの際の第1の測定系の第1のラインセンサ31の出力信号を示す図である。本例では、第1の測定系の照明ライン1を利用して第1のラインセンサ31からの出力信号を用いて光軸方向の位置と輝度値との関係を検出する。この際、照明ライン1の一部が基板表面を照明し、残りの一部がバンプを照明するように設定する。この状態において、基板が支持されているステージを対物レンズ22に対して最接近するように位置決めする。次に、ステージを徐々に降下させ、Z軸スケールを用いて光軸方向の位置を検出しながらZ軸スキャンを行い、第1のラインセンサ31の出力信号を検出する。図8に示すように、検査ビームの集束点が基板表面に近づき、その集束点が基板表面上に位置した時ピーク強度を形成する。このピーク強度はZ軸スケールにより検出され、そのステージの光軸方向の位置を第1のピーク位置P1とする。さらに降下を続けると検査ビームの集束点はバンプの頂部に近づき輝度値も徐々に増大し、検査ビームの集束点がバンプの頂部上に到達する。この時、第1のラインセンサの出力は最大輝度値を示し、その位置をP2とし、第2のピーク位置とする。位置P2からさらに降下すると、第1のラインセンサからの出力信号の強度は徐々に低下する。
第1のピーク位置P1と第2のピーク位置P2との間の距離d0はバンプの高さHに相当し、Z軸スケールにより求められる。従って、(P1−P2)の演算処理を行って、バンプの高さHを予め求めることができる。さらに、上記正規のバンプについて、照明ライン2及び3を用いてZ軸スキャンを行い、第2及び第3のラインセンサから出力される輝度値(A,B)を求める。そして、第2の変位信号Δd2=(A−B)/(A+B)を算出し、第2の変位信号Δd2の値と基準位置からのバンプ頂部の変位量との関係を第2の変位量データとして予め形成し、メモリに記憶する。
続いて、第2の測定系の基準データの取得について説明する。第1の測定系の検査ビームの集束点がバンプの頂部上に位置する状態に設定する。この状態において、ビーム位置調整手段44を操作して2次元センサ47上に形成されるライン状のライン像の中心が分割線49上に位置するように調整する。この状態において、Z軸スキャンを行い、第1の変位信号Δd1=(S1−S2)/(S1+S2)と光軸方向の変位量との関係を求め、第1の基準データとしてメモリに記憶する。
次に、バンプ検査を開始する。検査に際し、バンプの頂部を対物レンズの焦点に位置決めする。この位置決めは、ステージ移動によりZ軸スキャンを行って、第1のラインセンサが最大輝度値を出力する位置P2を検出し、検出された位置P2を基準点とする。続いて、検査が行われる。検査は、ステージのX及びY方向移動により基板の全面を第1及び第2の検査ビームにより走査する。
第1の測定系は以下のように動作する。第1の測定系から3本の照明ビームが基板に向けて投射され、中央に位置する照明ライン1によりバンプが検出され、アドレス検出手段により検出したバンプのアドレスを検出する。並行して、照明ライン2及び3を用いて、検出されたバンプのアドレスにおけるバンプ頂部の光軸方向の変位量を検出する。本発明の第1の測定系は共焦点光学系により構成されると共に第1の検査ビームの集束点はバンプの頂部に位置決めされているため、走査中、基板表面からの反射光の強度は相当低く、バンプ頂部からの反射光の強度は相当高い。従って、第1のラインセンサの各受光素子から出力される出力信号を閾値比較し、閾値を超える強度の反射光が受光された際、バンプが検出されたものとする。この時点において、バンプ検出信号を発生し、第2及び第3のラインセンサの受光素子から出力される出力信号から第2の変位信号Δd2=(A−B)/(A+B)を求める信号処理を行う。そして、得られた第2の変位信号の値について第2の基準データを照合し、バンプ頂部の基準位置に対する変位量ΔT(対物レンズの焦点位置からの変位量)を得ることができる。さらに、バンプが検出された際に発生するバンプ検出信号は第2の測定系にも供給する。さらに、バンプ検出信号はアドレス検出手段にも供給され、バンプが検出された時点におけるバンプのアドレスも検出する。
次に、第2の測定系について説明する。検査の開始後、第2の検査ビームにより基板表面及びバンプが走査される。第1の測定系からバンプ検出信号が入力した際、以下の信号処理が行われる。初めに、2次元センサの受光素子から出力される出力信号の輝度値について閾値比較を行い、基板表面及びバンプから出射した反射光によるライン像を形成する受光素子を特定する。続いて、ライン像を形成する受光素子のアドレスについて、アドレス閾値に対するアドレス比較を行う。すなわち、ライン像を形成する受光素子の分割線からの離間量について、閾値比較を行い、設定されている上限閾値を超えているアドレスの受光素子を測定対象から除外する。これにより、基板表面からの反射光だけが選択される。続いて、選択された受光素子からの出力信号について、信号処理を行い、第1の変位信号Δd1=(S1−S2)/(S1+S2)を求める。さらに、求めたΔd1について、変位信号強度と変位量との関係を規定した第1の基準データを参照し、基板表面の変位量を示すΔSを求める。
バンプの高さHは以下の式により与えられる。
H=d0+ΔT+ΔS (1)
ここで、d0はバンプの正規の高さ情報であり、検査に先立って行われたZ軸スキャンにより計測されている。従って、第1及び第2の検査ビームの走査により得られたバンプ頂部の変位量ΔTと基板表面の変位量ΔSとを加算するだけで、基板に形成された全てのバンプの高さを計測することができる。本発明では、検出されたバンプのアドレスとその高さHとを対として出力する。或いは、検出されたバンプのアドレスと変位量(ΔT+ΔS)とを対として出力する。或いは、オートフォーカス制御を行う場合、バンプのアドレスとバンプ頂部の変位量ΔTとを対として出力することもできる。
検査中の基板表面の光軸方向の変位を示す第2の変位信号を用いて第1の測定系のオートフォーカス制御を行うことができる。オートフォーカス制御を行った場合、検査中に基板表面は基準位置(対物レンズの焦点位置から距離d0だけ対物レンズから離れる側に変位した位置)に自動的に維持される。従って、バンプの高さHは以下の式で与えられる。
H=d0+ΔT (2)
基板表面が光軸方向に急激に変化する場合がある。このような場合、オートフォーカス制御に遅延が生じ、測定誤差が生じるおそれがある。そこで、急激な変化に対応するため、バンプ頂部の変位量ΔTを基板表面の変位量ΔS用いて補正することができる。すなわち、第1の変位信号から基板表面の変位量ΔSを算出し、バンプ頂部の変位量ΔTに基板表面の変位量ΔSを加算する補正処理を行う。この場合、バンプの高さHは上記(2)式により与えられる。
図9は本発明による突起検査装置の信号処理装置の一例を示す図である。第1の測定系の照明ライン1による反射光を受光する第1のラインセンサ31から出力される出力信号を用いてバンプ検出を行う。すなわち、第1の検査ビームがバンプ上を走査すると最大輝度値が発生する。よって、ラインセンサ31の各受光素子から出力される出力信号を閾値比較することによりバンプを検出することができる。第1のラインセンサ31からの出力信号をバンプ検出手段60に供給し、閾値処理を行ってバンプを検出する。バンプが検出された際、受光素子のアドレスを含むバンプ検出信号を発生する。
第1の測定系の第2及び第3のラインセンサ32及び33の出力信号は第22の変位信号形成手段61に供給する。第2の変位信号形成手段61は、前述した信号処理を行って、第2の変位信号Δd2=(A−B)/(A+B)を形成する。尚、第2の変位信号形成手段61は、バンプ検出信号の入力に応じて信号処理を開始し、バンプ検出信号が入力した時点における第2及び第3のラインセンサからの出力信号を用いて処理が実行される。
第2の変位信号は変位量形成手段62に供給される。変位量形成手段62は、第2のメモリ63にアクセスする。第2のメモリ63には、検査に先立って取得された変位信号Δd2の値と光軸方向の変位量との関係を示す第2の基準データ記憶されている。よって、変位量形成手段62は、第2の基準データを参照してバンプ頂部の光軸方向の変位量ΔTを出力する。
次に、第2の測定系について説明する。第2の測定系の光検出手段(2次元センサ)47からの出力信号は、ライン像検出手段64に供給される。ライン像検出手段64は、2次元センサの受光素子から出力される出力信号の輝度値について閾値比較を行い、ライン像を形成する受光素子を検出すると共に、バンプから出射した反射光を受光した受光素子を選択的にマスクし、基板表面から出射した反射光だけによるライン像を形成する受光素子を選択的に検出する。そして、ライン像を形成する受光素子のアドレスないし分割線からの変位量を第1の変位信号形成手段65に供給する。尚、ライン像検出手段64は、バンプ検出信号の入力に応じて信号処理を開始し、バンプ検出信号が入力した時点における2次元センサ47からの出力信号を用いて処理が実行される。ライン像検出手段において、金属配線層の表面又はウエハ表面を基準面した場合、検出されたライン像を形成する受光素子からの出力信号について、さらに輝度値について閾値範囲を設定して閾値比較処理を行って、バンプから出射した反射光を選択的に除外することができる。
第1の変位信号形成手段65は、前述した信号処理を行って、第1の変位信号Δd1=(S1−S2)/(S1+S2)の値を算出する。算出された第1の変位信号は、第1の変位量形成手段66に供給する。
第1の変位量形成手段66は、第1のメモリ67にアクセスする。第1のメモリには、検査に先立って取得した変位信号Δd1の値と光軸方向の変位量との関係を示す第1の基準データが記憶されている。第1の変位量形成手段は、入力した変位信号の値について第1の基準データを参照して基板表面の変位量ΔSを出力する。
第1の変位信号はZステージ25を駆動するZステージドライバ用の駆動信号を形成する駆動信号形成手段68にも供給される。駆動信号形成手段は、オートフォーカス用の制御信号を形成する。すなわち、基板表面の変位量を示す変位信号に応じて、基板表面の変位量を減少させる制御信号を形成し、Zステージドライバ27に供給する。これにより、オートフォーカス制御が行われ、対物レンズ又は対物レンズの焦点と基板表面との間の距離が常時所定の値に維持される。
バンプ検出信号はアドレス情報形成手段69にも供給する。アドレス情報形成手段は、バンプが検出された時点のバンプのアドレスを形成する。すなわち、XYステージ24に連結されたエンコーダから出力されるXYアドレス情報とバンプ検出信号に含まれる受光素子のアドレス情報とを用いてバンプのアドレスを特定する。
基板表面の変位量を示す第1の変位量ΔS、バンプ頂部の変位量を示す第2の変位量ΔT、バンプのアドレスを示すアドレス情報及び検査に先立って計測したバンプの高さd0は、バンプ高さ情報形成手段70に供給する。バンプ高さ情報形成手段70は、バンプの高さHとして、検査に先立って計測したバンプ高さd0 にバンプ頂部の変位量ΔT及び基板表面の変位量ΔSを加算し、計測されたバンプの高さとする。また、計測されたバンプ高さにアドレス情報を対として付加し、バンプ高さ情報として出力する。或いは、高さ情報形成手段は、第1の変位量ΔSと第2の変位量ΔTとの加算値及びアドレス情報を含むバンプ高さ情報を出力してもよい。
バンプ高さ情報は、欠陥検出手段71に供給する。欠陥検出手段71は、計測されたバンプの高さを予め設定した閾値と比較し、閾値範囲を超える場合、当該バンプを欠陥として出力する。また、第1の変位量と第2の変位量との加算値(ΔS+ΔT)を閾値と比較し、閾値範囲を超える場合欠陥バンプと判定することもできる。
さらに、欠陥検出手段は、チィップ又はダイごとにバンプ検査を行い、検出されたバンプのアドレスを隣接するチィップ間でアドレス比較することによりバンプのミッシング情報(欠落情報)を出力することができる。すなわち、検出されたバンプのアドレスをダイごとに比較することにより、本来形成されるべきアドレスにバンプが形成されていないことを示すミッシングを検出することができる。この場合、バンプの基本アドレス情報を含むゴールデンダイを基準アドレスとし、基準アドレス(ゴールデンダイ)と検出されたバンプのアドレスとを比較してミッシング検査を行うこともできる。ミッシング情報は、ダイ又はチィップごとにミッシングの個数を計数して表示することができ。
或いは、(第1の変位信号Δd1と第2の変位信号Δd2とを加算した値を求め、値(Δd1+Δd2)をバンプ高さ情報として所定の閾値範囲と比較し、閾値範囲内の場合は良品バンプと判定し、閾値範囲から外れた場合欠陥バンプとして判定することも可能である。この場合、第1の変位信号形成手段及び第2の変位信号形成手段からの出力信号を欠陥検出手段に直接供給する。
或いは、第1の変位量Δd1からオートフォーカス用の制御信号を形成してオートフォーカス制御を行い、バンプ頂部の変位量を示す第2の変位量Δd2をバンプ高さ情報とし、第2の変位量Δd2を閾値範囲と比較し、閾値範囲内の場合は良品のバンプであると判定し、閾値範囲から外れた場合欠陥バンプであると判定することも可能である。この場合、第2の変位信号形成手段61からの出力信号を欠陥検出手段に直接供給して欠陥検出が行われる。
さらに、欠陥検出手段において、チィップ又はダイごとに欠陥の個数を計数し、ダイごとに欠陥数を表示することもできる。さらに、ダイごとに欠陥の種類と個数との組合せを求めて表示することもできる。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施例では、ステージ移動により対物レンズと試料との間の相対距離を制御したが、ステージを固定し対物レンズを光軸方向に移動することにより対物レンズと試料との間の距離を制御することも可能である。
1 基板
2 バンプ
3 ビームスプリッタ
4 対物レンズ
11 照明光源
12 光ファイバ
13 レンズ
14 視野絞り
15 ビームスプリッタ
16 レンズ
17 ガルバノミラー
18 第1のリレーレンズ
19 第2のリレーレンズ
20 偏光ビームスプリッタ
21 1/4波長板
22 対物レンズ
23 TSVウエハ
24 XYステージ
25 Zステージ
26 XYステージドライバ
27 Zステージドライバ
30 検出系
31,32,33 ラインセンサ
34,35 全反射ミラー
40 第2の測定系
41 レーザ光源
42 シリンドリカルレンズ
43 レンズ
44 ビーム位置調整手段
45 全反射ミラー
46 結像レンズ
47 光検出手段(2次元センサ)


Claims (16)

  1. 各種基板に形成された突起を検査する突起検査装置であって、
    突起が形成されている基板を支持するステージと、
    基板に形成された突起の頂部を検出する第1の測定系と、
    突起が形成されている基板の表面を検出する第2の測定系と、
    前記第1及び第2の測定系から出力される出力信号を用いて突起の高さ情報を出力する信号処理装置とを具え、
    前記第1の測定系は、第1の検査ビームを発生する第1の照明光源、及び、第1の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズを含む照明光学系と、突起の頂部で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する検出系とを有し、
    前記第2の測定系は、第2の検査ビームを発生する第2の照明光源と、第2の検査ビームを前記対物レンズの光路に結合する結合光学系と、基板表面で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する光検出手段とを含むことを特徴とする突起検査装置。
  2. 請求項1に記載の突起検査装置において、前記第1の測定系は、突起の頂部で反射した反射光の輝度値に基づいて突起の頂部の光軸方向の位置を検出し、前記第2の測定系は、基板表面で反射した反射光の空間的な変位量に基づいて基板表面の光軸方向の位置を検出することを特徴とする突起検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の突起検査装置において、前記信号処理装置は、前記第1の測定系の検出系から出力される出力信号を用いて突起の頂部の光軸方向の変位量を示す第1の変位信号を形成する第1の処理手段と、前記第2の測定系の光検出手段から出力される出力信号を用いて基板表面の光軸方向の変位量を示す第2の変位信号を形成する第2の処理手段とを有することを特徴とする突起検査装置。
  4. 請求項3に記載の突起検査装置において、さらに、前記対物レンズと基板との間の相対距離を制御する駆動手段を有し、
    前記第2の処理手段から出力される第2の変位信号を用いて、前記駆動手段を制御する制御信号が形成され、この制御信号により前記対物レンズと基板との間の距離が所定の値に維持されるように自動的に制御されることを特徴とする突起検査装置。
  5. 請求項3又は4に記載の突起検査装置において、さらに、前記信号処理装置は、前記第1の処理手段から出力される第1の変位信号と第2の処理手段から出力される第2の変位信号とを加算する加算手段を有し、加算手段から出力される信号に基づいて突起の高さ情報を出力することを特徴とする突起検査装置。
  6. 請求項5に記載の突起検査装置において、前記第1の処理手段から出力される第1の変位信号は、第2の処理手段から出力される第2の変位信号を用いて補正されることを特徴とする突起検査装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の突起検査装置において、前記第1の測定系の照明光学系は、照明光源と、照明光源から出射した光ビームから前記第1の方向にそって延在し、互いに平行な第1〜第3のライン状の検査ビームを形成する手段と、3本の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズとを含み、
    前記検出系は、前記第1の方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、前記第1〜第3の検査ビームによりそれぞれ形成されると共にバンプの頂部でそれぞれ反射した第1〜第3の反射光を結像レンズを介して受光する第1〜第3のラインセンサを含み、第1のラインセンサは前記結像レンズの合焦点位置に配置され、第2のラインセンサは合焦点位置よりも対物レンズに近い側の前ピン位置に配置され、第3のラインセンサは合焦点位置よりも対物レンズから遠い側の後ピン位置に配置され、
    前記信号処理装置は、前記第1のラインセンサからの出力信号を用いてバンプを検出すると共に検出されたバンプのアドレスを特定し、前記第2及び第3のラインセンサからの出力信号を用いて、検出されたバンプの頂部の光軸方向の変位量を検出することを特徴とする突起検査装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の突起検査装置において、前記第2の測定系において、前記第2の照明光源と結合光学系との間に、第2の照明光源から出射した光ビームをライン状の検査ビームに変換する手段が配置され、
    前記第2の測定系の光検出手段は、複数の受光素子が2次元アレイ状に配列された2次元センサにより構成され、
    前記2次元センサ上には、基板表面からの反射光によるライン状のライン像が形成され、当該ライン像の移動量に基づいて基板表面の光軸方向の変位量が求められることを特徴とする突起検査装置。
  9. 請求項8に記載の突起検査装置において、前記2次元センサには、ライン状ライン像の延在方向と平行に延在し、2次元センサの受光エリアを第1及び第2の受光エリアに分割する分割線が規定され、前記ライン状のライン像は、基板表面の変位に応じて分割線と直交する方向に変位することを特徴とする突起検査装置。
  10. 請求項8又は9に記載の突起検査装置において、前記信号処理装置は、2次元センサの各受光素子から出力される出力信号の輝度値又は強度値について閾値比較処理を行い、閾値以下又は閾値を超える輝度値又は強度値の出力信号を選択的に除外し、残りの受光素子からの出力信号を用いて第2の変位信号を形成することを特徴とする突起検査装置。
  11. 請求項9又は10に記載の突起検査装置において、前記信号処理装置は、前記第1及び第2の受光エリアについて、所定の閾値を超える輝度値を出力する受光素子の数S1及びS2を計測する手段、及び計測された受光素子数の差分値(S1−S2)を算出する手段を有し、算出された差分値(S1−S2)又は(S1−S2)/(S1+S2)に基づいて基板表面の光軸方向の変位量が形成されることを特徴とする突起検査装置。
  12. 請求項9、10又は11に記載の突起検査装置において、前記2次元センサには、前記分割線からその延在方向と直交する方向に受光素子数だけ変位した位置に閾値ラインが設定され、当該閾値ラインを超える位置の受光素子からの出力信号は測定対象から除外することを特徴とする突起検査装置。
  13. TSVウエハに形成されたバンプの高さを検査するバンプ検査装置であって、
    バンプが形成されているTSVウエハを支持するステージと、
    TSVウエハに形成されたバンプの頂部を検出する第1の測定系と、
    バンプが形成されているウエハ表面を検出する第2の測定系と、
    前記第1及び第2の測定系から出力される出力信号を用いてバンプの高さ情報を出力する信号処理装置とを具え、
    前記第1の測定系は、第1の検査ビームを発生する第1の照明光源、及び、第1の検査ビームを基板表面に対して垂直に投射する対物レンズを含む照明光学系と、バンプの頂部で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する検出系とを有し、
    前記第2の測定系は、第2の検査ビームを発生する第2の照明光源と、第2の検査ビームを前記対物レンズの光路に結合する結合光学系と、基板表面で反射した反射光を前記対物レンズを介して受光する光検出手段とを含み、
    前記信号処理装置は、前記第1の測定系の検出系から出力される出力信号を用いてバンプの頂部の光軸方向の変位量を示す第1の変位信号を形成する第1の処理手段と、前記第2の測定系の光検出手段から出力される出力信号に基づいてウエハ表面の光軸方向の変位量を示す第2の変位信号を形成する第2の処理手段とを有することを特徴とするバンプ検査装置。
  14. 請求項13に記載のバンプ検査装置において、さらに、前記対物レンズと基板との間の相対距離を制御する駆動手段を有し、
    前記第2の処理手段から出力される第2の変位信号を用いて前記駆動手段を制御する制御信号が形成され、前記対物レンズとウエハ表面との間の距離が常時一定値に維持されるように自動的に制御されることを特徴とするバンプ検査装置。
  15. 請求項13又は14に記載のバンプ検査装置において、前記信号処理装置は、検出されたバンプの高さ情報を閾値と比較し、閾値範囲から外れたバンプを欠陥バンプと判定する欠陥検出手段を有することを特徴とするバンプ検査装置。
  16. 請求項13から15までのいずれか1項に記載のバンプ検査装置において、前記第1の測定系はバンプを検出するバンプ検出手段を有し、前記信号処理装置は検出されたバンプのアドレスを特定する手段を有し、
    前記信号処理装置は、検出されたバンプのアドレス情報を用いてバンプの欠落を示すミッシング情報を出力することを特徴とするバンプ検査装置。


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